(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】地盤改良工法及び地盤改良構造
(51)【国際特許分類】
E02D 3/08 20060101AFI20240215BHJP
E02D 27/34 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
E02D3/08
E02D27/34 Z
(21)【出願番号】P 2019194199
(22)【出願日】2019-10-25
【審査請求日】2020-06-18
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】500305380
【氏名又は名称】株式会社シーマコンサルタント
(73)【特許権者】
【識別番号】517202283
【氏名又は名称】株式会社成建
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】中島 観司
(72)【発明者】
【氏名】鍔田 一治
【合議体】
【審判長】古屋野 浩志
【審判官】有家 秀郎
【審判官】西田 秀彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-219683(JP,A)
【文献】特開2001-303540(JP,A)
【文献】特開2014-12981(JP,A)
【文献】特開2015-206174(JP,A)
【文献】特開2018-204391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D3/08
E02D5/22-5/80
E02D27/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に複数の縦穴を掘削する工程と、
前記地盤の外周に複数の集水桝を設ける工程と、
隣り合う前記縦穴の上端開口部同士を連通し、前記集水桝に向かって下り勾配を成す凹溝を前記地盤に形成する工程と、
前記集水桝の直近に位置する前記縦穴の上端開口部とを連通し、前記集水桝に向かって下り勾配を成す排水溝を設ける工程と、
前記縦穴に地盤改良材を投入する工程と、
前記縦穴に投入された前記地盤改良材に圧力を加えて締固め前記地盤中に連続した空隙を有する団粒構造を備えた透水性及び保水性を有する杭状体を形成する工程と、
前記凹溝及び前記排水溝に前記地盤改良材を投入する工程と、
前記凹溝及び前記排水溝に投入された前記地盤改良材に圧力を加えて締固め、
前記集水桝に向かって下り勾配を成し、前記杭状体の頭部と一体化した格子状若しくは網状をなす連続した空隙を有する団粒構造を備えた透水性及び保水性を有する透水構造体を形成する工程と、を備え、
前記地盤改良材が、砕石・真砂土・土材のうちの1以上、セメント系固化材、団粒化剤及び水を含むものである地盤改良工法。
【請求項2】
前記団粒化剤が、アクリル酸・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体からなる高分子化合物を含むものである請求項1記載の地盤改良工法。
【請求項3】
地盤中に立設され連続した空隙を有する団粒構造を備えた透水性及び保水性を有する複数の杭状体と、
前記地盤の外周部分に設けられた複数の集水桝と、
隣り合う前記杭状体の頭部同士を連通し、前記集水桝に向かって下り勾配を成
し、前記杭状体の頭部と一体化した格子状若しくは網状をなす連続した空隙を有する団粒構造を備えた透水性及び保水性を有する透水構造体と、
前記集水桝の直近に位置する前記杭状
体の頭部と連通し、前記集水桝に向かって下り勾配を成す、連続した空隙を有する団粒構造を備えた透水性及び保水性を有する透水構造体と、を備え、
前記杭状体及び前記透水構造体が、砕石・真砂土・土材のうちの1以上、セメント系固化材、団粒化剤及び水を含む地盤改良材を固化させたものである地盤改良構造。
【請求項4】
前記団粒化剤が、アクリル酸・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体からなる高分子化合物を含むものである請求項3記載の地盤改良構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震発生時などに液状化する可能性が高い地盤を液状化し難い地盤へ改良する工法及びこの地盤改良工法によって形成した地盤改良構造に関する。
【背景技術】
【0002】
地震発生時に地盤が液状化すると、その上に構築されている建物や構造物などが沈下したり、倒壊したりして、甚大な被害を引き起こすことがある。このような状況に対応するため、様々な液状化防止技術が提案、実施されているが、本発明に関連する従来技術として、例えば、特許文献1に記載された「宅地地盤の液状化防止構造」や、特許文献2に記載された「液状化対策基礎杭及び液状化対策基礎構造」などがある。
