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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】コンベヤ装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 21/02 20060101AFI20240215BHJP
   B65G 21/10 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
B65G21/02
B65G21/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020141578
(22)【出願日】2020-08-25
(65)【公開番号】P2022037438
(43)【公開日】2022-03-09
【審査請求日】2023-08-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000228707
【氏名又は名称】日本コンベヤ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167380
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100187827
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 雅則
(72)【発明者】
【氏名】吉川 勝博
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 公彦
(72)【発明者】
【氏名】駒田 弘明
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-016216(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104944106(CN,A)
【文献】国際公開第2013/067604(WO,A1)
【文献】特開平05-330620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 21/02
B65G 21/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物(M)の搬送方向に沿って延設され、コンベヤユニット(10)を支持するフレーム部材(40)と、
前記フレーム部材(40)の前記搬送方向の所望の位置に着脱自在とされ、その所望の位置においてコンベヤの構成部材を前記フレーム部材(40)に固定するための固定部材(50)と、
を備え
前記フレーム部材(40)が、前記搬送方向に沿って延びるフランジ(41)が形成された桁を有し、
前記固定部材(50)が、前記フランジ(41)に固定される第一固定部(53)と、前記搬送方向に対し直交方向に延設されて歩廊(61)を支持する前記構成部材としての横梁(54)が挿通される挿通部(55)と、を有する横梁固定部材(51)であるコンベヤ装置。
【請求項2】
前記フレーム部材(40)が、前記搬送方向に沿って延びるフランジ(42)が形成された桁を有し、
前記固定部材(50)が、前記フランジ(42)に固定される第二固定部(67)と、前記構成部材としてのローラ(14)の軸方向端部を保持するローラ保持部(68)と、を有するローラ固定部材(52)である請求項に記載のコンベヤ装置。
【請求項3】
前記桁のその長さ方向に直交する断面が横向きH形である請求項1又は2に記載のコンベヤ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンベヤ装置に関し、特に、このコンベア装置を構成する構成部材を、その搬送方向に沿って所望の間隔で固定可能としたコンベヤ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
土砂や砕石等の搬送物を搬送する手段としてコンベヤ装置が一般的に用いられている。このコンベヤ装置として、例えば、無端状のベルトを用いたベルトコンベヤがある。
【0003】
下記特許文献1に示すように、ベルトコンベヤは、駆動側のプーリと従動側のプーリとの間に無端状の帯状ベルトが巻回されている。そして、駆動側のプーリを回転してベルトを移動することで、このベルト上の搬送物を搬送する。また、このコンベヤ装置には、そのメンテナンスや搬送物の搬送状態を確認するための歩廊が、ベルトに沿って設けられている。駆動側のプーリ、従動側のプーリ、中間部でベルトを案内するローラ、及び、歩廊は、搬送物を搬送する始終点間に亘って設置されたフレーム部材を構成する横フレームによって支持されている(特許文献1の図1図8等参照)。
