(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】ディープトレンチ絶縁及びトレンチコンデンサを備える半導体デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 21/76 20060101AFI20240214BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20240214BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20240214BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240214BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20240214BHJP
H01L 21/265 20060101ALI20240214BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20240214BHJP
H01L 27/06 20060101ALI20240214BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
H01L21/76 L
H01L27/04 C
H01L29/78 626C
H01L29/78 621
H01L21/265 R
H01L21/265 V
H01L27/06 102A
H01L27/088 D
(21)【出願番号】P 2021537946
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(86)【国際出願番号】 US2019066918
(87)【国際公開番号】W WO2020139631
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-12-10
(32)【優先日】2018-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(73)【特許権者】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ合同会社
(72)【発明者】
【氏名】ビンホワ フー
(72)【発明者】
【氏名】アレクセイ サドブニコフ
(72)【発明者】
【氏名】アッバス アリ
(72)【発明者】
【氏名】ヤンビャオ パン
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ヘルツァー
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0319604(US,A1)
【文献】特表2018-503976(JP,A)
【文献】特開2008-140824(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0247996(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0053765(US,A1)
【文献】特開平04-209551(JP,A)
【文献】特表2007-522650(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0130869(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/76
H01L 21/822
H01L 21/336
H01L 21/265
H01L 21/8234
H01L 27/04
H01L 27/06
H01L 27/088
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
半導体構造であって、
第1の導電型の多数キャリアドーパントを含む半導体表面層と、
第2の導電型の多数キャリアドーパントを含む埋込み層とを含む、前記半導体構造、
前記半導体表面層の上に延在するメタライゼーション構造、及び
絶縁構造、
を含み、
前記絶縁構造が、
前記半導体構造を介して前記埋込み層まで延在する第1のトレンチと、
前記半導体表面層から前記埋込み層まで前記第1のトレンチの側壁に沿って延在する第1の誘電体ライナと、
前記第1の導電型の多数キャリアドーパントを含む第1のポリシリコンであって、前記第1の誘電体ライナの内部を延在し、前記第1のトレンチを前記半導体表面層の頂部側まで充填する前記第1のポリシリコンと、
前記第2の導電型の多数キャリアドーパントを含む第1の深ドープ領域であって、前記第1のトレンチを囲み、前記半導体表面層から前記埋込み層まで延在する前記第1の深ドープ領域と、
前記第1のポリシリコンを前記第1の深ドープ領域に接続する前記メタライゼーション構造の第1の導電性特徴と、
を含む、
半導体デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、
コンデンサをさらに含み、
前記コンデンサが、
前記半導体構造を介して前記埋込み層まで延在する第2のトレンチと、
前記半導体表面層から前記埋込み層まで前記第2のトレンチの側壁に沿って延在する第2の誘電体ライナと、
前記第1の導電型の多数キャリアドーパントを含む第2のポリシリコンであって、前記第2の誘電体ライナの内部を延在し、前記第2のトレンチを前記半導体表面層の頂部側まで充填する前記第2のポリシリコンと、
前記第2の導電型の多数キャリアドーパントを含む第2の深ドープ領域であって、前記第2のトレンチを囲み、前記半導体表面層から前記埋込み層まで延在する第2の深ドープ領域と、
第1のコンデンサプレートを形成するために前記第2のポリシリコンに接続されるメタライゼーション構造の第2の導電性特徴と、
第2のコンデンサプレートを形成するために前記第2の深ドープ領域に接続される前記メタライゼーション構造のさらなる導電性特徴と、
を含む、
半導体デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体デバイスであって、前記第1のトレンチが第1の深さを有し、前記第2のトレンチが第2の深さを有し、前記第1の深さが前記第2の深さよりも大きい、半導体デバイス。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体デバイスであって、前記第1のトレンチが第1の幅を有し、前記第2のトレンチが第2の幅を有し、前記第1の幅が前記第2の幅よりも大きい、半導体デバイス。
【請求項5】
請求項2に記載の半導体デバイスであって、前記第1のトレンチが第1の幅を有し、前記第2のトレンチが第2の幅を有し、前記第1の幅が前記第2の幅よりも大きい、半導体デバイス。
【請求項6】
請求項2に記載の半導体デバイスであって、
前記第1の誘電体ライナが、
前記半導体表面層から前記埋込み層まで前記第1のトレンチの前記側壁に沿って延在する第1の酸化物層、
前記半導体表面層から前記埋込み層まで前記第1の酸化物層に沿って延在する窒化物層、及び
前記半導体表面層から前記埋込み層まで前記窒化物層に沿って延びる第2の酸化物層、
を含み、
前記第2の誘電体ライナが、
前記半導体表面層から前記埋込み層まで前記第2のトレンチの前記側壁に沿って延在する第3の酸化物層、
前記半導体表面層から前記埋込み層まで前記第3の酸化物層に沿って延在する第2の窒化物層、及び
