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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240214BHJP
   A63F 5/04 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F7/02 352L
A63F7/02 352N
A63F5/04 682
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020085909
(22)【出願日】2020-05-15
(65)【公開番号】P2021178107
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 安隆
【審査官】尾崎 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-018215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技場を管理対象とした場外管理装置と通信可能であって遊技場内に設けられる場内管理装置、遊技機単位で設けられて遊技者へ遊技価値を付与する貸出処理を行う遊技装置、及び当該遊技装置の予備を収納可能であって当該収納された予備の遊技装置と前記場内管理装置とを通信可能に接続するためのストッカを備える遊技場用システムにおいて、
前記遊技装置は、
当該遊技装置、当該遊技装置とは別に遊技機単位で設けられる周辺機器、及び遊技機の内、少なくとも何れかである時限管理の対象となる対象装置の認証処理を行う認証手段と、
前記ストッカに前記遊技装置が収納されて前記場内管理装置通信可能な接続状態になった場合に、前記認証処理による認証が不成立である認証切れとなるまでの期間を更新する時限更新の対象となる第1モードから、当該第1モードより貸出処理を抑制した前記時限更新の対象とならない第2モードに当該遊技装置のモードを切替えるモード切替手段と、を備える遊技場用システム。
【請求項2】
前記認証手段は、前記ストッカと接続状態になった場合であっても、認証切れの場合及び認証切れが迫っている場合の内、少なくとも何れか一方の場合には前記認証処理である特殊認証処理を可能とする請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項3】
前記認証手段は、前記遊技装置が前記第1モードである場合に認証処理が可能であり、
前記モード切替手段は、前記特殊認証処理後に前記第1モードから前記第2モードに当該遊技装置のモードを切替える請求項2に記載した遊技場用システム。
【請求項4】
前記モード切替手段は、残り時限が基準期間に達していない場合に、前記第1モードを維持することで前記認証手段による前記特殊認証処理を許容する請求項2又は3に記載した遊技場用システム。
【請求項5】
前記モード切替手段は、前記ストッカと接続されたことで前記第1モードから前記第2モードに切替えた遊技装置が前記遊技機と接続された場合に、前記第2モードから前記第1モードに当該遊技装置のモードを切替える請求項1から4の何れか一項に記載した遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示されるように遊技装置を介して遊技機IDを遊技場外のセンタサーバに送信し、センタサーバにて遊技機IDを認証して遊技機が正規の遊技機であるか否かを監視するシステムが知られている。この場合、特許文献1の明細書の段落[0257]-[0258]に示されるように所定期間単位で遊技機IDを遊技場内のシステムコントローラを介してセンタサーバに送信し、センタサーバから照合結果を受信していた。このような認証は所定期間単位で行われるものの認証が不成立である場合に直ちに遊技不能といった抑制処理を行ってしまっては円滑な営業が困難になる虞があるので、ある程度の期間的な猶予を持って抑制処理を行うことが望ましい。一方で、遊技装置を利用する場合、例えば特許文献2の明細書の段落[0050]-[0059]に示されるような所謂ユニットストッカと称されるストッカに予備機を収納し、故障のようなトラブルが生じた場合の端末交換に備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-162425号公報
