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特許7436185外科用アクセスアセンブリおよびその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】外科用アクセスアセンブリおよびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/02 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
A61B17/02
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019212006
(22)【出願日】2019-11-25
(65)【公開番号】P2020089726
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】16/213,329
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ハリ ナガ カレプ
(72)【発明者】
【氏名】サバスティアン ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ラジャ カマラジ
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-534354(JP,A)
【文献】特開2016-93496(JP,A)
【文献】特表2010-523221(JP,A)
【文献】特表2008-504050(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0253277(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/02
A61B 17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用アクセスアセンブリであって、
スリーブアセンブリであって、前記スリーブアセンブリは、近位リングと、遠位リングと、前記スリーブアセンブリを通る通路を画定するスリーブとを含み、前記スリーブは、前記近位リングと前記遠位リングとの間に延在する、スリーブアセンブリと、
状本体と円周溝とを含むベース部材であって、前記環状本体は、連結部材を含み、前記環状本体は、前記スリーブの前記通路と連通する開口部を画定し、前記円周溝は、前記スリーブアセンブリの前記近位リングを支持するように構成されている、ベース部材と、
シールアセンブリであって、前記シールアセンブリは、環状フレームと、前記ベース部材の前記開口部をシール関係で覆うように寸法決めされているシールとを含み、前記ベース部材の前記連結部材は、前記シールアセンブリを前記ベース部材に解放可能に固定し、前記シールアセンブリの前記環状フレームは、前記近位リングが前記ベース部材と前記シールアセンブリとの間に介在されるように、前記ベース部材の前記環状本体と位置合わせされるように構成されており、前記ベース部材の前記環状本体は、前記円周溝から半径方向外向きに延在する第1の平面状表面を含み、前記シールアセンブリの前記環状フレームは、前記ベース部材および前記シールアセンブリが互いに位置合わせされているときに前記第1の平面状表面と平面接触するように構成された第2の平面状表面を含み、前記ベース部材の前記環状本体は、前記第1の平面状表面から近位に延在する締結部材を含み、前記締結部材は、ヘッド部分を有するリベット様プロファイルを有し、前記シールアセンブリの前記第2の平面状表面は、細長いスロットを画定し、前記細長いスロットは、テーパ状の幅を有し、前記細長いスロットは、前記締結部材を受容するように、かつ、前記締結部材に対して前記シールアセンブリを摺動可能に回転させるように寸法決めされている、シールアセンブリ
を備える、外科用アクセスアセンブリ。
【請求項2】
前記シールは、前記ベース部材の前記開口部内に受容されるように構成されている本体と、前記本体から半径方向外向きに延在する張り出し部を含む、請求項1に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項3】
前記環状フレームおよび前記シールの前記本体は、前記環状フレームと前記シールの前記本体との間に間隙を画定し、前記間隙は、前記スリーブアセンブリの前記近位リングの少なくとも一部分を受容するように寸法決めされている、請求項2に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項4】
前記ベース部材の前記環状本体は、前記スリーブアセンブリの前記近位リングの半径方向内向きに配置されているリップを含み、前記リップは、前記近位リングを前記環状本体の前記円周溝内に保持するように構成されている、請求項1に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項5】
前記シールアセンブリの前記シールは、ゲルまたはシリコーンから形成されている、請求項1に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項6】
前記スリーブアセンブリの前記近位リングは、腎臓形状の断面を有する、請求項1に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項7】
前記スリーブアセンブリの前記スリーブは、前記近位リングの周りで転動可能である、請求項1に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項8】
前記ベース部材の前記締結部材または前記シールアセンブリの前記第2の平面状表面の少なくとも一方は、弾性材料から形成されている、請求項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項9】
