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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】プログラム、端末装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/86 20140101AFI20240215BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20240215BHJP
   A63F 13/497 20140101ALI20240215BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240215BHJP
   A63F 13/812 20140101ALI20240215BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/30
A63F13/497
A63F13/79
A63F13/812 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019232672
(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公開番号】P2021100471
(43)【公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】福塚 翼
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-323827(JP,A)
【文献】特開2003-190635(JP,A)
【文献】特開2007-259881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザと他のユーザとの対戦を進行させる進行手段として機能させ、
前記進行手段は、
前記ユーザのプレイが終わる前に開始された前記他のユーザのプレイを、前記ユーザの次のプレイを開始する前に再生させるとともに前記他のユーザのプレイを再生する時間が、前記他のユーザがプレイした時間よりも短くなるように、前記他のユーザのプレイを再生させ、
前記他のユーザのプレイの再生が、前記他のユーザのプレイに追いついた場合に、前記他のユーザのプレイをリアルタイムに表示させる、
プログラム。
【請求項2】
ユーザが使用する端末装置であって、
前記ユーザと他の端末装置を使用する他のユーザとの対戦を進行させる進行手段を備え、
前記進行手段は、
前記ユーザのプレイが終わる前に前記他の端末装置において開始された前記他のユーザのプレイを、前記ユーザの次のプレイを開始る前に再生させるとともに前記他のユーザのプレイを再生する時間が、前記他のユーザがプレイした時間よりも短くなるように、前記他のユーザのプレイを再生させ、
前記他のユーザのプレイの再生が、前記他のユーザのプレイに追いついた場合に、前記他のユーザのプレイをリアルタイムに表示させる、
端末装置。
【請求項3】
第1ユーザが使用する第1端末装置と、第2ユーザが使用する第2端末装置とを含むシステムであって、
前記第1端末装置は、
前記第1ユーザと前記第2ユーザとの対戦を進行させる第1進行手段を備え、
前記第2端末装置は、
前記第2ユーザと前記第1ユーザとの対戦を進行させる第2進行手段を備え、
前記第1進行手段は、前記第1ユーザのプレイが終わる前に前記第2端末装置において開始された前記第2ユーザのプレイを、前記第1ユーザの次のプレイを開始する前に再生させるとともに前記第2ユーザのプレイを再生する時間が、前記第2ユーザがプレイした時間よりも短くなるように、前記第2ユーザのプレイを再生させ、前記第2ユーザのプレイの再生が、前記第2ユーザのプレイに追いついた場合に、前記第2ユーザのプレイをリアルタイムに表示させ
前記第2進行手段は、前記第2ユーザのプレイが終わる前に前記第1端末装置において開始された前記第1ユーザのプレイを、前記第2ユーザの次のプレイを開始する前に再生させるとともに前記第1ユーザのプレイを再生する時間が、前記第1ユーザがプレイした時間よりも短くなるように、前記第1ユーザのプレイを再生させ、前記第1ユーザのプレイの再生が、前記第1ユーザのプレイに追いついた場合に、前記第1ユーザのプレイをリアルタイムに表示させる、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、ゲーム方法、ゲームプログラム及びゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤ同士がゲーム空間内で対戦する対戦型ゲームが、様々な事業者により提供されている。この対戦型ゲームにおいて、複数のプレイヤが、各人に対応する仮想空間内のキャラクタを操作しながらプレイを進行させるゴルフゲームがある(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
このようなゴルフゲームにおいて、複数のプレイヤが順番に打つこととすると、各プレイヤには待ち時間が発生してしまう。特許文献1に記載のゴルフゲームは、そのような待ち時間を短縮させるために、各プレイヤは、1打ごとに同期を取ってプレイを開始する。そして、対象の1打を全プレイヤが打ち終わったことが確定した段階で、他のプレイヤのショット後のデータ(プレイヤ名、トータルスコア、打数、ボールが置かれている場所の状態)を各プレイヤの画面にそれぞれ表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4626182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ゴルフゲームには、他のプレイヤのプレイを見ながらプレイすることにも醍醐味がある。しかしながら、特許文献1に記載のゴルフゲームは、他のプレイヤがショットした結果を確認できるものの、他のプレイヤがどのようにプレイしたのかを確認することはできない。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、待ち時間を削減しつつ、他のプレイヤがどのようにプレイしたのかを確認することができる端末装置、ゲーム方法、ゲームプログラム及びゲームシステムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様である端末装置は、ユーザが使用する端末装置であって、前記ユーザが他の端末装置を使用する他のユーザとプレイしながら対戦するゲームを進行するゲーム進行部を備え、前記ゲーム進行部は、前記ユーザにより入力される操作に基づいて前記ユーザのプレイを進行し、前記ユーザのプレイが終わる前に前記他の端末装置において開始された前記他のユーザのプレイを、前記ユーザの次のプレイを開始する前に再生する。
【0008】
