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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】流路切換弁、及び、冷凍サイクル装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 11/056 20060101AFI20240215BHJP
   F25B 41/26 20210101ALI20240215BHJP
【FI】
F16K11/056 Z
F25B41/26 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023013346
(22)【出願日】2023-01-31
【審査請求日】2023-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱舘 潤一
(72)【発明者】
【氏名】小池 史朗
(72)【発明者】
【氏名】木下 厚志
(72)【発明者】
【氏名】奥野 将人
【審査官】笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-202738(JP,A)
【文献】特開2006-97762(JP,A)
【文献】特開2021-85514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 11/056
F25B 41/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に中空部を有する収容体(25)と、
前記中空部に回転自在に収容され、かつ、回転操作されることによって第1の姿勢と第2の姿勢とに切り換えられる弁体(60)と、を備え、
前記中空部と前記収容体(25)の外部とを連通する第1の開口(P1)、第2の開口(P2)、及び第3の開口(P3)が前記収容体(25)に形成され、
前記第1の姿勢において前記第1の開口(P1)と前記第2の開口(P2)とを接続し、前記第2の姿勢において前記第1の開口(P1)と前記第3の開口(P3)とを接続する第1凹部(61,61A,61B)が前記弁体(60)の外面に形成されている、流路切換弁。
【請求項2】
前記第1の開口(P1)が、冷媒回路(30)の圧縮機(15)から吐出された冷媒を前記収容体(25)に流入させるものであり、
前記第1の開口(P1)から流入する冷媒を前記収容体(25)の内面と前記弁体(60)の外面との間に漏洩させる漏洩部(35e,R)が前記収容体(25)に形成されている、請求項1に記載の流路切換弁。
【請求項3】
前記第1~第3の開口(P3)の周囲における前記収容体(25)の内面への前記弁体(60)の外面の押し付け力を調整する調整部(26)をさらに備えている、請求項2に記載の流路切換弁。
【請求項4】
前記調整部(26)が、前記収容体(25)にねじ結合されることによって前記弁体(60)を前記収容体(25)の前記内面に向けて押圧する押圧体(33)を有する、請求項3に記載の流路切換弁。
【請求項5】
前記中空部と前記収容体(25)の外部とを連通する第4の開口(P4)が前記収容体(25)に形成され、
前記第1の姿勢において前記第3の開口(P3)と前記第4の開口(P4)とを接続し、前記第2の姿勢において前記第2の開口(P2)と前記第4の開口(P4)とを接続する第2凹部(62,62A,62B)が前記弁体(60)の外面に形成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の流路切換弁。
【請求項6】
前記第1~第4の開口(P1,P2,P3,P4)が、前記弁体(60)の一方向への投影面積内に配置されている、請求項5に記載の流路切換弁。
【請求項7】
前記第1の姿勢において前記第1の開口(P1)と前記第2の開口(P2)とを連通する前記第1凹部(61A)と、前記第2の姿勢において前記第1の開口(P1)と前記第3の開口(P3)とを連通する前記第1凹部(61B)とが個別に前記弁体(60)に形成され、
前記第1の姿勢において前記第3の開口(P3)と前記第4の開口(P4)とを連通する前記第2凹部(62A)と、前記第2の姿勢において前記第2の開口(P2)と前記第4の開口(P4)とを連通する前記第2凹部(62B)とが個別に前記弁体(60)に形成されている、請求項5に記載の流路切換弁。
【請求項8】
前記第1の姿勢で前記第1の開口(P1)と前記第2の開口(P2)とを連通する一方の前記第1凹部(61A)と、前記第3の開口(P3)と前記第4の開口(P4)とを連通する一方の前記第2凹部(62A)とが、互いに平行に長く形成され、
前記第2の姿勢で前記第1の開口(P1)と前記第3の開口(P3)とを連通する他方の前記第1凹部(61B)と、前記第2の開口(P2)と前記第4の開口(P4)とを連通する他方の前記第2凹部(62B)とが、互いに平行でかつ一方の前記第1凹部(61A)及び一方の前記第2凹部(62A)と直交する方向に長く形成されている、請求項7に記載の流路切換弁。
【請求項9】
冷媒回路(30)の圧縮機(16)から吐出された冷媒が流れる吐出配管(71)に一端が接続され、他端が前記第1の開口(P1)に連通する第1配管部(41)と、
前記冷媒回路(30)の第1熱交換器(21)へ冷媒を流す冷媒配管(76)に一端が接続され、他端が前記第2の開口(P2)に連通する第2配管部(42)と、
前記冷媒回路(30)の第2熱交換器(16)へ冷媒を流す冷媒配管(73)に一端が接続され、他端が前記第3の開口(P3)に連通する第3配管部(43)と、
前記圧縮機(15)に吸入される冷媒が流れる吸入配管(72)に一端が接続され、他端が前記第4の開口(P4)に連通する第4配管部(44)と、を備え、
前記第1~第4配管部(41,42,43,44)が、前記収容体(25)と一体に形成されている、請求項5に記載の流路切換弁。
【請求項10】
前記弁体(60)を回転させる回転動力を生成する駆動部(64)と、前記駆動部(64)の回転動力を減速する減速部(65)と、をさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の流路切換弁。
【請求項11】
前記収容体(25)が、前記開口(P1,P2,P3,P4)が形成されかつ前記弁体(60)の外面に接触する弾性部材(35)を有している、請求項1~4のいずれか1項に記載の流路切換弁。
【請求項12】
請求項1~4のいずれか1項に記載の流路切換弁を備えた、冷凍サイクル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流路切換弁、及び、冷凍サイクル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、冷房と暖房とを切り換えて行う空気調和機が開示されている。この空気調和機は、圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器と室内熱交換器とのいずれかに切り換えて流す流路切換弁を備えている。特許文献1の流路切換弁は、ケーシングとして機能する切換弁本体と、切換弁本体の内部に回動自在に収容された弁体とを有する。
