(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】単一の顧客に対する分割配送を自動マージするためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20240215BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240215BHJP
【FI】
G06Q10/08
G06Q30/0601 304
(21)【出願番号】P 2020572676
(86)(22)【出願日】2020-09-21
(86)【国際出願番号】 IB2020058804
(87)【国際公開番号】W WO2021123932
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2021-04-28
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520244544
【氏名又は名称】クーパン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】ミン,ヒュン シク ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨ スク
(72)【発明者】
【氏名】レン,エリック
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0317598(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0323250(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0037604(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0008925(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0063438(US,A1)
【文献】米国特許第09760854(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送ウェーブスケジューリングのための、コンピュータ化されたシステムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサにステップを実行させる命令を含む少なくとも1つの非一時的記憶媒体とを備え、前記ステップが、
複数の製品と、関連付けられた識別子と、を含む注文情報を、リモートシステムから受信することと、
前記関連付けられた識別子および前記リモートシステムに基づいて、前記複数の製品の第1の製品に対して、第1のフルフィルメントセンタと、複数の配送ウェーブからの第1の配送ウェーブと、を決定することと、
前記第1の製品に関連付けて、前記第1の配送ウェーブをデータベースに格納することと、
前記関連付けられた識別子および前記リモートシステムに基づいて、前記複数の製品の第2の製品に対して、第2のフルフィルメントセンタと、前記複数の配送ウェーブからの第2の配送ウェーブと、を決定することであって、前記第2の配送ウェーブが前記第1の配送ウェーブとは異なる、ことと、
前記第2の製品に関連付けて、前記第2の配送ウェーブを前記データベースに格納することと、
前記第1の配送ウェーブが前記第2の配送ウェーブよりも早い期間に関連付けられていると判定することと、を含み、前記判定することに応じて、
前記第1の製品を前記第2の配送ウェーブに関連付けるために、前記データベースを修正することと、
前記第1の配送ウェーブに関連付けられ、前記第2の配送ウェーブに関連付けられていない期間の間に、前記第1の製品の識別子を含むスキャンイベントが発生した場合に、
モバイルデバイスから、前記第1の製品の識別子を含むスキャンイベントを受信することと、
前記スキャンイベントが完了した場合に前記データベースに送信されるデータパ
ケットであって前記スキャンイベントが発生したことを示す情報を含むデータパケットを遮断することと、
前記データパケットを削除することと、により前記スキャンイベントが、完了したイベントのデータベースに挿入されるのを防止することと、
を含む、コンピュータ化されたシステム。
【請求項2】
前記第1のフルフィルメントセンタと、前記第2のフルフィルメントセンタと、が異なる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記注文情報が2つの顧客注文を含み、第1の顧客注文に前記第1の製品を有し、第2の顧客注文に前記第2の製品を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ステップが、
コンピュータ命令の第2の組を印刷デバイスに転送することであって、コンピュータ命令の前記第2の組が、前記第2の配送ウェーブに関連付けられた前記情報をリストするラベルを前記印刷デバイスに印刷させるように構成されている、ことをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
各ウェーブが、複数のウェーブを含む期間の間に発生して、前記ステップが、前記第1の配送ウェーブと前記第2の配送ウェーブとが同じ期間の間に発生することを判定することをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1及び第2のフルフィルメントセンタを判定することが、
前記リモートシステムの情報に関連付けられた地域を判定することと、
前記判定された地域に関連付けられたフルフィルメントセンタの組からフルフィルメントセンタを判定することとを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1及び第2のフルフィルメントセンタを判定することが、
複数の以前の電子要求および関連付けられたフルフィルメントセンタをデータベースに格納することと、
前記以前の電子要求を訓練データセットと、検証データセットとに分割することであって、前記訓練データセットが、前記検証データセットより多くの要求を有する、ことと、
要求情報およびフルフィルメントセンタを関連付ける訓練データセットに基づいて、予測モデルを生成することと、
前記検証データセットを使用して前記予測モデルを検証することと、
前記予測モデルを前記電子要求に適用することによって、前記第1及び第2のフルフィルメントセンタを判定することとを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1及び第2のフルフィルメントセンタを判定することが、製品のウェーブ配送のスケジュールと、複数のフルフィルメントセンタにおける各フルフィルメントセンタを通る製品の平均移動時間と、を比較することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
配送ウェーブスケジューリングのための、コンピュータによって実装される方法であって、
複数の製品と、関連付けられた識別子と、を含む注文情報を、リモートシステムから受信することと、
前記関連付けられた識別子および前記リモートシステムに基づいて、前記複数の製品の第1の製品に対して、第1のフルフィルメントセンタと、複数の配送ウェーブからの第1の配送ウェーブと、を決定することと、
前記第1の製品に関連付けて、前記第1の配送ウェーブをデータベースに格納することと、
前記関連付けられた識別子および前記リモートシステムに基づいて、前記複数の製品の第2の製品に対して、第2のフルフィルメントセンタと、前記複数の配送ウェーブからの第2の配送ウェーブと、を決定することであって、前記第2の配送ウェーブが前記第1の配送ウェーブとは異なる、ことと、
前記第2の製品に関連付けて、前記第2の配送ウェーブを前記データベースに格納することと、
前記第1の配送ウェーブが前記第2の配送ウェーブよりも早い期間に関連付けられていると判定することと、を含み、前記判定することに応じて、
前記第1の製品を前記第2の配送ウェーブに関連付けるために、前記データベースを修正することと、
前記第1の配送ウェーブに関連付けられ、前記第2の配送ウェーブに関連付けられていない期間の間に、前記第1の製品の識別子を含むスキャンイベントが発生したと判定することと、
モバイルデバイスから、前記第1の製品の識別子を含むスキャンイベントを受信することと、
前記スキャンイベントが完了した場合に前記データベースに送信されるデータパケットであって前記スキャンイベントが発生したことを示す情報を含むデータパケットを遮断することと、
前記データパケットを削除することと、により前記スキャンイベントが、完了したイベントのデータベースに挿入されるのを防止することと、
を含む、コンピュータによって実装される方法。
【請求項10】
前記第1のフルフィルメントセンタと、前記第2のフルフィルメントセンタと、が異なる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記注文情報が2つの顧客注文を含み、第1の顧客注文に前記第1の製品を有し、第2の顧客注文に前記第2の製品を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
コンピュータ命令の第2の組を印刷デバイスに転送することであって、コンピュータ命令の前記第2の組が、前記第2の配送ウェーブに関連付けられた前記情報をリストするラベルを前記印刷デバイスに印刷させるように構成されている、ことをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
各ウェーブが、複数のウェーブを含む期間の間に発生し、前記
方法が、前記第1の配送ウェーブと前記第2の配送ウェーブとが同じ期間の間に発生することを判定することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記リモートシステムの情報に関連付けられた地域を判定することと、
前記判定された地域に関連付けられたフルフィルメントセンタの組からフルフィルメントセンタを判定することとを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記第1及び第2のフルフィルメントセンタを判定することが、
複数の以前の電子要求および関連付けられたフルフィルメントセンタをデータベース
前記以前の電子要求を訓練データセットと、検証データセットとに分割することであって、前記訓練データセットが、前記検証データセットより多くの要求を有する、ことと、
要求情報およびフルフィルメントセンタを関連付ける訓練データセットに基づいて、予測モデルを生成することと、
前記検証データセットを使用して前記予測モデルを検証することと、
前記予測モデルを前記電子要求に適用することによって、前記フルフィルメントセンタを判定することとを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記第1及び第2のフルフィルメントセンタを判定することが、製品のウェーブ配送のスケジュールと、複数のフルフィルメントセンタにおける、各フルフィルメントセンタを通る製品の平均移動時間とを比較することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
配送ウェーブスケジューリングのための、コンピュータ化されたシステムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサにステップを実行させる命令を含む少なくとも1つの非一時的記憶媒体とを備え、前記ステップが、
複数の製品と、関連付けられた識別子と、を含む注文情報を、リモートシステムから受信することと、
前記関連付けられた識別子および前記リモートシステムに基づいて、前記複数の製品の第1の製品に対して、フルフィルメントセンタと、複数の配送ウェーブからの第1の配送ウェーブと、を決定することであって、前記第1の
配送ウェーブが条件と関連付けられていることと、
前記第1の製品に関連付けて、前記第1の配送ウェーブをデータベースに格納することと、
