(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】停電の検出と報告の管理
(51)【国際特許分類】
H04W 24/04 20090101AFI20240215BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20240215BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20240215BHJP
H04W 40/24 20090101ALI20240215BHJP
H04L 43/0811 20220101ALI20240215BHJP
【FI】
H04W24/04
H04W4/38
H04W84/18
H04W40/24
H04L43/0811
(21)【出願番号】P 2021570877
(86)(22)【出願日】2020-05-29
(86)【国際出願番号】 US2020035256
(87)【国際公開番号】W WO2020243525
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-04-13
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513113895
【氏名又は名称】ランディス・ギア イノベーションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LANDIS+GYR INNOVATIONS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100189544
【氏名又は名称】柏原 啓伸
(72)【発明者】
【氏名】カルドソ,ルーベン イー サラサール
(72)【発明者】
【氏名】ターナー,ジェイムズ ランドール
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/033514(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2010/0172258(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
H04L43/0811
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノードの停電を検出する方法であって、
第1の期間の間に、
メッシュネットワークの第1のノードによって、前記第1のノードによって追跡されるメッシュネットワークの第2のノードから発信される一連の信号を検出するステップであって、前記一連の信号は、前記第2のノードによって送信されるRFアライブビーコン又は通信メッセージを含み、前記RFアライブビーコンは、前記第2のノードの動作ステータスを示し、前記一連の信号は、少なくとも単一のアライブビーコン間隔に対応する期間に検出される、検出するステップと、
前記第1の期間に続く第2の期間の間に、
前記第1のノードにおいて、前記第2のノードからの最新の信号を検出してから、前記アライブビーコン間隔の閾値を経過したことに基づいて、前記第2のノードの現在のステータスを判定するステップであって、前記最新の信号は、最新のRFアライブビーコン又は最新の通信メッセージを含む、判定するステップと、
前記第1のノードにおいて、第3のノードの動作ステータスを示し、前記第2のノードの識別情報及び前記第2のノードのステータスを含む、前記第3のノードからの高度なRFアライブビーコンを受信するステップと、
前記第1のノードにおいて、前記高度なRFアライブビーコンに少なくとも部分的に基づいて、前記第2のノードの現在のステータスを更新するステップと、
前記第1のノードから、前記第2のノードの現在のステータスに基づいて、前記第2のノードにpingを出力して、前記pingに対する応答を要求するステップと、
応答期間内に前記第2のノードから前記pingに対する応答を受信しなかった場合、前記第1のノードによって、前記メッシュネットワークの次のトポロジ的に上位の層に停電アラームメッセージを送信するステップであって、前記停電アラームメッセージは、前記第2のノードの識別情報を含むステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記高度なRFアライブビーコンに少なくとも部分的に基づいて、前記第2のノードの現在のステータスを更新するステップは、
前記高度なRFアライブビーコンにおける前記第2のノードのステータスが、停電の疑いのある状態又は停電の状態であると判定することに基づいて、前記第2のノードが停電の疑いのある状態であると判定するステップ
を含み、
前記pingを出力するステップは、前記第2のノードが停電の疑いのある状態にあると判定したことに応答して実行される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記高度なRFアライブビーコンは、前記第3のノードが前記第2のノードから受信する最新の信号のタイムスタンプを更に含み、
前記高度なRFアライブビーコンに少なくとも部分的に基づいて、前記第2のノードの現在のステータスを更新するステップは、
前記第1のノードが前記第2のノードからの最新の信号を検出することと、前記第3のノードが前記第2のノードから受信する最新の信号のタイムスタンプを検出することとの、遅い方のこと以来にて、前記アライブビーコン間隔が閾値を超えた、と判定することに基づいて、前記第2のノードが停電の疑いのある状態であると判定するステップ
を含み、
前記pingを出力するステップは、前記第2のノードが停電の疑いのあるステータスであると判定したことに応答して実行される、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記高度なRFアライブビーコンに少なくとも部分的に基づいて、前記第2のノードの現在のステータスを更新するステップは、
前記高度なRFアライブビーコンが、前記第2のノードが動作状態にあることを示していると判定するステップと、
前記第2のノードの現在のステータスを前記動作状態であると更新するステップと、
前記第2のノードからの最新の信号を受信してから経過したアライブビーコン間隔の数のカウンタを、ゼロにリセットするステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
更に、
前記第1のノードによって、RFアライブビーコンを送信するステップを含み、
前記送信されるRFアライブビーコンは、前記第1のノードの動作ステータスを示す高度なRFアライブビーコンであり、前記第2のノードの現在のステータスの表示を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
更に、
前記停電アラームメッセージを送信するステップの前にて、
前記第1のノードによって、第4のノードに、前記第2のノードの情報の要求を送信するステップと、
前記第1のノードにて、前記第2のノードのステータスを含む前記要求に対する応答を受信するステップと、
前記第1のノードによって、前記応答に基づいて前記第2のノードのステータスを更新するステップと
を含み、
前記第2のノードの前記更新されたステータスに基づいて、停電アラームメッセージが送信される、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記情報の要求が、前記第4のノードを含む複数のノードに送信され、
前記第1のノードが、前記複数のノードを前記第2のノードを追跡するノードとして識別する、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記情報の要求が、前記第4のノードを含む複数のノードに送信され、
前記第1のノードが、前記複数のノードを前記第1のノードの隣接ノードとして識別する、
請求項6に記載の方法。
【請求項9】
メッシュネットワークのノードであって、
コンピュータ可読命令を実行するように構成されたプロセッサと、
前記コンピュータ可読命令を格納するように構成されたメモリと
を含み、
前記コンピュータ可読命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに対して、
第1の期間の間に、
前記ノードによって追跡されるメッシュネットワークの第2のノードから発信される一連の信号を検出するステップであって、前記一連の信号は、前記第2のノードによって送信されるRFアライブビーコン又は通信メッセージを含み、前記RFアライブビーコンは、前記第2のノードの動作ステータスを示し、前記一連の信号は、少なくとも一つのアライブビーコン間隔に対応する期間に検出される、検出するステップと、
前記第1の期間に続く第2の期間の間に、
前記第2のノードからの最新の信号を検出してから、前記アライブビーコン間隔の閾値を経過したことに基づいて、前記第2のノードの現在のステータスを判定するステップであって、前記最新の信号は、最新のRFアライブビーコン又は最新の通信メッセージを含む、判定するステップと、
第3のノードの動作ステータスを示し、第2のノードの識別情報及び第2のノードのステータスを含む、第3のノードからの高度なRFアライブビーコンを受信するステップと、
前記高度なRFアライブビーコンに少なくとも部分的に基づいて、前記第2のノードの現在のステータスを更新するステップと、
前記第2のノードの現在のステータスに基づいて、前記第2のノードにpingを出力して、前記pingに対する応答を要求するステップと、
応答期間内に前記第2のノードから前記pingに対する応答を受信しなかった場合、前記メッシュネットワークの次のトポロジ的に上位の層に停電アラームメッセージを送信するステップであって、前記停電アラームメッセージは前記第2のノードの識別情報を含む、送信するステップと
を含む動作を実行させる、ノード。
【請求項10】
前記高度なRFアライブビーコンに少なくとも部分的に基づいて、前記第2のノードの現在のステータスを更新するステップは、
前記高度なRFアライブビーコンにおける前記第2のノードのステータスが、停電の疑いのある状態又は停電の状態であると判定することに基づいて、前記第2のノードが停電の疑いのある状態であると判定するステップ
を含み、
前記pingを出力するステップは、前記第2のノードが停電の疑いのある状態にあると判定したことに応答して実行される、
請求項9に記載のノード。
【請求項11】
前記高度なRFアライブビーコンに少なくとも部分的に基づいて、前記第2のノードの現在のステータスを更新するステップは、
前記高度なRFアライブビーコンが、前記第2のノードが動作状態にあることを示していると判定するステップと、
前記第2のノードの現在のステータスを前記動作状態であると更新するステップと、
前記第2のノードからの最新の信号を受信してから経過したアライブビーコン間隔の数のカウンタを、ゼロにリセットするステップと
を含む、請求項9に記載のノード。
【請求項12】
更に、前記動作は、
前記停電アラームメッセージを送信するステップの前にて、
第4のノードに、前記第2のノードの情報の要求を送信するステップと、
前記第2のノードのステータスを含む前記要求に対する応答を受信するステップと、