【文献】特開2010-88636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このように遊技装置をストッカに収納していても何ら処理を行わなければ、遊技機に対応して貸出処理を行う状態と同様の取扱いとなるので認証処理を行う必要があり、仮に認証切れとなった場合、端末交換時に利用不可となる虞がある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、予備機としてストッカに収納される遊技装置を使用する場合にセンタサーバとの認証切れが生ずる虞を低減可能な遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明によれば、複数の遊技場を管理対象とした場外管理装置と通信可能であって遊技場内に設けられる場内管理装置、遊技機単位で設けられて遊技者へ遊技価値を付与する貸出処理を行う遊技装置、及び当該遊技装置の予備を収納可能であって当該収納された予備の遊技装置と前記場内管理装置とを通信可能に接続するためのストッカを備える構成において、時限管理の対象となる対象装置の認証処理が可能であり、ストッカに遊技装置が収納されて前記場内管理装置通信可能な接続状態になった場合に、前記認証処理による認証が不成立である認証切れとなるまでの期間を更新する時限更新の対象となる第1モードから、当該第1モードより貸出処理を抑制した時限更新の対象とならない第2モードに当該遊技装置のモードを切替えるので、予備機としてストッカに収納される遊技装置を使用する場合にセンタサーバとの認証切れが生ずる虞を低減可能となる。

【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態の遊技場用システムの全体構成を示す概略図
図2】管理遊技機及び遊技装置の正面図
図3】ユニットストッカの斜視図
図4】時限管理を示すタイムチャート
図5】時限管理の内容を示す図
図6】機器別状態一覧を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、遊技場用システム1において、遊技場内には、管理遊技機2、メダルレス遊技機3、管理遊技機2やメダルレス遊技機3と1対1に接続されている遊技装置4,5、遊技装置4,5に接続されている通信パルス変換器6,7、複数の遊技装置4,5を管理する台コンピュータ8、複数の台コンピュータ8を管理する島コンピュータ9、複数の島コンピュータ9を管理する台情報管理装置10、場内管理装置11等が設置されている。管理遊技機2及びメダルレス遊技機3のような遊技機は、対象装置及び第1装置に相当する。遊技装置4,5は、認証手段、モード切替手段、対象装置、第1装置及び第2通知手段に相当する。通信パルス変換器6,7は、対象装置、周辺機器及び第2装置に相当する。場内管理装置11は、管理手段、第1通知手段及び報知手段に相当する。
【0009】
島コンピュータ9は台コンピュータ8の上位に位置し、台情報管理装置10は島コンピュータ9の上位に位置する。遊技場外には、場内管理装置11との間でインターネット12を介して通信可能な場外管理装置13、場外管理装置13と通信可能なセンタサーバ14等が設置されている。場外管理装置13及びセンタサーバ14は、場外認証手段に相当する。
【0010】
管理遊技機2は、遊技装置4と対応して動作可能な封入式の遊技機であり、持玉払出操作や貸出操作が行われると、遊技者から受付けた貨幣価値を対価として遊技価値である遊技玉が遊技装置4からデータ上供給され、その遊技玉数がデジタル表示される。管理遊技機2は、遊技玉数が1玉以上であれば遊技玉の発射が可能である一方、遊技玉数が0玉であれば遊技玉の発射が不可となる。遊技玉は、管理遊技機2の計数ボタンの押下による計数操作が行われると、遊技装置4にて持玉として計数される。メダルレス遊技機3は、遊技装置5と対応して動作可能な封入式の遊技機であり、玉がメダルであるといった周知の遊技機上の相違点を除いて上記した管理遊技機2と同様である。
【0011】
遊技装置4,5は、セキュリティ基板を搭載し、場外管理装置13との間で認証を行うことで管理遊技機2やメダルレス遊技機3と接続して動作可能となる。管理遊技機2やメダルレス遊技機3は、セキュリティ基板との間で専用PIF通信を行い、その専用PIF通信により通信内容が隠蔽されている。管理遊技機2の台データは遊技装置4を経由して上位装置へ送信され、メダルレス遊技機3の台データは遊技装置5を経由して上位装置へ送信される。
【0012】
