(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】水中に位置するプロペラシャフトを密封するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B63H 23/36 20060101AFI20240215BHJP
【FI】
B63H23/36
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022021865
(22)【出願日】2022-02-16
【審査請求日】2022-03-25
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505056845
【氏名又は名称】アーベーベー・シュバイツ・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】ABB Schweiz AG
【住所又は居所原語表記】Bruggerstrasse 66, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ベイッコ・ バハタロ
(72)【発明者】
【氏名】ユッカ・ライネ
(72)【発明者】
【氏名】オット・マヤ
(72)【発明者】
【氏名】トニ・ニスカ
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-310829(JP,A)
【文献】実開平04-004567(JP,U)
【文献】特開2006-234101(JP,A)
【文献】特開2002-234493(JP,A)
【文献】特開2003-127988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 23/32
B63H 23/36
B63H 25/42
B63H 5/125
F16J 15/00 - 15/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中に位置するプロペラシャフト(1)を密封するための方法であって、前記プロペラシャフト(1)は、船の船体(3)に吊り下げられたポッド(2)に配置され、空気室(8)が、前記プロペラシャフト(1)の周囲に円周方向に設けられ、
圧縮空気源(13)から空気供給ライン(12)を経て前記空気室(8)へと圧縮空気を供給することと、
前記空気室(8)から空気戻りライン(16)を経て前記空気戻りライン(16)の外へと圧縮空気を排出することと、
前記空気室(8)から排出された前記圧縮空気中に存在する液体を前記ポッド(2)のポッドハウジング内の前記空気戻りライン(16)中に設けられた中間漏洩タンク(19)中に収集することと、を備える方法において、
前記中間漏洩タンク(19)の上流の前記空気戻りライン(16)を閉鎖することと、
前記中間漏洩タンク(19)中に存在する液体が漏洩タンク(24)へ流れるようにするために、前記中間漏洩タンク(19)に圧縮空気を供給することと、
前記空気戻りライン(16)を閉鎖することに関連して前記中間漏洩タンク(19)の下流の前記空気戻りライン(16)を閉鎖することと、を特徴とする、方法。
【請求項2】
前記中間漏洩タンク(19)中に存在する液体が液体接続ライン(25)を経て前記漏洩タンク(24)へ流れるようにするために、
前記空気供給ライン(12)から空気接続ライン(22)の上流端(34)に圧縮空気を供給することにより、前記中間漏洩タンク(19)に圧縮空気を供給すること、
前記空気接続ライン(22)の下流端(35)から前記空気戻りライン(16)に前記中間漏洩タンク(19)の下流の前記空気戻りライン(16)の一点において圧縮空気を供給すること、
そして、前記空気戻りライン(16)中の圧縮空気を前記中間漏洩タンク(19)へ供給すること、
を特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記中間漏洩タンク(19)の上流の前記空気戻りライン(16)中に逆止弁の形態で第1の弁(20)を設けることと、
前記空気供給ライン(12)中の第1の圧力調整器(14)を通って前記圧縮空気源(13)から前記空気室(8)に圧縮空気を供給することと、
第3の弁(21)を通って、そして前記第1の圧力調整器(14)よりも高い圧力を提供するように構成された第2の圧力調整器(23)を通って、前記空気接続ライン(22)中に圧縮空気を供給することと、
前記中間漏洩タンク(19)の上流の前記空気戻りライン(16)の閉鎖が、前記第1の圧力調整器(14)によって提供された圧力と、前記第2の圧力調整器(23)によって提供された圧力との間の差によってもたらされ、逆止弁の形態の前記第1の弁(20)を閉鎖させることと、を特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記空気接続ライン(22)中に設けられた前記第3の弁(21)が開放されているときに前記空気供給ライン(12)中の圧力が所定の閾値を上回る場合に、前記空気供給ライン(12)に機能的に接続された圧力センサ(33)から前記空気接続ライン(22)中に設けられた前記第3の弁(21)に警告信号を送
り、前記警告信号が前記第3の弁(21)によって受信されたことをトリガとして、前記空気接続ライン(22)中に設けられた前記第3の弁(21)を閉鎖すること、を特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
水中に位置するプロペラシャフト(1)を密封するための装置であって、前記プロペラシャフト(1)は、船の船体(3)に吊り下げられたポッド(2)に配置され、
該装置が、
前記プロペラシャフト(1)の周囲に円周方向に設けられた空気室(8)と、
圧縮空気源(13)から前記空気室(8)に圧縮空気を供給するように構成された空気供給ライン(12)と、
前記空気室(8)から、そして空気戻りライン(16)の外に圧縮空気を排出するように構成された空気戻りライン(16)と、
前記空気戻りライン(16)中に設けられた、空気中に存在する液体を収集するための中間漏洩タンク(19)と、ここで、前記中間漏洩タンク(19)は、前記ポッド(2)のポッドハウジング内に設けられるものであり、
を備える装置において、前記装置は、
前記中間漏洩タンク(19)の上流の前記空気戻りライン(16)中の第1の弁(20)と、
液体接続ライン(25)によって前記中間漏洩タンク(19)と流体連通状態にある漏洩タンク(24)と、
前記中間漏洩タンク(19)と流体連通状態にある空気接続ライン(22)と
を備える排水装置を備え、
前記排水装置が、前記空気戻りライン(16)中の前記第1の弁(20)を閉鎖することと、前記中間漏洩タンク(19)中に存在する液体が前記液体接続ライン(25)を経て前記漏洩タンク(24)へと流れるようにするために、前記空気接続ライン(22)中の圧縮空気を前記中間漏洩タンク(19)へ供給することと、を行うように構成されており、
前記排水装置が、前記中間漏洩タンク(19)の下流の前記空気戻りライン(16)中の第2の弁(17)を備え、
