(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】画像形成システム、画像形成装置およびアプリ制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240215BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240215BHJP
G06F 21/10 20130101ALI20240215BHJP
G06F 8/61 20180101ALI20240215BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
H04N1/00 127Z
B41J29/38 501
G06F21/10
G06F8/61
G06F3/12 303
G06F3/12 330
(21)【出願番号】P 2020009936
(22)【出願日】2020-01-24
【審査請求日】2022-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】華山 達也
(72)【発明者】
【氏名】加藤 結
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-146302(JP,A)
【文献】特開2012-022621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G06F 3/12
G06F 8/60- 8/658
G06F 21/10-21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像形成装置を備える画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、他の前記画像形成装置が所有しているアプリケーションを一時的にインストールし、
前記画像形成システムは、特定のタイミングにおいて、前記アプリケーションの使用に関する特定の条件を満たす1つの前記画像形成装置に、このアプリケーションを所有させ
、
前記アプリケーションは、前記アプリケーション自身を動作させることが許可された前記画像形成装置の識別情報を含み、
前記画像形成システムは、前記識別情報が前記アプリケーションに含まれない前記画像形成装置に対して、このアプリケーションのアクティベーションのための情報であるアクティベーションキーによって、このアプリケーションに対するアクティベーションが実行されることによって、この画像形成装置において、このアプリケーションを動作させ、
前記画像形成システムは、前記識別情報が前記アプリケーションに含まれる前記画像形成装置に対して、このアプリケーションに対するアクティベーションが前記アクティベーションキーによって実行されなくても、この画像形成装置において、このアプリケーションを動作させることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記特定の条件は、前記アプリケーションの使用頻度が最も高い前記画像形成装置であるという条件を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記特定の条件は、前記アプリケーションの最終使用日時が最も新しい前記画像形成装置であるという条件を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記画像形成システムは、前記アクティベーションキーによる前記アプリケーションに対するアクティベーションが前記画像形成装置に対して実行された場合に、この画像形成装置の前記識別情報を、このアプリケーションに含めることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記画像形成装置は、
他の前記画像形成装置が所有している前記アプリケーションのアイコンと、
このアプリケーションを所有している前記画像形成装置と
を記憶することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項6】
他の画像形成装置が所有しているアプリケーションを一時的にインストールするインストール実行部を備える画像形成装置であって、
前記インストール実行部を備える前記画像形成装置は、前記画像形成装置自身が所有している前記アプリケーションのインストール用のファイルを他の前記画像形成装置に送信するファイル送信部を備え、
前記ファイル送信部は、前記ファイルが他の前記画像形成装置から要求された場合に、前記ファイルの要求元の前記画像形成装置に前記ファイルを送信し、
前記インストール実行部は、他の前記画像形成装置に前記ファイルを要求した場合に、この画像形成装置から送信されてきた前記ファイルを使用して前記アプリケーションを一時的にインストールし、
前記インストール実行部は、前記インストール実行部自身を備える前記画像形成装置における前記アプリケーションの使用に関する情報を示す使用情報を、このアプリケーションを所有している、他の前記画像形成装置に通知し、
前記ファイル送信部は、特定のタイミングにおいて、前記アプリケーションの使用に関する特定の条件を満たす1つの前記画像形成装置を前記使用情報に基づいて判断し、前記特定の条件を満たす1つの前記画像形成装置に前記アプリケーションの所有の指示を通知し、
前記指示は、前記ファイルが関連付けられ、
前記インストール実行部は、前記インストール実行部自身を備える前記画像形成装置に備えられる前記ファイル送信部が前記指示を通知する場合に、この指示の対象の前記アプリケーションを、この画像形成装置からアンインストールし、
前記インストール実行部は、前記指示を受けた場合に、この指示に関連付けられた前記ファイルを使用して前記アプリケーションをインストールすることによって、このアプリケーションを、前記インストール実行部自身を備える前記画像形成装置に所有させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
他の画像形成装置が所有しているアプリケーションを一時的にインストールするインストール実行部を画像形成装置に実現させるアプリ制御プログラムであって、
前記アプリ制御プログラムは、前記インストール実行部を実現させる前記画像形成装置に、前記画像形成装置自身が所有している前記アプリケーションのインストール用のファイルを他の前記画像形成装置に送信するファイル送信部を実現させ、
前記ファイル送信部は、前記ファイルが他の前記画像形成装置から要求された場合に、前記ファイルの要求元の前記画像形成装置に前記ファイルを送信し、
前記インストール実行部は、他の前記画像形成装置に前記ファイルを要求した場合に、この画像形成装置から送信されてきた前記ファイルを使用して前記アプリケーションを一時的にインストールし、
前記インストール実行部は、前記インストール実行部自身を実現する前記画像形成装置における前記アプリケーションの使用に関する情報を示す使用情報を、このアプリケーションを所有している、他の前記画像形成装置に通知し、
前記ファイル送信部は、特定のタイミングにおいて、前記アプリケーションの使用に関する特定の条件を満たす1つの前記画像形成装置を前記使用情報に基づいて判断し、前記特定の条件を満たす1つの前記画像形成装置に前記アプリケーションの所有の指示を通知し、
前記指示は、前記ファイルが関連付けられ、
前記インストール実行部は、前記インストール実行部自身を実現する前記画像形成装置に実現される前記ファイル送信部が前記指示を通知する場合に、この指示の対象の前記アプリケーションを、この画像形成装置からアンインストールし、
前記インストール実行部は、前記指示を受けた場合に、この指示に関連付けられた前記ファイルを使用して前記アプリケーションをインストールすることによって、このアプリケーションを、前記インストール実行部自身を実現する前記画像形成装置に所有させることを特徴とするアプリ制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像形成装置を備える画像形成システム、画像形成装置およびアプリ制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成システムとして、複数の画像形成装置において同一のアプリケーションが使用される場合に、同一のアプリケーションを複数の画像形成装置のそれぞれにインストールする作業が煩わしいという問題と、複数の画像形成装置のそれぞれに同一のアプリケーションがインストールされることによって画像形成装置1台当たりにインストールされるアプリケーションの数が増え、その結果、画像形成装置のメモリーの容量が不足するという問題とを解決するために、第一の画像形成装置にインストールされていないが第二の画像形成装置にインストールされているアプリケーションが第一の画像形成装置において選択された場合に、このアプリケーションを第一の画像形成装置に一時的にインストールして実行するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。