通信パルス変換器6,7は、それぞれ遊技装置4,5と接続されており、遊技装置4,5から電文入力された遊技情報をパルスに変換して出力するための装置であり、パルス信号にて遊技情報を特定するために設けられる装置である。遊技装置4,5と、遊技情報を管理する台コンピュータ8、島コンピュータ9、台情報管理装置10等とが同一メーカであるといったように遊技装置4の電文情報を台情報管理装置10側で対応可能な場合には、通信パルス変換器6,7は不必要であるが、それらが異なるメーカであるといったように遊技装置4の電文情報を台情報管理装置10側で対応不可な場合には、通信パルス変換器6,7は必要になる。本実施形態では、通信パルス変換器6,7は不必要だが、遊技装置4,5と通信パルス変換機6,7との接続が確認できないと、遊技装置4,5からの情報として0データしか送信できないといったように遊技装置4,5における機能が抑制されるため、通信パルス変換機6,7とも接続されるものの、管理遊技機2やメダルレス遊技機3から通知される台データ、遊技装置4,5にて発生した売上データ等の遊技情報は台コンピュータ8のような上位装置へ通信パルス変換機6,7を介さず送信されることを例示するが、そのような対応が不能な場合には、通信パルス変換器6,7にてパルスに変換されて上位装置へ送信される。
【0013】
各装置間で通信されるデータは以下の通りである。
(ア)管理遊技機2から遊技装置4へ送信されるデータ
=台データ、遊技玉情報、照合情報(シリアル通信)
(イ)メダルレス遊技機3から遊技装置5へ送信されるデータ
=台データ、遊技玉情報、照合情報(シリアル通信)
(ウ)遊技装置4,5から通信パルス変換器6,7へ送信されるデータ
=台データ、遊技玉情報、接続状況の問合せを示す接続問合せ(シリアル通信)
(エ)通信パルス変換器6,7から遊技装置4,5へ送信されるデータ
=接続状況の応答結果を示す接続応答結果(シリアル通信)
(オ)遊技装置4,5から台コンピュータ8へ送信されるデータ
=遊技玉情報、台情報管理装置10向け情報(CAN、イーサネット通信)
(カ)台コンピュータ8から島コンピュータ9を介して台情報管理装置10へ送信されるデータ
=遊技玉情報(島コンピュータ9まで)、台情報管理装置10向け情報(CAN、イーサネット通信)
(キ)遊技装置4,5から場内管理装置11を介して場外管理装置13へ送信されるデータ
=売上データ、鍵データ、照合情報や接続応答結果等を含むセキュリティ情報(イーサネット通信)
(ク)場外管理装置13からセンタサーバ14へ送信されるデータ
=鍵データ、照合情報、照合情報を含むセキュリティ情報(イーサネット通信)
尚、総払出数や総投入数といった性能情報を遊技機照合情報に追加、或いは変えてセンタサーバ14との通信対象としても良い。又、場外管理装置13とセンタサーバ14とがインターネット12を介して接続される場合もある。
【0014】
次に、管理遊技機2及び遊技装置4について説明する。これ以降、管理遊技機2及び遊技装置4について説明するが、メダルレス遊技機3及び遊技装置5についても同様である。
管理遊技機2は、遊技者が所有する残金や持玉や貯玉を変換した遊技玉数を記憶しており、その記憶している遊技玉(遊技価値)が残っていることを条件として内部のパチンコ玉を発射装置に供給して盤面に発射し、入賞して遊技者が遊技玉を獲得すると、遊技玉を払出すことなくデータ上の獲得玉(獲得価値)として加算する。
【0015】
図2に示すように、管理遊技機2は、パチンコ玉が発射される盤面15、発射装置を構成する操作ハンドル16、残高を遊技玉に変換するための貸出ボタン17、カード(一般カードや会員カード、記録媒体)を発行するための返却ボタン18、残高を表示する残高表示部19、遊技玉を持玉に変換するための計数ボタン20、遊技玉数を表示する遊技玉表示部21を有する。盤面15には、普図表示部22、普図保留表示部23、特図表示部24、普図入賞口25、一般入賞口26,27、第1保留数表示部28、第2保留数表示部29、第1始動口30、第2始動口31、大入賞口32を有する。又、計数ボタン20及び遊技玉表示部21の下方に、装飾用パネル33を有する。
【0016】
管理遊技機2は以下のように動作する。
(1)第1始動口30は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口31は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口26,27への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を特図表示部24にて行う図柄変動(単位遊技)にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
【0017】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0018】
