(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】自動学習基盤時系列データ予測及び制御方法と装置
(51)【国際特許分類】
G06N 20/20 20190101AFI20240214BHJP
【FI】
G06N20/20
(21)【出願番号】P 2022525599
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(86)【国際出願番号】 KR2021020067
(87)【国際公開番号】W WO2022145981
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2022-05-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0185683
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522172380
【氏名又は名称】イニージ
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【氏名又は名称】田中 真理
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソンファン
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-520068(JP,A)
【文献】特開2004-086896(JP,A)
【文献】特開2000-122992(JP,A)
【文献】特開2019-219959(JP,A)
【文献】特開2014-006578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 20/20
G06N 3/02- 3/10
G06Q 10/00-10/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の時系列データ予測モデルのそれぞれを該当モデルごとの条件に応じて学習するステップと、
前記学習された時系列データ予測モデルのうち、予め決定された条件を満足する1つ以上の最適モデルを決定するステップと、
前記1つ以上の最適モデルを組み合わせて
予測時系列データを出力する最終モデルを生成するステップ
を含み、
前記複数の時系列データ予測モデルは、統計基盤予測モデル及びディープラーニング基盤予測モデルのうち少なくとも1つを含
み、
前記予測時系列データの時間変化に基づいて、前記最終モデルにおける予測を調整する、
方法。
【請求項2】
時系列データの予測のための目標変数データを受信するステップと、
前記目標変数データを前記最終モデルに入力し、前記目標変数データに対応する目標変数予測データを出力するステップをさらに含む、
請求項1に記載
の方法。
【請求項3】
複数の時系列データ予測モデルのそれぞれを該当モデルごとの条件に応じて学習するステップと、
前記学習された時系列データ予測モデルのうち、予め決定された条件を満足する1つ以上の最適モデルを決定するステップと、
前記1つ以上の最適モデルを組み合わせて、予測時系列データを出力する最終モデルを生成するステップと、
時系列データの予測のための目標変数データを受信するステップと、
前記目標変数データを前記最終モデルに入力し、前記目標変数データに対応する目標変数予測データを出力するステップと、
前記目標変数予測データの変化方向を決定する制御変数データを受信するステップと、
前記制御変数データを前記最終モデルに入力し、前記制御変数データに対応する制御変数予測データを出力するステップ
と、
を含み、
前記複数の時系列データ予測モデルは、統計基盤予測モデル及びディープラーニング基盤予測モデルのうち少なくとも1つを含む、
方法。
【請求項4】
前記目標変数予測データ及び前記制御変数予測データに基づいて、前記
予測時系列デー
タ及び制御方法を提供するステップをさらに含む、請求項3に記載
の方法。
【請求項5】
前記目標変数予測データと前記制御変数予測データとの間の相関関係に基づいて、前記制御変数データを調整するステップをさらに含む、請求項3に記載
の自動学習基盤時系列データ予測、制御、及び説明
方法。
【請求項6】
前記制御変数データを調整するステップは、前記目標変数予測データ及び前記制御変数予測データに基づいて決定される補償関数により強化学習モデルを学習するステップを含む、請求項5に記載
の自動学習基盤時系列データ予測、制御、及び説明
方法。
【請求項7】
前記制御変数予測データを出力するステップは、
前記制御変数データの移動方向を決定するステップと、
前記制御変数データの最適探索時間を決定するステップ
と、
を含む、請求項3に記載
の自動学習基盤時系列データ予測、制御、及び説明
方法。
【請求項8】
前記目標変数予測データを出力するステップは、前記制御変数データの前記移動方向及び前記最適探索時間に基づいて、前記目標変数予測データを出力するステップを含む、請求項7に記載
の自動学習基盤時系列データ予測、制御、及び説明
方法。
【請求項9】
前記学習するステップは、
前記複数の時系列データ予測モデルのそれぞれを、前記該当モデルごとの条件に応じて予め決定された回数だけ学習するステップを含む、請求項1
