(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】水溶性ウェブを切断するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
B26D 1/40 20060101AFI20240214BHJP
C11D 7/22 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
B26D1/40 502D
C11D7/22
B26D1/40 502K
(21)【出願番号】P 2021563085
(86)(22)【出願日】2020-05-13
(86)【国際出願番号】 US2020070043
(87)【国際公開番号】W WO2020237252
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-10-22
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ヴィティエッロ、ルカ
(72)【発明者】
【氏名】クルシェ、フロランス・カスリン
(72)【発明者】
【氏名】キューレールス、ロビー・レニルド・フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ブラント・サンツ、ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】ラベク、レジーヌ
【審査官】堀内 亮吾
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0154533(US,A1)
【文献】特開2003-145485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/40
C11D 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性ウェブを切断するためのプロセスであって、
a.アンビルを提供する工程と、
b.回転するナイフロールを提供する工程であって、前記回転するナイフロールが、前記回転するナイフロール上に装着された1~10個のナイフを備え、各個々のナイフが、切断縁を備え、前記切断縁が、前記回転するナイフロールから外方に延在する、工程と、
c.水溶性ウェブを提供する工程であって、前記水溶性ウェブが、
i.平坦な面積であって、前記平坦な面積が、第1の側面及び第2の側面を含み、切断中に、前記第1の側面が、前記アンビルに接触し、前記ナイフが、前記第2の側面に接触し、前記平坦な面積が、50マイクロメートル~400マイクロメートルの厚さを有する、平坦な面積と、
ii.前記水溶性ウェブ内に形成された充填済みカプセルであって、前記カプセルが、前記平坦な面積によって、互いに接続され、互いから分離され、前記カプセルが、前記第2の側面から外方に突出する、カプセルと、を備え、
前記水溶性ウェブが、一定の速度V
1でマシン方向に移動する、工程と、
d.前記水溶性ウェブを前記アンビルと前記回転するナイフロールとの間を通過させる工程であって、前記水溶性ウェブの前記第1の側面が、前記アンビルと接触する、工程と、
e.前記水溶性ウェブが前記アンビルと前記回転するナイフロールとの間を通過するときに、前記ナイフを用いて前記水溶性ウェブを切断する工程と、を含み、
前記回転するナイフロールが、可変速度で回転し、前記回転するナイフロールの単回の完全な回転が、いくつかの切断サイクルからなり、前記切断サイクルの数が、前記回転するナイフロール上のナイフの数と等しく、単回の切断サイクルの間に、前記回転するナイフロールが
、第1の回転速度R
1
、第2の回転速度R
2
、前記第1の回転速度R
1
から前記第2の回転速度R
2
へ加速する速度、及び前記第2の回転速度R
2
から前記第1の回転速度R
1
へ減速する速度で回転し、
前記第1の回転速度R
1が、V
1に等しく、
前記第2の回転速度R
2が、
前記第1の回転速度R
1よりも少なくとも15%速く、
前記回転するナイフロールが、各個々のナイフが前記水溶性ウェブをクロスマシン方向に切断するときに、
前記第1の回転速度R
1で回転し、前記水溶性ウェブの各切断が、前記ナイフのうちの1つのみによって一度に実施され、
各個々のナイフは、各個々のナイフが1回の完全な回転を行うためにかかる時間の25%~75%、前記
第1の回転速度R1で進む、プロセス。
【請求項2】
前記ナイフが、前記回転するナイフロールの周りに等しく離間配置される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記回転するナイフロールが、2~8個のナイフ、好ましくは4~6個のナイフを備える、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
R
2が、R
1よりも50%~3000%速く、より好ましくは100%~2000%速く、より好ましくは500%~1500%速い、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
V
1が、1m/秒~30m/秒、好ましくは2m/秒~20m/秒である、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記クロスマシン方向が、前記マシン方向に対して80°~100°、好ましくは85°~95°である、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記カプセルが、前記第2の側面から2mm~15mm、好ましくは3mm~13mmだけ外方に突出する、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記カプセルが、前記第2の側面から外方に突出し、かつ前記第1の側面から外方に突出し、前記アンビルが、前記第1の側面から外方に突出する前記カプセルを受容するための空洞を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記カプセルが、前記第1の側面から5mm~30mm、好ましくは7mm~25mmだけ外方に突出する、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記水溶性ウェブが、水溶性ポリビニルアルコールポリマー、水溶性ポリビニルアルコールコポリマー、又はこれらの混合物を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記プロセスが、前記水溶性ウェブをマシン方向に切断する工程を含み、好ましくは、前記水溶性ウェブを前記マシン方向に前記切断することが、連続した一定の速度の切断デバイス、好ましくは回転するナイフによるものである、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記水溶性ウェブが、少なくとも2つの列のカプセルを備え、前記列が、前記マシン方向に配置され、単一の回転するナイフロールが、各列を切断するか、又は別個の回転するナイフロールが、各列を個々に若しくは前記列を組み合わせて切断する、請求項1~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記ナイフロールが、表面を備え、各ナイフが、前記ナイフロールの前記表面から突出し、各ナイフが、前記回転するナイフロールの前記表面に対して5°~90°、好ましくは10°~80°、より好ましくは30°~60°、最も好ましくは40°~50°の角度で位置付けられる、請求項1~12のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記ナイフロールが、円筒状の形状を有し、各ナイフが、前記円筒状のナイフロールの前記表面から突出する、請求項1~13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