前記排水装置が、前記空気戻りライン(16)中の前記第1の弁(20)の閉鎖に関連して前記空気戻りライン(16)中の前記第2の弁(17)を閉鎖するように構成されていることを特徴とする、装置。
【請求項6】
前記空気接続ライン(22)の上流端(34)が前記空気供給ライン(12)と流体連通状態にあり、前記空気接続ライン(22)の下流端(35)が前記空気戻りライン(16)中の前記第2の弁(17)の上流であって前記中間漏洩タンク(19)の下流の一点において前記空気戻りライン(16)と流体連通状態にあるように、前記空気接続ライン(22)が前記中間漏洩タンク(19)と流体連通状態にあることと、
前記排水装置が、前記中間漏洩タンク(19)中に存在する液体が前記液体接続ライン(25)を経て前記漏洩タンク(24)へと流れるようにするために、前記プロペラシャフト(1)の周囲に円周方向に設けられた前記空気室(8)に圧縮空気を供給するように構成された前記圧縮空気源(13)から前記空気接続ライン(22)の前記上流端(34)に、そして前記空気接続ライン(22)の下流端(35)から前記空気戻りライン(16)に、そして前記空気戻りライン(16)を経て前記中間漏洩タンク(19)へ前記圧縮空気を供給するように構成されていることと、を特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記空気接続ライン(22)に、第3の弁(21)が設けられていることと、
前記排水装置が、前記中間漏洩タンク(19)中に存在する液体が前記液体接続ライン(25)を経て前記漏洩タンク(24)へと流れるようにするために、前記空気接続ライン(22)中に設けられた前記第3の弁(21)を開放して、前記中間漏洩タンク(19)に圧縮空気を供給するように構成されていることと、を特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記空気供給ライン(12)に第1の圧力調整器(14)が設けられ、
前記空気接続ライン(22)に、第3の弁(21)と、前記第1の圧力調整器(14)よりも高い圧力を提供するように構成された第2の圧力調整器(23)とが設けられ、
前記排水装置は、前記中間漏洩タンク(19)中に存在する液体が前記液体接続ライン(25)を経て前記漏洩タンク(24)へと流れるようにするために、前記空気接続ライン(22)中に設けられた前記第3の弁(21)を開放して、前記空気接続ライン(22)中の前記第2の圧力調整器(23)を通して、そして前記空気戻りライン(16)を経て前記中間漏洩タンク(19)中へ圧縮空気を供給するように構成されていること、を特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記空気供給ライン(12)に第1の圧力調整器(14)が設けられ、
前記空気接続ライン(22)に、第3の弁(21)と前記第1の圧力調整器(14)よりも高い圧力を提供するように構成された第2の圧力調整器(23)とが設けられ、
前記中間漏洩タンク(19)の上流の前記空気戻りライン(16)中の前記第1の弁(20)が逆止弁の形態であり、
前記排水装置が、前記第1の弁(20)の閉鎖をもたらし、前記中間漏洩タンク(19)中に存在する液体が前記液体接続ライン(25)を経て記漏洩タンク(24)へと流れるようにするために、前記空気接続ライン(22)中に設けられた前記第3の弁(21)を開放して、前記空気接続ライン(22)中の前記第2の圧力調整器(23)を通して、そして前記空気戻りライン(16)を経て前記中間漏洩タンク(19)中へと圧縮空気を供給するように構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記空気供給ライン(12)に圧力センサ(33)が接続され、
排水回路装置の前記空気接続ライン(22)中に設けられた前記第3の弁(21)が開放されているときに前記空気供給ライン(12)中の圧力が所定の閾値を上回る場合に、前記圧力センサ(33)から前記排水回路装置の前記空気接続ライン(22)中に設けられた前記第3の弁(21)に警告信号を送り、
前記警告信号が前記第3の弁(21)によって受信されたことをトリガとして、前記排水回路装置の前記空気接続ライン(22)中に設けられた前記第3の弁(21)を閉鎖することを特徴とする、請求項7~9のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記プロペラシャフト(1)の周囲に円周方向に設けられた第1のシールリング(5)と、前記プロペラシャフト(1)の周囲に円周方向に設けられた第2のシールリング(6)との間に設けられた潤滑剤室(7)を備え、前記潤滑剤室(7)は、前記プロペラシャフト(1)の周囲に円周方向に設けられていることを特徴とする、請求項5~10のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記空気室(8)が、前記プロペラシャフト(1)の周囲に円周方向に設けられたフェイスシール(4)と前記第1のシールリングとの間に設けられていることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
潤滑剤タンク(10)から前記潤滑剤室(7)に潤滑剤を供給するように構成された潤滑剤供給ライン(9)と、前記潤滑剤室(7)から前記潤滑剤タンク(10)に潤滑剤を供給するように構成された潤滑剤戻りライン(11)とを備えることを特徴とする、請求項11又は12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1の前提部に定義された、水中に位置するプロペラシャフトを密封するための方法に関する。
【0002】
本発明は、独立請求項6の前提部に定義された、水中に位置するプロペラシャフトを密封するための装置に関する。
【0003】
米国特許第9,937,997号公報は、密封システム、方法、及びウォータークラフトを提示している。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、水中に位置するプロペラシャフトを密封するための改善された方法及び改善された装置を提供することである。
[発明の短い説明]
本発明の方法は、独立請求項1の定義によって特徴付けられる。
本方法の好ましい実施形態は、従属請求項2~5に定義されている。
本発明の装置は、独立請求項6の定義によって対応するように特徴付けられる。
本装置の好ましい実施形態は、従属請求項7~15に定義されている。
以下では、本発明を、図を参照することによってより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【発明を実施するための形態】
【0006】
最初に、水中に位置するプロペラシャフト1を密封するための方法、並びにその方法のいくつかの実施形態及び変形形態をより詳細に説明する。
【0007】
本方法では、プロペラシャフト1は、船の船体3に吊り下げられたポッド2に配置され、空気室8が、プロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられる。ポッド2は、船の船体3に枢動可能に吊り下げることができる。
【0008】
