(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】アダプタ装置及び通信方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/4363 20110101AFI20240215BHJP
H04N 21/442 20110101ALI20240215BHJP
H04N 21/643 20110101ALI20240215BHJP
【FI】
H04N21/4363
H04N21/442
H04N21/643
(21)【出願番号】P 2020066264
(22)【出願日】2020-04-01
【審査請求日】2022-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118876
【氏名又は名称】鈴木 順生
(72)【発明者】
【氏名】小森 健司
(72)【発明者】
【氏名】土井 孝
(72)【発明者】
【氏名】宮里 秀樹
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-228226(JP,A)
【文献】特表2017-515333(JP,A)
【文献】特開2019-029800(JP,A)
【文献】特開2017-097603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
HDMI(High Definition Media Interface)を用いてシンク機器と通信し、
USB(Universal Serial Bus)-Type-Cを用いて前記
HDMIに関する信号をソース機器と通信する、アダプタ装置であって、
前記シンク機器との間に接続されたシリアルクロック線がハイレベルであるときに前記シンク機器との間に接続されたシリアルデータ線がローレベルに駆動されたことを検出することにより、
SCDC(Status and Control Data Channel)読み取り要求を受信し、前記
SCDC読み取り要求の受信に応じて、前記シリアルデータ線を前記ローレベルに駆動し、かつ前記シリアルクロック線をローレベルに駆動する送受信部と、
前記シリアルクロック線がローレベルに駆動された後で、前記
SCDC読み取り要求を前記ソース機器に送信する送信部と、
前記
SCDC読み取り要求を受信した前記ソース機器から前記シンク機器における状態レジスタのデータを読み出すための状態読み出し信号を受信する受信部と、を備え、
前記送受信部は、前記状態読み出し信号を、前記シリアルデータ線を介して前記シンク機器に送信する
を備えたアダプタ装置。
【請求項2】
前記送受信部は、前記シリアルクロック線をローレベルに駆動した後、前記シリアルデータ線をハイレベルに駆動し、さらに前記シリアルクロック線をハイレベルに駆動し、
前記送信部は、前記シリアルクロック線がハイレベルに駆動された後で、前記
SCDC読み取り要求を送信する
請求項1に記載のアダプタ装置。
【請求項3】
前記送受信部は、前記状態読み出し信号を受信した前記シンク機器から送信される前記データを、前記シリアルデータ線を介して受信し、
前記送信部は、前記データを前記ソース機器に送信する
請求項1又は2に記載のアダプタ装置。
【請求項4】
前記シンク機器から受信した前記
SCDC読み取り要求を前記
USB-Type-Cのフォーマットに変換する変換部を備え、
前記送信部は、変換された前記
SCDC読み取り要求を前記ソース機器に送信する
請求項1~3のいずれか一項に記載のアダプタ装置。
【請求項5】
前記変換部は、前記ソース機器から受信した前記状態読み出し信号を前記
HDMIのフォーマットに変換し、変換された前記状態読み出し信号を前記シンク機器に送信する
請求項4に記載のアダプタ装置。
【請求項6】
HDMI(High Definition Media Interface)に準拠したシンク機器と、
前記
HDMIを用いて前記シンク機器と通信し、
USB(Universal Serial Bus)-Type-Cを用いて前記
HDMIに関する信号をソース機器と通信するアダプタ装置と、を備えた通信システムであって、
前記シンク機器は、
データを保持する状態レジスタと、
前記状態レジスタ内の前記データが更新された場合に、前記シンク機器との間に接続されたシリアルクロック線がハイレベルであるときに前記シンク機器との間に接続されたシリアルデータ線をローレベルに駆動することにより、
SCDC(Status and Control Data Channel)読み取り要求を前記アダプタ装置に送信する第1送受信部を備え、
前記アダプタ装置は、
前記
SCDC読み取り要求を受信し、前記
SCDC読み取り要求の受信に応じて、前記シリアルデータ線をローレベルに駆動し、かつ前記シリアルクロック線をローレベルに駆動する第2送受信部と、
前記シリアルクロック線がローレベルに駆動された後で、前記
SCDC読み取り要求を前記ソース機器に送信する送信部と、
前記状態レジスタのデータを読み出すための状態読み出し信号を前記ソース機器から受信する受信部と、を備え、