従来の画像形成システムにおいては、第一の画像形成装置に一時的にインストールされたアプリケーションは、第一の画像形成装置において実行された後、第一の画像形成装置におけるメモリーの容量を確保するために、第一の画像形成装置からアンインストールされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像形成システムにおいては、第一の画像形成装置にインストールされていないが第二の画像形成装置にインストールされているアプリケーションが第一の画像形成装置において選択される度に、このアプリケーションが第一の画像形成装置にインストールされる必要があるので、第一の画像形成装置のパフォーマンスが落ちるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、画像形成装置のパフォーマンスを向上することができる画像形成システム、画像形成装置およびアプリ制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成システムは、複数の画像形成装置を備える画像形成システムであって、前記画像形成装置は、他の前記画像形成装置が所有しているアプリケーションを一時的にインストールし、前記画像形成システムは、特定のタイミングにおいて、前記アプリケーションの使用に関する特定の条件を満たす1つの前記画像形成装置に、このアプリケーションを所有させることを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の画像形成システムは、特定のタイミングにおいて、アプリケーションの使用に関する特定の条件を満たす1つの画像形成装置に、このアプリケーションを所有させるので、アプリケーションの頻繁なインストールを低減することができ、その結果、画像形成装置のパフォーマンスを向上することができる。
【0008】
本発明の画像形成システムにおいて、前記特定の条件は、前記アプリケーションの使用頻度が最も高い前記画像形成装置であるという条件を含んでも良い。
【0009】
この構成により、本発明の画像形成システムは、特定のタイミングにおいて、アプリケーションの使用頻度が最も高い画像形成装置に、このアプリケーションを所有させるので、アプリケーションの頻繁なインストールを効果的に低減することができ、その結果、画像形成装置のパフォーマンスを向上することができる。
【0010】
本発明の画像形成システムにおいて、前記特定の条件は、前記アプリケーションの最終使用日時が最も新しい前記画像形成装置であるという条件を含んでも良い。
【0011】
この構成により、本発明の画像形成システムは、特定のタイミングにおいて、アプリケーションの最終使用日時が最も新しい画像形成装置に、このアプリケーションを所有させるので、アプリケーションの頻繁なインストールを効果的に低減することができ、その結果、画像形成装置のパフォーマンスを向上することができる。
【0012】
本発明の画像形成システムにおいて、前記アプリケーションは、前記アプリケーション自身を動作させることが許可された前記画像形成装置の識別情報を含み、前記画像形成システムは、前記識別情報が前記アプリケーションに含まれない前記画像形成装置に対して、このアプリケーションのアクティベーションのための情報であるアクティベーションキーによって、このアプリケーションに対するアクティベーションが実行されることによって、この画像形成装置において、このアプリケーションを動作させ、前記画像形成システムは、前記識別情報が前記アプリケーションに含まれる前記画像形成装置に対して、このアプリケーションに対するアクティベーションが前記アクティベーションキーによって実行されなくても、この画像形成装置において、このアプリケーションを動作させても良い。
【0013】
この構成により、本発明の画像形成システムは、識別情報がアプリケーションに含まれない画像形成装置に対して、このアプリケーションに対するアクティベーションがアクティベーションキーによって実行されることによって、この画像形成装置において、このアプリケーションを動作させるので、いずれかの画像形成装置にインストールされたアプリケーションが、許可された画像形成装置のみにおいて使用されることができる。また、本発明の画像形成システムは、識別情報がアプリケーションに含まれる画像形成装置に対して、このアプリケーションに対するアクティベーションがアクティベーションキーによって実行されなくても、この画像形成装置において、このアプリケーションを動作させるので、利便性を向上することができる。
【0014】
本発明の画像形成システムは、前記アクティベーションキーによる前記アプリケーションに対するアクティベーションが前記画像形成装置に対して実行された場合に、この画像形成装置の前記識別情報を、このアプリケーションに含めても良い。
【0015】
この構成により、本発明の画像形成システムは、アクティベーションキーによるアプリケーションに対するアクティベーションが画像形成装置に対して実行された場合に、この画像形成装置の識別情報を、このアプリケーションに含めるので、アクティベーションキーによるアクティベーションが一度実行された画像形成装置に対しては、このアプリケーションに対するアクティベーションがアクティベーションキーによって再度実行されなくても、このアプリケーションを動作させるので、利便性を向上することができる。
【0016】
本発明の画像形成システムにおいて、前記画像形成装置は、他の前記画像形成装置が所有している前記アプリケーションのアイコンと、このアプリケーションを所有している前記画像形成装置とを記憶しても良い。
【0017】
この構成により、本発明の画像形成システムは、画像形成装置が、他の画像形成装置が所有しているアプリケーションのアイコンと、このアプリケーションを所有している画像形成装置とを記憶するので、アプリケーションのアイコンを表示する場合に、他の画像形成装置にアクセスする必要がないので、アプリケーションのアイコンを表示するために必要な時間を短縮することができる。
【0018】
本発明の画像形成装置は、他の画像形成装置が所有しているアプリケーションを一時的にインストールするインストール実行部を備える画像形成装置であって、前記インストール実行部を備える前記画像形成装置は、前記画像形成装置自身が所有している前記アプリケーションのインストール用のファイルを他の前記画像形成装置に送信するファイル送信部を備え、前記ファイル送信部は、前記ファイルが他の前記画像形成装置から要求された場合に、前記ファイルの要求元の前記画像形成装置に前記ファイルを送信し、前記インストール実行部は、他の前記画像形成装置に前記ファイルを要求した場合に、この画像形成装置から送信されてきた前記ファイルを使用して前記アプリケーションを一時的にインストールし、前記インストール実行部は、前記インストール実行部自身を備える前記画像形成装置における前記アプリケーションの使用に関する情報を示す使用情報を、このアプリケーションを所有している、他の前記画像形成装置に通知し、前記ファイル送信部は、特定のタイミングにおいて、前記アプリケーションの使用に関する特定の条件を満たす1つの前記画像形成装置を前記使用情報に基づいて判断し、前記特定の条件を満たす1つの前記画像形成装置に前記アプリケーションの所有の指示を通知し、前記指示は、前記ファイルが関連付けられ、前記インストール実行部は、前記インストール実行部自身を備える前記画像形成装置に備えられる前記ファイル送信部が前記指示を通知する場合に、この指示の対象の前記アプリケーションを、この画像形成装置からアンインストールし、前記インストール実行部は、前記指示を受けた場合に、この指示に関連付けられた前記ファイルを使用して前記アプリケーションをインストールすることによって、このアプリケーションを、前記インストール実行部自身を備える前記画像形成装置に所有させることを特徴とする。
【0019】
この構成により、本発明の画像形成装置は、特定のタイミングにおいて、アプリケーションの使用に関する特定の条件を満たす1つの画像形成装置に、このアプリケーションを所有させるので、アプリケーションの頻繁なインストールを低減することができ、その結果、パフォーマンスを向上することができる。
【0020】
本発明のアプリ制御プログラムは、他の画像形成装置が所有しているアプリケーションを一時的にインストールするインストール実行部を画像形成装置に実現させるアプリ制御プログラムであって、前記アプリ制御プログラムは、前記インストール実行部を実現させる前記画像形成装置に、前記画像形成装置自身が所有している前記アプリケーションのインストール用のファイルを他の前記画像形成装置に送信するファイル送信部を実現させ、前記ファイル送信部は、前記ファイルが他の前記画像形成装置から要求された場合に、前記ファイルの要求元の前記画像形成装置に前記ファイルを送信し、前記インストール実行部は、他の前記画像形成装置に前記ファイルを要求した場合に、この画像形成装置から送信されてきた前記ファイルを使用して前記アプリケーションを一時的にインストールし、前記インストール実行部は、前記インストール実行部自身を実現する前記画像形成装置における前記アプリケーションの使用に関する情報を示す使用情報を、このアプリケーションを所有している、他の前記画像形成装置に通知し、前記ファイル送信部は、特定のタイミングにおいて、前記アプリケーションの使用に関する特定の条件を満たす1つの前記画像形成装置を前記使用情報に基づいて判断し、前記特定の条件を満たす1つの前記画像形成装置に前記アプリケーションの所有の指示を通知し、前記指示は、前記ファイルが関連付けられ、前記インストール実行部は、前記インストール実行部自身を実現する前記画像形成装置に実現される前記ファイル送信部が前記指示を通知する場合に、この指示の対象の前記アプリケーションを、この画像形成装置からアンインストールし、前記インストール実行部は、前記指示を受けた場合に、この指示に関連付けられた前記ファイルを使用して前記アプリケーションをインストールすることによって、このアプリケーションを、前記インストール実行部自身を実現する前記画像形成装置に所有させることを特徴とする。
