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特許7437046年史制作方法、プログラム、年史制作装置および年史制作システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】年史制作方法、プログラム、年史制作装置および年史制作システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/166 20200101AFI20240215BHJP
   G06F 40/169 20200101ALI20240215BHJP
   G06F 40/106 20200101ALI20240215BHJP
   G06F 40/137 20200101ALI20240215BHJP
   G06Q 10/00 20230101ALI20240215BHJP
【FI】
G06F40/166
G06F40/169
G06F40/106
G06F40/137
G06Q10/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021143072
(22)【出願日】2021-09-02
(65)【公開番号】P2023036180
(43)【公開日】2023-03-14
【審査請求日】2023-02-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505286604
【氏名又は名称】株式会社出版文化社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅田 厚志
(72)【発明者】
【氏名】足立 功明
【審査官】木村 大吾
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-232289(JP,A)
【文献】特開2004-086855(JP,A)
【文献】特開平10-301925(JP,A)
【文献】特開2017-073181(JP,A)
【文献】特開2008-210069(JP,A)
【文献】特開2004-094834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/00-40/58
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が実施する組織の年史制作方法であって、
前記情報処理装置は、
プロセッサと、
前記年史を構成する複数の記事データを格納する記憶部と、を備え、
記制作方法は、
前記プロセッサが、前記年史を構成する記事データをディスプレイに閲覧可能に出力するステップと、
前記プロセッサが、閲覧者の前記組織への所属期間の長さを含む閲覧者の属性に基づき、当該閲覧者は投稿権限を有するか否かを判定するステップと、
前記プロセッサが、投稿権限を有すると判定された閲覧者から記事データの投稿操作を受付けるステップと、
前記プロセッサが、編集権限を有した編集者から、前記投稿操作によって投稿された前記記事データを用いた年史の編集操作を受付けるステップと、
前記プロセッサが、受付けた前記編集操作に従い、投稿された前記記事データを含んで構成されるように前記年史の編集処理を実行するステップと、
前記プロセッサが、前記組織に属する閲覧者からの前記年史の記事データに対する点数を含む定量的評価を収集し出力するステップと、を備え、
前記年史を構成する記事データをディスプレイに閲覧可能に出力するステップは、
前記プロセッサが、記事データが閲覧可能に可視化される閲覧オブジェクトと、可視化された当該記事データに対する前記閲覧者からのコメントの入力操作を受付けるオブジェクトと、当該記事データに対し入力された1または複数の前記閲覧者からのコメントを可視化するオブジェクトとを含むGUIを出力するステップを有し、
前記投稿操作を受付けるステップは、
前記プロセッサが、記事データが閲覧可能に可視化される閲覧オブジェクトと、前記閲覧者から前記投稿操作を受付ける投稿オブジェクトと、前記閲覧者の投稿操作によって投稿された記事データに対する他の閲覧者からのコメントを可視化するオブジェクトとを含むGUIを出力するステップを有する、年史制作方法。
【請求項2】
前記閲覧者の属性はさらに、当該閲覧者が所属する前記組織の部門または部署を示す情報を含む、請求項1に記載の年史制作方法。
【請求項3】
前記閲覧者の属性は、さらに、当該閲覧者の前記組織における地位を示す情報を含む、請求項1または2に記載の年史制作方法。
【請求項4】
記年史は、複数種類の年史を含み、各前記複数種類の年史は、前記組織が設立されてからの経過年数毎の周年史を含む、請求項からのいずれか1項に記載の年史制作方法。
【請求項5】
前記年史は、複数種類の年史を含み、各前記複数種類の年史は、前記組織の部門または部署の年史を含む、請求項1からのいずれか1項に記載の年史制作方法。
【請求項6】
前記年史は、複数種類の年史を含み、前記記憶部に格納される前記複数の記事データは、異なる種類の前記年史の間で共有される記事データを含む、請求項1からのいずれか1項に記載の年史制作方法。
【請求項7】
前記記事データは、文書データおよび当該文書データに関連する動画データを含む画像データまたは音声データを含む、請求項1からのいずれか1項に記載の年史制作方法。
【請求項8】
前記年史は、それぞれの階層に1つ以上の前記記事データが配置される複数の階層を有し、
前記記事データは、当該記事データを検索するための検索用のタグが関連付けられ、
前記記事データに関連付けられる前記タグは、前記複数の階層のうち、当該記事データが配置される階層を示す、請求項1からのいずれか1項に記載の年史制作方法。
【請求項9】
各前記複数の階層に配置される1つ以上の記事データは、前記ディスプレイに表示される順序を有し、
前記記事データに関連付けられる前記タグは、前記複数の階層のうち当該記事データが配置される階層と、当該階層に配置される前記1つ以上の記事データが有する前記順序における当該記事データの順番とを示す、請求項に記載の年史制作方法。
【請求項10】
記編集操作を受付けるステップは、
前記プロセッサが、前記投稿オブジェクトを介して受付けた前記投稿操作によって投稿された前記記事データを可視化するための記事オブジェクトと、前記編集者の編集操作を受付ける編集オブジェクトとを含むGUIを出力するステップを有する、請求項1からのいずれか1項に記載の年史制作方法。
【請求項11】
情報処理装置により実行されると、請求項1から10のいずれか1項に記載の年史制作方法を実現するための年史制作プログラム。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか1項に記載の年史制作方法を実行するための年史制作装置。
【請求項13】
サーバと、前記サーバとネットワークを介して通信する端末とを備え、
前記サーバは、
組織の年史を構成する複数の記事データを格納する記憶手段と、
前記年史を構成する記事データを閲覧可能にする画面情報を前記端末に送信する手段と、
前記端末から受信する前記年史の編集操作の情報に従い、投稿された記事データを含んで構成されるよう前記年史を編集する手段と、を有し、
前記端末は、
前記端末に対するユーザの操作を受付ける操作手段と、
