(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/63 20230101AFI20240215BHJP
H04N 23/667 20230101ALI20240215BHJP
G03B 17/18 20210101ALI20240215BHJP
【FI】
H04N23/63 100
H04N23/63 300
H04N23/667
G03B17/18
(21)【出願番号】P 2020195266
(22)【出願日】2020-11-25
(62)【分割の表示】P 2019181461の分割
【原出願日】2019-10-01
【審査請求日】2022-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【氏名又は名称】木村 友輔
(72)【発明者】
【氏名】北村 晃一
(72)【発明者】
【氏名】梁井 望美
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-141458(JP,A)
【文献】特開2005-025268(JP,A)
【文献】特開2016-19254(JP,A)
【文献】特開2018-72546(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104135568(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/667
H04N 23/63
H04M 1/02 - 1/23
G03B 17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置の
傾きの状態に応じ
て設定された縦横の向きにより撮影する撮影手段を備える情報処理装置であって、
撮影する縦横の向きを識別可能な情報を表示する表示手段と、
前記
設定された縦横の向きを固定する指示を受け付ける固定受付手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記撮影手段は、前記固定受付手段により縦横の向きを固定する指示を受け付けた場合、自装置の
傾きの状態にかかわらず、固定された縦横の向きで撮影することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記固定受付手段は、前記縦横の向きを識別可能な情報を表示した箇所に対する操作を受け付けることで、撮影する縦横の向きを固定する指示を受け付けることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示手段は、撮影する縦横の向きが固定されていることを識別表示することを特徴とする請求項1
乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示手段は、撮影する縦横の向きが固定されていないことを識別表示することを特徴とする請求項1
乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
撮影する縦横の向きが固定されている状態を解除する指示を受け付ける解除受付手段を備えることを特徴とする請求項1
乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記解除受付手段は、前記縦横の向きを識別可能な情報を表示した箇所に対する操作を受け付けることで、撮影する縦横の向きを解除する指示を受け付けることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
自装置の
傾きの状態に応じ
て設定された縦横の向きにより撮影する撮影手段を備える情報処理装置の制御方法であって、
表示手段が、撮影する縦横の向きを識別可能な情報を表示する表示
ステップと、
固定受付手段が、前記
設定された縦横の向きを固定する指示を受け付ける固定受付ステップと、
を備えることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
コンピュータを請求項1乃至7のいずれか1項に記載の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
に関する。
【背景技術】
【0002】
製薬企業では、近年「薬の副作用」についての情報管理業務である製薬安全性情報管理業務(PV業務)が行われている。具体的には、製造販売後調査として製薬企業の医薬情報担当者(Medical Representative=MR)が、当該製薬企業の提供している薬品の副作用や、当該薬品の使用によるものと疑われる感染症について調査する調査票を医師に渡して記入してもらい、所定期間後に病院に出向いて回収する。
【0003】
そしてMRは、例えば病院近くのコンビニ等からFAXで本社に当該調査票を送信し、本社から独立行政法人 医薬品医療機器総合機構に対して当該データを送信・登録することで同機構への薬品の副作用・感染症報告を行っている。近くにFAXできる端末がない場合は、MRは一度営業所に戻って、営業所に設置されているFAX装置から調査票のデータを本社にFAXで送信している。この調査・報告業務は、薬事法に従って行われる業務である。
【0004】
一部の企業では、このFAX装置を探す手間を省くため、調査票をスマートデバイスで撮影して、撮影した写真を本社のサーバに送信するシステムを採用している。写真を撮影する場合、撮影対象物の向きとスマートデバイス上の撮影画面の上下を適切な向きに合わせた上で撮影を行う。撮影画面と撮影対象物の向きについては、例えば特許文献1では、カメラが上向きか下向きで撮影した場合であっても、画像が横姿勢か縦姿勢であるのかを判別する技術が公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、撮影時の手振れ等によってカメラの傾きや向きを誤って検出してしまうと、撮影画面の方向と撮影対象物の方向がずれた状態で撮影されてしまうという課題がある。
