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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】双頭マーカーペン
(51)【国際特許分類】
   B43K 27/08 20060101AFI20240215BHJP
   B43K 23/06 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
B43K27/08
B43K23/06
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023084185
(22)【出願日】2023-05-22
(65)【公開番号】P2023172943
(43)【公開日】2023-12-06
【審査請求日】2023-05-22
(31)【優先権主張番号】202221359473.7
(32)【優先日】2022-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523137005
【氏名又は名称】中国第一鉛筆有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHINA FIRST PENCIL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】A1-A6, No. 120, Wenbing Road, Xinbang Town, Songjiang District, Shanghai 201600, China.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】張竝楊
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-84135(JP,U)
【文献】実開昭48-75725(JP,U)
【文献】特開2002-36786(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0082420(KR,A)
【文献】特開平7-290886(JP,A)
【文献】実開昭59-15588(JP,U)
【文献】特開2008-296412(JP,A)
【文献】米国特許第3941488(US,A)
【文献】独国特許発明第576307(DE,C3)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 1/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のペンの軸(1)と、第2のペンの軸(2)と、接続管(3)と、を含み、前記第1のペンの軸(1)の一端に第1のペン頭(11)が成型され、前記第2のペンの軸(2)の一端に第2のペン頭(21)が成型され、前記第1のペンの軸(1)の第1のペン頭(11)から離れる一端と、前記第2のペンの軸(2)の第2のペン頭(21)から離れる一端とは接続管(3)により取り外し可能に固定的に接続され
前記第1のペンの軸(1)の第1のペン頭(11)に近い一端には第1の止め環(14)が成型され、前記第1の止め環(14)の厚さ方向は第1のペンの軸(1)の長手方向と平行であり、前記第2のペンの軸(2)の第2のペン頭(21)に近い一端には第2の止め環(24)が成型され、前記第2の止め環(24)の厚さ方向は第2のペンの軸(2)の長手方向と平行であり、使用時、前記第1の止め環(14)の第1のペン頭(11)から離れる端面、前記第2の止め環(24)の第2のペン頭(21)から離れる端面はそれぞれ接続管(3)の両端面に対応して当接することを特徴とする双頭マーカーペン。
【請求項2】
前記第1のペンの軸(1)の第1のペン頭(11)から離れる一端、前記第2のペンの軸(2)の第2のペン頭(21)から離れる一端はそれぞれ接続管(3)の両端から接続管(3)内に延び、且つ接続管(3)の長手方向に沿ってそれぞれ接続管(3)の内壁に摺動接続され、且つ前記第1のペンの軸(1)と接続管(3)との接続関係、第2のペンの軸(2)と接続管(3)との接続関係はいずれも締め嵌合接続であることを特徴とする請求項1に記載の双頭マーカーペン。
【請求項3】
