(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】抽選システム、抽選装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240215BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240215BHJP
A63F 13/428 20140101ALI20240215BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20240215BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240215BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/79
A63F13/428
A63F13/792
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021087614
(22)【出願日】2021-05-25
(62)【分割の表示】P 2019043902の分割
【原出願日】2019-03-11
【審査請求日】2022-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 浩之
(72)【発明者】
【氏名】原 ノブオ
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-097658(JP,A)
【文献】特開2017-108956(JP,A)
【文献】特開2017-213293(JP,A)
【文献】菊田 愛子ほか,VR用体感アミューズメントアプリの開発,第19回 日本バーチャルリアリティ学会大会 論文集 [CD-ROM] 第19回日本バーチャルリアリテ,2014年09月19日,576-579
【文献】大乱闘スマッシュブラザーズ for NINTENDO 3DS,電撃Nintendo,株式会社KADOKAWA,2014年09月20日,第14巻第14号,第13頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、抽選に参加するプレイヤを最初に受け付けてから所定時間経過した時点で
、
抽選に参加するプレイヤと抽選に参加しないプレイヤとをプレイヤが行っている動作に基づいて判定し、
前記抽選に参加するプレイヤの人数を特定し、前記抽選に参加するプレイヤの人数が多い方が、前記人数が少ない場合よりも、プレイヤあたりの前記抽選に要する時間を短縮する、抽選装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記人数が多い方が、前記人数が少ない場合よりも、価値の高い特典の当選確率を上げる、
請求項1に記載の抽選装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記人数が多い方が、前記人数が少ない場合よりも、付与されうる特典の種類を増加させる、
請求項1に記載の抽選装置。
【請求項4】
コンピュータが、抽選に参加するプレイヤを最初に受け付けてから所定時間経過した時点で
、
抽選に参加するプレイヤと抽選に参加しないプレイヤとをプレイヤが行っている動作に基づいて判定し、
前記抽選に参加するプレイヤの人数を特定し、前記抽選に参加するプレイヤの人数が多い方が、前記人数が少ない場合よりも、プレイヤあたりの前記抽選に要する時間を短縮する、
情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータに、抽選に参加するプレイヤを最初に受け付けてから所定時間経過した時点で
、
抽選に参加するプレイヤと抽選に参加しないプレイヤとをプレイヤが行っている動作に基づいて判定させ、
前記抽選に参加するプレイヤの人数を特定し、前記抽選に参加するプレイヤの人数が多い方が、前記人数が少ない場合よりも、プレイヤあたりの前記抽選に要する時間を短縮させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置により実施される抽選の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な抽選が知られている。特許文献1には、プレイヤが操作レバーを回転させることにより、景品を格納するカプセルを払い出す抽選装置、所謂、カプセルトイについて開示されている。このカプセルトイにおいて、装置内部に複数のカプセルが無作為に充填され、払い出し部付近のカプセルが、操作レバーの回転に応じて払い出される。
