(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】エアフィルタ清掃装置及びショーケース
(51)【国際特許分類】
B01D 46/681 20220101AFI20240215BHJP
B08B 1/00 20240101ALI20240215BHJP
B08B 1/30 20240101ALI20240215BHJP
F25D 19/00 20060101ALI20240215BHJP
A47F 3/04 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
B01D46/681
B08B1/00
B08B1/30
F25D19/00 560C
F25D19/00 560Z
F25D19/00 560B
F25D19/00 550C
F25D19/00 530D
F25D19/00 510Z
A47F3/04 K
(21)【出願番号】P 2019204225
(22)【出願日】2019-11-11
【審査請求日】2022-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(74)【代理人】
【識別番号】100130074
【氏名又は名称】中村 繁元
(72)【発明者】
【氏名】町田 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】黒川 和将
(72)【発明者】
【氏名】中川 和紀
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-067402(JP,A)
【文献】特開2007-330652(JP,A)
【文献】特開2008-126922(JP,A)
【文献】特開平06-147729(JP,A)
【文献】特開2017-120161(JP,A)
【文献】特開2007-163111(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02455548(GB,A)
【文献】特開2018-069181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-46/90
B08B 1/00-1/04;5/00-13/00
F25D 19/00-19/04
A47F 1/00-3/14;11/00-11/10
F24F 8/00-8/99
F24F 1/0007;1/0059-1/008;
1/02;1/032-1/0355
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵埃を捕捉するフィルター体と、
前記フィルター体の表面に当接して塵埃を除去する清掃ブレードと、
前記清掃ブレードを、前記フィルター体の一端から他端に向い移動させる可動機構と、を有するエアフィルタ清掃装置において、
前記可動機構は、前記フィルター体の一端から他端への移動の間に所定距離の往復移動動作を複数回行うものであって、
前記清掃ブレードは、前記往復移動動作の反転時に変形する
と共に、外表面が連続的にフィルター体に当接する中空形状の変形部が形成されて
おり、該変形部は、外表面であって、往復移動動作時の往路側及び復路側に配置された清掃突起と、前記往路側の清掃突起と前記復路側の清掃突起との中間に位置し、回転を補助するための回転補助突起とが設けられていることを特徴とするエアフィルタ清掃装置。
【請求項2】
塵埃を捕捉するフィルター体と、
前記フィルター体の表面に当接して塵埃を除去する清掃ブレードと、
前記清掃ブレードを、前記フィルター体の一端から他端に向い移動させる可動機構と、を有するエアフィルタ清掃装置において、
前記可動機構は、前記フィルター体の一端から他端への移動の間に所定距離の往復移動動作を複数回行うものであって、
前記清掃ブレードは、前記往復移動動作の反転時に変形する
と共に、外表面が連続的にフィルター体に当接する中空形状の変形部が形成されて
おり、該変形部は、外表面であって、往復移動動作時の往路側及び/又は復路側に配置された清掃突起が設けられており、前記変形部が根元近傍まで形成されていることを特徴とするエアフィルタ清掃装置。
【請求項3】
塵埃を捕捉するフィルター体と、
前記フィルター体の表面に当接して塵埃を除去する清掃ブレードと、
前記清掃ブレードを、前記フィルター体の一端から他端に向い移動させる可動機構と、を有するエアフィルタ清掃装置において、
