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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20240214BHJP
   H02M 3/00 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H02M3/00 Y
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021102259
(22)【出願日】2021-06-21
(65)【公開番号】P2023001492
(43)【公開日】2023-01-06
【審査請求日】2023-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 恒雅
(72)【発明者】
【氏名】山本 敏彦
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-074071(JP,A)
【文献】特開昭62-143379(JP,A)
【文献】特開2019-103383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H02M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング素子と前記スイッチング素子を制御する制御部とを有する電力変換装置本体と、外部との配線をする端子台を有する付属ボックスとを有する電力変換装置であって、
前記端子台を取り付ける端子台取り付け部が前記付属ボックスに固定され、
前記端子台の角度を変更して固定する機構を有し、
前記電力変換装置本体は、前記付属ボックスの正面に配置され、
前記端子台を介して前記電力変換装置本体と前記付属ボックスは電気的に接続される電力変換装置において、
前記端子台取り付け部には、前記付属ボックスの上面及び下面を固定する第1の固定部が配置され、
前記付属ボックスの上面及び下面には、前記端子台取り付け部を固定する第2の固定部が配置され、
前記機構は、前記第1の固定部と前記第2の固定部により前記付属ボックスの上面及び下面と前記端子台取り付け部とを固定し、前記端子台を正面側に傾けることが可能な部材である電力変換装置。
【請求項2】
スイッチング素子と前記スイッチング素子を制御する制御部とを有する電力変換装置本体と、外部との配線をする端子台を有する付属ボックスとを有する電力変換装置であって、
前記端子台を取り付ける端子台取り付け部が前記付属ボックスに固定され、
前記端子台の角度を変更して固定する機構を有し、
前記電力変換装置本体は、前記付属ボックスの正面に配置され、
前記端子台を介して前記電力変換装置本体と前記付属ボックスは電気的に接続される電力変換装置において、
前記端子台取り付け部には、前記付属ボックスの上面及び下面を固定する第1の固定部が配置され、
前記付属ボックスの上面及び下面には、前記端子台取り付け部を固定する第3の固定部が配置され、
前記機構は、前記第1の固定部と前記第3の固定部により前記付属ボックスの上面及び下面と前記端子台取り付け部とを固定し、前記端子台を前記付属ボックスの側面から略45度傾けることが可能な部材である電力変換装置。
【請求項3】
スイッチング素子と前記スイッチング素子を制御する制御部とを有する電力変換装置本体と、外部との配線をする端子台を有する付属ボックスとを有する電力変換装置であって、
前記端子台を取り付ける端子台取り付け部が前記付属ボックスに固定され、
前記端子台の角度を変更して固定する機構を有し、
前記電力変換装置本体は、前記付属ボックスの正面に配置され、
前記端子台を介して前記電力変換装置本体と前記付属ボックスは電気的に接続されるにおいて、
前記端子台取り付け部には、前記付属ボックスの上面及び下面を固定する第1の固定部が
配置され、
前記付属ボックスの上面及び下面には、前記端子台取り付け部を固定する第4の固定部が配置され、
前記機構は、前記第1の固定部と前記第4の固定部により前記付属ボックスの上面及び下面と前記端子台取り付け部とを固定し、前記端子台を前記付属ボックスの側面から略マイナス45度傾けることが可能な部材である電力変換装置。
【請求項4】
スイッチング素子と前記スイッチング素子を制御する制御部とを有する電力変換装置本体と、外部との配線をする端子台を有する付属ボックスとを有する電力変換装置であって、
