ホーム > 特許ランキング > 日本製紙クレシア株式会社
知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】ロール包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 75/62 20060101AFI20240214BHJP
B65D 75/08 20060101ALI20240214BHJP
B65D 85/672 20060101ALI20240214BHJP
【ＦＩ】
B65D75/62 B
B65D75/08
B65D85/672
【請求項の数】
11
(21)【出願番号】P 2021030744
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022131679
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2022-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】大岡 康伸
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 光
(72)【発明者】
【氏名】大篭 幸治
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開２０２０－０１９５７１（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０１４－０１９４６７（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０１３－０８２４６８（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０１３－８６８０１（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２００６－３４７５８１（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０００－３０２１６６（ＪＰ，Ａ）
(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)
Ｂ６５Ｄ ７５／６２
Ｂ６５Ｄ ７５／０８
Ｂ６５Ｄ ８５／６７２
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペーパータオルをロール状に巻き取ったロール製品１ロールを樹脂フィルムでキャラメル包装したフィルム包装体であって、前記フィルム包装体の天面及び底面に所定のパターンで設けられた、複数の帯状のヒートシール部から成るヒートシール接着部と、
前記ロール製品の幅方向に設けられ、前記天面から前記フィルム包装体の側面を経由して前記底面まで延びる開封用のミシン目部と、を有し、
前記ミシン目部の引張破断強度が、３Ｎ／５０ｍｍ以上５３Ｎ／５０ｍｍ以下であり、
前記天面に形成された前記ミシン目部と、前記帯状のヒートシール部が交差する角度が１０°以上８０°以下である、フィルム包装体。
【請求項2】
前記ミシン目部は、ミシン目切込部とミシン目非切込部とが交互に配列されたものであり、〔前記ミシン目非切込部の合計長さ／（前記ミシン目切込部の合計長さ＋前記ミシン目非切込部の合計長さ）×１００〕の比率が２５％以上７５％以下である、請求項１に記載のフィルム包装体。
【請求項3】
前記ミシン目切込部１個の長さが１ｍｍ以上１０ｍｍ以下、前記ミシン目非切込部１個の長さが１ｍｍ以上１０ｍｍ以下である、請求項２に記載のフィルム包装体。
【請求項4】
前記樹脂フィルムの引裂き強度が０．２Ｎ以上３．０Ｎ以下である、請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載のフィルム包装体。
【請求項5】
前記樹脂フィルムの厚さが２０μｍ以上５０μｍ以下である、請求項１乃至請求項４のいずれか１項に記載のフィルム包装体。
【請求項6】
前記ペーパータオルの坪量が４０ｇ／ｍ２以上１５０ｇ／ｍ２以下である、請求項１乃至請求項５のいずれか１項に記載のフィルム包装体。
【請求項7】
前記ロール製品のロール密度が０．０５ｇ／ｃｍ３以上０．１６ｇ／ｃｍ３以下である、請求項１乃至請求項６のいずれか１項に記載のフィルム包装体。
【請求項8】
前記ペーパータオルの紙厚が２００μｍ以上１３００μｍ以下である、請求項１乃至請求項７のいずれか１項に記載のフィルム包装体。
【請求項9】
前記ロール製品の巻径が９０ｍｍφ以上１６０ｍｍφ以下である、請求項１乃至請求項８のいずれか１項に記載のフィルム包装体。
【請求項10】
前記フィルム包装体中における、前記ロール製品の周長と前記フィルム包装体の内周長との比率（前記ロール製品の周長／前記フィルム包装体の包装袋の内周長）×１００が７０％以上１００％以下である、請求項１乃至請求項９のいずれか１項に記載のフィルム包装体。
【請求項11】
前記フィルム包装体中における、式：〔（前記ロール製品の周長×前記ロール製品のロール密度）／前記フィルム包装体の内周長〕×１００で表わされる値が５以上１６以下である、請求項１乃至請求項１０のいずれか１項に記載のフィルム包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
紙タオルや不織布製タオル等のペーパータオルをロール状に巻き取ったロール製品を、樹脂フィルムからなる包装袋に収納したロール包装体が上市されている。ロール包装体に用いる包装袋は樹脂フィルムからなり、包装袋の開封を容易にするために包装袋にミシン目が形成されることが一般的である。開封用ミシン目を形成した包装袋及び包装袋に包装されたロール製品について種々の提案がなされている。
【0003】
特許文献１には、筒状に成形したフィルムの上部及び下部を内側に折り込んで偏平にした状態で上部を幅方向に融着し、その融着部分に沿って立設され、中央に指掛け孔が形成された把手部と、その融着部分から下方に延びる袋本体部とを有する包装袋内に、互いに隣接する二本のロール製品が胴面で接しかつ上下端面が面一となるように並べられた四本のロール製品群が内包されたロール包装体において、把手部の上縁と下縁との間から袋本体部に至る開封用ミシン目線が形成され、その開封用ミシン目線の袋本体部における総長さがロール製品の直径と内径との和以上の長さであるロール包装体が開示されている。特許文献１によれば、内包されたロール製品を取出しやすい開口を容易に形成でき、しかも、複数個の内の一部を包装体内から取り出した後にも残るロール製品を衛生的に保管できると記載されている。
【0004】
特許文献２には、複数個のロール製品を収容する袋本体部を備える包装袋において、袋本体部は、一方向に直線状に引き裂かれる性質を有するとともに、ガスバリア性を有する樹脂フィルムからなり、一方向に延在する直線状の切れ目を有するノッチが形成された包装袋が開示されている（請求項１、図１）。特許文献２によれば、ロール製品の保管を適正に行うことができるとともに、より開封し易い包装袋が得られると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開２０１５－０５４７１７号公報
【文献】特開２０１７－１７８４３１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数のロール製品が収納されたロール包装袋では、１つのロール製品と他のロール製品との間に谷部が生じ、樹脂フィルムが張られた状態になるため、ロール製品の幅方向にミシン目を設けることで開封がし易い。一方で、１つのロール製品を包装したロール包装体（以下このようなロール包装体を「１ロール包装体」ともいう）では谷部が生じないため、開封し難く、容易にロール製品を取り出すことができない場合があるという課題がある。特許文献１、２に記載のロール包装体は、複数のロール製品を収容するものであることから、前述の課題を解決することはできない。
