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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】交互交差配列物体検出
(51)【国際特許分類】
   G01V 8/20 20060101AFI20240214BHJP
   A63G 31/00 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
G01V8/20 P
A63G31/00
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021529797
(86)(22)【出願日】2019-11-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 US2019061985
(87)【国際公開番号】W WO2020112403
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】62/774,123
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/601,372
(32)【優先日】2019-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【弁理士】
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】リーブス デニス
(72)【発明者】
【氏名】グリーン トレイシー
(72)【発明者】
【氏名】ガーデラス シーザー
(72)【発明者】
【氏名】ヒラパラ コール
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-025052(JP,A)
【文献】特開2000-063100(JP,A)
【文献】特開2011-220763(JP,A)
【文献】特開平01-314991(JP,A)
【文献】特開平10-015250(JP,A)
【文献】米国特許第05149921(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V1/00-99/00
A63G1/00-33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体検出システムであって、
第1のエミッタ及び第1のレシーバを含む、第1の座席の第1のセンサと、
第2のエミッタ及び第2のレシーバを含む、前記第1の座席に隣接する第2の座席の第2のセンサと、
前記第1の座席の前記第1のセンサと前記第2の座席の前記第2のセンサとを保持するブラケットであって、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサは、前記第1のエミッタ及び前記第2のエミッタによって生成された光ビームが角度付き交差構成を形成するように前記ブラケットにより保持される、ブラケットと、
プロセッサと、
を備え
記プロセッサは、
前記光ビームのうちの少なくとも1つが前記第1のレシーバ又は前記第2のレシーバのうちの予定されるレシーバに到達しないかどうかを識別し、
前記光ビームのうちの前記少なくとも1つが前記予定されるレシーバに到達しないかどうかに基づいて、物体が検出された旨又は物体が検出されなかった旨の指示を提供する、
ように構成される、
ことを特徴とする物体検出システム。
【請求項2】
前記第1のセンサ、前記第2のセンサ、又はこれらの両方は光電子センサを含む、
請求項1に記載の物体検出システム。
【請求項3】
前記光電子センサはスルーセンサを含む、
請求項2に記載の物体検出システム。
【請求項4】
前記物体検出システムは、前記第1の座席と前記第2の座席共通の肘掛け内に配置される、
請求項1に記載の物体検出システム。
【請求項5】
前記ブラケットは、前記共通の肘掛け内に配置されるように構成され、座席フレームに取り付けられるように構成された部分を含む、
請求項4に記載の物体検出システム。
【請求項6】
前記ブラケットは、前記第1の座席及び前記第2の座席の何れかの座席の少なくとも1つのエミッタ、少なくとも1つのレシーバ、又はこれらの両方を保持するように構成された空隙を含む、
請求項4に記載の物体検出システム。
【請求項7】
前記第1の座席に隣接する前記第2の座席の少なくとも1つの第2のエミッタ、少なくとも1つの第2のレシーバ、又はこれらの両方を保持するように構成されたさらなる空隙を含む、
請求項6に記載の物体検出システム。
【請求項8】
前記物体検出システムは、前記第1の座席及び前記第2の座席の何れかの座席の底部の約2インチ上方に延びる物体を検出するように構成される、
請求項1に記載の物体検出システム。
【請求項9】
第1の座席の第1のエミッタ、第1のレシーバ、又はこれらの両方を保持し、
前記第1の座席に隣接する第2の座席の第2のエミッタ、第2のレシーバ、又はこれらの両方を保持する、
ように構成された物体検出システムブラケットであって、
前記第1のエミッタ、前記第1のレシーバ、又はこれらの両方、及び前記第2のエミッタ、第2のレシーバ、又はこれらの両方は、前記第1のエミッタ及び前記第2のエミッタによって生成された光ビームが他のエミッタによって供給されたさらなる光ビームと共に角度付き交差構成を形成するように保持される、
ことを特徴とする物体検出システムブラケット。
【請求項10】
