(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】エクササイズマシンの動作中のユーザ有効性を監視する方法および装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/11 20060101AFI20240214BHJP
A63B 22/06 20060101ALI20240214BHJP
A63B 71/06 20060101ALI20240214BHJP
A63B 24/00 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A61B5/11
A63B22/06 H
A63B71/06 Z
A63B24/00
(21)【出願番号】P 2020572385
(86)(22)【出願日】2019-06-05
(86)【国際出願番号】 GB2019051559
(87)【国際公開番号】W WO2020002871
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-03-14
(32)【優先日】2018-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】517385449
【氏名又は名称】ワットバイク アイピー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Wattbike IP Limited
【住所又は居所原語表記】Nottingham South & Wilford Industrial Estate, Ruddington Lane, Wilford, Nottingham NG11 7HQ, United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】ウェインライト, バーニー
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/135972(WO,A1)
【文献】特表2009-509849(JP,A)
【文献】特開2014-008789(JP,A)
【文献】米国特許第04463433(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0082397(US,A1)
【文献】特開2014-044176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/11
A61B 5/22
A63B 22/06-22/12
A63B 24/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周期的運動のために結合された一対の人間の四肢で動作可能な駆動部材を有するエクササイズマシンの周期的動作中のユーザ有効性を監視する方法であって、
(i)前記駆動部材の周期的運動中に前記駆動部材に加えられる駆動力を測定および監視し、それを示す1つ以上の力信号を生成するステップと、
(ii)前記1つ以上の力信号を使用して、前記駆動部材の各運動サイクルについて、少なくとも1つの最大ユーザ有効性係数信号であって、少なくとも1つの運動サイクルまたはその一部の間に生成される複数の周期的に生成される力信号の大きさから算出された統計値と、前記運動サイクルまたはその一部の間に生成される最大の大きさの力信号との比較に基づいて生成される最大ユーザ有効性係数信号と、少なくとも1つの最小ユーザ有効性係数信号であって、前記少なくとも1つの運動サイクルまたはその一部の間に生成される複数の周期的に生成される力信号の大きさから算出された統計値と、前記運動サイクルまたはその一部の間に生成される最小の大きさの力信号との比較に基づいて生成される最小ユーザ有効性係数信号とを導出するステップと、
(iii)ステップ(ii)において導出された前記最大ユーザ有効性係数信号および前記最小ユーザ有効性係数信号を使用して、前記駆動部材の周期的運動を駆動する際のユーザ有効性を示すユーザ有効性スコア信号を生成するステップと、
(iv)前記ユーザ有効性スコア信号を表す1つ以上のしるしを記録、表示、印刷、記憶、ダウンロード、アップロードまたは送信する際に前記ユーザ有効性スコア信号を使用するステップと、を備える、方法。
【請求項2】
前記駆動部材に加えられた前記駆動力を測定および監視するステップ(i)が、前記駆動部材に動作可能に結合された1つ以上の力センサに前記1つ以上の力信号を周期的に生成させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上の力センサが、前記駆動部材によって駆動される駆動構成要素上に作用する、または前記駆動構成要素内に作用する前記力を検知する、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記駆動構成要素が駆動チェーンであり、前記1つ以上の力センサが、前記駆動チェーンの張力を測定し、それを示す1つ以上の信号を生成する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記力信号の生成の周期性が100Hzである、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(ii)が、前記駆動部材が駆動力の支配的な割合を提供する間に前記駆動部材の1つの少なくとも1つの運動サイクルまたはその一部に関して実行される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
他の前記駆動部材が前記駆動力の支配的な割合を提供する間に、前記他の駆動部材の少なくとも1つの運動サイクルまたはその一部に関してステップ(ii)を繰り返すことを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記人間の四肢で動作可能な駆動部材が周期的運動のために結合されて、周期的力を伝達または放散する駆動系を駆動する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記駆動部材の周期的運動中に前記駆動部材に加えられる駆動力が、少なくとも1つの場所で前記駆動系に生成される力を測定し、それを示す1つ以上の信号を生成することによって測定および監視される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記駆動部材が、ペダルクランク、上半身運動クランク、キャプスタンクランク、ウインドラスクランク、固定タンクオールまたは手漕ぎボートオールを含むリストから選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザ有効性スコアに基づいて前記駆動部材の周期的動作を変更するステップをさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記エクササイズマシンが、前記各駆動部材に回転可能に固定されたそれぞれのペダルまたはハンドルを含み、前記駆動部材が、駆動ホイールの駆動回転に結合され、前記駆動部材が相互に180°の角度をなす、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記エクササイズマシンが固定エクササイズマシンであるか、または固定エクササイズマシンを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記固定エクササイズマシンが、固定自転車、上半身エクササイズマシンまたは固定タンクを含むリストから選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記駆動系が、空気の通過に抵抗する出口開口を介してチャンバ内の空気を押しやることによって周期的力を放散させるファンを駆動する、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記出口開口の寸法が、前記出口開口が空気の通過に抵抗する程度の調整を可能にするように調整可能であり、前記方法が、前記出口開口の寸法を調整するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記駆動系が、周期的力の磁気および/または電磁抵抗器を含み、前記方法が、前記磁気および/または電磁抵抗器を使用して周期的抵抗を切り替えるまたは調整するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
