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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】消耗品保持機構
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20240214BHJP
【FI】
A24F40/40
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021513281
(86)(22)【出願日】2019-09-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 EP2019073319
(87)【国際公開番号】W WO2020053009
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】18194398.6
(32)【優先日】2018-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】山口 顕
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-533513(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0070444(KR,A)
【文献】国際公開第2018/050612(WO,A1)
【文献】特表2018-504134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子タバコ用のマウスピース部分であって、
開口部、及び内部側壁を有する空洞を含むハウジングスリーブであって、電子タバコの本体に接続可能である、ハウジングスリーブと、
前記空洞内に配置された保持要素であって、消耗品の一部分を受け入れるための受容空間を画定し、且つ、前記ハウジングスリーブ内で第1の位置と第2の位置との間で前記マウスピース部分の軸方向に移動するように構成された、保持要素と、を備え、
前記保持要素が、前記消耗品に対して半径方向に圧縮され、
前記空洞が、第1の直径を有する第1の部分と、第2の直径が前記第1の直径よりも小さい、前記第2の直径を有する第2の部分とを有
前記第1の位置が前記第1の部分に対応し、前記第2の位置が前記第2の部分に対応する、マウスピース部分。
【請求項2】
前記保持要素は、前記保持要素が前記第2の位置にあるときに前記消耗品に対して前記半径方向に圧縮され、前記消耗品は、前記保持要素が前記第1の位置にあるときに前記保持要素から解放されるか又は部分的に解放される、請求項1に記載のマウスピース部分。
【請求項3】
前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記空洞の軸方向の異なる長手方向の位置に配置されている、請求項2に記載のマウスピース部分。
【請求項4】
前記側壁は、フレア状である、請求項1~3のいずれか一項に記載のマウスピース部分。
【請求項5】
前記フレア状の側壁は、前記マウスピース部分の蒸気出口に向かう方向に、内側にテーパ状であるテーパ状角度を画定する、請求項4に記載のマウスピース部分。
【請求項6】
前記保持要素は、可撓性スリーブである、請求項1~5のいずれか一項に記載のマウスピース部分。
【請求項7】
前記保持要素は、前記保持要素の少なくとも一部に沿って軸方向に延在する1つ以上のスリットを含み、前記保持要素の圧縮又は拡張を可能にする、請求項1~6のいずれか一項に記載のマウスピース部分。
【請求項8】
前記スリットは、前記保持要素を別個の部分に分離している、請求項7に記載のマウスピース部分。
【請求項9】
前記保持要素は突起を含み、前記空洞の前記側壁は、前記保持要素が前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動できるように、前記突起を受け入れて前記突起を案内するように構成された少なくとも1つの軸方向溝を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のマウスピース部分。
【請求項10】
前記溝は、少なくとも第1及び第2の凹部を含み、前記第1の凹部が、前記第1の位置にあるときに前記突起と係合するように構成され、前記第2の凹部が、前記第2の位置にあるときに前記突起と係合するように構成されており、前記第1の凹部が、前記第2の凹部よりも半径方向の深さが大きい、請求項9に記載のマウスピース部分。
【請求項11】
前記空洞の前記側壁は突起を含み、前記保持要素は、前記保持要素が前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動できるように、可変の半径方向の深さを有する軸方向溝を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のマウスピース部分。
【請求項12】
前記保持要素は、第1の部分及び第2の部分を有する少なくとも1つの凹部を含み、前記第1の部分及び前記第2の部分が、異なる半径方向の深さを有し、それによって、前記第2の部分は、前記保持要素が前記第1の位置にあるときに前記突起と係合するように構成され、前記第1の部分は、前記保持要素が前記第2の位置にあるときに前記突起と係合するように構成されている、請求項11に記載のマウスピース部分。
【請求項13】
前記空洞の前記側壁は、前記軸方向に沿ってテーパ状のプロファイルを有し、それによって、前記第2の位置にあるときに前記側壁が前記保持要素を圧縮する、請求項1~12のいずれか一項に記載のマウスピース部分。
【請求項14】
