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特許7437413一体的なポンプカバーマウントを備えたカートリッジ型流体ポンプアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】一体的なポンプカバーマウントを備えたカートリッジ型流体ポンプアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F04C 15/00 20060101AFI20240215BHJP
   F04C 2/10 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
F04C15/00 K
F04C2/10 341Z
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021559760
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-27
(86)【国際出願番号】 IB2020053064
(87)【国際公開番号】W WO2020212792
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-10-25
(31)【優先権主張番号】62/834,043
(32)【優先日】2019-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516173429
【氏名又は名称】ジーエイチエスピー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GHSP, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100096758
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100114845
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 雅和
(74)【代理人】
【識別番号】100148781
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 友和
(72)【発明者】
【氏名】ロシンスキー, リャン デイヴィッド
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-030328(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0254329(US,A1)
【文献】西独国実用新案公開第08908757(DE,U)
【文献】特開昭60-230578(JP,A)
【文献】米国特許第02477797(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第2143935(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 15/00
F04C 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ポンプであって、
ステータと、
前記ステータに対して回転動作可能なロータと、
前記ロータから、入口から出口まで流体を送達するポンプアセンブリであって、ポンプ本体内に配置されたポンプ要素を含むポンプアセンブリまで延びる、駆動シャフトと、
前記ステータ、前記ロータ、および前記ポンプアセンブリを収容する内部空洞を含む、ポンプハウジングと、
前記ポンプハウジングの端部に配置されるポンプカバーであって、前記ポンプカバーが、前記内部空洞の端部を画定する、ポンプカバーと、
前記ポンプアセンブリに向かって軸方向に前記ポンプ本体及び前記ポンプカバーを付勢する、ばねアセンブリと、を備え、
前記ポンプ本体及び前記ポンプカバーが、前記ポンプハウジング内に回転方向に対して固定され、
前記ポンプカバー及び前記ポンプアセンブリが、前記ロータの回転軸に平行な方向に、前記ポンプハウジングの外周保持チャネル内で軸方向にスライド可能に動作可能であって、材料の膨張力を吸収する、流体ポンプ。
【請求項2】
前記ポンプハウジングが、回転方向及び回転軸に対して単一の配向で前記ポンプ本体及び前記ポンプカバーを受容する整列機構を含む、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項3】
前記整列機構が、前記ロータの回転軸に平行に設けられた突起からなる、請求項2に記載の流体ポンプ。
【請求項4】
前記ポンプカバー及び前記ポンプ本体の一部が、前記ポンプハウジングの外周保持チャネル内に位置付けられる、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項5】
