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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】選別装置および物品選別システム
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/36 20060101AFI20240215BHJP
   B65G 47/46 20060101ALI20240215BHJP
   B65G 47/82 20060101ALI20240215BHJP
   F15B 11/06 20060101ALI20240215BHJP
   B65G 43/08 20060101ALN20240215BHJP
【FI】
B07C5/36
B65G47/46 A
B65G47/82 C
B65G47/82 A
B65G47/46 B
F15B11/06 D
B65G43/08 D
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021109984
(22)【出願日】2021-07-01
(65)【公開番号】P2022094285
(43)【公開日】2022-06-24
【審査請求日】2022-12-02
(31)【優先権主張番号】P 2020206714
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003694
【氏名又は名称】弁理士法人有我国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高柳 光男
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-286517(JP,A)
【文献】実開昭64-050222(JP,U)
【文献】特開2008-290042(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 5/36
B65G 47/46
B65G 47/82
F15B 11/06
B65G 43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアー駆動により進退動するロッドが装着されたシリンダと、前記ロッドの先端側に接続された振分部材と、を備え、物品搬送経路の所定区間で選別対象の物品を前記シリンダによる前記振分部材の振分動作によって前記物品搬送経路外に振分選別する選別装置において、
前記シリンダが、前記ロッドの進退動方向の一方側および他方側に対応するそれぞれ一対の圧力室および給排ポートを有しており、
前記振分部材が前記ロッドの進退動方向に移動する押出部材を有しており、該押出部材が、前記進退動方向の特定の一方側に移動して前記選別対象の物品を前記物品搬送経路外に押し出すよう前記振分動作を実行し、
該シリンダには、前記一対のうち任意の片方の給排ポートにエアー源側からの圧縮空気を供給する一方、他の片方の給排ポートから排気させる給排制御部が接続されており、
前記給排制御部は、前記押出部材が前記物品搬送経路の所定区間外に後退しており、かつ、前記押出部材の振分動作を開始するよう前記ロッドの前記進退動方向を前記特定の一方側である前記押出部材の押出動作方向に切り換えるとき、一時的に前記エアー源側からの圧縮空気をブロックしつつ該切り換え前に前記エアー源側からの圧縮空気が導入されていた圧力室を所定時間だけ大気開放させてから、前記エアー源側からの圧縮空気を前記押出部材の押出動作に係る特定の片方の給排ポートに供給する一方、前記押出部材の復帰動作に係る他の片方の給排ポートから排気させることで、高速押出動作を実行させ、前記高速押出動作に続いて前記押出部材を前記物品搬送経路の所定区間外に復帰動作させるときには、前記シリンダの前記一対の圧力室を所定時間大気開放させることなく、前記エアー源側からの圧縮空気の供給先を前記押出部材の復帰動作に係る他の片方の給排ポートに切り換えるとともに、前記押出部材の押出動作に係る片方の給排ポートから排気させることを特徴とする選別装置。
【請求項2】
エアー駆動により進退動するロッドが装着されたシリンダと、前記ロッドの先端側に接続された振分部材と、を備え、物品搬送経路の所定区間で選別対象の物品を前記シリンダによる前記振分部材の振分動作によって前記物品搬送経路外に振分選別する選別装置において、
前記シリンダが、前記ロッドの進退動方向の一方側および他方側に対応するそれぞれ一対の圧力室および給排ポートを有しており、
前記振分部材が前記ロッドの進退動方向に移動する押出部材を有しており、該押出部材が、前記進退動方向の特定の一方側に移動して前記選別対象の物品を前記物品搬送経路外に押し出すよう前記振分動作を実行し、
該シリンダには、前記一対のうち任意の片方の給排ポートにエアー源側からの圧縮空気を供給する一方、他の片方の給排ポートから排気させる給排制御部が接続されており、
前記給排制御部は、前記選別対象の物品が前記物品搬送経路の所定区間の上流側所定位置に達することを検知する物品検知手段を有しており、
前記給排制御部は、前記押出部材が前記物品搬送経路の所定区間外に後退しており、かつ、前記押出部材の振分動作を開始するよう前記ロッドの前記進退動方向を前記特定の一方側に切り換えるとき、該切り換え前に前記物品検知手段による前記物品の検知時点で前記エアー源側からの圧縮空気が導入されていた圧力室を、前記物品検知手段により前記物品が検知されてから前記ロッドの前記進退動方向を前記押出部材の押出動作に係る前記特定の一方側に切り換え始めるまでの間であって前記押出動作の開始直前の所定時間だけ、前記エアー源側からの圧縮空気をブロックしつつ大気開放させてから、前記エアー源側からの圧縮空気を前記押出部材の押出動作に係る特定の片方の給排ポートに供給する一方、前記押出部材の復帰動作に係る他の片方の給排ポートから排気させることで、高速押出動作を実行させることを特徴とする選別装置。
【請求項3】
前記給排制御部は、3位置切換式の切換弁を含んで構成されており、
前記切換弁は、前記押出部材の押出動作を実行させるよう前記一対のうち第1の給排ポートに前記エアー源側からの圧縮空気を供給しつつ前記一対のうち第2の給排ポートから排気させる第1の動作位置と、前記押出部材の後退動作を実行させるよう前記第2の給排ポートに前記エアー源側からの圧縮空気を供給しつつ前記第1の給排ポートから排気させる第2の動作位置と、前記エアー源側からの圧縮空気をブロックしつつ前記第1の給排ポートおよび前記第2の給排ポートを介して前記一対の圧力室を大気開放させる第3の動作位置とを有していることを特徴とする請求項1または2に記載の選別装置。
【請求項4】
前記給排制御部は、前記押出部材の押出動作を開始するよう前記ロッドの前記進退動方向を特定の一方側に切り換えるとき、前記エアー源側からの圧縮空気を一時的にブロックしつつ前記シリンダの前記一対の圧力室を大気開放させてから、前記エアー源側からの圧縮空気を前記押出部材の押出動作に係る特定の片方の給排ポートに供給する第1の動作モードと、前記シリンダの前記一対の圧力室を所定時間だけ大気開放させることなく、前記エアー源側からの圧縮空気を前記押出部材の押出動作に係る特定の片方の給排ポートに供給する第2の動作モードとのうち任意の動作モードに切換え可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の選別装置。
【請求項5】
エアー駆動により進退動するロッドが装着されたシリンダと、前記ロッドの先端側に接続された振分部材と、を備え、物品搬送経路の所定区間で選別対象の物品を前記シリンダによる前記振分部材の振分動作によって前記物品搬送経路外に振分選別する選別装置と、
前記選別装置より前記物品搬送経路の上流側に配置され、所定方式の物品検査を実行し該検査の結果に応じた選別信号を前記選別装置に送信出力する検査装置と、を備えた物品選別システムであって、
前記シリンダが、前記ロッドの進退動方向の一方側および他方側に対応するそれぞれ一対の圧力室および給排ポートを有しており、
前記シリンダには、前記一対のうち任意の片方の給排ポートにエアー源側からの圧縮空気を供給する一方、他の片方の給排ポートから排気させる給排制御部が接続されており、
前記給排制御部は、前記選別対象の物品が前記物品搬送経路の所定区間の上流側所定位置に達することを検知する物品検知手段を有しており、
前記給排制御部は、前記振分部材の振分動作を開始するよう前記ロッドの前記進退動方向を特定の一方側に切り換えるとき、該切り換え前に前記検査装置から前記物品検査の結果に応じた選別信号を受信したことを条件に、前記物品検知手段による前記物品の検知時点で前記エアー源側からの圧縮空気が導入されていた圧力室を、前記振分動作の開始直前の所定時間だけ、前記エアー源側からの圧縮空気をブロックしつつ大気開放させることを特徴とする物品選別システム
【請求項6】
前記振分部材は、一端側を軸に他端側が前記物品搬送経路の幅員方向に揺動可能な選別アームを有し、該選別アームの前記他端側が前記物品搬送経路を横切るよう振分動作方向に揺動して前記振分選別を実行し、
前記給排制御部は、前記選別アームの他端側が前記物品搬送経路の所定区間の所定位置に位置し、かつ、前記ロッドの前記進退動方向を前記特定の一方側に切り換えるときに、前記シリンダの前記一対の圧力室を前記所定時間だけ大気開放させてから、前記エアー源側からの圧縮空気を前記選別アームの前記振分動作に係る特定の片方の給排ポートに供給することで、高速振分動作を実行させることを特徴とする請求項に記載の物品選別システム
【請求項7】
前記振分部材が前記ロッドの進退動方向に移動する押出部材を有しており、該押出部材が、前記進退動方向の前記特定の一方側に移動して前記選別対象の物品を前記物品搬送経路外に押し出すよう前記振分動作を実行し、
前記給排制御部は、3位置切換式の切換弁を含んで構成されており、
前記切換弁は、前記押出部材の押出動作を実行させるよう前記一対のうち第1の給排ポートに前記エアー源側からの圧縮空気を供給しつつ前記一対のうち第2の給排ポートから排気させる第1の動作位置と、前記押出部材の後退動作を実行させるよう前記第2の給排ポートに前記エアー源側からの圧縮空気を供給しつつ前記第1の給排ポートから排気させる第2の動作位置と、前記エアー源側からの圧縮空気をブロックしつつ前記第1の給排ポートおよび前記第2の給排ポートを介して前記一対の圧力室を大気開放させる第3の動作位置とを有し、
前記押出部材が前記物品搬送経路の所定区間外に後退しており、かつ、前記ロッドの前記進退動方向を前記特定の一方側である前記押出部材の押出動作方向に切り換えるときに、前記シリンダの前記一対の圧力室を前記所定時間だけ大気開放させてから、前記エアー源側からの圧縮空気を前記押出部材の押出動作に係る特定の片方の給排ポートに供給する一方、前記押出部材の復帰動作に係る他の片方の給排ポートから排気させることで、高速押出動作を実行させることを特徴とする請求項に記載の物品選別システム
【請求項8】
前記振分部材が前記ロッドの進退動方向に移動する押出部材を有しており、該押出部材が、前記進退動方向の前記特定の一方側に移動して前記選別対象の物品を前記物品搬送経路外に押し出すよう前記振分動作を実行し、
前記給排制御部は、前記押出部材が前記物品搬送経路の所定区間外に後退しており、かつ、前記ロッドの前記進退動方向を前記特定の一方側である前記押出部材の押出動作方向に切り換えるときに、前記シリンダの前記一対の圧力室を前記所定時間だけ大気開放させてから、前記エアー源側からの圧縮空気を前記押出部材の押出動作に係る特定の片方の給排ポートに供給する一方、前記押出部材の復帰動作に係る他の片方の給排ポートから排気させることで、高速押出動作を実行させる第1の動作モードと、前記シリンダの前記一対の圧力室を所定時間だけ大気開放させることなく、前記エアー源側からの圧縮空気を前記押出部材の押出動作に係る特定の片方の給排ポートに供給する第2の動作モードとのうち任意の動作モードに切換え可能であることを特徴とする請求項に記載の物品選別システム
【請求項9】
請求項1または2に記載の選別装置と、