前記サーバから受信する前記画面情報に基づく画面を当該端末が有するディスプレイに表示する手段と、を有し、
前記サーバは、
前記ユーザの前記組織への所属期間の長さを含む閲覧者の属性に基づき、当該ユーザは投稿権限を有するか否かを判定する手段と、
前記組織に所属するユーザからの前記年史の記事データに対する点数を含む定量的評価を収集し出力する手段と、さらに有し、
前記端末は、
前記サーバによって投稿権限を有すると判定されたユーザから、前記操作手段を介して、記事データの投稿操作を受付ける手段と、
投稿された記事データを前記サーバに送信する手段と、
編集権限を有したユーザから、前記操作手段を介して、前記年史の編集操作を受付ける手段と、
受付けた前記年史の編集操作の情報を前記サーバに送信する手段と、をさらに有し
前記年史を構成する記事データを閲覧可能にする画面情報に基づく画面をディスプレイに表示する手段は、
記事データが閲覧可能に可視化される閲覧オブジェクトと、可視化された当該記事データに対する前記ユーザからのコメントの入力操作を受付けるオブジェクトと、当該記事データに対し入力された1または複数の前記ユーザからのコメントを可視化するオブジェクトとを含むGUIを出力する手段を有し、
前記記事データの投稿操作を受付ける手段は、
記事データが閲覧可能に可視化される閲覧オブジェクトと、前記ユーザから前記投稿操作を受付ける投稿オブジェクトと、前記ユーザの投稿操作によって投稿された記事データに対する他のユーザからのコメントを可視化するオブジェクトとを含むGUIを出力する手段を有する、年史制作システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、年史制作方法、プログラム、年史制作装置および年史制作システムに関し、特に、複数の記事から構成される年史を制作する年史制作方法、プログラム、年史制作装置および年史制作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータを用いた年史の制作方法として、例えば特許文献1(特開2001-290913号公報)の年史制作システムは、年史制作のための基礎資料を収集し、収集した資料を基に記事データを作成して記事データベースに登録し、記事データベースから必要な情報を抽出して素年表を作成し、基礎資料と素年表を基に時代区分を設定して年史本文の仮目次を作成し、作成された仮目次の項目ごとに、必要な情報を前記記事データベースから抽出して本文原稿のスタイルに編集し、前記本文原稿に対応するビジュアル原稿を作成し、前記本文原稿およびビジュアル原稿の内容検討を行い、前記本文原稿およびビジュアル原稿を突き合わせて原稿の整理・編集を行い、資料編・年表の原稿作成を行い、全体のデザイン・レイアウトを行うことにより年史を制作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-290913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
年史の制作においては、年史にとって適切な内容の記事を豊富に含んで構成された年史を制作したいとの要望がある。しかし、特許文献1では、年史担当のみが社内各部署から基礎資料を収集し、記事データベースに登録するから、年史を構成する記事は年史担当者の収集範囲に限られてしまい、上記の要望に応えることが難しい。
【0005】
それゆえに、本開示の目的は、記事を豊富に含んで構成された年史を制作することのできる年史制作方法、プログラム、年史制作装置および年史制作システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示では情報処理装置が実施する年史制作方法が提供される。情報処理装置はプロセッサと、年史を構成する複数の記事データを格納する記憶部と、を備える。
【0007】
年史制作方法は、プロセッサが、年史を構成する記事データをディスプレイに閲覧可能に出力するステップと、プロセッサが、投稿権限を有した閲覧者から記事データの投稿操作を受付けるステップと、プロセッサが、編集権限を有した編集者から、投稿操作によって投稿された記事データを用いた年史の編集操作を受付けるステップと、プロセッサが、受付けた編集操作に従い、投稿された記事データを含んで構成されるように年史の編集処理を実行するステップと、を備える。
【0008】
好ましくは、年史制作方法は、閲覧者の属性に基づき、当該閲覧者は投稿権限を有するか否かを判定するステップを、さらに備える。
【0009】
好ましくは、年史は、複数の構成員からなる組織の年史を含み、閲覧者の属性は、当該閲覧者が属する組織における構成員としての当該閲覧者に関する情報を含む。
【0010】
好ましくは、組織における構成員としての閲覧者に関する情報は、当該閲覧者が所属する組織の部門または部署を示す情報を含む。
【0011】
好ましくは、組織における構成員としての閲覧者に関する情報は、当該閲覧者の組織における地位を示す情報を含む。
【0012】
好ましくは、記憶部に格納される年史は、複数種類の年史を含み、各種の年史は、組織が設立されてからの経過年数毎の周年史、または組織の部門または部署の年史を含む。
【0013】
好ましくは、記憶部に格納される複数の記事データは、異なる種類の年史の間で共有される記事データを含む。
【0014】
好ましくは、記事データは、文書データおよび当該文書データに関連する動画データを含む画像データまたは音声データを含む。
【0015】
好ましくは、年史は、それぞれの階層に1つ以上の記事データが配置される複数の階層を有し、記事データは、当該記事データを検索するための検索用のタグが関連付けられ、記事データに関連付けられるタグは、複数の階層のうち、当該記事データが配置される階層を示す。
【0016】
好ましくは、各階層に配置される1つ以上の記事データは、ディスプレイに表示される順序を有し、記事データに関連付けられるタグは、複数の階層のうち当該記事データが配置される階層と、当該階層に配置される1つ以上の記事データが有する順序における当該記事データの順番とを示す。
【0017】
好ましくは、投稿操作を受付けるステップは、プロセッサが、記事データが閲覧可能に可視化される閲覧オブジェクトと、投稿操作を受付ける投稿オブジェクトとを含むGUIを出力するステップを有し、編集操作を受付けるステップは、プロセッサが、投稿オブジェクトを介して受付けた投稿操作によって投稿された記事データを可視化するための記事オブジェクトと、編集者の編集操作を受付ける編集オブジェクトとを含むGUIを出力するステップを有する。
【0018】
本開示の他の局面では、情報処理装置により実行されると、上記に述べた年史制作方法を実現するための年史制作プログラムが提供される。
【0019】
本開示の他の局面では、上記の述べた年史制作方法を実行するための年史制作装置が提供される。
【0020】