前記ばねアセンブリが、複数の弾性起伏を有する予圧ばねを含む、請求項4に記載の流体ポンプ。
【請求項6】
前記ばねアセンブリが、前記外周保持チャネル内に保持され、前記ばねアセンブリのばねが前記ポンプカバーと前記ばねアセンブリの保持リングとの間に位置付けられ、
前記保持リングは、前記ばねおよび前記ポンプカバーを前記外周保持チャネル内に固定する、請求項4に記載の流体ポンプ。
【請求項7】
前記保持リング、前記ばねアセンブリ、前記ポンプ本体の一部、および前記ポンプカバーが、留め具を使用することなく、前記外周保持チャネル内に前記ポンプハウジングに固定される、請求項6に記載の流体ポンプ。
【請求項8】
前記ポンプカバーが、前記入口および前記出口のうちの少なくとも一つを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項9】
流体ポンプであって、
内部空洞を有するポンプハウジングと、
前記内部空洞内に位置付けられ、入口から出口まで流体を送達する、ポンプ要素であって、ポンプ本体内に配置されるポンプ要素と、
前記内部空洞の端部を画定するポンプカバーであって、前記ポンプ本体及び前記ポンプカバーが、前記ポンプハウジング内に回転方向に対して固定される、ポンプカバーと、
前記ポンプ要素に向かって軸方向に前記ポンプカバー、前記ポンプ本体、及び前記ポンプ要素を付勢するばねアセンブリと、を備え、
前記ばねアセンブリ、前記ポンプカバー、および前記ポンプ本体が、留め具を使用することなく、前記ポンプハウジングの外周保持チャネル内に保持され、
前記ばねアセンブリのばねが前記ポンプカバーと前記ばねアセンブリの保持リングとの間に位置付けられ、
前記保持リングは、前記ポンプ本体、前記ばねおよび前記ポンプカバーを前記外周保持チャネル内に固定し、
前記ポンプカバー、前記ポンプ本体、及び前記ポンプ要素が、ータの回転軸に平行な方向に、前記外周保持チャネル内で軸方向にスライド可能に動作可能であって、材料の膨張力を吸収する、流体ポンプ。
【請求項10】
前記ポンプ要素が、生成ロータを含む、請求項9に記載の流体ポンプ。
【請求項11】
前記ポンプハウジングが、回転方向及び回転軸に対して単一の配向で前記ポンプカバーおよび前記ポンプ本体を受容する整列機構を含む、請求項10に記載の流体ポンプ。
【請求項12】
前記整列機構が、前記生成ロータの回転軸に平行に設けられた突起からなる、請求項11に記載の流体ポンプ。
【請求項13】
前記ポンプ本体が、ポンプスリーブとポンプレセプタクルを含む、請求項9に記載の流体ポンプ。
【請求項14】
前記ポンプカバーが、前記入口および前記出口のうちの少なくとも一つを含む、請求項9に記載の流体ポンプ。
【請求項15】
前記ばねアセンブリが、複数の弾性起伏を有する予圧ばねを含む、請求項9から14のいずれか1項に記載の流体ポンプ。
【請求項16】
流体ポンプであって、
内部空洞を有するポンプハウジングと、
前記内部空洞内に位置付けられ、入口から出口まで流体を送達する、生成ロータであって、ポンプ本体内で回転動作可能な生成ロータと、
前記内部空洞の端部を画定するポンプカバーであって、前記ポンプハウジングが、回転軸及び回転方向に対して単一の配向で前記ポンプ本体及び前記ポンプカバーを受容する整列機構を含む、ポンプカバーと、
前記生成ロータに向かって前記ポンプカバーを軸方向に付勢する、予圧リング形状ばねと、
前記ポンプハウジングに対して回転しないようにかつ軸方向に固定される、保持リングと、を備え、
前記保持リング、前記予圧リング形状ばね、前記ポンプ本体、および前記ポンプカバーが、留め具を使用することなく、前記ポンプハウジングの外周保持チャネル内に位置付けられ、
前記保持リングは、前記予圧リング形状ばねおよび前記ポンプカバーを前記外周保持チャネル内に固定し、前記予圧リング形状ばねが、前記ポンプカバーと前記保持リングとの間に位置付けられ、
前記ポンプカバー、前記ポンプ本体、及び前記生成ロータが、前記生成ロータの回転軸に平行な方向に、前記外周保持チャネル内で軸方向にスライド可能に動作可能であって、材料の膨張力を吸収する、流体ポンプ。
【請求項17】
前記整列機構が、前記生成ロータの回転軸に平行に設けられた突起からなる、請求項16に記載の流体ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して流体ポンプに関し、より具体的には、ポンプハウジング内に設置された留め具のないポンプアセンブリを含む、カートリッジ型流体ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の流体ポンプでは、流体ポンプの内部構成要素は、典型的には固定構成要素をポンプのハウジングに取り付ける様々な留め具を通して取り付けられる。これらの固定構成要素には、外側ハウジングに取り付けられる様々なポンプアセンブリ、ならびにハウジングの残りの部分に固定的に取り付けられる様々なコントローラおよびカバーが含まれ得る。