前記選別装置より前記物品搬送経路の上流側に配置され、所定方式の物品検査を実行し該検査の結果に応じた選別信号を前記選別装置に送信出力する検査装置と、を備えた物品選別システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選別装置および物品選別システムに関し、特にプッシャ式やフリッパ式等の選別装置およびその装置と物品検査装置を併有する物品選別システムに関する。
【背景技術】
【0002】
各種物品を所定の経路で搬送しつつその搬送途中の選別区域において搬送中の物品を搬送路外に選別排出させたり複数の下流側搬送路のいずれかに振り分けたりすることができる選別装置として、搬送中の物品を搬送路の側方に押出動作するプッシャ式やフリッパ式等の選別装置が知られており、作動流体に圧縮空気を用いるエアー駆動式のものが多用されている。
【0003】
また、物品の重量やサイズ、品質その他の物品検査を実行し、その検査結果に応じて検査済み物品をエアー駆動式の選別装置で搬送路外に排出させたり、検査結果に対応する複数の下流側搬送路のいずれかに振り分けたりする物品選別システムも多用されている。
【0004】
この種の選別装置および物品選別システムにおいては、作動流体が空気(圧縮性流体)であってコンベア上の搬送中の物品に対して押出動作するため、被検査物品(以下、ワークともいう)の重量や選別動作の抵抗となる摩擦力等に対して推力が不足して押出動作速度が低下する場合や搬送速度が速い場合、排出品が下流側に流れるという問題が発生し得る。
【0005】
そこで、従来、例えば選別信号に基づく選別装置の動作に際して、押出開始前のコンベア搬送速度の加速および押出開始後の搬送速度の減速を可能にするよう、コンベア搬送速度の制御を実行するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、比較的質量の大きい小サイズ製品を段ボール箱に多数個入れた梱包品等のような重重量物品に対して押出動作を実行する選別装置において、その押出動作に足る大きな推力を発生させる一方で、押出部材の進退動が実行されることを警告ランプ点灯や警告音出力等により報知し、作業安全性を確保するものもある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2007-69109号公報
【文献】特開2012-206816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述のような従来の選別装置および物品選別システムにあっては、重重量の物品(例えば10kg~30kg)に対して高速押出動作を実行するためにエアーの供給圧を高めると、プッシャの動作方向の切換え時、特にプッシャ駆動用のエアーシリンダへのエアーの給排方向を切換え操作する方向切換弁がプッシャの引込・待機位置からプッシャの押出完了位置側に切り換えられるときに、圧縮空気の供給側から排出側に切り換わる引込加圧側の圧力室内に圧縮空気が残留した状態で、その方向切換えが開始される構成となっていた。
【0009】
そのため、高圧の圧縮空気が残留していた引込加圧側の圧力室内の圧力が低下するまで、押出加圧側の圧力室内の圧力が高くなっても押出部材の押出動作速度が制限されてしまうことになり、押出対象の物品が下流側に流れるのを制限するべく押出動作を高めることができなかった。
【0010】
本発明は、上述のような従来の未解決の課題を解決すべくなされたものであり、押出動作等の振分動作を高速に実行可能な選別装置および物品選別システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明に係る選別装置は、上記目的達成のため、エアー駆動により進退動するロッドが装着されたシリンダと、前記ロッドの先端側に接続された振分部材と、を備え、物品搬送経路の所定区間で選別対象の物品を前記シリンダによる前記振分部材の振分動作によって前記物品搬送経路外に振分選別する選別装置において、前記シリンダが、前記ロッドの進退動方向の一方側および他方側に対応するそれぞれ一対の圧力室および給排ポートを有しており、該シリンダには、前記一対のうち任意の片方の給排ポートにエアー源側からの圧縮空気を供給する一方、他の片方の給排ポートから排気させる給排制御部が接続されており、前記給排制御部は、前記振分部材の振分動作を開始するよう前記ロッドの前記進退動方向を特定の一方側に切り換えるとき、一時的に前記エアー源側からの圧縮空気をブロックしつつ該切り換え前に前記エアー源側からの圧縮空気が導入されていた圧力室を所定時間だけ大気開放させることを特徴とする。
【0012】
この構成により、振分部材の振分動作を開始するようロッドの進退動方向を特定の一方側に切り換えるときには、一時的にエアー源側からの圧縮空気をブロックしつつその切り換え前にエアー源側からの圧縮空気が導入されていた圧力室が所定時間だけ大気開放される。したがって、特定の一方側への切換えによって圧縮空気が導入される圧力室の圧力が高まるときに、他の一方側の圧力室内の残留圧縮空気によって振分動作抵抗が大きくなるといったことがなくなり、迅速な動作方向切換えが可能になる。よって、高速振分動作を実行可能な選別装置となる。
【0013】
(2)本発明の好ましい実施形態においては、前記振分部材が前記ロッドの進退動方向に移動する押出部材を有しており、該押出部材が、前記進退動方向の前記特定の一方側に移動して前記選別対象の物品を前記物品搬送経路外に押し出すよう前記振分動作を実行し、前記給排制御部は、前記押出部材が前記物品搬送経路の所定区間外に後退しており、かつ、前記ロッドの前記進退動方向を前記特定の一方側である前記押出部材の押出動作方向に切り換えるときに、前記シリンダの前記一対の圧力室を前記所定時間だけ大気開放させてから、前記エアー源側からの圧縮空気を前記押出部材の押出動作に係る特定の片方の給排ポートに供給する一方、前記押出部材の復帰動作に係る他の片方の給排ポートから排気させることで、高速押出動作を実行させる構成とすることができる。
【0014】
この場合、押出部材が物品搬送経路外に後退した状態下で、特定の一方側である押出動作方向に切り換えるときに、シリンダの一対の圧力室が所定時間だけ大気開放される。したがって、エアー源側からの圧縮空気を押出部材の押出動作に係る特定の片方の給排ポートに供給するとき、押出部材の復帰動作に係る他の片方の圧力室に高圧の圧縮空気が残留していることがなく、他の片方の給排ポートから迅速に排気させることで、高速押出動作を実行させることができる。
【0015】
(3)本発明の好ましい実施形態においては、前記給排制御部は、前記高速押出動作に続いて前記押出部材を前記物品搬送経路の所定区間外に復帰動作させるときには、前記シリンダの前記一対の圧力室を所定時間大気開放させることなく、前記エアー源側からの圧縮空気の供給先を前記押出部材の復帰動作に係る他の片方の給排ポートに切り換えるとともに、前記押出部材の押出動作に係る片方の給排ポートから排気させる構成としてもよい。
【0016】
このようにすると、押出動作に続く引込側への復帰動作に際して、動作方向の切換え要求に対する所要の応答性を確保しつつ、押出部材の低負荷での復帰動作の開始速度を適度に抑えることができる。
【0017】
(4)本発明の好ましい実施形態においては、前記給排制御部は、前記選別対象の物品が前記物品搬送経路の所定区間の上流側所定位置に達することを検知する物品検知手段を有しており、前記給排制御部は、前記物品検知手段による前記物品の検知時点で前記エアー源側からの圧縮空気が導入されていた圧力室を、前記物品検知手段により前記物品が検知されてから前記ロッドの前記進退動方向を前記押出動作に係る前記特定の一方側に切り換え始めるまでの間であって前記押出動作の開始直前の所定時間だけ、前記エアー源側からの圧縮空気をブロックしつつ大気開放させる構成とすることができる。
【0018】
この場合、選別対象の物品が物品搬送経路の所定区間の上流側所定位置に達すると、それが物品検知手段により検知され、その検知時点を基準に、その検知時点でエアー源側からの圧縮空気が導入されていた圧力室を、押出動作の開始直前の所定時間だけ大気開放させる時間を確保可能となる。
【0019】
(5)本発明の好ましい実施形態においては、前記振分部材は、一端側を軸に他端側が前記物品搬送経路の幅員方向に揺動可能な選別アームを有し、該選別アームの前記他端側が前記物品搬送経路を横切るよう振分動作方向に揺動して前記振分選別を実行し、前記給排制御部は、前記選別アームの他端側が前記物品搬送経路の所定区間の所定位置に位置し、かつ、前記ロッドの前記進退動方向を前記特定の一方側に切り換えるときに、前記シリンダの前記一対の圧力室を前記所定時間だけ大気開放させてから、前記エアー源側からの圧縮空気を前記選別アームの前記振分動作に係る特定の片方の給排ポートに供給することで、高速振分動作を実行させる構成とすることができる。
【0020】
この場合、選別アームの他端側が、物品搬送経路の幅員方向の内外一方側に待機した状態から内外他方側へといずれかの振分動作方向に揺動するとき、シリンダの一対の圧力室が所定時間だけ大気開放される。したがって、エアー源側からの圧縮空気を振分部材のいずれか一方側の振分動作に係る特定の片方の給排ポートに供給するとき、振分部材の復帰動作に係る他の片方の圧力室に高圧の圧縮空気が残留していることがなく、他の片方の給排ポートから迅速に排気させることで、高速振分動作を実行させることができる。
【0021】
(6)本発明の好ましい実施形態においては、前記給排制御部は、3位置切換式の切換弁を含んで構成されており、前記切換弁は、前記押出部材の前記押出動作を実行させるよう前記一対のうち第1の給排ポートに前記エアー源側からの圧縮空気を供給しつつ前記一対のうち第2の給排ポートから排気させる第1の動作位置と、前記押出部材の後退動作を実行させるよう前記第2の給排ポートに前記エアー源側からの圧縮空気を供給しつつ前記第1の給排ポートから排気させる第2の動作位置と、前記エアー源側からの圧縮空気をブロックしつつ前記第1の給排ポートおよび前記第2の給排ポートを介して前記一対の圧力室を大気開放させる第3の動作位置とを有しているものとすることができる。
【0022】
この構成により、3位置切換式の切換弁による簡素な構成で、押出動作方向に切り換えるときにシリンダの一対の圧力室を所定時間だけ大気開放させることが可能となる。なお、前記切換弁が直動式の弁体を有する場合、前記第3の動作位置が前記第1の動作位置および第2の動作位置の間に位置する弁体構成とすることができる。
【0023】
(7)本発明の好ましい実施形態においては、前記給排制御部は、前記押出部材の押出動作を開始するよう前記ロッドの前記進退動方向を特定の一方側に切り換えるとき、前記エアー源側からの圧縮空気を一時的にブロックしつつ前記シリンダの前記一対の圧力室を大気開放させてから、前記エアー源側からの圧縮空気を前記押出部材の押出動作に係る特定の片方の給排ポートに供給する第1の動作モードと、前記シリンダの前記一対の圧力室を所定時間だけ大気開放させることなく、前記エアー源側からの圧縮空気を前記押出部材の押出動作に係る特定の片方の給排ポートに供給する第2の動作モードとのうち任意の動作モードに切換え可能であってもよい。
【0024】
このようにすると、押出動作を選択的に高速動作に切り換えることが可能となり、物品の押出動作に適した動作速度や押出動作時の衝撃を考慮して、動作モードを選択することができる。
【0025】
(8)本発明に係る物品選別システムは、上記のいずれかの構成を有する選別装置と、前記選別装置より前記物品搬送経路の上流側に配置され、所定方式の物品検査を実行し該検査の結果に応じた選別信号を前記選別装置に送信出力する検査装置と、を備えたものである。
【0026】
この構成により、検査装置での物品検査結果に応じた選別信号、例えば対象物品の選別排出を指令する選別信号が選別装置に送られ、この信号を受けた選別装置が振分部材の振分動作を開始するようロッドの進退動方向を特定の一方側に切り換えるときには、選別信号に対応する排出対象物品が選別区域である物品搬送経路の所定区間に到達するまでの間に、一時的にエアー源側からの圧縮空気をブロックしつつその切り換え前にエアー源側からの圧縮空気が導入されていた圧力室が所定時間だけ大気開放される。したがって、特定の一方側への切換えによって圧縮空気が導入される圧力室の圧力が高まるときには、他の一方側の圧力室内の残留圧縮空気によって振分動作抵抗が大きくなるといったことがなくなり、迅速な動作方向切換えが可能になる。よって、高速振分動作を実行可能な物品選別システムとなる。