前記関連付けられた識別子および前記リモートシステムに基づいて、前記複数の製品のうちの第2の製品に対して、フルフィルメントセンタと、前記複数の配送ウェーブからの第2の配送ウェーブと、を決定することであって、前記第2の配送ウェーブが、前記第1の配送ウェーブに関連付けられた期間とは異なる期間に関連付けられる、ことと、
前記第2の製品に関連付けて、前記第2の配送ウェーブを前記データベースに格納することと、
前記第1の
配送ウェーブに関連付けられた前記期間と、前記第2の
配送ウェーブに関連付けられた前記期間と、が同じ期間の間に発生すると判定することであって、前記期間が複数の
配送ウェーブを含む、ことと、
前記第1の配送ウェーブが前記第2の配送ウェーブよりも早い期間に関連付けられていること、および、前記第2の配送ウェーブが前記条件を満たしていない前記第2の製品に基づいて決定されたこと、を判定することと、を含み、前記判定することに応じて、
前記第2の製品を前記第1の配送ウェーブに関連付けるために、前記データベースを修正することと、
前記第1の配送ウェーブに関連付けられ、前記第2の配送ウェーブに関連付けられていない期間の間に、前記第1の製品の識別子を含むスキャンイベントが発生した場合に、
モバイルデバイスから、前記第1の製品の識別子を含むスキャンイベントを受信することと、
前記スキャンイベントが完了した場合に前記データベースに送信されるデータパケットであって前記スキャンイベントが発生したことを示す情報を含むデータパケットを遮断することと、
前記データパケットを削除することと、により前記スキャンイベントが、完了したイベントのデータベースに挿入されるのを防止することと、
を含む、コンピュータ化されたシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、荷物配送の自動再スケジュールのための、コンピュータ化されたシステムおよび方法に関する。特に、本開示の実施形態は、複数のサブシステムからのデータの集まりに基づいて、物流管理システムを通じて電子注文情報を分析して、分割配送を単一の配送に統合することができる場合を判定して、このような判定の際に、配送を自動的に再スケジュールする、発明的な非従来型のシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ技術の進歩および普及に伴い、eコマースとしても知られるオンラインショッピングは、商取引の主要な手段の1つになった。消費者および企業はかつてないほど頻繁にオンラインベンダから商品を購入しており、取引数および売上高は前年比で驚異的なペースで増加すると予測されている。eコマースの範囲および取引量が増加し続けるにつれて、オンラインで購入可能な異なる製品の数と、特定の期間に行われた平均購入数との両方が急激に増加している。例えば、ある人気のオンライン小売業者が販売する異なる製品の数は6億製品を超え、同じ小売業者が1日に出荷する荷物の数は160万個を超えていると言われている。
【0003】
各オンライン購入では、本質的に、購入された商品を意図する受取人に配送する必要がある。各オンライン購入またはオンライン注文は、一般的に、1つ以上の商品を含み、1つ以上の商品は、各々が独自の約束配送日を持つ1つ以上の荷物に梱包される場合がある。一般的な注文は、1つ以上の商品を求める注文を顧客から受信することと、在庫から1つ以上の商品を取り出すことと、1つ以上の商品を1つ以上の荷物に梱包することと、約束配送日の前に、1つ以上の荷物を意図する受取人に配送することとのようなステップを通じて処理してもよい。約束配送日は、小売業者自身もしくは出荷業者が設定してもよいし、または顧客が特定の日付を要求して、その後約束配送日として割り当ててもよい。注文処理の理想的なシステムは、約束配送日までに各荷物を意図する受取人に間違いなく配送する。
【0004】
注文処理システムは、場合によっては、「ウェーブ(wave)プロセス」を使用して動作してもよく、このプロセスでは、製品が、特定の期間の1つ以上のウェーブの間に指定されたエリアに配送されるようにスケジュールされる。例えば、ウェーブ配送は、特定のエリア(例えば、サブルートを含むルート)の周りの荷物の第1のウェーブを1日1回含み、次に、その日の、より遅い時間における同じエリアへの荷物の第2のウェーブを含んでもよい。このプロセスは、製品が、異なるエリアの1つ以上のシフトで配送される(例えば、2つのシフトが、指定されたエリアの半分を2つ分カバーする)「シフトプロセス」の代替手段として使用され得る。「ウェーブプロセス」は、「シフトプロセス」と比べて、特定の利点をもたらすことができる。例えば、「ウェーブプロセス」は、優れたエリアカバー率を提供して、他の方法では配送が利用できない特定のエリアへの配送を可能にすることができる。しかしながら、「ウェーブプロセス」は1日に複数回同じエリアをカバーすることができるので、このプロセスを利用すると、1日に1回の配送しか必要ない場合に、1日に複数回同じ場所に製品を配送して、費用が大幅に増加する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在の既存のコンピュータ化された注文処理システムは、前述のステップを実装する際に様々な程度の自動化および複雑さを含んでいる。しかしながら、異なる商品および注文の数が増えるにつれ、注文はサブシステムの複雑なネットワークを経由する必要があること、および一部の注文には部分的な返品などの複雑な要素があることによって悪化していて、現在のシステムは、費用を削減するために、同じ受取人への複数の配送を1つに統合する(すなわち、注文内のすべての荷物が、複数のウェーブではなく単一のウェーブで意図する受取人に配送される)ことができる場合を判定することが不可能、または大幅に非効率的である点で問題がある。
【0006】
したがって、1回の配送しか必要ない場合に、複数回同じ場所に製品を配送することに起因する費用を削減するために、複数の配送ウェーブにわたる複数の荷物の配送を、単一のウェーブに自動統合するための改善された方法およびシステムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、配送ウェーブスケジューリングのための、コンピュータ化されたシステムを対象としている。システムは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサにステップを実行させる命令を含む少なくとも1つの非一時的記憶媒体とを備え、ステップが、複数の製品と関連付けられた識別子とを含む注文情報を、リモートシステムから受信することと、関連付けられた識別子、およびリモートシステムに基づいて、複数の製品の第1の製品に対して、フルフィルメントセンタを決定(判定)し、複数の配送ウェーブから第1の配送ウェーブを決定(判定)することと、第1の製品に関連付けて、第1の配送ウェーブをデータベースに格納することと、関連付けられた識別子、およびリモートシステムに基づいて、複数の製品のうちの第2の製品に対して、フルフィルメントセンタを決定(判定)し、複数の配送ウェーブから第2の配送ウェーブを決定(判定)することであって、第2の配送ウェーブが第1の配送ウェーブとは異なる、ことと、第2の製品に関連付けて、第2の配送ウェーブをデータベースに格納することと、第1の配送ウェーブが、第2の配送ウェーブよりも早い期間に関連付けられていると判定することとを含み、判定することに応じて、第1の製品を第2の配送ウェーブに関連付けるために、データベースを修正することと、第1の製品、および第2の配送ウェーブに関連付けられた情報を表示する、グラフィカルユーザインタフェースを生成するために、コンピュータ命令を少なくとも1つのモバイルデバイスに転送することとを含んでもよい。
【0008】
本開示の別の態様は、配送ウェーブスケジューリングのための、コンピュータによって実装される方法を対象としている。方法は、複数の製品と関連付けられた識別子とを含む注文情報を、リモートシステムから受信することと、関連付けられた識別子、およびリモートシステムに基づいて、複数の製品の第1の製品に対して、フルフィルメントセンタを決定(判定)し、複数の配送ウェーブから第1の配送ウェーブを決定(判定)することと、第1の製品に関連付けて、第1の配送ウェーブをデータベースに格納することと、関連付けられた識別子、およびリモートシステムに基づいて、複数の製品のうちの第2の製品に対して、フルフィルメントセンタを決定(判定)し、複数の配送ウェーブから第2の配送ウェーブを決定(判定)することであって、第2の配送ウェーブが第1の配送ウェーブとは異なる、ことと、
第2の製品に関連付けて、第2の配送ウェーブをデータベースに格納することと、第1の配送ウェーブが、第2の配送ウェーブよりも早い期間に関連付けられていると判定することとを含み、判定することに応じて、第1の製品を第2の配送ウェーブに関連付けるために、データベースを修正することと、第1の製品、および第2の配送ウェーブに関連付けられた情報を表示する、グラフィカルユーザインタフェースを生成するために、コンピュータ命令を少なくとも1つのモバイルデバイスに転送することとを含んでもよい。
【0009】
本開示のさらに別の態様は、配送ウェーブスケジューリングのための、コンピュータ化されたシステムを対象としている。システムは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサにステップを実行させる命令を含む少なくとも1つの非一時的記憶媒体とを備えステップが、複数の製品と関連付けられた識別子とを含む注文情報を、リモートシステムから受信することと、関連付けられた識別子、およびリモートシステムに基づいて、複数の製品の第1の製品に対して、フルフィルメントセンタを決定(判定)し、複数の配送ウェーブから第1の配送ウェーブを決定(判定)することであって、第1のウェーブが条件と関連付けられていることと、第1の製品に関連付けて、第1の配送ウェーブをデータベースに格納することと、関連付けられた識別子、およびリモートシステムに基づいて、複数の製品のうちの第2の製品に対して、フルフィルメントセンタを決定(判定)し、複数の配送ウェーブから第2の配送ウェーブを決定(判定)することであって、第2の配送ウェーブが、第1の配送ウェーブに関連付けられた期間とは異なる期間に関連付けられることと、第2の製品に関連付けて、第2の配送ウェーブをデータベースに格納することと、第1のウェーブに関連付けられた期間と、第2のウェーブに関連付けられた期間とが同じウェーブ期間の間に発生すると判定することと、第1の配送ウェーブが、第2の配送ウェーブよりも早い期間に関連付けられていると、および第2の配送ウェーブが、条件を満たしていない第2の製品に基づいて決定(判定)されたと判定することであって、この判定することに応じて、第2の製品を第1の配送ウェーブに関連付けるために、データベースを修正すること、および第1の配送ウェーブに関連付けられた、第2の製品および情報を表示する、グラフィカルユーザインタフェースを生成するために、コンピュータ命令を少なくとも1つのモバイルデバイスに転送することとを含んでもよい。
【0010】
他のシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体も、本明細書で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】開示された実施形態に一致する、出荷、輸送、および物流オペレーションを可能にする通信のための、コンピュータ化されたシステムを備えるネットワークの例示的な実施形態を示す概略ブロック図である。
【
図1B】開示された実施形態に一致する、対話型ユーザインタフェース要素と共に検索要求を満たす1つ以上の検索結果を含む例示的な検索結果ページ(SRP)を示す図である。
【
図1C】開示された実施形態に一致する、対話型ユーザインタフェース要素と共に製品および製品に関する情報を含む例示的な単一ディスプレイページ(SDP)を示す図である。
【
図1D】開示された実施形態に一致する、対話型ユーザインタフェース要素と共に仮想ショッピングカート内の商品を含む例示的なカートページを示す図である。
【
図1E】開示された実施形態に一致する、対話型ユーザインタフェース要素と共に、購入および出荷に関する情報と共に仮想ショッピングカートからの商品を含む例示的な注文ページを示す図である。
【
