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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】高出力重荷重遊星歯車背中合わせ試験台
(51)【国際特許分類】
   G01M 13/02 20190101AFI20240214BHJP
   G01N 17/00 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
G01M13/02
G01N17/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023167539
(22)【出願日】2023-09-28
【審査請求日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】202310666673.X
(32)【優先日】2023-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523322955
【氏名又は名称】哈尓濱船舶鍋炉渦輪机研究所(中国船舶集団有限公司第七〇三研究所)
【氏名又は名称原語表記】NO.703 Research Insititute Of CSSC
【住所又は居所原語表記】No. 35, Honghu Road, Qunli Development Zone, Harbin City, Heilongjiang Province 150078, China
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】常 山
(72)【発明者】
【氏名】蒋 立冬
(72)【発明者】
【氏名】岳 彦炯
(72)【発明者】
【氏名】傅 琳
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112557025(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112014103(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102269654(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103512748(CN,A)
【文献】中国実用新案第215486389(CN,U)
【文献】実開昭62-065533(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 13/02
G01N 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左から右に順次連結される駆動装置(1)、第一の軸継手(2)、増速機(3)、第二の軸継手(4)と回転速度トルクメータ(5)を含む高出力重荷重遊星歯車背中合わせ試験台であって、
遊星歯車箱背中合わせ密閉パワーシステム(18)と海洋試験アセンブリとをさらに含み、
遊星歯車箱背中合わせ密閉パワーシステム(18)は、第三の軸継手(6)、試験遊星歯車箱(7)、第一の連動機構(8)、トーションシャフトアセンブリ(9)、付随試験歯車箱(10)、第四の軸継手(11)、第二の連動機構(12)とローダ(13)を含み、回転速度トルクメータ(5)と試験遊星歯車箱(7)の一端との間は、第三の軸継手(6)を介して連結され、試験遊星歯車箱(7)の他端と付随試験歯車箱(10)の一端との間は、トーションシャフトアセンブリ(9)を介して連結され、第一の連動機構(8)は、試験遊星歯車箱(7)の他端と付随試験歯車箱(10)の一端との間のトーションシャフトアセンブリ(9)上に取り付けられ、付随試験歯車箱(10)の他端とローダ(13)との間は、第四の軸継手(11)を介して連結され、第二の連動機構(12)は、第四の軸継手(11)上に外嵌され、
トーションシャフトアセンブリ(9)は、挟持溝体(9-2)、クランプアセンブリ(9-3)と複数本の軸セグメント(9-1)を含み、隣接する二本の軸セグメント(9-1)のうちの左軸部材の右側には、軸方向位置決め突起(9-4)が加工されており、右軸部材上における軸方向位置決め突起(9-4)に対応する一方側の端面上には、軸方向位置決め凹溝(9-5)が加工されており、挟持溝体(9-2)は、軸方向位置決め突起(9-4)上に同軸に外嵌され、クランプアセンブリ(9-3)は、軸方向位置決め凹溝(9-5)内に内嵌され、右軸部材は、挟持溝体(9-2)上に同軸に外嵌され、且つクランプアセンブリ(9-3)により提供される軸方向変位量によって挟持溝体(9-2)と軸方向位置決め突起(9-4)とをクランプし、挟持溝体(9-2)は、クランプアセンブリ(9-3)の軸方向押し動かし作用で径方向変位量が発生し、右軸部材の軸方向位置決め凹溝(9-5)と膨嵌して連結され、
挟持溝体(9-2)は、逆テーパ状凹溝を持つ円筒状溝体であり、且つ前記円筒状溝体には、その軸線方向に沿って複数の長尺状の穴(9-6)が開設されており、
クランプアセンブリ(9-3)は、上部クランプユニット(9-7)、下部クランプユニット(9-8)とクランプ移動ブロック(9-9)を含み、上部クランプユニット(9-7)と下部クランプユニット(9-8)は、軸線方向において軸方向位置決め凹溝(9-5)内に左右配置され、且つ下部クランプユニット(9-8)は、軸方向位置決め凹溝(9-5)の溝底端面に当接し、上部クランプユニット(9-7)と下部クランプユニット(9-8)の対応する一方側には、斜面が加工されており、上部クランプユニット(9-7)の斜面と下部クランプユニット(9-8)の斜面とは、逆テーパ状空間を形成し、クランプ移動ブロック(9-9)は、前記逆テーパ状空間内にスライド可能に取り付けられ、且つクランプ移動ブロック(9-9)の外側壁は、それぞれ上部クランプユニット(9-7)の斜面と下部クランプユニット(9-8)の斜面に接触し、
海洋試験アセンブリは、試験遊星歯車箱(7)の外殻体に取り付けられ、且つ試験遊星歯車箱(7)内に腐食媒体と潤滑油を提供する、ことを特徴とする高出力重荷重遊星歯車背中合わせ試験台。
【請求項2】
上部クランプユニット(9-7)と下部クランプユニット(9-8)は、いずれも二つの半円弧状クランプブロック(9-10)を含み、二つの半円弧状クランプブロック(9-10)は、同一平面内において対向して配置され、且つ二つの半円弧状クランプブロック(9-10)の間には、隙間が残される、ことを特徴とする請求項1に記載の高出力重荷重遊星歯車背中合わせ試験台。