前記駆動部材の周期的運動を駆動する際のユーザ周期的力の支配的な割合が、前記駆動部材の運動サイクルごとに1回、左肢と右肢との間で交互になり、ステップ(i)が、運動サイクル中の負荷交代点に基づいて前記運動サイクル中に測定された駆動力信号値を1つまたは他の前記駆動部材に割り当てることを含み、ステップ(ii)が、各駆動部材の最大ユーザ有効性係数信号および最小ユーザ有効性係数信号を導出することを含み、ステップ(iii)が、ステップ(ii)における各駆動部材の前記最大ユーザ有効性係数信号および前記最小ユーザ有効性係数信号を使用して、各駆動部材に対して生成されたユーザ有効性スコア信号値の平均に基づいて全体的なユーザ有効性スコア信号を生成する前に、各駆動部材に対して導出されたユーザ有効性スコア信号を生成することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
ステップ(iii)において前記ユーザ有効性スコア信号を生成するステップが、さらに、ステップ(ii)において計算された前記最大ユーザ有効性係数信号および前記最小ユーザ有効性係数信号とともに所定の重み係数を使用することを含み、前記重み係数が、前記駆動部材に加えられる有効力と、前記有効力を達成するために必要とされる前記駆動部材に加えられる総力との間の前記エクササイズマシンの比率に基づいている、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
ステップ(iii)において前記ユーザ有効性スコアを生成するステップが、さらに、各駆動部材の前記ユーザ有効性スコアが70から80の最適範囲内に収まるように、所定のモデレート係数を使用することを含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記最大ユーザ有効性係数信号が以下のように計算される:
係数
最大=
平均最大力
最大力値
ここで、前記平均最大力は、前記最大力値が所定のセグメントにおいて測定された駆動力値の中央値データポイントである前記サイクルの前記セグメントにわたってその運動サイクルについて測定された駆動力信号値の平均値であり、
前記最小ユーザ有効性係数信号が以下のように計算されることができる:
係数
最小=
最小力値
平均最小力
ここで、前記平均最小力は、前記最小力値が所定のセグメントにおいて測定された前記駆動力信号値の中央値データポイントである前記サイクルの前記セグメントにわたるその運動サイクルに対して前記力センサによって生成された前記駆動力信号値の平均値である、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
ステップ(i)が、前記駆動ホイールの回転の角度位置に対する測定された力信号値を記録することを含み、前記平均最大力および前記平均最小力信号が、45°のセグメントにわたって測定された力値に基づいて判定される、請求項18に従属する場合の請求項21に記載の方法。
【請求項23】
さらに、各運動サイクルに対して前記駆動部材に割り当てられるときに前記駆動部材に加えられる前記駆動力を示すポーラービュー(商標)を生成するステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記駆動系が軸を含み、ステップ(i)が、前記軸におけるトルクの値を測定し、それを示す1つ以上の信号を生成することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項25】
監視期間にわたる前記ユーザ有効性スコアを表す複数のしるしを生成することを含み、前記方法が、前記有効性スコア信号を分析し、前記監視期間中の前記有効性スコア信号値の変化を検出するステップを含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記エクササイズマシンの使用を示すデータ信号を記録、送信、ダウンロード、アップロード、記憶、印刷または表示するステップをさらに含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
ユーザトレーニングプログラムを表示、印刷、記憶、ダウンロード、または送信することを含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記駆動部材の1つ以上の運動サイクルに対する前記ユーザ有効性スコアに基づいて前記ユーザトレーニングプログラムを変更するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
プログラム可能な装置を使用して前記ユーザ有効性スコアを生成することを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記プログラム可能な装置がディスプレイを含み、前記エクササイズマシンに動作可能に接続されている、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
周期的運動のために結合された一対の人間の四肢で動作される駆動部材と、エクササイズマシンに動作可能に接続された少なくとも1つの感覚インジケータを有する電子装置と、を備え、前記エクササイズマシンおよび電子装置が、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法を実行して前記感覚インジケータを介してユーザ有効性スコアを出力することによって前記ユーザ有効性スコアを生成する、エクササイズマシン。
【請求項32】
前記電子装置が、ラップトップまたはデスクトップコンピュータ
、タブレット端
末、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、または前記エクササイズマシンの一部を形成するモニタを含むリストから選択される、請求項31に記載のエクササイズマシン。
【請求項33】
固定エクササイズ自転車として構成された場合、各駆動部材に回転可能に固定されたそれぞれのペダルを含む、請求項31または請求項32に記載のエクササイズマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エクササイズマシンの周期的動作中のユーザ有効性を監視する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クランクまたは同様の四肢動力部材を有するエクササイズマシンは、これらに限定されるものではないが、自転車(横臥および/または直立の固定自転車、ロードまたはオフロード自転車、またはタンデムとすることができる)、三輪車、上半身エクササイズマシン、手漕ぎボート、手漕ぎトレーニングマシンおよび水上自転車を含む。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様によれば、周期的運動のために結合された一対の人間の四肢で動作可能な駆動部材を有するエクササイズマシンの周期的動作中のユーザ有効性を監視する方法であって、
(i)駆動部材の周期的運動中に駆動部材に加えられる駆動力を測定および監視し、それを示す1つ以上の力信号を生成するステップと、
(ii)1つ以上の力信号を使用して、駆動部材の各運動サイクルについて、その運動サイクルについて測定された最大力値に対する力の変動を示す少なくとも1つの最大ユーザ有効性係数信号と、その運動サイクルについて測定された最小力値に対する力の変動を示す少なくとも1つの最小ユーザ有効性係数信号とを導出するステップと、
(iii)ステップ(ii)において導出された最大ユーザ有効性係数信号および最小ユーザ有効性係数信号を使用して、駆動部材の周期的運動を駆動する際のユーザ有効性を示すユーザ有効性スコア信号を生成するステップと、
(iv)ユーザ有効性スコア信号を表す1つ以上のしるしを記録、表示、印刷、記憶、ダウンロード、アップロードまたは送信する際にユーザ有効性スコア信号を使用するステップと、を備える、方法が提供される。
【0004】
本発明は、ユーザに表示されることができるユーザ有効性スコアの計算を可能にする。スコアは、駆動部材の周期的運動中の運動の各サイクルについて測定された最大力値および/または最小力値に関する(すなわち、それに対する)力のより大きな変動の場合に減少するようなものである。スコアは、エクササイズマシンのユーザに直ちに提供されることができ、ユーザは、フィードバックを使用して最適な有効性の達成に取り組むことができる。
【0005】
好ましくは、駆動部材に加えられる駆動力を測定および監視するステップ(i)は、駆動部材に動作可能に結合された1つ以上の力センサに1つ以上の力信号を生成させることを周期的に引き起こす。