本方法は、圧縮空気源13から空気供給ライン12中に空気室8へと圧縮空気を供給することを備える。圧縮空気は、この文脈では、空気、ガス、又はそれらの任意の混合物を意味する。
【0009】
空気室8中の圧力は、プロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられ、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2の殻構造(参照番号によってマーキングせず)によって制限されたポッドハウジング中など、ポッド2のポッドハウジング中の圧力よりも約0.2~約0.6バール高い。
【0010】
圧縮空気源13から空気供給ライン12に供給される圧縮空気の圧力は、約3~約10バールの範囲であり得る。
【0011】
本方法は、空気室8から空気戻りライン16中に、及び空気戻りライン16の外に圧縮空気を排出することを備える。
【0012】
本方法は、空気室8から排出された圧縮空気中に存在する液体をポッド2のポッドハウジング内の空気戻りライン16中に設けられた中間漏洩タンク19中に収集することを備える。
【0013】
本方法は、中間漏洩タンク19の上流の空気戻りライン16を閉鎖することと、中間漏洩タンク19中に存在する液体の漏洩タンク24中への流れをもたらすために、中間漏洩タンク19に圧縮空気を供給することとを備える。漏洩タンク24は、船の船体3内、又はポッド2のポッドハウジング内に配置することができる。中間漏洩タンク19中に存在する液体の漏洩タンク24中への流れをもたらすために中間漏洩タンク19に供給される圧縮空気の圧力は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、約1バール~約3バールの範囲である。
【0014】
中間漏洩タンク19の上流の空気戻りライン16の前記閉鎖は、中間漏洩タンク19の上流の空気戻りライン16中の第1の弁20を閉鎖することによって行うことができる。
【0015】
中間漏洩タンク19への圧縮空気の前記供給は、別個のラインとして設けられた空気接続ライン22中に中間漏洩タンク19へと圧縮空気を供給することによって行うことができ、その唯一の機能は、中間漏洩タンク19中に存在する液体の漏洩タンク24中への流れをもたらすために、中間漏洩タンク19に圧縮空気を供給することである。
【0016】
中間漏洩タンク19の上流の空気戻りライン16の前記閉鎖、及び中間漏洩タンク19中に存在する液体の漏洩タンク24中への流れをもたらすための中間漏洩タンク19への圧縮空気の前記供給は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、1時間に1回など、規則的な時間間隔で実行される。
【0017】
代替として、空気接続ライン22は、圧縮空気源13からプロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられた空気室8に圧縮空気を供給する空気供給ライン12と、プロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられた空気室8から圧縮空気を排出する空気戻りライン16とを接続するラインとして設けることができ、そのため、中間漏洩タンク19中に存在する液体の漏洩タンク24中への流れをもたらすために、中間漏洩タンク19に圧縮空気を前記供給することは、圧縮空気源13から供給された圧縮空気がまず空気供給ライン12中に部分的に流れ、その後、空気接続ライン22中に流れ、その後、空気戻りライン16中に中間漏洩タンク19へと流れて、中間漏洩タンク19中に存在する液体の漏洩タンク24中への流れをもたらすように実行される。
【0018】
液体は、中間漏洩タンク19から液体接続ライン25中に漏洩タンク24へと流れることができる。
【0019】
本方法は、このことから、漏洩タンク24が船の船体3内に設けられるならば、ポッド2に入る必要なく、コントローラの様式で中間漏洩タンク19を排水することを可能にする。代替として、漏洩タンク24は、ポッド2のポッドハウジング内の容易に接近可能なロケーション中に設けることができる。中間漏洩タンク19の排水は、好ましくは、必ずしもそうではないが、ポッドを取り囲む水に対する十分な圧力がプロペラシャフト1を円周方向に取り囲む空気室8中で維持されるように、圧縮空気源13から空気供給ライン12中に空気室8へと圧縮空気を供給しながら行われる。
【0020】
本方法は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、空気戻りライン16を閉鎖することに関連して中間漏洩タンク19の下流の空気戻りライン16を閉鎖することを備える。中間漏洩タンク19の下流の空気戻りライン16のそのような閉鎖は、空気接続ライン22中に中間漏洩タンク19へと圧縮空気を供給するときに流体が空気戻りライン16から排出されることを防止する。中間漏洩タンク19の下流の空気戻りライン16の前記閉鎖は、中間漏洩タンク19の下流の空気戻りライン16中の第2の弁17を閉鎖することによって行うことができる。本方法は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2の外側に、及び船の船体3内に空気戻りライン16の可能な第2の弁17を配置することを備える。
【0021】
本方法が空気戻りライン16中の第1の弁20を閉鎖することに関連して中間漏洩タンク19の下流の空気戻りライン16中の第2の弁17を閉鎖することを備える場合、本方法は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、空気供給ライン12から空気接続ライン22の上流端34に圧縮空気を供給することによって、及び圧縮空気源13からプロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられた空気室8に圧縮空気を供給することによって、及び空気接続ライン22の下流端35から空気戻りライン16中に中間漏洩タンク19の下流及び第2の弁17の上流の空気戻りライン16の一点において圧縮空気を供給することによって、及び中間漏洩タンク19中に存在する液体の液体接続ライン25中への漏洩タンク24への前記流れをもたらすために、空気戻りライン16中に中間漏洩タンク19へと圧縮空気を供給することによって、空気接続ライン22中に中間漏洩タンク19へと前記圧縮空気を供給することを備える。
【0022】