前記保持要素は、前記消耗品に力が加えられたときに前記保持要素を第1の位置及び第2の位置に往復移動させて保持するように構成された軸方向位置決め構成に更に接続されている、請求項1~13のいずれか一項に記載のマウスピース部分。
【請求項15】
前記保持要素は、前記第2の位置に付勢されている、請求項14に記載のマウスピース部分。
【請求項16】
前記軸方向位置決め構成は、
前記保持要素が取り付けられている軸方向に移動可能なベースと、
前記ベースの軸方向の移動を回転変位に変換するように構成されたカムと、
前記ベースに対して軸方向に前記カムを付勢するように前記カムに作用する付勢部材と、
前記ハウジングスリーブの内部表面上に配置されたガイドと、を備える、請求項14又は15に記載のマウスピース部分。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の前記マウスピース部分を備える、電子タバコ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消耗品を電子タバコのマウスピース部分に保持することを可能にする電子タバコ用の保持機構に関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ、別名e-タバコは、多くの場合、ユーザがデバイスから吸入するときにユーザに放出される物質を含む消耗品を受け入れるように構成されたマウスピース部分を備える。消耗品に含まれる典型的な物質には、タバコ材料、フレーバリング、及び/又はニコチンが含まれ得る。
【0003】
消耗品はロッド形状にすることができ、デバイスのマウスピース部分の空洞内に挿入される。いくつかの消耗品には、プロピレングリコール又はグリセロールに浸漬されたタバコ基質を含むタバコロッドが含まれる。これらの消耗品は、通常、タバコ部分とマウスピースフィルタ部分を有し、従来のタバコに似ている。これらの消耗品は、電子タバコの加熱構成にさらされると蒸気を放出する。
【0004】
別のタイプの消耗品は、フレーバフィルタである。この消耗品は、通常、液体気化のために構成された電子タバコと一緒に使用され、蒸気のフレーバを変更するために使用することができる。
【0005】
したがって、これらの2種類の消耗品は、従来のタバコのフィルタと同じように、ユーザの口と接触する電子タバコの領域として機能することができる。
【0006】
一定期間使用すると消耗品は枯渇し、新しい消耗品が必要となる。したがって、ユーザは電子タバコから消耗品を取り外し、消耗品を交換又は補充する必要がある。
【0007】
消耗品は電子タバコの交換可能な部品であるため、消耗品は、必要に応じて電子タバコから容易に取り外し可能でありながら、移動させたり、誤って電子タバコから外れたりしないように、しっかりと保持されることが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、電子タバコ用のマウスピース部分が提供され、マウスピース部分は、開口部、及び内部側壁を有する空洞を含むハウジングスリーブであって、電子タバコの本体に接続可能である、ハウジングスリーブと、前記空洞内に配置された保持要素であって、消耗品の一部分を受け入れるための受容空間を画定し、且つ、ハウジングスリーブ内で第1の位置と第2の位置との間でマウスピース部分の軸方向に移動するように構成された、保持要素と、を備え、保持要素が、消耗品に対して半径方向に圧縮される。
【0009】
保持要素は、保持要素が第2の位置にあるときに消耗品に対して半径方向に圧縮され得、消耗品は、保持要素が第1の位置にあるときに保持要素から解放されるか又は部分的に解放される。
【0010】
したがって、マウスピース部分は、消耗品の挿入方向に対して実質的に平行である中心軸を画定することができる。空洞は、マウスピース部分の中心軸を実質的に取り囲むハウジングスリーブの内側側壁によって、少なくとも部分的に画定され得る。
【0011】
有利には、保持要素は、消耗品をマウスピースにしっかりと保持する。第1の位置から第2の位置への保持要素の移動により、空洞の側壁が保持要素を圧縮させ、その結果、保持要素がより小さな直径となり、第2の位置にあるときに消耗品をマウスピース部分にロックする。
【0012】
この機構により、消耗品がマウスピース内にしっかりと固定され、消耗品が移動するのを防ぎ、消耗品が誤ってマウスピースから外れるのを防ぐ。
【0013】
好ましくは、空洞は、第1の直径を有する第1の部分と、第2の直径が第1の直径よりも小さい、第2の直径を有する第2の部分と、を備える。このようにして、側壁は、保持要素が第1の位置にあるときに第1の直径を有し、第2の位置にあるときに第2の直径を有し得る。第1の位置にあるときの側壁のより大きな直径により、消耗品を保持要素から解放又は部分的に解放することを可能にし、一方、第2の位置にあるときのより小さな直径により、圧縮を提供するハウジングスリーブの側壁となる。
【0014】
好ましくは、第1の部分及び第2の部分は、空洞の軸方向の異なる長手方向の位置に配置される。
【0015】
第1の位置が、第2の位置よりも開口部に近くてもよい。このようにして、消耗品が空洞の第1の端部に最初に挿入されると、保持要素はその第1の位置にあり、消耗品が更に空洞内に移動されると、保持要素は第2の位置に移動する。これにより、消耗品を容易に挿入できるとともに、完全に挿入されたときに消耗品をしっかりと保持することが可能になる。或いは、第2の位置が、第1の位置よりも開口部に近くてもよい。
【0016】