前記シールアセンブリの前記環状フレームは、前記第2の平面状表面の半径方向内向きに配置されている支持体を含み、前記シールは、前記支持体上にオーバーモールドされている、請求項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項10】
前記ベース部材は、前記ベース部材の外壁上にタブを含み、前記環状フレームは、前記ベース部材に対して前記シールアセンブリを摺動可能に回転させるように寸法決めされているスロットを画定する、請求項1に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項11】
前記環状フレームは、前記スロットと連通する軸方向に延在するノッチをさらに画定し、前記軸方向に延在するノッチは、前記ベース部材の前記タブを前記環状フレームの前記スロット内に導くように構成されている、請求項10に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項12】
内部体腔アクセスするためのシステムであって、前記内部体腔にアクセスするためのシステムは、
少なくとも部分的に前記内部体腔内に位置付けられるように構成されているスリーブアセンブリであって、前記スリーブアセンブリは、近位リングと、遠位リングと、前記近位リングと前記遠位リングとの間に延在するスリーブとを含み、前記スリーブは、前記スリーブアセンブリの前記近位リングおよび前記遠位リングがそれぞれ外側表皮組織および組織の内部腹膜壁と係合するように、転動されるように構成されている、スリーブアセンブリと、
円周溝および開口部を画定するベース部材と、
シールを含むシールアセンブリであって、前記シールは、本体部分と、前記本体部分から半径方向外向きに延在する張り出し部とを有する、シールアセンブリと
を備え、
前記スリーブアセンブリの前記近位リングは、前記ベース部材に画定されている前記円周溝内に配置されており、
前記シールアセンブリは、前記シールアセンブリの前記シールの前記本体部分がシール関係で前記ベース部材に画定されている前記開口部を覆い、かつ、前記シールの前記張り出し部が前記スリーブアセンブリの前記近位リングと係合するように、前記ベース部材と位置合わせして配置されており、
前記シールアセンブリは、前記ベース部材に解放可能に固定されており、
前記シールアセンブリは、前記内部体腔内に物体を導入するように構成されており、
前記内部体腔にアクセスするためのシステムは、前記ベース部材から近位に延在する締結具をさらに備え、前記締結具は、前記シールアセンブリに画定されているテーパ状の幅を有する細長いスロット内に受容され、前記細長いスロットは、前記シールアセンブリが前記ベース部材に解放可能に固定されるように、前記締結具に対して前記シールアセンブリを摺動可能に回転させるように寸法決めされている、内部体腔にアクセスするためのシステム。
【請求項13】
前記ベース部材は、前記ベース部材の外壁上にタブを含み、前記タブは、前記シールアセンブリが前記ベース部材に対して回転可能であり、かつ、前記シールアセンブリが前記ベース部材に解放可能に固定されるように、前記シールアセンブリの内壁に画定されている円周方向のスロット内に配置されている、請求項12に記載の内部体腔アクセスするためのシステム。
【請求項14】
前記内部体腔にアクセスするためのシステムは、前記内部体腔送気するための気腹針をさらに備える、請求項12に記載の内部体腔アクセスするためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外科用アクセスアセンブリに関し、より具体的には、シール関係で互いに適合可能に係合するスリーブアセンブリおよびシールアセンブリを含む外科用アクセスアセンブリ、ならびにその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な外科的処置が低侵襲的方法で行われている。これには、患者の体壁に、例えば腹部に小さな開口部を形成し、開口部を通してシールアンカーを挿入して、患者の体腔と大気との間に実質的に流体密シールを提供することが含まれる。内視鏡処置で使用されるアクセスデバイスの内部寸法が比較的小さいため、例えばトロカールおよびカニューレアセンブリなどの細長い小径の器具のみを使用して、内部体腔内および臓器にアクセスすることができる。
【0003】
しかしながら、例えば腹腔鏡検査などの低侵襲手術には、いくつかの制限がある。特に、このタイプの手術では、内視鏡による視覚化の下で細長い内視鏡器具を遠隔部位に操作するための多大な技術が必要である。この目的のために、用手補助腹腔鏡技術および処置が開発されてきた。これらの処置には、腹腔鏡および従来の外科的手法の両方が含まれる。用手補助技術は、スリーブアセンブリと組み合わせたシールアンカーを利用して行われ、スリーブアセンブリは、切開した開口部を例えば感染および汚染から保護する拡大デバイスである。一般に、患者の体内に外科的物体を導入する前に、送気ガスを使用して標的外科部位の周囲の領域を拡大し、より大きく、よりアクセスしやすい作業領域を作成する。
【0004】
送気ガスの漏れおよび拡大した手術部位の収縮または崩壊を阻止するために、実質的に流体密シールを維持することが望ましい。したがって、送気された作業空間の完全性を維持することができる、用手補助最小侵襲的処置で使用される外科用アクセスアセンブリが必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態によると、外科用アクセスアセンブリは、スリーブアセンブリ、ベース部材、およびシールアセンブリを含む。スリーブアセンブリは、近位リングと、遠位リングと、中を通る通路を画定するスリーブと、を含む。スリーブは、近位リングと遠位リングとの間に延在している。ベース部材は、連結部材を含む環状本体を含む。環状本体は、スリーブの通路と連通する開口部と、スリーブアセンブリの近位リングを支持するように構成された円周溝と、を画定する。シールアセンブリは、環状フレームと、ベース部材の開口部をシール関係で覆うように寸法決めされたシールと、を含む。ベース部材の連結部材は、シールアセンブリをベース部材に解放可能に固定する。シールアセンブリの環状フレームは、近位リングがベース部材とシールアセンブリとの間に介在されるように、ベース部材の環状本体と位置合わせされるように構成されている。
