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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】充電コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20240215BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
H01R13/52 D
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020054322
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021157871
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】久郷 和輝
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-188194(JP,A)
【文献】特開2014-003005(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被ロック部を有するインレットと前後方向に沿って嵌合可能な充電コネクタであって、
前記充電コネクタは、ロック部と、ボタン部材と、操作規制機構とを備えており、
前記ロック部と前記被ロック部とは、前記インレットと前記充電コネクタの嵌合状態をロックするものであり、
前記ボタン部材は、操作部と、カバー部と、被規制部とを有しており、
前記操作部は、前記前後方向と直交する上下方向において下方に押圧操作可能であり、
前記カバー部は、前記上下方向において、前記操作部の下方に位置しており、
前記カバー部は、下面を有しており、
前記被規制部は、前記カバー部の前記下面に設けられており、
前記操作規制機構は、可動部と、駆動部とを備えており、
前記駆動部は、規制位置と解除位置との間で前記可動部を駆動するものであり、
前記可動部は、規制部を有しており、
前記可動部が前記規制位置にあるとき、前記規制部は、前記被規制部の下方に向かう移動を規制して、前記操作部の下方への移動を規制し、
前記可動部が前記解除位置にあるとき、前記規制部は、前記被規制部の下方に向かう移動を許容して、前記操作部の下方への移動を許容し、
前記上下方向において上方から見たときに、前記規制部と前記被規制部とは前記カバー部に覆われており、
前記カバー部は、上部と保護部とを有しており、
前記保護部は、前記上部から前記上下方向において下方へ延びており、
前記操作部は前記上部上に形成されており、
前記上部と前記保護部とは、保護室を形成しており、
前記カバー部の前記下面は、前記上部の下面であり、
前記被規制部は、前記上部の前記下面から下方に延びている
充電コネクタ。
【請求項2】
請求項に記載の充電コネクタであって、
前記可動部が前記規制位置にあるとき、前記規制部と前記被規制部とは前記保護室内において対向している
充電コネクタ。
【請求項3】
請求項に記載の充電コネクタであって、
前記充電コネクタは前記前後方向において前端に前記インレットと嵌合する嵌合部を有しており、
前記操作規制機構は、付加的保護室を有しており、
前記付加的保護室は、前記前後方向において前記駆動部の後方に位置して前記可動部を部分的に収容しており、
前記付加的保護室の上部には開口部が設けられており、
前記可動部が前記規制位置にあるとき、前記規制部と前記被規制部とは、前記開口部を通じて、互いに対向している
充電コネクタ。
【請求項4】
請求項に記載の充電コネクタであって、
前記開口部の周囲には、前記上下方向及び前記前後方向と直交する横方向と交差する方向に延びる遮蔽部が設けられている
充電コネクタ。
【請求項5】
請求項に記載の充電コネクタであって、
前記上下方向において上方から見たとき、前記遮蔽部は、前記保護部の下端で形成される領域内に位置している
充電コネクタ。
【請求項6】
請求項又は請求項に記載の充電コネクタであって、
前記横方向に沿って見たとき、前記遮蔽部は、前記保護部と少なくとも部分的に重なっている
充電コネクタ。
【請求項7】
請求項から請求項までのいずれか一つに記載の充電コネクタであって、
前記操作規制機構は、ソレノイドを備えており、
前記ソレノイドは、コイルとプランジャとを備えており、
前記コイルは、前記駆動部を少なくとも部分的に構成しており、
前記プランジャは、前記可動部を少なくとも部分的に構成しており、
前記プランジャは、前記駆動部から前記付加的保護室内に延びている
充電コネクタ。
【請求項8】
請求項に記載の充電コネクタであって、
前記操作規制機構は、前記プランジャと連動して移動するロックプレートを備えており、
前記規制部は、前記ロックプレートに設けられている
充電コネクタ。
【請求項9】
請求項に記載の充電コネクタであって、
前記操作規制機構は、更にスプリングとハウジングとを備えており、
前記スプリングは、前記ロックプレートに前記ソレノイド側へ向かう力を加えており、
前記ハウジングは、前記ソレノイド、前記ロックプレート及び前記スプリングを保持しており、
前記ハウジングは、前記付加的保護室を構成している
充電コネクタ。
【請求項10】
請求項に記載の充電コネクタであって、
前記充電コネクタは、ボディを更に備えており、
前記ボディには、表示窓が設けられており、
前記ロックプレートには、ロック標識が設けられており、
前記操作規制機構の前記ハウジングは、前記ロック標識を覆っており、
前記可動部が前記規制位置にあるとき、前記ロック標識が前記ハウジング及び前記表示窓を通して見える
充電コネクタ。
【請求項11】
請求項から請求項10までのいずれか一つに記載の充電コネクタであって、
前記プランジャの移動方向は、前記前後方向と交差している
充電コネクタ。
【請求項12】
請求項から請求項11までのいずれか一つに記載の充電コネクタであって、
前記操作規制機構には軸受部が設けられており、