前記第1のペンの軸(1)、前記第2のペンの軸(2)及び接続管(3)の自身の長手方向に垂直な断面はいずれも水滴状であることを特徴とする請求項1に記載の双頭マーカーペン。
【請求項4】
第1のペン頭(11)が成型される前記第1のペンの軸(1)の一端には第1のキャップ(13)が適合され、第2のペン頭(21)が成型される前記第2のペンの軸(2)の一端には第2のキャップ(23)が適合され、且つ前記第1のキャップ(13)は第1の止め環(14)に当接し、前記第2のキャップ(23)は第2の止め環(24)に当接することを特徴とする請求項に記載の双頭マーカーペン。
【請求項5】
前記第1の止め環(14)の接続管(3)の外周面に対応する部分は、第1のキャップ(13)の外周面から突出して接続管(3)の外周面に設置され、且つ第1の係合辺(141)を形成し、前記第2の止め環(24)の接続管(3)の外周面に対応する部分は、第2のキャップ(23)の外周面から突出して接続管(3)の外周面に設置され、且つ第2の係合辺(241)を形成することを特徴とする請求項に記載の双頭マーカーペン。
【請求項6】
前記第1のペンの軸(1)の第1のペン頭(11)から離れる一端には第1のペンの軸(1)のキャビティに連通する第1の綿芯装填口(15)が開設され、前記第2のペンの軸(2)の第2のペン頭(21)から離れる一端には第2のペンの軸(2)のキャビティに連通する第2の綿芯装填口が開設され、前記第1の綿芯装填口(15)と前記第2の綿芯装填口内にはいずれも閉塞栓(4)が取り外し可能に設置されることを特徴とする請求項1に記載の双頭マーカーペン。
【請求項7】
前記閉塞栓(4)の中部には弾性閉塞部材(5)が取り付けられ、前記弾性閉塞部材(5)には対応する第1のペンの軸(1)又は第2のペンの軸(2)の長手方向に沿ってインク注入孔が貫通して開設され、前記弾性閉塞部材におけるインク注入孔はインク非注入条件において自身の弾性力によりインク注入孔を密閉し、前記インク注入孔の内径は異物挿入の作用により拡径可能とされることを特徴とする請求項に記載の双頭マーカーペン。
【請求項8】
前記第1のペンの軸、第2のペンの軸と接続管との間にはいずれも密封して嵌合されることを特徴とする請求項に記載の双頭マーカーペン。
【請求項9】
前記第1のペンの軸、第2のペンの軸の外周面は、第1の傾斜平面、第2の傾斜平面及び円弧面からなり、第1の傾斜平面と第2の傾斜平面との間に形成される夾角は鋭角であり、前記円弧面の両側はそれぞれ第1の傾斜平面、第2の傾斜平面と円弧状に移行し、前記接続管の内側周壁の形状は第1のペンの軸、第2のペンの軸の外側周壁の形状に適合されることを特徴とする請求項に記載の双頭マーカーペン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、マーカーペン生産技術の分野に関し、特に双頭マーカーペンに関する。
【背景技術】
【0002】
マーカーペンは、一般的に使用される学習用のオフィス用品として、通常、設計のアイデアを迅速に表現したり、設計効果図を描いたりするのに使用される。
【0003】
現在、マーカーペンは主に単頭ペンと双頭ペンに分けられ、そのうち、双頭マーカーペンは、通常、ペンの軸と、ペンの軸の両端に成型される2つのペン頭とを含み、2つのペン頭の内管には尖ったペン先と平らなペン先がそれぞれ取り付けられ、ペンの軸の2つのペン頭の中間に位置するキャビティには顔料溶剤貯蔵綿芯が装着され、尖ったペン先と平らなペン先の顔料溶剤吸収棒はそれぞれ2つのペン頭端から顔料溶剤貯蔵綿芯に挿入され、使用時、尖ったペン先と平らなペン先の顔料溶剤吸収棒は顔料溶剤貯蔵綿芯の両端の顔料溶剤をそれぞれ吸収し、且つ顔料溶剤を対応する尖ったペン先又は平らなペン先のペン頭から伸び出す一端に輸送することで、ペン先の筆記と描画機能を実現する。
【0004】