【0004】
例えば図9に示すように、横フレーム100は、コンベヤベルト101の延設方向に所定間隔ごとに設けられるフレーム部材102の縦フレーム103に、ボルト等の固定手段によって固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-119478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のフレーム部材102を構成する縦フレーム103は、コンベヤベルト101の延設方向の間隔が決まっているため、この縦フレーム103に固定される横フレーム100の前記間隔を自由に変更することはできない。このため、このフレーム部材102上に設置されるプーリ、ローラ104、歩廊105等の重量を確実に支持するのに十分な太さを有する横フレーム100を採用しなければならず、部材コストが高騰する虞がある。
【0007】
そこで、この発明は、コンベヤ装置を構成する構成部材を、その搬送方向に沿って所望の間隔で設置可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、この発明においては、
搬送物の搬送方向に沿って延設され、コンベヤユニットを支持するフレーム部材と、
前記フレーム部材の前記搬送方向の所望の位置に着脱自在とされ、その所望の位置においてコンベヤの構成部材を前記フレーム部材に固定するための固定部材と、
を備えるコンベヤ装置を構成した。
【0009】
前記構成においては、
前記フレーム部材が、前記搬送方向に沿って延びるフランジが形成された桁を有し、
前記固定部材が、前記フランジに固定される第一固定部と、前記搬送方向に対し直交方向に延設されて歩廊を支持する前記構成部材としての横梁が挿通される挿通部と、を有する横梁固定部材であるのが好ましい。
【0010】
前記各構成においては、
前記フレーム部材が、前記搬送方向に沿って延びるフランジが形成された桁を有し、
前記固定部材が、前記フランジに固定される第二固定部と、前記構成部材としてのローラの軸方向端部を保持するローラ保持部と、を有するローラ固定部材であるのが好ましい。
【0011】
前記各構成においては、
前記桁のその長さ方向に直交する断面が横向きH形であるのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
この発明では、上記のようにコンベヤの構成部材を所望の間隔で固定可能としたので、フレーム上に設置されるプーリ、ローラ、歩廊等の重量を考慮して、必要十分な太さの横梁を採用すればよく、部材コストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明に係るコンベヤ装置の中間部分の側面図
図2図1に示すコンベヤ装置の端部の側面図
図3図1に示すコンベヤ装置の平面図
図4図1中のIV-IV線に沿う断面図
図5図1中のV-V線に沿う断面図
図6図2中のVI-VI線に沿う断面図
図7図1に示すコンベヤ装置の横梁固定部材を示す正面図
図8図1に示すコンベヤ装置のローラ固定部材を示す正面図
図9】従来技術に係るコンベヤ装置を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明に係るコンベヤ装置1を図面に基づいて説明する。図1はコンベヤ装置1の中間部分の側面図、図2はコンベヤ装置1の端部の側面図、図3はコンベヤ装置1の平面図、図4図1中のIV-IV線に沿う断面図、図5図1中のV-V線に沿う断面図、図6図2中のVI-VI線に沿う断面図である。
【0015】
このコンベヤ装置1は、例えば、土砂等の搬送物Mを搬送する際に用いられ、コンベヤユニット10と、搬送物Mの搬送方向に沿って延設されてコンベヤユニット10を支持するフレーム部材40と、フレーム部材40の前記搬送方向の任意の位置に着脱自在な固定部材50と、を有している。
【0016】
コンベヤユニット10は、搬送物Mの搬送方向の一端側に設けられたプーリ(以下、ヘッドプーリ11と称する。)と、前記搬送方向の他端側に設けられたプーリ(図示せず。以下、テールプーリと称する。)を備えている。ヘッドプーリ11とテールプーリの間には、無端状のコンベヤベルト12が掛け渡されている。コンベヤベルト12には、所定幅を有する帯状のゴム素材が用いられ、その内部には繊維や金属等からなる補強部材が埋め込まれて、所定の可撓性と搬送物Mの荷重に耐え得る所定の強度が確保されている。
