(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】活動量モニタリングシステム及び活動量モニタリング方法
(51)【国際特許分類】
G16H 10/60 20180101AFI20240215BHJP
G16Y 10/60 20200101ALI20240215BHJP
【FI】
G16H10/60
G16Y10/60
(21)【出願番号】P 2020026408
(22)【出願日】2020-02-19
【審査請求日】2022-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】598041566
【氏名又は名称】学校法人北里研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】神谷 健太郎
【審査官】鹿谷 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-174012(JP,A)
【文献】特表2018-533123(JP,A)
【文献】特開2018-166632(JP,A)
【文献】特開2019-160015(JP,A)
【文献】特開2007-096558(JP,A)
【文献】特開2019-032775(JP,A)
【文献】国際公開第2011/115028(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G16Y 10/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リハビリテーション室または病室に配置された端末装置と、
スタッフルームに配置されたサーバと、を備え、
前記端末装置は、
患者ごとに取り付けられた活動量センサから当該患者の活動量を示す活動量情報を取得する手段と、
前記患者ごとの特徴を示す識別情報が記録された記憶装置と、
前記活動量情報を取得した場合に、当該取得した活動量情報と前記識別情報とを関連付けて前記サーバに送信する手段と、
を備え、
前記サーバは、
前記端末装置から前記活動量情報と前記識別情報とが関連付けられた情報を取得する取得部と、
前記活動量情報と前記識別情報とが関連付けられた情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記活動量情報のうち、関連付けられた前記識別情報が所定の条件に当てはまる活動量情報を、モニタを通じて患者の単位で一覧表示する表示処理部と、
を備える活動量モニタリングシステム。
【請求項2】
複数の前記患者の識別情報のうち、当該患者の属性がオペレータに指定された条件に当てはまる前記識別情報を抽出する抽出部をさらに備える
請求項1に記載の活動量モニタリングシステム。
【請求項3】
前記患者の属性は、当該患者の所定期間内における活動量を示す分類情報を含む
請求項2に記載の活動量モニタリングシステム。
【請求項4】
前記患者の属性は、当該患者が入院患者であるか外来通院患者であるかを示す情報を含む
請求項2または請求項3に記載の活動量モニタリングシステム。
【請求項5】
前記患者の属性は、当該患者が入院している病棟を示す情報を含む
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の活動量モニタリングシステム。
【請求項6】
前記患者の属性は、当該患者が属するリハビリチームを示す情報を含む
請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の活動量モニタリングシステム。
【請求項7】
前記患者の属性は、当該患者の性別および年齢の少なくともいずれか一方を含む
請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の活動量モニタリングシステム。
【請求項8】
リハビリテーション室または病室に配置された端末装置と、スタッフルームに配置されたサーバと、を備える活動量モニタリングシステムを用いた活動量モニタリング方法であって、
患者ごとの特徴を示す識別情報が記録された記憶装置を有する前記端末装置が、
前記患者ごとに取り付けられた活動量センサから当該患者の活動量を示す活動量情報を取得するステップと、
前記活動量情報を取得した場合に、当該取得した活動量情報と前記識別情報とを関連付けて前記サーバに送信するステップと、
を実行し、
前記サーバが、
前記端末装置から前記活動量情報と前記識別情報とが関連付けられた情報を取得するステップと、
前記活動量情報と前記識別情報とが関連付けられた情報を記憶部に記憶するステップと、
前記記憶部に記憶された前記活動量情報のうち、関連付けられた前記識別情報が所定の条件に当てはまる活動量情報を、モニタを通じて患者の単位で一覧表示するステップと、