前記ボタン部材は、前記軸受部に回転可能に支持された軸のまわりでシーソー運動可能であり、
前記軸受部は、前記前後方向において前記開口部の前方に位置しており、前記上下方向及び前記前後方向と直交する横方向において前記開口部よりも大きなサイズを有している充電コネクタ。
【請求項13】
請求項1から請求項11のいずれか一つに記載の充電コネクタであって、
前記充電コネクタは、ロックレバーを備えており、
前記ロック部は前記ロックレバーに設けられており、
前記ロックレバーは、前記前後方向において前記ロック部から離れている後端部を有しており、
前記操作規制機構には軸受部が設けられており、
前記ボタン部材は、前記軸受部に回転可能に支持された軸のまわりでシーソー運動可能であり、
前記ボタン部材は、下延部と上延部とを有しており、
前記下延部と前記上延部とは、前記上下方向において離れて対向しており、
前記ロックレバーの前記後端部は、前記下延部と前記上延部との間に位置しており、
前記ロック部が下がるとき、前記ロックレバーの前記後端部が前記ボタン部材の前記上延部を上側に押し上げ、それによって前記ボタン部材の前記操作部が下向きに移動し、
前記操作部を押下したとき、前記ボタン部材の前記下延部が前記ロックレバーの前記後端部を上側に押し上げ、それによって前記ロック部が下がり、
前記ロックレバーが初期位置にあるとき、前記下延部は、前記ロックレバーの前記後端部から離れて位置している
充電コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電コネクタに関し、特に、屋外で使用される充電コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
屋外での使用を想定した充電コネクタが存在する。例えば、電気自動車の充電に使用される充電コネクタは、屋外での使用を想定している。この種の充電コネクタの一例は、特許文献1に記載されている。
【0003】
図14に示されるように、特許文献1の充電コネクタ90は、ボディ901と、ロックレバー903と、リリース機構905と、リリース規制機構907とを備えている。ロックレバー903は、ロック部913を有している。ロック部913は、充電コネクタ90がインレット95と嵌合したとき、被ロック部951と係り合い、充電コネクタ90とインレット95との嵌合状態をロックする。リリース機構905は、リリースボタン915を有している。リリースボタン915が操作されると、リリース機構905は、充電コネクタ90とインレット95との嵌合状態のロックを解除する。リリース規制機構907は、所定の条件下において、リリース機構905による嵌合状態のロックが解除されることを規制する。
【0004】
図14から理解されるように、ロックレバー903及びリリースボタン915の夫々は、ボディ901の内側から外側に亘って配置されている。また、ロックレバー903及びリリースボタン915の夫々は、ボディ901に対して動くように取り付けられている。そのため、ロックレバー903及びリリースボタン915の夫々とボディ901との間には、必然的に隙間が存在する。そして、この隙間は、雨等の水の浸入口となり得る。ボディ901内に浸入した水を外部へ排出するため、充電コネクタ90には、排水口(図示せず)が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-27824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の充電コネクタ90において、ボディ901の内部に浸入した水は、排水口から全て排出されるとは限らない。そして、ボディ901内に残った水は、外気温の低下によって凍る場合がある。ボディ901内において凍った水は、ボディ901の内部に配置された可動部の動きを妨げる虞がある。
【0007】
そこで、本発明は、充電コネクタの内部に浸入した水が凍ったとしても、可動部の移動に影響しない充電コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1の充電コネクタとして、
被ロック部を有するインレットと前後方向に沿って嵌合可能な充電コネクタであって、
前記充電コネクタは、ロック部と、ボタン部材と、操作規制機構とを備えており、
前記ロック部と前記被ロック部とは、前記インレットと前記充電コネクタの嵌合状態をロックするものであり、
前記ボタン部材は、操作部と、カバー部と、被規制部とを有しており、
前記操作部は、前記前後方向と直交する上下方向において下方に押圧操作可能であり、
前記カバー部は、前記上下方向において、前記操作部の下方に位置しており、
前記カバー部は、下面を有しており、
前記被規制部は、前記カバー部の前記下面に設けられており、
前記操作規制機構は、可動部と、駆動部とを備えており、
前記駆動部は、規制位置と解除位置との間で前記可動部を駆動するものであり、
前記可動部は、規制部を有しており、
前記可動部が前記規制位置にあるとき、前記規制部は、前記被規制部の下方に向かう移動を規制して、前記操作部の下方への移動を規制し、
前記可動部が前記解除位置にあるとき、前記規制部は、前記被規制部の下方に向かう移動を許容して、前記操作部の下方への移動を許容し、
前記上下方向において上方から見たときに、前記規制部と前記被規制部とは前記カバー部に覆われている
充電コネクタを提供する。
【0009】
本発明は、第2の充電コネクタとして、第1の充電コネクタであって、
前記カバー部は、上部と保護部とを有しており、
前記保護部は、前記上部から前記上下方向において下方へ延びており、
前記操作部は前記上部上に形成されており、
前記上部と前記保護部とは、保護室を形成しており、
前記カバー部の前記下面は、前記上部の下面であり、
前記被規制部は、前記上部の前記下面から下方に延びている
充電コネクタを提供する。
【0010】
本発明は、第3の充電コネクタとして、第2の充電コネクタであって、
前記可動部が前記規制位置にあるとき、前記規制部と前記被規制部とは前記保護室内において対向している
充電コネクタを提供する。