本開示の他の局面では、年史制作システムは、サーバと、当該サーバとネットワークを介して通信する端末とを備え、サーバは、年史を構成する複数の記事データを格納する記憶手段と、年史を構成する記事データを閲覧可能にする画面情報を端末に送信する手段と、端末から受信する年史の編集操作の情報に従い、投稿された記事データを含んで構成されるよう年史を編集する手段と、を有する。端末は、端末に対するユーザの操作を受付ける操作手段と、サーバから受信する画面情報に基づく画面を当該端末が有するディスプレイに表示する手段と、投稿権限を有したユーザから、操作手段を介して、記事データの投稿操作を受付ける手段と、投稿された記事データをサーバに送信する手段と、編集権限を有したユーザから、操作手段を介して、年史の編集操作を受付ける手段と、受付けた年史の編集操作の情報をサーバに送信する手段と、を有する。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、投稿権限を有した閲覧者から記事データの投稿操作を受付けて、受付けた投稿操作に基づき当該記事データを含むよう年史が編集される。したがって、投稿権限を有した閲覧者から投稿される記事は適切な内容であること期待されること、および年史を構成する記事を編集者のみならず閲覧者からも収集できることから、適切な内容の記事を豊富に含んで構成される年史を容易に制作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施の形態に係るネットワーク構成図である。
図2】本実施の形態に係るサーバが備える年史制作の機能構成を模式的に示す図である。
図3】本実施の形態に係る年史データの構成を模式的に示す図である。
図4】本実施の形態に係る記事データの構成を模式的に示す図である。
図5】本実施の形態に係る年史制作シーケンスの一例を模式的に示す図である。
図6】本実施の形態に係る閲覧者の記事データに関するコメントの処理の一例を示すフローチャートである。
図7】本実施の形態に係る閲覧Webページの画面の一例を示す図である。
図8】本実施の形態に係る年史と記事およびユーザとの関係を模式的に示す図である。
図9】本実施の形態に係るユーザデータの一例を示す図である。
図10】本実施の形態に係る年史制作システムのホーム画面の一例を示す図である。
図11】本実施の形態に係る年史制作システムの記事投稿画面の一例を示す図である。
図12】本実施の形態に係る年史制作システムの編集画面の一例を示す図である。
図13】本実施の形態に係る年史制作システムの編集画面の他の例を示す図である。
図14】本実施の形態に係るマイページ画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ、各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。まず、本実施の形態で用いる用語を説明する。
【0024】
「年史」は、組織の歴史を表す情報であって、複数の記事データを含んで構成される。記事データは、文章データと、文章データに関連する画像(動画、静止画)データ、他の文章データ、絵または表などのデータ、および音声データが含まれ得る。
【0025】
「組織」は、互いに関係する複数の構成員から構成される団体に相当する。組織には、企業、学校、自治体などを含み得るが、これらに限定されない。
【0026】
「ユーザ」は、組織の構成員および非構成員からなる年史のユーザであって、年史を閲覧または編集することができる者を含む。より具体的には、ユーザは、記事データを投稿する権限(以下、投稿権限という)を有するユーザと、記事データを用いて年史を編集する権限(以下、編集権限)を有するユーザと、投稿権限と編集権限の両方を有するユーザと、閲覧のみが可能なユーザとを含む。以下では、年史を閲覧するユーザを「閲覧者」と称し、編集権限を有したユーザを「編集者」と称する。
【0027】
本実施の形態では、組織の年史として、例えば会社の年史を製作するシーンを例示して説明するが、他の種類の組織であっても本実施の形態は同様に適用することができる。
【0028】
<A.構成>
図1は、本実施の形態に係るネットワーク構成図である。本実施の形態に係る年史制作システムは、クラウド型サーバを用いて提供されるプラットフォームを利用して実現されるが、サーバはクラウド型に限定されず、オンプレミスサーバであってもよい。
【0029】
図1を参照して、ネットワーク構成は、例えばクラウドベースの情報処理装置の一例であるサーバ300と、コンピュータなどの情報処理装置に相当する端末100および端末200とを備える。端末100および端末200は、それぞれ、イントラネットワークを含むネットワークNW1およびNW2などの各種通信ネットワークを経由して、クラウド上のサーバ300と通信する。端末100および200は、それぞれ、据え置きされたデスクトップ型コンピュータ、携帯可能なラップトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータまたはスマートフォンなどを含み得る。本実施の形態では、端末100は、ユーザのうち閲覧者が操作可能なコンピュータを示し、端末200は、ユーザのうち編集者が操作可能なコンピュータを示す。なお、システムへのログイン管理または認証機能などにより、閲覧者と編集者は、同じ端末を共用することもできる。
【0030】
サーバ300は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ302、ディスプレイ303、サーバ300に対するユーザ操作を受付けるためのキーボード、マウスなどの操作部304、端末100および200と通信するための通信I/F(Interfaceの略)306、不揮発性の記憶装置の一例であるHDD(Hard Disk Drive)307、およびメモリI/F309を備える。
【0031】
メモリI/F309は、外部の記憶媒体308が脱着自在に装着されて、CPU301の制御のもとに、装着された記憶媒体308に格納されたデータおよびプログラムを読み書きする。記憶媒体308は、例えばCD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、メモリカードなどを含む。ディスプレイ303および操作部304は、これら一体的に構成したタッチパネル305として提供されてもよい。
【0032】
図1を参照して、端末100は、CPUなどのプロセッサ101、ROMまたはRAMなどの揮発性のメモリおよびHDDなどの不揮発性のメモリを含むメモリ102、ディスプレイ103、ユーザ操作を受付けるためのキーボード、マウスなどの操作部104、ネットワークNW2を介して通信するための通信回路106、およびメモリI/F109を備える。ディスプレイ103と操作部104は、一体的に構成されたタッチパネル105として提供されてもよい。
【0033】
メモリI/F109は、メモリカードなどの記憶媒体110が脱着自在に装着されて、プロセッサ101の制御のもとに、装着された記憶媒体110に格納されたデータおよびプログラムを読み書きする。メモリI/F109に装着される記憶媒体は、メモリカードなどに限定されず、例えばCD-ROMなどであってもよい。
【0034】
図1を参照して、端末200は、CPUなどのプロセッサ201、ROMまたはRAMなどの揮発性のメモリおよびHDDなどの不揮発性のメモリを含むメモリ202、ディスプレイ203、ユーザ操作を受付けるためのキーボード、マウスなどの操作部204、ネットワークNW1を介して通信するための通信回路206、およびメモリI/F209を備える。ディスプレイ203と操作部204は、一体的に構成されたタッチパネル205として提供されてもよい。