好ましくは、側壁はフレア状である。これは、保持要素が第2の位置にあるときに、保持要素と接触する側壁の対向する両側の分離が第1の位置にあるときよりも狭くなるような、フレア状の開口部であってもよい。フレア状の側壁は、マウスピース部分の蒸気出口に向かう方向に、内側にテーパ状であるテーパ状角度を画定し得る。第2の位置における側壁によって画定される狭い分離により、消耗品を圧縮して保持し、第1の位置におけるより広い分離により、消耗品をマウスピースから容易に取り外すことが可能になる。
【0017】
好ましくは、保持要素は、保持要素の少なくとも一部に沿って軸方向に延在する1つ以上のスリットを備え、保持要素の圧縮又は拡張を可能にする。1つ以上のスリットを有することにより、圧縮ギャップを提供することによって、第2の位置にあるときに保持要素を容易に圧縮することが可能になる。これにより、保持要素を剛性材料から作製することができるとともに、拡張及び圧縮することが可能になる。他の実施形態では、保持要素の圧縮は、もはや圧縮されなくなった後に元の形状に戻ることができる、圧縮を可能にする変形可能な材料で作製された保持要素を有することによって達成され得る。保持要素は、可撓性スリーブであってもよい。例えば、保持要素は、プラスチック又はゴム材料であり得る。
【0018】
好ましくは、保持要素は、リング形状である。リング形状を有することは、保持要素が、通常は円筒である消耗品の輪郭に一致し得ることを意味する。リング形状により、保持要素が消耗品の周囲を取り囲み、より安全な保持を提供することを可能にする。
【0019】
スリットにより、保持要素を別個の部分に分離してもよい。このように、保持要素は、2つ以上の別個の部分で構成される。保持要素部分の側壁を圧縮することにより、それらを消耗品上に固定させる。いくつかの実施形態では、保持要素は、別個の部分のそれぞれの全長を延長しない追加のスリットを更に含んでもよく、それによって、より大きな圧縮が達成させることを可能にする。或いは、保持要素は、例えば、医療用ステントと同様の方法で配置された架橋結合ストラットの円筒メッシュの形態をとってもよく、その結果、保持部材の半径方向の圧縮により、保持部材を半径方向内向きに及び軸方向外向きに変形させる。プラスチック又は金属などの弾力性のある材料を使用することにより、半径方向内向きの圧力が除去されると、保持要素は、(例えば、保持要素を第2の位置から第1の位置に移動させることによって)静止状態に戻る傾向があることになる。
【0020】
保持要素は突起を備えてもよく、空洞の側壁は、保持要素が第1の位置と第2の位置との間を移動できるように、突起を受け入れて突起を案内するように構成された少なくとも1つの軸方向溝を備える。溝は、保持部分の回転動作を防ぎながら、突起が上下に移動できるガイドを提供する。これにより、マウスピース内に配置されているときに、消耗品がねじれるのを防ぐ。更に、突起は、側壁が保持要素を圧縮するための圧力を提供できる領域として機能する。
【0021】
好ましくは、溝は、少なくとも第1及び第2の凹部を含み、第1の凹部は、第1の位置にあるときに突起と係合するように構成され、第2の凹部は、第2の位置にあるときに突起と係合するように構成されており、第1の凹部は、第2の凹部よりも半径方向の深さが大きい。突起が、第1の位置にあるときに第1の凹部内に受け入れられて保持されると、第1の凹部は、保持要素がマウスピースから引き出されるのを防ぐ。この状況では、保持要素は圧縮されておらず、消耗品はマウスピースから容易に取り外すことができる。第1の凹部よりも浅い第2の凹部を有することは、消耗品がマウスピース内に押し込まれると、保持部分が第2の位置に移動して、突起が第2の凹部に受け入れられることを意味する。第2の凹部は第1の凹部ほど深くないため、保持要素と側壁との間の空間の減少により保持要素の圧縮を引き起こし、消耗品をしっかりと保持することが可能になる。
【0022】
好ましくは、空洞の側壁は突起を含み、保持要素は、保持要素が第1の位置と第2の位置との間を移動できるように、可変の半径方向の深さを有する軸方向溝を備える。
【0023】
有利にも、空洞の側壁に突起を有することにより、第2の位置にあるときに保持要素が中にある空間の直径を減少する領域を提供し、それによって圧縮を提供する。突起は、単一の突起であってもよく、又は保持部分が第1の位置と第2の位置との間に沿って移動する軸に沿って延在する複数の突起であってもよい。例えば、突起は、保持要素が第1の位置から第2の位置に移動するときに、軸に沿って保持要素に向かって半径方向外向きに連続的に延在してもよく、その結果、保持要素が第1の位置から第2の位置に移動すると加えられる圧縮が増大する。
【0024】
保持要素は、第1の部分及び第2の部分を有する少なくとも1つの凹部を備えてもよく、第1の部分及び第2の部分は、異なる半径方向の深さを有し、それによって、第2の部分は、保持要素が第1の位置にあるときに突起と係合するように構成され、第1の部分は、保持要素が第2の位置にあるときに突起と係合するように構成される。いくつかの例では、第2の部分は、第1の部分よりも半径方向により大きな量だけ延在してもよい。
【0025】
突起が、第1の位置にあるときに第2の部分内に受け入れられて保持されると、第2の部分は、保持要素がマウスピースから引き出されるのを防ぐ。この状況では、保持要素は圧縮されておらず、消耗品はマウスピースから容易に取り外すことができる。第2の部分よりも浅い第1の部分を有することは、
消耗品がマウスピースに押し込まれると、保持部分が第2の位置に移動し、突起がここで第1の部分に配置されることを意味する。第1の部分は第2の部分ほど深くないため、保持要素と側壁との間の分離の減少により保持要素の圧縮を引き起こし、消耗品をしっかりと保持することが可能になる。
【0026】
或いは、第1及び第2の部分は同じサイズであってもよく、異なるサイズの複数の突起があってもよい。
【0027】