【0021】
この構成により、本発明のアプリ制御プログラムを実行する画像形成装置は、特定のタイミングにおいて、アプリケーションの使用に関する特定の条件を満たす1つの画像形成装置に、このアプリケーションを所有させるので、アプリケーションの頻繁なインストールを低減することができ、その結果、パフォーマンスを向上することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の画像形成システム、画像形成装置およびアプリ制御プログラムは、画像形成装置のパフォーマンスを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成システムのブロック図である。
【
図2】MFPである場合の
図1に示す画像形成装置のブロック図である。
【
図3】
図2に示すログイン用情報の一例を示す図である。
【
図4】
図2に示すアプリ所有機器情報の一例を示す図である。
【
図5】
図2に示す利用者対応アプリ情報の一例を示す図である。
【
図6】
図2に示すアプリ所有機器判断用情報の一例を示す図である。
【
図7】
図2に示すアプリ所有最適機器情報の一例を示す図である。
【
図8】アプリケーションの開発業者によって
図2に示すアプリケーションとしての正式アプリが作成される場合のシーケンス図である。
【
図9】テストアプリと、acdファイルとに基づいて
図8に示す正式アプリが作成される様子を示す図である。
【
図10】
図2に示すアプリケーションのアクティベーションのための情報であるアクティベーションキーが開発業者によって取得される場合のシーケンス図である。
【
図11】画像形成装置に対してアプリケーションのインストールが利用者によって指示された場合の
図1に示す画像形成システムの動作のシーケンス図である。
【
図13】利用者がログインする場合の
図2に示す画像形成装置の動作のフローチャートである。
【
図14】画像形成装置の表示部に表示されたアイコンがクリックされた場合の
図1に示す画像形成システムの動作のシーケンス図である。
【
図17】
図14~
図16に示す動作においてパッケージングされたPKG形式のファイルの一例を示す図である。
【
図19】アプリケーションを所有する画像形成装置を変更する場合の
図1に示す画像形成システムの動作のシーケンス図である。
【
図20】画像形成装置に対してアプリケーションのアンインストールが利用者によって指示された場合の
図1に示す画像形成システムの動作のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0025】
まず、本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの構成について説明する。
【0026】
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム10のブロック図である。
【0027】
図1に示すように、画像形成システム10は、MFP(Multifunction Peripheral)、プリンター専用機などの画像形成装置20と、それぞれ画像形成装置20と同様の構成の画像形成装置30、40、50とを備えている。画像形成システム10は、画像形成装置20、30、40、50以外にも、画像形成装置20と同様の構成の画像形成装置を少なくとも1つ備えることが可能である。画像形成装置は、識別情報であるシリアル番号が付されている。画像形成システム10における全ての画像形成装置は、グリッドコンピューティングで互いに繋がっている。
【0028】
図2は、MFPである場合の画像形成装置20のブロック図である。
【0029】
図2に示すように、画像形成装置20は、種々の操作が入力される例えばボタンなどの操作デバイスである操作部21と、種々の情報を表示する例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部22と、用紙などの記録媒体に画像を印刷する印刷デバイスであるプリンター23と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー24と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部25と、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部26と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部27と、画像形成装置20全体を制御する制御部28とを備えている。
【0030】
記憶部27は、後述のアプリケーションに関する制御を実行するためのアプリ制御プログラム27aを記憶している。アプリ制御プログラム27aは、例えば、画像形成装置20の製造段階で画像形成装置20にインストールされていても良いし、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの外部の記憶媒体から画像形成装置20に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から画像形成装置20に追加でインストールされても良い。
【0031】
記憶部27は、画像形成装置20自身の利用者のログインのためのログイン用情報27bを記憶している。
【0032】
図3は、ログイン用情報27bの一例を示す図である。
【0033】
図3に示すように、ログイン用情報27bは、利用者の識別情報としての利用者IDと、利用者の認証のための認証用情報とを利用者毎に互いに対応付けて示している。認証用情報は、例えばパスワードである。
図3は、認証用情報の具体的な内容が省略されて描かれている。
【0034】
図2に示すように、記憶部27は、アプリケーション27cを記憶可能である。記憶部27は、アプリケーション27c以外にも少なくとも1つのアプリケーションを記憶可能である。アプリケーションは、識別情報であるアプリIDが付されている。
【0035】
記憶部27は、アプリケーション27cに関する各種の情報を示すファイルであるManifest.MF27dを記憶可能である。記憶部27は、アプリケーション毎にManifest.MFを記憶可能である。Manifest.MFは、アプリケーションのインストールに必要な情報であるアプリケーションデータと、アプリケーションの各種の設定値を示すアプリケーション設定データとを含んでいる。アプリケーションデータは、例えばアプリケーションの名前およびアプリIDなどの情報を含んでいる。
【0036】
記憶部27は、アプリケーションのアイコンを格納するためのアイコン格納フォルダー27eを備えている。アイコン格納フォルダー27eは、アプリケーション27cのアイコン27fを記憶可能である。アイコン格納フォルダー27eは、アイコン27f以外にも少なくとも1つのアプリケーションのアイコンを記憶可能である。アイコンは、識別情報であるアイコンIDが付されている。また、アイコン格納フォルダー27eは、アプリケーションを所有している画像形成装置を示すアプリ所有機器情報27gを記憶している。
【0037】
図4は、アプリ所有機器情報27gの一例を示す図である。
【0038】
図4に示すように、アプリ所有機器情報27gは、アプリケーションのアプリIDと、このアプリケーションを所有している画像形成装置のシリアル番号と、このアプリケーションのアイコンのアイコンIDとを互いに対応付けて示している。
【0039】
図2に示すように、記憶部27は、利用者に対応付けられたアプリケーションを示す利用者対応アプリ情報27hを記憶している。利用者対応アプリ情報27hは、操作部21または通信部26を介した指示に応じて、変更されることが可能である。
【0040】
図5は、利用者対応アプリ情報27hの一例を示す図である。
【0041】
図5に示すように、利用者対応アプリ情報27hは、利用者の利用者IDと、この利用者に対応付けられているアプリケーションのアプリIDとを示している。
【0042】
図2に示すように、記憶部27は、アプリケーションを所有すべき画像形成装置を判断するための画像形成装置20自身の情報を示すアプリ所有機器判断用情報27iを記憶している。
【0043】