座席フレームに取り付けられるように構成された部分を備える、
請求項9に記載の物体検出システムブラケット。
【請求項11】
前記物体検出システムブラケットは、座席の肘掛け内に配置されるように構成される、
請求項9に記載の物体検出システムブラケット。
【請求項12】
物体検出システムを備えた娯楽アトラクション用座席であって、前記物体検出システムは、該物体検出システムのセンサによって生成された光ビームの角度付き交差構成を使用して前記娯楽アトラクション用座席の占有状態を検出するように構成され、
前記娯楽アトラクション用座席は、第1の肘掛け内に配置された第1のブラケットを備え、該第1のブラケットは、前記娯楽アトラクション用座席の前記物体検出システムの前記センサの部分を支持するように構成され、前記第1のブラケットは、前記娯楽アトラクション用座席に隣接する座席の第2の物体検出システムのセンサの部分を支持するように構成される、
ことを特徴とする娯楽アトラクション用座席。
【請求項13】
前記第1のブラケットは、前記第2の物体検出システムのセンサの前記部分を、前記物体検出システムの前記センサの前記部分の位置から歪んだ位置に支持するように構成される、
請求項12に記載の娯楽アトラクション用座席。
【請求項14】
第2の肘掛け内に配置された第2のブラケットを備え、該第2のブラケットは、前記娯楽アトラクション用座席の前記物体検出システムの前記センサの第2の部分を支持するように構成される、
請求項12に記載の娯楽アトラクション用座席。
【請求項15】
前記第2のブラケットは、前記娯楽アトラクション用座席に隣接する座席の第2の物体検出システムのセンサの部分を支持するように構成される、
請求項14に記載の娯楽アトラクション用座席。
【請求項16】
前記第2のブラケットは、前記第1のブラケットの反転バージョンである、
請求項14に記載の娯楽アトラクション用座席。
【請求項17】
前記物体検出システムは、前記娯楽アトラクション用座席の占有状態に基づいて動作を実行するように構成された制御システムに前記占有状態についての指示を提供するように構成されたプロセッサを含む、
請求項12に記載の娯楽アトラクション用座席。
【請求項18】
前記センサは、エミッタ及びレシーバのペアが前記娯楽アトラクション用座席の対向する肘掛け内の異なる水平及び垂直位置に存在するように配置される、
請求項12に記載の娯楽アトラクション用座席。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2018年11月30日に出願された「交互交差配列物体検出(ALTERNATING CROSSED ALIGNMENT OBJECT DETECTION)」という名称の米国仮特許出願第62/774,123号の利益を主張するものであり、この文献はその全体が全ての目的で引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、一般に物体検出に関する。具体的には、本開示のいくつかの実施形態は、物体検出センサの交互配列に関する。
【背景技術】
【0003】
遊園地乗り物はますます洗練され、従来にも増して大幅なスリル及び複雑な設計を提供するようになってきている。さらに、乗り物の安全性は何よりも重要である。残念ながら、徹底的な安全装置は、しばしば乗り物の美観を高める独創的な拘束具の妨げになることがある。
【0004】
本節は、以下で説明及び/又は特許請求する本技術の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介するためのものである。本考察は、読者に背景事情を示して本開示の様々な態様のより良い理解を促す上で役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術を認めるものとしてではなく、上記の観点から読むべきものであると理解されたい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろいくつかの開示する実施形態の概要を示すものにすぎない。実際には、本開示は、以下に示す実施形態と類似し得る又は異なり得る様々な形態を含むことができる。
【0006】
本実施形態は、独創的な拘束具への妨げを最小限に抑える形で物体検出システムを実装できるように、低プロファイルを維持しながら物体検出のための幅広いカバー範囲を提供する物体検出システムに関する。交互するスルービームセンサのペアが交差パターンで配置される。この構成は、センサが湾曲した座席の断面を完全にカバーしながら座席の肘掛けの限られた空間内に装置が完全に収まることを可能にして、従来の物体検出システムを凌ぐ強化された美観及びカバー範囲をもたらす。
【0007】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態による、物体検出システムを備えた座席列の概略図である。
図2A】本開示の実施形態による、図1の座席列の個々の座席の概略図である。
図2B】本開示の実施形態による、図1の座席列の個々の座席の概略図である。
図3】本開示の実施形態による、座席内の物体検出システムを支持するために使用される座席ブラケットの斜視図である。
図4】本開示の実施形態による、物体検出システムが設置された座席の斜視図である。
図5A】本開示の実施形態による物体検出システムのカバー範囲を示す試作品画像である。
図5B】本開示の実施形態による物体検出システムのカバー範囲を示す試作品画像である。