前記第2送受信部は、前記状態読み出し信号を、前記シリアルデータ線を介して前記シンク機器に送信し、
前記シンク機器の前記第1送受信部は、前記シリアルクロック線がローレベルに駆動されたことを検知した場合に、前記シリアルデータ線をローレベルに駆動する動作を停止する
通信システム。
【請求項7】
前記シンク機器の前記第1送受信部は、前記状態読み出し信号を受信した場合に、前記状態レジスタ内のデータを前記シリアルデータ線を介して前記アダプタ装置に送信し、
前記アダプタ装置の前記第2送受信部は、前記シンク機器から受信した前記データを前記ソース機器に送信する
請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
HDMI(High Definition Media Interface)を用いてシンク機器と通信し、
USB(Universal Serial Bus)-Type-Cを用いて前記
HDMIに関する信号をソース機器と通信する、アダプタ装置であって、
前記シンク機器から、
SCDC(Status and Control Data Channel)読み取り要求を受信し、前記
SCDC読み取り要求の受信から予め定めた時間以内に、前記シンク機器における状態レジスタのデータを読み出すための第1状態読み出し信号を前記シンク機器に送信し、前記第1状態読み出し信号を受信した前記シンク機器から送信される前記状態レジスタのデータを受信する第1送受信部と、
前記シンク機器から受信した前記
SCDC読み取り要求と、前記シンク機器から受信した前記データを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている前記
SCDC読み取り要求を前記ソース機器に送信する送信部と、
前記
SCDC読み取り要求を受信した前記ソース機器から送信される第2状態読み出し信号を受信する受信部と、を備え、
前記送信部は、前記受信部で前記第2状態読み出し信号が受信された場合に、前記記憶部に記憶されている前記データを前記記憶部から読み出して、前記ソース機器に送信する
アダプタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、アダプタ装置及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
HDMI(High Definition Media Interface)のSCDC (Status and Control Data Channel) は、I2C(Inter-Integrated Circuit)を拡張したプロトコルである。SCDCではHDMI シンク機器 (I2Cスレーブ)からHDMIソース機器(I2Cマスタ)に対して、HDMIシンク機器のステータスチェック(例えばHDMIシンク機器のSCDCレジスタにおけるアップデーフラグが更新されているかの確認)を要求する SCDC読み取り要求(SCDC Read Request)機能がある。ステータスチェックの例として、映像信号又は音声信号を受信できるようになったか否か、バッファがオーバーフローかアンダーフローか、又は、圧縮データを解除できる状態になったか否かなどがある。
【0003】
一方、USB(Universal Serial Bus)-Type-Cのコネクタ経由でHDMI信号の伝送を可能とする規格としてHDMIオルトモード(HDMI Alt-Mode)がある。しかしながら、HDMIオルトモードにおいては、SCDC読み取り要求を出力した後一定期間内に応答を受け取ることができないことによりタイムアウトが発生し得る問題がある。このためHDMIオルトモードでは、SCDC読み取り要求機能を使うことが規格で禁止されている。このため、HDMIソース機器はHDMIシンク機器のステータスチェックを行うために一定時間ごとにポーリングを行っていた。しかしながら、一定時間ごとにポーリングを行うと、HDMIソース機器の負荷がかかり、消費電力が大きくなる。また、バスの帯域も消費してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態は、第1の通信方式を用いるシンク機器と、第1の通信方式とは異なる第2の通信方式を用いて第1の通信方式に関する信号を通信するソース機器との間で状態読み取り機能の実行を可能にするアダプタ装置及び通信方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態のアダプタ装置は、第1の通信方式を用いてシンク機器と通信し、前記第1の通信方式とは異なる第2の通信方式を用いて前記第1の通信方式に関する信号をソース機器と通信する、アダプタ装置であって、前記シンク機器との間に接続されたシリアルクロック線がハイレベルであるときに前記シンク機器との間に接続されたシリアルデータ線がローレベルに駆動されたことを検出することにより、状態読み取り要求を受信し、前記状態読み取り要求の受信に応じて、前記シリアルデータ線を前記ローレベルに駆動し、かつ前記シリアルクロック線をローレベルに駆動する送受信部と、前記シリアルクロック線がローレベルに駆動された後で、前記状態読み取り要求を前記ソース機器に送信する送信部と、前記状態読み取り要求を受信した前記ソース機器から前記シンク機器における状態レジスタのデータを読み出すための状態読み出し信号を受信する受信部と、を備え、