図2】開示された実施形態に一致する、開示されたコンピュータ化されたシステムを利用するように構成された例示的なフルフィルメントセンタの概略図である。
【
図3】開示された実施形態に一致する、フルフィルメント最適化(FO)システムによってアクセス可能なデータベースの例示的な実施形態を示すブロック図である。
【
図4】開示された実施形態に一致する、分割配送を統合するために実行されてもよい例示的なマージプロセスを示すフローチャートである。
【
図5】開示された実施形態に一致する、分割配送をマージするために実行されてもよい詳細かつ例示的なマージプロセスを示すフローチャートである。
【
図6A】開示された実施形態に一致する、同じウェーブで配送されるべきであると判定された際に、複数の製品の配送を再スケジュールするために実行されてもよい例示的なプロセスの図である。
【
図6B】開示された実施形態に一致する、荷物の配送が別のウェーブに再スケジュールされるべきであると判定された際に、荷物ラベルを印刷および交換するために実行されてもよい例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図6C】開示された実施形態に一致する、製品の配送が異なるウェーブに再スケジュールされた後のウェーブの間に製品の配送を防止するために実行されてもよい例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図7】開示された実施形態に一致する、配送を再スケジュールするために、データベースに格納された製品情報をどのように修正することができるかを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明では、添付の図面を参照する。可能な限り、図面および以下の説明では、同一または類似の部分を参照するために、同一の参照符号を使用する。いくつかの例示的な実施形態が本明細書で説明されるが、修正、適応、および他の実装が可能である。例えば、置換、追加、または修正が図面に示された構成要素およびステップに行われてもよく、本明細書で説明された例示的な方法は、開示された方法にステップを置換、並べ替え、除去、または追加することによって修正されてもよい。したがって、以下の詳細な説明は、開示された実施形態および実施例に限定されない。代わりに、本発明の適切な範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0013】
本開示の実施形態は、分割配送を単一の顧客に自動マージするために構成されたシステムおよび方法を対象としている。具体的には、開示された実施形態は、1回の配送しか必要ない場合に、複数回同じ場所に製品を配送することに起因する費用を削減するために、複数の配送ウェーブにわたる複数の荷物の配送を、単一のウェーブに統合することを対象とする。
【0014】
図1Aを参照すると、出荷、輸送、および物流動作を可能にする通信のためのコンピュータ化されたシステムを含むシステムの例示的な実施形態を示す概略ブロック
図100が示されている。
図1Aに示すように、システム100は様々なシステムを含むことができ、その各々は、1つまたは複数のネットワークを介して互いに接続することができる。システムはまた、例えばケーブルを使用して、直接接続を介して互いに接続されてもよい。図示のシステムは、出荷権限技術(SAT)システム101、外部フロントエンドシステム103、内部フロントエンドシステム105、輸送システム107、モバイルデバイス107A、107B、107C、売り手ポータル109、出荷および注文追跡(SOT)システム111、フルフィルメント(履行)最適化(FO)システム113、フルフィルメントメッセージングゲートウェイ(FMG)115、サプライチェーン管理(SCM)システム117、労働力管理システム119、モバイルデバイス119A、119B、119C(フルフィルメントセンタ(FC)200の内部にあるものとして図示)、第三者パーティフルフィルメントシステム121A、121B、121C、フルフィルメントセンタ認証システム(FC認証)123、労働管理システム(LMS)125を含む。
【0015】
SATシステム101は、いくつかの実施形態では注文状態および配送状態を監視するコンピュータシステムとして実装されてもよい。例えば、SAT装置101は注文がその約束配送日(PDD)を過ぎているかどうかを判定し、新しい注文を開始すること、配達されていない注文でアイテムを再出荷すること、配達されていない注文をキャンセルすること、注文カスタマとのコンタクトを開始することなどを含む適切な処置をとることができる。SAT装置101は、出力(特定の期間中に出荷された荷物の数のよう)及び入力(出荷に使用するために受け取った空のボール紙箱の数のよう)を含む他のデータを監視することもできる。また、SATシステム101はシステム100内の異なるデバイス間のゲートウェイとして機能し、外部フロントエンドシステム103およびFOシステム113などのデバイス間の通信(例えば、ストアアンドフォワードまたは他の技術を使用する)を可能にしてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、外部フロントエンドシステム103は外部ユーザがシステム100内の1つまたは複数のシステムと対話することを可能にするコンピュータシステムとして実装することができる。例えば、システム100がシステムの提示を可能にして、ユーザがアイテムのための注文を配置することを可能にする実施形態では、外部フロントエンドシステム103が検索リクエストを受信し、アイテムページを提示し、決済情報を要請するウェブサーバとして実装されてもよい。例えば、外部フロントエンドシステム103は、アパッチHTTPサーバ、マイクロソフトインターネットインフォメーションサービス、NGINX等のソフトウェアを実行するコンピュータ又はコンピュータとして実施することができる。他の実施形態では、外部フロントエンドシステム103が外部デバイス(例えば、モバイルデバイス102Aまたはコンピュータ102B)からの要求を受信および処理し、それらの要求に基づいてデータベースおよび他のデータストアから情報を取得し、取得した情報に基づいて受信した要求に対する応答を提供するように設計されたカスタムウェブサーバソフトウェアを実行することができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、外部フロントエンドシステム103がウェブキャッシングシステム、データベース、検索システム、または支払いシステムのうちの1つまたは複数を含むことができる。一態様では外部フロントエンドシステム103がこれらのシステムのうちの1つまたは複数を備えることができ、別の態様では外部フロントエンドシステム103がこれらのシステムのうちの1つまたは複数に接続されたインターフェース(例えば、サーバ間、データベース間、または他のネットワーク接続)を備えることができる。
【0018】
図1B、
図1C、
図1D、および
図1Eによって示されるステップの例示的な組は、外部フロントエンドシステム103のいくつかの動作を説明するのに役立つことができる。外部フロントエンドシステム103は提示および/またはディスプレイのために、システム100内のシステムまたはデバイスから情報を受け取ることができる。例えば、外部フロントエンドシステム103は、検索結果を含む1つ以上のウェブページをホスティングまたは提供することができる: ページ(SRP)(例えば、
図1B)、単一ディテールページ(SDP)(例えば、
図1C)、カードページ(例えば、
図1D)、または注文ページ(例えば、
図1E)。ユーザデバイス(例えば、モバイルデバイス102Aまたはコンピュータ102Bを使用する)は外部フロントエンドシステム103にナビゲートし、サーチボックスに入力することによってサーチをリクエストすることができる。外部フロントエンドシステム103は、システム100内の1つまたは複数のシステムからリクエストすることができる。例えば、外部フロントエンドシステム103は、検索要求を満たす情報をFOシステム113に要求してもよい。また、外部フロントエンドシステム103は検索結果に含まれる商品ごとに、約束配送日または「PDD」を(FOシステム113から)リクエストし、受信することもできる。
PDDはいくつかの実施形態では、特定の期間内に、例えば、その日の最後(午後11時59分)までに注文された場合、製品を含む荷物が、いつユーザの所望の場所に到着するか、または製品がユーザの所望の場所に配送されることを約束される日付かのいずれかの推定値を表すことができる(PDDはFOシステム113に関して以下でさらに説明される)。
【0019】
外部フロントエンドシステム103がその情報に基づいてSRP(例えば、
図1B)を準備することができる。SRPは、検索要求を満たす情報を含むことができる。例えば、これは、検索要求を満たす製品の写真を含むことができる。SRPはまた、各製品についてのそれぞれの価格、または各製品についての強化された配送オプション、PDD、重み、規模、オファー、割引などに関する情報を含んでもよい。外部フロントエンドシステム103は(例えば、ネットワークを介して)要求側ユーザデバイスにSRPを送信することができる。
【0020】
次いで、ユーザデバイスは例えば、ユーザインターフェースをクリックまたはタップすることによって、または別のインプットデバイスを使用して、SRPから製品を選択して、SRP上に表される製品を選択し得る。ユーザデバイスは選択されたプロダクトに関するリクエストを作成し、それを外部フロントエンドシステム103に送ることができる。これに応じて、外部フロントエンドシステム103は、選択された商品に関する情報をリクエストすることができる。例えば、情報は、それぞれのSRP上の製品について提示される情報を超える追加の情報を含むことができる。これには、例えば、貯蔵寿命、原産国、体重、大きさ、荷物中のアイテムの個数、取扱説明書、または生成物に関する他の事項が含まれ得る。また、情報は(例えば、この製品および少なくとも1つの他の製品を購入した顧客のビッグデータおよび/または機械学習分析に基づく)類似の製品に対する推奨、頻繁に質問される質問に対する回答、顧客からのレビュー、製造業者情報、写真などを含むことができる。
【0021】
外部フロントエンドシステム103は受信したプロダクトインフォメーションに基づいて、SDP(単一ディテールページ)(例えば、
図1C)を準備することができる。SDPはまた、「今すぐ買う」ボタン、「カードに追加する」ボタン、数量欄、アイテムの写真等のような他の対話型要素を含んでもよい。SDPは、製品を提供する売り手のリストをさらに含むことができる。リストは各売り手が提供する価格に基づいて注文されてもよく、その結果、最低価格で製品を販売することを提案する売り手は最上位にリストされてもよい。リストは最高ランクの売り手が最上位にリストされるように、売り手ランキングに基づいて注文されてもよい。売り手ランキングは例えば、約束されたPDDを満たす売り手の過去の実績を含む、複数の要因に基づいて定式化されてもよい。外部フロントエンドシステム103は(例えば、ネットワークを介して)要求側ユーザデバイスにSDPを配信することができる。
【0022】
依頼元ユーザデバイスは、商品情報を記載したSDPを受け取る場合がある。SDPを受信すると、ユーザデバイスはSDPと対話することができる。例えば、要求ユーザデバイスのユーザは、SDP上の「カートに入れる」ボタンをクリックするか、あるいは他の方法で対話することができる。これは、ユーザに関連付けられたショッピングカートに製品を追加する。ユーザデバイスはこのリクエストを送信して、商品をショッピングカートに追加し、外部フロントエンドシステム103に送ることができる。
【0023】
外部フロントエンドシステム103はカートページ(例えば、