を実行する活動量モニタリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活動量モニタリングシステム及び活動量モニタリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、測定にかかる被験者の負荷が小さく、かつ日常的な生活リズムの乱れから疾病の発症を予測することができる疾病予測方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の疾病予測方法では、疾病の予測に使用するパラメータとして、計測された活動情報そのものだけでなく、被験者が行った活動の活動量または活動強度の分散の程度を使用する。しかし、上記方法では当該方法で用いられる活動量の傾向を、ある患者の集団ごとに把握することはできない。そのため、病院などにおいて当該病院全体の患者の活動量の傾向を把握することは困難である。
本発明の目的は、上述した課題を解決する活動量モニタリングシステム及び活動量モニタリング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る活動量モニタリングシステムは、患者ごとに取り付けられた活動量センサから当該患者の活動量を取得する活動量取得部と、患者の識別情報と当該患者の活動量に関する情報とを関連付けて、複数の前記活動量に関する情報を一覧表示できるように処理する表示処理部と、を備える。
【0006】
本発明に係る活動量モニタリング方法は、患者ごとに取り付けられた活動量センサから当該患者の活動量を取得するステップと、患者の識別情報と当該患者の活動量に関する情報とを関連付けて、複数の前記活動量に関する情報を一覧表示できるように処理するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0007】
上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、患者の識別情報と当該患者の活動量に関する情報とが関連付けられて一覧表示され、病院などにおいて当該病院全体の患者の活動量の傾向を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る活動量モニタリングシステムの全体構成を示す図である。
【
図2】一実施形態に係るサーバ装置の構成を示す概略ブロック図である。
【
図3】一実施形態に係るスタッフ用モニタに表示される表示画面の例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係るタブレット端末に表示される表示画面の例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係る活動量モニタリングシステムの動作を示すフローチャートである。
【
図6】一実施形態に係る活動量モニタリングシステムの動作を示すフローチャートである。
【
図7】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〈第1の実施形態〉
《活動量モニタリングシステムの構成》
以下、図面を参照しながら活動量モニタリングシステム1の実施形態について詳しく説明する。
図1は、第1の実施形態に係る活動量モニタリングシステム1の全体構成を示す図である。
【0010】
図1には示すように活動量モニタリングシステム1は、サーバ装置20と、スタッフ用モニタ21と、端末装置30と、読取装置31と、患者用モニタ32と、活動量センサ4と、タブレット端末5とを備えている。
【0011】
第1の実施形態においてサーバ装置20およびスタッフ用モニタ21は、病院のスタッフルーム200に配置される。また、端末装置30、読取装置31および患者用モニタ32は、リハビリテーション室100に配置される。端末装置30、読取装置31および患者用モニタ32は病室に配置されても良い。スタッフルーム200と、リハビリテーション室100又は病室とは、同一の病棟に設けられても、異なる病棟に設けられても良い。
【0012】
サーバ装置20及びスタッフ用モニタ21は、無線または有線を通じて双方向に通信可能とされる。サーバ装置20及びスタッフ用モニタ21は、ルーターを介して双方向に通信可能とされても良い。同様に、サーバ装置20およびタブレット端末5も、無線又は有線を通じて双方向に通信可能とされる。サーバ装置20及びタブレット端末5は、ルーターを介して双方向に通信可能とされても良い。
【0013】
活動量センサ4は患者Aそれぞれに装着される。活動量センサ4は一部の患者Aそれぞれに装着されても良い。活動量センサ4は患者Aの活動量を取得する。活動量の例としては、患者Aの歩数と、患者Aが活動することによる消費熱量と、が挙げられる。
活動量センサ4の動作の一例を以下で説明する。
【0014】
活動量センサ4は当該活動量センサ4を装着した患者Aの歩数をリアルタイムで計測する。活動量センサ4は計測した患者Aの歩数を、当該歩数を計測した日付に関連付けて活動量センサ4に内蔵される記憶装置(図示しない)に記録する。
また、活動量センサ4は患者Aの歩数から消費熱量を算出する。具体的には、活動量センサ4は患者Aの歩数を、歩数と消費熱量とは関連付けられた熱量情報に照らし合わせて消費熱量を算出する。活動量センサ4による消費熱量の算出されるタイミングの例としては、歩数が計測される時と、予め設定された一定時間ごとと、患者Aによる活動量センサ4への一定操作(熱量算出ボタンの押下)のごとと、が挙げられる。活動量センサ4は算出した消費熱量を、当該消費熱量に係る歩数を計測した日付に関連付けて、活動量センサ4に内蔵される記憶装置に記録する。