前記送受信部は、前記状態読み出し信号を、前記シリアルデータ線を介して前記シンク機器に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る通信システムのブロック図。
【
図2】アダプタ装置とHDMIシンク機器間の映像/音声信号線と制御線の構成例を示す図。
【
図3】アダプタ装置とHDMIシンク機器の動作のタイミングチャートを示す図。
【
図5】アダプタ装置とHDMIシンク機器の動作のタイミングチャートを示す図。
【
図6】第2実施形態に係る通信システムの動作シーケンス図。
【
図7】第3実施形態に係る通信システムのブロック図。
【
図8】第3実施形態に係る通信システムの動作シーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る通信システムのブロック図である。
図1の通信システムは、アダプタ装置101と、HDMIソース機器201と、HDMIシンク機器301とを備えている。HDMIのSCDC は、I2Cを拡張したプロトコルであり、アダプタ装置101とHDMIシンク機器301間ではSCDCが用いられる。アダプタ装置101はI2Cのマスタに相当し、HDMIシンク機器301はI2Cのスレーブに相当する。以下、HDMIソース機器201をソース機器201、HDMIシンク機器301をシンク機器301と記載する。
【0009】
アダプタ装置101とシンク機器301は、HDMIを用いて通信する。一方、アダプタ装置101と、ソース機器201は、HDMIとは異なる通信方式を用いて、HDMIに関する信号を通信する。アダプタ装置101は、シンク機器301とソース機器201間を接続するケーブルアダプタとして構成される。HDMIはアダプタ装置101とシンク機器301間で用いられる第1の通信方式に対応する。
【0010】
本実施形態では、HDMIとは異なる通信方式として、USB Type-Cを用いる。USB-Type-Cのコネクタ経由でHDMIに関する信号の伝送を可能とする規格としてHDMIオルトモードがある。アダプタ装置101とソース機器201間では、このHDMIオルトモードを実行可能である。USB Type-Cは、アダプタ装置101とソース機器201間で用いられる第2の通信方式に対応する。
【0011】
本実施形態の概要を説明する。アダプタ装置101は、シリアルクロック線(SCL線)がハイレベル(Hレベル)であるときにシリアルデータ線(SDA線)がローレベル(Lレベル)に駆動されたことを検出することにより、シンク機器301からのSCDC読み取り要求(状態読み取り要求)を受信する。アダプタ装置101は、SCDC読み取り要求を受信すると、シリアルデータ線(SDA線)をLレベルに駆動し、更にシリアルクロック線(SCL線)をLレベルに駆動する(I2Cのスタートコンディションを生成する)。これによりI2Cバス(すなわちSDA線及びSCL線)はI2Cのスタートコンディション状態となり、シンク機器301はアダプタ装置101からの通信を待つ状態となる。これによりシンク機器301においてSCDC読み取り要求のタイムアウトが発生することは阻止される。SCL線及びSDA線をLレベルに駆動している間に、アダプタ装置101は、ソース機器201側にUSB Type-Cを用いてSCDC読み取り要求を送信する。ソース機器201はSCDC読み取り要求を受けたらシンク機器301のSCDCレジスタ(状態レジスタ)を読み出すためのSCDC読み出し信号を、アダプタ装置101に送信する。アダプタ装置101は、SDA線を介して、SCDC 読み出し信号をシンク機器301に送信する。これによりSCDCレジスタの読み出しを行う。アダプタ装置101は、読み出したSCDCレジスタのデータを、ソース機器201に送信する。以上により、アダプタ装置101にHDMIオルトモードで接続されたソース機器に対して、シンク機器301は、SCDC読み取り要求し、SCDC読み出し信号を受信することが可能になる。すなわちソース機器201及びシンク機器301間でSCDC読み出し要求機能の実行が可能になる。以下、本実施形態についてさらに詳細に説明する。
【0012】
(アダプタ装置101)
図1に示すように、アダプタ装置101は、制御部111と、USB送受信部112と、HDMI送受信部113(送受信部、第2送受信部)と、制御信号変換部114とを備えている。
【0013】
アダプタ装置101とシンク機器301間は、HDMI用の映像/音声信号を通信する映像/音声信号線と、制御信号を通信する制御線とを含む複数の信号線により接続されている。HDMI送受信部113は、制御線を介して、シンク機器301のHDMI送受信部312との間で、HDMIの制御信号の送受信を行う。また、HDMI送受信部113は、映像・音声信号線を介して、HDMIの映像/音声信号をHDMI送受信部312に送信する。
【0014】