図6は、アプリ所有機器判断用情報27iの一例を示す図である。
【0044】
図6に示すように、アプリ所有機器判断用情報27iは、アプリケーションのアプリIDと、このアプリケーションをインストールした後のメモリー、すなわち、RAMの残量(以下「メモリー残量」という。)と、このアプリケーションの使用回数(以下「アプリ使用回数」という。)とを示している。
【0045】
図2に示すように、記憶部27は、アプリケーションを所有すべき画像形成装置の情報を示すアプリ所有最適機器情報27jを記憶している。
【0046】
図7は、アプリ所有最適機器情報27jの一例を示す図である。
【0047】
図7に示すように、アプリ所有最適機器情報27jは、アプリケーションのアプリIDと、このアプリケーションを所有すべき画像形成装置のシリアル番号と、この画像形成装置において、このアプリケーションをインストールした後のメモリー残量と、この画像形成装置における、このアプリケーションのアプリ使用回数とを示している。アプリ所有最適機器情報27jは、画像形成装置20が所有しているアプリケーションに関する情報のみを含んでいる。
【0048】
図2に示す制御部28は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、制御部28のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAM(Random Access Memory)とを備えている。制御部28のCPUは、記憶部27または制御部28のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0049】
制御部28は、アプリ制御プログラム27aを実行することによって、アプリケーションをインストールするインストール実行部28aと、アプリケーションに対するアクティベーションを実行するアクティベーション実行部28bと、利用者のログインの処理を実行するログイン処理部28cと、アプリケーションを実行するアプリ実行部28dと、アプリケーションのインストール用のファイルを他の画像形成装置に送信するファイル送信部28eとを実現する。
【0050】
アクティベーション実行部28bは、アプリケーションのアクティベーションのための情報であるアクティベーションキーが入力された場合に、アクティベーションの対象のアプリケーションのアプリIDと、画像形成装置20自身のシリアル番号とに基づいて特定の規則によって生成した情報が、入力されたアクティベーションキーと一致するとき、対象のアプリケーションに対するアクティベーションを実行する。
【0051】
次に、市場にリリースされることが許可されたアプリケーション(以下「正式アプリ」という。)の作成について説明する。
【0052】
図8は、アプリケーションの開発業者80によって正式アプリが作成される場合のシーケンス図である。
【0053】
図8に示すように、開発業者80は、市場にリリースされることが許可される前のアプリケーション(以下「テストアプリ」という。)をコンピューター(図示していない。)を使用して作成する(S101)。
【0054】
開発業者80は、S101の作業の後、コンピューター(図示していない。)を使用してライセンシングシステム90にアプリケーションの登録を申請する(S102)。ライセンシングシステム90は、1台のコンピューターによって構成されていても良いし、複数台のコンピューターによって構成されていても良い。ライセンシングシステム90は、アプリケーションを動作させることを開発業者80が希望する画像形成装置の製造業者によって管理されている。アプリケーションは、ライセンシングシステム90に登録された場合に、市場にリリースされることがライセンシングシステム90によって許可されたということになる。S102における申請には、アプリケーションが市場にリリースされるために必要な情報(以下「リリース用情報」という。)と、アプリケーションを動作させることを開発業者80が希望する画像形成装置のシリアル番号の一覧(以下「シリアル番号一覧」という。)とが含まれている。リリース用情報には、例えば、アプリケーションの名称であるアプリ名と、アプリケーションの種別であるアプリ種別と、アプリケーションの開発業者80を示す情報である「開発会社」とが含まれている。
【0055】
ライセンシングシステム90は、S102における申請を受けると、S102における申請の対象のアプリケーションを登録する(S103)。
【0056】
次いで、ライセンシングシステム90は、アプリケーションが市場にリリースされるために必要なファイルであるacdファイルを生成する(S104)。ここで、ライセンシングシステム90は、S102における申請に含まれていたシリアル番号一覧に示される全てのシリアル番号をacdファイルに書き込む。
【0057】
ライセンシングシステム90は、S104の処理の後、S104において生成したacdファイルを開発業者80宛てに送信する(S105)。
【0058】
開発業者80は、S105においてライセンシングシステム90から送信されたacdファイルをコンピューター(図示していない。)によって受信すると、S101において作成したテストアプリと、ライセンシングシステム90から受信したacdファイルとに基づいて正式アプリをコンピューター(図示していない。)によって作成する(S106)。
【0059】
図9は、テストアプリ61と、acdファイル62とに基づいて正式アプリ60が作成される様子を示す図である。
【0060】
図9に示すように、正式アプリ60は、テストアプリ61と、acdファイル62とに基づいて作成される。
【0061】
acdファイル62には、リリース用情報62aと、画像形成装置上でアプリケーションを動作させるための情報であるアクティベーション用情報62bとが含まれている。リリース用情報62aには、例えば、アプリ名と、アプリ種別と、開発会社とが含まれている。アクティベーション用情報62bには、acdファイル62にシリアル番号が書き込まれた画像形成装置の数を示すマシン数と、S102における申請に含まれていたシリアル番号一覧に示される全てのシリアル番号とが含まれている。マシン数は、アクティベーション用情報62bから全てのシリアル番号が適切に読み出されるために、アクティベーション用情報62bに含まれているシリアル番号の数を示す情報である。acdファイル62に含まれている情報は、暗号化されている。画像形成システム10における全ての画像形成装置は、acdファイル62に含まれている情報を復号する機能を備えている。
【0062】
なお、以下において、アプリケーションとは、正式アプリのことを意味している。
【0063】
次に、アクティベーションキーの取得について説明する。
【0064】
図10は、アプリケーションのアクティベーションのための情報であるアクティベーションキーが開発業者80によって取得される場合のシーケンス図である。
【0065】
開発業者80は、アプリケーションのアクティベーション用情報にシリアル番号が含まれていない画像形成装置上で、このアプリケーションを動作させることを希望する場合、
図10に示すように、アプリケーションを動作させることを希望する画像形成装置用のアクティベーションキーを、コンピューター(図示していない。)を使用してライセンシングシステム90に申請する(S121)。S121における申請には、アプリケーションのアプリIDと、アプリケーションを動作させることを希望する画像形成装置のシリアル番号とが含まれている。S121における申請には、複数のシリアル番号が含まれていても良い。
【0066】
ライセンシングシステム90は、S121における申請を受けると、S121において申請されたアクティベーションキーを生成する(S122)。アクティベーションキーは、S121における申請に含まれているアプリIDと、S121における申請に含まれているシリアル番号とに基づいて特定の規則によって画像形成装置毎に生成される例えば20桁の情報である。
【0067】
ライセンシングシステム90は、S122の処理の後、S122において生成したアクティベーションキーを開発業者80宛てに送信する(S123)。
【0068】
したがって、開発業者80は、S123においてライセンシングシステム90から送信されたアクティベーションキーをコンピューター(図示していない。)によって受信することによって、アクティベーションキーを取得する。
【0069】
次に、画像形成システム10の動作について説明する。
【0070】
まず、画像形成装置20に対してアプリケーションのインストールが利用者によって指示された場合の画像形成システム10の動作について説明する。なお、画像形成装置20に対してアプリケーションのインストールが利用者によって指示された場合について説明するが、画像形成装置20以外の画像形成装置に対してアプリケーションのインストールが利用者によって指示された場合についても同様である。
【0071】
図11は、画像形成装置20に対してアプリケーションのインストールが利用者によって指示された場合の画像形成システム10の動作のシーケンス図である。
図12は、
図11に示す「A」のシーケンス図である。
【0072】