【0007】
そこで、開封性を向上させるために、ミシン目の引張破断強度を低くしすぎると、輸送時の衝撃等により、意図しないタイミングで開封してしまうという課題がある。樹脂フィルムの厚さについても、薄くしすぎるとミシン目の誤開封につながり、厚くしすぎると開封性が劣るという別の課題がある。また、中のロール製品について、巻きが柔らかすぎると、開封の際にフィルムに力が伝わりづらくなるため、ミシン目を開裂しづらく、逆に、巻きが固すぎると、フィルムが張った状態になり、ミシン目の誤開封の恐れがあるというさらに別の課題がある。
【0008】
また、１個のロール製品のフィルム包装ではキャラメル包装が好ましいが、キャラメル包装形態は、天面及び底面にヒートシール部のパターンが存在する。そして、開封用のミシン目は、通常ヒートシール接着部と交差しないように、ヒートシール接着部を避けて設けられる。しかしながら、このような開封用のミシン目では、前述の種々の課題を十分に解決することはできない。
【0009】
以上のように、従来の開封用ミシン目を設けた１ロール包装体は、開封のし易さ、誤開封のしにくさ、包装袋内のロール製品の取り出し易さに難がある。
【0010】
本発明の目的は、キャラメル包装の１ロール包装体であっても、開封し易く、中のロール製品を容易に取り出すことができ、加工時や輸送時、落下時等の意図しない状況での誤開封を防ぐことができるロール製品包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決するための鋭意研究を重ねた結果、ロール製品包装体の天面及び底面にヒートシール接着部を設け、ロール製品包装体の天面から側面を経由して底面にかけて、ロール製品の幅方向に開封用のミシン目を設け、天面及び底面でヒートシール接着部と開封用ミシン目とが交差するように構成した上で、ミシン目の引張破断強度を所定の範囲とし、さらにヒートシール接着部とミシン目とが交差する角の角度を所定の範囲とすることで、所望のロール製品包装体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は下記のロール製品包装体に係る。
【0012】
（１）ペーパータオルをロール状に巻き取ったロール製品１ロールを樹脂フィルムでキャラメル包装したロール製品包装体であって、
前記ロール製品包装体の天面及び底面に所定のパターンで設けられたヒートシール接着部と、
前記天面から前記底面にかけて前記ロール製品の幅方向に設けられた開封用のミシン目部と、を有し、
前記ミシン目部の引張破断強度が、３Ｎ／５０ｍｍ以上５３Ｎ／５０ｍｍ以下であり、
前記天面及び前記底面において、
前記ミシン目部と、前記ヒートシール接着部の前記パターンと、が成す角度が１０°以上８０°以下である、ロール製品包装体。
（２）前記ミシン目部は、ミシン目切込部とミシン目非切込部とが交互に配列されたものであり、〔前記ミシン目非切込部の合計長さ／（前記ミシン目切込部の合計長さ＋前記ミシン目非切込部の合計長さ）〕×１００の比率が２５％以上７５％以下である、上記（１）のロール製品包装体。
（３）前記ミシン目切込部１個の長さが１ｍｍ以上１０ｍｍ以下、前記ミシン目非切込部１個の長さが１ｍｍ以上１０ｍｍ以下である、上記（２）のロール製品包装体。
（４）前記樹脂フィルムの引裂き強度が０．２Ｎ以上３．０Ｎ以下である、上記（１）～（３）のいずれかのロール製品包装体。
（５）前記樹脂フィルムの厚さが２０μｍ以上５０μｍ以下である、上記（１）～（４）のいずれかのロール製品包装体。
（６）前記ペーパータオルの坪量が４０ｇ／ｍ２以上１５０ｇ／ｍ２以下である、上記（１）～（５）のいずれかのロール製品包装体。
（７）前記ロール製品のロール密度が０．０５ｇ／ｃｍ３以上０．１６ｇ／ｃｍ３以下である、上記（１）～（６）のいずれかのロール製品包装体。
（８）前記ペーパータオルの紙厚が２００μｍ以上１３００μｍ以下である、上記（１）～（７）のいずれかのロール製品包装体。
（９）前記ロール製品の巻径が９０ｍｍφ以上１６０ｍｍφ以下である、上記（１）～（８）のいずれかのロール製品包装体。
（１０）前記ロール製品包装体中における、前記ロール製品の周長と前記ロール製品包装体の内周長との比率（前記ロール製品の周長／前記ロール製品包装体の包装袋の内周長）×１００が７０％以上１００％以下である、上記（１）～（９）のいずれかのフィルム包装体。
（１１）前記ロール製品包装体中における、式：〔（前記ロール製品の周長×前記ロール製品のロール密度）／前記ロール製品包装体の内周長〕×１００で表わされる値が５以上１６以下である、上記（１）～（１０）のいずれかのロール製品包装体。
前記ロール製品包装体の天面及び底面に所定のパターンで設けられたヒートシール接着部と、
前記天面から前記底面にかけて前記ロール製品の幅方向に設けられた開封用のミシン目部と、を有し、
前記ミシン目部の引張破断強度が、３Ｎ／５０ｍｍ以上５３Ｎ／５０ｍｍ以下であり、
前記天面及び前記底面において、
前記ミシン目部と、前記ヒートシール接着部の前記パターンと、が成す角度が１０°以上８０°以下である、ロール製品包装体。
（２）前記ミシン目部は、ミシン目切込部とミシン目非切込部とが交互に配列されたものであり、〔前記ミシン目非切込部の合計長さ／（前記ミシン目切込部の合計長さ＋前記ミシン目非切込部の合計長さ）〕×１００の比率が２５％以上７５％以下である、上記（１）のロール製品包装体。
（３）前記ミシン目切込部１個の長さが１ｍｍ以上１０ｍｍ以下、前記ミシン目非切込部１個の長さが１ｍｍ以上１０ｍｍ以下である、上記（２）のロール製品包装体。
（４）前記樹脂フィルムの引裂き強度が０．２Ｎ以上３．０Ｎ以下である、上記（１）～（３）のいずれかのロール製品包装体。
（５）前記樹脂フィルムの厚さが２０μｍ以上５０μｍ以下である、上記（１）～（４）のいずれかのロール製品包装体。
（６）前記ペーパータオルの坪量が４０ｇ／ｍ２以上１５０ｇ／ｍ２以下である、上記（１）～（５）のいずれかのロール製品包装体。
（７）前記ロール製品のロール密度が０．０５ｇ／ｃｍ３以上０．１６ｇ／ｃｍ３以下である、上記（１）～（６）のいずれかのロール製品包装体。
（８）前記ペーパータオルの紙厚が２００μｍ以上１３００μｍ以下である、上記（１）～（７）のいずれかのロール製品包装体。
（９）前記ロール製品の巻径が９０ｍｍφ以上１６０ｍｍφ以下である、上記（１）～（８）のいずれかのロール製品包装体。
（１０）前記ロール製品包装体中における、前記ロール製品の周長と前記ロール製品包装体の内周長との比率（前記ロール製品の周長／前記ロール製品包装体の包装袋の内周長）×１００が７０％以上１００％以下である、上記（１）～（９）のいずれかのフィルム包装体。
（１１）前記ロール製品包装体中における、式：〔（前記ロール製品の周長×前記ロール製品のロール密度）／前記ロール製品包装体の内周長〕×１００で表わされる値が５以上１６以下である、上記（１）～（１０）のいずれかのロール製品包装体。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、キャラメル包装の１ロール包装体であっても、開封し易く、中のロール製品を容易に取り出すことができ、加工時や輸送時、落下時等の意図しない状況での誤開封を防ぐことができるロール製品包装体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、以下の実施形態は例示の目的で提示するものであり、本発明は、以下に示す実施形態に、何ら限定されるものではない。