前記半導体表面層から前記埋込み層まで前記第2の窒化物層に沿って延在する第4の酸化物層、
を含む、
半導体デバイス。
【請求項7】
請求項2に記載の半導体デバイスであって、前記コンデンサが、
前記半導体構造を介して前記埋込み層まで延在する複数の第2のトレンチであって、前記複数の第2のトレンチの各々が、前記第2の深ドープ領域によって囲まれ、前記半導体表面層から前記埋込み層までの前記第2のトレンチの側壁に沿って延在する対応する第2の誘電体ライナを含む、前記複数の第2のトレンチ、及び
前記第1の導電型の多数キャリアドーパントを含む対応する第2のポリシリコンであって、前記第2の誘電体ライナの内部に延在し、前記第2のトレンチを前記半導体表面層の前記頂部側まで充填する、前記第2のポリシリコン、
を含む、半導体デバイス。
【請求項8】
請求項7に記載の半導体デバイスであって、前記コンデンサが、前記第2の導電型の多数キャリアドーパントを有する浅い注入領域であって、前記第2の深ドープ領域内の前記複数の第2のトレンチ間の前記半導体表面層において延在する、前記浅い注入領域をさらに含む、半導体デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記第1の誘電体ライナが、
前記半導体表面層から前記埋込み層まで前記第1のトレンチの前記側壁に沿って延在する第1の酸化物層、
前記半導体表面層から前記埋込み層まで前記第1の酸化物層に沿って延在する窒化物層、及び
前記半導体表面層から前記埋込み層まで前記窒化物層に沿って延在する第2の酸化物層、
を含む、半導体デバイス。
【請求項10】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記第2の導電型の多数キャリアドーパントを有する浅い注入領域であって、前記第1の深ドープ領域内の前記第1のトレンチの側部に沿って前記半導体表面層において延在する、前記浅い注入領域をさらに含む、半導体デバイス。
【請求項11】
半導体デバイスにおいて絶縁構造を作製する方法であって、
半導体構造内にトレンチを形成することであって、前記トレンチが、第1の導電型の多数キャリアドーパントを含む半導体表面層を介して、第2の導電型の多数キャリアドーパントを含む埋込み層まで延在する、前記トレンチを形成すること、
前記第2の導電型の多数キャリアドーパントを前記トレンチに注入して、前記トレンチを囲み前記半導体表面層から前記埋込み層まで延在する深ドープ領域を形成する、注入プロセスを実施すること、
前記トレンチの側壁上に誘電体ライナを堆積させる堆積プロセスを実施すること、
ポリシリコンを堆積させて前記トレンチを充填する堆積プロセスを実施すること、及び
前記半導体表面層の上を延在するメタライゼーション構造の導電性特徴を形成することであって、前記導電性特徴が前記ポリシリコンを前記深ドープ領域に接続して絶縁構造を形成する、前記導電性特徴を形成すること、
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記誘電体ライナを堆積させる前記堆積プロセスを実施することが、
前記トレンチの前記側壁上に第1の酸化物層を堆積させる第1の堆積プロセスを実施すること、
前記第1の酸化物層上に窒化物層を堆積させる第2の堆積プロセスを実施すること、及び
前記窒化物層上に第2の酸化物層を堆積させる第3の堆積プロセスを実施すること、
を含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記第2の導電型の多数キャリアドーパントを前記半導体表面層に注入して、前記深ドープ領域内の前記トレンチの側部に沿って延在する浅い注入領域を形成する注入プロセスを実施すること、をさらに含む方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、前記第2の導電型の多数キャリアドーパントを前記半導体表面層に注入して、前記深ドープ領域内の前記トレンチの側部に沿って延在する浅い注入領域を形成する注入プロセスを実施すること、をさらに含む方法。
【請求項15】
半導体デバイスを作製する方法であって、
半導体構造の頂部表面にレジスト層を形成することであって、前記半導体構造が第1の導電型の多数キャリアドーパントを有する半導体表面層と、第2の導電型の多数キャリアドーパントを有する埋込み層とを含み、前記レジスト層が第1の開口及び第2の開口を含む、前記レジスト層を形成すること、
前記第1の開口を介してエッチングして前記半導体表面層を介して前記埋込み層まで延在する第1のトレンチを形成し、前記第2の開口を介してエッチングして前記半導体表面層を介して前記埋込み層まで延在する第2のトレンチを形成する、エッチングプロセスを実施すること、
前記第2の導電型の多数キャリアドーパントを前記第1の開口を介して注入して、前記第1のトレンチを囲み前記半導体表面層から前記埋込み層まで延在する第1の深ドープ領域を形成し、前記第2の導電型の多数キャリアドーパントを前記第2の開口を介して注入して、前記第2のトレンチを囲み前記半導体表面層から前記埋込み層まで延在する第2の深ドープ領域を形成する、注入プロセスを実施すること、
前記第1のトレンチの側壁上に前記第1の開口を介して第1の誘電体ライナを堆積させ、前記第2のトレンチの側壁上に前記第2の開口を介して第2の誘電体ライナを堆積させる、堆積プロセスを実施すること、
前記第1の開口を介して第1のポリシリコンを堆積させて前記第1のトレンチを充填し、前記第2の開口を介して第2のポリシリコンを堆積させて前記第2のトレンチを充填する、別の堆積プロセスを実施すること、及び
前記半導体表面層の上を延在するメタライゼーション構造の第1の導電性特徴を形成することであって、前記第1の導電性特徴が前記第1のポリシリコンを前記第1の深ドープ領域に接続して絶縁構造を形成する、前記第1の導電性特徴を形成すること、
前記メタライゼーション構造の第2の導電性特徴を形成することであって、前記第2の導電性特徴が前記第2のポリシリコンに接続して第1のコンデンサプレートを形成する、前記第2の導電性特徴を形成すること、及び
前記メタライゼーション構造のさらなる導電性特徴を形成することであって、前記さらなる導電性特徴が前記第2の深ドープ領域に接続して第2のコンデンサプレートを形成する、前記さらなる導電性特徴を形成すること、
を含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記第1及び第2の誘電体ライナを堆積させる前記堆積プロセスを実施することが、
前記第1及び第2のトレンチの前記側壁上に前記第1及び第2の開口を介して第1の酸化物層を堆積させる第1の堆積プロセスを実施すること、
前記第1の酸化物層上に前記第1及び第2の開口を介して窒化物層を堆積させる第2の堆積プロセスを実施すること、及び
前記窒化物層上に前記第1及び第2の開口を介して第2の酸化物層を堆積させる第3の堆積プロセスを実施すること、
を含む、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、前記レジスト層を形成することが、前記第1の開口を第1の幅でパターニングすること、及び前記第2の開口を第2の幅でパターン化することを含み、前記第1の幅が前記第2の幅よりも大きい、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、前記第1のトレンチが第1の深さを有し、前記第2のトレンチが第2の深さを有し、前記第1の深さが前記第2の深さよりも大きい、方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法であって、前記第1のトレンチが第1の深さを有し、前記第2のトレンチが第2の深さを有し、前記第1の深さが前記第2の深さよりも大きい、方法。