図1D)を生成することができる。カートページはいくつかの実施形態ではユーザが仮想の「買物かご」に追加した商品をリストし、ユーザデバイスは、SRP、SDP、または他のページ上のアイコンをクリックするか、または他の方法で対話することによって、カートページをリクエストしてもよい。いくつかの実施形態では、カートページがユーザがショッピングカートに追加したすべての製品、ならびに各製品の数量、各製品のアイテム当たりの価格、関連する数量に基づく各製品の価格、PDDに関する情報、配送方法、出荷費用、ショッピングカート内の製品を修正するためのユーザインターフェース要素(例えば、数量の削除または修正)、他の製品を注文するかまたは製品の定期的な配送を設定するためのオプション、利息支払いを設定するためのオプション、購入を進めるためのユーザインターフェース要素などのカート内の製品に関する情報を列挙することができる。ユーザデバイスのユーザはショッピングカート内の商品の購入を開始するために、ユーザインターフェース要素(例えば、「今すぐ買う」と読むボタン)をクリックするか、または他の方法でユーザインターフェース要素と対話することができる。そうすると、ユーザデバイスは、このリクエストを送信して、外部フロントエンドシステム103への購入を開始することができる。
【0024】
外部フロントエンドシステム103は購入を開始するためのリクエストの受信に応じて、注文頁(例えば、
図1E)を発生することができる。注文頁はいくつかの実施形態ではショッピングカートからのアイテムを再リストし、支払及び出荷に関するインプットを要求する。例えば、注文ページはショッピングカート内のアイテムの購入者に関する情報(例えば、名前、住所、電子メールアドレス、電話番号)、受取人に関する情報(例えば、名前、住所、電話番号、配送情報)、出荷情報(例えば、配送および/または集荷の速度/方法)、支払情報(例えば、クレジットカード、銀行振込、小切手、記憶クレジット)、現金受領を要求するためのユーザインターフェース要素(例えば、税務目的のための)などを要求する区画を含むことができる。外部フロントエンドシステム103は、注文頁をユーザデバイスへ送信することが可能である。
【0025】
ユーザデバイスは注文頁に情報を入力し、その情報を外部フロントエンドシステム103に送信するユーザインターフェース要素をクリックするか、または他の方法で対話することができる。そこから、外部フロントエンドシステム103はショッピングカート内の製品との新しい注文の作成および加工を可能にするために、システム100内の様々なシステムに情報を送信することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、外部フロントエンドシステム103が売り手が注文に関する情報を送受信することを可能にするようにさらに構成されてもよい。
【0027】
内部フロントエンドシステム105はいくつかの実施形態では内部ユーザ(例えば、システム100を所有し、運営し、またはリースする団体の従業員)がシステム100内の1つまたは複数のシステムと対話することを可能にするコンピュータシステムとして実装することができる。例えば、ネットワーク101がシステムの提示を可能にして、ユーザが注文のための注文を配置できるようにする実施形態では、内部ユーザが注文に関する診断および統計情報を見たり、アイテム情報を修正したり、またはアイテムに関する統計を見直したりできるようにする、内部フロントエンドシステム105をウェブサーバとして実装することができる。例えば、内蔵フロントエンドシステム105は、アパッチHTTPサーバ、マイクロソフトインターネットインフォメーションサービス、NGINX等のソフトウェアを実行するコンピュータ又はコンピュータとして実現することができる。他の実施形態では、内蔵フロントエンドシステム105がシステム100に示されるシステムまたはデバイス(ならびに図示されない他のデバイス)からの要求を受信および処理し、それらの要求に基づいてデータベースおよび他のデータストアから情報を取得し、取得された情報に基づいて受信された要求への応答を提供するように設計されたカスタムウェブサーバソフトウェアを実行することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、内蔵フロントエンドシステム105がウェブキャッシングシステム、データベース、検索システム、支払いシステム、分析システム、注文監視システムなどのうちの1つまたは複数を含むことができる。一態様では内部フロントエンドシステム105がこれらのシステムのうちの1つまたは複数を備えることができ、別の態様では内部フロントエンドシステム105がこれらのシステムのうちの1つまたは複数に接続されたインターフェース(たとえば、サーバ間、データベース間、または他のネットワーク接続)を備えることができる。
【0029】
輸送システム107は、いくつかの実施形態ではシステム100内のシステムまたはデバイスとモバイルデバイス107A~107Cとの間の通信を可能にするコンピュータシステムとして実施することができる。いくつかの実施形態では、トランスポーテーションシステム107が1つまたは複数のモバイルデバイス107A~107C(例えば、携帯電話、スマートフォン、PDAなど)から受信することができる。例えば、いくつかの実施形態では、モバイルデバイス107A~107Cが配送作業員によって操作されるデバイスを含んでもよい。配送作業員は、正社員、臨時社員、または交替社員であってもよく、モバイルデバイス107A~107Cを利用して、ユーザによって注文された製品を含む荷物の配送を行うことができる。例えば、荷物を配信するために、配送作業員は、どの荷物を配信すべきか、およびそれをどこに配信すべきかを示す通知をモバイルデバイス上で受信することができる。配送位置に到着すると、配送作業員は荷物を(例えば、トラックの後ろに、または荷物の箱に)配置し、モバイルデバイスを使用して荷物上の識別子に関連するデータ(例えば、バーコード、イメージ、文字列、RFIDタグなど)を走査または他の方法で捕捉し、荷物を(例えば、前扉に置いたままにし、警備員を置いたままにし、受信者に渡すなどによって)配信することができる。いくつかの実施形態では、配送作業員が荷物の写真をキャプチャすることができ、および/またはモバイルデバイスを使用してシグネチャを取得することができる。モバイルデバイスは例えば、時刻、日付、GPS位置、写真、配送作業員に関連付けられた識別子、モバイルデバイスに関連付けられた識別子などを含む配送に関する情報を含む情報を輸送機関107に送信することができる。輸送システム107はシステム100内の他のシステムによるアクセスのために、この情報をデータベース(図示せず)に記憶することができる。輸送システム107はいくつかの実施形態ではこの情報を使用して、特定の荷物の位置を示す追跡データを準備し、他のシステムに送信することができる。
【0030】
いくつかの実施形態ではあるユーザが1つの種類のモバイルデバイスを使用することができる(例えば、永久作業員はバーコードスキャナ、スタイラス、および他のデバイスなどのカスタムハードウェアと共に専用のPDAを使用することができる)が他のユーザは他の種類のモバイルデバイスを使用することができる(例えば、一時的または移動作業員は既製の携帯電話および/またはスマートフォンを利用することができる)。
【0031】
いくつかの実施形態では、交通機関107がユーザをそれぞれのデバイスに関連付けることができる。例えば、輸送システム107はユーザ(例えば、ユーザ識別子、従業員識別子、または電話番号)とモバイルデバイス(例えば、国際移動装置アイデンティティ(IMEI)、国際移動加入識別子(IMSI)、電話番号、汎用一意識別子(UUID)、またはグローバル一意(GUID)によって表される)との間の関連を記憶することができる。トランスポートシステム107はこの関連付けを、配送上で受信されたデータと併せて使用して、とりわけ、作業員の位置、作業員の有効性、または作業員のスピードを決定するために、注文内のデータベースに格納されたデータを分析することができる。
【0032】
売り手ポータル109は、いくつかの実施形態では売り手または他の外部エンティティがシステム100内の1つまたは複数のシステムと電子的に通信することを可能にするコンピュータシステムとして実装され得る。例えば、売り手は、コンピュータシステム(図示せず)を利用して、売り手が売り手ポータル109を使用してシステム100を通して売りたい製品について、製品情報、注文情報、連絡先情報などをアップロードまたは提供することができる。
【0033】
出荷および注文追跡システム111はいくつかの実施形態では(例えば、デバイス102A~102Bを使用するユーザによって)顧客によって注文された製品を含む荷物の位置に関する情報を受信し、記憶し、転送するコンピュータシステムとして実装されてもよい。いくつかの実施形態では、出荷および注文追跡装置111は顧客が注文した製品を含む荷物を配送する出荷会社によって運営されるウェブサーバ(図示せず)からの情報をリクエストまたは記憶することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、出荷および注文追跡システム111がシステム100に示されたシステムからの情報をリクエストし、記憶することができる。例えば、出荷および注文追跡システム111は、輸送システム107にリクエストすることができる。上述のように、交通機関107はユーザ(例えば、配送作業員)または乗り物(例えば、配送車)のうちの1つまたは複数に関連付けられた1つまたは複数のモバイルデバイス107A~107C(例えば、携帯電話、スマートフォン、PDAなど)から受信することができる。いくつかの実施形態では、出荷および注文追跡装置111がフルフィルメントセンタ(例えば、フルフィルメントセンタ200)内の個々の製品の位置を決定するために、労働力管理システム(WMS)119にリクエストすることもできる。出荷および注文追跡システム111は輸送システム107またはWMS 119のうちの1つまたは複数からデータを要求し、それを処理し、要求に応じてそれをデバイス(たとえば、ユーザデバイス102Aおよび102B)に提示することができる。
【0035】
フルフィルメント(履行)最適化(FO)システム113はいくつかの実施形態では他のシステム(例えば、外部フロントエンドシステム103および/または出荷および注文追跡システム111)からのカスタマ注文のための情報を記憶するコンピュータシステムとして実装されてもよい。また、FOシステム113は、特定のアイテムがどこに保持されているか、またはどこに記憶されているかを記述する情報を記憶することもできる。たとえば、特定のアイテムは1つのフルフィルメントセンタにのみ格納でき、他の特定のアイテムは複数のフルフィルメントセンタに格納できる。さらに他の実施形態では、特定のフルフィルメントセンタが特定の組のアイテム(例えば、生鮮食品または冷凍食品)のみを格納するように設計されてもよい。FOシステム113はこの情報ならびに関連する情報(例えば、数量、サイズ、受領日、有効期限など)を格納する。
【0036】
また、FOシステム113は、商品毎に対応するPDD(約束配送日)を計算してもよい。PDDは、いくつかの実施形態では1つまたは複数の要因に基づくことができる。例えば、FOシステム113は製品に対する過去の需要(例えば、その製品がある期間中に何回注文されたか)、製品に対する予想需要(例えば、来るべき期間中にその製品を注文するために何人の顧客が予想されるか)、ある期間中にいくつの製品が注文されたかを示すネットワーク全体の過去の需要、来るべき期間中にいくつの製品が注文されることが予想されるかを示すネットワーク全体の予想需要、各フルフィルメントセンタ200に格納された製品の1つ以上のカウント、その製品に対する各製品、予想または現行注文などに基づいて、製品に対するPDDを計算することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、FOシステム113が定期的に(例えば、1時間ごとに)商品ごとにPDDを決定し、それを検索または他のシステム(例えば、外部フロントエンドシステム103、SATシステム101、出荷および注文追跡システム111)に送信するためにデータベースに格納することができる。他の実施形態では、FOシステム113が1つまたは複数のシステム(例えば、外部フロントエンドシステム103、SATシステム101、出荷および注文追跡システム111)から電子要求を受信し、オンデマンドでPDDを計算することができる。
【0038】