1つのカプセルの縁と任意の隣接するカプセルの縁との間の最も近い距離が、3mm~15mm、好ましくは5mm~10mmである、請求項1~14のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
水溶性ウェブをクロスマシン方向に切断するためのプロセス。
【背景技術】
【0002】
水溶性単位用量物品は、消費者によって知られており、好まれている。理論に束縛されることを望むものではないが、かかる単位用量物品は、多くの場合、第1の水溶性フィルムを型内で変形させて空洞を作り出し、当該空洞を洗剤組成物などの組成物で充填し、当該空洞を第2の水溶性フィルムで閉じ、第1及び第2の水溶性フィルムを一緒に封止することによって作製される。任意選択で、第2の水溶性フィルム自体が、更なる空洞を備えることができ、それにより、空洞を、互いの上に「重ね合わせる」ことができる。
【0003】
水溶性単位用量物品は最初に、水溶性フィルムを介して一緒に取り付けられたカプセルの水溶性ウェブとして作製される。理論に束縛されることを望むものではないが、単一の第1の水溶性フィルムが鋳型の配列にわたって変形して、いくつかの開いた空洞が同時に作り出される。次いで、これらは全て充填され、少なくとも第2の水溶性フィルムで封止される。封止されると、水溶性ウェブが切断されて、個々の水溶性単位用量物品が生産される。
【0004】
多くの場合、少なくとも2つ(マシン方向に1つ、及びクロスマシン方向に1つ)の別個の切断行為を達成する必要がある。かかる切断は、回転するナイフロールを使用して達成され得る。かかるナイフロールは、多くの場合、円筒状の表面を備え、1つ以上のナイフが、当該表面から突出し、円筒の円周の周りに配置されている。特にマシン方向ではない方向に切断する場合、突出するナイフが、鋳型の表面の上に突出する単位用量物品を偶発的に切断する傾向がある。これは、特に、洗剤充填済み区画が順に重ねられて配置されている、いわゆる重ね合わされた単位用量物品の場合である。かかる偶発的な切断は、カプセルを早期に破裂させる。
【0005】
偶発的な切断は、緩徐なライン速度でラインを動かすことによって、又は間欠的な(停止/開始)プロセスを介して、回避することができるが、かかるプロセスは、生産ラインの能力を制限するため、好ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、当該技術分野では、突出するカプセルを含む水溶性ウェブを切断するためのプロセスであって、当該カプセルの偶発的な破裂の発生率が低減され、プロセスにより、連続的な作製プロセスを可能にし、プロセスのライン速度を最大化することもできる、プロセスが必要とされている。
【0007】
驚くべきことに、本発明のプロセスがこれを達成したことが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0008】
水溶性ウェブを切断するためのプロセスであって、
a.アンビルを提供する工程と、
b.回転するナイフロールを提供する工程であって、当該回転するナイフロールが、当該回転するナイフロール上に装着された1~10個のナイフを備え、各個々のナイフが、切断縁を備え、当該切断縁が、当該回転するナイフロールから外方に延在する、工程と、
c.水溶性ウェブを提供する工程であって、水溶性ウェブが、
i.平坦な面積であって、平坦な面積が、第1の側面及び第2の側面を含み、切断中に、第1の側面が、アンビルに接触し、ナイフが、第2の側面に接触し、平坦な面積が、50マイクロメートル~400マイクロメートルの厚さを有する、平坦な面積と、
ii.水溶性ウェブ内に形成された充填済みカプセルであって、カプセルが、平坦な面積によって、互いに接続され、互いから分離され、カプセルが、第2の側面から外方に突出する、カプセルと、を備え、
当該水溶性ウェブが、一定の速度V1でマシン方向に移動する、工程と、
d.当該水溶性ウェブを当該アンビルと当該回転するナイフロールとの間を通過させる工程であって、水溶性ウェブの第1の側面が、アンビルと接触する、工程と、
e.当該水溶性ウェブが当該アンビルと当該回転するナイフロールとの間を通過するときに、当該ナイフを用いて当該水溶性ウェブを切断する工程と、を含み、
回転するナイフロールが、可変速度で回転し、回転するナイフロールの単回の完全な回転が、いくつかの切断サイクルからなり、切断サイクルの数が、回転するナイフロール上のナイフの数と等しく、単回の切断サイクルの間に、当該回転するナイフロールが、少なくとも第1の回転速度R1及び第2の回転速度R2で回転し、
R1が、V1に等しく、R2が、R1よりも少なくとも15%速く、
回転するナイフロールが、各個々のナイフが当該水溶性ウェブをクロスマシン方向に切断するときに、R1で回転し、水溶性ウェブの各切断が、ナイフのうちの1つのみによって一度に実施される、プロセス。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】回転するナイフロール(8)の断面図を開示する。
【
図4】回転するナイフロール(8)の3D表現を開示する。
【
図5】回転するとき(10)のナイフ(9)の先端(17)の速度を示すチャートを開示する。
【
図6】本発明による水溶性単位用量物品(23)を開示する。
【
図7】本発明による代替の水溶性単位用量物品(28)を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
プロセス
本発明は、水溶性ウェブを切断するためのプロセス、好ましくはマシン方向ではない方向に水溶性ウェブを切断するプロセスに関する。水溶性ウェブについて、以下でより詳細に説明する。しかしながら、水溶性ウェブは、平坦な面積及び充填済みカプセルを備える。水溶性ウェブは、第1の側面及び第2の側面を有する。平坦な面積は、水溶性ウェブの第1の側面及び第2の側面に対応する、第1の側面及び第2の側面を備え、平坦な面積は、50マイクロメートル~400マイクロメートルの厚さを有する。充填済みカプセルは、水溶性ウェブ内に形成される。カプセルは、平坦な面積によって、互いに接続され、互いから分離され、カプセルは、第2の側面から外方に突出する。水溶性ウェブについて、以下でより詳細に説明する。
【0011】
プロセスは、
a.アンビルを提供する工程を含む。
【0012】
水溶性ウェブの第1の側面は、アンビルに接触する。アンビルは、水溶性ウェブをナイフによって切断することができる剛性材料である。当業者であれば、好適なアンビルの構造及び材料を認識されよう。アンビルは、鋼、より好ましくは硬化鋼から作製されていることが好ましい。アンビルは、回転するアンビル、より好ましくは回転する円筒状のアンビルであることが好ましい。理論に束縛されることを望むものではないが、回転する円筒状のアンビルは、周りを当該アンビルが回転する軸方向と、曲面と、を有する。曲面は、水溶性ウェブの第1の側面に接触し、回転する円筒状のアンビルは、水溶性ウェブが曲面の上を通過するように配向されている。換言すれば、軸方向は、水溶性ウェブの運動の方向と直角をなす。
【0013】
以下でより詳細に論じられるように、カプセルは、水溶性ウェブの第2の側面から外方に突出し、任意選択で、同様に水溶性ウェブの第1の側面から外方に突出する。カプセルが水溶性ウェブの第1の側面から突出する場合、アンビルは、第1の側面から外方に突出するカプセルを受容するための空洞を備える。カプセルは、2mm~15mm、好ましくは3mm~13mmだけ水溶性ウェブの第2の側面から外方に突出することが好ましい。存在する場合、アンビルは、5mm~30mm、好ましくは7mm~25mmの深さを有する空洞を備えることが好ましい。
【0014】
プロセスは、
b.回転するナイフロールを提供する工程を含む。
【0015】
回転するナイフロールは、当該ナイフロール上に装着された1~10個のナイフ、好ましくは2~8個のナイフ、より好ましくは4~6個のナイフを備える。各個々のナイフは、切断縁を備え、当該切断縁は、当該回転するナイフロールから外方に延在する。ナイフは、当該回転するナイフロールの周りに等しく離間配置されることが好ましい。ナイフロールは、円筒状の形状を有し、各ナイフが、当該円筒状のナイフロールの表面から突出することが好ましい。理論に束縛されることを望むものではないが、回転する円筒状のナイフロールは、曲面と、周りを、回転する円筒状のナイフロールが回転する軸方向と、を有する。回転する円筒状のナイフロールは、軸方向が水溶性ウェブの運動の方向と直角をなすように、配向される。ナイフは、ナイフの切断縁がナイフロールの細長い方向と平行に配向されるように、配向される。