好ましくは、空洞の側壁は、軸方向に沿ってテーパ状のプロファイルを有し、それによって第2の位置にあるときに側壁が保持要素を圧縮する。この構成では、保持要素が第1の位置から第2の位置に移動するとき、保持要素の圧縮は段階的である。これは、消耗品がマウスピース内に更に押し込まれるほど、保持要素が消耗品に加える保持力が大きくなることを意味する。
【0028】
保持要素は、消耗品に力が加えられたときに保持要素を第1の位置及び第2の位置に往復移動させて保持するように構成された、軸方向位置決め構成に更に接続されてもよい。加えて、保持機構は、軸方向位置決め構成によって第2の位置に付勢されてもよい。
【0029】
好ましくは、軸方向位置決め構成は、保持要素が取り付けられている軸方向に移動可能なベース、ベースの軸方向の移動を回転変位に変換するように構成されたカム、ベースに対して軸方向にカムを付勢するようにカムに作用するバイアス部材、及びハウジングスリーブの内部表面上に配置されたガイド、を含む。例えば、保持要素は、少なくとも第1の向きと第2の向きとの間で、軸の周りで回転可能なカムに結合されてもよく、その結果、カムが第1の向きにあるときに保持要素がその第1の位置にあり、カムが第2の向きにあるときに保持要素がその第2の位置にある。
【0030】
有利にも、これにより、第1の位置と第2の位置との間の保持要素の移動の制御が可能になる。これにより、消耗品をマウスピース内にクリック挿入、又はマウスピースからクリック取り外しできるクリック機構を提供する。この機構は、格納式ボールペンのクリックアクションの機構と同様であってもよい。
【0031】
更なる態様によれば、上述の態様のマウスピース部分を備える電子タバコが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
ここで、図面を参照しながら、例として、本発明の実施形態を説明する。
図1A】本発明の例示的な実施形態による、電子タバコの概略図である。
図1B】本発明の例示的な実施形態による、電子タバコの概略断面図である。
図1C】本発明の例示的な実施形態による、電子タバコの概略断面図である。
図2A】本発明の第1の例示的な実施形態による、第1の位置での電子タバコのマウスピース、及び消耗品の側面断面図である。
図2B】本発明の第1の例示的な実施形態による、第2の位置での電子タバコのマウスピース、及び消耗品の側面断面図である。
図3A】本発明の第2の例示的な実施形態による、第1の位置での電子タバコのマウスピース、及び消耗品の側面断面図である。
図3B】本発明の第2の例示的な実施形態による、第1の位置での電子タバコのマウスピース、及び消耗品の側面断面図である。
図4A】本発明の第3の例示的な実施形態による、電子タバコのマウスピース、及び消耗品の側面断面図である。
図4B】本発明の第3の例示的な実施形態による、消耗品を備えない電子タバコのマウスピースの更なる側面断面図である。
図4C】消耗品がロック位置にある本発明の第3の例示的な実施形態による、消耗品を備えた電子タバコの斜視図である。
図4D】消耗品がロック解除位置にある本発明の第3の例示的な実施形態による、消耗品を備えた電子タバコの更なる斜視図である。
図5A】本発明の第3の例示的な実施形態による、電子タバコのマウスピース、及び消耗品の更なる断面図である。
図5B】本発明の第3の例示的な実施形態による、電子タバコのマウスピースのガイド、及び消耗品の更なる断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面、特に図1A及び1Bを参照すると、電子タバコ1が示されている。電子タバコ1は、マウスピース部分100と電源部分101とを備える。電子タバコ1は、従来のタバコの代わりとして使用され得る。マウスピース部分100は、消耗品2を受け入れるように構成されたマウスピース103を備える。
【0034】
電子タバコ1は、蒸気を生成するように構成されている。図1B及び図1Cに示すように、本電子タバコ1は、液体気化器又は加熱式タバコタイプの電子タバコ1のいずれかであり得る。したがって、消耗品2は、フレーバ又は物質(ニコチンなど)で蒸気を増強することにより、液体気化器への付属品として使用することができる。通常、フレーバ増強は、フレーバフィルタ2の形態の消耗品2として提供される。液体気化器で使用するための液体カートリッジのハウジングは、いくらか柔軟なハウジングを有し得る。フィルタはまた、フレーバなしで提供することもでき、蒸気からより大きな蒸気の液滴及び突出を除去するように構成することができる。或いは、消耗品2は、プロピレングリコール又はグリセリンなどのエアロゾル形成物質を含み、且つ、加熱されると蒸気を放出するように構成された、すなわち、いわゆる「ヒートスティック」である、タバコロッドであり得る。
【0035】
図1A及び図1Bに示すように、液体気化器は、電源部分101及びマウスピース部分100を備えてもよい。電源部分101は、電源ユニット105を含み、この電源ユニット105は、例えば充電式リチウムバッテリ又は任意の他の好適な電源ユニットであり得る。電源部分101は、手動のユーザ入力又は1つ以上のセンサ109からの自動入力に基づき電子タバコ1の作動を制御するように構成された制御ユニット107を更に備える。制御ユニット107は、加熱器、及び電子タバコ1の作動全体を起動するために、手動入力データ及びセンサデータを受信及び処理するように構成されている。電源部分101は、有利には、少なくとも1つのセンサ109、例えば、ユーザがマウスピース103から吸入すると生じる電子タバコ1を通る空気流を検知するように構成された流量センサ109を備え得る。他の好適なセンサは、温度センサ、及び消耗品2内の液体貯蔵器112の枯渇を検出するように構成されたセンサを含み得る。
【0036】