【0003】
切換弁本体には、圧縮機の吐出側配管が接続される第1の接続ポート、室内熱交換器の入口側配管が接続される第2の接続ポート、室内熱交換器の出口側配管が接続される第3の接続ポート、圧縮機の吸込み側配管が接続される第4の接続ポート、室外熱交換器の出口側配管が接続される第5の接続ポート、及び室外熱交換器の入口側配管が接続される第6の接続ポートが形成されている。
【0004】
弁体には、冷房運転時に第1の接続ポートと第6の接続ポート、第3の接続ポートと第4の接続ポートを連通するとともに、第2の接続ポートと第5の接続ポートを絞り通路を介して連通し、暖房運転時に第1の接続ポートと第2の接続ポート、第4の接続ポートと第5の接続ポートを連通するとともに、第3の接続ポートと第6の接続ポートを絞り通路を介して連通する複数の連通路が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-202738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載の流路切換弁は、複数の連通路が弁体を貫通して形成され、連通路の構造も複雑であるため、加工が困難である。
本開示は、弁体における冷媒の流路の構造を簡素化し、加工を容易にすることができる流路切換弁、及び、冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本開示の流路切換弁は、内部に中空部を有する収容体と、
前記中空部に回転自在に収容され、かつ、回転操作されることによって第1の姿勢と第2の姿勢とに切り換えられる弁体と、を備え、
前記中空部と前記収容体の外部とを連通する第1の開口、第2の開口、及び第3の開口が前記収容体に形成され、
前記第1の姿勢において前記第1の開口と前記第2の開口とを接続し、前記第2の姿勢において前記第1の開口と前記第3の開口とを接続する第1凹部が前記弁体の外面に形成されている。
【0008】
上記構成によれば、流路切換弁の弁体には、貫通する孔ではなく、外面を凹ませた凹部が形成されるだけであるので、冷媒の流路を簡素化し、弁体の加工を容易に行うことができる。
【0009】
(2)前記(1)の流路切換弁において、前記第1の開口が、冷媒回路の圧縮機から吐出された冷媒を前記収容体に流入させるものであり、
前記第1の開口から流入する冷媒を前記収容体の内面と前記弁体の外面との間に漏洩させる漏洩部が前記収容体に形成されている。
【0010】
上記構成によれば、漏洩部から漏洩させた冷媒の圧力を弁体の全体に分散して付与することができる。そのため、冷媒の圧力が弁体の特定箇所に集中して付与される場合に比べて、弁体を回転させるための負荷トルクを低減することができる。
【0011】
(3)前記(1)又は(2)の流路切換弁において、前記第1~第3の開口の周囲における前記収容体の内面への前記弁体の外面の押し付け力を調整する調整部をさらに備えている。
【0012】
上記構成によれば、弁体を回転させるための負荷トルクを適切に調整することができる。
【0013】
(4)前記(3)の流路切換弁において、前記調整部が、前記収容体にねじ結合されることによって前記弁体を前記収容体の前記内面に向けて押圧する押圧体を有する。
【0014】
上記構成によれば、押圧体を収容体にねじ込むことで容易に収容体の内面への弁体の外面の押し付け力を調整することができる。
【0015】
(5)前記(1)~(4)のいずれか1つに記載の流路切換弁において、前記中空部と前記収容体の外部とを連通する第4の開口が前記収容体に形成され、
前記第1の姿勢において前記第3の開口と前記第4の開口とを接続し、前記第2の姿勢において前記第2の開口と前記第4の開口とを接続する第2凹部が前記弁体の外面に形成されている。
【0016】
上記構成によれば、第1~第4の開口が形成された流路切換弁においても、冷媒の流路を簡素化し、弁体の加工を容易に行うことができる。
【0017】
(6)前記(5)の流路切換弁において、前記第1~第4の開口が、前記弁体の一方向への投影面積内に配置されている。
【0018】
上記構成によれば、第1~第4の開口が小さい面積内に集約して配置されるので、これらを接続する弁体の第1、第2凹部を小さくすることができ、弁体の加工をより容易に行うことができる。
【0019】
(7)前記(5)又は(6)の流路切換弁において、前記第1の姿勢において前記第1の開口と前記第2の開口とを連通する前記第1凹部と、前記第2の姿勢において前記第1の開口と前記第3の開口とを連通する前記第1凹部とが個別に前記弁体に形成され、
前記第1の姿勢において前記第3の開口と前記第4の開口とを連通する前記第2凹部と、前記第2の姿勢において前記第2の開口と前記第4の開口とを連通する前記第2凹部とが個別に前記弁体に形成されている。
【0020】
上記構成によれば、2つの第1凹部と、2つの第2凹部とを用いて4つの開口を切り換えて接続することができる。
【0021】
(8)前記(7)の流路切換弁において、前記第1の姿勢で前記第1の開口と前記第2の開口とを連通する一方の前記第1凹部と、前記第3の開口と前記第4の開口とを連通する一方の前記第2凹部とが、互いに平行な方向に長く形成され、
前記第2の姿勢で前記第1の開口と前記第3の開口とを連通する他方の前記第1凹部と、前記第2の開口と前記第4の開口とを連通する他方の前記第2凹部とが、互いに平行でかつ一方の前記第1凹部及び一方の前記第2凹部と直交する方向に長く形成されている。
【0022】
上記構成によれば、2つの第1凹部と、2つの第2凹部とを弁体の表面積における小さい範囲で形成することができ、流路を切り換えるための弁体の回転角度を小さくすることができる。
【0023】
(9)前記(5)~(8)のいずれか1つに記載の流路切換弁は、冷媒回路の圧縮機から吐出された冷媒が流れる吐出配管に一端が接続され、他端が前記第1の開口に連通する第1配管部と、
前記冷媒回路の第1熱交換器へ冷媒を流す冷媒配管に一端が接続され、他端が前記第2の開口に連通する第2配管部と、
前記冷媒回路の第2熱交換器へ冷媒を流す冷媒配管に一端が接続され、他端が前記第3の開口に連通する第3配管部と、
前記圧縮機に吸入される冷媒が流れる吸入配管に一端が接続され、他端が前記第4の開口に連通する第4配管部と、を備え、
前記第1~第4配管部が、前記収容体と一体に形成されている。
【0024】
上記構成によれば、流路切換弁の収容体に第1~第4配管部を一体に形成することによって、各配管部への冷媒配管の接続作業を容易にし、冷媒回路の組立作業性を向上させることができる。
【0025】
(10)前記(1)~(9)のいずれか1つに記載の流路切換弁は、好ましくは、前記弁体を回転させるための回転動力を生成する駆動部と、前記駆動部の回転動力を減速する減速部と、をさらに備える。
【0026】
上記構成によれば、減速部によって弁体への出力トルクを増大することができる。そのため、例えば、高圧冷媒の漏洩を抑制するために収容体の内面に弁体が強く押し付けられる場合でも、弁体を回転させることができる。上記構成によれば、減速部によって弁体への出力トルクを増大することができるので、その分、駆動部の出力を小さくし駆動部を小型化することもできる。