(3)遊技機設定値(モード)が6段階で設けられ、このモードにより、大当り抽選の当選確率(大当り確率)を通常遊技状態(通常)と確変状態(確変)とを対象として調整可能となっている。又、大当り後に確変となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率(例えば66%で全モード共通)も定められる。大当り確率をモードにより不変とする一方、確変率を調整可能とするように、通常と確変との大当り確率や確変率、及び後述するラウンド振分率等の少なくとも1つがモードにより調整可能であれば良い。
【0019】
(4)大当りが発生すると対応するラウンド(R)分だけ大入賞口32を開放する。1Rの上限入賞数は10個であり、上限開放期間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放期間の何れか満たされた場合に1Rを終了する。対応するラウンドも大当り抽選と同様に抽選され、その振分率は、第1始動口30に入賞した場合は、2Rが10%であり、4Rが50%であり、8Rが40%であるが、第2始動口31に入賞した場合は、4Rが10%であり、8Rが90%であり、入賞に応じた図柄変動の保留消化優先順位は第1始動口30よりも第2始動口31の方が高く設定される。
【0020】
(5)確変中は大当り確率が向上すると共に、第2始動口31の入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。又、確変大当りでない大当り(通常大当り)が発生した場合は大当り後に確変でない時短(単独時短)となり、所定の時短回数(例えば100回)分の図柄変動を行うか大当りが発生するまで時短を継続し、大当りが発生せずに時短回数分の図柄変動を行うと通常状態に戻る。
【0021】
(6)第2始動口31は普図入賞口25への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動期間は通常状態では30秒であり、時短状態では3秒である。又、開放期間は通常状態では0.3秒であり、時短では5秒である。即ち、時短では通常状態と比較して普図変動期間が短くなる一方、開放期間が長くなることで第2始動口31の入賞率が高くなる。
【0022】
(7)大入賞口32や第2始動口31が盤面15の右側にあることから時短中や大当り中には盤面15の右側を狙って打つ所謂右打ちが行われる。以上は機種Aを例にして説明したが、例示した値は例えば機種Bであればラウンドの振分が異なる等、機種に応じて様々な値となり、遊技性も異なる。
【0023】
管理遊技機2及び当該管理遊技機2に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口26,27への始動入賞等の遊技の進行に伴って、所定周期(例えば200ミリ秒周期)で前回送信からの差分を送信対象とし、以下に示す遊技情報を出力する。
アウト情報=消費価値(アウト)を特定可能な情報である。消費(使用、打込、回収)玉単位にて送信され、管理遊技機2からは1玉単位にて送信され、通信パルス変換器6からは10玉単位にて送信される。
セーフ情報=入賞付与価値(セーフ)を特定可能な情報である。入賞に応じた玉単位にて送信され、管理遊技機2からは1玉単位にて送信され、通信パルス変換器6からは10玉単位にて送信される。
状態情報=通常状態や大当り状態等の情報送信時の状態を示す情報である。
【0024】
遊技装置4は、管理遊技機2の遊技状態や遊技装置4の状態を示す状態表示灯34、貨幣(貨幣価値、有価価値)が投入される貨幣投入口35、遊技者からの操作入力を受付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部36、持玉(会員であれば貯玉も含む)を払出すための遊技ボタン37、カードが挿入されるカード挿入口38、遊技者の顔を含む上半身を撮影するカメラ39(図2では保護カバーのみを図示)等を有する。
【0025】
遊技装置4は以下のように動作する。
(1)貨幣を受付けると(貨幣受付処理)、管理遊技機2と遊技装置4との双方に入金額を残高に加算して表示し、残高がある状態で管理遊技機2の貸出ボタン17を押下すると(貸出操作、付与操作)、貸出1単位(例えば125玉)分を貸出玉として遊技玉(対価付与価値、詳細は後述する)に変換し(貸出処理、対価付与処理)、遊技レート(以下、レート)に応じた対価分を残高から引落とす。尚、貨幣は複数回の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0026】