【0006】
便利には、1つ以上の力センサは、駆動部材によって駆動される駆動構成要素上に作用する力または駆動構成要素内に作用する力を検知する。
【0007】
さらに便利には、駆動構成要素は、駆動チェーンであり、1つ以上の力センサは、駆動チェーンの張力を測定し、それを示す1つ以上の信号を生成する。
【0008】
好ましくは、力信号の生成の周期性は、100Hzである。
【0009】
実施形態では、ステップ(ii)は、前記駆動部材が駆動力の支配的な割合を提供する前記駆動部材の1つの少なくとも1つの運動サイクルまたはその一部に関して、(iia)少なくとも1つの運動サイクルまたはその一部の間に生成された複数の周期的に生成された力信号の大きさを、前記運動サイクルまたはその一部の間に生成された最大の大きさの力信号と比較し、比較に基づいて、少なくとも1つの最大ユーザ有効性信号を生成するステップと、(iib)少なくとも1つの運動サイクルまたはその一部の間に生成された複数の周期的に生成された力信号の大きさを、前記運動サイクルまたはその一部の間に生成された最小の大きさの力信号と比較し、比較に基づいて、少なくとも1つの最小ユーザ有効性信号を生成するステップと、を含む。
【0010】
さらに好ましくは、本方法は、他の前記駆動部材が駆動力の支配的な割合を提供する前記他の駆動部材の少なくとも1つの運動サイクルまたはその一部に関してステップ(iia)および(iib)を繰り返すステップを含むことができる。
【0011】
従来、効率は、消費されたエネルギに対して行われた作業の比率として計算されていた。エネルギを節約することによって、または消費されるエネルギの単位あたりに行われる作業を最大化することによって効率を維持することは、持久力や他の形態のサイクリング、トライアスロン、陸上競技および多くの形態のボート競技などの特定のスポーツにおいて成功するための鍵である。
【0012】
サイクリングでは、サイクリストによって自転車のペダルに供給される力、トルク、またはパワーは、力ペダルまたは計装された(すなわち、力またはトルク測定)クランクを使用して測定されることができる。クランクサイクル全体でクランク軸の周りに比較的均一なトルクを分散させることは、「効率的な」技術として、長年にわたって推進されてきた。
【0013】
しかしながら、単に効率を知ることは、ペダリング技術がどれほど効果的であるかを見出すことほど価値がない。本発明は、(a)エクササイズマシンの駆動部材に加えられる駆動力と、(b)駆動部材の周期的動作中のユーザ有効性との間の関係が評価されることを可能にし、したがって、力、トルクおよび/またはパワーの測定を補完し、コーチおよびアスリートにとってより有用にする。
【0014】
サイクリング中、矢状面に平行な下肢の運動は、自転車のクランクおよびペダルの形状によって円形経路に制限される。これらの制約の中で、経験豊富なサイクリストは、下肢(例えば、太もも、ふくらはぎ、足)の運動学と筋肉の活性化を変えることで、ペダリング技術を変えることができる。サイクリングの技術は、関節の運動学と筋肉の活性化パターンの測定を介して評価されることができるが、これらの種類の測定は、専門の機器を必要とするため、通常はエリートアスリートのみが利用することができる。
【0015】
最適なペダリング技術を促進するために、サイクリストが乗車中にクランクをどのように回すかを監視し、また、クランキング/ペダリング技術の効果について直ちにリアルタイムでフィードバックを受け取ることがサイクリストにとって有用である。現在の固定自転車は、パワー、心拍数およびケイデンスデータ、ならびにその他の特定のサイクリングパラメータをリアルタイムで表示して、乗り手に詳細で正確なフィードバックを提供することができる。計装されたクランクまたは力ペダルを装備したロードまたはオフロードの自転車に乗る場合にも、同様のデータが利用可能である。心拍数データは、例えばチェストストラップセンサを使用するなど、様々な方法で生成されることができる。同様の測定装置は、本明細書にリスト化されているものなどの他の周期的運動製品において使用されることができる。
【0016】
いわゆる「ポーラービュー(商標)」ディスプレイまたはプロットを使用して、サイクリストのクランキングまたはペダリング技術に関する情報を提供することが知られている。ポーラービュー(商標)ディスプレイは、特許出願人および関連エンティティによって開発され、特許出願人の関連エンティティであるWattbike Limitedによって独占的に販売されている。
【0017】
ポーラービュー(商標)は、
図1および
図4に示すWattbike(登録商標)10およびWattbike Atom(商標)50固定自転車の駆動系において、例えば、100Hzのサンプリングレートで記録された力の測定値から生成される。
【0018】
サンプルポーラービュー(商標)11は、ポーラーグリッド12がWattbike(登録商標)10またはWattbike Atom(商標)50のペダルクランクの周期運動の360°を表す
図2に示されている。
【0019】
グリッド12の厚みのある部分12a、12bは、それぞれ、Wattbike(登録商標)10またはWattbike Atom(商標)50の右ペダルおよび左ペダルのダウンストロークに対応する。プロットライン13は、数が複数であり、ペダルクランクの複数の回転を表す。
図2のラインA-Aの片側にある右側部分13aのプロットラインは、ペダルクランクに加えられた支配的な駆動力が右クランクを介して加えられたときに、右クランクのダウンストローク中にペダルクランクに加えられた駆動力を表している。
図2のラインA-Aの反対側にある左側部分13bのプロットラインは、ペダルクランクに加えられた支配的な駆動力が左クランクを介して加えられたときに、左クランクのダウンストローク中にペダルクランクに加えられた駆動力を表している。
【0020】
サイクリング技術において知られているように、ペダルクランクを介して加えられる最大力は、各クランクがクランクの完全な360°回転において上死点(tdc)位置から約1/3の距離-典型的には上死点位置から100°と120°との間を移動したときに発生する。最大力の作用点は、右クランクに関してはライン14および左クランクに関してはライン16によって
図2に示されるポーラービュー(商標)に示されている。
【0021】
ポーラービュー(商標)11は、プリンタを使用してプロットされることができるが、より一般的には、Wattbike(登録商標)10またはWattbike Atom(商標)50の電子機器に接続されたリアルタイムディスプレイによって表示され、ディスプレイは、有線または無線通信プロトコルによって電子機器に接続されている。そのような表示は、継続的に更新される。表示された最大力角ライン14、16は、プロットラインの中から最後に完了したペダル回転に関連している。
【0022】
Wattbike(登録商標)10またはWattbike Atom(商標)50のユーザは、運動中にポーラービュー(商標)11を見ることができ、ポーラービュー(商標)11のデータの外観を改善することによって、ユーザのペダリング技術を最適化するためにリアルタイムで求めることができる。
【0023】
特に、ユーザは、以下の改善の1つ以上を求めることができる。
・最大力角ライン14、16の間の角度を可能な限り180°に近付け、それにより、左右の脚の間の力の一貫性を保証すること、
・一方ではポーラービュー(商標)のプロットライン13の最小力部分17、18と他方では平均力部分19との間の差を最小化すること、および
・(スプリントサイクリストの場合、そして持久力サイクリストにとってはそれほど重要ではない)プロットライン13を最大力角ライン14、16に沿って可能な限り到達させることにより、プロットライン振幅(したがって、加えられる最大力)を最大化すること。
【0024】
ポーラービュー(商標)11は、Wattbike(登録商標)製品10、50の他の特徴と組み合わせて、非常に効果的なトレーニング支援であることが証明されている。しかしながら、ポーラービュー(商標)を使用して達成されるフィードバックは、本質的に視覚的であるため、ポーラービュー(商標)データを閲覧するユーザまたはコーチによる評価に依存する。本発明は、ユーザのペダリング効率を示す即時スコアを提供し、したがって、以下のような要因のために不正確になる可能性のあるポーラービュー(商標)の視覚的分析の必要性を排除する点で、Wattbike(登録商標)10またはWattbike Atom(商標)50の使用中のポーラービュー(商標)へのユーザの依存を有用に増強または置換する:
・ユーザが自身のパフォーマンスを評価しているときのユーザの疲労レベル、
・上述したリアルタイム更新特性により、ポーラービュー(商標)11データの一部が一時的なものであるという事実、および
・ポーラービュー(商標)11ディスプレイのラインに集中することを困難にする激しい努力の期間。
【0025】
本発明はまた、本明細書に記載されたものを含むがこれらに限定されない、他の様々な周期的運動またはトレーニングマシンにおいて、またはそれらと組み合わせて利益を生み出す。
好ましい実施形態では、人間の四肢で動作可能な駆動部材は、周期的運動のために結合されて、周期的力を伝達または放散する駆動系を駆動する。
【0026】
そのような実施形態では、駆動部材の周期的運動中に駆動部材に加えられる駆動力は、少なくとも1つの場所において駆動系に生成された力を測定することによって測定および監視されることができる。
【0027】
しかしながら、他の実施形態では、駆動部材の周期的運動中に駆動部材に加えられる駆動力は、力ペダルおよび/または計装クランクの使用を介して、またはホイールハブもしくはユーザの靴、インソールもしくは靴に取り付け可能なクリートに配置された測定装置の使用を介して測定および監視されることができる。
【0028】
本発明は、固定自転車、さらには運動が可能な従来の自転車における使用に限定されない。本発明の方法は、代わりに、人間の四肢で動作可能なクランクまたは他の四肢動力部材の対を有する全ての人力エクササイズマシンに適用可能であり、潜在的に有益である。例えば、上半身エクササイズマシンを使用しているアスリートは、上半身のフィットネスに取り組んでいる間、そのようなマシンのクランクの回転の有効性を知ることで恩恵を受けることができる。本発明はまた、ヨットおよびディンギー、特にレース用のもので遭遇するような手動操作のウインドラスおよびキャプスタン(およびそのような装置の動作をシミュレートするトレーニング装置)に関して潜在的な利益をもたらす。さらにまた、本発明は、オールまたはパドルの対のそれぞれが本明細書において言及される人間の四肢で動作可能な駆動部材と考えることができるいわゆる「固定タンク」などの作業ボートおよび手漕ぎシミュレータ、およびそのようなオールのハンドグリップから、オールブレードが本明細書において言及される駆動系として運動可能な水または別の液体まで延在する運動学的チェーンにおいて潜在的な利益をもたらす。本発明の方法および装置が潜在的に使用可能であるさらに別のクラスのエクササイズマシンは、楕円形トレーナー、クロスカントリースキーシミュレータ、階段クライマーマシン、ステッパー、水上自転車および垂直クライミングシミュレータを含み、これらは全て、人間の四肢で動作可能な駆動部材を含む。
【0029】
したがって、好ましくは、駆動部材は、ペダルクランク、上半身運動クランク、キャプスタンクランク、ウインドラスクランク、固定タンクオール、手漕ぎボートオール、ステッパーまたはステアクライマーペダル、楕円形トレーナーペダルおよび/またはハンドグリップ、スキルシミュレータペダルおよび/またはハンドグリップ、クライミングシミュレータペダルおよび/またはハンドグリップ、または水上自転車ペダルを含むリストから選択される。換言すれば、記載したように、本発明の方法は、エクササイズマシンタイプの範囲に関して適用される。
【0030】
好ましくは、本方法は、さらに、ユーザ有効性スコアに基づいて駆動部材の周期的動作を変更するステップを含む。
【0031】
クランクまたは他の駆動部材の周期的動作を変更することは、エクササイズマシンの使用にユーザフィードバックを組み込むことを意味する。これは、ユーザのフィットネスレベルに関係なく、運動能力の向上に非常に効果的であると考えられる。
【0032】
エクササイズマシンが、前記各駆動部材に回転可能に固定されたそれぞれのペダルまたはハンドルを含み、駆動部材が駆動ホイールの駆動回転に結合され、駆動部材が相互に180°の角度をなす場合、それは利点である。
【0033】
より具体的には、エクササイズマシンは、好ましくは、ハンドルよりもペダルを含む静固定エクササイズマシンであるか、またはそれを含む。しかしながら、上記のように、本発明の方法は、一連の手動式エクササイズマシンに等しく適用可能である。
【0034】
そのような実施形態では、駆動ホイールは、駆動部材の上死点および下死点位置における信号の生成を容易にして、その周期的運動中に駆動部材の回転位置が監視されることを可能にする1つ以上のセンサを含むことができる。
【0035】
より具体的には、駆動ホイールは、駆動部材の上死点および下死点位置における信号の生成を容易にして、その周期的運動中に駆動部材の回転位置が監視されることを可能にする1つ以上のセンサを含むことができる。
【0036】
エクササイズマシンは、固定自転車とすることができる。そのようなマシンのペダルは、必要に応じて、つま先クリップおよびストラップを装備することができ、または靴クリートの力伝達グリップを目的としたペダルを含むクリップレスタイプとすることができる。
【0037】
固定自転車は、一般的条件と気象条件が理想的でない場合の双方において、インドアサイクルトレーニングに特に有用である。インドアサイクリングの制御された環境は、サイクリストがサイクリングフィットネスおよび技術の特定の領域を分離して集中することを可能にし、これは、サイクリストが道路をサイクリングするときに行うことができない場合がある。さらに、今日では、アマチュアやプロのサイクリストは、天気の良い時期でも、トレーニングプログラムにインドア固定自転車の使用を含めることが有益であると感じることがよくある。
【0038】
駆動部材が周期的運動のために結合されて、周期的力を伝達または放散する駆動系を駆動する実施形態では、駆動系は、空気の通過に抵抗する出口開口を介してチャンバ内の空気を押しやることによって周期的力を放散させるファンを駆動することができる。これは、上記のWattbike(登録商標)10において使用されている周期的力放散の主要な手段である。
【0039】
好ましくは、出口開口の寸法は、出口開口が空気の通過に抵抗する程度の調整を可能にするように調整可能であり、本方法は、出口開口の寸法を調整するステップを含む。
【0040】
駆動部材が周期的運動のために結合されて駆動系を駆動し、周期的力を伝達または放散する他の実施形態では、駆動系は、周期的力の磁気および/または電磁抵抗器を含むことができ、本方法は、磁気および/または電磁抵抗器を使用して周期的抵抗を切り替えるまたは調整するステップを含む。これは、Wattbike Atom(商標)50において使用される周期的力放散の主な手段である。
【0041】
好ましくは、そのような実施形態では、そのような抵抗器によって提供される抵抗の程度は、例えば、ねじ山によって取り付けられた磁石を駆動系の要素に選択的に近付けるかまたは遠ざけることによって調整されることができる。
【0042】
他の周期的ベースのエクササイズマシンは、本発明の範囲内で、周期的力を放散させるために他の機構を使用することができる。
【0043】
実施形態では、駆動部材の周期的運動を駆動する際のユーザ周期的力の支配的な割合は、駆動部材の運動サイクルごとに1回、左肢と右肢との間で交互になり、ステップ(i)は、運動サイクル中の負荷交代点に基づいて運動サイクル中に測定された駆動力信号値を1つまたは他の駆動部材に割り当てることを含み、ステップ(ii)は、各駆動部材の最大ユーザ有効性係数信号および最小ユーザ有効性係数信号を導出することを含み、ステップ(iii)は、ステップ(ii)において各駆動部材に対して導出された最大ユーザ有効性係数信号および最小ユーザ有効性係数信号を使用して、各駆動部材に対して生成されたユーザ有効性スコア信号値の平均に基づいて全体的なユーザ有効性スコアを生成する前に、各駆動部材に対してユーザ有効性スコア信号を生成することを含む。
【0044】
ユーザ有効性の数値表現を割り当てることは、エクササイズマシンのユーザが自身の技術が最適な有効性に対応する技術にどれだけ近いかを知るのに役立つ。
【0045】
好ましくは、ステップ(iii)においてユーザ有効性スコア信号を生成するステップは、さらに、ステップ(ii)において計算された最大ユーザ有効性係数信号および最小ユーザ有効性係数信号とともに所定の重み係数を使用することを含み、重み係数は、駆動部材に加えられる有効力と、有効力を達成するために必要とされる駆動部材に加えられる総力との間のエクササイズマシンの比率に基づいている。
【0046】
ステップ(iii)においてユーザ有効性スコア信号を生成するステップはまた、さらに、各駆動部材のユーザ有効性スコアが70から80の最適範囲内に収まるように、所定のモデレート係数を使用することを含むことができる。