本発明の他の態様であるゲーム方法は、ユーザが使用する端末装置のプロセッサにより実行されるゲーム方法であって、前記プロセッサが、前記ユーザが他の端末装置を使用する他のユーザとプレイしながら対戦するゲームを進行するステップを実行し、前記ゲームを進行するステップは、前記ユーザにより入力される操作に基づいて前記ユーザのプレイを進行し、前記ユーザのプレイが終わる前に前記他の端末装置において開始された前記他のユーザのプレイを、前記ユーザの次のプレイを開始する前に再生する。
【0009】
本発明の他の態様であるゲームプログラムは、ユーザが使用する端末装置のプロセッサに実行させるゲームプログラムであって、前記プロセッサに、前記ユーザが他の端末装置を使用する他のユーザとプレイしながら対戦するゲームを進行させるステップを実行させ、前記ゲームを進行するステップにおいて、前記ユーザにより入力される操作に基づいて前記ユーザのプレイを進行させ、前記ユーザのプレイが終わる前に前記他の端末装置において開始された前記他のユーザのプレイを、前記ユーザの次のプレイを開始させる前に再生させる。
【0010】
本発明の他の態様であるゲームシステムは、第1ユーザが使用する第1端末装置と、第2ユーザが使用する第2端末装置とを含むゲームシステムであって、前記第1端末装置は、前記第1ユーザが前記第2ユーザとプレイしながら対戦するゲームを進行する第1ゲーム進行部を備え、前記第2端末装置は、前記第2ユーザが前記第1ユーザとプレイしながら対戦するゲームを進行する第2ゲーム進行部を備え、前記第1ゲーム進行部は、前記第1ユーザにより入力される操作に基づいて前記第1ユーザのプレイを進行し、前記第1ユーザのプレイが終わる前に前記第2端末装置において開始された前記第2ユーザのプレイを、前記第1ユーザの次のプレイを開始する前に再生し、前記第2ゲーム進行部は、前記第2ユーザにより入力される操作に基づいて前記第2ユーザのプレイを進行し、前記第2ユーザのプレイが終わる前に前記第1端末装置において開始された前記第1ユーザのプレイを、前記第2ユーザの次のプレイを開始する前に再生する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、待ち時間を削減しつつ、他のプレイヤがどのようにプレイしたのかを確認することができる端末装置、ゲーム方法、ゲームプログラム及びゲームシステムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る端末装置を含むゲームシステムの構成を例示する図である。
図2図1に示すサーバの機能構成を例示する図である。
図3図1に示す端末装置の機能構成を例示する図である。
図4】各端末装置に表示されるプレイの内容を例示するタイミングチャートである。
図5】プレイヤがプレイしている間の処理の流れを説明するためのシーケンスチャートである。
図6】各プレイの合間に対戦相手のプレイを再生する処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
[ゲームシステムのシステム構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る端末装置10を含むゲームシステム1の概略構成図である。同図に示すように、本実施形態におけるゲームシステム1は、複数の端末装置10と、サーバ20とを備える。
【0015】
端末装置10とサーバ20とは、ネットワークNを介して接続する。ネットワークNは、例えば、インターネット、移動体通信システム(例えば、3G、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等)、WiFi(Wireless Fidelity)、ブルートゥース(登録商標)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0016】
[サーバのハードウェア構成]
サーバ20は、例えば、ワークステーション、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータが該当し得る。図1に示すように、サーバ20は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信IF(インターフェース)24と、入出力IF25とを備える。サーバ20が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0017】
プロセッサ21は、サーバ20全体の動作を制御する。プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等を含み得る。プロセッサ21は、例えば、ストレージ23からプログラムを読み出し、メモリ22に展開し、展開したプログラムを実行する。
【0018】
メモリ22は、主記憶装置である。メモリ22は、例えば、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置により構成される。メモリ22は、プロセッサ21がストレージ23から読み出した各種プログラム及びデータを一時的に記憶することにより、プロセッサ21に作業領域を提供する。メモリ22は、プロセッサ21がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0019】
なお、本実施形態におけるプログラムは、例えば、複数の端末装置10とサーバ20との協働によりゲームを実現するゲームプログラムである。また、各種データには、例えば、ゲーム情報等のゲームに関するデータ、ユーザ情報、及び端末装置10とサーバ20との間で送受信する指示や通知が含まれる。
【0020】
ストレージ23は、補助記憶装置である。ストレージ23は、例えば、フラッシュメモリ又はHDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される。ストレージ23には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0021】
通信IF24は、サーバ20における各種データの送受信を制御する。
【0022】
入出力IF25は、サーバ20がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、サーバ20がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF25は、例えば、マウス、キーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含むことができる。
【0023】
[端末装置のハードウェア構成]
端末装置10は、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ等の携帯端末が該当し得る。端末装置10は、ユーザがコンピュータゲームを実行する際にプレイヤとして使用可能な可搬型の端末であることが望ましい。