図2は、アダプタ装置101とシンク機器301間を接続する映像/音声信号線と制御線の構成例を示す。制御線は、シリアルデータ線(SDA線)、シリアルクロック信号線(SCL線)を含む複数の信号線(例えば7本)を含む。映像/音声信号線は複数の信号線(例えば8本)を含む。SDA線は電源電圧にプルアップされており、SDA線に接続されている機器(アダプタ装置又はシンク機器)の少なくともいずれか1つがLレベルに駆動しない状態では、SDA線はHレベルになっている。すなわち、SDA線に接続されている機器のうち1つでもLレベルに駆動する機器があると、SDA線はLレベルになる。
図1では、シンク機器301は一台のみ示されているが、複数台のシンク機器301が接続されていてもよい。この場合、複数のシンク機器301が同じ制御線(例えばSDA線、SCL線)を共通して、アダプタ装置101に接続される。
【0015】
アダプタ装置101のUSB送受信部112は、ソース機器201のUSB送受信部213との間で、USB Type-Cの映像・音声信号線を介して、HDMIの映像・音声信号を受信する。また、USB送受信部112は、ソース機器201のUSB送受信部213との間で、USB Type-Cの制御線を介して、USB Type-CフォーマットのHDMIの制御信号を送受信する。USB送受信部112は、ソース機器201への信号送信を行う送信部と、ソース機器201からの信号受信を行う受信部とを備えている。
【0016】
制御信号変換部114は、HDMIの制御信号と、USB Type-Cの制御信号との間で信号フォーマットの変換(プロトコル変換)を行う。以下の説明で、アダプタ装置101がシンク機器301から受信したSCDC読み取り要求をソース機器201に送信する等の記載がある場合、SCDC読み取り要求のプロトコル変換を行うことが明記されていなくても、プロトコル変換を行っているものとする。また、アダプタ装置101がソース機器201から受信したSCDC読み出し信号をシンク機器301に送信する場合についても、SCDC読み取り信号のプロトコル変換を行うことが明記されていなくても、プロトコル変換を行っているものとする。
【0017】
アダプタ装置101の制御部111は、USB送受信部112と、HDMI送受信部113と、制御信号変換部114と接続されている。制御部111は、USB送受信部112、HDMI送受信部113及び制御信号変換部114を制御する。
【0018】
アダプタ装置101は、ソース機器201と接続するためのUSB Type-C端子と、シンク機器301と接続するためのHDMI端子とを有している。
【0019】
(シンク機器301)
シンク機器301は、制御部311と、HDMI送受信部312とを備えている。シンク機器301は、アダプタ装置101と接続するHDMI端子を有する。
【0020】
HDMI送受信部312は、制御線を介して、アダプタ装置101のHDMI送受信部113とHDMIの制御信号の送受信を行う。また、HDMI送受信部312は、映像・音声信号線を介して、HDMIの映像/音声信号を、アダプタ装置101のHDMI送受信部113から受信する。HDMI送受信部312は、SCDCレジスタR1(状態レジスタ)等の複数のレジスタを含む。
【0021】
制御部311はHDMI送受信部312と接続されている。制御部311はHDMI送受信部312を制御する。
【0022】
(ソース機器201)
ソース機器201は、制御部211と、HDMI送受信部212(第2送受信部)と、USB送受信部213とを備えている。ソース機器201は、アダプタ装置101と接続するUSB Type-C端子を有する。アダプタ装置101とソース機器201間はUSB Type-C用の映像/音声信号線と制御線により接続されている。映像/音声信号線と制御線はそれぞれ複数の信号線を含む。
【0023】
USB送受信部213は、HDMI送受信部212から映像信号を受信する。受信した映像信号を、アダプタ装置101のUSB送受信部112に、USB Type-Cの映像・音声信号線を介して送信する。また、USB送受信部213は、アダプタ装置101のUSB送受信部112から、USB Type-Cの制御線を介して受信した制御信号を、HDMIのフォーマットでHDMI送受信部212に提供する。そして、USB送受信部213は、HDMI送受信部212から提供された制御信号を、USB Type-Cの制御線を介して、USB Type-Cのフォーマットで、アダプタ装置101のUSB送受信部112に送信する。
【0024】
制御部211は、HDMI送受信部212と、USB送受信部213と接続されている。制御部211は、HDMI送受信部212及びUSB送受信部213を制御する。
【0025】
シンク機器301は、SCDC読み取り要求機能を備える。シンク機器301は、制御部311の指示により、SCDC要求をソース機器201に対して送信する場合、SDA線をLレベルに駆動する。具体的には、SCL線とSDA線が両方とも一定時間の間Hレベルである状態で、SDA線をLレベルに駆動する。この動作により、SCDC読み取り要求が送信される。Lレベルに駆動するとは、HレベルをLレベルに駆動し、かつLレベルを維持すること、あるいは、元々Lレベルの信号線をLレベルに維持することをいう。ここでSCDC読み取り要求機能について説明する。