【0017】
ヘッドプーリ11には、駆動用モータ(図示せず)等から駆動力が入力される。この駆動力によってヘッドプーリ11が回転すると、上面側に位置する搬送側のコンベヤベルト12が下面側に位置するリターン側へと送り出されて、無端状のコンベヤベルト12が走行する。このとき、テールプーリは、コンベヤベルト12の走行に伴って従動して回転し、コンベヤベルト12をリターン側から搬送側に案内する。
【0018】
また、ヘッドプーリ11とテールプーリとの間において、搬送側には、コンベヤベルト12を下面側から保持するキャリアローラ13が、コンベヤベルト12の長手方向に沿って複数配置されている。キャリアローラ13は、コンベヤベルト12の幅方向に3本並んで配置され、図4に示すように、中央のローラは水平に、両端のローラは幅方向外側に向かうほど上方に向かって傾斜するように配置される。これにより、搬送側のコンベヤベルト12は、幅方向両端部が幅方向中央よりも上方に持ち上がった形状、すなわち、正面視V字状に保持される。
【0019】
リターン側には、コンベヤベルト12を同じく下面から保持するリターンローラ14が、コンベヤベルト12の長手方向に沿って複数配置されている。リターン側のコンベヤベルト12は、1本のリターンローラ14によって、その幅方向全長がフラットに保持される。
【0020】
フレーム部材40は、コンベヤユニット10の幅方向に並列する一対の桁から構成される。この桁の長さ方向に直交する断面は横向きH字形をなし、それぞれの桁の下部には下側フランジ41(フランジ)が、上部には上側フランジ42(フランジ)が、前記搬送方向に沿ってそれぞれ延設されている。前記搬送方向に隣り合うフレーム部材40同士は、接続部材43によって接続されている。このフレーム部材40として、断面が横向きH字形の桁を採用することにより、上下のフランジ41、42にそれぞれ固定部材50を固定することができるため好ましいが、断面がT字形、L字形、コ字形等の桁を採用できる可能性もある。
【0021】
固定部材50は、所望の位置において、コンベヤ装置1の構成部材をフレーム部材40に固定するための部材である。この実施形態においては、この固定部材50として、横梁固定部材51とローラ固定部材52を採用している。
【0022】
横梁固定部材51は、図7に示すように、フレーム部材40の下側フランジ41に固定される第一固定部53と、搬送物Mの搬送方向に対し直交方向に延設されるコンベヤの構成部材としての横梁54が挿通される挿通部55とを有する。第一固定部53及び挿通部55は、いずれも角形の鋼管から構成されている。また、第一固定部53と挿通部55は、それらの長さ方向に互いに90度交差するように配置され、第一固定部53の下側に、溶接等の手段によって挿通部55が一体化されている。
【0023】
第一固定部53の側面には、その長さ方向に沿ってスリット56が形成されるとともに、その上面にはボルト57がねじ込まれている。このスリット56に下側フランジ41を挿入した上でボルト57を締め付けることによって、下側フランジ41に第一固定部53(横梁固定部材51)が固定される。また、挿通部55の側面にはボルト58がねじ込まれている。挿通部55に横梁54を挿通した上でこのボルト58を締め付けることによって、この挿通部55(横梁固定部材51)に横梁54が固定される。各ボルト57、58の配置は上記に限定されず、適宜変更することもできる。
【0024】
横梁54には、上端が逆J字形に屈曲した係止金具59が設けられている。この係止金具59に設けられたナット60を締め付けることによって、その屈曲した上端において、作業者がメンテナンスや搬送物Mの搬送状態を確認するための板状の歩廊61を保持するための断面L字形の保持部材62の上端が係止される。また、横梁54の両端近傍には連結部材63が設けられており、この連結部材63によって横梁54と柱部材64が連結されている。
【0025】
柱部材64の下端部近傍には係止金具65が設けられており、この係止金具65によって上記の保持部材62と対をなす他の保持部材66が係止されている。そして、この対をなす保持部材62、66によって歩廊61が保持される。この歩廊61は、コンベヤユニット10の幅方向の両側に設けられているが、一方側にのみ設けた構成とすることもできる。
【0026】
柱部材64の高さ方向の中程には、トラブル発生時に、作業者がコンベヤユニット10を緊急停止させるためのプルコードスイッチ15が設けられている。なお、この実施形態においては、下側フランジ41の幅方向外側(図7の右側)に横梁固定部材51を設けた構成について示したが、下側フランジ41の幅方向内側(図7の左側)に横梁固定部材51を設けた構成とすることもできる。
