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特許7436177車両を自動運転モードから手動運転モードに切り換える場合および/または切り換える前に車両の座席装置の位置を調整するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】車両を自動運転モードから手動運転モードに切り換える場合および/または切り換える前に車両の座席装置の位置を調整するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20240214BHJP
   B60N 2/22 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
B60N2/90
B60N2/22
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019192560
(22)【出願日】2019-10-23
(65)【公開番号】P2020075711
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】10 2018 218 192.6
(32)【優先日】2018-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100147991
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス・フォルティン
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/011866(WO,A1)
【文献】特開2017-206153(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0244174(US,A1)
【文献】特開2017-197151(JP,A)
【文献】特開2015-175824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/90
B60N 2/22
B60W 30/182
B60W 40/04
B60W 50/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(100)を自動運転モードから手動運転モードに切り換える場合および/または切り換える前に、車両(100)の座席装置(110)の位置を調整する方法(200)において、
該方法(200)が
確率値(180)を使用して移行信号(160)を決定する決定ステップ(220)であって、前記確率値(180)が、前記自動運転モードから前記手動運転モードへの前記車両(100)の自発的な切換の確率に関する情報を表し、前記確率値(180)は、前記車両(100)の環境センサ(125)またはカメラユニット(130)の故障の確率に依存する、ステップと、
前記移行信号(160)および位置信号(155)を使用して、車両(100)の座席装置(110)とのインターフェイス(150)に調整信号(145)を供給する供給ステップ(210)であって、調整信号(145)が、座席位置の快適位置(124)から直立位置(122)への変更を誘起し、移行信号(160)が、車両(100)の自動運転モードから手動運転モードへの目前に迫る移行を示すか、または表し、位置信号(155)が座席装置(110)の位置を示すか、または表し、位置信号(155)が快適位置(124)を示すか、または表す場合には調整信号(145)の供給ステップ(210)を行い、および/または位置信号(155)が直立位置(122)を示すか、または表す場合には、供給ステップ(210)を行わない、供給ステップ(210)と、および/または
位置信号(155)が直立位置(122)を示すか、または表す場合には、移行信号(160)に応答して、乗員による直立位置(122)から快適位置(124)への調整を遮断する遮断信号(175)を供給する供給ステップと、
を含む、方法(200)。
【請求項2】
請求項1に記載の方法(200)において、
前記移行信号(160)を決定する決定ステップ(220)はさらに、前記車両(100)が前記自動運転モードから前記手動運転モードに切り換えられるまでに残された時間および/または残された運転距離に関する情報を表す前記確率値(180)を使用する、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法(200)において、
前記決定ステップ(220)で、前記車両(100)の環境センサ(125)とのインターフェイスを介して受信される環境信号(185)を使用して前記移行信号(160)を決定し、環境信号(185)が気象変化および/または時刻変化を表す場合に前記調整信号(145)を供給する供給ステップ(210)を行い、このような変化に基づいて自動運転モードから手動運転モードへの車両(100)の切換を行う、方法。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法(200)方法において、