【0003】
特許文献2には、スマートフォンによりプレイ可能な抽選ゲームについて開示されている。この抽選ゲームでは、例えば、アイテム毎に設定された当選確率等に基づいて抽選が実施され、当選したアイテムがユーザに付与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-242518号公報
【文献】特開第6275915号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のカプセルトイや抽選ゲームとは異なる新しい感覚を体感でき、その結果、より高い興趣性を得られる抽選を実現したいという要望がある。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたものである。その課題は、より興趣性の高い抽選に関する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る抽選システムは、抽選装置と、前記抽選装置による抽選に参加するプレイヤごとの抽選結果を表示する1又は複数の表示部とを備える。前記抽選装置は、抽選に参加するプレイヤの人数を特定する特定部と、特定された前記人数に応じて、前記抽選により付与される1又は複数の特典のそれぞれの当選確率を設定する設定部と、前記プレイヤごとに決定されたランダム値と、設定された前記1又は複数の特典のそれぞれの当選確率とに基づいて、前記プレイヤごとに付与する特典を決定する決定部と、を備え、前記表示部は、前記決定部により決定した特典を表示する。
【0008】
本発明の一態様に係る抽選装置は、抽選に参加するプレイヤの人数を特定する特定部と、特定された前記人数に応じて、前記抽選による1又は複数の特典のそれぞれの当選確率を設定する設定部と、前記プレイヤごとに決定されたランダム値及び設定された前記1又は複数の特典のそれぞれの当選確率に基づいて、前記プレイヤごとに付与する特典を決定する決定部とを備える。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、抽選に参加するプレイヤの人数を特定する特定部、特定された前記人数に応じて、前記抽選による1又は複数の特典のそれぞれの当選確率を設定する設定部、前記プレイヤごとに決定されたランダム値及び設定された前記1又は複数の特典のそれぞれの当選確率に基づいて、前記プレイヤごとに付与する特典を決定する決定部、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、より興趣性の高い抽選に関する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態における抽選システムによる抽選のプレイを説明するための概念図である。
【
図2】一実施形態における抽選システムによる抽選結果の景品の付与を説明するための概念図である。
【
図3】一実施形態における抽選システムの構成の一例を示す図である。
【
図4】一実施形態におけるサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】一実施形態における抽選システムが備えるサーバ群の機能構成の一例を示す図である。
【
図6】一実施形態において、センサにより検知されるポーズの例を示している。
【
図7】一実施形態における抽選の当選確率とプレイ人数との関係の一例を示す図である。
【
図8】一実施形態における抽選の結果とプレイ人数との関係の一例を示す図である。
【
図9】一実施形態における抽選システムの処理のフローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の一実施形態における抽選システムについて、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形し、又は各実施例を組み合わせる等して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0013】
[抽選システムの概要]
まず、
図1及び
図2を参照して、本実施形態における抽選システムによりプレイ可能な抽選の概要及びプレイの方法について説明する。抽選システムの実装方法については後述する。本実施形態における抽選システムは、ショップやアミューズメント施設などの何らかの施設でプレイヤが抽選を実施(プレイ)可能となる態様で設置される。
【0014】