フルフィルメントメッセージングゲートウェイ115はいくつかの実施形態ではFOシステム113などのシステム100内の1つ以上のシステムから1つのフォーマットまたはプロトコルで要求または応答を受信し、それを別のフォーマットまたはプロトコルに変換し、変換されたフォーマットまたはプロトコルで、WMS 119またはサードパーティフルフィルメントシステム121A、121B、または121Cなどの他のシステムに転送するコンピュータシステムとして実装することができる。
【0039】
サプライチェーン管理(SCM)システム117は、いくつかの実施形態では予測機能を実行するコンピュータシステムとして実装することができる。例えば、SCMシステム117は例えば、製品に対する過去の需要、製品に対する予想される需要、ネットワーク全体の過去の需要、ネットワーク全体の予想される需要、各フルフィルメントセンタ200に格納された計数製品、各製品に対する予想または現行注文などに基づいて、特定の製品に対する需要の水準を予測することができる。この予測された水準およびすべてのフルフィルメントセンタにわたるそれぞれの製品の量に応じて、SCMシステム117は特定の製品に対する予測された需要を満たすのに充分な量を購入し、ストックするための1つまたは複数の購入注文を生成することができる。
【0040】
労働力管理システム(WMS)119は、いくつかの実施形態ではワークフローをモニタするコンピュータシステムとして実装されてもよい。例えば、WMS 119は個別イベントを示す個別デバイス(例えば、デバイス107A-107Cまたは119A-119C)からイベントデータを受信することができる。例えば、WMS 119は、荷物を走査するためにこれらのデバイスの1つの使用を示すイベントデータを受信してもよい。フルフィルメントセンタ200および
図2に関して以下で論じるように、フルフィルメントプロセス中に、荷物識別子(例えば、バーコードまたはRFIDタグデータ)は特定の段階で機械によってスキャンまたは読み取ることができる(例えば、自動またはハンドヘルドバーコードスキャナ、RFIDリーダ、高速カメラ、タブレット119A、モバイルデバイス/PDA 119B、コンピュータ119Cなどのデバイス)。WMS 119は荷物識別子、時刻、日時、位置、ユーザ識別子、または他の情報と共に、荷物識別子の走査または読取りを示す各々の事象を対応するデータベース(図示せず)に記憶することができ、この情報を他のシステム(例えば、出荷および注文追跡システム111)に提供することができる。
【0041】
WMS 119はいくつかの実施形態では1つまたは複数のデバイス(例えば、デバイス107A~107Cまたは119A~119C)を、システム100に関連付けられた1つまたは複数のユーザに関連付ける情報を記憶してもよい。例えば、いくつかの状況では、ユーザ(パートまたはフルタイムの従業員など)は、ユーザがモバイルデバイスを所有する(例えば、モバイルデバイスがスマートフォンである)という点で、モバイルデバイスに関連付けられてもよい。他の状況では、ユーザは、ユーザが一時的にモバイルデバイスの管理下にある(例えば、ユーザは日の始めにモバイルデバイスを借り、日中にそれを使用し、日の終わりにそれを返す)という点で、モバイルデバイスに関連付けられてもよい。
【0042】
WMS 119は、いくつかの実施形態ではシステム100に関連する各ユーザの作業ログを維持することができる。例えば、WMS 119は任意の割り当てられたプロセス(例えば、トラックのアンローディング、ピックゾーンからのアイテムのピッキング、仕分け装置ワーク、パッキングアイテム)、ユーザ識別子、位置(例えば、フルフィルメントセンタ200内のフロアまたはゾーン)、従業員によってシステム内を移動されたユニットの数(例えば、ピックされたアイテムの数、パックされたアイテムの数)、デバイスに関連付けられた識別子(例えば、デバイス119A~119C)などを含む、各従業員に関連付けられた情報を記憶することができる。いくつかの実施形態では、WMS 119がデバイス119A~119C上で動作するタイムキーピングシステムなどのタイムキーピングシステムからチェックインおよびチェックアウト情報を受信することができる。
【0043】
第三者フルフィルメント(3PL)システム121A~121Cは、いくつかの実施形態ではロジスティクスおよび製品のサードパーティプロバイダに関連するコンピュータシステムを表す。例えば、(
図2に関して以下に説明するように)いくつかの製品がフルフィルメントセンタ200に格納されている間、他の製品は、オフサイトで格納されてもよく、オンデマンドで生産されてもよく、またはフルフィルメントセンタ200に格納するために利用できなくてもよい。3PLシステム121A~121CはFOシステム113から(例えば、FMG 115を介して)注文を受信するように構成することができ、製品および/またはサービス(例えば、配送または設置)を顧客に直接的に提供することができる。いくつかの実施形態では3PLシステム121A~121Cのうちの1つまたは複数がシステム100の一部とすることができ、他の実施形態では3PLシステム121A~121Cのうちの1つまたは複数がシステム100の外部(例えば、サードパーティプロバイダによって所有または運営される)とすることができる。
【0044】
フルフィルメントセンタ自動システム(FC認証)123は、いくつかの実施形態では様々な機能を有するコンピュータシステムとして実装され得る。例えば、いくつかの実施形態では、FC認証123がシステム100内の1つまたは複数の他のシステムのためのシングルサインオン(SSO)サービスとして動作することができる。例えば、FC認証123はユーザが内部フロントエンドシステム105を介してログインすることを可能にし、ユーザが出荷および注文追跡系111においてリソースにアクセスするための同様の特権を有していることを決定し、ユーザが2回目のログイン処理を必要とせずにそれらの特権にアクセスすることを可能にしてもよい。他の実施形態では、FC認証123は、ユーザ(例えば、従業員)が自分自身を特定の作業に関連付けることを可能にしてもよい。例えば、従業員の中には、電子デバイス(デバイス119A~119Cなど)を持たない者もいれば、その代わりに、1日の過程中に、フルフィルメントセンタ200内でタスクからタスクへ、およびゾーンからゾーンへ移動してもよい。FC認証123は、それらの従業員は、彼らがどの仕事をしているか、および彼らが様々な時刻にどの区域にいるかを示すことを可能にするように構成されてもよい。
【0045】
労働管理システム(LMS)125は、いくつかの実施形態では従業員(フルタイムおよびパートタイムの従業員を含む)のための出勤および残業を記憶するコンピュータシステムとして実装されてもよい。例えば、LMS 125は、FC認証123、WMA 119、デバイス119A-119C、輸送装置107、及び/又はデバイス107A-107Cから受信することができる。
【0046】
図1Aに示される特定の構成は単なる例である。例えば、
図1AはFOシステム113に接続されたFC認証システム123を示すが、全ての実施形態がこの特定の構成を必要とするわけではない。実際、いくつかの実施形態では、システム100内のシステムがインターネット、イントラネット、WAN(ワイドエリアネットワーク)、MAN(メトロポリタンエリアネットワーク)、IEEE 802.11a/b/g/n規格に準拠する無線ネットワーク、専用線などを含む1つまたは複数の公衆またはプライベートネットワークを介して互いに接続され得る。いくつかの実施形態では、システム100内のシステムの1つ以上がデータセンター、サーバファームなどに実装された1つ以上の仮想サーバとして実装されてもよい。
【0047】
図2は、フルフィルメントセンタ200を示す。フルフィルメントセンタ200は、注文時に顧客に出荷するためのアイテムを格納する物理的な場所の実例である。フルフィルメントセンタ(FC)200は多数のゾーンに分割することができ、その各々を
図2に示す。これらの「ゾーン」はいくつかの実施形態ではアイテムを受け取り、アイテムを保管し、アイテムを取り出し、アイテムを出荷する処理の様々な段階の間の仮想分割と考えることができ、したがって、「ゾーン」は
図2に示されているが、ゾーンの他の分割も可能であり、いくつかの実施形態では
図2のゾーンを省略、複製、または修正することができる。
【0048】
インバウンドゾーン203は、
図1Aの装置100を使用して製品を販売しようとする売り手からアイテムを受け取るFC 200の領域を表す。例えば、売り手は、台車201を使用してアイテム202A及び202Bを配送することができる。アイテム202Aはそれ自体の出荷パレットを占有するのに十分な大きさの単一のアイテムを表すことができ、アイテム202Bは、空間を節約するために同じパレット上に一緒に積み重ねられた1組のアイテムを表すことができる。
【0049】
作業員はインバウンドゾーン203でアイテムを受け取り、コンピュータシステム(図示せず)を使用して、アイテムの破損および正当性を任意選択で検査することができる。例えば、作業員は、コンピュータシステムを使用して、アイテム202Aおよび202Bの数量をアイテムの注文数量と比較することができる。数量が合致しない場合、その作業員は、アイテム202Aまたは202Bのうちの1つまたは複数を拒否することができる。数量が一致すれば、作業員はそれらのアイテムを緩衝地帯205まで(例えば、1ドル、ハンドトラック、フォークリフト、手動で)移動させることができる。緩衝ゾーン205は例えば、予測される需要を満たすのに十分な量のアイテムがピッキングゾーンにあるため、ピッキングゾーンで現在必要とされていないアイテムのための一時保管領域であってもよい。いくつかの実施形態では、フォークリフト206が緩衝ゾーン205の周り、および入りゾーン203と落下ゾーン207との間でアイテムを移動させるように動作する。ピッキングゾーンにアイテム202Aまたは202Bが必要な場合(例えば、予想される需要のため)、フォークリフトは、アイテム202Aまたは202Bを落下ゾーン207に移動させることができる。
【0050】
ドロップゾーン207は、アイテムがピッキングゾーン209に移動される前にそれらを保管するFC 200の領域であってもよい。ピッキングタスクに割り当てられた作業員(「ピッカー」)はピッキングゾーン内のアイテム202Aおよび202Bに接近し、ピッキングゾーンのバーコードをスキャンし、モバイルデバイス(例えば、デバイス119B)を使用してアイテム202Aおよび202Bに関連するバーコードをスキャンすることができる。次いで、ピッカーはアイテムをピッキングゾーン209まで(例えば、それをカート上に置くか、またはそれを運ぶことによって)取り込むことができる。
【0051】
ピッキングゾーン209は、アイテム208が保管ユニット210に保管されるFC 200の領域であってもよい。いくつかの実施形態では、貯蔵ユニット210が物理的な棚、本棚、箱、運搬箱、冷蔵庫、冷凍庫、冷蔵庫などのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施形態では、ピッキングゾーン209が複数のフロアに編成されてもよい。いくつかの実施形態では、作業員または機械が例えば、フォークリフト、エレベータ、コンベアベルト、カート、ハンドトラック、台車、自動ロボットもしくはデバイス、または手動を含む多数の方法で、ピッキングゾーン209内にアイテムを移動させることができる。例えば、ピッカーは、アイテム202Aおよび202Bを降下ゾーン207の手押し車または台車に載せ、アイテム202Aおよび202Bをピッキングゾーン209まで歩くことができる。
【0052】
ピッカーは、保管ユニット210上の特定の空間のようなピッキングゾーン209内の特定のスポットにアイテムを配置する(又は「収納する」)命令を受け取ることができる。例えば、ピッカーはモバイルデバイス(例えば、デバイス119B)を使用してアイテム202Aを走査することができる。デバイスは例えば、通路、棚、及び位置を示す装置を使用して、ピッカーがアイテム202Aを収納すべき場所を示すことができる。次に、デバイスはアイテム202Aをその位置に格納する前に、その位置でバーコードを走査するようにピッカーを促すことができる。デバイスは(例えば、ワイヤレスネットワークを介して)
図1AのWMS 119のようなコンピュータシステムにデータを送信し、アイテム202Aがデバイス119Bを使用してユーザによってその位置に格納されたことを示すことができる。