前記端子台を取り付ける端子台取り付け部が前記付属ボックスに固定され、
前記端子台の角度を変更して固定する機構を有し、
前記電力変換装置本体は、前記付属ボックスの正面に配置され、
前記端子台を介して前記電力変換装置本体と前記付属ボックスは電気的に接続される電力変換装置において、
前記端子台取り付け部には、前記付属ボックスの上面及び下面を固定する第1の固定部が配置され、
前記付属ボックスの上面及び下面には、前記端子台取り付け部を固定する第5の固定部が配置され、
前記機構は、前記第1の固定部と前記第5の固定部により前記付属ボックスの上面及び下面と前記端子台取り付け部とを固定するとともに、前記端子台を前記付属ボックスの側面から0度から90度の間のいずれかの角度に傾けることが可能な部材である電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
設備の設置を行う中で配線作業があり、配線作業の行いやすさを改善する技術に関して特許文献1が知られている。
【0003】
特許文献1には、太陽電発電アレイに用いる周辺機器の高さを抑え、太陽電池アレイの設置方法にかかわらず、太陽電池アレイ付近に周辺機器が配置された太陽光発電システムを実現する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-124418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、電線を接続する端子台に角度を設け、端子台部分で必要となる高さを低減するが、端子台の取り付け傾斜角度を設計段階で決める為、端子台の傾斜角度は固定となる。
【0006】
電力変換装置を設計するにあたり、市場のニーズとして設備の省スペース化が求められている。限られたスペースに納められる小型の構造や、各顧客の要求に対応する多様性が求められる。縦横の面積を小さくしたい顧客の要求や、奥行き方向を小さくしたい顧客など、求められる要求は顧客により異なる。
【0007】
省スペースに設置する為に狭い空間での配線作業の行いやすさや、メンテナンス時でも、狭い空間で配線の取り外しが楽に行われなければ作業時間を有することとなる。
【0008】
また、顧客に合わせた注文製品では無く、汎用製品でも各顧客の縦横の面積を小さくしたい要求や、奥行き方向を小さくしたいなどのそれぞれの要求に対応できる電力変換装置が求められる。
【0009】
省スペース化が求められている為、盤の設計などを行う際は、なるべく装置と装置の隙間は最小限にし、盤全体の小型化を行う。電力変換装置と付属ボックスも盤の中に納める装置に該当し、装置の隙間は最小限になっている。
【0010】
電力変換装置と付属ボックスを段重ね取り付けした際に、付属ボックスの端子台取り付け部が側面に配置された構造となり、側面からドライバ作業を行う際に、側面側にスペースが無い場合、長い柄のドライバでは隙間に入りづらいなど、作業スペースが限られてしまう為に、作業が困難となる課題がある。
【0011】
付属ボックスを段重ね取付けし、端子台取り付け部を側面に配置させた構造で、付属ボックスと別の装置との間の空間が狭い場合がある。側面から配線を接続する作業時には、スペースが狭く、配線作業を行うと、ネジを緩め、締め付けを行うドライバの差し込み向きが側面からとなる。作業者は正面から作業する為、側面ではネジの位置を確認することが困難となる事や、横にスペースが無い場合にドライバの柄が長い場合、配線作業ができない問題が発生する。
【0012】
作業スペースを確保しようとすると、電力変換装置と別の装置との間の空間を広くする必要があり省スペース化を図ることができなくなってしまう。
【0013】
電力変換装置と別の装置との間の空間を狭くしながらも、配線作業性が行いやすくしなければならない。顧客に合わせた注文に合わせた形状にするのでは無く、汎用製品でも各顧客の要求に対応した形状に変化しなければならない。電力変換装置抑本体と付属ボックスを一体化するのではなく、分離することで、取り付け方法が1つではなく、多様性が求められる。
【0014】