【0006】
実施形態では、シールは、ベース部材の開口部と、本体から半径方向外向きに延在する張り出し部に受容されるように構成された本体と、を含み得る。
【0007】
別の実施形態では、環状フレームおよびシールの本体は、それらの間に間隙を画定し得る。間隙は、スリーブアセンブリの近位リングの少なくとも一部分を受容するように寸法決めされ得る。
【0008】
さらに別の実施形態では、ベース部材の環状本体は、スリーブアセンブリの近位リングの半径方向内向きに配設されたリップを含み得る。リップは、近位リングを環状本体の円周溝内に保持するように構成され得る。
【0009】
実施形態では、シールアセンブリは、ベース部材とヒンジ式に連結され得る。特に、シールアセンブリの環状フレームはフックを含み得る。ベース部材の環状本体は、フックを受容するように寸法決めされた孔を画定し得る。
【0010】
別の実施形態では、フックは、フックがベース部材の孔を通して選択的に移動可能であるように偏向可能であり得る。
【0011】
実施形態では、シールアセンブリのシールは、ゲルまたはシリコーンから形成され得る。
【0012】
別の実施形態では、スリーブアセンブリの近位リングは、腎臓形状の断面を有し得る。
【0013】
さらに別の実施形態では、スリーブアセンブリのスリーブは、近位リングの周りで転動可能であり得る。
【0014】
さらにまた別の実施形態では、ベース部材の環状本体は、円周溝から半径方向外向きに延在する第1の平面状表面を含み得、シールアセンブリの環状フレームは、ベース部材およびシールアセンブリが互いに位置合わせされているときに第1の平面状表面と平面接触するように構成された第2の平面状表面を含み得る。
【0015】
別の実施形態では、ベース部材の環状本体は、第1の平面状表面から近位に延在する締結部材を含み得、シールアセンブリの第2の平面状表面は、締結部材を受容するように寸法決めされたスロットを画定し得る。
【0016】
実施形態では、ベース部材の締結部材またはシールアセンブリの第2の平面状表面の少なくとも一方は、弾性材料から形成され得る。
【0017】
別の実施形態では、シールアセンブリの環状フレームは、第2の平面状表面の半径方向内向きに配設された支持体を含み得る。
【0018】
実施形態では、シールは、支持体上にオーバーモールドされ得る。
【0019】
別の実施形態では、ベース部材は、その外壁上にタブを含み得、環状フレームは、ベース部材に対してシールアセンブリを摺動可能に回転させるように寸法決めされたスロットを画定し得る。
【0020】
さらに別の実施形態では、環状フレームはさらに、スロットと連通して軸方向に延在するノッチを画定し得る。軸方向に延在するノッチは、ベース部材のタブを環状フレームのスロット内に導くように構成され得る。
【0021】
本開示の別の態様によると、内部体腔内にアクセスする方法は、スリーブアセンブリを少なくとも部分的に内部体腔内に位置付けることと、スリーブアセンブリの近位部分および遠位部分がそれぞれ外側表皮組織および組織の内部腹膜壁と係合するようにスリーブアセンブリのスリーブを転動させることと、ベース部材に画定された円周溝内にスリーブアセンブリの近位リングを配置することと、シールアセンブリのシールの本体部分がシール関係でベース部材に画定された開口部を覆い、シールの本体部分から半径方向外向きに延在するシールの張り出し部がスリーブアセンブリの近位リングと係合するようにシールアセンブリをベース部材と位置合わせして配置することと、シールアセンブリをベース部材に解放可能に固定することと、シールアセンブリを通して内部体腔内に物体を導入することと、を含む。
【0022】
実施形態では、シールアセンブリをベース部材に解放可能に固定することは、シールアセンブリをベース部材とヒンジ式に連結することを含み得る。
【0023】
別の実施形態では、シールアセンブリをベース部材に解放可能に固定することは、ベース部材の外壁上のタブをシールアセンブリの内壁に画定された円周方向のスロット内に配置することによって、シールアセンブリをベース部材に対して回転させることを含み得る。
【0024】
さらに別の実施形態では、シールアセンブリをベース部材に解放可能に固定することは、ベース部材から近位に延在する締結具をシールアセンブリに画定されたスロット内に配置することを含み得る。
【0025】
さらに別の実施形態では、本方法は、内部体腔内に送気することをさらに含み得る。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
外科用アクセスアセンブリであって、
近位リングと、遠位リングと、中を通る通路を画定するスリーブとを含むスリーブアセンブリであって、前記スリーブが前記近位リングと前記遠位リングとの間に延在する、スリーブアセンブリと、
連結部材を含む環状本体を含むベース部材であって、前記スリーブの前記通路と連通する開口部を画定する、環状本体と、前記スリーブアセンブリの前記近位リングを支持するように構成された円周溝とを含む、ベース部材と、
環状フレームと、前記ベース部材の前記開口部をシール関係で覆うように寸法決めされたシールとを含むシールアセンブリであって、前記ベース部材の前記連結部材が前記シールアセンブリを前記ベース部材に解放可能に固定し、前記シールアセンブリの前記環状フレームは、前記近位リングが前記ベース部材と前記シールアセンブリとの間に介在されるように、前記ベース部材の前記環状本体と位置合わせされるように構成されている、シールアセンブリと、を備える、外科用アクセスアセンブリ。