前記応答に基づいて前記第2のノードのステータスを更新するステップと
を含み、
前記第2のノードの前記更新されたステータスに基づいて、停電アラームメッセージが送信される、
請求項9に記載のノード。
【請求項13】
前記情報の要求が、前記第4のノードを含む複数のノードに送信され、
前記ノードが、前記複数のノードを前記第2のノードを追跡するノードとして識別する、
請求項12に記載のノード。
【請求項14】
前記情報の要求が、前記第4のノードを含む複数のノードに送信され、
前記ノードが、前記複数のノードを前記第2のノードの隣接ノードとして識別する、
請求項12に記載のノード。
【請求項15】
システムであって、メッシュネットワークを介して通信可能に接続された複数のノードを備え、前記複数のノードは、第1のノード、第2のノード、及び第3のノードを含み、
前記第2のノードは、通信メッセージ及びRFアライブビーコンを含む信号を送信するように構成されており、前記RFアライブビーコンは、前記第2のノードの動作ステータスを示し、
前記第1のノードは、前記第2のノードのステータスを追跡するように構成され、
前記追跡することは、
第1の期間の間に、
前記第2のノードから発信される一連の信号を検出するステップであって、前記一連の信号は、少なくとも一つのアライブビーコン間隔に対応する期間に検出される、検出するステップと、
前記第1の期間に続く第2の期間の間に、
前記第2のノードからの最新の信号を検出してから、前記アライブビーコン間隔の閾値を経過したことに基づいて、前記第2のノードの現在のステータスを判定するステップであって、前記最新の信号は、最新のRFアライブビーコン又は最新の通信メッセージを含む、判定するステップと、
前記第3のノードの動作ステータスを示し、前記第2のノードの識別情報及び前記第2のノードのステータスを含む、前記第3のノードからの高度なRFアライブビーコンを受信するステップと、
前記高度なRFアライブビーコンに基づいて、前記第2のノードの現在のステータスを更新するステップと、
前記第2のノードの現在のステータスに基づいて、前記第2のノードにpingを出力して、前記pingに対する応答を要求するステップと、
応答期間内に前記第2のノードから前記pingに対する応答を受信しなかった場合、前記メッシュネットワークの次のトポロジ的に上位の層に停電アラームメッセージを送信するステップであって、前記停電アラームメッセージは前記第2のノードの識別情報を含む、送信するステップと
を含む、
システム。
【請求項16】
前記複数のノードは更に第4のノードを含み、
前記第1のノードは更に、
前記停電アラームメッセージを送信するステップの前にて、
前記第4のノードに、前記第2のノードの情報の要求を送信するステップと、
前記第2のノードのステータスを含む前記要求に対する応答を受信するステップと、
前記応答に基づいて前記第2のノードの現在のステータスを更新するステップと
を含み、
前記第2のノードの前記更新されたステータスに基づいて、停電アラームメッセージが送信される、
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記情報の要求は、前記第4のノードを含む一連のノードに送信され、
前記第1のノードは、前記一連のノードを前記第2のノードを追跡するノードとして識別する、
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記情報の要求は、前記第4のノードを含む一連のノードに送信され、
前記第1のノードは、前記一連のノードを前記第1のノードの隣接ノードとして識別する、
請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記応答に基づいて前記第2のノードの現在のステータスを更新するステップは、
前記応答が、前記第2のノードが動作状態にあることを示していると判定するステップと、
前記第2のノードの現在のステータスを前記動作状態であると更新するステップと、
前記第2のノードからの最新の信号を受信してから経過したアライブビーコン間隔の数のカウンタを、ゼロにリセットするステップと
を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記高度なRFアライブビーコンに、少なくとも部分的に基づいて、前記第2のノードの現在のステータスを更新するステップは、
前記高度なRFアライブビーコンにおける前記第2のノードのステータスが、停電の疑いのある状態又は停電の状態であると判定することに基づいて、前記第2のノードが前記停電の疑いのある状態であると判定するステップを
含み、
前記第2のノードが停電の疑いのある状態にあると判定するステップに応答して、前記pingが出力される、
請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概略、無線ネットワーク内部のノードの停電(例えば、通信停止、構内電力停止、又はグリッド電力停止)及びアラームイベントを、検出及び報告するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
スマート電力、ガス、水道メータのネットワークやその他のスマートデバイス(即ち、他のデバイスやネットワークに接続して通信することができるデバイス)などのネットワーク化されたシステムは、デバイス間通信のために相互に接続することができる。更に、ネットワーク化されたシステム内部のスマートデバイスの一つ若しくは複数は、インターネット又は他のネットワークと相互接続することが可能である。例えば、ネットワーク化されたシステムは、スマートデバイスに、互いに通信可能に結合してデータを交換するメカニズムを提供する。ネットワーク化されたシステムは、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)に直接的に、又は、親ノード及びルートノード又はコレクタの追加の層を介して間接的に、接続する一つ若しくは複数のノードを含み得る。又、ネットワーク化されたシステムは、親ノード若しくは他の子ノードとリンクして、ネットワーク化されたシステム全体でデータを交換する、ノードを含み得る。
【0003】
ネットワーク化されたシステム内部のノードについて、ノードの信頼性及びノードの停電検出と報告について、特定の問題が生じる。例えば、ノードは、ノードがノードの一次電源から電力を受け取らなくなった後に、ノードが停電表示を送信するのに十分なエネルギーを提供するために、スーパーキャパシタに依存することがある。時間を経ると、スーパーキャパシタ内部に貯蔵される液体(例えば、電解質混合物)が漏れ、漏れた液体が電気部品をショートさせ、ノードの早期故障につながる可能性がある。更に、スーパーキャパシタによって電力供給されるノードによって送信される停電表示は、ネットワーク化されたシステムを介する通信の損失性のために、ネットワーク化されたシステムの他のノードによって常に検出されるとは限らない。従って、停電表示がネットワーク化されたシステム内の他のノードによって受信されてヘッドエンドシステムに報告される、ということが、為されないかもしれない。よって、ネットワーク化されたシステム内のノードの停電イベントが、適切に若しくは一貫して検出される、ということがなく、更なる是正措置のためにヘッドエンドシステムに報告される、ということがない可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
例えば、メッシュネットワークにおけるノードの停電を検出する方法は、第1の期間の間に、第1のノードによって追跡されるメッシュネットワークの第2のノードから発信される一連の信号を検出することを含む。一連の信号は、第2のノードが送信するRFアライブビーコン又は通信メッセージからなり、RFアライブビーコンは第2のノードの動作ステータスを示す。一連の信号は、少なくとも一つのアライブビーコン間隔に対応する時間帯に検出される。本方法は、第1の期間に続く第2の期間の間に、第1のノードにおいて、第2のノードからの最新の信号を検出してからアライブビーコン間隔の閾値を経過したことに基づいて、第2のノードの現在のステータスを判定することを更に含む。最新の信号は、最新のRFアライブビーコン又は最新の通信メッセージからなる。また、本方法は、第3のノードの動作ステータスを示し、第2のノードの識別情報と第2のノードのステータスとを含む高度なRFアライブビーコンを第3のノードから受信することと、高度なRFアライブビーコンに少なくとも部分的に基づいて、第2のノードの現在のステータスを更新することと、第2のノードの現在のステータスに基づいて、第2のノードにpingを出力して、pingに対する応答を要求することとを含む。応答期間内に第2のノードからpingに対する応答が受信されない場合、本方法は、メッシュネットワークの次のトポロジ的に上位の層に停電アラームメッセージを送信することを含む。停電アラームメッセージは、第2のノードの識別情報を含む。
【0005】
別の例では、メッシュネットワークのノードは、コンピュータ可読命令を実行するように構成されたプロセッサと、プロセッサによって実行されたときにプロセッサに動作を実行させるコンピュータ可読命令を格納するように構成されたメモリとを含む。動作は、第1の期間の間に、ノードによって追跡されるメッシュネットワークの第2のノードから発信される一連の信号を検出することを含む。一連の信号は、第2のノードによって送信されるRFアライブビーコン又は通信メッセージからなり、RFアライブビーコンは、第2のノードの動作ステータスを示している。一連の信号は、少なくとも一つのアライブビーコン間隔に対応する期間に検出される。前記動作は、前記第1の期間に続く第2の期間の間に、前記第2のノードからの最新の信号を検出してから前記アライブビーコン間隔の閾値を経過したことに基づいて、前記第2のノードの現在のステータスを判定することを更に含み、前記最新の信号は、最新のRFアライブビーコン又は最新の通信メッセージを含む。動作は更に、第3のノードの動作ステータスを示し、第2のノードの識別情報及び第2のノードのステータスを含む、第3のノードから高度なRFアライブビーコンを受信することと、高度なRFアライブビーコンに少なくとも部分的に基づいて、第2のノードの現在のステータスを更新することとを含む。また、前記動作は、前記第2のノードの現在のステータスに基づいて、前記第2のノードにpingを出力して、前記pingに対する応答を要求することを含む。応答期間内に第2のノードからpingに対する応答が受信されない場合、動作は、メッシュネットワークの次のトポロジ的に上位の層に停電アラームメッセージを送信することを含み、停電アラームメッセージは、第2のノードの識別情報を含む。
【0006】
