(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】冷凍システム
(51)【国際特許分類】
F25B 7/00 20060101AFI20240214BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20240214BHJP
F25B 1/10 20060101ALI20240214BHJP
F25B 1/047 20060101ALI20240214BHJP
F25B 39/02 20060101ALI20240214BHJP
F25B 43/00 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
F25B7/00 D
F25B1/00 396A
F25B1/10 E
F25B1/00 331E
F25B1/047 R
F25B39/02 M
F25B43/00 B
(21)【出願番号】P 2023071000
(22)【出願日】2023-04-24
【審査請求日】2023-05-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521362885
【氏名又は名称】コベルコ・コンプレッサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100218132
【氏名又は名称】近田 暢朗
(72)【発明者】
【氏名】壷井 昇
(72)【発明者】
【氏名】中村 元
(72)【発明者】
【氏名】山本 祐介
【審査官】五十嵐 公輔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0147006(US,A1)
【文献】特開2020-056538(JP,A)
【文献】国際公開第2012/004987(WO,A1)
【文献】特開平04-198670(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0090488(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00-49/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリュ圧縮機である高元側圧縮機、高元側凝縮器、高元側膨張機構および高元側蒸発器を循環ラインで接続して形成され、高元側冷媒が循環する高元側冷媒回路と、
スクリュ圧縮機である低元側圧縮機、低元側凝縮器、低元側膨張機構および低元側蒸発器を循環ラインで接続して形成され、低元側冷媒が循環する低元側冷媒回路と
を備え、
上記高元側冷媒回路と上記低元側冷媒回路との間で熱交換を行う中間熱交換器は、上記高元側冷媒回路側の部分が上記高元側蒸発器を構成する一方、上記低元側冷媒回路側の部分が上記低元側凝縮器を構成し、
上記低元側冷媒は、GWP750未満であり、
上記低元側圧縮機は、
第1低元側圧縮部と、
上記第1低元側圧縮部の下流側に配置され、上記第1低元側圧縮部で圧縮された上記低元側冷媒をさらに圧縮する第2低元側圧縮部と
を有
し、
上記第1低元側圧縮部は、
回転軸と、
上記第2低元側圧縮部とは反対側で上記回転軸を回転可能に支持する軸受部と、
上記軸受部を収容する軸受室と
を含み、
上記軸受室には、上記軸受部に対して上記第2低元側圧縮部とは反対側に配置された壁部が設けられ、
上記軸受部と上記壁部との間に油が溜まる、冷凍システム。
【請求項2】
請求項1に記載の冷凍システムにおいて、
上記低元側冷媒は、R32冷媒である、冷凍システム。
【請求項3】
請求項1に記載の冷凍システムにおいて、
上記第1低元側圧縮部と上記第2低元側圧縮部とは同一のモータで駆動される、冷凍システム。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか一項に記載の冷凍システムにおいて、
上記低元側冷媒回路は、
上記低元側凝縮器から上記低元側膨張機構へ流れる上記低元側冷媒の一部を上記第1低元側圧縮部と上記第2低元側圧縮部との間に戻すための戻しラインと、
上記第1低元側圧縮部と上記第2低元側圧縮部との間に戻される上記低元側冷媒と、上記低元側凝縮器から上記低元側膨張機構へ流れる上記低元側冷媒との間で熱交換を行うエコノマイザと、
上記エコノマイザに供給される上記低元側冷媒を減圧するエコノマイザ用膨張機構と
を有する、冷凍システム。
【請求項5】
請求項1から3までのいずれか一項に記載の冷凍システムにおいて、
上記高元側圧縮機は、
第1高元側圧縮部と、
上記第1高元側圧縮部の下流側に配置され、上記第1高元側圧縮部で圧縮された上記高元側冷媒をさらに圧縮する第2高元側圧縮部と
を有する、冷凍システム。
【請求項6】
請求項1から3までのいずれか一項に記載の冷凍システムにおいて、
上記高元側圧縮機および上記低元側圧縮機は同じ圧縮機である、冷凍システム。
【請求項7】
請求項1から3までのいずれか一項に記載の冷凍システムにおいて、
上記低元側冷媒回路の凝縮温度の-40℃から-50℃までの間の範囲内となるように、上記高元側圧縮機を制御する制御装置を備える、冷凍システム。
【請求項8】
請求項1から3までのいずれか一項に記載の冷凍システムにおいて、
上記低元側蒸発器は、冷却対象物を直接冷却する熱交換器である、冷凍システム。
【請求項9】
請求項1から3までのいずれか一項に記載の冷凍システムにおいて、
上記低元側蒸発器は、冷却対象物を直接冷却する熱交換器であり、
上記低元側冷媒回路は、上記低元側圧縮機の上流側、かつ、上記低元側膨張機構の下流側に設けられ、上記低元側冷媒を貯留する低圧受液器を有する、冷凍システム。
【請求項10】
請求項1から3までのいずれか一項に記載の冷凍システムにおいて、
上記低元側冷媒回路は、上記低元側圧縮機と上記低元側凝縮器との間に設けられた低元側油分離器を有し、
上記低元側圧縮機と上記低元側油分離器との間には、上記低元側油分離器内の油を、上記軸受部に案内する油供給ラインが設けられていない、冷凍システム。
【請求項11】
請求項1から3までのいずれか一項に記載の冷凍システムにおいて、
上記低元側冷媒回路は、上記低元側圧縮機と上記低元側凝縮器との間に設けられた低元側油分離器を有し、
上記低元側圧縮機と上記低元側油分離器との間には、上記低元側油分離器内の油を上記軸受部に案内する油供給ラインが設けられ、
上記油供給ラインには、制御装置により開閉制御される開閉バルブが設けられ、
上記制御装置は、上記低元側圧縮機が駆動すると上記開閉バルブを閉め、上記低元側圧縮機が停止すると上記開閉バルブを開けるように上記開閉バルブの開閉を制御する、冷凍システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍システムとしては、R23冷媒を使用するものがある(例えば特許文献1参照)。このR23冷媒を使用した場合、例えば-80℃以下の超低温を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記R23冷媒は、GWP(Global Warming Potential:地球温暖化係数)が極端に高いため、将来的に使用ができない。