(項目2)
前記シールが、前記ベース部材の前記開口部内に受容されるように構成された本体と、前記本体から半径方向外向きに延在する張り出し部と、を含む、上記項目に記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目3)
前記環状フレームおよび前記シールの前記本体が、それらの間に間隙を画定し、前記間隙が、前記スリーブアセンブリの前記近位リングの少なくとも一部分を受容するように寸法決めされている、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目4)
前記ベース部材の前記環状本体が、前記スリーブアセンブリの前記近位リングの半径方向内向きに配設されたリップを含み、前記リップが、前記近位リングを前記環状本体の前記円周溝内に保持するように構成されている、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目5)
前記シールアセンブリが、前記ベース部材とヒンジ式に連結されている、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目6)
前記シールアセンブリの前記環状フレームがフックを含み、前記ベース部材の前記環状本体が、前記フックを受容するように寸法決めされた孔を画定する、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目7)
前記フックは、前記フックが前記ベース部材の前記孔を通して選択可能に移動可能であるように偏向可能である、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目8)
前記シールアセンブリの前記シールが、ゲルまたはシリコーンから形成される、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目9)
前記スリーブアセンブリの前記近位リングが、腎臓形状の断面を有する、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目10)
前記スリーブアセンブリの前記スリーブが、前記近位リングの周りで転動可能である、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目11)
前記ベース部材の前記環状本体が、前記円周溝から半径方向外向きに延在する第1の平面状表面を含み、前記シールアセンブリの前記環状フレームは、前記ベース部材および前記シールアセンブリが互いに位置合わせされているときに前記第1の平面状表面と平面接触するように構成された第2の平面状表面を含む、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目12)
前記ベース部材の前記環状本体が、前記第1の平面状表面から近位に延在する締結部材を含み、前記シールアセンブリの前記第2の平面状表面が、前記締結部材を受容するように寸法決めされたスロットを画定する、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目13)
前記ベース部材の前記締結部材または前記シールアセンブリの前記第2の平面状表面の少なくとも一方が、弾性材料から形成される、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目14)
前記シールアセンブリの前記環状フレームが、前記第2の平面状表面の半径方向内向きに配設された支持体を含み、前記シールが前記支持体上にオーバーモールドされる、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目15)
前記ベース部材が、その外壁上にタブを含み、前記環状フレームが、前記ベース部材に対して前記シールアセンブリを摺動可能に回転させるように寸法決めされたスロットを画定する、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目16)
前記環状フレームが、前記スロットと連通する軸方向に延在するノッチをさらに画定し、前記軸方向に延在するノッチが、前記ベース部材の前記タブを前記環状フレームの前記スロット内に導くように構成されている、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目17)
内部体腔内にアクセスする方法であって、
スリーブアセンブリを少なくとも部分的に前記内部体腔内に位置付けることと、
前記スリーブアセンブリの近位部分および遠位部分がそれぞれ外側表皮組織および組織の内部腹膜壁と係合するように前記スリーブアセンブリのスリーブを転動させることと、
ベース部材に画定された円周溝内に前記スリーブアセンブリの近位リングを配置することと、
シールアセンブリを前記ベース部材と位置合わせして配置することであって、前記シールアセンブリのシールの本体部分がシール関係で前記ベース部材に画定された開口部を覆い、前記シールの前記本体部分から半径方向外向きに延在する前記シールの張り出し部が前記スリーブアセンブリの前記近位リングと係合するように、配置することと、
前記シールアセンブリを前記ベース部材に解放可能に固定することと、
前記シールアセンブリを通して前記内部体腔内に物体を導入することと、を含む、方法。
(項目18)
前記シールアセンブリを前記ベース部材に解放可能に固定することが、前記シールアセンブリを前記ベース部材とヒンジ式に連結することを含む、上記項目のいずれかに記載の内部体腔内にアクセスする方法。
(項目19)