【0027】
(11)前記(1)~(10)のいずれか1つの記載の流路切換弁において、好ましくは、前記収容体が、前記開口が形成されかつ前記弁体の外面に接触する弾性部材を有している。
【0028】
上記構成によれば、弾性部材を弁体の外面に弾性的に密着させることができ、冷媒の漏洩を抑制することができる。
【0029】
(12)本開示の冷凍サイクル装置は、前記(1)~(11)のいずれか1つに記載の流路切換弁を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本開示の第1の実施形態に係る流路切換弁を含む冷凍サイクル装置の冷媒回路を示す模式図である。
図2】流路切換弁の斜視図である。
図3】流路切換弁の断面図である。
図4】流路切換弁の分解斜視図である。
図5】弁体の斜視図である。
図6】冷媒流路の切り換えを説明する図である。
図7】冷媒流路の切り換えを説明する図である。
図8】流路切換弁内における冷媒の流れを説明する模式的な断面図である。
図9】第1パッキンの断面図である。
図10】本開示の第2の実施形態における、冷媒流路の切り換えを説明する図である。
図11】本開示の第2の実施形態における、冷媒流路の切り換えを説明する図である。
図12】本開示の第3の実施形態に係る流路切換弁の弁体の斜視図である。
図13】本開示の第4の実施形態に係る流路切換弁を含む冷凍サイクル装置の冷媒回路を示す模式図である。
図14】流路切換弁の斜視図である。
図15】本開示の第5の実施形態に係る流路切換弁の弁体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照しつつ、本開示の実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本開示の第1の実施形態に係る流路切換弁を含む冷凍サイクル装置の冷媒回路を示す模式図である。
冷凍サイクル装置10は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行う冷媒回路30を備えている。本実施形態の冷凍サイクル装置10は、空気調和機である。この空気調和機10は、図1に示すように、室外ユニット(熱源ユニット)11と、室内ユニット(利用ユニット)12とを有する。室外ユニット11と室内ユニット12とは、それぞれ連絡管13,14によって接続されている。室外ユニット11、室内ユニット12、連絡管13,14によって冷媒回路30が形成される。なお、冷凍サイクル装置10は、空気調和機に限定されず、冷蔵庫、冷凍庫、給湯器等であってもよい。
【0032】
(冷媒回路の構成)
図1に示すように、室外ユニット11には、冷媒回路30を構成する圧縮機15、室外熱交換器(熱源熱交換器;第2熱交換器)16、膨張弁17、及び四路切換弁(流路切換弁)18が設けられている。室外ユニット11には、室外ファン19も設けられている。室内ユニット12には、冷媒回路30を構成する室内熱交換器(利用熱交換器;第1熱交換器)21が設けられている。室内ユニット12には、室内ファン22も設けられている。
【0033】
圧縮機15は、例えばスクロール方式やロータリ方式などの容積式の圧縮機であり、圧縮機用モータを内蔵している。圧縮機15は、吸入配管52から吸入した低圧冷媒を圧縮した後、吐出配管51から吐出する。室外ユニット11において、圧縮機15の吐出側は、吐出配管51を介して四路切換弁18の第1ポート(第1の開口)P1に接続されている。圧縮機15の吸入側は、吸入配管52を介して四路切換弁18の第4ポートP4に接続されている。
【0034】
室外熱交換器16は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器、又は、マイクロチャネル型熱交換器等により構成される。室外熱交換器16のガス側端は、冷媒配管53を介して四路切換弁18の第3ポートP3に接続されている。室外熱交換器16の液側端は、冷媒配管54を介して膨張弁17の一端に接続されている。
【0035】
膨張弁17は、例えば、開度を調整可能な電動弁である。膨張弁17の他端は、冷媒配管55を介して液側閉鎖弁23に接続されている。
【0036】
室内熱交換器21は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器又はマイクロチャネル型熱交換器等により構成される。室内熱交換器21の液側端は、液側連絡管14を介して液側閉鎖弁23に接続されている。室内熱交換器21のガス側端は、ガス側連絡管13を介してガス側閉鎖弁24に接続されている。ガス側閉鎖弁24は、冷媒配管56を介して四路切換弁18の第2ポートP2に接続されている。
【0037】
四路切換弁18は、第1ポートP1と第3ポートP3とが互いに連通し且つ第2ポートP2と第4ポートP4とが互いに連通する第1の態様(図1に実線で示す態様)と、第1ポートP1と第2ポートP2とが互いに連通し且つ第3ポートP3と第4ポートP4とが互いに連通する第2の態様(図1に点線で示す態様)とに流路を切り換える。第1の態様では、圧縮機15から吐出された冷媒は室外熱交換器16へ流れ、第2の態様では、圧縮機15から吐出された冷媒は室内熱交換器21へ流れる。
【0038】
室外ファン19は、室外熱交換器16の近傍に配置されている。室外ファン19は、モータによって回転駆動し、室外熱交換器16に送風する。室外熱交換器16内を流れる冷媒は、室外ファン19によって送られた室外空気と熱交換し、蒸発又は凝縮する。
【0039】
室内ファン22は、室内熱交換器21の近傍に配置されている。室内ファン22は、モータによって回転駆動し、室内熱交換器21に送風する。室内熱交換器21内を流れる冷媒は、室内ファン22によって送られた室外空気と熱交換し、凝縮又は蒸発する。
【0040】
空気調和機10は、冷房運転を行うときに、四路切換弁18を第1の態様に切り換え、暖房運転を行うときに、四路切換弁18を第2の態様に切り換える。冷房運転では、圧縮機15から吐出されたガス冷媒が、四路切換弁18を経て凝縮器として機能する室外熱交換器16に流し、凝縮されて液冷媒となる。この液冷媒は、膨張弁17において減圧されて気液二相冷媒となり、蒸発器として機能する室内熱交換器21に流入する。気液二相冷媒は、室内ファン22によって送られた空気と熱交換して蒸発し、ガス冷媒となる。熱交換によって冷却された空気は室内に供給される。室内熱交換器21から流出したガス冷媒は、四路切換弁18を経て圧縮機15に吸入される。
【0041】
暖房運転では、圧縮機15から吐出されたガス冷媒が、四路切換弁18を経て凝縮器として機能する室内熱交換器21に流入する。ガス冷媒は、室内ファン22によって送られた空気と熱交換して凝縮し、液冷媒となる。熱交換によって加熱された空気は室内に供給される。室内熱交換器21から流出した液冷媒は、膨張弁17において減圧されて気液二相冷媒となり、蒸発器として機能する室外熱交換器16に流入する。気液二相冷媒は、室外熱交換器16で蒸発し、ガス冷媒となる。ガス冷媒は、四路切換弁18を経て圧縮機15に吸入される。