【0011】
本発明は、第4の充電コネクタとして、第3の充電コネクタであって、
前記充電コネクタは前記前後方向において前端に前記インレットと嵌合する嵌合部を有しており、
前記操作規制機構は、付加的保護室を有しており、
前記付加的保護室は、前記前後方向において前記駆動部の後方に位置して前記可動部を部分的に収容しており、
前記付加的保護室の上部には開口部が設けられており、
前記可動部が前記規制位置にあるとき、前記規制部と前記被規制部とは、前記開口部を通じて、互いに対向している
充電コネクタを提供する。
【0012】
本発明は、第5の充電コネクタとして、第4の充電コネクタであって、
前記開口部の周囲には、前記上下方向及び前記前後方向と直交する横方向と交差する方向に延びる遮蔽部が設けられている
充電コネクタを提供する。
【0013】
本発明は、第6の充電コネクタとして、第5の充電コネクタであって、
前記上下方向において上方から見たとき、前記遮蔽部は、前記保護部の下端で形成される領域内に位置している
充電コネクタを提供する。
【0014】
本発明は、第7の充電コネクタとして、第5又は第6の充電コネクタであって、
前記横方向に沿って見たとき、前記遮蔽部は、前記保護部と少なくとも部分的に重なっている
充電コネクタを提供する。
【0015】
本発明は、第8の充電コネクタとして、第4から第7の充電コネクタのいずれか一つであって、
前記操作規制機構は、ソレノイドを備えており、
前記ソレノイドは、コイルとプランジャとを備えており、
前記コイルは、前記駆動部を少なくとも部分的に構成しており、
前記プランジャは、前記可動部を少なくとも部分的に構成しており、
前記プランジャは、前記駆動部から前記付加的保護室内に延びている
充電コネクタを提供する。
【0016】
本発明は、第9の充電コネクタとして、第8の充電コネクタであって、
前記操作規制機構は、前記プランジャと連動して移動するロックプレートを備えており、
前記規制部は、前記ロックプレートに設けられている
充電コネクタを提供する。
【0017】
本発明は、第10の充電コネクタとして、第9の充電コネクタであって、
前記操作規制機構は、更にスプリングとハウジングとを備えており、
前記スプリングは、前記ロックプレートに前記ソレノイド側へ向かう力を加えており、
前記ハウジングは、前記ソレノイド、前記ロックプレート及び前記スプリングを保持しており、
前記ハウジングは、前記付加的保護室を構成している
充電コネクタを提供する。
【0018】
本発明は、第11の充電コネクタとして、第10の充電コネクタであって、
前記充電コネクタは、ボディを更に備えており、
前記ボディには、表示窓が設けられており、
前記ロックプレートには、ロック標識が設けられており、
前記操作規制機構の前記ハウジングは、前記ロック標識を覆っており、
前記可動部が前記規制位置にあるとき、前記ロック標識が前記ハウジング及び前記表示窓を通して見える
充電コネクタを提供する。
【0019】
本発明は、第12の充電コネクタとして、第8から第11の充電コネクタのいずれか一つであって、
前記プランジャの移動方向は、前記前後方向と交差している
充電コネクタを提供する。
【0020】
本発明は、第13の充電コネクタとして、第4から第12の充電コネクタのいずれか一つであって、
前記操作規制機構には軸受部が設けられており、
前記ボタン部材は、前記軸受部に回転可能に支持された軸のまわりでシーソー運動可能であり、
前記軸受部は、前記前後方向において前記開口部の前方に位置しており、前記上下方向及び前記前後方向と直交する横方向において前記開口部よりも大きなサイズを有している充電コネクタを提供する。
【0021】
本発明は、第14の充電コネクタとして、第1から第12の充電コネクタのいずれか一つであって、
前記充電コネクタは、ロックレバーを備えており、
前記ロック部は前記ロックレバーに設けられており、
前記ロックレバーは、前記前後方向において前記ロック部から離れている後端部を有しており、
前記操作規制機構には軸受部が設けられており、
前記ボタン部材は、前記軸受部に回転可能に支持された軸のまわりでシーソー運動可能であり、
前記ボタン部材は、下延部と上延部とを有しており、
前記下延部と前記上延部とは、前記上下方向において離れて対向しており、
前記ロックレバーの前記後端部は、前記下延部と前記上延部との間に位置しており、
前記ロック部が下がるとき、前記ロックレバーの前記後端部が前記ボタン部材の前記上延部を上側に押し上げ、それによって前記ボタン部材の前記操作部が下向きに移動し、
前記操作部を押下したとき、前記ボタン部材の前記下延部が前記ロックレバーの前記後端部を上側に押し上げ、それによって前記ロック部が下がり、
前記ロックレバーが初期位置にあるとき、前記下延部は、前記ロックレバーの前記後端部から離れて位置している
充電コネクタを提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の充電コネクタにおいて、ボタン部材の規制部と操作規制機構の被規制部とは、上方から見たときに、ボタン部材のカバー部に覆われている。それゆえ、ボタン部材の周囲から充電コネクタの内部に浸入した水は、カバー部に遮られ、実質的に規制部及び被規制部に到達できない。これにより、充電コネクタの内部に浸入した水が凍っても、規制部及び被規制部は移動可能な状態に保たれる。換言すると、充電コネクタの可動部は、内部に浸入した水が凍った場合でも、その影響を受けることなく移動可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施の形態による充電コネクタを示す斜視図である。充電コネクタは、ケーブルの一端に取り付けられている。
図2図1の充電コネクタを示す分解斜視図である。
図3図1の充電コネクタを示す正面図である。
図4図3の充電コネクタを示すA-A線断面図である。但し、充電コネクタに含まれるプラグは、側面図として描かれている。また、充電コネクタは、ケーブルに取り付けられていない。