【0027】
(9)本発明の物品選別システムにおいて、前記給排制御部は、前記選別対象の物品が前記物品搬送経路の所定区間の上流側所定位置に達することを検知する物品検知手段を有しており、前記給排制御部は、前記検査装置から前記物品検査の結果に応じた選別信号を受信したことを条件に、前記物品検知手段による前記物品の検知時点で前記エアー源側からの圧縮空気が導入されていた圧力室を、前記振分動作の開始直前の所定時間だけ、前記エアー源側からの圧縮空気をブロックしつつ大気開放させる構成とすることができる。
【0028】
この場合、物品検査の結果に応じた選別信号を基に選別対象の物品が特定され、物品搬送経路の所定区間の上流側所定位置にその選別対象の物品が到達すると、それが物品検知手段により検知されることで、その検知時点を基準に、その検知時点でエアー源側からの圧縮空気が導入されていた圧力室を振分動作の開始直前に大気開放させる所定時間を有効にかつ的確に設定可能となる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、振分動作等の振分動作を高速に実行可能な選別装置および物品選別システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1実施形態に係る物品選別システムの概略構成図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る物品選別システムにおける選別装置用のエアーシリンダとその伸縮動作の方向切換弁および速度制御弁を含む空気圧制御回路の要部回路図であり、エアーシリンダにプッシャ式の選別装置用の押板を装着した場合を例示している。
図3】(a)は本発明の第1実施形態に係る物品選別システムにおけるプッシャ式の選別装置の押出動作条件の説明図で、(b)は排出対象物品が下流側に流れてしまう比較例の押出動作を示している。
図4】(a)は本発明の第1実施形態に係る物品選別システムにおけるプッシャ式の選別装置の押出動作の説明図で、排出対象物品の選別区域内への搬入から押出動作完了までの一連の動作状態を示しており、(b)は比較例における排出対象物品の選別区域内への搬入から排出対象物品が下流側に流れてしまうまでの一連の押出動作を示している。
図5】本発明の第1実施形態に係る物品選別システムにおける通常速度の押出動作を実行する通常動作時の各部の動作タイミングを示すタイムチャートである。
図6】本発明の第1実施形態に係る物品選別システムにおける高速の押出動作およびその動作直前のシリンダ室内大気開放を実行する高速動作時の各部の動作タイミングを示すタイムチャートである。
図7】本発明の第2実施形態に係る物品選別システムにおけるプッシャ式の選別装置の選別排出対象物品の選別区域内への搬入検知とその検知時点から高速押出動作の開始直前までシリンダ室の大気開放を実行する高速動作時の各部の動作タイミングを示すタイムチャートである。
図8】本発明の第3実施形態に係る物品選別システムにおけるプッシャ式の選別装置の概略構成図である。
図9】本発明の第3実施形態に係る物品選別システムにおけるフリッパ式の選別装置の動作説明図で、(a)はフリッパが通常の物品搬送を許容する姿勢にある状態を、(b)はフリッパが不良品を選別排出する姿勢にある状態を、それぞれ示している。
図10】本発明の第3実施形態に係る物品選別システムにおけるフリッパ式の選別装置における選別アームとそれを駆動するエアーシリンダとの間に操作レバーおよびリンクを介在させたリンケージ接続状態を示す斜視図である。
図11】本発明の第3実施形態に係る物品選別システムにおけるフリッパ式の選別装置のエアーシリンダを特定方向に動作させ、不良品の振分選別姿勢で通常待機する選別アームを通過許容姿勢側に揺動させる直前に大気開放させて高速動作させる場合のタイムチャートである。
図12】本発明の第3実施形態に係る物品選別システムにおけるフリッパ式の選別装置のエアーシリンダを特定方向に動作させ、通過許容姿勢で通常待機する選別アームを不良品の振分選別姿勢から待機位置側に復帰させる直前に大気開放させて、高速復帰動作させる場合のタイムチャートである。
図13】本発明の第4実施形態に係る物品選別システムにおけるフリッパ式の選別装置の動作説明図で、選別アームおよび振分機構の配置を第3実施形態におけるそれらの配置とは搬送方向で逆にした場合を例示するものであり、(a)はフリッパが通過許容姿勢にある状態を、(b)はフリッパが不良品の振分選別姿勢にある状態を、それぞれ示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0032】
(第1実施形態)
図1ないし図6に、本発明の第1実施形態に係る物品選別システムの構成および動作を示している。まず、その構成について説明する。
【0033】
(全体構成)
図1ないし図3に示すように、本発明の第1実施形態に係る物品選別システム1は、被検査物品の搬送物であるワークWを所定の搬送方向に延びる複数のコンベア11、12、13(物品搬送経路)により順次搬送する搬送部10と、検査コンベアである前段のコンベア11上のワークWの品質状態をその品種に対応した検査条件に従って同コンベア11上の検査区域Z1内で検査する検査部20と、検査部20の検査によって選別排出が要求されるワークWが発生したとき、選別コンベアである中段のコンベア12上の選別区域Z2内で排出対象のワークWをコンベア12の外側方(搬送路幅員方向の一方側、図1中の下方側)への押出し動作で選別排出する選別部30と、コンベア12上から外側方に配置された排出品受台コンベア15とを具備している。
【0034】
複数のコンベア11~13上における選別区域Z2の上流側(検査区域Z1の上流側でもよい)には、物品搬送経路の所定区間である選別区域Z2内へのワークWの搬入をその上流側の所定位置で検知する搬送物品検知センサ25が設けられている。この搬送物品検知センサ25は、例えば搬送部10の搬送方向(図1中の右方向)に対し略直交する光軸を有し、ワークWによって遮光または反射されることでON/OFFが切り替わる光学式のものであり、各ワークWの先端および後端が搬送方向の所定位置を通過するタイミングを検知可能である。なお、搬送物品検知センサ25をカメラ画像やX線画像から物品検知する手段にすることも考えられる。
【0035】
搬送部10のコンベア11~13は、詳細を図示しないが、例えばループ状の搬送ベルトを複数の搬送ローラに掛け渡し、これら搬送ローラ上の搬送ベルトの上走区間によりワークWを図1中の右方向に順次搬送するベルトコンベアとなっており、図示しない筐体に支持されている。
【0036】
検査部20は、搬送部10のコンベア11と共に搬送中のワークWに対して所定方式の物品検査を実行する検査装置を構成している。
【0037】
この検査部20は、搬送部10によりコンベア搬送されるワークWに製品として要求される品質や物理量の適否等、例えば混入異物の有無、欠品の有無、内容物の形状・サイズ・収納状態等の合否、密度・厚さ・体積もしくは質量の分布等のいずれかを検査するようになっている。
【0038】
この検査部20は、例えばワークWを透過可能なX線を発生し、コンベア11上のワークWに向けて搬送部10の搬送方向に対し略直交するファンビーム状に照射することができるX線発生器と、コンベア11の上走区間の直下に配置されたX線ラインセンサカメラ等のX線検出器とによって構成することができる。
【0039】
(選別装置構成)
選別部30は、搬送部10のコンベア12と共に搬送中のワークWを検査部20での検査結果に応じて選択的に選別排出する選別装置を構成している。
【0040】
この選別部30は、選別区域Z2(所定搬送区間)内のワークWを搬送部10のコンベア12上から外側方(図1中の下方側)の排出品受台コンベア15上に押し出すことで選別排出させる振分動作(以下、振分選別ともいう)ができる押出部材31と、押出部材31を選別区域Z2に対する進入方向および後退方向(以下、進退動方向という)に駆動する駆動機構32とを有している。
【0041】
押出部材31は、ワークWの選別区域Z2から下流側の搬送経路を、検査部20での検査結果に応じて、検査後の通常搬送経路となる図1中のX方向か、選別排出方向となる図1中のY方向かに切り替える振り分け機能を有している。この押出部材31は、例えばワークWの搬送方向およびコンベア12上の高さ方向に広がる平坦なあるいは湾曲した板面を有する板状体、例えばステンレス鋼板その他の金属板によって構成されている。
【0042】
また、押出部材31は、ワークWに対する摩擦係数がコンベア12の搬送面のワークWに対する摩擦係数以上になるように、ワークWに接触する先端面31a上に部分的に高摩擦材を固定したり変位(例えば、板面方向のスライドもしくは回転)可能に装着した高摩擦押板であってもよいし、部分的に板面から突出するとともにその突出高さがワークWに対する押出動作荷重に応じて変化するようなグリップ用の弾性凸部(板面に対する凹部と併用する低い凸部でもよい)等を有するものであってもよい。ワークWに接触する押出部材31の先端面31aの摩擦係数は、少なくともその先端面31aを圧延されたステンレス鋼板その他の金属板の表面で構成する場合の摩擦係数以上である。
【0043】
駆動機構32は、押出部材31をワークWの搬送方向に対し略直交する方向に往復移動させることができるものであり、例えば流体圧作動式のアクチュエータであるエアーシリンダ33(シリンダ)と、制御信号入力に応じてエアーシリンダ33に対するエアー(圧縮空気)の供給を制御する電磁弁ユニット34と、エアーシリンダ33の横荷重(側圧)を受け持つガイド機構35(詳細図示せず)とを含んで構成されている。そして、駆動機構32は、エアーコンプレッサ等を含むエアー源50からのエアー(流体)の給排制御により、エアーシリンダ33を伸縮方向にエアー駆動するようになっている。
【0044】
図2に示すように、エアーシリンダ33は、複動式のもので、シリンダ41にピストン42が摺動可能に収納され、このピストン42によってシリンダ41内が一対の圧力室44A、44Bに仕切られるとともに、一対の圧力室44A、44Bに連通するそれぞれの給排ポート45a、45bが形成されている。また、ピストン42にはピストンロッド43(ロッド)が一体に固定されており、シリンダ41から外方に突出したピストンロッド43の先端部43aに、押出部材31が装着(駆動可能に接続)されている。すなわち、エアーシリンダ33は、押出部材31およびピストンロッド43の進退動方向の一方側および他方側に対応するそれぞれ一対の圧力室44A、44Bおよび給排ポート45a、45bを有している。
【0045】
(給排制御部)
電磁弁ユニット34は、エアーシリンダ33におけるエアーの給排方向および流量を制御するようエアーシリンダ33に接続された給排制御部を構成しており、電磁操作部SOL1、SOL2を有している。この電磁弁ユニット34は、一方の電磁操作部SOL1を励磁(ON)させる制御信号RJ1の入力または他方の電磁操作部SOL2を励磁させる制御信号RJ5の入力に応じて、対応する片方の給排ポート45aまたは45bを通し圧力室44Aまたは44Bにエアー源50側からの圧縮空気を供給する一方、他の片方の給排ポート45bまたは45aを通し圧力室44Bまたは44Aから排気させることができる(以下、エアーの給排に関する説明では、主に給排ポート45a、45bで説明する)。そして、エアーシリンダ33は、一対の給排ポート45a、45bのうち任意の片方、例えば給排ポート45aに圧縮空気が供給され、他の片方である給排ポート45bから排気がなされるとき、押出部材31をコンベア12上の選別区域Z2内に進入させて搬送中のワークWをコンベア12の外側方に押し出すようピストンロッド43を進退動方向の一方側(図1中で下側、図2中で右側)に移動させる。反対に、エアーシリンダ33は、給排ポート45bに圧縮空気が供給され、給排ポート45aから排気がなされるとき、押出部材31をコンベア12上の選別区域Z2外に後退させるようピストンロッド43をその進退動方向の他方側(図1中で上側、図2中で左側)に移動させるようになっている。
【0046】