【0003】
特許文献1に記載された「宅地地盤の液状化防止構造」は、地盤拘束壁と表層地盤改良体とから構成され、地盤拘束壁と表層地盤改良体との隙間は水密構造に処理され、地盤拘束壁は、地表部から非液状化層へは到達しない深さの浮き型構造として造成され、地盤拘束壁の要所位置に、非液状化層にまで到達させた支持用柱状体又は支持用柱状体を複数連ねた支持用壁状体若しくは鋼管杭を含む構成である。
【0004】
特許文献2に記載された「液状化対策基礎構造」は、ポリプロピレンからなる立体網目構造体を筒状に成型した筒状体と、筒状体の側面を覆う透水性部材とからなる液状化防止手段を杭の側面に備えた液状化対策基礎杭と、透水性部材で覆われたポリプロピレンからなる立体網目構造体の排水溝とから構成され、液状化対策基礎杭を地盤に打設し、排水溝を基礎砕石の下に地表と略水平に敷設して、液状化対策基礎杭と連結させ、液状化対策基礎杭の筒状体の中を上昇する地盤中の過剰な間隙水を排水溝へ流し、排水溝を通して地表と略水平方向に過剰な間隙水を排水するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-161065号公報
【文献】特開2015-206174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された「宅地地盤の液状化防止構造」並びに特許文献2に記載された「液状化対策基礎構造」を施工すれば、それぞれ所定の液状化防止効果が得られることが予測できるが、いずれも専用の資材を必要とし、施工工程も複雑であり、施工完了までには多大な労力と時間を要するという問題がある。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、汎用的な資材で施工可能であり、施工も容易で工期短縮を図ることが可能であり、優れた液状化防止効果を得ることができる、地盤改良工法及び地盤改良構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る地盤改良工法は、
地盤に複数の縦穴を掘削する工程と、
前記地盤の外周に複数の集水桝を設ける工程と、
隣り合う前記縦穴の上端開口部同士を連通し、前記集水桝に向かって下り勾配を成す凹溝を前記地盤に形成する工程と、
前記集水桝の直近に位置する前記縦穴の上端開口部と連通し、前記集水桝に向かって下り勾配を成す排水溝を設ける工程と、
前記縦穴に地盤改良材を投入する工程と、
前記縦穴に投入された前記地盤改良材に圧力を加えて締固め前記地盤中に連続した空隙を有する団粒構造を備えた透水性及び保水性を有する杭状体を形成する工程と、
前記凹溝及び前記排水溝に前記地盤改良材を投入する工程と、
前記凹溝及び前記排水溝に投入された前記地盤改良材に圧力を加えて締固め、前記集水桝に向かって下り勾配を成し、前記杭状体の頭部と一体化した格子状若しくは網状をなす連続した空隙を有する団粒構造を備えた透水性及び保水性を有する透水構造体を形成する工程と、を備え、
前記地盤改良材が、砕石・真砂土・土材のうちの1以上、セメント系固化材、団粒化剤及び水を含むものであることを特徴とする。
【0009】
前記地盤改良工法においては、
地盤に複数の縦穴を掘削する工程と、
隣り合う前記縦穴の上端開口部同士を連通する凹溝を前記地盤に形成する工程と、
前記凹溝に前記地盤改良材を投入する工程と、
前記凹溝に投入された前記地盤改良材に圧力を加えて締固め、前記杭状体の頭部と一体化した格子状若しくは網状をなす連続した空隙を有する団粒構造を備えた透水性及び保水性を有する透水構造体を形成する工程と、を備えている。
【0010】
前記地盤改良工法においては、
前記杭状体の頭部若しくは前記透水構造体と連通する排水手段を設ける工程を備えている。
【0011】
前記地盤改良工法においては、
前記排水手段を、
前記杭状体の頭部若しくは前記透水構造体と連通する排水溝を前記地盤に形成する工程と、
前記排水溝に前記地盤改良材を投入する工程と、
前記排水溝に投入された前記地盤改良材に圧力を加えて締固め、前記杭状体の頭部若しくは前記透水構造体と一体化する工程と、を経て形成することができる。
【0012】
前記地盤改良工法においては、前記団粒化剤が、アクリル酸・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体からなる高分子化合物を含むものであることが望ましい。
【0013】
次に、本発明に係る地盤改良構造は、
地盤中に立設され連続した空隙を有する団粒構造を備えた透水性及び保水性を有する複数の杭状体と、
前記地盤の外周部分に設けられた複数の集水桝と、
隣り合う前記杭状体の頭部同士を連通し、前記集水桝に向かって下り勾配を成す、連続した空隙を有する団粒構造を備えた透水性及び保水性を有する透水構造体と、