又は3に記載
の自動学習基盤時系列データ予測、制御、及び説明
方法。
【請求項10】
前記最終モデルの予測性能を評価するステップと、
前記最終モデルの予測性能が予め決定された閾値以下になる場合、前記最終モデルをアップデートするステップ
と、
をさらに含む、請求項1
又は3に記載
の自動学習基盤時系列データ予測、制御、及び説明
方法。
【請求項11】
予め決定された周期により前記最終モデルをアップデートするステップをさらに含む、請求項1
又は3に記載
の自動学習基盤時系列データ予測、制御、及び説明
方法。
【請求項12】
ハードウェアと結合して
請求項1
又は3に記載の方法
に含まれる各ステップを
プロセッサに実行させるため
のに媒体に格納されたコンピュータプログラム。
【請求項13】
複数の時系列データ予測モデルのそれぞれを該当モデルごとの条件に応じて学習し、前記学習された時系列データ予測モデルのうち、予め決定された条件を満足する1つ以上の最適モデルを決定し、前記1つ以上の最適モデルを組み合わせて
予測時系列データを出力する最終モデルを生成するプロセッサを含み、
前記複数の時系列データ予測モデルは、統計基盤予測モデル及びディープラーニング基盤予測モデルのうち少なくとも1つを含
みむ、
前記予測時系列データの時間変化に基づいて、前記最終モデルにおける予測を調整する、
自動学習基盤時系列データ予測、制御、及び説明装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、時系列データの予測のための目標変数データを受信し、前記目標変数データを前記最終モデルに入力し、前記目標変数データに対応する目標変数予測データを出力する、請求項13に記載
の自動学習基盤時系列データ予測、制御、及び説明
装置。
【請求項15】
複数の時系列データ予測モデルのそれぞれを該当モデルごとの条件に応じて学習し、前記学習された時系列データ予測モデルのうち、予め決定された条件を満足する1つ以上の最適モデルを決定し、前記1つ以上の最適モデルを組み合わせて、予測時系列データを出力する最終モデルを生成するプロセッサを含み、
前記複数の時系列データ予測モデルは、統計基盤予測モデル及びディープラーニング基盤予測モデルのうち少なくとも1つを含み、
前記プロセッサは、時系列データの予測のための目標変数データを受信し、前記目標変数データを前記最終モデルに入力し、前記目標変数データに対応する目標変数予測データを出力し、
前記プロセッサは、前記目標変数予測データの変化方向を決定する制御変数データを受信し、前記制御変数データを前記最終モデルに入力し、前記制御変数データに対応する制御変数予測データを出力する、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の実施形態は、自動学習基盤時系列データ予測及び(制御方法と装置)装置に関し、具体的には、適切な量の学習時系列データだけで未来を正確な予測できる自動学習人工知能学習及び検証技術に関する。
【背景技術】
【0002】
金融、製造などの分野において、人は、時系列、シーケンシャルデータの変化を認識し、それに適する判断をしなければならない場合が多い。例えば、証券会社の専門投資者は、為替レート、金利など、市場価値の変化をモニタリングして投資時点及び金額を予測し、工場設備の操作者は、温度、圧力、流量情報を調べて設備の状況を予測し、最適な制御を行う。しかし、株式や為替レートなどの時系列データ分析は、複合的な要素が互いに密接に関係しているため、どのような要素が変化に影響を与えるかについて 正確に把握することが難い。
【0003】
最近、人工知能技術の発展は、予測において伝統的な統計的分析に比べて優れている予測性能を示している。しかし、従来における人工知能モデルは、データに基づいて学習されたモデルが時間による再学習が足りなく、時間が経過すれば、その整合性が低下するという問題がある。また、従来の人工知能モデルは、異常データの診断にのみ焦点を合わせていることから、最適化された設備制御及び投資方式を自動に学習及び提供することに適していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、機械学習モデルに基づいた学習及び予測のみならず、ディープラーニングモデルを自動学習して最適モデルを選択することにある。
【0005】
実施形態は、目標変数を最も適した形に制御するための自動学習機能を提供することにある。
【0006】
実施形態は、ディープラーニングモデル学習及び時系列ディープラーニングモデルに対する説明機能を提供することにある。
【0007】
本発明の技術的な課題は、以上で言及したものなどに制限されず、言及されない更なる技術的課題は、下記の記載により当業者にとって明確に理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態に係る自動学習基盤時系列データ予測及び制御方法は、複数の時系列データ予測モデルのそれぞれを該当モデルごとの条件に応じて学習するステップと、前記学習された時系列データ予測モデルのうち、予め決定された条件を満足する1つ以上の最適モデルを決定するステップと、前記1つ以上の最適モデルを組み合わせて最終モデルを生成するステップとを含み、前記複数の時系列データ予測モデルは、統計基盤予測モデル及びディープラーニング基盤予測モデルのうち少なくとも1つを含む。