また、電磁弁ユニット34によりエアーシリンダ33へのエアーの給排およびその方向を制御することで、駆動機構32は、押出部材31を図3(a)中に実線で示す押出開始位置P1から同図中に仮想線で示す押出終了位置P2へと押出し方向に移動させる押出動作(図4(a)参照)と、押出部材31を押出終了位置P2から押出開始位置P1に戻るように復帰させる引込動作とを、コンベア12の横幅Lc程度かそれ以下のエアーシリンダ33の伸縮動作に伴って実行することができるようになっている。
【0047】
より具体的には、図2に示すように、駆動機構32は、エアー源50とエアーシリンダ33の一対の給排ポート45a、45bとの間に介在し、エアーの給排方向を切り換えることができる方向切換弁51と、この方向切換弁51とエアーシリンダ33の一対の給排ポート45a、45bとの間に介装された速度制御弁52、53と、エアーシリンダ33の動作位置である押出部材31の引込側の待機位置と押出側の選別位置とを例えばピストン42の変位により検知する待機位置センサ54および選別位置センサ55とを含んでいる。
【0048】
方向切換弁51は、例えば電磁式または/および流体圧力式の5ポート3位置切換弁(3位置切換式の切換弁)を含んで構成されており、エアー源50側、すなわち図示しない調質機器を介して接続する空圧源機器側に接続する供給圧ポート51pと、それぞれサイレンサ56、57を介して大気接続された一対のリターンポート51q、51rと、速度制御弁52、53を介してエアーシリンダ33の一対の給排ポート45a、45bに接続される一対の制御圧ポート51a、51bとを有している。
【0049】
この方向切換弁51の弁体51vは、押出部材31の押出動作を実行させるよう一対のうち第1の給排ポート45aにエアー源50側からの圧縮空気を供給しつつ一対のうち第2の給排ポート45bから排気させる第1の動作位置[I]と、押出部材31の後退動作を実行させるよう第2の給排ポート45bにエアー源50側からの圧縮空気を供給しつつ第1の給排ポート45aから排気させる第2の動作位置[II]と、エアー源50側からの圧縮空気をブロックしつつ第1の給排ポート45aおよび第2の給排ポート45bを介して一対の圧力室44A、44Bを大気開放させる第3の動作位置[III]とに切換え可能である。方向切換弁51は、また、一対のセンタリングスプリング51kによって弁体51vが中立位置に常時付勢されており、信号入力や操作圧が入力されない制御停止時には弁体51vが中立位置である第3の動作位置[III]に復帰するエキゾーストセンタ型となっている。
【0050】
速度制御弁52、53は、それぞれ対応する圧力室44A、44Bへのエアー供給方向に開き勝手となり逆方向(排気方向)には閉止状態となるチェック弁52a、53aと、対応する圧力室44A、44Bからの排気流量を可変制御することができる可変絞り要素52b、53bとを有している。なお、速度制御弁52、53は、図2中ではエアシリンダの給排ポートのうち排気側の流量を可変制御するメータアウト方式として図示しているが、速度制御弁52、53を相互に逆の配置としてエアシリンダの給排ポートのうち給気側の流量を可変制御するメータイン方式としてもよいことは勿論である。
【0051】
駆動機構32は、これら方向切換弁51および速度制御弁52、53により、エアーコンプレッサ等を含むエアー源50からのエアー(流体)の給排の方向制御と、エアーシリンダ33を伸縮方向にエアー駆動するときの動作速度制御とを実行することができる。
【0052】
(検査制御および選別制御)
図1に示すように、物品選別システム1は、さらに、検査部20を制御する第1制御部61と、選別部30を制御する第2制御部62と、を具備している。また、検査部20には、第1制御部61に対する要求操作入力やその入力内容の表示および検査結果等の表示が可能な表示操作部63が設けられている。
【0053】
第1制御部61および第2制御部62は、具体的なハードウェア構成を図示しないが、それぞれ例えばCPU、ROM、RAMおよび入出力インターフェース回路等を含んで構成されており、ROMや他のメモリデバイスに格納された所定の搬送制御プログラム、検査制御プログラムおよび選別制御プログラム等によって、搬送部10の搬送制御、検査部20での物品検査制御、選別部30での選別動作制御等を実行するようになっている。そして、第1制御部61および第2制御部62は、前述の各種制御プログラムを実行することで、以下に述べる複数の手段の制御機能を発揮し得るように構成されている。
【0054】
第1制御部61は、搬送部10のコンベア11によるワークWの搬送速度や搬送間隔等を制御する搬送制御手段と、前述のX線発生器の出力を制御したりワークWの搬送速度に応じたX線検出器のX線ライン検出周期および検査期間等を制御したりして検査部20における検査を制御する一方、X線画像による物品検知情報や検査部20での検査結果信号を第2制御部62側に出力する検査制御手段とを含んでいる。また、第1制御部61は、検査部20での検査結果(OK/NG)に応じて、例えば検査中のワークWについて異物混入の有無を判定したとき、その判定時点から所定時間内に、選別信号RJおよび検査判定信号を生成して第2制御部62に出力することができる。
【0055】
第2制御部62は、搬送部10のコンベア12によるワークWの搬送速度Vrj(図3(a)参照)や搬送間隔Dに対応する選別遅延時間td(図1参照)等を制御する搬送制御手段と、第1制御部61からの選別信号RJおよび検査判定信号と搬送物品検知センサ25からの物品検知信号とを基に選別部30の動作を制御する選別制御手段と、を含んでいる。
【0056】
この第2制御部62は、第1制御部61からの選別信号RJおよびNG判定信号を受けたときには、その信号入力時点(例えば、図5中のNG判定信号の立上り時点t4)からワークWが選別区域Z2内の所定位置に達する時点、例えば図3(a)に示すようにワークWの搬送方向長さLの半分が待機位置P1の押出部材31の前方領域に入る動作開始可能時点までの時間を選別遅延時間tdとして設定し、その選別遅延時間td中は排出対象のワークWに対する選別部30の選別排出動作を実行させないようになっている。
【0057】
また、第2制御部62は、動作開始可能時点(例えば、図5中のt5)を基準として、通常の選別動作の場合には、ワークWの品種に応じた押出し動作速度で、選別対象のワークWをコンベア12の幅員方向の横幅Lcに近い通常の動作ストローク分の押出し動作により選別排出させるように、通常の選別動作時間である排出動作設定時間Te1[ms]の間、電磁弁ユニット34の方向切換弁51に選別動作信号RJ1を出力することができるようになっている。
【0058】
さらに、通常の選別動作の場合、第2制御部62は、動作開始可能時点から排出動作設定時間Te1が経過した時(例えば、図5中のt8)に、選別動作信号RJ1の出力を停止する一方で、待機動作信号RJ5の出力を開始し、押出部材31を所定の引込動作速度でコンベア12上の選別区域Z2外に後退させるよう、高速戻り時間Tre[ms]の間、電磁弁ユニット34の方向切換弁51に対してエアーシリンダ33を収縮させる待機動作信号RJ5を出力することができるようになっている。
【0059】
第2制御部62は、これら選別動作信号RJ1および待機動作信号RJ5によって選別部30のエアーシリンダ33の伸縮動作を制御することで、押出部材31が図1に実線で示す押出開始位置P1から同図中に仮想線で示す押出終了位置P2まで移動した後に、再度、押出開始位置P1に戻るまでの往復移動を、ワークWの搬送間隔D分の搬送時間未満の所定動作時間中に完了させる選別制御手段となっている。
【0060】
ここで、通常の排出動作設定時間Te1は、許容される最重量のワークWをエアーシリンダ33最短の収縮状態から最長の伸張状態に伸張させる場合の最短動作時間Ta[ms]より大きい(長い)時間として、ユーザーによる予めの試験運転下でワークWの安定した排出姿勢や排出完了位置となるように、速度制御弁52、53での排出流量の絞り状態等に応じて設定されている。
【0061】
また、ワークWの安定のため、図3(a)に示すように、排出対象のワークWの重心ここでは中心Gが押出部材31の搬送方向長さLgの領域内に到達してから押し始め、ワークWの中心が押出部材31の搬送方向長さ領域を通過する前に押出を完了させる必要がある。したがって、押出動作中のワーク移動距離Lzは、押板長さLg以下(Lg≧Lz)に抑える必要がある。
【0062】
このワーク移動距離Lzは、コンベア速度Vrj×押出動作時間Te1(>Te2またはTex)×押出減速率βとして計算することができ、押出減速率βは、ステンレス鋼板や樹脂板で構成される押出部材31の場合には大きく、高摩擦材を用いたハイグリップ押出部材31の場合には小さくなり得る。第2制御部62は、押出部材31の形状や摩擦係数の大小等のタイプ、ならびに各種ワークWの搬送品タイプ(段ボール、樹脂ケース、トレーなどの別等)に応じて、この押出減速率βを予めメモリに記憶させておき、検査部20での設定品種や選別部30での押出部材31の使用タイプ等に応じて押出減速率βを特定するとともに、押出動作中のワーク移動距離Lzが押板長さLg以下(Lg≧Lz)となる必要排出条件が成立するか否かを判定することができるようになっている。また、必要排出条件が成立しないと判定されたときに、表示操作部63への注意喚起の表示や表示操作部63からの試験的な排出動作要求を促す表示等を実行することもできる。
【0063】
選別部30は、また、図5に星印で示すように、装置の運転の前後にエアーシリンダを大気開放状態にするようになっている。さらに、装置の運転中にあっても後述する動作モード切換えにより、例えば図6図7にそれぞれ星印で示すように、選別部30は、先行するワークWが選別区域Z2を通過するか選別区域Z2外に排出された後、今回の排出対象のワークWが搬送物品検知された時点(対象ワークWの先端が選別区域Z2に入る時点)や押出部材31が引込・待機位置に戻った時点から、その排出対象のワークWの中心が押出部材31の搬送方向幅Lgの領域内に入る時点までの間に、エアーシリンダを比較的短い所定時間だけ大気開放状態にすることができるようになっている。
【0064】
具体的には、大気開放する所定時間と方向切換弁51の応答時間を含めた大気開放応答時間Ton-off[msec]が、例えば次の式(1)に示すように、排出対象のワークの搬送方向における製品半長(L/2)[m]/コンベア速度Vrj[m/s]以下の押出動作待ち時間の条件を満たすことで、安定した排出が可能となる。
【0065】
Ton-off ≦ (L/2)/コンベア速度Vrj ・・・(1)
方向切換弁51は、また、大気開放応答時間Ton-off[msec]の直後に、押出動作に係る第1の動作位置[I]に切り換えられ、エアーシリンダ33によりワークWの品種に応じた排出動作時間Te2(図6参照)および押出動作速度で押出部材31を前進させ、選別対象のワークWをコンベア12の幅員方向の横幅Lcに近いストローク分の押出し動作により選別排出させるようになっている。
【0066】
ちなみに、図3(b)および図4(b)に示す比較例のように、対象ワークWの中心から外れた端側を押出部材31により押し出しても、不良のワークWが選別排出されないまま、後段のコンベア13側に流れてしまう可能性がある。この比較例は、コンベア速度Vrjが上記計算式(1)を満たさない場合、あるいは、押出部材31の搬送方向長さである押板長さLgが押出動作中のワーク移動距離Lzより小さい場合の例で、押出部材31がNG品を押し切る前にNG品が通過してしまい、NG品が直進したり後段のコンベア13から外側方へ落下したりする可能性があることを示している。
【0067】
また、第2制御部62は、選別指令信号RJに従って選別部30を制御することで、押出部材31が図3(a)に実線で示す押出開始位置P1から同図中に仮想線で示す押出終了位置P2まで移動した後に押出開始位置P1に戻るまでの往復移動を、ワークWの搬送間隔に対応する所定の往復動作時間中に完了させるようになっている。
【0068】
本実施形態の物品選別システム1は、このように、エアー駆動されるエアーシリンダ33とそのピストンロッド43の先端側に固定された押出部材31とを有するプッシャ型の選別部30を備えており、選別対象のワークWを選別部30による押出部材31の押出動作によってコンベア11~13上から選別排出できるようになっている。
【0069】
(動作モード切換え)
