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特許7436294ゲームプログラム、情報処理装置、情報処理システム、および、ゲーム処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、情報処理装置、情報処理システム、および、ゲーム処理方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/55 20140101AFI20240214BHJP
   A63F 13/525 20140101ALI20240214BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/525
【請求項の数】 32
(21)【出願番号】P 2020096141
(22)【出願日】2020-06-02
(65)【公開番号】P2021186376
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100158780
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100121359
【弁理士】
【氏名又は名称】小沢 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 晴紀
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 祐也
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-145976(JP,A)
【文献】戦闘アクション,任天堂公式ガイドブック ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド,第1版,株式会社小学館,2017年05月16日,第12-13頁
【文献】ジャストコーズ4,週刊ファミ通 ,株式会社Gzブレイン,2018年12月06日,第33巻第51号,第248-251頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータに、
プレイヤの操作入力に基づいて仮想空間内においてプレイヤキャラクタを制御させ、
前記プレイヤキャラクタが前記仮想空間内において落下している落下中状態において、前記コンピュータに、
落下中の前記プレイヤキャラクタの落下方向および落下速度の少なくともいずれかを前記プレイヤのキャラクタ操作入力に基づいて制御させ、
前記プレイヤキャラクタの落下中の姿勢を前記プレイヤのキャラクタ操作入力に基づいて制御させ、
前記プレイヤのカメラ操作入力に基づいて仮想カメラの向きを制御させ、
少なくとも前記プレイヤキャラクタが前記仮想カメラの視野範囲に含まれる位置となるように、前記プレイヤキャラクタの位置と前記仮想カメラの向きとに基づいて前記仮想カメラの位置を制御させ、
落下中の前記プレイヤキャラクタに、所定のオブジェクトを射出する射出アクションを含む特殊アクションを行わせるための操作入力を受け付ける特殊操作モードにおいて、前記コンピュータに、
落下中の前記プレイヤキャラクタの姿勢を、前記カメラ操作入力に基づく前記仮想カメラの向きの少なくともピッチ方向に関する成分に応じて変更させ、
前記カメラ操作入力に基づく前記仮想カメラの向きに応じて、前記射出アクションにおける前記所定のオブジェクトの射出方向を設定させ、
前記プレイヤの射出操作入力に基づいて、前記プレイヤキャラクタが前記射出アクションを行う制御を行わせるとともに、前記所定のオブジェクトが前記射出方向に移動する制御を行わせる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記落下中状態において、前記プレイヤキャラクタの上方向が前記仮想空間において下側を向く姿勢、および、当該プレイヤキャラクタの前方向が前記仮想空間において下側を向く姿勢を含む複数種類の姿勢の少なくともいずれかに該当するように当該プレイヤキャラクタを前記コンピュータに制御させ、当該プレイヤキャラクタの姿勢に応じて前記落下方向および前記落下速度の少なくともいずれかを前記コンピュータに制御させる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記特殊操作モードにおいて、前記カメラ操作入力に基づく前記仮想カメラの向きの少なくともピッチ方向に関する成分に応じた方向に向かって前記プレイヤキャラクタが前記射出アクションのための構えをとるように、前記プレイヤキャラクタの動作を前記コンピュータに制御させる、請求項1または請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記特殊操作モードにおいて、前記仮想カメラの向きの少なくともピッチ方向に関する成分に応じた前記プレイヤキャラクタの姿勢の変更として、前記プレイヤキャラクタによる前記構えの変更を前記コンピュータに行わせる、請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記特殊操作モードにおいて、前記仮想カメラの向きの前記ピッチ方向に関する成分が第1基準方向よりも下向きである状態から当該第1基準方向よりも上向きである状態へと変化したことに応じて、前記プレイヤキャラクタの上方向が前記仮想空間において上側を向く姿勢となるように前記プレイヤキャラクタの姿勢を前記コンピュータに変更させる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記特殊操作モードにおいて、前記仮想カメラの向きの前記ピッチ方向に関する成分が、前記第1基準方向と同じまたは異なる第2基準方向よりも上向きである状態から当該第2基準方向よりも下向きである状態へと変化したことに応じて、前記プレイヤキャラクタの上方向が前記仮想空間において下側を向く、または、前記プレイヤキャラクタの前方向が前記仮想空間において下側を向く姿勢となるように前記プレイヤキャラクタの姿勢を前記コンピュータに変更させる、請求項5に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記第1基準方向は前記第2基準方向よりも上向きである、請求項6に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記特殊操作モードにおいて、当該特殊操作モードが開始される直前の前記プレイヤキャラクタの姿勢に応じて当該特殊操作モードの開始時における前記プレイヤキャラクタの姿勢を前記コンピュータに設定させる、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記落下中状態において、前記プレイヤの向き変更操作入力に基づいて、前記仮想カメラの向きが前記仮想空間において上側を向くように前記仮想カメラを前記コンピュータに設定させる、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記落下中状態において、前記向き変更操作入力に基づいて、前記プレイヤキャラクタの前方向が前記仮想空間において上側を向くように前記プレイヤキャラクタの姿勢を前記コンピュータにさらに設定させる、請求項9に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記落下中状態において、前記プレイヤによる所定のキー入力が開始されたことに応じて、前記特殊操作モードを前記コンピュータに開始させ、
前記射出操作入力は、前記特殊操作モードを開始させる前記所定のキー入力を終了させる入力であり、
前記プレイヤによる終了操作入力に基づいて、前記特殊操作モードを前記コンピュータに終了させる、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記特殊操作モードにおいて、前記プレイヤキャラクタが落下する速度が、前記特殊操作モードでないときの当該プレイヤキャラクタの落下速度よりも遅く見えるように、当該プレイヤキャラクタが落下する様子を示すアニメーションの表示を前記コンピュータに行わせる、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項13】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
プレイヤの操作入力に基づいて仮想空間内においてプレイヤキャラクタを制御し、
前記プレイヤキャラクタが前記仮想空間内において落下している落下中状態において、前記プロセッサは、
落下中の前記プレイヤキャラクタの落下方向および落下速度の少なくともいずれかを前記プレイヤのキャラクタ操作入力に基づいて制御し、
前記プレイヤキャラクタの落下中の姿勢を前記プレイヤのキャラクタ操作入力に基づいて制御し、
前記プレイヤのカメラ操作入力に基づいて仮想カメラの向きを制御し、
少なくとも前記プレイヤキャラクタが前記仮想カメラの視野範囲に含まれる位置となるように、前記プレイヤキャラクタの位置と前記仮想カメラの向きとに基づいて前記仮想カメラの位置を制御し、
落下中の前記プレイヤキャラクタに、所定のオブジェクトを射出する射出アクションを含む特殊アクションを行わせるための操作入力を受け付ける特殊操作モードにおいて、前記プロセッサは、
落下中の前記プレイヤキャラクタの姿勢を、前記カメラ操作入力に基づく前記仮想カメラの向きの少なくともピッチ方向に関する成分に応じて変更し、
前記カメラ操作入力に基づく前記仮想カメラの向きに応じて、前記射出アクションにおける前記所定のオブジェクトの射出方向を設定し、
前記プレイヤの射出操作入力に基づいて、前記プレイヤキャラクタが前記射出アクションを行う制御を行うとともに、前記所定のオブジェクトが前記射出方向に移動する制御を行う、情報処理装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記落下中状態において、前記プレイヤキャラクタの上方向が前記仮想空間において下側を向く姿勢、および、当該プレイヤキャラクタの前方向が前記仮想空間において下側を向く姿勢を含む複数種類の姿勢の少なくともいずれかに該当するように当該プレイヤキャラクタを制御し、当該プレイヤキャラクタの姿勢に応じて前記落下方向および前記落下速度の少なくともいずれかを制御する、請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記特殊操作モードにおいて、前記カメラ操作入力に基づく前記仮想カメラの向きの少なくともピッチ方向に関する成分に応じた方向に向かって前記プレイヤキャラクタが前記射出アクションのための構えをとるように、前記プレイヤキャラクタの動作を制御する、請求項13または請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記特殊操作モードにおいて、前記仮想カメラの向きの少なくともピッチ方向に関する成分に応じた前記プレイヤキャラクタの姿勢の変更として、前記プレイヤキャラクタによる前記構えの変更を行う、請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記特殊操作モードにおいて、前記仮想カメラの向きの前記ピッチ方向に関する成分が第1基準方向よりも下向きである状態から当該第1基準方向よりも上向きである状態へと変化したことに応じて、前記プレイヤキャラクタの上方向が前記仮想空間において上側を向く姿勢となるように前記プレイヤキャラクタの姿勢を変更する、請求項13から請求項16のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記特殊操作モードにおいて、前記仮想カメラの向きの前記ピッチ方向に関する成分が、前記第1基準方向と同じまたは異なる第2基準方向よりも上向きである状態から当該第2基準方向よりも下向きである状態へと変化したことに応じて、前記プレイヤキャラクタの上方向が前記仮想空間において下側を向く、または、前記プレイヤキャラクタの前方向が前記仮想空間において下側を向く姿勢となるように前記プレイヤキャラクタの姿勢を変更する、請求項17に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記第1基準方向は前記第2基準方向よりも上向きである、請求項18に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、前記特殊操作モードにおいて、当該特殊操作モードが開始される直前の前記プレイヤキャラクタの姿勢に応じて当該特殊操作モードの開始時における前記プレイヤキャラクタの姿勢を設定する、請求項13から請求項19のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記プロセッサは、前記落下中状態において、前記プレイヤの向き変更操作入力に基づいて、前記仮想カメラの向きが前記仮想空間において上側を向くように前記仮想カメラを設定する、請求項13から請求項20のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項22】
前記プロセッサは、前記落下中状態において、前記向き変更操作入力に基づいて、前記プレイヤキャラクタの前方向が前記仮想空間において上側を向くように前記プレイヤキャラクタの姿勢を設定する、請求項21に記載の情報処理装置。
【請求項23】
前記プロセッサは、前記落下中状態において、前記プレイヤによる所定のキー入力が開始されたことに応じて、前記特殊操作モードを開始し、
前記射出操作入力は、前記特殊操作モードを開始させる前記所定のキー入力を終了させる入力であり、
前記プロセッサは、前記プレイヤによる終了操作入力に基づいて、前記特殊操作モードを終了する、請求項13から請求項22のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項24】
前記プロセッサは、前記特殊操作モードにおいて、前記プレイヤキャラクタが落下する速度が、前記特殊操作モードでないときの当該プレイヤキャラクタの落下速度よりも遅く見えるように、当該プレイヤキャラクタが落下する様子を示すアニメーションを表示装置に表示させる、請求項13から請求項23のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項25】
プロセッサを備える情報処理装置と、操作装置とを備える情報処理システムであって、
前記プロセッサは、
前記操作装置に対するプレイヤの操作入力に基づいて仮想空間内においてプレイヤキャラクタを制御し、
前記プレイヤキャラクタが前記仮想空間内において落下している落下中状態において、前記プロセッサは、
落下中の前記プレイヤキャラクタの落下方向および落下速度の少なくともいずれかを、前記操作装置に対する前記プレイヤのキャラクタ操作入力に基づいて制御し、
前記プレイヤキャラクタの落下中の姿勢を、前記操作装置に対する前記プレイヤのキャラクタ操作入力に基づいて制御し、
前記操作装置に対する前記プレイヤのカメラ操作入力に基づいて仮想カメラの向きを制御し、
少なくとも前記プレイヤキャラクタが前記仮想カメラの視野範囲に含まれる位置となるように、前記プレイヤキャラクタの位置と前記仮想カメラの向きとに基づいて前記仮想カメラの位置を制御し、
落下中の前記プレイヤキャラクタに、所定のオブジェクトを射出する射出アクションを含む特殊アクションを行わせるための、前記操作装置に対する操作入力を受け付ける特殊操作モードにおいて、前記プロセッサは、
落下中の前記プレイヤキャラクタの姿勢を、前記カメラ操作入力に基づく前記仮想カメラの向きの少なくともピッチ方向に関する成分に応じて変更し、
前記カメラ操作入力に基づく前記仮想カメラの向きに応じて、前記射出アクションにおける前記所定のオブジェクトの射出方向を設定し、
前記操作装置に対する前記プレイヤの射出操作入力に基づいて、前記プレイヤキャラクタが前記射出アクションを行う制御を行うとともに、前記所定のオブジェクトが前記射出方向に移動する制御を行う、情報処理システム。
【請求項26】
