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▶ 笹部 裕子の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】リズム学習用教材
(51)【国際特許分類】
   G09B 15/00 20060101AFI20240215BHJP
   G09B 15/02 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
G09B15/00 E
G09B15/02 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021198249
(22)【出願日】2021-12-07
(65)【公開番号】P2023084210
(43)【公開日】2023-06-19
【審査請求日】2023-07-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】721011833
【氏名又は名称】笹部 裕子
(72)【発明者】
【氏名】笹部 裕子
【審査官】佐々木 祐
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-109256(JP,U)
【文献】登録実用新案第3192510(JP,U)
【文献】特開2019-090999(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0015587(US,A1)
【文献】米国特許第3750524(US,A)
【文献】米国特許第8188356(US,B2)
【文献】仏国特許出願公開第2424595(FR,A1)
【文献】仏国特許出願公開第2532775(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 11/00 - 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
四分音符の音価を横辺の長さの基準とし、表記の音符の音価に比例する横辺の長さを有する音符カード(1)と、表記の拍子記号の定義する1小節の音価に比例する横辺の長さを有する拍子カード(2)と、前記音符カード(1)を配置する音符カード配置部(6)及び、前記拍子カード(2)を配置する拍子カード配置部(5)を有する楽句ボード(4)で構成され、前記音符カードの配置部(6)は、1小節を1段とし、縦に楽句のリズムである4小節の倍数で楽曲のリズムに最低限必要な8小節以上の複数小節が配置されることを特徴とするリズム学習用教材。
【請求項2】
前記音符カード配置部(6)は、楽句の区切り(7)により楽句のリズムである4小節毎に分離配置されることを特徴とする特許請求項1記載のリズム学習用教材。
【請求項3】
前記音符カード(1)は、表面に音符又は連符、裏面に同じ音価による異なるリズムの休符もしくは休符と音符の表記のあることを特徴とする請求項1記載のリズム学習用教材。
【請求項4】
前記拍子カード(2)は、表面に拍子記号、裏面に前記拍子記号の定義する拍子のリズム1小節及び、前記拍子記号の定義する1拍のカウントに当たる音符毎の区切りを示す区切り線(3)を有する事を特徴とする請求項1記載のリズム学習用教材。
【請求項5】
前記拍子カード配置部(5)記載の拍子記号は、配置可能な複数種類の前記拍子カード(2)記載の拍子記号を併記する事を特徴とする請求項1記載のリズム学習用教材。
【請求項6】
前記楽句ボード(4)は、磁石を吸着可能な素材で構成され、前記音符カード(1)および前記拍子カード(2)は磁石を内蔵することで、前記楽句ボード(4)に凹凸の無い平面の画として記載された前記音符カード配置部(6)と前記拍子カード配置部(5)に前記音符カード(1)および前記拍子カード(2)を吸着使用する事を特徴とする特許請求項1記載のリズム学習用教材。
【請求項7】
前記拍子カード配置部(5)および前記音符カード配置部(6)は、前記楽句ボード(4)の表面に対して凹で構成され、前記楽句ボード(4)が傾斜しても前記楽句ボード(4)から前記音符カード(1)及び前記拍子カード(2)が落下しない構造となっていることを特徴とする請求項1記載のリズム学習用教材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽のリズムを学習する教材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のリズム学習用教材には、カード表面に記載された音符又は休符の音価に応じた横辺の長さを有する音符カードが存在し、音符又は休符の音価を比較する学習や、2から5個の音符又は休符を組み合わせたリズムをリズム読み学習するためのリズム学習用教材(特許文献1)が公知である。