ところで、選別部30の電磁弁ユニット34は、押出部材31の押出動作を開始するようピストンロッド43の進退動方向を特定の一方側に切り換えるときに、方向切換弁51によりエアー源50側からの圧縮空気を一時的にブロックしつつ、エアーシリンダ33の一対の圧力室44A、44Bを所定時間だけ大気開放させてから、エアー源50側からの圧縮空気を押出部材31の押出動作に係る特定の片方の給排ポート45aに供給する第1の動作モードと、ピストンロッド43の進退動方向を特定の一方側に切り換えるときに、エアーシリンダ33の一対の圧力室44A、44Bを所定時間だけ大気開放させることなく、エアー源50側からの圧縮空気を押出部材31の押出動作に係る特定の片方の給排ポート45aに供給する第2の動作モードとのうち、任意の動作モードに選択設定可能、すなわち切換え可能となっている。
【0070】
(第1の動作モード)
給排制御部である電磁弁ユニット34は、第1の動作モードに選択設定されている場合、押出部材31がコンベア11~13上の選別区域Z2外(例えば、図1中のZ2、Lcの範囲外)にある引込・待機位置側に後退しており、かつ、ピストンロッド43の進退動方向を特定の一方側である押出部材31の押出動作(図3(a)参照)の方向に切り換えるときには、エアーシリンダ33の一対の圧力室44A、44Bを所定時間だけ大気開放させてから、エアー源50側からの圧縮空気を押出部材31の押出動作に係る特定の片方の給排ポート45aに供給する一方、押出部材31の復帰動作に係る他の片方の給排ポート45bから排気させることで、高速押出動作を実行させるようになっている。
【0071】
また、電磁弁ユニット34は、高速押出動作に続いて押出部材31をコンベア12上の選別区域Z2外に復帰動作させるときには、エアーシリンダ33の一対の圧力室44A、44Bを所定時間大気開放させることなく、エアー源50側からの圧縮空気の供給先を押出部材31の引込・待機動作(復帰動作)に係る他の片方の給排ポート45bに切り換えるとともに、押出部材31の押出動作に係る片方の給排ポート45aから排気させるようになっている。
【0072】
具体的には、検査部20の検査結果に基づく押出部材31の押出動作要求が発生したとき、エアー源50からエアーシリンダ33側への圧縮空気の供給が一時的にOFF状態となった方向切換弁51でブロックされる。また、その方向切り換え前にエアー源50側からの圧縮空気が導入されていた引込加圧側の圧力室44Bが、所定時間だけ大気開放されることで(図6中の黒塗りの星印参照)、両圧力室44A、44B間の差圧が低下する。したがって、方向切換弁51が選別動作信号RJ1により第1の動作位置[I]に切り換えられて、押出加圧側の加圧室44Aに圧縮空気が供給され、押出加圧側の圧力室44A内の圧力が高くなる段階では、引込加圧側の圧力室44B内の圧力を十分に低下させておくことができ、押出部材31の押出動作速度が制限されないので、高速押出が可能となる。
【0073】
ワークWが低速搬送される重重量の物品である本実施形態では、選別信号を受けてから十分に大気開放した後に伸縮動作させるようにしても対象ワークWの選別排出に間に合うが、大気開放を実行する所定時間は、例えば数十msec~数百msec程度である(エアーシリンダサイズ等の空圧部品構成による)。
【0074】
押出部材31が引込・待機位置にある状態で、搬送物品検知センサ25により選別区域Z2の上流側の所定位置に達したワークWを検知した時点から方向切換弁51による大気開放を開始するようにして、その大気開放後にワークWの半分以上が押板にかかるタイミングで押板を押し出すように制御することができるが、この点については後述する。
【0075】
(第2の動作モード)
表示操作部63へのモード選択要求操作入力に応じて第1制御部61から第2制御部62に第2の動作モードの設定要求がなされ、給排制御部である電磁弁ユニット34が第2の動作モードに選択設定されている場合、検査部20の不良品判定の検査結果に応じて押出部材31の押出動作を開始するようピストンロッド43の進退動方向を待機動作から押出動作側に切り換えるときには、方向切換弁51が、第2の動作位置[II]から第1の動作位置[I]に切り換えられる途中で停止しないように、第2制御部62が電磁弁ユニット34への制御信号RJ1、RJ5のON/OFFを略同時に切り換えるようになっている。
【0076】
これにより、検査部20の不良品判定の検査結果に基づく押出部材31の押出動作要求が発生したとき、エアー源50からエアーシリンダ33側への圧縮空気の供給が一時的にブロックされることなく、方向切換弁51が第1の動作位置[I]に切り換えられて、押出加圧側の加圧室44Aに圧縮空気が供給され始めるときには、引込加圧側の圧力室44B内の圧力が高いために押出部材31の押出動作の開始が遅れるとともに押出の初速が制限されることになる。したがって、ワークWの押出動作に適した動作速度や押出動作時の衝撃を抑えることが可能となる。
【0077】
一方、第1および第2の動作モードのいずれが設定されていても、押出部材31の押出動作が完了し、押出部材31の引込動作を開始させるようピストンロッド43の進退動方向を押出動作側から待機動作側に切り換えるときには、方向切換弁51が、第1の動作位置[I]から第2の動作位置[II]に切り換えられる途中で停止しないように、第2制御部62は、電磁弁ユニット34への選別動作信号RJ1をOFFに、引込・待機動作信号RJ5をONに、略同時に切り換えるようになっている。
【0078】
なお、電磁弁ユニット34は、3位置切換式の方向切換弁51を含んで構成され、第3の動作位置[III]が第1の動作位置[I]および第2の動作位置[II]の間に位置する弁体構成となっているが、第3の動作位置[III]が第1の動作位置[I]および第2の動作位置[II]の間に配置されなくてもよいし、方向切換弁51は直動弁体を有するものに限定されるものではなく、例えば回転角度位置を切換え可能な回転式の弁体を有していてもよい。よって、方向切換弁51は、エキゾーストセンタータイプに限定されるものではない。もっとも、方向切換弁51を、クローズドセンタタイプやプレッシャセンタータイプとする場合には、強制排気用の電磁弁とその制御が必要となる。
【0079】
次に、動作について説明する。
【0080】
上述のように構成された本実施形態の物品選別システム1においては、検査部20での各ワークWの物品検査の結果に応じて、電磁弁ユニット34の方向切換弁51が切り換えられ、検査結果が不良となったワークWが選別部30によって排出品受台コンベア15上に排出されて、所定の受台領域内にストックされる。
【0081】
また、選別部30の動作モードとして、対象ワークWの中心Gが押出部材31の押板長さLgに達してから高速排出させたいワーク品種の場合には第1の動作モードが選択設定され、その高速排出させたくないワーク品種の場合には第2の動作モードが選択設定される。
【0082】
そして、通常の選別動作モードである第2の動作モードでは、押出部材31の押出動作開始時点では引込加圧側の圧力室44B内に圧縮空気が入っており、その状態で押出加圧側の圧力室44Aへの給気が開始されることから、排気側の圧力抵抗の大きい状態で排出動作を開始することになる。このときの選別動作に関連する各部の動作タイミングは、図5に示す通りである。
【0083】
図5において、システム電源の投入時点t0に次いで、搬送部10、検査部20および選別部30の運転が開始され、押出部材31の待機位置への復帰時間等を含む待ち時間の後、例えば検査部20からNG判定信号が出力されると、その時点t4を基準として電磁弁ユニット34の方向切換弁51に選別動作信号RJ1が排出動作設定時間Te1[ms]だけ供給される(同図中のt5~t8、t12~t15)。そして、排出動作設定時間Te1が経過すると(同図中のt8、t15)、選別動作信号RJ1がOFFされるのと同時に、方向切換弁51に待機動作信号RJ5が供給され始め、戻り(復帰動作)の設定時間Tre[ms]だけ待機動作信号RJ5が供給される(例えば、同図中のt8~t11、t15~t18)。また、この間、待機位置センサ54によって押出部材31が引込・待機位置にあることが検知され(例えば、同図中のt3~t6、t10~t13)、選別位置センサ55によって押出部材31が押出完了位置に達したことが検知される(例えば、同図中のt7~t9、t14~t16)。
【0084】
また、押出部材31の引込動作開始時点では、押出加圧側の圧力室44A内に圧縮空気が入った状態で引込加圧側の圧力室44Bへの給気が開始されることから、押出側の圧力抵抗の大きい状態で引込動作を開始することになる。
【0085】
一方、高速押出動作となる第1の動作モードでは、選別動作に関連する各部の動作タイミングは、例えば図6に示す通りとなる。
【0086】
この場合、押出部材31が引込・待機位置にある状態で(例えば、図6中のt3~t4、t11~t12)、対象ワークWの先端が選別区域Z2内に入ってから対象ワークWの中心Gが押出部材31の押板長さLgに達するまでの所定時間、方向切換弁51に操作信号である選別動作信号RJ1や待機動作信号RJ5が入力されず(例えば、図6中のt4~t6、t12~t14)、エアーシリンダ33の給排ポート45a、54bが大気開放状態とされる。したがって、押出動作時には、エアーシリンダ33の押出加圧側の圧力室44Aに圧縮空気を給気する際に排気側となる引込加圧側の圧力室44B内の圧力上昇を抑え、押出動作の抵抗を有効に低下させることができ、高速押出動作を実現することができる。
【0087】
なお、同図中の「電磁弁OFF」は、電磁弁ユニット34の方向切換弁51を第3の動作位置に復帰させるよう信号RJを一時的にOFFとすることを示している。
【0088】
本実施形態では、排出対象のワークWの搬送方向長さの中心Gが押出部材31の搬送方向幅Lg(押板長さ)の領域内に入った後に排出動作を開始するとともに、先行するワークWの通過または排出後に今回の排出対象ワークWの先端が選別区域Z2内に入る時点から、その排出対象のワークWの中心Gが押出部材31の搬送方向幅Lgの領域内に入る時点までの間に、前述の大気開放応答時間Ton-offだけ方向切換弁51を中立位置である第3の動作位置[III]に保持して、エアーシリンダ33の両加圧室44A、44Bをそれぞれに大気開放させる。したがって、プッシャ式の選別部30での安定排出動作が可能となる。
【0089】
また、押出部材31の引込動作に際しては、エアーシリンダ33内を大気開放状態にしないので、ロス時間が発生することがなく、所要の応答性を得ることができる。
【0090】
さらに、コンベア12とワークWの間の摩擦係数μcb(図1参照)が、要求される搬送能力に対応して比較的大きくなっているものの、本実施形態では、押出部座31の先端面31aにシリコンゴムまたはウレタンゴム等を取り付ける等してグリップ力を高めることで、その摩擦係数μpshをコンベア12とワークWの間の摩擦係数μcbより大きくしている。したがって、選別排出対象のワークWの中心Gが押出部材31の押板長さLgの範囲から下流側に外れてしまう可能性をより有効に抑えることができる。その結果、排出対象のワークWが通過してしまう前に、押出部材31により排出対象のワークWを確実に安定排出させることができる。
【0091】
このように、本実施形態の物品選別システム1においては、第1の動作モードに選択設定されている場合、電磁弁ユニット34が押出部材31の押出動作を開始するよう方向切換弁51を押出動作側に切り換えるときには、方向切換弁51が第2の動作位置[II]から第1の動作位置[I]に切り換えられる間に所定時間だけ第3の動作位置[III]に保持され、給排ポート45a、45bが大気開放される。
【0092】
したがって、押出部材31の押出動作を開始するよう方向切換弁51によりエアーシリンダ33の進退動方向を切り換えるときには、一時的にエアー源50側からの圧縮空気がブロックされ、切り換え前にエアー源50側からの圧縮空気が導入されていた引込加圧側の圧力室44Bbが所定時間だけ有効に大気開放される。その結果、切換えによって圧縮空気が導入される押出加圧側の圧力室44Aの圧力が高まるときに、引込加圧側の圧力室44B内の残留圧縮空気によって押出動作抵抗が大きくなることがなくなり、迅速な動作方向切換えが可能になる。
【0093】