更に別の例では、システムは、メッシュネットワークを介して通信可能に接続される複数のノードを含み、複数のノードは、第1のノード、第2のノード、及び第3のノードを含む。第2のノードは、通信メッセージ及びRFアライブビーコンを含む信号を送信するように構成され、RFアライブビーコンは、第2のノードの動作ステータスを示す。第1のノードは、第2のノードのステータスを追跡するように構成される。追跡することは、第1の期間の間に、第2のノードから発信される一連の信号を検出することを含む。一連の信号は、少なくとも一つのアライブビーコン間隔に対応する期間に検出される。追跡することは更に、第1の期間に続く第2の期間の間に、第2のノードからの最新の信号を検出してからアライブビーコン間隔の閾値を経過したことに基づいて、第2のノードの現在のステータスを判定することを含む。最新の信号は、最新のRFアライブビーコン又は最新の通信メッセージを含む。また、追跡することは、第3のノードから高度なRFアライブビーコンを受信することを含み、高度なRFアライブビーコンは、第3のノードの動作ステータスを示し、第2のノードの識別情報及び第2のノードのステータスを含み、高度なRFアライブビーコンに基づいて、第2のノードの現在のステータスを更新することを含む。また、追跡することは、第2のノードの現在のステータスに基づいて、第2のノードにpingを出力して、pingに対する応答を要求し、応答期間内に第2のノードからpingに対する応答を受信しなかった場合に、メッシュネットワークの次のトポロジ的に上位の層に停電アラームメッセージを送信することを含む。停電アラームメッセージは、第2のノードの識別情報を含む。
【0007】
これらの例示的な態様及び特徴は、本明細書で説明する発明の主旨を限定又は定義するためではなく、本願で説明する概念の理解を助けるべく例を提供するために言及されている。本明細書で説明する発明の主旨の他の態様、利点、及び特徴は、本願全体を検討した後に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示のこれら及びその他の特徴、態様、及び利点は、添付の図面を参照して以下の発明の詳細な説明を読むと、よりよく理解される。
【0009】
【
図1】
図1は、一つ若しくは複数の実施形に係る、スマートデバイスのネットワーク化されたシステムの例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、多数のメディアアクセス制御プロトコルを実装する単一の無線トランシーバデバイスの、例示のプロトコルスタック示す図である。
【
図3】
図3は、タイムスロットチャネルホッピング(TSCH)ネットワークにおけるタイムスロットの例を示す図である。
【
図4】
図4は、一つ若しくは複数の実施例に係る、追跡されるノードに対して判定される様々な状態を示す状態遷移図である。
【
図5】
図5は、一つ若しくは複数の実施例に係る、
図1のネットワーク化されたシステムにおいてノード停電を検出するためのプロセスの例を示す図である。
【
図6】
図6は、一つ若しくは複数の実施例に係る、
図1のネットワーク化されたシステムにおいて追跡されるノードのステータスを検証するためのプロセスの例を示す。
【
図7】
図7は、一つ若しくは複数の実施例に係る、
図1のネットワーク化されたシステムにおいて追跡されるノードのステータスを検証するためのプロセスの別の例を示す。
【
図8】
図8は、一つ若しくは複数の実施例に係る、
図1のネットワーク化されたシステムのノードのブロック図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
スマートデバイスのネットワーク化されたシステムにおいて、ノードの停電及びアラームイベントの判定及び報告のためのシステム及び方法が提供される。本明細書で使用される場合、ノードの停電は、ノードの通信停止、ノードの位置での構内停電、又はノードの位置でのグリッド停電を含むことができる。ネットワーク化されたシステム内では、ノードは、他のノード又は集中型ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)との間でデータを送受信することができるネットワーク化されたシステム内の任意の点であってよい。ネットワーク化されたシステムに接続するノードのステータスの適切なアカウンティングを提供するために、ネットワーク化されたシステムは、ネットワーク化されたシステムに接続するノードにおけるノードの停電検出を管理するためにノード能力を活用するプロセスを含む。
【0011】
動作において、ネットワーク化されたシステムのノードは、本明細書で「RFアライブビーコン」又は「RFアライブビーコン信号」と称する、ノードが動作状態であることを示す無線周波数(RF)信号などのビーコン信号を、出力するように構成され得る。RFアライブビーコン信号は、RFアライブビーコン信号をビーコン信号として識別するプリアンブルを提供し、また、RFアライブビーコン信号を発信するノードの識別を提供する。ノードは、データメッセージやネットワーク通信メッセージなど、送信すべき他の信号がないときに、RFアライブビーコン信号を送信するように構成され得る。ノード(追跡されるノード)からRFアライブビーコン信号を受信できるネットワーク内の他のノード(追跡するノード)は、RFアライブビーコン信号、及びノードが送信する他の信号に基づいて、このノードのステータスを追跡できる。
【0012】
追跡するノードが、指定された数のアライブビーコン間隔を超えて追跡されるノードから信号を受信しない場合、追跡するノードは、追跡されるノードが停電の疑いのある状態にあると判定し得る。追跡されるノードが実際に停電を受けていることを確認するために、追跡するノードは追跡されるノードにpingを打って、追跡されるノードが尚動作状態であることを示す応答を追跡されるノードに要求する。追跡されるノードから応答を受信しない場合、追跡するノードは、ネットワーク化されたシステムの層を介して、停電アラームメッセージを送信し得る。
【0013】
ネットワークシステムの各層は、ルートノードが、ノードの停電の繰り返しの表示がない、又は最小限の表示で、ネットワーク化されたシステム内の全ての機能していないノードの表示を受け取るように、停電アラームメッセージを処理し、フィルタリングし、及び統合し得る。ルートノードは、集中型ネットワーク(例えば、インターネット)を使用してヘッドエンドシステムに接続し得、機能していないノードの表示をアラームパケットとしてヘッドエンドシステムに提供し得る。ヘッドエンドシステムでは、機能していないノードに対処するための措置が取られ得る。例えば、機能していないノードの物理的な検査や修理を行うために、技術者が配置され得る。別の例では、ノードが電力網に関連するエンドポイントに関係している場合、機能していないノードの数は、停電を示している可能性がある。機能していないノードに関する情報は、顧客に正確な停電情報を提供するために、又は問題の範囲を特定するために、使用され得る。
【0014】
偽陽性の停電検出の可能性を低減するために、追跡するノードは、例えば、追跡されるノードにpingを送信する前に、又は追跡されるノードにpingを送信した後に、停電検証を実行することができる。停電検証は、ネットワーク内のノードが、個々のノードが送出するRFアライブビーコン(高度なRFアライブビーコン信号とも呼ばれる)に、夫々の追跡されるノードのステータスを含めるように構成することによって、行うことができる。つまり、高度なRFアライブビーコン信号とは、RFアライブビーコンを送信するノードの動作ステータスを示すビーコンであり、追跡されるノードのステータス情報を含んでいる。したがって、追跡するノードは、同じく追跡されるノードを追跡する他のノードが送信する高度なRFアライブビーコン信号に基づいて、追跡されるノードのステータスを更新することができる。また、停電検証は、追跡するノードが、追跡されるノードの他の追跡するノードにステータス情報を要求することによって行うことができる。停電検証により、追跡されるノードがまだ動作状態であることが示される場合、追跡するノードはping及び/又は停電アラームメッセージの送信を控え得る。その結果、偽陽性の停電検出の可能性及びネットワークトラフィックを低減することができる。
【0015】
ネットワーク効率を更に高めるために、ノードは、二つのメディアアクセスコントロール(MAC)プロトコルをサポートするように構成され得、一つのネットワーク上でデータ若しくはネットワーク管理通信をリスニングすることと、別のネットワーク(RFビーコンネットワーク)上でRFアライブビーコン信号をリスニングすることとを、切り替えることができる。このように、RFアライブビーコン信号の検出は、ノードがデータ若しくはネットワーク管理通信を受信していないときに実行することができ、それによって、通信効率を高め、通常のデータ若しくはネットワーク管理通信の中断を低減することができる。
【0016】
図1は、ネットワーク化されたシステム100及びメッシュネットワーク101の一例を示すブロック図である。ネットワーク化されたシステム100及びメッシュネットワーク101は、スマートデバイス(例えば、通信技術を含む、資源消費量計、車両、家電製品等)が、ノード(即ち、他のスマートデバイス)のネットワーク、インターネット、及び/又はイントラネットを介して通信するためのネットワークインフラストラクチャを提供する。ネットワーク化されたシステム100は、ヘッドエンドシステム102を含み、このヘッドエンドシステム102は、ネットワーク104からデータのストリームを受信する中央処理システムとして機能し得る。ネットワーク104は、インターネット、イントラネット、又は任意の他のデータ通信ネットワークであってよい。メッシュネットワーク101は、ルートノード106と、ノード106及び108a-108hに関連するデータを収集する他のノード108a-108hとを、含み得、ルートノード106は、収集したデータをネットワーク104に送信し、最終的にネットワーク化されたシステム100のヘッドエンド102に送信する。加えて、ルートノード106は、ヘッドエンド102からネットワーク管理メッセージを受信し、ネットワーク管理メッセージをノード108a-108hに送信することもできる。同様に、ルートノード106自身又は他のノード108a-108hがネットワーク管理メッセージを発行し、他のノード108a-108hに送信することもできる。ノード106、108a-108hの間で送信されるデータ及びネットワーク管理は、本明細書では「通信メッセージ」と総称されることがある。これらの通信メッセージは、ノード106、108a-108hの間のデータリンク110を介して送信され、ルーティングされる。ルートノード106は、パーソナルエリアネットワーク(PAN)コーディネータでも、インターネットゲートウェイでも、又は、ネットワーク104に接続可能な他のデバイスでも、よい。
【0017】
ルートノード106は、一般的に、ルートノード106の下のノード層(例えば、層1)に位置するノード108a、108bとのデータリンクにより、親ノードと呼ばれることがある。例えば、ルートノード106は、ネットワーク104と直接通信しているように図示されている。図示されているように、ノード108a及び108bは、ノード108a及び108bの下のノード層(例えば、層2)に位置するノード108c、108d、108e、及び108gとのデータリンクにより、親ノードと呼ばれることもある。更に、ノード108e及び108gは、ノード108e及び108gの下のノード層(例えば、層3)に位置するノード108f及び108hとのデータリンクにより、親ノードと呼ばれることがある。ノード108a-108hは全て、ノード層を介して情報をルートノード106に、最終的にはヘッドエンド102に流し込み得る。
【0018】