図1Bに示すように、電子タバコ1は、液体貯蔵器112からの液体を気化させるように構成された気化ユニット111を備え得る。気化ユニット111は、加熱要素113及び流体移送要素115を含む。流体移送要素115は、毛細管現象により、液体を液体貯蔵器112から加熱要素113へ移送するように構成されている。流体移送要素115は、対になった棉又はシリカから作製される芯などの繊維質の又は多孔質の要素とすることができる。或いは、流体移送要素115は、例えば、セラミック材料から作製された多孔質の要素であり得る。加熱要素113は、特定のタイプに制限されるものではなく、水平若しくは垂直コイル又は平らな加熱要素であり得る。更に、気化ユニット111は、熱を使用するものに限定されず、例えば、加熱器の代わりに振動トランスデューサ要素を含んでもよい。マウスピース103は、フレーバ要素2の形態で消耗品2を受け入れるように構成されている。フレーバ要素は、フレーバ剤に浸漬された、又はカプセル化されたフレーバを備えたアセテート又はセルロース構造を有するフレーバフィルタの形態であり得る。したがって、フレーバ要素2は、好ましくは、最大量の蒸気を気化ユニット111から使用者に通過させるために、濾過能力が低減されている。
【0037】
或いは、図1Cに示すように、電子タバコ1は、エアロゾル形成物質に浸漬されたタバコ基質を含む消耗品2を加熱するように構成されてもよい。消耗品2は、タバコ部分及びマウスピースフィルタ部分を含み得る。したがって、電子タバコ1は、マウスピース103の空洞内に配置され、且つ、消耗品2のタバコ部分を約200~450℃の温度に加熱するように構成された加熱器114を備える。消耗品2は、電子タバコ1の加熱器114からの熱にさらされると蒸気を放出する。
【0038】
したがって、電子タバコは、図1Bに示す実施形態の電子タバコと同様に配置され得るが、気化ユニット111の代わりに、固体タバコ材料を加熱するように構成された加熱器114を備える。
【0039】
加熱器114は、ブレード114又はロッドの形態の内部加熱要素を含み得る。しかしながら、本発明の加熱器114は、内部加熱システム114に限定されず、(誘導又はオーブンタイプなどの)外部加熱システムなどの他のタイプの加熱システム114もまた可能である。
【0040】
図2A及び図2Bは、本発明の第1の例示的な実施形態による、電子タバコ1のマウスピース部分100、及び消耗品2の断面図を示している。図2Aは、消耗品が解放位置にあるときの電子タバコ1を示し、図2Bは、消耗品2がクランプ位置にあるときのマウスピースを示している。
【0041】
マウスピース部分100は、内部側壁18を有する空洞12を画定する第1の端部14に開口部を有するハウジングスリーブ10を含む。ハウジングスリーブ10の空洞12内に、保持要素20が配置されている。保持要素20は、消耗品2が受け入れられる空洞12’を画定する内部領域を有する円筒である。保持要素20は、保持要素20の対向する両側に2つのスリット22を備えてもよく、スリット22は、保持要素20の一部を下って延在する。他の実施形態では、保持要素20は、単一のスリット22のみ、又は複数のスリット22を有し得る。スリット22は、保持要素が半径方向に圧縮されることを可能にする。
【0042】
保持要素20は、保持要素20の対向する両側に少なくとも1つの突起24、好ましくは2つの突起24を有する。突起24のそれぞれは、2つのスリット22の間に円周方向に配置されている。
【0043】
空洞の側壁18は、開口部がある空洞14の第1の端部と空洞16の第2の端部との間で軸方向に延在する少なくとも1つの溝26、好ましくは2つの溝26を含む。2つの溝26は、空洞12の互いに対向する両側に配置されている。溝26は、第1の溝部分28a及び第2の溝部分28bを含む。第1の溝部分28aは、第2の溝部分28bよりも空洞の第1の端部14に近い。第1の溝部分28aは、第2の溝部分28bよりも半径方向に大きく深い。
【0044】
図2Aに見られるように、保持要素20が第1の位置にあるとき、保持要素20は、空洞の第1の端部14に最も近い。この位置では、消耗品2は、空洞12内に導入することができ、保持要素20によって受け入れられる。この構成では、消耗品2は、保持要素20によってしっかりと保持されておらず、マウスピース部分100から容易に取り外すことができる。
【0045】
この位置にあるとき、保持要素20の突起24は、保持要素20の内部側壁18の対応する第1の溝部分28aに受け入れられている。第1の溝部分28aの深さは、保持要素20が空洞12に消耗品2をクランプすることなく、突起24が第1の溝部分28a内に快適に収容され得ることを確実にする。
【0046】
図2Bは、保持要素20が第2の位置にあり、空洞の第2の端部16により近いときの、マウスピース部分100を示している。この構成は、消耗品2が空洞12に挿入されるときに、保持要素20を第1の位置から第2の位置に移動させることによって達成される。このようにして、突起24は、側壁18の第1の溝部分28aから移動し、溝26に沿って側壁18の第2の溝部分28b内に移動する。
【0047】
第2の溝部分28bは第1の溝部分28aよりも浅いため、側壁18は、突起24に力を与え、保持要素20を圧縮させる。これにより、空洞12の直径が減少し、この第2の位置にあるときに消耗品2にクランプ効果が与えられる。これは、保持要素20のスリット22によって更に促進され、保持要素20を容易に圧縮することを可能にする。
【0048】
ユーザは、消耗品2が保持要素20によってもはやクランプされておらずデバイスから容易に取り外すことができるように、保持要素20を第2の位置から第1の位置に移動させて、消耗品2を上述のものに対して(空洞12から)反対方向に引っ張ることによって、消耗品2をマウスピース部分100から取り外すことができる。保持部分20は、消耗品2に続いて、第1の位置に戻る。保持要素20と消耗品2との間の摩擦は、保持要素20が消耗品2を解放し得る第1の位置に戻るまで、これらの部品を一緒に維持するのに役立つ。
