(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法、および情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20240101AFI20240214BHJP
G06Q 30/015 20230101ALI20240214BHJP
【FI】
G06Q50/16
G06Q30/015
(21)【出願番号】P 2022069475
(22)【出願日】2022-04-20
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】檀上 周作
(72)【発明者】
【氏名】香取 普施
(72)【発明者】
【氏名】菊池 新
(72)【発明者】
【氏名】田村 香織
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-090530(JP,A)
【文献】特開2019-061541(JP,A)
【文献】特開2013-101226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の情報に基づいて、前記利用者に対応する起点を判定する判定部と、
前記判定部によって判定された前記起点の周辺の物件に関する情報である物件情報を前記利用者に提供する提供部と、を備え
、
前記判定部は、
前記利用者の情報から複数の起点候補の各々のスコアを算出する学習モデルから得られる前記複数の起点候補の各々のスコアに基づいて、前記複数の起点候補のうちの2つ以上の起点候補を選択し、選択した前記2つ以上の起点候補に基づいて、前記起点を判定する
ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記
利用者の情報は、
前記利用者の属性情報および前記利用者の行動履歴情報のうちの少なくとも一方
の情報である
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記判定部は、
前記2つ以上の起点候補に対して予め定められた条件を満たす位置を前記起点として決定する
ことを特徴とする請求項
1または2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記判定部は、
異なる種別の複数の起点候補を前記2つ以上の起点候補として選択する
ことを特徴とする請求項
1または2に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記提供部は、
前記起点を種別毎に異なる表示態様で示す情報と前記起点の周辺の物件の情報とを含む地図情報を前記物件情報として前記利用者に提供する
ことを特徴とする請求項
1または2に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記提供部は、
前記起点の種別に応じた重み付けを前記起点からの距離に対して行って得られる距離を前記起点候補毎に最大距離として算出し、前記最大距離までの範囲が前記起点候補間で重複する範囲の1以上の物件を複数の物件の中か
ら抽出し、抽出した前記1以上の物件に関する情報を含む情報を前記物件情報として前記利用者に提供する
ことを特徴とする請求項
1または2に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記利用者によるエリアの選択を受け付ける受付部を備え、
前記提供部は、
前記受付部によって受け付けられた前記エリアの大きさが予め定められた条件を満たす大きさ以下の場合に、前記物件情報を前記利用者に提供する
ことを特徴とする請求項
1または2に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記判定部は、
複数のエリアの各々における前記起点を判定し、
前記提供部は、
前記複数のエリアの前記物件情報を前記利用者に提供する
ことを特徴とする請求項
1または2に記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記判定部は、
前記複数のエリアの各々における前記起点として同一種別の前記起点を判定する
ことを特徴とする請求項
8に記載の情報提供装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する情報提供方法であって、
利用者の情報に基づいて、前記利用者に対応する起点を判定する判定工程と、
前記判定工程によって判定された前記起点の周辺の物件に関する情報である物件情報を前記利用者に提供する提供工程と、を含
み、
前記判定工程は、
前記利用者の情報から複数の起点候補の各々のスコアを算出する学習モデルから得られる前記複数の起点候補の各々のスコアに基づいて、前記複数の起点候補のうちの2つ以上の起点候補を選択し、選択した前記2つ以上の起点候補に基づいて、前記起点を判定する
ことを特徴とする情報提供方法。
【請求項11】
利用者の情報に基づいて、前記利用者に対応する起点を判定する判定手順と、
前記判定手順によって判定された前記起点の周辺の物件に関する情報である物件情報を前記利用者に提供する提供手順と、をコンピュータに実行させ
、
前記判定手順は、
前記利用者の情報から複数の起点候補の各々のスコアを算出する学習モデルから得られる前記複数の起点候補の各々のスコアに基づいて、前記複数の起点候補のうちの2つ以上の起点候補を選択し、選択した前記2つ以上の起点候補に基づいて、前記起点を判定する
ことを特徴とする情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法、および情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現在位置、勤務先、就学先、最寄り駅などの特定の地点を起点として指定し、検索条件として入力した所定の所要時間以内で到達可能な物件を検索する技術が知られている。また、物件の周辺に存在するPOI(Point Of Interest)の条件を設定して所望のPOIが周辺に存在する物件を検索する技術なども知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、利用者は、特定の地点やPOIなどを指定する必要があり、利用者の利便性の点で改善の余地がある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、物件の検索時における利用者の利便性を向上させることができる情報提供装置、情報提供方法、および情報提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報提供装置は、判定部と、提供部とを備える。判定部は、利用者の情報に基づいて、利用者に対応する起点を判定する。