【0035】
メモリI/F209は、外部のメモリカードなどの記憶媒体210が脱着自在に装着されて、プロセッサ201の制御のもとに、装着された記憶媒体210に格納されたデータおよびプログラムを読み書きする。メモリI/F209に装着される記憶媒体は、メモリカードに限定されず、例えばCD-ROMなどであってもよい。
【0036】
サーバ300および端末100,200は、音声を出力可能なスピーカなどのオーディオデバイス、または、年史および記事などのデータを印刷するプリンタまたはプリンタドライバを有してもよい。
【0037】
<B.サーバ300の機能構成>
図2は、本実施の形態に係るサーバ300が備える年史制作の機能構成を模式的に示す図である。本実施の形態では、年史制作機能は、サーバ300のCPU301がHDD307のアプリケーションプログラム326を実行することにより実現される。なお、機能の実現方法はプログラムに限定されず、プログラムと回路との組合せにより実現されてもよい。
【0038】
図2を参照して、CPU301は、上記の機能として、閲覧Web(ウェブ)ページ管理部311と、編集Webページ管理部312と、ユーザを管理するユーザ管理部313と、編集処理を実施することにより年史を制作する編集部317と、年史に係るユーザのコメントを管理するコメント管理部316を含む。編集部317は、年史のデータを編集するとともに年史データをHDD307において管理する年史管理部314および年史を構成する記事データを編集するとともに記事データをHDD307において管理する記事管理部315を含む。これら各部に関連して、HDD307には、複数種類の年史データ320と、年史データ320を構成する複数の記事データ321と、記事に対するユーザの評価を示すコメントデータ323と、システムのユーザを管理するためのユーザ管理データ324と、ユーザ毎の情報が登録されるマイページデータ325と、アプリケーションプログラム326を含む。
【0039】
閲覧Webページ管理部311と、編集Webページ管理部312と、ユーザ管理部313と、編集部317と、コメント管理部316は、例えば、アプリケーションプログラム326がCPU301によって実行されることにより生成されるオブジェクトモジュールとして実現され得る。
【0040】
(b1.年史データ320の構成)
図3は、本実施の形態に係る年史データ320の構成を模式的に示す図である。年史データ320は、それぞれの階層に1つ以上の記事データ321が配置される複数の階層を有する。複数の階層は、図3の(B)を参照して、階層ID(01~05)で識別される第1~第5階層を含む。なお、階層は5つに限定されない。
【0041】
図3の(A)を参照して、年史データ320は、ヘッダ327と、データ群とを含む。ヘッダ327は、年史について、当該年史を識別するための年史IDおよびタイトルである年史名と、編集部317が実行する編集処理によって当該年史の年史データ320が更新(変更)された時間を示す更新年月日とを含む。データ群は、ヘッダ327に紐付けされた階層設定フラグ40と、複数の階層設定のデータとを含む。複数の階層設定のデータは、年史データ320を構成する複数の記事データ321それぞれが配置される階層を示す。より具体的には、各記事データ321は、図3の(B)に示す5つの階層、すなわち年史階層1設定41と、年史階層2設定42と、年史階層3設定43と、年史階層4設定44と、年史階層5設定45のいずれかの階層に配置され、当該階層に配置される記事データ321の文章は、例えば“階層名”で示されている。
【0042】
図3の(A)を参照して、複数種類の年史データ320は、会社の構成員および非構成員を含む一般向けの記事から構成される周年史である“一般50年史”と、会社の役員向けの記事から構成される周年史である“役員用50年史”と、社史のダイジェスト版の記事から構成される周年史である“ダイジェスト50年史”との3種類を含む。
【0043】
なお、年史データ320の種類は、これらに限定されず、会社が設立されてからの経過年数毎の周年史、会社の部門または部署(総務、経理、人事、営業など)の年史、これらの組合せの年史などであってもよい。
【0044】
図3を参照して、例えば、年史IDが“0001”を有するヘッダ327で識別される年史データ320は、名称は“一般用50年史”であって、年史ID“0001”に紐付けされた階層設定フラグ40は、当該年史データ320は5つの階層から構成されることを示す。より具体的には、5つの階層を構成する記事データ321は、年史階層1設定41の階層1識別コード(0001 01 0001)で識別される記事データ321と、年史階層2設定42の階層2識別コード(0001 02 003 0001)で識別される記事データ321と、年史階層3設定43の階層3識別コード(0001 03 003 001 001)で識別される記事データ321と、年史階層4設定44の階層4識別コード(0001 04 003 001 001 001)で識別される記事データ321と、年史階層5設定45の階層5識別コード(0001 05 003 001 001 001 001)で識別される記事データ321を含む。
【0045】
一般用50年史の年史データ320を構成する記事データ321は、第1階層~第5階層に配置されるが、年史データ320の階層数はこれに限定されない。階層設定フラグ40によれば、例えば役員用50周年史は第1階層~第4階層の4つの階層を有し、ダイジェスト50周年史は第1階層~第3階層の3つの階層を有する。なお、第1階層~第5階層の階層は、章、節、項目など年史を構成する区分に整合している。
【0046】
(b2.記事データ321の構成)
図4は、本実施の形態に係る記事データ321の構成を模式的に示す図である。図4を参照して記事データ321は、データ151~153を含む。データ151は、記事データ321を識別する投稿ID、投稿記事のタイトル、投稿記事のテキストデータ、年史データ320を構成する記事として初回登録された日時、投稿者(ユーザ)IDおよび名称、記事が対象とするイベント(行事)などの日時を示す対象日、当該記事の更新日時、更新したユーザの更新者IDおよび更新者名を含む。データ152は、記事データ321を検索するための検索用のタグに相当するデータ154を含む。
【0047】
例えば、図4のデータ154は年史選択1表示コードとして(0001 05 003 001 001 001 001 001)を示すことから、記事データ321は、年史IDが“0001”である年史データ320の第5階層の識別コード(0001 05 003 001 001 001 001)で識別される1つ以上の記事データ321の並びを示す順序において、0001番目の順番に位置することが示される。すなわち、年史IDが“0001”である年史データ320の第5階層に配置された1つ以上の記事データ321がディスプレイなどに表示されるとき、当該記事データ321は、1つ以上の記事データ321のうち1番目に検索表示(出力)されることが指定される。
【0048】
このように、記事データ321に関連付けられるタグとしてのデータ154は、年史データ320が有する複数の階層のうち当該記事データ321が配置される階層と、当該階層に配置される1つ以上の記事データ321が出力される順序(検索される順序)における当該記事データ321の順番とを示している。