上記関連技術について、マーカーペンの顔料溶剤は揮発性があるため、伝統的な双頭マーカーペンは、その顔料溶剤貯蔵綿芯が通常メインのペンの軸内に封入され、取り外しができず、また、使用者が一端のペン先を頻繁に使用する場合、顔料溶剤貯蔵綿芯の対応する端部の顔料溶剤がより速く使い切られ、発明者らは、顔料溶剤貯蔵綿芯の一端の顔料溶剤が使い切られた後、使用者が別のマーカーペンを交換して使用するしかできないことに起因して、他端の使用可能なペン先が廃棄されることになり、マーカーペンの使用コストが高くなり、改良される点があると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、双頭マーカーペンの使用コストを低減させるために、双頭マーカーペンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願にて提供される双頭マーカーペンは、以下の技術的解決手段を採用する。
【0007】
双頭マーカーペンであって、第1のペンの軸と、第2のペンの軸と、接続管と、を含み、前記第1のペンの軸の一端に第1のペン頭が成型され、前記第2のペンの軸の一端に第2のペン頭が成型され、前記第1のペンの軸の第1のペン頭から離れる一端と、前記第2のペンの軸の第2のペン頭から離れる一端とは接続管により取り外し可能に固定的に接続される。
【0008】
上記技術的解決手段を採用することで、使用時、同一色の尖ったペン先と平らなペン先とは第1のペン頭と第2のペン頭の内管にそれぞれ取り付けられ、第1のペンの軸の第1のペン頭から離れる一端と、第2のペンの軸の第2のペン頭から離れる一端とは接続管の両端にそれぞれ取り付けられることで、双頭マーカーペンが組み立てられ、そのうち第1のペンの軸又は第2のペンの軸内の顔料溶剤が使い切られた後、使用者は顔料溶剤が使い切られた第1のペンの軸又は第2のペンの軸を接続管から取り外し、且つ新しい第1のペンの軸又は第2のペンの軸を取り付けることで、使い切られていないペン先を正常に使用し、双頭マーカーペンの正常な使用機能を回復することで、双頭マーカーペンを交換して使い切られていないペン先を廃棄する操作に取って代わり、さらにマーカーペンのいずれかのペン先の使用率を効果的に確保し、マーカーペンの使用コストを効果的に低減させる。
【0009】
好ましくは、前記第1のペンの軸の第1のペン頭から離れる一端、前記第2のペンの軸の第2のペン頭から離れる一端はそれぞれ接続管の両端から接続管内に延び、且つ接続管の長手方向に沿ってそれぞれ接続管の内壁と摺動嵌合し、且つ前記第1のペンの軸と接続管との接続関係、前記第2のペンの軸と接続管との接続関係はいずれも締め嵌合接続である。
【0010】
上記技術的解決手段を採用することで、第1のペンの軸と接続管の内壁との摺動嵌合、第2のペンの軸と接続管の内壁との摺動嵌合により、第1のペンの軸と接続管と、第2のペンの軸と接続管とが取り外し可能に固定的に接続されることを実現することで、第1のペンの軸と第2のペンの軸とが取り外し可能に固定的に接続されることを実現し、接続構造が簡単で、使用者の取り外しと取り付けが容易であり、当該双頭マーカーペンの使用時の利便性を向上させることに寄与する。
【0011】
好ましくは、前記第1のペンの軸の第1のペン頭に近い一端には第1の止め環が成型され、前記第1の止め環の厚さ方向は第1のペンの軸の長手方向と平行であり、前記第2のペンの軸の第2のペン頭に近い一端には第2の止め環が成型され、前記第2の止め環の厚さ方向は第2のペンの軸の長手方向と平行であり、使用時、前記第1の止め環の第1のペン頭から離れる端面、前記第2の止め環の第2のペン頭から離れる端面はそれぞれ接続管の両端面に対応して当接する。
【0012】
上記技術的解決手段を採用することで、第1の止め環及び第2の止め環はそれぞれ第1のペンの軸及び第2のペンの軸が接続管内に延びる長さを制限するために用いられ、それにより使用者が当該双頭マーカーペンを使用する時、第1のペンの軸又は第2のペンの軸が接続管の内壁に対して摺動する状況を減少させることで、当該双頭マーカーペンの構造の安定性を向上させ、さらに使用者が当該双頭マーカーペンを正常に使用することを確保する。
【0013】
好ましくは、前記第1のペンの軸、前記第2のペンの軸及び接続管の自身の長手方向に垂直な断面はいずれも水滴状を呈する。
【0014】
上記技術的解決手段を採用することで、第1のペンの軸、第2のペンの軸及び接続管の自身の長手方向に垂直な断面をいずれも水滴状に設け、第1のペンの軸、第2のペンの軸の形状を人体の握り姿勢に合わせることで、使用者が対応する第1のペンの軸、第2のペンの軸及び接続管を容易に握り、使用者が当該双頭マーカーペンを握る時の快適性を効果的に向上させる。
【0015】