提供部は、判定部によって判定された起点の周辺の物件に関する情報である物件情報を利用者に提供する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、物件の検索時における利用者の利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報提供装置が行う情報提供方法を説明するための図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報提供システムの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報提供装置の構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る利用者情報記憶部に記憶される利用者情報テーブルの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報提供装置の物件情報記憶部に記憶される物件情報テーブルの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報提供装置の提供部によって提供される物件情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報提供装置の提供部によって提供される物件情報の他の例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る情報提供装置の処理部による情報提供の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態に係る情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報提供装置、情報提供方法、および情報提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報提供装置、情報提供方法、および情報提供プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報提供処理の一例〕
まず、
図1を参照し、実施形態に係る情報提供装置が行う情報提供方法について説明する。
図1は、実施形態に係る情報提供装置が行う情報提供方法を説明するための図である。
【0011】
図1に示す情報提供装置1は、情報提供サービスを提供する。情報提供装置1は、情報提供サービスにおいて、利用者Uからの物件情報送信要求に応じて、不動産物件などの物件の情報を含む物件情報を利用者Uに提供する。物件情報送信要求には、例えば、利用者Uが希望するエリアである検索対象エリアの情報などが含まれており、情報提供装置1は、検索対象エリアの中から利用者Uに情報を提供する物件を決定する。以下において、物件が不動産物件である例を説明するが、かかる例に限定されない。
【0012】
利用者Uは、例えば、端末装置2を操作して端末装置2から物件情報送信要求を情報提供装置1に送信する(ステップS1)。情報提供装置1は、端末装置2から送信される物件情報送信要求を受け付ける受付処理を行う(ステップS2)。
【0013】
情報提供装置1は、利用者Uの情報である利用者情報を記憶する利用者情報記憶部を備えており、利用者情報記憶部に記憶されている利用者情報に基づいて、物件情報送信要求で特定される検索対象エリアの中から利用者Uに対応する起点を判定する判定処理を行う(ステップS3)。利用者Uに対応する起点は、利用者Uに提供する物件情報に情報を含める物件を決定するための基準となる地点である。
【0014】
利用者情報には、例えば、利用者Uの属性情報および利用者Uの行動履歴情報などが含まれる。利用者Uの属性情報は、利用者Uの属性を示す情報である。利用者Uの属性は、利用者Uのデモグラフィック属性またはサイコグラフィック属性などである。デモグラフィック属性は、人口統計学的な利用者Uの属性である。サイコグラフィック属性は、利用者Uの価値観、ライフスタイル、性格、興味関心などを示す属性である。利用者Uの行動履歴情報は、例えば、利用者Uの決済履歴情報、利用者Uのウェブ検索履歴情報、利用者Uのウェブ閲覧履歴情報、および利用者Uの移動履歴情報などであるが、利用者Uの行動履歴に関する情報であればよく、かかる例に限定されない。
【0015】
情報提供装置1は、利用者情報に基づいて、検索対象エリアに含まれる複数の起点候補の各々の起点候補スコアを算出し、算出した起点候補スコアに基づいて、起点を判定する。情報提供装置1は、例えば、利用者情報を入力とし複数の起点候補の各々の起点候補スコアを出力とする起点判定モデルを有しており、かかる起点判定モデルから出力される複数の起点候補の各々の起点候補スコアに基づいて、起点を判定する。
【0016】
起点判定モデルは、例えば、機械学習によって生成された学習モデル(学習済みモデル)である。機械学習は、例えばディープニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)を利用したディープラーニング(深層学習)などであるが、ディープラーニングに限定されず、データマイニングやその他の機械学習アルゴリズムを利用して起点判定モデルが生成されてもよい。
【0017】
起点候補スコアは、利用者Uにとっての重要度を示し、利用者Uにとっての重要度が高くなるほど起点候補スコアが高くなる。例えば、利用者Uがペット用品を頻繁に購入していたり、利用者Uが動物病院で決済した回数が多かったりする場合、検索対象エリア内に存在する「動物病院」の起点候補スコアが高くなる。また、利用者Uがスーパーマーケットに頻繁に行ったり、スーパーマーケットのチラシ情報などを頻繁に閲覧したりする場合、検索対象エリア内に存在する「スーパーマーケット」の起点候補スコアが高くなる。また、利用者Uが車に対する興味関心が高い場合、検索対象エリア内に存在する「洗車場」や「カー用品専門店」などの起点候補スコアが高くなる。
【0018】
情報提供装置1は、例えば、複数の起点候補のうち起点候補スコアが最も高い起点候補を利用者Uに対応する起点として判定する。情報提供装置1は、検索対象エリア内に存在する「動物病院」の起点候補スコアが最も高い場合、検索対象エリア内に存在する「動物病院」を利用者Uに対応する起点として判定する。
【0019】
また、情報提供装置1は、検索対象エリア内に存在する「スーパーマーケット」の起点候補スコアが最も高い場合、検索対象エリア内に存在する「スーパーマーケット」を利用者Uに対応する起点として判定する。また、情報提供装置1は、検索対象エリア内に存在する「洗車場」の起点候補スコアが最も高い場合、検索対象エリア内に存在する「洗車場」を利用者Uに対応する起点として判定する。
【0020】
また、情報提供装置1は、複数の起点候補のうち起点候補スコアが高い順に2つ以上の起点候補を抽出し、抽出した2つ以上の起点候補に基づいて、利用者Uに対応する起点を判定することもできる。例えば、情報提供装置1は、2つ以上の起点候補に対して予め定められた条件を満たす位置を起点として決定する。