図5C】本開示の実施形態による物体検出システムのカバー範囲を示す試作品画像である。
図5D】本開示の実施形態による物体検出システムのカバー範囲を示す試作品画像である。
図5E】本開示の実施形態による物体検出システムのカバー範囲を示す試作品画像である。
図5F】本開示の実施形態による物体検出システムのカバー範囲を示す試作品画像である。
図5G】本開示の実施形態による物体検出システムのカバー範囲を示す試作品画像である。
図6】本開示の実施形態による、物体検出システムからの出力に基づく乗り物制御プロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本開示の実施形態による物体検出システム104A~Gが設置された座席102A~Gの列100の概略的見下ろし図(schematic top-down view)である。図示のように、物体検出システム104A~Gの各々は、座席102A~Gの肘掛け106内に設置される。物体検出システム104A~Gは、それぞれ座席の占有状態を検出するために使用されるセンサを含む。以下でさらに詳細に説明するように、このような占有情報は、アトラクションの安全機能を実装するのに、及び/又は占有状態に基づいて特定の座席に的を絞ったアトラクション機能を提供するのに役立つことができる。
【0010】
この構成では、センサが光電子センサを含む。具体的には、エミッタ及びレシーバのペアから成るスルービームセンサ配列を使用して座席内の物体の存在を発見する。これを行うために、2つのエミッタ(E)及び2つのレシーバ(R)から成るセンサ構成を使用して、物体検出を行うべき関連する座席領域をカバーする。エミッタは、光ビーム108が座席102A~Gの各々を横切る交差構成110でレシーバから供給されるように向けられる。また、後続の図に示すように、この交差構成は、ビームが座席底部と平行にならないように角度を付けられる。これにより、センサが座席の広い範囲をカバーすることができる。
【0011】
スルービームセンサでは、レシーバがエミッタの見通し線内に存在する。光ビーム108のうちの1つ又は2つ以上がレシーバに到達するのを遮られると、物体が検出される。具体的に言えば、物体の存在時には、この物体がエミッタとレシーバとの間で光ビームに交わる。光ビーム108の交差構成を使用することにより、光ビームがより広い範囲をカバーして、物体が光ビーム108に交わることができる範囲を増やすことができる。従って、このような構成を使用すると、異なる構成で配置されたスルーセンサを介して物体検出をより正確なものにすることができる。
【0012】
図2A図2Bは、本開示の実施形態による、図1の座席列100の個々の座席200A及び200Bの概略図である。図示のように、これらの座席200A及び200Bのエミッタ及びレシーバの位置は、互いに比較するとわずかに歪んでいる。例えば、座席200Aでは、エミッタが地点11及び12に示され、レシーバが地点71及び72に示されている。一方で、列100内の隣接する座席200Bでは、エミッタが地点21及び22に示され、レシーバが地点81及び82に示されている。従って、座席200Bのエミッタ及びレシーバは、座席200Aのエミッタ及びレシーバに比べてわずかに前進している。以下でさらに詳細に説明するように、これは肘掛けが比較的狭い(さらに、例えば2つの隣接する座席の複数のエミッタ及び/又はレシーバを共通の位置に支持できない)にもかかわらず、隣接する座席のエミッタ及びレシーバを共通の肘掛け(例えば、肘掛け202)内に配置できるようにするためである。
【0013】
また、やはり理解できるように、各レシーバ及びその対応するエミッタは異なる水平及び垂直位置に存在して、上述したような角度付き交差構成(angled cross formation)110をもたらしている。角度付き交差構成110は、より大きな光ビームを生成する(従って物体が光ビームに交わることができるエミッタとレシーバとの間の領域を広げる)ことによってスルーセンサのカバー範囲を拡大させる。このことは、占有者の位置が沈み込むことによってより幅広い検出範囲が必要となることがある湾曲した座席面を有する座席で特に有用となり得る。
【0014】
エミッタ及びレシーバの位置付けは、座席毎に交互にすることができる。例えば、座席3は、座席1のものと同様のセンサ位置を有することができる。座席4は、座席2と同様のセンサ位置を有することができる。交互するセンサ位置を使用することにより、エミッタ及び/又はレシーバを隣接する椅子のために共通の狭い肘掛け内で支持することができる。さらに、特定の座席の対向する肘掛け内に2つのエミッタを示しており、結果としてこの特定の座席の対向する肘掛け内に2つのレシーバが存在するが、重要なこととして両エミッタが1つの肘掛け内に存在し、両レシーバが対向する肘掛け内に存在することもできる。
【0015】
図3は、本開示の実施形態による、座席内で物体検出システムを支持するために使用される座席ブラケット300の斜視図である。ブラケット300は、ブラケット300を座席フレームに取り付けるための部分302を含む。さらに、ブラケット300の幅にわたって空隙304が広がり、ブラケット300のいずれかの側に配向できるエミッタを保持するようにサイズ決めされる。これにより、ブラケット300が2つの隣接する座席のエミッタを支持できるようになる。ブラケット300の幅にわたって空隙306も広がり、ブラケット300のいずれかの側に配向できるレシーバを保持するようにサイズ決めされる。これにより、ブラケット300が2つの隣接する座席のレシーバを支持できるようになる。