【0049】
図2A及び図2Bの保持要素は、保持要素20の対向する両側2つの突起24を有することが示されているが、他の実施形態では、保持要素は任意の数の突起24を含み得る。例えば、単一の突起があり得るか、或いは2つよりも大きい複数の突起があり得る。これらの突起は、保持要素20の円周の周りの異なる領域に配置されてもよい。加えて、軸方向に複数の突起が配置されてもよい。
【0050】
図3A及び図3Bは、本発明の第2の例示的な実施形態による、電子タバコ1のマウスピース100、及び消耗品2の断面図を示している。
【0051】
図2A及び図2Bに示す実施形態と同様に、図3A及び図3Bのマウスピース部分100は、マウスピース部分100の一部分を形成するハウジングスリーブ10を有する。ハウジングスリーブ10はまた、その第1の端部14に開口部を含み、内部側壁18を有する空洞12を画定する。ハウジングスリーブ10の空洞12内には、保持要素20が配置されている。保持要素20は、消耗品2が受け入れられる内部領域を有する円形断面形状を有する。図示されていないが、保持要素20は、図2Aのように、保持要素20の対向する両側に2つのスリットを含み得る。
【0052】
図3A及び図3Bに示す実施形態では、突起30は、空洞12’の側壁の少なくとも1つの側に、好ましくは対向する両側のそれぞれに配置されている。保持要素20は、前記溝32内に配置された第1の溝部分32a及び第2の溝部分32bを含む、少なくとも1つの軸方向溝32を有する。第1の溝部分32aは、第2の溝部分32bよりも空洞の第1の端部14に近い。第2の凹部32bは、第1の凹部32aよりも深い。
【0053】
図3Aは、保持要素20が空洞の第1の端部14に最も近い第1の位置にあるときに解放位置にあるマウスピース部分100を示している。この位置では、消耗品2は、空洞12’に導入することができ、保持要素20によって受け入れられる。この構成では、消耗品2は、保持要素20によってしっかりと保持されておらず、マウスピース部分100から容易に取り外すことができる。
【0054】
この位置にあるとき、空洞12の側壁18上の突起30は、保持要素20の側壁18の第2の溝部分32bに受け入れられている。第2の溝部分32bの深さは、保持要素20が空洞12に消耗品2をクランプすることなく、突起30が第2の凹部32b内に快適に収容され得ることを確実にする。
【0055】
図3Bに示すように、消耗品2がマウスピース部分100に更に挿入されると、保持要素20は、空洞12内に更に移動する。保持要素20は、第2の端部16に向かって空洞12内に更に移動し、突起30は、第1の凹部32aに収容される溝に沿って第2の溝部分32bから移動する。そうすることで、第1の凹部32aは第2の溝部分32bよりも浅いため、側壁の突起30は、保持要素20に力を与え、保持要素20を圧縮させる。これにより、空洞12の直径が減少し、この第2の位置にあるときに消耗品2にクランプ効果が与えられる。図2A及び図2Bに関連して説明した実施形態と同様に、クランプ効果は、保持要素20上にスリット22を有することによって更に促進され得て、保持要素20がより容易に圧縮されることを可能にする。次いで、消耗品2を、第1の実施形態に関連して説明したように、取り外すことができる。
【0056】
代替的な実施形態では、マウスピース部分100は、空洞12の側壁の対向する両側のそれぞれに配置され、異なる量だけ半径方向に延在する複数の突起30を有してもよく、それによって、第1又は第2の位置のいずれかにあるときに、両方の突起30が、増強された圧縮を提供するために、凹部32a、32bのそれぞれに配置され得る。加えて、空洞の各側に単一の突起、及び/又は単一の凹部のみが設けられてもよい。
【0057】
図4A図4Cは、本発明の第3の例示的な実施形態による、電子タバコ1のマウスピース部分100、及び消耗品2の断面図を示している。図4Aは、マウスピース部分100の断面の3つの図を示しており、各図は、構成の詳細を示すために連続的に切り取られている。
【0058】
特に図4Aを参照すると、マウスピース部分100は、その第1の端部14に開口部12を有し、且つ、内部側壁18を備えたハウジングスリーブ10を含む。保持要素20は、以前の実施形態と同様に、ハウジングスリーブ10内に配置されている。保持要素20は、内部領域を有し、且つ、消耗品2が受け入れられる空洞12’を画定する円筒形状である。以前の実施形態で述べたように、保持要素20は、スリット22を有してもよく、有しなくてもよい。
【0059】
図4A図4D並びに図5A及び図5Bに見られるように、電子タバコ1は、消耗品2を図4Cに示す解放位置と図4Dに示すクランプ位置との間で移動させるように構成された、軸方向位置決め構成120を更に備える。したがって、図4A図4Dに示す軸方向位置決め構成120は、往復移動機構を介してデバイス内に消耗品2のロックを可能にする。
【0060】
軸方向位置決め構造120は、保持要素20に接続され、且つ、保持要素20が取り付けられている軸方向に移動可能なベース42と、ベース42の軸方向の移動を回転変位に変換するように構成されたカム34と、カム34に作用する付勢部材(バネ)36と、ハウジングスリーブ10の内部表面上に配置されたガイド43と、を含む。ガイド43は、ハウジングスリーブ10に対して静止して配置された、別個の部品であり得る。或いは、ガイド43は、ハウジングスリーブ10と一緒に一体の部品として形成される。
【0061】