【請求項20】
請求項15に記載の方法であって、前記第2の導電型の多数キャリアドーパントを前記半導体表面層に注入して、前記深ドープ領域内の前記第1のトレンチの側部に沿って延在する浅い注入領域を形成する注入プロセスを実施することをさらに含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、絶縁構造及びコンデンサを備えた半導体デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
絶縁構造は、集積回路において、一つ又は複数のトランジスタ或いは他の回路構成要素に電気的に絶縁された能動領域を提供し、単一IC上で異なる電源ドメイン(例えば、高電圧回路及び低電圧回路)の使用を可能にするために用いられる。ディープトレンチ絶縁は絶縁構造の一形態である。ディープトレンチは、集積回路のトレンチコンデンサを形成するためにも使用される。半導体デバイスの作製プロセスの中には、トレンチ絶縁及びトレンチコンデンサを別々に製造するものがあり、そのため、別々のマスキング及び他のプロセス工程が必要となり、コスト及びプロセスの複雑さが増大する。
【発明の概要】
【0003】
この概要は、下記でさらに図示及び説明される概念を紹介するものであり、特許請求される主題の範囲を限定するものではない。説明される態様は、半導体デバイス及びその作製方法を含む。例示の半導体デバイスが絶縁構造およびトレンチコンデンサを含み、絶縁構造およびトレンチコンデンサは、対応する第1及び第2のトレンチをエッチングするための単一レジストマスクを用いて形成される。一例において、トレンチは、トレンチ側壁上に形成される誘電体ライナを含み、ポリシリコンで充填される。深ドープ領域がトレンチの周りを延在する。一例において、トレンチ及び深ドープ領域は、半導体構造の半導体表面層から埋込み層まで延在する。メタライゼーション構造の導電性特徴が、絶縁トレンチのポリシリコンを深ドープ領域に接続して絶縁構造を形成する。メタライゼーション構造の第2の導電性特徴が、コンデンサトレンチのポリシリコンに接続して第1のコンデンサプレートを形成し、メタライゼーション構造のさらなる導電性特徴が、コンデンサトレンチの周りの深ドープ領域に接続されて第2のコンデンサプレートを形成する。一例において、絶縁トレンチ幅はコンデンサトレンチ幅とは異なる。一例において、絶縁トレンチ及びコンデンサトレンチは異なる深さを有する。一例において、トレンチは、酸化物‐窒化物‐酸化物(ONO)サブ層などの多層誘電体ライナを含む。一例において、コンデンサは、第2の深ドープ領域に囲まれ、対応する誘電体側壁ライナ及びポリシリコン充填物を個々に含む複数のトレンチを含む。ある例において、トレンチポリシリコンはドープされる。一例は、深ドープ領域内の絶縁トレンチの側部に沿って半導体表面層内を延在する浅い注入領域も含む。
【0004】
半導体デバイスに絶縁構造を作製するための方法を説明する。例示の方法は、半導体構造にトレンチを形成すること、トレンチを囲む深ドープ領域を形成すること、トレンチの側壁上に誘電体を形成すること、トレンチをポリシリコンで充填すること、及びメタライゼーション構造の導電性特徴を形成することであって、導電性特徴がポリシリコンを深ドープ領域に接続して絶縁構造を形成することを含む。一例において、トレンチの側壁上に第1の酸化物層を堆積させ、第1の酸化物層上に窒化物層を堆積させ、窒化物層上に第2の酸化物層を堆積させることによって、誘電体が多層誘電体ライナとして形成される。一例において、この方法は、深ドープ領域内のトレンチの側部に沿って浅い注入領域を形成することをさらに含む。
【0005】
説明される半導体デバイスの作製方法は、半導体構造の頂部表面上に第1の開口及び第2の開口を有するレジスト層を形成すること、第1のトレンチを形成するため第1の開口を介してエッチングし、第2のトレンチを形成するため第2の開口を介してエッチングすること、第1のトレンチを囲む第1の深ドープ領域を形成するため第1の開口を介してドーパントを注入し、第2のトレンチを囲む第2の深ドープ領域を形成するため第2の開口を介してドーパントを注入することを含む。この方法は更に、第1の開口及び第2の開口を介して第1の誘電体ライナを堆積させること、及び、トレンチを充填するため第1及び第2の開口を介してポリシリコンを堆積させることを含む。この方法は更に、メタライゼーション構造の第1の導電性特徴を形成することであって、第1の導電性特徴が第1のポリシリコンを第1の深ドープ領域に接続して絶縁構造を形成する、第1の導電性特徴を形成すること、メタライゼーション構造の第2の導電性特徴を形成することであって、第2の導電性特徴が第2のポリシリコンに接続して第1のコンデンサプレートを形成する、第2の導電性特徴を形成すること、及びメタライゼーション構造のさらなる導電性特徴を形成することであって、さらなる導電性特徴が第2の深ドープ領域に接続して第2のコンデンサプレートを形成する、さらなる導電性特徴を形成することを含む。一例において、レジスト層の形成は、第1の開口を第1の幅でパターニングすること、及び第2の開口をより小さな第2の幅でパターニングすることを含む。この例において、第1のトレンチは第2のトレンチよりも深い。一例において、誘電体ライナは、トレンチの側壁上に第1の酸化物層を堆積させ、第1の酸化物層上に窒化物層を堆積させ、窒化物層上に第2の酸化物層を堆積させる(又は窒化物上に酸化物を成長させて酸窒化物を形成する)堆積プロセスをマスク開口を介して実施することによって、多層構造として形成される。一例において、この方法は更に、ONO堆積の前に、深ドープ領域内のトレンチの側部に沿って浅い注入領域を形成することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】ディープトレンチ絶縁構造及びトレンチコンデンサを含む集積回路半導体デバイスの部分断面側面図である。
【0007】
【
図2】
図1の半導体デバイスの一部の上面図である。
【0008】
【
図3】半導体デバイスを製作するため及び半導体デバイスの絶縁構造を製作するための方法を示すフローチャートである。
【0009】
【
図4】
図3の方法に従った作製の様々な段階における
図1及び
図2の集積回路の部分断面側面図である。
【
図5】
図3の方法に従った作製の様々な段階における
図1及び
図2の集積回路の部分断面側面図である。
【
図6】
図3の方法に従った作製の様々な段階における
図1及び
図2の集積回路の部分断面側面図である。
【
図7】
図3の方法に従った作製の様々な段階における
図1及び
図2の集積回路の部分断面側面図である。
【
図8】
図3の方法に従った作製の様々な段階における
図1及び
図2の集積回路の部分断面側面図である。
【
図9】
図3の方法に従った作製の様々な段階における
図1及び
図2の集積回路の部分断面側面図である。
【
図10】
図3の方法に従った作製の様々な段階における
図1及び
図2の集積回路の部分断面側面図である。
【
図11】
図3の方法に従った作製の様々な段階における