【0015】
活動量センサ4は患者Aの歩数から消費熱量を算出しなくても良い。この場合、端末装置30又はサーバ装置20が患者Aの歩数から消費熱量を算出しても良い。
【0016】
活動量センサ4が内蔵する記憶装置は患者Aの識別情報を記憶する。上記記憶装置が記憶する識別情報の例としては、患者Aを特定できるIDなどが挙げられる。例えば、患者A又はスタッフBにより、患者Aの活動量センサ4の記憶装置に患者Aを特定できるIDが予め記録される。
【0017】
患者Aは、活動量センサ4を読取装置31にタッチする。そうすると、端末装置30は、活動量センサ4の記憶装置に蓄積された患者Aの活動量を示す情報(以下、活動量情報と記載)を、活動量センサ4から取得する。活動量情報の例としては、患者Aを特定できるIDと当該患者Aの消費熱量と当該消費熱量に係る歩数を計測した日付とが関連付けられた情報と、患者Aを特定できるIDと当該患者Aの歩数と当該歩数を計測した日付とが関連付けられた情報と、が挙げられる。
【0018】
端末装置30は、活動量センサ4から取得した活動量情報を患者Aの識別情報と紐づけてサーバ装置20に送信する。端末装置30の動作の一例を以下で説明する。
【0019】
端末装置30が備える記憶装置(図示しない)には患者Aの識別情報が予め記録される。例えば、端末装置30が備える記憶装置には患者Aを特定できるIDと、患者Aの属性とが関連付けられた識別情報が記録される。ここで、属性とは、患者の様々な特徴を示す情報セットである。上記属性の例としては、患者Aの姓名を示す情報と、患者Aの目標歩数を示す情報と、患者Aの所定期間内における活動量を示す分類情報と、患者Aが入院患者であるか外来通院患者であるかを示す情報と、患者Aが入院している病棟を示す情報と、患者Aが属するリハビリチームを示す情報と、患者Aの性別と、患者Aの年齢と、が挙げられる。
上記患者Aの所定期間内における活動量を示す分類情報の例としては、活動量に基づいて活動量の高い順に分類された情報である、「高活動」と、「中活動」と、「低活動」と、が挙げられる。また、上記患者Aが属するリハビリチームを示す情報の例としては、「股関節チーム」と、「心臓チーム」と、「神経チーム」と、「臨床試験A」と、「臨床試験B」と、が挙げられる。
【0020】
端末装置30は、活動量センサ4から取得した活動量情報と、端末装置30の記憶装置が記憶している識別情報とを照らし合わせる。例えば、端末装置30は活動量情報の患者Aを特定できるIDと、記憶装置が記憶している識別情報の患者Aを特定できるIDとを照らし合わせる。これにより、端末装置30は、特定できるIDに基づいて、患者Aの活動量情報を患者Aの識別情報に紐づける、その後、端末装置30は紐づけた患者Aの活動量情報と識別情報とを、サーバ装置20に送信する。
【0021】
サーバ装置20は各患者Aの活動量情報を集約して蓄積し、複数の患者についての活動量情報をスタッフ用モニタ21に一覧表示処理する。
図2は、サーバ装置20の構成を示す概略ブロック図である。
サーバ装置20は、取得部201と、記憶部202と、入力受入部203と、抽出部204と、表示処理部205と、を備える。取得部201は活動量取得部の一例である。
【0022】
取得部201は、端末装置30を介して、患者ごとに取り付けられた活動量センサ4から当該患者の活動量を含む活動量情報と、当該患者の識別情報と関連付けられた情報を取得する。取得部201は、取得した活動量情報と識別情報とが関連付けられた情報をサーバ装置20の記憶部202に記録する。
【0023】
記憶部202は、患者Aの活動量情報と、識別情報とが関連付けられた情報を記憶する。記憶部202の例としては、ハードディスクと、オンプレミスストレージと、クラウドストレージと、が挙げられる。
【0024】
入力受入部203は、サーバ装置20と有線又は無線で接続される図示しない入力機器(キーボード、マウス等)を通じて、スタッフB(オペレータ)から入力を受け入れる。また、入力受入部203は、サーバ装置20と接続するタブレット端末5を通じて、スタッフBから入力を受け入れる。
【0025】
抽出部204は複数の患者Aの識別情報のうち、患者Aの属性がスタッフBに指定された条件に当てはまる識別情報を抽出する。例えば、抽出部204は入力受入部203が受け入れたスタッフBの入力に基づいて、記憶部202が記憶している活動量情報と識別情報とが関連付けられた情報のうち、スタッフBが指定した条件に当てはまる識別情報と、当該識別情報に関連付けられた活動量情報とを抽出する。
抽出部204に関わる動作を以下で説明する。
【0026】