【0016】
図4は、本開示の実施形態による、物体検出システムが設置された座席400の斜視図である。図示のように、座席400は、ブラケット300と、ブラケット300の反転(mirror)である対向するブラケット300’とを含む。部分302は、座席フレーム402に対するブラケット300及び300’の取り付けを容易にする。上述したように、空隙304は、空隙306内に保持されたレシーバに光ビームを放出するエミッタを保持する。理解できるように、エミッタ及びその対応するレシーバは異なる水平及び垂直位置に配置され、これによって座席の座席面領域の大部分に及ぶ角度付き交差構成110をもたらす。さらに、隣接する座席のエミッタ及び/又はレシーバを保持するために空隙404が使用される(例えば、ブラケット300の空隙404は左側の隣接する椅子のエミッタ及び/又はレシーバを保持し、ブラケット300’の空隙404は右側の隣接する椅子のエミッタ及び/又はレシーバを保持する)。
【0017】
図5A図5Gは、本開示の実施形態による物体検出システムのカバー範囲を示す試作品画像である。実証のために、座席肘掛け内に保持されたエミッタによって生成される光ビームを示すために白色ロープを使用する。図5Aに示すように、肘掛けカバー500がブラケット及びセンサを覆って、センサを保護するとともに改善された美観を座席に提供する。図示のように、たとえ(例えば、座席底部から2インチの高さの)非常に小さな座席占有者であっても、角度付き交差構成のスルーセンサを使用することによって検出されるようになる。換言すれば、この実証例では、非常に足の細い(例えば、2インチ直径の)占有者でも光ビームの角度付き交差構成を遮断して、座席内の物体が検出されるようになる。図5Bは、座席底部、及び座席底部から2インチの高さの物体の拡大図である。物体は光ビーム108を遮り、これによって座席内の占有者が検出されるようになる。図5Cには、上から見た同じ例を示す。図5Dには、座席内の2インチ直径の模擬占有者を示す。図5E図5Gは、角度付き交差構成のスルーセンサ光ビームのカバー範囲を示す別の俯瞰図である。
【0018】
図6は、本開示の実施形態による、物体検出システムからの出力に基づいて制御システムによって実行される乗り物制御プロセス600を示すフローチャートである。プロセス600は、物体検出システムからの出力を受け取ることによって開始する(ブロック602)。この出力は、娯楽アトラクション内の特定の座席の検出された占有状態を示す。例えば、この出力は、座席1が占有されている(例えば、座席1において物体が検出された)旨の、或いは座席1が占有されていない(例えば、座席1において物体が検出されなかった)旨の指示とすることができる。この出力は、物体検出システムによって生成された光ビームのうちの少なくとも1つが予定のレシーバに到達しなかったかどうかに基づいて出力を生成する物体検出システムのプロセッサによって提供することができる。このような場合、この出力は、物体が検出された(例えば、座席が占有されている)ことを示すことができる。
【0019】
判定ブロック604において、物体が検出されたことを出力が示す場合、占有座席において任意の的を絞った機能をトリガすることができる(ブロック606)。例えば、1又は2以上の占有座席にビデオ又はその他のグラフィカルコンテンツを提示する一方で、未占有座席にはこれらの機能を提供しないことができる。別の例として、占有状態が検出された場合、その占有座席のシートベルトが締められているかどうかについての指示をシートベルトセンサにポーリングすることによって自動シートベルトチェックを実行することができる。このようなチェックを占有座席のみに限定することにより、ゲストがシートベルトを装着しているかどうかをより良く理解できる一方で、未占有座席のシートベルトが締められていない指示を削減することができる。
【0020】
判定ブロック608において物体が検出されない(例えば、座席占有状態が検出されない)場合には、物体が予定されていた(例えば、占有状態が予定されていた)かどうかについて判定が行われる。この判定は、時間的占有データを調べてアトラクションの現在の稼働中に予め占有状態が検出されていたかどうかを確認することによって行うことができる。検出されていた場合、アトラクションの個々の稼動中に占有状態が変化するはずはないので、このことは座席内にゲストが存在するはずであることを示すことができる。換言すれば、いくつかの実施形態では、娯楽アトラクション体験の最初と最後の間に占有状態が変化するはずがない。このような占有状態変化が発生した(例えば、物体が予定されているにもかかわらず検出されない)場合には、安全防護措置を実施することができる(ブロック612)。例えば、不一致が解決するまでアトラクションを停止することができる。一方で、不一致が存在しない(例えば、物体が検出されなかったが予定もされていない)場合には、通常のアトラクション動作を維持することができる(ブロック610)。
【0021】
プロセス600は、本明細書で説明した物体検出システムをどのように使用できるかについての一例にすぎない。このプロセス600の説明は、物体検出システムの使用法の範囲を限定するように意図するものではない。実際に、座席に関する占有状態検出の使用法は他にも多く存在することができる。
【0022】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6