【0024】
図1に示すように、端末装置10は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信IF14と、入出力IF15と、タッチスクリーン16とを備える。端末装置10が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0025】
プロセッサ11は、端末装置10全体の動作を制御する。プロセッサ11は、CPU、MPU及びGPU等を含み得る。プロセッサ11は、例えば、ストレージ13からプログラムを読み出し、メモリ12に展開し、展開したプログラムを実行する。
【0026】
メモリ12は、主記憶装置である。メモリ12は、例えば、ROM、及びRAM等の揮発性記憶装置により構成される。メモリ12は、プロセッサ11がストレージ13から読み出したプログラム及び各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ11に作業領域を提供する。メモリ12は、プロセッサ11がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0027】
ストレージ13は、補助記憶装置である。ストレージ13は、例えば、フラッシュメモリ又はHDD等の不揮発性記憶装置により構成される。ストレージ13には、例えば、ゲームに関する各種データが格納される。
【0028】
通信IF14は、各種データの送受信を制御する。通信IF14は、例えば、無線LAN(Local Area Network)又は携帯電話回線網等を介した通信、及び近距離無線通信等を用いた通信を制御する。
【0029】
入出力IF15は、端末装置10がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、端末装置10がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF15は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行うこととしてもよい。入出力IF15は、例えば、端末装置10が備える物理ボタンやカメラ、マイク、スピーカ等を含むことができる。
【0030】
タッチスクリーン16は、入力部17と表示部18とを組み合わせた電子部品である。入力部17は、例えばタッチパッドによって構成される。表示部18は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成される。
【0031】
入力部17は、ユーザの操作(例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作及びフリック操作等)により、入力面に対して入力された位置を検知し、検知した位置を示す情報を入力信号として送信する機能を備える。入力部17は、例えば、タッチセンシング部を含むことができる。タッチセンシング部は、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式等を採用することができるが、他の方式であってもよい。
【0032】
[サーバの機能構成]
図2は、サーバ20の機能構成を例示するブロック図である。本実施形態におけるサーバ20は、例えば、ゲームを実現するために必要な各種データ及びプログラムを各端末装置10に提供する機能、各端末装置10からゲームに関するデータを収集して管理する機能、及び、複数の端末装置10間の同期処理を行う機能等を有する。
【0033】
なお、本実施形態において、サーバ20は、ゲームごとに事前に登録されるユーザのアカウントを用い、各ユーザ及び端末装置10を識別する。アカウントの登録方法は特に限定されない。例えば、端末装置10又はパーソナルコンピュータ等の他の装置が、ユーザの操作に従って、ユーザのアカウント登録に必要な情報をサーバ20に送信し、サーバ20が、受信した情報に基づいて各ユーザのアカウントを作成及び保存することができる。
【0034】
図2に示すように、サーバ20は、機能的な構成として、例えば、制御部210と記憶部220とを有する。記憶部220は、制御部210が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム221、ゲーム情報222及びユーザ情報223がある。
【0035】
ゲームプログラム221は、ゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報222及びユーザ情報223は、制御部210がゲームプログラム221を実行するときに参照するデータである。
【0036】
なお、ゲームプログラム221は、サーバ20側で実行するゲームプログラムに加え、端末装置10に送信して端末装置10側で実行するプログラム(後述するゲームプログラム121)を含むこととしてもよい。あるいは、記憶部220が、サーバ20側で実行するゲームプログラム221と、端末装置側で実行するプログラムとを格納することとしてもよい。
【0037】
ゲーム情報222は、アカウント間で共通の情報である。ゲーム情報222は、例えば、各種ゲーム空間を規定するための情報を含む。ゲーム空間とは、ユーザが操作可能なキャラクタ(以下、「操作キャラクタ」ともいう。)のオブジェクトが配置される空間である。また、ゲーム情報222は、例えば、ゲーム空間内に配置される建物や木、石等の背景オブジェクトやノンプレイヤキャラクタ(non player character:NPC)のオブジェクトの配置位置や大きさ、色、形状等、アカウント間で共通のオブジェクトに関する各種設定情報を含む。また、ゲーム情報222は、例えば、ノンプレイヤキャラクタの各種パラメータの設定値や、クエストに関する情報を含む。クエストは、達成条件が設定されたゲーム内のイベントである。このクエストには、達成条件に加え失敗条件が設定されていてもよい。以下においては、ゲーム空間に配置されたキャラクタのオブジェクトを指して、単に「キャラクタ」ということもある。
【0038】
ユーザ情報223は、ゲームのアカウントごとに管理される情報である。ユーザ情報223は、例えば、操作キャラクタに関する情報、保有資産に関する情報、及びゲームの進行度合いを示す情報等を含む。保有資産として、例えば、ゲーム内通貨、アイテム、キャラクタの装備品等が挙げられる。
【0039】
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラム221を実行することにより、ゲームに関する各種処理を制御する。制御部210は、例えば、送受信部211、サーバ処理部212、データ管理部213及び同期処理部214を有する。
【0040】