【0047】
最大ユーザ有効性係数は、以下のように計算されることができる:
係数最大=平均最大力
最大力値
【0048】
ここで、平均最大力は、最大力信号値が所定のセグメントにおいて測定された駆動力信号値の中央値データポイントであるサイクルのセグメントにわたってその運動サイクルについて測定された駆動力信号値の平均値である。そのような測定は、1つ以上のセンサの動作および複数の力信号出力の生成を介して行うことができる。
【0049】
そのような実施形態では、最小ユーザ有効性係数は、以下のように計算されることができる:
係数最小=最小力値
平均最小力
【0050】
ここで、平均最小力は、最小力信号値が所定のセグメントにおいて測定された駆動力値の中央値データポイントであるサイクルのセグメントにわたってその運動サイクルについて測定された駆動力信号値の平均値である。そのような測定は、同様に1つ以上のセンサの動作および複数の力信号出力の生成を介して行うことができる。
【0051】
最大ユーザ有効性係数および最小ユーザ有効性係数は、最大駆動力プロファイルおよび最小駆動力プロファイルの形状を反映する。自転車(固定自転車または従来の自転車)の場合、最適な駆動力プロファイルは、各運動サイクルに対して測定された最大駆動力値および最小駆動力値を通る比較的緩やかな曲線を定義する。これは、より高い最大ユーザ有効性係数値および最小ユーザ有効性係数値をもたらし、したがって、より高い全体的なユーザ有効性スコアをもたらす。
【0052】
駆動部材が相互に180°の角度をなすようにエクササイズマシンが駆動ホイールの駆動回転に結合された駆動部材を含む実施形態では、平均最大力および平均最小力は、好ましくは、45°のセグメントにわたって測定された駆動力値に基づいて決定される。示されているように、セグメントは、クランクなどのサイクルの最大力値および最小力値をそれぞれ中心にしている。
【0053】
好ましくは、本方法は、各運動サイクルに対して駆動部材に割り当てられるときに駆動部材に加えられる駆動力を示すポーラービュー(商標)を生成するステップを含む。
【0054】
エクササイズマシンの使用時に駆動部材の回転を監視する機能は、ポーラービュー(商標)プロットの形式で力曲線として示されることができる。ポーラービュー(商標)プロットは、駆動部材を介して加えられた可変駆動力と、力が加えられている間の駆動部材の位置を示している。
【0055】
全体的なユーザ有効性スコアの形式でユーザ有効性の正確な表現の計算を可能にするために、駆動部材に加えられる駆動力は、好ましくは、約100Hzの周波数で測定される。
【0056】
エクササイズマシンが駆動チェーンを有する駆動系を含む実施形態では、ステップ(i)は、チェーン内の張力を測定し、それを示す1つ以上の信号を生成することを含むことができる。
【0057】
エクササイズマシンが軸を含む駆動系を含む実施形態では、ステップ(i)は、軸内のトルクの値を測定し、それを示す1つ以上の信号を生成することを含むことができる。
【0058】
本方法は、監視期間中のユーザ有効性スコアを表す複数のしるしを生成することを含むことができ、必要に応じて、有効性スコア信号を分析し、監視期間中の有効性スコア信号値の変化を検出するステップを含む。
【0059】
さらにまた、本方法は、エクササイズマシンの使用状況を示すデータの記録、送信、ダウンロード、アップロード、記憶、印刷または表示するステップを含むことができる。
【0060】
本方法は、ユーザトレーニングプログラムの表示、印刷、記憶、ダウンロードまたは送信することを含むことができる。
【0061】
好ましくは、ユーザトレーニングプログラムは、駆動部材の1つ以上の運動サイクルに対するユーザ有効性スコアに基づいて変更されることができる。
【0062】
ユーザトレーニングプログラムがあると、ユーザにガイダンスが提供される。ユーザ有効性スコアに基づいてトレーニングプログラムを調整すると、パーソナライズされたトレーニングレジメが作成され、ユーザのより生産的なトレーニングをもたらす。
【0063】
1つ以上のプログラム可能な装置を使用して、ユーザ有効性スコアを生成することができる。プログラム可能である必要のない他のタイプの計算装置を、追加的にまたは代替的に使用することができる。例は、これに限定されるものではないが、オペアンプ回路を含む。
【0064】
好ましくは、1つ以上のプログラム可能なまたは他の計算装置は、ディスプレイを含み、エクササイズマシンに動作可能に接続されている。追加的にまたは代替的に、1つ以上のプログラム可能なまたは他の計算装置は、これに限定されるものではないが、可聴出力などの異なる感覚出力を生成することができる場合がある。
【0065】
プログラム可能なまたは他の計算装置によって生成されたユーザ有効性スコアを示す出力を見たり聞いたりすることができるユーザは、自身が費やしている周期的力および自身がその特定の瞬間にクランクを回転させている方法が効果的であるかどうかについて即座にリアルタイムのフィードバックから利益を得る。
【0066】
有利には、本方法は、駆動部材の動作を介して生成されたパワーを示す1つ以上のユーザパワー値信号を生成し、1つ以上のユーザパワー値を記録、表示、印刷、記憶、ダウンロード、アップロードまたは送信するステップを含む。
【0067】
そのような「パワーを使ったトレーニング」は、ユーザが運動中にどれだけのパワーを生成するかをユーザに正確に伝える定量的な数値を提供する。これは、倦怠感、水分補給および体温などの外的要因とは無関係に測定できる貴重な情報である。生成されたパワーの表示は、アスリートが、競争力のあるサイクリストに馴染みのあるものなど、指定されたトレーニングゾーン内でのトレーニングに自信を持つことを可能にする。
【0068】
好ましくは、エクササイズマシンは、心拍数データ信号の少なくとも1つの受信機を含み、本方法は、1つ以上のユーザ心拍数値の生成において心拍数センサを送信するチェストストラップ、リストストラップ、アンクルストラップまたは指クリップのうちの1つ以上を使用するステップを含む。
【0069】
本方法が、ユーザ心拍数値を示す1つ以上の信号を生成し、そのような信号から生成された1つ以上のユーザ心拍数値を記録、表示、印刷、記憶、ダウンロード、アップロードまたは送信するステップを含むことも有利である。そのような値は、上述したようにユーザパワーデータと同時に表示されることができる。特許出願人は、これが特に効果的なトレーニング技術を提供することを見出した。
【0070】
心拍数は、努力に対する身体の反応を示すため、心拍数は、トレーニングの理想的な強度範囲を判定するための有用な指標である。さらに、心拍数データの監視は、脱水症および倦怠感の影響をリアルタイムで示すことができる。さらにまた、病気、手術または他の形態の治療から回復している人の健康状態を改善しようとするときに非常に役立つことができる。さらに、運動心拍数データを使用して、例えば、特定の種類の薬物治療に対する個人の反応などを監視することができる。また、軍隊、法執行機関、消防署および市民防衛機関などの特定の仕事の選択プロセスにおいて必要となる可能性がある個人のフィットネスレベルを評価する場合にも有益である。
【0071】
好ましくは、ユーザ有効性スコアは、クラウドベースのコンピューティングを介してダウンロードまたはアクセスされることができるアプリケーションを使用して生成される。
【0072】
よく知られているように、クラウドベースのコンピューティングは、本発明の方法のステップを実行するために使用されるものなど、プログラム可能な装置のメモリ容量のかなりの割合を消費することなく、良好な柔軟性およびアクセス性を有するインターネットを介してアプリケーション、分析ソフトウェアおよびユーザデータにアクセスすることを可能にする。
【0073】
本発明の別の態様によれば、周期的運動のために結合された一対の人間の四肢で動作可能な駆動部材と、エクササイズマシンに動作可能に接続された少なくとも1つの感覚インジケータを有する電子装置と、を備え、エクササイズマシンおよび電子装置が、本明細書において定義された本発明にかかる方法を実行することによって前記ユーザ有効性スコアを生成し、感覚インジケータを介してユーザ有効性スコアを出力する、エクササイズマシンが提供される。
【0074】
好ましくは、感覚インジケータは、目に見えるディスプレイであり、ユーザ有効性スコアを出力するステップは、ディスプレイを使用してユーザ有効性スコアを表示することを含むことができる。追加的にまたは代替的に、感覚インジケータは、可聴インジケータとすることができるか、またはそれを含むことができ、ユーザ有効性スコアを出力するステップは、可聴インジケータを使用してユーザ有効性スコアの可聴指標を生成することを含むことができる。