【0016】
当業者であれば、好適なナイフの設計を認識されよう。各ナイフは、薄い金属、セラミック、又はこれらの混合物の単一片から形成され得る。
【0017】
各ナイフは、切断縁を備える。当業者であれば、好適な切断縁を認識されよう。切断縁部は、ナイフ製造の技術分野において一般的な研削のいずれかにおいて形状決めすることができる。このような切断部は、限定されるものではないが、中空研削、平坦研削、サーベル研削、ノミ研削、複合ベベル、凸面研削、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される切断部を含むことができる。
【0018】
当該切断縁は、当該回転するナイフロールから外方に延在する。当業者であれば、各ナイフを回転するナイフロールに取り付けるための好適な手段を認識されよう。
【0019】
ナイフは、任意の好適な手段を介して、回転するナイフロールに取り付けられ得る。当業者であれば、好適な取り付け手段を認識されよう。各ナイフは、ナイフ内に提供されたボルト穴を有する貫通穴ボルトを介して、回転するナイフロールに取り付けられ得る。各ナイフは、挟持把持部又はウェッジ把持部によって、回転するナイフロールに接続され得る。このような把持部における把持力は、ねじ機構又はばね機構によって適用することができる。
【0020】
好ましくは、ナイフロールは、表面を備え、各ナイフは、当該回転するナイフロールの表面から突出し、各ナイフが、回転するナイフロールの表面に対して5°~90°、好ましくは10°~80°、より好ましくは30°~60°、最も好ましくは40°~50°の角度で位置付けられる。角度は、ナイフがナイフロールに接続される点における、当該回転するナイフロールの表面からナイフが突出する方向と、回転するナイフロールの円形半径と直角をなす平面との間の角度として定義される。好ましくは、各ナイフは、水溶性ウェブに対してクロス方向への切断をもたらすように配向される。理論に束縛されることを望むものではないが、マシン方向は、水溶性ウェブの運動の方向を意味するように理解される。クロス方向は、マシン方向と実質的に直角をなすことを意味するように理解される。クロス方向は、マシン方向に対して80°~100°、好ましくは85°~95°であることが好ましい。
【0021】
プロセスは、
c.水溶性ウェブを提供する追加の工程を含む。水溶性ウェブについて、以下でより詳細に説明する。
【0022】
水溶性ウェブは、一定の速度V1でマシン方向に移動する。理論に束縛されることを望むものではないが、マシン方向は、水溶性ウェブの運動の方向を意味するように理解される。クロス方向は、マシン方向と実質的に直角をなすことを意味するように理解される。クロス方向は、マシン方向に対して80°~100°、好ましくは85°~95°であることが好ましい。
【0023】
V1は、1m/秒~30m/秒、好ましくは2m/秒~20m/秒であることが好ましい。
【0024】
プロセスは、
d.当該ウェブを当該アンビルと当該回転するナイフロールとの間に通過させる工程であって、水溶性ウェブが、アンビルと接触する、通過させる更なる工程を含む。
【0025】
水溶性ウェブの第1の側面は、アンビルと直接接触する。理論に束縛されることを望むものではないが、アンビルは、水溶性ウェブをナイフによって切断することができる剛性材料である。
【0026】
アンビルについて、以下でより詳細に説明する。
【0027】
プロセスは、
e.当該水溶性ウェブが当該アンビルと当該回転するナイフロールとの間を通過するときに、当該ナイフを用いて当該水溶性ウェブを切断する更なる工程を含む。
【0028】
理論に束縛されることを望むものではないが、ナイフを、水溶性ウェブの平坦な面積の第2の側面と接触させる。ナイフは、切断縁が、切断縁と水溶性ウェブとの間の接触点において、水溶性ウェブの全厚を通って切断するように、位置付けられる。アンビルは、ナイフによって水溶性ウェブを通って完全に切断することを可能にする支持体として作用する。当業者であれば、これを達成するための適切な装置を設定する方法を知っているであろう。水溶性ウェブは、マシン方向と実質的に直角をなして、好ましくはマシン方向に対して80°~100°、より好ましくは85°~95°に切断される。
【0029】
回転するナイフロールは、可変速度で回転する。回転するナイフロールの単回の完全な回転は、いくつかの切断サイクルからなり、切断サイクルの数は、回転するナイフロール上のナイフの数と等しい。例えば、回転するナイフロールが4個のナイフを含む場合、4つの切断サイクルが存在し、6個のナイフが存在する場合、6つの切断サイクルが存在するなど。当業者であれば、切断サイクルの数を計算する方法を認識されよう。単回の切断サイクルの間に、当該回転するナイフロールは、少なくとも第1の回転速度R1及び第2の回転速度R2で回転する。R1は、V1に等しく、R2は、R1よりも少なくとも15%速い。R2が、R1よりも50%~3000%速く、より好ましくは100%~2000%速く、より好ましくは500%~1500%速いことが好ましい。本明細書において、「R1はV1に等しい」とは、R1が可能な限りV1に等しくなることを意味する。装置の軽度の欠陥などによるわずかな変動が存在する場合があり、これは、速度のわずかな変動が存在し得ることを意味する。かかる変動は、1%~5%であってもよい。理論に束縛されることを望むものではないが、V1は、m/分又はm/秒などの関連する単位で、一定の速度として測定される。R1は、回転速度であり、したがって、R1をV1と一致させるために、R1は、ナイフの切断縁の先端が、m/分又はm/秒で測定された水溶性ウェブを切断する点で移動する速度として計算する必要がある。R2は、R1と同じように計算することができる。理論に束縛されることを望むものではないが、切断縁の先端は、ナイフロールの回転軸から最も遠い切断縁上の点であると理解されたい。
【0030】
理論に束縛されることを望むものではないが、各切断サイクルは、少なくとも2つの速度を含む。第1の速度は、水溶性ウェブの速度のものと一致し、切断点における速度でもあり、第2の速度は、マシン方向における水溶性ウェブの速度よりも速く、2つの切断行為の間の点における速度である。回転するナイフロールは、いったんR2で進むと、次いで、次の切断サイクルのために再度R1まで速度を落とし、その後、再びR2まで加速する。単回の切断サイクルには、以下のシーケンスが含まれ得る。
R1-R2-R1。
【0031】
この場合、回転するナイフロールは、切断点において速度R1で回転し、続いて次の切断行為のために、速度R2まで加速して次の切断ナイフに再度位置付けられ、続いて後に続く切断工程のために再度R1まで減速する。
【0032】
回転するナイフロールは、各個々のナイフが当該水溶性ウェブをクロス方向に切断するときに、R1で回転することが好ましい。装置の軽度の欠陥などによるわずかな変動が存在する場合があり、これは、速度のわずかな変動が存在し得ることを意味する。かかる変動は、0%~5%、又は更には1%~5%であってもよい。水溶性ウェブの各切断は、回転するナイフロールのナイフのうちの1つのみによって一度に実施されることが好ましい。
【0033】
理論に束縛されることを望むものではないが、R2は、切断サイクル中の回転するナイフロールの最大速度であると理解されたい。回転するナイフロールは、R1からR2へと移動するときの加速の期間を有する。ナイフロールは、R2に達した後、次いで、R1の一定の速度に戻るときの減速の期間を有する。したがって、R2は、計算する際に、最大回転速度として計算する必要があり、R1からの加速の期間又はR1までの減速の期間ではない。R2は、各切断サイクルの間、同じ最大速度であるが、装置の軽度の欠陥などによるわずかな変動が存在する場合があり、これは、速度のわずかな変動が存在し得ることを意味する。かかる変動は、0%~5%、又は更には1%~5%であってもよい。