送受信部211は、各種データを送信又は受信する。例示的に、送受信部211は、各種データ及びプログラムの送信要求や、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求、同期処理の対象となるデータ等を、各端末装置10から受信し、サーバ処理部212に渡す。また、送受信部211は、サーバ処理部212による制御に従って、同期を取るための指示等を含む各種データやプログラムを、各端末装置10に送信する。
【0041】
本実施形態において、マルチプレイ機能とは、複数のアカウントによるゲーム処理を同期させた状態で進行させる機能である。ゲームシステム1のサーバ20及び端末装置10は、ゲームシステム1にログインしているアカウントが同じゲームに複数参加する場合に、マルチプレイ機能に対応するための各種処理を実行する。
【0042】
サーバ処理部212は、端末装置10からの要求等に応じ、ゲームプログラム221に記述された演算処理を実行することで、端末装置10にゲームを提供する。例示的に、サーバ処理部212は、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求や同期処理の対象となるデータを、送受信部211を介して端末装置10から受け取ると、マルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。また、サーバ処理部212は、ゲーム情報222又はユーザ情報223の送信指示を送受信部211に指令する。さらに、サーバ処理部212は、ゲーム情報222又はユーザ情報223のレコードの追加、更新、又は削除に関する指示をデータ管理部213に指令する。
【0043】
データ管理部213は、記憶部220に格納されている各種データをサーバ処理部212の指示に従って管理する。例示的に、データ管理部213は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲーム情報222又はユーザ情報223を読み出し、送受信部211を介して端末装置10に送信する。また、データ管理部213は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲーム情報222又はユーザ情報223のレコードを、追加、更新、又は削除する。
【0044】
同期処理部214は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲームのマルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。例えば、同期処理部214は、サーバ20が複数の端末装置10に対して情報を送信するときに、各端末装置10に同時に情報を送信することで、各端末装置10間で進行するゲームの同期を取る。具体的に、同期処理部214は、各アカウントに対応する端末装置10から所定期間(例えば、一フレーム)内に受信した操作情報を、所定期間ごとに各端末装置10に同時に送信する。操作情報は、端末装置10に入力される操作に関する情報である。同期のタイミングや同期すべき情報は、サーバ処理部212から随時受信することとしてもよい。同期処理を実行することで、一つの端末装置10で入力された操作に起因するゲーム内の事象を、他の端末装置10に同時に反映させることが可能となる。
【0045】
[端末装置の機能構成]
図3は、端末装置10の機能構成を例示するブロック図である。本実施形態における端末装置10は、例えば、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能、及び、ゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能等を有する。
【0046】
図3に示すように、端末装置10は、機能的な構成として、例えば、制御部110と記憶部120とを有する。記憶部120は、制御部110が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム121、ゲーム情報122及びユーザ情報123がある。
【0047】
ゲームプログラム121は、端末装置10側でゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報122及びユーザ情報123は、制御部110がゲームプログラム121を実行するときに参照するデータである。
【0048】
ゲーム情報122は、上述したサーバ20のゲーム情報222と同様の情報を含むため、ここではゲーム情報122の説明を省略する。
【0049】
ユーザ情報123は、端末装置10を使用するユーザのアカウントに関するデータであり、上述したサーバ20のユーザ情報223と同様の情報を含む。したがって、ここではユーザ情報123の説明を省略する。
【0050】
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラム121を実行することにより、端末装置10において実行されるゲームに関する各種処理を制御する。制御部110は、例えば、操作受付部111、送受信部112、ゲーム進行部113及び表示制御部114を有する。
【0051】
操作受付部111は、タッチスクリーン16の入力部17を介してユーザにより入力される操作(以下、「入力操作」ともいう。)を受け付ける。具体的に、操作受付部111は、入力部17に対する入力操作を受け付けた場合に、入力位置の座標及び入力操作の種類を検知する。入力操作の種類として、例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作及びフリック操作が挙げられる。入力操作は、タッチスクリーン16に物理的に接触する操作に限らず、非接触による操作も含み得る。操作受付部111は、例えば、連続して検知されていた入力操作が途切れたことを検出した場合に、入力部17に対する入力操作が解除されたものと検知する。
【0052】
ここで、操作受付部111は、入出力IF15を介して接続された操作機器を用いてユーザに入力された操作についても、上記入力部17に対する入力操作と同様に受け付けることができる。
【0053】
送受信部112は、各種データを送信又は受信する。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0054】
送受信部112は、ゲーム情報122又はユーザ情報123や、マルチプレイ機能に対応するための同期要求を、サーバ20に送信する。送受信部112は、各種データ、プログラム、及びマルチプレイ機能に対応するための同期のためのデータ等を、サーバ20から受信する。同期のためのデータには、例えば、マルチプレイに参加している各端末装置10間で同期を取るように指示するための同期指示データが含まれる。同期指示データには、例えば、同期対象となるデータ及びそのデータの種類や、同期する時期を特定するためのデータ等が含まれる。
【0055】