【0016】
＜ロール製品包装体＞
図１乃至図４は、本実施形態の１ロール製品包装体（以下単に「１ロール包装体」ともいう）１を示す。図５はロール製品１０を示す。本実施形態の１ロール包装体１は、図１に示すように、樹脂フィルム（以下単に「フィルム」ともいう）からなる包装袋に、長尺のペーパータオルをロール状に巻き取った１プライのロール製品１０を１個収容したものである。本実施形態では、ロール製品１０の軸方向と、包装袋を構成する樹脂フィルムのＭＤ方向とが一致するように、ロール製品１０が包装袋に収容されている。本実施形態によれば、１ロール包装体１の天面１１において、所定のパターンを有するヒートシール接着部（以下単に「ヒートシール部」ともいう）１３とミシン目部１４とを交差した状態で、後述する各構成を規定することにより、ミシン目部１４を開封し易くし、中のロール製品１０を容易に取り出すことができるとともに、加工時や輸送時、落下時等の意図しない状況でのミシン目部１４の開裂（誤開封）を防止することができる。
各構成の詳細は次のとおりである。
図１乃至図４は、本実施形態の１ロール製品包装体（以下単に「１ロール包装体」ともいう）１を示す。図５はロール製品１０を示す。本実施形態の１ロール包装体１は、図１に示すように、樹脂フィルム（以下単に「フィルム」ともいう）からなる包装袋に、長尺のペーパータオルをロール状に巻き取った１プライのロール製品１０を１個収容したものである。本実施形態では、ロール製品１０の軸方向と、包装袋を構成する樹脂フィルムのＭＤ方向とが一致するように、ロール製品１０が包装袋に収容されている。本実施形態によれば、１ロール包装体１の天面１１において、所定のパターンを有するヒートシール接着部（以下単に「ヒートシール部」ともいう）１３とミシン目部１４とを交差した状態で、後述する各構成を規定することにより、ミシン目部１４を開封し易くし、中のロール製品１０を容易に取り出すことができるとともに、加工時や輸送時、落下時等の意図しない状況でのミシン目部１４の開裂（誤開封）を防止することができる。
各構成の詳細は次のとおりである。
【0017】
１ロール包装体１は、ペーパータオルをロール状に巻き取った１個のロール製品１０を、ロール製品１０幅方向両端面がそれぞれ包装袋の天面１１及び底面１２と対面するように、樹脂フィルムでキャラメル包装したロール製品包装体である。ロール製品包装体１０の天面１１及び底面１２にはキャラメル包装面があり、さらに天面１１には所定のパターンを有するヒートシール部１３が設けられ（底面１２にもヒートシール部１３を設けてもよい）、天面１１から包装袋の側面を経由して底面１２にかけてロール製品１０の幅方向に開封用のミシン目部１４が設けられている。
【0018】
（ヒートシール接着部とミシン目部との交差角度）
本実施形態のヒートシール部１３は、図１乃至図４に示すように、樹脂フィルムからなる包装袋の天面１１において、複数の帯状のヒートシール部１３が、ほぼ平行に一方向に延びるパターンで形成されている。ヒートシール部１３のパターンは本実施形態に限定されず、ロール製品１０の包装袋におけるヒートシール部１３のパターンを用いることができ、例えば、平行に延びた一群の複数のヒートシール部１３と平行に延びた他群の複数のヒートシール部１３とが垂直に交差した格子状のパターン、幅寸法の異なる２種のヒートシール部１３が交互にかつ平行に延びるパターン等が挙げられる。
本実施形態のヒートシール部１３は、図１乃至図４に示すように、樹脂フィルムからなる包装袋の天面１１において、複数の帯状のヒートシール部１３が、ほぼ平行に一方向に延びるパターンで形成されている。ヒートシール部１３のパターンは本実施形態に限定されず、ロール製品１０の包装袋におけるヒートシール部１３のパターンを用いることができ、例えば、平行に延びた一群の複数のヒートシール部１３と平行に延びた他群の複数のヒートシール部１３とが垂直に交差した格子状のパターン、幅寸法の異なる２種のヒートシール部１３が交互にかつ平行に延びるパターン等が挙げられる。
【0019】
複数本のヒートシール部１３の少なくとも１本は、天面１１において、ミシン目部１４と所定の角度で交差している（図３）。ヒートシール部１３とミシン目部１４とが成す角θ（以下単に「角θ」ともいう）の角度は、例えば１０°以上８０°以下の範囲、２２°以上６８°以下の範囲、又は３５°以上５５°以下の範囲である。角θが１０°未満では、ミシン目部１４に対して平行に近い状態でヒートシール部１３が形成されるため、ヒートシール時にミシン目部１４が意図せず開裂し、穴あき等の不良が発生する可能性がある。角θが８０°を超えると、ヒートシール部１３でミシン目部１４の開裂が止まり、ロール製品１０を包装袋から取出しづらくなる傾向がある。
【0020】
（ミシン目部）
本実施形態のミシン目部１４は、包装袋を構成する樹脂フィルムを厚み方向に貫通するミシン目切込部と、該樹脂フィルムがそのまま残るミシン目非切込部とが交互に直線状に配列されたものである。ミシン目切込部１個の長さは、例えば、１ｍｍ以上１０ｍｍ以下の範囲、２ｍｍ以上９ｍｍ以下の範囲、又は３ｍｍ以上８ｍｍ以下の範囲である。また、非ミシン目切込部１個の長さは、例えば、１ｍｍ以上１０ｍｍ以下の範囲、２ｍｍ以上９ｍｍ以下の範囲、又は３ｍｍ以上８ｍｍ以下の範囲である。ミシン目切込部及び非ミシン目切込部の各１個の長さを前述の範囲から選択することで、例えば、後述するミシン目部１４の引張破断強度を所定の範囲に調整しやすくなる。ミシン目部１４におけるミシン目切込部とミシン目非切込部との配列は、曲線状でもよいが、好ましくは直線状である。
本実施形態のミシン目部１４は、包装袋を構成する樹脂フィルムを厚み方向に貫通するミシン目切込部と、該樹脂フィルムがそのまま残るミシン目非切込部とが交互に直線状に配列されたものである。ミシン目切込部１個の長さは、例えば、１ｍｍ以上１０ｍｍ以下の範囲、２ｍｍ以上９ｍｍ以下の範囲、又は３ｍｍ以上８ｍｍ以下の範囲である。また、非ミシン目切込部１個の長さは、例えば、１ｍｍ以上１０ｍｍ以下の範囲、２ｍｍ以上９ｍｍ以下の範囲、又は３ｍｍ以上８ｍｍ以下の範囲である。ミシン目切込部及び非ミシン目切込部の各１個の長さを前述の範囲から選択することで、例えば、後述するミシン目部１４の引張破断強度を所定の範囲に調整しやすくなる。ミシン目部１４におけるミシン目切込部とミシン目非切込部との配列は、曲線状でもよいが、好ましくは直線状である。
【0021】
ミシン目部１４の引張破断強度は、３Ｎ／５０ｍｍ以上５３Ｎ／５０ｍｍ以下の範囲、好ましくは８Ｎ／５０ｍｍ以上４１．５Ｎ／５０ｍｍ以下の範囲、より好ましくは１５．５Ｎ／５０ｍｍ以上２８Ｎ／５０ｍｍ以下の範囲である。ミシン目部１４の引張破断強度を前述の範囲とすることで、１ロール包装体１からロール製品１を取り出すときに、大きな力を必要とすることなく、ロール製品１０を取り出しやすい大きさの開口が形成されるように開封できるとともに、ミシン目部１４の不要なときの不意の開裂を防止することができる。ミシン目部１４の引張破断強度が３Ｎ／５０ｍｍ未満では、ミシン目部１４が不要なときに不意に開裂しやすくなる傾向があり、５３Ｎ／５０ｍｍを超えると、ヒートシール部１３をミシン目部1３に対して所定の角θで交差させても、円滑な開封ができなかったり、開口がロール製品１０の取り出しやすい大きさにならなかったりする傾向がある。なお、ミシン目部１４の引張破断強度は、例えば、樹脂フィルムの材質や厚さ、ミシン目切込部及びミシン目非切込部の各１個当たりの長さ、ヒートシール部１３との交差角θの角度等を選択することにより調整できる。