【0021】
予め定められた条件は、2つの起点候補の場合、例えば、2つの起点候補を結ぶ線の中点の位置であり、3つ以上の起点候補の場合、例えば、3つ以上の起点候補の各々までの距離の合計が最も小さい位置であるが、かかる例に限定されない。
【0022】
情報提供装置1は、複数の起点候補のうち起点候補スコアが高い順に2つ以上の起点候補を抽出することに代えて、起点候補スコアが閾値以上である2つ以上の起点候補を抽出することもできる。また、情報提供装置1は、起点候補の種別毎に起点候補スコアが最も高い起点候補を抽出することで、2つ以上の起点候補を抽出することもできる。この場合、情報提供装置1は、起点候補スコアが閾値以上の起点候補がない種別の起点候補は抽出しない。
【0023】
次に、情報提供装置1は、ステップS3で判定した起点の周辺の物件に関する情報である物件情報を利用者Uに提供する提供処理を行う(ステップS4)。
図1に示す例では、AAAスーパーが起点として判定され、AAAスーパーから徒歩10分以内の物件に関する情報を含む物件情報が利用者Uに提供される。
【0024】
これにより、情報提供装置1は、利用者Uによる起点の選択を要求することなく、利用者Uに応じた起点の周辺の物件に関する情報を利用者Uに提供できることから、物件の検索時における利用者Uの利便性を向上させることができる。
【0025】
情報提供装置1は、例えば、起点の種別、起点からの距離、および起点への移動手段のうちの少なくとも1つに基づいて、複数の物件の中から1以上の物件を抽出し、抽出した1以上の物件に関する情報を含む情報を物件情報として利用者Uに提供する。
【0026】
また、情報提供装置1は、2つ以上の起点候補の種別、2つ以上の起点候補からの距離、および2つ以上の起点候補への移動手段のうちの少なくとも1つに基づいて、複数の物件の中から1以上の物件を抽出し、抽出した1以上の物件に関する情報を含む情報を物件情報として利用者Uに提供することもできる。
【0027】
また、情報提供装置1は、物件情報送信要求に物件の検索条件が含まれる場合、かかる検索条件によりさらに絞り込んだ物件に関する情報を含む情報を物件情報として利用者Uに提供する。検索条件は、例えば、物件の家賃、間取り、設備、駅からの距離などであるが、かかる例に限定されない。
【0028】
情報提供装置1は、起点の周辺の物件の情報に加えて、起点を起点の種別に応じた表示態様で示す情報を含む地図情報を物件情報として利用者Uに提供することもできる。これにより、利用者Uが重要視していると推定した起点の位置および種別を容易に把握することができ、利用者Uによる物件検索の利便性を向上させることができる。
【0029】
情報提供装置1は、起点の周辺の物件の情報に加えて、2つ以上の起点候補を互いに異なる表示態様で示す情報を含む地図情報を物件情報として利用者Uに提供することもできる。これにより、利用者Uが重要視していると推定した2つ以上の起点候補の位置を容易に把握することができ、利用者Uによる物件検索の利便性を向上させることができる。
【0030】
また、情報提供装置1は、物件情報送信要求に含まれる検索対象エリアの大きさが予め定められた条件を満たす大きさ以下である場合に、起点の周辺の物件情報を利用者Uに提供することができる。予め定められた条件を満たす大きさは、例えば、予め定められた大きさであるが、抽出された起点候補の種別などに基づいて変更されてもよい。
【0031】
また、情報提供装置1は、物件情報送信要求に検索対象エリアの情報が含まれない場合または物件情報送信要求に含まれる検索対象エリアの大きさが予め定められた条件を満たす大きさ以下でない場合、複数のエリアの各々における起点を判定し、これら複数のエリアの物件情報を利用者Uに提供することもできる。複数のエリアの各々における起点は、同一種別の起点であるが、異なる種別の起点であってもよい。同一種別の起点は、例えば、起点に対応する起点候補が1つである場合、起点候補の種別が同じ起点であり、起点に対応する起点候補が2つ以上である場合、2つ以上の起点候補の種別の組み合わせが同じ起点である。
【0032】
以上のように、情報提供装置1は、利用者Uの情報に基づいて、利用者Uに応じた起点の周辺の物件に関する情報を利用者Uに提供できることから、物件の検索時における利用者Uの利便性を向上させることができる。
【0033】
以下、このような処理を行う情報提供装置1および端末装置2を含む情報提供システムの構成などについて、詳細に説明する。
【0034】
〔2.情報提供システムの構成〕
図2は、実施形態に係る情報提供システムの構成の一例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報提供システム100は、情報提供装置1と、端末装置2
1,2
2,・・・,2
nとを含む。端末装置2
1,2
2,・・・,2
nの各々は、利用者U
1,U
2,・・・,U
nのうち対応する利用者によって用いられる。
【0035】
情報提供装置1および端末装置2
1,2
2,・・・,2
nは、ネットワークNを介して、有線または無線により互いに通信可能に接続される。なお、
図2に示す情報提供システム100には、情報提供装置1および端末装置2
1,2
2,・・・,2
nの各々が複数含まれてもよい。以下において、端末装置2
1,2
2,・・・,2
nの各々を個別に区別せずに示す場合、端末装置2と記載する場合があり、利用者U
1,U
2,・・・,U
nの各々を個別に区別せずに示す場合、利用者Uと記載する場合がある。
【0036】
実施形態に係る端末装置2は、ウェブコンテンツなどにアクセスする利用者Uによって利用される情報処理装置である。例えば、端末装置2は、デスクトップ型PC(Personal Computer)、ノート型PC、タブレット端末、携帯電話機、またはPDA(Personal Digital Assistant)などである。なお、端末装置2は、上記例に限定されなくともよく、例えば、スマートウォッチまたはウェアラブルデバイス(Wearable Device)などであってもよい。
【0037】
実施形態に係る情報提供装置1は、インターネットなどの所定のネットワークNを介して、各種の装置と通信可能な情報処理装置であり、例えば、1以上のサーバまたはクラウドシステムなどにより実現される。例えば、情報提供装置1は、ネットワークNを介して、他の各種装置と通信可能に接続される。
【0038】
情報提供装置1は、各種情報を提供する。例えば、情報提供装置1は、不動産検索サイト、インターネットショッピングサイト、電子商取引(EC:Electronic Commerce)サイト、フリーマーケットサイト、オークションサイト、旅行または飲食店などの予約サイト、クレジットカード契約サイト、金融商品提供サイトなどにおける取引対象に関する情報を提供する。