前記決定ステップ(220)で、インターフェイスを介して受信される比較信号(190)を使用して移行信号(160)を決定し、特に、比較信号(190)が、前記車両(100)の走行方向と太陽位置との比較を表し、比較信号(190)が、自動運転モードから手動運転モードへの前記車両(100)の切換を引き起こす特徴的な照明条件で車両(100)が走行していることを表す場合に前記調整信号(145)を供給する供給ステップ(210)を実施する、方法。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法(200)において、
前記供給ステップ(210)で、別の座席装置(115)の位置の変更が制御されるように前記調整信号(145)の供給を行い、供給ステップ(210)で、前記車両(100)内の別の座席装置(115)の座席占有を示すか、または表す座席占有信号(165)を使用して調整信号(145)をさらに供給する、方法。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法(200)において、
前記調整信号(145)を供給する前記供給ステップ(210)で、衝突信号(195)を使用してさらに供給を行い、衝突信号(195)が前記車両(100)のおそらく差し迫っている事故状況を示すか、または表し、この事故状況に基づいて、自動運転モードから手動運転モードへの車両(100)の切換を行う、方法。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法(200)において、
前記供給ステップ(210)で、前記車両(100)の現在の自動運転プロセスの完了を示すか、または表す終了信号(170)に応答して前記調整信号(145)を供給する、方法(200)。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法(200)において、
快適位置(124)から直立位置(122)に変更するために、前記調整信号(145)を使用して座席装置(110,115)の機械的な固定および/または電気機械的な調整ユニットを解除する解除ステップ(230)を含む方法。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法(200)において、
前記供給ステップ(210)で、ステアリング装置、内部ミラー、サイドミラー、ホルダ、および/または車両内部テーブルの位置の変更を行うように前記調整信号(145)を供給する、方法(200)。
【請求項10】
請求項に記載の方法(200)の前記供給ステップ(210)、前記決定ステップ(220)、および前記解除ステップ(230)を、対応する装置(135,140)で実施および/または制御するように構成された装置(105)。
【請求項11】
請求項に記載の方法(200)の前記供給ステップ(210)、前記決定ステップ(220)、および前記解除ステップ(230)を、対応する装置(135,140)で実施および/または制御するように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のコンピュータプログラムが保存されている機械可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項の前提部分に記載の装置または方法に関する。本発明の主題は、コンピュータプログラムでもある。
【背景技術】
【0002】
車両は、電気式に、または手動で調整することができる座席装置を有し、座席装置の座席装置の位置は、車両乗員を保護するために事故リスクに応じて調整することができる。
【発明の概要】
【0003】
この背景に対して、本明細書に提示されるアプローチでは、独立請求項に記載の、車両を自動運転モードから手動運転モードに切り換える場合および/または切り換える前に車両の座席装置の位置を調整する方法、さらに、この方法を使用する装置、ならびに対応する1つのコンピュータプログラムが最後に提示される。従属請求項に列挙する手段によって、独立請求項に記載の装置の有利な構成および改良が可能である。
【0004】
本明細書で提示される方法は、例えば車両センサの故障および/または差し迫った事故リスクに起因して、車両を自動運転モードから手動運転モードに切り換える場合および/または切り換える前に、座席装置の位置を快適位置から直立位置に調整し、座席装置の位置を調整することによって車両運転者が運転タスクを迅速かつ確実に引き継ぎ、車両を安全に案内することを可能にし、これにより、これにより乗員の負傷のリスクを最小限に抑え、交通の安全性を高めることができる。
【0005】
車両を自動運転モードから手動運転モードに切り換える場合および/または切り換える前に、車両の座席装置の位置を調整する方法が提示され、この方法は少なくとも次のステップ:
移行信号および位置信号を使用して、車両の座席装置とのインターフェイスに調整信号を供給する供給ステップであって、調整信号は、座席装置の位置の快適位置から直立位置への変更を誘起し、移行信号は、車両の自動運転モードから手動運転モードへの目前に迫る移行を示すか、または表し、位置信号は座席装置の位置を示すか、または表し、位置信号が快適位置を示すか、または表す場合には調整信号の供給が行われ、および/または位置信号が直立位置を示すか、または表す場合には、供給は行われない供給ステップ、および/または位置信号が直立位置を示すか、または表す場合には、移行信号に応答して乗員による直立位置から快適位置への調整を遮断する遮断信号を供給する供給ステップを含む。