(2)管理遊技機2では遊技玉を管理しており、盤面15への玉の打出し(使用)に応じて遊技玉を減算し、入賞に応じて遊技玉を加算する(入賞付与処理)。遊技装置4は持玉(発行対象価値)を管理し、持玉は直接的には遊技に使用できないが、遊技ボタン32の押下に応じて貸出1単位分の持玉を変換玉として遊技玉に変換する変換処理を行う(遊技変換処理、対価付与処理)。この場合、変換率を別途設けている(以下の計数処理についても同様)。
【0027】
(3)遊技に応じて管理遊技機2の遊技玉が増加した場合、管理遊技機2の計数ボタン20の押下に応じて遊技玉を計数玉として持玉に変換する計数処理を行う(発行変換処理)。この場合、1回の押下に応じて1玉を変換対象とするが、押下した状態を継続させると連続的、且つ加速的に変換可能となる。このようにして遊技玉と持玉とを更新し、遊技装置4では残高や持玉が残存する状態で管理遊技機2の返却ボタン18を押下する等の発行操作を行うと、遊技装置4にストックされていた持玉券に残高や持玉を対応付けて発行する(発行処理)。尚、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行も可能とする。
【0028】
(4)発行処理には管理遊技機2における遊技玉に応じた発行条件が設けられ、本実施形態では遊技玉が所定数(「0」)以下となることで発行条件が成立して発行処理が可能となる。よって、管理遊技機2と一定間隔(例えば200ミリ秒毎に)で通信(アウト情報等も含む)を行っており、遊技への使用や計数処理等により遊技玉が「0」になると、その旨が通知され、発行条件が成立すると発行処理を許容する。管理遊技機2から遊技玉を特定可能な遊技玉信号を受信することで遊技玉を更新して発行条件が成立した旨を特定すれば良いが、遊技玉が「0」になった旨を示す信号を別途受信するような他の特定方法を採用しても良い。
【0029】
(5)発行された持玉券により特定可能な持玉はPOSにて景品との交換が許容され、残高(残貨幣価値)は残高精算機にて貨幣(貨幣価値)に精算可能とされる。尚、遊技装置4が受付ける貨幣を含め、貨幣価値としては現金を例示することができるが、例えば電子マネーやクレジット決済といったように現金以外の貨幣価値を受付対象や精算対象としても良い。又、持玉や残高を持玉券に対応付けて発行処理を行うことを例示したが、例えば会員カードや遊技者の携帯電話機等の他の記録媒体に対応付けた発行処理を行っても勿論良い。
【0030】
(6)中継装置とのシリアル通信により台情報管理装置10にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、変換玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額及び持玉券の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。尚、管理遊技機2との通信は、中継装置を介さずに直接通信しても良いし、中継装置を介して通信しても良い。
【0031】
遊技場内には、図3に示すように、ユニットストッカ(以下、単にストッカと称する)40が設置されており、その収納部41には複数台の遊技装置4が予備機として収納されており、故障のようなトラブルが生じた場合の端末交換に備えている。
【0032】
遊技場用システム1では、前述した[発明が解決しようとする課題]で説明した通り、遊技装置4をストッカ40に収納していても何ら処理を行わなければ管理遊技機2に対応して貸出処理を行う状態と同様の取扱いとなるので認証処理を行う必要があり、仮に認証切れとなった場合、端末交換時に利用不可となる虞がある、この点に関し、本実施形態では以下に示す構成を採用している。
【0033】
管理遊技機2及び遊技装置4は、場内管理装置11及び場外管理装置13を介してセンタサーバ14との間で後述する時限中1、時限中2及び時限中3といった注意時限状態(特定の時限状態)となった場合に1時間毎にID照合のような認証処理を行う。尚、管理遊技機2及び遊技装置4は、認証切れ(後述する未認証の時限状態)となった場合には1時間毎に認証処理を行っても良いが、随時又は認証操作に応じて適宜認証処理を行う。又、認証が不要な管理遊技機2もあるので、認証処理や後述する時限管理を設定により要不要を選択可能とする。この場合、1時間毎とは、毎時分0分といった時刻情報であっても良いが、本実施形態では、電源がオンされている等の通信可能な期間が1時間経過する毎としているため、遊技装置4では、電源がオンされている期間で時限管理される一方、管理遊技機2は、遊技装置4と通信可能な期間が対象となるので、端末単位で異なって時限管理される。又、通信パルス変換器6は、遊技情報の処理に不必要であっても遊技装置4と接続する必要があるので、その接続状況が時限管理され、遊技装置4と接続されているだけの管理となるので、随時(例えば1分単位で)接続状況が確認される。