【0026】
SCDC読み取り要求機能は、シンク機器301がソース機器201に、シンク機器301のSCDCレジスタR1におけるデータ(アップデートフラグ)、すなわちシンク機器301の状態を読み取るよう要求し、シンク機器301からSCDCレジスタR1の読み出し要求信号を受け取る機能である。シンク機器301がSCDC読み取り要求機能をサポートする場合、シンク機器301のHDMI送受信部312におけるE-EDIDレジスタ(図示せず)の能力ビット(RR_Capable)を1にセットする。例えばシンク機器301が起動したときなど任意のタイミングで、能力ビットを1にセットする。
【0027】
シンク機器301がSCDC読み取り要求機能をサポートする場合に当該SCDC読み取り要求機能を有効にするためには、SCDCレジスタR1に含まれる有効ビット(RR_Enable)を1にする必要がある。ソース機器201はまずアダプタ装置101を介して、E-EDIDレジスタの能力ビット(RR_Capable)が1にセットされているかを確認する。もし能力ビット(RR_Capable)が1にセットされていれば、ソース機器201は次に、SCDCレジスタR1に含まれる有効ビット(RR_Enable)を1にする。有効ビットの1は有効、0は無効を意味する。
【0028】
シンク機器301はアダプタ装置101とのケーブル接続有無を検知し(ホットプラグ検知)、接続されていない場合、シンク機器301は有効ビット(RR_Enable)を0にリセットする。接続されている場合、ソース機器201は、有効ビット(RR_Enable) が1(有効)にセットされているかを確認する必要がある。ソース機器201は、有効ビットが1に設定されていることを確認したら、シンク機器301からのSCDC読み取り要求機能の受付けを開始する。この動作は、HDMIのSCDC規格で定まっている動作である。
【0029】
以下、具体例を示す。ソース機器201からシンク機器301にアダプタ装置101を介して映像・音声信号が送信(例えば非圧縮で送信)されている状況を想定する。この場合に、シンク機器301においてSCDCレジスタR1に含まれる複数のアップデートフラグのうちのいずれかのアップデートフラグが0から1になったとする。すなわち、シンク機器301においてアップデートフラグに対応する更新状態(例えば圧縮したデータを受信できる状態になった)を知らせる必要が発生したとする。この場合、シンク機器301は、ソース機器201に対してSCDC読み取り要求を発生させる。
【0030】
SCDC読み取り要求は、上述のようにシンク機器301が、SCL線とSDA線が両方とも一定時間Hレベルである状態で、SDA線をLレベルに駆動することで発生させられる。SCL線とSDA線が両方とも一定時間の間Hレベルである状態を、I2Cバスがフリーであるとも言う。SCL線とSDA線の少なくともいずれか一方がLレベルの場合(I2Cバスがビジーの場合)、例えばSDA線がHレベルの場合、I2Cバスがフリーになるまで、シンク機器301はSCDC読み取り要求の発生を延期する。
【0031】
シンク機器301によりSDA線がLレベルに駆動されることで、SCDC読み取り要求が発生させられた後、一定時間経過前にSCL線がLレベルに駆動されなかったときは、タイムアウトと判断する。この場合、SDA線をLレベルに駆動する動作を停止することで、SDA線をHレベルに戻す。SDA線をHレベルに戻すことをリリースするとも呼ぶ。すなわち、リリースするとは、SDAをLレベルに駆動するのを止めることである。一定時間経過前にSCLがLレベルに駆動されたことを検知した場合は、SDA線をLレベルに駆動する動作を停止する(以下に説明するように、SDA線はアダプタ装置101によりLレベルに駆動される)。
【0032】
アダプタ装置101のHDMI送受信部113は、シンク機器301によるSCDC読み取り要求を受信すると、SDA線をLレベルに駆動し、さらにSCL線をLレベルに駆動する。なお、SDA線をHレベルにしたままSCLをLレベルに駆動することは規格で禁止されている。また、SDA線はアダプタ装置101(I2Cマスタ)もシンク機器301(I2Cスレーブ)のもどちらも駆動できるが、SCL線はマスタのみが駆動できる。
【0033】
シンク機器301はSCL線がLレベルに駆動されたことを検知したら、上述したように、SDAをLレベルに駆動する動作を止める。これによりI2Cバスはスタートコンディション状態となり、シンク機器301はアダプタ装置101からの通信を待つ状態となる。すなわち、タイムアウトは発生しない。シンク機器301はSCDC読み出し信号の受信を待機する。
【0034】
アダプタ装置101はSDA線をLレベルに駆動しつつ、USB Type-Cを用いて、ソース機器201に、SCDC読み取り要求を送信する。すなわち、HDMI送受信部113で受信したSCDC読み取り要求を制御信号変換部114でプロトコル変換して、USB送受信部112からソース機器201にSCDC読み取り要求を送信する。なお、シンク機器301(I2Cスレーブ)はSCL線をLレベルに駆動する時間の長さにつき、上記のタイムアウトの制約があるが、アダプタ装置101(I2Cマスタ)は、SDA線及びSCL線をLレベルに駆動する時間の長さについて制約はない。