前記プロセッサは、前記落下中状態において、前記プレイヤキャラクタの上方向が前記仮想空間において下側を向く姿勢、および、当該プレイヤキャラクタの前方向が前記仮想空間において下側を向く姿勢を含む複数種類の姿勢の少なくともいずれかに該当するように当該プレイヤキャラクタを制御し、当該プレイヤキャラクタの姿勢に応じて前記落下方向および前記落下速度の少なくともいずれかを制御する、請求項25に記載の情報処理システム。
【請求項27】
前記プロセッサは、前記特殊操作モードにおいて、
前記カメラ操作入力に基づく前記仮想カメラの向きの少なくともピッチ方向に関する成分に応じた方向に向かって前記プレイヤキャラクタが前記射出アクションのための構えをとるように、前記プレイヤキャラクタの動作を制御し、
前記仮想カメラの向きの少なくともピッチ方向に関する成分に応じた前記プレイヤキャラクタの姿勢の変更として、前記プレイヤキャラクタによる前記構えの変更を行う、請求項25または請求項26に記載の情報処理システム。
【請求項28】
前記プロセッサは、前記落下中状態において、前記操作装置に対する前記プレイヤの向き変更操作入力に基づいて、前記仮想カメラの向きが前記仮想空間において上側を向くように前記仮想カメラを設定する、請求項25から請求項27のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項29】
プロセッサを備える情報処理システムにおいて実行されるゲーム処理方法であって、
前記プロセッサは、
プレイヤの操作入力に基づいて仮想空間内においてプレイヤキャラクタを制御し、
前記プレイヤキャラクタが前記仮想空間内において落下している落下中状態において、前記プロセッサは、
落下中の前記プレイヤキャラクタの落下方向および落下速度の少なくともいずれかを前記プレイヤのキャラクタ操作入力に基づいて制御し、
前記プレイヤキャラクタの落下中の姿勢を前記プレイヤのキャラクタ操作入力に基づいて制御し、
前記プレイヤのカメラ操作入力に基づいて仮想カメラの向きを制御し、
少なくとも前記プレイヤキャラクタが前記仮想カメラの視野範囲に含まれる位置となるように、前記プレイヤキャラクタの位置と前記仮想カメラの向きとに基づいて前記仮想カメラの位置を制御し、
落下中の前記プレイヤキャラクタに、所定のオブジェクトを射出する射出アクションを含む特殊アクションを行わせるための操作入力を受け付ける特殊操作モードにおいて、前記プロセッサは、
落下中の前記プレイヤキャラクタの姿勢を、前記カメラ操作入力に基づく前記仮想カメラの向きの少なくともピッチ方向に関する成分に応じて変更し、
前記カメラ操作入力に基づく前記仮想カメラの向きに応じて、前記射出アクションにおける前記所定のオブジェクトの射出方向を設定し、
前記プレイヤの射出操作入力に基づいて、前記プレイヤキャラクタが前記射出アクションを行う制御を行うとともに、前記所定のオブジェクトが前記射出方向に移動する制御を行う、ゲーム処理方法。
【請求項30】
前記プロセッサは、前記落下中状態において、前記プレイヤキャラクタの上方向が前記仮想空間において下側を向く姿勢、および、当該プレイヤキャラクタの前方向が前記仮想空間において下側を向く姿勢を含む複数種類の姿勢の少なくともいずれかに該当するように当該プレイヤキャラクタを制御し、当該プレイヤキャラクタの姿勢に応じて前記落下方向および前記落下速度の少なくともいずれかを制御する、請求項29に記載のゲーム処理方法。
【請求項31】
前記プロセッサは、前記特殊操作モードにおいて、
前記カメラ操作入力に基づく前記仮想カメラの向きの少なくともピッチ方向に関する成分に応じた方向に向かって前記プレイヤキャラクタが前記射出アクションのための構えをとるように、前記プレイヤキャラクタの動作を制御し、
前記仮想カメラの向きの少なくともピッチ方向に関する成分に応じた前記プレイヤキャラクタの姿勢の変更として、前記プレイヤキャラクタによる前記構えの変更を行う、請求項29または請求項30に記載のゲーム処理方法。
【請求項32】
前記プロセッサは、前記落下中状態において、前記プレイヤの向き変更操作入力に基づいて、前記仮想カメラの向きが前記仮想空間において上側を向くように前記仮想カメラを設定する、請求項29から請求項31のいずれか1項に記載のゲーム処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤキャラクタの姿勢を制御するためのゲームプログラム、情報処理装置、情報処理システム、および、ゲーム処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、仮想のゲーム空間において、プレイヤキャラクタが空中にある状態において弓を放つアクションをプレイヤキャラクタに行わせることが行われている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】"ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド"、[online]、任天堂株式会社、[令和2年4月21日検索]、インターネット<https://www.nintendo.co.jp/zelda/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来においては、プレイヤキャラクタは立った姿勢で弓を放つので、プレイヤキャラクタが自然な姿勢をとることを前提とすると、例えば真下に弓を放つことはできず、弓を放つことが可能な向きが制限されてしまうおそれがあった。
【0005】
それ故、本発明の目的は、空中におけるプレイヤキャラクタの姿勢を自然に表現しつつ、アクションを行う向きの自由度を向上することができるゲームプログラム、情報処理装置、情報処理システム、および、ゲーム処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決すべく、本発明は、以下の(1)~(12)の構成を採用した。
【0007】
(1)
本発明の一例は、情報処理装置のコンピュータに、プレイヤの操作入力に基づいて仮想空間内においてプレイヤキャラクタを制御させるゲームプログラムである。ゲームプログラムは、プレイヤキャラクタが仮想空間内において落下している落下中状態において、コンピュータに次の処理を実行させる。
・落下中のプレイヤキャラクタの落下方向および落下速度の少なくともいずれかをプレイヤのキャラクタ操作入力に基づいて制御させること
・プレイヤキャラクタの落下中の姿勢をプレイヤのキャラクタ操作入力に基づいて制御させること
・プレイヤのカメラ操作入力に基づいて仮想カメラの向きを制御させること
・少なくともプレイヤキャラクタが仮想カメラの視野範囲に含まれる位置となるように、プレイヤキャラクタの位置と仮想カメラの向きとに基づいて仮想カメラの位置を制御させること
また、落下中のプレイヤキャラクタに、所定のオブジェクトを射出する射出アクションを含む特殊アクションを行わせるための操作入力を受け付ける特殊操作モードにおいて、ゲームプログラムは、コンピュータに次の処理を実行させる。
・落下中のプレイヤキャラクタの姿勢を、カメラ操作入力に基づく仮想カメラの向きの少なくともピッチ方向に関する成分に応じて変更させること
・カメラ操作入力に基づく仮想カメラの向きに応じて、射出アクションにおける所定のオブジェクトの射出方向を設定させること
・プレイヤの射出操作入力に基づいて、プレイヤキャラクタが射出アクションを行う制御を行わせるとともに、所定のオブジェクトが射出方向に移動する制御を行わせること
【0008】
上記(1)の構成によれば、特殊操作モードにおいて、仮想カメラの向きに応じてプレイヤキャラクタの姿勢が変化するので、落下中におけるプレイヤキャラクタの姿勢を自然に表現しつつ、射出アクションを行う射出方向の自由度を向上することができる。
【0009】
(2)
ゲームプログラムは、落下中状態において、プレイヤキャラクタの上方向が仮想空間において下側を向く姿勢、および、当該プレイヤキャラクタの前方向が仮想空間において下側を向く姿勢を含む複数種類の姿勢の少なくともいずれかに該当するように当該プレイヤキャラクタをコンピュータに制御させてもよく、当該プレイヤキャラクタの姿勢に応じて落下方向および落下速度の少なくともいずれかをコンピュータに制御させてもよい。
【0010】
上記(2)の構成によれば、プレイヤキャラクタが落下する際の姿勢を多様にすることができるとともに、プレイヤキャラクタの姿勢に応じた落下方向および/または落下速度でプレイヤキャラクタに移動を行わせることができる。
【0011】
(3)
ゲームプログラムは、特殊操作モードにおいて、カメラ操作入力に基づく仮想カメラの向きの少なくともピッチ方向に関する成分に応じた方向に向かってプレイヤキャラクタが射出アクションのための構えをとるように、プレイヤキャラクタの動作をコンピュータに制御させてもよい。
【0012】
上記(3)の構成によれば、プレイヤキャラクタに自然な射出アクションを行わせることができるとともに、射出方向をプレイヤにとってわかりやすくすることができる。
【0013】
(4)
ゲームプログラムは、特殊操作モードにおいて、仮想カメラの向きの少なくともピッチ方向に関する成分に応じたプレイヤキャラクタの姿勢の変更として、プレイヤキャラクタによる構えの変更をコンピュータに行わせてもよい。
【0014】
上記(4)の構成によれば、射出方向に応じた自然な構えをプレイヤキャラクタにとらせやすくなる。
【0015】
(5)
ゲームプログラムは、特殊操作モードにおいて、仮想カメラの向きのピッチ方向に関する成分が第1基準方向よりも下向きである状態から当該第1基準方向よりも上向きである状態へと変化したことに応じて、プレイヤキャラクタの上方向が仮想空間において上側を向く姿勢となるようにプレイヤキャラクタの姿勢をコンピュータに変更させてもよい。
【0016】
上記(5)の構成によれば、仮想カメラの向きが第1基準方向より下向きである状態から当該第1基準方向より上向きである状態へと変化することに応じて射出方向が変化する際に、プレイヤキャラクタの自然な姿勢を維持することができる。
【0017】
(6)
ゲームプログラムは、特殊操作モードにおいて、仮想カメラの向きのピッチ方向に関する成分が、第1基準方向と同じまたは異なる第2基準方向よりも上向きである状態から当該第2基準方向よりも下向きである状態へと変化したことに応じて、プレイヤキャラクタの上方向が仮想空間において下側を向く、または、プレイヤキャラクタの前方向が仮想空間において下側を向く姿勢となるようにプレイヤキャラクタの姿勢をコンピュータに変更させてもよい。
【0018】
上記(6)の構成によれば、仮想カメラの向きが第2基準方向より上向きである状態から当該第2基準方向より下向きである状態へと変化することに応じて射出方向が変化する際に、プレイヤキャラクタの自然な姿勢を維持することができる。
【0019】
(7)
第1基準方向は第2基準方向よりも上向きであってもよい。
【0020】
上記(7)の構成によれば、プレイヤキャラクタの姿勢が仮想カメラの向きの変化に応じて頻繁に切り替わるといった不自然な動作が行われる可能性を低減することができる。
【0021】
(8)
ゲームプログラムは、特殊操作モードにおいて、当該特殊操作モードが開始される直前のプレイヤキャラクタの姿勢に応じて当該特殊操作モードの開始時におけるプレイヤキャラクタの姿勢をコンピュータに設定させてもよい。
【0022】
上記(8)の構成によれば、特殊操作モードに移行する前後におけるプレイヤキャラクタの姿勢を自然にすることができる。
【0023】
(9)
ゲームプログラムは、落下中状態において、プレイヤの向き変更操作入力に基づいて、仮想カメラの向きが仮想空間において上側を向くように仮想カメラをコンピュータに設定させてもよい。
【0024】
上記(9)の構成によれば、仮想カメラを上側に向ける操作をプレイヤは容易に行うことができるので、ゲームの操作性を向上することができる。
【0025】
(10)
ゲームプログラムは、落下中状態において、向き変更操作入力に基づいて、プレイヤキャラクタの前方向が仮想空間において上側を向くようにプレイヤキャラクタの姿勢をコンピュータにさらに設定させてもよい。
【0026】
上記(10)の構成によれば、プレイヤキャラクタの姿勢を容易に変更することができ、プレイヤキャラクタの操作性を向上することができる。また、上記(9)および(10)の構成によれば、プレイヤは、プレイヤキャラクタの姿勢が変化したことを、仮想カメラの向きの変化によって直感的に認識することができる。
【0027】
(11)
ゲームプログラムは、落下中状態において、プレイヤによる所定のキー入力が開始されたことに応じて、特殊操作モードをコンピュータに開始させてもよい。射出操作入力は、特殊操作モードを開始させる所定のキー入力を終了させる入力であってもよい。ゲームプログラムは、プレイヤによる終了操作入力に基づいて、特殊操作モードをコンピュータに終了させてもよい。
【0028】
上記(11)の構成によれば、プレイヤは、所定のキー入力を行って当該キー入力を終了するという一連の操作によって特殊操作モードの開始および終了を行うことができるので、特殊操作モードの開始および終了の操作に関する操作性を向上することができる。
【0029】
(12)
ゲームプログラムは、特殊操作モードにおいて、プレイヤキャラクタが落下する速度が、特殊操作モードでないときの当該プレイヤキャラクタの落下速度よりも遅く見えるように、当該プレイヤキャラクタが落下する様子を示すアニメーションの表示をコンピュータに行わせてもよい。
【0030】
上記(12)の構成によれば、プレイヤキャラクタに射出アクションを行わせる操作の操作性を向上することができる。
【0031】
なお、本発明の別の一例は、上記(1)~(12)における処理を実行する情報処理装置または情報処理システムであってもよい。また、本発明の別の一例は、上記(1)~(12)における処理を実行するゲーム処理方法であってもよい。
【発明の効果】
【0032】
上記ゲームプログラム、情報処理装置、情報処理システム、または、ゲーム処理方法によれば、空中におけるプレイヤキャラクタの姿勢を自然に表現しつつ、アクションを行う向きの自由度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本体装置に左コントローラおよび右コントローラを装着した状態の一例を示す図
図2】本体装置から左コントローラおよび右コントローラをそれぞれ外した状態の一例を示す図
図3】本体装置の一例を示す六面図
図4】左コントローラの一例を示す六面図
図5】右コントローラの一例を示す六面図
図6】本体装置の内部構成の一例を示すブロック図
図7】本体装置と左コントローラおよび右コントローラとの内部構成の一例を示すブロック図
図8】プレイヤキャラクタがとり得る各落下状態の一例を示す図
図9】プレイヤキャラクタのダイビング落下中に表示されるゲーム画像の一例を示す図
図10】仮想カメラの向きの変化とプレイヤキャラクタの向きの変化との関係を示す図
図11】特殊操作モード中におけるゲーム画像の一例を示す図
図12】特殊操作モード中における仮想カメラの向きの変化とプレイヤキャラクタの姿勢の変化との関係を示す図
図13】プレイヤキャラクタがとり得る3種類の構え姿勢の一例を示す図
図14】プレイヤキャラクタの構え姿勢が下向き構えから横向き構えに変化する様子の一例を示す図
図15】プレイヤキャラクタの構え姿勢が横向き構えから下向き構えに変化する様子の一例を示す図
図16】ゲームシステム1における情報処理に用いられる各種データの一例を示す図
図17】ゲームシステム1によって実行されるゲーム制御処理の流れの一例を示すフローチャート
図18図17に示すステップS9の特殊操作モード処理の詳細な流れの一例を示すサブフローチャート
図19図18に示すステップS29の姿勢変更処理の詳細な流れの一例を示すサブフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0034】
[1.ゲームシステムの構成]
