(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】アロマディフューザー
(51)【国際特許分類】
A45D 34/02 20060101AFI20240215BHJP
A61L 9/12 20060101ALN20240215BHJP
【FI】
A45D34/02 510D
A61L9/12
(21)【出願番号】P 2021196000
(22)【出願日】2021-12-02
【審査請求日】2023-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000115773
【氏名又は名称】リズム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池内 端
(72)【発明者】
【氏名】都濃 恵
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-233018(JP,A)
【文献】特開2004-225780(JP,A)
【文献】特開2007-083016(JP,A)
【文献】特開平09-042271(JP,A)
【文献】特開平10-085313(JP,A)
【文献】実開昭58-008387(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0091487(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D34/00-34/06
A61L 9/00- 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
香料収容部、前記香料収容部に対して送風可能に設けられるファン、前記ファンの起動・停止を行うセンサスイッチとを備える
円筒状の本体部と、
前記本体部に、ヒンジ部を介して前記香料収容部に対して開閉自在に設けられ、
前記本体部の直径と同径の円盤状とされて開閉角度を調整可能に形成される蓋部と、
を有し、
前記香料収容部を内側に形成する香料収容部材は、ツマミ板部を備えて前記本体部の上面板部に着脱自在とされ、
前記センサスイッチは、前記香料収容部よりも前記蓋部の開放側である前記ヒンジ部との対向位置における前記本体部内に設けられ、
前記蓋部には、内側面に環状リブが設けられ、
前記本体部は、前記蓋部が閉じたときに前記環状リブよりも径外側の前記蓋部の内側面に当接する環状壁部が設けられており、前記ヒンジ部と対抗する前端上部である前記環状壁部に凹湾曲状の凹部を有し、
前記環状リブは、前記凹部に対応して前記ヒンジ部と対抗する前端部分に凹湾曲部を有し、
前記センサスイッチは、前記蓋部が閉じたときには前記ファンを停止し、前記蓋部が開いたときには前記ファンを起動する、
ことを特徴とするアロマディフューザー。
【請求項2】
前記本体部は、発光部を有し、
前記センサスイッチは、前記蓋部が閉じたときには前記発光部を消灯し、前記蓋部が開いたときには前記発光部を発光させる、
ことを特徴とする請求項
1に記載のアロマディフューザー。
【請求項3】
前記ヒンジ部は、スプリングピンを含むことを特徴とする請求項1
又は請求項2に記載のアロマディフューザー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アロマディフューザーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、蓋部を備え、蓋部の開閉に応じて香料を発するファンの入切をすることができるアロマディフューザーが開示されている。例えば、特許文献1に開示されるアロマディフューザーは、ハンドルの引き上げ、引き下げにより蓋部を開閉すると共に、ファンを入切することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、アロマディフューザーは、仕事中や勉強中に好みの香料を使用することで集中力を向上させたり、気持ちを落ち着かせる等の目的で個人的に使用することがある。すると、上記従来のアロマディフューザーでは、ハンドルにより蓋部を開閉しつつファンの入切を行うものであることから、装置が大型化してしまうことがある。そして、蓋部が大きく開放されることで香料が部屋全体に発せられるものであるので、複数人が居るオフィス等の室内では、使用者の好みの香料であっても、他者からすると不快に感じてしまうことがあった。
【0005】