本方法が空気戻りライン16中の第1の弁20を閉鎖することに関連して中間漏洩タンク19の下流の空気戻りライン16中の第2の弁17を閉鎖することを備える場合、並びに本方法が、中間漏洩タンク19中に存在する液体が液体接続ライン25中に漏洩タンク24へと流れるようにするために、圧縮空気源13からプロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられた空気室8に圧縮空気を供給する空気供給ライン12から空気接続ライン22の上流端34に圧縮空気を供給することによって、そして、空気接続ライン22の下流端35から空気戻りライン16中に中間漏洩タンク19の下流及び第2の弁17の上流の空気戻りライン16の一点において圧縮空気を供給することによって、そして、空気戻りライン16中に中間漏洩タンク19へと圧縮空気を供給することによって、空気接続ライン22中に中間漏洩タンク19へと前記圧縮空気を供給することを備える場合、本方法は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、空気供給ライン12中の第1の圧力調整器14を通って圧縮空気源13から空気室8に圧縮空気を供給することと、空気供給ライン12中の第1の圧力調整器14よりも高い圧力を提供するように構成された第2の圧力調整器23を通って空気接続ライン22中に圧縮空気を供給することとを備える。本方法のそのような実施形態では、本方法は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2の外側に、及び船の船体3内に空気供給ライン12の第1の圧力調整器14を配置することを備える。本方法のそのような実施形態では、本方法は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2の外側に、及び船の船体3内に空気接続ライン22の第2の圧力調整器23を配置することを備える。
【0023】
本方法が空気戻りライン16中の第1の弁20を閉鎖することに関連して中間漏洩タンク19の下流の空気戻りライン16中の第2の弁17を閉鎖することを備える場合、並びに本方法が、中間漏洩タンク19中に存在する液体が液体接続ライン25中への漏洩タンク24へと流れるようにするために、圧縮空気源13からプロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられた空気室8に圧縮空気を供給する空気供給ライン12から空気接続ライン22の上流端34に圧縮空気を供給することによって、そして、空気接続ライン22の下流端35から空気戻りライン16中に中間漏洩タンク19の下流及び第2の弁17の上流の空気戻りライン16の一点において圧縮空気を供給することによって、そして空気戻りライン16中に中間漏洩タンク19へと圧縮空気を供給することによって、空気接続ライン22中に中間漏洩タンク19へと前記圧縮空気を供給することを備える場合、本方法は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、空気供給ライン12中の第1の圧力調整器14を通って圧縮空気源13から空気室8に圧縮空気を供給することと、空気供給ライン12中の第1の圧力調整器14よりも高い圧力を提供するように構成された第2の圧力調整器23を通って空気接続ライン22中に圧縮空気を供給することと、中間漏洩タンク19の上流の空気戻りライン16中の第1の弁20として逆止弁を設けることとを備え、中間漏洩タンク19の上流の空気戻りライン16中の第1の弁20の前記閉鎖は、空気供給ライン12中の第1の圧力調整器14によって提供される圧力と空気接続ライン22中の第2の圧力調整器23によって提供される圧力との間の差によってもたらされる。本方法のそのような実施形態では、本方法は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2の外側に、及び船の船体3内に空気供給ライン12の第1の圧力調整器14を配置することを備える。本方法のそのような実施形態では、本方法は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2の外側に、及び船の船体3内に空気接続ライン22の第2の圧力調整器23を配置することを備える。
【0024】
本方法が空気戻りライン16中の第1の弁20を閉鎖することに関連して中間漏洩タンク19の下流の空気戻りライン16中の第2の弁17を閉鎖することを備える場合、並びに本方法が空気供給ライン12から空気接続ライン22の上流端34に圧縮空気を供給することによって、及び圧縮空気源13からプロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられた空気室8に圧縮空気を供給することによって、及び空気接続ライン22の下流端35から空気戻りライン16中に中間漏洩タンク19の下流及び第2の弁17の上流の空気戻りライン16の一点において圧縮空気を供給することによって、及び中間漏洩タンク19中に存在する液体の液体接続ライン25中への漏洩タンク24への前記流れをもたらすために、空気戻りライン16中に中間漏洩タンク19へと圧縮空気を供給することによって、空気接続ライン22中に中間漏洩タンク19へと前記圧縮空気を供給することを備える場合、本方法は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、圧力センサ33で空気供給ライン12中の圧力を監視することと、空気接続ライン22中に設けられた第3の弁21が開放されているときに空気供給ライン12中の圧力が所定の閾値を上回る場合に、警告をトリガし、及び/又は空気接続ライン22中に設けられた第3の弁21を閉鎖するために圧力センサ33から空気接続ライン22中に設けられた第3の弁21に信号を送ることとを備え、これは、中間漏洩タンク19の上流の空気戻りライン16中に設けられた第1の弁20が漏洩していることを示すものとして、及びプロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられた空気室8中の圧力が過剰に上昇することを防止するために、及び空気室8の損傷を防止するためになされる。
【0025】
本方法は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、絞り弁18を通って空気戻りライン16の外に圧縮空気を排出することを備える。そのような場合、本方法は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2の外側に、及び船の船体3内に空気戻りライン16の絞り弁18を配置することを備える。
【0026】
本方法は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、レベルモニタ27で漏洩タンク24中の液体レベルを監視することと、漏洩タンク24中の所定の閾値液体レベルを上回る場合に排水弁28の開放をもたらすために、漏洩タンク24と流体連通状態にあるように構成された排水弁28に信号を与えることとを備える。
【0027】
本方法は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、空気供給ライン12中に第4の弁15を設けることを備える。そのような場合、本方法は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2の外側に、及び船の船体3内に空気供給ライン12の第4の弁15を配置することを備える。
【0028】