【0042】
(流路切換弁の構成)
図2は、流路切換弁の斜視図である。図3は、流路切換弁の断面図である。図4は、流路切換弁の分解斜視図である。
流路切換弁である四路切換弁18は、ケーシング31を有する。
ケーシング31は、四路切換弁18の外郭を構成し、内部にパッキン35,36、Oリング34、及び弁体60を収容する。
【0043】
ケーシング31は、略円柱形状に形成され、内部に中空部を有している。ケーシング31は、アルミニウムを主成分とする材料、例えば、アルミニウム合金又は純アルミニウムで形成されている。ケーシング31は、鋳造によって形成されている。具体的に、ケーシング31は、アルミダイカストにより形成されている。ケーシング31の材質は、上記に限定されるものではなく、ステンレス鋼、鉄、銅等の他の材質であってもよい。
【0044】
ケーシング31は、ケーシング本体32と、蓋体33とを有する。ケーシング本体32は、円筒部32aと、円板部32bとを有する。円筒部32aと円板部32bとは一体に形成されている。円筒部32aは、円筒形状に形成されている。円板部32bは、円板形状に形成され、円筒部32aの中心軸線C1方向の一端を塞いでいる。円板部32bには、4つの貫通孔31a~31dが形成されている。この4つの貫通孔31a~31dは、それぞれ第1ポート(第1の開口)P1、第2ポート(第2の開口)P2、第3ポート(第3の開口)P3、及び第4ポート(第4の開口)P4の一部を構成している。この4つの貫通孔31a~31dは、四角形状に配置されている。
【0045】
なお、本実施形態における四路切換弁18の説明では、ケーシング31(ケーシング本体32)の中心軸線C1が上下方向に向いているものとする。また、ケーシング31において、ケーシング本体32の円板部32bが上端に位置しているものとする。
【0046】
図3及び図4に示すように、ケーシング31の蓋体33は、ケーシング本体32の円筒部32aの他端(下端)の開口部を塞ぐ。蓋体33の内面(上面)の中央部には、円環状の突出部33aが形成されている。この突出部33aの外周面には、雄ねじ溝33bが形成されている。一方、ケーシング本体32における円筒部32aの下端の内周面には雌ねじ溝32cが形成されている。蓋体33の雄ねじ溝33bは、ケーシング本体32の雌ねじ溝32cにねじ込まれている。これによりケーシング本体32と蓋体33とがねじ結合されている。
【0047】
四路切換弁18は、パッキン35,36を有する。パッキンは、第1パッキン35と、第2パッキン36とを含む。第1パッキン35と第2パッキン36とは、弁体60を間に挟んで配置され、それぞれ弁体60の外面に接触している。
【0048】
第1パッキン35は、弁体60の上側に配置され、第2パッキン36は、弁体60の下側に配置されている。第1、第2パッキン35,36は、ケーシング31よりも小さい弾性係数を有する材料により形成されている。第1、第2パッキン36は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の合成樹脂によって形成された弾性部材である。第1、第2パッキン35,36は、ケーシング31内で弁体60を支持する機能を有している。
【0049】
図4に示すように、第1パッキン35は、外周枠37と、中央枠38とを有する。外周枠37は、円筒状に形成されている。中央枠38は、X字状に形成され、各端部が外周枠37の内周面に接続されている。中央枠38は、外周枠37の内側を4つの空間35a~35bに区画している。4つの空間35a~35dは、それぞれケーシング本体32の円板部32bに形成された4つの貫通孔31a~31dに連通している。4つの空間35a~35dは、それぞれ4つの貫通孔31a~31dとともに、第1ポートP1、第2ポートP2、第3ポートP3、及び第4ポートP4を構成している。これらの第1ポートP1、第2ポートP2、第3ポートP3、及び第4ポートP4は、弁体60の上方への投影面積内に配置されている。第1パッキン35は、ケーシング31よりも小さい弾性係数を有することによって弁体60に弾性的に接触し、空間35a~35dを通る冷媒が弁体60と第1パッキン35との隙間から漏れるのを抑制している。
【0050】
第1パッキン35の一方の端面(下面)は、弁体60の外面に接触する接触面を有する。接触面は、球面状に形成されている。第1パッキン35の接触面の曲率半径は、弁体60の外径と実質的に同一である。第1パッキン35の他方の端面(上面)は平坦に形成され、ケーシング本体32の円板部32bの下面に接触している。
【0051】
図9は、第1パッキンの断面図である。
第1パッキン35の中央枠38は、その下部側(弁体60側)の幅W1が、上部側(円板部32b側)の幅W2よりも小さく形成されている。具体的に、中央枠38の下部側における幅方向の両側面38aは、下方へ向けて先細り状となる傾斜面に形成されており、これによって中央枠38の下部側の幅W1が小さく形成されている。そのため、弁体60の外面に接触する接触面(下面)35eの面積を小さくすることができ、弁体60を回転させるための負荷トルクを低減することができる。そのため、後述する駆動部64として出力の小さいものを採用することができる。
【0052】
図3及び図4に示すように、第2パッキン36は、略円板状に形成されている。第2パッキン36の一方の端面(上面)は、弁体60の外面に接触する接触面を有する。接触面は、球面状に形成されている。第2パッキン36の接触面の曲率半径は、弁体60の外径と実質的に同一である。第2パッキン36の他方の端面(下面)は平坦に形成され、蓋体33の上側に配置されている。第2パッキン36の中央には、貫通孔36aが形成されている。第2パッキン36に接触する弁体60は、一部が貫通孔36aから突出している。
【0053】
図5は、弁体の斜視図である。
四路切換弁18は、弁体60を有する。弁体60は、球形状に形成されている。弁体60は、所定の回転軸心C2回りに回転する。回転軸心C2は、弁体60の中心を通り、ケーシング31の中心軸線C1に直交する。
【0054】
弁体60の外面には、冷媒流路の切り換えに用いられる複数の凹部61,62が形成されている。各凹部61,62は、それぞれ弁体60の外面を凹ませた形状であり、自身も冷媒の流路となる。複数の凹部61,62は、第1凹部61と第2凹部62とを含む。第1凹部61は、図1に示す第1ポートP1を第2ポートP2又は第3ポートP3に接続するものである。第2凹部62は、第4ポートP4を第2ポートP2又は第3ポートP3に接続するものである。
【0055】
本実施形態では、2つの第1凹部61A,61Bと、2つの第2凹部62A,62Bとの合計4つの凹部が弁体60に形成されている。4つの凹部61A,61B,62A,62Bは、いずれも略長円形状に形成されている。一方の第1凹部61Aと一方の第2凹部62Aとは、互いに略平行に配置されている。一方の第1凹部61Aと一方の第2凹部62Aとは、回転軸心C2と略平行な方向に延びている。
【0056】