スタッフBが、入力機器又はタブレット端末5を用いて、「入院中」、「股関節チーム」及び「病棟1」との患者Aの属性の条件を指定する旨の入力を行う。上記入力をサーバ装置20の入力受入部203が受け入れる。抽出部204は、入力受入部203が受け入れた入力に係る指定の条件を満たす識別情報を記憶部202が記憶している患者Aの識別情報から抽出する。これにより、抽出部204は、複数の識別情報のうち、スタッフBが指定した条件の識別情報と、当該識別情報に関連付けられた活動量情報を抽出できる。
【0027】
表示処理部205は、患者Aの識別情報と患者Aの活動量情報とを関連付けて、複数の活動量情報を一覧表示できるように処理する。例えば、表示処理部205は、抽出部204が抽出した識別情報と当該識別情報に関連付けられた活動量情報を、一覧表示できるように処理してスタッフ用モニタ21に送信する。これにより、スタッフBはスタッフ用モニタ21を通じて当該スタッフBが指定した条件の識別情報に関連付けられた複数の活動量情報の一覧表示を確認できる。
【0028】
スタッフルーム200のスタッフBは、スタッフ用モニタ21に一覧表示される活動量情報の抽出条件などを変更することができる。
スタッフBが入力機器を通じて変更した抽出条件を入力する。入力受入部203が当該抽出条件を示す入力を受け入れる。抽出部204が当該入力の抽出条件に係る識別情報と、当該識別情報に関連付けられた活動量情報を抽出する。表示処理部205は抽出部204が抽出した識別情報と、当該識別情報に関連付けられた活動量情報を一覧表示できるように処理して、スタッフ用モニタ21に送信する。スタッフBはスタッフ用モニタ21を通じて当該スタッフBが指定した条件に係る複数の活動量情報の一覧表示を確認できる。
【0029】
タブレット端末5は、リハビリを行う患者Aに付き添うスタッフBが所持する。タブレット端末5は、サーバ装置20との通信を介して、各患者Aの活動量情報を取得して表示することができる。
例えば、スタッフBは付き添う患者Aの姓名をタブレット端末5に入力する。若しくは、スタッフBは患者Aを特定できるIDをタブレット端末5に入力する。タブレット端末5と接続するサーバ装置20の入力受入部203は上記入力を受け入れる。抽出部204は当該患者Aの氏名に係る識別情報と当該識別情報に関連付けられた活動量情報を抽出する。表示処理部205は抽出部204が抽出した識別情報と当該識別情報に関連付けられた活動量情報を一覧表示できるように処理して、タブレット端末5に送信する。タブレット端末5はサーバ装置20から送信された活動量情報を一覧表示する。これにより、スタッフBは活動量情報を用いてタブレット端末5を患者Aに表示しながらリハビリテーションに関わる指導やアドバイスを行うことができる。
【0030】
《スタッフ用モニタの表示画面》
次に、スタッフ用モニタ21の表示画面について詳しく説明する。
図3は、第1の実施形態に係るスタッフ用モニタ21に表示される表示画面の例を示す図である。
スタッフ用モニタ21は、サーバ装置20の入力を受けて活動量情報などを示す画面を表示するディスプレイ装置である。スタッフ用モニタ21はタッチパネル式モニタであっても良い。この場合、スタッフBは入力機器に加えてスタッフ用モニタ21を用いて、サーバ装置20に対する入力を行うことができる。
【0031】
図3に示すように、スタッフ用モニタ21には、複数の患者ごとの活動量情報を示すグラフIが一覧表示される。
図3に示す例では、グラフIは、患者の日時ごとの活動量の推移(トレンド)を把握可能なように処理されて表示される。
ステップBは、サーバ装置20と接続する入力機器を操作することで、スタッフ用モニタ21に表示する表示画面を所望に変更することができる。例えば、ステップBは、一画面に表示するグラフIの数を変更することができる。
また、ステップBは、入力機器を操作して患者の属性を指定することによって、一覧表示される患者を所望に抽出することができる。
上記のような属性に関する条件を指定して、「抽出」ボタンをクリック(タッチ)することで、当該条件に当てはまる属性を有する患者が一覧表示される。
【0032】
《タブレット端末の表示画面》
次に、タブレット端末5の表示画面について詳しく説明する。
図4は、第1の実施形態に係るタブレット端末5に表示される表示画面の例を示す図である。
患者Aは、活動量センサ4を読取装置31にタッチすることで、
図4と同様な画面を患者用モニタ32で確認することもできる。
【0033】
図4に示すように、タブレット端末5の表示画面には、患者Aの歩数及び消費熱量を示す数値Nと、当該数値Nに関連付けられた日付と、目標歩数を示す情報Gが表示される。
図4に図示されてないが、タブレット端末5の表示画面は、一定期間における患者Aの平均歩数や、他の患者Aの歩数に関わる情報、患者Aの歩数に基づいて算出された数値などを表示しても良い。
【0034】
《活動量モニタリングシステムの動作》
以下、活動量モニタリングシステム1の動作を、活動量情報の蓄積に関わる動作と、活動量情報の一覧表示に関わる動作に分けて説明する。
【0035】
《活動量情報の蓄積に関わる動作》
図5は、活動量情報の蓄積に関わる活動量モニタリングシステム1の動作を示すフローチャートである。
活動量センサ4が患者Aの活動量を取得する(ステップS1)。例えば、活動量センサ4はリアルタイムで患者Aの歩数などを取得する。