【0053】
ユーザが注文を置くと、ピッカーは、保管ユニット210から1つまたは複数のアイテム208を取り出すための命令をデバイス119B上で受け取ることができる。ピッカーはアイテム208を取り出し、アイテム208上のバーコードを走査し、それを搬送メカニズム214上に置くことができる。搬送機構214はスライドとして表されているが、いくつかの実施形態では搬送機構がコンベヤーベルト、エレベータ、カート、フォークリフト、ハンドトラック、台車、カートなどのうちの1つまたは複数として実施することができる。次いで、アイテム208は、充填領域211に到達することができる。
【0054】
パッキングゾーン211は、アイテムがピッキングゾーン209から受け取られ、最終的に顧客に出荷するためにボックスまたはバッグにパッキングされる、FC 200の領域であってもよい。パッキングゾーン211において、受信アイテム(「リビン(rebin)作業員」)に割り当てられた作業員はピッキングゾーン209からアイテム208を受信し、それがどの注文に対応するかを決定する。例えば、リビン(rebin)作業員はアイテム208上のバーコードを走査するために、コンピュータ119Cなどのデバイスを使用することができる。コンピュータ119Cはどの注文アイテム208が関連付けられているかを視覚的に示すことができる。これは例えば、注文に対応する壁面216上の空間または「セル」を含むことができる。注文が完了すると(例えば、セルが注文のためのすべてのアイテムを含むため)、リビン(rebin)作業員は、注文が完了したことをパッキング作業員(または「パッカー」)に示すことができる。梱包業者はセルからアイテムを回収し、輸送のために箱または袋に入れることができる。その後、パッカーは例えば、フォークリフト、カート、ドリー、ハンドトラック、コンベヤーベルトを介して、又は他の方法で、箱又はバッグをハブゾーン213に送ることができる。
【0055】
ハブゾーン213は、パッキングゾーン211から全てのボックスまたはバッグ(「荷物」)を受け取るFC 200の領域であってもよい。ハブゾーン213内の作業員および/またはマシンは荷物218を検索し、それぞれの荷物が行こうとする配送領域の一部を決定し、荷物を適切なキャンプゾーン215にルーティングすることができる。例えば、配送領域が2つのより小さいサブ領域を有する場合、荷物は2つのキャンプゾーン215のうちの1つに進む。いくつかの実施形態では、作業員またはマシンが(例えば、デバイス119A~119Cのうちの1つを使用して)荷物を走査して、その最終的な宛先を決定することができる。荷物をキャンプゾーン215にルーティングすることは、例えば、荷物が向けられている地理的エリアの一部を(例えば、郵便番号に基づいて)決定することと、地理的エリアの一部に関連付けられたキャンプゾーン215を決定することとを含むことができる。
【0056】
キャンプゾーン215はいくつかの実施形態では1つまたは複数の建物、1つまたは複数の物理的な空間、または1つまたは複数のエリアを備えることができ、荷物は、ルートおよび/またはサブルートに分類するためにハブゾーン213から受け取られる。いくつかの実施形態ではキャンプゾーン215がFC 200から物理的に分離されているが、他の実施形態ではキャンプゾーン215がFC 200の一部を形成することができる。
【0057】
キャンプゾーン215内の作業員および/またはマシンは例えば、目的地と現存するルートおよび/またはサブルートとの照合、ルートおよび/またはサブルートごとの作業負荷の算出、時刻、出荷方法、荷物220を出荷する費用、荷物220内のアイテムに関連付けられたPDDなどに基づいて、荷物220がどのルートおよび/またはサブルートに関連付けられるべきかを決定することができる。いくつかの実施形態では、作業員またはマシンが(例えば、デバイス119A~119Cのうちの1つを使用して)荷物を走査して、その最終的な宛先を決定することができる。荷物220が特定のルートおよび/またはサブルートに割り当てられると、作業員および/またはマシンは、出荷される荷物220を移動させることができる。例示的な
図2において、キャンプゾーン215は、トラック222、かご226、および配送作業員224Aおよび224Bを含む。いくつかの実施形態では、トラック222が配送作業員224Aによって駆動されてもよく、配送作業員224AはFC 200の荷物を配信する常勤の従業員であり、トラック222はFC 200を所有し、リースし、または運営する同じ企業によって所有され、リースされ、または運営される。いくつかの実施形態では、自動車226が配送作業員224Bによって駆動されてもよく、ここで、配送作業員224Bは必要に応じて(例えば、季節的に)送達する「屈曲」または時折の作業員である。自動車226は、配送作業員224Bによって所有され、リースされ、または操作され得る。
【0058】
さらに、開示された配送システムは、異なる配送プロセスまたは異なる配送パラダイムで動作してもよい。例えば、システムは、「ウェーブプロセス」、「シフトプロセス」、またはそれらの組み合わせを使用して動作してもよい。ウェーブプロセスは、異なる時間の配送のウェーブに配送を調整してもよい。例えば、ウェーブ配送は、特定のウェーブ期間(例えば、1日)の間に数回、指定されたエリア(例えば、サブルートを含むルート)周辺の荷物の第1のウェーブを含んでもよい。対照的に、シフトプロセスは、異なるエリアへの配送を調整して、最初に特定のエリアの一部(例えば、50%)に配送して、後の配送で、特定のエリアの残りの部分に配送してもよい。開示されたシステムおよび方法は、配送プロセスに対する最適化パラメータに基づいて、ルートおよび作業員スケジュールを再構成するように構成可能であってもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、「ウェーブプロセス」で動作する配送システムは、特定のウェーブ期間の間の複数のウェーブのうちの1つの間に、特定の配送エリア内の顧客への荷物の配送を提供してもよい。例えば、配送作業員は、配送エリアに対応するルートまたはサブルートに沿って、午前ウェーブの間、および午後ウェーブの間に再度、意図する受取人に荷物を配送してもよい。各ウェーブは、受付終了時刻とPDDとの両方に対応してもよい。受付終了時刻は、通常、出荷するオンライン注文に対応し、特定のウェーブ、または注文のPDDに関連付けられた時刻であって、顧客が、ウェーブ、もしくはウェーブに関連付けられたPDDを利用できなくなる時刻であってもよい。言い換えれば、顧客が受付終了時刻より前に荷物を注文しなかった場合、その受付終了時刻に関連付けられたPDDで商品を受け取ることができなくなり、次に利用可能なPDDでのみ商品を受け取ることができる。
【0060】
「ウェーブプロセス」を利用すると、「シフトプロセス」と比べて、一定の利点が配送システムにもたらされる可能性がある。例えば、各ウェーブは1日に複数回エリア全体をカバーすることができる一方、各シフトは1日に1回だけしか特定のエリアに割り当てられないので、「ウェーブプロセス」を利用すると、「シフトプロセス」から得られるよりもはるかに優れたエリアカバー率が得られる。一方、「ウェーブプロセス」では、1回の配送しか必要ない同じ場所に、単一の期間に複数回製品を配送して、費用が増加する場合がある。この複数回の配送は、例えば、別々のウェーブにもともと割り当てられている複数の製品を含む単一の注文に起因する場合がある。例えば、顧客が、月曜日の午後7時0分に、2つの製品を注文し、両方の荷物が水曜日に届くように2日間配送で注文する場合がある。ただし、第1の製品は、水曜日の午前ウェーブに関連付けられた午後8時0分の受付終了時刻を有する場合がある一方、第2の製品は、午前ウェーブに関連付けられた午後6時0分の受付終了時刻を有する場合がある。通常、この受付終了時刻の違いにより、第1の製品は水曜日の午前中に配送され、第2の製品は午後に配送される。開示された実施形態は、「ウェーブプロセス」においてこれらの分割配送を統合することを可能にすることによって、この非効率性に対処して、これらの分割配送に関連付けられた費用を大幅に削減することができる。
【0061】
好ましい実施形態では、開示されたプロセスは、FOシステム113によって実行されてもよい。ただし、開示されたプロセスは、FOシステム113によって実行されると説明されるが、開示されたプロセスまたはその一部は、システム100全体によって、またはプロセスの少なくとも一部を実行することができるシステム100の任意の構成要素(例えば、1つ以上のプロセッサ、SATシステム101など)によって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、FOシステム113は、少なくとも1つのプロセッサと、命令を格納する少なくとも1つの非一時的記憶媒体またはメモリとを備えてもよく、この命令が少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに、本開示で説明される1以上のプロセスを実行させる。
【0062】
図3は、FOシステム113によってアクセス可能なデータベース301の例示的な実施形態を示すブロック図である。データベース301は、FOシステム113が、データベース301に格納された情報にアクセス、アップロード、および/または修正することができるように、FOシステム113と通信可能に接続してもよい(例えば、ネットワークを介して)。データベース301は、1つ以上の注文に含まれる1つ以上の製品303の記録など、注文302に関連する注文情報を格納してもよい。データベースは、商品が配送される配送元である、関連付けられたFC304、および製品が出荷される期間である、関連付けられたウェーブ305などの、注文内の各製品303に対応する情報をさらに格納してもよい。
【0063】
図4は、開示された実施形態に一致する、分割配送を統合するために実行されてもよい例示的なマージプロセス400を示すフローチャートを提供する。ウェーブマージプロセス400のステップ401において、FOシステム113は、複数の製品を含む注文情報を受信してもよい。例えば、FOシステム113は、顧客が1つ以上の製品を一度に注文したことを示す情報を受信してもよい。ただし、いくつかの実施形態では、複数の製品を含む注文情報を受信することは、顧客が複数の注文で別々の時間に製品を注文したことを示す情報を受信することを含んでもよい。したがって、分割配送を統合するための開示されたプロセスは、1つの注文または複数の別々の注文で注文された製品の配送に適用されてもよい。注文情報を受信した後、プロセス400はステップ402に進んでもよく、このステップにおいて、FOシステムは、各製品がどのFCから配送されるべきであり、どのウェーブでそれらの製品が配送されるべきかを判定してもよい。FOシステム113は、これらの判定を、1つ以上のFCにおける各製品の在庫状況、および注文内の各製品に関連付けられた、受付終了時刻および対応するウェーブなどの様々な要因の1つ以上に基づいて、行ってもよい。ステップ403において、FOシステム113は、製品が異なるウェーブに割り当てられているか否かを判定してもよい。
【0064】
製品が複数のウェーブに割り当てられていない場合、ウェーブマージプロセス400はステップ404で終了してもよい(すなわち、注文内のすべての製品が同じウェーブで配送されるようにスケジュールされているので、分割配送を統合するためのアクションは必要ない)。製品が複数のウェーブに割り当てられている場合、FOシステム113は、複数のウェーブが同じ期間内にあるという別の判定を行ってもよい。この期間は、事前に決定されてもよく、ウェーブの組を含む期間(例えば、1日以上)に対応してもよく、または製品の1つ以上に対するPDDに関連付けられた期間に対応してもよい。例えば、注文内の2つの製品を別々のウェーブで配送するが、これらのウェーブが異なる日または週に発生する場合、配送を1つのウェーブに統合すると、製品のうちの1つの、顧客への配送が大幅に遅れる可能性があるので、望ましくない場合がある(例えば、分割配送を統合すると、関連付けられたPDDの後に1つ以上の製品が配送されてしまう)。複数のウェーブが同じ期間内にない場合、ウェーブマージプロセスはステップ406で終了してもよい(すなわち、統合することが配送を遅らせる可能性があるので、分割配送を統合するためのアクションは必要ない)。そうでなければ、ステップ407において、割り当てられたウェーブが同じ期間内にある場合、FOシステム113は、製品の1つ以上に対して、配送ウェーブを再割り当てして、製品のすべてが同じウェーブの間に配送されるようにしてもよい。配送ウェーブを再割り当てすることは、製品が同じウェーブ内で配送されることを確実にするためにFOシステム113が実行できる1つ以上のアクション(データベース301を修正することなど)を含んでもよく、これらのアクションは、