図1及び
図2の集積回路の部分断面側面図である。
【
図12】
図3の方法に従った作製の様々な段階における
図1及び
図2の集積回路の部分断面側面図である。
【
図13】
図3の方法に従った作製の様々な段階における
図1及び
図2の集積回路の部分断面側面図である。
【
図14】
図3の方法に従った作製の様々な段階における
図1及び
図2の集積回路の部分断面側面図である。
【
図15】
図3の方法に従った作製の様々な段階における
図1及び
図2の集積回路の部分断面側面図である。
【
図16】
図3の方法に従った作製の様々な段階における
図1及び
図2の集積回路の部分断面側面図である。
【
図17】
図3の方法に従った作製の様々な段階における
図1及び
図2の集積回路の部分断面側面図である。
【
図18】
図3の方法に従った作製の様々な段階における
図1及び
図2の集積回路の部分断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面において、同様の参照数字は一貫して同様の要素を指し、様々な特徴は必ずしも一定の縮尺で描かれているとは限らない。下記の説明及び特許請求の範囲において、「含む」、「有する」、「備える」という用語又はこれらの変形は、「含む」という用語と同様に包括的であり、「含むが、~に限定されるものではない」ことを意味する。また、「結合する」という用語は、間接的又は直接的な電気又は機械接続或いはその組合せを含む。例えば、第1のデバイスが第2のデバイスと結合する又は結合される場合、この接続は、直接電気接続、又は一つ又は複数の介在するデバイス及び接続を介した間接電気接続によるものとし得る。本例の様々な特徴は、複数の電子構成要素を有する集積回路並びに単一構成要素半導体デバイス(例えば、単一トランジスタ製品、単一ダイオード製品など)を含むがこれらに限定されない、様々な異なる半導体デバイスに関連して用いられ得る。
【0011】
例示のデバイス及び作製方法は、作製時間及びコストを節約するために共用レジストマスクを用いて作製されるトレンチ絶縁及び高密度トレンチコンデンサの両方についてプロセス統合を提供する。幾つかの例において、トレンチはエッチングされ、トレンチを囲む深ドープ領域に注入が行われ、コンデンサトレンチのための開口及び絶縁構造トレンチのためのより広い開口を備えてパターン化される、厚いフォトレジスト及びハードマスクを用いてトレンチにライナが施され、充填される。説明される例は、コンデンサトレンチ構造のための第1及び第2のコンデンサプレート、並びに絶縁トレンチ構造のための接続されたポリシリコン及び深ドープ領域を提供するためのメタライゼーションレイアウト構造を提供する。説明される例は、一つのマスクを用い、ディープトレンチ側壁上への自己整合深ドープ領域注入を用いて絶縁(たとえば、ディープn領域)-絶縁間隔を狭くすることにより、ディープトレンチ絶縁特徴並びに高密度トレンチコンデンサの形成を容易にする。
【0012】
図1及び
図2は、2つの金属酸化物半導体(MOS)トランジスタ101を含む、例示の集積回路半導体デバイス100を示す。幾つかの例において、単一トランジスタを有するスタンドアロンのディスクリートトランジスタ半導体デバイスも含まれ得る。
図1のトランジスタ101は、単一のゲート、ソース、及びドレインフィンガ構造を有する。他の実装において、トランジスタは、ソースを中心とする構成、ドレインを中心とする構成など、中央フィンガを囲む複数のフィンガ構造を用いて構築され得る。本説明におけるディープトレンチ絶縁及びトレンチコンデンサの概念は、例えば、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタなどの、任意のタイプ又は形態のトランジスタと組み合わせて実装され得る。また、本説明の様々な態様が、ドレイン拡張MOSトランジスタ(図示せず)と組み合わせて用いられ得る。説明される例には、pドープ及び/又はnドープ領域又は部分として特徴付けられ得る様々な半導体構造のドープ領域が含まれ、n型ドーパント又はp型ドーパントなどの特定のタイプの多数キャリアドーパントを有する領域が含まれる。
【0013】
トランジスタ101は、半導体基板102上及び/又は半導体基板102内に作製される。一例における半導体基板102は、シリコンウェハ、シリコンオンインシュレータ(SOI)基板、又は他の半導体構造である。一例において、基板102は、第1の(例えば、頂部)側103、その中に形成される様々な埋込み層104、106、及び第2の(例えば、底部)側105を備える、pドープシリコン基板又はウェハである。別の可能な実装において、基板102は、頂部表面上に形成される一つ又は複数のエピタキシャルシリコン層(図示せず)を含み、一つ又は複数の埋込み層104、106が基板のエピタキシャル層に形成されている。図示の例において、基板102、埋込み層104及び106、並びに上側半導体表面層(例えば、ボディ領域108)は、半導体構造を構成する。例示の半導体構造は、p型多数キャリアドーパントを含む第1のドープ層106を含む。一実装において、p型層は、上側又は頂部側107を備えたp型埋込み層(PBL)を形成するためにホウ素が注入された部分を含む。半導体表面層108は、p型埋込み層106の上を(例えば、直接上を)延在し、半導体構造の上側103を含む。例示の層104(例えば、n型埋込み層又はNBL)はn型多数キャリアドーパントを含む。NBL104は、垂直Z方向に沿ってPBL106の下から第2の側105に向かって延在する。一例において、第1のエピタキシャルシリコン層がシリコンウェハ基板102の上側表面の上に形成され、第1のエピタキシャル層の全部又は一部にn型ドーパント(例えば、リンなど)が注入されて、NBL104が形成される。この例では、第2のエピタキシャルシリコン層が第1のエピタキシャル層の上に形成され、第2のエピタキシャル層の全部又は一部にp型ドーパント(例えば、ホウ素など)が注入されて、上側107を備えたp型埋込み層106が形成される。一例において、PBL領域106は、第1のEPI表面を介するイオン注入を用いて形成される。例示の表面層108は、p型多数キャリアドーパントを有し、第1の側103からZ方向に沿って下向きに延在する。
【0014】
トランジスタ101は、半導体構造102、104、106、108の能動領域110の半導体表面層108上又は半導体表面層108の中に形成される。例示の半導体表面層108はp型多数キャリアドーパントを含む。図示のデバイス100は、半導体表面層108において第1の(例えば、頂部)側103に沿ってトランジスタ101を囲む外側酸化物絶縁構造118を含む。一例における酸化物構造118は、トランジスタ101の横方向外方に配置される浅いトレンチ絶縁(STI)構造の一例である。図示の例において、STI構造118は、トランジスタ101が形成される半導体基板102の能動領域110の端部を画定する。
【0015】
図示のデバイス100は、ディープトレンチ絶縁構造と称するトレンチベースの絶縁構造120を含む。
図1のディープトレンチ絶縁構造120は、STI構造118に隣接しており、トランジスタ101と、半導体構造の能動領域110とを横方向に包囲するか又は囲む。絶縁構造120は、第1の側103から半導体構造102、104、106、108を通して埋込み層104へ下向きに延在する第1のトレンチ121を含む。絶縁構造120は、n型多数キャリアドーパント(例えば、リン)を有する第1の深ドープ領域122も含む。第1の深ドープ領域122は、第1のトレンチ121を囲み、半導体表面層108から埋込み層104まで延在する。