カートリッジ型ポンプ内では、ポンプは、エンジン、トランスミッション、または一つの場所から別の場所に流体を移動せるための他の流体処理機構内に挿入される。カートリッジ型ポンプは、典型的には、ポンプがカートリッジ型ポンプを通して材料を移動させるよう動作可能なように、装置の電気システムに何らかの形態の流体または気体貯蔵部内に取り付けられ得る、独立式アセンブリの形態である。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様によれば、流体ポンプは、ステータを含む。ロータは、ステータに対して回転動作可能である。駆動シャフトは、ロータから、入口から出口まで流体を送達するポンプアセンブリまで延びる。ポンプハウジングは、ステータ、ロータ、およびポンプアセンブリを収容する内部空洞を含む。ポンプカバーは、ポンプハウジングの端部に配置される。ポンプカバーは、内部空洞の端部を画定する。ばねアセンブリは、ポンプアセンブリに向かって軸方向にポンプカバーを付勢する。
【0004】
本発明の別の態様によれば、流体ポンプは、内部空洞を有するポンプハウジングを含む。ポンプ要素は、内部空洞内に位置付けられ、入口から出口まで流体を送達する。ポンプカバーは、内部空洞の端部を画定する。ばねアセンブリは、ポンプ要素に向かってポンプカバーを軸方向に付勢する。ばねアセンブリ、ポンプカバー、およびポンプ要素は、留め具を使用することなく、ポンプハウジングの外周保持チャネル内に保持される。
【0005】
本発明の別の態様によれば、流体ポンプは、内部空洞を有するポンプハウジングを含む。生成ロータは、内部空洞内に位置付けられ、入口から出口まで流体を送達する。ポンプカバーは、内部空洞の端部を画定する。予圧リング形状ばねは、生成ロータに向かってポンプカバーを軸方向に付勢する。保持リングは、ポンプハウジングに対して回転的かつ軸方向に固定される。保持リング、予圧リング形状ばね、およびポンプカバーは、留め具を使用することなく、ポンプハウジングの外周保持チャネル内に位置付けられる。
【0006】
本発明のこれらおよび他の態様、目的および特徴は、以下の明細書、特許請求の範囲および添付の図面を検討することにより、当業者に理解および認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面において、
図1図1は、留め具のない流体ポンプの一態様の側面斜視図である。
図2図2は、図1の留め具のない流体ポンプの別の側面斜視図である。
図3図3は、図1の留め具のない流体ポンプの分解斜視図である。
図4図4は、線IV-IVに沿った、図1の留め具のない流体ポンプの断面図である。
図5図5は、線V-Vに沿った、図1の留め具のない流体ポンプの側方断面図である。
図6図6は、留め具のない流体ポンプの側面斜視図であり、ポンプハウジング内に設置されたステータおよびロータを示す。
図7図7は、ポンプハウジング内に設置されたポンプ本体を備えた、図6の留め具のない流体ポンプの側面斜視図である。
図8図8は、ポンプ本体内に設置されたジロータアセンブリを備えた、図7の留め具のない流体ポンプの側面斜視図である。
図9図9は、ポンプハウジングの係止凹部内に設置されたポンプカバーを備えた、図8の留め具のない流体ポンプの側面斜視図である。
図10図10は、ポンプハウジングの係止凹部内に設置された予圧ばねを備えた、図9の留め具のない流体ポンプの側面斜視図である。
図11図11は、ポンプハウジングの係止凹部内に設置された保持リングを備えた、図10の留め具のない流体ポンプの側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書での説明の目的で、「上側」、「下側」、「右」、「左」、「後」、「前」、「垂直」、「水平」といった用語、およびそこから派生したものは、図1で配向されたように本発明に関連するものとする。ただし、当然のことながら、それに反して明示的に特定された場合を除き、本発明は、これと代わる様々な配向をとってもよい。また、当然のことながら、添付した図面に図示し、以下の明細書で説明した特定の装置およびプロセスは、添付した特許請求の範囲に規定された発明の概念の単なる例示的実施形態にすぎない。よって、特許請求の範囲でそうでないことが明示的に述べられていない限り、本明細書で開示された実施形態に関連する具体的な寸法およびその他の物理的特性は、限定とはみなされない。
【0009】