以下、本実施形態の一例に係るゲームシステムについて説明する。本実施形態におけるゲームシステム1の一例は、本体装置(情報処理装置;本実施形態ではゲーム装置本体として機能する)2と左コントローラ3および右コントローラ4とを含む。本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4がそれぞれ着脱可能である。つまり、ゲームシステム1は、左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ本体装置2に装着して一体化された装置として利用できる。また、ゲームシステム1は、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4とを別体として利用することもできる(図2参照)。以下では、本実施形態のゲームシステム1のハードウェア構成について説明し、その後に本実施形態のゲームシステム1の制御について説明する。
【0035】
図1は、本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4を装着した状態の一例を示す図である。図1に示すように、左コントローラ3および右コントローラ4は、それぞれ本体装置2に装着されて一体化されている。本体装置2は、ゲームシステム1における各種の処理(例えば、ゲーム処理)を実行する装置である。本体装置2は、ディスプレイ12を備える。左コントローラ3および右コントローラ4は、ユーザが入力を行うための操作部を備える装置である。
【0036】
図2は、本体装置2から左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ外した状態の一例を示す図である。図1および図2に示すように、左コントローラ3および右コントローラ4は、本体装置2に着脱可能である。なお、以下において、左コントローラ3および右コントローラ4の総称として「コントローラ」と記載することがある。
【0037】
図3は、本体装置2の一例を示す六面図である。図3に示すように、本体装置2は、略板状のハウジング11を備える。本実施形態において、ハウジング11の主面(換言すれば、表側の面、すなわち、ディスプレイ12が設けられる面)は、大略的には矩形形状である。
【0038】
なお、ハウジング11の形状および大きさは、任意である。一例として、ハウジング11は、携帯可能な大きさであってよい。また、本体装置2単体または本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4が装着された一体型装置は、携帯型装置となってもよい。また、本体装置2または一体型装置が手持ち型の装置となってもよい。また、本体装置2または一体型装置が可搬型装置となってもよい。
【0039】
図3に示すように、本体装置2は、ハウジング11の主面に設けられるディスプレイ12を備える。ディスプレイ12は、本体装置2が生成した画像を表示する。本実施形態においては、ディスプレイ12は、液晶表示装置(LCD)とする。ただし、ディスプレイ12は任意の種類の表示装置であってよい。
【0040】
また、本体装置2は、ディスプレイ12の画面上にタッチパネル13を備える。本実施形態においては、タッチパネル13は、マルチタッチ入力が可能な方式(例えば、静電容量方式)のものである。ただし、タッチパネル13は、任意の種類のものであってよく、例えば、シングルタッチ入力が可能な方式(例えば、抵抗膜方式)のものであってもよい。
【0041】
本体装置2は、ハウジング11の内部においてスピーカ(すなわち、図6に示すスピーカ88)を備えている。図3に示すように、ハウジング11の主面には、スピーカ孔11aおよび11bが形成される。そして、スピーカ88の出力音は、これらのスピーカ孔11aおよび11bからそれぞれ出力される。
【0042】
また、本体装置2は、本体装置2が左コントローラ3と有線通信を行うための端子である左側端子17と、本体装置2が右コントローラ4と有線通信を行うための右側端子21を備える。
【0043】
図3に示すように、本体装置2は、スロット23を備える。スロット23は、ハウジング11の上側面に設けられる。スロット23は、所定の種類の記憶媒体を装着可能な形状を有する。所定の種類の記憶媒体は、例えば、ゲームシステム1およびそれと同種の情報処理装置に専用の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)である。所定の種類の記憶媒体は、例えば、本体装置2で利用されるデータ(例えば、アプリケーションのセーブデータ等)、および/または、本体装置2で実行されるプログラム(例えば、アプリケーションのプログラム等)を記憶するために用いられる。また、本体装置2は、電源ボタン28を備える。
【0044】
本体装置2は、下側端子27を備える。下側端子27は、本体装置2がクレードルと通信を行うための端子である。本実施形態において、下側端子27は、USBコネクタ(より具体的には、メス側コネクタ)である。上記一体型装置または本体装置2単体をクレードルに載置した場合、ゲームシステム1は、本体装置2が生成して出力する画像を据置型モニタに表示することができる。また、本実施形態においては、クレードルは、載置された上記一体型装置または本体装置2単体を充電する機能を有する。また、クレードルは、ハブ装置(具体的には、USBハブ)の機能を有する。
【0045】
図4は、左コントローラ3の一例を示す六面図である。図4に示すように、左コントローラ3は、ハウジング31を備える。本実施形態においては、ハウジング31は、縦長の形状、すなわち、上下方向(すなわち、図1および図4に示すy軸方向)に長い形状である。左コントローラ3は、本体装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることも可能である。ハウジング31は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に左手で把持可能な形状および大きさをしている。また、左コントローラ3は、横長となる向きで把持されることも可能である。左コントローラ3が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。
【0046】
左コントローラ3は、アナログスティック32を備える。図4に示すように、アナログスティック32は、ハウジング31の主面に設けられる。アナログスティック32は、方向を入力することが可能な方向入力部として用いることができる。ユーザは、アナログスティック32を傾倒することによって傾倒方向に応じた方向の入力(および、傾倒した角度に応じた大きさの入力)が可能である。なお、左コントローラ3は、方向入力部として、アナログスティックに代えて、十字キーまたはスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、本実施形態においては、アナログスティック32を押下する入力が可能である。
【0047】
左コントローラ3は、各種操作ボタンを備える。左コントローラ3は、ハウジング31の主面上に4つの操作ボタン33~36(具体的には、右方向ボタン33、下方向ボタン34、上方向ボタン35、および左方向ボタン36)を備える。さらに、左コントローラ3は、録画ボタン37および-(マイナス)ボタン47を備える。左コントローラ3は、ハウジング31の側面の左上に第1Lボタン38およびZLボタン39を備える。また、左コントローラ3は、ハウジング31の側面の、本体装置2に装着される際に装着される側の面に第2Lボタン43および第2Rボタン44を備える。これらの操作ボタンは、本体装置2で実行される各種プログラム(例えば、OSプログラムやアプリケーションプログラム)に応じた指示を行うために用いられる。
【0048】
また、左コントローラ3は、左コントローラ3が本体装置2と有線通信を行うための端子42を備える。
【0049】
図5は、右コントローラ4の一例を示す六面図である。図5に示すように、右コントローラ4は、ハウジング51を備える。本実施形態においては、ハウジング51は、縦長の形状、すなわち、上下方向に長い形状である。右コントローラ4は、本体装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることも可能である。ハウジング51は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に右手で把持可能な形状および大きさをしている。また、右コントローラ4は、横長となる向きで把持されることも可能である。右コントローラ4が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。
【0050】
右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、方向入力部としてアナログスティック52を備える。本実施形態においては、アナログスティック52は、左コントローラ3のアナログスティック32と同じ構成である。また、右コントローラ4は、アナログスティックに代えて、十字キーまたはスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、ハウジング51の主面上に4つの操作ボタン53~56(具体的には、Aボタン53、Bボタン54、Xボタン55、およびYボタン56)を備える。さらに、右コントローラ4は、+(プラス)ボタン57およびホームボタン58を備える。また、右コントローラ4は、ハウジング51の側面の右上に第1Rボタン60およびZRボタン61を備える。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、第2Lボタン65および第2Rボタン66を備える。
【0051】
また、右コントローラ4は、右コントローラ4が本体装置2と有線通信を行うための端子64を備える。
【0052】
図6は、本体装置2の内部構成の一例を示すブロック図である。本体装置2は、図3に示す構成の他、図6に示す各構成要素81~91、97、および98を備える。これらの構成要素81~91、97、および98のいくつかは、電子部品として電子回路基板上に実装されてハウジング11内に収納されてもよい。
【0053】
本体装置2は、プロセッサ81を備える。プロセッサ81は、本体装置2において実行される各種の情報処理を実行する情報処理部であって、例えば、CPU(Central Processing Unit)のみから構成されてもよいし、CPU機能、GPU(Graphics Processing Unit)機能等の複数の機能を含むSoC(System-on-a-chip)から構成されてもよい。プロセッサ81は、記憶部(具体的には、フラッシュメモリ84等の内部記憶媒体、あるいは、スロット23に装着される外部記憶媒体等)に記憶される情報処理プログラム(例えば、ゲームプログラム)を実行することによって、各種の情報処理を実行する。
【0054】
本体装置2は、自身に内蔵される内部記憶媒体の一例として、フラッシュメモリ84およびDRAM(Dynamic Random Access Memory)85を備える。フラッシュメモリ84およびDRAM85は、プロセッサ81に接続される。フラッシュメモリ84は、主に、本体装置2に保存される各種のデータ(プログラムであってもよい)を記憶するために用いられるメモリである。DRAM85は、情報処理において用いられる各種のデータを一時的に記憶するために用いられるメモリである。
【0055】
本体装置2は、スロットインターフェース(以下、「I/F」と略記する。)91を備える。スロットI/F91は、プロセッサ81に接続される。スロットI/F91は、スロット23に接続され、スロット23に装着された所定の種類の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)に対するデータの読み出しおよび書き込みを、プロセッサ81の指示に応じて行う。
【0056】
プロセッサ81は、フラッシュメモリ84およびDRAM85、ならびに上記各記憶媒体との間でデータを適宜読み出したり書き込んだりして、上記の情報処理を実行する。
【0057】
本体装置2は、ネットワーク通信部82を備える。ネットワーク通信部82は、プロセッサ81に接続される。ネットワーク通信部82は、ネットワークを介して外部の装置と通信(具体的には、無線通信)を行う。本実施形態においては、ネットワーク通信部82は、第1の通信態様としてWi-Fiの規格に準拠した方式により、無線LANに接続して外部装置と通信を行う。また、ネットワーク通信部82は、第2の通信態様として所定の通信方式(例えば、独自プロトコルによる通信や、赤外線通信)により、同種の他の本体装置2との間で無線通信を行う。なお、上記第2の通信態様による無線通信は、閉ざされたローカルネットワークエリア内に配置された他の本体装置2との間で無線通信可能であり、複数の本体装置2の間で直接通信することによってデータが送受信される、いわゆる「ローカル通信」を可能とする機能を実現する。
【0058】
本体装置2は、コントローラ通信部83を備える。コントローラ通信部83は、プロセッサ81に接続される。コントローラ通信部83は、左コントローラ3および/または右コントローラ4と無線通信を行う。本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との通信方式は任意であるが、本実施形態においては、コントローラ通信部83は、左コントローラ3との間および右コントローラ4との間で、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信を行う。
【0059】
プロセッサ81は、上述の左側端子17、右側端子21、および下側端子27に接続される。プロセッサ81は、左コントローラ3と有線通信を行う場合、左側端子17を介して左コントローラ3へデータを送信するとともに、左側端子17を介して左コントローラ3から操作データを受信する。また、プロセッサ81は、右コントローラ4と有線通信を行う場合、右側端子21を介して右コントローラ4へデータを送信するとともに、右側端子21を介して右コントローラ4から操作データを受信する。また、プロセッサ81は、クレードルと通信を行う場合、下側端子27を介してクレードルへデータを送信する。このように、本実施形態においては、本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4との間で、それぞれ有線通信と無線通信との両方を行うことができる。また、左コントローラ3および右コントローラ4が本体装置2に装着された一体型装置または本体装置2単体がクレードルに装着された場合、本体装置2は、クレードルを介してデータ(例えば、画像データや音声データ)を据置型モニタ等に出力することができる。
【0060】
ここで、本体装置2は、複数の左コントローラ3と同時に(換言すれば、並行して)通信を行うことができる。また、本体装置2は、複数の右コントローラ4と同時に(換言すれば、並行して)通信を行うことができる。したがって、複数のユーザは、左コントローラ3および右コントローラ4のセットをそれぞれ用いて、本体装置2に対する入力を同時に行うことができる。一例として、第1ユーザが左コントローラ3および右コントローラ4の第1セットを用いて本体装置2に対して入力を行うと同時に、第2ユーザが左コントローラ3および右コントローラ4の第2セットを用いて本体装置2に対して入力を行うことが可能となる。
【0061】
また、ディスプレイ12は、プロセッサ81に接続される。プロセッサ81は、(例えば、上記の情報処理の実行によって)生成した画像および/または外部から取得した画像をディスプレイ12に表示する。
【0062】
本体装置2は、コーデック回路87およびスピーカ(具体的には、左スピーカおよび右スピーカ)88を備える。コーデック回路87は、スピーカ88および音声入出力端子25に接続されるとともに、プロセッサ81に接続される。コーデック回路87は、スピーカ88および音声入出力端子25に対する音声データの入出力を制御する回路である。
【0063】
本体装置2は、電力制御部97およびバッテリ98を備える。電力制御部97は、バッテリ98およびプロセッサ81に接続される。また、図示しないが、電力制御部97は、本体装置2の各部(具体的には、バッテリ98の電力の給電を受ける各部、左側端子17、および右側端子21)に接続される。電力制御部97は、プロセッサ81からの指令に基づいて、バッテリ98から上記各部への電力供給を制御する。
【0064】
また、バッテリ98は、下側端子27に接続される。外部の充電装置(例えば、クレードル)が下側端子27に接続され、下側端子27を介して本体装置2に電力が供給される場合、供給された電力がバッテリ98に充電される。