前記可動機構は、前記フィルター体の一端から他端への移動の間に所定距離の往復移動動作を複数回行うものであって、
前記清掃ブレードは、前記往復移動動作の反転時に変形する
と共に、外表面が連続的にフィルター体に当接する中空形状の変形部が形成されて
おり、該変形部は、外表面であって、往復移動動作時の往路側及び/又は復路側に配置された清掃突起が設けられており、往復移動動作時の復路側に、往路時にのみ前記変形部に当接する支持部材が形成されていることを特徴とするエアフィルタ清掃装置。
【請求項4】
架台と、
前記架台の前面側に設けられた通気孔を備えたカバーパネルと、
前記カバーパネルの下流側に設けられた凝縮器と、
前記凝縮器に空気を送る送風ファンと、
前記凝縮器と前記カバーパネルの間に配置した請求項1~
3のいずれか1項に記載のエアフィルタ清掃装置と、を有することを特徴とするショーケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタに付着した塵埃を清掃ブレードで除去するエアフィルタ清掃装置と、このエアフィルタ清掃装置を備えたショーケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、フィルタに付着している塵埃等を除去するエアフィルタ清掃装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1のエアフィルタ清掃装置は、清掃ユニットの清掃体をフィルタに接触させながら所定方向に移動させる清掃動作と、 清掃動作中に清掃ユニットを所定方向と反対方向に移動させて清掃体に付着した塵埃を回収機構へ回収する塵埃回収動作とを行うものであって、第一の清掃動作中の第一の塵埃回収動作の位置と、第一の清掃動作の後に行う第二の清掃動作中の第二の塵埃回収動作の位置とを異なる位置にし、第一の塵埃回収動作及び第二の塵埃回収動作は、所定範囲で清掃体を往復動させるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載のエアフィルタ清掃装置は、第一の塵埃回収動作及び第二の塵埃回収動作により、所定範囲で清掃体を往復動させることから、塵埃の取り残しを減少させることができ、清掃効率を良くするものであった。
【0006】
しかしながら、清掃ユニットに塵埃を回収する回収ボックスを設けていることから清掃ユニットが大型化、複雑化するものであった。また、回収ボックスの容量が小さい場合には、塵埃を回収ボックスから取り出す頻度が多くなるものであった。
【0007】
さらに、清掃体に回転ブラシを使用していることから、回転ブラシを回転させる駆動装置が必要となると共に、清掃体の往路と復路で回転ブラシの回転方向が変わることから、回転方向に対応させて傾斜方向が異なる2種類のブラシを必要としていた。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、清掃効率を高めることができると共に、大型化すること無く、簡易な構造でフィルター体に付着した塵埃を確実に除去することが可能なエアフィルタ清掃装置と、このエアフィルタ清掃装置を備えたショーケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、請求項1の発明は、塵埃を捕捉するフィルター体と、前記フィルター体の表面に当接して塵埃を除去する清掃ブレードと、前記清掃ブレードを、前記フィルター体の一端から他端に向い移動させる可動機構と、を有するエアフィルタ清掃装置において、前記可動機構は、前記フィルター体の一端から他端への移動の間に所定距離の往復移動動作を複数回行うものであって、前記清掃ブレードは、前記往復移動動作の反転時に変形すると共に、外表面が連続的にフィルター体に当接する中空形状の変形部が形成されており、該変形部は、外表面であって、往復移動動作時の往路側及び復路側に配置された清掃突起と、前記往路側の清掃突起と前記復路側の清掃突起との中間に位置し、回転を補助するための回転補助突起とが設けられていることを特徴としている。
【0010】
請求項1の発明では、清掃ブレードがフィルター体の一端から他端への移動の間に所定距離の往復移動動作を複数回行うことによって、清掃効率を高めることができると共に、塵埃を確実に除去することができる。また、清掃ブレードに中空形状の変形部を形成することによって、往復移動動作の反転時に変形させることができるので、簡易な構造で清掃ブレードとフィルター体との間の摩擦を軽減させてスムーズに反転させることができる。また、変形部全体がフィルター体を滑ることなく、スムーズに反転させることができる。