送受信部112は、操作受付部111により受け付けられた操作に関する操作情報(以下、「第1操作情報」ともいう。)を、サーバ20に送信する。送受信部112は、他の端末装置10において他のユーザにより入力された操作に関する操作情報(以下、「第2操作情報」ともいう。)を、サーバ20から受信する。
【0056】
ゲーム進行部113は、ゲームの進行に関する各種処理を実行する。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0057】
ゲーム進行部113は、ゲーム情報122に含まれるゲーム空間を規定するための情報に基づいて、ゲーム空間を規定する。ゲーム進行部113は、ゲーム情報122に含まれるオブジェクトの設定情報に基づいて、ゲーム空間にオブジェクトを配置する。ゲーム進行部113は、ゲーム空間に配置したオブジェクトを制御する。具体的に、ゲーム進行部113は、ゲーム空間内でのオブジェクトの位置、向き、形状、色等を変更することや、オブジェクトに所定の動作を行わせるように、オブジェクトを制御する。
【0058】
ゲーム進行部113は、ゲーム空間のうちユーザに提示する領域を指定するための仮想カメラを規定する。ゲーム進行部113は、ゲーム空間内での仮想カメラの位置及び向きを規定することにより、ゲーム空間内に仮想カメラを配置する。ゲーム進行部113は、仮想カメラにより規定される視野領域及びこの視野領域に配置されているオブジェクトを描画した画像を生成するように、表示制御部114に指示する。
【0059】
仮想カメラの位置及び向きは、ゲーム空間ごとに適宜決定することができる。例えば、ゲーム進行部113は、特定のオブジェクトの位置や向きを基準とし、特定のオブジェクトが特定の向きで視野領域の中央に位置するように、仮想カメラを配置する。その際、ゲーム進行部113は、特定のオブジェクトに対する方向、距離及び角度を用い、仮想カメラの位置や向きを調整する。特定のオブジェクトは、例えば、操作キャラクタやノンプレイヤキャラクタ等の動的なオブジェクトであってもよいし、建物や木、石等の静的なオブジェクトであってもよい。動的なオブジェクトには、各ユーザの操作に基づいてそれぞれ動作する操作キャラクタと、ゲームプログラム121及び221に基づいて動作するキャラクタ(例えば、ノンプレイヤキャラクタ、敵キャラクタ等)とが含まれる。
【0060】
ゲーム進行部113は、操作受付部111により検知された入力位置の座標及び入力操作の種類等に基づいて、ユーザの指示内容を解釈する。ゲーム進行部113は、解釈した指示内容等に基づいて、ゲームの進行に関わる各種判定処理を実行する。ゲーム進行部113は、判定処理の結果等に基づいて、オブジェクトや仮想カメラ等を制御しながらゲームを進行する。ゲーム進行部113は、ゲームの進行状況に応じて、ゲーム情報122やユーザ情報123を更新、追加又は削除する。
【0061】
表示制御部114は、表示部18に画像を表示させる。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0062】
表示制御部114は、ゲーム空間のうち、ゲーム進行部113が規定する仮想カメラの視野の領域と、その領域に存在するオブジェクトとを描画した画像を生成し、表示部18に表示させる。表示制御部114は、表示部18に表示させる画像に対し、例えば、アイコン、ボタン、各種パラメータを示すメニュー等、ゲームの種々の操作に必要なUI(user interface)に関わるオブジェクトを重畳して描画することができる。
【0063】
[対戦相手と同時にプレイを進行し、プレイの合間に相手のプレイを再生する機能]
本実施形態におけるゲームシステム1は、上述した各構成において、複数のユーザである複数のプレイヤがゲーム空間内で対戦するゲーム(以下、「対戦ゲーム」ともいう。)をプレイする際に、対戦相手とプレイを同時に進行し、プレイの合間に対戦相手のプレイを再生する機能(以下、「同時進行及び相手プレイ再生機能」ともいう。)をさらに有することに特徴がある。この同時進行及び相手プレイ再生機能について、以下に詳細に説明する。
【0064】
以降の説明では、例示的に、二人のプレイヤがゲーム空間内でゴルフゲームをプレイする場合について説明する。説明の便宜上、二人のプレイヤのうち、一方のプレイヤを「第1プレイヤ」といい、他方のプレイヤを「第2プレイヤ」という。また、第1プレイヤが使用する端末装置を「第1端末装置」とし、第2プレイヤが使用する端末装置を「第2端末装置」とする。
【0065】
なお、ゴルフゲームに参加するプレイヤは、二人であることに限定されず、三人以上であってもよい。また、ゲーム空間内に操作キャラクタが存在するゴルフゲーム、及びゲーム空間内に操作キャラクタが存在しないゴルフゲームのどちらにも本発明を適用することができる。
【0066】
対戦ゲームは、ゴルフゲームに限定されない。例えば、アーチェリーゲームやダーツゲーム等のように、各プレイヤに一定の順序で各プレイヤ用のターンが1回以上訪れるターン制のゲームであればよい。
【0067】
[同時進行及び相手プレイ再生機能の一例]
図4を参照して、第1プレイヤ及び第2プレイヤが各プレイをそれぞれ同時に進行し、各プレイの合間に相手のプレイを再生する際の処理の一例について説明する。図4は、第1端末装置10と第2端末装置10とにそれぞれ表示されるプレイの内容を例示するタイミングチャートである。横軸は、プレイ時間tを示す。
【0068】
最初に、時刻t1において、第1プレイヤ及び第2プレイヤが、第1打目のプレーを同期を取って同時に開始する。このとき、第1端末装置10及び第2端末装置10は、サーバ20からプレーの開始を指示する同期信号を、時刻t1に受信することとしてもよいし、時刻t1にプレーを開始させるための同期信号を、時刻t1よりも前に、サーバ20から受信することとしてもよい。
【0069】
第1プレイヤの第1打目のプレイ内容は、第1プレイヤにより入力された第1操作情報に基づいて再生することができる。第1端末装置10のゲーム進行部113は、ゲーム画像を表示する際のフレームごとに、第1操作情報を第2端末装置10宛に送信させる。第2端末装置10のゲーム進行部113は、受信した第1操作情報に基づいて再生可能となるプレイの内容(例えば動画)を、記憶部120に記憶させる。
【0070】
第1操作情報には、例えば、操作されたオブジェクトの動き(操作キャラクタの移動や動作等)に関する情報、選択されたアイテム(操作キャラクタが使用するクラブやボール等)に関する情報、選定された目標落下地点に関する情報(ショットする方向及び目標距離等)、及び操作されたショットに関する情報(スイングの開始、パワー、ショットのタイミング、ボールの打点位置等)が含まれる。
【0071】
他方、第2プレイヤの第1打目のプレイ内容は、第2プレイヤにより入力された第2操作情報に基づいて再生することができる。第2端末装置10のゲーム進行部113は、ゲーム画像を表示する際のフレームごとに、第2操作情報を第1端末装置10宛に送信させる。第1端末装置10のゲーム進行部113は、受信した第2操作情報に基づいて再生可能となるプレイの内容(例えば動画)を、記憶部120に記憶させる。
