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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】バッテリ管理システム
(51)【国際特許分類】
   B60L 58/24 20190101AFI20240215BHJP
   B60L 1/00 20060101ALI20240215BHJP
   B60L 50/61 20190101ALI20240215BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240215BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240215BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20240215BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240215BHJP
   H01M 10/633 20140101ALI20240215BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20240215BHJP
【FI】
B60L58/24
B60L1/00 L
B60L50/61
H01M10/48 301
H01M10/613
H01M10/615
H01M10/625
H01M10/633
H01M10/6563
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022020611
(22)【出願日】2022-02-14
(65)【公開番号】P2022127599
(43)【公開日】2022-08-31
【審査請求日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】63/151,352
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/513,181
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519447732
【氏名又は名称】トランスポーテーション アイピー ホールディングス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バーケル,ネイル
(72)【発明者】
【氏名】クマール,アジス クッタンナイル
(72)【発明者】
【氏名】プレスマン,ジェイコブ
【審査官】冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-075282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 58/24
B60L 1/00
B60L 50/61
H01M 10/48
H01M 10/613
H01M 10/615
H01M 10/633
H01M 10/625
H01M 10/6563
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
バッテリアセンブリを熱的に調整するための調整時間または調整場所を決定する工程であって、
(a)前記バッテリアセンブリが1つ以上の負荷に電力を供給するためにエネルギーを放出するように判定された近づきつつある時間に到達する、または
(b)前記バッテリアセンブリが1つ以上の負荷に電力を供給するためにエネルギーを放出するように判定された近付きつつある場所到着する、
前に、前記バッテリアセンブリを熱的に調整するための前記調整時間または前記調整場所を決定する工程と、
前記調整時間または前記調整場所において前記バッテリアセンブリ的に調整するために使用される第1の電力の供給源を選択する工程であって、当該第1の電力の供給源は、前記調整時間または前記調整場所で前記バッテリアセンブリの温度を変更するための複数の異なる電力の供給源のそれぞれの可用性に少なくとも部分的に基づいて、当該複数の異なる電力の供給源の中から選択される、工程と、
前記第1の電力の供給源からの電力を使用して、前記調整時間または前記調整場所において前記バッテリアセンブリを熱的に調整する工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
方法であって、
(a)近づきつつある時間、または(b)車両が行くか、もしくは通過する近づきつつある場所のうちの1つ以上における予測される周囲温度を判定する工程であって、前記車両が当該車両に搭載されたバッテリアセンブリによって少なくとも部分的に電力供給される1つ以上の負荷を有する、工程と、
前記近づきつつある時間または前記近づきつつある場所のうちの前記1つ以上のそれぞれにおける前記車両の前記バッテリアセンブリのデューティサイクルを判定する工程と、