【請求項3】
トーションシャフトアセンブリ(9)は、取り外し装置をさらに含み、取り外し装置は、左軸部材内に内嵌され、伸び出して挟持溝体(9-2)を突き下げるまで軸方向位置決め突起(9-4)側に延び、ここで、取り外し装置は、スクリュー(9-11)、取り外しナット(9-12)、従動ベベルギヤ(9-13)、駆動ベベルギヤ(9-14)、輪軸(9-15)とエンドキャップ(9-16)を含み、スクリュー(9-11)は、左軸部材の軸線方向に沿って左軸部材の軸方向口内に水平回動可能に取り付けられ、輪軸(9-15)は、左軸部材の径方向に沿って左軸部材の縦方向口内に鉛直回動可能に取り付けられ、且つ軸方向口と縦方向口とは連通しており、駆動ベベルギヤ(9-14)は、輪軸(9-15)上に外嵌され、従動ベベルギヤ(9-13)は、スクリュー(9-11)の頭部に外嵌され、駆動ベベルギヤ(9-14)と従動ベベルギヤ(9-13)とは噛合され、取り外しナット(9-12)は、スクリュー(9-11)の尾部に外嵌され、エンドキャップ(9-16)は、縦方向口上に取り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の高出力重荷重遊星歯車背中合わせ試験台。
【請求項4】
海洋試験アセンブリは、ハウジング(14)、シール蓋体(15)、腐食媒体導入ユニット(17)と複数の潤滑ユニット(16)を含み、ハウジング(14)は、シール蓋体(15)を介して試験遊星歯車箱(7)上にシールして被せられ、複数の潤滑ユニット(16)は、ハウジング(14)内に鉛直に取り付けられ、オイル落し式潤滑の方式で試験遊星歯車箱(7)内部に潤滑を提供し、腐食媒体導入ユニット(17)は、ハウジング(14)の下部にシールして挿着され、試験遊星歯車箱(7)の内部に腐食媒体を提供する、ことを特徴とする請求項3に記載の高出力重荷重遊星歯車背中合わせ試験台。
【請求項5】
各潤滑ユニット(16)は、いずれも環状円筒体(16-1)、環状磁石(16-2)、アルミニウムシュート(16-3)と潤滑油ストレーナ(16-4)を含み、アルミニウムシュート(16-3)は、ハウジング(14)内の下部に水平に取り付けられ、ハウジング(14)は、材料アルミニウム製のケースであり、潤滑油ストレーナ(16-4)は、環状磁石(16-2)上に内嵌され、環状円筒体(16-1)は、環状磁石(16-2)上に鉛直にシールして取り付けられる、ことを特徴とする請求項4に記載の高出力重荷重遊星歯車背中合わせ試験台。
【請求項6】
潤滑油ストレーナ(16-4)の中央部は、下方に凸になり、潤滑油ストレーナ(16-4)のメッシュ数は、150-300メッシュである、ことを特徴とする請求項5に記載の高出力重荷重遊星歯車背中合わせ試験台。
【請求項7】
腐食媒体導入ユニット(17)は、媒体導入管(17-1)と媒体ノズル(17-2)とを含み、媒体導入管(17-1)は、ハウジング(14)の下部にシールして挿着され、ハウジング(14)内に延び、媒体ノズル(17-2)は、ハウジング(14)内に位置する媒体導入管(17-1)の端部とシールして連結される、ことを特徴とする請求項6に記載の高出力重荷重遊星歯車背中合わせ試験台。
【請求項8】
媒体ノズル(17-2)は、ノズルケース(17-2-1)と少なくとも1組の螺旋羽根(17-2-2)とを含み、螺旋羽根(17-2-2)は、ノズルケース(17-2-1)内に取り付けられ、腐食媒体の導入角度に対する乱れを実現する、ことを特徴とする請求項7に記載の高出力重荷重遊星歯車背中合わせ試験台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験台に関し、具体的に重荷重遊星歯車背中合わせ試験台に関し、遊星歯車箱の全回転速度・全負荷試験に用いられ、遊星歯車試験技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
遊星歯車伝動は、パワー伝達の重要な伝動形式の一つであり、自動車、船舶、宇宙、航空、石油化学などの分野のマシンと機械設備に比較的広く応用されている。遊星歯車伝動は、体積が小さく、構造がコンパクトで、パワー密度が高く、伝動比が大きく、伝動効率が高いなどの利点を有し、遊星歯車伝動は、高回転速度、高出力に適用されるだけでなく、低速で大きなトルクの伝動装置上にも応用され、それは、ほとんどすべてのパワーと回転速度範囲に適用されるため、すでにますます広く応用されている。
【0003】
歯車箱は、様々な試験とテストを行った後、様々な実際の使用動作状態に応用されるため、実際の各使用動作状態にそれぞれの特徴があり、この特徴は、また歯車箱の耐用年数と使用効果に関連している。例えば、船舶分野において、船舶用歯車箱は、船舶動力システムの主な推進伝動装置であり、クラッチ、減速とプロペラ推力受けなどの機能を有する。特に大型船舶機器では、その伝動システムの伝動軸の長さは、100メートル程度、200メートル程度ひいては400メートル程度であり、このように長い主軸は、動力を伝達する際に、プロペラと海水との間の推力の影響を受け、主軸と歯車箱のギヤは、重い荷重に耐える必要がある。そのため、伝動装置の性能試験は、特に重要となる。
【0004】
現在、このような超長尺の伝動軸は、生産加工過程において、その同軸度を保証し及び加工難易度を低減させるために、伝動軸を多段軸に分割し、多段軸の間は、スプライン挿着の方式で連結される。例えば、開示番号は、CN102494886Aであり、発明特許名称は、「高出力遊星歯車箱背中合わせ実験用軸貫通装置」であり、この発明特許における多段軸の間に使用されたのは、スプライン連結である。スプラインのスプライン歯は、軸上で均一に分布し、受ける力が均一であるため、そして軸に対する弱体化が減小し、歯元の応力集中が比較的小さく、またスプライン歯が多いため、積載能力も大きく、中性とガイド性に対しても比較的に良いため、多段軸の間に使用されたこのようなスプライン連結の方式は、超長伝動軸の加工困難の問題を効果的に解決することができる。しかし、スプライン歯とスプライン溝の加工に専用機器(例えばスプライン軸加工工作機械)とツールで加工する必要があるため、伝動装置試験と伝動装置の生産開始後のコストがいずれも非常に高くなる。
【0005】