【0034】
遊技装置4、管理遊技機2及び通信パルス変換器6は、各々時限管理されており、認証切れとなった場合には以下の抑制処理の対象となる。ここで、遊技装置4では、貸出処理、入金処理及び発行処理が抑制処理の対象となり、管理遊技機2では、遊技が抑制処理の対象となり、通信パルス変換器6では、遊技装置4からのデータ出力が全て0データ出力となる処理が抑制処理となる。抑制処理とは、具体的には禁止することであるが、何らかの制限付きで処理可能としても良い。
【0035】
場内管理装置11は、図4及び図5に示す異常報知のタイミングにしたがって異常報知としての未認証警告のイベント通知及び未認証異常のイベント通知を行う。場内管理装置11は、遊技装置4については、認証済=500時間、時限中1=150時間(報知タイミングは時限中1の残り100時間)、時限中2=15時間、時限中3=15時間を設定し、時限中1になってから50時間が経過したことによる時限中1の残り100時間を検知したタイミング、時限中1から時限中2へ切替わったことによる時限中2を新規に検知したタイミング、時限中2から時限中3へ切替わったことによる時限中3を新規に検知したタイミングで未認証警告のイベント通知を行い、時限中3から未認証へ切替わったことによる未認証を新規に検知したタイミングで未認証異常のイベント通知を行う。即ち、場内管理装置11は、時限中1(第1区分)の残り100時間を検知したタイミングで新規検知とは異なる所定条件が成立したとして報知処理を行う一方、時限中2、時限中3、未認証(何れも第2区分)の何れかを新規に検知したタイミングで所定条件が成立したとして報知処理を行う。又、これらの所定条件は、営業中においても成立可能な第1報知条件に相当する。
【0036】
場内管理装置11は、管理遊技機2については、認証済=150時間、時限中1=100時間(報知タイミングは時限中1の残り50時間)、時限中2=15時間、時限中3=15時間を設定し、時限中1になってから50時間が経過したことによる時限中1の残り50時間を検知したタイミング、時限中1から時限中2へ切替わったことによる時限中2を新規に検知したタイミング、時限中2から時限中3へ切替わったことによる時限中3を新規に検知したタイミングで未認証警告のイベント通知を行い、時限中3から未認証へ切替わったことによる未認証を新規に検知したタイミングで未認証異常のイベント通知を行う。即ち、場内管理装置11は、時限中1(第1区分)の残り50時間を検知したタイミングで新規検知とは異なる所定条件が成立したとして報知処理を行う一方、時限中2、時限中3、未認証(何れも第2区分)の何れかを新規に検知したタイミングで所定条件が成立したとして報知処理を行う。又、これらの所定条件は、営業中においても成立可能な第1報知条件に相当する。
【0037】
場内管理装置11は、通信パルス変換器6については、時限中1=3日、時限中2=2日を設定し、時限中1の3日目の台閉店を検知したタイミング、時限中2の台開店を検知したタイミング、時限中2の台閉店を検知したタイミングで未認証警告のイベント通知を行い、時限中2から未認証へ切替わったことによる未認証を新規に検知したタイミングで未認証異常のイベント通知を行う。即ち、場内管理装置11は、時限中1(第1区分)の3日目の台閉店を検知したタイミング、時限中2(第1区分)の台開店を検知したタイミング、時限中2の台閉店を検知したタイミングで新規検知とは異なる所定条件が成立したとして報知処理を行う一方、未認証(第2区分)を新規に検知したタイミングで所定条件が成立したとして報知処理を行う。又、これらの所定条件は、開店処理及び閉店処理に応じた第2報知条件の成立である。尚、以上に説明した場内管理装置11にて行われる未認証警告のイベント通知や未認証異常のイベント通知は、後述するように場内管理装置11にて行うだけでなく図示しないPOSのような場内管理装置11以外の端末にて行っても良い。
【0038】
場内管理装置11は、図6に示すように、機器別状態一覧を生成して表示する。遊技装置4については、認証状態、時限状態、時限残時間、鍵更新待ち状況、鍵更新待ち(日時)、鍵更新日時を項目とする。この場合、認証状態はセンタサーバ14との通信状況に応じた認証用の鍵の状態を示すが、例えば機器番号「1」のように「出荷」であればオレンジ色で表示し、例えば機器番号「4」のように「初期」であれば黄色で表示し、例えば機器番号「7」のように「初期(試験)」であれば赤色で表示する等して識別表示し、時限状態について、「正常」以外(「時限中1」、「時限中2」、「時限中3」及び「未認証」の何れか)であれば赤色で表示する等して識別表示する。