好ましくは、第1のペン頭が成型される前記第1のペンの軸の一端には第1のキャップが適合され、第2のペン頭が成型される前記第2のペンの軸の一端には第2のキャップが適合され、且つ前記第1のキャップは第1の止め環に当接し、前記第2のキャップは第2の止め環に当接する。
【0016】
上記技術的解決手段を採用することで、尖ったペン先と平らなペン先を第1のキャップと第2のキャップでそれぞれ覆設し、外部環境が対応するペン先を汚染する状況の発生を減少させることに寄与する一方、第1のキャップと第2のキャップは遊休の尖ったペン先又は平らなペン先を密封するために用いられ、それにより対応する尖ったペン先から対応する第1のペン頭に伸び出し、対応する平らなペン先から対応する第2のペン頭に伸び出す部位に顔料溶剤が揮発する状況の発生を緩和する。
【0017】
好ましくは、前記第1の止め環の接続管の外周面に対応する部分は、第1のキャップの外周面から突出して接続管の外周面に設置され、且つ第1の係合辺を形成し、前記第2の止め環の接続管の外周面に対応する部分は、第2のキャップの外周面から突出して接続管の外周面に設置され、且つ第2の係合辺を形成する。
【0018】
上記技術的解決手段を採用することで、具体的に使用する時、使用者は一方の手で第1の係合辺又は第2の係合辺を押圧し、他方の手で接続管を引くことで、第1のペンの軸又は第2のペンの軸を接続管から分離させ、使用者は一方の手で第1の係合辺又は第2の係合辺を押圧し、他方の手で第1のキャップ又は第2のキャップを引くことで、第1のキャップ又は第2のキャップを対応する第1のペンの軸又は第2のペンの軸から離脱させ、第1の係合辺又は第2の係合辺を設置することで、使用者が対応する第1のペンの軸、第2のペンの軸と接続管及び対応する第1のキャップ、第2のキャップとを容易に区別し、それにより使用者が当該双頭マーカーペンを使用する時の利便性をさらに向上させる。
【0019】
好ましくは、前記第1のペンの軸の第1のペン頭から離れる一端には第1のペンの軸のキャビティに連通する第1の綿芯装填口が開設され、前記第2のペンの軸の第2のペン頭から離れる一端には第2のペンの軸のキャビティに連通する第2の綿芯装填口が開設され、前記第1の綿芯装填口と前記第2の綿芯装填口内にはいずれも閉塞栓が取り外し可能に設置される。
【0020】
上記技術的解決手段を採用することで、第1のペンの軸のキャビティ又は第2のペンの軸のキャビティの顔料溶剤貯蔵綿芯における顔料溶剤が使い切られた後、使用者は対応する第1の綿芯装填口又は対応する第2の綿芯装填口内の閉塞栓を取り外し、さらに対応する顔料溶剤貯蔵綿芯を対応する第1のペンの軸又は第2のペンの軸のキャビティから取り出し、且つ新しい顔料溶剤貯蔵綿芯を交換し、又は、対応する第1の綿芯装填口又は第2の綿芯装填口から対応する顔料溶剤貯蔵綿芯内に直接顔料溶剤を加えることで、対応する尖ったペン先又は平らなペン先にインクを再充填させ、対応するペン先の使用を再開し、その後に閉塞栓を取り付けることで、対応する尖ったペン先又は平らなペン先をリサイクル使用可能にし、対応するペン先の使用周期を延長させ、それにより当該双頭マーカーペンの使用コストをさらに低減させる。
【0021】
好ましくは、前記閉塞栓の中部には弾性閉塞部材が取り付けられ、前記弾性閉塞部材には対応する第1のペンの軸又は第2のペンの軸の長手方向に沿ってインク注入孔が貫通して開設される。
【0022】
上記技術的解決手段を採用することで、第1のペンの軸又は第2のペンの軸のキャビティの顔料溶剤が使い切られた後、使用者は注射器で顔料溶剤を抽出し、閉塞栓を抜き出して注射器の針をインク注入口から対応する第1のペンの軸又は第2のペンの軸のキャビティに延ばし、続いて、注射器のハンドルを押し、顔料溶剤を注射器の針から第1のペンの軸又は第2のペンの軸のキャビティの顔料溶剤貯蔵綿芯内に注入し、インク注入が完了した後、注射器の針を弾性閉塞部材から抜き取り、弾性閉塞部材におけるインク注入口が自動的に閉鎖することで、使用者が手動でインク注入口を閉塞する操作を減少させ、インク注入操作のステップを効果的に簡略化し、さらにインク注入作業の効率を効果的に向上させ、使用者が当該双頭マーカーペンを使用する時の利便性を効果的に確保する。
【0023】