また、大型船舶に使用される伝動装置の試験過程において、その試験環境は、ただ陸上の通常の動作状態に対して行われるものであり、船舶が海洋上を航行する時に海水大気環境の塩霧影響を受けやすいことを考慮しておらず、伝動装置における遊星歯車に対して塩霧による影響をテストすることができない。遊星歯車生産過程においてすでに陽極酸化、マイクロアーク酸化、めっき及びコーティングなどの処理技術を使用して処理し、それによって海洋環境での金属材料の環境適応性を向上させる。しかしながら、たとえギヤに対して上記処理をしても、伝動装置が実際の航行過程における多くの要素の相乗作用によって発生する不利な結果を予測することができず、例えば、歯車箱のシールが厳しくなく、又はシールエンドキャップとケースとの間に0.025-0.1mmの隙間が存在する場合、細かい砂利が歯車箱内に入って、ギヤの噛合に影響を与え、海水スパッタリング、雨滴エロージョンなどの状況が発生し、腐食媒体が入ってその中(ギヤ輪歯面上を指す)に滞在した後、その拡散が制限され、スリット(歯元又はすでに歯面腐食が発生した部位を指す)において金属腐食の加速を招く恐れもあり、例えば歯車箱の耐用年数をタイムリーに発見して正確に予測しないと、船舶の伝動装置の使用安全に影響を与える。一方、従来の試験台は、海洋環境での遊星歯車箱テストを模擬することができない。
【0006】
以上をまとめ、従来の遊星歯車試験台には、伝動軸の加工コストが高く、海洋環境での遊星歯車箱の試験を模擬できないという問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、伝動軸の加工コストが高く、海洋環境での遊星歯車箱の試験を模擬できないという従来の遊星歯車試験台に存在する問題を解決することを目的としている。さらには、高出力重荷重遊星歯車背中合わせ試験台を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の技術案は、左から右に順次連結される駆動装置、第一の軸継手、増速機、第二の軸継手と回転速度トルクメータを含む高出力重荷重遊星歯車背中合わせ試験台であって、それは、遊星歯車箱背中合わせ密閉パワーシステムと海洋試験アセンブリとをさらに含み、遊星歯車箱背中合わせ密閉パワーシステムは、第三の軸継手、試験遊星歯車箱、第一の連動機構、トーションシャフトアセンブリ、付随試験歯車箱、第四の軸継手、第二の連動機構とローダを含み、第三の軸継手、試験遊星歯車箱、第一の連動機構、トーションシャフトアセンブリ、付随試験歯車箱、第四の軸継手、第二の連動機構とローダは、左から右に順に連結され、トーションシャフトアセンブリは、挟持溝体、クランプアセンブリと複数本の軸セグメントを含み、隣接する二本の軸セグメントのうちの左軸部材の右側には、軸方向位置決め突起が加工されており、右軸部材上における軸方向位置決め突起に対応する一方側の端面上には、軸方向位置決め凹溝が加工されており、挟持溝体は、軸方向位置決め突起上に同軸に外嵌され、クランプアセンブリは、軸方向位置決め凹溝内に内嵌され、右軸部材は、挟持溝体上に同軸に外嵌され、且つクランプアセンブリにより提供される軸方向変位量によって挟持溝体と軸方向位置決め突起とをクランプし、挟持溝体は、クランプアセンブリの軸方向押し動かし作用で径方向変位量が発生し、右軸部材の軸方向位置決め凹溝と膨嵌して連結され、海洋試験アセンブリは、試験遊星歯車箱の外殻体に取り付けられ、且つ試験遊星歯車箱内に腐食媒体と潤滑油を提供し、海洋環境試験の模擬を実現する。
【0009】
さらに、挟持溝体は、逆テーパ状凹溝を持つ円筒状溝体であり、且つ前記円筒状溝体には、その軸線方向に沿って複数の長尺状の穴が開設されている。
【0010】
さらに、クランプアセンブリは、上部クランプユニット、下部クランプユニットとクランプ移動ブロックを含み、上部クランプユニットと下部クランプユニットは、軸線方向においてに軸方向位置決め凹溝内に左右配置され、且つ下部クランプユニットは、軸方向位置決め凹溝の溝底端面に当接し、上部クランプユニットと下部クランプユニットの対応する一方側には、斜面が加工されており、上部クランプユニットの斜面と下部クランプユニットの斜面とは、逆テーパ状空間を形成し、クランプ移動ブロックは、前記逆テーパ状空間内にスライド可能に取り付けられ、且つクランプ移動ブロックの外側壁は、それぞれ上部クランプユニットの斜面と下部クランプユニットの斜面に接触する。
【0011】
さらに、上部クランプユニットと下部クランプユニットは、いずれも二つの半円弧状クランプブロックを含み、二つの半円弧状クランプブロックは、同一平面内において対向して配置され、且つ二つの半円弧状クランプブロックの間には、隙間が残される。
【0012】
さらに、トーションシャフトアセンブリは、取り外し装置をさらに含み、取り外し装置は、左軸部材内に内嵌され、伸び出して挟持溝体を突き下げるまで軸方向位置決め突起側に延び、ここで、取り外し装置は、スクリュー、取り外しナット、従動ベベルギヤ、駆動ベベルギヤ、輪軸とエンドキャップを含み、スクリューは、左軸部材の軸線方向に沿って左軸部材の軸方向口内に水平回動可能に取り付けられ、輪軸は、左軸部材の径方向に沿って左軸部材の縦方向口内に鉛直回動可能に取り付けられ、且つ軸方向口と縦方向口とは連通しており、駆動ベベルギヤは、輪軸上に外嵌され、従動ベベルギヤは、スクリューの頭部に外嵌され、駆動ベベルギヤと従動ベベルギヤとは噛合され、取り外しナットは、スクリューの尾部に外嵌され、エンドキャップは、縦方向口上に取り付けられる。
【0013】
さらに、海洋試験アセンブリは、ハウジング、シール蓋体、腐食媒体導入ユニットと複数の潤滑ユニットを含み、ハウジングは、シール蓋体を介して試験遊星歯車箱上にシールして被せられ、複数の潤滑ユニットは、ハウジング内に鉛直に取り付けられ、オイル落し式潤滑の方式で試験遊星歯車箱内部に潤滑を提供し、腐食媒体導入ユニットは、ハウジングの下部にシールして挿着され、試験遊星歯車箱の内部に腐食媒体を提供する。
【0014】
さらに、各潤滑ユニットは、いずれも環状円筒体、環状磁石、アルミニウムシュートと潤滑油ストレーナを含み、アルミニウムシュートは、ハウジング内の下部に水平に取り付けられ、ハウジングは、材料アルミニウム製のケースであり、潤滑油ストレーナは、環状磁石上に内嵌され、環状円筒体は、環状磁石上に鉛直にシールして取り付けられる。
【0015】
好ましく、潤滑油ストレーナの中央部は、下方に凸になる。
【0016】
好ましく、潤滑油ストレーナのメッシュ数は、150-300メッシュである。
【0017】