【0006】
座席装置の位置の調整によって座席装置を直接的に適合することに加えて、座席装置の位置は、付加的または代替的に、運転者および/または他の乗員に座席を調整するように求める光学的、音響的および/または触覚的な情報を運転者に与えることもできる。座席装置の位置を自動的に直接に適合する代わりに、運転者および/または乗員によって座席装置の位置の調整を間接的に行うこともできる。一方では、この解決策は安価であり、他方では、運転者および/または乗員は、座席装置の位置を自分にとって理想的な時点で適合させることができる。さらに座席の調整を切換の一部とすることも可能である(すなわち、まず座席が適切な位置にもたらされ、次いで、切換の一部として引渡しが行われる)。しかしながら、調整は行うが、引渡しは行わないことも可能である。必要に応じて座席の遮断のみを行うこともできる。したがって、自動的に直立させる代わりに、直立するよう乗員に情報を与えることも可能である。例えば、このような場合、リクライニング位置の方向への座席の調整は遮断されていてもよいし、または遮断することができる。
【0007】
車両は、乗用車、例えば高度自動運転車であってもよい。乗員は、車両運転者、運転助手、または車両の他の同乗者(すなわち、車両乗員)であってもよい。座席装置は、例えば、調整可能な座席および/または車両のシートであってもよい。自動運転モードは、例えば、運転者支援システムが所定の運転操作をほぼ完全に、または完全に行う車両の運転モードとして理解することができる。したがって、車両は、例えば、高速道路の走行時に、追い越し操作および車をよける操作を含む全ての制御を引き受ける。このために、例えば、車両は、車両の環境と通信し、他の車両と通信することができる。支援された運転モードでは、運転者は緊急時に介入することができるように、道路で起こっていることに常に注意を払わなければならない。自動運転モードでは、運転者は、一時的に他の事柄に対処することができ、例えば10秒以内に、求められた後にのみ車両制御を再び引き受けるために介入すればよい。運転者が車両に運転タスクを引き渡している時間には、運転者は、他の事柄に対処することができるか、またはより快適な座席位置もしくは座席装置の位置に移動することができる。手動運転モードは、手動案内、例えば、車両運転者による車両の縦方向および横方向案内を意味するものとして理解することができる。調整信号は、車両の座席装置の位置の好ましい変更に関する情報を含むことができる。調整信号を用いて、例えば、電気制御式の座席調整を誘起することができる。直立位置では、乗員は座席装置に直立して座ることができ、快適位置では、乗員は、例えば、座席装置内で横たわることができる。位置信号は、例えば、座席装置の背もたれの角度位置を示すことができる。
【0008】
車両の自動運転モード、例えばレベル3の高度自動運転では、車両運転者は、例えば10秒のあらかじめ設定された期間内に車両または運転タスクを引き受けられる望ましい。これは特に、例えば、高速道路を離れる場合に自動運転モードが終了した場合、および/または、例えば、不都合な環境条件により運転者支援システムが故障した場合である。車両運転者が常に、すなわち、自動運転モード中にも車両の案内または制御に責任を持つことも可能である。理想的には、車両運転者は常に、道路交通の異なる状況に安全かつ快適に対応することができる座席位置にいる。例えば、最適な操舵および/また車両のペダル操作のためには、車両運転者が座る座席装置が、操舵装置およびペダルに対して人に応じた距離および角度を有する直立した座席位置が有利である。部品が故障した場合に運転者が快適位置にいる場合、運転者は、手動運転のために必要とされる直立した座席位置もしくは座席装置の位置にもたらされなければならない。同時に、運転者は、自動運転中に他の事柄に対処していて観察していなかった交通状況に順応しなければならない。
【0009】
現在、自動運転では、例えば、車両運転者にとって快適でリラックスした位置に座席装置の位置を調整することは不可能である。例えば、車両の自動運転モードが起動されるとすぐに、座席装置は調整オプションを制限することができる。概念研究は、車両運転者が自動運転操作中に、直立位置とは異なる座席位置または座席装置の位置に座ることができることを示している。車両の自動運転中に車両運転者の希望に応じてより快適に座ることができることは明らかに競争上の利点であろう。車両の自動運転モード中に座席位置または座席装置の位置の調整を一律に禁止する製造業者は、エンドユーザにとって魅力が少ないという欠点を有する。
【0010】
たがって、本明細書に提示するアプローチの利点は、特に、自動運転において、確保される価値のあるできるだけ多くの座席自由度を車両運転者に与えることが可能なことである。座席位置を直立位置から快適位置に調整できることは、エンドユーザが受ける制限が少ないので、エンドユーザにとって魅力的である。この場合、自動運転モードにおける座席自由度の確保が可能となり、自動運転モードから手動運転モードに車両が切り換えられる場合に、例えばセンサの故障および/または差し迫った事故の危険性に起因して、車両運転者が運転タスクを迅速かつ確実に引き受け、車両を安全に案内できる位置にいるように、車両運転者および/または車両の他の乗員の座席位置が調整され、これにより乗員の負傷の危険性を最小限に抑え、交通の安全性を高めることができる。