図11および
図12においては、画像形成装置20以外の、画像形成システム10における画像形成装置の一例として、画像形成装置30が描かれている。なお、画像形成装置20以外の、画像形成システム10における全ての画像形成装置は、画像形成装置30と同様に動作する。
【0073】
利用者は、例えば、アプリケーションのインストール用のファイルが書き込まれたUSBメモリーなどの記憶媒体を画像形成装置20に接続した状態で、アプリケーションのインストールを画像形成装置20の操作部21または通信部26を介して画像形成装置20に指示することができる。
【0074】
画像形成装置20のインストール実行部28aは、アプリケーションのインストールの指示を受けると、
図11および
図12に示すように、アプリケーションのインストールの指示に応じて記憶媒体からアプリケーションのインストール用のファイルを読み出す(S141)。
【0075】
次いで、インストール実行部28aは、S141において読み出したファイルを使用してアプリケーションをインストールする(S142)。したがって、このアプリケーションは、記憶部27に記憶される。
【0076】
インストール実行部28aは、S142の処理の後、S142においてインストールしたアプリケーションに関してアプリ所有機器判断用情報27iおよびアプリ所有最適機器情報27jを更新する(S143)。すなわち、インストール実行部28aは、S142におけるインストール後のメモリー残量をアプリ所有機器判断用情報27iに記憶するとともに、画像形成装置20のシリアル番号と、S142におけるインストール後のメモリー残量とを、S142においてインストールしたアプリケーションに対応付けられるシリアル番号およびメモリー残量として、アプリ所有最適機器情報27jに記憶する。
【0077】
インストール実行部28aは、S143の処理の後、S142においてインストールしたアプリケーションのアイコンをアイコン格納フォルダー27eに格納する(S144)。
【0078】
次いで、インストール実行部28aは、S142においてインストールしたアプリケーションを所有している画像形成装置が画像形成装置20であることを示すようにアプリ所有機器情報27gを更新する(S145)。すなわち、インストール実行部28aは、S142においてインストールしたアプリケーションのアプリIDと、画像形成装置20のシリアル番号と、S144においてアイコン格納フォルダー27eに格納したアイコンのアイコンIDとを互いに対応付けてアプリ所有機器情報27gに書き込む。
【0079】
インストール実行部28aは、S145の処理の後、S142においてインストールしたアプリケーションのアイコンを、グリッドコンピューティングで繋がっている全ての画像形成装置に対して通知する(S146)。この通知には、画像形成装置20のシリアル番号と、S142においてインストールしたアプリケーションのアプリIDとが含まれる。
【0080】
画像形成装置30のインストール実行部は、S146における通知を受けると、S146において通知されたアイコンを画像形成装置30のアイコン格納フォルダーに格納する(S147)。
【0081】
次いで、画像形成装置30のインストール実行部は、S147においてアイコン格納フォルダーに格納したアイコンに対応するアプリケーションを所有している画像形成装置が画像形成装置20であることを示すように画像形成装置30のアプリ所有機器情報を更新する(S148)。すなわち、画像形成装置30のインストール実行部は、S146における通知に含まれるアプリID、シリアル番号およびアイコンIDを互いに対応付けて画像形成装置30のアプリ所有機器情報に書き込む。
【0082】
画像形成装置20のアクティベーション実行部28bは、S146の処理の後、S142においてインストールしたアプリケーションのacdファイルに、画像形成装置20自身のシリアル番号が含まれているか否かを確認する(S149)。
【0083】
アクティベーション実行部28bは、S142においてインストールしたアプリケーションのacdファイルに、画像形成装置20自身のシリアル番号が含まれていることをS149において確認すると、S142においてインストールしたアプリケーションに対してアクティベーションを実行する(S150)。
【0084】
アクティベーション実行部28bは、S150の処理の後、アプリケーションのインストールおよびアクティベーションの終了を画像形成装置20の表示部22または通信部26を介して通知する(S151)。
【0085】
アクティベーション実行部28bは、S141において読み出したファイルのacdファイルに、画像形成装置20自身のシリアル番号が含まれていないことをS149において確認すると、アプリケーションのインストールの終了と、このアプリケーションに対するアクティベーションキーの要求とを画像形成装置20の表示部22または通信部26を介して通知する(S152)。
【0086】
したがって、利用者は、S152において要求されたアクティベーションキーを画像形成装置20の操作部21または通信部26を介して入力することができる。なお、利用者が開発業者80ではない場合、利用者は、開発業者80からアクティベーションキーを取得する。
【0087】
画像形成装置20のアクティベーション実行部28bは、S152の処理の後、アクティベーションキーが入力されると、入力されたアクティベーションキーが適切であるか否かを判断する(S153)。ここで、アクティベーション実行部28bは、S152においてアクティベーションキーを要求した対象のアプリケーションのアプリIDと、画像形成装置20自身のシリアル番号とに基づいて特定の規則によって生成した情報が、入力されたアクティベーションキーと一致する場合に、入力されたアクティベーションキーが適切であると判断する。一方、アクティベーション実行部28bは、S152においてアクティベーションキーを要求した対象のアプリケーションのアプリIDと、画像形成装置20自身のシリアル番号とに基づいて特定の規則によって生成した情報が、入力されたアクティベーションキーと一致しない場合に、入力されたアクティベーションキーが適切ではないと判断する。
【0088】
アクティベーション実行部28bは、入力されたアクティベーションキーが適切であるとS153において判断すると、S142においてインストールしたアプリケーションに対してアクティベーションを実行する(S154)。
【0089】
アクティベーション実行部28bは、S154の処理の後、アプリケーションのacdファイルに、画像形成装置20のシリアル番号を書き込む(S155)。ここで、アクティベーション実行部28bは、アプリケーションのacdファイルのマシン数の値も1つ増加させる。
【0090】
アクティベーション実行部28bは、S155の処理の後、アプリケーションのアクティベーションの終了を画像形成装置20の表示部22または通信部26を介して通知する(S156)。したがって、画像形成装置20の利用者は、対象のアプリケーションを画像形成装置20において使用することができることを認識することができる。
【0091】
アクティベーション実行部28bは、入力されたアクティベーションキーが適切ではないとS153において判断すると、アクティベーションの失敗を画像形成装置20の表示部22または通信部26を介して通知する(S157)。したがって、画像形成装置20の利用者は、対象のアプリケーションを画像形成装置20において使用することができないことを認識することができる。
【0092】
次に、利用者がログインする場合の画像形成装置20の動作について説明する。なお、利用者が画像形成装置20にログインする場合について説明するが、利用者が画像形成装置20以外の画像形成装置にログインする場合についても同様である。
【0093】
図13は、利用者がログインする場合の画像形成装置20の動作のフローチャートである。
【0094】
図13に示すように、画像形成装置20のログイン処理部28cは、利用者のログインの指示を画像形成装置20の操作部21を介して受けると、指示されたログインを許可するか否かを判断する(S161)。ここで、ログイン処理部28cは、ログインの指示に含まれる利用者IDおよび認証用情報の組み合わせがログイン用情報27bに含まれる場合に、ログインを許可すると判断する。一方、ログイン処理部28cは、ログインの指示に含まれる利用者IDおよび認証用情報の組み合わせがログイン用情報27bに含まれない場合に、ログインを許可しないと判断する。
【0095】
ログイン処理部28cは、ログインを許可しないとS161において判断すると、ログインの失敗を画像形成装置20の表示部22を介して通知して(S162)、
図13に示す動作を終了する。
【0096】
ログイン処理部28cは、ログインを許可するとS161において判断すると、ログインの指示に含まれる利用者IDに対して利用者対応アプリ情報27hにおいて対応付けられている全てのアプリIDを特定する(S163)。
【0097】
次いで、ログイン処理部28cは、S163において特定した全てのアプリIDのそれぞれに対してアプリ所有機器情報27gにおいて対応付けられているアイコンIDを特定する(S164)。