【0034】
各個々のナイフは、各個々のナイフが1回の完全な回転を行うためにかかる時間の25%~75%、好ましくは35%~75%、速度R1で進むことが好ましい。
【0035】
本プロセスは、ウェブをマシン方向に切断する更なる工程を含むことが好ましく、ウェブをマシン方向に切断することは、連続した一定の速度の切断デバイス、好ましくは回転するナイフによることが好ましい。マシン方向切断動作中のナイフの切断縁の速度は、水溶性ウェブの速度よりも25%大きい~25%小さい、好ましくは10%大きい~10%小さい、より好ましくは5%大きい~5%小さいことが好ましい。
【0036】
好ましくは、水溶性ウェブは、少なくとも2つの列のカプセルを備え、列は、マシン方向に配置され、単一の回転するナイフロールが、各列を切断するか、又は別個の回転するナイフロールが、各列を個々に若しくは列を組み合わせて切断する。
【0037】
水溶性ウェブを切断するプロセスは、好ましくは連続プロセスである。
【0038】
水溶性ウェブをマシン方向及びクロス方向に切断することにより、個々の水溶性単位用量物品が形成される。理論に束縛されることを望むものではないが、単位用量物品は、単回使用用途を意図する。これらは、好ましくは、例えば、布帛又は硬質面に適用するための処理組成物で充填される。単位物品を水に添加すると、水溶性ウェブを構成する水溶性フィルム(以下参照)が溶解又は崩壊し、内部処理組成物を周囲の水に放出して、洗浄液を作り出す。次いで、この洗浄液を使用して、布帛又は硬質面を処理する。
【0039】
水溶性ウェブ
好ましくは、最大孔径が20マイクロメートルのガラスフィルタを使用した後に本明細書に記載の方法によって測定したとき、水溶性ウェブは、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%の水溶性を有する。
予め秤量した3Lのビーカーに、5グラム±0.1グラムのウェブ材料を添加し、2L±5mLの蒸留水を添加する。これを、600rpmに設定した磁気撹拌器(Lablineモデル番号1250又は等価物及び5cmの磁気撹拌器)で、30℃で30分間にわたり激しく撹拌する。次いで、混合物を、上記で定義した孔径(最大20マイクロメートル)の折り畳まれた定性焼結ガラスフィルタにより濾過する。任意の従来の方法によって、回収した濾液から水を乾燥させ、残った材料の重量を求める(これが溶解画分又は分散画分である)。次いで、溶解度又は分散率を計算することができる。
【0040】
水溶性ウェブは、平坦な面積及び充填済みカプセルを備える。理論に束縛されることを望むものではないが、平坦な面積は、カプセル間の面積を表すと理解されたい。平坦な領域は、真っ直ぐでなくてもよく、例えば、回転するアンビルの周りに湾曲していてもよいが、いずれのカプセルも含まない。
【0041】
平坦な面積は、第1の側面及び第2の側面を備え、50マイクロメートル~400マイクロメートルの厚さを有する。第1の側面は、アンビルに接触する。換言すれば、第1の側面は、アンビルの表面と直接物理的に接触する。ナイフは、切断中に平坦な面積の第2の側面に接触する。理論に束縛されることを望むものではないが、アンビルは、切断動作中に水溶性ウェブを支持して、ウェブの有効かつ効率的な切断を可能にするように動作する。
【0042】
ウェブは、水溶性ウェブ内に形成された充填済みカプセルを更に備え、カプセルは、第2の側面から外方に突出する。カプセルは、平坦な面積によって、互いに接続され、互いから分離される。カプセルを作製するための方法について、以下でより詳細に説明する。カプセルは、2mm~15mm、好ましくは3mm~13mmだけ第2の側面から外方に突出することが好ましい。理論に束縛されることを望むものではないが、カプセルが突出する距離は、第2の側面の平坦な面積の表面と、当該第2の側面の平坦な面積の表面からのカプセル上の最も高い点との間の距離として測定される。
【0043】
カプセルは、第2の側面から外方に突出するだけでなく、第1の側面からも外方に突出し得る。カプセルが第1の側面及び第2の側面から突出する場合、アンビルは、第1の側面から外方に突出するカプセルを受容するための空洞を備える。適用可能な場合、カプセルは、5mm~30mm、好ましくは7mm~25mmだけ第1の側面から外方に突出することが好ましい。理論に束縛されることを望むものではないが、カプセルが突出する距離は、第1の側面の平坦な面積の表面と、当該第1の側面の平坦な面積の表面からのカプセル上の最も高い点との間の距離として測定される。アンビル内の空洞は、カプセルを収容するのに十分かつ適切なサイズのものである。空洞は、10mm~100mm、好ましくは20mm~80mm、好ましくは30mm~60mmの幅と、10mm~100mm、好ましくは20mm~80mm、好ましくは30mm~60mmの長さと、を有することが好ましい。アンビルについて、以下でより詳細に説明する。
【0044】
ウェブは、水溶性ポリビニルアルコールポリマー、水溶性ポリビニルアルコールコポリマー、又はこれらの混合物を含むことが好ましい。
【0045】
好ましいウェブ材料は、好ましくはポリマー材料である。ウェブ材料を、当該技術分野において公知の、例えば、ポリマー材料の注型成形、吹込成形、押出成形、又は吹込押出成形によって得ることができる。
【0046】
好ましくは、水溶性ウェブは、ポリビニルアルコールポリマー又はコポリマー、好ましくは、ポリビニルアルコールポリマー及び/又はポリビニルアルコールコポリマーのブレンドを含み、好ましくは、スルホン化及びカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマー、特にカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコールホモポリマーとカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーのブレンドを含む。
【0047】
好ましいウェブは、冷水、すなわち、加熱されていない蒸留水中で良好な溶解を呈する。かかるウェブは、24℃、更により好ましくは10℃の温度で良好な溶解を呈することが好ましい。良好な溶解とは、上述の最大孔径が20マイクロメートルのガラスフィルタの使用後に、本明細書に記載の方法によって測定したとき、フィルムが、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%の水溶性を示すことを意味する。
【0048】
ウェブは、不透明、透明又は半透明であってもよい。ウェブは、印刷された面積を含んでもよい。
【0049】
印刷区域は、フレキソ印刷又はインクジェット印刷などの標準的な技術を使用して得ることができる。
【0050】
ウェブは、嫌悪剤、例えば苦味剤を含んでもよい。好適な苦味剤としては、ナリンギン、スクロースオクタアセテート、塩酸キニーネ、デナトニウムベンゾエート、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。任意の好適な濃度の嫌悪剤をフィルムに使用してもよい。好適な濃度としては、1~5000ppm、又は更には100~2500ppm、又は更には250~2000rpmが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
1つのカプセルの縁と任意の隣接するカプセルの縁との間の最も近い距離は、3mm~15mm、好ましくは5mm~10mmであることが好ましい。
【0052】
カプセルを形成する方法
水溶性ウェブは、平坦な面積によって互いに接続されたカプセルを備える。カプセルは、処理組成物で充填されることが好ましい。処理組成物について、以下でより詳細に説明する。
【0053】