【0007】
このような課題を解消するためには、撮影時の撮影画面の方向を固定し、撮影対象が意図した通りの正しい向きで撮影されることが望ましい。
【0008】
そこで、本発明は、縦横方向の区別が必要な被写体を撮影する際に撮影する縦横の向きを適切に固定する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
自装置の状態に応じた縦横の向きにより撮影する撮影手段を備える情報処理装置であって、撮影する縦横の向きを識別可能な情報を表示する表示手段と、前記縦横の向きを固定する指示を受け付ける固定受付手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、縦横方向の区別が必要な被写体を撮影する際に撮影する縦横の向きを適切に固定する仕組みを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態における、情報処理システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【
図2】本発明の実施形態における、携帯端末100のハードウェア構成の一例を示すハードウェア構成図である。
【
図3】本発明の実施形態における、サーバ200のハードウェア構成の一例を示すハードウェア構成図である。
【
図4】本発明の実施形態における、撮影ボタンによる回転固定制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態における、アイコン操作による回転固定制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態における、回転固定データテーブルの構成を示す構成図である。
【
図7】本発明の実施形態における、A4撮影サイズモードの撮影画面および撮影画像確認画面の画面例である。
【
図8】本発明の実施形態における、A3撮影サイズモードの撮影画面および撮影画像確認画面の画面例である。
【
図9】本発明の実施形態における、携帯端末100のモジュールの構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】本発明の実施形態における、回転制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の実施形態における、撮影サイズモード選択メニューの画面例である。
【
図12】本発明の実施形態における、回転固定のON/OFFを切り替える画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の実施形態における情報処理システムにおいて、その構成の一例を示すシステム構成図である。
【0014】
本発明の実施形態における情報処理システムは、携帯端末100と、サーバ200が、ネットワーク101(例えばWAN=ワイドエリアネットワーク)を介して通信可能に接続され構成されている。
【0015】
携帯端末100は、冊子(撮影対象物に相当する)をカメラで撮影して記憶し、ネットワーク101を介してサーバ200に送信する情報処理装置である。また、携帯端末100はタッチパネル210を備える。
【0016】
サーバ200は、携帯端末100から送信された複数の画像を受信し、1つのPDFファイルに変換して保存する装置である。
【0017】
以上で、
図1に示すシステム構成図に関する説明を終了する。
【0018】
以下、
図2を用いて、
図1に示した携帯端末100のハードウェア構成について説明する。
【0019】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0020】
また、ROM202あるいはフラッシュメモリ214には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / OutputSystem)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、当該携帯端末が実行する機能を実現するために必要な、後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0021】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0022】
また、入力コントローラ205は、タッチパネル210、マイク211、カメラ212からの入力を制御する。タッチパネル210からはユーザのタッチ操作に関する入力を制御し、マイク211からは音声の入力を制御し、カメラ212からは撮影された静止画、動画の入力を制御する。出力コントローラ206は、タッチパネル210、スピーカ213への出力を制御する。
【0023】
タッチパネル210は、ユーザからのタッチ操作を検知すると共に、前述した出力コントローラ206から送られた映像を表示する。タッチパネル210は、表示器と位置入力装置とが一体となった部品である。複数の箇所に対するタッチ操作(以下、マルチタッチ)も検知可能である。
【0024】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するフラッシュメモリ214へのアクセスを制御する。本実施形態においては、フラッシュメモリとして説明を行うが、ハードディスク(HD)やフレキシブルディスク(FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるカード型メモリ等の記憶媒体であってもよい。
【0025】
通信I/Fコントローラ209は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0026】
センサコントローラ208は、携帯端末100が備えるセンサ215からの入力を制御する。携帯端末100のセンサ215には様々なセンサが存在し、例えば方位センサ、加速度センサである。
【0027】