【0014】
請求項2の発明は、塵埃を捕捉するフィルター体と、前記フィルター体の表面に当接して塵埃を除去する清掃ブレードと、前記清掃ブレードを、前記フィルター体の一端から他端に向い移動させる可動機構と、を有するエアフィルタ清掃装置において、前記可動機構は、前記フィルター体の一端から他端への移動の間に所定距離の往復移動動作を複数回行うものであって、前記清掃ブレードは、前記往復移動動作の反転時に変形すると共に、外表面が連続的にフィルター体に当接する中空形状の変形部が形成されており、該変形部は、外表面であって、往復移動動作時の往路側及び/又は復路側に配置された清掃突起が設けられており、前記変形部が根元近傍まで形成されていることを特徴としている。したがって、根元近傍から変形部が進行方向に対して後方側に位置するように変形することとなるので、清掃ブレードがフィルター体に過剰な押圧をかけることなく、フィルター体に付着している塵埃をこより状の塊として進行方向に掻き出すことができる
【0015】
請求項3の発明は、塵埃を捕捉するフィルター体と、前記フィルター体の表面に当接して塵埃を除去する清掃ブレードと、前記清掃ブレードを、前記フィルター体の一端から他端に向い移動させる可動機構と、を有するエアフィルタ清掃装置において、前記可動機構は、前記フィルター体の一端から他端への移動の間に所定距離の往復移動動作を複数回行うものであって、前記清掃ブレードは、前記往復移動動作の反転時に変形すると共に、外表面が連続的にフィルター体に当接する中空形状の変形部が形成されており、該変形部は、外表面であって、往復移動動作時の往路側及び/又は復路側に配置された清掃突起が設けられており、往復移動動作時の復路側に、往路時にのみ前記変形部に当接する支持部材が形成されていることを特徴としている。したがって、支持部材によって往路時は清掃ブレードが強くかつ確実にフィルター体に当接し、復路時は清掃ブレードがフィルター体に弱く当接するため、往路時の清掃効果を向上させると共に、復路時のフィルター体への押圧を軽減させることができる。
【0016】
請求項4の発明は、ショーケースの発明であって、架台と、前記架台の前面側に設けられた通気孔を備えたカバーパネルと、前記カバーパネルの下流側に設けられた凝縮器と、前記凝縮器に空気を送る送風ファンと、前記凝縮器と前記カバーパネルの間に配置した請求項1~3のいずれかに記載のエアフィルタ清掃装置と、を有することを特徴としている。したがって、簡易な構造でフィルター体に付着した塵埃を確実に除去することが可能なエアフィルタ清掃装置を備えたショーケースを提供することができる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1のエアフィルタ清掃装置の発明は、清掃効率を高めることができると共に、塵埃を確実に除去することができる。また、簡易な構造で清掃ブレードとフィルター体との間の摩擦を軽減させてスムーズに反転させることができる。また、変形部全体がフィルター体を滑ることなく、スムーズに反転させることができる。
【0018】
請求項2の発明は、フィルター体に付着している塵埃をこより状の塊として進行方向に掻き出すことができる。また、請求項3の発明は、支持部材によって往路時に清掃ブレードを強くかつ確実にフィルター体に当接させることができる。さらに、請求項4のショーケースの発明は、簡易な構造でフィルター体に付着した塵埃を確実に除去することが可能なエアフィルタ清掃装置を備えたショーケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】本発明に係るエアフィルタ清掃装置の内部機構と清掃ブレードの2種類の経路パターンを示す断面図
【
図4】本発明に係るエアフィルタ清掃装置の内部機構を示す部分断面図
【
図5】(a)~(c)本発明に係るエアフィルタ清掃装置の清掃状態を示す部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明に係るショーケースを示す斜視図である。この図を用いて本発明のショーケースについて以下に説明する。
【0021】