患者Aが活動量センサ4を読取装置31にタッチする(ステップS2)。
【0036】
ステップS2により、読取装置31は活動量センサ4から患者Aの活動量情報を取得する(ステップS3)。
ステップS3により、端末装置30が読取装置31から患者Aの活動量情報を取得する(ステップS4)。
【0037】
端末装置30は、ステップS4で取得した活動量情報の患者Aを特定できるIDを、端末装置30の記憶装置が記憶する識別情報に照らし合わせて、当該活動量情報と識別情報とを紐づける(ステップS5)。
【0038】
サーバ装置20の取得部201が、ステップS5に紐づけられた活動量情報と識別情報とを取得する(ステップS6)。
取得部201は、ステップS6で取得した活動量情報と識別情報とが関連付けられた情報を記憶部202に記録する(ステップS7)。
【0039】
上記の動作により、活動量モニタリングシステム1は患者Aの活動量情報を識別情報と紐づけて蓄積することができる。
【0040】
《活動量情報の一覧表示に関わる動作》
図6は、活動量情報の一覧表示に関わる活動量モニタリングシステム1の動作を示すフローチャートである。
スタッフBは、サーバ装置20と接続されている入力機器を用いて、活動量情報を抽出するための識別情報の属性の条件を入力する(ステップS11)。
【0041】
入力受入部203は、ステップS11で入力された属性の条件を受け入れる(ステップS12)。
抽出部204はステップS12で受け入れた条件に関わる識別情報と、当該識別情報に関連付けられた活動量情報を、記憶部202から抽出する(ステップS13)。
【0042】
表示処理部205は、ステップS13で抽出された識別情報と、当該識別情報に関連付けられた複数の活動量情報が、一覧表示できるように処理する(ステップS14)。
表示処理部205は、ステップS14で処理した複数の活動量情報などをスタッフ用モニタ21に送信する(ステップS15)。
スタッフ用モニタ21は、ステップS15で送信された複数の活動量情報などの画面を一覧表示する(ステップS16)。
【0043】
上記の動作により、活動量モニタリングシステム1はスタッフBが入力した条件に係る複数の活動量情報を表示することができる。これにより、病院などにおいて当該病院全体の患者Aの活動量の傾向を把握することができる。
【0044】
《作用・効果》
本発明に係る活動量モニタリングシステム1は、患者Aごとに取り付けられた活動量センサ4から当該患者Aの活動量を取得する活動量取得部と、患者Aの識別情報と当該患者Aの活動量に関する情報とを関連付けて、複数の活動量に関する情報を一覧表示できるように処理する表示処理部205と、を備える。
【0045】
活動量モニタリングシステム1は活動量を患者Aから取得して、複数の活動量に関する情報を関連付けて一覧表示できるように処理する。これにより、病院などにおいて当該病院全体の患者Aの活動量の傾向を把握することができる。
【0046】
また、活動量モニタリングシステム1は、複数の患者Aの識別情報のうち、当該患者Aの属性がオペレータに指定された条件に当てはまる識別情報を抽出する抽出部204をさらに備える。
【0047】
活動量モニタリングシステム1は、オペレータが指定した条件に当てはまる識別情報に関わる活動量情報を一覧表示できるように処理する。これにより、病院などにおいて一定の条件ごとに、当該病院全体の患者Aの活動量の傾向を把握することができる。
【0048】
また、活動量モニタリングシステム1の患者Aの属性は、当該患者Aの所定期間内における活動量を示す分類情報を含む。
【0049】
活動量モニタリングシステム1は、オペレータが指定した条件である分類情報に当てはまる識別情報に関わる活動量情報を一覧表示できるように処理する。これにより、病院などにおいて一定の条件ごとに、当該病院全体の患者Aの活動量の傾向を把握することができる。
【0050】
また、活動量モニタリングシステム1の患者Aの属性は、当該患者Aが入院患者であるか外来通院患者であるかを示す情報を含む。
【0051】
活動量モニタリングシステム1は、オペレータが指定した条件である入院患者であるか外来通院患者であるかを示す情報に当てはまる識別情報に関わる活動量情報を一覧表示できるように処理する。これにより、病院などにおいて一定の条件ごとに、当該病院全体の患者Aの活動量の傾向を把握することができる。
【0052】
また、活動量モニタリングシステム1の患者Aの属性は、当該患者Aが入院している病棟を示す情報を含む。
【0053】
活動量モニタリングシステム1は、オペレータが指定した条件である患者Aが入院している病棟を示す情報に当てはまる識別情報に関わる活動量情報を一覧表示できるように処理する。これにより、病院などにおいて一定の条件ごとに、当該病院全体の患者Aの活動量の傾向を把握することができる。
【0054】
また、活動量モニタリングシステム1の患者Aの属性は、当該患者Aが属するリハビリチームを示す情報を含む。
【0055】