【0005】
上記R23冷媒に代わる冷媒としては、GWPが低いR32冷媒があるが、このR32冷媒は、-85℃のような極端な低温では、圧縮機の吸込圧力が非常に低くなり、圧縮機の効率を悪くする。
【0006】
本発明は、冷凍システムにおいて、環境へ負荷が小さい冷媒を使用しても、圧縮機の効率の低下を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る冷凍システムは、
スクリュ圧縮機である高元側圧縮機、高元側凝縮器、高元側膨張機構および高元側蒸発器を循環ラインで接続して形成され、高元側冷媒が循環する高元側冷媒回路と、
スクリュ圧縮機である低元側圧縮機、低元側凝縮器、低元側膨張機構および低元側蒸発器を循環ラインで接続して形成され、低元側冷媒が循環する低元側冷媒回路と
を備え、
上記高元側冷媒回路と上記低元側冷媒回路との間で熱交換を行う中間熱交換器は、上記高元側冷媒回路側の部分が上記高元側蒸発器を構成する一方、上記低元側冷媒回路側の部分が上記低元側凝縮器を構成し、
上記低元側冷媒は、GWP750未満であり、
上記低元側圧縮機は、第1低元側圧縮部と、上記第1低元側圧縮部の下流側に配置され、上記第1低元側圧縮部で圧縮された上記低元側冷媒をさらに圧縮する第2低元側圧縮部とを有し、
上記第1低元側圧縮部は、
回転軸と、
上記第2低元側圧縮部とは反対側で上記回転軸を回転可能に支持する軸受部と、
上記軸受部を収容する軸受室と
を含み、
上記軸受室には、上記軸受部に対して上記第2低元側圧縮部とは反対側に配置された壁部が設けられ、
上記軸受部と上記壁部との間に油が溜まる。
【0008】
この構成によれば、上記低元側冷媒は、第1低元側圧縮部で圧縮された後、第2低元側圧縮部でさらに圧縮されるので、低元側圧縮機の圧縮効率が低下するのを防ぐことができる。
また、高元側圧縮機および低元側圧縮機のそれぞれがスクリュ圧縮機であることにより、高元側圧縮機および低元側圧縮機の静音性が良好である。
また、上記軸受部と壁部との間に油が溜まることにより、この油で軸受部を十分に潤滑することができる。
【0009】
また、本発明の第2態様に係る冷凍システムでは、
上記第1態様に係る冷凍システムにおいて、
上記低元側冷媒は、R32冷媒である。
【0010】
また、本発明の第3態様に係る冷凍システムでは、
上記第1態様または第2態様に係る冷凍システムにおいて、
上記第1低元側圧縮部と上記第2低元側圧縮部とは同一のモータで駆動されてもよい。
【0011】
この構成によれば、第1低元側圧縮部と第2低元側圧縮部とを同一のモータで駆動することによって、モータ数が少なくなるので、低元側圧縮機の製造コストの増加を抑制することができる。
【0012】
また、本発明の第4態様に係る冷凍システムでは、
上記第1態様上記第3態様までのいずれか一つに係る冷凍システムにおいて、
上記低元側冷媒回路は、
上記低元側凝縮器から上記低元側膨張機構へ流れる上記低元側冷媒の一部を上記第1低元側圧縮部と上記第2低元側圧縮部との間に戻すための戻しラインと、
上記第1低元側圧縮部と上記第2低元側圧縮部との間に戻される上記低元側冷媒と、上記低元側凝縮器から上記低元側膨張機構へ流れる上記低元側冷媒との間で熱交換を行うエコノマイザと、
上記エコノマイザに供給される上記低元側冷媒を減圧するエコノマイザ用膨張機構と
を有してもよい。
【0013】
この構成によれば、上記低元側凝縮器から低元側膨張機構へ流れる低元側冷媒の一部が、戻しラインの案内により、エコノマイザ用膨張機構およびエコノマイザを介して、第1低元側圧縮部と第2低元側圧縮部との間に戻る。したがって、低元側圧縮機の圧縮効率を向上させることができる。
【0014】
また、本発明の第5態様に係る冷凍システムでは、
上記第1態様から上記第4態様までのいずれか一つに係る冷凍システムにおいて、
上記高元側圧縮機は、
第1高元側圧縮部と、
上記第1高元側圧縮部の下流側に配置され、上記第1高元側圧縮部で圧縮された上記高元側冷媒をさらに圧縮する第2高元側圧縮部と
を有してもよい。
【0015】
この構成によれば、上記高元側冷媒は、第1高元側圧縮部で圧縮された後、第2高元側圧縮部でさらに圧縮されるので、高元側圧縮機の圧縮効率の低下を防ぐことができる。
【0020】
また、本発明の第6態様に係る冷凍システムでは、
上記第1態様から上記第5態様までのいずれか一つに係る冷凍システムにおいて、
上記高元側圧縮機および上記低元側圧縮機は同じ圧縮機であってもよい。
【0021】
この構成によれば、上記高元側圧縮機および低元側圧縮機は例えば型式が同じ圧縮機であるので、例えば高元側圧縮機が故障したとき、高元側圧縮機を低元側圧縮機のスペアに交換して、迅速に復旧することができる。
【0022】
また、本発明の第7態様に係る冷凍システムは、
上記第1態様から上記第6態様までのいずれか一つに係る冷凍システムにおいて、
上記低元側冷媒回路の凝縮温度の-40℃から-50℃までの間の範囲内となるように、上記高元側圧縮機を制御する制御装置を備えてもよい。
【0023】
この構成によれば、上記制御装置が、低元側冷媒回路の凝縮温度の-40℃から-50℃までの間の範囲内となるように、高元側圧縮機を制御することにより、低元側圧縮機の圧縮比の増加を抑制することができる。
【0024】
また、本発明の第8態様に係る冷凍システムでは、
上記第1態様から上記第7態様までのいずれか一つに係る冷凍システムにおいて、
上記低元側蒸発器は、冷却対象物を直接冷却する熱交換器である。
【0025】
この構成によれば、上記熱交換器は冷却対象物を直接冷却するので、冷却対象物の冷却効率を上げることができる。
【0026】
また、本発明の第9態様に係る冷凍システムでは、
上記第1態様から上記第7態様までのいずれか一つに係る冷凍システムにおいて、
上記低元側蒸発器は、冷却対象物を直接冷却する熱交換器であり、
上記低元側冷媒回路は、上記低元側圧縮機の上流側、かつ、上記低元側膨張機構の下流側に設けられ、上記低元側冷媒を貯留する低圧受液器を有する。
【0027】
この構成によれば、上記熱交換器は冷却対象物を直接冷却するので、冷却対象物の冷却効率を上げることができる。
【0028】
また、上記低圧受液器により、ガス状の低元側冷媒を低元側圧縮機に効率良く供給することができる。
また、本発明の第10態様に係る冷凍システムでは、
上記第1態様から上記第9態様までのいずれか一つに係る冷凍システムにおいて、
上記低元側冷媒回路は、上記低元側圧縮機と上記低元側凝縮器との間に設けられた低元側油分離器を有し、
上記低元側圧縮機と上記低元側油分離器との間には、上記低元側油分離器内の油を、上記軸受部に案内する油供給ラインが設けられていない。
また、本発明の第11態様に係る冷凍システムでは、
上記第1態様から上記第9態様までのいずれか一つに係る冷凍システムにおいて、
上記低元側冷媒回路は、上記低元側圧縮機と上記低元側凝縮器との間に設けられた低元側油分離器を有し、
上記低元側圧縮機と上記低元側油分離器との間には、上記低元側油分離器内の油を上記軸受部に案内する油供給ラインが設けられ、