【0049】
本実施の形態では、記事データ321は、異なる種類の年史の間で共有され得る。例えば、データ152は、当該記事データ321が異なる種類の年史の間で共有される場合、他の種類の年史データ320についてのデータ154を、年史選択2表示コード、年史選択3表示コード、年史選択4表示コード、年史選択5表示コードとして含む。データ153は、年史選択1表示コード、年史選択2表示コード、年史選択3表示コード、年史選択4表示コードおよび年史選択5表示コードのそれぞれについて、対応の記事データ321がスクロールビューで表示される場合に、データ151の投稿タイトルを表示するか否かを指示するフラグを示す。
【0050】
<C.年史制作のシーケンス>
図5は、本実施の形態に係る年史制作シーケンスの一例を模式的に示す図である。図5には、クラウドプラットフォームを用いた年史制作シーケンスとして、主に、サーバ300が実施する処理が示されている。サーバ300が実施する処理として、図5の左側に閲覧者の操作部104を介して受付けたユーザ操作に基づく処理を示し、中央に編集者の操作部204を介して受付けたユーザ操作に基づく処理を示し、右側にHDD307におけるデータの変遷を示す。
【0051】
編集者には、ユーザ管理部313によってユーザ管理データ324に基づき編集権限が設定される。ユーザは端末200を操作して年史制作システムにログインすると、ユーザ管理部313はログインデータをユーザ管理データ324と照合し、照合の結果に基づき、当該ユーザが編集権限を有するか否かを判定する。編集権限について認証されたユーザである編集者にのみ、編集Webページ管理部312は編集Webページを提供し、編集部317は、編集者から受付けたユーザ操作に基づき、編集処理を実行する。
【0052】
また、ユーザには、ユーザ管理部313によってユーザ管理データ324に基づき、閲覧権限または記事の投稿権限が設定される。ユーザは端末100を操作して年史制作システムにログインすると、ユーザ管理部313はログインデータから当該ユーザが年史の閲覧権限または投稿権限を有するか否かを判定し、閲覧Webページ管理部311は、閲覧権限について認証された閲覧者にのみ年史閲覧のWebページを提供し、編集部317は、投稿権限について認証された閲覧者からのみ記事データの投稿を受付ける。図5では、端末100を操作するユーザは閲覧者であり、端末200を操作するユーザは編集者であるとする。
【0053】
図5を参照して、サーバ300の編集部317は、年史データ320の階層構造化されたベースデータを作成する(ステップS0)。その後に投稿される記事データ321は、この階層構造のいずれかの階層に配置されることになる。
【0054】
編集者は端末200を操作し、また、閲覧者は端末100を操作し、クラウドプラットフォームの年史制作システムにログインする。
【0055】
編集Webページ管理部312は、投稿されてHDD307に格納されている記事データ321を含む編集用のWebページを作成し端末200に送信し、端末200はWebページを受信し、Webページが示す画面情報に基づく画面をディスプレイ203に表示する。
【0056】
編集者は、ディスプレイ203に表示される編集用の画面で表示される年史データ320または記事データ321に基づき、操作部204を介して、端末200に対して、年史データ320または記事データ321を処理するためのユーザ操作を入力する。
【0057】
年史管理部314は、端末200から送信される編集者の操作を受付けて、受付けた編集者操作に基づき、年史データ320を作成する(ステップS1)。例えば、年史データ320の階層を設定する。年史管理部314は編集者の操作に基づき、年史データ320の削除(ステップS2)、年史データ320の修正(ステップS3)、年史データ320の階層の管理(ステップS4)、年史データ320毎の利用権限の管理(ステップS5)および年史データ320への記事データ321の一括取込み(ステップS6)を実施する。年史管理部314による処理内容は、HDD307の年史データ320に反映される(ステップS7)。
【0058】
また、記事管理部315は、端末200から送信される編集者の操作を受付けて、受付けた編集者操作に基づき、記事データ321を作成、修正、削除、一括取込みなどする(ステップS10、S11、S12、S13)。記事管理部315による処理内容は、HDD307の記事データ321に反映される(ステップS14)。
【0059】
記事管理部315は、ユーザ操作に基づき、記事データ321を、ロック状態またはロック解除状態に設定する(ステップS15、S16、S17)。記事データ321は、例えば編集完了すると意図しない変更・修正がされないようなロック状態に設定されて、編集中はロックが解除された状態に設定される。
【0060】
編集部317は、端末200から受付けたユーザ操作に基づき、年史データ320の各階層にロック状態の記事データ321を配置することにより、年史データ320の構成を管理する(ステップS18)。編集部317は、ユーザ操作に基づき、年史データ320を、ロックをかけたロック状態またはロック解除状態に設定する(ステップS20、S21)。年史データ320は、各階層に記事データ321が配置されるなどして編集完了するとロック状態に設定される。
【0061】
閲覧者は端末100を操作すると、当該操作に応じて、ユーザ管理部313はユーザ管理データ324に基づき、閲覧者は投稿権限を有するかを判定する(ステップS30)。ここでは、上記に述べたように閲覧者は投稿権限を有すると判定される。
【0062】
端末100は、ユーザから年史データの閲覧要求の操作を受付けると操作内容をサーバ300に送信する。閲覧Webページ管理部311は、端末100から閲覧要求の操作を受付けると(ステップS31)、ロック状態の年史データ320を視認可能に表示するためのWebページを作成し、端末100に送信する(ステップS32)。端末100は、サーバ300から受信する年史データ320のWebページが示す画面情報に基づき、ディスプレイ103に画面を表示する。
【0063】
閲覧者は、端末100の操作部104を介して、年史データ320への記事データ321の投稿操作をする。編集Webページ管理部312は、端末100から受信する投稿操作に基づき、投稿された内容を視認可能に出力するための編集Webページを作成し(ステップS33)、端末200に送信する。投稿される内容は、記事データ321の候補となる候補記事データに相当する。候補記事データは、例えば閲覧した記事に関連したメディア(画像(動画、静止画)、文章、絵または表、音声などのデータ)を含む。投稿される内容とともに、閲覧者は記事に関する評価(コメント、リアクション)を送信してもよい。
【0064】
編集Webページ管理部312は、閲覧者の端末100から受信した候補記事データを視認可能に表示するためのWebページを作成し、編集者の端末200に送信する。
【0065】
端末200は、サーバ300から受信したWebページが示す画面情報に基づく画面をディスプレイ203に表示し、操作部204を介して受付けた編集者の操作内容をサーバ300に送信する。
【0066】
