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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】シート角度調整器
(51)【国際特許分類】
   A47C 1/025 20060101AFI20240214BHJP
   B60N 2/235 20060101ALN20240214BHJP
【FI】
A47C1/025
B60N2/235
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022082951
(22)【出願日】2022-05-20
(65)【公開番号】P2023152241
(43)【公開日】2023-10-16
【審査請求日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】202210343466.6
(32)【優先日】2022-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521052388
【氏名又は名称】湖北中航精机科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、 ミン
(72)【発明者】
【氏名】ジアン、 チョン
(72)【発明者】
【氏名】ルオ、 シャンフー
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-178563(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0075261(US,A1)
【文献】中国実用新案第204109831(CN,U)
【文献】特開2004-049771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/235
A47C 1/025
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライダー(1)、シートクッションに固定接続される摺動溝板(2)、シート背もたれに固定接続される爪車(3)、ロックカム(4)、及び、接合スリーブ(8)を含み、
前記スライダー(1)は、前記摺動溝板(2)の内側壁に取り付けられ、径方向に沿って移動でき、前記スライダー(1)の周壁の外側には、スライダーラチェット歯(11a)が設けられ、
前記爪車(3)は、前記摺動溝板(2)に相対回動可能に取り付けられ、周壁の内側には、爪車ラチェット歯が設けられ、
前記ロックカム(4)は、前記スライダー(1)を外側に移動させるように駆動することで前記スライダーラチェット歯(11a)を前記爪車ラチェット歯に噛合させるロック面(4a)を有し、
前記接合スリーブ(8)は、前記摺動溝板(2)のアウターリングに外嵌され、
前記スライダー(1)、前記摺動溝板(2)、前記爪車(3)、及び前記ロックカム(4)は、いずれもプレス品であり、
前記スライダー(1)は、第1ベースプレート(A)からプレス成形されたものであり、
前記摺動溝板(2)は、第2ベースプレート(B)からプレス成形されたものであり、
前記爪車(3)は、第3ベースプレート(C)からプレス成形されたものであり、
前記ロックカム(4)は、第4ベースプレート(D)からプレス成形されたものであり、
前記第1ベースプレート(A)、前記第2ベースプレート(B)、前記第3ベースプレート(C)及び前記第4ベースプレート(D)の厚さは、同様であることを特徴とするシート角度調整器。
【請求項2】
前記摺動溝板(2)の内側壁には、径方向に沿って延在する摺動溝(o)が設けられ、
前記スライダー(1)は、前記摺動溝(o)の内部に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のシート角度調整器。
【請求項3】
前記摺動溝板(2)に設けられる前記摺動溝(o)の数は、5つであり、
前記摺動溝(o)は、周方向に沿って均一に分布され、
前記シート角度調整器は、5つの前記スライダー(1)を含み、
前記スライダー(1)は、前記摺動溝(o)内にそれぞれ対応するように取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のシート角度調整器。
【請求項4】
前記スライダー(1)における前記爪車(3)に向かう一方側は、突起(12)を有し、周方向で位置制限されるように前記ロックカム(4)に接続されたアンロックカム(5)及び駆動軸(6)をさらに含み、
前記ロックカム(4)の外縁には、前記スライダー(1)に対応するロック面(4a)が設けられ、