【0011】
一実施形態によれば、この方法は、移行信号を決定する決定ステップを含むことができ、移行信号は確率値を使用して決定される。この場合、確率値は、自動運転モードから手動運転モードへの車両の自発的な切換の確率に関する情報、および/または車両が自動運転モードから手動運転モードに切り換えられるまでに残された時間および/または残された運転距離に関する情報を表す。自動運転モードから手動運転モードへの車両の自発的および/または計画外の切換は、例えば、運転者支援システムの車両センサが故障した場合および/または車両センサからエラーが報告された場合に行われることがあり、これにより、もはや車両の運転タスクの自動的な実施を許可することができず、状況によっては事故の危険性が高まることもある。このように、ここに提示したアプローチのこのような実施形態は、確率値によって車両の前もって移動することが可能になり、車両運転者は、運転タスクの引き受けるために十分に準備することができるという利点をもたらす。上述の故障は、例えばケーブルの破損による構成要素の完全な故障だけでなく、センサの機能が原則的にはまだ提供されているが、もはや望ましい水準に達していない部分的な故障として理解することができる。これは、例えば、環境センサが、凍結および/または汚染により少なくとも部分的に「曇っている」場合、すなわち、もはや測定されるべき物体を妨げられることのない清浄な状態で測定できる程には良好ではない場合である。センサの汚染、凍結、または曇りは徐々に起こることがあり、これを測定し、評価することができる。測定結果から、いつ測定の水準がもはや十分ではなくなったかを決定することができ、これは、例えば自動運転などの特定の機能に関するセンサの故障ともいえる。同様に(ナビゲーション)地図は、位置決めセンサと組み合わせてセンサとして理解することができ、同様に自車両の周囲の他の車両からの情報をもたらす。故障は、直接的に環境センサ(例えばレーダ、カメラ)の故障を意味するだけでなく、例えば、必要な情報をもはや完全に/正確に受信することができなくなる通信装置の故障をも意味することがある。これは、例えば、凍結または大気の妨害が生じた場合である。
【0012】
別の実施形態によれば、決定ステップでは、車両の環境センサとのインターフェイスを介して受信される環境信号を使用して移行信号を決定することもでき、調整信号を供給する供給ステップは、環境信号が気象変化および/または時刻変化を表す場合に行われ、このような変化に基づいて自動運転モードから手動運転モードへの車両の切換が行われる。この場合、車両の環境センサは天候変化を観察することができ、例えば、暴風の接近、吹雪、雨および/または霧の場合には、車両の自動運転モードの安全な実施を制限することができ、座席装置は直立位置に調整され、および/または乗員による快適位置への座席位置の調整は制限される。
【0013】
例えば、パッシブカメラシステムの機能が夜間には損なわれるので、オートパイロットが昼中にしか運転タスクを実施することができない場合には、座席位置は夕暮れ時には直立位置に調整され、および/または乗員による快適位置への座席位置の調整が制限される。ここに提示したこのような実施形態は、天候および/または時刻に基づいて車両を自動運転モードから手動運転モードに切り換える場合に、車両運転者が、座席位置の調整によって、運転タスクを迅速かつ確実に引き受け、車両を安全に案内することが可能となるという利点を有する。この場合、例えば地図として、車両に対して直接的に、または事故確率マップ、摩擦値マップおよび/または気象マップを介して間接的に、気象条件および/または時刻に基づいて車両を自動運転モードから手動運転モードへの切換を求めることも可能である。
【0014】
この場合、「環境センサ」は、「古典的な」環境センサ、例えば、レーダ、ビデオ、超音波、またはライダセンサだけでなく、例えば、「仮想センサ」を実現する信号、および、例えば、無線を介して、例えば、気象マップ、交通無線、悪天候警告、他の交通利用者の情報、例えば、他の交通利用者による環境の評価、摩擦値マップ、位置信号(間接的に、またはGPSの場合のような高精度の時刻との所要時間差によって直接的に)、および/または時計の時刻または時刻情報を送信することもできる。
【0015】
さらに、一実施形態によれば、決定ステップでは、(例えば、車両のカメラユニットとの)インターフェイスを介して受信される比較信号を使用して移行信号を決定することもでき、特に、比較信号は、車両の走行方向と太陽位置との比較を表し、調整信号を供給する供給ステップは、比較信号が、自動運転モードから手動運転モードへの車両の切換を引き起こす特徴的な照明条件で車両が走行していることを表す場合に実施される。この場合、特徴的な照明条件として、例えば、カメラユニットの検出性能の劣悪化をもたらす恐れがある太陽の低い位置を定義することができる。車両が太陽に向かって走行し、かつ/または太陽が少なくとも1つのカメラの視野に入るよう走行した場合にはすぐに座席装置を直立位置に調整し、かつ/または乗員による快適位置への座席位置の調整を制限することができる。夕暮れ時にも同様の手順をとることができる。したがって、パッシブカメラシステムの検出性能は、例えば、車両の進行方向に依存しており、照明条件は、例えば、太陽が沈む方向に車両を運転する場合には反対方向に運転する場合よりも有利である。この場合、他の交通利用者を検出するための明るさが必要不可欠である。