【0009】
一実施形態に係る自動学習基盤時系列データ予測及び制御方法は、時系列データの予測のための目標変数データを受信するステップと、前記目標変数データを前記最終モデルに入力し、前記目標変数データに対応する目標変数予測データを出力するステップをさらに含むことができる。
【0010】
一実施形態に係る自動学習基盤時系列データ予測及び制御方法は、前記目標変数予測データの変化方向を決定する制御変数データを受信するステップと、前記制御変数データを前記最終モデルに入力し、前記制御変数データに対応する制御変数予測データを出力するステップをさらに含むことができる。
【0011】
一実施形態に係る自動学習基盤時系列データ予測及び制御方法は、前記目標変数予測データ及び前記制御変数予測データに基づいて、前記時系列データ予測の結果及び制御方法を提供するステップをさらに含むことができる。
【0012】
一実施形態に係る自動学習基盤時系列データ予測及び制御方法は、前記目標変数予測データと前記制御変数予測データとの間の相関関係に基づいて、前記制御変数データを調整するステップをさらに含むことができる。
【0013】
前記制御変数データを調整するステップは、前記目標変数予測データ及び前記制御変数予測データに基づいて決定される補償関数により強化学習モデルを学習するステップを含むことができる。
【0014】
前記制御変数予測データを出力するステップは、前記制御変数データの移動方向を決定するステップと、前記制御変数データの最適探索時間を決定するステップとを含むことができる。
【0015】
前記目標変数予測データを出力するステップは、前記制御変数データの前記移動方向及び前記最適探索時間に基づいて、前記目標変数予測データを出力するステップを含むことができる。
【0016】
前記学習するステップは、複数の時系列データ予測モデルのそれぞれを、前記該当モデルごとの条件に応じて予め決定された回数だけ学習するステップを含むことができる。
【0017】
一実施形態に係る自動学習基盤時系列データ予測及び制御方法は、前記最終モデルの予測性能を評価するステップと、前記最終モデルの予測性能が予め決定された閾値以下になる場合、前記最終モデルをアップデートするステップとをさらに含むことができる。
【0018】
一実施形態に係る自動学習基盤時系列データ予測及び制御方法は、予め決定された周期により前記最終モデルをアップデートするステップをさらに含むことができる。
【0019】
一実施形態に係る自動学習基盤時系列データ予測、制御、及び説明装置は、複数の時系列データ予測モデルのそれぞれを該当モデルごとの条件に応じて学習し、前記学習された時系列データ予測モデルのうち、予め決定された条件を満足する1つ以上の最適モデルを決定し、前記1つ以上の最適モデルを組み合わせて最終モデルを生成するプロセッサを含み、前記複数の時系列データ予測モデルは、統計基盤予測モデル及びディープラーニング基盤予測モデルのうち少なくとも1つを含む。
【0020】
前記プロセッサは、時系列データの予測のための目標変数データを受信し、前記目標変数データを前記最終モデルに入力し、前記目標変数データに対応する目標変数予測データを出力することができる。
【0021】
前記プロセッサは、前記目標変数予測データの変化方向を決定する制御変数データを受信し、前記制御変数データを前記最終モデルに入力し、前記制御変数データに対応する制御変数予測データを出力することができる。
【0022】
前記プロセッサは、前記目標変数予測データ及び前記制御変数予測データに基づいて、前記時系列データ予測の結果及び制御方法を提供することができる。
【0023】
前記プロセッサは、前記目標変数予測データと前記制御変数予測データとの間の相関関係に基づいて、前記制御変数データを調整することができる。
【0024】
前記プロセッサは、前記目標変数予測データ及び前記制御変数予測データに基づいて決定される補償関数により強化学習モデルを学習することができる。
【0025】
前記プロセッサは、複数の時系列データ予測モデルのそれぞれを前記該当モデルごとの条件に応じて予め決定された回数だけ学習することができる。
【0026】
前記プロセッサは、前記最終モデルの予測性能を評価して、前記最終モデルの予測性能が予め決定された閾値以下になる場合、前記最終モデルをアップデートすることができる。
【0027】
前記プロセッサは、予め決定された周期により前記最終モデルをアップデートすることができる。
【発明の効果】
【0028】
実施形態によると、機械学習モデルに基づいた学習及び予測のみならず、ディープラーニングモデルを自動学習して最適モデルを選択することができる。
【0029】
実施形態によると、目標変数を最も適した形に制御するための自動学習機能を提供することにある。
【0030】
実施形態によると、ディープラーニングモデル学習及び時系列ディープラーニングモデルに対する説明機能を提供することにある。
【0031】
本発明の効果は、以上で言及した効果で制限されず、言及されない更なる効果は、権利要求の記載から当業者にとって明確に理解できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】一実施形態に係る自動学習基盤時系列データ予測及び制御方法を説明するための図である。