【0003】
また拍子記号の記載する枠に音符を組み合わせたリズムパターンを横方向に最大4小節作り、1小節内のリズムの比較と最大4小節のリズム読み学習を可能とするリズム学習用教材(特許文献2)が公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-175870号公報
【0005】
【文献】実用新案登録第3199477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のリズム学習用教材(特許文献2)は、音符を組み合わせたリズムパターンを横方向に最大4小節作り、1小節のリズムの比較と最大4小節のリズム読み学習を可能とするリズム学習用教材である為、最低8小節は必要である楽曲1コーラスにおける後述する「楽曲のリズム」「楽句のリズム」「拍子のリズム」「音符のリズム」4つのリズム全てを学習する事は不可能である。
【0007】
また横方向に複数小節の音符のリズムパターンを配置する為、「楽曲のリズム」「楽句のリズム」「拍子のリズム」が、「音符のリズム」と互いに影響し合いながら同時進行することを体感し理解学習する事は困難である。
【0008】
「ぞうさん」「カエルのうた」「ドングリコロコロ」など広く親しまれている童謡には、1コーラスが8小節で出来ている曲が多い。8小節は楽曲の構成出来る最低限の小節数と言われており、その内訳は2小節毎展開する起承転結で構成されている。童謡「ぞうさん」の歌詞の起承転結は、起「ぞうさんぞうさん」ぞうさんへの呼びかけ、承「お鼻が長いのね」ぞうさんへの問いかけ、転「そうよ母さんも」問いかけにぞうさんが応え、結「長いのよ」ぞうさんの応えの終了で終わる構成となっており、リズム(旋律)的には、起「ぞうさんぞうさん」2度繰り返すリズムの印象的な始まりから、承「お鼻が長いのね」で前半のフレーズが終わる小休止、転「そうよ母さんも」の高揚感のあるリズム(旋律)で曲は山場を迎え、結「長いのよ」で終止音に解決しこの8小節1コーラスが締めくくられる構成である。1コーラスの楽曲内に構成する「楽曲のリズム」と言われる起承転結のリズムは、より多くの小節数で構成される楽曲においても言える基本的な楽曲構成のスタイルであり音楽を理解する上で重要なリズムの1つである。
【0009】
フレーズの単位は基本的に4小節と言われている。童謡「ぞうさん」を4小節フレーズで区切ると、前半「ぞうさんぞうさんお鼻が長いのね」後半「そうよ母さんも長いのよ」の2つに分ける形となり、歌詞の区切りとフレーズの区切りが一致する。歌詞と音楽が一体となる効果は歌曲の醍醐味であり、歌う者にとってフレーズの区切りは息継ぎをする重要なタイミングである。4小節フレーズ(楽句)を意識する事は歌曲を理解する為の重要なポイントであると言える。
【0010】
「ぞうさん他、童謡以外の多くのジャンルや楽曲においても、4小節フレーズ(楽句)は存在する。ジャズやブルーグラスの1コーラスは32小節(4小節フレーズが8つ)の場合が多く、ブルースにおいては例外なく1コーラスは12小節(4小節フレーズが3つ)と決まっている。ブルーグラスは1コーラス、ジャズとブルースは1コーラス以上のアドリブを演奏する事が決まっており、ジャズに関しては4バースと呼ばれる4小節毎奏者がバトンタッチするアドリブスタイルがある。この場合4小節を正確にカウント出来る事が必要不可欠である。通常のアドリブは1コーラスもしくは複数コーラスを演奏する。その場合も、1コーラス内は4小節フレーズ複数により構成されている為、4小節を正確にカウント出来る事が必要不可欠である。アドリブ演奏の際は、伴奏にメロディは含まれない為メロディに頼る事が出来ない。コード進行と小節のカウントを手掛かりに、即興演奏しながら1コーラスを正確にカウントし、次の奏者に演奏をバトンタッチするアイコンタクトする事になっている。またその他クラシック・オペラ・バレエ曲・交響曲など1時間以上に渡る曲においても、多くの場合4小節のフレーズが連なり構成しており、フレーズを意識して演奏する事は曲に抑揚のメリハリをつける。「楽句のリズム」と言われる4小節フレーズ(楽句)のリズムは音楽を理解する上で知るべき重要なリズムの1つである。
【0011】