図5図4の充電コネクタに含まれるロック機構組立体を示す断面図である。ロック機構組立体に含まれるロックレバー及びボタン部材は、夫々初期位置に位置している。また、ロック機構組立体に含まれる操作規制機構の可動部は、解除位置に位置している。
図6図4の充電コネクタに含まれるロック機構組立体を示す別の断面図である。ロックレバー及びボタン部材は、夫々初期位置に位置している。また、操作規制機構の可動部は、規制位置に位置している。
図7図2の充電コネクタに含まれるロック機構組立体を示す分解斜視図である。
図8図2の充電コネクタに含まれるロック機構組立体を示す別の分解斜視図である。
図9図7又は図8のロック機構組立体に含まれる筐体を示す斜視図である。
図10図9の筐体を示す背面図である。
図11図2の充電コネクタに含まれるロック機構組立体を示す平面図である。
図12図11のロック機構組立体を示す側面図である。
図13図11のロック機構組立体を示す背面図である。
図14】特許文献1に記載された充電コネクタ及びインレットを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1を参照すると、本発明の一実施の形態による充電コネクタ10は、ケーブル80の一端に取り付けられている。充電コネクタ10は、被ロック部(図示せず)を有するインレット(図示せず)と前後方向に沿って嵌合可能なコネクタである。充電コネクタ10は、前後方向においてその前端に嵌合部12を有している。本実施の形態において、前後方向はY方向である。-Y方向が前方であり、+Y方向が後方である。
【0025】
図2に示されるように、充電コネクタ10は、ボディ20と、プラグ30と、ロック機構組立体40とを備えている。ボディ20は、一対のシェル201,203からなり、胴部22とグリップ部24とを有している。プラグ30及びロック機構組立体40は、ボディ20に保持されている。
【0026】
図1から理解されるように、ボディ20の胴部22は、前後方向に延びている。胴部22は、嵌合部12の一部を部分的に構成する。グリップ部24は、胴部22から斜め下後方へ延びている。胴部22には、ロック開口部221とボタン開口部223とが設けられている。また、グリップ部24には、表示窓241が設けられている。ロック開口部221、ボタン開口部223及び表示窓241は、雨などの水の浸入口となり得る。本実施の形態において、上下方向は、前後方向と直交するZ方向である。+Z方向が上方であり、-Z方向が下方である。
【0027】
図2に示されるように、プラグ30は、胴部22の前部に設けられている。ロック機構組立体40は、胴部22からグリップ部24にかけて設けられている。胴部22には、ロック機構組立体40に作用するロックバネ227が設けられている。プラグ30にはケーブル80が接続されている。ケーブル80は、グリップ部24の後部から外部へ延びている。
【0028】
図3及び図4から理解されるように、プラグ30は、ボディ20の胴部22から部分的に前方へ突出している。前後方向において、プラグ30の前端32は、充電コネクタ10の前端を形成している。プラグ30の突出部分は、嵌合部12の残りの部分を構成している。なお、プラグ30は、本願発明に直接関係がないので、その詳細な説明は省略する。
【0029】
図7及び図8に示されるように、ロック機構組立体40は、ベース部42と、筐体48と、ソレノイド52と、ロックプレート54と、ボタン部材56と、ロックレバー60と、スプリング621,623と、固定ネジ641,643,645と、回転軸661,663,665,667とを備えている。
【0030】
図7から理解されるように、ベース部42は、ベースプレート44とセンサ部46とを有している。図5及び図6に示されるように、ベースプレート44は、第1所定方向D1に夫々延びる前部441と中央部443と後部445とを有している。前部441と中央部443との間には、段差が設けられている。中央部443と後部445との間にも、段差が設けられている。但し、本発明はこれに限られない。ベースプレート44は、段差を有しないシンプルな形状であってもよい。センサ部46は、ベースプレート44の前部441に搭載されている。本実施の形態において、第1所定方向D1は、前後方向と交差する方向である。第1所定方向D1は、前後方向及び上下方向の双方と直交する横方向と直交する方向でもある。本実施の形態において、横方向はX方向である。なお、センサ部46は、本発明に直接関係がないので、その詳細な説明を省略する。
【0031】
図7から図9に示されるように、筐体48は、前部481と、中央部483と、後部485とを有している。本実施の形態において、筐体48は、透明な材料を用いて形成される。図5及び図6から理解されるように、前部481は、第1所定方向D1において、中央部483の上側前部から斜め上前方へ延びている。後部485は、第1所定方向D1において、中央部483の下側後部から斜め下後方へ延びている。
【0032】
図7から図10までの図から理解されるように、筐体48の中央部483は、上部491と、一対の側壁493と、後壁495とを有している。側壁493は、上部491の横方向両側に位置し、上下方向において下方へ延びている。詳しくは、側壁493は、第1所定方向D1と直交する第2所定方向D2において、斜め下方向へ延びている。後壁495は、上部491の後縁から上下方向において下方へ延びている。詳しくは、後壁495は、第2所定方向D2において、斜め下方向へ延びている。また、後壁495は、横方向において、側壁493の後縁同士を連結している。
【0033】
図9に示されるように、筐体48の上部491には、開口部501と、軸受部503とが設けられている。軸受部503は、前後方向において開口部501の前方に位置している。図10から理解されるように、軸受部503は、横方向において開口部501よりも大きなサイズを有している。開口部501は、水の通り道となり得るが、軸受部503は、水が開口部501へ向かうのを阻止する。詳しくは、筐体48の上部491表面上を第1所定方向D1に沿って斜め下後方へ向かう水を遮り、開口部501内に入るのを妨げる。