前記シールアセンブリを前記ベース部材に解放可能に固定することが、前記ベース部材の外壁上のタブを前記シールアセンブリの内壁に画定された円周方向のスロット内に配置することによって、前記シールアセンブリを前記ベース部材に対して回転させることを含む、上記項目のいずれかに記載の内部体腔内にアクセスする方法。
(項目20)
前記シールアセンブリを前記ベース部材に解放可能に固定することが、前記ベース部材から近位に延在する締結具を前記シールアセンブリに画定されたスロット内に配置することを含む、上記項目のいずれかに記載の内部体腔内にアクセスする方法。
(項目21)
前記内部体腔内に送気することをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の内部体腔内にアクセスする方法。
(項目A17)
内部体腔内にアクセスするためのシステムであって、
少なくとも部分的に前記内部体腔内に位置付けられるように構成されるスリーブアセンブリであって、前記スリーブアセンブリは、近位リングと、遠位リングと、前記近位リングと前記遠位リングとの間に延在するスリーブとを含み、前記スリーブは、前記スリーブアセンブリの前記近位リングおよび前記遠位リングがそれぞれ外側表皮組織および組織の内部腹膜壁と係合するように、転動されるように構成される、スリーブアセンブリと、
円周溝および開口部を画定するベース部材と、
シールを含むシールアセンブリであって、前記シールは、本体部分と、前記本体部分から半径方向外向きに延在する張り出し部とを有する、シールアセンブリと
を備え、
前記スリーブアセンブリの前記近位リングは、前記ベース部材に画定された前記円周溝内に配置され、
前記シールアセンブリは、前記シールアセンブリの前記シールの前記本体部分がシール関係で前記ベース部材に画定された前記開口部を覆い、前記シールの前記張り出し部が前記スリーブアセンブリの前記近位リングと係合するように、前記ベース部材と位置合わせして配置され、
前記シールアセンブリは、前記ベース部材に解放可能に固定され、
前記シールアセンブリは、前記内部体腔内に物体を導入するように構成される、システム。
(項目A18)
前記シールアセンブリは、前記ベース部材とヒンジ式に連結される、上記項目のいずれかに記載の内部体腔内にアクセスするためのシステム。
(項目A19)
前記ベース部材は、前記ベース部材の外壁上にタブを含み、前記タブは、前記シールアセンブリが前記ベース部材に対して回転可能であり、前記シールアセンブリが前記ベース部材に解放可能に固定されるように、前記シールアセンブリの内壁に画定された円周方向のスロット内に配置される、上記項目のいずれかに記載の内部体腔内にアクセスするためのシステム。
(項目A20)
前記ベース部材から近位に延在する締結具をさらに備え、前記締結具は、前記シールアセンブリが前記ベース部材に解放可能に固定されるように、前記シールアセンブリに画定されたスロット内に配置される、上記項目のいずれかに記載の内部体腔内にアクセスするためのシステム。
(項目A21)
前記内部体腔内に送気するための気腹針をさらに備える、上記項目のいずれかに記載の内部体腔内にアクセスするためのシステム。
(摘要)
外科用アクセスアセンブリは、スリーブアセンブリ、ベース部材、およびシールアセンブリを含む。スリーブアセンブリは、近位リングと、遠位リングと、中を通る通路を画定するスリーブと、を含む。ベース部材は、連結部材を含む環状本体を含む。環状本体は、スリーブの通路と連通する開口部と、スリーブアセンブリの近位リングを支持するように構成された円周溝と、を画定する。シールアセンブリは、環状フレームと、ベース部材の開口部をシール関係で覆うように寸法決めされたシールと、を含む。ベース部材の連結部材は、シールアセンブリをベース部材に解放可能に固定する。シールアセンブリの環状フレームは、近位リングがベース部材とシールアセンブリとの間に介在されるように、ベース部材の環状本体と位置合わせされるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示の様々な実施形態を、図面を参照して以下の本明細書に記載する。
【0027】
図1】開いた状態を例示する本開示の実施形態による外科用アクセスアセンブリの斜視図である。
図2図1の外科用アクセスアセンブリの部分斜視図である。
図3】閉じた状態を例示する図1の外科用アクセスアセンブリの斜視図である。
図4図1の外科用アクセスアセンブリのスリーブアセンブリの、その使用を例示する斜視図である。
図5図1の外科用アクセスアセンブリのスリーブアセンブリの、その使用を例示する斜視図である。
図6】部品が取り外された状態の本開示の別の実施形態による外科用アクセスアセンブリの部分斜視図である。
図7図6の外科用アクセスアセンブリの部分拡大斜視図である。
図8図6の外科用アクセスアセンブリの平面図である。
図9】本開示の別の実施形態によるシールアセンブリおよびベース部材の斜視図である。
図10図9のベース部材の平面図である。
図11】係止機構を例示する図9のシールアセンブリおよびベース部材の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ここで、本開示の実施形態が図面を参照して詳細に記載され、図面の中で同様の参照番号は、いくつかの図の各々において同一のまたは対応する要素を指定する。本明細書において使用されるように、「distal(遠位)」という用語は、従来通り、ユーザからより離れた方の器具、装置、デバイス、またはこれらの構成要素の当該部分を指しているのに対し、「proximal(近位)」という用語は、ユーザにより近い方の器具、装置、デバイス、またはこれらの構成要素の当該部分を指している。以下の記載では、周知の機能または構成は、本開示を不必要に詳細に示して不明瞭にすることを避けるために、詳細には記載されていない。
【0029】