音楽には拍子記号の定義する「拍子のリズム」がある。例えば3拍子の童謡「ぞうさん」の冒頭「ぞうさんぞうさん」を「123・123」と3拍子3拍を三角形で描き歌いながらカウントしてみると、三角形を描くタイミングと歌がピッタリ合うのを感じるだろう。しかし試しに4拍子4拍の四角形を描きながら歌ってみると、全くタイミングが合わない。他にもトトロの「さんぽ」の冒頭「歩こう歩こう」を「12・12」と2拍子2拍の左右交互に足を運び、歌いながら歩く事は、誰もが心地よく感じるが、「ぞうさん」を2拍子で歩きながら歌うのは、不自然な違和感を覚えるだろう。この様に、歌の旋律と共に「拍子のリズム」は存在し、一定の同じリズムを繰り返しながら旋律にグルーヴ感を与えている。「拍子のリズム」は旋律の影の立役者であり音楽を理解する上での重要なリズムの1つである。
【0012】
旋律のリズムは、音価を表す数種類の音符を組み合わせ記譜される。音符それぞれの音価は「四分音符=1秒」といった絶対的な時間の長さでは無く「四分音符を1に対し、二分音符は倍の2である」という相対的な長さで定義されている。その為、実際に演奏される時間的な長さは「拍子のリズム」の速度(テンポ)により変化するという特徴がある。楽譜を読み演奏する事を目指す者は先ず、音符それぞれの音価の相対的な長さを理解し、定められたテンポの中、正確な時間的比率を音で再現できる事が必要である。以下、音符それぞれの意味する音価によるリズムを「音符のリズム」と表記する。
【0013】
以上、楽曲内には、互いに影響し合う4つのリズム、1コーラスの起承転結のリズム「楽曲のリズム」、4小節フレーズの「楽句のリズム」、1小節毎繰り返す「拍子のリズム」、音符の音価による「音符のリズム」が同時進行しており互いに影響している。これらを学習するリズム学習用教材は、楽曲を構成出来る楽句のリズムである4小節の倍数で最低限8小節以上の構成が必要であり、「楽曲のリズム」「楽句のリズム」「拍子のリズム」「音符のリズム」が2次元的で直感的に捉えられる構造が必要となる。
【0014】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、「楽曲のリズム」「楽句のリズム」「拍子のリズム」「音符のリズム」4つのリズム全てを学習可能なリズム学習用教材を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係るリズム学習用教材は、四分音符の音価を横辺の長さの基準とし、表記の音符の音価に比例する横辺の長さを有する音符カード1と、表記の拍子記号の定義する1小節の音価に比例する横辺の長さを有する拍子カード2と、前記音符カード1を配置する音符カード配置部6及び、前記拍子カード2を配置する拍子カード配置部5を有する楽句ボード4で構成され、前記音符カードの配置部6は1小節を1段とし、縦に楽句のリズムである4小節の倍数で楽曲のリズムに最低限必要な8小節以上の複数小節が配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、最低8小節は必要である楽曲1コーラスにおける「楽曲のリズム」「楽句のリズム」「拍子のリズム」「音符のリズム」4つのリズム全てを学習可能で、「楽曲のリズム」「楽句のリズム」「拍子のリズム」が、「音符のリズム」と互いに影響し合いながら同時進行することを体感し理解学習する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る「リズム学習用教材」の使用形態を説明する図である。
図2】「音符カード1」を説明する図である。
図3】「拍子カード2」を説明する図である。
図4】「楽句ボード4」を説明する図である。
図5】音符のリズム記載の「音符カード1」を説明する図である。
図6】本発明に係る「リズム学習教材」の使用方法を説明する図である。
図7】「音符カード1」を音読みで使用する場合を説明する図である。
図8図1の「リズム学習用教材」の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0018】
以下、本発明の一実施形態によるリズム学習教材に関し、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る「リズム学習用教材」の使用形態を説明する図である。この「リズム学習用教材」は、複数の「音符カード1」「拍子カード2」及び「楽句ボード4」で構成しており、8小節を1コーラスとする「楽曲のリズム」4小節を1フレーズとする「楽句のリズム」、各小節の「拍子のリズム」及び各音符の音価による「音符のリズム」の学習が可能となっている。
【0020】
「音符カード1」は図2図5図7に示す様に、表面には音符のリズムが記載され、裏面には音価の同じ休符のリズム(複数の音符と休符によるリズムを含む)が記載されている。音符も休符もリズムは各々複数種類あるため「音符カード1」はこれに対応するよう複数種類準備される。