上記油供給ラインには、制御装置により開閉制御される開閉バルブが設けられ、
上記制御装置は、上記低元側圧縮機が駆動すると上記開閉バルブを閉め、上記低元側圧縮機が停止すると上記開閉バルブを開けるように上記開閉バルブの開閉を制御する。
【発明の効果】
【0029】
本発明の冷凍システムは、低元側圧縮機が、第1低元側圧縮部と、この第1低元側圧縮部で圧縮された低元側冷媒をさらに圧縮する第2低元側圧縮部とを有するので、低元側圧縮機の圧縮効率の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の第1実施形態における2元冷凍システムの回路図。
【
図2】低元側2段スクリュ圧縮機および低元側油分離器の概略構成図。
【
図4B】上記比較例1の低元側冷媒回路の冷媒のモリエル線図。
【
図5B】上記比較例2の低元側冷媒回路の冷媒のモリエル線図。
【
図6A】上記第1実施形態の低元側冷媒回路の回路図。
【
図6B】上記第1実施形態の低元側冷媒回路の冷媒のモリエル線図。
【
図7】低元側冷媒回路における圧縮比と断熱効率との関係を示すグラフ。
【
図8】低元側冷媒回路の凝縮温度の制御を説明するためのフローチャート。
【
図9】上記仕切板の変形例を説明するための概略図。
【
図10】本発明の第2実施形態の2元冷凍システムの要部の概略構成図。
【
図11】本発明の第3実施形態における2元冷凍システムの回路図。
【
図12】本発明の第4実施形態における2元冷凍システムの回路図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の冷凍システムを図示の実施の形態により詳細に説明する。なお、図面において、同一の参照番号は、同一部分または相当部分を表わすものである。また、長さ、幅、厚さ、深さ等の図面上の寸法は、図面の明瞭化と簡略化のために実際の尺度から適宜変更されており、実際の相対寸法を表してはいない。
【0032】
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態の2元冷凍システムの回路図である。なお、上記2元冷凍システムは、冷凍システムの一例である。
【0033】
<全体回路構成>
【0034】
2元冷凍システムは、R454C冷媒が循環する高元側冷媒回路1と、高元側冷媒回路1にカスケードコンデンサ3を介して接続され、R32冷媒が循環する低元側冷媒回路2と、制御装置4とを備えている。なお、R454C冷媒は高元側冷媒の一例である。カスケードコンデンサ3は中間熱交換器の一例である。R32冷媒は低元側冷媒の一例である。
【0035】
カスケードコンデンサ3は、高元側冷媒回路1と低元側冷媒回路2との間で熱交換を行う。このカスケードコンデンサ3の高元側冷媒回路1側の部分が高元側冷媒回路1の高元側蒸発器を構成して、R454C冷媒がカスケードコンデンサ3の高元側冷媒回路1側の部分で蒸発する。一方、カスケードコンデンサ3の低元側冷媒回路2側の部分が低元側冷媒回路2の低元側凝縮器を構成して、R32冷媒がカスケードコンデンサ3の低元側冷媒回路側の部分で凝縮する。
【0036】
R32冷媒は、例えば経済産業省のインターネットサイト(https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H29FY/000088.pdf、令和5年3月20日検索)に記載されているように、101.3KPaにおいて最大燃焼速度が6.7cm/sで、A2Lに分類される。すなわち、R32冷媒はいわゆるA2L冷媒である。また、R32冷媒のGWPは675である。
【0037】
A2LはISO817の燃焼性分類のSubCLASS2Lを意味し、A2L冷媒は、次の(1)~(4)の条件を満たす。
(1)101.3kPa、60℃における試験時に火炎伝播を示す。
(2)燃焼下限界が3.5vol%を超える。
(3)燃焼熱が19000kJ/kg未満である。
(4)101.3kPa、23℃における試験時に最大燃焼速度が10cm/s以下である。
【0038】
GWPは、二酸化炭素を基準にして、他の温室効果ガスがどれだけ温暖化する能力があるかを示す。別の言い方をすれば、GWPは温室効果の程度を数値化したものである。このため、GWPが高いことは、温暖化能力が高いことを意味する一方、GWPが低いことは、温暖化能力が低いことを意味する。
【0039】
<高元側回路構成>
高元側冷媒回路1は、高元側2段スクリュ圧縮機11と、水冷コンデンサ5の高元側冷媒回路1側の部分5aと、第1高元側膨張弁12と、カスケードコンデンサ3の高元側冷媒回路1側の部分3aとを、循環ラインL11~L16で接続して形成されている。なお、高元側2段スクリュ圧縮機11は高元側圧縮機の一例である。水冷コンデンサ5の高元側冷媒回路1側の部分5aは高元側凝縮器の一例である。第1高元側膨張弁12は高元側膨張機構の一例である。カスケードコンデンサ3の高元側冷媒回路1側の部分3aは高元側蒸発器の一例である。
【0040】
高元側2段スクリュ圧縮機11は、後述する低元側2段スクリュ圧縮機21と同じ圧縮機、すなわち同一製品(型式)であり、油冷式スクリュ圧縮機である。この高元側2段スクリュ圧縮機11は、カスケードコンデンサ3からのR454C冷媒を圧縮する第1高元側圧縮部31と、この第1高元側圧縮部31の下流側に配置され、第1高元側圧縮部31で圧縮されたR454C冷媒をさらに圧縮する第2高元側圧縮部32と、第1高元側圧縮部31および第2高元側圧縮部32を駆動する交流モータ33と、この交流モータ33に交流電流を供給するインバータ装置34とを有する。なお、交流モータ33はモータの一例である。
【0041】
第1高元側圧縮部31は、循環ラインL11を介して、カスケードコンデンサ3の高元側冷媒回路1側の部分3aに接続されている。
【0042】
第2高元側圧縮部32は、循環ラインL12,L13および高元側油分離器13を介して、水冷コンデンサ5の高元側冷媒回路1側の部分5aに接続されている。
【0043】
また、高元側冷媒回路1は、戻しラインL17~L19と、高元側エコノマイザ14と、第2高元側膨張弁15とを有する。
【0044】
戻しラインL17~L19は、水冷コンデンサ5から第1高元側膨張弁12へ流れるR454C冷媒の一部が第1高元側圧縮部31と第2高元側圧縮部32との間に戻るように、R454C冷媒を案内する。より詳しく言うと、戻しラインL17は、循環ラインL15と第2高元側膨張弁15との間に設けられて、循環ラインL15と連通する。戻しラインL18は、第2高元側膨張弁15と高元側エコノマイザ14との間に設けられている。戻しラインL19は、高元側エコノマイザ14と高元側2段スクリュ圧縮機11との間に設けられている。
【0045】
高元側エコノマイザ14は、一部が循環ラインL14と循環ラインL15とを流体的に接続する一方、他の一部が循環ラインL18と循環ラインL19とを流体的に接続する。この高元側エコノマイザ14の一部には、水冷コンデンサ5から第1高元側膨張弁12へ流れるR454C冷媒が通過する。また、高元側エコノマイザ14の他の一部には、循環ラインL15から第1高元側圧縮部31と第2高元側圧縮部32との間に戻されるR454C冷媒が通過する。このとき、水冷コンデンサ5から第1高元側膨張弁12へ流れるR454C冷媒と、循環ラインL15から第1高元側圧縮部31と第2高元側圧縮部32との間に戻されるR454C冷媒との間において、熱交換が行われる。