【
図2】一実施形態に係る学習装置と予測装置との間の関係を説明するための図である。
【
図3】一実施形態に係る自動学習基盤時系列データ予測及び制御方法を説明するための図である。
【
図4】一実施形態に係る学習方法を説明するための図である。
【
図5A】一実施形態に係る時系列データを予測及び制御する方法を説明するための図である。
【
図5B】一実施形態に係る時系列データを予測及び制御する方法を説明するための図である。
【
図6】一実施形態に係る人工知能装置のブロック図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
実施形態に対する特定な構造的又は機能的な説明は単なる例示のための目的として開示されたものであって、様々な形態に変更されることができる。したがって、実施形態は特定な開示形態に限定されるものではなく、本明細書の範囲は技術的な思想に含まれる変更、均等物ないし代替物を含む。
【0034】
第1又は第2などの用語を複数の構成要素を説明するために用いることがあるが、このような用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ解釈されなければならない。例えば、第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、同様に、第2構成要素は第1構成要素にも命名することができる。
【0035】
いずれかの構成要素が他の構成要素に「連結」されているか「接続」されていると言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結されているか又は接続されているが、中間に他の構成要素が存在し得るものと理解されなければならない。
【0036】
単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は、明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0037】
異なるように定義さがれない限り、技術的又は科学的な用語を含んで、ここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0038】
実施形態は、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、テレビ、スマート家電機器、知的車両、キオスク、ウェアラブル装置などの様々な形態の製品に実現することができる。以下、添付する図面を参照しながら実施形態を詳細に説明する。各図面に提示された同じ参照符号は同じ部材を示す。
【0039】
図1は、一実施形態に係る自動学習基盤時系列データ予測及び制御方法を説明するための図である。
【0040】
株式や為替レートなどの時系列データの分析は、複合的な要素が関与しているため、どのような要素が影響を与えているかを正確に把握し難い。最近、人工知能技術の発展は、予測において伝統的な統計的分析に比べて優れている予測性能を示す。具体的に、ディープラーニング技術は、イメージ及び信号のビッグデータに現れる様々なユーザの行動パターンを人に近接するほど、正確に認知することができる。ディープラーニング技術に基づいた人工知能モデルは、人に近接する程の認知機能をもって個人化ユーザのパターンを認識し、人よりもさらに正確な予測を行うことができる。しかし、正確な学習のために、数多くの人工知能(例えば、機械学習及びディープラーニング)モデルと正確度を比較することが必要である。
【0041】
一実施形態に係る自動学習基盤時系列データ予測及び制御装置(以下、制御及び予測装置に称する)100は、様々な人工知能技術の長所を組み合わせた統合的な学習(Federated Learning)基盤予測、自動制御及び説明サービスを提供することができる。
【0042】
図1を参照すると、一実施形態に係る制御及び予測装置250は、入力時系列データ110を受信して入力時系列データ110に対応する予測時系列データ120を出力する。さらに、制御及び予測装置250は、時系列予測結果、該当予測に関する理由、及び最適制御提案のうち少なくとも1つを含む予測説明130を予測時系列データ120と共に出力することができる。
【0043】
例えば、制御及び予測装置250は、「これからデータが線形的に減少すると見られます。」という系列データ予測結果と、「これを適正のレベルに調整するためには、入力AをX%だけ低くすることをお勧めします。」という最適制御提案を含む予測説明130を予測時系列データ120と共に出力してもよい。
【0044】
図2は、一実施形態に係る学習装置と予測装置との間の関係について説明するための図である。
【0045】
図2を参照すると、一実施形態に係る学習装置200は、ニューラルネットワークを生成したり、ニューラルネットワークを訓練(train)(又は、学習(learn))したり、ニューラルネットワークを再訓練(retrain)する機能のような様々なプロセッシング機能を有するコンピューティングデバイスである。例えば、学習装置200は、PC(personal computer)、サーバデバイス、モバイルデバイスなどの様々な種類のデバイスに実現されてもよい。