本発明の目的は、省スペース化と配線の作業性を向上する電力変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の好ましい一例としては、スイッチング素子と前記スイッチング素子を制御する制御部とを有する電力変換装置本体と、外部との配線をする端子台を有する付属ボックスとを有する電力変換装置であって、前記端子台を取り付ける端子台取り付け部が前記付属ボックスに固定され、前記端子台の角度を変更して固定する機構を有し、前記電力変換装置本体は、前記付属ボックスの正面に配置され、前記端子台を介して前記電力変換装置本体と前記付属ボックスは電気的に接続される電力変換装置において、前記端子台取り付け部には、前記付属ボックスの上面及び下面を固定する第1の固定部が配置され、前記付属ボックスの上面及び下面には、前記端子台取り付け部を固定する第2の固定部が配置され、前記機構は、前記第1の固定部と前記第2の固定部により前記付属ボックスの上面及び下面と前記端子台取り付け部とを固定し、前記端子台を正面側に傾けることが可能な部材である電力変換装置がある。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、省スペース化と配線の作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】実施例1の電力変換装置を正面から見た図。
図1B】実施例1の電力変換装置を、正面から見て右側の側面から見た図。
図1C】実施例1における付属ボックスを斜めから見た図。
図2A】端子台取り付け部の可動構造を説明する斜視図。
図2B】端子台取り付け部の可動構造を説明するために付属ボックスを下面から見た図。
図3A】実施例2の端子台取り付け部の可動を説明する斜視図。
図3B】実施例2の付属ボックスを下面から見た図。
図4】実施例3の付属ボックスを斜めから見た図。
図5A】実施例4の端子台取り付け部の可動を説明する斜視図。
図5B】実施例4の付属ボックスを下面から見た図。
図6】実施例5のブック置き取り付け構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して実施例を説明する。
【0019】
電力変換装置においての回路構成は、電圧を制御するスイッチング素子を有するIGBT部、IGBTを制御する主回路基板及びロジック回路からなる制御部及び、フィルタ部であるリアクトル、コンデンサ、抵抗と、コンダクタ部、電圧検出回路部から構成されている。一般的に電力変換装置は、IGBT部、制御部を搭載し、フィルタ部、電圧検出回路部は電力変換装置本体とは別々になっており、個別に取付けを行う必要がある。
【0020】
本発明では、電力変換装置本体以外のフィルタ部、電圧検出部の付属部分を、一つのボックスに内蔵した構造である。この構造を付属ボックスと記載する。付属ボックスとすることで、お客様は、複数ある付属部品を取り付けし、それぞれを接続する電線を準備して配線する作業を付属ボックス化することで省略することができる為、設置工数の低減を図ることができる構造となる。
【0021】
本発明の電力変換装置本体に付随する付属ボックスの構造は、配線作業を改善できる。壁に電力変換装置などを取り付けする際は、ネジを用いて取り付けを行うが、ネジの締め付けを行うドライバは、正面から行うのが作業性として簡単であり望ましい。
【0022】
付属ボックスの配線作業も正面から行うのが作業性の面から望ましいが、付属ボックスの配線作業をおこなう端子台取り付け部が側面に置けない構造の場合、汎用の端子台を設置すると、端子台は側面を向く形となる。
【0023】
そのため端子台ネジを緩め、締め付けを行うドライバが側面から差し込む形となり、狭いスペースでは配線作業性悪化が発生する。この問題を解決するため、本発明では、特許文献1とは異なり、端子台取り付け部の角度を変更可能な構造とし、ドライバを正面から行える作業性の改善とする。また、マイナス45度の角度は、製造時に配線作業の改善が行える。
【0024】
本発明では、付属ボックスの取り付け方を多様な構造とし、電力変換装置本体と段重ね取付け、ブック置き取付けといった多様な取り付けが可能な構造を実現できる。
【実施例1】
【0025】
図1Aは、実施例1における電力変換装置本体及び付属ボックスからなる電力変換装置を、正面から見た図である。図1Bは、実施例1における電力変換装置を、正面から見て右側の側面から見た図である。図1Cは、実施例1における付属ボックス2を斜めから見た図である。図1A図1Bでは、付属ボックス2を段重ね取り付け構造とし、側面から0度の角度(正面から90度)に端子台取り付け部を配置し、端子台を正面に配置した状態の図である。