図1図11に例示されるように、参照番号10は、一般的に、留め具のないアセンブリ機構を含み、それによって、流体ポンプ10の様々な構成要素が、ねじ、ボルト、および他の類似の留め機構などの外部留め具を使用することなく、ポンプハウジング12内に固定され得る、流体ポンプを示す。流体ポンプ10は、典型的には、流体処理アセンブリ14内にスライド可能に設置されたカートリッジ型流体ポンプ10の形態であってもよく、流体ポンプ10は、貯蔵部から別の場所まで、流体、気体、または他の流体型の材料を移動させるよう作動され得る。装置の様々な態様によれば、流体ポンプ10は、ステータ(固定子)16と、ステータ16に対して回転動作可能なロータ(回転子)18とを含む。駆動シャフト20は、ロータ18からポンプアセンブリ22まで延びる。ポンプハウジング12は、ステータ16、ロータ18、およびポンプアセンブリ22を収容する内部空洞24を含む。ポンプカバー26は、ポンプハウジング12の端部28に配置され、ポンプカバー26は、ポンプハウジング12の内部空洞24の端部28を画定する。ばねアセンブリ30は、ポンプハウジング12の保持チャネル32内に位置付けられて保持される。ばねアセンブリ30は、ポンプアセンブリ22に向かって、かつ駆動シャフト20の回転軸36に沿って、概して軸方向34にポンプカバー26を付勢する役割を果たす。ポンプカバー26は、外周保持チャネル32内にスライド可能に動作可能であり、熱膨張力38、ならびに、一連の製造されたポンプハウジング12内に存在し得る製造公差を吸収する。膨張力38は、熱膨張、ならびに、流体ポンプ10を介して移動する流体の粘性の変化に起因し得る。
【0010】
図1図5に例示されるように、流体ポンプ10は、ポンプハウジング12を形成するようオーバーモールド材料50でオーバーモールドされたステータ16を含み得る。ポンプハウジング12は、プリント回路基板(PCB)54を受容する制御側52を含んでもよく、PCB54は、流体ポンプ10を動作させるための様々なコントローラ56を含み得る。PCBガスケット58は、PCB54に隣接して設置され、PCB54の様々な電気構成要素および処理構成要素の周りにシールを提供する。また、PCBカバー60は、PCB54上に延びて、PCBガスケット58を係合する。様々なハウジング留め具62は、PCBカバー60をポンプハウジング12に留めるためにPCBカバー60内に配置され得る。また、PCBカバー60およびポンプハウジング12は協働して、流体ポンプ10を、その中で流体ポンプ10が動作する流体処理アセンブリ14に留めるのに使用され得る様々な取り付け開孔64を画定する。
【0011】
再び図1図5を参照すると、ポンプハウジング12はまた、流体ポンプ10のステータ16がポンプハウジング12の一部分内にオーバーモールドされている、モータ端部70を含み得る。ポンプハウジング12は、ロータ18およびポンプアセンブリ22を受容するための空間を画定する内部空洞24を画定し得る。ロータ18を受容するために、ポンプハウジング12は、ポンプハウジング12の内部空洞24内で回転動作するよう、それに対して駆動シャフト20およびロータ18が所定の位置に保持されるベアリングアセンブリ74を含む、ベアリングプレート72を含み得る。ステータ16と電磁連通しているロータ18は、ステータ16の巻線76を通した電流の印加を通してステータ16の一部分が通電された時に、内部空洞24内で回転する。ポンプ本体78は、駆動シャフト20の一部分の周りに、かつロータ18の本体84と駆動シャフト20との間に少なくとも部分的に画定されるロータチャネル82内へと延びるポンプスリーブ80を含み得る。ポンプスリーブ80の使用により、駆動シャフト20の周りに延びる位置決め機構および支持機構が提供される。ポンプスリーブ80は、駆動シャフト20を少なくとも部分的に覆い、ポンプハウジング12の内部空洞24内で駆動シャフト20を支持するのに役立つ。
【0012】
ポンプハウジング内のポンプ本体78の位置を維持するために、ポンプハウジング12は、ポンプハウジング12の材料内に一体的に形成された一つ以上の整列機構90を含みんでもよい。ポンプ本体78は、一般的に、オフセット構成を含み、生成ロータなどのジロータアセンブリ94を受容するポンプレセプタクル92を含む。ポンプレセプタクル92は、典型的には、ポンプ本体78内のオフセット構成内に位置付けられる。このオフセット構成のために、ポンプハウジング12内のポンプ本体78の特定の回転整列が望ましい。ポンプハウジング12内に画定される整列機構90の使用により、この位置付け機構が提供され、その結果、ポンプハウジング12に対してポンプ本体78を位置付けるために、追加の留め具を必要としない。ポンプハウジング12内に画定される整列機構90は、ポンプハウジング12およびロータ18の駆動シャフト20に対してポンプ本体78を回転的に(回転可能に)整列させる役割を果たす。
【0013】