【0046】
第2高元側膨張弁15は、高元側エコノマイザ14に供給されるR454冷媒を減圧する。より詳しく言うと、高元側エコノマイザ14から第1高元側膨張弁12へ流れるR454C冷媒の一部は、循環ラインL15の途中で分流した後、第2高元側膨張弁15で減圧されて、高元側エコノマイザ14に流入する。例えば、第2高元側膨張弁15は、戻しラインL19のR454C冷媒の温度によって制御される。このとき、戻しラインL19に設けられる温度センサ(図示せず)が戻しラインL19の温度を検出して、制御装置4が、上記温度センサによって検出された戻しラインL19の温度に基づいて、上記温度センサが設けられた箇所におけるR454C冷媒の過熱度が一定になるように、第2高元側膨張弁15の開度を調節するようにしてもよい。
【0047】
第1高元側膨張弁12は、戻しラインL15と戻しラインL16との間に設けられ、例えば、循環ラインL11のR454C冷媒の温度によって制御される。このとき、循環ラインL11に設けられる温度センサ(図示せず)が循環ラインL11の温度を検出して、制御装置4が、上記温度センサによって検出された循環ラインL11の温度に基づいて、上記温度センサが設けられた箇所におけるR454C冷媒の過熱度が一定になるように、第1高元側膨張弁12の開度を調節するようにしてもよい。
【0048】
また、制御装置4は、高元側冷媒回路1の高元側2段スクリュ圧縮機11などを制御する。この制御により、R454C冷媒は、例えば、循環ラインL11で-35℃、循環ラインL13で86℃、循環ラインL14で35℃、循環ラインL15で-45℃となるように、高元側冷媒回路1を循環する。
【0049】
このような温度変化を伴ってR454C冷媒が高元側冷媒回路1を循環する場合、水冷コンデンサ5の高元側冷媒回路1とは反対側の部分5bに供給する冷却水の温度を27℃に設定し、かつ、その冷却水の流量を77L/minに設定したとき、水冷コンデンサ5の高元側冷媒回路1とは反対側の部分5bから吐出される冷却水の温度を32℃とすることが可能となる。
【0050】
<低元側回路構成>
低元側冷媒回路2は、低元側2段スクリュ圧縮機21と、カスケードコンデンサ3の低元側冷媒回路2側の部分3bと、第1低元側膨張弁22と、熱交換器6の低元側冷媒回路2側の部分6aとを、循環ラインL21~L26で接続して形成されている。なお、低元側2段スクリュ圧縮機21は低元側圧縮機の一例である。カスケードコンデンサ3の低元側冷媒回路2側の部分3bは低元側凝縮器の一例である。第1低元側膨張弁22は低元側膨張機構の一例である。熱交換器6の低元側冷媒回路2側の部分6aは低元側蒸発器の一例である。
【0051】
低元側2段スクリュ圧縮機21は、熱交換器6からのR32冷媒を圧縮する第1低元側圧縮部41と、この第1低元側圧縮部41の下流側に配置され、第1低元側圧縮部41で圧縮されたR32冷媒をさらに圧縮する第2低元側圧縮部42と、第1低元側圧縮部41および第2低元側圧縮部42を駆動する交流モータ43と、この交流モータ43に交流電流を供給するインバータ装置44とを有している。この第1低元側圧縮部41は、循環ラインL21を介して、熱交換器6の低元側冷媒回路2側の部分6aに接続されている。一方、第2低元側圧縮部42は、循環ラインL22,L23および低元側油分離器23を介して、カスケードコンデンサ3の低元側冷媒回路2側の部分3bに接続されている。なお、交流モータ43はモータの一例である。
【0052】
また、低元側冷媒回路2は、戻しラインL27~L29と、低元側エコノマイザ24と、第2低元側膨張弁25とを有する。
【0053】
戻しラインL27~L29は、低元側エコノマイザ24から第1低元側膨張弁22へ流れるR32冷媒の一部が第1低元側圧縮部41と第2低元側圧縮部42との間に戻るように、R32冷媒を案内する。より詳しく言うと、戻しラインL27は、循環ラインL25と第2低元側膨張弁25との間に設けられて、循環ラインL25と連通している。戻しラインL28は、第2低元側膨張弁25と低元側エコノマイザ24との間に設けられている。戻しラインL29は、低元側エコノマイザ24と低元側2段スクリュ圧縮機21との間に設けられている。
【0054】
低元側エコノマイザ24は、一部が循環ラインL24と循環ラインL25とを流体的に接続する一方、他の一部が循環ラインL28と循環ラインL29とを流体的に接続する。この低元側エコノマイザ24の一部には、カスケードコンデンサ3から第1低元側膨張弁22へ流れるR32冷媒が通過する。また、低元側エコノマイザ24の他の一部には、循環ラインL25から第1低元側圧縮部41と第2低元側圧縮部42との間に戻されるR32冷媒が通過する。このとき、カスケードコンデンサ3から第1低元側膨張弁22へ流れるR32冷媒と、循環ラインL25から第1低元側圧縮部41と第2低元側圧縮部42との間に戻されるR32冷媒との間において、熱交換が行われる。
【0055】
第2低元側膨張弁25は、低元側エコノマイザ24に供給されるR32冷媒を減圧する。より詳しく言うと、低元側エコノマイザ24から第1低元側膨張弁22へ流れるR32冷媒の一部は、循環ラインL25の途中で分流した後、第2低元側膨張弁25で減圧されて、低元側エコノマイザ24に流入する。例えば、第2低元側膨張弁25は、戻しラインL29のR32冷媒の温度によって制御される。このとき、戻しラインL29に設けられる温度センサ(図示せず)が戻しラインL29の温度を検出して、制御装置4が、上記温度センサによって検出された戻しラインL29の温度に基づいて、上記温度センサが設けられた箇所におけるR32冷媒の過熱度が一定になるように、第2低元側膨張弁25の開度を調節するようにしてもよい。
【0056】
第1低元側膨張弁22は、循環ラインL25と循環ラインL26との間に設けられ、例えば、循環ラインL21のR32冷媒の温度によって制御される。このとき、循環ラインL21に設けられる温度センサ(図示せず)が循環ラインL21の温度を検出して、制御装置4が、上記温度センサによって検出された循環ラインL21の温度に基づいて、上記温度センサが設けられた箇所おけるR32冷媒の過熱度が一定になるように、第1低元側膨張弁22の開度を調節するようにしてもよい。
【0057】
また、制御装置4は、低元側冷媒回路2の低元側2段スクリュ圧縮機21などを制御する。この制御により、R32冷媒は、例えば、循環ラインL21で-80℃、循環ラインL23で80℃、循環ラインL24で-40℃、循環ラインL26で-85℃となるように、低元側冷媒回路2を循環する。
【0058】
このような温度変化を伴ってR32冷媒が低元側冷媒回路2を循環する場合、熱交換器6の低元側冷媒回路2とは反対側の部分6bに供給するブラインの温度を-68℃に設定し、かつ、そのブラインの流量を30L/minに設定したとき、熱交換器6の低元側冷媒回路2とは反対側の部分6bから吐出されるブラインの温度を-80℃とすることが可能となる。本実施形態では、-80℃となったブラインにより冷却対象物(図示せず)が冷却される。