本発明に係るショーケース1は、箱型状のショーケース本体2と、ショーケース本体2の下部に設けられ、ショーケース本体2内に供給する冷気を生成する冷媒回路などを収容した架台3とで構成されている。ショーケース本体2は、食品などを陳列する陳列棚4aを有する開口4bを備えた商品収納庫4と、開口4bを覆うように開閉可能なナイトカバー8と、冷媒回路で生成された冷気が吹き出される吹き出し口(図示せず)と、吹き出し口から吹き出された冷気が陳列棚4aを通過後に吸い込まれる吸い込み口(図示せず)と、陳列棚4aを照らすLEDランプ(図示せず)とを備えている。尚、吸い込み口から吸い込まれた冷気は冷媒回路に戻され、再び吹き出し口から吹き出される。また、ショーケース1は、冷蔵、冷凍のどちらの機能を有するものであってもよく、形状も平型、卓上型のどちらの形状であってもよいものである。
【0022】
架台3の前面には着脱可能なカバーパネル5が取り付けられており、架台3内には冷媒回路を構成する圧縮機(図示せず)、凝縮器6、蒸発器(図示せず)と、冷媒回路や蛍光灯などの制御を行う基板を収容した電装ボックス(図示せず)とが配置されている。尚、カバーパネル5の凝縮器6と対向する箇所には、凝縮器6へ外気を供給するための複数の通気孔7が形成されている。また、凝縮器6の後方には通気孔7を介して外気を凝縮器6に供給する送風ファン(図示せず)が配置されている。また、架台3の下部には車輪9、9・・が設置されており、ショーケース1を移動可能にしている。
【0023】
また、通気孔7が形成されたカバーパネル5と凝縮器6との間には、凝縮器6に供給される外気に含まれる塵埃を捕集するフィルター体(
図2参照)と、フィルター体に付着した塵埃を除去する清掃ブレード(
図3参照)とを有するエアフィルタ清掃装置(
図2参照)が設けられている。尚、エアフィルタ清掃装置を含む架台3は、
図1に示すようにショーケース本体2の下部に取り付ける場合と、図示しないがショーケース本体2の上部に取り付ける場合とがある。また、本発明のショーケースは、フィルター体に付着した塵埃を清掃ブレードで掻き取った後、床に落とす構造としているが、架台3の下方にダストボックスを設けて、該ダストボックスに塵埃を収容する構成としてもよく、これも本発明に含まれる。
【0024】
図2は、本発明に係るエアフィルタ清掃装置の斜視図であり、
図3は、本発明に係るエアフィルタ清掃装置の内部機構と清掃ブレードの2種類の経路パターンを示す断面図である。これらの図を用いて本発明のエアフィルタ清掃装置について以下に説明する。
【0025】
本発明に係るエアフィルタ清掃装置10は、塵埃を捕捉するフィルター体11と、このフィルター体11の表面に当接して塵埃を除去する清掃ブレード12と、この清掃ブレード12を、フィルター体11の一端から他端に向い移動させる可動機構13とを有している。
【0026】
可動機構13は、フィルター体11の一端から他端への移動の間に所定距離の往復移動動作を複数回行うものであって、清掃ブレード12は、往復移動動作の反転時に変形する中空形状の変形部12aが形成されている。
【0027】
可動機構13は、ステッピングモータ14と、ギア15a、15bと、タイミングベルト16とから構成されており、ステッピングモータ14の回動が、ステッピングモータ14の回動軸に直結しているギア15aを回動させ、ギア15aと歯合するギア15bを回動させる。そして、ギア15bはタイミングベルト16の一方の回動軸に直結しており、タイミングベルト16の回動が、タイミングベルト16に固定されている基台12cのフィルター体側に設けられた清掃ブレード12を図面上、上下方向に可動させる構造となっている。そして、清掃ブレード12の可動始端及び可動終端の近傍のフレームにマイクロスイッチ(図示せず)が設けられており、清掃ブレード12の基台12cがマイクロスイッチに当接すると、可動終端では、清掃ブレード12を上方に可動させる方向にタイミングベルト16を回転させる信号がステッピングモータ14に送られ、可動始端に到達して基台12cがマイクロスイッチに当接すると、タイミングベルト16の回転を停止させる信号がステッピングモータ14に送られる構造となっている。
【0028】
図3の左側の経路パターン(X)は、一定距離で複数回の往復移動動作をさせる場合の経路パターンであり、