【0039】
〔3.情報提供装置1の構成〕
図3は、実施形態に係る情報提供装置1の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、情報提供装置1は、通信部10と、記憶部11と、処理部12とを有する。
【0040】
〔3.1.通信部10〕
通信部10は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。そして、通信部10は、ネットワークNと有線または無線で接続され、他の各種装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部10は、端末装置2との間でネットワークNを介して情報の送受信を行う。
【0041】
〔3.2.記憶部11〕
記憶部11は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。また、記憶部11は、利用者情報記憶部20と、物件情報記憶部21とを有する。
【0042】
〔3.2.1.利用者情報記憶部20〕
利用者情報記憶部20は、利用者Uに関する各種利用者情報を記憶する。
図4は、実施形態に係る利用者情報記憶部20に記憶される利用者情報テーブルの一例を示す図である。
図4に示す例では、利用者情報記憶部20に記憶される利用者情報テーブルは、「利用者ID」、「利用者名」、「属性情報」、および「行動履歴情報」といった項目の情報を含む。
【0043】
「利用者ID」は、利用者Uを識別する識別子である。「利用者名」は、利用者の名称を示す情報である。「属性情報」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者Uの属性に関する属性情報である。例えば、属性情報は、利用者Uの性別、年齢などを含む。なお、上述した属性情報は、一例に過ぎず、年齢、性別など以外、例えば職業などのデモグラフィック属性を示す情報、および興味・関心、ライフスタイルなどのサイコグラフィック属性を示す情報などの様々な情報が含まれる。
【0044】
「行動履歴情報」は、利用者Uの行動に関する行動履歴情報であり、例えば、利用者Uの決済履歴情報、利用者Uのウェブ検索履歴情報、利用者Uのウェブ閲覧履歴情報、および利用者Uの移動履歴情報などを含む。
【0045】
利用者Uの決済履歴情報は、例えば、決済サービスを用いた利用者Uの決済履歴の情報である。決済サービスは、例えば、クレジットカードを用いた決済サービス、後払い電子マネーを用いた決済サービス、請求書後払いサービス、後払いアプリを用いた決済サービス、キャリア決済サービスなどであるが、かかる例に限定されない。
【0046】
利用者Uの決済履歴情報には、利用者Uが決済サービスを用いてオンライン、実店舗、または実施設などにおいて購入した商品に関する購入履歴情報、および利用者Uが決済サービスを用いてオンライン、実店舗、または実施設などにおいて有料で利用したサービスに関するサービス利用履歴情報などが含まれる。
【0047】
購入履歴情報には、利用者Uが購入した商品の情報、購入費用の情報、購入日時、購入店舗の情報などが含まれる。サービス利用履歴情報には、利用者Uが利用したサービスの情報、利用費用の情報、利用日時、利用店舗の情報などが含まれる。
【0048】
利用者Uのウェブ検索履歴情報は、例えば、検索サイトでのウェブコンテンツの検索履歴の情報、各種のウェブサイトでの検索履歴の情報などである。利用者Uのウェブ検索履歴情報には、検索サイトやポータルサイトでのウェブコンテンツの検索履歴の情報であり、利用者Uの物件検索履歴情報を含む。
【0049】
利用者Uのウェブ閲覧履歴情報は、利用者Uのウェブコンテンツの閲覧履歴の情報であり、例えば、利用者Uの物件情報の閲覧履歴、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店舗のチラシの閲覧情報などの種々の情報を含む。
【0050】
利用者Uの移動履歴情報は、利用者Uの移動履歴の情報であり、例えば、単位時間毎の利用者Uの位置の情報を含む。なお、利用者Uの移動履歴情報は、訪問した店舗や施設などの情報であってもよい。
【0051】
〔3.2.2.物件情報記憶部21〕
物件情報記憶部21は、複数の事業者によって入稿された複数の広告情報を含む物件情報テーブルを記憶する。広告情報は、例えば、不動産物件を仲介する事業者によって投稿された物件の情報である。
【0052】
図5は、実施形態に係る情報提供装置1の物件情報記憶部21に記憶される物件情報テーブルの一例を示す図である。
図5に示すように、物件情報記憶部21に記憶される物件情報テーブルは、「物件ID」、「物件名」、「物件位置」、および「物件内容」といった項目の情報を物件毎に含む。
【0053】
「物件ID」は、各物件に固有の情報である。「物件名」は、物件の名称を示す情報である。「物件位置」は、物件の位置を示す情報であり、例えば、物件の緯度および経度を示す情報である。
【0054】
「物件内容」は、物件の内容を示す情報であり、「物件概要」と「物件詳細」とを含む。「物件概要」は、物件の概要を示す情報であり、定型的な項目で示される情報である。「物件概要」は、例えば、物件が賃貸物件であれば、物件名、賃料、最寄り駅までの時間、敷金、保証金、礼金、間取り、専有面積、築年数、建物の大きさ、建物における物件が位置する階、および所在地などの情報が含まれる。
【0055】
「物件詳細」は、物件の詳細を示す情報である。「物件詳細」には、定型的な項目と備考とが含まれる。定型的な項目は、例えば、設備(バス、トイレ、キッチン、収納、ベランダ、セキュリティ、エレベータ、エアコン、フローリング、インターネット対応の有無など)の詳細、間取り、建物の構造、および駐車場などの情報が含まれる。備考には、例えば、定型的な項目以外の内容で事業者が利用者Uに知らせたい事項などが含まれる。
【0056】
図5に示す物件情報テーブルでは、物件ID「O1」の物件は、物件名が「物件E1」であり、物件位置が「位置P1」である。物件ID「O2」の物件は、物件名が「物件E2」であり、物件位置が「位置P2」である。物件ID「O3」の物件は、物件名が「物件E3」であり、物件位置が「位置P3」である。
【0057】
〔3.3.処理部12〕
処理部12は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサによって、情報提供装置1内部の記憶装置(例えば、記憶部11)に記憶されている各種プログラム(情報提供プログラムの一例)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、処理部12は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により一部または全部が実現されてもよい。
【0058】