【0059】
また、低元側冷媒回路2は、カスケードコンデンサ3の下流側に設けられた循環ラインL24に取り付けられた圧力センサ27を有する。この圧力センサ27は、カスケードコンデンサ3から流出したR32冷媒の圧力を検出して、この圧力を示す信号を制御装置4に送出する。
【0060】
図2は、低元側2段スクリュ圧縮機21および低元側油分離器23の概略構成図である。また、
図3は、第1軸受61A,61Bおよび仕切板71A,71Bを交流モータ43側から見た概略図である。
【0061】
図2に示すように、低元側2段スクリュ圧縮機21は、第1部分51、・・・および第6部分56で構成されたケーシング50を備える。
【0062】
第1部分51内の空間(モータ室)には、交流モータ43が収容されている。この交流モータ43は、インナーロータ型であって、第1部分51の内周面に固定されるステータ431と、このステータ431の径方向内側に配置されるロータ432とを有する。交流モータ43の通電時、ロータ432が駆動軸433と一体に回転する。
【0063】
第2部分52には、循環ラインL21を流れるR32冷媒を吸い込む吸込口52aが設けられている。この第2部分52内の空間の一部(第1低元側圧縮室)には、雌雄一対の第1スクリュロータ411A,411Bが互いに噛み合った状態で収容されている。この第1スクリュロータ411Aには第1回転軸412Aが一体的に形成されている。一方、第1スクリュロータ411Bには第1回転軸412Bが一体的に形成されている。第1回転軸412Aの一端部は駆動軸433の先端部に一体的に接続されている。これにより、第1回転軸412Aは、駆動軸433の駆動力を受けて、第1スクリュロータ411Aと共に回転することが可能になっている。また、第2部分52内の空間の他の部分(第1吸込側軸受室)には、第1回転軸412A,412Bの一端部を回転可能に支持する第1軸受61A,61Bが収容されている。この第1軸受61A,61Bは、第1スクリュロータ411A,411Bを支持するための吸込側軸受であって、第2部分52の内周面に固定されている。なお、第1回転軸412A,412Bは回転軸の一例である。第1軸受61A,61Bは軸受部の一例である。
【0064】
また、
図2,
図3に示すように、第2部分52において第1部分51内の空間に面する端面には、例えば長方形板形状の仕切板71A,71Bが設けられている。すなわち、第1低元側圧縮部41の第1吸込側軸受室を形成する第2部分52の端部には、仕切板71A,71Bが設けられている。この仕切板71A,71Bは、第1軸受61A,61Bに対して第1低元側圧縮部41とは反対側に配置されて、第1軸受61A,61Bとの間に所定の間隔を有する。また、仕切板71A,71Bは、第1回転軸412A,412Bの軸方向において、第1軸受61A,61Bの下部と対向する。例えば、仕切板71Aの上端を含んで第1回転軸412Aの軸方向に平行な仮想面は、第1軸受61Aの内輪転送面の最下端と同じ高さ、または、第1軸受61Aの内輪転送面の最下端よりも下にある。例えば、仕切板71Bの上端を含んで第1回転軸412Aの軸方向に平行な仮想面は、第1軸受61Bの内輪転送面の最下端と第1軸受61Bの外輪転送面の最下端との間にある。これにより、第1軸受61A,61Bが十分に潤滑される。なお、仕切板71A,71Bは壁部の一例である。
【0065】
図2に示すように、第1低元側圧縮部41は、第2部分52内の第1低元側圧縮室に第1スクリュロータ411A,411Bを収容してなる。この第1低元側圧縮部41は、吸込口52aからのR32冷媒を圧縮して、第3部分53内の空間(図示せず)を介して第4部分54内の空間の一部に吐出する。第1スクリュロータ411A,411Bは、第2部分52内の第1低元側圧縮室を区分して複数の閉鎖された閉じ込み空間を形成する。この閉じ込み空間の容積が第1スクリュロータ411A,411Bの回転に伴って小さくなることにより、R32冷媒が圧縮される。このとき、油が、油供給ラインL31から第2部分52内に供給されて、第1スクリュロータ411A,411Bを冷却すると共に、第1スクリュロータ411A,411Bおよび第1軸受61A,61Bを潤滑する。
【0066】
また、第2部分52の吸込口52aには、第2部分52外から第2部分52内へ流体の流れのみを許容する逆止弁72が取り付けられている。
【0067】
第3部分53内の空間(第1吐出側軸受室)には、第1回転軸412A,412Bの他端部を回転可能に支持する第2軸受62A,62Bが収容されている。この第2軸受62A,62Bは、第1スクリュロータ411A,411Bを支持するための吐出側軸受であって、第3部分53の内周面に固定されている。
【0068】
第4部分54内の空間には、第1低元側圧縮部41で圧縮されたR32冷媒が吸い込まれる吸込口(図示せず)が設けられている中間圧力室と、雌雄一対の第2スクリュロータ421A,421Bが互いに噛み合った状態で収容されている第2低元側圧縮室とが形成されている。低元側エコノマイザ24を出て、戻しラインL29(
図1に示す)を流通したR32冷媒は、中間圧力室に供給される。
【0069】
第2低元側圧縮部42は、第3部分53内の空間と第4部分54内の中間圧力室とを流通したR32冷媒を圧縮して、第5部分55内の空間の一部(図示せず)に吐出する。第2スクリュロータ421Aには第2回転軸422Aが、第2スクリュロータ421Bには第2回転軸422Bが、一体的に形成されている。第2回転軸422Aの一端部は第1回転軸412Aの他端部に一体的に接続されている。第2回転軸422Aは、第1回転軸412Aを介して駆動軸433の駆動力を受けて回転する。また、第4部分54内の空間(第2吸込側軸受室)には、第2回転軸422A,422Bの一端部を回転可能に支持する第3軸受63A,63Bも収容されている。第3軸受63A,63Bは、第2スクリュロータ421A,421Bを支持するための吸込側軸受であって、第4部分54の内周面に固定されている。
【0070】
第5部分55内の空間の他の部分(第2吐出側軸受室)には、第2回転軸422A,422Bの他端部を回転可能に支持する第4軸受64A,64Bが収容されている。第4軸受64A,64Bは、第2スクリュロータ421A,421Bを支持するための吐出側軸受であって、第5部分55の内周面に固定されている。
【0071】
第6部分56は、第5部分55の先端部の開口を塞ぐ蓋のような役割を果たす。この第6部分56には、R32冷媒を吐出する吐出口(図示せず)が設けられている。この吐出口から吐出されたR32冷媒は循環ラインL22で低元側油分離器23に案内される。
【0072】
低元側油分離器23は、ケーシング231と、このケーシング231内に収容されたデミスタ232とを有している。デミスタ232はケーシング50内の上部空間に配置されて、ケーシング231の上端部の吐出口(図示せず)に対向している。
【0073】