【0022】
ミシン目部１４の引張破断強度は、例えば、テンシロン万能試験機 ＳＴＢ－１２２５Ｓ（株式会社エー・アンド・デイ社製）を用いて、ＪＩＳ Ｐ ８１１３に準拠した方法により測定することができる。試験片の幅方向(テンシロン万能試験機の引張方向と直交する方向)寸法は５０ｍｍ、つかみ具間距離は１００ｍｍ、引張速度は３００ｍｍ／ｍｉｎ、測定温度は２３℃、相対湿度５０％、引張方向はフィルムのＴＤ方向（ミシン目が引張方向に対して垂直となる方向）とする。引張破断強度の測定は６回行い、平均値を表１～３に示す。
【0023】
好ましい実施形態では、式：〔前記ミシン目非切込部の合計長さ／（前記ミシン目切込部の合計長さ＋前記ミシン目非切込部の合計長さ）×１００〕で表される比率が２５％以上７５％以下の範囲、３３％以上６７％以下の範囲、又は４０％以上６０％以下の範囲である。該比率を前述の範囲とすることで、例えば、ミシン目部１４を開封するときの切り離しやすさと、ミシン目部１４の不要な開裂防止性とを高水準で両立できる。
【0024】
別の実施形態のミシン目部１４は、包装袋の天面１１及び底面１２には形成されず、包装袋の側面の所定領域に形成される。このとき、ヒートシール部１３との角θは、ミシン目部１４の端からミシン目と平行に延長線を伸ばし、天面１１及び底面１２に接した点と、天面１１及び天面１２の中央と、を結ぶ線と、ヒートシール部１３のパターンとが交差して形成される角である。
【0025】
本実施形態では、ミシン目部１４の大部分が、ロール製品１０の側面に設けられていることにより、段ボール箱へ梱包して運搬する際に、段ボール箱の内面又は１ロール包装体１とミシン目部１４との接触面積が小さくなることから、この点でも、意図しないミシン目部１４の開封を防止することができる。また、本実施形態の１ロール包装体１は、ＭＤ方向よりも樹脂フィルムの強度が低いＴＤ方向がロール製品１０の周長方向になるように包装されている。そのため、意図せずにミシン目が誤開封する恐れがある。しかし、本実施形態のようにミシン目の引張破断強度及びミシン目部１４とヒートシール部１３のパターンと角度を規定することで、ミシン目の開封のし易さとロール製品の取出し易さとが良好となる。
【0026】
＜ロール製品＞
図５は、本実施形態に係るロール製品１０の外観を示す斜視図である。本実施形態のロール製品１０は、ペーパータオル２をロール状に巻取った１プライのロールであるが、これに限定されず、２プライ以上のペーパータオル２をロール状に巻き取るように構成してもよい。ロール製品１０には、中心部に円筒形の紙芯、円筒状空間等のコア２２を有するものであり、外径（巻径）がＤＲ、コア２２の外径がＤＩである。また、ペーパータオル２の２つの表面のうち、ロール製品１０の外方を臨む表面をペーパータオル２の表面２１ａ、ロール製品１０のコア２２を臨む表面をペーパータオル２の裏面２１ｂともいう。以下は、ロール製品１０としての代表的な特性である。これらの特性を所定の範囲に調整することで、本実施形態の、開封し易さと、不要なときのミシン目部１４の不意の開裂防止という効果が一層良好なものとなる。
図５は、本実施形態に係るロール製品１０の外観を示す斜視図である。本実施形態のロール製品１０は、ペーパータオル２をロール状に巻取った１プライのロールであるが、これに限定されず、２プライ以上のペーパータオル２をロール状に巻き取るように構成してもよい。ロール製品１０には、中心部に円筒形の紙芯、円筒状空間等のコア２２を有するものであり、外径（巻径）がＤＲ、コア２２の外径がＤＩである。また、ペーパータオル２の２つの表面のうち、ロール製品１０の外方を臨む表面をペーパータオル２の表面２１ａ、ロール製品１０のコア２２を臨む表面をペーパータオル２の裏面２１ｂともいう。以下は、ロール製品１０としての代表的な特性である。これらの特性を所定の範囲に調整することで、本実施形態の、開封し易さと、不要なときのミシン目部１４の不意の開裂防止という効果が一層良好なものとなる。
【0027】
（巻長）
ロール製品１０の巻長は、例えば、７ｍ以上２３ｍ以下の範囲、１０ｍ以上２０ｍ以下の範囲、又は１３ｍ以上１８ｍ以下の範囲である。ロール製品１０の巻長が７ｍ未満では、ロール製品１０の巻径が小さくなり、開封の際にミシン目部１４に力を入れづらくなるため、ミシン目部１４が開けにくくなる傾向がある。ロール製品１０の巻長が２３ｍを超えると巻径が大きくなり手に持ちづらく、ミシン目部１４を開封しづらくなる傾向がある。本実施形態によれば、ロール製品１０の巻長を前述の範囲に調整することで、ロール製品１０のミシン目部１４を開封し易くすることができる。
ロール製品１０の巻長は、例えば、７ｍ以上２３ｍ以下の範囲、１０ｍ以上２０ｍ以下の範囲、又は１３ｍ以上１８ｍ以下の範囲である。ロール製品１０の巻長が７ｍ未満では、ロール製品１０の巻径が小さくなり、開封の際にミシン目部１４に力を入れづらくなるため、ミシン目部１４が開けにくくなる傾向がある。ロール製品１０の巻長が２３ｍを超えると巻径が大きくなり手に持ちづらく、ミシン目部１４を開封しづらくなる傾向がある。本実施形態によれば、ロール製品１０の巻長を前述の範囲に調整することで、ロール製品１０のミシン目部１４を開封し易くすることができる。
【0028】
（巻径）
ロール製品１０の巻径（巻直径ＤＲ）は、例えば、９０ｍｍ以上１６０ｍｍ以下の範囲、１００ｍｍ以上１４０ｍｍ以下の範囲、又は１１０ｍｍ以上１３０ｍｍ以下の範囲である。ロール製品１０の巻径が９０ｍｍ未満であると、開封の際にミシン目部１４に力を入れづらくなるため、ミシン目部１４を開封しにくくなる傾向がある。一方、巻径が１５０ｍｍを超えると、手に持ちづらく、ミシン目部１４を開封しづらくなる傾向がある。本実施形態によれば、ロール製品１０の巻径を前述の範囲に調整することで、ロール製品１０のミシン目部１４を開封し易くすることができる。
ロール製品１０の巻径（巻直径ＤＲ）は、例えば、９０ｍｍ以上１６０ｍｍ以下の範囲、１００ｍｍ以上１４０ｍｍ以下の範囲、又は１１０ｍｍ以上１３０ｍｍ以下の範囲である。ロール製品１０の巻径が９０ｍｍ未満であると、開封の際にミシン目部１４に力を入れづらくなるため、ミシン目部１４を開封しにくくなる傾向がある。一方、巻径が１５０ｍｍを超えると、手に持ちづらく、ミシン目部１４を開封しづらくなる傾向がある。本実施形態によれば、ロール製品１０の巻径を前述の範囲に調整することで、ロール製品１０のミシン目部１４を開封し易くすることができる。
【0029】
（周長）
ロール製品１０の周長は、未使用のロール製品１０の円周方向の長さであり、例えば、３１０ｍｍ以上５３０ｍｍ以下の範囲、３３０ｍｍ以上４７０ｍｍ以下の範囲、又は３５０ｍｍ以上４２０ｍｍ以下の範囲である。本実施形態によれば、ロール製品１０のミシン目部１４の開封しやすさ、ミシン目部１４の不要な場合の破断防止等を両立できる。周長が３１０ｍｍ未満では、開封の際にミシン目部１４に力を入れづらくなるため、ミシン目部１４を開封しにくくなる傾向があり、５３０ｍｍを超えると、ミシン目部１４が開封しにくくなったり、ミシン目部１４の不要な破断が生じたりする傾向がある。
ロール製品１０の周長は、未使用のロール製品１０の円周方向の長さであり、例えば、３１０ｍｍ以上５３０ｍｍ以下の範囲、３３０ｍｍ以上４７０ｍｍ以下の範囲、又は３５０ｍｍ以上４２０ｍｍ以下の範囲である。本実施形態によれば、ロール製品１０のミシン目部１４の開封しやすさ、ミシン目部１４の不要な場合の破断防止等を両立できる。周長が３１０ｍｍ未満では、開封の際にミシン目部１４に力を入れづらくなるため、ミシン目部１４を開封しにくくなる傾向があり、５３０ｍｍを超えると、ミシン目部１４が開封しにくくなったり、ミシン目部１４の不要な破断が生じたりする傾向がある。