【0065】
図7は、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との内部構成の一例を示すブロック図である。なお、本体装置2に関する内部構成の詳細については、図6で示しているため図7では省略している。
【0066】
左コントローラ3は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部101を備える。図7に示すように、通信制御部101は、端子42を含む各構成要素に接続される。本実施形態においては、通信制御部101は、端子42を介した有線通信と、端子42を介さない無線通信との両方で本体装置2と通信を行うことが可能である。通信制御部101は、左コントローラ3が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。すなわち、左コントローラ3が本体装置2に装着されている場合、通信制御部101は、端子42を介して本体装置2と通信を行う。また、左コントローラ3が本体装置2から外されている場合、通信制御部101は、本体装置2(具体的には、コントローラ通信部83)との間で無線通信を行う。コントローラ通信部83と通信制御部101との間の無線通信は、例えばBluetooth(登録商標)の規格に従って行われる。
【0067】
また、左コントローラ3は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ102を備える。通信制御部101は、例えばマイコン(マイクロプロセッサとも言う)で構成され、メモリ102に記憶されるファームウェアを実行することによって各種の処理を実行する。
【0068】
左コントローラ3は、各ボタン103(具体的には、ボタン33~39、43、44、および47)を備える。また、左コントローラ3は、アナログスティック(図7では「スティック」と記載する)32を備える。各ボタン103およびアナログスティック32は、自身に対して行われた操作に関する情報を、適宜のタイミングで繰り返し通信制御部101へ出力する。
【0069】
通信制御部101は、各入力部(具体的には、各ボタン103、および、アナログスティック32)から、入力に関する情報(具体的には、操作に関する情報、またはセンサによる検出結果)を取得する。通信制御部101は、取得した情報(または取得した情報に所定の加工を行った情報)を含む操作データを本体装置2へ送信する。なお、操作データは、所定時間に1回の割合で繰り返し送信される。なお、入力に関する情報が本体装置2へ送信される間隔は、各入力部について同じであってもよいし、同じでなくてもよい。
【0070】
上記操作データが本体装置2へ送信されることによって、本体装置2は、左コントローラ3に対して行われた入力を得ることができる。すなわち、本体装置2は、各ボタン103およびアナログスティック32に対する操作を、操作データに基づいて判別することができる。
【0071】
左コントローラ3は、電力供給部108を備える。本実施形態において、電力供給部108は、バッテリおよび電力制御回路を有する。図示しないが、電力制御回路は、バッテリに接続されるとともに、左コントローラ3の各部(具体的には、バッテリの電力の給電を受ける各部)に接続される。
【0072】
図7に示すように、右コントローラ4は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部111を備える。また、右コントローラ4は、通信制御部111に接続されるメモリ112を備える。通信制御部111は、端子64を含む各構成要素に接続される。通信制御部111およびメモリ112は、左コントローラ3の通信制御部101およびメモリ102と同様の機能を有する。したがって、通信制御部111は、端子64を介した有線通信と、端子64を介さない無線通信(具体的には、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信)との両方で本体装置2と通信を行うことが可能であり、右コントローラ4が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。
【0073】
右コントローラ4は、左コントローラ3の各入力部と同様の各入力部を備える。具体的には、各ボタン113、および、アナログスティック52を備える。これらの各入力部については、左コントローラ3の各入力部と同様の機能を有し、同様に動作する。
【0074】
右コントローラ4は、電力供給部118を備える。電力供給部118は、左コントローラ3の電力供給部108と同様の機能を有し、同様に動作する。
【0075】
[2.ゲームシステムにおける処理の概要]
図8図15を参照して、ゲームシステム1において実行されるゲーム処理の概要について説明する。本実施形態においては、上記ゲーム処理によるゲームにおいて、プレイヤ(換言すれば、ユーザ)によって操作されるプレイヤキャラクタが仮想の3次元のゲーム空間内において移動する。ゲーム空間内においてプレイヤキャラクタは、例えば高所から飛び降りた場合等に空中を落下する。本実施形態においては、プレイヤは、落下中のプレイヤキャラクタに対してもいくつかの操作を行うことができる。以下においては、ゲーム空間内においてプレイヤキャラクタが空中を落下する際の動作制御について主に説明する。
【0076】
[2-1:落下中の姿勢]
本実施形態においては、プレイヤキャラクタは、落下中において下記の5つの落下状態をとり得る。
・通常落下
・低速落下
・ダイビング落下
・背面落下
・高速落下
ゲームシステム1は、上記5つの落下状態毎に異なる姿勢となるようにプレイヤキャラクタを制御する(図8参照)。
【0077】
なお、本明細書において、プレイヤキャラクタの姿勢とは、プレイヤが認識可能なプレイヤキャラクタのポーズおよび構えを含む意味である。すなわち、「プレイヤキャラクタの姿勢が異なる」とは、プレイヤキャラクタのポーズおよび/または構えが異なることを含む意味である。
【0078】
図8は、プレイヤキャラクタがとり得る各落下状態の一例を示す図である。なお、本実施形態においては、プレイヤキャラクタ201は、弓を使って矢を射出することが可能であり、弓オブジェクト202を所持している。詳細は後述するが、プレイヤキャラクタ201が矢を射出する際には弓を構える姿勢をとる。一方、弓を構えていない状態においては、プレイヤキャラクタ201は弓オブジェクト202を背中に背負っている(図8参照)。
【0079】
図8に示すように、通常落下とは、プレイヤキャラクタ201が腕を少し上に上げて立っているような姿勢で、プレイヤキャラクタ201が頭部をゲーム空間における上側にして落下する状態である。本実施形態においては、プレイヤキャラクタ201は、後述する飛び込み動作を行わずに高所から飛び降りた場合において最初に通常落下の姿勢をとる。通常落下中においては、プレイヤは、プレイヤキャラクタ201に対する移動操作を行うことができない。つまり、通常落下中においては、プレイヤキャラクタ201は、ゲームにおいて用いられる物理法則(例えば、慣性の法則や重力の法則)に従って下方へ落下していく。
【0080】
プレイヤキャラクタ201が通常落下中である場合、プレイヤによるアイテム使用指示(例えば、右コントローラ4のXボタン55を押下する入力指示)に応じて、プレイヤキャラクタ201は低速落下の状態に移行する(図8参照)。また、プレイヤキャラクタ201が通常落下中である場合、プレイヤによるダイビング指示(例えば、右コントローラ4の第1Rボタン60を押下する入力指示、または、左コントローラ3のアナログスティック32を上方向に傾倒する入力指示)に応じて、プレイヤキャラクタ201はダイビング落下の状態に移行する(図8参照)。
【0081】
図8に示すように、低速落下とは、パラシュートを模した落下用アイテム203を使用する姿勢でプレイヤキャラクタ201が落下する状態である。低速落下中においては、通常落下と同様、プレイヤキャラクタ201は、頭部をゲーム空間における上側にして落下する。低速落下中においては、プレイヤキャラクタ201は、通常落下時よりも遅い落下速度(より具体的には、5つの落下状態のうちで最も遅い落下速度)で落下する。低速落下中において、プレイヤキャラクタ201は、プレイヤキャラクタ201の前方に進みながら滑空するように落下していく。また、本実施形態においては、低速落下中において、プレイヤキャラクタ201は、プレイヤによる左右の移動指示(例えば、左コントローラ3のアナログスティック32を傾倒する入力指示)に応じて、左右に移動しながら落下する。具体的には、低速落下中においては、プレイヤキャラクタ201は、左右の移動指示に応じて、左右に向きを変えて(例えば、左右に旋回するように)落下する。また、プレイヤキャラクタ201が低速落下中である場合、プレイヤによるアイテム終了指示(例えば、右コントローラ4のBボタン54を押下する入力指示)に応じて、プレイヤキャラクタ201は通常落下の状態に移行する(図8参照)。
【0082】
なお、プレイヤキャラクタ201の落下中において、ゲーム画像を生成するための仮想カメラは、プレイヤによるカメラ指示(例えば、右コントローラ4のアナログスティック52を傾倒する入力指示)に応じて位置および向きを変更する。例えば、仮想カメラは、左右方向のカメラ指示に応じてヨー方向に回転するように移動し、上下方向のカメラ指示に応じてピッチ方向に回転するように移動する(図10参照)。また、本実施形態においては、プレイヤキャラクタ201の落下中において、仮想カメラは、プレイヤキャラクタ201が視野範囲に含まれる位置および向きとなるように制御される。
【0083】
なお、プレイヤキャラクタ201が低速落下中である場合、プレイヤによるダイビング指示(例えば、右コントローラ4の第1Rボタン60を押下する入力指示)に応じて、プレイヤキャラクタ201はダイビング落下の状態に移行する(図8参照)。
【0084】
図8に示すように、ダイビング落下とは、(例えばダイビングのように)プレイヤキャラクタ201が両手両足を広げた姿勢で、プレイヤキャラクタ201の前方向(すなわち、プレイヤキャラクタ201の向きを基準としたときの前方向)をゲーム空間における下側に向けて落下する状態である。ダイビング落下中においては、プレイヤキャラクタ201は、通常落下時よりも遅く、かつ、低速落下時よりも速い落下速度で落下する。なお、本実施形態においては、プレイヤキャラクタ201は、上述のように通常落下の状態からダイビング落下の状態へと移行することが可能であるとともに、高所から飛び込み動作(例えば、高所からジャンプして飛び降りる動作)を行って飛び降りた場合においては、最初にダイビング落下の姿勢をとる。
【0085】
なお、本明細書において、「ある方向が下側を向く」とは、当該方向が厳密に真下方向を向く状態の他、当該方向が概ね下向きとなる状態を含む意味である。例えば、ある方向が真下方向に対して20°の角度を有する場合、当該ある方向は下側を向くと言うことができる。また、本明細書において、「ある方向が上側を向く」とは、当該方向が厳密に真上方向を向く状態の他、当該方向が概ね上向きとなる状態を含む意味である。
【0086】
図9は、プレイヤキャラクタのダイビング落下中に表示されるゲーム画像の一例を示す図である。本実施形態においては、ダイビング落下が開始された場合、ゲームシステム1は、仮想カメラをプレイヤキャラクタ201から上方(より具体的には、ゲーム空間における上方)の位置とし、ゲーム空間における下側を向くように仮想カメラを設定する。この設定は、ゲームシステム1によって自動的に(すなわち、プレイヤによるカメラ指示がなくても)行われる。そのため、図9に示すように、ダイビング落下の開始時においては、プレイヤキャラクタ201の後方の視点からプレイヤキャラクタ201の落下方向を見たときのゲーム空間を示すゲーム画像がディスプレイ12に表示される。これによって、プレイヤは、プレイヤキャラクタ201がダイビング落下の状態になったことを直感的に認識することができる。また、仮想カメラは、ダイビング落下中におけるプレイヤキャラクタ201の進行方向を向くことになるので、プレイヤはダイビング落下中における操作を行いやすくなる。
【0087】
なお、図9に示す上記ゲーム画像は、プレイヤキャラクタ201のスタミナを示すスタミナゲージ206を含む。ここで、本実施形態においては、プレイヤキャラクタ201にはスタミナを示すパラメータが設定される。例えば、プレイヤキャラクタ201のスタミナは、プレイヤキャラクタ201が低速落下の状態で落下する際には、時間が経過するにつれて次第に減少する。また例えば、プレイヤキャラクタ201のスタミナは、後述する矢を射出するアクションをプレイヤキャラクタ201が行ったことに応じて所定量だけ減少する。落下中においてスタミナが0になった場合、プレイヤキャラクタ201は通常落下の状態となる。
【0088】
本実施形態においては、ダイビング落下中において、プレイヤキャラクタ201は、プレイヤによる上下左右の移動指示(例えば、左コントローラ3のアナログスティック32を傾倒する入力指示)に応じて、ゲーム空間における下側を向いている(前方向が概ね落下方向となっていると言うこともできる)プレイヤキャラクタ201を基準としてゲーム空間における前後左右(ゲーム空間における水平面に平行な成分)に移動しながら落下する。具体的には、ダイビング落下中においては、プレイヤキャラクタ201は、移動指示に応じて、ゲーム空間における水平方向に関して移動しつつ、下方向に落下移動を行う。なお、本実施形態においては、ダイビング落下中における上記水平方向の単位時間あたりの移動量は、低速落下中における当該水平方向の単位時間あたりの移動量よりも小さい。つまり、プレイヤは、ダイビング落下中よりも低速落下中の方がプレイヤキャラクタ201を水平方向に関して大きく移動させることができる。
【0089】
プレイヤキャラクタ201がダイビング落下中である場合、プレイヤによるダイビング終了指示(例えば、右コントローラ4のBボタン54を押下する入力指示)に応じて、プレイヤキャラクタ201は通常落下の状態に移行する(図8参照)。また、プレイヤキャラクタ201がダイビング落下中である場合において、プレイヤによるアイテム使用指示に応じて、プレイヤキャラクタ201は低速落下の状態に移行する(図8参照)。
【0090】
さらに、プレイヤキャラクタ201がダイビング落下中である場合、プレイヤによるターン開始指示(例えば、右コントローラ4のAボタン53を押下する入力指示)に応じて、プレイヤキャラクタ201は背面落下の状態に移行する(図8参照)。
【0091】
図8に示すように、背面落下とは、プレイヤキャラクタ201の前方向がゲーム空間における上側を向く姿勢(例えば、仰向けの姿勢)で、腕を下ろして足を少し曲げた姿勢で落下する状態である。背面落下中においては、プレイヤキャラクタ201は、例えばダイビング落下時と同じ落下速度で落下する。
【0092】
本実施形態においては、背面落下が開始された場合、ゲームシステム1は、仮想カメラをプレイヤキャラクタ201の下方(より具体的には、ゲーム空間における下方)の位置とし、ゲーム空間における上側を向くように仮想カメラを設定する。この設定は、ゲームシステム1によって自動的に行われる。このように、背面落下の開始時においては、プレイヤキャラクタ201の後方からゲーム空間における上側を向くように設定される。
【0093】
上記のように、本実施形態においては、ゲームシステム1は、プレイヤキャラクタの落下中状態において、プレイヤの向き変更操作入力(例えば、ターン開始指示のための入力)に基づいて、仮想カメラの向きがゲーム空間において上側を向くように仮想カメラを変更する。これによれば、仮想カメラを上側に向ける操作をプレイヤは容易に行うことができ、ゲームの操作性を向上することができる。また、本実施形態においては、ゲームシステム1は、上記向き変更操作入力に基づいて、プレイヤキャラクタの前方向がゲーム空間において上側を向くようにプレイヤキャラクタの姿勢を変更する。そのため、プレイヤは、プレイヤキャラクタの姿勢を容易に変更することができ、プレイヤキャラクタの操作性を向上することができる。さらに、本実施形態においては、向き変更操作入力に基づいて、プレイヤキャラクタの姿勢が変化するとともに仮想カメラの向きが変化するので、プレイヤは、プレイヤキャラクタの姿勢が変化したことを、仮想カメラの向きの変化によって直感的に認識することができる。