R32冷媒は、低元側油分離器23で油と分離された後、カスケードコンデンサ3に向かって流れる。一方、R32冷媒から分離された油は、油供給ラインL31~L35を介して、低元側2段スクリュ圧縮機21に供給される。低元側油分離器23で分離された油は、油供給ラインL31を介して、第1スクリュロータ411A,411Bに供給される。このとき、第1スクリュロータ411A,411Bに供給された油の一部が第1軸受61A,61B側に流れる。
【0074】
油供給ラインL32は、油供給ラインL31の途中から分岐し、第2軸受62A,62Bに油を供給する。油供給ラインL33は、油供給ラインL31の途中から分岐し、第3軸受63A,63Bに油を供給する。油供給ラインL34は、油供給ラインL31の途中から分岐し、第2スクリュロータ421A,421Bに油を供給する。油供給ラインL35は、油供給ラインL31の途中から分岐し、第4軸受64A,64Bに油を供給する。
【0075】
上記構成の2元冷凍システムでは、低元側冷媒回路2にR32冷媒を使用しているので、地球温暖化および安全性の悪化を防ぐことができる。
【0076】
また、R32冷媒の蒸発温度を例えば-80℃にすることを想定すると、低元側2段スクリュ圧縮機21が吸い込むR32冷媒の圧力が非常に低くなってしまうが、R32冷媒は、第1低元側圧縮部41で圧縮された後、第2低元側圧縮部42でさらに圧縮される。したがって、低元側2段スクリュ圧縮機21が吸い込むR32冷媒の圧力が低くなっても、低元側2段スクリュ圧縮機21の圧縮効率の低下を防ぐことができる。
【0077】
また、第1低元側圧縮部41と第2低元側圧縮部42とが同一の交流モータ43で駆動されるので、第1低元側圧縮部41と第2低元側圧縮部42とを別々の交流モータ43で駆動するときよりも、モータ数が少なくなる。したがって、低元側2段スクリュ圧縮機21の製造コストの増加を抑制することができる。
【0078】
第1高元側圧縮部31および第2高元側圧縮部32も同一の交流モータ33で駆動するので、高元側2段スクリュ圧縮機11の製造コストの増加も抑制することができる。
【0079】
また、カスケードコンデンサ3から第1低元側膨張弁22へ流れるR32冷媒の一部が、戻しラインL27~L29の案内により、第2低元側膨張弁25および低元側エコノマイザ24を介して、第1低元側圧縮部41と第2低元側圧縮部42との間に戻る。したがって、低元側2段スクリュ圧縮機21の圧縮効率を向上させることができる。
【0080】
また、高元側冷媒回路1において、R454C冷媒は、第1高元側圧縮部31で圧縮された後、第2高元側圧縮部32でさらに圧縮されるので、低元側2段スクリュ圧縮機21と同様に、高元側2段スクリュ圧縮機11の圧縮効率の低下を防ぐことができる。
【0081】
また、高元側2段スクリュ圧縮機11でR454C冷媒を圧縮すると共に、低元側2段スクリュ圧縮機21でR32冷媒を圧縮するので、例えばレシプロ圧縮機でR454C冷媒およびR32冷媒を圧縮するときよりも、高元側冷媒回路1および低元側冷媒回路2の静音性は良好である。
【0082】
また、第1軸受61A,61Bに対して第1低元側圧縮部41とは反対側に仕切板71A,71Bが配置されているので、第1軸受61A,61Bと仕切板71A,71Bとの間に油を溜めて、この油で第1軸受61A,61Bを十分に潤滑することができる。
【0083】
仮に、低元側油分離器23内の油を第1軸受61A,61Bに直接供給するための油供給ラインを設けた場合、当該油供給ラインからの油にはR32冷媒が溶解しているため、ケーシング50の第2部分52内の第1吸込側軸受室に供給された油から差圧により多量の冷媒ガスが発生して、第1軸受61A,61Bの潤滑効率が悪くなる。その結果、低元側2段スクリュ圧縮機21の圧縮効率を下げてしまう。
【0084】
これに対して、低元側冷媒回路2では、低元側油分離器23内の油を低元側2段スクリュ圧縮機21の第1軸受61A,61Bに直接供給するための油供給ラインを設けていないので、上記問題の発生を防ぐことができる。
【0085】
また、高元側2段スクリュ圧縮機11および低元側2段スクリュ圧縮機21は同じ圧縮機であるので、例えば高元側2段スクリュ圧縮機11が故障したとき、高元側2段スクリュ圧縮機11を低元側2段スクリュ圧縮機21のスペアに交換して、迅速に復旧することができる。
【0086】
以下、本実施形態の低元側2段スクリュ圧縮機21および低元側エコノマイザ24を用いたときの作用効果について、比較例を用いて説明する。
【0087】
図4Aは、比較例1の低元側冷媒回路1002の回路図である。また、
図4Bは、低元側冷媒回路1002を循環するR32冷媒のモリエル線図である。
【0088】
低元側冷媒回路1002は、低元側2段スクリュ圧縮機21の代わりに低元側1段スクリュ圧縮機1021を有している点と、低元側エコノマイザ24およびその周辺部を有していない点とで、本実施形態の低元側冷媒回路2と異なる。なお、循環ラインL1024は、一端がカスケードコンデンサ3に接続されている一方、他端が第1低元側膨張弁22に接続されている。
【0089】
低元側1段スクリュ圧縮機1021は、熱交換器6からのR32冷媒を圧縮する低元側圧縮部1041と、低元側圧縮部1041を駆動する交流モータ43と、この交流モータ43に交流電流を供給するインバータ装置44とを有している。
【0090】
このような低元側冷媒回路1002では、
図4Bに示すように、蒸発工程において、エンタルピがE1からE2に上がった後、圧縮行程において、圧力がP1からP2に上がる。この圧縮行程を低元側1段スクリュ圧縮機1021だけで行うため、低元側1段スクリュ圧縮機1021の圧縮比が大きくなる。
【0091】
図5Aは、比較例2の低元側冷媒回路2002の回路図である。また、
図5Bは、低元側冷媒回路2002を循環するR32冷媒のモリエル線図である。
【0092】
低元側冷媒回路2002は、
図5Aに示すように、低元側2段スクリュ圧縮機21を有しているが、低元側エコノマイザ24およびその周辺部を有していない点で、低元側冷媒回路2と異なる。
【0093】
このような低元側冷媒回路2002において、凝縮行程、膨張行程、蒸発行程および圧縮行程が行われるとき、蒸発行程は、
図5Bに示すように、低元側冷媒回路1002と同じ冷凍能力を発揮できる。その上、圧縮行程は、低元側2段スクリュ圧縮機21で行うので、1段当たりの圧縮比を小さくすることができる。より詳しく言うと、第1低元側圧縮部41によって、圧力をP1からP3まで上げた後、第2低元側圧縮部42によって、圧力をP3からP2に上げるので、第1低元側圧縮部41および第2低元側圧縮部42のそれぞれの圧縮比を小さくすることができる。
【0094】
図6Aは、低元側冷媒回路2の回路図である。また、
図6Bは、低元側冷媒回路2を循環するR32冷媒のモリエル線図である。
【0095】
低元側冷媒回路2では、カスケードコンデンサ3から流出したR32冷媒の一部が、第2低元側膨張弁25および低元側エコノマイザ24を介して、第1低元側圧縮部41と第2低元側圧縮部42との間の中間圧力室に戻る。
【0096】
このような低元側冷媒回路2において、凝縮行程、膨張行程、蒸発行程および圧縮行程行われるとき、圧縮行程は、