カム34は、ギザギザの接続61を介してベース42と係合しており、ガイド43は、第1のガイド面51a及び第2のガイド面51bを備えている。ガイド面51a、51bは、互いに異なる長さ及び異なる形状を有する。第1のガイド面51aは、カム34の傾斜ガイド面44の軸方向の移動を保持及び制限するようにも構成された、第2の静止面52aを更に備える。
【0062】
保持要素20は、消耗品2を受け入れるための空洞12’が形成されるように、ベース42に接続されている。ベース42は、消耗品2がクランプされる位置「クランプ位置」と、消耗品2が解放される位置「解放位置」との間で、軸方向に移動可能である。マウスピース部分10の内部側壁18は、空洞12の直径が第2の端部16におけるよりも第1の端部14に近いほど小さくなるように、その軸に沿って徐々にテーパ状である。これにより、保持部材20が消耗品2を押し付けることが可能になる。
【0063】
したがって、保持機構は、ベース42に加えられた軸方向の力Fに応じて、ベース42をクランプ位置と解放位置との間で移動させる。軸方向の力Fは、消耗品2の露出した先端を押し付けることにより、間接的にベースに加えられ得る。
【0064】
図5Aに最もよく見られるように、ベース42は、カム34の対応する傾斜ガイド面44に動作可能に結合された円形でギザギザの接続面61を有する下端を備える。カム34の傾斜面44は、ギザギザの接続面61に沿ってスライドし、ベース42に対してカムの第1の回転を引き起こす。ベース42は、軸方向に移動可能であるが、ガイド43による回転移動からロックされる。この効果のために、ベース42は、ガイド43の内部表面上の対応するスロット49内に受け入れられた長手方向に突出したガイドレール47を備えてもよい。
【0065】
ガイド43の角度の付いたガイド面51a、51bは、カム34上の傾斜ガイド面44を把持して、追加の回転を引き起こすように構成されている。ガイド43は、電子タバコに対して静止して配置されている(且つ、軸方向にも半径方向にも移動しない)。示されるように、本実施例におけるガイド43の角度の付いたガイド面51a、51bは、複数の歯を表す。歯の数は6つである得るが、必要に応じて増やしても減らしてもよい。例えば、ガイド43は、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の歯を有し得る。
【0066】
カム34は、移動可能ベース42及び保持要素20に対して回転可能である。力Fがベース42に加えられると、カム34は回転し、それによって、カム表面44は、ベース42に対するカム34の角度位置に応じて、第1及び第2のガイド面51a及び51bと交互に接触するようになる。第1及び第2の静止面52a、52bは、ベース42もまた異なる軸方向位置に配置されるように、ガイド43の異なる軸方向位置に配置される。
【0067】
保持要素20は更に、ベース42の対応する凹部41に受け入れられるタブ40を備え得る。これにより、保持要素20とベース42との間に弾力性のある嵌合構成を提供する。
【0068】
ベース42に対するカム34の角度位置に応じて、バネ36は、短い(第1の)長さに圧縮されるか、又は長い(第2の)長さのときには圧縮されない。バネが圧縮されているとき(すなわち、長さが最短になるとき)、傾斜ガイド面44は、第1の静止面52aに隣接しており、且つ、第1の角度位置にロックされている。バネが圧縮されていないとき(すなわち、長さがその最長であるとき)、傾斜ガイド面44は、第2の静止面52bに隣接しており、且つ、第2の角度位置にロックされている。
【0069】
消耗品2が最初に空洞12内に挿入されるとき、ベース42は、第1の位置にある。第1の位置は、第2の位置よりも空洞12内のより深い位置にある。消耗品に力Fを加え、消耗品2を空洞12内に挿入すると、ベース42はカム34に押し付けられる。次に、カム34の構成は、バネ36の付勢に対して、空洞12の第2の端部16に向かってマウスピース部分100内に更に付けられる。
【0070】
この軸方向の移動により、カム34もまた回転するが、他の要素は回転しない。これにより、カム34の角度の付いた表面44がベース42のギザギザの表面に沿ってスライドし、一方、ガイド43のガイド面51a及び51bが追加の回転移動を提供する。これにより、保持要素20及びベース42は、空洞の第1の端部14に向かって上方に移動する。いったん消耗品2をデバイス内に押し込む力が取り除かれると、保持要素20、ベース42、及びカムがこの構成でロックされる。この第2の位置では、保持部分20はここで、消耗品が最初に空洞内に押し込まれたときの第1の構成にあるときよりも、空洞の第1の端部14により近い。
【0071】
保持要素20が空洞14の第1の端部により近い第2の構成の場合、空洞14の第1の端部に向かって内部側壁18がテーパ状になっているため、側壁18は、保持要素20に力を与え、保持要素20を圧縮させる。これにより、空洞12の直径が減少し、この第2の構成であるときに、消耗品2にクランプ効果が与えられる。これにより、消耗品がマウスピース部分100内にロックされる。
【0072】
消耗品2がデバイスから取り外されると、力Fが消耗品2に下向きに加えられ、保持部材20、バレル42、及びカム34を下向きに移動させて、上述したのと同じ方法で、カムの回転を介して、カム34を、その角度の付いた表面44が第2のガイド面51bに対して隣接するその初期構成に戻す。これにより、保持部材20が下に移動し、保持要素に加えられる力を減少させる側壁のより大きな直径のために、消耗品2を保持する保持要素20への圧縮が減少する。これにより、消耗品はもはやロックされなくなるため、マウスピース部分100から取り外すことができる。
【0073】