前記アンロックカム(5)は、周方向に沿って延在する駆動摺動溝(5a)を有し、
前記突起(12)は、前記駆動摺動溝(5a)の内部にそれぞれ対応するように挿着され、
前記駆動軸(6)が回転すると、前記駆動摺動溝(5a)は、前記スライダー(1)を内側に移動させるように駆動することで前記スライダーラチェット歯(11a)を前記爪車ラチェット歯から離脱し、
前記駆動軸(6)が逆方向に回転すると、前記ロック面(4a)は、前記スライダー(1)を外側に移動させるように駆動することを特徴とする請求項1に記載のシート角度調整器。
【請求項5】
前記ロックカム(4)と前記アンロックカム(5)とは、中間部には角形孔が設けられ、
前記駆動軸(6)は、周方向で位置制限されるように前記角形孔に挿着される角形セグメントを有していることを特徴とする請求項4に記載のシート角度調整器。
【請求項6】
前記駆動機構は、戻しバネ(7)をさらに含み、
前記駆動軸(6)が回転して前記駆動摺動溝(5a)が前記スライダー(1)を内側に移動させるように駆動する場合、前記戻しバネ(7)は、だんだんエネルギを貯蔵することを特徴とする請求項5に記載のシート角度調整器。
【請求項7】
前記摺動溝板(2)の内側壁には、ノッチ(2a)が設けられ、
前記戻しバネ(7)のインナリングは、周方向の位置制限を形成するように前記角形セグメントに外嵌され、
前記戻しバネ(7)の延出端(71)は、周方向の位置制限を形成するように前記ノッチ(2a)に挿着されていることを特徴とする請求項6に記載のシート角度調整器。
【請求項8】
前記摺動溝板(2)の中間部には、前記ノッチ(2a)に連通する取付溝が設けられ、
前記駆動軸(6)は、前記摺動溝板(2)を相対回動可能に貫通し、
前記戻しバネ(7)は、前記取付溝に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のシート角度調整器。
【請求項9】
前記接合スリーブ(8)が、環状であり、
前記接合スリーブ(8)の一方側の側壁が、前記摺動溝板(2)に固定接続され、他方側の側壁が、前記爪車(3)における前記摺動溝板(2)と反対側の側壁と隙間を有していることを特徴とする請求項1~請求項8の何れか1項に記載のシート角度調整器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートの技術分野に関し、具体的に、シート角度調整器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、シート角度調整器の製造は、単品の部品をプレスし、プレスが完成した後、後続処理、例えば、熱処理、バリ取りなどを行って、最後、組立ラインで角度調整器アセンブリを組み立て、部品のプレス、熱処理、アセンブリ組立は、異なる生産ラインで行われている。
また、部品は、異なる生産ラインで製造されてから、倉庫に移送され、そして、次の生産ラインに搬送され、期間中の移送、倉庫管理の周期が長く、費用が高いため、シート角度調整器のコストが高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、各プレス品が同一金型で同時に製造されるとともに、同一生産ラインで成形されることができ、製造効率を向上させ、製造コストを低減させる、シート角度調整器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するために、本発明は、シート角度調整器を提供し、スライダー、シートクッションに固定接続される摺動溝板、シート背もたれに固定接続される爪車、及び、ロックカムを含む。
そして、前記スライダーは、前記摺動溝板の内側壁に取り付けられ、径方向に沿って移動することができる。
さらに、前記スライダーの周壁の外側には、スライダーラチェット歯が設けられ、前記爪車は、前記摺動溝板に相対回動可能に取り付けられ、周壁の内側には、爪車ラチェット歯が設けられている。
前記ロックカムは、前記スライダーを外側に移動させるように駆動することで、前記スライダーラチェット歯を前記爪車ラチェット歯に噛合させる。
前記スライダーは、第1プレス溝を有する第1ベースプレートを含み、前記摺動溝板は、第2プレス溝を有する第2ベースプレートを含み、前記爪車は、第3プレス溝を有する第3ベースプレートを含む。
そして、前記ロックカムは、第4プレス溝を有する第4ベースプレートを含み、前記第1ベースプレート、前記第2ベースプレート、前記第3ベースプレート及び前記第4ベースプレートの厚さは、同様である。
【0005】