図6Bに示すように、低元側冷媒回路2002の圧縮行程と同様に、低元側2段スクリュ圧縮機21で行うので、1段当たりの圧縮比を小さくすることができる。また、第2低元側膨張弁25および低元側エコノマイザ24を経由したR32冷媒が第1低元側圧縮部41と第2低元側圧縮部42との間に導入することにより、蒸発行程で増加するエタルピ量を増やすことができる。より詳しく言うと、低元側冷媒回路2において最小のエタルピ量はエンタルピE1よりも小さいエンタルピE3となる。低元側冷媒回路1002および低元側冷媒回路2002の冷凍能力は、エンタルピE2からエンタルピE1を引いた値に相当する一方、低元側冷媒回路2の冷凍能力は、エンタルピE2からエンタルピE3を引いた値に相当する。それゆえ、低元側冷媒回路2の冷凍能力は、低元側冷媒回路1002および低元側冷媒回路2002の冷凍能力よりもエンタルピE1よりエンタルピE3を引いた値分、大きい。
【0097】
図4B,
図5Bおよび
図6Bに示すように、低元側冷媒回路1002および低元側冷媒回路2002が同じ冷凍能力を発揮するが、低元側冷媒回路1002,2002の冷凍能力よりも低元側冷媒回路2の冷凍能力の方が高い。一方、低元側冷媒回路2002および低元側冷媒回路2は同じ圧縮効率となるが、低元側冷媒回路2002,2の圧縮効率よりも低元側冷媒回路1002の圧縮効率の方が悪くなる。したがって、冷凍能力を消費電力で除することで求められるCOP(Coefficient of Performance)は、低元側冷媒回路1002よりも低元側冷媒回路2002の方が高く、低元側冷媒回路2002よりも低元側冷媒回路2の方が高くなる。すなわち、低元側冷媒回路1002、低元側冷媒回路2002および低元側冷媒回路2において、COPは低元側冷媒回路2が最大となる。
【0098】
図7は、低元側冷媒回路2,1002,2002の圧縮比と、低元側冷媒回路2,1002,2002の断熱効率との関係を示すグラフである。
【0099】
低元側冷媒回路1002に比べて、低元側冷媒回路2002および低元側冷媒回路2は、圧縮比を下げることができ、その上、断熱効率を向上させることができる。
【0100】
以下、本実施形態の低元側冷媒回路2の凝縮温度の制御について説明する。
【0101】
制御装置4は、低元側冷媒回路2の凝縮温度が-40℃から-50℃までの間の範囲に入るように、低元側2段スクリュ圧縮機21を制御する。
【0102】
図8は、低元側冷媒回路2の凝縮温度の制御を説明するためのフローチャートである。なお、上記制御は制御装置4によって行われる。
【0103】
上記凝縮温度の制御は、低元側2段スクリュ圧縮機21の駆動に応じて介して、まず、ステップS1で、カスケードコンデンサ3から流出したR32冷媒の圧力を測定する。この測定は、圧力センサ27から送出される信号を用いて行われる。
【0104】
次に、ステップS2で、R32冷媒の圧力が、0.109MPaより低いか、0.109MPaから0.176MPaまでの間の範囲内に入るか、0.176MPaより高いかを判定する。
【0105】
ステップS2で、R32冷媒の圧力が0.109MPaより低いと判定された場合、ステップS3-1に進み、高元側2段スクリュ圧縮機11の交流モータ33の回転数を所定数だけ減少させる。
【0106】
ステップS2で、R32冷媒の圧力が0.109MPaから0.176MPaまでの間の範囲内に入ると判定された場合、ステップS3-2に進み、高元側2段スクリュ圧縮機11の交流モータ33の回転数を変更せずに維持する。
【0107】
ステップS2で、R32冷媒の圧力が、0.176MPaより高いと判定された場合、ステップS3-3に進み、高元側2段スクリュ圧縮機11の交流モータ33の回転数を所定数だけ増加させる。
【0108】
最後に、ステップS4で、低元側2段スクリュ圧縮機21が駆動中か否かを判定する。このステップS4で、低元側2段スクリュ圧縮機21が駆動中であると判定すると、ステップS1に戻る。一方、ステップS4で、低元側2段スクリュ圧縮機21が駆動中でないと判定すると、上記凝縮温度の制御を終了する。
【0109】
このように、カスケードコンデンサ3から流出したR32冷媒の圧力に基づいて、高元側2段スクリュ圧縮機11の交流モータ33の回転数を調整することによって、低元側冷媒回路2の凝縮温度を-40℃から-50℃までの間の範囲内で維持することができる。その結果、熱交換器6によってブラインを-80℃に冷却するときでも、低元側2段スクリュ圧縮機21の圧縮比の増加を抑制することができる。
【0110】
上記第1実施形態では、低元側冷媒回路2に、R32冷媒を使用していたが、他のA2L冷媒(例えば、R-1234ze(E)冷媒、R-1234yf冷媒)を使用するようにしてもよい。
【0111】
上記第1実施形態では、高元側冷媒回路1は、高元側2段スクリュ圧縮機11を有していたが、高元側2段スクリュ圧縮機11は、高元側1段スクリュ圧縮機に交換されてもよい。
【0112】
上記第1実施形態では、高元側冷媒回路1は、高元側エコノマイザ14を有していたが、高元側エコノマイザ14を有さないようにしてもよい。別の言い方をすれば、高元側冷媒回路1では、高元側エコノマイザ14から流出したR454C冷媒の一部を、第1高元側圧縮部31と第2高元側圧縮部32との間に戻していたが、第1高元側圧縮部31と第2高元側圧縮部32との間に戻さないようにしてもよい。
【0113】
上記第1実施形態では、低元側冷媒回路2は、低元側2段スクリュ圧縮機21を有していたが、低元側2段スクリュ圧縮機21は、例えば、互いに直列に接続された複数台の低元側1段スクリュ圧縮機1021に交換されてもよい。あるいは、低元側2段スクリュ圧縮機21は、ロータリ圧縮機、レシプロ圧縮機などに交換されてもよい。
【0114】
上記第1実施形態では、低元側冷媒回路2は、低元側エコノマイザ24を有していたが、低元側エコノマイザ24を有さないようにしてもよい。別の言い方をすれば、低元側冷媒回路2では、カスケードコンデンサ3から流出したR32冷媒の一部を、第1低元側圧縮部41と第2低元側圧縮部42との間に戻していたが、第1低元側圧縮部41と第2低元側圧縮部42との間に戻さないようにしてもよい。このようにした場合、低元側冷媒回路2の回路図は、比較例2の低元側冷媒回路2002の回路図のようになる。
【0115】
上記第1実施形態では、第1回転軸412A,412Bの軸方向から仕切板71A,71Bを見たとき、仕切板71A,71Bは、長方形板形状を呈するように形成されていたが、例えば円弧板形状を呈する部分を有するように形成されてもよい。すなわち、
図9に示す仕切板171A,171Bが壁部の一例として用いられてもよい。別の言い方をすれば、第1回転軸412Aの径方向に平行な仮想面で仕切板71A,71Bを切ったとき、仕切板71A,71Bの断面の形は長方形で、この断面の上辺は直線であったが、仕切板71A,71Bの断面の上辺が円弧となるようにしてもよい。
【0116】
上記第1実施形態では、油供給ラインL31にポンプを設けていなかったが、油供給ラインL31に油ポンプを設けてもよい。
【0117】
〔第2実施形態〕
図10は本発明の第2実施形態の2元冷凍システムの要部の概略構成図である。