【0021】
「音符カード1」の縦辺の長さは全てXc mとし、横辺の長さは記載の音符(休符)のの音価にXc mを乗じたものとする。例えば四分音符の音価の長さを1と定めた場合、図2の四分音符を記載の「音符カード1」の横辺の長さはXcmに1を乗じる長さとなる他、付点四分音符記載の「音符カード1」の横辺の長さはXcmに1.5を乗じる長さとなる。これにより各音符の定義する音価の相対的長さが簡単に比較学習できる。
【0022】
「拍子カード2」は、図3に示す様に表面には拍子記号が記載され、裏面には拍子記号の定義する1小節のリズム及び、1拍毎の区切りを示す「区切り線3」が記載されている。これにより拍子記号の定義する1小節のリズムが直ぐに理解出来る。「拍子カード2」記載の拍子記号は4/4と2/2の様に、別の記号表記の方法(コモンタイム、カットタイム)がある場合は併記する事も出来る。
【0023】
「拍子カード2」の縦辺の長さは「音符カード1」同様、全てXc mとし、横辺の長さは記載の1小節のリズムの音価にXc mを乗じたものとする。例えば四分音符の音価の長さを1と定めた場合、図3の「拍子カード2」裏面記載のリズムは四分音符3つなのでで、カードの横辺はXcmに3を乗じた長さとし、他、例えば2/2拍子記載の「拍子カード2」は、1小節のリズムは二分音符2つの四分音符4つ分であるので、横辺はXcmに4を乗じた長さとする。これにより、拍子記号の定義する1小節のリズムが簡単に理解出来る構成となっている。
【0024】
この「拍子カード2」は、「楽句ボード4」に「音符カード1」と共に配置しリズム読み学習する際、「拍子カード2」裏面を上に向け、記載の拍子記号の定義する1小節のリズム(拍子のリズム)を見える様に配置すると、前振りカウントとして使用出来る他、「拍子のリズム」をカウントしつつ「音符カード1」による「音符のリズム」をリズム読みする事で「音符のリズム」と同時並行して存在する「拍子のリズム」が1小節1段毎同じリズムパターンを繰り返し、各音符の音価による「音符のリズム」にグルーヴ感を与え速度をコントロールすることを体感し理解出来る構成となっている。
【0025】
「楽句ボード4」は図4に示すように、「拍子カード2」を配置する「拍子カード配置部5」及び、「音符カード1」を配置する「音符カード配置部6」が具備され、「拍子カード配置部5」には記載の拍子記号の「拍子カード2」1枚、「音符カード配置部6」には記載の「1小節の区切り線8」の区切る1小節1段に沿って「音符カード1」を配隙間なく並べるだけで正しくリズムを作成できる構成となっている。「拍子カード配置部5」と「音符カード配置部6」は、「楽句ボード4」に対して凹凸の無い平面の画、もしくは図8に示す凹で配置される。「楽句ボード4」が凹の場合は「拍子カード2」と「音符カード1」を配置した状態で「楽句ボード4」を傾けても「拍子カード2」と「音符カード1」が落下しにくい構成となっている。
【0026】
「楽句ボード4」は、「拍子カード2」の横辺の長さに応じた種類の数、準備されており、拍子記号の定義する1小節の音価の等しい2/2拍子と4/4拍子、もしくは3/4拍子と6/8拍子においては横辺の長さが等しい為、配置する「楽句ボード4」は同じものを使用し「拍子カード配置部5」記載の拍子記号は「2/2 4/4」「3/4 6/8」等と、複数個の拍子記号を併記する。また4/4と2/2の様に、別の記号表記の方法(コモンタイム、カットタイム)がある場合においても併記する事が出来る。
【0027】
「楽句ボード4」へ「拍子カード2」を配置するための「拍子カード配置部5」及び、「音符カード1」を配置するための「音符カード配置部6」の縦辺と横辺の長さは、「楽句ボード4」に凹のある場合、配置する「拍子カード2」「音符カード1」の配置、取り外しを可能とする余裕を加えた長さとする。
【0028】
「音符カード配置部6」8小節8段は、「楽句ボード4」上において「1小節の区切り線8」により1小節1段に区切られ「楽句の区切り7」により4小節4段の2箇所に分けられている。各々の「音符カード配置部6」は、4小節4段で構成する1フレーズの「楽句のリズム」を表し、2つ合わせた8小節8段で構成する1コーラス「楽曲のリズム」の表現を可能としている。この「楽句ボード4」に「音符カード1」と「拍子カード2」を配置リズム読みする学習は、8小節8段で構成する1コーラス「楽曲のリズム」の中に、4小節4段で一区切りする「楽句のリズム」と、1小節1段毎繰り返す「拍子のリズム」のリズムパターンが、各音符の音価による「音符のリズム」にグルーヴ感を与え速度をコントロールする4つのリズム全てが互いに影響し合い同時進行する事を体感し理解出来る構成となっている。また「音符カード配置部6」は8小節以上の12小節12段、16小節16段、32小節32段、など4小節4段で構成する1フレーズの「楽句のリズム」の倍数で構成しても良い。これによりこれによりブルース、ジャズ、ブルーグラス等複数の音楽に対応する事が出来る。