他方の第1凹部61Bと他方の第2凹部62Bとは、互いに略平行に配置されている。他方の第1凹部61Bと他方の第2凹部62Bとは、回転軸心C2と直交する軸線と略平行な方向に延びている。したがって、一方の第1凹部61A及び一方の第2凹部62Aと、他方の第1凹部61B及び他方の第2凹部62Bとは、回転軸心C2回りに90°位相をずらした位置に配置されている。第1、第2凹部61,62による冷媒流路の切り換えの詳細については後述する。
【0057】
図2に示すように、四路切換弁18は、駆動部64と、減速部65と、出力軸66とを有する。駆動部64は、弁体60を回転させるための回転動力を生成する。本実施形態の駆動部64は、電動モータよりなる。駆動部64は、減速部65に出力する。
【0058】
減速部65は、駆動部64の出力を減速する。減速部65は、駆動部64で生成された回転動力を減速するギヤを含む。
出力軸66は、駆動部64により生成され減速部65によって減速された回転動力を出力し、弁体60に伝達する。出力軸66は、弁体60の回転軸心C2上に配置されている。出力軸66の端部は弁体60に連結されている。
【0059】
駆動部64、減速部65、及び出力軸66は、弁体60を駆動する駆動装置を構成している。減速部65は、駆動部64の出力を減速して弁体60に伝達することによって弁体60への出力トルクを増大する。そのため、駆動部64の出力を小さくすることができ、駆動部64を小型化することができる。
【0060】
図3及び図4に示すように、弁体60の外面には、嵌合穴60aが形成されている。この嵌合穴には出力軸66の一端部が嵌合されている。出力軸66は、キー結合等によって弁体60に一体回転可能に連結される。
【0061】
四路切換弁18は、Oリング34を有する。Oリング34は、蓋体33の上面に形成された突出部33aの内周に配置され、位置決めされている。Oリング34は、ケーシング31の蓋体33と第2パッキン36との間に配置されている。Oリング34は、蓋体33と第2パッキン36とによって挟まれ、圧縮されている。Oリング34は、圧縮されることによって第2パッキン36に付勢力を付与する付勢部材として機能している。そのため、例えば、弁体60との接触によって第1、第2パッキン36が摩耗した場合であっても接触圧の低下を抑制することができる。付勢部材としては、Oリング34に代えて板バネやコイルバネを等のばねを用いてもよい。
【0062】
ケーシング31の蓋体33の雄ねじ溝33bをケーシング本体32の雌ねじ溝32cにねじ込むと、第1パッキン35及び第2パッキン36と弁体60とが互いに押し付けられて密着する。ケーシング本体32に対する蓋体33の締め付けトルクを調整することで、弁体60の第1パッキン35への押し付け力を調整することができる。本実施形態においては、ケーシング本体32と第1、第2パッキン35、36とは、弁体60を収容する収容体25を構成し、蓋体33は、弁体60を第1パッキン35に向けて押圧する押圧体を構成している。押圧体(蓋体33)は、収容体25の内面(第1パッキン35の接触面)への弁体60の外面の押し付け力を調整する調整部を構成している。
【0063】
ケーシング本体32に対する蓋体33の締め付けトルク(締め付け量)は、第1パッキン35と弁体60との間の冷媒の漏れ量、第1パッキン35と弁体60との接触面積、第1パッキン35の表面粗さ、第1パッキン35の弾性係数の少なくとも1つを考慮して適切に設定される。第1パッキン35と弁体60との間の冷媒の漏れ量は、空気調和機の能力等の仕様に応じて許容量が決められる。そのため、漏れ量が適切となるようにケーシング本体32に対する蓋体33の締め付けトルクが設定される。第1パッキン35と弁体60との接触面積、第1パッキン35の表面粗さ及び弾性係数は、弁体60を回転させるために必要な負荷トルクに影響を与える。そのため、本実施形態では、駆動装置の性能(駆動部64の出力、減速部65の減速比等)に応じて、当該接触面積、当該表面粗さ、及び当該弾性係数の少なくとも1つを考慮して締め付けトルクが設定される。
【0064】
(弁体60による流路の切換について)
図6及び図7は、冷媒流路の切り換えを説明する図である。図8は、流路切換弁内における冷媒の流れを説明する模式的な断面図である。
図6及び図7は、図3のA-A線から第1パッキン35を見た状態を示している。図8は、第1ポートP1から流入した冷媒が第2ポートP2から流出する状態を例示している。
【0065】
弁体60は、回転軸心C2回りに90度回転することによって第1の姿勢(図6参照)と第2の姿勢(図7参照)とに切り換えられる。
図6に示す第1の姿勢では、弁体60の第1凹部61Aによって第1ポート(第1の開口)P1と第2ポートP2とが接続され、第2凹部62Aによって第4ポート(第4の開口)P4と第3ポートP3とが接続されている。したがって、図1に示すように、圧縮機15から吐出された冷媒が第1ポートP1から四路切換弁18の内部に流入し、第2ポートP2から四路切換弁18の外部に流出して室内熱交換器21に送られることになる。また、室外熱交換器16から流出した冷媒が第3ポートP3から四路切換弁18の内部に流入し、第4ポートP4から四路切換弁18の外部に流出して圧縮機15に吸入されることになる。これにより、空気調和機10は、暖房運転を実行することが可能となる。
【0066】
図7に示す第2の姿勢では、弁体60の第1凹部61Bによって第1ポート(第1の開口)P1と第3ポートP3とが接続され、第2凹部62Bによって第4ポート(第4の開口)P4と第2ポートP2とが接続されている。したがって、図1に示すように、圧縮機15から吐出された冷媒が第1ポートP1から四路切換弁18の内部に流入し、第3ポートP3から四路切換弁18の外部に流出して室外熱交換器16に送られることになる。また、室内熱交換器21から流出した冷媒が第2ポートP2から四路切換弁18の内部に流入し、第4ポートP4から四路切換弁18の外部に流出して圧縮機15に吸入されることになる。これにより、空気調和機10は、冷房運転を実行することが可能となる。
【0067】
図8に示すように、圧縮機15から吐出された冷媒が第1ポートP1から四路切換弁18内に流入すると、冷媒の高い圧力が弁体60の第1凹部61の1か所に付与されることになり、弁体60の回転が困難になる可能性がある。そのため、本実施形態では、第1ポートP1から流入した冷媒を弁体60の外面とケーシング31の内面との間に漏洩させることで、図8に矢印aで示すように冷媒の圧力を弁体60に分散して付与し、弁体60を回転させるための負荷トルクを低減することができる。具体的に、第1パッキン35には、第1ポートP1(空間35a)の周囲における弁体60との接触面に、第1ポートP1の内側と外側とを連通する溝35eが形成され、この溝35eによって第1ポートP1に流入した冷媒を弁体60とケーシング31との間に漏洩させている。したがって、この溝35eは、弁体60とケーシング31(収容体25)との間に冷媒を漏洩させる漏洩部を構成している。
【0068】
(四路切換弁の組立方法)
本実施形態の四路切換弁18は、次のようにして組み立てられる。