【0118】
上記2元冷凍システムは、油供給ラインL31と第1軸受61A,61Bとの間に油供給ラインL41,L42および開閉バルブ91を設けている点が、上記第1実施形態とは異なる。
【0119】
油供給ラインL41は、一端が油供給ラインL31の途中に接続されている一方、他端が開閉バルブ91に接続されている。
【0120】
油供給ラインL42は、一端が開閉バルブ91に接続されている一方、低元側2段スクリュ圧縮機21のケーシング50の第2部分52における第1軸受61A,61B近傍の箇所に接続されている。
【0121】
開閉バルブ91は、制御装置4に開閉が制御される。より詳しく言うと、低元側2段スクリュ圧縮機21が駆動すると、開閉バルブ91を閉め、低元側2段スクリュ圧縮機21が停止すると、開閉バルブ91を開けるように、制御装置4が開閉バルブ91の開閉を制御するようになっている。
【0122】
上記構成の2元冷凍システムでは、低元側2段スクリュ圧縮機21が駆動すると、開閉バルブ91が閉まるので、油供給ラインL42から第1軸受61A,61Bに油が供給されない。したがって、ケーシング50の第2部分52内の第1吸込側軸受室に油が直接供給されないので、第1吸込側軸受室において多量の冷媒ガスが発生するのを防ぐことができる。
【0123】
また、低元側2段スクリュ圧縮機21が停止すると、開閉バルブ91が開くので、油供給ラインL42からの油が第1軸受61A,61Bに直接供給される。この場合は、差圧が小さいため、第1軸受61A,61Bに油が供給されても、供給された油から冷媒ガスが発生しにくい。また、第1軸受61A,61Bに油が直接供給されるから、第1軸受61A,61Bを確実に潤滑することができる。
【0124】
また、油供給ラインL42からの油が第1軸受61A,61Bに直接供給されるので、第1軸受61A,61Bの周辺の空間に油を十分に溜めておくことができる。
【0125】
〔第3実施形態〕
図11は、本発明の第3実施形態の2元冷凍システムの回路図である。本実施形態の2元冷凍システムは、後述する熱交換器306を除き、上記第1実施形態の2元冷凍システムと実質的に同じ構成を有する。
【0126】
本実施形態の2元冷凍システムの低元側冷媒回路302は、上記第1実施形態の低元側冷媒回路2と比較したとき、循環ラインL21と循環ラインL26の間の構成が異なっている。より具体的に説明すると、低元側冷媒回路302では、冷却対象物300を直接冷却する熱交換器306が、循環ラインL21と循環ラインL26の間に設けられている。なお、熱交換器306は低元側蒸発器の一例である。
【0127】
本実施形態の2元冷凍システムは、冷却対象物300を、冷却したブラインで間接的に冷却するのではなく、熱交換器306で直接冷却するので、冷却対象物300の冷却効率を向上できる。
【0128】
〔第4実施形態〕
図12は、本発明の第4実施形態の2元冷凍システムの回路図である。本実施形態の2元冷凍システムは、後述する熱交換器306、低圧受液器481およびそれらの周辺部を除き、上記第1実施形態の2元冷凍システムと実質的に同じ構成を有する。
【0129】
本実施形態の2元冷凍システムの低元側冷媒回路402は、上記第1実施形態の低元側冷媒回路2と比較したとき、循環ラインL21と循環ラインL26の間の構成が異なっている。より具体的に説明すると、低元側冷媒回路402では、R32冷媒を貯留する低圧受液器481が、循環ラインL21と循環ラインL26の間に設けられている。すなわち、低圧受液器481は、低元側2段スクリュ圧縮機21の上流側、かつ、第1低元側膨張弁22の下流側に設けられ、R32冷媒を貯留する。
【0130】
また、低元側冷媒回路402は、冷却対象物300を直接冷却する熱交換器306を有する。この熱交換器306の一端部は、冷却ラインL421、液体ポンプ482および冷却ラインL422を介して、低圧受液器481に接続されている。熱交換器306の他端部は、冷却ラインL423を介して、低圧受液器481に接続されている。これにより、低圧受液器481内に貯留されたR32冷媒は、液体ポンプ482の駆動時、冷却ラインL421、液体ポンプ482、冷却ラインL422、熱交換器306および冷却ラインL423をこの順に流れて、低圧受液器481内に戻る。
【0131】
また、低圧受液器481に設けたレベルセンサ(図示せず)が低圧受液器481内のR32冷媒の液面の高さを検出して、制御装置4が、レベルセンサによって検出されたR32冷媒の液面の高さに基づいて、第1低元側膨張弁22の開度を調節する。
【0132】
本実施形態の2元冷凍システムは、熱交換器306によって、上記第3実施形態の2元冷凍システムと同様の作用効果を奏する。
【0133】
また、本実施形態の2元冷凍システムは、低圧受液器481によって、液状のR32冷媒ではなく、ガス状のR32冷媒を、低元側2段スクリュ圧縮機21に効率良く供給できる。
【0134】
本発明の具体的な実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記第1,第2実施形態で記載した内容の一部を削除または置換したものを、本発明の一実施形態としてもよい。
【符号の説明】
【0135】
1 高元側冷媒回路
2 低元側冷媒回路
3 カスケードコンデンサ(一部が高元側蒸発器、他の一部が低元側凝縮器)
4 制御装置
5 水冷コンデンサ(一部が高元側凝縮器)
6 熱交換器(一部が低元側蒸発器)
11 高元側2段スクリュ圧縮機(高元側圧縮機)
12 第1高元側膨張弁(高元側膨張機構)
13 高元側油分離器
14 高元側エコノマイザ
15 第2高元側膨張弁
21 低元側2段スクリュ圧縮機(低元側圧縮機)
22 第1低元側膨張弁(低元側膨張機構)
23 低元側油分離器
24 低元側エコノマイザ
25 第2低元側膨張弁
31 第1高元側圧縮部
32 第2高元側圧縮部
33,43 交流モータ
34,44 インバータ装置
41 第1低元側圧縮部
42 第2低元側圧縮部
50 ケーシング
51 第1部分
52 第2部分
53 第3部分
54 第4部分
55 第5部分
56 第6部分
61A,61B 第1軸受
62A,62B 第2軸受
63A,63B 第3軸受
64A,64B 第4軸受
71A,71B,171A,171B 仕切板(壁部)
306 熱交換器(低元側蒸発器)
482 液体ポンプ
411A,411B 第1スクリュロータ
412A,412B 第1回転軸
421A,421B 第2スクリュロータ
422A,422B 第2回転軸
L11~L16,L21~L26 循環ライン
L17~L19,L27~L29 戻しライン
L421~L423 冷却ライン
【要約】
【課題】冷凍システムにおいて、環境へ負荷が小さい冷媒を使用しても、圧縮機の効率の低下を抑制する。
【解決手段】低元側冷媒回路2はR32冷媒が循環する。R32冷媒は、GWP750未満の冷媒が循環する。低元側冷媒回路2の低元側2段スクリュ圧縮機21は、第1低元側圧縮部41と、第1低元側圧縮部41の下流側に配置され、第1低元側圧縮部41で圧縮されたR32冷媒をさらに圧縮する第2低元側圧縮部42とを有する。
【選択図】
図1