本方法では、空気室8は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、プロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられたフェイスシール4と、プロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられた第1のシールリング5との間に設けられる。フェイスシール4は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2を取り囲む水から空気室8を分離するように構成される。本方法では、潤滑剤室7がプロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられるように、潤滑剤室7を、プロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられた第1のシールリング5と、プロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられた第2のシールリング6との間に設けることができる。潤滑剤室7がプロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられる場合、本方法は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、重力によって、潤滑剤タンク10から潤滑剤供給ライン9中に潤滑剤室7へと潤滑剤を供給することと、潤滑剤室7から潤滑剤戻りライン11中に潤滑剤タンク10へと潤滑剤を供給することとを備えることができる。本方法が、説明したように潤滑剤タンク10を設けることを備える場合、本方法は、第1のレベルセンサ31及び第2のレベルセンサ32によって潤滑剤タンク10中の潤滑剤のレベルを監視することを備えることができる。本方法が、説明したように、潤滑剤タンク10並びにセンサ31及び32を設けることを備える場合、本方法は、ポッド2のポッドハウジング内に第1のレベルセンサ31及び第2のレベルセンサ32並びに潤滑剤タンク10を設けることを備えることができる。そのような潤滑剤室7がプロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられる場合、潤滑剤室7中の圧力は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2の殻構造(参照番号によってマーキングせず)によって制限されたポッドハウジング中など、ポッド2のポッドハウジング中の圧力よりも0.04~0.08バール高い。そのような潤滑剤室7がプロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられる場合、空気室8中の圧力は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、プロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられた潤滑剤室7中の圧力よりも0.2~0.5バール高い。
【0029】
本方法は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2のポッドハウジング内の空気戻りライン16中に第1の弁20を設けることを備える。
【0030】
本方法は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2内及び船の船体3内に本質的に同じ圧力を維持することを備える。
【0031】
本方法は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2の外側に、及び船の船体3内に圧縮空気源13を配置することを備える。
【0032】
次に、水中に位置するプロペラシャフト1を密封するための装置、並びにその装置のいくつかの実施形態及び変形形態をより詳細に説明する。
【0033】
本装置では、プロペラシャフト1は、船の船体3に吊り下げられたポッド2に配置される。ポッド2は、船の船体3に枢動可能に吊り下げることができる。
【0034】
本装置は、プロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられた空気室8と、圧縮空気源13から空気室8に圧縮空気を供給するように構成された空気供給ライン12と、空気室8から、及び空気戻りライン16の外に圧縮空気を排出するように構成された空気戻りライン16とを備える。圧縮空気は、この文脈では、空気、ガス、又はそれらの任意の混合物を意味する。
【0035】
空気室8中の圧力は、プロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられ、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2の殻構造(参照番号によってマーキングせず)によって制限されたポッドハウジング中など、ポッド2のポッドハウジング中の圧力よりも約0.2~約0.6バール高い。
【0036】
圧縮空気源13から空気供給ライン12に供給される圧縮空気の圧力は、約3~約10バールの範囲であり得る。
【0037】
本装置は、空気戻りライン16と流体連通状態にあり、圧縮空気中に存在する液体を空気戻りライン16中に収集するように構成された中間漏洩タンク19を備える。中間漏洩タンク19は、ポッド2のポッドハウジング内に設けられる。
【0038】
本装置は、中間漏洩タンク19の上流の空気戻りライン16中の第1の弁20と、船の船体3内に設けることができ、液体接続ライン25によって中間漏洩タンク19と流体連通状態にある漏洩タンク24と、中間漏洩タンク19と流体連通状態にある空気接続ライン22とを備える排水装置を備える。排水装置は、中間漏洩タンク19の上流の空気戻りライン16中に設けられた第1の弁20を閉鎖することと、中間漏洩タンク19中に存在する液体の液体接続ライン25中への漏洩タンク24への流れをもたらすために、空気接続ライン22に圧縮空気を供給することとを行うように構成される。中間漏洩タンク19中に存在する液体の漏洩タンク24中への流れをもたらすために中間漏洩タンク19に供給される圧縮空気の圧力は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、約1バール~約3バールの範囲である。本装置は、このことから、漏洩タンク24が船の船体3内に設けられるならば、ポッド2に入る必要なく、コントローラの様式で中間漏洩タンク19を排水することを可能にする。代替として、漏洩タンク24は、ポッド2のポッドハウジング内の容易に接近可能なロケーション中に設けることができる。プロペラシャフトを密封するための装置は、好ましくは、必ずしもそうではないが、排水装置の説明した機能中にポッドを取り囲む水に対する十分な圧力がプロペラシャフト1を円周方向に取り囲む空気室8中で維持されるように、圧縮空気源13から空気供給ライン12中に空気室8へと圧縮空気を供給するように構成される。排水装置は、好ましくは、必ずしもそうではないが、1時間に1回など、規則的な時間間隔で、中間漏洩タンク19の上流の空気戻りライン16中に設けられた第1の弁20を閉鎖することと、中間漏洩タンク19中に存在する液体の液体接続ライン25中への漏洩タンク24への流れをもたらすために、空気接続ライン22に圧縮空気を供給することとを行うように構成される。