さらに、媒体導入管は、ハウジングの下部にシールして挿着され、ハウジング内に延び、媒体ノズルは、ハウジング内に位置する媒体導入管の端部とシールして連結される。
【0018】
好ましく、媒体ノズルは、ノズルケースと少なくとも1組の螺旋羽根とを含み、螺旋羽根は、ノズルケース内に取り付けられ、腐食媒体の導入角度に対する乱れを実現する。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、従来の技術と比較して以下の効果を有する。
【0020】
1、本発明は、船舶における高出力遊星歯車箱試験に適用され、試験プラットフォームは、パワー密閉システムであり、付加的な密閉付随試験箱及び関連する伝動部材を必要とせず、パワーフローは、2台の遊星減速機(試験遊星歯車箱7と付随試験歯車箱10を指す)内で密閉サイクルするため、駆動装置のパワー消費がもっと少なく、そのパワーは、試験プラットフォームの摩擦消費電力を克服するだけでよく、遊星歯車箱試験のパワーは、機械パワー密閉システム内のローダによってロードされ、原理が明晰で、実現しやすい。
【0021】
2、本発明は、ローダによって、出力端と出力端との間に伝動軸を試験遊星歯車箱に通過させて付随試験遊星歯車箱内部に結合し、密閉状態を形成する。試験時、動力源(駆動装置1を指す)によって試験台を駆動するが、駆動パワーは、歯車箱密閉システムの摩擦消費電力を克服するだけでよく、ローダによってトルクを印加し、トルクは、トーションシャフトアセンブリによって試験遊星歯車箱と付随試験遊星歯車箱に印加させ、密閉パワーフローを形成し、機械ロードの方法でロードを行い、全負荷及び他の各負荷動作状態での試験を確実に行うことができるように確保する。
【0022】
3、本発明のトーションシャフトアセンブリは、同様に多段軸を使用して連結してなるが、本発明の複数本の軸セグメントの間は、挟持溝体とクランプアセンブリとの相乗作用によって隣接する二本の軸セグメントの間を一体として連結する。専用機器を用いて加工する必要がなく、軸セグメントを加工する際に、軸方向位置決め突起と軸方向位置決め凹溝を直接加工するだけでよく、加工難易度を低減させるだけでなく、加工工程も減少させ、トーションシャフトアセンブリの生産コストをさらに効果的に低減させた。
【0023】
同時に、本発明で使用される挟持溝体とクランプアセンブリとを連結した後、隣接する二本の軸セグメントの外径が同じであり、トーションシャフト上に例えばベアリング又はギヤなどの伝動部材が外嵌されることに影響を与えず、そして本発明の上記連結方式での連結が信頼可能であり、トーションシャフトに対する試験の過程において、トーションシャフトの回転速度が3500r/m以上である場合、その大きなトルク伝達も影響を受けないため、本発明のトーションシャフトアセンブリは、生産コストを低減させることを前提に、実際の使用動作状態の需要を満たすこともできる。
【0024】
4、本発明の試験台には、海洋試験アセンブリがさらに設けられており、この海洋試験アセンブリは、真の大型船舶が海上を走行する際に遭遇する可能性のある様々な複雑な状況を模擬することができ、例えば歯車箱は、長期間使用する際に、高塩霧、砂利及び海水スパッタリングなどの状況に直面する可能性がある。本発明は、腐食媒体導入ユニットを介して外付けの上記腐食媒体を導入する。同時に、本発明は、異なる数の螺旋羽根によってノズル内に入る腐食媒体の流れ方向を調整し、さらに真実の海上航行で遭遇する状況に最も近い模擬を実現する。大型船舶用伝動装置のテストに便利を提供し、特に総合的な環境要素の作用で、ギヤの故障データパラメータの正確な収集は、オーバーホール作業員にオーバーホールの過程において研究判断の該当する理論とデータ根拠を提供するのに便利である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】は、本発明の試験台全体構造の上面概略図である。
図2】は、遊星歯車箱背中合わせ密閉パワーシステム伝動の原理図であり、ここで、矢印は、密閉パワーフローの伝達方向を表す。
図3】は、隣接する2つの軸セグメント9-1を組み立てる前の分解概略図であり、ここで、左、右両側を指す矢印は、挟持溝体9-2がクランプアセンブリ9-3の軸方向押し動かし作用で径方向変位量を発生させる方向を表し、図3における下側を指す二つの矢印は、クランプアセンブリ9-3の軸方向押し動かし方向を表す。
図4】は、図3の組み立て後の概略図である。
図5】は、クランプアセンブリ9-3の構造概略図であり、ここで、左側を指す矢印は、上部クランプユニット9-7の軸方向移動方向を表し、下部を指す矢印は、クランプ移動ブロック9-9が径方向の力を受ける時の移動方向を表す。
図6】は、挟持溝体9-2の構造概略図である。
図7】は、半円弧状クランプブロック9-10の構造概略図である。
図8】は、海洋試験アセンブリの構造概略図である。
図9】は、海洋試験アセンブリの上面概略図である。
図10】は、媒体ノズル17-2が1組の螺旋羽根17-2-2である時の構造概略図である。
図11】は、媒体ノズル17-2が2組の螺旋羽根17-2-2である時の構造概略図である。
図12】は、軸セグメント9-1の拡大図であり、ここで、上、下両側を指す矢印は、挟持溝体9-2がクランプアセンブリ9-3の軸方向押し動かし作用で径方向変位量を発生させる方向を表す。
図13】は、図12のA-Aにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
発明を実施するための形態1:図1から図13を結び付けて本実施の形態を説明すると、本実施の形態の高出力重荷重遊星歯車背中合わせ試験台は、駆動装置1、第一の軸継手2、増速機3、第二の軸継手4と回転速度トルクメータ5を含み、駆動装置1、第一の軸継手2、増速機3、第二の軸継手4と回転速度トルクメータ5は、左から右に順次連結され、それは、遊星歯車箱背中合わせ密閉パワーシステム18と海洋試験アセンブリとをさらに含み、遊星歯車箱背中合わせ密閉パワーシステム18は、第三の軸継手6、試験遊星歯車箱7、第一の連動機構8、トーションシャフトアセンブリ9、付随試験歯車箱10、第四の軸継手11、第二の連動機構12とローダ13を含み、第三の軸継手6、試験遊星歯車箱7、第一の連動機構8、トーションシャフトアセンブリ9、付随試験歯車箱10、第四の軸継手11、第二の連動機構12とローダ13は、左から右に順に連結され、トーションシャフトアセンブリ9は、挟持溝体9-2、クランプアセンブリ9-3と複数本の軸セグメント9-1を含み、隣接する二本の軸セグメント9-1のうちの左軸部材の右側には、軸方向位置決め突起9-4が加工されており、右軸部材上における軸方向位置決め突起9-4に対応する一方側の端面上には、軸方向位置決め凹溝9-5が加工されており、挟持溝体9-2は、軸方向位置決め突起9-4上に同軸に外嵌され、クランプアセンブリ9-3は、軸方向位置決め凹溝9-5内に内嵌され、右軸部材は、挟持溝体9-2上に同軸に外嵌され、且つクランプアセンブリ9-3により提供される軸方向変位量によって挟持溝体9-2と軸方向位置決め突起9-4とをクランプし、挟持溝体9-2は、クランプアセンブリ9-3の軸方向押し動かし作用で径方向変位量が発生し、右軸部材の軸方向位置決め凹溝9-5と膨嵌して連結され、海洋試験アセンブリは、試験遊星歯車箱7の外殻体に取り付けられ、且つ試験遊星歯車箱7内に腐食媒体と潤滑油を提供し、海洋環境試験の模擬を実現する。