まず、図4に示すように、ケーシング本体32の下端開口部から内部へ、第1パッキン35、弁体60、第2パッキン36をそれぞれ挿入する。次いで、Oリング34を取り付けた蓋体33をケーシング本体32にねじ結合する。次いで、ケーシング本体32の円筒部32aに形成された挿入孔32dから出力軸66を挿入し、弁体60の嵌合穴60aに嵌合させる。その後、図2に示すように出力軸66に減速部65及び駆動部64を連結する。以上のように四路切換弁18を組み立てることで、ケーシング31内のパッキン35,36及び弁体60をケーシング本体32の1つの開口部から容易に組み付けることができる。
【0069】
[第2の実施形態]
図10及び図11は、本開示の第2の実施形態における、冷媒流路の切り換えを説明する図である。
本実施形態では、第1パッキン35に形成される漏洩部の構成が第1の実施形態とは異なっている。本実施形態の第1パッキン35には、ケーシング本体32に形成された4個の貫通孔31a~31dと略同様の4個の貫通孔形状の空間35a~35dが形成され、これらの貫通孔31a~31d及び空間35a~35dによって第1~第4ポートP1~P4が構成されている。このうち、第1ポートP1(貫通孔31a、空間35a)は、第1パッキン35の径方向外側にずれた位置に形成されている。そのため、第1ポートP1は、弁体60に形成された第1凹部61A、61Bと重複する範囲がより小さくなり、逆に弁体60の外面に重複する範囲R(図10図11にハッチングを付して示す)が大きくなっている。このような構成によって、第1ポートP1から流入した冷媒は、第1ポートP1と弁体60の外面との重複範囲Rから漏洩しやすくなり、冷媒の圧力を弁体60に分散して付与することができる。したがって、当該重複範囲Rは、ケーシング31と弁体60との間に冷媒を漏洩させる漏洩部を構成している。
【0070】
[第3の実施形態]
図12は、本開示の第3の実施形態に係る流路切換弁の弁体の斜視図である。
本実施形態の弁体60は、回転軸心C2の方向が第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態では、弁体60の回転軸心C2が、ケーシング31の中心軸線C1と直交する方向に向けられていたが、本実施形態では、ケーシング31の中心軸線C1と同心状に配置されている。弁体60の下端には、出力軸66が接続されている。
【0071】
弁体60には、1つの第1凹部61と1つの第2凹部62とが形成されている。第1凹部61と第2凹部62とは略長円形状に形成されている。第1凹部61と第2凹部62とは、回転軸心C2に直交する方向に長く形成され、互いに平行に配置されている。
【0072】
本実施形態において、弁体60は、回転軸心C2回りに90度回転することによって、第1の姿勢と第2の姿勢とに切り換えられる。第1の姿勢では、弁体60の第1、第2凹部61,62が図6に示す状態となり、第2の姿勢では、第1、第2凹部61,62が図7に示す状態となる。したがって、1つの第1凹部61と1つの第2凹部62とによって冷媒の流路を切り換えることができる。そのため、弁体60の加工を少なくすることができ、四路切換弁18の製造をより容易に行うことができる。
【0073】
[第4の実施形態]
図13は、本開示の第4の実施形態に係る流路切換弁を含む冷凍サイクル装置の冷媒回路を示す模式図である。図14は、流路切換弁の斜視図である。
本実施形態では、四路切換弁18が、冷媒配管の一部を一体に備えている。ここで、「一体に備える」とは、複数の要素が同じ材料で分割面のない連続した形態で結合されていることをいう。したがって、複数の要素がねじ等で機械的に結合されたり、ろう付け等のように母材の溶融なく結合されたりする形態は除かれる。
【0074】
図14に示すように、ケーシング本体32の円板部32bには、第1配管部41、第2配管部42、第3配管部43、及び第4配管部44がそれぞれ一体に形成されている。
第1配管部41は、直線状の管軸心C11を有している。第1配管部41の管軸心C11は、ケーシング31の中心軸線C1と平行に配置されている。第1配管部41の一端は、四路切換弁18の第1ポートP1に接続されている。第1配管部41の他端は、圧縮機15から吐出された冷媒が流れる吐出配管71が接続される。第1配管部41は、管軸心C11方向の途中にマフラー47を有する。マフラー47は、圧縮機15から吐出される冷媒の圧力脈動による騒音を抑制するものである。
【0075】
第2配管部42は、約90°に屈曲する管軸心C12を有している。第2配管部42の一端は、四路切換弁18の第2ポートP2に接続されている。第2配管部42の他端は、ガス側閉鎖弁24に繋がる冷媒配管76に接続されている。第2配管部42は、第2ポートP2に接続された部分が上下方向に沿って配置され、冷媒配管76に接続された部分が水平方向に沿って配置されている。
【0076】
第3配管部43は、直線状の管軸心C13を有している。第3配管部43の管軸心C13と、第1,第2配管部41,42の管軸心C11,C12とは互いに平行に配置されている。第3配管部43の一端は、四路切換弁18の第3ポートP3に接続されている。第3配管部43の他端は、室外熱交換器16のガス側端に繋がる冷媒配管73に接続されている。本実施形態では、第3配管部43の管軸心方向の長さは、第1配管部41の管軸心方向の長さよりも短い。
【0077】
第4配管部44は、直線状の管軸心C14を有している。第4配管部44の管軸心C14と、第1配管部41及び第3配管部43の管軸心C11、C13とは互いに平行に配置されている。第4配管部44の一端は、四路切換弁18の第4ポートP4に接続されている。第4配管部44の他端は、圧縮機15に吸入される冷媒が流れる吸入配管72が接続されている。第4配管部44の管軸方向の長さは、第3配管部43の管軸心方向の長さと略同一である。
【0078】
第4配管部44は、管軸心方向の途中に、直交方向に分岐する分岐部44aを有している。この分岐部44aは、四路切換弁18の第4ポートP4以外から圧縮機15に吸入される冷媒を合流させるために用いられる。この分岐部44aは、不使用の場合には蓋等によって閉鎖される。
【0079】
第1配管部41と第4配管部44とは連結部48によって連結されている。連結部48は、板状に形成されている。連結部48は、第4配管部44の管軸心方向の長さ全体に渡って設けられている。図示はしていないが、第1配管部41と第2配管部42及び第3配管部43の少なくとも一方とが板状の連結部によって連結されていてもよく、第4配管部44と第2配管部42及び第3配管部43の少なくとも一方とが板状の連結部によって連結されていてもよい。
【0080】
第5配管部45は、直線状の管軸心C15を有する。第5配管部45の管軸心C15と、第1、第3、及び第4配管部41、43、44の管軸心C11、C13、C14とは互いに平行に配置されている。第5配管部45は、管軸心方向の端部又は中間部が四路切換弁18のケーシング31に連結されている。第5配管部45の一端には膨張弁17の一端が直接接続されている。この膨張弁17の他端は、室外熱交換器16の液側端に繋がる冷媒配管74に接続されている。第5配管部45の他端は、液側閉鎖弁23に繋がる冷媒配管75に接続されている。したがって、第5配管部45は、四路切換弁18のポートには接続されていない。