【0072】
第2操作情報は、上述した第1操作情報と同じ情報を含むため、ここではその説明を省略する。
【0073】
図4の説明に戻る。続いて、時刻t2において、第2プレイヤが、第1打目のプレーを終了すると、記憶部120に記憶されたプレイの内容に基づいて、第1プレイヤの第1打目のプレイ内容を再生する。この再生において、第2端末装置10のゲーム進行部113は、第1プレイヤの第1打目のプレイを再生する時間が、第1プレイヤの第1打目をプレイした時間よりも短くなるように、第1プレイヤの第1打目のプレイを再生する。プレイした時間を短縮させる方法として、例えば、他のプレイヤが見る必要がないシーンをカットしてダイジェストを作成することや、高速で再生すること等が挙げられる。他のプレイヤが見る必要がないシーンとして、例えば、ショットする方向や目標距離等の目標落下地点を微調整しているシーンが該当する。
【0074】
プレーが終了したかどうかは、例えば、プレイヤがショットしたボールが到達地点に到達して止まったかどうかにより判定することができる。到達地点は、例えば、プレイヤが選択したクラブやボールの種類、プレイヤが設定したショットの方向や目標距離、プレイヤがショットするときのパワーやタイミング、ボールの打点位置、風向き、風速、ライの状況等に基づいて算出することができる。
【0075】
続いて、時刻t3において、第1プレイヤが、第1打目のプレーを終了すると、記憶部120に記憶されたプレイの内容に基づいて、第2プレイヤの第1打目のプレイ内容を再生する。
【0076】
続いて、時刻t4において、第1プレイヤの第1打目のプレイ内容の再生が終わり、さらに時刻t5において、第2プレイヤの第1打目のプレイ内容の再生が終わと、第1プレイヤ及び第2プレイヤが、第2打目のプレーを同期を取って同時に開始する。これ以降は、上述した第1打目のプレーと同様に進行するため、説明を省略する。
【0077】
このように、同時進行及び相手プレイ再生機能では、第1ユーザ及び第2ユーザに同時にプレイを開始させ、第1ユーザ及び第2ユーザがそれぞれプレイを進行している際に、対戦相手のプレイを見れないようにしている。これにより、先攻が不利になる問題、すなわち後攻のユーザが先攻のユーザのプレイを見て有利にプレイを進められる問題を解消することができる。
【0078】
[プレイヤが1打ごとにプレイしている間のゲーム進行処理]
図5を参照して、プレイヤが1打ごとにプレイしている間の処理の流れについて説明する。ここでは、例示的に、図4に示す第1端末装置を操作する第1プレイヤがプレイしている間の処理の流れについて説明する。この処理と同様の処理が、第1プレイヤと対戦する第2プレイヤの第2端末装置10でも実行される。
【0079】
図5に示す処理は、例えば、図4の第1端末装置側に表示されるプレイのうち、時刻t1から時刻t3までの間、又は時刻t5から時刻t7までの間に表示されるプレイ中に実行される処理に該当する。1打ごとのプレイは、1打ごとのプレイが開始されてから、ショットされたボールが到達地点に到達して止まるまでのプレイである。
【0080】
最初に、例えば第1打目のプレーが開始され、第1端末装置10の操作受付部111が、第1プレイヤの操作を受け付ける(ステップS101)と、第1端末装置10の送受信部112は、受け付けられた操作に関する第1操作情報を、サーバ20に送信する(ステップS102)。
【0081】
続いて、第1端末装置10のゲーム進行部113は、上記ステップS101で受け付けた第1プレイヤの操作に基づいて、ゲームの画像を生成し、第1プレイヤのプレイ内容を表示させる(ステップS103)とともに、上記ステップS101の処理に戻る。つまり、第1端末装置10は、上記ステップS101から上記ステップS103までの処理を、1打ごとのプレイが行われている間、例えばフレーム単位に繰り返し実行する。
【0082】
サーバ20のサーバ処理部212は、第1端末装置10から第1操作情報を受信すると、その受信した第1操作情報を第2端末装置10に送信する(ステップS104)。
【0083】
続いて、第2端末装置10のゲーム進行部113は、サーバ20から受信した第1操作情報に基づいて再生可能となる第1プレイヤのプレイの内容を、記憶部120に記憶させる(ステップS105)。
【0084】
[1打ごとのプレイの合間に相手のプレイを再生する処理]
図6を参照して、1打ごとのプレイの合間に対戦相手のプレイを再生する処理の流れについて説明する。ここでは、例示的に、図4に示す第1端末装置を操作する第1プレイヤのプレイの合間に実行される処理の流れについて説明する。この処理と同様の処理が、第1プレイヤと対戦する第2プレイヤの第2端末装置10でも実行される。
【0085】
図6に示す処理は、例えば、図4の第1端末装置側に表示されるプレイのうち、時刻t3から時刻t5までの間、又は時刻t7から時刻t8までの間に実行される処理に該当する。
【0086】
最初に、第1プレイヤが、例えば第1打目をショットしたボールが到達地点に到達して止まる(ステップS201)と、第1端末装置10のゲーム進行部113は、記憶部120に記憶された動画に基づいて、第2プレイヤのプレイ内容を、時間を短縮させて再生する(ステップS202)。
【0087】
続いて、第1端末装置10のゲーム進行部113は、第1プレイヤがショットしたボールがカップインしなかった場合(ステップS203;NO)に、次のプレイ(例えば第2打目のプレイ)に移行する(ステップS204)一方、第1プレイヤがショットしたボールがカップインした場合(ステップS203;YES)に、次のホールに移行するか、ゲームを終了する(ステップS205)。
【0088】
上述したように、実施形態に係る端末装置10によれば、第1ユーザにより入力される操作に基づいて第1ユーザのプレイを進行し、第1ユーザのプレイと同期を取って他の端末装置10で同時に開始された第2ユーザのプレイを、第1ユーザのプレイが終了してから、第1ユーザの次のプレイが開始される前までに、第2ユーザがプレイに要した実際の時間よりも短い時間で再生することができる。これにより、第1ユーザと第2ユーザとが交替でプレイをしながらゲームを進行する場合に比べ、第1ユーザのプレイが終わってから次のプレイが始まるまでの時間を短くすることができ、その短くした時間を利用して第2ユーザのリプレイ画像を見せることができる。また、プレイの終了時間がユーザ間で異なる場合であっても、各ユーザのプレイが終了してから次のプレイが同期を取って開始される前までに、対戦相手のリプレイ画像を見せることができる。
【0089】
それゆえ、実施形態に係る端末装置10によれば、待ち時間を削減しつつ、他のプレイヤがどのようにプレイしたのかを確認することが可能となる。
【0090】