前記集水桝の直近に位置する前記杭状体の頭部と連通し、前記集水桝に向かって下り勾配を成し、前記杭状体の頭部と一体化した格子状若しくは網状をなす連続した空隙を有する団粒構造を備えた透水性及び保水性を有する透水構造体と、を備え、
前記杭状体及び前記透水構造体が、砕石・真砂土・土材のうちの1以上、セメント系固化材、団粒化剤及び水を含む地盤改良材を固化させたものであることを特徴とする。
【0014】
前記地盤改良構造においては、前記団粒化剤が、アクリル酸・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体からなる高分子化合物を含むものであることが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、汎用的な資材で施工可能であり、施工も容易で工期短縮を図ることも可能であり、優れた液状化防止効果を得ることができる、地盤改良工法及び地盤改良構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態である地盤改良工法の施工工程を示す説明図である。
【
図2】
図1に示す地盤改良工法を施工中の地盤を示す一部省略平面図である。
【
図3】
図1に示す地盤改良工法によって形成された地盤改良構造を示す一部省略平面図である。
【
図4】
図1に示す地盤改良工法によって形成された地盤改良構造を示す一部省略垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、
図1~
図4に基づいて、本発明の実施形態である地盤改良工法及びこの地盤改良工法によって構築した地盤改良構造について説明する。
【0018】
初めに、
図1~
図3に基づいて、地盤改良工法について説明する。
図1(a)に示すように、地盤改良工法の施工対象である地盤Gの表面Gaから地盤G中に向かってアースオーガードリル10などで掘削し、地盤G中に垂直方向に伸びる縦穴Pを形成する。また、縦穴Pの掘削前(若しくは掘削後)に、縦穴Pの上端開口部P1と連通する凹溝Tを地盤Gの表面Ga部分に形成する。なお、縦穴Pの内径や深度などは地盤Gの性状や施工条件に基づいて任意に設定することができるが、岩盤Rに達する深度の縦穴Pを掘削しておけば、後述する
図1(d)に示すように、下端部6bが岩盤Rに達する杭状体6を形成することができる。
【0019】
地盤Gに複数の縦穴Pを掘削するとともに、隣り合う全ての縦穴Pの上端開口部P1同士を連通する凹溝Tが地盤Gの表面Gaに形成されると、
図2に示すように、隣り合う縦穴Pの上端開口部P1を連通する複数の凹溝Tが格子状に配列された状態となる。また、本実施形態においては、地盤Gの外周部分に設けられた複数の集水桝7と、集水桝7の直近に位置する縦穴Pの上端開口部P1とを連通する排水溝T1が設けられている。
【0020】
図1(a)に示す掘削作業により、縦穴Pが所定深度まで達したら、
図1(b)に示すように、地上から地盤改良材5を縦穴Pに投入する。地盤改良材5は、砕石1と、セメント系固化材2と、団粒化剤3と、水4と、を混合、混練して形成したものである。地盤改良材5を構成する砕石1やセメント系固化材2などの各成分の配合量(配合比率)は限定しないので、施工条件などに応じて任意に設定することができるが、例えば、本実施形態では下記のように配合した。
【0021】
1立方メートルの砕石1(粒径0.075mm~40mm)に対し、
セメント系固化材2:10kg~120kg
団粒化剤3:0.5L~2.0L
水4:混合状態に合わせて適量(例えば、60L~100L)
を添加して、十分に混合、混練した。
【0022】
団粒化剤3は限定しないが、アクリル酸・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体からなる高分子化合物を含む薬剤であることが望ましく、本実施形態では「有限会社グローバル研究所」の商品名「SS-M1」を水で10倍~50倍に希釈したものを使用した。
【0023】
縦穴Pに所定量の地盤改良材5を投入したら、
図1(c)に示すように、改良機オーガー(図示せず)を用いて地盤改良材5に圧力を加えながら締固めていく。このように、縦穴Pへの地盤改良材5の投入作業と、改良機オーガー(図示せず)による地盤改良材5への加圧作業を繰り返し、縦穴Pの上端の開口部P1に近づくように地盤改良材5を充填していく。
【0024】
ここで、
図1(b),(c)に示す工程において、縦穴Pに投入された地盤改良材5中では、団粒化剤3に含まれるイオンの作用により、砕石1とセメント系固化材2とが立体的に結合した団粒構造が形成されていき、これによって地盤改良材5中に連続した空隙が形成されていく。
【0025】
図1(b),(c)に示す工程にて、地盤改良材5中に形成されていく団粒構造において、砕石1は杭状体6を一定形状に保つ主材料となり、団粒化剤3は砕石1とセメント系固化材2とを立体的な団粒構造へ変化させる作用を発揮し、セメント系固化材2は団粒化剤3によって形成された団粒構造を固める役目を果たす。