尚、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、タッチパネル210上での表示を可能としている。
【0028】
本発明の携帯端末100が後述する各種処理を実行するために用いられる各種プログラム等はフラッシュメモリ214に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、本発明に係わるプログラムが用いる定義ファイルや各種情報テーブルはフラッシュメモリ214に格納されている。
【0029】
以上で、
図2に示す携帯端末100のハードウェア構成に関する説明を終了する。上記の構成は一例であって、目的や用途に応じて適宜変更されうる。
【0030】
以下、
図3を用いて、
図1に示したサーバ200のハードウェア構成について説明する。
【0031】
図3に示すように、サーバ200は、システムバス304を介してCPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read Only Memory)303、入力コントローラ305、ビデオコントローラ306、メモリコントローラ307、通信I/Fコントローラ308等が接続された構成を採る。
【0032】
CPU301は、システムバス304に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0033】
また、ROM302あるいは外部メモリ311には、CPU301の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(Operating System)や、各サーバあるいは各PCが実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。また、本発明を実施するために必要な情報が記憶されている。なお外部メモリはデータベースであってもよい。
【0034】
RAM303は、CPU301の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU301は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM302あるいは外部メモリ311からRAM303にロードし、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
【0035】
また、入力コントローラ305は、キーボード(KB)309や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。
【0036】
ビデオコントローラ306は、ディスプレイ310等の表示器への表示を制御する。尚、表示器は液晶ディスプレイ等の表示器でもよい。これらは、必要に応じて管理者が使用する。
【0037】
メモリコントローラ307は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク(HD))や、フレキシブルディスク(FD)、あるいは、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)カードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ311へのアクセスを制御する。
【0038】
通信I/Fコントローラ308は、ネットワークを介して外部機器と接続・通信し、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いた通信等が可能である。
【0039】
尚、CPU301は、例えばRAM303内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ310上に表示することが可能である。また、CPU301は、ディスプレイ310上のマウスカーソル(図示しない)等によるユーザ指示を可能とする。
【0040】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ311に記録されており、必要に応じてRAM303にロードされることによりCPU301によって実行されるものである。
【0041】
以上で、
図3に示すサーバ200のハードウェア構成に関する説明を終了する。上記の構成は一例であって、目的や用途に応じて適宜変更されうる。
【0042】
以下、
図9を用いて、本発明の実施形態における携帯端末100のモジュールの構成の一例を示すブロック図について説明する。
【0043】
携帯端末100は、撮影部901、記憶部902、操作検出部903、画面調整部904、回転制御部905、表示部906を備えており、画像記憶アプリケーションがインストールされている。
【0044】
撮影部901は、被写体を撮影することにより撮影画像を生成して取得するために撮影を制御する機能部である。
【0045】
記憶部902は、撮影された複数の画像および補正された画像を記憶するよう制御する機能部である。
【0046】
操作検出部903は、画面に対するタッチ操作等を検出してその画面操作の種類を判定するよう制御する機能部である。
【0047】
画面調整部904は、撮影画面の向きやカメラの解像度や撮影ガイド領域を表示する位置を、操作検出部903の判定結果に基づいて決定するよう制御する機能部である。
【0048】
回転制御部905は、画面の回転を、端末の傾きや加速度と操作検出部903の判定結果に基づいて制御する機能部である。
【0049】
表示部906は、撮影部901で撮影された画像を表示するよう制御する機能部である。サーバ200へ画像データを送信する前に、表示部906にて画像を確認することができる。
【0050】
以上で、
図9に示す携帯端末100のモジュールの構成の一例を示すブロック図に関する説明を終了する。
【0051】
以下、
図4・
図5・
図10に示すフローチャートを用いて、本発明の実施形態における携帯端末100が実行する処理について説明する。
【0052】