本発明におけるスライダー、摺動溝板、爪車、及び、ロックカムは、何れもプレス品であり、スライダーは、第1ベースプレートからプレス成形される。
そして、摺動溝板は、第2ベースプレートからプレス成形され、爪車は、第3ベースプレートからプレス成形されている。
ロックカムは、第4ベースプレートからプレス成形され、第1ベースプレート、第2ベースプレート、第3ベースプレート及び第4ベースプレートの厚さは、同様であるため、各个部品をプレスする時、金型を統一でき、同一金型での同時製造を実現し、ファインブランキング金型の数を減少させ、金型製造及び管理のコストを低減させ、また、ファインブランキング金型の統一に基づき、金型プレス及び熱処理の生産ラインをともに角度調整器アセンブリ組立ラインに集積させ、同一生産ラインで、原材料のオンラインから完成品であるシート角度調整器のオフラインを完成させることを実現し、部品移送、倉庫保存管理などの中間部分をなくし、製造効率を向上させ、製造コストを低減させる。
【0006】
前記摺動溝板の内側壁には、径方向に沿って延在する摺動溝が設けられ、前記スライダーは、前記摺動溝の内部に取り付けられるのが好ましい。
【0007】
前記摺動溝板に設けられる摺動溝の数は、5つであり、この5つの摺動溝は、周方向に沿って均一に分布され、シート角度調整器は、5つのスライダーを含み、このスライダーは、それぞれ対応するように、前記摺動溝内に設けられるのが好ましい。
【0008】
前記スライダーにおける前記爪車に向かう一方側は、突起を有し、周方向で位置制限されるように前記ロックカムに接続されたアンロックカム及び駆動軸をさらに含むのが好ましい。
そして、前記ロックカムの外縁には、前記スライダーに対応するロック面が設けられ、前記アンロックカムは、周方向に沿って延在する駆動摺動溝を有し、前記突起は、前記駆動摺動溝の内部にそれぞれ対応するように挿着されている。
そこで、前記駆動軸が回転すると、前記駆動摺動溝は、スライダーを内側に移動させるように駆動することで前記スライダーラチェット歯を爪車ラチェット歯から離脱させることができ、前記駆動軸が逆方向に回転すると、前記ロック面は、前記スライダーを外側に移動させるように駆動することができる。
【0009】
前記ロックカムとアンロックカムとは、中間部には角形孔が設けられ、前記駆動軸は、周方向で位置制限されるように、前記角形孔に挿着される角形セグメントを有するのが好ましい。
【0010】
好ましくは、戻しバネをさらに含み、前記駆動軸が回転して、前記駆動摺動溝が前記スライダーを内側に移動させるように駆動する場合、前記戻しバネは、だんだんエネルギを貯蔵する。
【0011】
前記戻しバネのインナリングは、周方向の位置制限を形成するように前記角形セグメントに外嵌され、戻しバネの延出端は、周方向の位置制限を形成するように前記摺動溝板のノッチに挿着されるのが好ましい。
【0012】
前記摺動溝板の内側の中間部は、前記ノッチに連通する取付溝を有し、前記戻しバネは、前記取付溝に設けられるのが好ましい。
【0013】
好ましくは、環状の接合スリーブをさらに含み、前記接合スリーブは、前記摺動溝板のアウターリングに外嵌され、その一方側の側壁が前記摺動溝板に固定接続され、他方側の側壁が、前記爪車における前記摺動溝板と反対側の側壁と隙間を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例であるシート角度調整器の構成模式図。
図2図1のシート角度調整器におけるスライダー、摺動溝板、爪車及びロックカムの厚さ方向の構成模式図。
図3図1のシート角度調整器において爪車を除去した際の構成模式図。
図4図1のシート角度調整器におけるロックカム、アンロックカム及び駆動軸は一体として固定される構成模式図。
図5図4の別の角度の構成模式図。
図6図1のシート角度調整器におけるロック過程での動力伝達模式図。
図7図1のシート角度調整器におけるロック状態での構成模式図。
図8図1のシート角度調整器におけるアンロック過程での動力伝達模式図。
図9図1のシート角度調整器におけるアンロック状態での構成模式図。
図10図1のシート角度調整器における戻しバネと駆動軸との取付模式図。
図11図10の戻しバネを摺動溝板に取り付けた構成模式図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を理解するために、以下は、図面及び実施例を結合し、本発明を詳しく説明する。
【0016】
本明細書に記載の「第1」、「第2」などの用語は、順序及び/又は重要性に対する特別な限定ではなく、同様或いは類似の構成及び/又は機能を有する2つ以上の構成、若しくは、部品を記載するためのものである。
【0017】