【0094】
本実施形態においては、背面落下中においてもダイビング落下中と同様に、プレイヤキャラクタ201は、プレイヤによる上下左右の移動指示に応じて移動する。すなわち、プレイヤキャラクタ201は、上下左右の移動指示に応じて、プレイヤキャラクタ201を基準としてゲーム空間における前後左右(ゲーム空間における水平面に平行な成分)に移動しながら落下する。ただし、他の実施形態においては、ゲームシステム1は、背面落下中においてはプレイヤがプレイヤキャラクタ201に対する移動操作を行うことができないようにしてもよい。
【0095】
なお、プレイヤキャラクタ201が背面落下中である場合、プレイヤによるターン終了指示(例えば、右コントローラ4のAボタン53を押下する入力指示)に応じて、プレイヤキャラクタ201は、背面落下の状態となる直前の状態(具体的には、ダイビング落下中の状態、または、後述する高速落下中の状態)に移行する(図8参照)。
【0096】
また、プレイヤキャラクタ201がダイビング落下中である場合、プレイヤによる高速落下開始指示(例えば、右コントローラ4の第1Rボタン60の押下を開始する入力指示)に応じて、プレイヤキャラクタ201は高速落下の状態に移行する(図8参照)。なお、プレイヤキャラクタ201が高速落下中である場合、プレイヤによる高速落下終了指示(例えば、高速落下の開始のために押下された第1Rボタン60を離す入力指示)に応じて、プレイヤキャラクタ201はダイビング落下の状態に移行する(図8参照)。
【0097】
図8に示すように、高速落下とは、プレイヤキャラクタ201が腕を下ろして立ったような状態で頭が進行方向を向くような姿勢で、プレイヤキャラクタ201が頭部をゲーム空間における下側にして落下する状態である。高速落下中においては、プレイヤキャラクタ201は、通常落下時よりも速い落下速度で(つまり、5つの落下状態のうちで最速の落下速度で)落下する。
【0098】
高速落下中においてもダイビング落下中と同様に、プレイヤキャラクタ201は、プレイヤによる上下左右の移動指示に応じて、プレイヤキャラクタ201を基準としてゲーム空間における前後左右(ゲーム空間における水平面に平行な成分)に移動しながら落下する。ただし、本実施形態においては、高速落下中における上記水平方向の単位時間あたりの移動量は、ダイビング落下中における当該水平方向の単位時間あたりの移動量よりも小さい。つまり、プレイヤは、高速落下中よりもダイビング落下中の方がプレイヤキャラクタ201を水平方向に関して大きく移動させることができる。
【0099】
なお、プレイヤキャラクタ201が高速落下中である場合、プレイヤによる上記ターン開始指示に応じて、プレイヤキャラクタ201は背面落下の状態に移行する(図8参照)。
【0100】
なお、上述のように、上記ダイビング落下および背面落下の開始時には、仮想カメラの位置および向きが自動的に制御される。一方、ダイビング落下、背面落下、または、高速落下中においても、通常落下または低速落下中と同様、仮想カメラは、プレイヤによるカメラ指示に応じて位置および向きが制御される。このとき、仮想カメラは、プレイヤキャラクタ201が視野範囲に含まれる位置および向きとなるように制御される。
【0101】
また、本実施形態においては、プレイヤキャラクタ201が上記5つの落下状態のうち通常状態を除く4つの落下状態のいずれかにおける姿勢をとる場合、仮想カメラの向きに応じてプレイヤキャラクタ201の向きが制御される。
【0102】
図10は、仮想カメラの向きの変化とプレイヤキャラクタの向きの変化との関係を示す図である。本実施形態においては、プレイヤキャラクタ201が上記4つの落下状態におけるいずれかの姿勢をとる場合において、仮想カメラ205の向きのゲーム空間におけるヨー方向成分に応じて、プレイヤキャラクタ201の向きが制御される。なお、上記ヨー方向とは、ゲーム空間における水平方向に垂直な軸を回転軸とする回転方向である。図10に示す例では、仮想カメラ205がプレイヤキャラクタ201の後方に位置する場合において、左方向への入力指示が行われたことに応じて、仮想カメラ205はプレイヤキャラクタ201を中心にヨー方向に回転移動し、位置P1へと移動する。このとき、仮想カメラ205の向きもヨー方向に(具体的には右を向くように)変化する。このように仮想カメラ25の向きが変化したことに応じて、プレイヤキャラクタ201は、プレイヤキャラクタ201の向きが仮想カメラ205の視線方向となるように、向きを変更する(図10に示す矢印参照)。なお、プレイヤキャラクタ201の向きは、仮想カメラ205の視線方向に常に一致するように制御される必要はなく、仮想カメラ205の視線方向に追従するように(つまり、ある程度の遅延が生じるように)制御されてもよい。以上によれば、ヨー方向に関してはプレイヤキャラクタ201の向きと仮想カメラの視線方向とが大きくずれることはなく、プレイヤキャラクタ201の移動操作(例えば、左コントローラ3のアナログスティック32を用いた操作)を行いやすくなる。
【0103】
一方、プレイヤキャラクタ201が上記4つの落下状態におけるいずれかの姿勢をとる場合において、仮想カメラ205の向きがゲーム空間におけるピッチ方向に変化しても、プレイヤキャラクタ201の向きは変化しない。なお、上記ピッチ方向とは、ゲーム空間における水平方向に平行であって、仮想カメラの視線方向に垂直な軸を回転軸とする回転方向である。図10に示す例では、仮想カメラ205がプレイヤキャラクタ201の後方に位置する場合において、下方向への入力指示が行われたことに応じて、仮想カメラ205はプレイヤキャラクタ201を中心にピッチ方向に回転移動し、位置P2へと移動する。このとき、仮想カメラ205の向きもピッチ方向に(具体的には上を向くように)変化する。このようなピッチ方向への仮想カメラの向きの変化に応じては、プレイヤキャラクタ201の向きは制御されない。ピッチ方向の変化に関しては、プレイヤキャラクタ201の向きと仮想カメラの視線方向とがずれたとしても、プレイヤキャラクタ201の移動操作に関してプレイヤの違和感が小さいためである。
【0104】
以上のように本実施形態においては、プレイヤは、落下中のプレイヤキャラクタ201に対して、移動指示、または、落下状態を変更する指示を行うことによって、当該プレイヤキャラクタ201の落下方向および/または落下速度を操作することができる。なお、他の実施形態においては、プレイヤは、プレイヤキャラクタ201の落下方向および落下速度のいずれかのみを操作可能であってもよい。
【0105】
また、本実施形態においては、ゲームシステム1は、プレイヤキャラクタの落下中状態において、プレイヤキャラクタの上方向(すなわち、プレイヤキャラクタから見た上方向)がゲーム空間において下側を向く姿勢(例えば、高速落下時の姿勢)、および、当該プレイヤキャラクタの前方向がゲーム空間において下側を向く姿勢(例えば、ダイビング落下時の姿勢)を含む複数種類の姿勢の少なくともいずれかに該当するように当該プレイヤキャラクタを制御する。また、ゲームシステム1は、プレイヤキャラクタの姿勢に応じて落下方向および落下速度の少なくともいずれかを制御する(例えば、高速落下時とダイビング落下時とで落下速度を異ならせる)。これによれば、プレイヤキャラクタが落下する際の姿勢を多様にすることができるとともに、プレイヤキャラクタの姿勢に応じた落下方向および/または落下速度でプレイヤキャラクタに移動を行わせることができる。
【0106】
以上に説明した5つの落下中の状態について、プレイヤキャラクタ201の姿勢、プレイヤキャラクタ201の挙動(例えば落下速度)、プレイヤキャラクタ201に対する移動操作の可否および移動操作の内容、ならびに、仮想カメラの操作の可否および操作の内容は、任意であり、上記で説明したものに限定されない。また、他の実施形態においては、落下中においてプレイヤキャラクタ201が取り得る状態は、上記の5つに限らない。また、他の実施形態においては、落下中においてプレイヤキャラクタ201は上記の5つの状態を全てとることが可能である必要はない。また、他の実施形態においては、プレイヤキャラクタ201の落下状態を変化させる条件は任意であり、本実施形態における条件に限らない。
【0107】
[2-2:特殊操作モードにおける処理]
次に、プレイヤキャラクタの落下中における特殊操作モードにおける処理について説明する。本実施形態においては、プレイヤキャラクタ201は、落下中において射出アクション(本実施形態においては、弓を用いて矢を射出するアクション)を行うことができる。上記特殊操作モードは、プレイヤによる指示に基づいて、プレイヤキャラクタ201に矢を射出する動作を行わせるための処理モードである。
【0108】
本実施形態においては、プレイヤキャラクタ201は、落下中においてプレイヤによる構え指示に応じて弓オブジェクト202を構える姿勢(以下、「構え姿勢」と呼ぶ。図13参照)となる。さらに、プレイヤキャラクタ201は、構え姿勢中において、プレイヤによる射出指示に応じて矢を射出する射出アクションを行う。また、プレイヤキャラクタ201は、構え姿勢中において、プレイヤによる構え終了指示に応じて構え姿勢を終了し、落下状態における姿勢に戻る。上記特殊操作モードは、構え指示に応じて開始され、構え終了指示に応じて終了される。
【0109】
なお、本実施形態においては、構え指示は、右コントローラ4のZRボタン61を押下する入力指示であり、射出指示は、当該構え指示のために押下されたZRボタン61を離す入力指示である。このように、本実施形態においては、ゲームシステム1は、落下中状態において、プレイヤによる所定のキー入力(例えば、ZRボタン61に対する入力)が開始されたことに応じて、特殊操作モードを開始する。また、プレイヤキャラクタ201に射出アクションを行わせるための射出操作入力は、特殊操作モードを開始させる上記所定のキー入力を終了させる入力である。また、ゲームシステム1は、プレイヤによる終了操作入力(例えば、上記構え終了指示のための入力)に基づいて、特殊操作モードを終了する。これによれば、プレイヤは、所定のキー入力を行って当該キー入力を終了する(例えば、所定のボタンを押して離す)という一連の操作によって特殊操作モードの開始および終了を行うことができるので、操作性を向上することができる。
【0110】
図11は、特殊操作モード中におけるゲーム画像の一例を示す図である。図11に示すように、特殊操作モードである場合(すなわち、プレイヤキャラクタ201が構え姿勢をとった場合)、弓オブジェクト202を構えるプレイヤキャラクタ201を後方から見たときのゲーム空間を示すゲーム画像がディスプレイ12に表示される。また、図11に示すように、上記ゲーム画像は照準マーカ207を含む。照準マーカ207は、プレイヤによって射出指示が行われたことに応じて矢が射出される場合における矢の射出方向を示す。本実施形態においては、照準マーカ207は、ゲーム空間を示すゲーム画像の所定位置(例えば、中央の位置)に表示される。
【0111】
本実施形態においては、特殊操作モード中においても特殊操作モード中でない場合と同様、ゲームシステム1は、仮想カメラを操作するための上記カメラ指示を受け付ける。また、特殊操作モードにおいては、カメラ指示に応じて仮想カメラの向きが変化することに応じて、プレイヤキャラクタ201による矢の射出方向が変化する。本実施形態においては、仮想カメラの向きに関わらずゲーム画像の所定位置に照準マーカ207が配置されるように、仮想カメラの向きに応じて射出方向が設定される。
【0112】
図12は、特殊操作モード中における仮想カメラの向きの変化とプレイヤキャラクタの姿勢の変化との関係を示す図である。図12に示すように、本実施形態においては、仮想カメラの向きの変化に応じて、プレイヤキャラクタ201が矢を向ける向きが変化する。例えば、仮想カメラの視線方向がゲーム空間における水平方向よりも下を向くように変化した場合、プレイヤキャラクタ201は、当該水平方向よりも下へ矢オブジェクト209を向ける(図12に示す(a)参照)。また、仮想カメラの視線方向がゲーム空間における水平方向よりも上を向くように変化した場合、プレイヤキャラクタ201は、当該水平方向よりも上へ矢オブジェクト209を向ける(図12に示す(b)参照)。なお、本実施形態においては、ゲームシステム1は、仮想カメラの視線方向と矢オブジェクト209の向き(すなわち、射出方向)とが一致するように、プレイヤキャラクタ201の動作を制御する。
【0113】
以上のように、本実施形態においては、特殊操作モードにおいて、ゲームシステム1は、カメラ操作入力(例えば、カメラ指示のための入力)に基づく仮想カメラの向きの少なくともピッチ方向に関する成分に応じた方向に向かって、プレイヤキャラクタが射出アクションのための構えをとるように、プレイヤキャラクタの動作を制御する。これによれば、プレイヤキャラクタに自然な射出アクションを行わせることができるとともに、射出方向をプレイヤにとってわかりやすくすることができる。
【0114】
なお、図12に示す例においては、仮想カメラの向きがゲーム空間におけるピッチ方向に変化する場合を示したが、仮想カメラの向きがゲーム空間におけるヨー方向に変化する場合もこれと同様である。すなわち、本実施形態においては、仮想カメラの向きがゲーム空間におけるヨー方向に変化する場合、ゲームシステム1は、矢オブジェクト209を向ける方向をヨー方向に変化させるようにプレイヤキャラクタ201の動作を制御する。これによれば、仮想カメラの向きのピッチ方向の変化とヨー方向の変化とのいずれについても、射出方向に応じた自然な姿勢をとるようにプレイヤキャラクタ201を制御することができる。
【0115】
なお、矢の向きを変更する上記の動作は、プレイヤキャラクタ201の姿勢を変更する動作であってもよいし(図12に参照)、プレイヤキャラクタ201が(姿勢を変更せずに)弓矢を構えるプレイヤキャラクタ201全体の向きを変更する動作であってもよい(図14に示す状態Aから状態Bへの変化を参照)。本実施形態においては、プレイヤキャラクタ201の構え姿勢が後述の横向き構えまたは上向き構えである場合、プレイヤキャラクタ201は、姿勢を変更する(例えば、上半身の向きを変更する)ことによって矢の向きを変更し、プレイヤキャラクタ201の構え姿勢が後述の下向き構えである場合、プレイヤキャラクタ201は、弓矢を構えるプレイヤキャラクタ201全体の向きを変更することによって矢の向きを変更する。
【0116】
なお、本実施形態においては、特殊操作モードにおいては、ゲームシステム1は、プレイヤキャラクタ201を移動させるための移動指示を受け付けない。つまり、本実施形態においては、特殊操作モードにおいては、プレイヤは、プレイヤキャラクタ201に対する移動操作を行うことができない。ただし、他の実施形態においては、ゲームシステム1は、特殊操作モード中においても移動指示を受け付けるようにしてもよい。
【0117】
また、本実施形態においては、特殊操作モードにおいては、ゲーム空間における各オブジェクト(ただし、射出後の矢オブジェクトを除く)の動きがスローになるスロー表示を行う。つまり、特殊操作モードにおいては、ゲーム空間における時間の流れが遅くなったように表示される(例えば、特殊操作モードでない場合よりも1/10の速さの動きで表示される)。そのため、表示上は、プレイヤキャラクタ201はゆっくりと落下し、射出後の矢オブジェクトを除く他のオブジェクトもゆっくりと移動する。これによって、プレイヤは、プレイヤキャラクタ201の落下中において照準マーカ207による狙いをつけやすくなり、プレイヤキャラクタ201に矢を射出させるための操作を行いやすくなる。
【0118】
上記のように、本実施形態においては、ゲームシステム1は、特殊操作モードにおいて、プレイヤキャラクタ201が落下する速度が、特殊操作モードでないときのプレイヤキャラクタ201の落下速度よりも遅く見えるように、プレイヤキャラクタ201が落下する様子を示すアニメーションを表示する。これによって、プレイヤキャラクタ201に射出アクションを行わせる操作の操作性を向上することができる。
【0119】