【0039】
排水装置は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、
図2~4に例示するように、中間漏洩タンク19の下流の空気戻りライン16中に第2の弁17を備え、排水装置は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、空気戻りライン16中の第1の弁20の閉鎖に関連して空気戻りライン16中の第2の弁17を閉鎖するように構成される。そのような第2の弁17は、空気接続ライン22中に中間漏洩タンク19へと圧縮空気を供給するときに流体が空気戻りライン16から排出されることを防止する。
【0040】
本装置のいくつかの実施形態では、空気接続ライン22は、
図3及び4に例示するように、空気接続ライン22の上流端34が圧縮空気源13からプロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられた空気室8に圧縮空気を供給するように構成された空気供給ライン12と流体連通状態にあるように、並びに空気接続ライン22の下流端35が空気戻りライン16中に設けられた中間漏洩タンク19の下流及び空気戻りライン16中に設けられた第2の弁17の上流の一点において空気戻りライン16と流体連通状態にあるように、中間漏洩タンク19と流体連通状態にあり、そのため、排水装置は、中間漏洩タンク19中に存在する液体の液体接続ライン25中への漏洩タンク24への前記流れをもたらすために、圧縮空気源13から空気接続ライン22の上流端34に、及び空気接続ライン22の下流端35から空気戻りライン16に、及び空気戻りライン16中に中間漏洩タンク19へと前記圧縮空気を供給するように構成される。本装置のそのような実施形態では、空気接続ライン22は、空気接続ライン22中の流れを開放及び閉鎖するための弁21を設けることができる。本装置のそのような実施形態では、第1の圧力調整器14は、空気供給ライン12中に設けることができ、空気接続ライン22は、弁21と空気供給ライン12中に設けられた第1の圧力調整器14よりも高い圧力を提供するように構成された第2の圧力調整器23とを設けることができ、中間漏洩タンク19の上流の空気戻りライン16中の第1の弁20は、逆止弁の形態であり得、排水装置は、空気戻りライン16中に設けられた第1の弁20の閉鎖をもたらし、中間漏洩タンク19中に存在する液体の液体接続ライン25中への漏洩タンク24への流れをもたらすために、空気接続ライン22中に設けられた第3の弁21を開放して、空気接続ライン22中の第2の圧力調整器23を通って、及び空気戻りライン16中に中間漏洩タンク19中へと圧縮空気を供給するように構成される。
図3及び4は、そのような実施形態を例示する。空気供給ライン12中の可能な第1の圧力調整器14は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2の外側に、及び船の船体3内に配置される。可能な第2の圧力調整器23及び/又は可能な第3の弁21は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2の外側に、及び船の船体3内に配置される。空気接続ライン22が空気接続ライン22中の流れを開放及び閉鎖するための弁21を設けられる場合、本装置は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、空気供給ライン12に接続された圧力センサ33を備え、本装置は、第1の弁20が漏洩していることを示すものとして、プロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられた空気室8中の圧力が過剰に上昇することを防止するために、そして空気室8の損傷を防止するために、排水装置の空気接続ライン22中に設けられた第3の弁21が開放されているときに空気供給ライン12中の圧力が所定の閾値を上回る場合に、圧力センサ33から排水回路装置の空気接続ライン22中に設けられた第3の弁21に信号を送り、警告をトリガし、排水装置の空気接続ライン22中に設けられた第3の弁21を閉鎖するように構成される。
【0041】
フェイスシール4は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2を取り囲む水から空気室8を分離するように構成される。
【0042】
空気戻りライン16は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、絞り弁18を通って外に圧縮空気を排出するように構成される。空気戻りライン16の絞り弁18は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2の外側に、及び船の船体3内に配置される。
【0043】
本装置は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、漏洩タンク24中の液体レベルを監視するように構成されたレベルモニタ27を備え、レベルモニタは、漏洩タンク24中の所定の閾値液体レベルを上回る場合に漏洩タンク24の排水弁28の開放をもたらすために、排水弁28に信号を与えるように構成される。
【0044】
本装置は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、空気供給ライン12中に第4の弁15を備える。空気供給ライン12の第4の弁15は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2の外側に、及び船の船体3内に配置される。本装置が空気供給ライン12の第4の弁15を備える場合、本装置は、第4の弁15の下流の空気供給ライン12中に水を供給するように構成されたフラッシング回路装置を備えることができ、フラッシング回路装置は、水源29、水源29の下流及び空気供給ライン12の上流の弁30を備え、フラッシング回路装置は、空気供給ライン12中に、及びプロペラシャフト1を円周方向に取り囲む空気室8を介して空気戻りライン16中に水を供給するために、空気供給ライン12の第4の弁15を閉鎖し、弁30を開放するように構成される。
図4は、そのような実施形態を例示する。水源29及び弁30は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2の外側に、及び船の船体3内に設けられる。
【0045】