【0081】
本実施形態の四路切換弁18には、図12で例示した弁体60が採用されている。この弁体60の下部に連結された出力軸66は、ケーシング31の蓋体33から下方に突出している。出力軸66には減速部65が接続され、減速部65には駆動部64が接続されている。
【0082】
本実施形態では、四路切換弁18のケーシング本体32と複数の配管部41~45とが一体に形成されているので、全体の曲げ剛性が高められており、圧縮機15からの振動に伴う変形が抑制される。
【0083】
本実施形態では、複数の配管部41~45が一体に形成され、これらが1個所に集約して配置される。そのため、四路切換弁18に接続される冷媒配管71~76や弁17等をコンパクトに配置することができ、室外ユニット11内の限られたスペースに効率よく配管することができる。
【0084】
また、本実施形態の四路切換弁18では、第1~第4配管部41~44がケーシング31から同じ方向、具体的には上方に延びている。そのため、第1~第4配管部41~44に対する冷媒配管71~73,76の接続を同側(上側)から容易に行うことができる。また、ケーシング31の上面に集中して第1~第4配管部41~44が設けられているので、ケーシング31の下面には冷媒配管71~73,76を接続する必要がなくなる。そのため、四路切換弁18を可及的に低い位置に配置することも可能となり、室外ユニット11内における四路切換弁18の設置の自由度を高めることができる。
【0085】
本実施形態では、弁体60を回転駆動する駆動部64が第1~第4配管部41~44とは反対側であるケーシング31の下側に配置されている。そのため、第1~第4配管部41~44への冷媒配管71~73,76の接続の際に駆動部64が邪魔になるのを抑制することができる。また、第1~第4配管部41~44がケーシング31の上下方向の一方側(上側)に配置され、駆動部64がケーシング31の上下方向の他方側(下側)に配置されることによって、四路切換弁18の水平方向の設置スペースを小さくすることができる。
【0086】
本実施形態の四路切換弁18では、第1配管部41と第4配管部44とが連結部48を介して一体に形成されている。そのため、第1配管部41と第4配管部44とは、互いに分離している場合よりも、管軸心C11,C14に直交する断面における横断面積及び断面二次モーメントが増大する。これにより、第1、第4配管部41,44は、曲げ剛性が高くなり、変形し難い構造となる。
【0087】
圧縮機15を有する室外ユニット11においては、圧縮機15からどの程度の大きさの振動がどのように伝達されるかなど、振動の形態(振動モード)を解析し、当該振動の伝達が抑制されるように圧縮機15に繋がる配管の長さや経路の設計が行われる。本実施形態では、第1配管部41と第4配管部44と連結部48とが一体に形成されることによって曲げ剛性が高められているので、圧縮機15の振動に伴う変形が抑制される。そのため、四路切換弁18に接続される圧縮機15からの冷媒配管71,72の相対的な位置の変化も抑制される。これにより、振動の解析が容易となり、振動抑制のための設計も容易となる。
【0088】
[第5の実施形態]
図15は、本開示の第5の実施形態に係る流路切換弁の弁体の斜視図である。
本実施形態の弁体60は、球形状ではなく、円柱形状に形成されている。弁体60は、円柱形状の中心を回転軸心C2として回転する。弁体60の回転軸心C2方向の一端には出力軸66が連結されている。弁体60の外周面には、第1の実施形態と同様に、2つの第1凹部61A,61Bと、2つの第2凹部62A,62Bとが形成されている。本実施形態の弁体60は、回転軸心C2まわりに90°回転することによって流路を切り換える。
【0089】
[その他の実施形態]
図5及び図15に示す弁体60は、第1凹部61A及び第2凹部62Aと、第1凹部61B及び第2凹部62Bとが回転軸心C2回りに90°位相をずらして配置されているが、例えば90°以上~180°以下の範囲で位相をずらして配置されていてもよい。
【0090】
上記実施形態では、ケーシング31のケーシング本体32及びパッキン35,36が収容体25を構成し、ケーシング31の蓋体33が、押圧体(調整部26)を構成していたが、ケーシング本体32、パッキン35,36、及び蓋体33により収容体25を構成し、蓋体33にねじ結合されるボルト等の押圧体を別途備えていてもよい。
【0091】
上記実施形態では、ケーシング31の中心軸線C1が上下方向を向くように配置されているが、上下方向以外の他の方向、例えば、水平方向や、上下方向及び水平方向に対して傾斜する方向に向くように中心軸線C1が配置されていてもよい。また、中心軸線C1が上下方向に向くように配置されている場合、第1~第4ポートP1~P4は、下方に向いていてもよい。この場合、第4の実施形態(図14参照)で説明した四路切換弁18は、ケーシング31から下方に第1~第4配管部41~44が延びることになる。
【0092】
上記実施形態では、流路切換弁18のケーシング31が円柱状に形成されているが、立方体又は直方体形状に形成されていてもよい。この場合、ケーシング31の内部空間は、上記実施形態と同様に円筒状に形成されていてもよいし、角筒状に形成されていてもよい。
【0093】
上記実施形態の流路切換弁は、四路切換弁であったが、本開示の流路切換弁は三路切換弁であってもよい。この場合、例えば、上記実施形態の第4ポートと第2凹部とを省略することができる。また、流路切換弁は、弁体の外面のうち凹部が形成されていない部分で第1~第4ポートP1~P4を塞ぐことによって冷媒流路を閉鎖することもできる。
【0094】
[実施形態の作用効果]
(1)本開示の流路切換弁18は、内部に中空部を有する収容体25と、前記中空部に回転自在に収容され、かつ、回転操作されることによって第1の姿勢と第2の姿勢とに切り換えられる弁体60と、を備え、前記中空部と前記収容体25の外部とを連通する第1の開口P1、第2の開口P2、及び第3の開口P3が前記収容体25に形成され、前記第1の姿勢において前記第1の開口P1と前記第2の開口P2とを接続し、前記第2の姿勢において前記第1の開口P1と前記第3の開口P3とを接続する第1凹部61,61A,61Bが前記弁体60の外面に形成されている。
【0095】
上記構成によれば、流路切換弁18の弁体60には、流路として、貫通する孔ではなく、外面を凹ませた凹部61,61A,61Bが形成されるだけであるので、冷媒の流路を簡素化し、弁体60の加工を容易に行うことができる。
【0096】
(2)前記(1)の流路切換弁において、前記第1の開口P1が、冷媒回路30の圧縮機15から吐出された冷媒を前記収容体25に流入させるものであり、前記第1の開口P1から流入する冷媒を前記収容体25の内面と前記弁体60の外面との間に漏洩させる漏洩部35e,Rが前記収容体25に形成されている。
【0097】
上記構成によれば、漏洩部から漏洩させた冷媒の圧力を弁体60の全体に分散して付与することができる。そのため、冷媒の圧力が弁体60の特定箇所に集中して付与される場合に比べて、弁体を回転させるための負荷トルクを低減することができる。