記事管理部315は、端末200から受信する編集者の操作内容に基づき、候補記事データは編集者によって記事データ321として承認されたと判断したとき、承認された候補記事データを、記事データ321としてHDD307に格納する(ステップS22,S23)。記事管理部315は、候補記事データを投稿した閲覧者に、承認または却下(承認されなかった)の旨を通知するメッセージを送信する(ステップS23a)。このとき、閲覧者から受信したコメントについても承認または却下の判断がなされて、その旨を通知するメッセージが送信されてもよい。
【0067】
コメント管理部316は、候補記事データとコメントとともに、その承認または却下の判定の通知を、閲覧者のマイページデータ325に登録する。閲覧者は、マイページデータ325を閲覧することで、投稿内容およびコメントと、その承認または却下の判定結果とを確認できる。
【0068】
上記に述べた承認された候補記事データは、ステップS10~S13において、編集対象の記事データ321として取り扱われる。
【0069】
また、本実施の形態では、年史制作システムは、会社内の独自の用語を登録した用語集を端末100からのユーザ操作に基づき管理する処理(ステップS33、S35)を実施することもできる。
【0070】
年史制作システムは、さらに、記事データ321に関連するメディアの画像または音声のデータを抽出して閲覧者の端末100において閲覧または視聴可能に出力する処理(ステップS36)、年史データ320の閲覧状況(ランキングビュー)を示す分析データを視認可能に端末100において出力する処理(ステップS37)および閲覧者のマイページを管理する処理(ステップS38、S39)を含む。
【0071】
用語集データ、メディアデータおよび分析データの閲覧に係る処理には、これらデータのアクセス権限を有した閲覧者であることを判定する処理を含めてもよい。
【0072】
(c1.コメント処理の具体例)
図6は、本実施の形態に係る閲覧者の記事データに関するコメントの処理の一例を示すフローチャートである。図7は、本実施の形態に係る閲覧Webページの画面の一例を示す図である。図6の処理は、図5のステップS33,S22,S23およびS23aにおけるコメントに対する処理を具体的に示す。図7を参照して、閲覧Webページに基づき端末100のディスプレイ103に表示される画面は、年史データ320を構成する記事データ321を視認可能に表示するためのオブジェクトOB1と、閲覧者が記事データを投稿するための操作を受付けるためのオブジェクトOB2とから構成されるGUI(Graphical User Interface)に相当する。
【0073】
オブジェクトOB1は、記事データ321の文章データと画像データのオブジェクトを含む。GUIは、さらに、オブジェクトOB1に関して閲覧者が投稿したコメントなどを視認可能に示すオブジェクトOB3を含む。
【0074】
閲覧者は、図7のGUIにおいて年史データ320(記事データ321)の閲覧し、操作部104を介してオブジェクトOB2を操作し、オブジェクトOB1が示す記事データ321に関するコメントを入力する(ステップT1)。入力されたコメントは、記事データ321に対してすぐには反映されず、承認待ちのステータスとなる(ステップT2)。編集者は、投稿されたコメントを承認するか否かを判定し(ステップT3)、承認されると(ステップT4で承認)、当該コメントは記事データ321に対するコメントとして設定されるとともに、GUIにおいてオブジェクトOB3として視認可能に出力され得る(ステップT5)が、承認されずに却下されると(ステップT4で却下)、コメント管理部316は、当該コメントは却下された旨を閲覧者のマイページデータ325に登録して管理する(ステップT6)。また、承認された場合は、承認された旨をマイページデータ325に登録してもよい。
【0075】
(c2.年史と記事およびユーザとの関係)
図8は、本実施の形態に係る年史と記事およびユーザとの関係を模式的に示す図である。複数の記事データ321(記事A、B、C、D、M、S)は、編集部317によって複数種類の年史データ320(一般社員向け30年史、管理職向け30年史、および役員向け30年史)の1つ以上について、そのいずれかの階層に配置される。図8では、記事A,B,CおよびDの記事データ321は3種類の年史(一般社員向け30年史、管理職向け30年史、および役員向け30年史)の間で共有されて、記事Mの記事データ321は2種類の年史(管理職向け30年史および役員向け30年史)の間で共有されて、記事Sの記事データ321は役員向け30年史のみを構成するために用いられている。
【0076】
ユーザ管理データ324は、各ユーザについて、アカウントと、当該ユーザの属性と、当該属性のユーザが投稿権限を有する年史の種類とを含む。ユーザ管理部313は、ログイン時に受付けるユーザIDとパスワードの組合せからアカウントを取得し、アカウントとユーザ管理データ324とを照合し、照合結果に基づき、当該アカウントを判定する。例えば、ユーザ管理部313は、取得されたアカウントが一般社員アカウントを示すと判定すると、当該ユーザは一般社員向け30年史のみについて投稿権限を有すると判定し、取得されたアカウントは管理職アカウントを示すと判定すると、ユーザは一般社員向け30年史と管理職向け30年史について投稿権限を有すると判定し、取得されたアカウントが役員アカウントを示すと判定するとユーザは一般社員向け30年史と管理職向け30年史と役員向け30年史について投稿権限を有すると判定する。
【0077】
このようにユーザ管理部313は、ユーザ管理データ324に基づき取得される属性、すなわち当該閲覧者が属する組織(会社)における構成員としての当該閲覧者に関する情報から、年史に対する投稿権限の有無を判定することができる。より特定的には、属性として、閲覧者の組織における地位(一般社員、管理職、役員など)から、投稿権限の有無を判定することができる。
【0078】
また、ユーザ管理部313は、属性として、閲覧者が所属する組織の部門または部署を示す情報(例えば、経理部、営業部、人事部、開発部、研究部など)または組織や部門への所属期間の長さ(1年以上、1年未満など)から、投稿権限の有無を判定することができる。また、投稿権限に限定されず、閲覧権限についても同様にユーザの属性から当該閲覧権限を有するか否かを判定するようにしてもよい。
【0079】
図9は、本実施の形態に係るユーザデータ91の一例を示す図である。ユーザ管理データ324は、ユーザ毎にユーザデータ91を含む。図9を参照して、ユーザデータ91は、当該ユーザの識別子(メンバーIDとメンバー名)と属性(所属、役職の識別子など)と当該データの更新年月日を含む。更新年月日によって、ユーザデータ91は当該ユーザの最新の属性を表すことが示される。図9のユーザデータ91によれば、ユーザは、役員であるとともに、所属1、2および3が示す複数の部門に属していることが示されるから、ユーザ管理部313は、ユーザデータ91の属性に基づき、例えば、当該ユーザは一般社員向け30年史および役員向け30年史の閲覧権限と投稿権限を有すると判定することができる。
【0080】
本実施の形態では、年史について閲覧権限を有すると判定されるユーザは、当該年史に対する記事の投稿権限も有すると判定されるが、権限の判定方法はこれに限定されない。例えば、ユーザの属性に基づき閲覧権限のみが有ると判定してもよい。例えば、会社の構成員ではない社外のユーザに対しても閲覧可能に公開される公開用年史の場合、これらユーザについては閲覧権限のみが有ると判定される。