なお、本実施形態においては、ゲームシステム1は、特殊操作モードにおいて、ゲーム空間全体の速度を遅くした表示処理を行う。つまり、本実施形態においては、特殊操作モードにおいては、プレイヤキャラクタ201の落下速度だけでなく、ゲーム空間に存在する他のオブジェクトの移動速度についても遅くなる。これに対して、他の実施形態においては、ゲームシステム1は、特殊操作モードにおいてプレイヤキャラクタ201の落下速度のみを遅くし、ゲーム空間に存在する他のオブジェクトの移動速度については変化させないようにしてもよい。これによっても本実施形態と同様、プレイヤキャラクタ201に射出アクションを行わせる操作の操作性を向上することができる。
【0120】
本実施形態においては、特殊操作モードにおいて、ゲームシステム1は、プレイヤキャラクタ201が矢を向ける向きを仮想カメラの向きに応じて変化させることに加え、条件が満たされる場合には構え姿勢(具体的には、構え姿勢の種類)を変更する。ここで、本実施形態において、特殊操作モードにおいてプレイヤキャラクタ201は下記の3種類の構え姿勢をとり得る。
・横向き構え
・下向き構え
・上向き構え
ゲームシステム1は、上記3種類の構え姿勢のうちからプレイヤキャラクタ201がとる姿勢を仮想カメラの向きに応じて決定する。
【0121】
図13は、プレイヤキャラクタがとり得る3種類の構え姿勢の一例を示す図である。図13に示すように、横向き構えは、射出方向が概ね横向きとなるときにプレイヤキャラクタ201がとることができる構え姿勢である。具体的には、横向き構えは、プレイヤキャラクタ201が立ったような姿勢で、自身の前方向に向けて弓オブジェクト202を構える構え姿勢である。横向き構えをとる場合、プレイヤキャラクタ201は、頭部をゲーム空間における上側にした向きとなる。本実施形態においては、上述の通常落下、低速落下、または、ダイビング落下中に特殊操作モードが開始された場合、ゲームシステム1は横向き構えをとるようにプレイヤキャラクタ201を制御する。
【0122】
図13に示すように、下向き構えは、射出方向が概ね下向きとなるときにプレイヤキャラクタ201がとることができる構え姿勢である。具体的には、下向き構えは、プレイヤキャラクタ201が進行方向(すなわち、落下方向)に向けて弓オブジェクト202を構える構え姿勢である。下向き構えをとる場合、プレイヤキャラクタ201は、頭部をゲーム空間における下側にした向きとなる。本実施形態においては、上述の高速落下中に特殊操作モードが開始された場合、ゲームシステム1は下向き構えをとるようにプレイヤキャラクタ201を制御する。
【0123】
図13に示すように、上向き構えは、射出方向が概ね上向きとなるときにプレイヤキャラクタ201がとることができる構え姿勢である。具体的には、上向き構えは、少し足を曲げて、自身の前方向に向けて弓オブジェクト202を構える構え姿勢である。上向き構えをとる場合、プレイヤキャラクタ201は、自身の前方向がゲーム空間における上側を向く向きとなる(例えば、仰向けの姿勢)。本実施形態においては、上述の背面落下中に特殊操作モードが開始された場合、ゲームシステム1は上向き構えをとるようにプレイヤキャラクタ201を制御する。
【0124】
本実施形態においては、プレイヤキャラクタ201は上記の3種類の構え姿勢をとり得るので、射出方向がゲーム空間におけるいずれの向きとなっても、自然な構え姿勢をとるようにプレイヤキャラクタ201の動作を制御することができる。また、本実施形態によれば、プレイヤキャラクタ201に自然な構え姿勢をとらせつつ、射出方向の範囲を広げることができるということもできる。
【0125】
さらに、本実施形態においては、特殊操作モードにおいて、ゲームシステム1は、当該特殊操作モードが開始される直前のプレイヤキャラクタの姿勢に応じて当該特殊操作モードの開始時における姿勢を設定する。例えば、ゲームシステム1は、特殊操作モードが開始される直前のプレイヤキャラクタの姿勢が、プレイヤキャラクタの上方向がゲーム空間において上側を向く姿勢(例えば、通常落下または低速落下の姿勢)である場合、特殊操作モードの開始時における姿勢を、プレイヤキャラクタの上方向がゲーム空間において上側を向く姿勢とする。また、ゲームシステム1は、特殊操作モードが開始される直前のプレイヤキャラクタの姿勢が、プレイヤキャラクタの上方向がゲーム空間において下側を向く姿勢(例えば、高速落下の姿勢)である場合、特殊操作モードの開始時における姿勢を、プレイヤキャラクタの上方向がゲーム空間において下側を向く姿勢とする。このように、本実施形態においては、特殊操作モードに移行後の構え姿勢は、特殊操作モードに移行する直前におけるプレイヤキャラクタ201の落下中の状態に応じて変化する。これによれば、特殊操作モードに移行する際におけるプレイヤキャラクタ201の姿勢変化の挙動を自然にすることができる。
【0126】
本実施形態においては、特殊操作モード中において、プレイヤキャラクタ201の構え姿勢は、上記3種類の構え姿勢のうちで変化する。具体的には、特殊操作モード中において、ゲームシステム1は、プレイヤキャラクタ201の構え姿勢を、横向き構えから下向き構えまたは上向き構えに変化させることがある(図13参照)。また、特殊操作モード中において、ゲームシステム1は、プレイヤキャラクタ201の構え姿勢を、下向き構えまたは上向き構えから横向き構えに変更することがある(図13参照)。以下、3種類の構え姿勢を変更する処理について詳細に説明する。
【0127】
図14は、プレイヤキャラクタの構え姿勢が下向き構えから横向き構えに変化する様子の一例を示す図である。図14に示す状態Aは、プレイヤキャラクタ201が下向き構えの姿勢であって、仮想カメラ205が真下を向いた状態である。そのため、状態Aにおいては、プレイヤキャラクタ201が矢を向ける向きは、仮想カメラ205の向きに応じて真下を向いている。
【0128】
図14に示す状態Bは、上記の状態Aから、仮想カメラの向きがピッチ方向に変化(具体的には、上方向に変化)した状態である。状態Bにおいては、プレイヤキャラクタ201が矢を向ける向きも仮想カメラ205の向きに応じて変化し、状態Aのときよりも上向きとなっている。なお、状態Bにおいては、仮想カメラ205の向きは、第1基準方向よりも下向きである。このとき、プレイヤキャラクタ201は下向き構えの姿勢である。なお、本実施形態では、第1基準方向は水平方向に平行な方向である。
【0129】
図14に示す状態Cは、上記の状態Bから仮想カメラの向きがさらに上方向に変化し、第1基準方向よりも上向きとなった状態である。状態Cにおいては、プレイヤキャラクタ201は構え姿勢を下向き構えから横向き構えに変更する。すなわち、ゲームシステム1は、仮想カメラ205の向きが第1基準方向よりも上向きとなったことに応じて、プレイヤキャラクタ201の構え姿勢を下向き構えから横向き構えに変更させる。このとき、仮想カメラ205から見たときのプレイヤキャラクタ201の向き(具体的には、プレイヤキャラクタ201の胴体の向き)が変化する。すなわち、下向き構え時には、プレイヤキャラクタ201は胴体の下側を仮想カメラ205の方に向ける向きであったのに対して、横向き構え時には、プレイヤキャラクタ201は胴体の後側を仮想カメラ205の方に向ける向きとなる。そのため、プレイヤは構え姿勢が変更されたことを容易に認識することができる。
【0130】
上記のように、本実施形態においては、特殊操作モードにおいて、仮想カメラ205の向きのピッチ方向成分が第1基準方向よりも下向きである状態(例えば、図14に示す状態B)から上向きである状態(例えば、図14に示す状態C)へと変化したことに応じて、ゲームシステム1は、プレイヤキャラクタ201の上方向がゲーム空間において上側を向く姿勢(例えば、横向き構えの姿勢)となるようにプレイヤキャラクタ201の姿勢を変更する。これによって、ゲームシステム1は、プレイヤキャラクタ201の姿勢を自然に保ちつつ、矢の射出方向を真下方向から水平方向へと変化させることができる。また、プレイヤキャラクタ201の姿勢が変更されることによって、プレイヤは、仮想カメラの向きが基準(すなわち、第1基準方向)より上向きになったことを認識することができ、射出方向がゲーム空間においてどちらの向きであるかを認識しやすくなる。
【0131】
図15は、プレイヤキャラクタの構え姿勢が横向き構えから下向き構えに変化する様子の一例を示す図である。図15に示す状態Cは、図14に示す状態Cであり、プレイヤキャラクタ201が横向き構えの姿勢であって、仮想カメラ205が水平方向よりやや上向きとなった状態である。
【0132】
図15に示す状態Dは、上記の状態Cから、仮想カメラ205の向きが下向きに変化した状態である。状態Dにおいては、プレイヤキャラクタ201が矢を向ける向きも仮想カメラ205の向きに応じて変化し、状態Cのときよりも下向きとなっている。ここで、状態Dにおいては、仮想カメラ205の向きは、第2基準方向よりも下向きである。状態Dにおいては、プレイヤキャラクタ201は構え姿勢を横向き構えから下向き構えに変更する。すなわち、ゲームシステム1は、仮想カメラ205の向きが第2基準方向よりも下向きとなったことに応じて、プレイヤキャラクタ201の構え姿勢を横向き構えから下向き構えに変更させる。たとえば状態Cの姿勢のまま矢を真下に向ける構えをプレイヤキャラクタ201にさせることは難しいが、状態Dの姿勢に変化することで、下向きに矢を構えることがし易くなる。
【0133】
上記のように、本実施形態においては、特殊操作モードにおいて、仮想カメラ205の向きのピッチ方向成分が、第2基準方向よりも上向きである状態(例えば、図15に示す状態C)から下向きである状態(例えば、図14に示す状態D)へと変化したことに応じて、ゲームシステム1は、プレイヤキャラクタ201の上方向が仮想空間において下側を向く姿勢(例えば、下向き構えの姿勢)となるようにプレイヤキャラクタ201の姿勢を変更する。これによって、ゲームシステム1は、プレイヤキャラクタ201の構え姿勢を自然に保ちつつ、矢の射出方向を水平方向から下方向へと変化させることができる。また、プレイヤキャラクタ201の姿勢が変更されることによって、プレイヤは、仮想カメラの向きが基準(すなわち、第2基準方向)より下向きになったことを認識することができ、射出方向がゲーム空間においてどちらの向きであるかを認識しやすくなる。なお、上記の変更後の姿勢は、他の実施形態においては、プレイヤキャラクタ201の前方向が仮想空間において下側を向く姿勢(例えば、うつ伏せの姿勢)であってもよい。
【0134】
なお、本実施形態においては、上記第1基準方向は水平方向であるのに対して、第2基準方向は水平方向よりやや下向き(すなわち、水平方向に対する第2基準方向の角度が俯角となる向き)である。つまり、上記第1基準方向は第2基準方向よりも上向きに設定される。これによれば、基準方向前後で方向が高速で切り替わることによってプレイヤキャラクタ201の姿勢が下向き構えと横向き構えとの間で頻繁に切り替わるといった不自然な動作が行われる可能性を低減することができる。
【0135】
なお、他の実施形態においては、上記第1基準方向と第2基準方向とは同じ方向であってもよい。
【0136】
以上のように、本実施形態においては、ゲームシステム1は、特殊操作モードにおいて、仮想カメラの向きの少なくともピッチ方向に関する成分に応じたプレイヤキャラクタの姿勢の変更として、プレイヤキャラクタによる構え姿勢の変更(すなわち、構えの種類の変更)を行う。これによれば、射出方向に応じた自然な構えをプレイヤキャラクタにとらせやすくなる。
【0137】
上記においては、特殊操作モードにおけるプレイヤキャラクタ201による横向き構えと下向き構えとの間の切り替えについて説明したが、横向き構えと上向き構えとの間の切り替えもこれと同様に行われる。すなわち、ゲームシステム1は、仮想カメラ205の向きのピッチ方向成分が第3基準方向よりも下向きである状態から上向きである状態へと変化したことに応じて、横向き構えから上向き構えとなるように、プレイヤキャラクタ201の姿勢を変更する。なお、第3基準方向は、例えば、水平方向より上向き(すなわち、水平方向に対する第3基準方向の角度が仰角となる向き)である。また、ゲームシステム1は、仮想カメラ205の向きのピッチ方向成分が第4基準方向よりも上向きである状態から下向きである状態へと変化したことに応じて、上向き構えから横向き構えとなるように、プレイヤキャラクタ201の姿勢を変更する。なお、第4基準方向は、例えば、水平方向より上向きであって、第3基準方向より下向きに設定される。これによって、横向き構えと上向き構えとの間の切り替えについても、横向き構えと下向き構えとの間の切り替えと同様の効果を奏することができる。なお、他の実施形態においては、上記第1基準方向と第2基準方向とは同じ方向であってもよい。
【0138】
また、本実施形態においては、プレイヤキャラクタ201は、プレイヤによる上記ターン開始指示またはターン終了指示によっても構え姿勢を変更する。具体的には、プレイヤキャラクタの構え姿勢が横向き構えまたは下向き構えである場合、プレイヤによるターン開始指示に応じて、プレイヤキャラクタ201の構え姿勢は上向き構えに変更される(図13参照)。また、プレイヤキャラクタの構え姿勢が上構えである場合、プレイヤによるターン終了指示に応じて、プレイヤキャラクタ201の構え姿勢は、上向き構えとなる直前の構え姿勢(具体的には、横向き構えまたは下向き構え)に変更される。
【0139】
特殊操作モード中において、上述の射出指示が行われたことに応じて、プレイヤキャラクタ201は射出アクションを行う。すなわち、プレイヤキャラクタ201は矢を射出する動作を行い、これによって、矢オブジェクトは射出方向に飛んでいく(すなわち、移動する)。また、射出アクションが行われた場合、ゲームシステム1は、プレイヤキャラクタ201のスタミナを所定量だけ減少させる。特殊操作モード中において上記スタミナが0になった場合、ゲームシステム1は、特殊操作モードを終了し、プレイヤキャラクタ201を通常落下の状態にする。つまり、本実施形態においては、上述の構え終了指示に応じて終了される他、プレイヤキャラクタ201のスタミナが0になったことに応じても終了される。
【0140】
本実施形態においては、特殊操作モードにおいてプレイヤキャラクタ201が横向き構えをとっている時点で構え終了指示によって特殊操作モードが終了した場合、プレイヤキャラクタ201は通常落下の状態となる。また、特殊操作モードにおいてプレイヤキャラクタ201が下向き構えをとっている時点で構え終了指示によって特殊操作モードが終了した場合、プレイヤキャラクタ201は高速落下の状態となる。特殊操作モードにおいてプレイヤキャラクタ201が上向き構えをとっている時点で構え終了指示によって特殊操作モードが終了した場合、プレイヤキャラクタ201は背面落下の状態となる。上記によれば、特殊操作モードの終了前後におけるプレイヤキャラクタ201の姿勢変化の挙動を自然にすることができる。
【0141】
以上のように、本実施形態においては、特殊操作モードにおいてプレイヤキャラクタ201が複数種類の構え姿勢をとることが可能であり、ゲームシステム1は、仮想カメラの向きに応じて構え姿勢の種類を変更する。これによって、プレイヤキャラクタ201に自然な構え姿勢をとらせつつ、射出方向の範囲を広げることができる。
【0142】
なお、プレイヤキャラクタ201が空中にいる場合においては、地上が視界に入らない場合もあり、そのような場合には、周囲に何も無い等の理由によりゲーム空間のどちらを向いているのかプレイヤにとって認識しづらくなる可能性がある。そのため、プレイヤキャラクタ201が空中にいる場合には、プレイヤは、射出方向がゲーム空間におけるどちらの方向を向いているのかを見失う可能性がある。これに対して、本実施形態においては、仮想カメラの向きに応じてプレイヤキャラクタの姿勢(具体的には、構え姿勢)が変更されるので、プレイヤは、プレイヤキャラクタの姿勢によってゲーム空間の上下を大まかに認識することができる。これによって、プレイヤが射出方向を見失う可能性を低減することができる。
【0143】
[3.ゲームシステムにおける処理の具体例]
次に、図16図19を参照して、ゲームシステム1における情報処理の具体例について説明する。
【0144】