【0016】
このように、ここに提示したアプローチのこのような実施形態は、照明条件に基づいて車両を自動運転モードから手動運転モードに切り換える場合に、車両運転者が、自分の座席位置の調整によって運転タスクの迅速かつ確実に引き受け、車両を安全に案内することが可能となるという利点をもたらす。この分野では、マップおよび/またはコンパスによる解決策も可能である。
【0017】
地図上のどの地点にいるのかがわかっている場合には、現在および将来の方位を決定することもできる(現在のナビゲーション装置では既に行われている)。比較信号は、カメラシステムが搭載されており、太陽がカメラの画像内に入るように車両を移動させる場合に特に関連する。原則として、この場合には走行方向のカメラであるが、ここで提示したアプローチはこのようなカメラに制限されていない。方位をカメラによって検出しなくてもよい。したがって、比較信号は、カメラユニットから来る必要があるだけでなく、例えば衛星ナビゲーション機器または他の位置特定オプション、または実際の、および予想される走行方向の周囲の電子コンパスと組み合わせて、地図データを介して比較信号を決定し、読み込むことができる実施形態も可能である。太陽の位置は、例えば、衛星航法、電波時計、車両時計、または地球の位置と組み合わせた専用のリアルタイム時計を介して、時計の時刻から決定することができる。これに対して、カメラによって、いつ深刻な障害が生じたかをセンサデータから直接に決定することもできる。
【0018】
一実施形態によれば、調整信号を供給する供給ステップは、車両の少なくとも1つの別の座席装置の座席位置の変更が制御されるように行ってもよく、供給ステップでは、座席占有信号を使用して調整信号がさらに供給され、座席占有信号は、車両内の別の座席装置の座席占有を示すか、または表す。ここに提示したアプローチのこのような実施形態は、例えば、事故の危険性が差し迫っている場合に、座席装置およびヘッドレストの保護効果を最適に発揮することができる運転助手の座席装置の位置も快適位置から直立位置に調整されるという利点を有する。
【0019】
別の実施形態によれば、調整信号を供給する供給ステップにおいて、衝突信号を使用してさらに供給を行うことができ、衝突信号は車両の(おそらく)差し迫っている起こり得る事故状況を示すか、または表し、この事故状況に基づいて、自動運転モードから手動運転モードへの車両の切換を行うか、または切換を続けることができる。この場合、実際の切換を必ずしも行う必要はない。乗員が、より直立した座席位置もしくはより直立した座席装置の位置にもたらされれば十分であり、したがって、すでに引渡しの準備をしているともいえる。このようにして、調整信号および/または衝突信号によって、ここに提示した方法を実施するシステムが「注意喚起位置」にもたらされ、この位置では、車両乗員は座席装置の最適な座席位置または座席装置の位置におり、したがって、起こり得る事故に対して良好に準備ができている。ここに提示されるアプローチのこのような実施形態は、車両の事故リスクが高い場合には、もはや乗員および/または車両の乗員に対して直立した座席位置または座席装置の位置よりも潜在的に高い負傷リスクがあり得る快適位置に車両の座席装置を調整することができないという利点を有する。このように、事故の危険性に応じて可能な座席位置または座席装置の位置を制限することによって、車両の乗員の負傷リスクを制限することができる。
【0020】
さらに、本明細書に提示されるアプローチのこのような実施形態は、事故の危険性が増大した場合に、車両の一人の乗員および/または複数の乗員が、例えば、特に衝突試験によって確認されており、かつ/または特に安全であると仮定できる位置にもたらされるように、特に座席装置の位置をさらに調整することができるという利点を提供する。
【0021】
別の実施形態では、供給ステップで、車両の現在の自動運転プロセスの完了を示すか、または表す終了信号に応答して調整信号を供給することができる。したがって、車両が、例えば、オートパイロットによって通行可能な範囲の終点および/または、通行可能なセクションの終点に到着した場合には、自動運転モードから手動運転モードに車両が切り換えられる場合がある。これは、例えば、高速道路オートパイロットが高速道路出口に近づいている場合、および/または、車両が通行不能な建設現場に近づいている場合であってもよい。したがって、本明細書に提示した方法のこのような実施形態は、車両を自動運転モードから手動運転モードに切り換える場合に、座席位置または座席装置の位置の調整によって、車両運転者が、運転タスクを迅速かつ確実に引き受け、車両を安全に案内することが可能であるという利点をもたらす。