【0035】
ソース機器201は、SCDC読み取り要求をUSB送受信部213で受信して、受信したSCDC読み取り要求をHDMI送受信部212に提供する。HDMI送受信部212はSCDC読み取り要求に応答してSCDC読み出し信号を生成し、SCDC読み出し信号を、USB送受信部213に提供する。USB送受信部213はSCDC読み出し信号を、USB Type-Cの制御線を介して、アダプタ装置101に送信する。SCDC読み出し信号はSCDCレジスタのアドレスを含んでいてもよい。
【0036】
SCDC読み出し信号をアダプタ装置101のUSB送受信部112が受信し、受信したSCDC読み出し信号を制御信号変換部114でHDMIのフォーマットに変換する。HDMI送受信部113が、変換したSCDC読み出し信号をHDMIの制御線を介して、待機しているシンク機器301に送信する。
【0037】
シンク機器301のHDMI送受信部312はSCDC読み出し信号を受信すると、SCDCレジスタR1のデータ(SCDCデータあるいは状態データ)を読み出して、SCDCデータを、SDA線を介して、アダプタ装置101に送信する。SCDCデータには、例えば、更新されたアップデートフラグの値が含まれる。
【0038】
アダプタ装置101のHDMI送受信部113は、SDA線を介してシンク機器301からSCDCデータを受信すると(SCDCデータの読み出しを完了すると)、制御信号変換部114がSCDCデータを変換する。USB送受信部112が、変換したSCDCデータを、USB Type-Cの制御線を介してソース機器201に送信する。すなわち、ソース機器201に、SCDCデータの読み出し(SCDC読み取り要求の実行)が完了したことを示すSCDC読み出し応答が送信される。ソース機器201のHDMI送受信部212は、SCDCデータに含まれるアップデートフラグに基づき、シンク機器301の更新状態(例えば圧縮したデータを受信できる状態になった)を把握し、以降、例えば、映像・音声信号を圧縮して送信する。
【0039】
図3は、アダプタ装置101(I2Cマスタ)とシンク機器301(I2Cスレーブ)の動作のタイミングチャートを示す。
図3(A)は、シンク機器301のSDA線に対する動作タイミングの例、
図3(B)は、アダプタ装置101のSDA線に対する動作タイミングの例、
図3(C)は、アダプタ装置101のSCL線に対する動作タイミングの例を示す。
【0040】
図3(A)に示すように、シンク機器301が、時刻t11で、SCDC読み取り要求を送信するために、I2Cスレーブとしてシリアルデータ線(SDA線)をLレベルに駆動する。なお、このときSCL線はHレベルである。
【0041】
アダプタ装置101は、シンク機器301からのSCDC読み取り要求を検知すると、
図3(B)に示すように、時刻t11より後の時刻t21で、SDA線をLレベルに駆動する(なおSDA線はシンク機器301によって既にLレベルになっている)。SDA線をLレベルに駆動開始したら、続いて、
図3(C)に示すように、時刻t21より後の時刻t31で、シリアルクロック線(SCL線)をLレベルに駆動し、SCL線をLレベルに駆動する。
【0042】
シンク機器301は、SCL線がLレベルになったのを検知したら、
図3(A)に示すように、時刻t12でSDA線をLレベルに駆動する動作を止める。アダプタ装置101によってSDA線がLレベルに駆動されているため、SDA線をLレベルに駆動する動作を止めても、SCDC読み取り要求のタイムアウトは発生しない。
【0043】
アダプタ装置101はSDA線及びSCL線をLレベルに駆動している間、USB Type-Cを用いて、ソース機器201にSCDC読み取り要求を送信する。SCDC読み取り要求を受信したソース機器201は、USB Type-Cを用いて、アダプタ装置101にSCDC読み出し信号を送信する。ソース機器201からのSCDC読み出し信号を受けて、アダプタ装置101は、
図3(B)及び
図3(C)に示すように、シンク機器301に対しSCDC読み出しを開始する。一例として、アダプタ装置101はまずレジスタアドレスのデータをSDA線でシンク機器301に送信し、シンク機器301からSDA線でレジスタアドレスのレジスタ内のデータを読み出す。
【0044】
具体的なデータ送受信の方法として、アダプタ装置101がSCL線で送信するクロックにより、アダプタ装置101からシンク機器301へのデータ送信を制御する。同様に、当該クロックにより、シンク機器301からアダプタ装置101へのデータ送信(すなわちシンク機器301からのデータ読み出し)を制御する。一例として、クロックの立ち上がり又は立ち下がり時のSDA線の信号レベルを制御することで、アダプタ装置101及びシンク機器301のうちの一方から他方に、1又は0のビットデータが送信される。例えばクロックの立ち下がり時のSDA信号の信号レベルがHレベルであれば、1のデータが送信され、信号レベルがLレベルであれば0のデータが送信される。
【0045】
図4は、