また、本実施形態では、押出部材31がコンベア11~13上の選別区域Z2の外に後退した状態下で、エアーシリンダ33のピストンロッド43の進退動方向を押出部材31の押出動作方向に切り換えるときに、一対の圧力室44A、44Bの給排ポート45a、45bが所定時間だけ大気開放される。したがって、エアー源50側からの圧縮空気を押出部材31の押出動作に係る特定の片方の給排ポート45aに供給するとき、押出部材31の復帰動作に係る他の片方の圧力室44Bに高圧の圧縮空気が残留していることがなく、他の片方の給排ポート45bから迅速に排気させることで、高速押出動作を実行させることができる。
【0094】
さらに、本実施形態では、電磁弁ユニット34は、高速押出動作に続いて押出部材31を復帰動作させるときには、エアーシリンダ33の一対の給排ポート45a、45bを所定時間大気開放させることなく、エアー源50側からの圧縮空気の供給先を押出部材31の復帰動作に係る他の片方の給排ポート45bに切り換えるとともに、押出部材31の押出動作に係る片方の給排ポート45aから排気させる。したがって、押出動作に続く引込側への復帰動作に際して、動作方向の切換え要求に対する所要の応答性を確保しつつ、押出部材31の低負荷での復帰動作の開始速度を適度に抑えることができる。
【0095】
加えて、本実施形態では、電磁弁ユニット34は、3位置切換式の方向切換弁51を含んで構成されているので、簡素な構成で、押出動作方向に切り換えるときにエアーシリンダ33の一対の圧力室44A、44Bを所定時間だけ有効に大気開放させることができる。
【0096】
また、本実施形態においては、第1の動作モードと第2の動作モードとに切換え可能であるので、押出部材31の押出動作を選択的に高速動作に切り換えることが可能となり、ワークWの押出動作に適した動作速度や押出動作時の衝撃を考慮して、動作モードを選択設定することができる。
【0097】
このように、本実施形態によれば、高速押出動作を実行可能な選別装置および物品選別システムを提供することができる。
【0098】
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態に係る物品選別システム1における高速押出動作となる第1の動作モード時の選別動作に関連する各部の動作タイミングを示している。
【0099】
本実施形態の物品選別システム1は、選別部30より上流側で所定方式の物品検査を実行しその検査結果に応じた選別信号RJを選別部30に送信出力する検査部20を備えており、選別部30の押出部材31を進退動させるエアーシリンダ33へのエアーの給排制御部である電磁弁ユニット34は、選別対象のワークWがコンベア12上の選別区域Z2の上流側所定位置に達することを検知する物品検知手段として搬送物品検知センサ25を有している。
【0100】
また、給排制御部である電磁弁ユニット34は、検査部20から物品検査の結果に応じた選別信号RJを受信したことを条件に、搬送物品検知センサ25による排出対象ワークWの検知時点(図7中のt5、t13)を基準に方向切換弁51を切換え操作し、エアー源50側からの圧縮空気が導入されていた引込加圧側の圧力室44Bを、押出動作の開始直前の所定時間(図7中のt5~t6、t13~t14)だけ、エアー源側からの圧縮空気をブロックしつつ大気開放させる。
【0101】
この場合、検査部20での物品検査の結果に応じた選別信号RJを基に選別対象のワークWが特定され、コンベア12上の選別区域Z2の上流側所定位置にその選別対象のワークWが到達すると、それが搬送物品検知センサ25により検知されることで、その検知時点(図7中のt5、t13)を基準に、その検知時点でエアー源50側からの圧縮空気が導入されていた引込加圧側の圧力室44Bを押出動作の開始直前に大気開放させる所定時間(同図中のt5~t6、t13~t14)を有効にかつ的確に設定可能となる。
【0102】
なお、検査部20からの選別排出指令である検査判定NGが発生し、かつ、排出対象のワークWが搬送物品検知センサ25によって検知されたときのみ、エアーシリンダ33の圧力室44A、44Bを所定時間だけ大気開放状態とすることとし、搬送品検知ごとの方向切換弁51の信号操作については、動作が頻繁になるため実行しない。
【0103】
本実施形態においては、選別対象のワークWがコンベア12上の選別区域Z2の上流側所定位置に達すると、それが物品検知手段である搬送物品検知センサ25によって検知され、その検知時点を基準に、その検知時点でエアー源側からの圧縮空気が導入されていた引込加圧側の圧力室44Bを、押出動作時間Texの開始時点(同図中のt6、t14)の直前の所定時間(同図中のt5~t6、t13~t14)だけ大気開放させる時間を確保可能となる。
【0104】
よって、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、高速押出動作を実行可能な選別装置および物品選別システムを提供することができる。
【0105】
(第3実施形態)
図8ないし図12は、本発明の第3実施形態に係る物品選別システム2を示している。
なお、以下に説明する各実施形態において、先行して説明する実施形態と同様か類似する構成については、第1実施形態または先行する実施形態における対応する構成要素の符号を用いて特に相違する点について説明する。
【0106】
本実施形態の物品選別システム2は、第1、第2実施形態と略同様な搬送部10および検査部20を具備しているものの、選別装置については、第1、第2実施形態のようなプッシャ式の選別部30とは異なる方式、例えばフリッパ式の選別部80を具備している。
【0107】
図9(a)および図9(b)に示すように、この選別部80は、選別対象のワークWの搬送経路を複数のうちいずれかの経路に振り分ける選別アーム81(振分部材)と、この選別アーム81を一方および他方の振分動作方向(同図中のR1、R2方向)に揺動させる振分機構82とを有している。ここで、選別アーム81は、コンベア21の搬送方向下流側に位置する基端81b(一端)側を軸に、搬送方向上流側に位置する先端81a(他端)を中段のコンベア12の横幅Lcの方向に揺動させることができる。そして、選別アーム81は、検査部20の検査によって選別排出が要求されるワークWが発生したとき、図9(b)に示すように、その先端81a側をコンベア12の内方側かつ搬送方向下流側に向かうR1方向に揺動して、先端81aから基端81b側までの主要部分が中段のコンベア12を斜めに横切る振分選別姿勢[A2]をとるようになっており、この振分選別姿勢時に、中段のコンベア12と協働して排出対象のワークWを搬送方向に移動させつつ選別区域Z2内からコンベア12の外側方(図9(b)中で上方側)に選別排出する第1の振分機能を発揮することができる。
【0108】
また、選別アーム81は、検査部20の検査によって選別排出が必要ない正常なワークWが発生したとき、図9(a)に示すように、先端81a側から基端81bまでの主要部分が中段のコンベア12の物品搬送方向であるX方向と平行な通過許容姿勢[A1]をとるようになっており、この通過許容姿勢時に、正常なワークWを中段のコンベア12上の選別区域Z2内からコンベア12による物品搬送方向の下流側(図9(a)中で右側)に搬出されるのを許容する第2の振分機能を発揮することができる。
【0109】
振分機構82は、回動支持軸83、軸受84a、84b、回動レバー85およびリンク86を含んで構成されており、エアーシリンダ33のロッド43の伸張動作および収縮動作(直線運動)を、図9(b)に示すような選別アーム81のR1方向への揺動(回転運動)、および、図9(a)に示すような選別アーム81のR2方向への揺動に変換する機能を有している。
【0110】
具体的には、選別アーム81は、その基端81b側で回動支持軸83に一体に支持されており、この回動支持軸83を介して筐体90に対し揺動可能に支持されている。そして、選別アーム81は、回動支持軸83が回動するときには、その先端81a側を中段のコンベア12上の搬送路面12aに沿って所定角度範囲内で揺動(角度変位)させ、選別区域Z2内での振分選別姿勢[A2]と選別区域Z2外での通過許容姿勢[A1]とをとり得るようになっている。なお、選別排出対象のワークWは、中段のコンベア12によって搬送されながら振分選別姿勢[A2]の選別アーム81に係合することで、振分選別姿勢の選別アーム81に案内されるか揺動中の選別アーム81に弾かれて、選別区域Z2内から中段のコンベア12の外側方に排出されるようになっている。
【0111】
図10に示すように、回動支持軸83は、選別部80の筐体90の一部である側板部91に対し、軸方向上下に離間する2箇所の取付板92a、92bおよび軸受84a、84bを介して鉛直姿勢で回転自在に支持されており、選別アーム81を搬送路12aの上面に対し平行な姿勢に支持している。また、この回動支持軸83には、半径方向に延びる回動レバー85がその基端側ボス部分で回り止め結合されており、この回動レバー85の先端部分およびピストンロッド43の先端部43aにそれぞれピン結合するリンク86を介して、エアーシリンダ33のピストンロッド43が選別アーム81の回動支持軸83に対し揺動操作力を伝達可能にリンケージ接続されている。なお、このようにリンケージ接続された場合のエアーシリンダ33の空気圧制御回路は、図2に示す押板付きのエアーシリンダの場合の空気圧制御回路(エア源50から給排ポート45a、45bに空気圧を供給し制御するための回路構成)と同じである。
【0112】
また、エアーシリンダ33は、筐体90の一部である取付フレーム93に略水平に取り付けられており、第1、第2実施形態と同様に、給排制御部である電磁弁ユニット34によって一対の給排ポート45a、45bへのエアーの給排方向および給排流量を制御されるようになっている。すなわち、電磁弁ユニット34は、制御信号である振分選別信号RJ1または復帰指令信号RJ5の入力に応じて、対応する片方の給排ポート45aまたは45bを通し圧力室44Aまたは44Bにエアー源50側からの圧縮空気を供給する一方、他の片方の給排ポート45bまたは45aを通し圧力室44Bまたは44Aから排気させることができる。
【0113】
そして、エアーシリンダ33は、一対の給排ポート45a、45bのうち任意の片方、例えば給排ポート45aに圧縮空気が供給され、他の片方である給排ポート45bから排気がなされるとき、選別アーム81をコンベア12上の選別区域Z2内に進入させて搬送中のワークWをコンベア12の外側方に振分選別するようピストンロッド43を進退動方向の一方側(図9(b)中で右側)に移動させる。反対に、エアーシリンダ33は、給排ポート45bに圧縮空気が供給され、給排ポート45aから排気がなされるとき、選別アーム81をコンベア12上の選別区域Z2外に待避させるようピストンロッド43をその進退動方向の他方側(図9(a)中で左側)に移動させるようになっている。
【0114】
電磁弁ユニット34は、選別アーム81の先端81a側が物品搬送経路の所定区間である選別区域Z2の所定位置に位置し、かつ、ロッド43の進退動方向を特定の一方側に切り換えるときに、エアーシリンダ33の一対の圧力室44A、44Bを所定時間だけ大気開放させてから、エアー源50側からの圧縮空気を選別アーム81の振分動作に係る特定の片方の給排ポート45bまたは45aに供給することで、高速振分動作または高速復帰を実行させるようになっている。
【0115】
より具体的には、本実施形態の物品選別システム2において、第1制御部61は、第1実施形態と略同様に、検査部20におけるX線検査を制御する一方、図11に示す動作開始可能時点t2以降のX線画像による物品検知情報や検査部20の検査結果(OK/NG)に応じて、その判定時点から所定時間内に、選別信号RJおよび検査判定信号を生成して第2制御部62に出力することができる。
【0116】
また、第2制御部62は、第1制御部61からの選別信号RJおよびNG判定信号を受けたときには、その信号入力時点、例えば図11中のOK判定信号の立上り時点t3からワークWが選別区域Z2内の所定位置に達する同図中の振分動作開始可能時点t4までの時間を、選別遅延時間tdとして設定するようになっている。
【0117】