【0026】
電力変換装置本体1及び、付属ボックス2は、盤などの壁面へ取り付けを行う構造となっており、付属ボックス2の正面に、電力変換装置本体1を配置できる構造とし、省スペース化を図れる構造なっている。この配置方法を以後、段重ね取り付けと呼ぶ。
【0027】
図1A図1B、および図1Cの付属ボックス2は、取り付け足下側3、取り付け足上側4と別の構造としている。付属ボックス2と、取り付け足下側3及び、取り付け足上側4は段重ね取り付け足固定部6を用いて、ネジにて接続可能な構造となっている。この段重ね取り付け足固定部6は、ネジを用いなくても、リベットなどネジに代わる方法にて接続する事が可能とする。
【0028】
盤などの壁面に、付属ボックス2の背面を取り付けるには、取り付け足上側4および取り付け足下側3における付属ボックス取付部5にネジなどを貫通させて固定して取り付ける構造となっている。
【0029】
取り付け足下側3と、取り付け足上側4は、別形状として説明を行うが、同一形状にすることも可能とする。
【0030】
付属ボックス2の端子台取り付け部8は、外部との配線を行う為の端子台を取り付ける板となっている。配線をする外部としては電力変換装置本体1や電源がある。付属ボックス2の上面及び下面には、固定部上9と固定部下10が配置される。端子台取り付け部8の側面に、固定部上9と固定部下10と対応するように固定用の穴が配置される。
【0031】
端子台取り付け部8には合計4か所にネジ山を切っている為、ネジにより付属ボックス2と端子台取り付け部8とを固定することが可能な構造となっている。説明では、固定個所を4か所とするが、場合により、2か所、3か所、構造変更により、5か所以上に変更可能とする。また、ネジ以外にも、リベットなどの別の部材で固定することが可能である。
【0032】
電力変換装置本体1及び付属ボックス2は、電源及び信号線の配線作業が必要となり、付属ボックス2に固定される端子台7は、図1A図1Bに示すように端子台7が側面に向かって配置されている。側面に他の装置を接近して取り付けてしまうと、配線時に、柄の長いドライバでは、ほかの装置と干渉してしまい、ドライバが入らないばかりか、端子台7のネジ部が見づらい為に、端子台7への配線作業が困難となる。
【0033】
図2Aは、実施例1における端子台取り付け部の可動構造を説明する斜視図である。図2Bは、実施例1における端子台取り付け部の可動構造を説明する付属ボックスを下面から見た図である。
【0034】
図2Aおよび図2Bでは、端子台取り付け部8を、付属ボックス2の側面から90度(正面に対して0度)の正面側に傾けた状態となっている。端子台取り付け部8は、付属ボックス2の上面および下面に配置される固定部上9と、固定部下10と図における左右の4か所でネジもしくは、別の機構により固定される構造である。
【0035】
端子台取り付け部8の側面は、直角定規の形状であり、端子台取り付け部8の側面には、それぞれに第1の固定部としての3つの穴が配置される構造である。
【0036】
端子台取り付け部8は、固定部下10のネジを外すことで、固定部上9の2か所で固定されただけの状態となり、固定部上9のネジを少し緩めることで、固定部上9を中心に可動することができる構造となっている。
【0037】
さらに、端子台取り付け部8には、端子台取り付け部8を90度の角度に傾けた際に、端子台取り付け部8が自由に可動してしまうと配線時に力を入れた際に、端子台取り付け部8が動いてしまい、ネジ締めが困難となる。特に作業効率を高めるために、電動式ドライバを用いることが多く、力を入れて配線を行う必要がある際為、固定が必要となる。
【0038】
本構造では固定が可能となっており、端子台取り付け部8にネジ穴を設けてある。また、付属ボックス2の上面および下面に配置される90度固定部11にネジを止めることで、固定できる構造を設けている。固定部下10に止めていたネジを外し、固定部上9を軸として、端子台取り付け部8を90度傾けた状態で、ネジを90度固定部11へ挿入し、端子台取り付け部8に設けているネジ穴に止める。付属ボックス2の上面および下面に配置される固定部上9と90度固定部11、固定部上9および90度固定部11に対応した端子台取り付け部8の穴に、固定および角度の変更機構としてのネジが貫通されて、端子台取り付け部8と付属ボックス2の上面および下面とが固定されて角度が変更される。
【0039】