本発明は、個人使用に適したアロマディフューザーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のアロマディフューザーは、香料収容部、前記香料収容部に対して送風可能に設けられるファン、前記ファンの起動・停止を行うセンサスイッチとを備える円筒状の本体部と、前記本体部に、ヒンジ部を介して前記香料収容部に対して開閉自在に設けられ、前記本体部の直径と同径の円盤状とされて開閉角度を調整可能に形成される蓋部と、を有し、前記香料収容部を内側に形成する香料収容部材は、ツマミ板部を備えて前記本体部の上面板部に着脱自在とされ、前記センサスイッチは、前記香料収容部よりも前記蓋部の開放側である前記ヒンジ部との対向位置における前記本体部内に設けられ、前記蓋部には、内側面に環状リブが設けられ、前記本体部は、前記蓋部が閉じたときに前記環状リブよりも径外側の前記蓋部の内側面に当接する環状壁部が設けられており、前記ヒンジ部と対抗する前端上部である前記環状壁部に凹湾曲状の凹部を有し、前記環状リブは、前記凹部に対応して前記ヒンジ部と対抗する前端部分に凹湾曲部を有し、前記センサスイッチは、前記蓋部が閉じたときには前記ファンを停止し、前記蓋部が開いたときには前記ファンを起動する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、個人使用に適したアロマディフューザーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係るアロマディフューザーの蓋部が開いている状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るアロマディフューザーの蓋部が閉じている状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るアロマディフューザーの
図2のIII-III断面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るアロマディフューザーの
図2のIV-IV断面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るアロマディフューザーの蓋部が半分程度開いた状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1、
図2に示すように、アロマディフューザー10は、略円柱状に形成されている。アロマディフューザー10は、略円柱状の本体部20と、略円盤状の蓋部30とを有する。蓋部30は、ヒンジ部40を介して本体部20と接続されている。なお、以下の説明においては、蓋部30側を上、本体部20側を下とし、ヒンジ部40側を後、ヒンジ部40と反対側を前として説明する。また、前側から見て左側を左、右側を右として説明する。
【0010】
本体部20は、略円柱状に形成されて、下面に脚部21が設けられている。脚部21は、本体部20の下面から突出するようにして、一部図示されていないが、4箇所設けられている。本体部20の上面部22には、上面板部22aが設けられている。上面部22の略中央には、香料収容部材23が着脱自在に設けられている。蓋部30は、ヒンジ部40を介して香料収容部材23に対して開閉自在に設けられている。
【0011】
香料収容部材23は、外形が略円盤状の略有底円筒状に形成されて、上部には内径側に張り出すようにツマミ板部23bが設けられている。使用者は、ツマミ板部23bを摘まんで、香料収容部材23を本体部20に着脱することができる。香料収容部材23は、内側の空間が香料収容部23aとされて、香料を染み込ませたスポンジ等を収容することができる。
【0012】
香料収容部材23の後側には、開口部23cが形成されている。一方、本体部20の内部には、ファン50が設けられている。ファン50は、図示しないダクトや開口部23cを介して、香料収容部23aに対して送風可能に設けられている。なお、ファン50や発光部26(後述)の電源は、電池やUSBから給電することができる。
【0013】
図3に示すように、香料収容部材23の後方における、本体部20の縁部には、ヒンジ部40が設けられている。ヒンジ部40は、本体部20の上面部22の後方に形成される凹部22bの左右の側面22b1に形成される孔部(不図示)に挿入されるスプリングピン41を有する。一方、凹部22bには、蓋部30の後側に設けられる軸固定部31が配置される。軸固定部31は、蓋部30の内側面から突出する3枚のリブ31aと、リブ31aに支持される軸孔部31bとを有する(
図1も参照)。軸孔部31bには、貫通孔とされる軸孔31b1が設けられている。スプリングピン41は、軸孔部31bの軸孔31b1及び凹部22bの側面22b1に形成される孔部を押し広げる方向に弾発するようにして挿通されて、本体部20に対して左右方向に配置される。
【0014】
また、香料収容部材23の前方側(換言すれば、蓋部30の開放側)における本体部20の内部には、発光部26が設けられている。本実施形態では、発光部26は、半導体発光素子である発光ダイオード(LED)である。上面部22は、透光性を有して形成され、又は、発光部26に対応する上面部22の部分が透明に形成される等して、発光部26の発光を外部から視認可能に形成される。なお、上面部22のみならず、本体部20全体が透光性を有するよう形成してもよい。また、発光部26に対応する上面部22の部分を透明にして、周囲を不透明で光を透過させない構成とすることで、間接照明の効果を得ることができる。