【0030】
（ロール密度）
ロール製品１０のロール密度は、例えば、０．０５ｇ／ｃｍ３以上０．１６ｇ／ｃｍ３以下の範囲、０．０７ｇ／ｃｍ３以上０．１４ｇ／ｃｍ３以下の範囲、又は０．０９ｇ／ｃｍ３以上０．１２ｇ／ｃｍ３以下の範囲である。ロール製品１０のロール密度は次の方法により求めることができる。まず、ロール密度は、式：ロール質量／［｛ロールの外径（巻直径ＤＲ）部分の断面積｝－（コア外径ＤＩ部分の断面積）］×ロール幅（２７５ｍｍを基準にして換算）から求められる。例えば、ロール幅２７５ｍｍあたりのロール質量が３２７ｇ、巻直径ＤＲ１２２ｍｍ、コア外径ＤＩが３９ｍｍの場合、ロール密度＝３２７ｇ÷［｛３．１４×(１２２ｍｍ÷２÷１０)２－３．１４×(３９ｍｍ÷２÷１０)２}×（２７５ｍｍ÷１０）］＝０．１１ｇ／ｃｍ３となる。なお、ロール製品１０にコア２２が無い場合は、中心孔の直径をコア外径ＤＩとする。また、ロール質量はコアの質量を除く。
ロール製品１０のロール密度は、例えば、０．０５ｇ／ｃｍ３以上０．１６ｇ／ｃｍ３以下の範囲、０．０７ｇ／ｃｍ３以上０．１４ｇ／ｃｍ３以下の範囲、又は０．０９ｇ／ｃｍ３以上０．１２ｇ／ｃｍ３以下の範囲である。ロール製品１０のロール密度は次の方法により求めることができる。まず、ロール密度は、式：ロール質量／［｛ロールの外径（巻直径ＤＲ）部分の断面積｝－（コア外径ＤＩ部分の断面積）］×ロール幅（２７５ｍｍを基準にして換算）から求められる。例えば、ロール幅２７５ｍｍあたりのロール質量が３２７ｇ、巻直径ＤＲ１２２ｍｍ、コア外径ＤＩが３９ｍｍの場合、ロール密度＝３２７ｇ÷［｛３．１４×(１２２ｍｍ÷２÷１０)２－３．１４×(３９ｍｍ÷２÷１０)２}×（２７５ｍｍ÷１０）］＝０．１１ｇ／ｃｍ３となる。なお、ロール製品１０にコア２２が無い場合は、中心孔の直径をコア外径ＤＩとする。また、ロール質量はコアの質量を除く。
【0031】
ロール密度が０．０５ｇ／ｃｍ３未満であると、巻径が大きくなりミシン目部１４を開封しづらくなる傾向がある。また、内巻の巻付け力が弱くなり過ぎて、ロールの内巻側が軸方向に飛び出して不良品が生じる場合もある。一方、ロール密度が０．１６ｇ／ｃｍ３を超えると、ロール製品１０が変形しづらく、フィルムが張った状態になり、落下時等でのフィルムの誤開封につながる傾向がある。本実施形態によれば、ロール製品１０のロール密度（ロール密度）を前述の範囲に調整することで、ミシン目部１４を開封し易くすることができ、また誤開封を防止することができる。
【0032】
（コア外径）
ロール製品１０の中心にあって、ペーパータオル２を巻き付けるための断面視ほぼ円形のコア部分２２であり、ロール製品１０としては、紙管を挿入したもの、中空部分のもの等がある。コア外径は、前述のコア部分（紙管、中空部分など）の外径である。コア外径は、例えば、３０ｍｍ以上６０ｍｍ以下の範囲、３４ｍｍ以上５５ｍｍ以下の範囲、又は３７ｍｍ以上５０ｍｍ以下の範囲である。本実施形態によれば、１つのロール製品１に、その使用期間中に変質をきたさない量のペーパータオル２を巻き付けることができる。また、ロール製品１０の巻径が必要以上に大きくならないので、ミシン目部１４の開封し易さが保持される。
なお、ロール製品１０のロール幅は例えば１８０ｍｍ以上３５０ｍｍ以下の範囲、２１０ｍｍ以上３２５ｍｍ以下の範囲、又は２４０ｍｍ以上３００ｍｍ以下の範囲である。
ロール製品１０の中心にあって、ペーパータオル２を巻き付けるための断面視ほぼ円形のコア部分２２であり、ロール製品１０としては、紙管を挿入したもの、中空部分のもの等がある。コア外径は、前述のコア部分（紙管、中空部分など）の外径である。コア外径は、例えば、３０ｍｍ以上６０ｍｍ以下の範囲、３４ｍｍ以上５５ｍｍ以下の範囲、又は３７ｍｍ以上５０ｍｍ以下の範囲である。本実施形態によれば、１つのロール製品１に、その使用期間中に変質をきたさない量のペーパータオル２を巻き付けることができる。また、ロール製品１０の巻径が必要以上に大きくならないので、ミシン目部１４の開封し易さが保持される。
なお、ロール製品１０のロール幅は例えば１８０ｍｍ以上３５０ｍｍ以下の範囲、２１０ｍｍ以上３２５ｍｍ以下の範囲、又は２４０ｍｍ以上３００ｍｍ以下の範囲である。
【0033】
好ましい実施形態では、１ロール包装体１において、ロール製品１０の周長と１ロール包装体１の包装袋の内周長との比率（｛ロール製品１０の周長／１ロール包装体１の包装袋の内周長｝×１００、以下単に「比率Ａ」ともいう）は、例えば、７０％以上１００％以下の範囲、８０％以上１００％以下の範囲、又は９０％以上１００％以下の範囲である。比率Ａを前述の範囲とすることで、ロール包装体１のミシン目部１４の開封し易さが保持されるとともに、ミシン目部１４が意図せず開裂することを防止できる。なお、１ロール包装体１の包装袋の内周長は、例えば、３１０ｍｍ以上５３０ｍｍ以下の範囲、３３０ｍｍ以上４７０ｍｍ以下の範囲、又は３５０ｍｍ以上４２０ｍｍ以下の範囲である。
【0034】
別の好ましい実施形態では、１ロール包装体１において、式：〔（ロール製品１０の周長×ロール製品１０のロール密度）／１ロール包装体１の内周長〕×１００で表わされる比率（以下単に「比率Ｂ」ともいう）は、例えば、５以上１６以下の範囲、７以上１４以下の範囲、又は９以上１２以下の範囲である。比率Ｂを前述の範囲とすることで、例えば、ロール包装体１のミシン目部１４の開封し易さが保持されるとともに、ミシン目部１４が意図せず開裂することを防止できる。
【0035】
＜ペーパータオル＞
（材質）
本実施形態で使用するペーパータオル２は、合成繊維及びパルプ繊維を含有することが好ましい。合成繊維としては、例えばナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等が挙げられるが、本実施形態のような、ミシン目部１４の開封性が良好である１ロール包装体１を得るには、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。合成繊維として使用される不織布は制限がないが、スパンボンド不織布が好ましい。また、パルプ繊維としては、ＮＢＫＰ（針葉樹晒クラフトパルプ）の含有率が、例えば、５０質量％以上１００質量％以下の範囲、７０質量％以上１００質量％以下の範囲、又は９０質量％以上１００質量％以下の範囲であり、ＬＢＫＰ（広葉樹晒クラフトパルプ）の含有率が、例えば、５０質量％以下の範囲、３０質量％以下の範囲、又は１０質量％以下の範囲である。ＮＢＫＰとしては、例えば、ラジアータパイン、スラッシュパイン、サザンパイン、ロッジポールパイン、スプルース及びダグラスファーからなる繊維が好ましい。なお、ＮＢＫＰの代わりにＮＵＫＰ、ＬＢＫＰの代わりにＬＵＫＰを用いることもできる。このとき、ペーパータオル２における合成繊維の含有割合が５％以上４５％以下の範囲、９％以上３８％以下の範囲、又は１２％以上２８％以下の範囲である。
また、ペーパータオル２におけるパルプ繊維の含有割合が５５％以上９５％以下の範囲、６２％以上９１％以下の範囲、又は７２％以上８８％以下の範囲である。
このような合成繊維とパルプ繊維とを含有するペーパータオル２とした場合、巻径やロール密度が適切な範囲となり、ミシン目部１４の開封し易さが保持されるとともに、ミシン目部１４が意図せず開裂することを防止できる。
（材質）