図6A、
図6B、および
図6Cを参照してさらに詳細に説明する。
【0065】
図5は、開示された実施形態に一致する、分割配送を統合するためにFOシステム113によって実行されてもよい詳細で例示的なマージプロセス500を示すフローチャートを提供する。プロセス500は、ステップ501において始まる。ステップ501において、FOシステム113は、複数の製品と、関連付けられた識別子(例えば、バーコード、画像、テキスト文字列、RFIDタグなど)とを含む注文情報を、リモートシステム(例えば、外部フロントエンドシステム103、出荷および注文追跡システム111など)から受信してもよい。いくつかの実施形態では、注文情報は、複数の製品を含む、顧客からの単一の注文に対応してもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、注文情報は、2つの顧客注文を含み、第1の顧客注文に第1の製品を有し、第2の顧客注文に第2の製品を有してもよい、言い換えれば、マージプロセス500を通じて単一の配送に統合されるためには、複数の配送は厳密に同じ注文からのものである必要はない。例えば、顧客は、ある日に複数の製品を注文して、翌日に別の複数の製品を注文してもよい。この例では、注文情報を受信することは、異なる時間に両方の注文を受信することと、両方の注文を注文情報に集約することとを含んでもよい。
【0066】
ステップ501が完了した後、マージプロセス500は次に、ステップ502に進んでもよい。ステップ502において、FOシステム113は、関連付けられた識別子、およびリモートシステムに基づいて、複数の製品のうちの第1の製品に対して、FCを判定し、複数の配送ウェーブから第1の配送ウェーブを判定してもよい。いくつかの実施形態では、FCは、リモートシステム情報に関連付けられた地域を判定することと、判定された地域に関連付けられたFCの組からFCを判定することとによって判定されてもよい。例えば、リモートシステム情報は、受取人の配送先住所などの配送情報を含んでもよく、FOシステム113は、この住所が複数の地域のうちの、ある配送地域内にあると判定してもよい。地域が特定された後、FOシステム113は、その地域における各FCでその時点に保持されている製品の在庫記録を調べて、どのFCが、第1の製品に対応する識別子に対応する製品の1つ以上を保持しているか(すなわち、各FCの製品の在庫状況)を判定してもよい。いくつかの実施形態では、関連付けられた識別子、およびリモートシステムは、製品の購入時間、購入時間に関連付けられた受付終了時刻、および/または受付終了時刻に関連付けられたウェーブを含んでもよい。この情報に基づいて、FOシステム113は、製品が、地域内のどのFCから配送されるべきかを判定して、第1の製品が配送されるべき第1のウェーブをさらに判定してもよい。ステップ503において、FOシステム113は、判定されたFCおよび判定された第1の配送ウェーブを、第1の製品に関連付けて、データベース(例えば、データベース301)に格納することによって、判定されたFCおよび判定された配送ウェーブに、製品を割り当ててもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、製品に対してFCを判定することは、1つ以上のFC同士の間のウェーブのスケジュールと、各FCを通る製品の平均移動時間との比較に基づいてもよい。スケジュールは、各FCに対するウェーブの記録であってもよく、例えば、どのウェーブが各製品のPDDに関連付けられているかを示す情報を含んでもよい。各FCを通る製品の平均移動時間は、所与の製品がFCからキャンプゾーンに移動するのにかかる平均時間であってもよく、システム100内のデータベース(例えば、データベース301)に格納された履歴データに基づいてもよく、この履歴データは、1つ以上の類似する製品の、当該FCを通る移動に関連付けられた過去の時刻を表してもよい。履歴データは、FOシステム113によって、1つ以上のモバイルデバイス(例えば、モバイルデバイス107A、107B、107C)から継続的または定期的に収集されてもよく、FC内の異なるゾーン(例えば、インバウンドゾーン203、ドロップゾーン207、ピッキングゾーン209、ハブゾーン213、キャンプゾーン215など)への製品の到着時間の時刻に関連付けられた時刻などの情報を含んでもよい。これらの時刻は、各製品の移動時間を計算するために使用してもよく、総計移動時間は、平均移動時間を計算するために使用してもよい。平均移動時間を各FCに対するウェーブのスケジュールと比較して、関連付けられたウェーブに対する積み込みに関連付けられた時間までに、製品がFCのキャンプゾーンに到達するか否かを判定することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、FCを判定することは、複数の以前の電子要求および関連付けられたFCをデータベース(例えば、データベース301)に格納することと、以前の電子要求を訓練データセットと、検証データセットとに分割することであって、訓練データセットが、検証データセットより多くの要求を有することと、要求情報およびFCを関連付ける訓練データセットに基づいて、予測モデルを生成することとを含んでもよい。例えば、FOシステム113は、以前に注文された製品に関連付けられた履歴データをデータベースに格納してもよく、このデータは、以前の電子要求に関連付けられた情報(例えば、電子要求内で注文された製品の識別子、関連付けられたFC、ウェーブ、および/またはPDDなど)を示してもよい。FOシステム113は、このデータ(すなわち、訓練データセット)の大部分を使用して、予測モデルを生成してもよい。予測モデルは、線形回帰、ランダムフォレスト、またはロジスティック回帰など、1つ以上の一般的な統計モデルの形式の数式であって、電子要求情報と、関連付けられたFCとの間の関係を表す数式であってもよい。
【0069】
FOシステム113が予測モデルを生成した後、いくつかの実施形態では、FOシステム113は検証データセットを使用して予測モデルを有効性確認してもよい。検証データセットは、予測モデルを生成することに使用しなかった履歴データの少なくとも一部であってもよい。予測モデルを有効性確認するために、FOシステム113は、検証データセット内の各電子要求に対して、予測された関連付けられたFCの組を生成して、予測された関連付けられたFCを実際の関連付けられたFCと比較してもよい。予測モデルは、例えば、事前に決定された信頼閾値を満たしている場合、有効性確認されてもよい(例えば、モデルが、関連付けられたFCの少なくとも95%を正しく予測した場合)。予測モデルが有効性確認された後、FOシステム113は、モデルを将来の電子要求に適用して、関連付けられたFCを判定してもよい。
【0070】
ステップ503が完了した後、マージプロセス500は次に、ステップ504に進んでもよい。ステップ504において、FOシステム113は、複数の製品のうちの第2の製品に対して、関連付けられた識別子、およびリモートシステムに基づいて、複数の配送ウェーブから、FCと、第1の配送ウェーブとは異なる第2の配送ウェーブとを判定してもよい。FCおよび第2の配送ウェーブは、第1の製品に対して、FCおよび第1の配送ウェーブを判定することに関して上で述べたプロセスと同様のプロセスを使用して、判定してもよい。ステップ505において、FOシステム113は、第2の製品に関連付けて、第2の配送ウェーブをデータベースに格納してもよい。
【0071】
図5は、連続して実行されるステップを示しているが、これらのステップは、開示された実施形態に一致して、実行されてもよく、任意の順序または構成であってもよい。例えば、ステップ502および503は、ステップ504および505に続いて行われても、並行して行われてもてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、FOシステムは、第1の製品に関連付けられたFCと、第2の製品に関連付けられたFCとが互いに異なると判定してもよい。
【0072】
ステップ505が完了した後、マージプロセス500は次に、ステップ506に進んでもよい。ステップ506において、FOシステム113は、第1の配送ウェーブが、第2の配送ウェーブよりも早い期間に関連付けられていると判定してもよい。いくつかの実施形態では、FOシステム113は、第1の配送ウェーブと第2の配送ウェーブとが同じ期間内にあることをさらに判定してもよい。例えば、FOシステム113は、同じ顧客によって注文された別々の製品が別々のウェーブで顧客に配送されていると判定した後、これらの別々のウェーブが同じ日に発生するとさらに判定してもよい。したがって、この例では、FOシステム113は、分割配送に関連付けられた費用をなくすことができるように、製品が同じウェーブで配送されるべきであると判定してもよい。この判定に応じて、FOシステム113は、これらの配送が同じウェーブの間に行われるように、配送を再スケジュールしてもよい。FOシステム113は、各荷物が一番遅い共通ウェーブまで出荷されないことを確実にするために、例えば、1つ以上のアクションを実行することによって配送を再スケジュールしてもよい。FOシステムが実行してもよいアクションは、
図6A、
図6B、および
図6Cを参照してさらに詳細に説明する。
【0073】
いくつかの実施形態では、ステップ506において、FOシステム113は、第1の配送ウェーブが、第2の配送ウェーブよりも早い期間に関連付けられていること、および第2の配送ウェーブが、第2の製品に基づいて、条件を満たしていないと判定されたことを判定してもよい。条件は、製品に関連付けられた識別子、および/または製品に関連付けられた注文情報に基づいてもよく、製品、または製品を注文した顧客が速達の対象とされるか否かを示してもよい。製品はFCですぐに配送可能であることにより、速達の対象とすることができる。ただし、顧客が満たす特定の条件により、製品が速達の対象となる場合もある。多くの注文処理システムは、製品に対する1回限りの速達料金の支払い、または、システムを通じて注文された製品に対する無料の速達を受けるための、注文処理システムへのサブスクリプション料金の支払いのいずれかを行う顧客に対して、速達サービスを提供してもよい。
【0074】
例えば、複数の製品を含む注文は、1回限りの料金またはサブスクリプション料金を支払っていない顧客からのものである場合があるため、この注文内の製品は速達の条件を満たさない。ただし、注文内の各製品に対して、配送ウェーブおよびFCが判定された場合でも、配送は同じ日に別々のウェーブでスケジュールされる場合がある。場合によっては、後のウェーブの間に配送が予定されている1つ以上の製品は、前のウェーブで配送可能である場合があり、または顧客が1回限りの料金もしくはサブスクリプション料金を支払っていれば、前のウェーブの間に配送の対象とされる場合がある。したがって、速達の費用を相殺するために1回限りの料金またはサブスクリプション料金を用いてもよいが、それらの支払いがなければ、場合によっては、分割配送によって費用が増加する場合がある。このような場合、条件を満たしていない製品が一部あったとしても、前のウェーブですべての製品を配送する方が、費用効率が良い場合がある。この費用増加に対処するために、FOシステム113は、いくつかの実施形態では、1つ以上の製品が前のウェーブの条件を満たさなかったことを理由に、後のウェーブで配送されるようにスケジュールされたか否かを判定するように構成されてもよい。この判定に応じて、FOシステム113は次に、一番遅い共通のウェーブではなく、それより前のウェーブの間に配送が行われるように、配送を再スケジュールしてもよい。
【0075】