【0081】
<D.表示画面例>
本実施の形態において、端末100,200のディスプレイに表示される画面例を説明する。
【0082】
(d1.ホーム画面)
図10は、本実施の形態に係る年史制作システムのホーム画面の一例を示す図である。図10では、ホーム画面が例えば端末200のディスプレイ203に表示されているが、端末100のディスプレイ103にもホーム画面を表示することができる。ホーム画面は、サーバ300のCPU301によりWebページとして作成されて、端末100,200に送信され、端末100,200はサーバ300から受信したWebページの画面情報に基づき図10の画面をディスプレイに表示する。
【0083】
図10を参照してホーム画面は、ユーザの記事データの投稿操作を受付けるオブジェクト70と、ホーム画面であることを示すタブ71と、端末100でログインしたユーザの権限に応じて表示されるタブ72と、メンバー(他のユーザ)へのリンクを示すタブ73と、各種設定のために操作されるタブ74とを含む。タブ72は、年史データ320を閲覧するために操作されるタブと、社内用語集を参照するために操作されるタブと、編集権限を有したユーザが操作可能なタブとを含む。
【0084】
ホーム画面は、さらに、投稿された記事を検索するためのユーザ操作を受付けるオブジェクト75と、年史毎に当該年史に最近投稿された記事データ321を閲覧可能に出力するオブジェクト75aと、記事を構成する各種メディアを閲覧可能に表示するオブジェクト76と、ログイン中のユーザの投稿記事に対する他のユーザのコメントを可視化して表示するオブジェクト77と、ランキングに係る情報を可視化して表示するオブジェクト78,79を含む。
【0085】
オブジェクト75は、記事データ321を検索するために操作される。検索操作に基づき入力された情報はサーバ300に送信されて、サーバ300は、検索操作に基づく情報と一致した値を示すデータ154(検索用のタグ)を有した記事データ321をHDD307から検索し、端末100のディスプレイ103に表示させる。
【0086】
オブジェクト78は、年史の閲覧回数に基づき複数の年史データ320を順位付けした情報を示し、オブジェクト79は、記事の閲覧回数に基づき複数の記事データ321を順位付けした情報を示す。端末100は、オブジェクト75のユーザ操作を受付けると、Webページに組込まれたオブジェクト75に対応のコマンドを実行して、検索条件を絞込むユーザ操作を受付ける子画面(図示せず)をディスプレイ103に表示させる。
【0087】
(d2.記事投稿画面)
図11は、本実施の形態に係る年史制作システムの記事投稿画面の一例を示す図である。記事投稿画面は、端末100に表示されるホーム画面(図10)のオブジェクト70が操作されたとき、端末100から受信するユーザ操作に基づき、サーバ300の閲覧Webページ管理部311は記事投稿のWebページを作成し、端末100に送信する。端末100は、サーバ300から受信するwebページが示す画面情報に基づき、ディスプレイ103に図11の記事投稿画面を表示する。
【0088】
図11を参照して、記事投稿画面は、ユーザの投稿操作を受付ける各種オブジェクトを含む。より具体的には、記事投稿画面は、記事のタイトルを入力するためのテキストボックス80と、記事に付与されるタグを入力するためのボックス86と、記事本文を入力するための右ペイン88Rおよび左ペイン88Lとを含む。
【0089】
左ペイン88Lは、本文のテキストを入力するテキストボックス81と、記事に掲載する画像などのファイルを選択するための操作を受付けるタブ82と、記事の投稿先を指定する操作を受付けるタブ84と、当該記事が示す出来事が起こった年月日の入力操作を受付けるタブ85とを含む。右ペイン88Rは、左ペイン88Lで入力された内容をプレビュー表示する領域と、左ペイン88Lで入力した記事を投稿するために操作されるボタン89とを含む。ボタン89が操作されると、CPU101は、左ペイン88Lに入力された内容に基づく記事データをサーバ300に転送し、サーバ300は、端末100から受信した記事データ(候補記事データに相当)をHDD307に格納する。
【0090】
タブ84は、作成済かつ未ロックの年史データを一覧表示し、記事を追加したい年史の種類、当該年史における記事を追加する箇所(階層(章、節、表示)と当該階層における表示順番)を指定する操作を受付ける。図11では、投稿先として2種類の年史(公開用50年史および社内用50年史)が指定されている。
【0091】
このように、図11の記事投稿画面は、右ペイン88Rにおける記事データが閲覧可能に可視化されたオブジェクトと、投稿操作を受付けるボタン89のオブジェクトとを含むGUIを構成する。
【0092】
(d3.編集画面-記事検索)
図12は、本実施の形態に係る年史制作システムの編集画面の一例を示す図である。編集画面は、編集権限を有したユーザ(編集者)の端末200に表示されて、例えば、図10のタブ72の“編集室”のタブが操作されると、ディスプレイ203の画面は図11の画面から図12の画面に遷移する。
【0093】
図12を参照して、編集画面は、HDD307に格納された複数の記事データ321のうちから編集対象の記事データ321を絞り込んで検索するための絞り込みの選択肢を示す検索用オブジェクトであるメニュー193と、メニュー193でチェックされた選択肢に基づく絞り込み検索結果とを含む。例えば、図12では、絞り込み検索結果として、検索された1つ以上の記事データ321それぞれについて、編集者の未承認または承認済みであるかを示すマーク191またはマーク192と、当該記事データ321の投稿先を示す投稿先情報194とを含む。投稿先情報194は、図11のタブ84において指定された投稿先であって、年史の種類と、当該年史の章、当該章における節、および当該節の階層における表示順番とを含む。
【0094】
図12の編集画面では、投稿されたマーク191(未承認)の記事データ321が編集者によって年史を構成する適切な内容であると判定されると、編集者はマーク197を操作して、すなわち当該記事データ321をクリック操作して編集対象として選択された状態にする。図12のマーク191が付される未承認の記事データ321は、例えば図11の記事投稿画面で投稿操作されてHDD307に格納された記事データのうち、年史を構成する記事データ321として編集者の承認を受けていないもの(例えば候補記事データ)に該当する。
【0095】
(d4.編集画面-構成管理)
図13は、本実施の形態に係る年史制作システムの編集画面の他の例を示す図である。図13の編集画面は、編集Webページ管理部312によって作成されたWebページが端末200に送信される。端末200は、サーバ300から受信したWebページが示す画面情報に基づき、図13の画面をディスプレイ203に表示する。編集者は、図13の画面において、操作部204を介して、例えば、図12のマーク97に示すクリック操作された記事データ321を、対応の投稿先情報194に基づく年史における位置(階層)にまでドラッグ操作し、当該記事データ321を配置する。サーバ300は端末200から当該操作を受付けて、編集部317は受付けられた当該操作に基づき年史データ320を編集する。