さらに、実施形態に係る端末装置10によれば、同期を取ってプレイを開始させることで、先攻及び後攻をなくすことができる。これにより、先攻が不利になる問題、すなわち後攻のユーザが先攻のユーザのプレイを見て有利にプレイを進められる問題を解消することができる。加えて、同期を取ってプレイを開始した各ユーザは、プレーを進行している間に、対戦相手のプレイを見ることができない。それゆえ、対戦ゲームの公平性を向上させることができる。
【0091】
[ソフトウェアによる実現例]
制御部110及び制御部210の制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0092】
後者の場合、制御部110及び制御部210は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラム及び各種データがコンピュータ(又はCPU)で読み取り可能に記録されたROM又は記憶装置(これらを「記録媒体」という。)、上記プログラムを展開するRAM等を備える。そして、コンピュータ(又はCPU)が、上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的を達成することができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等を用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本開示は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0093】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、又は並列に実行することができる。
【0094】
また、上述した実施形態に係るゲームシステム1では、第1プレイヤ及び第2プレイヤが、同期を取って各プレーを同時に開始しているが、必ずしも同時に開始しなくてもよい。第1プレイヤ及び第2プレイヤによる各プレーが重複することが望ましく、例えば、第2ユーザのプレイが、第1ユーザのプレイが終わる前に開始されることとしてもよい。
【0095】
また、上述した実施形態において、端末装置10のゲーム進行部113は、ユーザのプレイが終了してから、ユーザの次のプレイが開始される前までに、対戦相手のプレイ内容を再生しているが、対戦相手のプレイ内容の再生が、進行中の対戦相手のプレイに追いついた場合に、その進行中のプレイをリアルタイムに表示させることとしてもよい。また、対戦相手のプレイ内容の再生は、同期を取って開始された対戦相手のプレイが終了した場合に、その再生をスキップさせ、ユーザの次のプレイを開始させることとしてもよい。
【0096】
また、上述した実施形態において、端末装置10のゲーム進行部113は、第2ユーザのプレイ開始以降に受信された第2操作情報に基づいて第2ユーザのプレイを再生しているが、第2ユーザのプレイを再生する方法は、これに限定さない。例えば、第1端末装置10の送受信部112が、第2ユーザのプレイに対応する第2動画を第2端末装置10から受信し、第1端末装置10のゲーム進行部113が、第2動画に基づいて第2ユーザのプレイを再生することとしてもよい。
【0097】
また、上述した実施形態に係るゲームシステム1は、端末装置10が備える機能のうち少なくとも一部をサーバ20が備えるように構成されていてもよいし、サーバ20が備える機能のうち少なくとも一部を端末装置10が備えるように構成されていてもよい。さらに、端末装置10及びサーバ20以外の他の装置をゲームシステム1の構成要素とし、他の装置にゲームシステム1における処理の少なくとも一部を実行させてもよい。すなわち、本実施形態においてゲームプログラム121及び221を実行するコンピュータは、端末装置10、サーバ20、及び他の装置のいずれであってもよい。
【0098】
また、本発明の実施形態は、以下の付記のようにも記載され得る。
【0099】
[付記1]
ユーザが使用する端末装置(10)であって、前記ユーザが他の端末装置(10)を使用する他のユーザとプレイしながら対戦するゲームを進行するゲーム進行部(113)を備え、前記ゲーム進行部(113)は、前記ユーザにより入力される操作に基づいて前記ユーザのプレイを進行し、前記ユーザのプレイが終わる前に前記他の端末装置(10)において開始された前記他のユーザのプレイを、前記ユーザの次のプレイを開始する前に再生する、端末装置(10)。
【0100】
この構成により、ユーザのプレイが終わる前に他の端末装置で開始された対戦相手のプレイを、ユーザの次のプレイが始まる前に再生することができる。これにより、ユーザと対戦相手とが交替でプレイしながらゲームを進行する場合に比べ、ユーザのプレイが終わってから次のプレイが始まるまでの時間を短くすることができ、その短くした時間を利用して対戦相手のリプレイ画像を見せることができる。したがって、待ち時間を削減しつつ、他のプレイヤがどのようにプレイしたのかを確認することができる。
【0101】
[付記2]
前記ゲームは、前記ユーザ及び前記他のユーザのそれぞれが、1回以上のプレイを行うことで進行するゲームであり、前記ゲーム進行部(113)は、前記他の端末装置(10)において行われる前記他のユーザのプレイと前記ユーザのプレイとを同期を取って開始させる、付記1記載の端末装置(10)。
【0102】
この構成により、ユーザのプレイと対戦相手のプレイとを同期を取って同時に開始させることが可能となる。これにより、上記の待ち時間をさらに削減することができる。さらに、同期を取ってプレイを開始させることで、先攻及び後攻をなくすことができるため、先攻が不利になる(後攻のユーザが先攻のユーザのプレイを見て有利にプレイを進められる)問題を解消することができる。したがって、対戦ゲームの公平性を向上させることができる。
【0103】
[付記3]
前記ゲーム進行部(113)は、前記ユーザのプレイが終了してから、前記ユーザの次のプレイが開始される前までに、前記他のユーザのプレイを再生する、付記2記載の端末装置(10)。
【0104】
この構成により、ユーザのプレイが終了してから、次のプレイが同期を取って開始される前までに、対戦相手のプレイを再生することができる。これにより、プレイの終了時間がユーザ間で異なる場合であっても、各ユーザのプレイが終了してから次のプレイが開始される前までに、対戦相手のリプレイ画像を見せることで待ち時間を解消させることが可能となる。
【0105】
[付記4]
前記ゲーム進行部(113)は、前記ユーザのプレイを進行させている間に、前記他のユーザのプレイを表示させない、請求項3記載の端末装置(10)。
【0106】
この構成により、同期を取ってプレイを開始した各ユーザは、プレーを進行している間に、対戦相手のプレイを見ることができないため、対戦ゲームの公平性をさらに向上させることができる。
【0107】
[付記5]
前記ゲーム進行部(113)は、前記他のユーザのプレイを再生する時間が、前記他のユーザがプレイした時間よりも短くなるように、前記他のユーザのプレイを再生する、付記1から4のいずれか一つに記載の端末装置(10)。