図6Aは、開示された実施形態に一致する、同じウェーブで配送されるべきであると判定した場合、複数の製品の配送を再スケジュールするために実行されてもよい例示的なプロセス610を提供する。ステップ611において、FOシステム113は、第1の製品を第2の配送ウェーブに関連付けるために、データベース(例えば、データベース301)を修正してもよい。データベースを修正することは、第1の製品に関連付けて、以前に格納された第1の配送ウェーブを上書きすることと、格納された第1の配送ウェーブを第2の配送ウェーブで置き換えることとを含んでもよい。その結果、データベースに格納されている記憶情報は、第1の製品がこのとき、第2のウェーブの間に配送されるようにスケジュールされていることを反映する。ステップ612において、FOシステム113はまた、第1の製品、および第2の配送ウェーブに関連付けられた情報を表示する、グラフィカルユーザインタフェースを生成するために、コンピュータ命令を少なくとも1つのモバイルデバイス(例えば、輸送システム107の、モバイルデバイス107A、107B、および107C)に転送してもよい。グラフィカルユーザインタフェースを生成することは、どの荷物を配送するかと、どのウェーブで荷物が配送されるべきかとを示す通知をモバイルデバイスに表示することを含んでもよい。生成されたグラフィカルインタフェースは、ユーザデバイスにダウンロードされたプログラムまたはアプリケーションの一部として生成されてもよい。
【0076】
図7は、配送を再スケジュールするために、データベースに格納された製品情報をどのように修正できるかを示す図を提供する。この図は、データベース701がプロセス610のステップ611の処理中のものであり、それによって修正されたデータベース702が得られることを示している。データベース701および修正されたデータベース702は、本開示で前述したものと同じデータベース(例えば、データベース301)であってもよい。もともと、データベース701は、注文703に対応する情報を含み、注文703内で、第1の製品711および第2の製品721は、それぞれ、午前ウェーブ712および午後ウェーブ722に関連付けられている。しかしながら、この例では、FOシステム113は、両方の製品が午後ウェーブ722の間に配送されるべきであると判定しているため、プロセス610を実施する。プロセス610のステップ611を経た後、修正されたデータベース702に格納された注文703に対応する情報は、第1の製品711および第2の製品721が両方とも、午後ウェーブ722に関連付けられていることを示してもよい。
【0077】
更新された配送スケジュールを反映するようにデータベースが修正された後、データベースに対して情報を要求すると、第2の配送ウェーブに関連付けられた情報を返答してもよい。この情報の要求および返答は、第1の製品が配送プロセスの間の任意の時点でモバイルデバイスによってスキャンされたときに発生する可能性がある。いくつかの実施形態では、モバイルデバイスは、修正されたデータベースから取り出した第2の配送ウェーブに関連付けられた情報を返答してもよい。
【0078】
ただし、いくつかの実施形態では、モバイルデバイスは、データベースから情報を取り出すように構成されていない場合には、製品または荷物ラベルに関連付けられた情報のみを返答してもよい。さらに、配送作業員は、配送ウェーブを決定するためにラベルを参照するだけでよく、それによって配送作業員に、配送ウェーブが変更された可能性があることを通知することができる。したがって、1つ以上の製品の配送を異なるウェーブに再スケジュールすべきであるというFOシステム113による判定に応じて荷物ラベルを交換するシステムを実装することが望ましい場合がある。
【0079】
図6Bは、開示された実施形態に一致する、荷物の配送が別のウェーブに再スケジュールされるべきであると判定した場合、荷物ラベルを印刷および交換するために実行されてもよい例示的なプロセス620を示すフローチャートを提供する。ステップ621において、FOシステム113は、命令の第2の組を印刷デバイスに転送してもよい。命令の第2の組は、第2のウェーブに関連付けられた情報をリストするラベルを印刷デバイスに印刷させるように構成されたコンピュータ命令の組であってもよい。印刷デバイスは、モバイルデバイス(例えば、輸送システム107の、モバイルデバイス107A、107B、および107C)またはシステム100に関連付けられた任意の他のデバイスであってもよい。印刷デバイスはまた、プリンタ(例えば、レーザ、インクジェット、またはサーマル)であってもよい。第2のウェーブに関連付けられた情報をリストするラベルを印刷することは、モバイルデバイスによってスキャンされると、第2のウェーブに関連付けられた情報をモバイルデバイスに表示させる、更新されたバーコード、または他の識別子を含むラベルを印刷することを含んでもよい。
図6Bは、ステップ621がステップ612の後に行われるものとして示しているが、プロセス620は、プロセス610とは独立および/または並行して行われてもよい。
【0080】
図6Cは、開示された実施形態に一致する、製品の配送が、あるウェーブから異なるウェーブに再スケジュールされた後に、再スケジュール前のウェーブの間に製品が配送されることを防止するために実行されてもよい例示的なプロセス630を示すフローチャートを提供する。ステップ631において、FOシステム113は、第1の製品の識別子を含むスキャンイベントを、モバイルデバイス(例えば、輸送システム107の、モバイルデバイス107A、107B、および107C)から受信してもよい。スキャンイベントは、例えば、キャンプゾーン215における作業者または機械が、製品を配送する前に第1の製品をスキャンして、製品の最終的な目的地を決定する場合に発生してもよい。このスキャンイベントは、第1のウェーブに対応する期間の間に発生してもよい。FOシステム113が第1の製品の配送を第2のウェーブに再スケジュールした場合、プロセス630はステップ632に進んでもよい。ステップ632において、FOシステム113は、受信されたスキャンイベントに基づいて、第1の配送ウェーブに関連付けられている期間であって、第2のウェーブに関連付けられていない期間の間にスキャンイベントが発生したと判定してもよい。言い換えれば、FOシステム113は、第1の荷物が間違ったウェーブの間に配送されようとしていることを認識するように構成されてもよい。
【0081】
ステップ632が完了した後、プロセス630はステップ633に進んでもよい。ステップ633において、FOシステム113は、第1の製品が、第1の配送ウェーブの間に配送されるべきではないという指示を、モバイルデバイスに送信してもよい。この指示は、例えば、モバイルデバイスのユーザインタフェース上に表示されてもよい通知を含んでもよく、この表示は、第1の製品が、代わりに第2のウェーブ、または第1の製品の配送が再割り当てされた、いずれかのウェーブで配送されるべきであることを使用に通知する。次に、作業者は、第2のウェーブまで製品を保留して、第2の商品と同時に製品を配送することができるようにする。
【0082】
ステップ633が完了した後、プロセス630はステップ634に進んでもよい。ステップ634において、FOシステム113は、スキャンイベントが、完了したイベントのデータベースに挿入されるのを防止することができる。通常、配送の過程で、スキャンイベントは、SATシステム101が配送状況を管理および監視することができるように、スキャンイベントをシステム100に関連付けられたデータベースに挿入してもよい。このデータベースは、各製品に関連付けられたFCおよび各製品に関連付けられたウェーブに関する情報を格納するために使用されるのと同じデータベース(例えば、データベース201および601)であってもよく、またはシステム100に関連付けられた別個のデータベース(例えば、SATシステム101によって、配送状況を監視するために使用される専用データベース)であってもよい。しかしながら、SATシステム101は、製品が、後のウェーブの間での配送のために実際には保留されている場合に、スキャンイベントがデータベースに挿入されていることに基づいて、製品が配送のために持ち出されているという誤った判定をする可能性があり、この誤った判定は、配送を混乱させ、または不必要に複雑にする可能性がある。この誤った判定に対処するために、FOシステム113は、スキャンイベントが発生した期間に関連付けられたウェーブで、製品が配送されるべきではないという指示を携帯電話に送信した場合、データベースへのスキャンイベントの挿入を防止してもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、スキャンイベントを挿入することは、モバイルデバイスが、スキャンイベントが発生したことを示す情報を含むデータパケットをデータベースに送信することを含んでもよく、挿入を防止することは、データパケットを遮断することと、データパケットを削除することとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、データベースはデータパケットを受信してもよく、挿入を防止することは、データベースからデータパケットを除去することを含んでもよい。挿入を防止することは、データベースを読み取り専用としてマークすることも含んでもよく、そうすることで、データパケットを受信した場合、データパケット内のスキャンイベントを含む情報をデータベースに挿入することができなくなる。いくつかの実施形態では、スキャンイベントを防止することは、モバイルデバイスがパケットをデータベースに送信することを防止する命令を、モバイルデバイスに送信することを含んでもよい。
【0084】
本開示はその特定の実施形態を参照して示され、説明されてきたが、本開示は修正なしに、他の環境において実施されてもよいことが理解されるであろう。前述の説明は、例示の目的で提示されている。この説明は、すべてを述べ尽くそうとしたものではなく、開示された正確な形態または実施形態に限定されない。開示された実施形態の明細書および実施を考慮すれば、当業者には修正および適合は明白であろう。さらに、開示された実施形態の態様はメモリに格納されるものとして説明されているが、当業者はこれらの態様が、二次記憶デバイス、例えば、ハードディスクもしくはCD-ROM、他の形態のRAMもしくはROM、USB媒体、DVD、ブルーレイ、または他の光学ドライブ媒体などの他のタイプのコンピュータ可読媒体に格納されてもよいことを理解するであろう。
【0085】
記載された説明および開示された方法に基づくコンピュータプログラムは、熟練した開発者の技術の範囲内である。様々なプログラムまたはプログラムモジュールは、当業者に知られている任意の技法を使用して作成してもよく、または既存のソフトウェアに関連して設計してもよい。例えば、プログラムセクションまたはプログラムモジュールは、.Net Framework、.Net Compact Framework(およびVisual Basic、C言語などの関連言語)、Java、C++、Objective-C、HTML、HTML/AJAXの組み合わせ、XML、またはJavaアプレットを含むHTMLで設計、またはこれらを用いて設計してもよい。
【0086】
さらに、例示的な実施形態が本明細書で説明されてきたが、本開示に基づいて当業者によって理解されるように、任意およびすべての実施形態の範囲は、同等の要素、修正形態、省略形態、組み合わせ形態(例えば、様々な実施形態にわたる態様の組み合わせ形態)、適合形態、および/または変形形態を有する。特許請求の範囲の限定事項は特許請求の範囲で用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書中または本願のプロセキューション中に説明される実施例に限定されるべきではない。例は、非排他的であると解釈されるべきである。さらに、開示された方法のステップは、ステップを並べ替えること、および/またはステップを挿入もしくは削除することを含む、任意の方法で修正されてもよい。したがって、本明細書および実施例は単に例示的なものとみなされ、真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲およびその同等物の全範囲によって示されることを意図している。