【0026】
次に、
図1(d)に示すように、地盤改良材5の上面が縦穴Pの上端開口部P1に至るまで地盤改良材5を投入するとともに、凹溝T内及び排水溝T1内(
図2参照)にも地盤改良材5を投入し、加圧による締固めを行う。この後、所定時間が経過すると、地盤改良材5に含まれるセメント系固化材2の固化作用により、地盤改良材5が固化して、縦穴P内には、その内部形状に沿った略円柱形状の杭状体6が形成され、
図3に示すように、凹溝T内並びに排水溝T1内にはそれぞれ透水構造体8が形成される。杭状体6及び透水構造体8の形成過程における転圧作業(加圧作業)により水平方向にも圧密がかかるので、地盤Gが軟弱であっても摩擦抵抗の高い、頑丈な杭状体6及び透水構造体8を形成することができる。
【0027】
このように、
図1(b)~(c)に示す工程により、地盤改良材5を地盤Gの縦穴P内、凹溝T内及び排水溝T1内(
図2参照)に投入して加圧し、固化させれば、縦穴Pの内部形状に沿った略円柱形状の杭状体6が形成され、凹溝T内及び排水溝T1内(
図2参照)には透水構造体8が形成され、
図3に示すように、隣り合う杭状体6の頭部6c同士を連通する複数の透水構造体8が格子状に配列された状態となる。
【0028】
杭状体6及び透水構造体8は、連続した空隙を有する団粒構造を備えているので、優れた透水性及び保水性を発揮する。また、杭状体7及び透水構造体8は、セメント系固化材2で固化されているため、地震発生時の揺れや近辺を通行する自動車の振動などに起因する周囲の地盤Gからの外力では破壊されない程度の強度を発揮する。なお、砕石1の代わりに、若しくは、砕石1と併せて真砂土や土材(図示せず)を使用することもできる。
【0029】
次に、
図3,
図4に基づいて、
図1に示す地盤改良工法を施工して構築した地盤改良構造9について説明する。
【0030】
図1に示す地盤改良工法を施工すると、
図1(d)、
図3に示すように、地盤G中には複数の杭状体6が立設された状態となり、地盤Gの表面Gaには、隣り合う杭状体6の頭部6c同士を連通する複数の透水構造体8が格子状に配列された状態となる。
【0031】
この後、地盤Gの表面Ga、複数の杭状体6の上端部6a及び格子状の透水構造体8を覆うように鉄筋コンクリート製の基礎構造体Bを形成すれば、基礎構造体Bの上に任意の建築物Hを構築することができる。
【0032】
地盤Gを掘削して形成した縦穴Pに地盤改良材5を投入して加圧し、杭状体6を形成する作業は、砕石1やセメント系固化材2などの汎用的な資材で施工可能であり、使用する建設機械もアースオーガードリル10程度で済むので施工も容易であり、配筋工事なども不要であるため、工期短縮を図ることも可能である。
【0033】
一般に液状化現象は、元々、水分と土砂とが均質に混じっていたものが、地震発生時の揺れ(振動)で分離され、局所的に水圧が高まることによって発生するのであるが、
図4に示すように、透水性及び保水性を有する団粒構造の杭状体6が地盤G中に存在することにより、地震発生時、局所的に高まった水圧を杭状体6が吸収可能である。
【0034】
また、杭状体6中に吸収された水は杭状体6の内部を上昇していくが、杭状体6の頭部6cまで上昇してきた水は、頭部6cと連通する透水構造体8中に浸透し、透水構造体8中を水平移動していき、排水溝T1中の透水構造体8内を通過して、排水手段である集水桝7内に流入する。透水構造体8が充填された凹溝T並びに排水溝T1(
図2参照)は集水桝7に向かって下り勾配を成しているので、透水構造体8中に浸透した水は滞りなく集水桝7に排出される。
【0035】
このように、地震発生時、地盤G中の水は杭状体6内に浸透し、杭状体6内を上昇し、透水構造体8内を水平移動した後、集水桝7に排水されるので、地盤G自体が不安定になったり、地盤Gが液状化したりするのを防止することができる。
【0036】
なお、
図1~
図4に基づいて説明した地盤改良工法及び地盤改良構造9は、本発明に係る地盤改良工法及び地盤改良構造の一例を示すものであり、本発明に係る地盤改良工法は、前述した地盤改良工法及び地盤改良構造に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の地盤改良工法及び地盤改良構造は、住宅地やその他の土地の地盤の液状化防止手段として、土木建設業などの産業分野で広く利用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 砕石
2 セメント系固化材
3 団粒化剤
4 水
5 地盤改良材
6 杭状体
6a 上端部
6b 下端部
6c 頭部
7 集水桝
8 透水構造体
9 地盤改良構造
10 アースオーガードリル
B 基礎
G 地盤
H 建築物
P 縦穴
P1
R 岩盤
T 凹溝
T1 排水溝