図1の通信システムのシーケンス図である。まず、シンク機器301(I2Cスレーブ)のHDMI送受信部312が、SDA線をLレベルに駆動することで、SCDC読み取り要求をアダプタ装置101に送信する(S101)。
【0046】
アダプタ装置101(I2Cマスタ)のHDMI送受信部113がSCDC読み取り要求を受信したら、HDMI送受信部113は、SDA線をLレベルに駆動しつつ(S102)、SCL線をLレベルに駆動する(S103)。すなわち、SDA線及びSCL線をともにLレベルに駆動する。これにより、I2Cバスはスタートコンディション状態となり、シンク機器301はアダプタ装置101からの通信を待つ状態となる。SCL線のLレベルを検知することで、シンク機器301はSDA線をLレベルに駆動する動作を停止する。アダプタ装置101によってSDA線がLレベルに駆動されているため、シンク機器301がSDA線をLレベルに駆動する動作を停止しても、シンク機器301のタイムアウトは生じない。なお、I2Cスレーブは、SDA線を一定期間(例えば1ms)のみLレベルに駆動でき、一定時間経過後はタイムアウトが発生するが、I2Cマスタは任意の時間の間、SDA線をLレベルに駆動することが許容されている。
【0047】
アダプタ装置101の制御信号変換部114は、SCDC読み取り要求をUSB Type-Cのフォーマットに変換する。USB送受信部112が、変換後のSCDC読み取り要求を、USB Type-Cの制御線を介して、ソース機器201に送信する(S104)。
【0048】
ソース機器201のUSB送受信部213は、アダプタ装置101からのSCDC読み取り要求を受信したら、SCDC読み取り要求をHDMI送受信部212に提供する(S105)。HDMI送受信部212は、SCDC読み取り要求に応じたSCDC読み出し信号をUSB送受信部213に提供する。USB送受信部213がSCDC読み出し信号を、アダプタ装置101に、USB Type-Cの制御線を介して送信する。
【0049】
アダプタ装置101のUSB送受信部112がソース機器201からのSCDC読み出し信号を、制御線を介して受信する。制御信号変換部114がSCDC読み出し信号をHDMIのフォーマットに変換する。HDMI送受信部113がSCDC読み出し信号を、SCL線を介して、シンク機器301に送信する(S106)。SCDC読み出し信号は、一例としてSCDCレジスタR1のアドレスを含む。
【0050】
シンク機器301のHDMI送受信部312はSCDC読み出し信号を受信すると、SCDCレジスタR1のデータ(SCDCデータ)を読み出して、SCDCデータを、SDA線を介して、アダプタ装置101に送信する(S107)。
【0051】
アダプタ装置101のHDMI送受信部113は、シンク機器301からSCDCデータを受信すると(SCDCデータの読み出しを完了すると)、制御信号変換部114がSCDCデータをUSB Type-Cのフォーマットに変換する。USB送受信部112がSCDCデータを、USB Type-Cの制御線を介してソース機器201に送信する(S108)。すなわち、ソース機器201に、SCDCデータの読み出し(SCDC読み取り要求の実行)が完了したことを示すSCDC読み出し応答が、ソース機器201に送信される。
【0052】
以上、本実施形態によれば、HDMIオルトモードにおいてもシンク機器301からのSCDC読み取り要求をソース機器201に送信し、ソース機器201からシンク機器301にSCDC読み出し信号を送信することができる。アダプタ装置101がSCL線をLレベルに駆動しているため、SCDC読み取り要求の発生から一定期間内にシンク機器301でSCDC読み出し信号が受信されなくても、タイムアウトは発生しない。また、ソース機器はSCDCレジスタR1を読み出すために定期的にポーリングをする必要なく、低負荷かつ低消費電力で、SCDCレジスタR1のデータを読み出すことができる。また、バスの帯域使用も抑えられる。また、ソース機器201からの映像の出力の切り替え(例えば圧縮無しから圧縮有りへの切り替え)が早くなるなどの効果も期待できる。
【0053】
(第2実施形態)
第2実施形態は、アダプタ装置101がシンク機器301からSCDC読み取り要求を受信して、SDA線及びSCL線をLレベルに駆動した後、SDA線をHレベルに駆動し、次にSCL線をHレベルに駆動する。なお本実施形態ではSDA線は電源電圧にプルアップされており、SDA線がLレベルに駆動されない状態では、SDA線はHレベルになるが、この場合もHレベルに駆動と表現する。このようにSDA線をHレベルに駆動し、さらにSCL線をHレベルに駆動することは、I2Cのストップコンディションに相当する。この動作は、アダプタ装置101がシンク機器301に対して、SCDC読み取り要求を受け付けたことを通知することを意味する。SDA線及びSCL線を両方ともHレベルに駆動することで、I2Cバス(SDA線及びSCL線)のビジー状態を解消する。すなわちI2Cバスを開放する。これにより、アダプタ装置101が、シンク機器301にSCDC読み出し信号を送信するまでの間、アダプタ装置101は、他のシンク機器と通信することが可能になる。