ノード106及び108a-108hの各々は、他のノード106及び108a-108hの少なくとも一つとリンクしている。リンク110は、データがルーティングされる可能性のある他のノード106及び108a-108hのノード106及び108a-108hへの指示を提供するノード106及び108a-108hのネイバーキャッシュに隣接ノード情報を格納することによって作成され得る。例えば、ノード108hのネイバーキャッシュは、ノード108hで収集されるデータがノード108gに送信されるべきであることを識別するネイバーノード情報を含んでもよい。同様に、ノード108gのネイバーキャッシュは、ノード108gが、関連情報(例えば、ネットワーク管理メッセージ又はヘッドエンド102からの他の情報)をノード108hに送信すべきであることを識別し、また、ノード108gが収集するデータ及びノード108hから受信するデータをノード108bに送信すべきであることを識別する、ネイバーノード情報を含み得る。このようなデータ送信スキームは、メッシュネットワーク101のノード層まで続き得る。
【0019】
動作において、より少ない又はより多くのノード108が、メッシュネットワーク101に含まれてもよく、また、より多くのルートノード106がネットワーク化されたシステム100に含まれてもよい。更に、
図1に描かれたメッシュネットワーク101は、ルートノード層(即ち、ルートノード106)、層1(即ち、ノード108a及び108b)、層2(即ち、ノード108c、108d、108e、及び108g)、及び層3(即ち、ノード108f及び108h)を含むが、より少ない又はより多いノード層も企図される。更に、
図1は、特定のネットワークトポロジ(例えば、DODAGツリートポロジ)を描いているが、他のネットワークトポロジ(例えば、リングトポロジ、メッシュトポロジ、スタートポロジなど)も可能である。
【0020】
ヘッドエンドシステム102は、動作中及び非動作中のノード106及び108a-108hを追跡することができる。ノード106及び108a-108hのステータスを追跡するために、ノード106及び108a-108hは、送信ノード106及び108a-108hに物理的に近接している他のノード106及び108a-108hによってのみ受信されるのに十分な強度の無線周波数(RF)ビーコン信号を送信する。これらのRFアライブビーコン信号は、送信ノード106及び108a-108hが動作状態であること(即ち、停電を被っていないこと)を示すために利用することができる。
【0021】
例えば、ノード108hは、ノード108e、108f、及び108gがRFアライブビーコン信号を一貫して受信するのに十分な強度のみで、RFアライブビーコン信号を送信し得る。一例では、RFアライブビーコン信号の送信強度が制限されることがあるので、RFアライブビーコン信号は、限定範囲のビーコンと呼ばれることがある。RFアライブビーコン信号は、限定範囲のビーコンを送信するノードの送信強度半径内に位置する他のノード106及び108a-108hによる受信に限定される。このようにして、RFアライブビーコンは、限定範囲のビーコンを送信するノードの送信強度半径内に位置するノード106及び108a-108hのサブセットの間で、ピアツーピア通信を提供する。
【0022】
RFアライブビーコン信号は、RFアライブビーコン信号を送信するノード106又は108a-108hの識別情報を含んでもよい。例えば、RFアライブビーコン信号は、RFアライブビーコン信号をビーコン信号として識別するプリアンブルと、RFアライブビーコン信号を発信するノード106又は108a-108hの識別情報とを含んでもよい。プリアンブルとノードの識別情報のみを伴う表現は、4~8バイトのデータのみであってもよいが、より大きいサイズ又はより小さいサイズのRFアライブビーコン信号も企図される。送信ノード106又は108a-108hに関連する他の情報も、RFアライブビーコン信号の一部として含まれることが企図される。
【0023】
一例では、ノード106及び108a-108hの夫々が出力するRFアライブビーコン信号の強度は、5~10個の他のノード106及び108a-108hがその個々のノードからのRFアライブビーコン信号を受信するように調整されてもよい。そのような例では、RFアライブビーコン信号の強度は、0dBm、又は-3dBmから10dBmの範囲であってもよく、RFアライブビーコン信号を送信するノード106又は108a-108hに近接しているノード106及び108a-108hの数に基づいて、強度を調整してもよい。即ち、RFアライブビーコン信号の強度は、メッシュネットワーク101における追加のノード106及び108a-108hの具体的な配置に応じて、追加のノード106及び108a-108hに届くように増加したり、より少ない追加のノード106及び108a-108hに届くように減少したりしてもよい。一例では、RFアライブビーコン信号の強度が、6つのノードが50%以上の成功率でRFアライブビーコン信号を受信するようなものである場合、各RFアライブビーコン信号が6つのノードのうちの少なくとも一つに到達するその後の成功率は、少なくとも98.4%(すなわち、1-0.56)となる。この成功率は、送信ノード106又は108a-108hの範囲内にあるノード106及び108a-108hの数の増加に基づいて、個々の受信ノード106及び108a-108hの成功率の増加に基づいて、又は、その両方に基づいて、増加し得る。
【0024】
RFアライブビーコン信号は、定義されたアライブビーコン間隔でノード108a-108hの夫々によって送信され得る。例えば、ノード108a-108hは、5秒ごとにRFアライブビーコン信号を送信し得る。より長い又は短いアライブビーコン間隔も考えられる。更に、ノード108a-108hの各々は、自身のアライブビーコン間隔を制御し得、アライブビーコン間隔の同期は、ノード108a-108h間で実行されなくてもよい。一例では、RFアライブビーコン信号間の期間は、以下のファクタのうちの一つ以上の最適なバランスを達成するように選択され得る:1)送信ノードからのRFアライブビーコン信号の均一な分布を増加させること、2)メッシュネットワークの他のRFアライブビーコン信号又は他のRF送信からの干渉を最小化すること、及び、3)停電イベントのタイムスタンプの解像度を最大化すること。例えば、停電イベントのタイムスタンプの解像度を最大化することは、アライブビーコン間隔をより小さい期間に減少させることを要求してもよく、一方、他のRFソースからの干渉を最小化することは、アライブビーコン間隔をより大きい期間に増加させることを要求してもよい。
【0025】
いくつかの例では、追跡するノード106又は108a-108hは、データ及びネットワーク管理通信を一つのMACプロトコルを使用して実行することができるように、且つ、RFアライブビーコン通信を他のMACプロトコルを使用して実行することができるように、単一のトランシーバデバイス(例えば、単一の無線機)を使用して二つのMACプロトコルを実装することができる。二つのMACプロトコルに基づく実装に関する更なる詳細な説明を、
図2及び
図3に関連して以下で行う。
【0026】
時間の経過とともに、ノード106及び108a-108hの夫々は、一つ又は複数の他のノード106及び108a-108hからRFアライブビーコン信号を受信する。受信ノード106及び108a-108hが、閾値パーセンテージよりも大きいアライブビーコン間隔のパーセンテージで、他のノード106及び108a-108hのうちの一つ以上からRFアライブビーコン信号を受信すると、受信ノード106及び108a-108hは、他のノード106及び108a-108hのうちの一つ以上からのRFアライブビーコン信号が欠落したときに、追跡することができる。例えば、閾値パーセンテージは、p%に設定することができる。受信ノード106又は108a-108hが、合計N個のアライブビーコン間隔のうちM個のアライブビーコン間隔で別のノード106又は108a-108hからRFアライブビーコン信号を受信し、M/N>p%である場合、(「追跡するノード」とも称される)受信ノードは、(「追跡されるノード」とも称される)送信ノードのステータスを追跡し得る。以下の説明では、ノード108hが追跡されるノードの一例として使用され、ノード108fが追跡されるノード108hのステータスを追跡する追跡するノードの一例として使用される。メッシュネットワーク内の任意のノード106又は108a-108hは、追跡されるノード又は追跡するノードになり得ることを理解すべきである。更に、ノード106又は108a-108hは、他のノードによって追跡される追跡されるノードであると同時に、他のノードのステータスを追跡する追跡するノードであり得る。
【0027】
追跡することは、RFアライブビーコン信号を受信していないアライブビーコン間隔の数を決定することを含む。追跡されるノード108hからのRFアライブビーコン信号を所定の数のアライブビーコン間隔で逃した後、追跡するノード108fは、追跡されるノード108hが停電の疑いのある状態にあると判定し、追跡されるノード108hからの応答を積極的に要求するためにノードpingプロセスを開始し得る。幾つかの例では、追跡するノード108fは、ノードpingプロセスを開始する前に、停電の検証を行う。例えば、追跡するノード108fは、他の追跡するノードから受信する高度なRFアライブビーコンに含まれる情報に基づいて、停電検証を実行することができる。この例では、追跡されるノード106又は108a-108hが送信する高度なRFアライブビーコン信号は、他のノード106及び108a-108hのステータスなどの、追加の情報を含むように構成することができる。追跡されるノード106又は108a-108hは、他のノード108a-108hのステータスを追跡する追跡するノードでもあり得るので、追跡されるノード106又は108a-108hは、その追跡されるノード106及び108a-108hのステータスを認識しており、そのようなステータス情報は、追跡されるノード106又は108a-108hによって送信される高度なRFアライブビーコン信号に含まれ得る。結果として、追跡されるノード106又は108a-108hによって送信される高度なRFアライブビーコン信号を受信する任意のノードは、それらのノードのステータスを取得することができる。
【0028】
上記の例を続けて、追跡するノード108fは、ノード108eなど、追跡されるノード108hを追跡もする一つ又は複数の他のノード106及び108a-108hから受信する高度なRFアライブビーコンに基づいて、停電検証を行うことができる。追跡する108fは、自身で決定した追跡されるノード108hのステータスと、他のノードから受信する高度なRFアライブビーコンで示される追跡されるノード108hのステータスとを比較して、追跡されるノード108hが確かに停電ステータスにあるかどうかを判定することができる。例えば、追跡するノード108fは、所定数のアライブビーコン間隔で追跡されるノード108hからのRFアライブビーコンの受信に失敗した後、追跡されるノード108hが停電の疑いのあるステータスにあると判定し得る。しかしながら、他のノードから受信する高度なRFアライブビーコンが、追跡されるノード108hのステータスが動作中であることを示している場合、追跡するノード108fは、ノードping処理を開始することなく、追跡されるノード108hのステータスを「動作中」に更新し得る。このようにして、偽陽性の停電表示を減少させることができ、通信を減少させることができる(例えば、ノードpingプロセスに関与する通信が排除される)。