【0075】
好ましくは、電子装置は、ラップトップまたはデスクトップコンピュータ、いわゆる「タブレット」、スマートフォン、または携帯情報端末(PDA)を含むリストから選択される。追加的にまたは代替的に、電子装置は、エクササイズマシンに動作可能に接続された専用の監視装置とすることができるか、またはそれを含むことができる。
【0076】
有利なことに、エクササイズマシンは、各駆動部材に回転可能に固定されたそれぞれのペダルを含む固定エクササイズ自転車として構成されている。しかしながら、エクササイズマシンは、これらに限定されるものではないが、本明細書にリスト化されているものを含む他の一連のタイプのいずれかとして構成されることができる。
ここで、以下の添付の図面を参照して、非限定的な例として、本発明の好ましい実施形態の説明が続く。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【
図1】
図1は、Wattbike(登録商標)の形態のエクササイズマシンの第1の実施形態を示している。
【
図2】
図2は、サンプルのポーラービュー(商標)を示している。
【
図3】
図3は、コンピュータに接続された、ユーザ有効性スコアを表示している、本発明の実施形態にかかるプログラム可能な装置のディスプレイの正面図である。
【
図4】
図4は、Wattbike Atom(商標)の形態のエクササイズマシンの第2の実施形態を示している。
【
図5】
図5は、本発明の方法においてセンサの出力から信号を導出するために使用されることができるプログラム不可能な装置の一実施形態を概略的な形態で示している。
【発明を実施するための形態】
【0078】
本発明の所与の態様、特徴、またはパラメータのための選好および選択肢は、特に文脈に示されない限り、本発明の全ての他の態様、特徴、およびパラメータにおける任意のおよび全ての選好および選択肢と組み合わせて開示されているよう見なされるべきである。
【0079】
本明細書で使用される場合、「信号」は、主に電気信号に関連し、そのような信号の値または大きさへの言及は、信号を生成するセンサの出力に依存して変化する電圧などのパラメータへの言及である。しかしながら、電気信号以外の信号を使用して、本明細書に記載の方法を実行することは可能である。代わりに、少なくともいくつかの実施形態では、光、磁気およびオーディオ信号を使用することができる。
【0080】
ここで、本発明の実施形態を、Wattbike(登録商標)固定エクササイズマシン10の形態のエクササイズマシンの動作中にユーザ有効性を監視する方法を参照して説明する。あるいは、固定エクササイズマシンは、
図4に示すWattbike Atom(商標)50、ヨットキャプスタンまたはウインドラストレーナー、ステアクライマーまたはステッパー、楕円トレーナー、クロスカントリースキーシミュレータ、クライミングシミュレータ、上半身エクササイズマシン、または固定タンクなどの別のタイプの固定自転車とすることができる。
【0081】
さらに、本明細書に記載のように、本発明の方法は、ロードまたはオフロード自転車、手漕ぎボート、および帆船の特徴(例えば、ウインドラス)などの様々なモバイル装置で使用可能である。したがって、特定の形態の固定自転車に関する以下の説明は、例としてのみ提示されており、本発明の範囲を限定するものではない。
【0082】
Wattbike(登録商標)10を
図1に示す。Wattbike(登録商標)10は、その位置が座席調整レバー22a、22bを使用して調整されることができる座席21と、その位置がハンドルバー調整レバー24a、24bを使用して調整されることができるハンドルバー23とを備えた自転車状フレーム20を有する。Wattbike(登録商標)10は、
図1には見えないが、本質的に円形ハウジング26の中心27と一致する水平軸の周りに回転可能に配置されるフライホイールを収容する前輪ガード26を有する。Wattbike(登録商標)10は、自転車の後輪が通常配置される支持スタンド28を含む。支持スタンド28は、横方向の傾斜に対してマシンを安定させるために、それぞれWattbike10の長手方向の中心面の両側に延在する床係合限界28a、28bを含む。
【0083】
好ましい実施形態に見られるように、各肢28a、28bは、任意の下向きに延在する床係合足を含む。支持スタンド28は、その最前端においてホイールガード26の下方に固定されている剛性の前方に延在するフレーム部材30を含む。さらなる床係合肢30a、30bは、部材30から横方向に延在し、また、任意の床係合足を含むことができる。支持フレーム要素は、一体にしっかりと固定され、マシン10の作動部分の非常に安定した支持を提供する。
【0084】
フレーム20の下部において、Wattbike(登録商標)10は、ペダルクランク31の形態の一対の駆動部材を含む。他の固定エクササイズマシンの場合、駆動部材は、例えば、上半身運動クランク、キャプスタンクランク、ウインドラスクランク、固定タンクオールまたは手漕ぎボートオールを含むことができる。
【0085】
各ペダルクランク31は、端部に回転可能に固定されたペダル32を有する。上半身エクササイズマシンの場合、ハンドルは、ペダルではなく上半身運動クランクに接続されている。
【0086】
図1に示されるペダル32は、Wattbike(登録商標)10のユーザがペダルクランク31の周期的運動を介してエネルギを消費するのを支援するつま先クリップおよびストラップの組み合わせ37を備えている。ペダル32の裏側から、つま先クリップおよびストラップの組み合わせ37を支持するものまでは、ユーザのサイクリングシューズに取り付けられたクリートを収容することができる、いわゆる「クリップレス」ペダルとして形成されている。
【0087】
つま先クリップ、ストラップ、およびクリップレスペダルの原理および性質は、サイクリング技術において周知であり、本明細書における詳細な説明は必要ない。
【0088】
当業者に起こり得るように、図示された支持フレーム、クランクペダルの設計の変形は、本発明の範囲内で可能である。
【0089】
ペダルクランク31は、一方のペダルクランク31が上死点位置に位置するとき、他方のペダルクランク31が下死点位置に位置するように、相互に180°の角度をなすように歯車を介して結合され、その逆もしかりである。
【0090】
歯車は、歯車の周りおよびフライホイールに取り付けられた歯付きスプロケットの周りに延在するエンドレス駆動チェーンによって、前輪ガード26に配置されたフライホイールに結合されている。歯車、エンドレス駆動チェーンおよび歯付きスプロケットは、ペダルクランク31からフライホイールに周期的力を伝達する駆動系を画定し、ペダルクランク31の周期的運動は、歯車の回転を駆動し、次に、エンドレス駆動チェーンおよび歯付きスプロケットを介してフライホイールの回転を駆動する。
【0091】
一連の等間隔の放射状ファンブレードがフライホイールに固定され、
図1に表示されているホイールガード26の側面は、ホイールガード26によって囲まれた容積内に空気が引き込まれる一連の3つの扇形グリル25を含む。そのような空気の動きは、フライホイールの慣性とともに、フライホイールの回転に対する抵抗を提供し、従来の自転車に屋外で乗るときに経験する抵抗をシミュレートする。ホイールガード26は、フライホイールの動きの結果としてホイールガード26の内部に引き込まれた空気が排出される1つ以上の出口開口を含む。
【0092】
前輪ガード26は、フライホイールの抵抗レベルの調整を可能にするエアブレーキギアレバー29を有する。エアブレーキギアレバー29の動きは、それに接続された一連の扇形シャッタ36の回転を引き起こし、選択的且つ漸進的に、グリル25を覆いまたは覆いを外し、フライホイールに入る空気の流れを調節する。グリル25の覆いを外すと、空気の流れを増加し、抵抗を増加し、したがって、グリル25がより大きく覆われている場合よりも高いギアにおいて従来の自転車に乗ることをシミュレートする。
【0093】
さらに、磁気上昇レバー30が前輪ガード26に固定されている。磁気上昇レバー30は、抵抗するように作用し、それによってフライホイールの回転を遅くするように作用する抵抗磁石を調整し、これは、例えば、1つ以上の強磁性材料から作られているか、またはそれを含む。磁石は、上昇レバー30に取り付けられた1つ以上のねじ山に固定され、磁石によって生じる抵抗を調整するために、磁気上昇レバー30を使用してフライホイールに向かっておよびフライホイールから離れるように移動可能である。磁気上昇レバー30は、回転し、異なる抵抗レベルでマークされており、ユーザがサイクリング中に平坦地面に乗っているかまたは丘を登っている感覚を再現することを可能にする。