【0098】
次いで、ログイン処理部28cは、S163において特定した全てのアイコンIDのそれぞれが付されたアイコンをアイコン格納フォルダー27eから取得する(S165)。
【0099】
次いで、ログイン処理部28cは、S165において取得した全てのアイコンを画像形成装置20の表示部22に表示して(S166)、
図13に示す動作を終了する。
【0100】
次に、画像形成装置20の表示部22に表示されたアイコンがクリックされた場合の画像形成システム10の動作について説明する。なお、画像形成装置20の表示部22に表示されたアイコンがクリックされた場合について説明するが、画像形成装置20以外の画像形成装置の表示部に表示されたアイコンがクリックされた場合についても同様である。
【0101】
図14は、画像形成装置20の表示部22に表示されたアイコンがクリックされた場合の画像形成システム10の動作のシーケンス図である。
図15は、
図14に示す「B」のシーケンス図である。
図16は、
図14に示す「C」のシーケンス図である。
【0102】
図14~
図16に示すように、画像形成装置20のアプリ実行部28dは、クリックされたアイコン(以下、
図14~
図16の説明において「対象のアイコン」という。)のアイコンIDに対してアプリ所有機器情報27gにおいて対応付けられているアプリIDが付されているアプリケーション(以下、
図14~
図16の説明において「対象のアプリケーション」という。)を画像形成装置20自身が所有しているか否かを確認する(S181)。ここで、アプリ実行部28dは、対象のアイコンのアイコンIDに対してアプリ所有機器情報27gにおいて対応付けられている画像形成装置(以下、
図14~
図16の説明において「対象の画像形成装置」という。)が画像形成装置20自身である場合に、対象のアプリケーションを画像形成装置20自身が所有していると判断する。一方、アプリ実行部28dは、対象の画像形成装置が画像形成装置20自身ではない場合に、対象のアプリケーションを画像形成装置20自身が所有していないと判断する。
【0103】
アプリ実行部28dは、対象のアプリケーションを画像形成装置20自身が所有していることをS181において確認すると、対象のアプリケーションを実行する(S182)。
【0104】
インストール実行部28aは、S182の処理の後、対象のアプリケーションのアプリ使用回数をアプリ所有機器判断用情報27iにおいて1つ増加させる(S183)。
【0105】
インストール実行部28aは、S183の処理の後、アプリ所有最適機器情報27jを更新するための後述のアプリ所有最適機器情報更新処理を実行する(S184)。
【0106】
アプリ実行部28dは、S184の処理の後、対象のアプリケーションの設定値が変更されると、対象のアプリケーションのManifest.MFに含まれるアプリケーション設定データにおける設定値を変更する(S185)。S185の処理は、対象のアプリケーションの設定値が変更される度に実行される。
【0107】
インストール実行部28aは、対象のアプリケーションを画像形成装置20自身が所有していないことをS181において確認すると、対象の画像形成装置に対象のアプリケーションのインストール用のファイルを要求する(S186)。S186における要求には、画像形成装置20のシリアル番号と、対象のアプリケーションのアプリIDとが含まれている。以下、対象の画像形成装置が画像形成装置30であるものとして説明する。
【0108】
画像形成装置30のファイル送信部は、S186における要求を受けると、S186における要求の対象のアプリケーションのacdファイルに、S186における要求元である画像形成装置20のシリアル番号が含まれているか否かを確認する(S187)。
【0109】
画像形成装置30のファイル送信部は、acdファイルに画像形成装置20のシリアル番号が含まれていることをS187において判断すると、対象のアプリケーションを画像形成装置にインストール可能なPKG形式のファイルにパッケージングする(S188)。
【0110】
図17は、S188においてパッケージングされたPKG形式のファイル70の一例を示す図である。
【0111】
図17に示すPKG形式のファイル70は、アプリケーションの実行ファイル71と、このアプリケーションのManifest.MF72とを含んでいる。Manifest.MF72は、例えばアプリケーションの名前およびアプリIDなどの情報を示すアプリケーションデータ72aと、アプリケーションの各種の設定値を示すアプリケーション設定データ72bとを含んでいる。
【0112】
図14~
図16に示すように、画像形成装置30のファイル送信部は、S188の処理の後、S188においてパッケージングしたPKG形式のファイルをS186における要求元である画像形成装置20に送信する(S189)。
【0113】
画像形成装置20のインストール実行部28aは、S189において送信されてきたPKG形式のファイルを受信すると、受信したPKG形式のファイルを使用して対象のアプリケーションをインストールする(S190)。ここで、インストール実行部28aは、PKG形式のファイルに含まれるアプリケーション設定データに示される設定値を適用する。
【0114】
インストール実行部28aは、S190の処理の後、S190において対象のアプリケーションをインストールした後のメモリー残量をアプリ所有機器判断用情報27iに記憶する(S191)。
【0115】
アプリ実行部28dは、S191の処理の後、対象のアプリケーションを実行する(S192)。
【0116】
インストール実行部28aは、S192の処理の後、対象のアプリケーションのアプリ使用回数をアプリ所有機器判断用情報27iにおいて1つ増加させる(S193)。
【0117】
インストール実行部28aは、S193の処理の後、対象のアプリケーションの実行が終了すると、対象のアプリケーションを画像形成装置20からアンインストールする(S194)。
【0118】
インストール実行部28aは、対象のアプリケーションのアプリIDと、画像形成装置20自身のシリアル番号と、対象のアプリケーションに対してアプリ所有機器判断用情報27iにおいて対応付けられているメモリー残量およびアプリ使用回数とを画像形成装置30に送信する(S195)。
【0119】
画像形成装置30のインストール実行部は、S195において画像形成装置20から送信されてきた情報を受信すると、アプリ所有最適機器情報更新処理を実行する(S196)。
【0120】
画像形成装置30のアクティベーション実行部は、acdファイルに画像形成装置20のシリアル番号が含まれていないことをS187において判断すると、対象のアプリケーションに対する画像形成装置20用のアクティベーションキーの要求を画像形成装置20に通知する(S197)。
【0121】
したがって、画像形成装置20のアクティベーション実行部28bは、対象のアプリケーションに対する画像形成装置20用のアクティベーションキーの要求を画像形成装置20の表示部22を介して通知する(S198)。
【0122】
したがって、利用者は、S198において要求されたアクティベーションキーを画像形成装置20の操作部21を介して入力することができる。なお、利用者が開発業者80ではない場合、利用者は、開発業者80からアクティベーションキーを取得する。
【0123】
画像形成装置20のアクティベーション実行部28bは、S198の処理の後、アクティベーションキーが入力されると、入力されたアクティベーションキーと、画像形成装置20自身のシリアル番号とを画像形成装置30に通知する(S199)。
【0124】
画像形成装置30のアクティベーション実行部は、S199の通知を受けると、S199において通知されたアクティベーションキーが適切であるか否かを判断する(S200)。ここで、画像形成装置30のアクティベーション実行部は、対象のアプリケーションのアプリIDと、S199において通知された画像形成装置20のシリアル番号とに基づいて特定の規則によって生成した情報が、S199において通知されたアクティベーションキーと一致する場合に、S199において通知されたアクティベーションキーが適切であると判断する。一方、画像形成装置30のアクティベーション実行部は、対象のアプリケーションのアプリIDと、S199において通知された画像形成装置20のシリアル番号とに基づいて特定の規則によって生成した情報が、S199において通知されたアクティベーションキーと一致しない場合に、S199において通知されたアクティベーションキーが適切ではないと判断する。
【0125】
画像形成装置30のアクティベーション実行部は、S199において通知されたアクティベーションキーが適切であるとS200において判断すると、対象のアプリケーションのacdファイルに、画像形成装置20のシリアル番号を書き込む(S201)。ここで、画像形成装置30のアクティベーション実行部は、対象のアプリケーションのacdファイルのマシン数の値も1つ増加させる。
【0126】
S201の処理の後、S188~S196の処理が実行される。
【0127】