図4は、携帯端末100による撮影ボタンによる回転固定制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0053】
ステップS401で、携帯端末100は、撮影ボタンのタッチダウン操作を検出する。
【0054】
ステップS402で、携帯端末100は、撮影ボタンによる回転固定フラグの値をtrueに設定する。つまり、撮影ボタンが押下されている間、撮影方向の回転固定を設定する。撮影ボタンによる回転固定フラグの詳細は
図6で後述する。
【0055】
ステップS403で、携帯端末100は、ステップS401で検出したタッチダウン操作に続く操作として、タッチアップ操作または撮影ボタン外へのドラッグ操作のいずれかを検出する。
【0056】
ステップS403で検出した操作が撮影ボタン外へのドラッグ操作の場合、ステップS404で、携帯端末100は、撮影ボタンによる回転固定フラグの値をfalseに設定し、ステップS401に処理を戻す。つまり、何も処理をせずに撮影方向の回転固定を解除し、撮影待ちの状態に戻す。
【0057】
ステップS403で検出した操作がタッチアップ操作の場合、ステップS405で、携帯端末100は、被写体を撮影して画像を保存する。撮影処理に端末の回転を検知した場合の回転制御処理の詳細は
図10で後述する。
【0058】
ステップS406で、携帯端末100は、撮影ボタンによる回転固定フラグの値をfalseに設定する。つまり、撮影した後で撮影方向の回転固定を解除する。ただし、
図5の撮影サイズ切り替えアイコン操作による回転固定制御処理の結果、アイコンによる回転固定フラグの値がtrueに設定されている場合には撮影した後でも撮影方向の回転固定が解除されない。この際のユーザの混乱を回避するために、回転固定が設定されている旨を画面にメッセージ出力する等、通知してもよい。
【0059】
【0060】
図5は、携帯端末100による撮影サイズ切り替えアイコン操作による回転固定制御処理の一例を示すフローチャートである。撮影サイズ切り替えアイコンの詳細は
図7・
図8・
図11で後述する。
【0061】
ステップS501で、携帯端末100は、撮影サイズ切り替えアイコンの押下操作を検出し、撮影サイズ切り替えメニューを表示する。
【0062】
ステップS502で、携帯端末100は、撮影サイズの選択操作を検出し、選択した撮影サイズに応じた画面構成の撮影画面を表示する。
【0063】
ステップS503で、携帯端末100は、撮影サイズ切り替えアイコンの長押し操作を検出する。検出した場合はステップS504に処理を進め、検出しなかった場合は本フローを終了する。
【0064】
ステップS504で、携帯端末100は、アイコンによる回転固定フラグの現在の値を判定する。アイコンによる回転固定フラグの詳細は
図6で後述する。
【0065】
ステップS504で判定した値がtrueの場合は回転固定ONであるため、ステップS505で、携帯端末100は、アイコンによる回転固定フラグの値をfalseに設定し、回転固定OFFにする。つまり、撮影サイズ切り替えアイコンの操作により、撮影方向の回転固定を設定から解除に切り替える。
【0066】
ステップS504で判定した値がfalseの場合は回転固定OFFであるため、ステップS506で、携帯端末100は、アイコンによる回転固定フラグの値をtrueに設定し、回転固定ONにする。つまり、撮影サイズ切り替えアイコンの操作により、撮影方向の回転固定を解除から設定に切り替える。
【0067】
なお、本実施形態では、撮影モードを示すアイコンの押下により撮影モードの切り替え、当該アイコンの長押しにより回転固定の切り替えを行っているが。当該アイコンに対する他の操作でそれぞれを切り替えてもよい。
【0068】
【0069】
図10は、携帯端末100による撮影画面の回転制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0070】
ステップS1001で、携帯端末100は、端末の回転を検出する。
【0071】
ステップS1002で、携帯端末100は、回転固定フラグの現在の値を判定する。
【0072】
ステップS1002で撮影ボタンによる回転固定フラグがtrue、または、アイコンによる回転固定フラグがtrueと判定した場合、回転固定ONであるため、撮影画面の回転処理は行わない。
【0073】
ステップS1002で撮影ボタンによる回転固定フラグがfalse、かつ、アイコンによる回転固定フラグがfalseと判定した場合、回転固定OFFであるため、ステップS1003で、携帯端末100は、端末の水平位置を検出する。
【0074】
ステップS1003で端末が水平位置から傾いていると判定した場合、ステップS1004で、携帯端末100は、撮影画面の画面構成を検出した向きに回転して表示する。
【0075】
ステップS1003で端末が水平状態であると判定した場合、撮影画面の回転処理は行わない。
【0076】
以上で
図10に示すフローチャートの説明を終了する。
【0077】
【0078】
図6は、
図4・
図5・
図10に示すフローチャートの処理で使用する回転固定フラグのデータ構造の一例を示すデータテーブルである。回転固定フラグは画面の回転可否の状態を示す値を保持する。値がtrueであれば回転固定ONであり、回転不可能な状態となる。値がfalseであれば回転固定OFFであり、回転可能な状態となる。撮影ボタン押下による回転固定状態は、撮影ボタンによる回転固定テーブルに回転固定フラグを設定する。撮影サイズ切り替えアイコン押下による回転固定状態は、アイコンによる回転固定テーブルに回転固定フラグを設定する。
【0079】
【0080】
図7は、
図4に示すフローチャートの処理で撮影対象物を撮影するA4撮影サイズモードの撮影画面および撮影画像確認画面の一例である。撮影画面700は、撮影対象物701、撮影サイズ切り替えアイコン702、撮影ガイド枠703、撮影ボタン704、撮影領域705で構成されている。撮影対象物701はA4用紙の場合であり、適切な撮影位置に誘導するため、撮影対象物に応じて撮影ガイド枠703を表示する。撮影画像確認画面710は、撮影画像711、保存キャンセルボタン713、保存ボタン712で構成されている。撮影画像711は、撮影した画像を補正し、撮影対象物の領域のみを抽出して表示する。