図1は、プレイヤが抽選システムにより抽選をプレイしているシーンの例を示している。同図には、表示装置D1からD4の4台の表示装置が示されている。表示装置D1の近傍には、コインメックC1が設置されている。また、表示装置D1の上部にはパイプP1が設置されている。表示装置D2からD4に関しても同様に、それぞれの近傍にはコインメックC2からC4のそれぞれが設置され、それぞれの上部にはパイプP2からP4のそれぞれが設置されている。また、表示装置D1からD3のそれぞれの表示面の前方には、抽選をプレイするプレイヤU1からU3が立っている。抽選は、1名でプレイすることも、複数名が同時にプレイすることも可能である。同図の例では、プレイヤU1からU3の3名が同時にプレイしている。また、同図の例では、4台の表示装置が設置されており、それぞれの表示装置を使用して、最大で4名が同時に抽選をプレイ可能である。
【0015】
この抽選システムによる抽選は、友人、家族又は知人などのグループで参加することができる。より多い人数で参加するほど、抽選によってより高い確率で景品が当選し、又はより価値の高い景品が当選しやすくなる。
【0016】
抽選をプレイするために、例えば、プレイヤU1は、表示装置D1(表示部の一例)に対向する位置に立ち、抽選のプレイに必要な料金を支払うために、現金又はキャッシュレス決済手段によりコインメックC1を介して決済を行う。その後、プレイヤU1は、表示装置D1に向かって所定のポーズをとる(例えば、両手を挙げる)と、図示しないセンサによりプレイヤU1により所定のポーズがとられたことが検知され、プレイヤU1が抽選に参加するプレイヤとしてカウントされる。表示装置D2及びD3の前に立つプレイヤU2及びU3もプレイヤU1と同様の動作を行うことにより、抽選に参加するプレイヤとしてカウントされる。
【0017】
プレイヤの人数のカウントは任意の方法で行われるが、例えば、参加するプレイヤが最初に検知されてから所定時間経過した時点で特定されている参加者の人数を最終的な参加人数として確定することができる。また、参加者数のカウントが、参加可能な最大人数に達した時点で参加人数を確定することもできる。
【0018】
プレイヤU1からU3は、表示装置D1からD3のそれぞれに表示及び出力されるナビゲーションの映像及び音声に従って動作することにより、抽選を実施することができる。詳細には、センサによりユーザの動作が検知され、その検知結果に応じて、抽選システムは、抽選を実施する。例えば、プレイヤU1は、表示装置D1に表示されるナビゲーションに従って、両手を前に出してエネルギーをためる動作をする。その後、プレイヤU1は、両手を挙げ、表示装置D1に向かって球を投げる動作をすることにより、抽選を開始できる。プレイヤU1の抽選の結果は、表示装置D1に表示される。抽選の結果として、例えば、抽選により当たった景品の情報が、又は抽選に外れたことが表示装置D1に表示される。
【0019】
抽選結果が表示された後、表示装置D1には、当選した景品が格納されたカプセルがパイプP1を介して送り出されることを示す演出映像が表示される。パイプP1には実際にカプセルを送り出してもよいし、パイプP1にカプセルが送り出されているように見える演出をパイプP1を発光等させることにより行ってもよい。その後、表示装置D1には、送り出されたカプセルの現在地を示す映像が表示される。
【0020】
図2は、送り出されたカプセルの現在地を示す映像の例を示している。この例では、パイプP1の下部から上部に示されたカウンター(「COUNTER」)に向かってカプセルが送り出されていることを示している。また、この例では、プレイヤU1が3回連続して抽選を実施したことにより、3つのカプセルが送り出されていることが示されている。
【0021】
その後、プレイヤU1は、コインメックC1から出力されるレシートを受け取り、そのレシートと引き換えに、カウンターで景品を受け取ることができる。プレイヤU2及びU3もプレイヤU1と同様に他のプレイヤとは独立して抽選をプレイし、景品を受け取ることができる。
【0022】
プレイヤU2及びU3も、プレイヤU1がプレイしている抽選と開始のタイミングは同様であるが、独立して、表示装置D2及びD3によるナビゲーション等に従って、抽選をプレイすることができる。
【0023】
上記の説明は、抽選システムの概要及び抽選のプレイ方法は、一例であり、様々な変更が加えられてもよい。例えば、同時に抽選をプレイ可能なプレイヤの人数の上限は、4人に限定されない。人数の上限は、2人又は3人までであってもよいし、5人以上であってもよい。
【0024】
[システム構成及びハードウェア構成]
図3は、
図1及び2を参照して説明した抽選システムのシステム構成の一例を示している。