画像形成装置30のアクティベーション実行部は、S199において通知されたアクティベーションキーが適切ではないとS200において判断すると、対象のアプリケーションの実行が不可能である旨を画像形成装置20に通知する(S202)。
【0128】
したがって、画像形成装置20のアクティベーション実行部28bは、対象のアプリケーションの実行が不可能である旨を画像形成装置20の表示部22を介して通知する(S203)。したがって、画像形成装置20の利用者は、画像形成装置20において対象のアプリケーションを実行することができないことを認識することができる。
【0129】
図18は、
図14~
図16に示すアプリ所有最適機器情報更新処理のフローチャートである。以下、画像形成装置20においてアプリ所有最適機器情報更新処理が実行される場合について説明するが、画像形成装置20以外の画像形成装置においてアプリ所有最適機器情報更新処理が実行される場合についても同様である。
【0130】
図18に示すように、画像形成装置20のインストール実行部28aは、他の画像形成装置(以下、
図18に示す動作の説明において、アプリ所有最適機器情報更新処理の開始の原因となった情報を送信した画像形成装置を単に「他の画像形成装置」という。)からの情報の受信によってアプリ所有最適機器情報更新処理を開始したか否かを判断する(S221)。インストール実行部28aは、S184の処理と同様の処理によってアプリ所有最適機器情報更新処理を開始した場合、他の画像形成装置からの情報の受信によってアプリ所有最適機器情報更新処理を開始したのではないと判断する。一方、インストール実行部28aは、S196の処理と同様の処理によってアプリ所有最適機器情報更新処理を開始した場合、他の画像形成装置からの情報の受信によってアプリ所有最適機器情報更新処理を開始したと判断する。
【0131】
インストール実行部28aは、他の画像形成装置からの情報の受信によってアプリ所有最適機器情報更新処理を開始したのではないとS221において判断すると、画像形成装置20自身が対象のアプリケーションを所有すべきであると記憶されているか否かを判断する(S222)。ここで、インストール実行部28aは、対象のアプリケーションに対してアプリ所有最適機器情報27jにおいて対応付けられている画像形成装置が画像形成装置20自身である場合に、画像形成装置20自身が対象のアプリケーションを所有すべきであると記憶されていると判断する。一方、インストール実行部28aは、対象のアプリケーションに対してアプリ所有最適機器情報27jにおいて対応付けられている画像形成装置が画像形成装置20自身ではない場合に、画像形成装置20自身が対象のアプリケーションを所有すべきであると記憶されていないと判断する。
【0132】
インストール実行部28aは、画像形成装置20自身が対象のアプリケーションを所有すべきであると記憶されているとS222において判断すると、対象のアプリケーションに対してアプリ所有最適機器情報27jにおいて対応付けられているメモリー残量およびアプリ使用回数を、対象のアプリケーションに対してアプリ所有機器判断用情報27iにおいて対応付けられているメモリー残量およびアプリ使用回数に更新して(S223)、
図18に示す動作を終了する。
【0133】
インストール実行部28aは、画像形成装置20自身が対象のアプリケーションを所有すべきであると記憶されていないとS222において判断すると、対象のアプリケーションに対してアプリ所有機器判断用情報27iにおいて対応付けられているメモリー残量が特定の閾値以下であるか否かを判断する(S224)。
【0134】
インストール実行部28aは、対象のアプリケーションに対してアプリ所有機器判断用情報27iにおいて対応付けられているメモリー残量が特定の閾値以下ではないとS224において判断すると、対象のアプリケーションに対してアプリ所有最適機器情報27jにおいて対応付けられているアプリ使用回数が、対象のアプリケーションに対してアプリ所有機器判断用情報27iにおいて対応付けられているアプリ使用回数超であるか否かを判断する(S225)。
【0135】
インストール実行部28aは、対象のアプリケーションに対してアプリ所有最適機器情報27jにおいて対応付けられているアプリ使用回数が、対象のアプリケーションに対してアプリ所有機器判断用情報27iにおいて対応付けられているアプリ使用回数以下であるとS225において判断すると、対象のアプリケーションに対してアプリ所有最適機器情報27jにおいて対応付けられているシリアル番号、メモリー残量およびアプリ使用回数を、画像形成装置20自身のシリアル番号と、対象のアプリケーションに対してアプリ所有機器判断用情報27iにおいて対応付けられているメモリー残量およびアプリ使用回数とに更新して(S226)、
図18に示す動作を終了する。
【0136】
インストール実行部28aは、他の画像形成装置からの情報の受信によってアプリ所有最適機器情報更新処理を開始したとS221において判断すると、他の画像形成装置から受信したメモリー残量が特定の閾値以下であるか否かを判断する(S227)。S227における閾値は、S224における閾値と同一の値である。
【0137】
インストール実行部28aは、他の画像形成装置から受信したメモリー残量が特定の閾値以下ではないとS227において判断すると、対象のアプリケーションに対してアプリ所有最適機器情報27jにおいて対応付けられているアプリ使用回数が、他の画像形成装置から受信したアプリ使用回数超であるか否かを判断する(S228)。
【0138】
インストール実行部28aは、対象のアプリケーションに対してアプリ所有最適機器情報27jにおいて対応付けられているアプリ使用回数が、他の画像形成装置から受信したアプリ使用回数超ではないとS228において判断すると、対象のアプリケーションに対してアプリ所有最適機器情報27jにおいて対応付けられているシリアル番号、メモリー残量およびアプリ使用回数を、他の画像形成装置のシリアル番号と、他の画像形成装置から受信したメモリー残量およびアプリ使用回数とに更新して(S229)、
図18に示す動作を終了する。
【0139】
インストール実行部28aは、対象のアプリケーションに対してアプリ所有機器判断用情報27iにおいて対応付けられているメモリー残量が特定の閾値以下であるとS224において判断するか、対象のアプリケーションに対してアプリ所有最適機器情報27jにおいて対応付けられているアプリ使用回数が、対象のアプリケーションに対してアプリ所有機器判断用情報27iにおいて対応付けられているアプリ使用回数超であるとS225において判断するか、他の画像形成装置から受信したメモリー残量が特定の閾値以下であるとS227において判断するか、対象のアプリケーションに対してアプリ所有最適機器情報27jにおいて対応付けられているアプリ使用回数が、他の画像形成装置から受信したアプリ使用回数超であるとS228において判断すると、
図18に示す動作を終了する。
【0140】
次に、アプリケーションを所有する画像形成装置を変更する場合の画像形成システム10の動作について説明する。なお、以下においては、対象のアプリケーションを所有する画像形成装置が画像形成装置20である場合について説明するが、対象のアプリケーションを所有する画像形成装置が画像形成装置20以外の画像形成装置である場合についても同様である。
【0141】
図19は、アプリケーションを所有する画像形成装置を変更する場合の画像形成システム10の動作のシーケンス図である。
【0142】
画像形成装置20のファイル送信部28eは、アプリ所有機器情報27gにおいて画像形成装置20自身に対応付けられているアプリケーション毎に
図19に示す動作を実行する。
【0143】
図19に示す動作の実行のタイミングは、
図19に示す動作の対象のアプリケーションがいずれの画像形成装置でも実行されていないタイミングである。
【0144】
例えば、ファイル送信部28eは、操作部21または通信部26を介した指示に応じて、対象のアプリケーションがいずれの画像形成装置でも実行されていないことを確認した後、
図19に示す動作を実行しても良い。
【0145】
また、ファイル送信部28eは、画像形成装置20の起動のタイミングや、画像形成装置20がスリープモードに遷移するタイミングなどの履歴を記憶し、画像形成装置20が使用されない可能性が高い時間帯、すなわち、対象のアプリケーションが画像形成装置20において実行されない可能性が高い時間帯を、履歴に基づいて学習することができる。したがって、ファイル送信部28eは、画像形成装置20が使用されない可能性が高い時間帯において、実際に対象のアプリケーションがいずれの画像形成装置でも実行されていないことを自動で確認した後、
図19に示す動作を自動で実行しても良い。
【0146】
図19に示すように、画像形成装置20のファイル送信部28eは、対象のアプリケーションに対してアプリ所有最適機器情報27jにおいて対応付けられている画像形成装置を確認する(S241)。
【0147】
ファイル送信部28eは、対象のアプリケーションに対してアプリ所有最適機器情報27jにおいて対応付けられている画像形成装置が画像形成装置20ではないことをS241において確認すると、S188の処理と同様に、対象のアプリケーションを画像形成装置にインストール可能なPKG形式のファイルにパッケージングする(S242)。以下、対象のアプリケーションに対してアプリ所有最適機器情報27jにおいて対応付けられている画像形成装置が画像形成装置30であるものとして説明する。