【0015】
また、香料収容部材23の前方側(換言すれば、蓋部30の開放側)であって、発光部26よりも前方側における本体部20の内部には、センサスイッチ27が設けられている。本実施形態においては、センサスイッチ27は、マグネットスイッチにより構成されている。センサスイッチ27は、蓋部30の前端部に設けられるマグネット37により、ファン50を入切する。具体的には、マグネット37が近いとき(すなわち、蓋部30を閉じたとき)には、センサスイッチ27はファン50を停止させる。マグネット37が遠いとき(すなわち、蓋部30を開いたとき)には、センサスイッチ27はファン50を起動させる。
【0016】
また、センサスイッチ27は、同様に、発光部26の発光も入切することができる。具体的には、マグネット37が近いとき(すなわち、蓋部30を閉じたとき)には、センサスイッチ27は発光部26を消灯させる。マグネット37が遠いとき(すなわち、蓋部30を開いたとき)には、センサスイッチ27は発光部26を点灯させる。
【0017】
また、本体部20の上端縁には、上面部22から上方に突出するように略円環状の環状壁部20bが形成されている。一方、蓋部30の内側面の外周縁近傍には、略円環状の環状リブ33が形成されている。
図4に示すように、蓋部30が閉じたとき、環状壁部20bは、環状リブ33の径外側の蓋部30の内側面と当接する。これにより、蓋部30を閉じたとき、香料収容部23aが環状リブ33の内側に位置されて、環状リブ33により香料を含む空気が外部に漏れだすことが規制されつつ、環状壁部20bの蓋部30への当接により、蓋部30の内側と上面部22との間の空間を略密閉することができる。
【0018】
なお、本体部20(環状壁部20b)は、前端上部に凹湾曲状の凹部25が形成されている。蓋部30の環状リブ33は、凹部25に対応する部位が凹湾曲部33aとされている。凹部25と凹湾曲部33aにより、蓋部30を閉じた状態から開く際に、凹湾曲部33aの前端側の蓋部30の部分を指で引っ掛けて蓋部30を持ち上げることができる。
【0019】
このように形成されるアロマディフューザー10では、ヒンジ部40にスプリングピン41を用いているため、
図5に示すように、蓋部30の開閉角度を調整して、任意の位置とすることができる。スプリングピン41は、スプリングピン41が挿通される孔を開く方向に付勢して設けられているので、蓋部30の開閉動作に適度な抵抗を付与することができる。蓋部30の開閉角度を大きくすれば、香料を拡散し易くすることができ、蓋部30の開閉角度を小さくすれば、自分だけに向けて香料を含む空気が当たるように調整することができる。
【0020】
従って、開閉角度を調整可能な蓋部30により、使用者が個人的に使用するのに好適なアロマディフューザー10とすることができる。
【0021】
そして、センサスイッチ27が香料収容部23aよりも前方側である蓋部30の開放側に設けられているので、蓋部30の開放角度を狭い角度とすることもできる。
【0022】
そして、蓋部30の開閉によりファン50や発光部26の入切がなされるので、別途スイッチを操作する必要が無く、また、電池の消耗を低減することができる。
【0023】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は本実施形態によって限定されることは無く、種々の変更を加えて実施することができる。例えば、センサスイッチ27は、マグネットスイッチの他、リミットスイッチや近接センサ等の他のセンサスイッチを用いることができる。
【0024】
また、ヒンジ部40は、スプリングピン41を用いた構成に限定されることはなく、蓋部30の開閉に対して抵抗を付与して蓋部30の開閉角度を調整できるものであれば、他の構成を用いることができる。例えば、ラチェットヒンジやトルクヒンジ等を用いることができる。ラチェットヒンジは、ラチェット機構により所定角度ずつ、蓋部30の開閉角度を調整することができる。ラチェットヒンジは、全開位置にすると、ラチェットを解除することができる。また、トルクヒンジは、任意の蓋部30の開閉角度で調整でき、蓋部30の開閉角度が所定の小さい角度位置では閉じられるものである。
【符号の説明】
【0025】
10 アロマディフューザー 20 本体部
20b 環状壁部 21 脚部
22 上面部 22a 上面板部
22b 凹部 22b1 側面
23 香料収容部材 23a 香料収容部
23b ツマミ板部 23c 開口部
25 凹部 26 発光部
27 センサスイッチ 30 蓋部
31 軸固定部 31a リブ
31b 軸孔部 31b1 軸孔
33 環状リブ 33a 凹湾曲部
37 マグネット 40 ヒンジ部
41 スプリングピン 50 ファン