【0096】
図13を参照して、編集画面は、年史データ320を、記事データ321を配置して修正するために操作されるボタン60と、編集を終了するために操作されるボタン61と、修正対象の年史データ320の概略構成を表示する構成領域とを含む。構成領域は、年史データ320の階層(章50、節51、小節52,小見出し53)からなる構成を示す。編集者は、構成領域において、投稿された記事データ321の対応の投稿先情報194(図12)を参照しながら操作部204を介して当該記事データ321をマウスのマーク62でドラッグ操作し適当な階層に配置する。編集者は、構成領域において投稿された記事データ321を配置しボタン60を操作すると、年史管理部314は、構成領域において受付けた操作内容に基づき、HDD307の年史データ320を、その階層構造に記事データ321が追加された状態に更新する。
【0097】
このように、図13の編集画面は、図11の投稿オブジェクトを介して受付けた閲覧者(ユーザ)の投稿操作によって投稿された記事データをマウスのマーク62の付近で可視化して表示する記事オブジェクトと、編集者の操作を受付ける編集オブジェクト(マウスのマーク62)とを含むGUIとして出力される。編集者は、記事データ321をドラッグ操作で階層間を移動させることで、感覚的に編集操作を実施できる。また、編集操作は、投稿された記事データ321の追加に限定されない。例えば、編集操作は、構成領域における各階層の既存の記事データ321をドラッグ操作で別の階層に移動させる操作、または、階層間で記事データ321を入替える操作も含み得る。
【0098】
(d5.マイページ画面)
図14は、本実施の形態に係るマイページ画面の一例を示す図である。サーバ300は、ユーザ毎のマイページデータ325に基づくWebページを作成し、端末100に送信する。端末100は、サーバ300から受信したWebページの画面情報に基づき、図14の画面をディスプレイ103に表示する。
【0099】
図14を参照してユーザのマイページ画面は、ユーザが閲覧権限を有する年史データ320のうち閲覧済みページと未閲覧のページ数を示すタブ98と、ユーザが投稿した記事データ321をHDD307から絞り込み検索するための絞り込み条件を設定するためのタブ99と、タブ99で設定された絞り込み条件に従って検索された記事データ321を一覧表示する領域96とを含む。
【0100】
ユーザは、領域96における承認済みの記事データ321をマウスのマーク97を用いてクリック操作すると、当該記事データ321を修正して、再度投稿することができる。また、領域96における未承認の記事データ321をマウスのマーク97を用いてクリック操作すると、当該記事データ321を修正し、修正後の記事データ321を再度投稿し、承認を待つことができる。
【0101】
<E.プログラム>
サーバ300は、アプリケーションプログラム326を実行することにより上記に述べた処理を実現する。サーバ300では、アプリケーションプログラム326を記憶する記憶媒体は、例えば、メモリ302、HDD307、記憶媒体308などを含む。記憶媒体308は、たとえばCD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、各種の不揮発性の記憶媒体を含む。また、例えばインターネットなどの各種のネットワークを介したダウンロードによってサーバ300にアプリケーションプログラム326を提供することもできる。
【0102】
サーバ300の年史制作処理の機能は、端末100または端末200に備えられても良い。その場合は、プロセッサ101,201は、アプリケーションプログラム326を実行することにより年史制作処理を実現する。アプリケーションプログラム326を記憶する記憶媒体は、例えば、メモリ102,202および記憶媒体110,210などを含む。アプリケーションプログラム326が記憶される記憶媒体は、上記に述べた各種の記憶媒体が含まれる。また、例えばネットワークNW1,NW2などの各種のネットワークを介したダウンロードによって、端末100,200にアプリケーションプログラム326を提供することもできる。
【0103】
実施の形態では、CPUまたはプロセッサがプログラムを実行することで必要な処理が実現される構成例を示したが、これらの提供される処理の一部または全部を、専用のハードウェア回路(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用回路を用いて実装されてもよい。
【0104】
<F.実施の形態の適用例>
本実施の形態では、組織の年史の制作に当該組織の構成員を参加し、評価させる仕組みが提供される。この仕組みは、例えば会社の社史を制作するシーンでは、以下の機能により実現される。
【0105】
まず、第一次の社史を作成し、作成された社史を、閲覧権限を有した所定範囲(例えば、会社に就業して1年経過した社員、管理職以上の地位の社員等)のユーザに公開する。ユーザは社史を構成する記事を閲覧し、他に加えるべき記事、写真、動画などがあれば、当該ユーザは、端末100を操作して投稿する。
【0106】
また、社史を閲覧した社員は、端末100を操作して、社史の内容について評価し、例えば点数(100点満点)で定量的に評価し、サーバ300は、端末100から、その評価点数を収集し平均値を算出し、算出値を社員による社史の承認係数として社史と共に、社内Web上で公表する。公表の項目としては、社史内容の正誤、社史内容の充足度および社史内容の信頼度などを含めることができる。
【0107】
さらに、社員は社史の記事本文を閲覧し、閲覧結果から新たな記事の原稿(候補記事データに相当)を投稿する。その場合、端末200を操作する編集者(編集長)は、投稿された記事の原稿をチェックし、チェック結果に基づき、承認または却下の判断をする。承認された投稿記事は、当該社史を構成する記事データとして閲覧権限を有した社員に公開される。さらに他の社員が、公開された記事内容を閲覧しコメントや感想を投稿することができる。
【0108】
このような制作システムは、社史を公開しながら、社史を閲覧した社員から投稿される記事を社史を加えることで、社史が自主的に増幅(成長)する環境を提供する。
【0109】
また、上記に述べたように、社員が社史を評価し承認する仕組みが社史制作シーンに採り入れられると、例えば会社は「当該企業が作成した社史は、その内容の正誤、充足度、信頼度において、社員の承認度90点の社史を作り、公開している組織である」ということをWeb上で公表することで、社内および社外の者に、コーポレートガバナンスを評価する指標を提供することもできる。
【0110】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0111】
100,200 端末、300 サーバ、311 閲覧Webページ管理部、312 編集Webページ管理部、313 ユーザ管理部、314 年史管理部、315 記事管理部、316 コメント管理部、317 編集部、320 年史データ、321 記事データ、323 コメントデータ、324 ユーザ管理データ、326 アプリケーションプログラム、NW1,NW2 ネットワーク。
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