【0029】
停電検証プロセスは、追跡するノード108fが他のノード(例えば、その近隣ノード)に追跡されるノード108hのステータスを要求することによっても実行できる。それらのノードから受信した応答を用いて、追跡されるノード108hが停電の疑いのある状態にあることを確認することができる。停電の検証に関する更なる詳細は、
図6及び
図7に関して以下に提供される。追跡するノード108fが、追跡されるノード108hが停電の疑いのある状態にあることを確認した場合、追跡するノード108fは、ノードpingプロセスを開始し得る。
【0030】
一例では、ノードpingプロセスは、追跡するノード108fが追跡されるノード108hにping(例えば、応答の要求)を送信することを含み得る。ノードpingプロセスは、停電アラームメッセージを送信する前に、追跡されるノード108hが正しく機能していないことを確認するための追加の検出層を提供する。pingは、追跡するノード108fのフルパワー強度(例えば、20dBm~30dBm)で送信され得る。追跡されるノード108hがまだ動作状態である場合、追跡されるノード108hは、追跡されるノード108hの動作ステータスを示すメッセージを、フルパワー強度で、追跡するノード108fに送信し返し得る。そのような例では、ビーコンプロセスは、メッシュネットワーク101の他のノード層に停電アラームメッセージをエスカレートさせることなく、再開し得る。
【0031】
追跡されるノード108hが、代替電源無く、電力を持続的には損失してしまうことなどのために、もはや動作状態でない場合、追跡するノード108fではpingに対する応答が受信されない。追跡するノード108fが応答の検出に失敗する可能性を減らすために、ノードpingプロセスは2回以上繰り返されてもよい。ノードpingプロセスを繰り返すことにより、追跡されるノード108hの偽陽性の停電検出の可能性が大幅に減少し得る。
【0032】
ノードpingプロセスの間に、追跡するノード108fが追跡されるノード108hから応答を受信しない場合、追跡するノード108fは、メッシュネットワーク101のノード層の上に向けて、機能停止アラームメッセージを構築し得る。停電アラームメッセージは、機能していない追跡されるノード108hの識別と、追跡するノード108fが追跡されるノード108hから受信する最新のRFアライブビーコン信号(又は、他の通信が追跡されるノードの停電を検出するためにも使用される場合は、これらの他の通信)のタイムスタンプの表示とを含み得る。一例では、追跡するノード108fは、追跡されるノード108hのための停電警報メッセージを、他の追跡されるノードのための停電警報メッセージと組み合わせ得る。このようなパッケージは、アラームパケットと呼ばれ、次のより上位の高いノードレベルのノードにデータメッセージとして送信され得る。
【0033】
幾つかの例では、ネットワークの層状トポロジを介してアラームパケットを上に送信した後、追跡するノード108fが追跡されるノード108hからRFアライブビーコンを受信した場合、追跡するノード108fは追跡されるノード108hを「復旧」又は「動作状態」とマークし、上述のように追跡されるノード108hのステータスの追跡を継続することができる。一例では、追跡されるノード108hを「復元」としてマークすると、追跡するノード108fは、メッシュネットワーク101の層状トポロジを介してノード復元メッセージを送信し得る。ノード復元メッセージは、復元されたノード108hの識別情報を含み得る。
【0034】
アラームパケット(例えば、一つの追跡するノード又は複数の追跡するノードによって判定される停電ステータスにある複数の追跡されるノード106及び108a-108hの表示を含むデータパケット)が、ノード108eなどの、次のより上位のノードレベルのノード106又は108a-108hで受信される場合、不要な又は繰り返される停電表示の送信を防止するために、フィルタリング及び統合プロセスが発生してもよい。例えば、アラームパケットを受信するノード106又は108a-108hは、アラームパケットを、アラームパケット内でどのノード106及び108a-108hが停電中であると示されているかを示す複数のエンドポイント識別子に解析し得る。エンドポイント識別子は、(例えば、ノード106又は108a-108hが、ノード106及び108a-108hの一つ以上が停電中であることを既に知っている場合)ノード106又は108a-108hによって、繰り返されるアラーム表示について分析される。非繰り返しのアラーム表示は、更なる分析のために保存される。
【0035】
記憶されたアラーム表示は、次に、記憶されたアラーム表示のいずれかが、分析ノード106又は108a-108hがRFアライブビーコン信号を監視しているノード106又は108a-108hの一つから来ているかどうかを、相互に参照する。そうでなければ、分析ノード106又は108a-108hは、アラームパケットをメッシュネットワーク101の次の上位のノード層に転送する。記憶されたアラーム表示の一つ以上が分析ノード106又は108a-108hによって監視されるノードに対応する場合、分析ノード106又は108a-108hは、RFアライブビーコン信号が、メッシュネットワーク101のトポロジ的に下位のノード層のノード106又は108a-108hによって見逃されていないことを確認するために、一つ以上の保存されたアラーム表示に対してRFアライブビーコン信号が受信されたかどうかを判定する。RFアライブビーコン信号が分析ノード106又は108a-108hによって受信されなかった場合、分析ノード106又は108a-108hは、アラームパケットをメッシュネットワーク101の次のトポロジ的に上位の高いノード層に転送し得る。RFアライブビーコン信号が分析ノード106又は108a-108hによって受信された場合、分析ノード106又は108a-108hは、更新されたアラームパケットをメッシュネットワーク101の次のトポロジ的に上位のノード層に送信する前に、RFアライブビーコン信号を提供するノード106又は108a-108hをアラームパケットから削除してもよい。このプロセスは、メッシュネットワーク101の次のトポロジ的に上位のノード層にアラームパケットを送信する前に、アラームパケットから繰り返しのアラーム表示をフィルタリングし、また、アラームパケットから偽陽性の停電表示を除去することを含む。
【0036】
ヘッドエンド102がルートノード106からアラームパケットを受信すると、ヘッドエンド102は、アラームパケットによって示される一つ以上のノード106及び108a-108hが停電状態であることに対処するべく技術者を配備し得る。例えば、アラームパケットによって特定されるノード106及び108a-108hを修理又は交換するために、技術者を配備し得る。更に、ヘッドエンド102は、停電状態にあるノード106及び108a-108hの記録を維持し得る。
【0037】
上記の説明は、追跡されるノードのステータスを判定するためにRFアライブビーコン信号に依存することに焦点を当てているが、追跡されるノードによって送信される他の通信も利用することができることを理解すべきである。例えば、追跡するノードは、「プロミスカスノード」として動作し、追跡されるノードが送信するあらゆるタイプの通信をスニッフィング又はリッスンすることができる。追跡するノードは、追跡されるノードが動作ステータスにあるかどうかを判定する際に、追跡されるノードが送信するRFアライブビーコン信号とその他の通信の両方を考慮する。通信には、データ通信とネットワーク管理通信が含まれる。追跡されるノードが送信するデータ通信又はネットワーク管理通信の送信電力は、追跡されるノードが送信するRFアライブビーコン信号よりも高い場合があるので、追跡するノードがデータ通信又はネットワーク管理通信を受信する確率は、追跡するノードがRFアライブビーコン信号を受信する確率よりも高い場合がある。
【0038】
追跡するノードが追跡されるノードから送信される通信メッセージを検出した場合、追跡するノードは、所定の数のアライブビーコン間隔を超えて追跡されるノードからRFアライブビーコンを受信しなくても、追跡されるノードが動作状態であると判定することができる。幾つかの例では、失われた間隔のカウンタを使用して、追跡されるノードからRFアライブビーコン信号又は通信メッセージが受信されなかった、連続したアライブビーコン間隔の数を追跡することができる。追跡するノードは、複数の追跡されるノードを追跡することができるので、追跡するノードは、各追跡されるノードに対して個別のカウンタを持つことができる。追跡するノードは、追跡するノードが追跡されるノードからのデータ通信若しくはネットワーク管理通信又はRFアライブビーコン信号を検出したときに、追跡されるノードに対する失われた間隔のカウンタをリセットすることができる。RFアライブビーコン信号と他のタイプの通信との両方を考慮することにより、追跡するノードが偽陽性の停電判定を行う可能性と、追跡するノードが不必要なpingを生成する可能性が低減される。
【0039】
メッシュネットワーク101内の追跡するノード106及び108a-108hが、RFアライブビーコン及び通信メッセージの両方に基づいて追跡されるノードの動作ステータスを検出するように構成されている場合、追跡されるノードは、一定の期間、いかなる通信メッセージも送信しない場合にのみ、RFアライブビーコンを送信するように構成することができる。この期間は、一つ以上のアライブビーコン間隔に対応し得る。
【0040】
場合によっては、ノード106及び108a-108hは、二つ以上のメディアアクセス制御(MAC)プロトコルをサポートし、ノード106及び108a-108hは、異なるMACプロトコルを使用して、RFアライブビーコン信号及び通信メッセージを送信するように構成され得る。
【0041】
図2は、複数のMACプロトコルを実装する単一の無線トランシーバデバイスのプロトコルスタックの例を示す図である。プロトコルスタック200は、最下層に、物理インターフェース(PHY)210を含む。PHY210は、ノードのトランシーバデバイスなど、物理的な伝送媒体の仕様を定義することができる。ノード用のプロトコルスタック200の次の層には、少なくとも二つのMAC層220a、220bが含まれる。MAC層220aは、例えば、メッシュネットワーク101のような第1のネットワークのアドレッシングプロトコル及びチャネルアクセスプロトコルを定義し、トランシーバデバイスが通信メッセージを送受信することによって他のノードと通信できるようにする。同様に、MAC層220bは、RFビーコンネットワークと呼ばれる第2のネットワークのアドレッシングプロトコル及びチャネルアクセスプロトコルを定義し、ノードがRFアライブビーコン信号を介して他のノードと通信できるようにする。MAC層220aとMAC層220bとの両方のトラフィックは、単一のIP層230を介してルーティングすることができる。両ネットワークの信号は、UDP240などのトランスポート層を介して通信することができる。