【0016】
絶縁構造120は、第1のトレンチ121の側壁に沿って半導体表面層108から埋込み層104まで延在する第1の誘電体ライナも含む。任意の単層又は多層誘電体ライナが使用され得る。一例において、第1の誘電体ライナは、第1の酸化物層123、窒化物層124、及び第2の酸化物層125を含む。第1の酸化物層123(例えば、二酸化ケイ素又はSiO2)は、第1のトレンチ121の側壁に沿って、半導体表面層108から埋込み層104まで延在する。窒化物層124(例えば、窒化ケイ素又は酸窒化ケイ素)は、第1の酸化物層123に沿って、半導体表面層108から埋込み層104まで延在する。第2の酸化物層125(例えば、二酸化ケイ素又はSiO2)は、窒化物層124に沿って半導体表面層108から埋込み層104まで延在する。
【0017】
絶縁構造120は、第1の誘電体ライナ123、124、125の内部を延在する第1のポリシリコン126も含む。第1のポリシリコン126は、半導体表面層108の頂部側103まで第1のトレンチ121を充填する。一例における第1のポリシリコン126はp型多数キャリアドーパント(例えば、ホウ素)を含む。
図1および
図2の例では、ディープトレンチ絶縁構造120は、トランジスタ101を横方向に囲むリング構造として形成される。
図1に示すように、第1のトレンチ121は、第1の深さ127及び第1の幅128を有する。半導体デバイス100は、n型多数キャリアドーパントを有する浅い注入領域129(例えば、リンが注入された浅いnウェル)も含む。浅い注入領域129は、第1の深ドープ領域122内の第1のトレンチ121の側部に沿って半導体表面層108内を延在する。一例において、浅い注入は、デバイス100のトランジスタの下段(lower case)のn型ソース/ドレイン特徴(図示せず)を形成するためにも用いられる。
【0018】
図示のデバイス100は、一つ又は複数のトレンチベースのコンデンサも含む。一例において、トレンチコンデンサ130は、単一トレンチを用いて構築され得る。
図1および
図2の例では、コンデンサ130は、半導体構造102、104、106、108を通して埋込み層104まで個々に延在する複数の第2のトレンチ131を含む。第2のトレンチ131の各々は、第2の深ドープ領域132によって囲まれる。
図1は、第1の側103から半導体構造を通して埋込み層104まで延在する3つのトレンチ131を示す。第2のトレンチ132は、第2の深さ137及び第2の幅138を有する。第1の(絶縁)トレンチ121の第1の幅128は、
図1及び
図2のデバイスにおける第2の(コンデンサトレンチ)幅138よりも大きい。第1のトレンチ121の第1の幅128は、コンデンサトレンチ131の第2の幅138よりも大きい。一例において、第1のトレンチ121の第1の幅128は、例えば、1.35μmから1.65μmまでの、約1.5μmであり、コンデンサトレンチ131の第2の幅138は、例えば、1.05μmから1.35μmまでの、約1.2μmである。
【0019】
例示のコンデンサ130は、トレンチ131の各々において、第2の誘電体ライナ(例えば、層133、134、及び135)をさらに含む。第2の誘電体ライナは、第2のトレンチ131の側壁に沿って、半導体表面層108から埋込み層104まで延在する。例示の第2の誘電体ライナは、第2のトレンチ131の側壁に沿って半導体表面層108から埋込み層104まで延在する第3の酸化物層133を備えた、多層構造である。例示の第2の誘電体ライナは、第3の酸化物層133に沿って半導体表面層108から埋込み層104まで延在する第2の窒化物層134、及び、第2の窒化物層134に沿って半導体表面108から埋込み層104まで延在する第4の酸化物層135も含む。
【0020】
コンデンサ130は、n型多数キャリアドーパント(例えば、リン)が注入される第2の深ドープ領域132も含む。第2の深ドープ領域132は、第2のトレンチ131を囲み、半導体表面層108から埋込み層104まで延在する。それに加えて、コンデンサ130は、p型多数キャリアドーパント(例えば、ホウ素)を有する第2のポリシリコン136を含む。第2のポリシリコン136は、第2の誘電体ライナ133、134、135の内部を延在し、半導体表面層108の頂部表面103まで第2のトレンチ131を充填する。コンデンサ130は、第2の導電型の多数キャリアドーパントを有する浅い注入領域129も含む。浅い注入領域129は、第2の深ドープ領域132内の第2のトレンチ131間の半導体表面層108内を延在する。
【0021】
半導体デバイス100は、半導体表面層108の上を延在するメタライゼーション構造を含む。メタライゼーション構造は、第1のポリシリコン126をトレンチベースの絶縁構造120のための第1の深ドープ領域122に接続する導電性特徴、及び第1のコンデンサプレートを形成するために第2のポリシリコン136に接続される第2の導電性特徴、並びに、コンデンサ130の第2のコンデンサプレートを形成するために第2の深ドープ領域132に接続されるさらなる導電性特徴を含む。メタライゼーション構造は、半導体構造の上に形成される第1の誘電体構造層154、及びマルチレベル上側メタライゼーション構造156を含む。一例において、第1の誘電体構造層154は、トランジスタ101と半導体構造の上側表面との上に配置されるプレメタル誘電体(PMD)層である。一例において、第1の誘電体構造層154は、トランジスタ101、半導体表面層108、及びSTI構造118の上に堆積される二酸化ケイ素(SiO2)を含む。メタライゼーション構造154、156は、トランジスタ101を覆い、トランジスタのソース、ドレイン、及びゲート端子への内部及び/又は外部の電気的相互接続を提供する。
【0022】
PMD層154は、トランジスタ101の一つ又は複数の特徴への直接電気接続(例えば、直接コンタクト、又は図示しないCoSi2などのケイ化物層を介する接続)を提供するコンタクト構造160(例えば、タングステン)を含む。PMD材料層154は、図示の構造の上に形成され、その中にコンタクト構造160が形成されて、一つ又は複数のさらなる上側メタライゼーション層158及び164~168に対する電気的相互接続アクセスを提供する。一例において、ケイ化物が、トランジスタ101のソース、ドレイン、及びゲート電極構造の頂部表面の上、及びポリシリコン特徴126、136の頂部表面の上、並びに、深ドープ領域122、132まで形成される。PMD層154のコンタクト160は、ポリシリコン特徴126、136に、及び絶縁構造120の深ドープ領域122、132並びにコンデンサ130に接続される。
【0023】
上側メタライゼーション構造156は一つ又は複数の層を含む。図示の例において、
図1に示されるように、上側メタライゼーション構造156は、PMD層154の上に形成される第1のメタライゼーション層158、並びに前の層の上に漸進的に形成されるさらなるメタライゼーション層164、165、166、167、及び168を含む。
図1及び
図2のデバイス100は、単体化及びパッケージングの前のウェハ170として示されているが、図示の構造は、パッケージングのためにダイとして分離された後の記載された特徴を表す。例示のダイ170は、トランジスタ101などの複数の構成要素を備えた集積回路であるが、他のスタンドアロンのディスクリート半導体デバイスの実装が、単一トランジスタ、又は絶縁構造120及び少なくとも一つのコンデンサ130を備える他の電子構成要素を含み得る。