【0094】
図4を参照すると、Wattbike Atom(商標)50はまた、その位置が調整機構22a、22bを介して調整されることができる座席21と、その位置が調整機構24a、24bを介して調整されることができるハンドルバー23とを備えた自転車状フレーム20を含むことがわかる。Wattbike Atom(商標)50は、表示されていないが、水平軸の周りに回転可能に配置されている一対のフライホイールディスクを収容する前輪ガード26を含む。Wattbike Atom(商標)50は、自転車の後輪が通常配置される支持スタンド28を含む。
図4の支持スタンド28は、
図1の支持スタンド28とは異なる設計であるが、機能的には
図1のスタンドと同様である。これを考慮すると、
図4の支持スタンド28は、詳細には説明されておらず、その構造および機能は、
図4の目視検査から明らかである。
【0095】
フレーム20の下部に、Wattbike Atom(商標)50は、ペダルクランク31の形態の一対の駆動部材を含み、ペダル32は、ペダルクランク31の端部に回転可能に結合されている。
【0096】
ペダル32と、ペダルクランク31の周期的運動においてフライホイールの回転を駆動するためにペダルクランク31をフライホイールに結合する駆動系の構成は、Wattbike(登録商標)10において採用されているものと同じであり、したがって、再度詳細に説明しない。
【0097】
グリルおよびシャッタの使用とは対照的に、Wattbike Atom(商標)50は、その少なくとも1つが1つ以上の例えば強磁性材料から作製されるか、またはそれを含むフライホイールの回転に抵抗するために、前輪ガード26に取り付けられた1つ以上の永久磁石の形態の抵抗機構を含む。磁石は、フレームにねじ係合したねじに取り付けられ、ねじの回転を駆動するためにモータが設けられている。駆動の方向に応じて、そのような駆動は、磁石をフライホイールの対の間のギャップに選択的に出し入れし、それによって、磁石によって提供される抵抗を増加または減少させるために、磁石をフライホイールの磁気リムに近付けたり遠ざけたりする。
【0098】
他の実施形態では、1つ以上の永久磁石の代わりに1つ以上の電磁石を使用することができると想定される。
【0099】
Wattbike(登録商標)10およびWattbike Atom(商標)50の双方は、ペダルクランク31の周期的運動中に加えられた駆動力を測定するための測定ユニットを含み、測定ユニットは、エンドレス駆動チェーンの張力を測定することによって駆動力を測定する。測定ユニットは、エンドレス駆動チェーンに適用されるアームを含み、アームは、チェーンの側面を僅かに押し、測定ユニットは、さらに、チェーンによってアームに加えられてアームによって押すことに抵抗する傾向がある復元力を測定するための測定センサを含む。好ましくは、測定ユニットは、100Hzのサンプリングレートでチェーンによってアームに加えられる復元力を測定する。
【0100】
測定ユニットは、図示された実施形態では、歯車に対してフレーム上の固定位置に配置された磁場センサの形態をとるセンサに結合されている。磁石の形態の一対のセンサピースが歯車に取り付けられ、センサピースは、歯車の回転時にセンサを通過するように歯車上に配置され、センサは、通過するセンサピースの検出時に信号を生成する。これは、測定ユニットが歯車の回転速度を計算することを可能にする。
【0101】
他の実施形態では、一対のセンサを歯車に対して固定位置に配置することができ、少なくとも1つのセンサピースを歯車に取り付けることができる。さらに別の実施形態では、センサおよびセンサピースの位置を逆にすることができ、センサは歯車に取り付けられ、センサピースはフレームに取り付けられる。
【0102】
センサピースは、センサが180°間隔で信号を生成させるように歯車に配置されている。より具体的には、歯車上のセンサピースの適切な配置により、センサは、ペダルクランク31の一方が上死点位置に位置し且つペダルクランク31の他方が下死点に位置するときに第1の信号を生成し、ペダルクランク31の一方が下死点位置に位置し且つペダルクランク31の他方が上死点位置に位置するときに第2の信号を生成する。これは、測定ユニットが、ペダルクランク31に加えられた駆動力が測定されるたびに、計算された歯車の回転速度に基づいて、ペダルクランク31の時間的位置を確実に判定することを可能にする。
【0103】
ペダルクランク31の長さが固定されているため、測定ユニットは、測定された駆動力値から直接ユーザがペダル32およびペダルクランク31を介して加えるトルクを容易に計算することができる。
【0104】
エンドレス駆動チェーンにかかる力は、ユーザ入力から導出され、全ての抵抗は、Wattbike(登録商標)10またはWattbike Atom(商標)50の一方および同じ軸に加えられるため、測定ユニットは、フライホイールの回転に対する抵抗の影響を受けるように、ユーザのパワー出力を測定することができる。
【0105】
図1に示されるWattbike(登録商標)10は、ハンドルバー23の近くのフレーム20の前部に取り付けられたプログラム可能またはプログラム不可能な装置33によって制御される。装置33は、有線接続または無線通信プロトコルによって、Wattbike(登録商標)の測定ユニットに動作可能に接続されている。
【0106】
図3は、デスクトップコンピュータ34に接続された装置33の正面図を示している。プログラム可能な装置33はまた、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、または携帯情報端末(PDA)に動作可能に接続されることができるか、またはいくつかの実施形態では、さらなる装置への接続を伴わないスタンドアロンモードで使用されることができる。装置33がそのように接続されている場合、接続は、1つ以上の有線を介して、またはこれに限定されるものではないがブルートゥースなどの近距離通信プロトコルを使用して無線で行うことができる。データは、例えば、クラウドに表示、印刷、記憶、記録、ダウンロード、およびアップロードするために存在する場合、デスクトップコンピュータ34に送信されることができる。
【0107】
さらに、ユーザトレーニングプログラムは、プログラム可能な装置33、デスクトップコンピュータ34などの接続されたコンピュータ、および/または別の装置を介して、表示、印刷、記憶、ダウンロード、または送信されることができる。
【0108】
図4に示されているWattbike Atom(商標)50は、タブレットまたはスマートフォン(図示せず)の形態のプログラム可能な装置によって制御され、これは、ハンドルバー23の上方のフレーム20の前面にあるマウント要素52a、52bの間に固定されることができる。マウント要素52a、52bの少なくとも1つは、マウント要素52a、52bの間でタブレットまたはスマートフォンをクランプすることができるように、フレーム20の一部を形成する要素上で、他の要素に向かって、および他の要素から離れるようにスライド可能である。プログラム可能な装置は、無線通信プロトコルによってWattbike Atom(商標)50の測定ユニットに動作可能に結合されている。
【0109】
Wattbike Atom(商標)50の場合、例えば、クラウドに表示、印刷、記憶、記録、ダウンロード、およびアップロードするためにデータをデスクトップコンピュータに送信することもできる。同様に、ユーザトレーニングプログラムは、プログラム可能な装置を介して表示、印刷、記憶、ダウンロード、または送信されることができる。
【0110】
Wattbike(登録商標)10およびWattbike Atom(商標)50の双方のプログラム可能な装置は、駆動力の測定値とペダルクランク31の関連する時間的位置に関連するデータを受信するように構成されている。
【0111】
左で押して右で回復するかまたは右で押して左で回復する、ペダルクランク31でのユーザの脚のダブルアクションは、フライホイールの回転を駆動するエンドレス駆動チェーンに加えられる集約された駆動力を生じさせる。装置33またはそれが接続されている別の装置は、それに応じて脚が駆動力の支配的な割合を提供している、左または右のペダルクランク31に集約された駆動力を割り当てるように構成されており、ペダルクランク31がそれらの上死点および下死点位置に配置されたときにセンサによって生成される信号は、左右のペダルクランク31間の負荷の交代を意味する。
【0112】