ポンプハウジング12内に画定される位置決めまたは整列機構90はまた、ポンプハウジング12に対してポンプカバー26を整列させる役割を果たす。よって、ポンプハウジング12の整列機構90は、ポンプ本体78、ジロータアセンブリ94、およびポンプカバー26をポンプハウジング12内に回転的に整列または回転的に固定する役割を果たす。流体ポンプ10の様々な構成要素のこの整列構成は、ボルト、ねじ、および他の類似の外部留め具などの外部留め具を使用することなく組み立てられ得る、繰り返し一貫して製造される製品を生成するのに使用され得る簡単かつ一貫した製造プロセスを可能にする。別の言い方をすれば、ポンプカバー26、ポンプ本体78、およびジロータアセンブリ94は、ポンプハウジング12内で自己整列し、非常に限定的な数の回転構成でのみ設置され得る。典型的には、ポンプ本体78およびポンプカバー26は、ポンプハウジング12に対して単一の回転位置でのみ設置され得る。この単一の回転位置は、ポンプハウジング12の整列機構90によって促進される。また、以下により完全に記述するように、整列機構90の使用により、少なくともポンプカバー26の軸方向の運動が可能になる。
【0014】
ジロータアセンブリ94は、ポンプハウジング12内の中心にあり、駆動シャフト20に取り付けられる内部ギア100を含む。ロータ18の回転中、ジロータアセンブリ94の内部ギア100は、ジロータアセンブリ94の偏心外部構成要素102内を回転させて、流体ポンプ10のポンプアセンブリ22を動作させる。
【0015】
ポンプ本体78、ジロータアセンブリ94、およびポンプカバー26をポンプハウジング12内に保持するために、流体ポンプ10のばねアセンブリ30がポンプハウジング12の保持チャネル32内に設置される。この保持チャネル32は、ポンプハウジング12の内表面110内、かつポンプハウジング12のモータ端部70の外側リム112の近くに画定される。ポンプカバー26の外側エッジ114は、付勢部材116および保持リング118と共に、保持チャネル32内に設置される。保持リング118は、ポンプカバー26、ポンプ本体78、および付勢部材116を保持チャネル32内に固定するのに役立つ。このようにして、保持リング118は、保持チャネル32の係止凹部122内に固定される。付勢部材116は、典型的には、予圧ばね120の形態である。この予圧ばね120は、係止凹部122内に維持される保持リング118から離れるようにポンプカバー26を付勢する付勢部材116を提供する役割を果たす複数の一連の弾性起伏を備えたリング形状の部材の形態であり得る。付勢部材116は、ポンプカバー26および保持リング118を分離する役割を果たす。これらの機構は、ポンプハウジング12の保持チャネル32内に収容される。ばねアセンブリ30はまた、外部留め具を使用することなく、ベアリングアセンブリ74に向かってロータ18を付勢する。
【0016】
保持リング118とポンプカバー26との間に画定される予圧ばね120の使用により、保持チャネル32内のポンプカバー26の軸方向34の最小量のスライド運動130が提供される。さらに、整列機構90の構成により、ポンプカバー26の回転整列が提供されると同時に、ロータ18の回転軸36に平行な軸方向34のスライド運動130も提供される。この最小量のスライド運動130は、流体ポンプ10の動作中の流体ポンプ10の様々な構成要素の一定の量の熱膨張を可能にする。装置の特定の態様では、保持リング118にはまた、係止凹部122内のある程度限定的な運動がもたらされ得る。
【0017】
例示であって限定するものではないが、流体ポンプ10は、広範囲の温度変動を経験し得る流体を移動させるのに使用され得る。流体がこれらの温度変動を経験する時、温度変動は、流体の粘性を変化させ、装置の特定の態様では、流体ポンプ10の様々な構成要素に類似の温度変動を経験させ得る。これらの温度変動は、流体ポンプ10の様々な構成要素の膨張および/または収縮をもたらし得る。流体および流体ポンプ10の構成要素のこの熱膨張および収縮は、流体ポンプ10の予圧ばね120によって吸収され得る。流体ポンプ10は、ポンプ本体78、ポンプアセンブリ22およびポンプカバー26内に外部留め具を含まないため、流体および流体ポンプ10の様々な材料の熱膨張および収縮が生じ得る。これらの運動は、予圧ばね120によって吸収され得る。よって、内部応力は、流体の様々な粘性変動および流体ポンプ10の様々な材料の内部寸法変動を吸収する機構を提供することによって最小化される。
【0018】
また、製造プロセスは比較的一貫しているが、様々な製造された構成要素間で製造公差が経験されることがある。よって、保持リング118とポンプカバー26との間に配置される予圧ばね120の使用により、異なる流体ポンプ10の製造された構成要素間で経験され得る様々な公差を吸収する機構が可能になる。よって、これらの製造公差が補われ、製造された構成要素内の一定の量の変動が、流体ポンプ10の様々な構成要素の製造中に許容され得る。流体ポンプ10内で許容され得る寸法公差を増大させることによって、製造コストが低減され、製造プロセス中に経験される廃棄量も低減され得る。
【0019】