【0027】
ここで、本実施の形態のローダ13上の伝動軸19とトーションシャフトアセンブリ9との間は、歯式軸継手又はスプラインによって結合される。また、試験台に必要なトルクを提供する。
【0028】
本実施の形態試験台の駆動装置1は、試験台に必要な回転速度を提供し、そのパワーは、試験プラットフォーム全体の摩擦消費電力を克服するためにのみ用いられ、これは、試験プラットフォームにおける各機器の摩擦消費電力に関連し、一般的には試験遊星歯車箱7のパワーの5~10%である。駆動装置1は、試験プラットフォーム全体を試験遊星歯車箱7に必要な試験回転速度に達するように牽引し、そしてローダ13は、試験遊星歯車箱7に必要なトルクを提供し、任意のトルク値にリアルタイムでロードされ、無衝撃でスムーズにロードする。
【0029】
本実施の形態の試験遊星歯車箱7は、試験二段太陽ギヤ20、試験二段キャリア21、試験二段遊星歯車22、試験二段リングギヤ23、試験一段太陽ギヤ24、試験一段遊星歯車25、試験一段リングギヤ26、試験一段キャリア27と試験二段浮動式リングギヤ28を含み、試験一段太陽ギヤ24は、トーションシャフトアセンブリ9上に外嵌され、試験一段遊星歯車25は、試験一段キャリア27上に外嵌され、試験一段遊星歯車25の外歯と試験一段太陽ギヤ24の外歯とは噛合され、試験二段太陽ギヤ20は、試験一段遊星歯車25上に外嵌され、試験二段太陽ギヤ20の試験一段リングギヤ26の内歯と試験一段遊星歯車25の外歯とは噛合され、試験二段遊星歯車22は、試験二段キャリア21上に外嵌され、試験二段遊星歯車22の外歯と試験二段太陽ギヤ20の外歯とは噛合され、試験二段浮動式リングギヤ28は、試験二段遊星歯車22と試験一段キャリア27上に外嵌され、試験二段浮動式リングギヤ28の試験二段リングギヤ23の内歯は、それぞれ試験二段遊星歯車22の外歯と試験一段キャリア27の外歯と噛合される。
【0030】
本実施の形態の第一の連動機構8は、第一の連結部材29、中間軸30と第二の連結部材31を含み、第一の連結部材29、中間軸30と第二の連結部材31は、左から右に順に連結され、試験遊星歯車箱7と付随試験歯車箱10との連結に用いられる。
【0031】
本実施の形態の第一の連結部材29は、試験遊星歯車箱7の試験一段キャリア27と連結され、第二の連結部材31は、付随試験歯車箱10の付随試験一段キャリア32と連結される。
【0032】
本実施の形態の付随試験歯車箱10は、付随試験一段キャリア32、付随試験一段太陽ギヤ33、付随試験二段浮動式リングギヤ34、付随試験一段遊星歯車35、付随試験一段リングギヤ36、付随試験二段太陽ギヤ37、付随試験二段遊星歯車38、付随試験二段リングギヤ39と付随試験二段キャリア40を含み、付随試験一段太陽ギヤ33は、トーションシャフトアセンブリ9上に同軸に外嵌され、付随試験一段遊星歯車35は、付随試験一段キャリア32上に外嵌され、付随試験一段遊星歯車35の外歯と付随試験一段太陽ギヤ33の外歯とは噛合され、付随試験二段太陽ギヤ37は、付随試験一段遊星歯車35上に外嵌され、且つ付随試験二段太陽ギヤ37の付随試験一段リングギヤ36の内歯と付随試験一段遊星歯車35の外歯とは噛合され、付随試験二段遊星歯車38は、付随試験二段キャリア40上に外嵌され、付随試験二段リングギヤ39は、付随試験一段キャリア32と付随試験二段遊星歯車38上に外嵌され、付随試験二段リングギヤ39上の付随試験二段浮動式リングギヤ34の内歯と付随試験一段キャリア32の外歯とは噛合され、付随試験二段リングギヤ39内歯と付随試験二段遊星歯車38の外歯とは噛合される。
【0033】
本実施の形態における付随試験歯車箱10は、第三の連結部材41をさらに含み、付随試験一段太陽ギヤ33とローダ13との間は、第三の連結部材41を介して連結される。
【0034】
遊星歯車箱の試験に対して、その駆動とロード方式の違いによって、開放式試験台と密閉パワーフロー式試験台に分けられる。開放式試験台は、動力源(モータ)により駆動され、試験歯車箱、電力消費装置のパワーは、試験歯車箱のパワーに等しい必要がある。密閉パワーフロー式試験台は、試験遊星歯車箱と付随試験遊星歯車箱の背中合わせ(出力端と出力端)とを結合機構によって繋げ、
本発明は、遊星歯車箱の全回転速度・全負荷性能試験に用いられてもよく、特に重荷重遊星歯車箱のダイナミックバランス試験に適用される。
【0035】
本発明は、特に重荷重遊星歯車箱の全負荷長時間性能試験又は信頼性試験の際に試験プラットフォームのコストが高く、消費電力が大きく、経済性が悪いなどの際立った問題に対して、遊星歯車箱入力と出力が同軸であるという特性を利用して、背中合わせの試験方式を使用して、遊星歯車箱の全回転速度・全負荷性能試験を実現するとともに、設定された回転速度トルクメータによって、伝動効率の正確な測定を実現する。
【0036】
本発明の試験プラットフォームは、敷地面積が比較的小さい。機械密閉パワーの方式でロードを行う。駆動装置パワーは、密閉システム内の摩擦消費電力のみであり、パワーが比較的小さい。ロード装置は、リアルタイムで任意にロード可能である。遊星歯車箱性能試験、特に高出力遊星歯車箱に適用される。
【0037】