【0034】
図9及び図10に示されるように、開口部501の周囲には、横方向と交差する方向に延びる一対の遮蔽部505が設けられている。本実施の形態において、遮蔽部505は、側壁493の一部であり、横方向と直交する方向に延びている。また、遮蔽部505の上縁には段差が設けられている。但し、本発明はこれに限られない。遮蔽部505は、側壁493から独立して、又は側壁493に代えて設けられてもよい。また、遮蔽部505は、互いに交差する方向に延びるように設けられてもよい。その場合、遮蔽部505は、開口部501から遠ざかるにしたがって、互いの距離が大きくなるように設けられてよい。更に、遮蔽部505の上縁は直線状や曲線状であってもよい。
【0035】
図7及び図8から理解されるように、筐体48は、固定ネジ641,643を用いてベース部42のベースプレート44に固定される。筐体48とベースプレート44とは、ハウジング403を構成する。ハウジング403は、ソレノイド52、ロックプレート54及びスプリング621,623を保持する。そして、ハウジング403、ソレノイド52、ロックプレート54及びスプリング621,623は、操作規制機構401を構成する。このように、充電コネクタ10は、操作規制機構401を備えており、操作規制機構401は、ハウジング403、ソレノイド52、ロックプレート54及びスプリング621,623を備えている。
【0036】
図5及び図6に示されるように、ソレノイド52は、ベースプレート44の中央部443に搭載され、ハウジング403の内部に収容される。ハウジング403の内部には、ソレノイド52の後方に付加的保護室405が残される。このように、ハウジング403は、付加的保護室405を構成している。換言すると、操作規制機構401は、付加的保護室405を有している。
【0037】
図5から図8に示されるように、ソレノイド52は、枠体521と、コイル523と、固定鉄心525と、プランジャ527と、復帰スプリング529とを備えている。枠体521は、固定ネジ643,645を用いて筐体48に固定される。コイル523は枠体521の内側に配置されている。固定鉄心525はコイル523の内側に配置されている。プランジャ527はコイル523の内側に部分的に挿入されている。プランジャ527の後端は、第1所定方向D1において、コイル523から斜め下後方へ突出している。プランジャ527の前端には、プッシュピン531が設けられている。プッシュピン531は、固定鉄心525及び枠体521を貫通し、第1所定方向D1において斜め上前方へ突出している。復帰スプリング529は、第1所定方向D1において、プランジャ527に対して斜め下後方へ向かう力を加えている。
【0038】
図5及び図6から理解されるように、ソレノイド52のプランジャ527は、枠体521、コイル523及び固定鉄心525に対して移動可能である。プランジャ527は、操作規制機構401における可動部407を少なくとも部分的に構成する。本実施の形態において、プランジャ527は可動部407を部分的に構成している。プランジャ527は、前後方向と交差する第1所定方向D1に沿って移動可能である。プランジャ527の移動方向を、前後方向に対して傾かせたことで、前後方向において、充電コネクタ10のサイズを小さくすることができる。
【0039】
図5及び図6から理解されるように、ソレノイド52のコイル523は、操作規制機構401における可動部407を駆動する駆動部409を少なくとも部分的に構成する。本実施の形態において、コイル523は、駆動部409を部分的に構成する。詳しくは、コイル523は、固定鉄心525及び復帰スプリング529とともに駆動部409を構成する。このように、操作規制機構401は、駆動部409を備えている。駆動部409は、規制位置と解除位置との間で可動部407を駆動する。
【0040】
図5及び図6に示されるように、付加的保護室405は、前後方向において駆動部409の後方に位置し、可動部407を部分的に収容している。プランジャ527は、駆動部409から付加的保護室405内に延びている。また、筐体48の開口部501は、付加的保護室405の上部に設けられている。
【0041】
図5から図8までの図に示されるように、ロックプレート54は、スライド部541と被駆動部543とを有している。スライド部541は、第1所定方向D1に延びている。被駆動部543は、前後方向においてスライド部541の前端に位置している。被駆動部543は、スライド部541から第2所定方向D2に延びている。ロックプレート54は、横方向に沿って見たとき、略L字形状を有している。被駆動部543の上端は、規制部545を形成する。換言すると、規制部545は、ロックプレート54に設けられている。被駆動部543は、付加的保護室405内に部分的に収容され、開口部501を通して筐体48の外部へ突出している。本実施の形態において、規制部545は、筐体48の外に位置している。但し、本発明はこれに限られない。規制部545は、付加的保護室405内に位置していてもよい。
【0042】
図4から図7に示されるように、ロックプレート54には、ロック標識547が設けられている。ロック標識547は、樹脂板やラベルあるいは塗料を用いて形成されてよい。ロック標識547は、駆動部409が規制位置に位置するとき、表示窓241を通して見える位置に設けられる。本実施の形態において、ロック標識547はスライド部541の上面に設けられている。しかしながら、本発明はこれに限られない。ロック標識547は、ロックプレート54の形状や表示窓241に位置に応じてその位置を変更することができる。また、ロック標識547に代えて解除標識を設け、駆動部409が解除位置に位置するとき、表示窓241を通して解除標識を目視できるようにしてもよい。
【0043】