【0054】
図5は、アダプタ装置101(I2Cマスタ)とシンク機器301(I2Cスレーブ)の動作のタイミングチャートを示す。
図5(A)は、シンク機器のSDA線に対する動作タイミングの例、
図5(B)は、アダプタ装置101のSDA線に対する動作タイミングの例、
図5(C)は、アダプタ装置101のSCL線に対する動作タイミングの例を示す。
図5(A)は
図3(A)と同じである。アダプタ装置101は、シンク機器301からSCDC読み取り要求をすると、
図3(B)に示すように、時刻t22でSDA線をHレベルに駆動し、続けて、
図3(C)に示すように、時刻t32でSCL線をHレベルに駆動する。
【0055】
図6は、第2実施形態に係る通信システムの動作シーケンス図である。ステップS101~S103は第1実施形態と同様である。ステップS103の後に、SDA線をHレベルにし(S201)、続けて、SCL線をHレベルに駆動する(S202)。これにより、シンク機器301にSCDC読み取り要求を受け付けたことを通知し、タイムアウトは発生しない。この後の動作(S104~S108)は、第1実施形態と同様である。
【0056】
以上、本実施形態によれば、アダプタ装置101は、シンク機器301からSCDC読み取り要求を受信した後、SCDC読み出し信号をシンク機器301に送信する前の間、他のシンク機器と通信することができる。
【0057】
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態に係る通信システムのブロック図である。アダプタ装置101に記憶部115が追加されている。記憶部115はデータ又は信号を一時的に記憶する保持部である。記憶部115はメモリ又はレジスタ等により構成される。
【0058】
第3実施形態は、アダプタ装置101がシンク機器301からSCDC読み取り要求を受信すると、SCDC読み取り要求をソース機器201には送信せずに記憶部115に保持する。そして、アダプタ装置101は、(ソース機器201の代わりに) SCDC 読み出し信号をシンク機器301に送信して、シンク機器301からSCDCレジスタR1のデータを読み出し、読み出したSCDCレジスタR1のデータを記憶部115に保持する。その後、アダプタ装置101は、記憶部115に保持していたSCDC読み取り要求を制御信号変換部114でプロトコル変換して、ソース機器201に送信する。ソース機器201はSCDC読み取り要求を受信したら、アダプタ装置101にSCDC読み出し信号を送る。アダプタ装置101は、SCDC読み出し信号を受信したら、記憶部115に保持していたSCDCレジスタR1のデータを制御信号変換部114でプロトコル変換して、ソース機器201に送信する。
【0059】
図8は、第3実施形態に係る通信システムの動作シーケンス図である。シンク機器301がSCDC読み取り要求をアダプタ装置101に送信する(S101)。
【0060】
アダプタ装置101はSCDC読み取り要求を受信したら、SCDC読み取り要求を記憶部115に保持する。そして、アダプタ装置101は、SCDC読み取り要求の受信から予め定めた時間以内に、SCDC 読み出し信号(第1状態読み出し信号)をシンク機器301に送信する(S301)。つまりアダプタ装置101は、ソース機器201の代わりに、SCDC読み出し信号を送信する。予め定めた時間は、SCDC読み取り要求のタイムアウト時間以内である。アダプタ装置101は、シンク機器301からSCDCデータを読み出す(S302)。アダプタ装置101は、読み出したSCDCデータを記憶部115に保持する。その後、アダプタ装置101は、記憶部115に保持していたSCDC読み取り要求をソース機器201に送信する(S303)。ステップS101、S301、S302は、アダプタ装置が介在しない一般的なソース機器及びシンク機器間で行われるSCDC読み取り機能の実行に相当する。
【0061】
ソース機器201はSCDC読み取り要求を受信したら、アダプタ装置101にSCDC読み出し信号(第2状態読み出し信号)を送信する(S304)。
【0062】
アダプタ装置101は、SCDC読み出し信号を受信したら、記憶部115に保持していたSCDCデータをソース機器201に送信する(S305)。
【0063】
以上、本実施形態によれば、アダプタ装置101シンク機器301との通信を早期に完了させることができることにより、I2Cバスを早期に開放することができる。
【0064】
なお、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、各実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0065】
101:アダプタ装置
201:HDMIソース機器(ソース機器)
301:HDMIシンク機器(シンク機器)
111:制御部
112:USB送受信部(送信部及び受信部)
113:HDMI送受信部(送受信部、第2送受信部)
114:制御信号変換部
211:制御部
212:HDMI送受信部(第1送受信部)
213:USB送受信部
311:制御部
312:HDMI送受信部
R1:SCDCレジスタ