第1の構成から第2の構成への上述のカム36の回転、すなわち、消耗品が最初にデバイス内に挿入されたときの構成と、それが保持要素によってクランプされたときの構成との間は、30°である。これは、消耗品2が挿入されてから、空になったときに消耗品2がデバイスから解放されるまでの間の、合計60°の回転である。しかしながら、各位置間でのカムの回転が30°ではなく、これは異なる実施形態で変化し得る。例えば、ガイド43の歯38の数に依存し得る。
【0074】
図4のデバイスには示されていないが、図4の電子タバコ1は、パフカウント機構を含んでもよい。パフカウント機構は、消耗品2がデバイスに挿入されている間に、電子タバコのユーザのパフの数をカウントする役割を果たす。
【0075】
消耗品20が空洞12に挿入され、消耗品が図4Dに示すようにクランプ位置にあるとき、パフカウントデバイスは開始され得る。次いで、パフカウント機構は、ユーザが取った各パフを検出して、取られたパフの数を視覚的に表示する準備を整える。次に、図4Cに示すように解放位置に移動することによって消耗品20が取り外されると、パフカウント機構は、解放位置にあるときにユーザのパフがもはや検出されないように、非アクティブ化される。このように、デバイスがクランプされているときにパフ機構をトリガすることにより、消耗品が空洞内で使用するために正しく装着されている場合にのみパフがカウントされることを確実にする。
【0076】
消耗品2がデバイス1にクランプされるたびに、パフカウント機構は、ゼロの値を読み取るようにリセットされ得る。このようにして、ユーザは、その特定の消耗品20に対して何個のパフが取られたかを知ることができる。他の構成では、消耗品20が解放されたとき、パフカウント機構がゼロにリセットされなくてもよい。これは、ユーザが単一の消耗品20を使用するときよりも、長期間にわたってデバイスをどれだけ使用したかを追跡し続けたい場合に有用であり得る。
【0077】
パフカウント機構は、デジタルカウンタであってもよい。或いは、それは、機械式カウンタであってもよい。消耗品20が所定の位置にクランプされるようにデバイス1に挿入されるたびに、パフカウント機構が作動して、ユーザがデバイスを使用して吸入する回数を検出及びカウントする準備を整える。
【0078】
これまで図4に関して上述したが、図1図3に示す実施形態はまた、パフカウント機構を含み得ることが理解できよう。
【0079】
図4に示す実施形態では、空洞12の直径が第2の端部16よりも第1の端部14に近いほど小さくなるように、内部側壁18がそれらの軸に沿って徐々にテーパ状になることが説明されているが、他の実施形態では、空洞の直径が第1の端部よりも空洞の第2の端部に近いほど小さくなるように、内部側壁は徐々にテーパ状になってもよい。この場合、消耗品は、図2及び図3に示す実施形態のように、保持要素20が空洞12内に更に移動すると、保持要素によって保持され得る。
【0080】
上述の実施形態における内部側壁18は単一の側壁であると説明されているが、これは、ハウジングスリーブが円筒形状であるためであることが理解できる。他の実施形態では、ハウジングスリーブは、直方体形状などの他の形状を有してもよく、この場合、側壁は、複数の側壁を有すると見なすことができる。
【0081】
上述の全ての実施形態では、保持要素20及びハウジングスリーブ10は、保持要素20の圧縮を可能にする耐久性のあるプラスチックで作製されている。しかしながら、他の実施形態では、保持要素20は、圧縮を提供して消耗品2を保持するために、ハウジングスリーブの強化された側壁が保持要素20に力を与える可撓性又はゴム材料で作製されてもよい。
【0082】
他の実施形態では、図2Aから明らかに分かるように、保持要素20の途中まで延在するスリット22を有するのではなく、スリットが保持要素20を完全に下まで延在して、それらの間にギャップを有する保持要素20の2つの別個の部分を作成することができる。空洞の側壁18は、保持要素20の別個の部分のそれぞれに力を与え、クランプ効果を引き起こす。保持要素20の別個の部分のそれぞれは、離間して配置され、保持要素の2つの部分間の移動を可能にして、クランプ効果を与える。他の実施形態では、上述のようにギャップによって分離された保持要素の任意の数の別個の部分があり得る。例えば、保持要素20は、3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれ以上の別個の部分20に分離されてもよい。
【0083】
他の実施形態では、保持要素の側壁から提供される圧縮は、フレア状の開口部を有する側壁を有することによって単に提供され得る。この状況では、側壁の対向する両側間の分離は、空洞12の第2の端部16に向かって減少し得る。側壁のこのテーパリングにより、消耗品2が保持要素20内に挿入されたときに、保持要素20が空洞12内に更に移動するにつれて側壁上の圧縮を増大させ、それによって消耗品2をデバイスにクランプする。他の実施形態では、フレア状の開口部が、他の実施形態で説明されているような他の圧縮手段に追加されてもよい。
【0084】
本明細書に説明された消耗品は、フレーバ要素であり得る。これは、アセテートから作製された従来のタバコフィルタと同様のフィルタタイプ要素であってもよい。フィルタはまた、フレーバ又はニコチンを含んでもよく、前述のように液体気化器によって使用することができる。
【0085】
消耗品はまた、加熱用に構成されたタバコロッドであり得る。タバコロッドは、加熱式非燃焼デバイスで使用するための、蒸気を生成する、プロピレングリコール又はグリセリンなどのエアロゾル形成物質に浸漬されたタバコ材料の一部分を含む。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B