【0046】
学習装置200は、与えられた初期ニューラルネットワークを繰り返し訓練(学習)させることで、訓練されたニューラルネットワーク210を生成し得る。訓練されたニューラルネットワーク210を生成することは、ニューラルネットワークパラメータを決定することを意味する。ここで、パラメータは、例えば、ニューラルネットワークの入出力アクティベーション、ウェイト、バイアスなど、ニューラルネットワークに入出力される様々な種類のデータを含んでもよい。ニューラルネットワークの反復的な訓練が行われるにつれて、ニューラルネットワークのパラメータは、与えられた入力に対してより正確な出力を演算するために調整(tuned)され得る。
【0047】
学習装置250は、訓練されたニューラルネットワーク210を予測装置250に伝達する。予測装置250は、モバイルデバイス、埋め込み(embedded)デバイスなどに含まれてもよい。予測装置250は、ニューラルネットワークの駆動のための専用ハードウェアであってもよい。
【0048】
予測装置250は、訓練されたニューラルネットワーク210をそのまま駆動したり、訓練されたニューラルネットワーク210が加工(例えば、量子化)されたニューラルネットワーク260を駆動する。加工されたニューラルネットワーク160を駆動する予測装置250は、生成モデル学習装置200とは別途の独立的なデバイスとして実現されてもよい。しかし、これに制限されず、予測装置250は、学習装置200と同じデバイス内にも実現されてもよい。以下、予測装置250及び学習装置200を全て含むデバイスを人工知能装置に称する。
【0049】
図3は、一実施形態に係る自動学習基盤時系列データ予測及び制御方法を説明するための図である。
【0050】
図3を参照すると、ステップ310~330は、
図2を参照して前述した学習装置により実行されてもよい。一実施形態に係る学習装置は、1つ以上のハードウェアモジュール、1つ以上のソフトウェアモジュール、又はこれらの様々な組み合せにより実現され得る。さらに、
図3に示す動作は、示された順序及び方式により実行されることができるが、
図3に示されている実施形態の思想及び範囲を離脱しないながら一部の動作の順序が変更されたり、一部の動作が省略されてもよい。
図3に示された複数の動作は、並列又は同時に実行されてもよい。
【0051】
ステップ310において、学習装置は、複数の時系列データ予測モデルのそれぞれを該当モデルごとの条件に応じて学習する。学習装置は、各モデルを各モデルごとに他の条件に予め決定された回数(例えば、3回)だけ学習してもよい。
【0052】
ステップ320において、学習装置は、学習された時系列データ学習モデルのうち、予め決定された条件を満足する1つ以上の最適モデルを決定する。例えば、学習装置は、複数の時系列データ予測モデルのうち、予測性能が良くてモデル変化に予測性能が大きく変わらない上位3つのモデルを最適モデルとして決定してもよい。
【0053】
ステップ330において、学習装置は、1つ以上の最適モデルを組み合わせて最終モデルを生成する。
【0054】
ステップ310~330は、与えられた予測性能が低下したり学習以後の特定周期が経過すれば自動に繰り返される。例えば、学習装置は、最終モデルの予測性能を評価し、最終モデルの予測性能が予め決定された閾値以下になる場合、ステップ310~330を繰り返して最終モデルを更新することができる。又は、学習装置は、予め決定された周期により最終モデルをアップデートしてもよい。
【0055】
図4は、一実施形態に係る学習方法を説明するための図である。
【0056】
図4を参照すると、一実施形態に係る学習装置は、複数の時系列データ予測モデルのそれぞれを該当モデルごとの条件に応じて学習する。
【0057】
一実施形態に係る複数の時系列データ予測モデルは、統計基盤予測モデル及びディープラーニング基盤予測モデルのうち少なくとも1つを含んでもよい。例えば、統計基盤予測モデルは、LASSO、ARIMA、XGBoostなどを含んでもよく、ディープラーニング基盤予測モデルは、FCN/CNN、LSTM、LSTM-CNN、STGCN、DARNN、DSANetなどを含んでもよい。しかし、前述した複数の時系列データ予測モデルは、単に、技術的な概念による実施形態を説明するための目的として例示されたものであり、複数の時系列データ予測モデルは、様々な異なるモデルを含んでもよく、本明細書に説明された例示に限定されることはない。
【0058】
学習装置は、複数の時系列データ予測モデルのそれぞれを3回学習してもよく、そのうち最適なモデルを決定する。例えば、学習装置は、XGBoostモデルのうち2番目に学習されたモデルであるM2XGBを第1最適モデルとして、LSTM-CNNモデルのうち3番目に学習されたモデルであるM3LSTM-CNNを第2最適モデルとして、DARNNモデルのうち1番目に学習されたモデルであるM1DARNNを第3最適モデルとして決定してもよい。
【0059】
さらに、学習装置は、M2
XGB、M3
LSTM-CNN、M1
DARNNを組み合わせて最終モデル(例えば、Model