前記バッテリアセンブリを熱的に調整するために、前記車両に搭載された加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給するための、複数の異なる電力の供給源の経時的なそれぞれの可用性を判定する工程と、
前記予測される周囲温度、前記バッテリアセンブリの前記デューティサイクル、及び複数の異なる電力の供給源のそれぞれの可用性に基づいて、前記バッテリアセンブリの温度事前調整計画を判定する工程と、を含み、
前記温度事前調整計画が、
前記近づきつつある時間もしくは前記近づきつつある場所のうちの前記1つ以上の前に、前記バッテリアセンブリが加熱もしくは冷却される第1および第2の調整時間、
前記近づきつつある時間もしくは前記近づきつつある場所のうちの前記1つ以上の前に前記バッテリアセンブリが加熱もしくは冷却される第1および第2の調整場所、
を含み、
前記温度事前調整計画が、前記バッテリアセンブリの温度を変化させるための前記複数の異なる電力の供給源のそれぞれの可用性に基づいて、前記第1の調整時間および/または前記第1の調整場所で前記バッテリアセンブリの温度を変化させるために前記複数の異なる電力の供給源のうちの非搭載充電源を選択する指示と、前記第2の調整時間および/または前記第2の調整位置で前記バッテリアセンブリの温度を変化させるために前記複数の異なる電力の供給源のうちの搭載電力源を選択する指示とを含む、
方法。
【請求項3】
前記温度事前調整計画は、
前記車両が、前記近づきつつある場所のうち、前記車両の現在位置の第2の周囲温度と比較して高い第1の周囲温度を有する第1の近づきつつある場所に到着する前に前記バッテリアセンブリを予め冷却することと、
前記車両が、前記車両の前記現在位置の前記第2の周囲温度と比較して低い第3の周囲温度を有する第2の近づきつつある場所に到着する前に前記バッテリアセンブリを予め加熱することとを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記非搭載充電源は充電ステーションであり、当該充電ステーションは、
(i)前記充電ステーションから得られるエネルギーを使用して前記バッテリアセンブリを加熱または冷却することに関連する時間的な走行遅延が閾値遅延未満であるとの判定、
および/または
(ii)前記充電ステーションからエネルギーを取得するための財務費用が閾値費用を下回るとの判定、
に応答して前記温度事前調整計画に含まれる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記非搭載充電源は充電ステーションであり、前記温度事前調整計画は、前記充電ステーションからのエネルギーが前記加熱および/または冷却アセンブリに導かれ、前記充電ステーションが前記バッテリアセンブリを充電する前に前記バッテリアセンブリを熱的に調整することを指示する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記搭載電力源が、前記バッテリアセンブリを加熱するために使用されるエンジンまたは燃料セルのうちの1つ以上である、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記温度事前調整計画は、前記バッテリアセンブリの加熱を回避するために、前記バッテリアセンブリ内のバッテリセルの異なるストリング間の受動的なバランシングの停止を指示する、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記非搭載充電源である充電ステーションから電力を得る財務費用が閾値費用以下であることに少なくとも部分的に基づいて、前記バッテリアセンブリの温度を変更するための第1の電源として前記充電ステーションを選択する工程をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記非搭載充電源である充電ステーションから得られるエネルギーを使用して、優先的に、または前記充電ステーションが前記バッテリアセンブリを充電する前に、前記バッテリアセンブリを熱的に調整することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記車両に搭載されたエンジンの動作から取得されたエネルギーを使用して、前記バッテリアセンブリを熱的に管理する工程をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記車両に搭載されているエンジンまたは燃料セルによって生成された熱を使用して、前記バッテリアセンブリを加熱する工程をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記車両に搭載された冷却回路を使用して、前記バッテリアセンブリを冷却する工程をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記温度事前調整計画が、受動的なバランシングの停止を指示して、前記バッテリアセンブリ熱を回避する、請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記温度事前調整計画が、前記バッテリアセンブリ内のバッテリセルの第1のストリングが前記バッテリアセンブリ内の前記バッテリセルの第2のストリングよりも冷却されるように指示し、前記第2のストリングが前記第1のストリングより前に前記車両に電力を供給するために使用されるように指示する、請求項に記載の方法。