【0022】
一実施形態によれば、方法は、快適位置を直立位置に変更するために、調整信号を使用して座席装置の機械的な固定および/または電気機械的な調整ユニットを解除する解除ステップを含むことができる。この場合、機械的な固定の解除は、例えば火工技術によってトリガされ、これにより、手動でも調節可能な座席を快適な位置から直立した位置にももたらすことが可能である。別の実施形態では、できるだけ快適な可能な調整が行われるように、座席は電気機械的に調整される。これは、特に、例えば、ゆっくりとした着氷によりセンサ測定データが徐々に劣悪化した場合など、特に迅速な反応が必要でない場合に可能である。このようにして、衝撃的な動きを回避することができる。機械的な固定の解除は、座席装置の電気機械的な移動をとして理解することもでき、座席位置は、新たな位置、特に直立位置に到達するように前もって解除される。電動モータが既に車両に設置されており、したがって、調整が安価に達成されるので、座席の移動を電動モータによって行うことも可能である。ここで提示したアプローチのこのような実施形態は、特に運転者の迅速な対応を必要とする重大な状況において、座席位置もしくは座席装置の位置の単純で迅速な調整が実現可能であるという利点を有する。
【0023】
別の実施形態によれば、移行信号に応答して供給する供給ステップにおいて、位置信号が直立位置を示すかまたは表す場合に、乗員による直立位置から快適位置への調整を遮断する遮断信号を出力することもできる。この場合、例えば、自動運転モードから手動運転モードに車両を切り換える前に既に装置の調整経路を制限することができる。したがって、例えば、切換を行う1/2分前に座席装置を快適位置から直立位置に調整することができる。例えば、座席装置が既に直立位置にある場合には、切換が行われる1分前に、乗員が座席装置を直立位置から快適位置に遮断することもできる。本明細書で提示するアプローチのこのような実施形態は、例えば、特に乗員自身による座席装置の位置の軽率な調整が防止され、車両センサの故障の確率および/または事故リスクに依存して座席装置の可能な位置を制限することによって、車両の乗員の負傷リスクを低減できるという利点を有する。
【0024】
車両を自動運転モードから手動運転モードに切り換える確率の関数として能動的なリセットと快適位置の遮断とを区別することは同様に有利である。したがって、車両運転者は、例えば、切換確率が低い場合には自分にとって快適な快適位置にいることができる。しかしながら、切換確率が高くなった場合には、直立位置から快適位置への調整が防止されるか、もしくは快適位置から直立位置への調整のみが許可される。危機的な状況により、既に必然的に車両を自動運転モードから手動運転モードに切り換えなければならない場合には、車両運転者はゆっくりと快適に直立位置にもたらされる。したがって、自動運転モードから手動運転モードへ車両が急激に切り換得られる場合に、快適位置にあった座席装置の位置の調整を遅滞なく複雑な操作なしに行うことができる。
【0025】
最後に、一実施形態によれば、供給ステップにおいて、ステアリング装置、内部ミラー、サイドミラー、ホルダ、および/または車両内部テーブルの位置の変更を行うように調整信号を供給することも可能である。したがって、物体、例えば、モバイル機器または書籍を固定するためのホルダを設置することが可能である。ここに提示するアプローチのこのような実施形態は、ここに提示するアプローチが、自動運転の分野における多様な適用性を可能にするという利点を有し、車両を自動運転モードから手動運転モードに自発的に切り換える場合に、座席装置の位置の調整に加えて、ステアリング装置、内部ミラー、サイドミラー、ホルダ、および/または車両内部テーブルの位置を変更することによって、車両運転者が、座席装置の位置の調整に加えて、運転タスクを迅速かつ確実に引き受け、車両を安全に案内することが可能になる。
【0026】
車両を自動運転モードから手動運転モードに切り換える場合に車両の座席装置の位置を調整するための本明細書で提示する方法は、例えば、ソフトウェアもしくはハードウェアで、またはソフトウェアとハードウェアとの混合形式で、例えば制御ユニットで実施することができる。
【0027】
本明細書で提示するアプローチは、さらに、対応する装置において車両を自動運転モードから手動運転モードに切り換える場合および/または切り換える前に、車両の座席装置の位置を調整するためのここに提示する方法の一実施形態のステップを実施、制御、もしくは変更するように構成された装置を提供する。装置の形式の本発明のこの実施形態によっても、本発明の基礎をなす課題を迅速かつ効率的に解決することができる。
【0028】