さらに、第2制御部62は、第1制御部61からの信号待ち期間中に、図11にタイミングチャートで示すように選別アーム81を振分選別姿勢[A2]で通常待機させる第1の運転モードと、図12にタイミングチャートで示すように選別アーム81を通過許容姿勢[A1]で通常待機させる第2の運転モードとに、切替え可能となっている。
【0118】
(第1の運転モード)
図11に示す第1の運転モードでは、まず、装置電源投入時点t0の後、運転開始時点t1で、電磁弁ユニット34の方向切換弁51において、電磁操作部SOL1を励磁する振分選別信号RJ1がONとなる一方、電磁操作部SOL2を励磁する復帰指令信号RJ5がOFFとなるように、第2制御部62からの信号出力がなされる。
【0119】
そして、通常の選別動作時間Tsが経過する時点t2で、選別位置センサ55がONになると、振分選別信号RJ1がOFFとなることで、一方および他方の電磁操作部SOL1、SOL2が共に非励磁状態となり、方向切換弁51が中立位置である第3の動作位置[III]にセンタリングされる。したがって、エアーシリンダ33の給排ポート45a、45bが共に大気開放されることになる。
【0120】
この状態にて、検査信号発生時点t3で検査部20からの検査判定信号がOK信号として発生すると、所定の選別遅延時間tdを経た時点t4から、OK信号に対応するOK選別出力が所定の選別指令時間T4dだけ継続して出力されるとともに、復帰指令信号RJ5がONとなる。
【0121】
このとき、エアーシリンダ33の両圧力室44A、44B内は既に大気開放状態になっているので、電磁操作部SOL2が励磁されて方向切換弁51が第2の動作位置[II]に切り換えられたときには、排気側である加圧室44A側の排気抵抗が抑えられ、選別アーム81を短い高速復帰動作時間Th内で通過許容姿勢に高速復帰させることができる。
【0122】
さらに、この高速復帰動作時間Thが経過する時点t5で、エアーシリンダ33のピストンロッド43が復帰位置に達して復帰位置センサ54がONとなる。
【0123】
そして、高速復帰動作時間Thが経過する時点t5から所定のワーク通過時間Twの経過を考慮して定められる前述の選別時間T4dが経過すると、その時点t6で、OK選別出力がOFFとなり、選別アーム81を振分選別姿勢で待機させるべく振分選別指令信号RJ1がONとなる。
【0124】
次いで、選別位置センサ55がONになると、振分選別信号RJ1がOFFとなって、両給排ポート45a、45bが共に大気開放状態となる。
【0125】
この状態で所定のワーク通過時間が経過する時点t8では検査部20からの次の検査判定信号が発生せず、それより遅れた時点t9で、次の検査判定信号がOK信号として発生すると、所定の選別遅延時間tdをおいた時点t10から、OK選別出力が所定の選別指令時間T4dだけ継続して出力されるとともに、復帰指令信号RJ5がONとなる。
【0126】
このとき、エアーシリンダ33の両圧力室44A、44B内は既に大気開放状態になっているので、電磁操作部SOL2が励磁されて方向切換弁51が第2の動作位置[II]に切り換えられた復帰動作時には、加圧室44A側の排気抵抗が抑えられ、選別アーム81を短い高速復帰動作時間Th内で通過許容姿勢に高速復帰させることができる。
【0127】
また、この高速復帰動作時間Thが経過する時点t11で、エアーシリンダ33のピストンロッド43が復帰位置に達して復帰位置センサ54によって検知される。
【0128】
そして、OK選別出力を継続させた所定の選別指令時間T4dが経過すると、その時点t12で、OK選別出力がOFFとなり、振分選別信号RJ1がONとなり、復帰位置センサ54がOFFとなる。
【0129】
次いで、選別位置センサ55がONになる時点t13で、振分選別信号RJ1がOFFとなり、両給排ポート45a、45bが共に大気開放状態となるとともに、この状態で選別アーム81が待機状態となる。
【0130】
次いで、検査部20からの検査判定信号がNG信号として発生すると、その時点t14から所定の選別遅延時間tdをおいた時点t15で、NG信号に対応してOK選別出力のOFF状態が継続されるとともに、振分選別信号RJ1がONとなり、選別アーム81を振分選別姿勢に付勢する状態が通常の選別動作時間Tsだけ保持される。
【0131】
この選別動作時間Tsの経過時点t16で、次の検査判定信号がOK信号として発生すると、所定の選別遅延時間tdを経た時点t17から、OK選別出力が所定の選別指令時間T4dだけ出力されるとともに、電磁操作部SOL2を励磁する復帰指令信号RJ5がONとなる。
【0132】
そして、電磁操作部SOL2のON時点t17から短時間の高速復帰時間Thが経過すると、その経過時点t18で、復帰位置センサ54がONとなる。ここで、時点t17からのOK選別出力に対して所定の選別指令時間T4dが経過する前に、次の検査部20からの検査判定信号がOK信号として、例えば検査信号発生時点t18で発生すると、この発生時点t18から所定の選別遅延時間tdと所定の選別指令時間T4dを加算した時間が経過するまで、OK選別出力が延長されるとともに、復帰指令信号RJ5のONが延長となる。
【0133】
次いで、OK選別出力が時点t17からのOK選別出力に対応する所定の選別指令時間T4dだけ継続する間に、電磁操作部SOL2のON時点(ここではt19)から短時間の高速復帰時間Thが経過し、その経過時点t20から所定のワーク通過時間Twが経過する時点t21で、OK選別出力が停止され、復帰指令信号RJ5がOFFとなる一方で、選別アーム81を振分選別姿勢で待機させるべく電磁操作部SOL1を励磁する振分選別信号RJ1がONとなる。
【0134】
その直後の時点t22で検査部20からの検査判定信号がNG信号として発生すると、その時点t22から所定の選別遅延時間tdをおいた時点t23から、NG信号に応じてOK選別出力および復帰指令信号RJ5のOFF状態が継続されるとともに、選別アーム81を振分選別姿勢にする振分選別信号RJ1のON状態が通常の選別動作時間Tsだけ保持される。
【0135】
この間に選別位置センサ55がONになり、時点t23から通常の選別動作時間Tsが経過する時点t25で電磁操作部SOL1を励磁する振分選別信号RJ1がOFF状態となって、両給排ポート45a、45bが共に大気開放状態となる。
【0136】
このとき、次の検査判定信号がNG信号として発生すると、所定の選別遅延時間tdをおいた時点t26で、振分選別信号RJ1が再度ONとなって選別アーム81が再度振分選別姿勢に付勢される。そして、その状態で通常の選別動作時間Tsが経過すると、その時点t27で電磁操作部SOL1を励磁する振分選別信号RJ1がOFFとなって、両給排ポート45a、45bが共に大気開放状態となる。
【0137】
(第2の運転モード)
図12に示す第2の運転モードでは、まず、装置電源投入時点t0の後、運転開始時点t1で、電磁弁ユニット34の方向切換弁51において、方向切換弁51の電磁操作部SOL2を励磁する復帰指令信号RJ5がONとなる一方、電磁操作部SOL1を励磁する振分選別信号RJ1がOFFとなるように、第2制御部62からの信号出力がなされる。
【0138】
このとき、エアーシリンダ33の両圧力室44A、44B内は共に大気開放状態になっているので、電磁操作部SOL2が励磁されて方向切換弁51が第2の動作位置[II]に切り換えられたときには、排気側となる加圧室44A側の排気抵抗が抑えられることになり、仮に選別アーム81が振分選別姿勢にあったとしても、その選別アーム81を短い高速復帰動作時間Th内で通過許容姿勢に高速復帰させることができる。
【0139】
次いで、その高速復帰動作時間Thが経過する時点t2で、復帰位置センサ54がONとなり、選別アーム81を通過許容姿勢にて待機させる待機状態となる。
【0140】
この状態で、検査信号発生時点t3にて検査部20からの検査判定信号がNG信号として発生すると、所定の選別遅延時間tdを経た時点t4から、NG信号に対応するNG選別出力がONとなり、電磁操作部SOL1を励磁する振分選別信号RJ1がONとなる。
【0141】
そして、振分選別信号RJ1のON状態が通常の選別動作時間Tsを経過すると、選別位置センサ55がONになる時点t5で、振分選別信号RJ1がOFFとなり、エアーシリンダ33の給排ポート45a、45bが共に大気開放状態となる。
【0142】
次いで、NG選別出力の継続時間T4dが経過すると、その時点t6で、NG選別出力がOFFとなる一方で、電磁操作部SOL2を励磁する復帰指令信号RJ5がONとなり、選別位置センサ55がOFFとなる。
【0143】
このとき、エアーシリンダ33の両圧力室44A、44B内は共に大気開放状態になっているので、電磁操作部SOL2が励磁されて方向切換弁51が第2の動作位置[II]に切り換えられたときには、初期の待機姿勢確立時と同様に、排気側となる加圧室44Aの排気抵抗が抑えられることで、振分選別姿勢にあった選別アーム81を短い高速復帰動作時間Th内で通過許容姿勢に高速復帰させることができる。
【0144】
高速復帰動作時間Thが経過すると、その時点t8で復帰位置センサ54がONになる。また、この間の検査信号発生時点t7にて検査部20からの検査判定信号がOK信号として発生すると、所定の選別遅延時間tdを経た時点t8では、復帰指令信号RJ5がさらに高速復帰動作時間ThだけONとなる。よって、この場合の復帰動作時間は、NG選別出力の保持時間T4d以上の時間となる。
【0145】
更なる高速復帰動作時間Thが経過した時点t9から所定のワーク通過時間Twが経過すると、その時点t10で再度待機状態とするべく、電磁操作部SOL2を励磁する復帰指令信号RJ5がさらにON状態に保持される。
【0146】
次いで、検査信号発生時点t11にて検査部20からの検査判定信号がNG信号として発生すると、所定の選別遅延時間tdを経た時点t12で、このNG信号に対応するNG選別出力がONとなって、電磁操作部SOL1を励磁する振分選別信号RJ1がONとなる一方、電磁操作部SOL2を励磁する復帰指令信号RJ5がOFFとなり、復帰位置センサ54がOFFとなる。
【0147】
そして、振分選別信号RJ1のON状態が通常の選別動作時間Tsを経過する時点t13で、選別位置センサ55がONになって、振分選別信号RJ1がOFFとなり、選別アーム81の選別排出姿勢下でのワークWの通過中に、エアーシリンダ33の給排ポート45a、45bが共に大気開放状態となる。
【0148】
ここで、時点t12からのNG選別出力の継続時間T4dが経過する前に、次の検査部20からの検査判定信号がNG信号として、例えば検査信号発生時点13で発生すると、この発生時点13から所定の選別遅延時間tdが経過する時点t14で、再度NG選別出力がONとなって、振分選別信号RJ1がONとなる一方、復帰指令信号RJ5がOFF継続となり、選別アーム81が振分選別姿勢に保持される。また、NG選別出力はその時点14から選別指令時間T4dが経過するまで延長される。
【0149】
さらに、振分選別信号RJ1の再度のON時点t14から通常の選別動作時間Tsが経過すると、その時点t15で振分選別信号RJ1がOFFとなり、所定のワーク通過時間Twが経過する時点t16で、NG信号に対応するNG選別出力がOFFとなって、復帰指令信号RJ5がONとなり、選別位置センサ55がOFFとなる。
【0150】
このとき、エアーシリンダ33の両圧力室44A、44B内は共に大気開放状態になっているので、電磁操作部SOL2が励磁されて方向切換弁51が第2の動作位置[II]に切り換えられたときに、排気側となる加圧室44A側の排気抵抗が抑えられることで、振分選別姿勢にあった選別アーム81を短い高速復帰動作時間Th内で通過許容姿勢に高速復帰させることができる。そして、高速復帰動作時間Thが経過する時点t17で、復帰位置センサ55がONとなる。
【0151】
次いで、検査信号発生時点t18で検査部20からの検査判定信号がNG信号として発生すると、所定の選別遅延時間tdを経た時点t19から、NG信号に対応するNG選別出力がONとなって、振分選別信号RJ1がONとなる一方、復帰指令信号RJ5がOFFとなる。
【0152】
そして、振分選別信号RJ1のON状態が通常の選別動作時間Tsを超過する時点t20で、選別位置センサ55がONになって、電磁操作部SOL1を励磁する振分選別信号RJ1がOFFとなり、エアーシリンダ33の給排ポート45a、45bが共に大気開放状態となる。
【0153】