【0024】
上側メタライゼーション構造156は、本明細書では中間層又はレベル間誘電体(ILD)層と称する第1の層158を備えた6層である。異なる実装において異なる数の層を使用し得る。一例において、第1のILD層158、及び上側メタライゼーション構造156の他のILD層は、二酸化ケイ素(SiO2)又は他の適切な誘電体材料で形成される。ある実装において、多層上側メタライゼーション構造156の個々の層は、導電性金属配路特徴又はライン162(例えば、アルミニウム、銅など)を備えた金属内誘電体(IMD、図示せず)サブ層と、導電性コンタクト又はプラグ163(例えば、タングステンビア)を備えたIMDサブ層に重なるILDサブ層とを含む、2段で形成される。個々のIMD及びILDサブ層は、SiO2ベースの誘電体材料など、任意の適切な一つ又は複数の誘電体材料で形成され得る。第1の層158、及び上側メタライゼーション構造156における後続の層は、下にある層の頂部表面に形成される、ラインと称する導電性メタライゼーション相互接続構造162を含む。この例では、第1の層158及び後続のILD層は、個々の層のメタライゼーション特徴162から、上に重なるメタライゼーション層への電気接続を提供する、タングステン又はアルミニウムなどの導電性ビア163も含む。
【0025】
図1の例は、第1の層158の上に配置される第2の層164を含む。ILD層158は、導電性相互接続構造162及びビア163を含む。構造162、163は、様々な実装において同じ金属又は異なる金属とし得る。個々の層は、シングルダマシン又はデュアルダマシンプロセスなど、任意の適切なメタライゼーション作製処理を用いて構築され得る。図示の構造は、さらなるメタライゼーションレベルを含み、これらのメタライゼーションレベルは、対応する誘電体層165、166、及び167、並びに最上部又は頂部メタライゼーション層168を備える。この例における個々の層165~168は、導電性相互接続構造162、及び関連するビア又はコンタクトプラグ163を含む。
【0026】
半導体構造、電子構成要素(例えば、トランジスタ101)、コンデンサ130、第1の誘電体構造層154、及び上側メタライゼーション構造156は、上側又は表面171を備えるウェハ又はダイ170を形成する。メタライゼーション構造156の上側171は、ウェハ又はダイ170の上側を形成する。頂部メタライゼーション層168は、最上部アルミニウムビアなどの導電性特徴169を含む。導電性特徴169は、最上部メタライゼーション層168の頂部においてウェハ又はダイ170の上側171の側部又は表面を含む。任意の数の導電性特徴169が提供され得る。導電性特徴169の一つ又は複数が、トランジスタ101のうちの一つなどの電子構成要素と電気的に結合され得る。
【0027】
一例における上側ILD誘電体層168は、一つ又は複数のパッシベーション層173(例えば、保護オーバーコート(PO)及び/又はパッシベーション層)、例えば、窒化ケイ素(SiN)、酸窒化ケイ素(SiOxNy)、又は二酸化ケイ素(SiO
2)によって覆われる。一例において、一つ又は複数のパッシベーション層173は、導電性特徴169の一部を露出させて特徴169の対応するコンタクト構造174への電気接続を可能にする、一つ又は複数の開口を含む。コンタクト構造174は、メタライゼーション構造156の上側171から外方に(例えば、
図17の「Z」方向に沿って上方に)延在する。一例における個々のコンタクト構造174は、メタライゼーション構造156の上側171から外方に延在する銅などの、導電性シード層を含む。一例において、コンタクト構造174は、チタン(Ti)又はチタンタングステン(TiW)を含む。
【0028】
メタライゼーション構造154、156は、第1のポリシリコン126を第1の深ドープ領域122に接続するメタライゼーション構造154、156の第1の導電性特徴160、162を含む。これにより、半導体構造の能動領域110をコンデンサ130から及びウェハ又はダイ170の他の領域から電気的に絶縁する絶縁トレンチ構造120が提供される。それに加えて、メタライゼーション構造は、第2のポリシリコン136に接続されて第1のコンデンサプレートを形成する第2の導電性特徴160、162、並びに第2の深ドープ領域132に接続されて第2のコンデンサプレートを形成するさらなる導電性特徴160、162を含む。メタライゼーション構造154、156は、第1及び第2のコンデンサプレートをウェハまたはダイ170内の他の回路要素に接続するための、及び/又は第1及び第2のコンデンサプレートの一方又は両方に外部接続を提供するための、さらなる導電性接続(図示せず)を可能にする。
【0029】
図2は、デバイス100の一部の上面図を示す。図示の例において、絶縁構造120は、能動領域110の横方向周辺部の周りを延在し、コンデンサ領域の3つの側の周りをも延在する。この例において、コンデンサ領域は、複数のコンデンサトレンチ311を含み、そのうちの3つが
図1の側面図に示されている。一例において、コンデンサトレンチ幅138は約1.2μmであり、隣接するコンデンサ構造間の間隔距離は約0.6μmである。一例において、浅いnウェル注入(例えば、
図1の領域129、
図2には示さず)が、コンデンサ領域内に約0.1μm延在し、コンデンサ領域を約0.65μmだけ囲む。一例において、NBL104は、
図1に示すようにコンデンサ領域内に延在する。別の例(図示せず)において、コンデンサ領域はNBL104によって囲まれる。一例において、ケイ化物ブロック層(図示せず)が、コンデンサ領域を超えて約0.25μm延在し、コンデンサ領域内に約0.255μm延在する。
【0030】
図3~
図18も参照すると、
図3は、集積回路又はスタンドアロンデバイスなどの電子デバイスを作製するための方法300を示す。図示の方法300は、半導体デバイスにおいて絶縁構造を作製するためのプロセス又は方法も含む。
図4~
図18は、方法300に従った作製の様々な段階における
図1及び
図2の集積回路を示す。方法300は、302から始まり、302において、
図1のNBL領域104などのnドープ領域を形成するためのn型注入が行われる。
【0031】
一例において、302で、第1のエピタキシャルシリコン層がシリコンウェハ基板102の上側表面の上に形成され、第1のエピタキシャル層の全部又は一部にn型ドーパント(例えば、Sbなど)が注入されて、NBL104が形成される。一例において、303で、第1のエピタキシャル層の全部又は一部にp型ドーパント(例えば、ホウ素など)が注入されて、上側107を備えるp型埋込み層106が形成される。一例において、PBL領域106は、最終的なシリコン表面(例えば、第2のエピタキシャル層の頂部)を介するイオン注入で、高い注入エネルギーを使用することによって設定される深さに形成される。一例において、304で、さらなるエピタキシャルシリコン堆積プロセスが実施されて、第1のエピタキシャル層の上に第2のエピタキシャルシリコン層が堆積される。306において、半導体表面層108(例えば、Pボディと標示される部分)には、p型多数キャリアドーパント(例えば、ホウ素)が注入され、半導体表面層108は、PBL106の第1の側103から上側107まで、Z方向に沿って下方に延在する。
【0032】