図3に示すように、処理部12は、取得部30と、受付部31と、判定部32と、提供部33とを有し、以下に説明する情報提供の機能や作用を実現または実行する。なお、処理部12の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報提供を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0059】
〔3.3.1.取得部30〕
取得部30は、各種情報を取得する。取得部30は、記憶部11から各種の情報を取得する。例えば、取得部30は、利用者情報記憶部20および物件情報記憶部21などから各種の情報を取得する。また、取得部30は、通信部10を介して、外部の情報処理装置から各種情報を受信することもできる。
【0060】
〔3.3.2.受付部31〕
受付部31は、各種要求を受け付ける。受付部31は、例えば、通信部10を介して、端末装置2および外部の情報処理装置などから各種要求を示す情報を受信する。
【0061】
例えば、受付部31は、物件情報送信要求を端末装置2から受け付ける。物件情報送信要求には、例えば、利用者Uが希望するエリアである検索対象エリアの情報などが含まれている。また、受付部31は、物件情報送信要求に検索対象エリアの情報が含まれない場合、物件情報送信要求に対応する情報を利用者Uに提供した後に、利用者Uによる検索対象エリアの選択を受け付けることができる。
【0062】
〔3.3.3.判定部32〕
判定部32は、物件情報送信要求を送信した端末装置2の利用者Uの情報に基づいて、利用者Uに対応する起点である検索起点を判定する。例えば、判定部32は、利用者Uの属性情報および利用者Uの行動履歴情報のうちの少なくとも一方を利用者Uの情報として、検索起点を判定する。
【0063】
判定部32は、例えば、利用者Uの利用者情報に基づいて、物件情報送信要求で示される検索対象エリアに含まれる複数の起点候補の各々の起点候補スコアを算出し、算出した起点候補スコアに基づいて、検索起点を判定する。起点候補スコアは、利用者Uにとっての重要度を示し、利用者Uにとっての重要度が高くなるほど起点候補スコアが高くなる。
【0064】
判定部32は、例えば、利用者Uの利用者情報を入力とし起点候補の各々の起点候補スコアを出力する重要度推定モデルを用いて、起点候補の各々の起点候補スコアを得ることができる。
【0065】
重要度推定モデルは、例えば、機械学習によって生成された学習モデル(学習済みモデル)である。機械学習は、例えばディープニューラルネットワークを利用したディープラーニングなどであるが、ディープラーニングに限定されず、データマイニングやその他の機械学習アルゴリズムを利用して重要度推定モデルを生成してもよい。
【0066】
起点候補は、例えば、店舗や施設などであり、例えば、小売店を含む物品販売店、病院、飲食店、クリーニング店、洗車場、ガソリンスタンド、整骨院、写真館、理容院、美容院、保育所、学校、学習塾、スポーツクラブ、入浴施設、マッサージ店、神社、寺院などであるが、これらに限定されない。各起点候補は、特定の位置にある店舗や施設ではなく、特定の種別の店舗や施設などを示す。
【0067】
判定部32は、起点候補の種別毎に起点候補スコアを算出することで、複数の起点候補の各々の起点候補スコアを算出する。この場合、同一種別の複数の起点候補は、互いに同じ起点候補スコアとなる。起点候補の種別は、例えば、起点候補がコンビニエンスストアである場合、コンビニエンスストアであるが、運営者毎のコンビニエンスストアであってもよい。運営者は、フランチャイズの場合、フランチャイザーであるが、フランチャイジーであってもよい。なお、後述するように、判定部32は、起点候補単位で起点候補スコアを算出することもできる。
【0068】
判定部32は、例えば、複数の起点候補のうち起点候補スコアが最も高い起点候補を検索起点として判定する。例えば、判定部32は、検索対象エリア内に存在する「動物病院」の起点候補スコアが最も高い場合、検索対象エリア内に存在する「動物病院」を利用者Uに対応する起点として判定する。判定部32は、検索対象エリア内に「動物病院」が複数存在する場合、複数の起点候補のうち起点候補スコアが2番目に高い起点候補に最も近い位置の「動物病院」を検索起点とすることができる。
【0069】
また、判定部32は、例えば、種別「スーパーマーケット」の起点候補スコアが最も高い場合、検索対象エリア内に存在する種別「スーパーマーケット」の起点候補を利用者Uに対応する起点として判定する。判定部32は、検索対象エリア内に種別「スーパーマーケット」の起点候補が複数存在する場合、複数の起点候補のうち起点候補スコアが2番目に高い起点候補に最も近い位置の「スーパーマーケット」を検索起点とすることができる。また、判定部32は、検索対象エリアに運営者が異なる複数のスーパーマーケットがあり且つ利用者Uがいずれかのスーパーマーケットを使用したことがある場合、利用者情報に基づいて、利用頻度が最も高いスーパーマーケットを検索起点とすることができる。
【0070】
また、判定部32は、複数の起点候補のうち起点候補スコアが高い順に2つ以上の起点候補を抽出し、抽出した2つ以上の起点候補に基づいて、検索起点を判定することもできる。例えば、判定部32は、2つ以上の起点候補に対して予め定められた条件を満たす位置を検索起点として決定する。
【0071】
予め定められた条件は、2つの起点候補の場合、例えば、2つの起点候補を結ぶ線の中点の位置であり、3つ以上の起点候補の場合、例えば、3つ以上の起点候補の各々までの距離の合計が最も小さい位置であるが、かかる例に限定されない。
【0072】
例えば、2つの起点候補の場合、2つの起点候補を結ぶ線上の位置のうち、起点候補の種別に応じた重みを用いて算出された位置を予め定められた条件を満たす位置とすることができる。これにより、重みが小さい方の種別の起点候補よりも重みが大きい方の種別の起点候補に近い位置が起点として決定される。また、3つ以上の起点候補の場合、例えば、3つ以上の起点候補までの距離に対して起点候補への移動手段および起点候補の種別などに応じた重み付けをした値の合計値が最も小さい位置であってもよい。
【0073】
判定部32は、複数の起点候補のうち起点候補スコアが高い順に2つ以上の起点候補を抽出することに代えて、起点候補スコアが閾値以上である2つ以上の起点候補を抽出することもできる。
【0074】
また、判定部32は、店舗単位や施設単位で起点候補スコアを算出することもできる。この場合、重要度推定モデルは、同一種別の起点候補であっても、店舗毎または施設毎の特徴や運営者などに応じて異なる起点候補スコアを算出することができる。店舗毎または施設毎の特徴は、例えば、種別がスーパーマーケットである場合、スーパーマーケットの規模、駐車場の大きさ、販売形態、品揃えなどであるが、かかる例に限定されない。
【0075】