図5及び図6に示されるように、ロックプレート54は、ベースプレート44上であって、ソレノイド52の後方に配置される。ロックプレート54の被駆動部543は、第1所定方向D1において、ソレノイド52のプランジャ527の後端と対向している。ロックプレート54とベースプレート44との間には、回転軸661,663が設けられる。ロックプレート54は、回転軸661,663の上を、第1所定方向D1に移動可能である。本実施の形態において、ロックプレート54は、プランジャ527と連動して第1所定方向D1に移動可能である。換言すると、ロックプレート54は、プランジャ527とともに操作規制機構401の可動部407を構成する。このように操作規制機構401は、可動部407を備えており、可動部407は、規制部545を有している。
【0044】
図7及び図8に示されるように、ボタン部材56は、ボタン部561と、カバー部563と、被規制部565とを有している。ボタン部561の上面は、操作部567として機能する。即ち、ボタン部材56は操作部567を有している。本実施の形態において、操作部567は、二つの平面とそれらの間の曲面とを有している。但し、本発明はこれに限られない。操作部567の形状は任意に変更可能である。
【0045】
図7及び図8から理解されるように、カバー部563は、上部571と保護部573とを有している。本実施の形態において、上部571は、階段状に形成されている。但し、本発明はこれに限られない。上部571は、単一平板状に構成されてもよい。操作部567は、カバー部563の上部571上に設けられている。換言すると、カバー部563は、上下方向において、操作部567の下方に位置している。
【0046】
図7及び図8に示されるように、カバー部563の保護部573は、上部571から上下方向において下方へ延びている。保護部573には、横方向において保護部573を貫通する軸孔575が形成されている。上部571と保護部573とは、保護室577を形成する。上部571は、保護室577を部分的に規定する下面579を有している。上部571の下面579は、カバー部563の下面579である。下面579には、回転軸665に対応する凹部581が形成されている。また、下面579には、被規制部565が設けられている。被規制部565は、カバー部563の下面579から下方に延びている。
【0047】
図7及び図8に示されるように、ボタン部材56は、更に上延部583と、下延部585と、ガイド部587とを有している。ガイド部587は、カバー部563上に形成されている。ガイド部587は、前後方向において、ボタン部材56の略中央に位置している。上延部583は、カバー部563のガイド部587から前方へ突出している。下延部585は、カバー部563の上部571から前方へ延びている。但し、下延部585とカバー部563の上部571との間に明確な境界は存在しない。上延部583と下延部585とは、上下方向において離れて対向している。本実施の形態において、上延部583と下延部585とは、支持壁589によって連結されている。
【0048】
図5及び図6から理解されるように、ボタン部材56は、回転軸665を用いて操作規制機構401に設けられた軸受部503に取り付けられる。回転軸665は、軸受部503に回転可能に支持され、ボタン部材56は、回転軸665の周りでシーソー運動可能である。図1及び図4に示されるように、ボタン部561は、無負荷状態のとき、少なくとも部分的にボディ20のボタン開口部223から外部へ突出している。そして、操作部567は、ボディ20の外に位置している。
【0049】
図5図6及び図11から図13までの図から理解されるように、カバー部563は、上下方向において上方から筐体48の開口部501の周辺を覆っている。詳しくは、筐体48の開口部501は、カバー部563が形成する保護室577内に位置する。また、軸受部503は、保護室577に受容されている。遮蔽部505及び後壁495の夫々は、少なくとも部分的に保護室577に受容される。これにより、上下方向において上方から見たとき、規制部545と被規制部565とはカバー部563に覆われる。また、上下方向において上方から見たとき、遮蔽部505は、保護部573の下端591で形成される領域内に位置する。更に、横方向に沿って見たとき、遮蔽部505は、保護部573と少なくとも部分的に重なっている。この構成において、ボタン開口部223からボディ20内に浸入した水は、重力に従っている限りにおいて、開口部501を通過してハウジング403の内部へ侵入することはない。また、その水は、開口部501内又は近傍に位置する規制部545及び被規制部565に到達することもない。よって、ボタン開口部223からボディ20内に浸入した水のせいで、可動部407が動作しなくなることはない。
【0050】
図7及び図8に示されるように、ロックレバー60は、ロック爪601と、アーム部603と、被操作部605とを有している。ロック爪601は、アーム部603の前端付近に設けられている。ロック爪601の後面607は、ロック部607として機能する。即ち、充電コネクタ10は、ロックレバー60とロック部607とを備えており、ロック部607はロックレバー60に設けられている。ロック部607は、充電コネクタ10とインレット(図示せず)との嵌合状態をロックする。換言すると、ロック部607は、充電コネクタ10とインレットとが嵌合したとき、被ロック部(図示せず)と係り合う。被操作部605は、アーム部603の後端に設けられている。被操作部605の後端部609は、ロックレバー60の後端部609に一致する。後端部609は、前後方向においてロック部607から離れている。アーム部603の中央部には、軸孔611が設けられている。
【0051】
図5から図8までの図から理解されるように、ロックレバー60は、回転軸667を用いて筐体48に取り付けられる。ロックレバー60は、回転軸667の周りでシーソー運動可能である。これにより、ロック爪601は少なくとも上下方向において、ボディ20に対して移動可能である。図1及び図4に示されるように、ロック爪601は、ロックレバー60が初期位置にあるとき、ロック開口部221を通して、少なくとも部分的に嵌合部12から外部へ突出している。ロックレバー60の初期位置は、充電コネクタ10とインレット(図示せず)との嵌合状態をロックしたロック位置である。なお、ロック開口部221は、前後方向においてロック機構組立体40から離れている。したがって、ロック開口部221からボディ20内に浸入した水が可動部407の動きに影響を与えることは実質上ない。