図16は、ゲームシステム1における情報処理に用いられる各種データの一例を示す図である。図16に示す各種データは、本体装置2がアクセス可能な記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ84、DRAM85、および/または、スロット23に装着されたメモリカード等)に記憶される。
【0145】
図16に示すように、ゲームシステム1は、ゲームプログラムを記憶する。ゲームプログラムは、本実施形態におけるゲーム(具体的には、図17に示すゲーム制御処理)を実行するためのゲームプログラムである。また、ゲームシステム1は、操作データ、カメラデータ、および、キャラクタデータを記憶する。
【0146】
操作データは、上述のように各コントローラ3および4から本体装置2へ送信されて本体装置2において記憶される。本実施形態においては、操作データは、上述の各入力部に対する入力を示す入力データを含む。カメラデータは、仮想のゲーム空間において設定される仮想カメラに関する情報(例えば、仮想カメラの位置および向き等を示す情報)を示す。
【0147】
キャラクタデータは、上記ゲーム空間に配置されるプレイヤキャラクタに関する情報を示す。本実施形態においては、キャラクタデータは、位置データ、向きデータ、および、姿勢データを含む。位置データは、プレイヤキャラクタのゲーム空間における位置を示す。向きデータは、プレイヤキャラクタのゲーム空間における向きを示す。姿勢データは、プレイヤキャラクタの姿勢(具体的には、上述した落下状態における姿勢、あるいは、構え姿勢等)を示す。なお、キャラクタデータは、上記のデータの他に、プレイヤキャラクタに設定される各種のパラメータ(例えば、上記スタミナ)を示すデータを含んでいてもよい。
【0148】
図17は、ゲームシステム1によって実行されるゲーム制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。図17に示すゲーム制御処理は、上記ゲームプログラムの実行中において、プレイヤキャラクタ201がゲーム空間に配置された状態となったことに応じて開始される。なお、図示しないが、ゲーム制御処理は、ユーザの指示によりメニュー画面が表示される場合、あるいは、ユーザの指示によりゲームを終了する場合に終了される。
【0149】
なお、本実施形態では、本体装置2のプロセッサ81が、ゲームシステム1に記憶されている上記ゲームプログラムを実行することによって、図17に示す各ステップの処理を実行するものとして説明する。ただし、他の実施形態においては、上記各ステップの処理のうちの一部の処理を、プロセッサ81とは別のプロセッサ(例えば、専用回路等)が実行するようにしてもよい。また、ゲームシステム1が他の情報処理装置(例えば、サーバ)と通信可能である場合、図17図19に示す各ステップの処理の一部は、他の情報処理装置において実行されてもよい。また、図17図19に示す各ステップの処理は、単なる一例に過ぎず、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよいし、各ステップの処理に加えて(または代えて)別の処理が実行されてもよい。
【0150】
また、プロセッサ81は、図17図19に示す各ステップの処理を、メモリ(例えば、DRAM85)を用いて実行する。すなわち、プロセッサ81は、各処理ステップによって得られる情報(換言すれば、データ)をメモリに記憶し、それ以降の処理ステップにおいて当該情報を用いる場合には、メモリから当該情報を読み出して利用する。
【0151】
図17に示すステップS1において、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタが落下中の状態であるか否かを判定する。例えば、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタが空中にいる場合であって、かつ、所定の高さ以上の場所から地面へ落下する場合には、プレイヤキャラクタが落下中の状態であると判定する。一方、プレイヤキャラクタが地面に接触している場合であるか、または、空中にいる状態であって上記所定の高さ未満の場所から地面へ落下する場合には、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタが落下中の状態でないと判定する。ステップS1の判定結果が否定である場合、ステップS2の処理が実行される。一方、ステップS1の判定結果が肯定である場合、ステップS3の処理が実行される。
【0152】
ステップS2において、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタが地形上を移動するための制御処理を実行する。例えば、プロセッサ81は、コントローラに対する方向入力(例えば、アナログスティック32に対する方向入力)に応じて、プレイヤキャラクタが地形上において移動する動作(例えば、歩いたり走ったりする動作)を行わせる。このとき、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタの動作が制御された後の内容を示すように、メモリに記憶されているキャラクタデータを更新する。さらに、ステップS2において、プロセッサ81は、上記制御処理後のゲーム空間を示すゲーム画像を生成し、ディスプレイ12に表示する。なお、ステップS2の処理は、従来におけるゲーム制御処理と同様であってもよい。また、ゲームシステム1は、プレイヤキャラクタの移動を制御する処理を実行することに加えて、仮想カメラ、および、敵キャラクタ等の他のオブジェクトの移動を制御する処理を実行してもよい。ステップS2の次に、ステップS1の処理が再度実行される。
【0153】
なお、ステップS1およびS2の処理ループは、所定時間(例えば1フレーム時間)に1回の割合で実行される。つまり、本実施形態においては、プロセッサ81は、所定時間に1回の割合で上記ステップS1の判定を行う。
【0154】
ステップS3において、プロセッサ81は、落下時の初期姿勢を決定し、決定された姿勢となるようにプレイヤキャラクタの動作を制御する。上述のように、本実施形態においては、プレイヤキャラクタが飛び込み動作を行わずに高所から飛び降りた場合には、プロセッサ81は、上記初期姿勢を通常落下の姿勢に決定する。一方、プレイヤキャラクタが飛び込み動作を行って高所から飛び降りた場合には、プロセッサ81は、上記初期姿勢をダイビング落下の姿勢に決定する。このとき、プロセッサ81は、決定された姿勢を示すように、メモリに記憶されている姿勢データの内容を更新する。ステップS3の次にステップS4の処理が実行される。
【0155】
ステップS4において、プロセッサ81は、プレイヤによる構え開始指示が行われたか否かを判定する。ステップS4の判定結果が肯定である場合、後述するステップS10の処理が実行される。一方、ステップS4の判定結果が否定である場合、ステップS5の処理が実行される。
【0156】
ステップS5において、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタの落下時の姿勢を変更するか否かを判定する。具体的には、プレイヤキャラクタの落下時の姿勢を変更する指示(例えば、上述のアイテム使用指示やダイビング指示等)がプレイヤによって行われたか否か、および、プレイヤキャラクタのスタミナが0になったか否かを判定する。そして、上記指示が行われた場合、または、プレイヤキャラクタのスタミナが0になった場合、プロセッサ81は、落下時の姿勢を変更すると判定する。一方、上記指示が行われず、かつ、プレイヤキャラクタのスタミナが0になっていない場合、プロセッサ81は、落下時の姿勢を変更しないと判定する。ステップS5の判定結果が肯定である場合、ステップS6の処理が実行される。一方、ステップS5の判定結果が否定である場合、ステップS6の処理がスキップされてステップS7の処理が実行される。
【0157】
なお、ゲーム制御処理中において、プロセッサ81は、プレイヤによる各種指示が行われたか否かを、各コントローラ3または4から取得された操作データに基づいて判定する。ここで、プロセッサ81は、コントローラ通信部83および/または各端子17および21を介して各コントローラから受信される操作データを適宜のタイミングで取得してメモリに記憶する。プロセッサ81は、取得された操作データに基づいてプレイヤによる指示が行われたか否かを適宜のタイミングで判定し、指示が行われた場合には当該指示の内容を特定する。
【0158】
ステップS6において、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタの落下時の姿勢を変更する。なお、変更後の姿勢は、上記“[2-1:落下中の姿勢]”で説明した方法に従って決定される。すなわち、上記ステップS5において、プレイヤによって姿勢を変更する指示が行われたと判定された場合、プロセッサ81は、当該指示に応じた姿勢をとるようにプレイヤキャラクタを制御する。また、上記ステップS5において、プレイヤキャラクタのスタミナが0になったと判定された場合、プロセッサ81は、通常落下の姿勢をとるようにプレイヤキャラクタを制御する。このとき、プロセッサ81は、変更後の姿勢を示すように、メモリに記憶されている姿勢データの内容を更新する。ステップS6の次にステップS7の処理が実行される。
【0159】
ステップS7において、プロセッサ81は、ゲーム空間においてプレイヤキャラクタに移動(ここでは、落下移動)を行わせる。プレイヤキャラクタの移動は、上記“[2-1:落下中の姿勢]”で説明した方法に従って制御される。すなわち、プロセッサ81は、ゲーム空間における重力方向(すなわち、鉛直下方向)にプレイヤキャラクタを移動させるとともに、プレイヤによる移動指示が行われる場合には、当該移動指示に応じた方向にプレイヤキャラクタを移動させる。さらに、プロセッサ81は、プレイヤによる移動指示および/またはカメラ指示が行われる場合には、これらの指示に応じてプレイヤキャラクタの向きを変更する。なお、このとき、プロセッサ81は、移動後のプレイヤキャラクタの位置を示すように、メモリに記憶されている位置データの内容を更新し、移動後のプレイヤキャラクタの向きを示すように、メモリに記憶されている向きデータの内容を更新する。また、プレイヤキャラクタが低速落下の状態である場合、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタのスタミナを、落下中の時間経過に応じて減少させるべく、所定量だけ減少させる。ステップS7の次にステップS8の処理が実行される。
【0160】
なお、上記ステップS7においては、プロセッサ81は、ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタ以外の他のオブジェクト(例えば、敵オブジェクトや、射出された矢オブジェクト)の動作を必要に応じてさらに制御してもよい。
【0161】
ステップS8において、プロセッサ81は、ゲーム空間において仮想カメラを移動させる。仮想カメラの移動は、上記“[2-1:落下中の姿勢]”で説明した方法に従って制御される。すなわち、プロセッサ81は、プレイヤによるカメラ指示に応じて仮想カメラの位置および向きを変更する。なお、上述のように、仮想カメラは、プレイヤキャラクタ201が視野範囲に含まれる位置および向きとなるように制御される。したがって、上記ステップS8において、例えばプレイヤによるカメラ指示が行われていない場合には、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタの落下に応じて下方に移動するように仮想カメラの位置を変更する。また、ダイビング落下または背面落下が開始された(すなわち、ステップS6においてプレイヤキャラクタの姿勢がダイビング落下または背面落下の姿勢に変更された)場合には、プロセッサ81は、所定の向きとなるように仮想カメラを設定する。ステップS8において、プロセッサ81は、移動後の仮想カメラの位置および向きを示すように、メモリに記憶されているカメラデータの内容を更新する。ステップS8の次にステップS9の処理が実行される。
【0162】
ステップS9において、プロセッサ81は、ゲーム空間を示すゲーム画像を生成してディスプレイ12に表示する。このゲーム画像は、上記ステップS6~S8において更新されたキャラクタデータおよびカメラデータに基づいて生成される。すなわち、プロセッサ81は、上記ステップS6およびS7によって変更されたプレイヤキャラクタの位置、向き、および姿勢を示すゲーム空間を、上記ステップS8によって設定された仮想カメラの位置から、仮想カメラの向きに応じた向きに見たときのゲーム画像を生成する。なお、ステップS9のゲーム画像を生成する処理は、所定時間(例えば、1フレーム時間)に1回の割合で繰り返し実行される。すなわち、ステップS4~S11の処理ループは、上記ステップS10の処理が実行される場合を除き、上記所定時間に1回の割合で繰り返し実行される。なお、ゲーム画像が表示される表示装置は、本体装置2のディスプレイ12であってもよいし、本体装置2に接続される上述の据置型モニタであってもよい。ステップS9の次にステップS11の処理が実行される。
【0163】
一方、ステップS10において、プロセッサ81は、特殊操作モードにおいて実行される処理である特殊操作モード処理を実行する。特殊操作モード処理の詳細については後述する(図18参照)。ステップS10の次にステップS11の処理が実行される。
【0164】
ステップS11において、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタの落下が終了したか否かを判定する。例えば、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタが地面等の地形オブジェクトに接触したか否かを判定する。ステップS11の判定結果が肯定である場合、ステップS1の処理が再度実行される。一方、ステップS11の判定結果が否定である場合、ステップS4の処理が実行される。以降、ステップS11においてプレイヤキャラクタの落下が終了したと判定されるまで、ステップS4~S11の一連の処理が繰り返し実行される。
【0165】
図18は、図17に示すステップS9の特殊操作モード処理の詳細な流れの一例を示すサブフローチャートである。特殊操作モード処理においては、まずステップS21において、プロセッサ81は、メモリに記憶されている姿勢データに基づいて、特殊操作モード処理が開始される直前におけるプレイヤキャラクタの落下状態が高速落下であったか否かを判定する。ステップS21の判定結果が肯定である場合、ステップS22の処理が実行される。一方、ステップS21の判定結果が否定である場合、ステップS23の処理が実行される。
【0166】
ステップS22において、プロセッサ81は、下向き構えの姿勢をとるようにプレイヤキャラクタの動作を制御する。すなわち、プロセッサ81は、メモリに記憶されている姿勢データの内容を、下向き構えを示すように更新する。ステップS22の次にステップS26の処理が実行される。
【0167】
ステップS23において、プロセッサ81は、メモリに記憶されている姿勢データに基づいて、特殊操作モード処理が開始される直前におけるプレイヤキャラクタの落下状態が背面落下であったか否かを判定する。ステップS23の判定結果が肯定である場合、ステップS24の処理が実行される。一方、ステップS23の判定結果が否定である場合、ステップS25の処理が実行される。
【0168】
ステップS24において、プロセッサ81は、上向き構えの姿勢をとるようにプレイヤキャラクタの動作を制御する。すなわち、プロセッサ81は、メモリに記憶されている姿勢データの内容を、上向き構えを示すように更新する。ステップS24の次にステップS26の処理が実行される。
【0169】
ステップS25において、プロセッサ81は、横向き構えの姿勢をとるようにプレイヤキャラクタの動作を制御する。ここで、ステップS25の処理が実行されるのは、特殊操作モード処理が開始される直前におけるプレイヤキャラクタの落下状態が通常落下、低速落下、または、ダイビング落下であった場合である。したがって、プロセッサ81は、メモリに記憶されている姿勢データの内容を、横向き構えを示すように更新する。ステップS25の次にステップS26の処理が実行される。
【0170】