図3に関して以下に詳細に説明するように、二つのMAC層は、同じプロトコルであるが、異なる時点で(例えば、タイムスロットの二つの異なる部分で)動作することができる。また、幾つかの例では、MAC層220b(例えば、RFアライブビーコン用のMAC層)は、上述のビーコン処理スキームを実行するまで、IP層に行かなくてもよい。
【0042】
メッシュネットワーク101は、ネットワーク内でデータ及びネットワーク管理メッセージを通信するために、タイムスロットチャネルホッピング(TSCH)通信プロトコルに従ってよい。ネットワーク内のノードは、現在のTSCHタイムスロットで同期している。単一のトランシーバを使用してRFビーコンネットワーク及びメッシュネットワーク101と通信するために、ノード106又は108a-108hは、TSCHタイムスロットの間にメッシュネットワーク101とRFビーコンネットワークとの間で切り替えることができ、その結果、メッシュネットワーク101及びRFビーコンネットワークとのインターリーブ通信が行われる。したがって、ノード106及び108a-108hは、単一のトランシーバデバイスを介して、(TSCHプロトコルを動作させる)メッシュネットワーク101及び(TSCHプロトコルを使用して動作してもしなくてもよい)RFビーコンネットワークの両方をサポートすることができる。
【0043】
TSCHプロトコルの各タイムスロットは、ミリ秒又は他の適切な時間単位で定義することができる期間「T」の時間継続を有する。また、TSCHプロトコルも、ネットワーク内のデバイス間の通信に複数のチャネル周波数を使用する。ホッピングパターンは、TSCHネットワーク内のノードの各タイムスロット中の通信に使用されるチャネルを定義する。例えば、ホッピングパターンは、チャネル4がタイムスロット1に関連し、チャネル6がタイムスロット2に関連すると判定することができる。ノードは、ホッピングパターンに基づいて、タイムスロット1の間はチャネル4に切り替え、タイムスロット2の間はチャネル6に切り替えるべきだと判定することができる。ホッピングパターンは、ホッピングパターン長Lを有し、ホッピングパターンは、L個のタイムスロットごとに繰り返されてもよい。
【0044】
図3は、タイムスロット300の典型的なTSCHのタイムスロット構造を示す図である。この例では、示されている期間は例示的なものであり、他の実装では他の値を使用することができる(例えば、タイムスロット300は25ミリ秒の期間で示されているが、他のタイムスロットの期間も可能である)。TSCHタイムスロット構造では、ノードは、メッシュネットワーク上の通信のために、タイムスロット300の第1の部分308の間、TSCHホッピングパターンによって決定されるチャネルをリッスンする。
図3に示すように、RFセトリング期間302の後、ノードは、(レシーバ待ち時間304として示す)一定期間、チャネル上の信号をリッスンすることができる。一般的に、レシーバ待ち時間304の期間は、予想される送信時間の期間に依存する。送信時間の期間は、IEEE 802.15.4e TSCH仕様で定義されている場合がある。ノードがレシーバ待ち時間304の満了前にメッセージの開始を受信した場合、ノードはメッセージの残りの部分の受信に進み、受信したメッセージを処理することができる。しかしながら、ノードがレシーバ待ち時間304の満了前にメッセージの開始を受信しない場合、ノードは、現在のタイムスロットの間にメッシュネットワーク上で他のノードからの通信を受信しないと判定し得る。従来のネットワークでは、タイムスロット300の残りの部分は、アイドル又は未使用であり得る。
【0045】
本開示では、タイムスロットの使用された第2の部分は、ノードがそのタイムスロットの第1の部分で通信を受信しないと判定された後、RFアライブビーコン通信に利用することができる。より具体的には、TSCHプロトコルを用いてメッシュネットワーク101上で通信しているノード106又は108a-108hは、TSCHタイムスロットの未使用の時間の部分の間に、別のプロトコルを用いたRFビーコンネットワークに切り替えることができる。このように、
図3に示すように、タイムスロット300の第2の部分において、ノード106及び108a-108hは、第1のネットワークで通信してもよいし、第2のネットワークで通信してもよい。ノード106又は108a-108hが、タイムスロット300の第1の部分308の間に、メッシュネットワーク101上の別のノード106又は108a-108hからメッセージの開始部を受信した場合、ノード106又は108a-108hは、(例えば、タイムスロット300の間に)タイムスロット300の第2の部分310の間、第1のネットワークでメッセージを受信し続けることができる。ノード106又は108a-108hが、タイムスロット300の第1の部分308の満了前にメッシュネットワーク101からメッセージを受信しない場合、ノード106又は108a-108hは、ビーコンネットワークに切り替えて、RFビーコンネットワーク内の別のノード106又は108a-108hからのRFアライブビーコン信号のリッスンを開始してもよい。ノード106又は108a-108hがタイムスロット300の第2の部分で動作し、RFビーコンネットワークから信号を受信した場合、ノード106又は108a-108hは、タイムスロット300の残りの持続時間の間、RFビーコンネットワークからメッセージを受信することができる。このようにして、アイドル時間を削減又は排除することができ、通信がより効率的になる。
【0046】
同様に、ノード106又は108a-108hは、メッシュネットワーク101上でデータ及びネットワーク管理メッセージを送信し、RFビーコンネットワーク上でRFアライブビーコン信号を送信してもよい。幾つかの例では、RFアライブビーコン信号は、データ及びネットワーク管理メッセージがアライブビーコン間隔内に送信されるか否かにかかわらず、定義されたアライブビーコン間隔で送信される。他の例では、特に、追跡するノードが、RFアライブビーコン信号とデータ及びネットワーク管理メッセージの両方に基づいて追跡されるノードの動作ステータスを判定するように構成されている場合、ノード106又は108a-108hは、所与のアライブビーコン間隔の間にメッシュネットワーク101上でデータ又はネットワーク管理メッセージが送信されない場合にのみ、RFアライブビーコン信号をRFビーコンネットワーク上で送信するように構成することができる。
【0047】
例えば、ノード106又は108a-108hが、メッシュネットワーク101上で送信されるべきデータ又はネットワーク管理メッセージを有していない期間に、ノードは、アライブビーコン間隔ごとにRFアライブビーコンを送信することができる。ノード106又は108a-108hがメッシュネットワーク101上で送信すべきデータ又はネットワーク管理メッセージを有する次の期間に、ノードは、必要に応じてこれらのデータ又はネットワーク管理メッセージを送信することができる。ノードは、更に、RFアライブビーコンを送信する必要もあるかどうかを判定することができる。データ又はネットワークメッセージの少なくとも一つが直近のアライブビーコン間隔の間に送信された場合、ノードは、この直近のアライブビーコン間隔のRFアライブビーコンの送信をスキップすることができ、そうでない場合は、ノードはRFアライブビーコンを送信する。このようにして、送信されるRFアライブビーコン信号の数が減少する。
【0048】
更に、又は、代わりに、二つのネットワークに二つの異なるチャネルを使用してもよい。言い換えれば、メッシュネットワーク101は、データ及びネットワーク管理通信のために第1のチャネルで動作し、RFビーコンネットワークは、RFアライブビーコン信号のために異なるチャネルで動作することができる。異なるチャネルが使用される場合、データ及びネットワーク管理通信は、RFアライブビーコン信号用のチャネルホッピングシーケンスとは異なるチャネルホッピングシーケンスを使用することができる。例えば、追跡するノードは、メッシュネットワーク上の通信メッセージを検出するために、第1の周波数で動作することができる。TSCHプロトコルのタイムスロットの第1の部分の間に通信メッセージが検出されない場合、追跡するノードは、その周波数を第1の周波数とは異なるRFビーコンネットワークの周波数に変更することにより、タイムスロットの第2の部分の間にRFビーコンネットワークに切り替える。これにより、RFアライブビーコン信号によるデータ及びネットワーク管理通信への干渉が少なくなるため、RFアライブビーコン信号をより高い電力で送信することができる場合がある。一例では、RFアライブビーコン信号は、通信メッセージの送信に使用される電力強度と実質的に同じ電力強度を使用して送信される。より高い電力のRFアライブビーコン信号を送信することで、RFアライブビーコン信号を受信するノード106及び108a-108hの数を増やしたり、RFアライブビーコン信号の通信範囲内にあるノードがRFアライブビーコン信号を受信する可能性を高めたりすることができる。その結果、偽陽性の停電検出を低減することができる。
【0049】
図4は、一つ又は複数の例に従って、追跡するノードによって判定される追跡されるノードの様々な状態を示す状態遷移
図400を示す。
図4に示されるように、追跡されるノードは、動作状態402、停電の疑いのある状態404、及び停電状態406の、3つの可能な状態のうちの一つであると判定され得る。追跡するノードが、追跡されるノードから送信される信号(RFアライブビーコン信号、データメッセージ、又はネットワーク管理メッセージ)を定期的に検出できる場合、追跡されるノードは、動作状態402にあると判定される。
図1に関して上述したように、追跡するノードが、所定の数のアライブビーコン間隔の間、追跡されるノードからの信号を検出しない場合、追跡するノードは、追跡されるノードが停電に見舞われている可能性が高いと判定し、停電の疑いのある状態404にあると判定してもよい。
【0050】
追跡するノードは、偽陽性の停電検出を減らすために、停電検証を行うことによって、停電の疑いのある状態を検証することができる。停電検証は、例えば、他のノードから送信される高度なRFアライブビーコンに含まれる追跡されるノードのステータス情報に基づいて、又は、追跡されるノードのステータスを積極的に要求することによって実行することができる。停電検証が失敗した場合、すなわち、停電検証プロセスが、追跡されるノードが依然として動作状態であることを示した場合、追跡するノードは、追跡されるノードを動作状態402に戻すようにマークすることができる。このようにして、不要なpingの生成及び送信を低減することができる。停電検証によって、追跡するノードが動作状態でないことが確認された場合(例えば、他のノードからの情報が、追跡されるノードが停電状態又は停電の疑いのある状態にあることを示している場合)、追跡するノードは更にノードpingプロセスを開始して追跡されるノードからの応答を積極的に求めることができる。
【0051】