この場合も、判定部32は、複数の起点候補のうち起点候補スコアが最も高い起点候補を検索起点として判定したり、複数の起点候補の中から抽出した2つ以上の起点候補に基づいて、利用者Uに対応する起点を判定したりすることができる。
【0076】
また、判定部32は、起点候補の種別毎に起点候補スコアが最も高い起点候補を抽出することで、2つ以上の起点候補を抽出することもできる。この場合、判定部32は、例えば、起点候補スコアが閾値以上の起点候補がない種別の起点候補は抽出しないことができる。
【0077】
また、判定部32は、物件情報送信要求に検索対象エリアの情報が含まれない場合または物件情報送信要求に検索対象エリアが予め定められた大きさではない場合、複数のエリアの各々における起点を判定することができる。
【0078】
複数のエリアの各々における起点は、同一種別の起点であるが、異なる種別の起点であってもよい。同一種別の起点は、例えば、起点に対応する起点候補が1つである場合、起点候補の種別が同じ起点であり、起点に対応する起点候補が2つ以上である場合、2つ以上の起点候補の種別の組み合わせが同じ起点である。
【0079】
〔3.3.4.提供部33〕
提供部33は、判定部32によって判定された検索起点の周辺の物件に関する情報である物件情報を利用者Uに提供する。提供部33は、例えば、通信部10およびネットワークNを介して物件情報送信要求を送信した端末装置2に物件情報を送信することで、物件情報を利用者Uに提供する。提供部33は、例えば、物件情報送信要求で示される検索対象エリアが予め定められた大きさである場合、検索対象エリアにおける検索起点の周辺の物件に関する情報である物件情報を利用者Uに提供する。
【0080】
提供部33は、例えば、検索起点の種別、検索起点からの距離、および検索起点への移動手段のうちの少なくとも1つに基づいて、複数の物件の中から1以上の物件を抽出し、抽出した1以上の物件に関する情報を含む情報を物件情報として利用者Uに提供する。
【0081】
提供部33は、例えば、検索起点からの距離に検索起点への移動手段および検索起点の種別などに応じて重み付けして得られる距離を最大距離とし、検索起点から最大距離までの範囲の物件を検索起点の周辺の物件とすることができる。
【0082】
例えば、提供部33は、検索起点からの距離Dに検索起点の種別に応じた係数k1と検索起点への移動手段に応じた係数k2を乗算して得られる最大距離R(=D×k1×k2)を算出し、検索起点を中心とした最大距離Rまでの範囲の物件を検索起点の周辺の物件とすることができる。
【0083】
検索起点の種別に応じた係数k1は、例えば、検索起点が大型ショッピングセンターである場合、検索起点がスーパーマーケットである場合に対して大きな値になる。また、検索起点への移動手段に応じた係数k2は、例えば、検索起点がスーパーマーケットである場合、検索起点が塾や学校に比べて、大きな値になる。なお、提供部33は、例えば、検索対象エリアが住宅街か市街地かによって係数k1,k2を調整することもできる。
【0084】
提供部33は、利用者Uから検索条件の指定がある場合、検索起点から最大距離Rまでの範囲の物件のうち指定された検索条件に合致する物件の情報を含む物件情報を利用者Uに提供することができる。検索条件は、例えば、物件の家賃、間取り、設備、駅からの距離などであるが、かかる例に限定されない。
【0085】
また、提供部33は、2つ以上の起点候補に基づいて判定部32によって検索起点が判定された場合、2つ以上の起点候補の情報に基づいて物件情報に含める物件を抽出することもできる。提供部33は、例えば、2つ以上の起点候補の種別、2つ以上の起点候補からの距離、および2つ以上の起点候補への移動手段のうちの少なくとも1つに基づいて、複数の物件の中から1以上の物件を抽出し、抽出した1以上の物件に関する情報を含む情報を物件情報として利用者Uに提供することもできる。
【0086】
提供部33は、例えば、起点候補からの距離に起点候補への移動手段および起点候補の種別などに応じて重み付けして得る距離を最大距離として起点候補毎に算出する。そして、提供部33は、起点候補から最大距離までの範囲が起点候補間で重複する範囲の物件を検索起点の周辺の物件とすることができる。
【0087】
例えば、提供部33は、起点候補からの距離D1に起点候補の種別に応じた係数k3と起点候補への移動手段に応じた係数k4を乗算した結果R1(=D1×k3×k4)を最大距離とすることができる。
【0088】
また、提供部33は、起点関連情報と物件関連情報とを含む地図情報を物件情報として利用者Uに提供する。起点関連情報は、検索起点の情報を含む。検索起点の情報は、地図上の検索起点の位置にアイコンなどによって示される情報であり、例えば、検索起点の種別毎に異なる表示態様(例えば、検索起点の種別に応じたアイコン)で示される。また、起点関連情報は、検索起点が2つ以上の起点候補に基づいて判定された場合、2つ以上の起点候補の情報を含む。
【0089】
起点候補の情報は、地図上の起点候補の位置にアイコンなどによって示される情報であり、例えば、起点候補の種別毎に異なる表示態様(例えば、起点候補の種別に応じたアイコン)で示される。起点関連情報において、検索起点と起点候補とは異なる表示態様で示される。異なる表示態様は、例えば、アイコンの形や色などであるが、かかる例に限定されない。また、起点関連情報において、2つ以上の起点候補が互いに異なる表示態様で示されるが同じ表示態様であってもよい。
【0090】
また、提供部33は、判定部32によって複数のエリアの各々における検索起点が判定された場合、これら複数のエリアの物件情報を利用者Uに提供する。例えば、判定部32によって判定された検索起点がサウナ付き大衆浴場である場合、提供部33は、例えば、サウナ付き大衆浴場がある複数のエリアを抽出し、各エリアにおけるサウナ付き大衆浴場の周辺の物件の情報を含む物件情報を利用者Uに提供する。
【0091】
提供部33は、物件情報送信要求に応じて物件情報を利用者Uに提供することに代えてまたは加えて、例えば、電子メールなどによって、物件情報を利用者Uに提供することもできる。
【0092】
図6は、実施形態に係る情報提供装置1の提供部33によって提供される物件情報の一例を示す図である。
図6に示す物件情報50では、検索対象エリア選択枠51と、賃料選択枠52と、間取り選択枠53と、物件群表示領域54と、地図情報表示領域55とを含む。
【0093】
検索対象エリア選択枠51は、利用者Uが希望する検索対象エリアを選択するための選択枠である。賃料選択枠52は、利用者Uが希望する賃料の範囲を選択するための選択枠である。間取り選択枠53は、利用者Uが希望する間取りを選択するための選択枠である。
【0094】
物件群表示領域54は、複数の検索物件情報541,542,543などを含む。検索物件情報541,542,543の各々は、判定部32によって判定された検索起点に基づいて抽出された物件に関する情報を含む。
【0095】