MIX)を生成することができる。最終モデルが生成されれば、予測装置は、最も適した形に学習されて格納された最終モデルを用いて、再学習することなく、入力されたデータに対する予測値をリアルタイムに提供することができる。時系列データを予測及び制御する詳細な方法について、以下の
図5A~
図5Bを参照して説明される。
【0060】
図5Aは、一実施形態に係る時系列データを予測及び制御する方法を説明するための図である。
【0061】
図5Aを参照すると、一実施形態に係る予測装置は、学習装置から最終モデルが伝達される。但し、上述したように予測装置は、学習装置と同じデバイス内に実現されてもよい。
【0062】
予測装置は、時系列データの予測のための目標変数データを受信する。さらに、予測装置は、目標変数データを最終モデルに入力し、目標変数データに対応する目標変数予測データを出力する。目標変数データは、予測の対象になる入力時系列データであり、予測目標変数データは、目標変数データに対応する予測データを意味する。目標変数データは、例えば、時間による工程収率データ、投資収益率データであってもよい。
【0063】
予測装置は、目標変数予測データの変化方向を決定する制御変数データを受信する。さらに、予測装置は、制御変数データを最終モデルとして入力し、制御変数データに対応する制御変数予測データを出力する。制御変数データは、目標変数予測データの変化方向を決定するデータとして、例えば、目標データが投資収益率データである場合、制御変数データは、投資収益率に影響を及ぼし得る国際原油価格データ、為替レートデータなどであってもよい。
【0064】
予測装置は、目標変数予測データ及び制御変数予測データに基づいて、時系列データ予測の結果及び制御方法を提供する。予測装置は、目標変数予測データ及び制御変数予測データの間の相関関係に基づいて、制御変数データを調整することができる。一例として、予測装置は、目標変数予測データ及び制御変数予測データに基づいて決定される補償関数により強化学習モデルを学習することができる。
【0065】
例えば、予測装置は、最適予測モデルに基づいて制御変数を調整し、これを工程収率及び生産量向上、投資収益率増加、安定性増加のような目標変数データの変化方向を決定し、これを最適化できる制御変数データが強化学習を介して学習され得る。さらに、予測装置は、最適化された制御変数の調整方向に対してユーザに提供することができる。以下の
図5Bを参照すると、一実施形態に係るガイド方法について詳細に説明する。
【0066】
図5Bを参照すると、一実施形態に係る予測装置は、制御変数(例えば、工程パラメータ又は工程独立変数)の最適値探索方向と最適値探索時間をユーザにガイドする。即ち、最適化関数の変数は、最適化対象パラメータY、工程パラメータx
1、x
2、..、x
n、及び最適値探索時間(又は、回数)であってもよい。
【0067】
一実施形態に係る予測装置は、最終モデルだけではなく、ブラックボックスモデルをさらに含んでもよい。一実施形態に係るブラックボックスモデルは、独立変数に対応する結果値を出力するモデルである。一実施形態に係る最終モデルは、結果値を予測するとき使用され、一実施形態に係るブラックボックスモデルは、最終モデルで予測した最適値探索結果に基づいて、最適探索時間及び最適値を決定するとき使用される。
【0068】
より具体的には、一実施形態に係る予測装置は、工程最適値を探索するためには、工程独立変数の原点(例えば、初期x)からの移動方向(例えば、増加又は減少)を選択する場合もある。例えば、一実施形態に係る予測装置は、最終モデル(例えば、説明可能モデル)が学習した独立変数と従属変数yとの相関関係(例えば、傾き)に応じて移動方向を決定することができる。例えば、一実施形態に係る予測装置は、原点で任意の方向に工程独立変数を1回探索(xt=xt-1+dx)させた後、説明可能モデルの応答yt=f(xt)が改善(yt>yt-1)されれば、該当の探索値を格納して次の最適値探索を行うことができ、もし、改善されなければ、該当の探索値を棄却し、独立変数を直前の位置(xt-1)に復帰させる。
【0069】
一実施形態に係る予測装置は、予め設定された探索終了時間に達すれば、格納されている最適値探索結果xtをブラックボックスモデルに入力する。一実施形態に係る予測装置は、ブラックボックスモデルの応答が最適(argmax f(x))である探索時間(回数)を求めて該当の時間を最適探索時間として決定し、最適探索時間の最適値探索結果をガイド(最適x)として決定する。したがって、正確な工程ガイド及びこれに対する説明を提供可能なシステムである。
【0070】
図6は、一実施形態に係る人工知能装置のブロック図を示す図である。
【0071】
図6を参照すると、一実施形態に係る人工知能装置はプロセッサ610を含む。人工知能装置600は、通信インターフェース630及びメモリ620をさらに含む。プロセッサ610、メモリ620及び通信インターフェースは通信バスを介して通信することができる。
【0072】
プロセッサ610は、複数の時系列データ予測モデルのそれぞれを該当モデルごとの条件に応じて学習し、前記学習された時系列データ予測モデルのうち、予め決定された条件を満足する1つ以上の最適モデルを決定し、前記1つ以上の最適モデルを組み合わせて最終モデルを生成する。
【0073】