図1を参照すると、本開示の実施形態による外科用アクセスアセンブリ100が例示されている。外科用アクセスアセンブリ100は、送気された作業空間の完全性を維持しながら、例えば臨床医の手などの物体を受容するように構成されている。外科用アクセスアセンブリ100は、スリーブアセンブリ120、ベース部材150、およびシールアセンブリ180を含む。スリーブアセンブリ120は、例えば、腹部または腹膜の内腔の開口部、ならびに自然に発生する穴を通して、組織路内に挿入するように適合される。スリーブアセンブリ120は、例えば、感染および汚染から開口部を保護する。ベース部材150は、スリーブアセンブリ120を支持するように構成されている。シールアセンブリ180は、ベース部材150と解放可能に連結されるように構成されている。このような構成は、シールアセンブリ180のスリーブアセンブリ120の、例えば、不慮の剥離を阻止することによって送気された作業空間の完全性を高める。
【0030】
図1を引き続き参照すると、スリーブアセンブリ120は、遠位リング122と、近位リング124と、中を通る通路を画定する可撓性スリーブ126と、を含む。遠位リングおよび近位リング122、124は、同心円状に配列され、スリーブ126の対向する端部に接続される。遠位リングおよび近位リング122、124は、比較的可撓性の材料から形成され、遠位リングおよび近位リング122、124の圧縮および拡張を容易にする。例えば、遠位リングおよび近位リング122、124は、ポリウレタン、ポリエチレン、シリコーンなどのエラストマーから作製され得る。遠位リングおよび近位リング122、124の弾性の性質により、遠位リングおよび近位リング122、124は、臨床医による圧縮または変形の後、通常の実質的に環状の構成に戻ることができる。特に、遠位リングおよび近位リング122、124は、体腔を画定する壁と係合するように適合される。遠位リング122は、内部腹膜壁と係合するように構成され、近位リング124は、外側表皮組織と係合するように構成されている。
【0031】
スリーブ126は、組織「T」の開口部へのスリーブアセンブリ120の固定を容易にするために、エラストマー特性を有する(図4)。近位リング124は、近位リング124の周りに可撓性スリーブ126を集めるために転動可能である。例えば、近位リング124は、転動可能であり、例えば、スリーブ126を短くするために外向き方向「O」(図4)に転動可能であり、スリーブ126を長くするために内向き方向に転動可能であるか、または逆も同様である。スリーブ126は、近位リング124が組織「T」の開口部に隣接する外側表皮組織と係合し、体腔内に位置付けられた遠位リング122が内部腹膜壁と係合するように短くすることができる。このように、スリーブアセンブリ120は、組織「T」にしっかりと固定される。
【0032】
図3を引き続き参照すると、近位リング124は、例えば、腎臓形状の断面プロファイルを有し得る。腎臓形状の断面は、近位リング124の周りのスリーブ126の転動を容易にする。一方、遠位リング124は、円形断面を有するOリングであってもよい。しかしながら、近位リングおよび遠位リング122、124について、他の断面プロファイルも考えられる。また、Oリングが膨張可能なバルーンであることも想定される。加えて、近位リングおよび遠位リング122、124はサイズが変化し得る。例えば、近位リングおよび遠位リング122、124の寸法は、所望の開口部の寸法よりも大きくなるように選択的に選択され得る。このように、近位リングおよび遠位リング122、124は、引き伸ばされた弾性スリーブ126を維持するのに十分な足場を有し得る。
【0033】
組織「T」における所望の開口部の寸法よりも大きい近位リングおよび遠位リング122、124の寸法を有することによって、スリーブアセンブリ120は、開口部を所望の寸法に収縮させる/広げるように適合される。近位リング124を外向きに転動させることによってスリーブ126を短くすることを通してより多くの収縮を行うことが可能であり、近位リング124を内向きに転動させることによってより少ない収縮を行うことが可能である。スリーブアセンブリ120の構成および動作の詳細な記載について米国特許第9,149,178号を参照することができ、その全体的な内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
ここで図2を参照すると、ベース部材150は、環状であり、その内部にスリーブアセンブリ120の近位リング124を支持するように寸法決めされた円周溝(図示せず)を有する。ベース部材150は、円周溝内にスリーブアセンブリ120の近位リング124を同心円状に支持するように円周方向に配列されたリップ154を含む。ベース部材150は、シールアセンブリ180とヒンジ式に連結されるように構成されたカップ156をさらに含む。加えて、ベース部材150は、シールアセンブリ180のフック190を解放可能に受容するように寸法決めされた孔162を画定する連結部材160をさらに含む。
【0035】
図2を引き続き参照すると、シールアセンブリ180は、シール188と、シール188を支持するフレーム182と、を含む。シール188は、それを通して挿入される、例えば臨床医の手などの物体の周りにシールを形成するのに十分なコンプライアンスを有する、例えばゲルまたはシリコーンなどの材料から形成され得る。シール188は、例えば、直径方向に延在する切り目189(図3)を画定し、それを通る物体の挿入を容易にする。シール188は、フレーム182上にオーバーモールドされ得る。シール188は、シール関係でベース部材150によって画定される孔155を覆うように寸法決めされた本体部分188aと、本体部分188aから半径方向外向きに延在する張り出し部部分188bと、を含む。シールアセンブリ180は、スリーブアセンブリ120の近位リング124の少なくとも一部分を受容するように寸法決めされた円周溝または切り欠き(図示せず)を画定し得る。
【0036】