【0098】
(3)前記(1)又は(2)の流路切換弁において、前記第1~第3の開口P3の周囲における前記収容体25の内面への前記弁体60の外面の押し付け力を調整する調整部26をさらに備えている。
【0099】
上記構成によれば、弁体60を回転させるための負荷トルクを適切に調整することができる。
【0100】
(4)前記(3)の流路切換弁において、前記調整部26が、前記収容体25にねじ結合されることによって前記弁体60を前記収容体25の前記内面に向けて押圧する押圧体33を有する。
【0101】
上記構成によれば、押圧体33を収容体25にねじ込むことで容易に収容体25の内面への弁体60の押し付け力を調整することができる。
【0102】
(5)前記(1)~(4)のいずれか1つに記載の流路切換弁において、前記中空部と前記収容体25の外部とを連通する第4の開口P4が前記収容体25に形成され、前記第1の姿勢において前記第3の開口P3と前記第4の開口P4とを接続し、前記第2の姿勢において前記第2の開口P2と前記第4の開口P4とを接続する第2凹部62,62A,62Bが前記弁体60の外面に形成されている。
【0103】
上記構成によれば、第1~第4の開口P1~P4が形成された流路切換弁18においても、冷媒の流路を簡素化し、弁体60の加工を容易に行うことができる。
【0104】
(6)前記(5)の流路切換弁において、前記第1~第4の開口P1,P2,P3,P4が、前記弁体60の一方向への投影面積内に配置されている。
【0105】
上記構成によれば、第1~第4の開口P1~P4が小さい面積内に集約して配置されるので、これらを接続する第1、第2凹部61,62を小さくすることができ、弁体60の加工をより容易に行うことができる。
【0106】
(7)前記(5)又は(6)の流路切換弁において、前記第1の姿勢において前記第1の開口P1と前記第2の開口P2とを連通する前記第1凹部61Aと、前記第2の姿勢において前記第1の開口P1と前記第3の開口P3とを連通する前記第1凹部61Bとが個別に前記弁体60に形成され、前記第1の姿勢において前記第3の開口P3と前記第4の開口P4とを連通する前記第2凹部62Aと、前記第2の姿勢において前記第2の開口P2と前記第4の開口P4とを連通する前記第2凹部62Bとが個別に前記弁体60に形成されている。
【0107】
この構成によれば、2つの第1凹部61A、61Bと、2つの第2凹部62A,62Bとを用いて、4つの開口P1~P4を切り換えて接続することができる。
【0108】
(8)前記(7)の流路切換弁において、前記第1の姿勢で前記第1の開口P1と前記第2の開口P2とを連通する一方の前記第1凹部61Aと、前記第3の開口P3と前記第4の開口P4とを連通する一方の前記第2凹部62Aとが、互いに平行な方向に長く形成され、前記第2の姿勢で前記第1の開口P1と前記第3の開口P3とを連通する他方の前記第1凹部61Bと、前記第2の開口P2と前記第4の開口P4とを連通する他方の前記第2凹部62Bとが、互いに平行でかつ一方の前記第1凹部61A及び一方の前記第2凹部62Aと直交する方向に長く形成されている。
【0109】
この構成によれば、2つの第1凹部61A、61Bと、2つの第2凹部62A,62Bとを弁体60の表面積における小さい範囲で形成することができ、流路を切り換えるための弁体の回転角度を小さくすることができる。
【0110】
(9)前記(5)~(8)のいずれか1つに記載の流路切換弁は、冷媒回路30の圧縮機15から吐出された冷媒が流れる吐出配管71に一端が接続され、他端が前記第1の開口P1に連通する第1配管部41と、前記冷媒回路30の第1熱交換器(室内熱交換器)21へ冷媒を流す冷媒配管76に一端が接続され、他端が前記第2の開口P2に連通する第2配管部42と、前記冷媒回路30の第2熱交換器(室外熱交換器)16へ冷媒を流す冷媒配管73に一端が接続され、他端が前記第3の開口P3に連通する第3配管部43と、
前記圧縮機15に吸入される冷媒が流れる吸入配管72に一端が接続され、他端が前記第4の開口P4に連通する第4配管部44と、を備え、前記第1~第4配管部41,42,43,44が、前記収容体25と一体に形成されている。
【0111】
上記構成によれば、流路切換弁18の収容体25に第1~第4配管部41~44を一体に形成することによって、配管部41~44への冷媒配管71~73,76の接続作業を容易にし、冷媒回路30の組立作業性を向上させることができる。
【0112】
(10)前記(1)~(9)のいずれか1つに記載の流路切換弁は、好ましくは、前記弁体60を回転させるための回転動力を生成する駆動部64と、前記駆動部64の回転動力を減速する減速部65と、をさらに備える。
【0113】
上記構成によれば、減速部65によって弁体60への出力トルクを増大することができる。そのため、例えば、高圧冷媒の漏洩を抑制するために収容体25の内面に弁体60が強く押し付けられる場合でも、弁体60を回転させることができる。減速部65によって弁体60への出力トルクを増大することができるので、その分、駆動部64の出力を小さくし駆動部64を小型化することもできる。
【0114】
(11)前記(1)~(10)のいずれか1つに記載の流路切換弁18において、好ましくは、前記収容体25が、前記開口P1,P2,P3,P4が形成されかつ前記弁体60の外面に接触する弾性部材(第1パッキン)35を有している。
【0115】
上記構成によれば、弾性部材35を弁体60の外面に弾性的に密着させることができ、冷媒の漏洩を抑制することができる。
【0116】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0117】
15 :圧縮機
16 :室外熱交換器(第2熱交換器)
18 :四路切換弁(流路切換弁)
21 :室内熱交換器(第1熱交換器)
25 :収容体
26 :調整部
30 :冷媒回路
33 :蓋体(押圧体)
35 :第1パッキン(弾性部材)
35e :溝(漏洩部)
41 :第1配管部
42 :第2配管部
43 :第3配管部
44 :第4配管部
P1 :第1ポート(第1の開口)
P2 :第2ポート(第2の開口)
P3 :第3ポート(第3の開口)
P4 :第4ポート(第4の開口)
【要約】
【課題】弁体における冷媒の流路の構造を簡素化し、加工を容易にすることができる流路切換弁を提供する。
【解決手段】流路切換弁18は、内部に中空部を有する収容体25と、中空部に回転自在に収容され、かつ、回転操作されることによって第1の姿勢と第2の姿勢とに切り換えられる弁体60と、を備え、中空部と収容体25の外部とを連通する第1の開口P1、第2の開口P2、及び第3の開口P3が収容体25に形成され、第1の姿勢において第1の開口P1と第2の開口P2とを接続し、第2の姿勢において第1の開口P1と第3の開口P3とを接続する第1凹部61,61A,61Bが弁体60の外面に形成されている。
【選択図】図4
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