カプセルは、以下のプロセスによって作製されることが好ましい。第1の水溶性フィルムを鋳型内で変形させて、開いた区画を形成する。水溶性フィルムについて、以下でより詳細に説明する。開いた区画に処理組成物が添加されることが好ましい。次いで、開いた区画を第2の水溶性フィルムで閉じる。次いで、第1及び第2の水溶性フィルムを、熱、溶媒、圧力、又はこれらの混合によって封止して、カプセルを形成する。封止は、溶媒封止、より好ましくは水を含む溶媒によることが好ましい。理論に束縛されることを望むものではないが、かかるプロセスは、非熱成形フィルムによって一緒に接合された複数のかかるカプセルを作製して、水溶性ウェブを作り出すことを伴う。非熱成形フィルムは、カプセル間の水溶性ウェブの平坦な面積である。したがって、平坦な面積は、一緒に封止された2つ以上の水溶性フィルムを含み得る。
【0054】
代替的に、第2のフィルムは、第1のフィルムの開いた区画を閉じるために使用される1つ以上の閉じた区画を含み得る。これは、第2のフィルムの1つ以上の区画が第1のフィルムの区画の上に位置付けられている、重ね合わされた物品が作製されることを意味する。
【0055】
変形は、熱成形、真空成形、又はこれらの組み合わせによって達成され得る。
【0056】
カプセルを作製するためのプロセスは、コンベヤーベルト、一連のコンベヤーベルトなどの自動化された製造プロセスであってもよい。代替的に、カプセルを作製するためのプロセスは、1つ以上のシーケンス又は工程が手動で行われる、手動の製造ラインであってもよい。プロセスは、自動化されたプロセスであることが最も好ましい。
【0057】
カプセルを作製するプロセスは、連続プロセスであることが好ましい。代替的に、カプセルを作製するプロセスは、間欠的なプロセスであっても、バッチプロセスであってもよい。カプセルを作製するプロセスは、連続した作製プロセスであることが好ましい。
【0058】
本発明による切断プロセスを使用して単位用量物品を作製する例示的な手段は、水溶性単位用量物品を作製するための連続プロセスであって、
a.複数の鋳型を備える、連続的にかつ回転して移動するエンドレス面の水平部分の上、又はそのエンドレス面の非水平部分の上に、第1の水溶性フィルムを連続的にフィードし、当該水平部分にフィルムを連続的に移動させる工程と、
b.連続的に移動する表面の水平部分の上にあるフィルムから、その表面の上にある鋳型内に、開いたカプセルを備える連続的に移動する水平に位置付けられたウェブを形成する工程と、
c.開いたカプセルを処理組成物で充填して、開いた充填済みカプセルの水平に位置付けされたウェブを得る工程と、
d.好ましくは連続的に、開いたカプセルのウェブを閉じて、閉じたカプセルを得る工程であって、好ましくは開いた充填済みカプセルの水平に位置付けられたウェブの上に第2の水溶性フィルムをフィードすることによって、閉じたカプセルを得る、工程と、
e.任意選択で、第1及び第2の水溶性フィルムを封止して、平坦な面積によって接続された、閉じたカプセルのウェブを得る工程と、を含む、連続プロセスである。
【0059】
開いたカプセルの第1のウェブを、閉じたカプセルの第2のウェブと組み合わせることができ、好ましくは、好適な手段により、第1のウェブと第2のウェブとが一緒にまとめられて一緒に封止され、好ましくは、第2のウェブが回転ドラム上にセットアップされる。かかるセットアップでは、開いたカプセルがドラムの頂部で充填され、好ましくは、その後一層のフィルムにより封止され、閉じたカプセルが、好ましくは水平な形成面上に形成された、開いたカプセルの第1のウェブと交わるように降りてくる。回転ドラムユニットを、水平な形成面ユニット上に配置することが特に好適であるということが判明している。代替的に、第1及び第2の作製ユニットの両方が、互いの上に又は互いに離れて位置付けられる回転ドラムユニットであってもよい。
【0060】
したがって、平坦な面積を介して接続する閉じたカプセルの結果として得られるウェブは、上述のように、本発明の切断プロセスに続いて、切断ステーションに移送され、個々の単位用量物品を生産するように切断される。
【0061】
本発明のフィルムは、水溶性又は水分散性である。水溶性フィルムは、好ましくは、20~150マイクロメートル、好ましくは35~125マイクロメートル、更により好ましくは50~110マイクロメートル、最も好ましくは約76マイクロメートルの厚さを有する。
【0062】
好ましくは、最大孔径が20マイクロメートルのガラスフィルタの使用後に、本明細書に記載の方法によって測定したとき、フィルムの水溶性は、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%である。
予め秤量した3Lのビーカーに、5グラム±0.1グラムのフィルム材料を添加し、2L±5mLの蒸留水を添加する。これを、600rpmに設定した磁気撹拌器(Lablineモデル番号1250又は等価物及び5cmの磁気撹拌器)で、30℃で30分間にわたり激しく撹拌する。次いで、混合物を、上記で定義した孔径(最大20マイクロメートル)の折り畳まれた定性焼結ガラスフィルタにより濾過する。任意の従来の方法によって、回収した濾液から水を乾燥させ、残った材料の重量を求める(これが溶解画分又は分散画分である)。次いで、溶解度又は分散率を計算することができる。
【0063】
好ましいフィルム材料は、好ましくはポリマー材料である。フィルム材料を、当該技術分野において公知の、例えば、ポリマー材料の注型成形、吹込成形、押出成形又は吹込押出成形によって得ることができる。
【0064】
パウチ材料として使用するのに好適な好ましいポリマー、コポリマー又はこれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラガムなどの天然ガムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマー、例えば、PVAポリマーの濃度は、少なくとも60%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量を有してもよく、好ましくは、約1000~1,000,000、より好ましくは、約10,000~300,000、更により好ましくは、約20,000~150,000である。
【0065】
好ましくは、水溶性フィルムは、ポリビニルアルコールポリマー又はコポリマー、好ましくは、ポリビニルアルコールポリマー及び/又はポリビニルアルコールコポリマーのブレンドを含み、好ましくは、スルホン化及びカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマー、特にカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコールホモポリマーとカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーのブレンドを含む。
【0066】
好ましいフィルムは、冷水、すなわち、加熱されていない蒸留水中で良好な溶解を示すものである。かかるフィルムは、24℃、更により好ましくは10℃の温度で良好な溶解を呈することが好ましい。良好な溶解とは、上述の最大孔径が20マイクロメートルのガラスフィルタの使用後に、本明細書に記載の方法によって測定したとき、フィルムが、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%の水溶性を示すことを意味する。
【0067】
フィルムは、不透明、透明又は半透明であってもよい。フィルムは、印刷された領域を含んでもよい。
【0068】
印刷区域は、フレキソ印刷又はインクジェット印刷などの標準的な技術を使用して得ることができる。印刷領域は、水溶性単位用量物品の内面上にあっても外面上にあってもよい。印刷された領域は、単一の色又は複数の色を含んでもよく、好ましくは黒色、白色、赤色、又はこれらの混合色から選択される。
【0069】
フィルムは、嫌悪剤、例えば苦味剤を含んでもよい。好適な苦味剤としては、ナリンギン、スクロースオクタアセテート、塩酸キニーネ、デナトニウムベンゾエート、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。任意の好適な濃度の嫌悪剤をフィルムに使用してもよい。好適な濃度としては、1~5000ppm、又は更には100~2500ppm、又は更には250~2000rpmが挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