【0039】
管理遊技機2については、接続状態、時限状態、時限残時間、(主)認証更新日時、(枠)認証更新日時を項目とする。この場合も遊技装置4と同様に、時限状態について、「正常」以外(「時限中1」、「時限中2」、「時限中3」及び「未認証」の何れか)であれば赤色で表示する等して識別表示する。
【0040】
通信パルス変換器6については、接続状態、時限状態、有効期限、認証更新日時を項目とする。遊技装置4及び管理遊技機2とは異なり、時限状態について、「時限中1」以外(「時限中2」及び「未認証」の何れか)であれば赤色で表示する等して識別表示する。尚、図6では、識別表示の箇所を太線で囲って示している。又、何れも新たな報知状態となった場合に図示しないポップアップ表示や報知履歴等の報知を行っても良い。
【0041】
場内管理装置11は、このようにして生成した機器別状態一覧を、インターネット12を介して場外管理装置13やセンタサーバ14等へ送信する。場内管理装置11から場外管理装置13やセンタサーバ14等へ送信される機器別状態一覧は、認証処理に応じた時限状況を取り纏めた取り纏め結果に相当する。
【0042】
未認証警告のイベント通知や未認証異常のイベント通知の報知を受けた管理者は、以下に示す手順の対応を行う。手順1、手順2及び手順3は確認していく順番となり、数字が大きいほどより詳細な調査や対応となる。手順1では、遊技装置4、管理遊技機2、通信パルス変換器6を図6にて特定し、台情報管理装置10や遊技装置4との接続状態を確認し、電源切入しても復旧しなければ、遊技装置4、通信パルス変換器6の予備品があれば交換し、一旦時限状態を延命させて運用に支障がないようにする。手順2では、場内管理装置11と場外管理装置13との間の通信状況を確認し、場内管理装置11と場外管理装置13との間の通信状況にて店舗内と店舗外の切り分けを行い、不具合があれば復旧手段を実施する。手順3では、場外管理装置13とセンタサーバ14との間の通信状況を確認し、場外管理装置13とセンタサーバ14との間の通信状況にて切り分けを行い、不具合があれば復旧手段を実施する
【0043】
遊技装置4は、前述したように故障のようなトラブルが生じた場合の端末交換に備えてストッカ40に予備機として収納可能となっており、ストッカ40に収納されている状態であっても場内管理装置11と通信可能であり、その状態管理や設定情報の送受信等を可能として時限が更新される。
【0044】
遊技装置4は、ストッカ40に収納されて当該ストッカ40と接続状態になると、貸出処理が可能であり時限更新の対象となる通常モードから、当該通常モードより貸出処理を抑制した時限更新の対象とならない検査モードにモードを切替える。通常モードは第1モードに相当し、検査モードは第2モードに相当する。即ち、遊技装置4は、通常モードから検査モードに切替わることで時限更新が行われなくなる。検査モードとは、通信を検査するためのモードであり、出荷時に通信可能であるか否かを検査するだけのモードであるので、仮に管理遊技機2に接続させた場合に検査モードとした場合には、例えば貸出処理を禁止したり、貸出処理により付与する遊技価値の上限や貸出処理の処理速度を低減したりするといったように本来の機能は抑制される。
【0045】
遊技装置4がストッカ40に収納されている場合には、管理遊技機2と接続されている場合の認証処理と同様の認証処理を行う。遊技装置4がストッカ40に収納されている場合に行う認証処理は特殊認証処理に相当する。即ち、注意時限状態であれば1時間に1回認証処理を行い、注意認証状態となっていなければ注意認証状態となるまで認証処理は行わない。又、認証切れであれば上記した通りに認証処理を行い、その他のエラーであればそのエラーを解除する。認証切れのようなエラーとなっていない場合には検査モードに移行させて時限が更新されないようにする。
【0046】
認証切れでない場合にそのまま検査モードにしても良いが、残時間が基準時間よりも短くなっている場合に注意時限状態となり、認証処理が行われる迄、通常モードを維持し、認証処理後に検査モードに移行させても良い。時限中1であれば認証処理を行わずに検査モードとするが、時限中2であれば認証処理を行うといったように検査モードとする注意状態を予め定めても良い。
【0047】