ステップS26において、プロセッサ81は、ゲーム空間においてプレイヤキャラクタに移動(ここでは、落下移動)を行わせる。すなわち、プロセッサ81は、ゲーム空間における重力方向(すなわち、鉛直下方向)にプレイヤキャラクタを移動させる。このとき、プロセッサ81は、移動後のプレイヤキャラクタの位置を示すように、メモリに記憶されている位置データの内容を更新する。ステップS26の次にステップS27の処理が実行される。
【0171】
なお、上記ステップS26においては、プロセッサ81は、ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタ以外の他のオブジェクト(例えば、敵オブジェクトや、射出された矢オブジェクト)の動作を必要に応じてさらに制御してもよい。
【0172】
ステップS27において、プロセッサ81は、プレイヤによるカメラ指示が行われたか否かを判定する。ステップS27の判定結果が肯定である場合、ステップS28の処理が実行される。一方、ステップS27の判定結果が否定である場合、ステップS31の処理が実行される。
【0173】
ステップS28において、プロセッサ81は、プレイヤによるカメラ指示に応じて、ゲーム空間において仮想カメラを移動させる。仮想カメラの移動は、上記“[2.ゲームシステムにおける処理の概要]”で説明した方法に従って制御される。ステップS28の次にステップS29の処理が実行される。
【0174】
ステップS29において、プロセッサ81は、姿勢変更処理を実行する。姿勢変更処理は、仮想カメラの向きに応じてプレイヤキャラクタの構え姿勢(具体的には、構え姿勢の種類)を変更する処理である。以下、図19を参照して、姿勢変更処理について詳細に説明する。
【0175】
図19は、図18に示すステップS29の姿勢変更処理の詳細な流れの一例を示すサブフローチャートである。姿勢変更処理においては、まずステップS40において、プロセッサ81は、メモリに記憶されている姿勢データに基づいて、プレイヤキャラクタの現在の構え姿勢が下向き構えであるか否かを判定する。ステップS40の判定結果が肯定である場合、ステップS41の処理が実行される。一方、ステップS40の判定結果が否定である場合、ステップS43の処理が実行される。
【0176】
ステップS41において、プロセッサ81は、メモリに記憶されているカメラデータに基づいて、仮想カメラの向きが上記第1基準方向よりも上向きであるか否かを判定する。ステップS41の判定結果が肯定である場合、ステップS42の処理が実行される。一方、ステップS41の判定結果が否定である場合、ステップS50の処理が実行される。
【0177】
ステップS42において、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタの構え姿勢を、横向き構えに変更する。すなわち、プロセッサ81は、メモリに記憶されている姿勢データの内容を、横向き構えを示すように更新する。ステップS42の処理の次にステップS50の処理が実行される。
【0178】
ステップS43において、プロセッサ81は、メモリに記憶されている姿勢データに基づいて、プレイヤキャラクタの現在の構え姿勢が上向き構えであるか否かを判定する。ステップS43の判定結果が肯定である場合、ステップS44の処理が実行される。一方、ステップS43の判定結果が否定である場合、ステップS46の処理が実行される。
【0179】
ステップS44において、プロセッサ81は、メモリに記憶されているカメラデータに基づいて、仮想カメラの向きが上記第3基準方向よりも下向きであるか否かを判定する。ステップS44の判定結果が肯定である場合、ステップS45の処理が実行される。一方、ステップS44の判定結果が否定である場合、ステップS50の処理が実行される。
【0180】
ステップS45において、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタの構え姿勢を、横向き構えに変更する。すなわち、プロセッサ81は、メモリに記憶されている姿勢データの内容を、横向き構えを示すように更新する。ステップS45の処理の次にステップS50の処理が実行される。
【0181】
ステップS46の処理が実行されるのは、プレイヤキャラクタの現在の構え姿勢が横向き構えである場合である。したがって、ステップS46において、プロセッサ81は、メモリに記憶されているカメラデータに基づいて、仮想カメラの向きが上記第2基準方向よりも下向きであるか否かを判定する。ステップS46の判定結果が肯定である場合、ステップS47の処理が実行される。一方、ステップS46の判定結果が否定である場合、ステップS48の処理が実行される。
【0182】
ステップS47において、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタの構え姿勢を、下向き構えに変更する。すなわち、プロセッサ81は、メモリに記憶されている姿勢データの内容を、下向き構えを示すように更新する。ステップS47の処理の次にステップS50の処理が実行される。
【0183】
ステップS48において、プロセッサ81は、メモリに記憶されているカメラデータに基づいて、仮想カメラの向きが上記第4基準方向よりも上向きであるか否かを判定する。ステップS48の判定結果が肯定である場合、ステップS49の処理が実行される。一方、ステップS48の判定結果が否定である場合、ステップS50の処理が実行される。
【0184】
ステップS49において、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタの構え姿勢を、上向き構えに変更する。すなわち、プロセッサ81は、メモリに記憶されている姿勢データの内容を、上向き構えを示すように更新する。ステップS49の処理の次にステップS50の処理が実行される。
【0185】
ステップS50において、プロセッサ81は、プレイヤによる上記ターン開始指示またはターン終了指示に応じた構え姿勢の変更を行う。具体的には、プレイヤキャラクタの構え姿勢が横向き構えまたは下向き構えである状態においてプレイヤによるターン開始指示が行われた場合、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタ201の構え姿勢を上向き構えに変更する。また、プレイヤキャラクタの構え姿勢が上向き構えである状態においてプレイヤによるターン終了指示が行われた場合、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタ201の構え姿勢を、上向き構えとなる直前の構え姿勢(具体的には、横向き構えまたは下向き構え)に変更する。なお、プロセッサ81は、メモリに記憶されている姿勢データの内容を、上記の変更後の構え姿勢を示すように更新する。また、ステップS50において、プレイヤによる上記ターン開始指示およびターン終了指示が行われない場合、プロセッサ81は、構え姿勢の変更を行わずにステップS50の処理を終了する。ステップS50の後、プロセッサ81は姿勢変更処理を終了する。
【0186】
図18の説明に戻り、ステップS29の処理の後、ステップS30の処理が実行される。ステップS30において、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタが矢を射出する射出方向を仮想カメラの向きに基づいて設定する。具体的には、プロセッサ81は、仮想カメラの向きと一致するように射出方向を設定する。また、プロセッサ81は、射出方向に矢を向ける姿勢となるようにプレイヤキャラクタの姿勢および/または向きを制御する。なお、ステップS30においては、プレイヤキャラクタの構え姿勢の種類は変更されない。ステップS30の次に、ステップS32の処理が実行される。
【0187】
一方、ステップS31において、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタの落下移動に応じて仮想カメラを移動する。このとき、プロセッサ81は、移動後の仮想カメラの位置および向きを示すように、メモリに記憶されているカメラデータの内容を更新する。ステップS31の次に、ステップS32の処理が実行される。
【0188】
ステップS32において、プロセッサ81は、プレイヤによる射出指示が行われたか否かを判定する。ステップS32の判定結果が肯定である場合、ステップS33の処理が実行される。一方、ステップS32の判定結果が否定である場合、ステップS33の処理がスキップされてステップS34の処理が実行される。
【0189】
ステップS33において、プロセッサ81は、矢を射出する射出アクションをプレイヤキャラクタに行わせる。また、プロセッサ81は、ゲーム空間において矢オブジェクトを射出方向に移動させる。なお、本実施形態においては、特殊操作モード中においてはステップS26~S35の一連の処理が所定時間(例えば1フレーム時間)に1回の割合で実行される。プロセッサ81は、複数のフレームにわたって上記の射出アクションを行うようにプレイヤキャラクタの動作を制御してもよい。また、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタのスタミナを、矢を射出したことに応じた所定量だけ減少させる。ステップS33の次に、ステップS34の処理が実行される。
【0190】
ステップS34において、プロセッサ81は、ゲーム空間を示すゲーム画像を生成してディスプレイ12に表示する。このゲーム画像は、ステップS22、S24~S26、S29、S30、および/または、S33において更新されたキャラクタデータと、ステップS28またはS31において更新されたカメラデータとに基づいて生成される。すなわち、プレイヤキャラクタは、ステップS26によって変更された位置に、ステップS22、S24~S26、S29、S30、および/または、S33において更新された姿勢でゲーム空間に配置される。また、仮想カメラは、上記プレイヤキャラクタを視野範囲に含むように、ステップS28またはS31において設定された位置および向きに設定される。プロセッサ81は、仮想カメラの位置から、仮想カメラの向きに応じた向きに見たときのゲーム画像を生成し、ディスプレイ12に表示する。なお、ステップS34のゲーム画像を生成する処理は、特殊操作モードが終了するまでの間、所定時間(例えば、1フレーム時間)に1回の頻度で繰り返し実行される。すなわち、ステップS26~S35の処理ループは、特殊操作モードが終了するまでの間、所定時間に1回の割合で繰り返し実行される。ステップS34の次に、ステップS35の処理が実行される。
【0191】
ステップS35において、プロセッサ81は、特殊操作モードを終了するか否かを判定する。特殊操作モードを終了する判定条件は様々なものが設定可能であるが、一例として、プロセッサ81は、プレイヤによる構え終了指示が行われたか否か、プレイヤキャラクタのスタミナが0になったか否か、および、プレイヤキャラクタが地面に接触する等して落下が終了したか否かを判定する。そして、構え終了指示が行われた場合、プレイヤキャラクタのスタミナが0になった場合、または、落下が終了した場合、プロセッサ81は、特殊操作モードを終了すると判定する。一方、構え終了指示が行われず、かつ、プレイヤキャラクタのスタミナが0になっておらず、かつ、落下が終了していない場合、プロセッサ81は、特殊操作モードを終了しないと判定する。ステップS35の判定結果が肯定である場合、プロセッサ81は特殊操作モード処理を終了する。一方、ステップS35の判定結果が否定である場合、ステップS26の処理が再度実行される。以降、ステップS35において特殊操作モードを終了すると判定されるまで、ステップS26~S35の一連の処理が繰り返し実行される。
【0192】
[4.本実施形態の作用効果および変形例]
以上のように、上記実施形態においては、ゲームプログラムは、情報処理装置(例えば、本体装置2)のコンピュータ(例えば、プロセッサ81)に、プレイヤの操作入力(例えば、操作装置の一例であるコントローラ3または4に対する操作入力)に基づいて仮想空間(例えば、ゲーム空間)内においてプレイヤキャラクタを制御させる(ステップS2)。
また、ゲームプログラムは、プレイヤキャラクタが仮想空間内において落下している落下中状態において、コンピュータに下記の処理を行わせる。
・落下中のプレイヤキャラクタの落下方向および落下速度の少なくともいずれかをプレイヤのキャラクタ操作入力に基づいて制御する処理(ステップS7)
・プレイヤキャラクタの落下中の姿勢を、プレイヤのキャラクタ操作入力に基づいて制御する処理(ステップS5,S6)
・プレイヤのカメラ操作入力に基づいて、仮想カメラの向きを制御する処理(ステップS8)
・プレイヤキャラクタの位置と仮想カメラの向きとに基づいて、少なくともプレイヤキャラクタが仮想カメラの視野範囲に含まれる位置となるように仮想カメラの位置を制御する処理(ステップS8)
また、ゲームプログラムは、落下中のプレイヤキャラクタに、所定のオブジェクト(例えば、矢オブジェクト)を射出する射出アクションを含む特殊アクションを行わせるための操作入力を受け付ける特殊操作モードにおいて、コンピュータに下記の処理を行わせる。
・落下中のプレイヤキャラクタの姿勢を、カメラ操作入力に基づく仮想カメラの向きの少なくともピッチ方向に関する成分に応じて変更する(例えば、仮想カメラから見たときのプレイヤキャラクタの向きが変化するように当該プレイヤキャラクタの姿勢を変更する)処理(ステップS29)
・カメラ操作入力に基づく仮想カメラの向きに応じて、射出アクションにおける所定のオブジェクトの射出方向を設定する処理(ステップS30)
・プレイヤの射出操作入力に基づいて、プレイヤキャラクタが射出アクションを行う制御と、所定のオブジェクトが射出方向に移動する制御とを行う処理(ステップS33)
【0193】
上記の構成によれば、特殊操作モードにおいて、仮想カメラの向きに応じて射出方向が制御されるとともに、プレイヤキャラクタの姿勢が仮想カメラの向きに応じて変化する。これによって、プレイヤキャラクタに自然な姿勢をとらせつつ、射出方向の範囲を広げることができる。
【0194】
(射出アクションに関する変形例)
なお、上記実施形態においては、プレイヤキャラクタが射出アクションとして弓を用いて矢を放つアクションを行い、上記所定のオブジェクトとして矢オブジェクトが射出される例を説明した。ここで、射出アクションの内容は任意であり、射出アクションによって射出される所定のオブジェクトの内容も任意である。例えば、他の実施形態においては、プレイヤキャラクタは射出アクションとして銃を撃つアクションを行ってもよいし、プレイヤキャラクタが掴んでいる物(例えば、武器等)を投げるアクションを行ってもよいし、魔法によって火の玉を射出するアクションを行ってもよい。
【0195】
また、本実施形態においては、上記特殊アクションとして、プレイヤキャラクタが構え姿勢をとるアクションと、射出アクションとを行う例を説明した。ここで、他の実施形態においては、上記特殊アクションは、少なくとも射出アクションを含んでいればよく、射出アクション以外の他のアクションを含まなくてもよいし、構え姿勢をとるアクションとは異なるアクションを含んでいてもよい。
【0196】
なお、他の実施形態において、ゲームシステム1は、上記実施形態における構成の一部を備えていなくてもよいし、上記実施形態において実行される処理の一部を実行しなくてもよい。例えば、ゲームシステム1は、上記実施形態における一部の特定の効果を奏するためには、当該効果を奏するための構成を備え、当該効果を奏するための処理を実行すればよく、その他の構成を備えていなくてもよいし、その他の処理を実行しなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0197】
上記実施形態は、空中におけるプレイヤキャラクタの姿勢を自然に表現しつつ、アクションを行う向きの自由度を向上すること等を目的として、例えばゲームシステムまたはゲームプログラムとして利用可能である。
【符号の説明】
【0198】
1 ゲームシステム
2 本体装置
3 左コントローラ
4 右コントローラ
81 プロセッサ
201 プレイヤキャラクタ
202 弓オブジェクト
205 仮想カメラ
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