本実施形態で使用するペーパータオル２は、合成繊維及びパルプ繊維を含有することが好ましい。合成繊維としては、例えばナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等が挙げられるが、本実施形態のような、ミシン目部１４の開封性が良好である１ロール包装体１を得るには、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。合成繊維として使用される不織布は制限がないが、スパンボンド不織布が好ましい。また、パルプ繊維としては、ＮＢＫＰ（針葉樹晒クラフトパルプ）の含有率が、例えば、５０質量％以上１００質量％以下の範囲、７０質量％以上１００質量％以下の範囲、又は９０質量％以上１００質量％以下の範囲であり、ＬＢＫＰ（広葉樹晒クラフトパルプ）の含有率が、例えば、５０質量％以下の範囲、３０質量％以下の範囲、又は１０質量％以下の範囲である。ＮＢＫＰとしては、例えば、ラジアータパイン、スラッシュパイン、サザンパイン、ロッジポールパイン、スプルース及びダグラスファーからなる繊維が好ましい。なお、ＮＢＫＰの代わりにＮＵＫＰ、ＬＢＫＰの代わりにＬＵＫＰを用いることもできる。このとき、ペーパータオル２における合成繊維の含有割合が５％以上４５％以下の範囲、９％以上３８％以下の範囲、又は１２％以上２８％以下の範囲である。
また、ペーパータオル２におけるパルプ繊維の含有割合が５５％以上９５％以下の範囲、６２％以上９１％以下の範囲、又は７２％以上８８％以下の範囲である。
このような合成繊維とパルプ繊維とを含有するペーパータオル２とした場合、巻径やロール密度が適切な範囲となり、ミシン目部１４の開封し易さが保持されるとともに、ミシン目部１４が意図せず開裂することを防止できる。
【0036】
（シート長さ）
ペーパータオル２のロール製品１０の幅方向（ＣＤ方向）のシート長さは、例えば、１８０ｍｍ以上３５０ｍｍ以下の範囲、２１０ｍｍ以上３２５ｍｍ以下の範囲、又は２４０ｍｍ以上３００ｍｍ以下の範囲である。ペーパータオル２のＣＤ方向の長さを前述の範囲とすることで、ロール製品１０を取出し易くすることができる。また、ペーパータオル２のＣＤ方向に直交するＭＤ方向（ピッチ）の長さは、例えば、１６０ｍｍ以上３３０ｍｍ以下の範囲、１８０ｍｍ以上３０５ｍｍ以下の範囲、又は２００ｍｍ以上２８０ｍｍ以下の範囲である。ペーパータオル２のＭＤ方向の長さを前述の範囲とすることで、巻径が適切な範囲となり、ミシン目部１４の開封のし易さが良好となる。
ペーパータオル２のロール製品１０の幅方向（ＣＤ方向）のシート長さは、例えば、１８０ｍｍ以上３５０ｍｍ以下の範囲、２１０ｍｍ以上３２５ｍｍ以下の範囲、又は２４０ｍｍ以上３００ｍｍ以下の範囲である。ペーパータオル２のＣＤ方向の長さを前述の範囲とすることで、ロール製品１０を取出し易くすることができる。また、ペーパータオル２のＣＤ方向に直交するＭＤ方向（ピッチ）の長さは、例えば、１６０ｍｍ以上３３０ｍｍ以下の範囲、１８０ｍｍ以上３０５ｍｍ以下の範囲、又は２００ｍｍ以上２８０ｍｍ以下の範囲である。ペーパータオル２のＭＤ方向の長さを前述の範囲とすることで、巻径が適切な範囲となり、ミシン目部１４の開封のし易さが良好となる。
【0037】
（坪量）
ペーパータオル２の１プライあたりの坪量は、４０ｇ／ｍ２以上１５０ｇ／ｍ２以下の範囲、４８ｇ／ｍ２以上１００ｇ／ｍ２以下の範囲、又は５５ｇ／ｍ２以上８０ｇ／ｍ２以下の範囲である。本実施形態によれば、ペーパータオル２の１プライあたりの坪量を前述の範囲に調整することで、巻径が適切な範囲となり、ミシン目部１４が開封し易くなり、意図しないミシン目部１４の開封を防止することができる。ペーパータオル２の１プライあたりの坪量が４０ｇ／ｍ２未満であると、巻径が小さくなり、開封の際にミシン目部１４に力を入れづらくなるため、ミシン目部１４を開封しにくくなる傾向がある。一方、坪量が１５０ｇ／ｍ２を超えると、ロール質量が大きくなり、落下時や加工時等において、ミシン目部１４にかかる負荷が大きくなるため、意図しないミシン目部１４の開封が起こり易くなる。
次に、ペーパータオル２の主な特性について説明する。
ペーパータオル２の１プライあたりの坪量は、４０ｇ／ｍ２以上１５０ｇ／ｍ２以下の範囲、４８ｇ／ｍ２以上１００ｇ／ｍ２以下の範囲、又は５５ｇ／ｍ２以上８０ｇ／ｍ２以下の範囲である。本実施形態によれば、ペーパータオル２の１プライあたりの坪量を前述の範囲に調整することで、巻径が適切な範囲となり、ミシン目部１４が開封し易くなり、意図しないミシン目部１４の開封を防止することができる。ペーパータオル２の１プライあたりの坪量が４０ｇ／ｍ２未満であると、巻径が小さくなり、開封の際にミシン目部１４に力を入れづらくなるため、ミシン目部１４を開封しにくくなる傾向がある。一方、坪量が１５０ｇ／ｍ２を超えると、ロール質量が大きくなり、落下時や加工時等において、ミシン目部１４にかかる負荷が大きくなるため、意図しないミシン目部１４の開封が起こり易くなる。
次に、ペーパータオル２の主な特性について説明する。
【0038】
（紙厚）
ペーパータオル２の１プライあたりの紙厚は、２００μｍ以上１３００μｍ以下の範囲、３００μｍ以上１１００μｍ以下の範囲、又は４００μｍ以上９００μｍ以下の範囲である。本実施形態によれば、ペーパータオル２の使い勝手を向上させ、使用中に不必要に破れたりせず、ロール製品１０の交換頻度を低くして、意図しないミシン目部１４の開封を防止することができる。ペーパータオル２の１プライあたりの紙厚が２００μｍ未満であると、巻径が小さくなり、開封の際にミシン目部１４に力を入れづらくなるため、ミシン目部１４を開封しにくくなる傾向がある。また、紙厚が１３００μｍを超えると、巻径が大きくなり、ロール製品が持ちにくくなるため、ミシン目部１４の開封性が劣る傾向がある。
ペーパータオル２の１プライあたりの紙厚は、２００μｍ以上１３００μｍ以下の範囲、３００μｍ以上１１００μｍ以下の範囲、又は４００μｍ以上９００μｍ以下の範囲である。本実施形態によれば、ペーパータオル２の使い勝手を向上させ、使用中に不必要に破れたりせず、ロール製品１０の交換頻度を低くして、意図しないミシン目部１４の開封を防止することができる。ペーパータオル２の１プライあたりの紙厚が２００μｍ未満であると、巻径が小さくなり、開封の際にミシン目部１４に力を入れづらくなるため、ミシン目部１４を開封しにくくなる傾向がある。また、紙厚が１３００μｍを超えると、巻径が大きくなり、ロール製品が持ちにくくなるため、ミシン目部１４の開封性が劣る傾向がある。
【0039】
ペーパータオル２の１プライあたりの坪量及び１プライ当たりの紙厚を前述の範囲に調整する方法としては、原紙ウェブのカレンダー条件（カレンダー処理後の紙厚及び比容積、カレンダー処理前後の紙厚差）及びエンボス条件を規定する方法が挙げられる。
【0040】
ペーパータオル２の１プライあたりの比容積は、例えば、５ｃｍ３／ｇ以上１５ｃｍ３／ｇ以下の範囲、６ｃｍ３／ｇ以上１３ｃｍ３／ｇ以下の範囲、又は７ｃｍ３／ｇ以上１１ｃｍ３／ｇ以下の範囲である。比容積は、ペーパータオル２の厚さをペーパータオル２の坪量で除することにより求められる。本実施形態によれば、ペーパータオル２の比容積を前述の範囲に調整することで、ミシン目部１４の開封のし易さと、誤開封のしにくさとを一層高水準で両立させることができる。ペーパータオル２の比容積が５ｃｍ３／ｇ未満では、ミシン目部１４の開封し易さが劣る傾向があり、１５ｃｍ３／ｇを超えると、誤開封が起こり易くなる傾向がある。
【0041】
（エンボスパターン）
本実施形態のペーパータオル２は、エンボス加工が施されていてもよい。エンボス加工では、マッチドスチール（スチールマッチ）による熱エンボス処理をロールワインダにて実施することが好ましい。なお、エンボス単体の形状は、円形、楕円形、長方形、正方形、花柄、多角形、文字、線、ロゴ等、特に制限なく用いることができ、本願発明のような所定の巻径で、ミシン目が開封し易いペーパータオル２を得るには、六角形状が好ましい。エンボスパターンの深さは、例えば、０．０５ｍｍ以上２ｍｍ以下の範囲、０.２ｍｍ以上１．５ｍｍ以下の範囲、又は０．３ｍｍ以上１．０ｍｍ以下の範囲である。エンボスパターンの深さは、例えば、特開２０１７－１３１５４５号公報に記載の方法により測定することができる。