そのように固定することで、端子台取り付け部8を、付属ボックス2の側面に対して90度に傾けた状態で固定することができる。そのため、正面から端子台7へドライバを入れられる構造となり、作業性が向上する。
【0040】
端子台取り付け部8は、固定部上9と、固定部下10に貫通するネジで固定されており、全てを無くしてしまうと外れてしまう。固定部上9を外さずに、固定部下10を外すと、固定部上9を中心にして可動することができる。逆に、固定部下10を外さずに、固定部上9を外すと、固定部下10を中心にして可動することができる為、端子台取り付け部8が外れることが無い構造となっている。
【0041】
図1の端子台取り付け部8が、側面に対して0度の時は、壁面から配線を行うと、配線したかの判断が端子台7とネジで隠れてしまい、配線を行っているかの確認作業が分かりづらい。端子台取り付け部8の角度を変えることができることで、配線されている電線が正面から見ることができる。
【0042】
その為、配線の確認作業が簡単である。配線状態にて、端子台取り付け部8の角度は変更可能とする。端子台取り付け部8を、付属ボックス2の側面に対して90度傾けた状態に固定することで、開口部が設けられ、内部へ空気が出入りしやすくなるため、冷却性に優れる。
【0043】
本発明では、端子台の取り付け部を可動可能な構造とし、角度を変更できる構造としたものである。目的としては、配線作業性改善であり、本発明の付属ボックスの高さを低減するのではなく、付属ボックスと外部の装置との距離を低減することを目的とし、鉛直方向(側面方向)に端子台が来た際に、端子台取り付け部の角度を変えることで、端子が側面から正面に角度を変更することができる。これにより、配線作業が、側面からドライバを使用すると、他の装置と干渉してしまい作業性が悪い状態から、端子台を正面にすることで、ドライバを正面から使用することができる為、作業性がよく、作業時は、角度を変更した後に固定もできる為、作業性がよくなる。特許文献1とは、付属ボックスを設置後でも角度を変更することができることが異なる。
【0044】
本実施例によれば、段重ね取り付けにより省スペース化ができ、配線の作業性を向上できる。さらに、開口部が設けることができ、付属ボックスの内部へ空気が出入りしやすくなるため、冷却性に優れる。
【実施例2】
【0045】
図3Aは、実施例2の端子台取り付け部の可動を説明する斜視図である。図3Bは、実施例2の付属ボックスを下面から見た図である。実施例1と同じ事項は説明を省略する。
【0046】
図3A図3Bに示すように実施例2では、端子台取り付け部8を、付属ボックス2の側面から略45度(正面から略45度)傾けた状態となっている。端子台取り付け部8は、付属ボックス2の固定部上9と固定部下10の位置で図における左右の4か所でネジもしくは、別の方法により固定される構造である。さらに、固定部下10のネジを外すことで、付属ボックス2の固定部上9の2か所で端子台取り付け部8と付属ボックス2とを固定できる。また、固定部上9を中心に端子台取り付け部8可動することができる構造となっている。
【0047】
端子台取り付け部8には、端子台取り付け部8を45度の角度に傾けた際に、端子台取り付け部8にネジ穴設け、固定できる構造を設けている。本実施例では、付属ボックス2の上面および下面に配置した固定部下10に止めていたネジを外す。そして、端子台取り付け部8を45度傾けた状態で、ネジを付属ボックス2の上面および下面に配置した45度固定部12へ挿入し、端子台取り付け部8に設けているネジ穴に止めることで、45度の角度に傾けた状態で固定することができる。
【0048】
本実施例によれば、実施例1と同様な効果を有する。また、45度に傾けた状態に固定することで、開口部が設けられ、内部へ空気が出入りしやすくなるため、冷却性に優れる。正面から、電線の配線状況が見やすいなどのメリットを有する。
【実施例3】
【0049】
図4は、実施例3の付属ボックスを斜めから見た図である。実施例1などと同じ事項は説明を省略する。
【0050】
実施例3では、端子台取り付け部8を、付属ボックス2の側面から略マイナス45度の角度に傾けた状態となっている。端子台取り付け部8は、固定部上9と、固定部下10を使い、左右の4か所でネジもしくは、別の方法により付属ボックス2に固定される構造である。さらに端子台取り付け部8は、固定部上9のネジを外すことで、付属ボックス2の両側面に配置される固定部下10の2か所と、端子台取り付け部8に配置される穴とをネジを貫通させて固定できる。そのため、端子台取り付け部8を、固定部下10を中心に可動することができる構造となっている。