装置33または別の装置33は、受信したデータを使用して、左右のペダルクランク31のそれぞれの最大ユーザ係数信号および最小ユーザ係数信号を計算するように構成されている。
【0113】
左右のペダルクランク31のそれぞれの最大ユーザ係数は、以下の式にしたがって計算される:
係数最大=平均最大力
最大力値
【0114】
ここで、平均最大力は、生成された最大力値信号がセグメントにおいて測定された駆動力値の中央値データポイントであるサイクルの45°のセグメントにわたるその運動サイクルに対して力センサによって生成された駆動力信号値の平均値である。
【0115】
左右のペダルクランク31のそれぞれの最小ユーザ係数は、以下の式にしたがって計算される:
係数最小=最小力値
平均最小力
【0116】
ここで、平均最小力は、最小力値信号がセグメントにおいて測定された駆動力信号値の中央値データポイントであるサイクルの45°のセグメントにわたるその運動サイクルに対して力センサによって生成された駆動力信号値の平均値である。
【0117】
明らかなように、最大ユーザ係数信号および最小は、それぞれの場合に要約すると単純な除算式を使用して、一方では最大および「平均最大」力信号値を、他方では最小および「平均最小」力信号を比較することによって生成される。
【0118】
そのような比較は、前述したように1つ以上のプログラム可能な装置を使用して実行されることができるが、これは、あてはまる必要はない。それどころか、よく知られているように、単純な除算タイプの信号の大きさの比較は、オペアンプと乗算器フィードバックの組み合わせなどの恒久的に配線された回路を使用して実行されることができる。
図5に示されるような構成では、平均最大または最小(必要に応じて)信号電圧は、非反転入力が接地されているオペアンプ51の反転入力に入力されることができる。
【0119】
オペアンプ出力は、一方の入力として乗算器52にフィードバックされ、他方の入力は、最大力信号電圧または最小(必要に応じて)力信号電圧である。乗算器52の出力は、オペアンプ51の反転入力に供給される。正味出力は、最大ユーザ係数または最小ユーザ係数にオペアンプのゲインKを乗算したものである。この信号は、以下に説明するように、本方法の次の段階において使用されることができる。
【0120】
プログラム可能またはプログラム不可能な装置33は、最大ユーザ係数および最小ユーザ係数を使用して、以下の式にしたがって、左右のペダルクランク31のそれぞれのユーザ有効性スコアを計算する:
左スコア=(W×(左係数最小×左係数最大)-M)×100
右スコア=(W×(右係数最小×右係数最大)-M)×100
【0121】
式中、
・Wは、ペダルクランク31に加えられる有効力と、有効力を達成するために必要とされるペダルクランク31に加えられる総力との間の比率に基づく重み係数である。
・Mは、70から80の範囲で最適なユーザ有効性スコアを定義するための調整係数である。
【0122】
示されているような単純な乗算は、プログラム可能な装置を使用する代わりに、エンジニアリングでよく知られている乗数によって実行されることができる。
【0123】
理解されるように、WおよびMの値は、エクササイズマシンの性質に応じて変化するであろう。Wattbike(登録商標)10およびWattbike Atom(商標)50の場合、Wの値は、0.8から1.8の範囲内とすることができ、Mの値は、-0.5から-0.05の範囲内とすることができる。
【0124】
次に、プログラム可能な装置は、左右のペダルクランク31のそれぞれのユーザ有効性スコアを使用して、以下の式にしたがって全体的なユーザ有効性スコアを計算する:
ユーザ有効性スコア=(左スコア+右スコア)
2
【0125】
そのような導出は、プログラム可能な装置を使用して、または、例えばオペアンプ加算器と分圧器の組み合わせを使用して、左右のスコア信号を処理することによって行うことができる。
【0126】
プログラム可能またはプログラム不可能な装置は、ディスプレイを有し、ユーザ有効性スコアを表示するように構成されている。
【0127】
プログラム可能またはプログラム不可能な装置はまた、Wattbike(登録商標)10またはWattbike Atom(商標)50のユーザ操作に関する他の測定された特性を表示するように構成されることもできる。
【0128】
図3に示されるWattbike(登録商標)10のプログラム可能な装置33は、ユーザ有効性スコア38、ならびにケイデンス39、ユーザによる正確なパワー40、心拍数41、右脚パワー出力パーセンテージ42および左脚パワー出力パーセンテージ43およびWattbike(登録商標)10の使用期間45に関する情報を表示するように構成される。プログラム可能な装置33はまた、ペダルクランク31の時間的位置に対して測定された駆動力を、
図2に示されて上述したポーラービュー(商標)などのポーラービュー(商標)プロット44の形態で画面上に表示するように構成されている。
【0129】
多かれ少なかれ情報をプログラム可能な装置33に表示することができる。情報はまた、
図3に示されているものとは異なる配置で表示されることもできる。情報は、記録、送信、ダウンロード、アップロード、記憶および印刷されることができる。
【0130】
ユーザがWattbike(登録商標)10またはWattbike Atom(商標)50に乗り始めると、ユーザは、ペダル32、したがってペダルクランク31に駆動力を加え、左右側で交互にそれらを押し下げおよび引き上げる。各ペダルクランク31が360°の回転を完了すると、生成された力およびペダルクランク31の時間的位置を示すポーラービュー(商標)(その例が
図2に示されて上述されている)がプログラム可能な装置33に表示される。本発明の範囲内で他のサンプリングレートが可能であるが、ペダルクランク31に加えられる駆動力が監視および測定され、それを示す信号が、示される好ましい実施形態においては毎秒約100回生成される。
【0131】
プログラム可能またはプログラム不可能な装置は、説明したように、各駆動部材の最大ユーザ有効性係数信号および最小ユーザ有効性係数信号を導出し、次に、各駆動部材のユーザ有効性スコアを使用して上述した式にしたがって全体的なユーザ有効性スコアを導出する前に、各駆動部材のユーザ有効性スコアを導出する。
【0132】
Wattbike(登録商標)10またはWattbike Atom(商標)50のユーザの周期的動作が最適な効率またはそれに近い場合、70~80の範囲の有効性スコアが計算される。
【0133】
特定の監視期間にわたって、ユーザ有効性スコアの複数の値が生成される。これらの値は分析され、ユーザは、出力している有効性スコアに基づいてトレーニングプログラムを変更することができる。
【0134】
プログラム可能な装置は、ペダルクランク31において生成されたパワーを計算し、そのようなパワー値を表示することができる。
【0135】
ユーザは、心拍数センサを送信するチェストストラップ、リストストラップ、アンクルストラップ、または指クリップを着用することができる。これらの装置は、様々なタイプの近距離無線通信を使用してプログラム可能な装置に送信されることができるユーザ心拍数値を生成する。
図3に示されるプログラム可能な装置33は、瞬間的に優勢な心拍数値を表示する表示セグメント41を含む。
【0136】
ユーザ有効性スコア、心拍数ケイデンス、時間およびパワー値、ならびにポーラービュー(商標)データは、それぞれ、コンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの電子装置に記録、表示、印刷、記憶、ダウンロード、アップロードまたは送信されることができる。
【0137】
本発明は、周期的運動のために結合された一対の人間の四肢で動作可能な駆動部材を有するエクササイズマシンのユーザが、周期的技術の有効性を監視、評価および比較することを可能にする。本発明は、有効性スコアを表示することによって、ユーザの技術が最適な有効性からどれだけ離れているかをユーザが判定することを可能にする正確な図を提供する。この有効性スコアは、ユーザにリアルタイムで表示され、継続的なフィードバックを提供し、それによってユーザのトレーニングを支援することができる。特にサイクリングにおいて、本発明は、サイクリストがペダリング技術を改善することを可能にし、ひいては、トレーニングおよび競争のフィットネス、パワー、持久力および回復の態様を改善することを可能にする。
【0138】
本明細書において先に公開された装置のリストまたは議論は、装置が最新技術の一部であるか、または共通の一般知識であることを認めるものと必ずしも解釈されるべきではない。