図3の右側の経路パターン(Y)は、清掃開始側(上方側)が短い距離の往復移動動作で、清掃終了側(下方側)に進むに従って長い距離の往復移動動作をさせる場合の経路パターンである。経路パターン(X)の場合は、清掃ブレード12がフィルター体11の表面を少なくとも2回以上往復して塵埃を掻き取る構造となっているため、取り残しなく確実に塵埃を移送することができる。一方で経路パターン(Y)の場合は、フィルター体11に付着している塵埃は軽い綿状であると共に常に送風ファンにより張りついた状態であることから、清掃ブレード12によってこそぎ取らないと下方に移送させることは難しいが、塵埃がある程度こより状の塊となってくると清掃ブレード12による下方への移送は容易になる。そのため、こより状の塊が大きく形成されるフィルター体11の下方に進むにつれて往路距離を長くし(復路距離は一定)、清掃時間及びフィルター体にかかる負荷を軽減するものである。
【0029】
尚、経路パターンは、前述したステッピングモータ14のステップ数を制御する制御回路によって任意に設定することが可能である。例えば、清掃開始当初の往復反転の距離を長くし、徐々に短くする経路パターンや、フィルター体11の中央部に付着する塵埃が多い場合には、中央部の往復反転の距離を短くする経路パターンとすることができる。
【0030】
また、フィルター体11の下方には、所定の間隔を空けて複数のクシ17、17、・・・が設置されている。また、タイミングベルト16の下方側の底面には開口18形成されている。そして、フィルター体11から除去されてこより状となった塵埃は、クシ17によって清掃ブレード12から分離され、開口18から、ショーケースが設置されている床面へと落下させる構成としている。
【0031】
図4は、本発明に係るエアフィルタ清掃装置の内部機構を示す部分断面図であり、
図5(a)~(c)本発明に係るエアフィルタ清掃装置の清掃状態を示す部分断面図である。これらの図を用いて本発明のエアフィルタ清掃装置の清掃動作について以下に説明する。
【0032】
可動当初の清掃ブレード12は、
図4に示すように、フィルター体11の上部の面に当接しており、変形部12aが変形していると共に、根元12bの位置から進行方向(図面上、下方)に対して後方側に折曲している。また、変形部12aは、根元12b近傍まで形成されており、外形が略円弧状であって、往復移動動作の反転時には、外表面が連続的にフィルター体11に当接する構成としている。また、清掃ブレード12は、往復移動動作時の復路側に、往路時にのみ変形部12aに当接する支持部材19が形成されている。この支持部材19は、復路側に湾曲する湾曲面が形成されており、往路時に清掃ブレード12の変形部12aを確実にフィルター体11に当接させることができる。
【0033】
清掃ブレード12の変形部12aは、外表面であって、往復移動動作時の往路側及び復路側に清掃突起12d、12eが設けられている。この清掃突起12d、12eは、変形部12a全体がフィルター体11を滑ることなく、スムーズに反転させることができる機能を果たしている。また、往路時は清掃突起12eがフィルター体11に当接した状態で移動させることが望ましく、清掃ブレード12とフィルター体11の距離を適切に設計することで清掃効果を高めることができる。さらにまた、支持部材19の形状、変形部12aの材質、変形部12aにおける清掃突起12eの位置についても、清掃突起12eをフィルター体11に当接させるために適切に設計することが望ましい。尚、往路側又は復路側のどちらか一方に清掃突起12d又は12eが設けられている構成としてもよく、これも本発明に含まれる。また、変形部12aは、先端に、回転を補助するための回転補助突起12fが設けられており、この回転補助突起12fは、前述した清掃突起の機能も兼ねている。往路移動から復路移動への反転時はこの回転補助突起12fによって、変形部12a全体がフィルター体11を滑ることなく、スムーズに反転させることができる。
【0034】
可動終端の清掃ブレード12は、
図4に示すように、クシ17の近傍に位置している。変形部12aは、クシ17を通過する時に付着していた塵埃23aを落とすと共に、フィルター体11との当接から解放されることから、進行方向に対して後方側に折曲していた状態から進行方向前方側に動き、この動きによって、こより状の塊となった塵埃23bは弾き飛ばされて傾斜面24から
図3に示した開口18へと落下する。尚、中空形状の変形部12aは、変形していない状態の断面を
図4では円形状としているがこれに限定するものでは無く、断面が四角形状、三角形状等、中空形状であれば種々の形状を採用することができ、これらの形状の変形部も本発明に含まれる。
【0035】