本実施形態のペーパータオル２は、エンボス加工が施されていてもよい。エンボス加工では、マッチドスチール（スチールマッチ）による熱エンボス処理をロールワインダにて実施することが好ましい。なお、エンボス単体の形状は、円形、楕円形、長方形、正方形、花柄、多角形、文字、線、ロゴ等、特に制限なく用いることができ、本願発明のような所定の巻径で、ミシン目が開封し易いペーパータオル２を得るには、六角形状が好ましい。エンボスパターンの深さは、例えば、０．０５ｍｍ以上２ｍｍ以下の範囲、０.２ｍｍ以上１．５ｍｍ以下の範囲、又は０．３ｍｍ以上１．０ｍｍ以下の範囲である。エンボスパターンの深さは、例えば、特開２０１７－１３１５４５号公報に記載の方法により測定することができる。
【0042】
（ペーパータオル及びロール状ペーパータオルの製造方法）
ペーパータオル２及びロール製品１０の製造方法としては、ペーパータオル２が合成繊維及びパルプ繊維を含むキッチンタオルである場合は、例えば（１）所定のスパンボンド不織布にパルプ繊維を積層して水流交絡、（２）エンボス処理、（３）ロール巻取り加工の順で製造することができる。
このとき、製造方法の（１）水流交絡において、合成繊維にパルプ繊維を水流交絡することで、合成繊維及びパルプ繊維を含む不織布を得る。水流交絡の方法に関しては、例えば、特開２０１８－１９３６３４号公報に記載された方法で行うことが好ましい。
ペーパータオル２及びロール製品１０の製造方法としては、ペーパータオル２が合成繊維及びパルプ繊維を含むキッチンタオルである場合は、例えば（１）所定のスパンボンド不織布にパルプ繊維を積層して水流交絡、（２）エンボス処理、（３）ロール巻取り加工の順で製造することができる。
このとき、製造方法の（１）水流交絡において、合成繊維にパルプ繊維を水流交絡することで、合成繊維及びパルプ繊維を含む不織布を得る。水流交絡の方法に関しては、例えば、特開２０１８－１９３６３４号公報に記載された方法で行うことが好ましい。
【0043】
＜包装袋＞
ロール製品１０は、本実施形態では、樹脂フィルムからなる包装袋により、ロール製品１０の表面形状に追従するように包装されており、包装形態は、キャラメル包装である。キャラメル包装は公知であり、ロール製品１０の一方向に沿って延びる樹脂フィルムを、この方向と交差する方向にロール製品１０を巻き込み、又はあらかじめ筒状に形成された樹脂フィルムの軸方向の一端からロール製品１０を入れる。そして、ロール製品１０の両端側からはみ出た樹脂フィルムのうち、対向する２つのフラップ状の辺を互いに折り畳み、次に別の対向する２つのフラップ状の辺を同様に互いに折り畳み、これら折り畳み部分を熱融着等で封止する。熱融着で封止された領域は図１のヒートシール部１３で示す部分である。
ロール製品１０は、本実施形態では、樹脂フィルムからなる包装袋により、ロール製品１０の表面形状に追従するように包装されており、包装形態は、キャラメル包装である。キャラメル包装は公知であり、ロール製品１０の一方向に沿って延びる樹脂フィルムを、この方向と交差する方向にロール製品１０を巻き込み、又はあらかじめ筒状に形成された樹脂フィルムの軸方向の一端からロール製品１０を入れる。そして、ロール製品１０の両端側からはみ出た樹脂フィルムのうち、対向する２つのフラップ状の辺を互いに折り畳み、次に別の対向する２つのフラップ状の辺を同様に互いに折り畳み、これら折り畳み部分を熱融着等で封止する。熱融着で封止された領域は図１のヒートシール部１３で示す部分である。
【0044】
包装袋を構成する樹脂フィルムは、単層で形成されてもよく複層で形成されてもよい。樹脂フィルムの材質は、リサイクルに適した熱可塑性樹脂であることが好ましい。具体的には、例えば、ポリオレフィン（ポリエチレンやポリプロピレン等）、ポリエステル（ＰＥＴ等）、ポリアミド（ナイロン等）、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの中でも、本実施形態の効果を十分に発揮させる観点から、ポリエチレンフィルムが好ましい。
【0045】
樹脂フィルムの厚みは、例えば、２０μｍ以上５０μｍ以下の範囲、２５μｍ以上４５μｍ以下の範囲、又は３０μｍ以上４０μｍ以下の範囲である。樹脂フィルムの厚みが２０μｍ未満であると、包装加工における熱融着時にフィルムの誤開封が起こりやすくなり、５０μｍを超えるとミシン目部１４を開封しづらくなる傾向がある。本実施形態によれば、包装袋を構成する樹脂フィルムの厚みを前述の範囲に調整することで、包装加工における熱融着時にフィルムの誤開封が起こりにくく、また、ミシン目部１４を開封し易くすることができる。樹脂フィルムの厚みは、ＪＩＳ Ｋ ７１３０に準拠して測定できる。
【0046】
樹脂フィルムの引張破断強度は、例えば、５Ｎ／１０ｍｍ以上２０．５Ｎ／１０ｍｍ以下の範囲、９Ｎ／１０ｍｍ以上１９．５Ｎ／１０ｍｍ以下の範囲、又は１２Ｎ／１０ｍｍ以上１８Ｎ／１０ｍｍ以下の範囲である。樹脂フィルムの引張破断強度を前述の範囲とすることで、誤開封の危険性が一層低下する傾向がある。樹脂フィルムの引張破断強度は、ＪＩＳ Ｋ ７１２７に準拠して測定できる。
【0047】
樹脂フィルムの引裂き強度は、例えば、０．２Ｎ以上３．０Ｎ以下の範囲、０．３Ｎ以上２．０Ｎ以下の範囲、又は０．４Ｎ以上１．０Ｎ以下の範囲である。樹脂フィルムの引裂き強度を前述の範囲とすることで、ミシン目部１４の開封のし易さと、誤開封のしにくさとを両立させることができる。フィルム引裂き強度は、ＪＩＳ Ｋ ７１２８－２に準拠して測定できる。また、本実施形態における引裂き強度は、フィルムのＭＤ方向（包装時にロール製品１０の幅方向に平行となる方向）に引裂いた場合の強度を言う。
【0048】
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の発明の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【実施例】
【0049】
以下に実施例及び比較例を挙げ、本実施形態をさらに具体的に説明する。
【0050】
（実施例１～２１及び比較例１～７）
（１）ポリプロピレンのスパンボンド不織布にパルプ繊維を積層して水流交絡、（２）エンボス処理、（３）ロール巻取り加工の工程を経て、表１乃至表３に示すペーパータオル及びロール製品を作製した。このとき、（１）水流交絡において、特開２０１８－１９３６３４号公報に記載の方法に従って、合成繊維にパルプ繊維を水流交絡することで、合成繊維及びパルプ繊維を含む不織布を作製した。また、（２）エンボス処理において、エンボス加工では、マッチドスチール（スチールマッチ）による熱エンボス処理をロールワインダにて実施した。また、エンボス単体の形状は六角形状とした。次に、キャラメル包装機（型式：ＣＡＳＭＡＴＩＣ ＣＭＷ５２５、ＦＡＢＩＯ ＰＥＲＩＮＩ社製）を用い、あらかじめミシン目が施されたポリエチレンからなる包装フィルム袋により、ロール製品の表面形状に追従するように、１個のロール製品をキャラメル包装し、さらに、その天面及底面には複数の帯状（幅約３ｍｍ）の接着部１５本がほぼ平行にかつほぼ等間隔に並列されたパターンで、ミシン目と所定角度で交差するようにヒートシール部を形成し、１ロール包装体を作製した。得られた１ロール包装体では、ロール製品の軸方向が、包装袋を構成するフィルムのＭＤ方向と一致していた。