【0029】
「音符カード配置部6」「1小節の区切り線8」は実線には限らず破線、一点鎖線などで表しても構わない。
【0030】
図2は「音符カード1」を説明する図である。この「音符カード1」は「楽句ボード4」の「音符カード配置部6」に配置するカードであり、表面に音符のリズム、裏面に休符のリズムを有する構成としている。この図2では表面に音符のリズムとして四分音符、裏面には休符のリズムとして四分休符を記載している。
【0031】
図中のX c mは図1の説明で説明した通り、四分音符1つの音価を1とした場合の長さである。
【0032】
図3は「拍子カード2」を説明する図である。この「拍子カード2」は「楽句ボード4」の「拍子カード配置部5」に配置するカードであり、表面には拍子を表す拍子記号、裏面には拍子記号の定義する1小節のリズム及び拍子記号の定義する1拍とカウントする音符毎の区切りを示す「区切り線3」が記載されている。この図3では表面の拍子記号として3/4拍子、裏面の1小節のリズムとして四分音符3つ及び、1拍とカウントする音符である四分音符毎1拍ずつ区切る「区切り線3」が記載されている。尚「区切り線3」は実線には限らず破線、一点鎖線などで表しても構わない。
【0033】
「拍子カード2」は表面の拍子記号と、裏面の1小節のリズムの組み合わせとして、2/4拍子と四分音符2つ、4/4拍子と四分音符4つ、2/2拍子と二分音符2つ、5/4拍子と四分音符5つ、6/8拍子と八分音符の3連符2つなどで構成することもできる。それぞれ「区切り線3」で区切られる拍子記号の定義する1拍とカウントする音符は、2/4、4/4、5/4拍子においては四分音符1つ、2/2拍子においては二分音符1つ、6/8拍子においては八分音符の3連符である。
【0034】
図中のX c mは図1の説明で説明した通り、四分音符の音価を1とした場合の長さである。
【0035】
図4は「楽句ボード4」を説明する図である。この「楽句ボード4」は、「拍子カード2」の横辺の長さに応じた種類の数準備されており、拍子記号の定義する1小節のリズムの音価の等しい2/2拍子と4/4拍子、もしくは3/4拍子と6/8拍子においては「拍子カード2」を配置する「楽句ボード4」は同じものを使用する為、「拍子カード配置部5」記載の拍子記号は「2/2 4/4」「3/4 6/8」等と、複数個の拍子記号を併記する。また4/4と2/2の様に、別の記号表記の方法(コモンタイム、カットタイム)がある場合においても併記する事が出来る。この図4では「拍子カード配置部5」記載の拍子記号は「3/4 6/8」となっており、図4の「楽句ボード4」は横辺の長さの同じ3/4拍子もしくは6/8拍子の「拍子カード2」を配置し使用するボードとなっている。
【0036】
「拍子カード配置部5」と「音符カード配置部6」の縦辺と横辺の長さは図1の説明で説明した通り「楽句ボード4」に凹のある場合、配置する「拍子カード2」と「音符カード1」の配置、取り外しを可能とする余裕を加えた長さとする。
【0037】
「音符カード配置部6」の1小節を1段とする8小節8段は、図1の説明で説明した通り「楽句ボード4」上において「楽句の区切り7」で2箇所に分けられている。2箇所に分けられた各々の「音符カード配置部6」は、1小節を1段とする縦に4小節4段で構成する1フレーズの「楽句のリズム」を表し、2つ合わせた8小節8段で構成する1コーラス「楽曲のリズム」の表現を可能としている。この「音符カード配置部6」は1小節を1段とし、縦に「楽句のリズム」である4小節の倍数で「楽曲のリズム」に最低限必要な8小節以上の複数小節が配置されてもかまわない。また「楽句の区切り7」を具備せず構成する事も出来る。
【0038】
1小節とカウントする音符である四分音符毎1拍ずつ区切る「区切り線3」が記載されている。尚「区切り線3」は実線には限らず破線、一点鎖線などで表しても構わない。
「1小節の区切り線8」は実線には限らず破線、一点鎖線などで表しても構わない。
【0039】
図5は、音符のリズム記載の「音符カード1」を説明する図である。図1の説明で説明した通り、この「音符カード1」は、「楽句ボード4」の「音符カード配置部6」に配置するカードであり、表面に音符のリズム、裏面に休符と音符のリズムを有する構成としている。この図5では、表面に八分音符2つによる連符のリズム、裏面には八分休符と八分音符によるリズム2パターン記載している。