図1及び図2を参照し、図1は、本発明の実施例であるシート角度調整器の構成模式図である。
図2は、図1のシート角度調整器においてスライダー、摺動溝板、爪車及びロックカムの厚さ方向の構成模式図である。
【0018】
本発明は、シート角度調整器を提供し、スライダー1、シートクッションに固定接続される摺動溝板2、シート背もたれに固定接続される爪車3、及びロックカム4を含む。
そして、スライダー1は、摺動溝板2の内側壁に取り付けられ、径方向に沿って移動することができる。
さらに、スライダー1の周壁の外側には、スライダーラチェット歯11aが設けられ、爪車3は、摺動溝板2に相対回動可能に取り付けられ、周壁の内側には、爪車ラチェット歯が設けられ、ロックカム4は、スライダー1を外側に移動させるように駆動することで、スライダーラチェット歯11aを爪車ラチェット歯に噛合させる。
スライダー1は、第1プレス溝を有する第1ベースプレートAを含み、摺動溝板2は、第2プレス溝を有する第2ベースプレートBを含み、爪車3は、第3プレス溝を有する第3ベースプレートCを含み、ロックカム4は、第4プレス溝を有する第4ベースプレートDを含む。
第1ベースプレートA、第2ベースプレートB、第3ベースプレートC及び第4ベースプレートDの厚さは、同様であり、いずれもTである。
【0019】
本発明におけるスライダー1、摺動溝板2、爪車3、及び、ロックカム4は、いずれもプレス品である。
そして、スライダー1は、第1ベースプレートAからプレス成形され、摺動溝板2は、第2ベースプレートBからプレス成形され、爪車3は、第3ベースプレートCからプレス成形され、ロックカム4は、第4ベースプレートDからプレス成形されている。
さらに、第1ベースプレートA、第2ベースプレートB、第3ベースプレートC及び第4ベースプレートDの厚さは、同様であるため、各部品をプレスする時、金型を統一でき、同一金型での同時製造を実現し、ファインブランキング金型の数を減少させ、金型製造及び管理のコストを低減させ、また、ファインブランキング金型の統一に基づき、金型プレス及び熱処理の生産ラインをともに角度調整器アセンブリ組立ラインに集積させ、同一生産ラインで、原材料のオンラインから完成品であるシート角度調整器のオフラインを完成させることを実現し、部品移送、倉庫保存管理などの中間部分をなくし、製造効率を向上させ、製造コストを低減させる。
【0020】
図1を参照し、摺動溝板2の内側壁には、径方向に沿って延在する5つの摺動溝oが設けられている。
そして、これらの5つの摺動溝oは、周方向に沿って均一に分布され、シート角度調整器に含まれるスライダー1の数も、5つであり、スライダー1は、それぞれ対応するように摺動溝o内に設けられている。
【0021】
以上のように配置すれば、摺動溝oは、案内作用を果たし、スライダー1を摺動溝板2の径方向のみに沿って移動させ、摺動溝o及びスライダー1の数は、いずれも5つであり、シート角度調整器の内部空間を十分に利用でき、材料強度を最大化し、ラチェット歯の噛合強度と摺動溝の押出強度とのマッチングを最適にする。
【0022】
実際には、摺動溝o及びスライダー1の数を限定していなく、ロック作用を実現すればよく、例えば、摺動溝o及びスライダー1は、4つであってもよい。
【0023】
図1図3図9を参照し、図3は、図1のシート角度調整器における爪車の構成模式図であり、図4は、図1のシート角度調整器においてロックカム、アンロックカム及び駆動軸が一体として固定される構成模式図であり、図5は、図4の別の角度の構成模式図であり、図6は、図1のシート角度調整器におけるロック過程での動力伝達模式図であり、図7は、図1のシート角度調整器におけるロック状態での構成模式図であり、図8は、図1のシート角度調整器におけるアンロック過程での動力伝達模式図であり、図9は、図1のシート角度調整器におけるアンロック状態での構成模式図である。
【0024】
本発明におけるスライダー1の爪車3に向かう一方側には、突起12が形成され、アンロックカム5をさらに含む。
そして、ロックカム4及びアンロックカム5は、3つの位置制限ピンによって一体として固定され、即ち、両者は、周方向に位置制限され、同期回動することができる。
さらに、ロックカム4の外縁には、スライダー1に対応するロック面4aが設けられ、アンロックカム5は、周方向に沿って延在する異形駆動摺動溝5aを有し、スライダー1の突起12は、駆動摺動溝5aの内部にそれぞれ対応するように挿着される。
図6に示すように、ロックカム4及びアンロックカム5が矢印方向に沿って回動する場合、スライダー1が図7の位置にあり、且つ、スライダーラチェット歯11aが爪車ラチェット歯と噛合するまで、ロックカム4の外縁ロック面4aは、スライダー1を径方向に沿って外側に移動させるように駆動する。