地図情報表示領域55は、検索起点アイコン551および複数の物件アイコン552が配置された地図情報を含む。検索起点アイコン551は、判定部32によって判定された検索起点の地図上の位置を示すアイコンである。物件アイコン552は、判定部32によって判定された検索起点に基づいて抽出された各物件の地図上の位置を示すアイコンである。検索起点アイコン551との物件アイコン552とは互いに異なる表示態様のアイコンである。
【0096】
このように、
図6に示す物件情報50では、検索起点であるAAAスーパーから徒歩10分以内にある複数の物件の情報が示されることから、AAAスーパーを探して起点として選択する手間を省くことができ、物件の検索時における利用者Uの利便性を向上させることができる。また、
図6に示す物件情報50では、検索起点アイコン551を含むことから、利用者Uにとっての重要であると推定される店舗や施設の位置を容易に把握することができる。
【0097】
図7は、実施形態に係る情報提供装置1の提供部33によって提供される物件情報の他の例を示す図である。
図7に示す物件情報50では、
図6に示す物件情報50と同様に、検索対象エリア選択枠51と、賃料選択枠52と、間取り選択枠53と、物件群表示領域54と、地図情報表示領域55とを含む。
【0098】
図7に示す物件情報50は、地図情報表示領域55において、起点候補アイコン553,554が配置される点で、
図6に示す物件情報50と異なる。起点候補アイコン553,554は、判定部32によって検索起点を判定するために用いられた検索起点の地図上の位置を示すアイコンである。
【0099】
このように、
図7に示す物件情報50では、起点候補アイコン553,554が含まれることから、利用者Uにとっての重要であると推定される店舗や施設の位置を容易に把握することができる。なお、
図7に示す物件情報50では、検索起点が「港区XXX2-1」であり、検索起点「港区XXX2-1」から徒歩10分の物件の情報が示されている。「XXX」は、地域の名称を示す。
【0100】
〔4.処理手順〕
次に、実施形態に係る情報提供装置1の処理部12による情報提供の手順について説明する。
図8は、実施形態に係る情報提供装置1の処理部12による情報提供の一例を示すフローチャートである。
【0101】
図8に示すように、処理部12は、端末装置2から送信される物件情報送信要求を取得したか否かを判定する(ステップS10)。処理部12は、物件情報送信要求を取得したと判定した場合(ステップS10:Yes)、各起点候補の起点候補スコアを算出する(ステップS11)。
【0102】
次に、処理部12は、ステップS11で算出した各起点候補の起点候補スコアに基づいて、検索起点を判定する(ステップS12)。そして、処理部12は、ステップS12で判定した検索起点の情報または起点候補の情報に基づいて、物件を抽出する(ステップS13)。
【0103】
次に、処理部12は、ステップS13で抽出した物件の情報を含む物件情報を生成する(ステップS14)。そして、処理部12は、ステップS14で生成した物件情報を端末装置2に送信する(ステップS15)。
【0104】
次に、処理部12は、ステップS15の処理が終了した場合、または物件情報送信要求を取得していないと判定した場合(ステップS10:No)、動作終了タイミングになったか否かを判定する(ステップS16)。処理部12は、例えば、情報提供装置1の電源がオフにされた場合などに動作終了タイミングになったと判定する。
【0105】
処理部12は、動作終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS16:No)、処理をステップS10へ移行し、動作終了タイミングになったと判定した場合(ステップS16:Yes)、
図8に示す処理を終了する。
【0106】
〔5.変形例〕
上述した物件の情報である広告情報には、タグ情報が含まれていてもよい。タグ情報は、例えば、近くの起点候補となる店舗や施設の情報であり、タグ情報には、1以上の店舗や施設の情報が含まれる。判定部32は、例えば、検索対象エリア内に最もスコアが高い種別の起点候補が複数存在する場合、検索対象エリア内の複数の物件の情報に含まれるタグ情報で示される店舗や施設の種別と一致する数が最も多い起点候補を検索起点として判定することができる。
【0107】
また、提供部33は、例えば、判定部32によって2つ以上の起点候補が抽出された場合、検索対象エリア内の複数の物件の情報のうちタグ情報として2つ以上の起点候補の種別の店舗や施設の情報を含む物件の情報を検索起点の周辺の物件の情報として利用者Uに提供することもできる。
【0108】
また、提供部33は、利用者Uの興味関心が強いと推定されるエリアに強調表示(例えば、半透明の赤色に着色)を行ったレイヤを地図上に重畳した地図情報を利用者Uに提供することができる。利用者Uの興味関心が強いと推定されるエリアは、例えば、選択されているエリアのうち、検索起点から物件が検索される範囲である。検索起点が複数ある場合、複数のエリアが強調表示される。
【0109】
〔6.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報提供装置1は、例えば
図9に示すような構成のコンピュータ80によって実現される。
図9は、実施形態に係る情報提供装置1の機能を実現するコンピュータ80の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ80は、CPU81、RAM82、ROM(Read Only Memory)83、HDD(Hard Disk Drive)84、通信インターフェイス(I/F)85、入出力インターフェイス(I/F)86、およびメディアインターフェイス(I/F)87を有する。
【0110】
CPU81は、ROM83またはHDD84に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM83は、コンピュータ80の起動時にCPU81によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ80のハードウェアに依存するプログラムなどを記憶する。
【0111】
HDD84は、CPU81によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータなどを記憶する。通信インターフェイス85は、ネットワークN(
図2参照)を介して他の機器からデータを受信してCPU81へ送り、CPU81が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0112】
CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、ディスプレイやプリンタなどの出力装置、および、キーボードまたはマウスなどの入力装置を制御する。CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU81は、入出力インターフェイス86を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0113】
メディアインターフェイス87は、記録媒体88に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM82を介してCPU81に提供する。CPU81は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス87を介して記録媒体88からRAM82上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体88は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0114】
例えば、コンピュータ80が実施形態に係る情報提供装置1として機能する場合、コンピュータ80のCPU81は、RAM82上にロードされたプログラムを実行することにより、処理部12の機能を実現する。また、HDD84には、記憶部11内のデータが記憶される。コンピュータ80のCPU81は、これらのプログラムを記録媒体88から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0115】
〔7.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0116】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0117】
例えば、上述した情報提供装置1は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホームなどをAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0118】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0119】
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報提供装置1は、判定部32と、提供部33とを備える。判定部32は、利用者Uの情報に基づいて、利用者Uに対応する起点を判定する。提供部33は、判定部32によって判定された起点の周辺の物件に関する情報である物件情報を利用者Uに提供する。これにより、情報提供装置1は、物件の検索時に用いられる起点を利用者Uに応じた起点とすることができ、物件の検索時における利用者Uの利便性を向上させることができる。
【0120】
また、判定部32は、利用者Uの属性情報および利用者Uの行動履歴情報のうちの少なくとも一方を利用者Uの情報として、起点を判定する。これにより、情報提供装置1は、物件の検索時に用いられる起点を利用者Uに応じた適切な起点とすることができる。
【0121】
また、判定部32は、利用者Uの情報から複数の起点候補の各々のスコアを算出する学習モデルから得られる複数の起点候補の各々のスコアに基づいて、起点を判定する。これにより、情報提供装置1は、物件の検索時に用いられる起点を利用者Uに応じたより適切な起点とすることができる。
【0122】
また、判定部32は、複数の起点候補のうちスコアが最も高い起点候補を起点として判定する。これにより、情報提供装置1は、物件の検索時に用いられる起点を利用者Uに応じたより適切な起点とすることができる。
【0123】
また、提供部33は、起点の種別、起点からの距離、および起点への移動手段のうちの少なくとも1つに基づいて、複数の物件の中から1以上の物件を抽出し、抽出した1以上の物件に関する情報を含む情報を物件情報として利用者Uに提供する。これにより、情報提供装置1は、利用者Uに応じた起点を基準として利用者Uに情報を提供する物件を適切に選択することができる。
【0124】
また、判定部32は、スコアに基づいて、複数の起点候補のうちの2つ以上の起点候補を選択し、選択した2つ以上の起点候補に基づいて、起点を判定する。これにより、情報提供装置1は、物件の検索時に用いられる起点を利用者Uに応じたより適切な起点とすることができる。
【0125】
また、判定部32は、2つ以上の起点候補に対して予め定められた条件を満たす位置を起点として決定する。これにより、情報提供装置1は、物件の検索時に用いられる起点を利用者Uに応じたより適切な起点とすることができる。
【0126】
また、判定部32は、異なる種別の複数の起点候補を2つ以上の起点候補として選択する。これにより、情報提供装置1は、物件の検索時に用いられる起点を利用者Uに応じたより適切な起点とすることができる。
【0127】
また、提供部33は、起点を種別毎に異なる表示態様で示す情報と起点の周辺の物件の情報とを含む地図情報を物件情報として利用者Uに提供する。
【0128】
また、提供部33は、2つ以上の起点候補の種別、2つ以上の起点候補からの距離、および2つ以上の起点候補への移動手段のうちの少なくとも1つに基づいて、複数の物件の中から1以上の物件を抽出し、抽出した1以上の物件に関する情報を含む情報を物件情報として利用者Uに提供する。これにより、情報提供装置1は、物件の検索時に用いられる起点を利用者Uに応じたより適切な起点とすることができる。
【0129】
また、情報提供装置1は、利用者Uによるエリアの選択を受け付ける受付部31を備える。提供部33は、受付部31によって受け付けられたエリアの大きさが予め定められた条件を満たす大きさ以下の場合に、物件情報を利用者Uに提供する。これにより、情報提供装置1は、物件の検索時に用いられる起点を利用者Uに応じたより適切な起点とすることができる。
【0130】
また、判定部32は、複数のエリアの各々における起点を判定する。提供部33は、複数のエリアの物件情報を利用者Uに提供する。これにより、情報提供装置1は、利用者Uに応じた起点がある複数のエリアの情報を同時に利用者Uに提示することができる。
【0131】
また、判定部32は、複数のエリアの各々における起点として同一種別の起点を判定する。これにより、情報提供装置1は、利用者Uに応じた同一の起点がある複数のエリアの情報を同時に利用者Uに提示することができる。
【0132】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0133】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0134】
1 情報提供装置
2,1,22,・・・,2n 端末装置
10 通信部
11 記憶部
12 処理部
20 利用者情報記憶部
21 物件情報記憶部
30 取得部
31 受付部
32 判定部
33 提供部
100 情報提供システム
N ネットワーク