方法300は、306において、エッチング停止層を堆積させることも含む。
図4は、半導体構造の第1の側103上に窒化物又は酸窒化物或いは酸化物層400を堆積させる堆積プロセス402が実施される一例を図示する。一例において、層400は、化学機械研磨(CMP)などの後続の平坦化のためのエッチング停止層として機能する。一例において、エッチング停止層400は、100~160Åなど、約150Åの厚さまで形成されるパッド酸化物、及び、パッド酸化物の上に約0.2μmの厚さまで形成される窒化物を含む。
【0033】
方法300は、308において、絶縁構造のための開口及びトレンチコンデンサのための第2の開口を備える、厚いレジスト層を堆積及びパターニングすることをさらに含む。
図5は、プロセス503が実施される一例を示す。プロセス503は、半導体構造の第1の表面103上のハードマスク層400の上にレジストマスク500を堆積及びパターニングする。一例におけるプロセス503は、レジスト層500を形成すること、第1の開口501を第1の幅128でパターニングすること、及び、第2の開口502を第2の幅138でパターニングすることを含み、ここで、第1の幅128は第2の幅138よりも広い。第1の開口501は、予想される絶縁構造トレンチ121(例えば、
図1)の所望の幅に対応する幅128で、予想される絶縁構造120の上にパターニングされる。第2の開口502は、予想されるコンデンサトレンチ131(
図1)の所望の幅に対応する幅138で予想されるコンデンサ構造130の上にパターニングされる。一例において、第1のレジスト開口501の幅128は約1.5μmであり、第2のレジスト開口502の幅138は約1.2μmである。
【0034】
方法300は、310において、パターニングされたレジスト500をエッチングマスクとして用いてトレンチ121及び311を形成するために、窒化物400、及び半導体表面層108のシリコン、PBL106を介し、及びNBL104の少なくとも一部を介するディープトレンチエッチングで継続する。
図6は、エッチングプロセス600が、半導体表面層108を介して埋込み層104内に延在する第1のトレンチ121をレジスト開口501を介してエッチングする一例を示す。エッチングプロセス600は、第2の開口502を介して同時にエッチングして、NBL104内に延在するトレンチ131を形成する。図示の例において、第1のトレンチ幅128は、概して、第1の開口501の寸法に対応し、第2のトレンチ幅138は、概して、第2の開口502の寸法に対応する。より広い第1の開口501は、第1のトレンチ121を第1の深さ127まで延在させる(例えば、6.2μmから7.2μmなど、約6.8μmであり、これは、第2のトレンチ131の第2の深さ137よりも深い)。
【0035】
続いて312及び314において、方法300はさらに、第1のトレンチ121を囲む第1の深ドープ領域122及び第2のトレンチ131を囲む第2の深ドープ領域132を形成するための、一つ又は複数のディープトレンチ注入を含む。
図7及び
図8は、残りのレジストマスク500を用いる第1の注入プロセス700を実施して、開口501及び502を介してn型ドーパント(例えば、リン)を同時に注入して、それぞれ、第1の深ドープ領域122及び第2の深ドープ領域132を形成することを含む例を示す。第1の深ドープ領域122は、第1のトレンチ121を囲み、半導体表面層108から埋込み層104まで延在する。第2の深ドープ領域132は、第2のトレンチ132を囲み、半導体表面層108から埋込み層104まで延在する。
【0036】
一例において、312における第1の注入プロセスは、角度付きディープNトレンチ側壁注入である。
図7は、角度付き注入プロセス700が、リン又は他のn型ドーパントをレジスト開口501、502を介して、トレンチ121及び131の側壁に9×10
4cm
-3のドーズ量かつ200keVの注入エネルギーで注入して、第1の深ドープ領域122及び第2の深ドープ領域132を、16度の注入角度でレイアウト方向に対して(例えば、トランジスタのソース、ドレイン、及びゲートのフィンガの方向に対して)45度のねじれ角で4回回転させて形成する例を示す。
【0037】
314において、領域122及び132の底部に注入を行うために第2の注入が行われる。
図8は、レジスト開口501及び502を介してリン又は他のn型ドーパントを注入して、トレンチ121及び131の底部の下のシリコンに9×10
4cm
-3のドーズ量、50keVの注入エネルギー、注入角度0度でさらに注入する注入工程800を行う例を示す。
【0038】
一例において、
図3の316において、アニールプロセスが実施される。このアニールプロセスにおいて、トレンチ側壁のシリコンを酸化し、トレンチ121及び311の側壁上に、例えば、150Åの厚さまでダミー又は犠牲酸化物層を形成する。一例において、316において、50%オーバーエッチングを伴う湿式洗浄プロセスを用いて犠牲酸化物が剥離されて、トレンチ121及び311の側壁から約300Åの材料が除去される。一例において、316におけるオーバーエッチングは、堆積された犠牲酸化物並びに312及び/又は314における注入の間に損傷を受けた可能性のある元のシリコンを除去する。
【0039】
例示の方法300は、318、320、及び322において、トレンチ121及び311の側壁の誘電体ライナを形成するための堆積処理で継続する。誘電体ライナ堆積処理は、残りのレジストマスク500の第1の開口501及び第2の開口502を介して誘電体材料を堆積させる。完成したトレンチコンデンサ130におけるコンデンサ誘電体を形成する任意の適切な誘電体が用いられ得る。誘電体ライナは単層又は多層構造とし得る。
図9~
図11は、トレンチ121及び131のそれぞれに酸化物-窒化物-酸化物(ONO)誘電体ライナを形成する多工程堆積を図示する。
【0040】
図3の318において、第1の酸化物堆積が実施され、これにより、トレンチ121及び311の側壁上に第1の酸化物層が形成される。
図9は、酸化アニールプロセス900が850℃で実施され、それにより、第1のトレンチ121の側壁上に二酸化ケイ素123(例えば、SiO
2)が堆積し、第2のトレンチの側壁上に二酸化ケイ素133が堆積される一例を示す。一例において、プロセス900(850℃)により、トレンチ側壁シリコンの熱酸化が生じて、第1の酸化物層123及び133が約65Å、例えば60Å~70Åの厚さに形成される。
【0041】
320において、第2の堆積プロセス(例えば、窒化物堆積)が実施され、これにより、トレンチ121及び311の側壁に沿って第1の酸化物層上に窒化物層が堆積する。
図10は、堆積プロセス1000(例えば、650℃の堆積温度)が、レジスト層500の第1及び第2の開口を介して第1のトレンチ121の第1の酸化物層123上に窒化物材料124(例えば、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素)を堆積させ、レジスト層500の第1及び第2の開口を介して第2のトレンチ131の側壁に沿って第1の酸化物層133上に窒化物材料134を堆積させる一例を示す。一例において、プロセス1000は、窒化物材料層124及び134を約140Åの厚さ、例えば、106Å~166Åに形成する。
【0042】
322において、第3の堆積プロセス(例えば、酸化物堆積)が実施され、これにより、トレンチ121及び311の側壁に沿って窒化物層上に第2の酸化物層が堆積する。