図3に示すように、抽選システム1は、中央サーバ10、ロビーサーバ20、管理装置31,32,33,34、課金装置41,42,43,44、プリンタ51,52,53,54、表示装置D1,D2,D3,D4、及びセンサS1,S2,S3,S4を備える。中央サーバ10、ロビーサーバ20、及び管理装置31,32,33,34は、ネットワークNを介して通信可能に接続されている。
【0025】
管理装置31は、課金装置41、プリンタ51、表示装置D1、及びセンサS1と通信可能に接続されている。管理装置32は、課金装置42、プリンタ52、表示装置D2、及びセンサS2と通信可能に接続されている。管理装置33は、課金装置43、プリンタ53、表示装置D3、及びセンサS3と通信可能に接続されている。管理装置34は、課金装置44、プリンタ54、表示装置D4、及びセンサS4と通信可能に接続されている。本実施形態において、同じ管理装置に接続されている、又は近傍に設置されている課金装置、プリンタ、表示装置、及びセンサの間の関係を「対応する」と呼ぶ。例えば、課金装置43、プリンタ53、表示装置D3、及びセンサS3の間の関係は、「対応する」関係である。
【0026】
以下に、
図3に示されたそれぞれの構成について説明する。まず、中央サーバ10は、サーバコンピュータなどの情報処理装置である。中央サーバ10は、1人又は複数のプレイヤがプレイする抽選の進行を制御する処理を行う。
【0027】
図4は、中央サーバ10のハードウェア構成の一例を示している。中央サーバ10は、主な構成として、制御部101、通信部104及び記憶部105を有する。中央サーバ10は、図示しないが、一般的なサーバ装置が備える構成をさらに備える。制御部101は、CPU(Central Processing Unit)102及びメモリ103を主に備えて構成される。制御部101では、CPU102は、記憶部105等に記憶されたコンピュータプログラムをメモリ103に展開して実行することにより、中央サーバ10が有する各構成の動作を制御し、各種の機能を実現する。通信部104は、ネットワークNを介して外部の装置と通信するための通信インタフェースである。記憶部105は、ハードディスク等の記憶装置によって構成される。記憶部105は、制御部101における処理の実行に必要な各種コンピュータプログラムや各種のデータ(情報)、及び制御部101による処理結果により得られた各種のデータを記憶する。なお、中央サーバ10は、単一の情報処理装置により構成されるものであっても、ネットワーク上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。
【0028】
図3の説明に戻る。ロビーサーバ20は、サーバコンピュータなどの情報処理装置である。ロビーサーバ20は、後述するセンサS1,S2,S3,S4による検知結果に応じて、抽選に参加するプレイヤの人数をリアルタイムで特定し管理する。ロビーサーバ20は、例えば、センサS1,S2,S3,S4のいずれかにより参加するプレイヤが最初に検知されたときにタイマーをスタートし、所定の時間が経過した時点までにカウントされたプレイヤの数を参加するプレイヤの数として最終的に確定する。または、ロビーサーバ20は、センサS1,S2,S3,S4により検知されたプレイヤの人数が同時にプレイ可能なプレイヤの人数の上限値(例えば、4人)に達した段階で、プレイヤの人数を当該上限値で確定する。ロビーサーバ20は、抽選への参加数として確定した人数のデータを中央サーバ10に送信する。ロビーサーバ20は、主なハードウェア構成として、中央サーバ10と同様に制御部、通信部及び記憶部を備える。各構成の詳細は、中央サーバ10と同様であるため説明を省略する。
【0029】
管理装置31は、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置である。管理装置31は、管理装置31に接続され、対応付けられた課金装置41、プリンタ51、表示装置D1及びセンサS1などの装置を管理する。例えば、管理装置31は、中央サーバ10から受信した制御信号(例えば、抽選の進行に応じた信号)に応じて、プリンタ51及び表示装置D1による処理を制御する。また、管理装置31は、センサS1から受信した信号(例えば、センサS1によりオブジェクトを検知したことを示す信号)に応じて、制御信号を表示装置D1又は中央サーバ10に送信する。さらに、管理装置31は、プレイヤによる入金に応じて課金装置41から受信した信号を中央サーバ10へ送信する。
【0030】
管理装置32,33,34も管理装置31と同様に構成されている。管理装置32,33,34は、それぞれに接続されていることにより対応付けられた課金装置、プリンタ、表示装置、及びセンサと通信を行い、それぞれに対する必要な制御を行う。
【0031】