【0108】
この構成により、対戦相手のリプレイ画像をプレイに要した実際の時間よりも短い時間で見ることができるため、ユーザのプレイが終わってから次のプレイが始まるまでの時間をさらに短縮することができる。
【0109】
[付記6]
前記ゲーム進行部(113)は、前記他のユーザのプレイの再生が、前記他の端末装置(10)において行われている前記他のユーザのプレイに追いついた場合に、前記他のユーザのプレイをリアルタイムに表示させる、付記5記載の端末装置(10)。
【0110】
この構成により、プレイに要した実際の時間よりも短い時間で再生されるリプレイ画像が、進行中のプレイに追いついた場合には、その進行中のプレイをリアルタイムに見せることで、上記の待ち時間を解消させることが可能となる。
【0111】
[付記7]
前記ユーザにより入力される操作に関する第1操作情報を前記他の端末装置(10)に送信する送信部(112)と、前記他の端末装置(10)において前記他のユーザにより入力される操作に関する第2操作情報を受信する受信部(112)と、をさらに備え、前記ゲーム進行部(113)は、前記他のユーザのプレイ開始以降に受信された前記第2操作情報に基づいて前記他のユーザのプレイを再生する、付記1から6のいずれか一つに記載の端末装置(10)。
【0112】
この構成により、ユーザが次のプレイを開始する前に見る対戦相手のリプレイ画像を、対戦相手のプレイが開始されてからその対戦相手によって入力された操作情報に基づいて再生することができる。
【0113】
[付記8]
前記ユーザのプレイに対応する第1動画を前記他の端末装置(10)に送信する送信部(112)と、前記他のユーザのプレイに対応する第2動画を受信する受信部(112)と、をさらに備え、前記ゲーム進行部(113)は、前記第2動画に基づいて前記他のユーザのプレイを再生する、付記1から6のいずれか一つに記載の端末装置(10)。
【0114】
この構成により、ユーザが次のプレイを開始する前に見る対戦相手のリプレイ画像を、対戦相手のプレイに対応する動画に基づいて再生することができる。
【0115】
[付記9]
ユーザが使用する端末装置(10)のプロセッサ(11)により実行されるゲーム方法であって、前記プロセッサ(11)が、前記ユーザが他の端末装置(10)を使用する他のユーザとプレイしながら対戦するゲームを進行するステップを実行し、前記ゲームを進行するステップは、前記ユーザにより入力される操作に基づいて前記ユーザのプレイを進行し、前記ユーザのプレイが終わる前に前記他の端末装置(10)において開始された前記他のユーザのプレイを、前記ユーザの次のプレイを開始する前に再生する、ゲーム方法。
【0116】
この構成により、ユーザのプレイが終わる前に他の端末装置で開始された対戦相手のプレイを、ユーザの次のプレイが始まる前に再生することができる。これにより、ユーザと対戦相手とが交替でプレイしながらゲームを進行する場合に比べ、ユーザのプレイが終わってから次のプレイが始まるまでの時間を短くすることができ、その短くした時間を利用して対戦相手のリプレイ画像を見せることができる。したがって、待ち時間を削減しつつ、他のプレイヤがどのようにプレイしたのかを確認することができる。
【0117】
[付記10]
ユーザが使用する端末装置(10)のプロセッサ(11)に実行させるゲームプログラム(121)であって、前記プロセッサ(11)に、前記ユーザが他の端末装置(10)を使用する他のユーザとプレイしながら対戦するゲームを進行させるステップを実行させ、前記ゲームを進行するステップにおいて、前記ユーザにより入力される操作に基づいて前記ユーザのプレイを進行させ、前記ユーザのプレイが終わる前に前記他の端末装置(10)において開始された前記他のユーザのプレイを、前記ユーザの次のプレイを開始させる前に再生させる、ゲームプログラム(121)。
【0118】
この構成により、ユーザのプレイが終わる前に他の端末装置で開始された対戦相手のプレイを、ユーザの次のプレイが始まる前に再生することができる。これにより、ユーザと対戦相手とが交替でプレイしながらゲームを進行する場合に比べ、ユーザのプレイが終わってから次のプレイが始まるまでの時間を短くすることができ、その短くした時間を利用して対戦相手のリプレイ画像を見せることができる。したがって、待ち時間を削減しつつ、他のプレイヤがどのようにプレイしたのかを確認することができる。
【0119】
[付記11]
第1ユーザが使用する第1端末装置(10)と、第2ユーザが使用する第2端末装置(10)とを含むゲームシステム(1)であって、前記第1端末装置(10)は、前記第1ユーザが前記第2ユーザとプレイしながら対戦するゲームを進行する第1ゲーム進行部(113)を備え、前記第2端末装置(10)は、前記第2ユーザが前記第1ユーザとプレイしながら対戦するゲームを進行する第2ゲーム進行部(113)を備え、前記第1ゲーム進行部(113)は、前記第1ユーザにより入力される操作に基づいて前記第1ユーザのプレイを進行し、前記第1ユーザのプレイが終わる前に前記第2端末装置(10)において開始された前記第2ユーザのプレイを、前記第1ユーザの次のプレイを開始する前に再生し、前記第2ゲーム進行部(113)は、前記第2ユーザにより入力される操作に基づいて前記第2ユーザのプレイを進行し、前記第2ユーザのプレイが終わる前に前記第1端末装置(10)において開始された前記第1ユーザのプレイを、前記第2ユーザの次のプレイを開始する前に再生する、ゲームシステム(1)。
【0120】
この構成により、ユーザのプレイが終わる前に他の端末装置で開始された対戦相手のプレイを、ユーザの次のプレイが始まる前に再生することができる。これにより、ユーザと対戦相手とが交替でプレイしながらゲームを進行する場合に比べ、ユーザのプレイが終わってから次のプレイが始まるまでの時間を短くすることができ、その短くした時間を利用して対戦相手のリプレイ画像を見せることができる。したがって、待ち時間を削減しつつ、他のプレイヤがどのようにプレイしたのかを確認することができる。
【符号の説明】
【0121】
1…ゲームシステム、10…端末装置、11…プロセッサ、12…メモリ、13…ストレージ、14…通信IF、15…入出力IF、16…タッチスクリーン、17…入力部、18…表示部、20…サーバ、21…プロセッサ、22…メモリ、23…ストレージ、24…通信IF、25…入出力IF、110…制御部、111…操作受付部、112…送受信部、113…ゲーム進行部、114…表示制御部、120…記憶部、121…ゲームプログラム、122…ゲーム情報、123…ユーザ情報、210…制御部、211…送受信部、212…サーバ処理部、213…データ管理部、214…同期処理部、220…記憶部、221…ゲームプログラム、222…ゲーム情報、223…ユーザ情報、N…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6