図11は、湿式酸化プロセス1100が、第1のトレンチ121の窒化物層124上に第1の開口を介して酸窒化物125などの第2の酸化物層を成長させる一例を示す。この例における堆積プロセス1100は、レジスト層500の第2の開口を介して第2の窒化物層135を第2のトレンチ132の窒化物層134上に堆積させる。一例において、プロセス1100は、第2の酸化物材料層125及び135を、約20Åの厚さ、例えば、10Å~30Åに形成する。
【0043】
例示の方法300は、324及び326において、トレンチ121及び311を充填するためのポリシリコンの堆積で継続する。
図12は、第1のポリシリコン堆積プロセス1200(例えば、
図3の324におけるプロセス)がレジスト層500の第1の開口を介して第1のポリシリコン126を堆積させて第1のトレンチ121を充填する一例を示す。第1のポリシリコン堆積プロセス1200はまた、レジスト層500の第2の開口を介して第2のポリシリコン136を堆積させて第2のトレンチ131を充填する。一例における初期堆積プロセス1200は、p型多数キャリアドーパント(例えば、ホウ素)を有するpドープポリシリコン126、136を3400Åの厚さに堆積させる。
【0044】
326において、ポリシリコン126を堆積させてトレンチ121を充填し、ポリシリコン136を堆積させて第2のトレンチ311を充填する、第2のポリシリコン堆積が実施される。
図13は、第2のポリシリコン堆積プロセス1300が、ドープされたポリシリコン上に堆積させてトレンチ121及び131を、例えば、約10,000Åの厚さに充填する一例を示す。一例において、トレンチ121及び131を充填するために、目標ポリシリコン堆積厚は、10,900Å~15,900Åなど、約13,400Åである。
図12および
図13に示すように、一例において、初期ポリシリコン堆積プロセス1200及びトレンチ充填堆積プロセス1300は、半導体構造の底側105に沿った堆積を含めて、デバイス100の両側にポリシリコン126、136を形成する。
【0045】
図3の328~332に続き、方法300は、328における裏面ポリシリコン除去又は剥離工程をさらに含む。一例において、半導体構造の底側105から過剰なポリシリコンを剥離させる湿式エッチングプロセス(図示せず)が実施される。330において、ウェハの頂部側が平坦化される。
図14は、化学機械研磨(CMP)プロセス1400が、ウェハの頂部側103の上に残るポリシリコンを除去し、ウェハの頂部側を平坦化する一例を示す。CMPプロセス1500が、
図14に示すような窒化物ハードマスク層400上で停止する。332において、湿式エッチングプロセスが実施されて、残りの窒化物ハードマスク層を剥離する。
図15は、ウェハの頂部側103から残りの窒化物層を除去する湿式エッチングプロセス1500が実施される一例を示す。
【0046】
方法300は、334における浅いトレンチ絶縁(STI)処理も含む。
図16は、トレンチをエッチングし、トレンチを酸化物材料118で充填するSTI作製プロセス1600が実施される一例を示す。一例において、STI処理は、パッド酸化物を成長させ、低圧化学気相蒸着(LPCVD)を用いて窒化物層(図示せず)を堆積させ、トレンチ121及び131のライナ及びシリコンにおける表面層のシリコンにトレンチをパターニング及びエッチングし、STIトレンチのライナ酸化物を成長させてシリコンを修復し鋭利な角を丸めることを含み、その後、TEOS酸化物のプラズマ強化CVD(PECVD)堆積が続く。この処理はさらに、窒化物をエッチング停止として用いるトレンチ酸化物の別の化学機械研磨を含み、その後、窒化物エッチング停止層の除去が続く。
【0047】
336において、トランジスタ101を作製することを含むトランジスタ作製処理が実施される。
図17は、トランジスタ構造101を作成するためにトランジスタ作製処理1700が実施される簡略化された例を示す。一例において、336におけるトランジスタ作製は、n型多数キャリアを半導体表面層108に注入して、深ドープ領域122内の第1のトレンチ121の側部に沿って延在する浅い注入領域129を形成する注入プロセスを実施することを含む。一例において、同じ注入プロセスを用いて、トランジスタ101の下段のN-p型ソース/ドレイン領域又はウェハ170の他の構成要素(図示せず)の特徴を形成する。
【0048】
図3の338において、方法300は、導電性金属特徴を備えた誘電体の一つ又は複数の層を形成してトランジスタ及び/又はウェハ170の他の構成要素に対する相互接続を提供するための、メタライゼーションで継続する。338におけるメタライゼーション処理は、導電性特徴を形成してトレンチコンデンサ130のためのコンデンサプレートを提供し、また、トレンチベースの絶縁構造120の特徴を相互接続することを含む。
図18は、半導体表面層108の上を延在し、第1のポリシリコン126を第1の深ドープ領域122に接続してトレンチベースの絶縁構造120を形成する第1の導電性特徴160、162を形成する、メタライゼーション処理1800の一部を図示する。メタライゼーション処理1800はまた、第2のポリシリコン136に接続して第1のコンデンサプレートを形成する第2の導電性特徴160、162を形成し、また、第2の深ドープ領域に接続するメタライゼーション構造154、156のさらなる導電性特徴160、162を形成して第2のコンデンサ領域132を形成する。
【0049】
図3のプロセス300は、340における、ウェハ170から一つ又は複数の製品ダイを分離するためのダイ単体化も含む。340における処理は、スタンドアロン構成要素及び/又は集積回路などの一つ又は複数の完成した半導体デバイスを提供するためのパッケージングも含む。
【0050】
方法300は、共用レジストマスク500を使用してトレンチ絶縁構造120及び高密度トレンチコンデンサ130の両方を同時に作製するための統合プロセスを提供する。例示の実装において、両方のトレンチタイプの処理を容易にするために厚いレジストマスク500も用いられる。絶縁構造120及びトレンチコンデンサ130の両方に対して厚い共用マスク及び類似のトレンチ構造アーキテクチャを用いることにより、処理工程及びコストの経済性がもたらされる。また、幾つかの例において、ディープウェル注入を用いる非トレンチ絶縁構造の使用と比較して、密度の利点が促進される。これに関して、半導体構造内に埋込み層まで延在する深い注入絶縁特徴(例えば、注入及び拡散が行われてNBL104内に延在するディープnウェル)はかなりの横方向拡散を伴い、それにより、絶縁特徴の横方向範囲が拡張される。幾つかの例において、別個の深注入マスクの必要性がなくなり、また、トレンチピラータイプの絶縁レイアウトを用いることにより、深ドープ領域の抵抗の低減も容易になる。幾つかの例において、絶縁構造120及びトレンチコンデンサ130を同時に構築することによる作製コスト及び時間の利点に加えて、ディープトレンチ側壁上への自己整合深ドープ領域注入を用いる狭められた絶縁-絶縁間隔のための絶縁特徴120のための横方向領域制御が提供される。これらの特徴により、特に、絶縁構造120を形成するために(例えば、深ドープ領域122及びp型ポリシリコン構造126)の底部プレートと頂部プレートを短絡することによるメタライゼーション構造のシンプルな改変と組み合わせて、著しい利点が提供される。特許請求の範囲内で、説明した実施形態における改変が可能であり、他の実施形態が可能である。