課金装置41は、プレイヤが抽選をプレイするために必要な料金の入金を行うための装置である。課金装置41は、現金及び何らかのキャッシュレス決済手段による入金を受け付ける。課金装置41は、入金を受け付け決済が完了すると、その旨を通知する信号を管理装置31を介して中央サーバ10に送信する。課金装置42,43,44も課金装置41と同様に構成されている。課金装置42,43,44は、プレイヤによる入金を受け付け決済が完了すると、対応付けられた管理装置を介してその旨を中央サーバ10に通知する。
【0032】
プリンタ51は、受信した信号に応じた画像を印刷したシートを出力する装置である。本実施形態において、プリンタ51は、例えば、抽選システム1による抽選の結果に応じて付与される特典を示す情報を印刷したシート(レシート)を出力する。プレイヤは、出力されたレシートを担当者に見せることにより、又はレシートと交換で、特典を受け取ることができる。プリンタ52,53,54もプリンタ51と同様に構成されている。
【0033】
また、
図3における課金装置41とプリンタ51とを組み合わせた構成は、
図1のコインメックC1に対応する。同様に、課金装置42とプリンタ52とを組み合わせた構成は、コインメックC2に対応する。課金装置43とプリンタ53とを組み合わせた構成は、コインメックC3に対応する。課金装置44とプリンタ54とを組み合わせた構成は、コインメックC4に対応する。
【0034】
表示装置D1は、受信した信号に応じて静止画像やビデオ画像などの画像を出力表示する装置である。表示装置D1の表示部は、例えば、液晶パネルにより構成されている。表示装置D1は、受信した信号に応じて音声を出力するスピーカを備えてもよい。表示装置D2,D3,D4も表示装置D1と同様に構成されている。
【0035】
センサS1は、検知対象領域に存在するオブジェクトの動きや、オブジェクトまでの距離などを検知する。センサS1は、例えば、ビデオカメラ及び距離画像センサを備える。センサS1は、例えば、対応付けられている表示装置D1の上部に設置され、表示装置D1の表示部前方向の所定の距離にいる人がとっているポーズを検知することができる。センサS2,S3,S4もセンサS1と同様に構成されている。
【0036】
図3に例示した抽選システム1は、4台の表示装置を備えるが、表示装置の数はこれに限定しない。抽選システム1は、4台未満又は5台以上の表示装置を備えてもよい。また、抽選システム1は、表示装置の数に応じて、適切な数の管理装置を備え、さらに、各管理装置に接続される課金装置、プリンタ及びセンサを備える。
【0037】
また、
図3に例示した抽選システム1は、抽選に同時に参加可能なプレイヤの人数に一致する数の表示装置を備えるが、これに限定しない。例えば、抽選システム1は、大型の表示装置を備えて、当該大型の表示装置を複数のプレイヤにより共有できるようにしてもよい。例えば、1台の表示装置の表示部を複数の表示エリアに分割し、当該表示部における各分割エリアに、各プレイヤに対する抽選の進行をナビゲートする映像を表示させてもよい。
【0038】
また、
図3に例示した抽選システム1は、中央サーバ10及びロビーサーバ20を備えるが、サーバ装置の数はこれに限定されない。これら2つのサーバ装置が有する機能を1つのサーバ装置で実装してもよいし、3つ以上のサーバ装置で実装してもよい。
【0039】
[機能構成]
図5を参照して、中央サーバ10及びロビーサーバ20の機能構成を説明する。説明の便宜上、本実施形態において、中央サーバ10及びロビーサーバ20を含む装置群をサーバ群60と称する。同図を参照して説明する機能構成のそれぞれは、中央サーバ10及びロビーサーバ20のうちのいずれかに含まれていてもよいし、双方に一部ずつが含まれていてもよい。また、変形例として、サーバ群60を1つの装置により構成してもよいし、3つ以上の装置により構成してもよい。
【0040】
サーバ群60は、主な機能構成として、データベース110、進行制御部111、特定部112、設定部113、及び決定部114を備える。これらの機能構成は、例えば、サーバ群60のCPUが、記憶部等に記憶されたコンピュータプログラムをメモリに展開して実行し、サーバ群60が有する各構成の動作を制御することで実現される。
【0041】
データベース110は、サーバ群60において実行される処理に必要なデータ、並びに当該処理により生成又は設定されたデータなど、各種データを記憶する。データベース110は、例えば、抽選システム1により実施される抽選の進行に必要な制御データ、抽選の結果に応じて付与される特典のデータ、各特典の当選確率のデータなどを記憶する。
【0042】