さらに、所定のワーク通過時間Twが経過する時点t21で、NG選別出力がOFFとなって、電磁操作部SOL2を励磁する復帰指令信号RJ5がONとなり、選別位置センサ55がOFFとなる。
【0154】
そして、復帰指令信号RJ5に対応する高速復帰動作時間Thが経過する時点t23で、復帰位置センサ54がONとなる。
【0155】
この間に、検査信号発生時点t22に検査部20からの検査判定信号がOK信号として発生すると、所定の選別遅延時間tdを経た時点t23で復帰位置センサ54がONとなり、復帰指令信号RJ5が更に高速復帰動作時間ThだけON状態で維持され、選別アーム81が通過許容姿勢での待機状態を維持することになる。
【0156】
(作用)
以上のように構成された本実施形態の物品検査システム2においては、エアーシリンダ33のロッド43の進退動に応じて揺動する振分部材として選別アーム81を有し、その選別アーム81の振分動作のためにロッド43の進退動方向を特定の一方側、例えば収縮側に切り換えるときに、それに先立って一時的にエアー源50側からの圧縮空気を方向切換弁51でブロックしつつ、切り換え前にエアー源50側からの圧縮空気が導入されていた片方の圧力室44Aを他の片方の圧力室44Bと共に所定時間だけ大気開放させる。したがって、例えば収縮側への切換えによって圧縮空気が導入される圧力室44Bの圧力が高まるときに、伸張加圧側の圧力室44A内の残留圧縮空気によって復帰時の排気抵抗や排気時間が大きくなるといったことがなく、迅速な動作方向切換えが可能になる。また、エアーシリンダ33の片側の圧力室44Aまたは44Bのみを大気開放させるのでなく、両圧力室44A、44Bを大気開放させるので、方向切替え時におけるロッド43の不要な変位を抑えることができる。よって、選別部80が高速復帰動作を実行可能なものとなる。
【0157】
なお、ここでは、選別アーム81の振分動作のためのロッド43の進退動方向のうち特定の一方側を、エアーシリンダ33の収縮側としたが、例えば図9(a)に示すエアーシリンダ33および振分機構82の配置を、同図中の選別アーム81に対してコンベア12の搬送路面12aの幅員方向である図中上下方向で逆の配置(上下反転配置)とすれば、特定の一方側は、エアーシリンダ33の伸張側となる。よって、特定の一方側とは、エアーシリンダ33の収縮側または伸張側のいずれか一方に任意設定可能である。
【0158】
また、ワークWの搬送状態下でも大気開放中に振分アーム81の姿勢を保持可能な選別機構構成とすることで、選別アーム81を振分選別姿勢から通過出許容姿勢に復帰させる場合だけでなく、選別アーム81を通過許容姿勢から振分選別姿勢に振分動作させる場合でも、その切替えに先立つ大気開放によって排気側の抵抗を抑え、高速振分動作を実行可能なものとすることができる。
【0159】
すなわち、本実施形態では、選別アーム81の他端側が、コンベア12の幅員方向における内外一方側に待機した状態から内外他方側へといずれかの振分動作方向に揺動(振分動作)するとき、エアーシリンダ33の一対の圧力室44A、44Bが共に所定時間だけ大気開放されるので、エアー源50側からの圧縮空気を選別アーム81のいずれか一方側の振分動作に係る特定の片方の給排ポート45aまたは45bに供給するとき、選別アーム81の復帰動作に係る他の片方の圧力室44Bまたは44Aに高圧の圧縮空気が残留していることがなく、他の片方の給排ポート45bまたは45aから迅速に排気させることで、高速振分動作を実行させることができる。
【0160】
また、本実施形態の物品選別システム2では、上記構成を有する選別部80と、選別部80よりコンベア12の上流側に配置され、所定方式の物品検査を実行してその検査結果に応じた選別信号RJを選別部80に送信出力する検査部20とを備えている。したがって、検査部20での物品検査結果に応じた選別信号、例えば対象ワークWの選別排出を指令する選別信号が選別部80に送られ、この信号を受けた選別部80が選別アーム81の振分動作を開始するようロッド43の進退動方向を特定の一方側に切り換えるときには、選別信号に対応する排出対象ワークWが選別区域Z2に到達するまでの間に、一時的にエアー源50側からの圧縮空気をブロックしつつその切り換え前にエアー源50側からの圧縮空気が導入されていた圧力室44Aまたは44Bが所定時間だけ大気開放可能である。したがって、特定の一方側への切換えによって圧縮空気が導入される圧力室44Bまたは44Aの圧力が高まるときには、他の一方側の圧力室44Aまたは44B内の残留圧縮空気によって振分動作抵抗が大きくなるといったことがなくなり、迅速な動作方向切換えが可能になる。よって、高速振分動作を実行可能な物品選別システムとなる。
【0161】
さらに、本実施形態の物品選別システム2では、給排制御部である電磁弁ユニット34が、選別対象ワークWがコンベア12の上流側所定位置に達することを検知する物品検知センサ25を有しており、検査部20からの選別信号RJ(RJ1またはRJ5)を受信したことを条件に、物品検知センサ25によるワークWの検知時点でエアー源50側からの圧縮空気が導入されていた圧力室44Aまたは44Bを、振分動作の開始直前の所定時間だけ、エアー源50側からの圧縮空気をブロックしつつ大気開放させることができる。したがって、物品検査結果に応じた選別信号RJを基に選別対象ワークWが特定され、物品搬送経路の所定区間であるコンベア12の上流側所定位置にその選別対象ワークWが到達すると、それが物品検知センサ25により検知されることで、その検知時点を基準に、振分動作の開始直前にエアーシリンダ33の圧力室44A、44Bを大気開放させる所定時間を、有効にかつ的確に設定可能となる。
【0162】
このように、本実施形態においては、選別アーム81の振分動作を高速に実行可能な選別装置および物品選別システムを提供することができる。
【0163】
(第4実施形態)
図13は、本発明の第3実施形態に係る物品選別システム2におけるフリッパ式の選別部80の構成に対して、選別アーム81および振分機構82等の配置を相違させた第4実施形態の構成を示している。
【0164】
図13(a)および図13(b)に示すように、本実施形態における物品選別システム2の選別部80は、選別対象のワークWの搬送経路を複数のうちいずれかの経路に振り分ける振分部材として選別アーム81を有しており、この選別アーム81は、同図中の下方側でかつ搬送方向上流側に位置する基端81b側を軸に、搬送方向下流側に位置する先端81aを中段のコンベア12の横幅Lcの方向に揺動させることができる。そして、この選別アーム81は、検査部20の検査によって選別排出が要求されるワークWが発生したとき、図13(b)に示すように、先端81a側をコンベア12の内方側かつ上流側に向かうR1方向に揺動する振分動作を行って、先端81aから基端81b側までの主要部分が中段のコンベア12を斜めに横切る振分選別姿勢[A2]をとるようになっている。そして、この振分選別姿勢時に、中段のコンベア12と協働して排出対象のワークWを搬送方向に移動させつつ選別区域Z2内からコンベア12の外側方(図13(b)中で上方側)に選別排出する振分選別機能を発揮することができる。
【0165】
また、選別アーム81は、検査部20の検査によって選別排出が必要ない正常なワークWが発生したとき、図13(a)に示すように、先端81a側から基端81bまでの主要部分が中段のコンベア12の物品搬送方向であるX方向と平行な通過許容姿勢[A1]をとるようになっており、この通過許容姿勢時に、正常なワークWが中段のコンベア12上の選別区域Z2内からコンベア12による物品搬送方向の下流側(図13(a)中で右側)に通過するのを許容する通過許容機能を発揮することができる。
【0166】
本実施形態においても、選別アーム81の振分動作のためにロッド43の進退動方向を特定の一方側に切り換えるときに、それに先立ってエアー源50側からの圧縮空気が導入されていた片方の圧力室44Aまたは44Bが、他の片方の圧力室44Bまたは44Aと共に所定時間だけ大気開放されることで、排気側の圧力室44Aまたは44B内の残留圧縮空気によって排気抵抗が大きくなることがなく、迅速な動作方向切換えが可能になり、第3実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0167】
なお、上述の第1実施形態においては、検査部20はX線検査を行うものとしたが、その物品検査方式が特に限定されるものでないことはいうまでもない。また、前述の各実施形態では、第1、第2の動作モードの切換えが手動操作でなされるものとして説明したが、モード切換えが自動的になされる自動モード切換え方式としてもよいことはいうまでもない。例えば、第2実施形態において、搬送物品検知センサ25でワーク間隔を監視することで、通常は第2の動作モードで選別排出を実行しつつ、監視情報を含むワークの搬送条件や排出条件を基に第2の動作モードでの選別排出が可能かどうかをワーク毎に判定し、第2の動作モードでの選別排出が可能でないときには第1の動作モードに自動的に切り換えるといったモード切換えが可能である。
【0168】
以上説明したように、本発明は、高速振分動作を実行可能な選別装置および物品選別システムを提供することができるものであり、プッシャ式やフリッパ式等の選別装置およびその装置と物品検査装置を併有する物品選別システム全般に有用なものである。
【符号の説明】
【0169】
1、2 物品選別システム
10 搬送部
11 コンベア(検査コンベア、前段のコンベア、物品搬送経路)
12 コンベア(選別コンベア、中段のコンベア、物品搬送経路)
12a 搬送路面
13 コンベア(後段のコンベア、物品搬送経路)
15 排出品受台コンベア
20 検査部(検査装置)
25 搬送物品検知センサ(物品検知手段)
30 選別部(選別装置)
31 押出部材(ハイグリップ押出部材、押板)
31a 先端面
32 駆動機構
33 エアーシリンダ(エアー駆動アクチュエータ)
34 電磁弁ユニット(給排制御部)
41 シリンダ
42 ピストン
43 ピストンロッド(ロッド)
43a 先端部
44A 圧力室(特定の片方の圧力室、押出加圧側の圧力室)
44B 圧力室(他の片方の圧力室、引込加圧側の圧力室)
45a 給排ポート(押出動作に係る特定の片向の給排ポート、第1の給排ポート)
45b 給排ポート(復帰動作に係る他の片向の給排ポート、第2の給排ポート)
50 エアー源
51 方向切換弁(3位置切換式の切換弁)
51a、51b 制御圧ポート
51k センタリングスプリング
51p 供給圧ポート
51q、51r リターンポート
51v 弁体
52、53 速度制御弁
52a、53a チェック弁
52b、53b 可変絞り要素
54 待機位置センサ(復帰位置センサ)
55 選別位置センサ
56、57 サイレンサ(消音器)
61 第1制御部(検査制御部)
62 第2制御部(選別制御部)
63 表示操作部
80 選別部(選別装置)
81 選別アーム(振分部材)
81a 先端(他端)
81b 基端(一端)
82 振分機構
83 回動支持軸
84a、84b 軸受
85 回動レバー
86 リンク
90 筐体
91 側板部
92a、92b 取付板
93 取付フレーム
L ワークの搬送方向長さ
Lc 横幅(物品搬送経路の幅員方向、物品搬送経路を横切る方向)
Lg 押出部材の搬送方向長さ(押板長さ)
P1 押出開始位置
P2 押出終了位置
RJ1 選別動作信号(制御信号、排出指令信号、振分選別信号)
RJ5 待機動作信号(制御信号、引込・待機動作指令信号、復帰指令信号)
SOL1、SOL2 電磁操作部
T4d 選別出力の継続時間(NG選別出力指令時間、OK選別出力指令時間)
Ta 押出動作時間(最短伸張動作時間)
Te1 押出動作時間(排出動作時間、排出動作設定時間)
Te2 押出動作時間(高速排出動作時間)
Tex 押出動作時間(高速排出動作時間)
Th 高速復帰動作時間
Ton-off 大気開放応答時間
Tre 戻り時間(復帰動作時間)
Ts 選別動作時間
Tw ワーク通過時間
W ワーク(物品)
Z1 検査区域
Z2 選別区域(物品搬送経路の所定区間)
μcb ワークに対するコンベアの摩擦係数
μpsh ワークに対する押出部材の摩擦係数
[A1] 通過許容姿勢
[A2] 振分選別姿勢
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13