【0052】
図4から理解されるように、ロックバネ227は、ロックレバー60を初期位置に位置させるように働く。ロックレバー60は、無負荷状態のとき、ロックバネ227に支持されて初期位置に位置する。ロック爪601は、充電コネクタ10とインレット(図示せず)とが嵌合する途中において、上下方向において下方へ一旦押下げられる。このとき、ロックバネ227は、弾性変形する。そして、ロックバネ227は、充電コネクタ10とインレット(図示せず)との嵌合が完了すると、その復元力によってロックレバー60を初期位置へ戻す。
【0053】
図5及び図6から理解されるように、ロックレバー60の被操作部605の後端部609は、ボタン部材56の上延部583と下延部585との間に位置している。上下方向において、被操作部605の厚みサイズは、上延部583と下延部585との間の距離サイズよりも小さい。これにより、被操作部605は、上延部583及び下延部585の少なくとも一方から常に離れている。本実施の形態において、ロックレバー60が初期位置に位置しているとき、被操作部605は、下延部585よりも上延部583の近くに位置している。このとき、被操作部605は、上延部583に接していてもよい。
【0054】
図2から理解されるように、ロック機構組立体40は、ボディ20によって移動不可能に保持される。詳しくは、回転軸661,663がボディ20の軸支持部225によって移動不可能に保持される。これにより、筐体48は、ボディ20に対して移動不可能となる。一方、ロックレバー60とボタン部材56の夫々は、筐体48に対してシーソー運動可能に取り付けられている。これにより、ロックレバー60のロック爪601は、ボディ20に対して移動可能である。また、ボタン部材56の操作部567は、ボディ20に対して移動可能である。詳しくは、操作部567は、少なくとも上下方向において、ボディ20に対して移動可能である。
【0055】
図5及び図6に示されるように、ボタン部材56の下面579と筐体48の後壁495との間には、スプリング621が配置されている。スプリング621は、上下方向において、下方からボタン部材56のボタン部561を支持する。ボタン部材56のボタン部561は、上下方向において下方に押圧操作可能である。換言すると、操作部567は、上下方向において下方に押圧操作可能である。スプリング621は、ボタン部材56の操作部567が上下方向において下方へ押されたとき、ボタン部561を上方へ押し返すように働く。無負荷状態のとき、ボタン部材56は、スプリング621の働きにより初期位置に位置する。
【0056】
図5及び図6に示されるように、ロックプレート54の被駆動部543と筐体48の後壁495との間には、スプリング623が配置されている。スプリング623は、ロックプレート54の被駆動部543に対してソレノイド52側へ向かう力を加えている。スプリング623の力は、復帰スプリング529の力よりも弱い。
【0057】
図6から理解されるように、ソレノイド52が復帰状態のとき、ソレノイド52の復帰スプリング529は、プランジャ527を第1所定方向D1において斜め下後方へ移動させる。このとき、プランジャ527の後端は、ロックプレート54の被駆動部543を第1所定方向D1において斜め下後方へ押す。ロックプレート54は、スプリング623の力に逆らって、第1所定方向D1において斜め下後方へ移動する。こうして、プランジャ527及びロックプレート54は連動して移動し、可動部407は規制位置に位置する。
【0058】
図5に示されるように、ソレノイド52が吸着状態のとき、プランジャ527は、コイル523及び固定鉄心525により、第1所定方向D1において斜め上前方へ移動する。このプランジャ527の移動は、復帰スプリング529の力に逆らって行われる。これにより、ロックプレート54は、第1所定方向D1において斜め下後方へ押す力を受けなくなる。また、このときプランジャ527は、電磁石として働き、ロックプレート54の被駆動部543を引き寄せる。その結果、ロックプレート54は、スプリング623の働きも加わり、第1所定方向D1において斜め上前方へ移動する。こうして、プランジャ527及びロックプレート54は連動し、可動部407は解除位置に位置する。
【0059】
図5に示されるように、可動部407が解除位置に位置するとき、規制部545と被規制部565とは互いに対向していない。この状態において、ボタン部材56の操作部567は上下方向において下方へ移動することが許容される。これは、ロック爪601が上下方向において下方へ移動すると、ロックレバー60の後端部609がボタン部材56の上延部583を上側に押し上げることができることを意味する。これにより、充電コネクタ10をインレット(図示せず)に嵌合させることが可能である。
【0060】
図6に示されるように、可動部407が規制位置に位置するとき、規制部545と被規制部565とは、保護室577内において互いに対向している。但し、本発明はこれに限定されない。規制部545と被規制部565とは、保護室577の外において互いに対向していてもよい。この場合、保護室577の外とは、上下方向においてより下方を意味し、ハウジング403の内部を意味する。いずれにせよ、可動部407が規制位置にあるとき、規制部545と被規制部565とは、開口部501を通じて、互いに対向している。
【0061】
図6から理解されるように、可動部407が規制位置に位置するとき、操作部567が上下方向において下方へ押されると、被規制部565が規制部545に突き当たる。したがって、操作部567は、上下方向において下方へ移動することができない。換言すると、規制部545は、可動部407が規制位置に位置するとき、被規制部565の下方に向かう移動を規制して、操作部567の下方への移動を規制する。
【0062】