好ましいフィルムは、Monosolにより商品名称M8630、M8900、M8779、M8310で供給されているもの、及び苦味剤を含むそれらの類縁のフィルムである。
【0071】
得られた水溶性単位用量物品は、潤滑コーティングを含んでもよい。潤滑コーティングは、タルク、酸化亜鉛、シリカ、シロキサン、ゼオライト、ケイ酸、アルミナ、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クエン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、トリポリリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、変性デンプン、粘土、カオリン、石膏、シクロデキストリン、又はこれらの混合物を含んでもよい。
【0072】
結果として得られる単位用量物品は、少なくとも2つの区画、又は更には少なくとも3つの区画を備えることが好ましい。区画は、重ね合わせる配向で、すなわち、一方が他方の上に位置するように配置されてよい。あるいは、区画は、隣り合った配向で、すなわち、一方が他方に隣接する配向で位置してよい。区画は、更には「タイヤ及びリム」構成での配向であってもよく、すなわち、第1の区画は、第2の区画に隣接して位置するが、第1の区画は、第2の区画を少なくとも部分的に囲み、ただし、第2の区画を完全には封入しない。あるいは、1つの区画が、別の区画内に完全に封入されてもよい。
【0073】
区画のうちの1つは、他の区画よりも小さくてもよい。単位用量物品が少なくとも3つの区画を含む場合、区画のうちの2つが第3の区画より小さくてもよく、好ましくは、小さい方の区画が大きい方の区画上に重ね合わせられている。重ね合わせられた区画は、好ましくは、隣り合って配向される。
【0074】
多区画配向では、本発明による処理組成物が区画のうちの少なくとも1つの中に含まれ得る。例えば、洗濯洗剤組成物は1つの区画のみに含まれてもよく、又は2つの区画、又は更には3つの区画に含まれてもよい。
【0075】
各区画は、同一の組成物又は異なる組成物を含んでもよい。異なる組成物は全て同じ形態であってもよく、又は異なる形態、例えば、液体若しくは粉末であってもよい。
【0076】
処理組成物
処理組成物は、洗濯処理組成物、食器洗浄組成物、硬質面処理組成物、又はこれらの混合物、好ましくは洗濯処理組成物、より好ましくは、洗濯洗剤組成物、洗濯柔軟化組成物、洗濯鮮度組成物、若しくはこれらの混合物から選択される洗濯処理組成物、好ましくは洗濯洗剤組成物から選択され得る。好ましい洗濯及び自動食器洗浄洗剤組成物について、以下でより詳細に説明する。
【0077】
自動食器洗浄洗剤組成物
処理組成物は、界面活性剤、ビルダー、スルホン化/カルボキシル化ポリマー、シリコーン抑泡剤、ケイ酸塩、金属及び/又はガラスケア剤、酵素、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、アルカリ源、香料、染料、溶媒、充填剤、並びにこれらの混合物から選択される成分を含む、自動食器洗浄組成物であってもよい。
【0078】
自動食器洗浄洗剤で使用するための好ましい界面活性剤は、それ自体で、又は他の構成成分(例えば、泡抑制剤)と組み合わされて、低起泡性である。本明細書に用いるのに好ましいのは、低及び高曇点非イオン性界面活性剤、並びにこれらの混合物であり、非イオン性アルコキシル化界面活(特にC6~C18一級アルコールから誘導されるエトキシレート)、エトキシル化-プロポキシル化アルコール(例えば、Olin CorporationのPOLY-TERGENT(登録商標)SLF18)、エポキシ末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール(例えば、Olin CorporationのPOLY-TERGENT(登録商標)SLF18B、エーテル末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、及びBASF-Wyandotte Corp.(Wyandotte,Michigan)によるPLURONIC(登録商標)、REVERSED PLURONIC(登録商標)、及びTETRONIC(登録商標)シリーズのようなブロックポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンポリマー化合物、C12~C20アルキルアミンオキシ(本明細書に用いるのに好ましいアミンオキシドとしては、ラウリルジメチルアミンオキシド及びヘキサデシルジメチルアミンオキシドが挙げられる)のような両性界面活性剤、並びにMIRANOL(商標)C2Mのようなアルキルアンホカルボン酸界面活性剤、ベタイン及びスルタインのような双極性界面活性剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。界面活性剤は、洗剤組成物の0.2重量%~30重量%、より好ましくは0.5重量%~10重量%、最も好ましくは1重量%~5重量%の濃度で存在し得る。
【0079】
本明細書に記載される洗剤組成物で使用するために好適なビルダーとしては、クエン酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、及びポリリン酸塩、例えば、トリポリリン酸ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウム六水和物、トリポリリン酸カリウム、並びにトリポリリン酸ナトリウム及びカリウムの混合塩のような水溶性ビルダーが挙げられる。
【0080】
本明細書に記載される洗剤組成物中で使用するために好適な酵素としては、CAREZYME(登録商標)及びCELLUZYME(登録商標)(Novo Nordisk A/S)を含む細菌由来のセルラーゼ及び真菌セルラーゼ;ペルオキシダーゼ;AMANO-P(登録商標)(Amano Pharmaceutical Co.)と、M1 LIPASE(登録商標)及びLIPOMAX(登録商標)(Gist-Brocades)と、LIPOLASE(登録商標)及びLIPOLASE ULTRA(登録商標)(Novo)と、を含む、リパーゼ;クチナーゼ;ESPERASE(登録商標)、ALCALASE(登録商標)、DURAZYM(登録商標)、及びSAVINASE(登録商標)(Novo)と、MAXATASE(登録商標)、MAXACAL(登録商標)、PROPERASE(登録商標)、及びMAXAPEM(登録商標)(Gist-Brocades)と、を含む、プロテアーゼ;PURAFECT(登録商標)OX AM(Genencor)と、TERMAMYL(登録商標)、BAN(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、DURAMYL(登録商標)、及びNATALASE(登録商標)(Novo)と、を含む、α及びβアミラーゼ;ペクチナーゼ;並びにこれらの混合物が挙げられる。酵素は、本明細書において、典型的には洗浄組成物の0.0001重量%~2重量%の範囲の純粋な酵素の濃度で、プリル、顆粒、又は共顆粒(cogranulate)として添加され得る。
【0081】
本明細書に記載される洗剤組成物で使用するために適した泡抑制剤には、低曇点を有する非イオン性界面活性剤が挙げられる。本明細書において使用する場合、「曇点」とは、温度が上昇するにつれて界面活性剤の溶解性が低下する結果となる非イオン性界面活性剤の周知の特性であり、第2相の出現が観察できる温度を、「曇点」と呼ぶ。本明細書で使用する場合、「低曇点」非イオン性界面活性剤とは、30℃未満、好ましくは約20℃未満、更により好ましくは約10℃未満、及び最も好ましくは約7.5℃未満の曇点を有する非イオン性界面活性剤系成分として定義される。低曇点の非イオン性界面活性剤としては、非イオン性アルコキシル化界面活性剤、特に第一級アルコールから誘導されるエトキシレート、及びポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン(PO/EO/PO)リバースブロックポリマーを挙げることができる。また、このような低曇点の非イオン性界面活性剤としては、例えば、エトキシル化-プロポキシル化アルコール(例えば、BASFのPOLY-TERGENT(登録商標)SLF18)及びエポキシ末端処理ポリ(オキシアルキル化)アルコール(例えば、非イオン性のBASFのPOLY-TERGENT(登録商標)SLF18Bシリーズを挙げることができる。