pingに対する応答が受信されない場合、追跡するノードは、追跡されるノードが停電状態406にあると判定することができる。この時点で、追跡するノードは、次のより高いノードレベルのノードに停電アラームメッセージを送信するように構成することができる。幾つかの実装では、追跡するノードは、ノード停電の偽陽性の検出の可能性を更に低減するべく、追跡されるノードが確かに停電状態406にあることを確認するために、停電アラームメッセージを送信する前に、停電検証を更に実行することができる。停電検証が失敗した場合(すなわち、停電検証が、追跡されるノードが動作状態であることを示す場合)、追跡するノードは、追跡されるノードのステータスを動作状態402に変更し得る。更に、プロミスカスノードはネットワークトラフィックをリッスンしているので、追跡するノードは、メッシュネットワーク101内の他のノードが送信する停電アラームメッセージ又はアラームパケットを検出し得る。追跡するノードが、追跡されるノードを識別する停電アラームメッセージ又はアラームパケットを検出する場合、追跡するノードは、追跡されるノードのために停電アラームメッセージを開始すること、又は、作成するアラームパケットに追跡されるノードを含めることを、控え得る。これにより、ネットワークトラフィックを削減するという更なる利点が得られる。
【0052】
追跡されるノードが停電の疑いのある状態404又は停電状態406にある間に、追跡するノードがRFアライブビーコン信号、データメッセージ又はネットワーク管理メッセージなどの、追跡されるノードから発信される信号を検出した場合、追跡するノードは追跡されるノードの状態を動作状態402に戻すことができる。様々な状態及びこれらの状態間を遷移させる条件は、説明のためのものであり、限定的に解釈されるべきではないことが、理解されるべきである。異なる条件が、これらの状態間の遷移を引き起こす可能性がある。例えば、追跡されるノードは、停電検証によって、追跡されるノードが実際に停電に見舞われていることが示された場合、pingを送信せずに、停電の疑いのある状態404から停電状態406に遷移することができる。追跡されるノードの状態を判定することに関する更なる詳細は、
図5~7に関連して以下に示される。
【0053】
図5は、
図1のネットワーク化されたシステムにおいてエンドポイントの停電を検出するためのプロセス500の一例を示す。一つ又は複数のノード(例えば、ノード106及び108a-108h)は、適切なプログラムコードを実行することによって、
図5に描かれた動作を実装する。説明のために、プロセス500は、図に描かれた特定の例を参照して説明される。しかしながら、他の実装も可能である。
【0054】
ブロック502において、プロセス500は、追跡するノード106又は108a-108hが、追跡するノードが追跡している追跡されるノード106又は108a-108hからの信号をリッスンすることを含む。上述したように、幾つかの例では、追跡するノードは、二つのネットワークで使用される二つのMACプロトコル、すなわち、メッシュネットワーク101で使用されるTSCHプロトコルと、Wi-SUN CSMA-CAなどの、RFビーコンネットワークで使用される別のプロトコルとをサポートするように構成され得る。追跡するノードは、TSCHタイムスロットの第1の部分の間、メッシュネットワーク101のデータ又はネットワーク管理メッセージをリッスンすることができる。タイムスロットの第1の部分の間に通信メッセージが受信されない場合、追跡するノードは、RFビーコンネットワークに切り替えて、RFアライブビーコン信号をリッスンすることができる。
【0055】
ブロック504において、プロセス500は、追跡するノードが現在のアライブビーコン間隔の間に、追跡されるノードから信号を受信するかどうかを判定することを含む。幾つかの例では、追跡するノードは、アライブビーコン間隔の間にRFアライブビーコン信号を受信するかどうかを判定する。他の例では、追跡するノードは、追跡されるノードによって送信される任意のタイプの通信をスニッフィング又はリスニングすることができる。これらの例では、追跡するノードは、RFアライブビーコン信号と、追跡されるノードによって送信される通信メッセージとの両方を考慮して、追跡されるノードが動作しているかどうかを判定することができる。このように、追跡するノードが、アライブビーコン間隔の間に、RFアライブビーコン信号、又は、追跡されるノードによって送信されるデータ若しくはネットワーク管理メッセージの、いずれかを検出した場合、追跡するノードは、追跡されるノードから信号を受信すると判定することができる。
【0056】
少なくとも信号が、追跡されるノードから受信された場合、プロセス500は、ブロック505にて失われた間隔のカウンタをゼロにリセットし、その後ブロック502にて追跡されるノードからの信号をリッスンすることを継続することを含む。現在のアライブビーコン間隔の間に、追跡されるノードから信号が受信されない場合、追跡するノードは、ブロック506で失われた信号のカウンタを一つ増加させる。ブロック508で、追跡するノードは、失われた間隔のカウンタが失われた間隔の閾値よりも高いかどうかを判定する。そうでない場合、追跡するノードは、ブロック502で、追跡されるノードからの信号をリッスンすることを継続する。
【0057】
失われた間隔のカウンタが閾値よりも高い場合、追跡するノードは、追跡されるノードが停電の疑いのある状態にあると判定し得る。ブロック510において、プロセス500は、追跡されるノードが実際に動作していないことを確認するために、停電検証を実行し、停電検証に基づいて、追跡されるノードのステータスを更新することを含む。停電検証は、別のノードによって送信される高度なRFアライブビーコン信号に含まれる追跡されるノードのステータス、又は追跡するノードによって送信される追跡されるノードのステータスの要求に対する応答など、他のノードから得られる追加の情報に基づいて実行することができる。停電検証の二つの例を、
図6及び
図7に関して以下に説明する。追跡するノードは、
図6及び
図7に示す停電検証方法の、いずれか一方又は両方を用いて停電検証を実行し得る。
【0058】
ブロック512において、プロセス500は、追跡されるノードが停電の疑いのある状態にあると判定されるかどうかを判定することを含む。この判定は、停電検証の結果に基づいて行うことができる。停電検証が失敗した場合、つまり追跡されるノードがまだ動作状態であることを意味する場合、プロセス500は、ブロック505にて失われた間隔のカウンタをリセットし、ブロック502にて追跡されるノードからの信号をリッスンすることを継続することを含む。停電検証が、追跡されるノードが停電の疑いのある状態にあることを確認した場合、プロセス500は、ブロック514において、追跡されるノードにpingを送信することにより、ノードpingプロセスを開始することを含む。pingは、追跡されるノードからの応答を要求する信号であってもよく、pingは、追跡するノードのフルパワー強度を用いて送信されてもよい。一例では、フルパワー強度は、20dBmから30dBmの間であってよいが、他の信号強度も企図される。pingのフルパワー強度は、追跡されるノードがpingを受信するはるかに良い機会を有することを確実にするために、RFアライブビーコン信号の強度よりも著しく大きくてもよい。
【0059】
ブロック516において、プロセス500は、応答期間内に、追跡されるノードからping応答が、追跡するノードによって受信されるかどうかを判定することを含む。応答期間は、数十ミリ秒から数秒までの範囲で設定することができる。ping応答が追跡するノードによって受信された場合、ブロック505にて失われた間隔のカウンタがリセットされる。失われた間隔のカウンタをリセットする際、追跡されるノードは動作状態にあると識別され、追跡するノードは追跡されるノードからの信号をリッスンすることを継続する。ping応答が追跡されるノードから追跡するノードによって受信されない場合、プロセス500は、ブロック510で実行された停電検証と同様の、ブロック518での別の停電検証を含み得る。停電検証により、追跡されるノードが実際に停電状態にあることが確認された場合、追跡するノードは、ブロック522にて、追跡されるノードの停電ステータスを示す停電アラームメッセージを、次のより上位のノードレベルのノードに送信することができる。停電検証が、追跡されるノードがまだ動作状態であることを示す場合、プロセス500は、ブロック505にて失われた間隔のカウンタをリセットすることを含み、追跡するノードはブロック502にて追跡されるノードからの信号をリッスンすることを継続する。
【0060】
図5に関して上述したプロセス500は、説明のためのものであり、限定的に解釈されるべきではないことを理解すべきである。プロセス500のブロックは、
図5に示すものとは異なる順序で実行することができる。更に、プロセス500は、
図5に示されるものよりも、より多くの又は少ないブロックを、含み得る。例えば、ブロック510での停電検証、ブロック518での停電検証、又はその両方を、プロセス500から省略することができる。別の例では、停電アラームメッセージを送信する前に、追跡されるノードの停電ステータスが別のノードによって送信されたアラームメッセージで報告されたかどうかを判定する追加のブロックを、プロセス500に追加することができる。そうであれば、追跡するノードは、停電アラームメッセージの送信を控えることができ、それによって、ネットワークトラフィックは低減され得る。
【0061】
上述したように、ノードは複数の追跡するノードによって追跡され得る。このように、これらの複数の追跡するノードは、追跡されるノードのステータスを判定する際に、互いに協力することができる(例えば、互いにデータを交換する)。これにより、追跡されるノードのステータス判定の精度を高め、検出の誤検出率を低減することができる。この処理は、
図5のブロック510及び518における、上述した停電検証処理を含む。
図6及び
図7は、それぞれ、停電検証処理の一例を示している。
【0062】
特に、
図6は、追跡されるノードの、他の追跡するノードによって送信される高度なRFアライブビーコン信号に基づいて、追跡されるノードの停電ステータスを検証するプロセス600の例を示す。ブロック602において、プロセス600は、追跡されるノードの別の追跡するノードから高度なRFアライブビーコン信号を受信することを含む。この例では、メッシュネットワーク101のノードは、RFアライブビーコン信号、即ち、高度なRFアライブビーコン信号に追加の情報を含めるように構成される。RFアライブビーコン信号を送信しているノードの識別に加えて、高度なRFアライブビーコン信号は、追跡しているノードに関する情報を更に含むことができる。追跡されるノードに関する情報は、追跡されるノードを特定する情報と、各追跡されるノードのステータスとを含むことができる。追跡されるノードを特定する情報及びステータス情報に加えて、高度なRFアライブビーコン信号は、各追跡されるノードから受信する最も最近に受信したRFアライブビーコン信号又は他の通信の、タイムスタンプを含むこともできる。情報は、すべての追跡されるノードを含んでもよいし、特定のステータスを有する追跡されるノードのみを、例えば、送信ノードが停電の疑いのある状態又は停電状態にあると判定したノードのみを、含んでもよい。幾つかの実装では、メッシュネットワーク101内のノード106及び108a-108hは全て、高度なRFアライブビーコン信号を送信するように構成される。
【0063】