図8に示すように、ロックカム4及びアンロックカム5が矢印方向に沿って回動する場合、スライダー1が図9の位置にあり、且つ、スライダーラチェット歯11aが爪車ラチェット歯から離脱するまで、駆動摺動溝5aは、スライダー1を径方向に沿って内側に移動させるように駆動する。
【0025】
ロックカム4及びアンロックカム5の駆動は、動力の伝達軸である駆動軸6によって実現される。
具体的に、ロックカム4とアンロックカム5とは、中間部には角形孔が設けられ、駆動軸6の周壁部分は、角形であり、駆動軸6の角形セグメントは、周方向の位置制限を実現するように、ロックカム4及びアンロックカム5の角形孔に挿着されている。
即ち、駆動軸6が回動すると、ロックカム4とアンロックカム5とを同期回動させることができる。
一般的に、シートには、2つのシート角度調整器が設けられるため、本実施例の駆動軸6も、中空軸の形態として配置され、その内部も角形である。
これによって、リンクバー(図示せず)が貫通して、2つの駆動軸6を一体として接続し、乗客は、アンロックグリップ(図示せず)によって、一方側の駆動軸6を回動させるように駆動する場合、両側の駆動軸6は、同期回動でき、アンロックの目的を実現する。
【0026】
無論、動力の伝達軸である駆動軸6、ロックカム4及びアンロックカム5の周方向の位置制限を実現することに対して、三者を一体として溶接するなどの方式を採用してもよく、ここで、限定していない。
【0027】
図1図10図11を参照し、図10は、図1のシート角度調整器における戻しバネと駆動軸との取付模式図であり、図11は、図10の戻しバネを摺動溝板に取り付けた構成模式図である。
【0028】
本発明のシート角度調整器は、戻しバネ7をさらに含む。
この戻しバネ7のインナリングは、周方向の位置制限を実現するように駆動軸6の角形セグメントに圧着され、摺動溝板2の内側壁には、取付溝、及び、この取付溝に連通するノッチ2aが設けられる。
そして、この取付溝の中間部は、駆動軸6が貫通するための貫通孔を有し、戻しバネ7は、摺動溝板2の取付溝に設けられ、その延出端71は、周方向の位置制限を実現するように、摺動溝板2のノッチ2a内に挿着される。
このような配置によって、駆動軸6が力を受けて、アンロック方向に回転する場合、戻しバネ7は、だんだんエネルギを貯蔵し、シートバックは、アンロック状態にあるとともに、必要な位置に調節された場合、駆動軸6に付与される作用力を取り消すと、スライダーラチェット歯11aが爪車ラチェット歯と噛合してシートがロックされるまで、駆動軸6は、戻しバネ7の復帰力の作用で逆方向に回転する。
【0029】
実際には、戻しバネ7が設けられなくてもよく、この場合、乗客は、手動で駆動軸6をロック位置に回転させるように駆動し、ロック構成を追加して駆動軸6をロック位置に保持し、その構成は、複雑である。
本発明は、戻しバネ7を配置することで、シートバックを自動にロック状態に戻させ、操作が簡単であり、安全性が高く、より好適である。
【0030】
図1を参照し、環状の接合スリーブ8をさらに含む。
そして、この接合スリーブ8は、摺動溝板2の外縁に外嵌され、その一方側が摺動溝板2に固定接続され、他方側が爪車3における摺動溝板2と反対側の側壁と隙間を有している。
これによって、爪車3と摺動溝板2とを一体として固定し、爪車3と摺動溝板2との離脱を防止する。
【0031】
ここに記載の隙間は、爪車3の軸方向の移動が生じないとともに、爪車3の回動に影響しないことを保証すべきである。
【0032】
以上は、本発明が提供するシート角度調整器を紹介し、本明細書は、具体的な例示を利用して本発明の原理及び実施形態を記載し、以上の実施例に対する説明は、本発明の方法及びその本旨を理解するためのものである。
ここで、本発明の原理から逸脱しないことを前提に、本発明に対して改良を行ってもよく、これらの改良も本発明の請求項の保護範囲に該当する。
【符号の説明】
【0033】
1 ・・・スライダー
1a・・・スライダーラチェット歯
12 ・・・突起
A ・・・第1ベースプレート
2 ・・・摺動溝板
o ・・・摺動溝
2a・・・ノッチ
B ・・・第2ベースプレート
3 ・・・爪車
C ・・・第3ベースプレート
4 ・・・ロックカム
4a・・・ロック面
D ・・・第4ベースプレート
5 ・・・アンロックカム
5a・・・駆動摺動溝
6 ・・・駆動軸
7 ・・・戻しバネ
71 ・・・延出端
8 ・・・接合スリーブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11