【0051】
略マイナス45度に傾けられるため、お客様ではなく、付属ボックス2を工場で組み立てる際端子台7の内部側へ配線作業を行う作業性が良い。
【0052】
本実施例によれば、実施例1と同様な効果を有する。また、メンテンナンスを行う際の内部配線チェックを行う時にも、付属ボックス2を分解しなくても正面から、電線が接続されているかの品質チェック作業が簡単にできるメリットを有する。
【実施例4】
【0053】
図5Aは、実施例4の端子台取り付け部の可動を説明する斜視図である。図5Bは、実施例4の付属ボックスを下面から見た図である。実施例1、2、3とは異なり、実施例4では、端子台取り付け部8の角度を、付属ボックス2の側面に対して0度から90度の間のいずれかの角度に傾けることが可能で、角度は自由に変更し、固定できる構造を有する。実施例1などと同じ事項は説明を省略する。
【0054】
可動用固定穴13は、付属ボックス2に開けた長穴であり、固定部上9を中心に、円周状に長穴を設けている。固定部上9にネジで固定し、少し緩めた状態にすると、固定部上9を中心に端子台取り付け部8の角度を変えることができる。端子台取り付け部8に配置される可動固定部14にネジを固定することで、付属ボックス2と端子台取り付け部8とを可動範囲であれば固定することができる構造を有する。
【0055】
本実施例によれば、実施例1と同様な効果を有するとともに、45度、90度などの決まった角度ではなく、作業性がよくなるように適切な角度に固定することができる。また、本実施例によれば、配線の接続角度も同様に好きな角度に固定できるため、電線を折り曲げたくない場合に、角度を調整することで、電線への負担が軽減されるメリットを有する。また、開口部の調整が可能なことから、内部の熱い空気を出しやすく、内部へのごみや虫の侵入を開口部のサイズを変えることで調整することが可能となる。
【実施例5】
【0056】
図6は、実施例5のブック置き取り付け構造を示す図である。実施例5では、実施例1から実施例4の段重ね取り付けとは異なり、付属ボックス2の壁面への取り付けを、ブック置き取り付けにした実施例である。実施例1などと同じ事項は説明を省略する。
【0057】
付属ボックス2は、取り付け足下側3と取り付け足上側4を、付属ボックス2の側面に取り付けることにより、付属ボックス2を壁面に取り付けられるようになっている。
【0058】
実施例5では、実施例1などのように取り付け足下側3と取り付け足上側4を取り付ける位置を段重ね取り付け足固定部6での固定位置とはしない。実施例5では、付属ボックス2の側面の短い側の辺に配置したブック置き取り付け足固定部15に取り付け足下側3と取り付け足上側4を固定する。
【0059】
実施例5では、取り付け足下側3と取り付け足上側4の形状を変更せずに同じ取り付け足下側3と取り付け足上側4を使用し、付属ボックス2を壁面に取り付ける構造である。実施例5では、この構造を、ブック置きと呼ぶ。実施例1などの段重ね取り付けにおける付属ボックス2の背面の固定に変更する場合には、取り付け足下側3と取り付け足上側4を兼用できる効果がある。
【0060】
ブック置き取り付けは、付属ボックスの取り付け面積が小さくて済むだけではなく、配線を接続する際に、端子台7が正面に配置されるため、配線を接続する際は、正面から配線することが可能である。そのため、ドライバが正面から操作することが可能となり作業性が向上する。
【0061】
本実施例によれば、省スペース化と配線の作業性を向上できる。また、端子台7は、配線を右から接続しても、左から接続しても接続可能となり、お客様の設備要求及び、電力変換装置本体1と付属ボックス2の配置を左右のどちらのパタンに配置しても問題ない構造となっている。
【符号の説明】
【0062】
1…電力変換装置本体
2…付属ボックス
3…取り付け足下側
4…取り付け足上側
5…付属ボックス取付部
6…段重ね取り付け足固定部
7…端子台
8…端子台取り付け部
9…固定部上
10…固定部下
11…90度固定部
12…45度固定部
13…可動用長穴
14…可動固定部
15…ブック置き取り付け足固定部
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6