発明を実施するための形態2:図3図4図6を結び付けて本実施の形態を説明すると、本実施の形態の挟持溝体9-2は、逆テーパ状凹溝を持つ円筒状溝体であり、且つ前記円筒状溝体には、その軸線方向に沿って複数の長尺状の穴9-6が開設されている。このように設置すると、実際の使用時に、逆テーパ状凹溝の円筒状溝体のテーパは、軸方向位置決め突起9-4の外周面に係合し、軸方向位置決め突起9-4の外周テーパは、1:15-1:20であり、挟持溝体9-2と軸方向位置決め突起9-4との間の確実な嵌合の実現を保証することを容易にし、複数の長尺状の穴9-6の微小変位の外部拡張により、軸方向位置決め突起9-4を軸方向位置決め凹溝9-5内に強固にクランプし、摩擦力によって正確な伝動を実現することを容易にする。他の組成と連結関係は、発明を実施するための形態1と同じである。
【0038】
本実施の形態における長尺状の穴9-6は、円周方向に沿って環状アレイの方式を呈して開設され、その数は、4~8個である。実際の使用時に好ましくは4個又は6個であり、例えばこの設定によって、挟持溝体9-2によるクランプのクランプ程度を保証しやすく、そして長尺状の穴は、円筒状溝体が押圧力を受ける時、径方向に微小変位が発生し、さらに軸方向位置決め凹溝9-5に対する拡張作用を果たし、隣接する二本の軸セグメント9-1の間の連結の信頼性を保証することができ、正確なトルク伝達を保証することもできる。
【0039】
発明を実施するための形態3:図3図4図5を結び付けて本実施の形態を説明すると、本実施の形態のクランプアセンブリ9-3は、上部クランプユニット9-7、下部クランプユニット9-8とクランプ移動ブロック9-9を含み、上部クランプユニット9-7と下部クランプユニット9-8は、軸線方向において軸方向位置決め凹溝9-5内に左右配置され、且つ下部クランプユニット9-8は、軸方向位置決め凹溝9-5の溝底端面に当接し、上部クランプユニット9-7と下部クランプユニット9-8の対応する一方側には、斜面が加工されており、上部クランプユニット9-7の斜面と下部クランプユニット9-8の斜面とは、逆テーパ状空間を形成し、クランプ移動ブロック9-9は、前記逆テーパ状空間内にスライド可能に取り付けられ、且つクランプ移動ブロック9-9の外側壁は、それぞれ上部クランプユニット9-7の斜面と下部クランプユニット9-8の斜面に接触する。
【0040】
このように設置すると、下部クランプユニット9-8の端面が軸方向位置決め凹溝9-5の溝体に当接するため、クランプ移動ブロック9-9が下部クランプユニット9-8に作用力を発生させる時、下部クランプユニット9-8は、微小変位が発生せず、上部クランプユニット9-7は、軸方向位置決め凹溝9-5に向かう微小変位が発生し、この微小変位は、挟持溝体9-2が軸方向に移動して外部に拡張するように促し、軸方向位置決め凹溝9-5の内側壁は、挟持溝体9-2をクランプし、さらに隣接する二本の軸セグメント9-1の間の連結を実現する。他の組成と連結関係は、発明を実施するための形態1又は2と同じである。
【0041】
本実施の形態は、実際の使用時に、軸方向位置決め凹溝9-5が開設されている軸セグメント9-1の外周上に複数のカウンターボアが開設されており、クランプ移動ブロック9-9の上部には、内六角穴が加工されており、外付けのねじ込み取り外し用の「L」形ボルトレンチの鉛直セグメントのボルトの下部端面を外六角形に加工し、ボルトをカウンターボア内にねじ込み、ボルトの下向き運動過程において、ボルトの外六角形をクランプ移動ブロック9-9の内六角穴内に挿入し、「L」形ボルトレンチの回動過程においてクランプ移動ブロック9-9を下向き移動するように牽引し、さらに上部クランプユニット9-7の軸方向における移動に駆動動力を提供し、取り外し時に、逆方向操作すればよい。
【0042】
発明を実施するための形態4:図3から図6を結び付けて本実施の形態を説明すると、本実施の形態の上部クランプユニット9-7と下部クランプユニット9-8は、いずれも二つの半円弧状クランプブロック9-10を含み、二つの半円弧状クランプブロック9-10は、同一平面内において対向して配置され、且つ二つの半円弧状クランプブロック9-10の間には、隙間が残される。
【0043】
このように設置すると、隙間は、挟持溝体9-2の位置決めを実現するために用いられ、前記隙間の範囲は、3mm-10mmであり、挟持溝体9-2の外側端面上には、位置決め柱が加工されており、この位置決め柱は、組み立て時に前記隙間内に正確に挿着されることができ、さらに隣接する二本の軸セグメント9-1の間の連結の同軸度を保証する。他の組成と連結関係は、発明を実施するための形態1、2又は3と同じである。
【0044】
発明を実施するための形態5:図3図4図12図13を結び付けて本実施の形態を説明すると、本実施の形態のトーションシャフトアセンブリ9は、取り外し装置をさらに含み、取り外し装置は、左軸部材内に内嵌され、伸び出して挟持溝体9-2を突き下げるまで軸方向位置決め突起9-4側に延び、ここで、取り外し装置は、スクリュー9-11、取り外しナット9-12、従動ベベルギヤ9-13、駆動ベベルギヤ9-14、輪軸9-15とエンドキャップ9-16を含み、スクリュー9-11は、左軸部材の軸線方向に沿って左軸部材の軸方向口内に水平回動可能に取り付けられ、輪軸9-15は、左軸部材の径方向に沿って左軸部材の縦方向口内に鉛直回動可能に取り付けられ、且つ軸方向口と縦方向口とは連通しており、駆動ベベルギヤ9-14は、輪軸9-15上に外嵌され、従動ベベルギヤ9-13は、スクリュー9-11の頭部に外嵌され、駆動ベベルギヤ9-14と従動ベベルギヤ9-13とは噛合され、取り外しナット9-12は、スクリュー9-11の尾部に外嵌され、エンドキャップ9-16は、縦方向口上に取り付けられる。
【0045】
このように設置すると、超長軸系を取り外す必要がある場合、先にエンドキャップ9-16を取り外し、そして外付けの内六角レンチを使用して輪軸9-15の尾部に挿着し、レンチを回動し、レンチは、輪軸9-15、駆動ベベルギヤ9-14、従動ベベルギヤ9-13とスクリュー9-11の運動を牽引し、スクリュー9-11上に位置する取り外しナット9-12は、挟持溝体9-2の底端面に接触して軸力を印加し、挟持溝体9-2を突き下げるまで、そのネジに沿って右側に水平運動し、挟持溝体9-2の軸方向位置決め突起9-4における取り外しを完了する。他の組成と連結関係は、発明を実施するための形態1、2、3又は4と同じである。
【0046】
説明すべきこととして、取り外しナット9-12が水平の軸線運動を実現できることを保証するために、取り外しナット9-12の外周方向には、ガイド溝が開設されており、前記ガイド溝は、取り外しナット9-12と同軸線に設置されるとともに、軸方向位置決め突起9-4の軸方向口内には、前記ガイド溝とスライド係合するガイドボスが加工されており、ガイドボスがガイド溝内に位置することによって、取り外しナット9-12がその軸線方向に沿って水平スライドすることを実現する。