進行制御部111は、抽選システム1により実施される抽選の進行を制御し、当該進行に応じた映像(抽選の結果付与される特典の情報を含む)を表示装置D1,D2,D3,D4に出力表示する。特定部112は、センサS1,S2,S3,S4による検知結果に応じて、抽選に参加するプレイヤの人数を特定する。設定部113は、特定部112により特定された人数に応じて、抽選により付与される1又は複数の特典のそれぞれの当選確率を設定する。決定部114は、プレイヤごとに決定されたランダム値及び設定された1又は複数の特典のそれぞれの当選確率に基づいて、プレイヤごとに付与する特典を決定する。
【0043】
以下に、進行制御部111、特定部112、及び設定部113による処理についてさらに詳しく説明する。
【0044】
進行制御部111は、特定部112により抽選に参加するプレイヤが特定された後、抽選システム1により実施される抽選の進行を制御する。具体的には、まず、特定部112は、抽選のプレイに必要な料金が課金装置41,42,43,44のいずれかに対して入金されると、入金された課金装置に対応する表示装置の表示部の前方向に位置する人による所定のポーズが検知されるまで待機する。センサS1,S2,S3,又はS4により当該所定のポーズが検知されると、特定部112は、当該検知結果に応じて、抽選に参加するプレイヤの人数をカウントアップすることにより人数を特定する。また、特定部112は、上記ポーズを検知したセンサに対応する表示装置を使用してプレイヤが抽選に参加すると判断する。
【0045】
例えば、特定部112は、料金が課金装置41に対して入金され、課金装置41に対応する表示装置D1の表示部前方向の所定の距離に位置する人が所定のポーズをとっていることがセンサS1により検知されると、表示装置D1を使用してプレイヤが抽選に参加すると判断する。同様に、他の課金装置に料金が入金され、対応するセンサにより所定のポーズが検知されると、抽選への参加者の人数をカウントアップされる。
【0046】
人数のカウントアップに関し、特定部112は、一人目のプレイヤの参加の判断をした後、タイマーをスタートし、所定時間内に他のセンサにより所定の検知がなされる度に、新たなプレイヤが抽選に参加すると判断する。また、特定部112は、検知されたプレイヤの人数が同時にプレイ可能なプレイヤの人数の上限値(例えば、4人)に達した段階で、プレイヤの人数を当該上限値で確定する。
【0047】
このように本実施形態によれば、センサにより単に人を検知しただけではなく、人が所定のポーズをとっていることを検知したときに、参加するプレイヤの人数をカウントアップする。その結果、センサ付近を通過し、抽選に参加することを望んでいない人や何らかのオブジェクトが参加プレイヤとして誤ってカウントされてしまうことを防ぐことができる。
【0048】
図6は、センサにより検知される上記の所定のポーズの例を示している。この例において、表示装置D1の表示部の前方で人が両手を挙げている。表示装置D1の上部に設置されたセンサS1が、表示装置D1の表示部前方向の所定の距離に存在する人による上記ポーズを検知したとき、特定部112は、当該人が抽選に参加するプレイヤと判断し、抽選への参加人数をカウントアップする。
【0049】
なお、特定部112は、センサが人による所定のポーズを所定時間以上検知しない場合、検知の条件を緩和するように制御してもよい。例えば、特定部112は、センサS1が何らかのオブジェクトを検知しているが、人による所定のポーズを検知していないとする。このとき、特定部112は、何らかのオブジェクトを検知してから所定時間以上、人による所定のポーズを検知できない場合、所定のポーズと似たポーズ(すなわち、所定のポーズとの近似の程度が所定の範囲内のオブジェクト)を検知した場合に、所定のポーズを検知したと判断してもよい。
【0050】
進行制御部111は、抽選に参加するプレイヤが確定された後、抽選を開始し、抽選の実施が進行していることを示す演出映像を表示装置D1,D2,D3,D4のうち、プレイヤが使用している表示装置に表示し、その後、抽選の結果を表示するように制御する。複数のプレイヤが抽選に参加するとき、各プレイヤの抽選は、それぞれ独立して実施される。抽選の結果には、例えば、抽選に当選したか否かの情報、及び当選した場合に付与される特典の情報が含まれる。
【0051】
決定部114は、特定部112により特定されたプレイヤの人数に応じて、設定部113により設定された当選確率に基づいて任意の方法で抽選を実施する。例えば、決定部114は、抽選へ参加するプレイヤの人数に応じて設定部113により設定された当選確率に基づいて、ランダム値と、付与される特典又は「はずれ」(特典なし)とを予め対応付けておく。決定部114は、抽選時に各プレイヤに対するランダム値を出力し、出力されたそれぞれのランダム値に対応付けられた特典又は「はずれ」を各プレイヤの抽選の結果として決定する。