（１）ポリプロピレンのスパンボンド不織布にパルプ繊維を積層して水流交絡、（２）エンボス処理、（３）ロール巻取り加工の工程を経て、表１乃至表３に示すペーパータオル及びロール製品を作製した。このとき、（１）水流交絡において、特開２０１８－１９３６３４号公報に記載の方法に従って、合成繊維にパルプ繊維を水流交絡することで、合成繊維及びパルプ繊維を含む不織布を作製した。また、（２）エンボス処理において、エンボス加工では、マッチドスチール（スチールマッチ）による熱エンボス処理をロールワインダにて実施した。また、エンボス単体の形状は六角形状とした。次に、キャラメル包装機（型式：ＣＡＳＭＡＴＩＣ ＣＭＷ５２５、ＦＡＢＩＯ ＰＥＲＩＮＩ社製）を用い、あらかじめミシン目が施されたポリエチレンからなる包装フィルム袋により、ロール製品の表面形状に追従するように、１個のロール製品をキャラメル包装し、さらに、その天面及底面には複数の帯状（幅約３ｍｍ）の接着部１５本がほぼ平行にかつほぼ等間隔に並列されたパターンで、ミシン目と所定角度で交差するようにヒートシール部を形成し、１ロール包装体を作製した。得られた１ロール包装体では、ロール製品の軸方向が、包装袋を構成するフィルムのＭＤ方向と一致していた。
【0051】
上記のように作製した実施例及び比較例について、以下の測定を行った。なお、各測定は、ＪＩＳ Ｐ ８１１１に規定する温湿度条件下（２３±１℃、５０±２％ＲＨ）で平衡状態に保持後に行った。
【0052】
坪量：ＪＩＳ Ｐ８１２４に基づいて測定し、シート１枚あたりに換算した。
【0053】
紙厚：シックネスゲージ（株式会社尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「ＰＥＡＣＯＣＫ」）を用いて測定した。測定条件は、測定荷重３．７ｋＰａ、測定子直径３０ｍｍで、測定子と測定台の間に試料を置き、測定子を１秒間に１ｍｍ以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取る。また、測定を１０回繰り返して測定結果を平均した。なお、測定は３枚のキッチンタオルシート１ｘを重ねて測定し、値を１／３にして、紙厚の値とした。
【0054】
巻長：幅方向に延びるミシン目が長手方向に所定の間隔を空けて設けられているペーパータオルについては、１つのミシン目とそれに隣り合うミシン目との間のシートについて、１０シート分の長さを実測した。その後、ロールのシート数を実測し、巻長は１０シート分の長さとシート数から比例計算で求めた。例えば、１０シート分の長さが１．５１５ｍ、シート数が３３０シートの場合、１．５１５ｍ×（３３０／１０）＝５０ｍとなる。なお、ペーパータオルにミシン目がない場合は、実測することにより巻長を求めた。
【0055】
ロールの巻直径ＤＲ、コア外径ＤＩ：ムラテックＫＤＳ株式会社製ダイヤメータールールを用いて、１０個のロールを測定し、測定結果を平均した。
【0056】
ロール密度については、上記の方法により１０個のロールを測定し、測定結果を平均した。ミシン目の引張破断強度は、１０個の１ロール包装体について測定し、測定値の平均値を求めた。
【0057】
実施例および比較例の１ロール包装体について、以下の項目の評価を行った。各項目について、◎、○、△を合格とした。
＜ミシン目の開封のしやすさ＞
各１ロール包装体を側面のミシン目を中心に両手で持ち、両手の親指で左右に開裂する動作をモニター２０人が行い、その結果を基に、以下の基準で評価した。
◎：「よい」と感じた人が１８人以上２０人以下のとき
○：「よい」と感じた人が１４人以上１７人以下のとき
△：「よい」と感じた人が１０人以上１３人以下のとき
×：「よい」と感じた人が６人以上９人以下のとき
××：「よい」と感じた人がいないか、１人以上５人以下のとき
＜ミシン目の開封のしやすさ＞
各１ロール包装体を側面のミシン目を中心に両手で持ち、両手の親指で左右に開裂する動作をモニター２０人が行い、その結果を基に、以下の基準で評価した。
◎：「よい」と感じた人が１８人以上２０人以下のとき
○：「よい」と感じた人が１４人以上１７人以下のとき
△：「よい」と感じた人が１０人以上１３人以下のとき
×：「よい」と感じた人が６人以上９人以下のとき
××：「よい」と感じた人がいないか、１人以上５人以下のとき
【0058】
＜誤開封のしにくさ＞
１ロール包装体を軸方向に垂直に立て、段ボールに１２個並べて梱包し、上下、左右５０ｃｍ間を１往復／秒でそれぞれ１分間振動させた。これを１０回行い（合計１２０本で評価する）、その後、ミシン目部の誤開封について評価した。段ボールの内寸は、長辺方向：ロール製品の巻径×４、短辺方向：ロール製品の巻径×３とした。包装体の全本数に対する誤開封が発生した包装体の本数の割合（百分率、％）＝（誤開封が発生した包装体の本数／包装体の全本数）×１００を求め、以下の基準で評価した。
◎：１％以下
〇：２％以上５％以下
△：６％以上９％以下
×：１０％以上１５％以下
××：１５％以上
１ロール包装体を軸方向に垂直に立て、段ボールに１２個並べて梱包し、上下、左右５０ｃｍ間を１往復／秒でそれぞれ１分間振動させた。これを１０回行い（合計１２０本で評価する）、その後、ミシン目部の誤開封について評価した。段ボールの内寸は、長辺方向：ロール製品の巻径×４、短辺方向：ロール製品の巻径×３とした。包装体の全本数に対する誤開封が発生した包装体の本数の割合（百分率、％）＝（誤開封が発生した包装体の本数／包装体の全本数）×１００を求め、以下の基準で評価した。
◎：１％以下
〇：２％以上５％以下
△：６％以上９％以下
×：１０％以上１５％以下
××：１５％以上
【0059】
＜ロール製品の取り出し易さ＞
ミシン目を開封して形成された開口から、ロール製品が開口の一部に引っかかったりすることなく、ロール製品を取り出し得るかをモニター２０人の評価を基に、以下の基準で評価した。
◎：「よい」と感じた人が１８人以上２０人以下のとき
○：「よい」と感じた人が１４人以上１７人以下のとき
△：「よい」と感じた人が１０人以上１３人以下のとき
×：「よい」と感じた人が６人以上９人以下のとき
××：「よい」と感じた人がいないか、１人以上５人以下のとき
結果を表１から表３に示す。
ミシン目を開封して形成された開口から、ロール製品が開口の一部に引っかかったりすることなく、ロール製品を取り出し得るかをモニター２０人の評価を基に、以下の基準で評価した。
◎：「よい」と感じた人が１８人以上２０人以下のとき
○：「よい」と感じた人が１４人以上１７人以下のとき
△：「よい」と感じた人が１０人以上１３人以下のとき
×：「よい」と感じた人が６人以上９人以下のとき
××：「よい」と感じた人がいないか、１人以上５人以下のとき
結果を表１から表３に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
表１～表３から、１ロール包装体の天面において、ヒートシール部とミシン目部とがなす角θを所定の角度とし、かつミシン目部の引張破断強度を所定の範囲とすることで、ミシン目の開封のし易さ、誤開封のしにくさ及びロール製品の取り出し易さという３つの特性を高水準で併せ持つ１ロール包装体が得られることが分かる。
【符号の説明】
【0064】
１ １ロールフィルム包装体（１ロール包装体）
２ ペーパータオル
１０ ロール製品
１１ 天面
１２ 底面
１３ ヒートシール接着部
１４ ミシン目部
２１ａ ペーパータオルの表面
２１ｂ ペーパータオルの裏面
２２ コア
２ ペーパータオル
１０ ロール製品
１１ 天面
１２ 底面
１３ ヒートシール接着部
１４ ミシン目部
２１ａ ペーパータオルの表面
２１ｂ ペーパータオルの裏面
２２ コア
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】