図5(a)は、往復移動動作時の往路終端位置における清掃ブレード12を示している。この状態では、支持部材19が清掃ブレード12の変形部12aを確実にフィルター体11に当接させる機能を果たしており、変形部12aは、進行方向に対して後方側に折曲していると共に、清掃突起12eは、フィルター体11の点A付近に位置し、回転補助突起12fはフィルター体11の点A付近に位置している。清掃突起12eによってこそぎ取られた塵埃23aは、こより状の塊(塵埃23b)となって、フィルター体11の点Aよりも下方へと移送される。そして、点Aと点Bの間には清掃突起12eが取り残した塵埃23cが薄く残っている。往路終端位置近傍では、清掃突起12eの先端に少しずつ塵埃が付着し始めるため、塵埃をこそぎ取る力(摩擦力)が弱まり、塵埃23cが取り残される。尚、回転補助突起12fは、清掃突起の機能を有しており、清掃突起12eが取り残した塵埃をフィルター体11からこそぎ取っている。また、反転する際は、回転補助突起12fと清掃突起12eを含む変形部12a全体がフィルター体11上を滑ることがないように、前述した支持部材19が変形部12aをフィルター体11方向に押圧している。ここで、変形部12aの形状は特に限定されるものではないが、外表面を略円弧状とすることでより連続的かつスムーズにフィルター体11に当接させることができる。また、外形を略円形状、略楕円形状とすることで、さらにスムーズに反転させることができる。
【0036】
図5(b)は、往復移動動作時の復路終端位置における清掃ブレード12を示している。この状態では、往路側に支持部材がないことから、変形部12aの変形は少なく、清掃ブレード12の根元12bから進行方向に対して後方側に折曲している。また、清掃ブレード12は清掃突起12dをフィルター体11に当接する位置まで反転させた後、更に復路側に移動した後に停止している。この時、回転補助突起12fと清掃突起12eが取り残した塵埃をフィルター体11からこそぎ取り、塵埃を浮き上がらせる効果も担っている。
【0037】
図5(c)は、往復移動動作時の往路開始位置における清掃ブレード12を示している。この状態では、
図5(a)の状態で取り残したフィルター体11上の点Aと点Bの間に薄く残された塵埃23cが、清掃突起12eによって、こそぎ取られると共に下方に移送されて、こより状の塊となっている塵埃23aに吸収される。従って、
図5(b)に示す復路終端位置は、清掃ブレード12の清掃突起12eを少なくともフィルター体11の点Bに当接する位置まで、復路側に移動させている。
【0038】
本発明に係るエアフィルタ清掃装置は、
図5(a)~(c)で示したとおり、可動機構の往復移動動作によって、清掃ブレード12がフィルター体11の同じ表面を2回以上通過することとなるので、1回目で取り残した塵埃を2回目以降で確実にこそぎ取ることができる。
【0039】
図6は、空気調和機を示す斜視図である。前述した本発明に係るエアフィルタ清掃装置は、空気調和機に搭載して利用することができる。空気調和機20は、背面パネル21に格子状に空気吸入口21aが形成されており、この空気吸入口21aから吸入した空気を空気吹出口22に導く風路(図示せず)を有する本体20aと、この本体20a内に、メインフィルター(図示せず)と、送風ファン(図示せず)と、フィルター体(プレフィルター)に付着した塵埃を除去するエアフィルタ清掃装置(図示せず)とを備えている。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係るエアフィルタ清掃装置は、ショーケースや空気調和機に搭載されて利用される。また、本発明に係るショーケースは、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗内に設置されて利用される。
【符号の説明】
【0041】
1 ショーケース
2 ショーケース本体
3 架台
4 商品収納庫
4a 陳列棚
4b 開口
5 カバーパネル
6 凝縮器
7 通気孔
8 ナイトカバー
9 車輪
10 エアフィルタ清掃装置
11 フィルター体
12 清掃ブレード
12a 変形部
12b 根元
12c 基台
12d、12e 清掃突起
12f 回転補助突起
13 可動機構
14 ステッピングモータ
15a、15b ギア
16 タイミングベルト
17 クシ
18 開口
19 支持部材
20 空気調和機
20a 本体
21 背面パネル
21a 空気吸入口
22 空気吹出口
23a、23b、23c 塵埃
24 傾斜面