空気室8は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、プロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられたフェイスシール4と、プロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられた第1のシールリング5との間に設けられる。本装置は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、プロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられた第1のシールリング5と、プロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられた第2のシールリング6との間に設けられた潤滑剤室7を備え、潤滑剤室7は、プロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられる。本装置は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが重力によって、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、潤滑剤タンク10から潤滑剤室7に潤滑剤を供給するように構成された潤滑剤供給ライン9と、潤滑剤室7から潤滑剤タンク10に潤滑剤を供給するように構成された潤滑剤戻りライン11とを備える。
図4は、実施形態を例示する。第1のレベルセンサ31及び第2のレベルセンサ32は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、潤滑剤タンク10中の潤滑剤のレベルを監視するように構成される。可能な第1のレベルセンサ31及び可能な第2のレベルセンサ32並びに可能な潤滑剤タンク10は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2のポッドハウジング内に設けられる。そのような潤滑剤室7がプロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられる場合、潤滑剤室7中の圧力は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2の殻構造(参照番号によってマーキングせず)によって制限されたポッドハウジング中など、ポッド2のポッドハウジング中の圧力よりも0.04~0.08バール高い。そのような潤滑剤室7がプロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられる場合、空気室8中の圧力は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、プロペラシャフト1の周囲に円周方向に設けられた潤滑剤室7中の圧力よりも0.2~0.5バール高い。
【0046】
空気戻りライン16中の第1の弁20は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2のポッドハウジング内に配置される。
【0047】
本装置は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2内及び船の船体3内に本質的に同じ圧力を維持するように構成される。
【0048】
圧縮空気源13は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2の外側に、及び船の船体3内に配置される。
【0049】
中間漏洩タンク19の下流の空気戻りライン16中の可能な第2の弁17は、好ましくは、しかし必ずしもそうではないが、ポッド2の外側に、及び船の船体3内に配置される。
【0050】
技術が進歩するにつれて、本発明の基本的な概念を様々な本方法で実装することができることは当業者にとって明らかである。本発明及びその実施形態は、従って、上記の例に制限されず、それらは、特許請求の範囲内で変化し得る。
【参照番号のリスト】
【0051】
1. プロペラシャフト
2. ポッド
3. 船体
4. フェイスシール
5. 第1のシールリング
6. 第2のシールリング
7. 潤滑剤室
8. 空気室
9. 潤滑剤供給ライン
10. 潤滑剤タンク
11. 潤滑剤戻りライン
12. 空気供給ライン
13. 圧縮空気源
14. 第1の圧力調整器
15. 第4の弁
16. 空気戻りライン
17. 第2の弁
18. 絞り弁
19. 中間漏洩タンク
20. 第1の弁
21. 第3の弁
22. 空気接続ライン
23. 第2の圧力調整器
24. 漏洩タンク
25. 液体接続ライン
26. 通気弁
27. レベルモニタ
28. 排水弁
29. 水源
30. 第5の弁
31. 第1のレベルセンサ
32. 第2のレベルセンサ
33. 圧力センサ
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 水中に位置するプロペラシャフト(1)を密封するための方法であって、前記プロペラシャフト(1)は、船の船体(3)に吊り下げられたポッド(2)に配置され、空気室(8)が、前記プロペラシャフト(1)の周囲に円周方向に設けられ、
圧縮空気源(13)から空気供給ライン(12)中に前記空気室(8)へと圧縮空気を供給することと、
前記空気室(8)から空気戻りライン(16)中に前記空気戻りライン(16)の外へと圧縮空気を排出することと、
前記空気室(8)から排出された前記圧縮空気中に存在する液体を前記ポッド(2)のポッドハウジング内の前記空気戻りライン(16)に設けられた中間漏洩タンク(19)中に収集することと、を備える方法において、
前記中間漏洩タンク(19)の上流の前記空気戻りライン(16)を閉鎖することと、 前記中間漏洩タンク(19)中に存在する液体が漏洩タンク(24)へ流れるようにするために、前記中間漏洩タンク(19)に圧縮空気を供給することと、
を特徴とする、方法。
[2] 前記空気戻りライン(16)を閉鎖することに関連して前記中間漏洩タンク(19)の下流の前記空気戻りライン(16)を閉鎖することを特徴とする、[1]に記載の方法。
[3] 前記中間漏洩タンク(19)中に存在する液体が液体接続ライン(25)中に前記漏洩タンク(24)へと流れるようにするために、前記空気供給ライン(12)から空気接続ライン(22)の上流端(34)に圧縮空気を供給することによって、そして前記空気接続ライン(22)の下流端(35)から前記空気戻りライン(16)に前記中間漏洩タンク(19)の下流の前記空気戻りライン(16)の一点において圧縮空気を供給することによって、そして前記空気戻りライン(16)中に前記中間漏洩タンク(19)へと圧縮空気を供給することによって、前記中間漏洩タンク(19)に前記圧縮空気を供給することを特徴とする、[2]に記載の方法。
[4] 前記中間漏洩タンク(19)の上流の前記空気戻りライン(16)中に逆止弁の形態で第1の弁(20)を設けることと、
前記空気供給ライン(12)中の第1の圧力調整器(14)を通って前記圧縮空気源(13)から前記空気室(8)に圧縮空気を供給することと、
第3の弁(21)を通って、そして前記第1の圧力調整器(14)よりも高い圧力を提供するように構成された第2の圧力調整器(23)を通って、前記空気接続ライン(22)中に圧縮空気を供給することと、
前記中間漏洩タンク(19)の上流の前記空気戻りライン(16)の閉鎖が、前記第1の圧力調整器(14)によって提供された圧力と、前記第2の圧力調整器(23)によって提供された圧力との間の差によってもたらされ、逆止弁の形態の前記第1の弁(20)を閉鎖させることと、を特徴とする、[3]に記載の方法。