メモリ620は、上述したプロセッサ610における処理過程で生成される様々な情報を格納する。その他にも、メモリ620は、各種のデータとプログラムなどを格納してもよい。メモリ620は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリを含んでもよい。メモリ620は、ハードディスクなどのような大容量の格納媒体を備えて各種のデータを格納することができる。
【0074】
その他にも、プロセッサ610は、
図1~
図5を参照して前述した少なくとも1つの方法又は少なくとも1つの方法に対応するアルゴリズムを行ってもよい。プロセッサ610は、プログラムを実行し、人工知能装置600を制御する。プロセッサ610により実行されるプログラムコードは、メモリ620に格納されることができる。人工知能装置600は、入出力装置(図示せず)を介して外部装置(例えば、パーソナルコンピュータ又はネットワーク)に接続され、データを交換し得る。
【0075】
以上で説明された実施形態は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、又はハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の組み合せで具現される。例えば、本実施形態で説明した装置及び構成要素は、例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)、マイクロコンピュータ、FPA(field programmable array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサー、又は命令(instruction)を実行して応答する異なる装置のように、1つ以上の汎用コンピュータ又は特殊目的コンピュータを用いて具現される。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)及びオペレーティングシステム上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行する。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答してデータをアクセス、格納、操作、処理、及び生成する。理解の便宜のために、処理装置は1つが使用されるものとして説明する場合もあるが、当技術分野で通常の知識を有する者は、処理装置が複数の処理要素(processing element)及び/又は複数類型の処理要素を含むことが把握する。例えば、処理装置は、複数のプロセッサ又は1つのプロセッサ及び1つのコントローラを含む。また、並列プロセッサ(parallel processor)のような、他の処理構成も可能である。
【0076】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、又はそのうちの一つ以上の組合せを含み、希望の通りに動作するよう処理装置を構成したり、独立的又は結合的に処理装置を命令することができる。ソフトウェア及び/又はデータは、処理装置によって解釈されたり処理装置に命令又はデータを提供するために、いずれかの類型の機械、構成要素、物理的装置、仮想装置、コンピュータ格納媒体又は装置、又は送信される信号波に永久的又は一時的に具体化することができる。ソフトウェアはネットワークに連結されたコンピュータシステム上に分散され、分散した方法で格納されたり実行され得る。ソフトウェア及びデータは一つ以上のコンピュータで読出し可能な記録媒体に格納され得る。
【0077】
本実施形態に係る方法は、様々なコンピュータ手段を介して実施されるプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独又は組み合せて含む。記録媒体及びプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計して構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例として、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気-光媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含む。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。
【0078】
上述したように実施形態をたとえ限定された図面によって説明したが、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、上記の説明に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順で実行されるし、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法と異なる形態で結合又は組み合わせられてもよいし、他の構成要素又は均等物によって置き換え又は置換されたとしても適切な結果を達成することができる。
【0079】
したがって、他の具現、他の実施形態および特許請求の範囲と均等な場合においても後述する特許請求範囲の範囲に属する。