図6から理解されるように、可動部407が規制位置に位置するとき、上下方向において下方へ向かう予期せぬ力がロック爪601に働くと、被操作部605は上下方向において上方へ移動しようとする。そして、被操作部605の後端部609は、上延部583に突き当たる。上延部583が上向きの力を受けると、ボタン部561は、上下方向において下方へ移動しようとする。このボタン部561の移動は、被規制部565と規制部545との働きにより規制される。よって、ロック爪601に予期せぬ力が働いた場合、充電コネクタ10とインレット(図示せず)とが嵌合しロック状態にあるとき、ロック状態は維持される。
【0063】
図4から理解されるように、充電コネクタ10とインレット(図示せず)とが嵌合したとき、ロック爪601は、インレットによって上下方向において上方への移動が規制される。また、上述したように、可動部407が規制位置に位置するとき、ロック爪601は、上下方向において下方への移動が規制されている。したがって、可動部407が規制位置に位置するとき、ロックレバー60は、初期位置に位置する。
【0064】
図6に示されるように、ロックレバー60が初期位置に位置するとき、ボタン部材56の下延部585は、ロックレバー60の被操作部605の後端部609から離れて位置している。そのため、操作部567が上下方向において下方へ押されて、ボタン部材56に動きが生じたとしても、下延部585が被操作部605の後端部609を押すことはない。換言すると、ロックレバー60の後端部609はボタン部材56の下延部585から離れているので、嵌合状態がロックされているときボタン部材56に多少動きが生じたとしても、ロックレバー60を誤動作させることがない。それゆえ、ロック爪601が上下方向において下方へ移動することもない。したがって、充電コネクタ10とインレットとが嵌合しロック状態にあるとき、ロック状態が維持される。
【0065】
図5に示されるように、可動部407が解除位置に位置するとき、規制部545と被規制部565とは互いに対向していない。これにより、規制部545は、被規制部565の下方に向かう移動を許容して、操作部567の下方への移動を許容する。即ち、操作部567を上下方向において下方へ移動させることができる。そして、操作部567を押下したとき、ボタン部材56の下延部585がロックレバー60の被操作部605の後端部609を上下方向において上方に押し上げ、それによってロック爪601が上下方向において下方へ移動する。こうして、ロック爪601が嵌合部12から突出しなくなり、ロック状態が解除されアンロック状態となる。
【0066】
図5及び図6に示されるように、操作規制機構401のハウジング403は、ロック標識547を覆っている。ハウジング403を通してロック標識547が見えるように、ハウジング403を構成する筐体48は、透明な材料を用いて形成される。図4に示されるように、可動部407が解除位置に位置するとき、第1所定方向D1においてロック標識547は、表示窓241から離れている。したがって、表示窓241を通してロック標識547を見ることはできない。一方、可動部407が規制位置に位置するとき、第1所定方向D1においてロック標識547は表示窓241と重なる。したがって、表示窓241及びハウジング403を通してロック標識547を見ることができる。
【0067】
図4から理解されるように、表示窓241から侵入した水は、筐体48によって遮られ、ロックプレート54に到達することはない。また、表示窓241は、上下方向において、開口部501よりも下方に位置していることから、表示窓241から侵入した水は、開口部501からハウジング403内部へ入ることも、規制部545及び被規制部565に到達することもない。よって、表示窓241から充電コネクタ10の内部に浸入した水も、可動部407の移動を妨げることはない。
【0068】
以上、本発明について、いくつかの実施の形態を掲げて説明してきたが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変形、変更が可能である。例えば、上記実施の形態において、ロック爪601は、上下方向において上方へ突出しているが、下方へ突出してもよい。その場合、ボタン部材56についても適切な変更が加えられる。また、上記実施の形態において充電コネクタ10は排水口を有していないが、充電コネクタ10は排水口を有していてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10 充電コネクタ
12 嵌合部
20 ボディ
201,203 シェル
22 胴部
221 ロック開口部
223 ボタン開口部
225 軸支持部
227 ロックバネ
24 グリップ部
241 表示窓
30 プラグ
32 前端
40 ロック機構組立体
401 操作規制機構
403 ハウジング
405 付加的保護室
407 可動部
409 駆動部
42 ベース部
44 ベースプレート
441 前部
443 中央部
445 後部
46 センサ部
48 筐体
481 前部
483 中央部
485 後部
491 上部
493 側壁
495 後壁
501 開口部
503 軸受部
505 遮蔽部
52 ソレノイド
521 枠体
523 コイル
525 固定鉄心
527 プランジャ
529 復帰スプリング
531 プッシュピン
54 ロックプレート
541 スライド部
543 被駆動部
545 規制部
547 ロック標識
56 ボタン部材
561 ボタン部
563 カバー部
565 被規制部
567 操作部
571 上部
573 保護部
575 軸孔
577 保護室
579 下面
581 凹部
583 上延部
585 下延部
587 ガイド部
589 支持壁
591 下端
60 ロックレバー
601 ロック爪
603 アーム部
605 被操作部
607 後面(ロック部)
609 後端部
611 軸孔
621,623 スプリング
641,643,645 固定ネジ
661,663,665,667 回転軸
80 ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14