好ましくは、前記弾性閉塞部材におけるインク注入孔はインク非注入条件において自身のゴム弾性力によりインク注入孔を密閉し、前記インク注入孔の内径は異物挿入の作用により拡径可能とされる。
【0024】
好ましくは、前記第1のペンの軸、第2のペンの軸と接続管との間にはいずれも密封して嵌合される。
【0025】
上記技術的解決手段を採用することで、密封して取り付けることでマーカーペン全体の内部空間が密閉され、気圧が一定となり、ペンを多少強く反転させ又は振り切っても、ペンの軸内のインクがインク注入孔から外に漏れることなく、インク注入孔自身の密閉インク漏れ防止機能と合わせて、二重密封によるインク漏れ防止を実現する。
【0026】
好ましくは、前記第1のペンの軸、第2のペンの軸の外周面は、第1の傾斜平面、第2の傾斜平面及び円弧面からなり、第1の傾斜平面と第2の傾斜平面との間に形成される夾角は鋭角であり、前記円弧面の両側はそれぞれ第1の傾斜平面、第2の傾斜平面と円弧状に移行し、前記接続管の内側周壁の形状は第1のペンの軸、第2のペンの軸の外側周壁の形状に適合される。
【0027】
上記技術的解決手段を採用することで、第1のペンの軸、第2のペンの軸と接続管とが周方向に相対的に回転不能となり、第1のペンの軸、第2のペンの軸と接続管との間に相対的な回転が生じてこれらの間の取り付けの密封性が損なわれることを回避する。
【発明の効果】
【0028】
以上記載したように、本願は以下の少なくとも1つの有益な技術的効果を含む。
1.第1のペンの軸と第2のペンの軸とを接続管で取り外し可能に設置することで、双頭マーカーペンの第1のペン頭と第2のペン頭との相対的な独立を実現し、第1のペンの軸又は第2のペンの軸内の顔料溶剤が使い切られた後、使い切られたペンの軸を接続管から取り外し、且つ新しい第1のペンの軸又は第2のペンの軸を交換し、それにより使い切られていない第2のペンの軸又は第1のペンの軸を正常に使用するように維持することで、双頭マーカーペンを交換して使い切られていないペン先を廃棄する操作に取って代わり、それにより双頭マーカーペンのいずれかのペン先の使用率を向上させ、マーカーペンの使用コストを低下させ、しかも、資源のリサイクルが可能となり、省エネルギー且つ環境保全に寄与する。
2.第1のペンの軸と接続管との摺動接続、第2のペンの軸と接続管との摺動接続により、第1のペンの軸と第2のペンの軸とが取り外し可能に固定的に接続されることを実現し、取り外し構造が簡単で、当該双頭マーカーペンを使用する時の利便性を向上させることに寄与する。
3.第1のペンの軸、第2のペンの軸及び接続管の自身の長手方向に垂直な断面を水滴状に設置することで、使用者が当該双頭マーカーペンを握る時の快適性を向上させることに寄与し、それにより当該双頭マーカーペンの使用の利便性をさらに向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本願の実施例における当該双頭マーカーペンの全体構造を主に表す軸測定概略図である。
図2】本願の実施例における第1のペンの軸の全体構造を主に表す軸測定概略図である。
図3】本願の実施例における第2のペンの軸の全体構造を主に表す軸測定概略図である。
図4図2のA部の拡大図であり、閉塞栓の取り付け位置を主に表すためのものである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面1~4を参照して本願をさらに詳細に説明する。
【0031】
本願の実施例は双頭マーカーペンを開示する。
【0032】
図1及び図2を参照すると、双頭マーカーペンであって、第1のペンの軸1と、第1のペンの軸1の一端に成型される第1のペン頭11と、を含み、第1のペン頭11の内管の軸方向は第1のペンの軸1の長手方向と平行であり、図1及び図3を参照すると、第1のペンの軸1の第1のペン頭11から離れる一端には第2のペンの軸2が設置され、第2のペンの軸2の一端には第2のペン頭21が成型され、第2のペン頭21の内管の軸方向は第2のペンの軸2の長手方向と平行であり、第1のペンの軸1と第2のペンの軸2との間には接続管3が取り外し可能に設置され、且つ第1のペンの軸1、第2のペンの軸2と接続管3とは3つの長手方向が同一直線上に位置する。
【0033】
第1のペンの軸1、第2のペンの軸2の径方向の縦断面形状は「水滴」形状であってもよく、円形又は楕円形であってもよい。