遊技装置4がストッカ40に収納されている状態では遊技装置4の認証のみを行い、管理遊技機2と遊技装置4とが接続されていないので、管理遊技機2の認証処理は行えないが、通常モードであれば管理遊技機2の時限も更新されてしまう。よって、管理遊技機2の認証処理については、遊技装置4のストッカ収納時には上記したような時限管理の報知対象から除外している。併せて遊技装置4の時限も緊急性が低いため報知対象から除外しても良いが、ハードウェアの故障やネットワーク関連の異常等を考慮し、本実施形態では時限も含めて異常報知の対象としている。
【0048】
ストッカ収納時に管理遊技機2の認証処理の時限も更新されるが、管理遊技機2と接続される場合に前回接続されていた管理遊技機2と同じ管理遊技機2であれば時限を継承するが、異なる管理遊技機2と接続する場合には時限が初期化され、認証済み(残り500時間)の状態となる。
【0049】
以上に説明したように本実施形態によれば、次に示す作用効果を得ることができる。
遊技場用システム1において、時限管理の対象となる遊技装置4や管理遊技機2と場外管理装置との認証処理が可能であり、ストッカ40に遊技装置4が収納されてストッカ40と接続状態になった場合に、貸出処理が可能であり時限更新の対象となる通常モードから、当該通常モードより貸出処理を抑制した時限更新の対象とならない検査モードに遊技装置4のモードを切替えるので、予備機としてストッカ40に収納される遊技装置4を使用する場合にセンタサーバ14との認証切れが生ずる虞を低減可能となる。
【0050】
ストッカ40と接続状態になった場合であっても、認証切れの場合や認証切れが迫っている場合には特殊認証処理を可能とするので、予備機として使用する場合の認証切れによるリスクを軽減可能となる。
【0051】
遊技装置4は通常モードである場合に認証処理が可能であり、特殊認証処理後に通常モードから検査モードに切替えるので、ストッカ40に収納した場合に認証処理を行った後は時限が更新されないようになり、認証切れによるリスクを軽減可能となる。
【0052】
遊技装置単位で時限状態の管理を行い、特定の時限状態である場合や残り時限が基準期間に達していない場合に、認証切れが迫っているとして通常モードを維持することで特殊認証処理を許容するので、認証切れのリスクが高い遊技装置4については認証処理を待って通常モードから検査モードに切替えるようになり、認証切れによるリスクを適切に軽減可能となる。
【0053】
ストッカ40と接続されたことで通常モードから検査モードに切替えた遊技装置4が遊技機2と接続された場合に、当該遊技装置4を検査モードから通常モードに切替えるので、ストッカ40に収納した状態では時限更新されずに認証切れによるリスクを軽減した場合であっても、予備機として使用する場合には従来同様に遊技装置4としての機能を発揮可能となる。
【0054】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張したり、各変形例を上記した実施形態と組み合わせたり各変形例を組み合わせたりしてどのように組み合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
上記した各数値は例示であり、どのような数値を採用しても良い。
センタサーバ14が認証処理を行い、認証手段に相当することを例示したが、センタサーバ14に代えて、或いは加えて場外管理装置13が認証処理を行っても良く、センタサーバ14と場外管理装置13との少なくとも一方を認証手段に相当する構成としても良い。
各設定値は、管理者が任意に操作入力により設定しても良いし、予め管理装置の製造メーカにて設定しても良いし、外部(例えばチェーン店本部等)のサーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。又、過去の遊技情報を基準値として設定しても勿論良い。
【0055】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良いし、適宜採用しない項目を設けても良い。
通常モードで特殊認証処理を行う場合を例示したが、検査モードであっても特殊認証処理を行っても良い。
【符号の説明】
【0056】
図面中、1は遊技場用システム、2は管理遊技機(対象装置、第1装置)、3はメダルレス遊技機(対象装置、第1装置)、4,5は遊技装置(認証手段、モード切替手段、対象装置、第1装置、第2通知手段)、6は通信パルス変換器(対象装置、周辺機器、第2装置)、11は場内管理装置(管理手段、第1通知手段、報知手段)、13は場外管理装置(場外認証手段)、14はセンタサーバ(場外認証手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6