ブロック604において、プロセス600は、追跡されるノードのステータスを判定するために、高度なRFアライブビーコン信号を解析することを含む。ブロック606において、プロセス600は、追跡されるノードが動作状態であることを高度なRFアライブビーコン信号が示しているかどうかを判定することを含む。そうであれば、プロセス600は、ブロック608において、追跡されるノードを動作状態として更新することを含む。例えば、追跡されるノードのステータスは、高度なRFアライブビーコンのタイムスタンプを、追跡されるノードから追跡するノードが受信する最新の信号のタイムスタンプと比較することによって、更新することができる。高度なRFアライブビーコンのタイムスタンプが、追跡されるノードから追跡するノードが受信する最新の信号のタイムスタンプよりも遅く、かつ、追跡されるノードが現在の時間間隔の間に信号を送信したことを示している場合、追跡されるノードは動作状態にあると判定され得る。別の例では、高度なRFアライブビーコンが、追跡されるノードが動作状態であることを示している場合、追跡されるノードは動作状態であるとマークすることができる。
【0064】
高度なRFアライブビーコン信号が、追跡されるノードが動作状態でないことを示している場合、プロセス600は、ブロック610において、追跡されるノードを、追跡するノードによって判定されたステータスに応じて、停電の疑いのある状態又は停電状態にあるものとしてマークすることを含む。例えば、追跡されるノードのステータスが停電の疑いがあるものと判定されるときに(例えば、追跡するノードが、閾値以上の失われた間隔で、追跡されるノードからの信号の受信に失敗した後であり、且つ、追跡されるノードにpingを送信する前にて)、追跡するノードが、停電検証を起動した場合、追跡するノードは、高度なRFアライブビーコンも追跡されるノードが停電の疑いのある状態又は停電状態にあることを示しているならば、追跡されるノードが停電の疑いのある状態にあると判定し得る。幾つかの実装では、高度なRFアライブビーコンが、追跡されるノードが停電状態にあることを示している場合、追跡するノードは、追跡されるノードが停電の疑いのある状態にあると判定するとしても、追跡されるノードが停電状態にあると判定することもできる。これにより、エンドポイントへのping処理を省略することができる。
【0065】
同様に、追跡されるノードのステータスが停電状態にあると判定されたときに(例えば、追跡するノードがpingに対する応答を受信できなかった後に)、追跡するノードが停電検証を起動した場合、追跡するノードは、追跡されるノードが停電の疑いのある状態又は停電状態にあることを高度なRFアライブビーコンが示している場合に、追跡されるノードが停電状態にあると判定し得る。追跡するノードは、他の追跡するノードによって停電が報告されている場合、停電アラームメッセージの生成及び送信を控えるなど、自身のRFアライブビーコン信号、停電アラームメッセージ、又はアラームパケットをどのように準備するかを判定するために、高度なRFアライブビーコン信号における追跡されるノードに関する追加の情報を更に使用してもよいことを、更に理解されたい。
【0066】
図7は、追跡されるノードの、他の追跡するノードと通信することによって、追跡されるノードの停電ステータスを検証するためのプロセス700の一例を示す。ブロック702において、プロセス700は、追跡するノードが、停電の判定を検証するために追跡されるノードに関する情報を取得する要求を、追跡されるノードの、他の追跡するノードに送信することを含む。一つの実装では、追跡するノードは、同じ追跡されるノードを追跡している他のノードに関する情報を維持し、それらのノードに要求を送信する。代替的に、又は、追加的に、追跡するノードは、その近隣ノードに要求を送信してもよい。同じ追跡されるノードを追跡している近隣のノードが、要求に応答してもよい。ノードは、本明細書に記載の任意の方法を用いて、例えば、RFアライブビーコン信号、データメッセージ、ネットワーク管理メッセージ、又はそれらの任意の組み合わせを介して、要求を送信してもよい。要求は、ユニキャスト又はブロードキャスト通信であってもよく、場合によっては、低減された電力レベルで送信される。要求は、他のタイプの通信に使用される同じネットワークプロトコルを使用してもよいし、ローカルプロトコルを使用してもよい。
【0067】
ブロック704において、プロセス700は、追跡するノードから応答を受信することを含む。応答は、夫々の追跡するノードによって判定される追跡されるノードに関する情報を含む。ブロック706において、プロセス700は、応答内の追跡されるノードのステータスが、追跡するノードによる停電の判定と一致するかどうかを判定することを含む。そうであれば、プロセス700は、ブロック708において、追跡するノード自身によって判定される追跡されるノードのステータスに応じて、停電状態又は停電の疑いのある状態として、追跡されるノードをマークすることを含む。応答における追跡されるノードのステータスが、追跡するノードによる停電の判定と一致しない場合、追跡するノードは、ブロック710において、停電を報告する前に追加の時間を待つ(例えば、追跡されるノードを動作状態とマークするが、失われた間隔のカウンタをゼロでない値に割り当てる)か、又は、(例えば、追跡されるノードを停電の疑いのある状態とマークすることにより)追跡されるノードに別のpingを送信するなどの更なる行動を採るか、を行うことができる。このように追跡されるノードの停電を検証することにより、ローカルトラフィックが増加しても、グローバルネットワークトラフィック(例えば、停電アラームメッセージ)を減少させることができる。
【0068】
例示的なノード
【0069】
図8は、メッシュネットワーク101のノード106又は108のコンポーネントのブロック図の一例である。コンピューティングシステム800のコンポーネントの一部又は全部は、
図1のノード106又は108a-108hのうちの一つ又は複数に属することができる。ノード800は、ローカル又はシリアル接続830を介して接続される通信モジュール816及び計測モジュール818を含む。通信モジュール816の機能は、メッシュネットワーク101又はRFビーコンネットワーク内の他のノードとの間で、(高度なRFアライブビーコンを含む)RFアライブビーコン、データ及びネットワーク通信メッセージ、停電アラームメッセージ、並びに、他のデータなどの、様々な信号を送受信することを含む。
【0070】
通信モジュール816は、アンテナや無線機などの通信デバイス812を含み得る。あるいは、通信デバイス812は、無線又は有線の通信を可能にする任意のデバイスであってもよい。通信デバイス812は、メッシュネットワーク101の他のノードからRF通信を送受信できる、RFトランシーバなどの、トランシーバデバイスを含み得る。幾つかの構成では、トランシーバデバイスは、メッシュネットワーク101及びRFビーコンネットワークと、夫々二つのアンテナを介して、又は単一のアンテナを介して、通信するために、少なくとも二つのMACインターフェースを実装することができる。また、通信モジュール816は、プロセッサ813と、メモリ814とを含み得る。プロセッサ813は、
図1~7に関して上述した一つ又は複数の動作など、通信モジュール816によって実行される機能を制御する。メモリ814は、プロセッサ813がその機能を実行するために使用するデータを格納するように利用され得る。
【0071】
計測モジュール818の機能は、リソースを管理するために必要な機能、特に、リソースへのアクセスを許可し、使用されたリソースを計測するために必要な機能を含む。計測モジュール818は、プロセッサ821、メモリ822、及び、測定回路823を含み得る。測定回路823は、リソースの測定を処理し、センサデータを収集するためのセンサとして使用され得る。計測モジュール818のプロセッサ821は、計測モジュール818が行う機能を制御する。メモリ822は、プロセッサ821がその機能を実行するために必要なデータを格納する。通信モジュール816と計測モジュール818とは、ローカル接続830を介して互いに通信し、他のモジュールが必要とするデータを提供する。通信モジュール816及び計測モジュール818の両方は、メモリ又は別のタイプのコンピュータ可読媒体に格納されるコンピュータ実行可能な命令を含み得、モジュール内の一つ又は複数のプロセッサは、本明細書に記載の機能を提供するための命令を実行し得る。
【0072】
一般的な考慮事項
【0073】
本発明の主旨の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細を本明細書に記載する。しかしながら、当業者は、本発明の主旨がこれらの具体的な詳細無しに実施され得ることを理解するであろう。他の例では、当業者に知られているであろう方法、装置、又はシステムは、発明の主旨を不明瞭にしないように、詳細には記載していない。
【0074】
本明細書で説明する特徴は、特定のハードウェアアーキテクチャ又は構成に限定されない。コンピューティングデバイスは、一つ又は複数のインプットを条件とする結果を提供するコンポーネントの任意の適切な配置を含み得る。適切なコンピューティングデバイスには、コンピューティングシステムを汎用コンピューティング装置から本発明に係る一つ又は複数の態様を実装する特殊なコンピューティング装置へとプログラムする、又は構成する、格納されたソフトウェア(すなわち、コンピュータシステムのメモリ上に格納されたコンピュータ可読命令)にアクセスする多目的マイクロプロセッサベースのコンピュータシステムが含まれる。本明細書に含まれる教示を、コンピューティングデバイスのプログラミング又は構成に使用するソフトウェアに実装するために、任意の適切なプログラミング、スクリプト、又は、他のタイプの言語若しくは言語の組み合わせを、使用し得る。
【0075】
本明細書に開示の法の態様は、そのようなコンピューティングデバイスの動作において実行され得る。上記の例で提示されるブロックの順序は変化させることができ、例えば、ブロックを再順序付けしたり、組み合わせたり、及び/又は、サブブロックに分割したりすることができる。特定のブロック又はプロセスは、並行して実行することができる。
【0076】
本明細書での「~に適応した」又は「~ように構成された」の使用は、追加のタスク又はステップを実行するように適応した又は構成されたデバイスを排除しない、オープンで包括的な言語として意図されている。更に、「~に基づいて」の使用は、一つ又は複数の記載される条件又は値「に基づく」プロセス、ステップ、計算、又は他のアクションが、実際には、記載されたものを超える追加の条件又は値に基づいていてもよいという点で、オープンで包括的であることを意味している。本明細書に含まれる見出し、リスト、及びナンバリングは、説明を容易にするためだけのものであり、限定することを意味するものではない。
【0077】
本発明の主旨を、その特定の態様に関して詳細に説明してきたが、当業者は、前述の理解を得た上で、そのような態様に対する変更、変形、及び等価物を容易に作り出すことができることが理解されるであろう。したがって、本開示は、限定ではなく例示を目的として提示されており、当業者に容易に明らかになるような、本発明の主旨の変更、変形、及び/又は追加を含めることを排除するものではないことを理解されたい。