【0034】
具体的には、図2及び図3を参照すると、第1のペン頭11の内管には尖ったペン先12が同軸に取り付けられ、第2のペン頭21の内管には平らなペン先22が同軸に取り付けられ、しかも、図1を参照すると、第1のペンの軸1の尖ったペン先12が取り付けられる一端には第1のキャップ13が適合され、第2のペンの軸2の平らなペン先22が取り付けられる一端には第2のキャップ23が適合され、使用時、第1のキャップ13と第2のキャップ23は尖ったペン先12と平らなペン先22をそれぞれ覆設することで、外部環境が尖ったペン先12と平らなペン先22を汚染する状況の発生を減少させ、しかも、第1のキャップ13と第2のキャップ23は尖ったペン先12の第1のペン頭11から突出する一端と平らなペン先22の第2のペン頭21から突出する一端をそれぞれ密封することで、尖ったペン先12から第1のペン頭11に伸び出し、平らなペン先22から第2のペン頭21に伸び出す箇所に顔料溶剤が揮発する状況を減少させ、対応する尖ったペン先12又は平らなペン先22の使用周期を効果的に延長させる。
【0035】
また、図2及び図3を参照すると、第1のペンの軸1の第1のペン頭1に近い一端には第1の止め環14が第1のペン頭11の径方向に沿って外方に延在し、第2のペンの軸2の第2のペン頭21に近い一端には第2の止め環24が第2のペン頭21の径方向に沿って外方に延在し、使用時、第1のキャップ13の開口端の端面が第1の止め環14の第1のペン頭11に近い一端に当接し、第2のキャップ23の開口端の端面が第2の止め環24の第2のペン頭21に近い一端に当接する。第1の止め環14は第1のキャップ13が第1のペンの軸1にかける長さ寸法を制限することで、第1のキャップ13が尖ったペン先12に当てて損害する状況の発生を低減させるために用いられ、同様に、第2の止め環24は第2のキャップ23が平らなペン先22に当てて損害する状況の発生を低減させるために用いられる。
【0036】
図2を参照すると、第1のペンの軸1の第1のペン頭11から離れる一端には第1の綿芯装填口15が開設され、且つ第1の綿芯装填口15は第1のペンの軸1のキャビティに連通し、同様に、第2のペンの軸2の第2のペン頭21から離れる一端には第2の綿芯装填口が開設され、且つ第2の綿芯装填口は第2のペンの軸2のキャビティに連通し、使用時、第1のペンの軸1のキャビティ、第2のペンの軸2のキャビティの顔料溶剤貯蔵綿芯はそれぞれ第1の綿芯装填口15と第2の綿芯装填口から装填し、取り外し、しかも、図4を参照すると、第1の綿芯装填口15と第2の綿芯装填口内にはいずれも閉塞栓4が取り外し可能に設置され、本願のこの実施例では、いずれかの閉塞栓4も対応する第1の綿芯装填口15及び第2の綿芯装填口の内壁と緊密に締まり嵌合される。また、いずれかの閉塞栓4の中部には第1のペンの軸1の長手方向に沿っていずれも弾性閉塞部材5が取り付けられ、且ついずれかの弾性閉塞部材5には第1のペンの軸1の長手方向に沿っていずれもインク注入口51が貫通して開設され、本実施例では、弾性閉塞部材5はゴム栓である。
【0037】
第1のペンの軸1又は第2のペンの軸2のキャビティの顔料溶剤が使い切られた後、使用者は注射器で顔料溶剤を抽出し、弾性閉塞部材5を開いて注射器の針をインク注入口51から対応する第1のペンの軸1又は第2のペンの軸2のキャビティに延ばし、続いて、注射器のハンドルを押し、顔料溶剤を注射器の針から第1のペンの軸1又は第2のペンの軸2のキャビティの顔料溶剤貯蔵綿芯内に注入し、インク注入が完了した後、注射器の針を弾性閉塞部材5から抜き取り、弾性閉塞部材5におけるインク注入口51が自動的に閉鎖することで、対応する尖ったペン先12又は平らなペン先22に対するインク補給作業が完了する。
【0038】
図1を参照すると、第1のペンの軸1の第1のペン頭11から離れる一端、第2のペンの軸2の第2のペン頭21から離れる一端はそれぞれ接続管3の両端から接続管3内に延び、第1のペンの軸1と、第2のペンの軸2とはいずれも接続管3の長手方向に沿って接続管3の内壁に摺動接続され、且つ第1のペンの軸1と接続管3との接続関係、第2のペンの軸2と接続管3との接続関係はいずれも締め嵌合接続である。使用者は第1のペンの軸1又は第2のペンの軸2を引き、対応する第1のペンの軸1又は第2のペンの軸2を接続管3から取り外し、第1のペンの軸1又は第2のペンの軸2のキャビティへのインク補給後、さらに対応する第1のペンの軸1又は第2のペンの軸2の対応するペン頭から離れる一端を接続管3の対応する管口から接続管3内に延ばすことで、新しい第1のペンの軸1又は第2のペンの軸2の交換が完了する。