【0040】
「音符カード1」は表面の音符のリズムと、裏面の休符と音符のリズムの組み合わせとして、「八分音符の3連符」と「八分休符と八分音符の3連符」、「十六分音符の4連符」と「十六分休符と十六分音符の4連符」など複数の音符や休符で構成しても良い。また「音符カード1」は、図1に示すように表面に単1の音符による音符のリズム、裏面に単一の休符による休符のリズムで構成しても良い。
【0041】
図中のX c mは図1の説明で説明した通り、四分音符の音価を1とした場合の長さである。
【0042】
図6は、本発明に係る「リズム学習教材」の使用方法を説明する図である。図6は、童謡「ぞうさん」のリズム1コーラスを本発明の「リズム学習用教材」で表し、童謡「ぞうさん」の歌詞を併記した、リズムと歌詞によるリズム学習形態の1例である。「ぞうさん」「カエルのうた」「ドングリコロコロ」など広く親しまれている童謡には、1コーラスが8小節で出来ている曲が多く、馴染みのある歌詞の付いたリズムの方が、より楽曲のリズム、楽句のリズム、拍子のリズム、音符のリズムの理解を深めやすい。「ぞうさん」の歌詞は、楽句のリズムである4小節フレーズが前半後半の2つで出来ており、前半はぞうさんへの問いかけ「ぞうさんぞうさんお鼻が長いのね」後半はぞうさんが答える「そうよ母さんも長いのよ」と2つの文節と一致し、リズム学習教材の楽句の区切りとも一致している事がわかる。「ぞうさん」を歌いながら拍子のリズムである3拍子の三角を描き続けてみると1小節1段ごと1つ三角を描くことになり、拍子のリズムを体感する事ができる。「ぞうさん」を歌いながら「音符カード1」を目で追うと、音価を表すカードの長さで音符のリズムの理解が深まる効果がある。
【0043】
図7は「音符カード1」を音読みで使用する場合の読み方を説明する図である。八分音符を「ティ」、四分音符を「ター」、付点四分音符を「ターイ」、二分音符を「ターアー」、八分休符を「ン」、四分休符を「ウー」、付点四分休符を「ウーン」、二分休符を「ウーウー」と読み、各音符の音価の長さを韻として体感する一例である。
【0044】
図8は、図1の「リズム学習用教材」の「楽句ボード4」に凹のある場合においての斜視図である。詳細は図1の説明で説明した通り「楽句ボード4」に具備されている「拍子カード配置部5」と「音符カード配置部6」が「楽句ボード4」に対して凹で構成されている。「拍子カード2」と「音符カード1」のカード面の高さは「拍子カード配置部5」と「音符カード配置部6」の淵の高さ(「楽句の区切り7」の高さ)より高く凸となっているのは「拍子カード配置部5」と「音符カード配置部6」の凹の深さより「拍子カード2」と「音符カード1」の方が厚い構成となっている為である。「拍子カード2」と「音符カード1」を配置した状態で、「楽句ボード4」を傾けても「拍子カード2」と「音符カード1」が落下しにくい構成となっている。
【実施例2】
【0045】
以下、本発明の他の一実施形態によるリズム学習教材に関し、図面を参照して説明する。
【0046】
図4に示す「楽句ボード4」の「拍子カード配置部5」および「音符カード配置部6」が、凹凸の無い平面の画として描かれた場合において、「楽句ボード4」と、「音符カード1」および「拍子カード2」同士がマグネットで吸着可能な材料の場合や、更に「楽句ボード4」をマグネットが吸着可能なホワイトボード及び黒板などの上に貼り付けて使用した場合に関し説明する。尚、以下説明する内容を除き実施例1の内容と変わるものではない。
【0047】
「音符カード1」「拍子カード2」は両面マグネットシートであり「楽句ボード4」が垂直に配置された場合においても落下しない構成としている。このため「楽句ボード4」をリズムの説明のため生徒などに高く掲げて説明したり、生徒などにホワイトボードや黒板上の大きな画でリズムの説明が行える構成となっている。
【0048】
以上説明した様に、本発明は、最低8小節は必要である楽曲1コーラスにおける「楽曲のリズム」「楽句のリズム」「拍子のリズム」「音符のリズム」4つのリズム全てを学習可能で、「楽曲のリズム」「楽句のリズム」「拍子のリズム」が、「音符のリズム」と互いに影響し合いながら同時進行することを体感し理解学習する事が可能なリズム学習用教材を提供することが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 音符カード
2 拍子カード
3 区切り線
4 楽句ボード
5 拍子カード配置部
6 音符カード配置部
7 楽句の区切り
8 1小節の区切り線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8