【0047】
本実施の形態における取り外し装置は、実際の使用時に、ベアリング座9-17、輪軸固定座9-18、輪軸取り付け座9-19とスクリュー調心座9-20をさらに含み、スクリュー9-11の頭部は、光軸であり、従動ベベルギヤ9-13を外嵌するために用いられ、ここで、スクリュー9-11の頭部と従動ベベルギヤ9-13との間は、キー連結され、スクリュー調心座9-20は、軸方向口内に取り付けられ、スクリュー調心座9-20は、軸セグメント9-1と同軸線に配置され、スクリュー9-11は、ベアリング回動によってスクリュー調心座9-20内に取り付けられ、スクリュー9-11の尾部は、雄ネジであり、スクリュー9-11と取り外しナット9-12との間は、互いに係合されてナットねじを形成し、輪軸取り付け座9-19は、縦方向口内に固定して取り付けられ、輪軸9-15は、輪軸取り付け座9-19上に回動して挿着され、輪軸9-15の上部は、ベアリングを介して縦方向口内に位置する輪軸固定座9-18と外嵌され、輪軸9-15の軸線度を制限するために用いられるとともに、軸セグメント9-1が高速回転過程において構造の安定性を維持することを保証することもでき、駆動ベベルギヤ9-14と輪軸9-15との間は、キー連結される。
【0048】
さらに説明すべきこととして、本実施の形態の取り外し装置は、取り付け時に、スクリュー調心座9-20上には、軸方向位置決め突起9-4の軸方向口内に加工されたガイドボスと係合する譲り凹溝が開設されており、前記譲り凹溝は、スクリュー9-11を取り付けた後、スクリュー調心座9-20が軸方向位置決め突起9-4の軸方向口内に円滑に取り付けられすることを容易にし、取り付けを容易にするだけでなく、ガイドボスの開設による取り付け困難の問題も回避する。
【0049】
本実施の形態では取り外し装置を使用しており、この取り外し装置は、実験完了後に取り外し、軸セグメント9-1の浪費を回避することができ、そして再利用も可能であり、さらにコストを節約する。
【0050】
発明を実施するための形態6:図7図8を結び付けて本実施の形態を説明すると、本実施の形態の海洋試験アセンブリは、ハウジング14、シール蓋体15、腐食媒体導入ユニット17と複数の潤滑ユニット16を含み、ハウジング14は、シール蓋体15を介して試験遊星歯車箱7上にシールして被せられ、複数の潤滑ユニット16は、ハウジング14内に鉛直に取り付けられ、オイル落し式潤滑の方式で試験遊星歯車箱7内部に潤滑を提供し、腐食媒体導入ユニット17は、ハウジング14の下部にシールして挿着され、試験遊星歯車箱7の内部に腐食媒体を提供する。
【0051】
このように設置すると、試験遊星歯車箱7のケース上には、油抜き穴が開設されており、本実施の形態は、潤滑ユニット16を使用して試験遊星歯車箱7の潤滑を実現する。腐食媒体導入ユニット17は、外付けの海洋動作状態模擬装置と連結され、腐食媒体導入ユニット17の数は、複数であり、主に塩霧、雨滴、砂利などの環境模擬を提供するために用いられる。外付けの海洋動作状態模擬装置は、従来の技術であり、ここでこれ以上説明しない。他の組成と連結関係は、発明を実施するための形態1~5のうちのいずれか一つと同じである。
【0052】
また、本実施の形態は、実際の使用時に、高温と高湿の環境模擬もあり、この模擬の高温は、ケースに加熱コイルを追加するなどの形式で実現し、高湿の環境は、塩霧を導入する時に、海水湿度に比例して増加させることで実現することができる。ここでこれ以上説明しない。
【0053】
発明を実施するための形態7:図7図8を結び付けて本実施の形態を説明すると、本実施の形態の各潤滑ユニット16は、いずれも環状円筒体16-1、環状磁石16-2、アルミニウムシュート16-3と潤滑油ストレーナ16-4を含み、アルミニウムシュート16-3は、ハウジング14内の下部に水平に取り付けられ、ハウジング14は、材料アルミニウム製のケースであり、潤滑油ストレーナ16-4は、環状磁石16-2上に内嵌され、環状円筒体16-1は、環状磁石16-2上に鉛直にシールして取り付けられる。
【0054】
このように設置すると、本実施の形態の潤滑形式は、主に試験遊星歯車箱7が運行する時に、発生する振動によって潤滑油を滴下するとともに、複数の潤滑ユニット16自体がシュート上において同じ磁気反発及び振動相乗作用後に発生する揺れにより滴下することもできる。他の組成と連結関係は、発明を実施するための形態1~6のうちのいずれか一つと同じである。
【0055】
本実施の形態のアルミニウムシュートとアルミニウムケース体は、いずれも環状磁石16-2と吸着作用を発生せず、そして環状磁石16-2は、アルミニウムシュート16-3内において任意の位置でのスライドが発生することができ、そして隣接する二つの潤滑ユニット16における環状磁石16-2の磁性が同じである。さらに複数の潤滑ユニット16の間の距離を保証し、異なる位置にオイルを落して、潤滑を実現する。
【0056】
潤滑は、歯車箱管理の基礎作業の一つであるため、良好な潤滑状態は、歯車箱の可信頼性のある運行を保証するのに有利であり、摩擦消費電力を低減させ、温昇と磨耗及び潤滑剤の消費量を減少させ、ギヤとベアリングの遷移磨耗を回避することができる。一方、本発明は、滴下の方式で潤滑し、歯車箱の振動を効果的に利用し、潤滑油の使用量を節約した。
【0057】
発明を実施するための形態8:図7図8を結び付けて本実施の形態を説明すると、本実施の形態の潤滑油ストレーナ16-4の中央部は、下方に凸になる。このように設置すると、潤滑油を正確に滴下することを容易にする。他の組成と連結関係は、発明を実施するための形態1~7のうちのいずれか一つと同じである。
【0058】
発明を実施するための形態9:図8を結び付けて本実施の形態を説明すると、本実施の形態の潤滑油ストレーナ16-4のメッシュ数は、150-300メッシュである。このように設置すると、振動と揺れの相乗作用で潤滑油の滴下を実現することを保証し、且つ潤滑油の滴下量を制御するのを容易にするとともに、潤滑油における不純物を濾過することもできる。他の組成と連結関係は、発明を実施するための形態1~8のうちのいずれか一つと同じである。
【0059】
発明を実施するための形態10:図7図10図11を結び付けて本実施の形態を説明すると、本実施の形態の腐食媒体導入ユニット17は、媒体導入管17-1と媒体ノズル17-2を含み、媒体導入管17-1は、ハウジング14の下部にシールして挿着され、ハウジング14内に延び、媒体ノズル17-2は、ハウジング14内に位置する媒体導入管17-1の端部とシールして連結される。