【0052】
図7は、抽選へ参加するプレイヤの人数(プレイ人数)に応じて設定部113により設定された当選確率の例を示している。この例では、当選のなかでも価値の高い特典(よりレアな特典)である特賞が当選する確率をプレイヤの人数ごとに設定している。設定されたプレイヤの人数ごとの特賞の当選確率のデータは、データベース110に記憶される。なお、
図7を参照して説明した当選確率の設定方法は一例にすぎず、他の方法により当選確率が設定されてもよい。
【0053】
設定部113は、特定部112により特定されたプレイヤの人数が多いほど、価値の高い特典の当選確率がより高くなるように、当選確率を設定してもよい。例えば、
図7の例では、設定部113は、プレイヤの人数が1人であるときよりも2人の場合の方が、特賞確率が高くなるように、設定を行ってもよい。
【0054】
以上のように本実施形態によれば、特定部112により特定された参加プレイヤの人数に応じて、プレイヤに特典が付与される確率が設定される。そのためプレイヤは、参加人数に応じて抽選に対する異なる体感を得ることができ、その結果、より興趣性の高い抽選をプレイすることができる。本実施形態において、特に、設定部113は、特定部112により特定されたプレイヤの人数が多いほど、価値の高い特典の当選確率がより高くなるように、当選確率を設定できる。この場合において、参加人数が多いほど、価値の高い特典がプレイヤに付与される確率が上がり、また、より多くの参加者と抽選の結果に対する感情を共有することができる。その結果、プレイヤは、より興趣性の高い抽選をプレイすることができる。
【0055】
また、設定部113は、特定部112により特定されたプレイヤの人数が多いほど、抽選の結果付与されうる特典の種類を増加させるように設定を行ってもよい。
【0056】
図8は、プレイヤの人数が多いほど、抽選の結果付与されうる特典の種類を増加させる設定の例を示している。同図は、例えば、プレイヤの人数が1人のときは、抽選の結果付与されうる特典は、「ドリンク割引クーポン」の1種類であるのに対し、プレイヤの人数が2人のときは、抽選の結果付与されうる特典は、「ドリンク割引クーポン」及び「ドリンクサイズアップ」であることを示している。すなわち、プレイヤの人数が多いほど、抽選の結果付与されうる特典の種類も多い。プレイヤの人数と、抽選の結果付与されうる特典の種類との関係について設定されたデータは、データベース110に記憶される。
【0057】
また、進行制御部111は、抽選に参加するプレイヤの人数に応じて、抽選の進行を変更することができる。例えば、進行制御部111は、特定部112により特定された人数に予め対応付けられた抽選の進行のための映像を表示装置D1,D2,D3,D4のうちの少なくともいずれかに表示するように制御してもよい。また、進行制御部111は、特定されたプレイヤの人数が多いほど、プレイヤあたりの抽選に要する時間をより短縮するように抽選の進行の制御を実施してもよい。例えば、進行制御部111は、抽選に参加するプレイヤが2人のときよりも、抽選に参加するプレイヤが3人のときの方が、各プレイヤについて、抽選の開始から抽選の終了までの時間が短縮されるように抽選の進行の制御を実施してもよい。
【0058】
[処理フロー]
図9を参照して、抽選システム1により実行される抽選のための一連の処理の一例を説明する。なお、各処理ステップの詳細は、既に説明しているため、ここでは説明を省略する。
【0059】
ステップS11において、課金装置41,42,43,44のいずれかが、抽選のプレイに必要な料金の入金を受け付けると、ステップS12において、当該入金を受け付けた1つ又は複数の課金装置は、入金を受け付けたことをセンサS1,S2,S3,S4のうち、対応するセンサに通知する。例えば、課金装置41が入金を受け付けた場合、課金装置41は入金を受け付けたことをセンサS1に通知する。なお、課金装置及びセンサ間の通信に管理装置31,32,33,34のいずれかが仲介するが、説明を簡略化するため、管理装置31,32,33,34への言及は省略する。以下に説明する他の処理についても管理装置31,32,33,34への言及は同様の趣旨により省略する。
【0060】
S13において、入金を受け付けた1つ又は複数の課金装置は、対応する表示装置に入金を受けたことを通知する。ステップS14において、表示装置D1,D2,D3,D4のうち、課金装置から通知を受けた表示装置は、入金後、抽選の開始前の演出のための映像を出力表示する。
【0061】