【0082】
本明細書に記載される洗剤組成物中で使用するための他の好適な構成要素としては、再付着防特性、汚れ放出特性、又は他の洗剤特性を有する洗浄ポリマーが挙げられる。本明細書に用いる再析出防止ポリマーとしては、SOKALAN(登録商標)PA30、PA20、PA15、PA10、並びにSOKALAN(登録商標)CP10(BASF GmbH)、ACUSOL(登録商標)45N、480N、460N(Rohm and Haas)、SOKALAN(登録商標)CP5などのアクリル酸/マレイン酸コポリマー、及びアクリル/メタクリルコポリマーなどのアクリル酸含有ポリマーが挙げられる。他の好適なポリマーとしては、任意に四級化され得る、アルコキシル化ポリアルキレンイミン(例えば、PEI600 EO20及び/又はエトキシ硫酸化ヘキサメチレンジアミンジメチル第四級アンモニウム化合物)などのアミン系ポリマーが挙げられる。本明細書に用いるのに好ましい汚れ放出ポリマーとしては、アルキル及びヒドロキシアルキルセルロース、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン及びこれらのコポリマー、並びにエチレングリコール、プロピレングリコール及びこれらの混合物のテレフタレートエステルをベースとする、非イオン性及びアニオン性ポリマーが挙げられる。
【0083】
また重金属イオン封鎖剤及び結晶成長阻害剤、例えば、塩及び遊離酸形態のジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホネート)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホネート)ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホネート)、エチレンジホスホネート、ヒドロキシ-エチレン-1,1-ジホスホネート、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミノテトラアセテート、エチレンジアミン-N,N’-ジサクシネートもまた、洗剤での使用に適している。
【0084】
同様に本明細書に記載される洗剤組成物で使用するために適しているのは、例えば、有機銀コーティング剤(特に、Wintershall(Salzbergen,Germany)から販売されるWINOG(登録商標)70のようなパラフィン)、窒素含有腐食防止剤化合物(例えば、ベンゾトリアゾール及びベンズイミダゾール、並びにMn(II)化合物、特に有機配位子のMn(II)塩のような腐食防止剤である。
【0085】
本明細書での洗剤組成物で使用するための他の好適な構成要素としては、例えばカルシウムイオン、ホウ酸及びプロピレングリコールのような酵素安定剤が挙げられる。
【0086】
好適なすすぎ添加剤は、当該技術分野において既知である。典型的に、市販の食器洗浄用すすぎ補助剤は、低起泡性脂肪族アルコールポリエチレン/ポリプロピレングリコールエーテル、可溶化剤(例えば、クメンスルホネート)、有機酸(例えば、クエン酸)及び溶剤(例えば、エタノール)の混合物である。こうしたすすぎ補助剤の機能は、水滴、筋、又はフィルムが、以降の乾燥プロセス後に残らないように、薄い凝集性フィルムの形態ですすいだ表面から排出され得るような方法で水の界面張力に影響することである。
【0087】
洗濯洗剤組成物
洗濯洗剤組成物は、粉末、液体、又はこれらの混合物、好ましくは液体であってもよい。
【0088】
「液体洗濯洗剤組成物」という用語は、布地を濡らし、処理することが可能な液体を含む、任意の洗濯洗剤組成物を指し、限定するものではないが、液体、ゲル、ペースト、分散液などが挙げられる。液体組成物は、好適に細分された形態の固体又は気体を含み得るが、液体組成物は、錠剤又は顆粒などの、全体として非流動性である形態を除外する。
【0089】
本明細書において粉末とは、洗濯洗剤組成物が固体粒子を含んでいてもよく、又は単一の均質な固体であってもよいことを意味する。好ましくは、粉末洗濯洗剤組成物は、粒子を含む。このことは、固体が単一の均質な固体であるのとは対照的に、粉末洗濯洗剤組成物が個々の固体粒子を含むことを意味する。粒子は、自由流動性であり得るか、又は圧縮され得、好ましくは自由流動性である。
【0090】
洗濯洗剤組成物は、布地手洗い操作に使用することもでき、又は自動の布地機械洗い操作に使用することもでき、好ましくは自動の布地機械洗い操作で使用される。
【0091】
好ましくは、洗濯洗剤組成物は、非石鹸界面活性剤を含む。非石鹸界面活性剤は、好ましくは、非石鹸アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物から選択される。好ましくは、洗濯洗剤組成物は、当該洗濯洗剤組成物の10重量%~60重量%、より好ましくは20重量%~55重量%の非石鹸界面活性剤を含む。
【0092】
好ましくは、アニオン性非石鹸界面活性剤は、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、アルコキシル化アルキルサルフェート、又はこれらの混合物を含む。好ましくは、アルコキシル化アルキルサルフェートは、エトキシル化アルキルサルフェートである。
【0093】
好ましくは、洗濯洗剤組成物は、洗剤組成物の5重量%~60重量%、好ましくは15重量%~55重量%、より好ましくは25重量%~50重量%、最も好ましくは30重量%~45重量%の非石鹸アニオン性界面活性剤を含む。
【0094】
好ましくは、非石鹸アニオン性界面活性剤は、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート及びアルコキシル化アルキルサルフェートを含み、直鎖状アルキルベンゼンスルホネートのアルコキシル化アルキルサルフェートに対する比、好ましくは、直鎖状アルキルベンゼンスルホネートのエトキシル化アルキルサルフェートに対する重量比は、1:10~10:1、好ましくは6:1~1:6、より好ましくは4:1~1:4、更により好ましくは3:1~1:1である。代替的に、直鎖状アルキルベンゼンスルホネートのエトキシル化アルキルサルフェートに対する重量比は、1:2~1:4である。アルコキシル化アルキルサルフェートは、所望の平均アルキル炭素鎖長及び平均分枝度の間で、合成アルコール若しくは天然アルコール、又はこれらのブレンドから誘導され得る。好ましくは、合成アルコールは、チーグラー法、オキソ法、変性オキソ法、フィッシャー・トロプシュ法、ゲルベ法、又はこれらの組み合わせに従って作製される。好ましくは、天然由来のアルコールは、天然油、好ましくはココナッツ油、パーム核油、又はこれらの混合物から誘導される。
【0095】
好ましくは、洗濯洗剤組成物は、洗濯洗剤組成物の0重量%~15重量%、好ましくは0.01重量%~12重量%、より好ましくは0.1重量%~10重量%、最も好ましくは0.15重量%~7重量%の非イオン性界面活性剤を含む。非イオン性界面活性剤は、好ましくは、アルコールアルコキシレート、チーグラー合成アルコールアルコキシレート、オキソ合成アルコールアルコキシレート、ゲルベアルコールアルコキシレート、アルキルフェノールアルコールアルコキシレート、又はこれらの混合物から選択される。
【0096】