【請求項15】
前記温度事前調整計画が、前記バッテリアセンブリ内のバッテリセルの1つ以上の第1のストリングが、前記バッテリアセンブリに電力を供給して加熱または冷却するために使用されるように指示し、一方で、前記バッテリセルの1つ以上の第2のストリングが、前記バッテリアセンブリの加熱または冷却に電力を供給するために使用されないように指示する、請求項に記載の方法。
【請求項16】
前記温度事前調整計画が、前記バッテリセルの使用、前記バッテリセルの化学的性質、または前記バッテリセルの場所のうちの1つ以上に基づいて、前記バッテリアセンブリ内のバッテリセルの1つ以上の第1のストリングが、加熱または冷却されるように指示し、一方で、前記バッテリアセンブリ内の前記バッテリセルの1つ以上の第2のストリングが、加熱または冷却されないように指示する、請求項に記載の方法。
【請求項17】
前記1つ以上の負荷が、前記バッテリアセンブリによって電力供給される推進システムを含み、前記車両を推進する、請求項に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ以上の負荷が、前記バッテリアセンブリによって電力供給される補助負荷を含み、前記車両の推進とは異なる作業を実行する、請求項に記載の方法。
【請求項19】
前記デューティサイクルおよび前記温度事前調整計画が、前記車両の移動のため前記バッテリアセンブリに対して決定される、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国仮出願第63/151,352号(2021年2月19日に出願)の優先権を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書に記載される主題は、バッテリなどのエネルギー貯蔵装置の動作を制御するシステムに関する。
【0003】
技術の検討
様々な電力被供給システムは、エネルギー貯蔵装置から受け取られた電流によって電力供給され得る。例えば、車両に搭載されたバッテリによって、車両は電力供給され、ルートに沿って移動し、補助負荷に電力供給などすることができる。エネルギー貯蔵装置は、経時的に劣化し、装置が貯蔵することができるエネルギーの量は、経時的に減少し得る。例えば、より多い頻度で充電および放電されるバッテリ、増加されたデューティサイクルを有するバッテリ(例えば、負荷に電力を供給するためにより多く使用される)、極端な温度(例えば、高温または低温)にさらされるバッテリなどは、より短い耐用寿命を有する場合があり、かつ/あるいはより少ない頻度で充電または放電される他のバッテリ、減少されたデューティサイクルを有するバッテリ、極端な温度にさらされないバッテリなどよりも少ないエネルギーを貯蔵する場合がある。
【0004】
貯蔵温度、動作温度、より高いCレート(例えば、バッテリの放電率)、より大きなデューティサイクルカウントなどのようないくつかの要因は、バッテリの老化の加速に寄与し得る。車両などのいくつかの電力被供給システムは、走行力、補助機器、およびバッテリ自体の管理などのための主要な電力の供給源としてバッテリを使用し得る。バッテリは、充電および放電中に昇温し得るので、環境条件に基づいて温度変動が見られ得る。したがって、システムは、バッテリの熱管理のためにバッテリエネルギーを使用してもよい(例えば、より熱いバッテリを冷却し、より冷たいバッテリを加熱する)。現在利用可能なシステムおよび方法とは異なるシステムおよび方法を有することが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0005】
一例では、方法は、バッテリアセンブリを、判定された近づきつつある時間または近づきつつある場所へのバッテリアセンブリの到着の前に、熱的に調整することと、バッテリアセンブリの熱調整に使用される電力の供給源を選択することと、を含む。
【0006】
一例では、システムは、バッテリアセンブリの温度を熱的に調整し得る1つ以上のプロセッサを有するコントローラを含む。コントローラはまた、バッテリアセンブリ温度を調整するために使用される電力の供給源、熱調整が発生する時間、または電力の供給源と熱調整の時間との両方を選択してもよい。
【0007】