シールアセンブリ180のフレーム182は、ベース部材150の連結部材160に画定された孔162内に受容されるように構成されたフック190と、ベース部材150のカップ156とヒンジ式に連結されるように構成された指部(図示せず)と、を含む。指部は、フック190と直径方向に対向し得る。フック190は、連結部材160と係合してシール部材180をベース部材150に固定するように構成された止め具194を含む。しかしながら、フック190は、フック190が半径方向内向きに押されると、止め具194が孔162を通過して、シールアセンブリ180を閉位置(図3)から開位置(図1)に遷移させ得るように偏向可能である。
【0037】
使用時に、腹膜腔(図示せず)は、例えば、COガスなどの好適な生体適合性ガスによって送気され、それにより空洞壁がその内部に収容された内部臓器および組織から隆起して、離れるように持ち上げられ、それによりそこへのより大きなアクセスを提供する。送気は、当該技術分野で慣例であるように、気腹針または類似のデバイスを用いて行うことができる。送気の前または後のいずれかで、組織「T」に開口部が作製され、その寸法は処置の性質に応じて変化し得る。
【0038】
ここで図4を参照すると、スリーブアセンブリ120の圧縮された遠位リング122は、組織「T」内の開口部を通して挿入される。その挿入に続いて、遠位リング122は、組織「T」の真下のその拡張状態に拡張する。このとき、近位リング124は、矢印「O」の方向に転動され得、そのため遠位リング122は内部腹膜壁と係合し、近位リング124は外側表皮組織と係合する。このように、スリーブ126は組織「T」の開口部内にしっかりと配設される。行われる処置の性質に応じて、近位リング124の周りでスリーブ126をさらに転動させることによって、組織「T」の開口部を収縮させることができる。
【0039】
このとき、スリーブアセンブリ120の近位リング124は、ベース部材150の円形溝内に配置され、そのため近位リング124の少なくとも一部分がベース部材150から近位に延在する。その後、シール部材180のフレーム182の指部をベース部材150のカップ156に固定することによって、シール部材180をベース部材150とヒンジ式に連結することができる。その後、指部と直径方向に対向するフック190をベース部材150の孔162に挿入して、シール部材180を閉位置(図3)に配置することができる。このように、体腔と大気との間に流体密シールが構築される。
【0040】
このとき、手または外科的物体に対してシールを構築することによって、臨床医の手を含む1つの以上の外科的物体を、作業空間内の送気を維持するシール188で画定された切り目189を通して挿入することができる。外科用アクセスアセンブリ100を通して患者の体腔内に挿入された物体を用いて、臨床医は、患者の体腔と大気との間の流体密シールを維持しながら、組織「T」に対して所望の向きに手を回転させることができる。外科的処置が完了すると、ユーザは、患者の開口部から外科用アクセスアセンブリ100を取り外すことができる。
【0041】
ここで図6および7を参照すると、本開示の別の実施形態による外科用アクセスアセンブリの別の実施形態が、概して外科用アクセスアセンブリ200として示されている。簡潔にするために、本開示を不必要に詳細に示して不明瞭にすることを避けるために、外科用アクセスアセンブリ100と実質的に同一の外科用アクセスアセンブリ200の部分は本明細書に記載されない。外科用アクセスアセンブリ200は、スリーブアセンブリ120と、スリーブアセンブリ120の近位リング124を支持するように構成されたベース部材250と、例えば、臨床医の手などの物体がそれを通して挿入されるときに体腔と大気との間に流体密シールを構築するように構成されたシールアセンブリ280と、を含む。
【0042】
図6および7を引き続き参照すると、ベース部材250は、環状であり、スリーブアセンブリ120の近位リング124を支持するように構成された溝付き部254と、溝付き部254から半径方向外向きに延在するベース部256と、を含む。ベース部分256は、シール部材280をベース部材250に固定するように構成された連結部材258を含む。特に、各連結部材258は、ヘッド部分258aを含むリベット様プロファイルを含み得る。連結部材258は、ベース部材250の周りに等間隔に配置され得る。
【0043】
シール部材280は、環状ベース294と環状ベース294の半径方向内向きに配設された支持体296とを有するフレーム282を含む。環状ベース294は、環状ベース294がベース部材250のベース部分256と重なり合う関係にあるとき、環状ベース294およびベース部分256が安定性および固定度を高めるために平面接触するように半径方向外向きに延在する実質的に平坦な表面を有する。環状ベース294は、ベース部材250のそれぞれの連結部材258を受容するように寸法決めされた円周方向に配列された穿孔またはスロット291を画定する。連結部材258および/または環状ベース294は、例えばスナップ嵌め構成を提供するために圧縮性および/または弾性材料から形成されてもよく、それにより、ベース256および環状ベース294が一緒に押されると、スロット291の幅よりも大きい寸法を有する連結部材258のヘッド部分258aが、スロット291を通して延在し、環状ベース294をベース部分256に固定する。
【0044】
図8を参照すると、各スロット291はテーパ状であり得、これにより、各スロット291に変化する幅を提供することがさらに考えられる。このように、連結部材258のヘッド部分258aをフレーム282のそれぞれのスロット291を通して挿入した後、フレーム282をベース部材250に対して(例えば、矢印「Y」の方向に)回転させて、フレーム282をベース部材250に対してさらに固定することができる。
【0045】