好ましくは、洗濯、好ましくは液体洗濯洗剤組成物は、当該洗濯洗剤組成物の1.5重量%~20重量%、より好ましくは2重量%~15重量%、更により好ましくは3重量%~10重量%、最も好ましくは4重量%~8重量%の石鹸、好ましくは脂肪酸塩、より好ましくはアミン中和脂肪酸塩を含み、好ましくは、アミンは、より好ましくはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、又はこれらの混合物から選択されるアルカノールアミンであり、より好ましくはモノエタノールアミンである。
【0097】
好ましくは、洗濯洗剤組成物は、非水性溶媒を含み、好ましくは、非水性溶媒は、1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ポリプロピレングリコール、又はこれらの混合物から選択され、好ましくは、ポリプロピレングリコールは、400の分子量を有する。好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、当該液体洗濯洗剤組成物の10重量%~40重量%、好ましくは15重量%~30重量%の非水性溶媒を含む。理論に束縛されることを望むものではないが、非水性溶媒は、適切なレベルのフィルム可塑化を確実にするため、フィルムは脆くなりすぎず、「柔らか」すぎない。理論に束縛されることを望むものではないが、正しい可塑化度を有することは、洗浄プロセス中に水に曝されたときのフィルムの溶解も容易にする。
【0098】
好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、当該液体洗濯洗剤組成物の0.5重量%~15重量%、好ましくは5重量%~13重量%の水を含む。
【0099】
好ましくは、洗濯洗剤組成物は、カチオン性ポリマー、ポリエステルテレフタレート、両親媒性グラフトコポリマー、カルボキシメチルセルロース、酵素、香料、カプセル化香料、漂白剤、又はこれらの混合物を含むリストから選択される成分を含む。
【0100】
洗濯洗剤組成物は、補助成分を含み得、補助成分は、エタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、色相染料、審美染料、酵素、ビルダー好ましくはクエン酸、キレート剤、洗浄ポリマー、分散剤、移染阻害剤ポリマー、蛍光増白剤、乳白剤、消泡剤、防腐剤、酸化防止剤、又はこれらの混合物から選択される。好ましくは、キレート剤は、アミノカルボキシレートキレート剤、アミノホスホネートキレート剤、又はこれらの混合物から選択される。
【0101】
好ましくは、洗濯洗剤組成物は、6~10、より好ましくは6.5~8.9、最も好ましくは7~8のpHを有し、洗濯洗剤組成物のpHは、20℃で脱塩水中の10%希釈物として測定される。
【0102】
液体洗濯洗剤組成物は、ニュートン性であっても、非ニュートン性であってもよい。好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、非ニュートン性である。理論に束縛されることを望むものではないが、非ニュートン液体は、ニュートン液体とは異なる特性を有し、より具体的には、非ニュートン液体の粘度は、剪断速度に依存せず、一方、ニュートン液体は、塗布される剪断速度に関わらず一定の粘度を有する。非ニュートン液体の剪断塗布時の粘度の低下は、液体洗剤の溶解を更に促進すると考えられる。本明細書に記載される洗濯洗剤組成物は、配合された成分及び組成物の目的などの要因に応じて、任意の好適な粘度を有し得る。ニュートン性の場合、組成物は、本明細書に記載の方法に従って、20s-1の剪断速度及び20℃の温度で、100~3,000cP、あるいは200~2,000cP、あるいは300~1,000cPの粘度値を有し得る。非ニュートン性の場合、組成物は、本明細書に記載の方法に従って、20s-1の剪断速度及び20℃の温度で、100~3,000cP、あるいは300~2,000cP、あるいは500~1,000cPの高剪断粘度値、及び1s-1の剪断速度及び20℃の温度で、500~100,000cP、あるいは1000~10,000cP、あるいは1,300~5,000cPの低剪断粘度値を有し得る。粘度の測定方法は、当該技術分野で既知である。本開示によると、粘度測定は、回転レオメータ、例えばTA Instrument社のAR550を用いて実施される。この機器は、等方性の液体用の約50~60μιηの隙間を有する40mmの2°又は1°のコーン固定具、又は液体を含有する粒子用の1000μιηの隙間を有する40mmの平板スチールプレートを含んでいる。この測定は、調整工程、ピークホールド、及び連続傾斜工程を含むフロー手順を用いて実施される。調整工程は、20℃の測定温度の設定で、10s1の剪断速度での10秒の予備剪断、及び選択された温度での60秒の平衡を含む。ピークホールドは、10s毎にサンプリングして、3分間20℃にて0.05s1の剪断速度を適用することを含む。連続傾斜工程は、全フロープロファイルを得るために、3分間20℃にて0.1~1200s1の剪断速度で実施する。
【0103】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【実施例】
【0104】
図1は、本発明によるプロセスを開示する。水溶性ウェブ(1)は、マシン方向(2)に移動している。水溶性ウェブ(1)は、平坦な面積(3)を含み、平坦な面積(3)は、第1の側面(4)及び第2の側面(5)を含む。水溶性ウェブ(1)はまた、充填済みカプセル(6)を備える。水溶性ウェブ(1)の第1の側面(4)は、アンビル(7)と回転するナイフロール(8)との間を通過する際に、アンビル(7)と接触する。この実施例では、アンビル(7)は、回転する(11)。回転するナイフロール(8)は、ナイフ(9)を備える。回転するナイフロール(8)が回転すると(10)、ナイフ(9)は、水溶性ウェブ(1)を切断する。
【0105】
図2は、本開示によるアンビル(7)を開示する。アンビルは、周りを当該アンビルが回転する(11)軸方向(12)を備える。アンビル(7)は、曲面(13)を有する、回転する円筒状のアンビルである。水溶性ウェブの運動の方向は、マシン方向(2)であり、そのため、軸方向(12)は、水溶性ウェブの方向又はマシン方向(2)と直角をなす。
図2に示されるアンビルはまた、水溶性ウェブ(1)の第1の側面(4)から外方に突出するカプセル(示されていない第1の側面から突出するカプセル)を受容するための空洞(14)を備える。
【0106】
図3は、回転するナイフロール(8)の断面を開示する。回転するナイフロールは、示される方向(10)に回転し、この実施例では、4個のナイフ(9)を備えるが、4個のナイフを有することに限定されない。回転するナイフロール(8)は、円筒状であり、かつ曲面(15)を有し、各ナイフ(9)が、当該曲面(15)から突出する。各ナイフ(9)は、切断縁(16)を有する。切断縁(16)は、先端(17)を有し、先端(17)からR
1及びR
2を計算することができる。
【0107】
図4は、回転するナイフロール(8)の3D表現を開示する。回転するナイフロールは、方向(10)に回転する。軸方向(18)は、水溶性ウェブ(2)の運動の方向と直角をなす。
【0108】
図5は、回転するとき(10)のナイフ(9)の先端(17)の速度を示すチャートを開示する。先端(17)は、ナイフ(9)が水溶性ウェブ(1)を切断する点において速度R
1(21)で回転する。次いで、先端(17)は、次の切断行為のためにR
1(21)まで減速する(20)前に、R
2(19)まで加速する(22)。単回の切断サイクル(29)を示す。
【0109】
図6は、本発明による水溶性単位用量物品(23)を開示する。水溶性単位用量物品(23)は、第1の水溶性フィルム(24)と第2の水溶性フィルム(25)とを含み、これらは封止領域(26)で共に封止されている。洗剤組成物(27)は、水溶性可溶性単位用量物品(23)内に含まれる。
【0110】
図7は、本発明による代替の水溶性単位用量物品(28)を開示する。水溶性単位用量物品(23)は、第1の水溶性フィルム(24)と第2の水溶性フィルム(25)とを含み、これらは封止領域(26)で共に封止されている。洗剤組成物(27)は、水溶性可溶性単位用量物品(23)内に含まれる。