図5に例示されるように、流体ポンプ10は、ステータ16に対して動作するロータ18を含み得る。ステータ16は、様々なポール140の周りに巻かれた巻線76を受容するいくつかのステータポール140を含み得る。巻線76が電流を受容すると、これらの巻線76は通電して、ステータ16の巻線76とロータ18の本体84内に位置付けられる様々な磁石142との間の電磁連通を提供する。巻線76が通電すると、電磁連通は、ステータ16内でロータ18を回転させる電磁力を生成する。上述のように、ステータ16、巻線76およびステータポール140は、ポンプハウジング12を形成するオーバーモールド材料50によってオーバーモールドされ得る。
【0020】
図6図11に例示されるように、流体ポンプ10のアセンブリは、様々な構成要素をポンプハウジング12に固定する外部留め具を必要とすることなく達成され得る様々な繰り返し可能な手段を含み得る。図6に例示されるように、ロータ18は、ポンプハウジング12を形成する材料内にオーバーモールドされるステータ16内に配置され得る。ロータ18が位置決めされると、ポンプ本体78がポンプハウジング12内に設置され得(図7に示す)、ポンプスリーブ80がロータチャネル82内に挿入されて、ロータ18の駆動シャフト20を少なくとも部分的に囲み得る。ポンプ本体78が設置された後、ジロータアセンブリ94は、ポンプ本体78のポンプレセプタクル92内に設置され得る(図8に示す)。
【0021】
前述のように、ポンプ本体78のポンプレセプタクル92は、典型的には、ロータ18および駆動シャフト20に対してオフセンタまたは偏心位置に位置付けられ得る。ジロータアセンブリ94の中央内部ギア100は、典型的には、駆動シャフト20によって回転されるポンプハウジング12内の中央に整列される。ジロータアセンブリ94が設置された後、ポンプカバー26が、ジロータアセンブリ94の上部に設置される(図9に示す)。上述のように、ポンプハウジング12は、ポンプハウジング12内のポンプ本体78およびポンプカバー26の単一の回転配向を提供する役割を果たす様々な整列機構90を含む。上述のように、これらの位置決め機構は、流体ポンプ10の構成要素をポンプハウジング12内に回転的に整列させる役割を果たし、その結果、ポンプ本体78およびポンプカバー26を回転的に位置決めするのに追加の留め具を必要としない。
【0022】
ポンプカバー26が設置された後、予圧ばね120および保持リング118は、ポンプハウジング12の保持チャネル32内に位置付けられる(図10および図11に示す)。よって、ポンプカバー26の外側エッジ114もまた、保持チャネル32内に位置付けられて、予圧ばね120が、ポンプ本体78に向かって、かつ係止凹部122内に固定された保持リング118から離れるようにポンプカバー26を付勢する。この構成を通して、ポンプハウジング12の整列機構90は、ポンプ本体78およびポンプカバー26を回転的に整列させる役割を果たす。同時に、予圧ばね120は、ポンプカバー26、ポンプ本体78、およびロータ18をポンプハウジング12内に軸方向に位置決める役割を果たすと同時に、流体ポンプ10内の公差吸収空間、および膨張および収縮吸収空間も提供する。
【0023】
ポンプハウジング12の予圧ばね120および整列機構90の構成を通して、流体ポンプの10の構成要素が、ポンプハウジング12内に回転的かつ軸方向に整列し得ると同時に、熱膨張および熱収縮運動、および製造された構成要素の様々な製造公差を吸収することができる、流体ポンプ10内の限定的な量の運動が提供される。
【0024】
装置の様々な態様によれば、ポンプハウジング12の外表面150は、その中に流体ポンプ10が設置される流体処理アセンブリ14に対してポンプハウジング12の外表面150をシールするのに使用され得る一つ以上のOリング154を保持し得るシール溝152を含み得る。
【0025】
装置の様々な態様によれば、流体ポンプ10は、流体入口162および流体出口164がポンプハウジング12および/またはポンプカバー26の様々な位置に位置付けられ得る、様々な構成を含み得る。よって、流体入口162および流体出口164は、それぞれポンプカバー26内に位置付けられ得る。あるいは、流体入口162はポンプハウジング12の側壁160内に設置され、流体出口164はポンプカバー26内に設置されてもよく、逆もまた可能である。よって、流体ポンプ10は、広範囲の流体処理アセンブリ、および広範囲の流体処理アセンブリの構成内に設置されるよう製造され得る。これらの流体処理アセンブリには、限定するものではないが、トランスミッション、流体送達機構、および他の類似の流体処理アセンブリが含まれ得る。
【0026】
当然ことながら、本発明の概念から逸脱することなく、前述の構造に対して変更および修正を行うことができ、さらに、そのような概念は、言語によるこれらの請求項が明示的に別段の記載をしない限り、以下の特許請求の範囲によってカバーされることを意図していることを理解されたい。
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図11