【0148】
ファイル送信部28eは、S242の処理の後、対象のアプリケーションに対してアプリ所有最適機器情報27jにおいて対応付けられている画像形成装置30に、対象のアプリケーションの所有の指示を通知する(S243)。ファイル送信部28eは、この指示に、S242においてパッケージングしたPKG形式のファイルを含める。
【0149】
インストール実行部28aは、S243の処理が終了すると、対象のアプリケーションを画像形成装置20からアンインストールする(S244)。
【0150】
画像形成装置30のインストール実行部は、S243において通知されてきた指示を受けると、この指示に関連付けられている、PKG形式のファイルを使用して対象のアプリケーションをインストールする(S245)。ここで、画像形成装置30のインストール実行部は、PKG形式のファイルに含まれるアプリケーション設定データに示される設定値を適用する。
【0151】
画像形成装置30のインストール実行部は、S245の処理の後、S143の処理と同様のS246の処理を実行して、S145の処理と同様のS247の処理を実行する。
【0152】
画像形成装置30のインストール実行部は、S247の処理の後、S245においてインストールしたアプリケーションを所有している画像形成装置が画像形成装置30であることを、グリッドコンピューティングで繋がっている全ての画像形成装置に対して通知する(S248)。この通知には、画像形成装置30のシリアル番号と、S245においてインストールしたアプリケーションのアプリIDとが含まれる。以下、グリッドコンピューティングで画像形成装置30に繋がっている画像形成装置の例として、画像形成装置20について説明する。
【0153】
画像形成装置20のインストール実行部28aは、S248における通知を受けると、対象のアプリケーションを所有している画像形成装置が画像形成装置30であることを示すようにアプリ所有機器情報27gを更新して(S249)、
図19に示す動作を終了する。
【0154】
なお、ファイル送信部28eは、対象のアプリケーションに対してアプリ所有最適機器情報27jにおいて対応付けられている画像形成装置が画像形成装置20であることをS241において確認すると、何もせずに、
図19に示す動作を終了する。
【0155】
次に、画像形成装置20に対してアプリケーションのアンインストールが利用者によって指示された場合の画像形成システム10の動作について説明する。なお、画像形成装置20に対してアプリケーションのアンインストールが利用者によって指示された場合について説明するが、画像形成装置20以外の画像形成装置に対してアプリケーションのアンインストールが利用者によって指示された場合についても同様である。
【0156】
図20は、画像形成装置20に対してアプリケーションのアンインストールが利用者によって指示された場合の画像形成システム10の動作のシーケンス図である。
【0157】
図20においては、画像形成装置20以外の、画像形成システム10における画像形成装置の一例として、画像形成装置30が描かれている。なお、画像形成装置20以外の、画像形成システム10における全ての画像形成装置は、画像形成装置30と同様に動作する。
【0158】
利用者は、例えば、アプリケーションのアンインストールを画像形成装置20の操作部21または通信部26を介して画像形成装置20に指示することができる。
【0159】
画像形成装置20のインストール実行部28aは、アプリケーションのアンインストールの指示を受けると、
図20に示すように、対象のアプリケーションを画像形成装置20からアンインストールする(S261)。
【0160】
インストール実行部28aは、S261の処理の後、対象のアプリケーションのアイコンをアイコン格納フォルダー27eから削除する(S262)。
【0161】
インストール実行部28aは、S262の処理の後、対象のアプリケーションに関する情報をアプリ所有機器情報27g、アプリ所有機器判断用情報27iおよびアプリ所有最適機器情報27jから削除する(S263)。
【0162】
インストール実行部28aは、S263の処理の後、対象のアプリケーションをアンインストールしたことを、グリッドコンピューティングで繋がっている全ての画像形成装置に対して通知する(S264)。この通知には、画像形成装置20のシリアル番号と、対象のアプリケーションのアプリIDおよびアイコンIDとが含まれる。
【0163】
画像形成装置30のインストール実行部は、S264における通知を受けると、S264において通知されたアイコンIDが付されたアイコン、すなわち、対象のアプリケーションのアイコンを画像形成装置30のアイコン格納フォルダーから削除する(S265)。
【0164】
画像形成装置30のインストール実行部は、S265の処理の後、対象のアプリケーションに関する情報を画像形成装置30のアプリ所有機器情報およびアプリ所有機器判断用情報から削除する(S266)。
【0165】
以上に説明したように、画像形成システム10は、特定のタイミングにおいて、アプリケーションの使用に関する特定の条件を満たす1つの画像形成装置に、このアプリケーションを所有させる(S245)ので、アプリケーションの頻繁なインストールを低減することができ、その結果、画像形成装置のパフォーマンスを向上することができる。
【0166】
画像形成システム10は、特定のタイミングにおいて、アプリケーションの使用頻度が最も高い、すなわち、使用回数が最も多い画像形成装置に、このアプリケーションを所有させるので、アプリケーションの頻繁なインストールを効果的に低減することができ、その結果、画像形成装置のパフォーマンスを向上することができる。
【0167】
画像形成システム10は、本実施の形態において、アプリケーションを所有させる画像形成装置をアプリ使用回数に基づいて決定する。しかしながら、画像形成システム10は、アプリケーションを所有させる画像形成装置を決定する場合に、アプリ使用回数に代えて、アプリ使用回数以外の、アプリケーションの使用頻度を採用しても良い。
【0168】
画像形成システム10は、アプリケーションを所有させる画像形成装置を決定する場合に、アプリケーションの使用頻度に代えて、アプリケーションの最終使用日時を採用しても良い。すなわち、画像形成システム10は、アプリケーションの最終使用日時が最も新しい画像形成装置に、このアプリケーションを所有させても良い。
【0169】
画像形成システム10は、特定のタイミングにおいて、アプリケーションの最終使用日時が最も新しい画像形成装置に、このアプリケーションを所有させる場合にも、アプリケーションの頻繁なインストールを効果的に低減することができ、その結果、画像形成装置のパフォーマンスを向上することができる。
【0170】
画像形成システム10は、シリアル番号がアプリケーションに含まれない画像形成装置に対して、このアプリケーションに対するアクティベーションがアクティベーションキーによって実行される(S154)ことによって、この画像形成装置において、このアプリケーションを動作させるので、いずれかの画像形成装置にインストールされたアプリケーションが、許可された画像形成装置のみにおいて使用されることができる。
【0171】
画像形成システム10は、シリアル番号がアプリケーションに含まれる画像形成装置に対して、このアプリケーションに対するアクティベーションがアクティベーションキーによって実行されなくても、この画像形成装置において、このアプリケーションを動作させる(S150およびS192)ので、利便性を向上することができる。
【0172】
画像形成システム10は、アクティベーションキーによるアプリケーションに対するアクティベーションが画像形成装置に対して実行された場合(S154およびS200)に、この画像形成装置のシリアル番号を、このアプリケーションに含める(S155およびS201)ので、アクティベーションキーによるアクティベーションが一度実行された画像形成装置に対しては、このアプリケーションに対するアクティベーションがアクティベーションキーによって再度実行されなくても、このアプリケーションを動作させるので、利便性を向上することができる。
【0173】
画像形成システム10は、画像形成装置が、他の画像形成装置が所有しているアプリケーションのアイコンと、このアプリケーションを所有している画像形成装置とを記憶する(S144~S148)ので、アプリケーションのアイコンを表示する場合(S166)に、他の画像形成装置にアクセスする必要がないので、アプリケーションのアイコンを表示するために必要な時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0174】
10 画像形成システム
20 画像形成装置
27a アプリ制御プログラム
27c アプリケーション
27f アイコン
28a インストール実行部
28e ファイル送信部
30、40、50 画像形成装置
70 ファイル