ステップS15において、センサS1,S2,S3,S4のうちステップS12の通知を受信したセンサは、対応する表示装置の表示部の前方向に位置する人による所定のポーズを検知可能な状態で待機する。当該所定のポーズを検知した場合、ステップS16において、当該所定のポーズを検知したセンサは、当該所定のポーズを検知したことをロビーサーバ20に通知する。
【0062】
次に、ステップS17において、ロビーサーバ20は、センサから通知を受信する度に、新たなプレイヤが抽選に参加すると判断し、抽選の参加プレイヤの数をカウントアップする。ロビーサーバ20は、一人目のプレイヤの参加についての通知を受信したときに、タイマーをスタートする。ロビーサーバ20は、タイマーのスタートから所定時間内に他のセンサからの通知を受信する度に、参加するプレイヤの人数をカウントアップする。
【0063】
ステップS18において、ロビーサーバ20は、タイマーのスタートから所定時間経過時の人数のカウントを参加人数として確定する。または、ロビーサーバ20は、プレイヤの人数のカウントが同時にプレイ可能なプレイヤの人数の上限値(例えば、4人)に達した段階で、プレイヤの人数を当該上限値で確定する。
【0064】
ステップS19において、ロビーサーバ20は、確定されたプレイヤの人数を中央サーバ10に通知する。ステップS20において、中央サーバ10は、通知を受けたプレイヤの人数に応じて、抽選により付与される1又は複数の特典のそれぞれの当選確率を設定する。
【0065】
ステップS21において、中央サーバ10は、プレイヤごとに決定されたランダム値と、設定された1又は複数の特典のそれぞれの当選確率とに基づいて、プレイヤごとに抽選を実施する。ステップS22において、中央サーバ10は、プレイヤごとの抽選が当選したか否かの情報、及び当選した場合に付与する特典の情報を抽選結果の情報として、対応するプレイヤが使用する表示装置に送信する。
【0066】
ステップS23において、表示装置D1,D2,D3,D4のうち抽選結果の情報を受信した表示装置は、受信した抽選結果の情報を表示する。抽選結果の情報として、例えば、抽選に当選したことにより付与される景品の情報が、又は抽選に外れたことが表示装置に表示される。
【0067】
ステップS24において、さらに、中央サーバ10は、プリンタ51,52,53,54のうち抽選結果に対応するプリンタに、抽選結果の情報とともに印刷指示を送信する。ステップS25において、印刷指示を受信したプリンタは、受信した抽選結果をシートに印刷して出力する。
【0068】
プレイヤは、所定の場所(例えば、受付)に行き、抽選に当選したことにより付与される景品の情報が印刷された印刷物(レシート)と引き換えに、景品を受け取ることができる。
【0069】
以上のように本実施形態によれば、参加プレイヤの人数に応じて、プレイヤに特典が付与される確率が設定される。そのためプレイヤは、参加人数に応じて抽選に対する異なる体感を得ることができ、その結果、より興趣性の高い抽選をプレイすることができる。本実施形態において、特に、抽選に参加するプレイヤの人数が多いほど、価値の高い特典の当選確率がより高くなるように、当選確率を設定できる。この場合において、参加人数が多いほど、価値の高い特典がプレイヤに付与される確率が上がり、また、より多くの参加者と抽選の結果に対する感情を共有することができる。その結果、プレイヤは、より興趣性の高い抽選をプレイすることができる。
【0070】
[変形例]
本実施形態における抽選システム1(または、中央サーバ10及びロビーサーバ20)を実装するためのプログラムは、CD-ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【0071】
また、上記した実施の形態では、抽選に参加可能なプレイヤの人数(N)に対応した台数の表示装置を設けることとしたが、一台の表示装置にプレイヤごとの表示領域を設けてもよいし、Nではない数の表示装置を設けることとしてもよい。また、上記した実施の形態では、センサについても表示装置ごとに設けることとしたが、一又は複数のセンサによりプレイヤを検出するようにしてもよい。
【0072】
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【符号の説明】
【0073】
1 抽選システム、10 中央サーバ 101 制御部、102 CPU、103 メモリ、104 通信部、105 記憶部、20 ロビーサーバ、31,32,33,34
管理装置、41,42,43,44 課金装置、51,52,53,54 プリンタ、D1,D2,D3,D4 表示装置、S1,S2,S3,S4 センサ