このために、車両を自動運転モードから手動運転モードに切り換える場合に車両の座席装置の位置を調整するための装置は、信号またはデータを処理するための少なくとも1つの計算ユニット、信号またはデータを記憶するための少なくとも1つのメモリユニット、センサまたはアクチュエータとの少なくとも1つのインターフェイスであって、センサのセンサ信号を読み取り、データまたは制御信号をアクチュエータに出力するためのインターフェイス、および/または通信プロトコルに埋め込まれたデータを読み取るか、または出力するための少なくとも1つの通信インターフェイスを備えていてもよい。計算ユニットは、例えば、信号プロセッサ、マイクロコントローラなどであってもよく、メモリユニットは、フラッシュメモリ、EEPROM、または磁気メモリユニットであってもよい。通信インターフェイスは、データを無線および/または有線で読み取るか、または出力するように設計することができ、優先のデータを読み取るか、または出力することができる通信インターフェイスは、例えば、対応するデータ伝送ラインからこれらのデータを電気的もしくは光学的に読み取るか、または対応するデータ伝送ラインに出力することができる。
【0029】
この場合、装置は、ここではセンサ信号を処理し、センサ信号の関数として制御信号および/またはデータ信号を出力する電気機器として理解することができる。装置は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアに関して構成されたインターフェイスを備えていてもよい。ハードウェアに関して構成されている場合、インターフェイスは、例えば、装置の種々異なる機能を含む、いわゆる「システムASIC」の一部であってもよい。しかしながら、インターフェイスは固有の集積回路であるか、または少なくとも部分的に個別の構成部材からなっていることも可能である。ソフトウェアに関して構成されている場合には、インターフェイスは、例えば、他のソフトウェアモジュールと共にマイクロコントローラに設けられているソフトウェアモジュールであってもよい。
【0030】
機械読取り可能な担体またはメモリ媒体、例えば半導体メモリ、ハードディスクメモリ、または光学メモリなどに保存されていてもよいプログラムコードを備えるコンピュータプログラム製品またはコンピュータプログラムであって、特にプログラム製品またはプログラムがコンピュータまたは装置で実行された場合に上記いずれか1つの実施形態にしたがって方法ステップを実施、変更および/または制御するために使用されるプログラムコードを備えるコンピュータプログラム製品またはコンピュータプログラムも有利である。
【0031】
ここで提示するアプローチの実施形態を図面に示し、以下の説明においてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】一実施形態による車両を自動運転モードから手動運転モードに切り換える場合に、車両の座席装置の位置を調整するための装置を有する車両を示す概略図である。
図2】一実施形態による車両を自動運転モードから手動運転モードに切り換える場合および/または切り換える前に、車両の座席装置の位置を調整するための方法の実施形態を示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下の本発明の好ましい実施形態の説明では、様々な図面に示した同様に作用する要素には同じか、または同様の符号を使用し、これらの要素については繰返し説明しない。
【0034】
図1は、一実施形態による、自動運転モードから手動運転モードに車両100を切り換える場合に、車両100の座席装置110の位置を調整するための装置105を有する車両100の概略図を示す。
【0035】
車両100は、一例として、第1の座席装置110およびさらに別の座席装置115を含む。この場合、第1座席装置110および別の座席装置115のそれぞれの背もたれ120は、少なくとも2つの位置にロックすることができる。第1の座席装置110および/または別の座席装置115は、初期位置が、快適位置と直立位置との間に位置する第3の位置にあるように構成されていることも可能である。快適位置が遮断されている場合には、乗員は座席を直立位置に近づけることはできるが、快適位置に移動することはできない。ロックは、(いわば)無段階式の調整を行うことができる連続的な調節可能性として理解することができる。
【0036】
一例として、第1の座席装置110および別の座席装置115は直立位置122を有し、第1の座席装置110の破線で示した状態は、第1の座席装置110の背もたれ120がリクライニング位置に調整されている例示的な快適位置124を示す。自動運転モードから手動運転モードに車両100を切り換える場合に乗員を最適に支援するために、特に自動運転モードから手動運転モードに切り換える前に座席装置の位置の変更を行うことができる。このために、車両100は、自動運転モードから手動運転モードに切り換えられる場合に車両100の座席装置の位置を調整するための装置105を車両内部に備える。一実施形態によれば、車両100にはさらに少なくとも1つの環境センサ125および少なくとも1つのカメラユニット130が配置されている。切換準備の範囲で、乗員が直立位置にもたらされることもさらに可能であるが、極端な場合には車両は目的地に到達するまで依然として極めて長時間にわたって自動運転モードで運転され、乗員は介入する必要がない。
【0037】