【0081】
ここで、A4撮影サイズモード(縦長の撮影方向)で撮影すべき撮影対象物、例えばA4縦サイズの書類等を、もう一方のA3撮影サイズモード(横長の撮影方向)で撮影した場合、撮影対象物と撮影方向が合わず、補正処理も正常に実行することができなくなる。
【0082】
図8は、
図4に示すフローチャートの処理で撮影対象物を撮影するA3撮影サイズモードの撮影画面および撮影画像確認画面の一例である。撮影画面800は、撮影対象物801L・801R、撮影サイズ切り替えアイコン802、撮影ガイド枠803、撮影ボタン804、撮影領域805、撮影領域中央線806で構成されている。撮影対象物801L・801RはA3用紙の場合であり、適切な撮影位置に誘導するため、撮影対象物に応じて撮影ガイド枠803および撮影領域中央線806を表示する。撮影画像確認画面810は、撮影画像811L・811R、保存キャンセルボタン813、保存ボタン812で構成されている。撮影画像811L・811Rは、撮影した画像を補正し、撮影対象物の領域のみを抽出して左右に二分割して表示する。
【0083】
ここで、A3撮影サイズモード(横長の撮影方向)で撮影すべき撮影対象物、例えばA3横サイズの書類等を、もう一方のA4撮影サイズモード(縦長の撮影方向)で撮影した場合、撮影対象物と撮影方向が合わず、補正処理も正常に実行することができなくなる。
【0084】
図11は、
図5に示すフローチャートの処理で撮影画面の撮影サイズを選択する撮影サイズモード選択メニューの一例である。メニュー1100は、撮影サイズモード選択アイコン1101で構成されており、現在の撮影サイズモードがA4であることを示す。撮影サイズモード選択アイコン1101を押下すると、メニュー1110が表示され、撮影サイズモード選択状態となる。メニュー1110は、標準モードアイコン1111、A4モードアイコン1112、A3モードアイコン1113、撮影サイズモード選択アイコン1114で構成されている。現在の撮影サーズモードがA4であるため、A4モードアイコン1112が緑色で表示され、撮影サイズモード選択アイコン1114にA4が表示されている。標準モードアイコン1111、A4モードアイコン1112、A3モードアイコン1113のいずれかを押下すると、メニュー1100が表示され、撮影サイズモード選択状態が終了するとともに、撮影サイズモード選択アイコン1101に選択した撮影サイズモードが表示され、撮影画面が選択した撮影サイズモードにおける画面構成で表示される。撮影サイズモード選択アイコン1114を押下すると、メニュー1100が表示され、撮影サイズモード選択状態が終了する。ここではメニュー1110において撮影サイズモードを選択する例を示しているが、撮影サイズモードの切り替えは、メニュー1110を介さずに撮影サイズモード選択アイコン1101を押下するたびに切り替わる方式であってもよい。
【0085】
図12は、
図5に示すフローチャートの処理で回転固定のON/OFFを切り替える操作の一例である。メニュー1100の撮影サイズモード選択アイコン1101は現在の撮影サイズモードがA4であることを示し、さらに、アイコンの表示色が背景色と同じであることから回転固定がOFFであることを示す。撮影サイズモード選択アイコン1101を長押しすると、撮影サイズモード選択アイコンの表示色が1201のように反転し、回転固定がONであることを示す。再度、撮影サイズモード選択アイコンを長押しすると、再度表示色が1101のように背景色と同じになり、回転固定がOFFになったことを示す。ここでは、アイコンの表示色で回転固定の設定状態を示しているが、アイコンの形状や、アイコン以外のマーク表示など、設定状態がわかる表示方法であればよい。また、
図4に示すフローチャートの処理で、撮影ボタンがタッチダウンされている間、撮影サイズモード選択アイコンを反転して、回転固定がONであることを示してもよい。
【0086】
このように、撮影方向の回転固定のON/OFFを切り替えられるようにしたことにより、撮影対象物に対して、適正な撮影方向で撮影することができるようになる。
【0087】
以上、1実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0088】
また、本発明におけるプログラムは、
図4、5、10に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は
図4、5、10の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。。
【0089】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し、実行することによっても本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0090】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0091】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、DVD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることが出来る。
【0092】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0093】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0094】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0095】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0096】
100 携帯端末
200 サーバ