【0039】
また、人体がペンを握る姿勢に適応し、使用者が当該双頭マーカーペンを握る際の快適性を向上させるために、第1のペンの軸1、第2のペンの軸2及び接続管3の自身の長手方向に垂直な断面はいずれも水滴状である。
【0040】
なお、使用者が対応するペンの軸を取り外しと取り付ける利便性を向上させるために、第1の止め環14の接続管3の外周面に対応する部分は、第1のキャップ13の外周面から突出して接続管3の外周面に設置され、且つ第1の係合辺141を形成し、第2の止め環24の接続管3の外周面に対応する部分は、第2のキャップ23の外周面から突出して接続管3の外周面に設置され、且つ第2の係合辺241を形成する。使用時、使用者は一方の手で第1のキャップ13又は第2のキャップ23を握ると同時に、第1の係合辺141又は第2の係合辺241を押圧し、他方の手で接続管3を引くことで、第1のペンの軸1又は第2のペンの軸2を接続管3から分離させ、同様に、使用者は一方の手で接続管3を握ると同時に、第1の係合辺141又は第2の係合辺241を押圧し、他方の手で第1のキャップ13又は第2のキャップ23を引くことで、第1のキャップ13又は第2のキャップ23を対応する第1のペンの軸1又は第2のペンの軸2から離脱させる。
【0041】
本願の実施例に係る双頭マーカーペンの実施原理は、実際の使用時に、使用者が一方の手で接続管3を握ると同時に、第1の係合辺141又は第2の係合辺241を指で押圧し、他方の手で第1のキャップ13又は第2のキャップ23を引き抜くことで、第1のキャップ13又は第2のキャップ23を対応する第1のペンの軸1又は第2のペンの軸2から取り外し、続いて、対応する尖ったペン先12又はペン平22で筆記と描画操作を行うことである。
【0042】
第1のペンの軸1又は第2のペンの軸2内の顔料溶剤が使い切られた後、使用者は対応する第1のペンの軸1又は第2のペンの軸2を引き、顔料溶剤が使い切られた第1のペンの軸1又は第2のペンの軸2を接続管3から取り外し、続いて、注射器で顔料溶剤を抽出し、且つ注射器の針をインク注入口51から対応する第1のペンの軸1又は第2のペンの軸2のキャビティに延ばすことで、顔料溶剤を第1のペンの軸1又は第2のペンの軸2のキャビティの顔料溶剤貯蔵綿芯内に注入し、インク注入が完了した後、さらに注射器の針を弾性閉塞部材5から抜き取り、その後、さらに対応する第1のペンの軸1又は第2のペンの軸2の対応するペン頭から離れる一端を接続管3の対応する管口から接続管3内に延ばし、且つ対応する第1の止め環14又は第2の止め環24が接続管3の対応する端面に当接するまで、対応する第1のペンの軸1又は第2のペンの軸2を接続管3の内壁に対して摺動するように付勢することで、顔料溶剤が使い切られた第1のペンの軸1又は第2のペンの軸2の交換が完了する。
【0043】
この方式を採用して、双頭マーカーペンを交換して使い切られていないペン先を廃棄する操作に取って代わり、双頭マーカーペンのいずれかのペン先もリサイクル可能にし、双頭マーカーペンのいずれかのペン先の利用率を効果的に向上させ、それによりマーカーペンの使用コストを効果的に低下させ、しかも、省エネルギーであり、環境保全に寄与する。
【0044】
以上は、いずれも本願の好適な実施例であり、これに基づいて本願の保護範囲を制限するものではなく、したがって、本願の構造、形状、原理により行われる等価変化はいずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0045】
1、第1のペンの軸、11、第1のペン頭、12、尖ったペン先、13、第1のキャップ、14、第1の止め輪、141、第1の係合辺、15、第1の綿芯装填口、2、第2のペンの軸、21、第2のペン頭、22、平らなペン先、23、第2のキャップ、24、第2の止め輪、241、第2の係合辺、3、接続管、4、閉塞栓、5、弾性閉塞部材、51、インク注入口。
図1
図2
図3
図4