一実施形態によれば、装置105は、決定装置135および供給装置140を有する。供給装置140は、この場合には例えば第1の座席装置110および別の座席装置115とのそれぞれ1つのインターフェイス150に調整信号145を供給するように構成されており、調整信号145によって座席装置の位置の変更が行われる。調整信号145を用いて、特に、例えば、第1の座席装置110の背もたれ120が、例えばリクライニングした快適位置124から直立位置122にもたらされるように、第1の座席装置110を制御することができる。このために、例えば、第1座席装置110のアクチュエータを作動して背もたれ120を調整する。さらに供給装置140は、第1の座席装置110および第2の座席装置115から供給される位置信号155と、決定装置135から供給される移行信号160とを受信し、位置信号155および移行信号160を使用して調整信号145を供給するように構成されている。
【0038】
さらに供給装置140は、車両100の内部の別の座席装置115の座席占有を示すか、または表す座席占有信号165に応答して少なくとも別の座席装置115の位置の変更が制御されるように、調整信号145を供給するように構成されている。
【0039】
さらに供給装置140は、車両100の現在の自動運転プロセスの完了を示すか、または表す終了信号170に応答して調整信号145を供給するように構成されている。したがって、終了信号170は、例えば、車両100の運転者支援システムの制御ユニット172から供給装置140に供給される。
【0040】
車両100の第1の座席装置110および/または第2の座席装置115が既に直立位置122にある場合には、供給装置140は、移行信号160に応答して、第1の座席装置110および/または第2の座席装置115に遮断信号175を出力するように構成されており、遮断信号175は、乗員による直立位置122から快適位置124への調整を遮断する。
【0041】
決定装置135は、まず、確率値180を使用して移行信号160を決定するように構成されており、確率値180は、自動運転モードから手動運転モードへの車両100の自発的な切換の確率に関する情報、および/または車両100が自動運転モードから手動運転モードに切り換えられるまでに残された時間および/または残された走行距離に関する情報を表す。この場合、確率値180は、例えば、車両センサ、例えば、環境センサ125および/またはカメラユニット130の故障の確率に依存しており、車両センサの故障は、自動運転モードから手動運転モードへの車両100の切換につながるであろう。なぜならば、車両センサが故障した場合にはもはや運転の安全性が得られないからである。
【0042】
さらに決定装置135は、車両100の環境センサ125から受信した環境信号185を使用して移行信号160を決定するように構成されている。この場合、調整信号145は、環境信号185によって表された気象変化および/または時刻の変化に基づいて自動運転モードから手動運転モードへの車両100の切換が行われた場合に、供給装置140から供給される。さらに移行信号160は、車両100のカメラユニット130によって受信した比較信号190を使用して決定することができる。この場合、自動運転モードから手動運転モードへの車両100の切換を引き起こす特徴的な照明条件で車両100が走行していることを比較信号190が表す場合に、調整信号145が供給装置140によって供給される。
【0043】
環境センサ125は、一実施形態によれば、車両100の環境を検出するように構成されている。この場合、環境センサ125は、例えば、検出された環境データから、物体、人、および/またはインフラストラクチャ特徴と共に車両100の(おそらく)差し迫っている事故状況を示すか、または表す衝突信号195を決定し、供給装置140に供給するように構成されている。なぜならば、検出された事故状況に基づいて自動運転モードから手動運転モードへの車両100の直接の切換が行われるからである。
【0044】
図2は、一実施形態による、車両を自動運転モードから手動運転モードに切り換える場合および/または切り換える前に、車両の座席装置の位置を調整する方法200の一実施形態のフロー図を示す。この場合、方法200は、一実施形態によれば、車両を自動運転モードから手動運転モードに切り換える場合に、車両の座席装置の位置を調整するための装置において実施することもできる。
【0045】
方法200は、まず、移行信号および位置信号を使用して、車両の座席装置とのインターフェイスに調整信号を供給する供給ステップ210を含み、調整信号は、快適位置から直立位置への座席装置の位置の変更を引き起こす。位置信号が座席装置の快適位置を示すか、または表す場合には調整信号の供給が行われ、および/または、位置信号が座席装置の直立位置を示すか、または表す場合には供給は行われない。さらに、方法200は、例えば確率値および/または環境信号および/または比較信号を使用して移行信号を決定する決定ステップ220を含む。この場合、移行信号は、車両の自動運転モードから手動運転モードへの間近に迫る移行を表す。最後に、方法200の解除ステップ230において、快適位置を直立位置に変更するために、調整信号を使用して座席装置の機械的な固定が解除される。
【0046】
実施例が、第1の特徴と第2の特徴との間に「および/または」の接続詞を含む場合には、この実施例は、一実施形態によれば第1の特徴および第2の特徴の両方を備えており、別の実施形態によれば、第1の特徴のみ、または第2の特徴のみを備えていると読み取られるべきである。
図1
図2