[5] 前記空気接続ライン(22)中に設けられた前記第3の弁(21)が開放されているときに前記空気供給ライン(12)中の圧力が所定の閾値を上回る場合に、前記空気供給ライン(12)に機能的に接続された圧力センサ(33)から前記空気接続ライン(22)中に設けられた前記第3の弁(21)に信号を送り、警告をトリガし、及び/又は前記空気接続ライン(22)中に設けられた前記第3の弁(21)を閉鎖すること、を特徴とする、[4]に記載の方法。
[6] 水中に位置するプロペラシャフト(1)を密封するための装置であって、前記プロペラシャフト(1)は、船の船体(3)に吊り下げられたポッド(2)に配置され、
該装置が、
前記プロペラシャフト(1)の周囲に円周方向に設けられた空気室(8)と、
圧縮空気源(13)から前記空気室(8)に圧縮空気を供給するように構成された空気供給ライン(12)と、
前記空気室(8)から、そして空気戻りライン(16)の外に圧縮空気を排出するように構成された空気戻りライン(16)と、
前記空気戻りライン(16)中に設けられた、空気中に存在する液体を収集するための中間漏洩タンク(19)と、ここで、前記中間漏洩タンク(19)は、前記ポッド(2)のポッドハウジング内に設けられるものであり、
を備える装置において、前記装置は、
前記中間漏洩タンク(19)の上流の前記空気戻りライン(16)中の第1の弁(20)と、
液体接続ライン(25)によって前記中間漏洩タンク(19)と流体連通状態にある漏洩タンク(24)と、
前記中間漏洩タンク(19)と流体連通状態にある空気接続ライン(22)と
を備える排水装置を備え、
前記排水装置が、前記空気戻りライン(16)中の前記第1の弁(20)を閉鎖することと、前記中間漏洩タンク(19)中に存在する液体が前記液体接続ライン(25)中に前記漏洩タンク(24)へと流れるようにするために、前記空気接続ライン(22)中に前記中間漏洩タンク(19)へと圧縮空気を供給することと、を行うように構成されていることを特徴とする、装置。
[7] 前記排水装置が、前記中間漏洩タンク(19)の下流の前記空気戻りライン(16)中の第2の弁(17)を備え、
前記排水装置が、前記空気戻りライン(16)中の前記第1の弁(20)の閉鎖に関連して前記空気戻りライン(16)中の前記第2の弁(17)を閉鎖するように構成されていることを特徴とする、[6]に記載の装置。
[8] 前記空気接続ライン(22)の上流端(34)が前記空気供給ライン(12)と流体連通状態にあり、前記空気接続ライン(22)の下流端(35)が前記空気戻りライン(16)中の前記第2の弁(17)の上流であって前記中間漏洩タンク(19)の下流の一点において前記空気戻りライン(16)と流体連通状態にあるように、前記空気接続ライン(22)が前記中間漏洩タンク(19)と流体連通状態にあることと、
前記排水装置が、前記中間漏洩タンク(19)中に存在する液体が前記液体接続ライン(25)中に前記漏洩タンク(24)へと流れるようにするために、前記プロペラシャフト(1)の周囲に円周方向に設けられた前記空気室(8)に圧縮空気を供給するように構成された前記圧縮空気源(13)から前記空気接続ライン(22)の前記上流端(34)に、そして前記空気接続ライン(22)の下流端(35)から前記空気戻りライン(16)に、そして前記空気戻りライン(16)中に前記中間漏洩タンク(19)へと前記圧縮空気を供給するように構成されていることと、を特徴とする、[7]に記載の装置。
[9] 前記空気接続ライン(22)に、第3の弁(21)が設けられていることと、
前記排水装置が、前記中間漏洩タンク(19)中に存在する液体が前記液体接続ライン(25)中に前記漏洩タンク(24)へと流れるようにするために、前記空気接続ライン(22)中に設けられた前記第3の弁(21)を開放して、前記中間漏洩タンク(19)に圧縮空気を供給するように構成されていることと、を特徴とする、[8]に記載の装置。
[10] 前記空気供給ライン(12)に第1の圧力調整器(14)が設けられ、
前記空気接続ライン(22)に、第3の弁(21)と、前記第1の圧力調整器(14)よりも高い圧力を提供するように構成された第2の圧力調整器(23)とが設けられ、 前記排水装置は、前記中間漏洩タンク(19)中に存在する液体が前記液体接続ライン(25)中に前記漏洩タンク(24)へと流れるようにするために、前記空気接続ライン(22)に設けられた前記第3の弁(21)を開放して、前記空気接続ライン(22)中の前記第2の圧力調整器(23)を通って、そして前記空気戻りライン(16)中に前記中間漏洩タンク(19)中へと圧縮空気を供給するように構成されていること、を特徴とする、[8]に記載の装置。
[11] 前記空気供給ライン(12)に第1の圧力調整器(14)が設けられ、
前記空気接続ライン(22)に、第3の弁(21)と前記第1の圧力調整器(14)よりも高い圧力を提供するように構成された第2の圧力調整器(23)とが設けられ、
前記中間漏洩タンク(19)の上流の前記空気戻りライン(16)中の前記第1の弁(20)が逆止弁の形態であり、
前記排水装置が、前記第1の弁(20)の閉鎖をもたらし、前記中間漏洩タンク(19)中に存在する液体が前記液体接続ライン(25)中に前記漏洩タンク(24)へと流れるようにするために、前記空気接続ライン(22)中に設けられた前記第3の弁(21)を開放して、前記空気接続ライン(22)中の前記第2の圧力調整器(23)を通って、そして前記空気戻りライン(16)中に前記中間漏洩タンク(19)中へと圧縮空気を供給するように構成されていることを特徴とする、[8]に記載の装置。
[12] 前記空気供給ライン(12)に圧力センサ(33)が接続され、
排水回路装置の前記空気接続ライン(22)中に設けられた前記第3の弁(21)が開放されているときに前記空気供給ライン(12)中の圧力が所定の閾値を上回る場合に、前記圧力センサ(33)から前記排水回路装置の前記空気接続ライン(22)中に設けられた前記第3の弁(21)に信号を送り、警告をトリガし、前記排水回路装置の前記空気接続ライン(22)に設けられた前記第3の弁(21)を閉鎖することを特徴とする、[9]~[11]のうちのいずれか一項に記載の装置。
[13] 前記プロペラシャフト(1)の周囲に円周方向に設けられた第1のシールリング(5)と、前記プロペラシャフト(1)の周囲に円周方向に設けられた第2のシールリング(6)との間に設けられた潤滑剤室(7)を備え、前記潤滑剤室(7)は、前記プロペラシャフト(1)の周囲に円周方向に設けられていることを特徴とする、[6]~[12]のうちのいずれか一項に記載の装置。
[14] 前記空気室(8)が、前記プロペラシャフト(1)の周囲に円周方向に設けられたフェイスシール(4)と前記第1のシールリングとの間に設けられていることを特徴とする、[13]に記載の装置。
[15] 潤滑剤タンク(10)から前記潤滑剤室(7)に潤滑剤を供給するように構成された潤滑剤供給ライン(9)と、前記潤滑剤室(7)から前記潤滑剤タンク(10)に潤滑剤を供給するように構成された潤滑剤戻りライン(11)とを備えることを特徴とする、[13]又は[14]に記載の装置。