活動量モニタリングシステム1は、オペレータが指定した条件である患者Aが属するリハビリチームを示す情報に当てはまる識別情報に関わる活動量情報を一覧表示できるように処理する。これにより、病院などにおいて一定の条件ごとに、当該病院全体の患者Aの活動量の傾向を把握することができる。
【0056】
また、活動量モニタリングシステム1の患者Aの属性は、患者Aの性別および年齢の少なくともいずれか一方を含む。
【0057】
活動量モニタリングシステム1は、オペレータが指定した条件である患者Aの性別および年齢の少なくともいずれか一方を示す情報に当てはまる識別情報に関わる活動量情報を一覧表示できるように処理する。これにより、病院などにおいて一定の条件ごとに、当該病院全体の患者Aの活動量の傾向を把握することができる。
【0058】
本発明に係る活動量モニタリング方法は、患者Aごとに取り付けられた活動量センサ4から当該患者Aの活動量を取得するステップと、患者Aの識別情報と当該患者Aの活動量に関する情報とを関連付けて、複数の活動量に関する情報を一覧表示できるように処理するステップと、を有する。
【0059】
活動量モニタリング方法を用いると、活動量を患者Aから取得して、複数の活動量に関する情報を関連付けて一覧表示できるように処理する。これにより、活動量モニタリング方法のユーザは、病院などにおいて当該病院全体の患者Aの活動量の傾向を把握することができる。
【0060】
〈他の実施形態〉
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。
【0061】
上記の実施形態に係る活動量モニタリングシステム1は、患者Aにより活動量センサ4を読取装置31にタッチすることで、端末装置30が当該活動量センサ4から活動量情報を取得することができるが、読取装置31を備えなくても良い。この場合、活動量センサ4は有線又は無線で端末装置30と接続し、活動量情報をリアルタイム又はバッチ形式で端末装置30に送信する。
【0062】
〈コンピュータ構成〉
図7は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ1100は、プロセッサ1110、メインメモリ1120、ストレージ1130、インタフェース1140を備える。
上述の端末装置30と、サーバ装置20は、コンピュータ1100に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ1130に記憶されている。プロセッサ1110は、プログラムをストレージ1130から読み出してメインメモリ1120に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ1110は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ1120に確保する。
【0063】
プログラムは、コンピュータ1100に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージ1130に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、他の実施形態においては、コンピュータ1100は、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、プロセッサ1110によって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0064】
ストレージ1130の例としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ1130は、コンピュータ1100のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース1140または通信回線を介してコンピュータに接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ1100に配信される場合、配信を受けたコンピュータ1100が当該プログラムをメインメモリ1120に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ1130は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0065】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能をストレージ1130に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0066】
1 活動量モニタリングシステム
4 活動量センサ
5 タブレット端末
20 サーバ装置
21 スタッフ用モニタ
30 端末装置
31 読取装置
32 患者用モニタ
100 リハビリテーション室
200 スタッフルーム
201 取得部
202 記憶部
203 入力受入部
204 抽出部
205 表示処理部
A 患者
B スタッフ
I グラフ
N 数値
G 目標歩数
1100 コンピュータ
1110 プロセッサ
1120 メインメモリ
1130 ストレージ
1140 インタフェース