【0027】
ローラ固定部材52は、図8に示すように、上側フランジ42に固定される第二固定部67と、コンベヤの構成部材としてのリターンローラ14(ローラ)の軸方向端部を保持するリターンローラ保持部68(ローラ保持部)とを有する。第二固定部67は、水平に延びる下片69と、下片69に対し約60度の角度で連設されて斜め上方に延びる斜向片70と、斜向片70に対し約120度の角度で連設されて水平に延びる上片71とを有する、断面円形の棒状部材であって、その上片71の端部に雄ネジが形成されている。
【0028】
リターンローラ保持部68は、角形の鋼管からなる本体部72と、本体部72の側面に固定され、リターンローラ14の両端の軸を挿入する挿入孔が形成された軸挿入部73と、本体部72の上面に固定され、第二固定部67の上片71が挿し込まれる貫通孔74が形成された固定片75とを有している。この貫通孔74は、上下方向に長い長孔である。
【0029】
この貫通孔74に上片71を挿し込んでナット76を締め付けることによって、上側フランジ42に第二固定部67(ローラ固定部材52)が固定される。このようにして固定されたローラ固定部材52の軸挿入部73にリターンローラ14の軸を挿入すると、このリターンローラ14が回転自在に支持される。
【0030】
固定片75の上端には、コンベヤの延設方向に延びる断面円形の延設部材77が設けられている。この延設部材77には、断面コ字形のキャリアローラ保持部78が設けられ、このキャリアローラ保持部78にキャリアローラ13を支持するローラフレーム79が一体化されている。
【0031】
キャリアローラ保持部78の端部には、断面円形の棒材を屈曲させて形成した固定部材80が設けられており、この固定部材80に設けられたナット81を締め付けることによって延設部材77に固定される。なお、図8では、固定片75の上側にキャリアローラ保持部78を設けた構成を示したが、図5に示すように、キャリアローラ保持部78がない構成(ローラ固定部材52でリターンローラ14のみを支持する構成)とすることもできる。
【0032】
下側フランジ41への横梁固定部材51の固定位置、及び、上側フランジ42へのローラ固定部材52の固定位置は、フレーム部材40上に設置されるプーリ11、ローラ13、14、歩廊61等の重量を考慮して適宜決定することができる。このため、プーリ11等を支持するための必要十分な太さの横梁54を採用すればよく、部材コストを抑制することができる。
【0033】
上記においては、固定部材50として、横梁固定部材51とローラ固定部材52について主に説明したが、コンベヤユニット10の幅方向両側にネット状の安全柵82を取り付けるための柵固定部材83や、コンベヤベルト12の蛇行を検出する検出スイッチ84を取り付けるためのスイッチ固定部材85をフレーム部材40に固定することもできる。この柵固定部材83やスイッチ固定部材85も、フレーム部材40の長さ方向の所望の位置に取り付けることができる。
【0034】
上記において説明したコンベヤ装置1は、単なる例示に過ぎず、コンベヤ装置1を構成する構成部材を、その搬送方向に沿って所望の間隔で設置可能とする、というこの発明の課題を解決し得る限りにおいて、フレーム部材40や固定部材50(横梁固定部材51、ローラ固定部材52)の形状を適宜変更することができる。また、横梁固定部材51、ローラ固定部材52以外の固定部材50を別途設けることもできる。
【符号の説明】
【0035】
1 コンベヤ装置
10 コンベヤユニット
11 ヘッドプーリ(プーリ)
12 コンベヤベルト
13 キャリアローラ(ローラ)
14 リターンローラ(ローラ)
15 プルコードスイッチ
40 フレーム部材
41 下側フランジ(フランジ)
42 上側フランジ(フランジ)
43 接続部材
50 固定部材
51 横梁固定部材
52 ローラ固定部材
53 第一固定部
54 横梁
55 挿通部
56 スリット
57、58 ボルト
59、65 係止金具
60、76、81 ナット
61 歩廊
62、66 保持部材
63 連結部材
64 柱部材
67 第二固定部
68 リターンローラ保持部(ローラ保持部)
69 下片
70 斜向片
71 上片
72 本体部
73 軸挿入部
74 貫通孔
75 固定片
77 延設部材
78 キャリアローラ保持部
79 ローラフレーム
80 固定部材
82 安全柵
83 柵固定部材
84 検出スイッチ
85 スイッチ固定部材
M 搬送物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9