【0060】
このように設置すると、媒体導入管17-1は、防腐材質製である。他の組成と連結関係は、発明を実施するための形態1~9のうちのいずれか一つと同じである。
【0061】
本実施の形態における媒体ノズル17-2は、実際の使用時に、その取り付け角度を任意に調整することができるが、媒体ノズル17-2は、ハウジング14に向かってハウジング14との間になす角を有し、噴入媒体のランダム性の保証を容易にし、海洋環境における不確定性により適合する。
【0062】
発明を実施するための形態11:図10図11を結び付けて本実施の形態を説明すると、本実施の形態の媒体ノズル17-2は、ノズルケース17-2-1と少なくとも1組の螺旋羽根17-2-2とを含み、螺旋羽根17-2-2は、ノズルケース17-2-1内に取り付けられ、腐食媒体の導入角度に対する乱れを実現する。
【0063】
このように設置すると、異なる数の螺旋羽根により、進入する媒体は、螺旋作用を受け、異なる導入角度が発生する。他の組成と連結関係は、発明を実施するための形態1~10のうちのいずれか一つと同じである。
【0064】
図1から図13を結び付けて本発明の作動原理を説明すると、
本発明の駆動装置は、試験台に必要な回転速度を提供し、そのパワーは、試験プラットフォーム全体の摩擦消費電力を克服するためにのみ用いられ、これは、試験プラットフォームにおける各機器の摩擦消費電力に関連し、一般的には試験遊星歯車箱のパワーの5~10%であり、ローダは、試験台に必要なトルクを提供する。
【0065】
本発明の試験原理:高出力遊星歯車背中合わせ試験台は、機械密閉パワー方式でロードを行い、試験を行う時、駆動装置は、試験プラットフォーム全体を試験遊星歯車箱に必要な試験回転速度に達するように牽引し、そしてローダは、試験遊星歯車箱に必要なトルクを提供し、任意のトルク値にリアルタイムでロードされ、無衝撃でスムーズにロードする。
【0066】
本発明の海洋模擬原理:外付けの海洋動作状態模擬装置と腐食媒体導入ユニット17とを連結し、実際の使用環境と試験データ収集需要に応じて、一定時間の塩霧、雨滴、砂利、高湿などの媒体をそれぞれ又は同時に導入し、マルチ動作状態模擬を実現する。
【0067】
本発明は、すでにより良い実施例で上記のように開示されてきたが、本発明を限定するものではなく、当業者は、本発明の精神内で他の変化を加え、及び本発明に言及されていない分野に用いられることもでき、無論、これらの本発明の精神に基づいて加えられた変化は、いずれも本発明が要求する保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0068】
ここで、1は、駆動装置であり、2は、第一の軸継手であり、3は、増速機であり、4は、第二の軸継手であり、5は、回転速度トルクメータであり、6は、第三の軸継手であり、7は、試験遊星歯車箱であり、8は、第一の連動機構であり、9は、トーションシャフトアセンブリであり、9-1は、軸セグメントであり、9-2は、挟持溝体であり、9-3は、クランプアセンブリであり、9-4は、軸方向位置決め突起、9-5は、軸方向位置決め凹溝であり、9-6は、長尺状の穴であり、9-7は、上部クランプユニットであり、9-8は、下部クランプユニットであり、9-9は、クランプ移動ブロックであり、9-10は、半円弧状クランプブロックであり、9-11は、スクリューであり、9-12は、取り外しナットであり、9-13は、従動ベベルギヤであり、9-14は、駆動ベベルギヤであり、9-15は、輪軸であり、9-16は、エンドキャップであり、9-17は、ベアリング座であり、9-18は、輪軸固定座であり、9-19は、輪軸取り付け座であり、9-20は、スクリュー調心座であり、10は、付随試験歯車箱であり、11は、第四の軸継手であり、12は、第二の連動機構であり、13は、ローダであり、14は、ハウジングであり、15は、シール蓋体であり、16は、潤滑ユニットであり、16-1は、環状円筒体であり、16-2は、環状磁石であり、16-3は、アルミニウムシュートであり、16-4は、潤滑油ストレーナであり、17は、腐食媒体導入ユニットであり、17-1は、媒体導入管であり、17-2は、媒体ノズルであり、17-2-1は、ノズルケースであり、17-2-2は、螺旋羽根であり、18は、遊星歯車箱背中合わせ密閉パワーシステムであり、
また、19は、伝動軸であり、20は、試験二段太陽ギヤであり、21は、試験二段キャリアであり、22は、試験二段遊星歯車であり、23は、試験二段リングギヤであり、24は、試験一段太陽ギヤであり、25は、試験一段遊星歯車であり、26は、試験一段リングギヤであり、27は、試験一段キャリアであり、28は、試験二段浮動式リングギヤであり、29は、第一の連結部材であり、30は、中間軸であり、31は、第二の連結部材であり、32は、付随試験一段キャリアであり、33は、付随試験一段太陽ギヤであり、34は、付随試験二段浮動式リングギヤであり、35は、付随試験一段遊星歯車であり、36は、付随試験一段リングギヤであり、37は、付随試験二段太陽ギヤであり、38は、付随試験二段遊星歯車であり、39は、付随試験二段リングギヤであり、40は、付随試験二段キャリアであり、41は、第三の連結部材である。
【要約】      (修正有)
【課題】伝動軸の加工コストが高く、海洋環境での遊星歯車箱の試験を模擬できないという従来の遊星歯車試験台に存在する問題を解決する。
【解決手段】駆動装置、第一の軸継手、増速機、第二の軸継手、回転速度トルクメータと遊星歯車箱背中合わせ密閉パワーシステムは、順次連結され、挟持溝体は、軸方向位置決め突起上に同軸に外嵌され、クランプアセンブリは、軸方向位置決め凹溝内に内嵌され、軸セグメントは、挟持溝体上に外嵌され、且つクランプアセンブリにより提供される軸方向変位量によって挟持溝体と軸方向位置決め突起とをクランプし、挟持溝体は、クランプアセンブリの軸方向押し動かし作用で径方向変位量が発生し、別の軸セグメントの軸方向位置決め凹溝と膨嵌して連結され、海洋試験アセンブリは、試験遊星歯車箱の外殻体上に取り付けられて海洋環境試験の模擬を実現する。本発明は、遊星歯車箱の全回転速度・全負荷での試験に用いられる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13