シールアセンブリ280はシール288をさらに含む。シール288は、それを通して挿入される、例えば臨床医の手などの物体の周りにシールを形成するのに十分なコンプライアンスを有する、例えばゲルまたはシリコーンなどの材料から形成され得る。特に、シール288は、フレーム282の支持体296上にオーバーモールドされ得る。シール288は、ベース部材250によって画定された開口部に配設された本体288aと、本体288aから半径方向外向きに延在する張り出し部288bと、を含み、それにより張り出し部288bはフレーム282の支持体296上にオーバーモールドされる。このような構成の下で、シールアセンブリ280は、シールアセンブリ280とベース部材250との間の近位リング124の固定を容易にするために、本体288aと支持体296との間の間隙297を画定する。シール288は、それを通して挿入される、例えば臨床医の手などの物体を受容するように寸法決めされた、例えば切り目289を画定し得る。外科用アクセスアセンブリ200の使用は、外科用アクセスアセンブリ100の使用と実質的に同一であり、したがって、本明細書に記載されない。
【0046】
ここで図9~11を参照すると、本開示の別の実施形態によるシールアセンブリおよびベース部材は、ベース部材350およびシールアセンブリ380として一般に示されている。簡潔にするために、本開示を不必要に詳細に示して不明瞭にすることを避けるために、ベース部材150、250およびシールアセンブリ180、280と実質的に同一のベース部材350およびシールアセンブリ380の部分は、本明細書に記載されない。ベース部材350およびシールアセンブリ380は、スリーブアセンブリ120と共に使用するように構成されている(図1)。ベース部材350は、スリーブアセンブリ120の近位リング124を支持するように構成されている。シールアセンブリ380は、例えば臨床医の手などの物体がそれを通して挿入されるときに、体腔と大気との間に流体密シールを構築するように構成されている。近位リング124は、ベース部材350とシールアセンブリ380との間に解放可能に固定可能である。
【0047】
図9を特に参照すると、ベース部材350は、環状であり、開口部352を画定する。ベース部材350は、スリーブアセンブリ120の近位リング124を支持するように構成された溝付き部分354を含む。溝付き部分354は、近位リング124を溝付き部分354内に保持するように構成された円周方向に配列されたリップ358を有する内側部分355aと、半径方向外向きに延在するタブ360を有する外壁355bと、を含む。例えば、外壁355bは、互いに直径方向に対向する、例えば2つのタブ360を含み得る。
【0048】
シールアセンブリ380は、シールアセンブリ380およびベース部材350が互いに対して回転可能であるように、ベース部材350の対応するタブ360を摺動可能に受容するように寸法決めされた溝396を画定する内壁394を有する環状フレーム382を含む。内壁394は、溝396と連通する軸方向に延在するノッチ397をさらに画定する。軸方向に延在するノッチ397は、ベース部材350のタブ360を溝396内に導くように寸法決めされている。このような構成の下で、タブ360がそれぞれの軸方向に延在するノッチ397に挿入され、シールアセンブリ380がベース部材350に対して回転されると、シールアセンブリ380はベース部材350にしっかりと連結される。このように、スリーブアセンブリ120の近位リング124は、ベース部材350とシールアセンブリ380との間にしっかりと介在される。任意選択的に、シールアセンブリ380は、臨床医による把持を強化するために、円周方向辺りに配列された外部タブ391を含み得る。
【0049】
シールアセンブリ380は、それを通して挿入される、例えば臨床医の手などの物体の周りにシールを形成するのに十分なコンプライアンスを有する、例えばゲルまたはシリコーンなどの材料から形成されたシール388をさらに含む。シール388は、フレーム382上にオーバーモールドされ得る。シール388は、ベース部材350によって画定される開口部352を覆う。シール388は、それを通して挿入される、例えば臨床医の手などの物体を受容するように寸法決めされた切り目(図示せず)を画定し得る。ベース部材350およびシールアセンブリ380の使用は、外科用アクセスアセンブリ100、200のベース部材150、250およびシールアセンブリ180、280の使用と実質的に同一であり、したがって、本明細書に記載されない。
【0050】
当業者であれば、本明細書において具体的に記載され、添付の図に示される構造および方法が、非限定的で例示的な実施形態であり、記載、開示、および図が、単に特定の実施形態を例示しているものと解釈されるべきであることを理解するであろう。例えば、外科用アクセスアセンブリ100、200は、用手補助処置における使用について示されているが、送気された作業空間の完全性をガスおよび/または流体の漏れから保護するのに役立つ器具の周りの実質的に流体密なインターフェースを維持しながら、シールアセンブリ180、280、380を通して挿入するように適合された様々なタイプの器具の導入がさらに考えられる。器具の例には、クリップアプライヤー、グラスパー、解剖器具、開創器、ステープラー、レーザープローブ、写真デバイス、内視鏡および腹腔鏡、チューブなどが含まれるがこれらに限定されない。
【0051】
したがって、本開示は、記載される厳密な実施形態に限定されることがなく、本開示の範囲または主旨から逸脱することなく、種々の他の変更および修正を当業者が行うことができることを理解されたい。加えて、特定の実施形態に関連して示されるか、または記載される構成要素および特徴は、特定の他の実施形態の要素および特徴と、本開示の範囲から逸脱することなく組み合わせることができ、このような修正および変形もまた、本開示の範囲に含まれる。したがって、本開示の主題は、具体的に示され、記載されているものによって限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11