1つの例では、方法は、(a)近づきつつある時間、および/または(b)車両が行くか、もしくは通過する近づきつつある場所のうちの1つ以上で予測される周囲温度を判定することを含む。車両は、車両に搭載されたバッテリアセンブリによって少なくとも部分的に電力供給される1つ以上の負荷を有する。この方法はまた、近づきつつある時間または近づきつつある場所のうちの1つ以上にて車両についてバッテリアセンブリのデューティサイクルを判定することと、予測される周囲温度に基づいて、およびバッテリアセンブリのデューティサイクルに基づいて、バッテリアセンブリについての温度事前調整計画を判定することとを含む。温度事前調整計画は、近づきつつある時間もしくは近づきつつある場所のうちの1つ以上の前に、バッテリアセンブリ加熱もしくは冷却される調整時間、1つ以上の近づきつつある場所の前にバッテリアセンブリが加熱もしくは冷却される調整場所、バッテリアセンブリに貯蔵された電気エネルギーの量であって、バッテリアセンブリを加熱もしくは冷却するために使用され、1つ以上の負荷に電力を供給するために利用可能でない電気エネルギーの量、バッテリアセンブリを充電するための非搭載充電源の第1の可用性、および/またはバッテリアセンブリを充電するための電力を供給するための、搭載供給源の第2の可用性、のうちの1つ以上を含む。
【0008】
1つの例では、システムは、1つ以上のプロセッサを含み、車両が行くか、または通過する1つ以上の近づきつつある場所における予測される周囲温度を判定し得る。車両は、車両に搭載されたバッテリアセンブリによって少なくとも部分的に電力供給される推進システムを有する。1つ以上のプロセッサはまた、車両の1つ以上の近づきつつある場所への、またはそれを通過するためのバッテリアセンブリのデューティサイクルを判定してもよく、予測される周囲温度に基づいて、およびバッテリアセンブリのデューティサイクルに基づいて、バッテリアセンブリの温度事前調整計画を判定してもよい。温度事前調整計画は、(a)バッテリアセンブリが1つ以上の近づきつつある場所の前方で加熱もしくは冷却される調整時間、および/または(b)バッテリアセンブリが1つ以上の近づきつつある場所の前方で加熱もしくは冷却される調整場所のうちの1つ以上を含む。
【0009】
一例では、方法は、車両に搭載されたバッテリアセンブリによって少なくとも部分的に電力供給される推進システムを有する車両のために近づきつつある予測される周囲温度を判定することと、予測される周囲温度に基づいてバッテリアセンブリのための温度事前調整計画を判定することとを含む。温度事前調整計画は、バッテリアセンブリの加熱および/または冷却を指示し、加熱または冷却されていないバッテリアセンブリと比較して、所望の温度範囲外のバッテリアセンブリの測定温度の逸脱を低減する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の主題は、添付の図面を参照して、非限定的な実施形態の以下の説明を読むことから理解され得る。
【0011】
図1】バッテリ監視システムの一例を示す図である。
図2】バッテリアセンブリの温度調整を監視および/または制御するための方法の一例のフローチャートである。
図3】交通ネットワークの一例を示す図である。
図4】温度事前調整計画に従ってバッテリアセンブリを加熱または冷却することのない、バッテリアセンブリの温度の一例を示す図である。
図5】温度事前調整計画に従ってバッテリアセンブリを加熱または冷却することを伴う、バッテリアセンブリの温度の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に記載の本発明の主題の1つ以上の実施形態は、エネルギー貯蔵装置(例えば、バッテリまたはバッテリアセンブリであり、これらの用語は、本明細書で互換的に使用される)の温度を制御するバッテリ管理システムおよび方法を含む。これは、いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵装置の寿命を増加させるために実行され得る。本明細書に記載されるシステムおよび方法は、バッテリの予想される温度を計算、予測、またはそうでなければ、判定し得る。これは、将来の期間中にバッテリが曝露され得る予想されるまたは予測される周囲温度を参照して実行され得る。いくつかの実施形態におけるシステムおよび方法は、将来の期間にわたってバッテリのデューティサイクルを計算し、予測し、そうでなければ、判定し得る。システムおよび方法は、例えば、予測される周囲温度および予想されるデューティサイクルを参照して、バッテリの温度事前調整プロセスを計画および実装することができる。続いて、事前調整は、その将来の期間中にバッテリを所望の温度範囲内に維持するために必要なバッテリ電力の量を減少させる。
【0013】
いくつかの実施形態では、システムおよび方法は、周囲温度の予想される挙動を判定することができ、他のアプリケーションのセンサ間で知識を共有し得て、予想される挙動を適応または修正する。予想される周囲機能は、時間(例えば、季節などの1年のうちの時間、1日のうちの時間など)、過去数年間における周囲の挙動の以前の履歴、およびデータベースからの外部入力(例えば、気象通報サービス)を考慮することができる。一実施形態では、バッテリは、車両内にある。車両は移動可能であり、したがって、予想される周囲温度は、将来の予想される場所および車両がそこにあると予想される時間でのその場所での予測される周囲温度に部分的に基づいてもよい。また、周囲温度はここでおよび全体を通して考察されるが、他の周囲条件(気圧、風速、湿度など)が取得され得、システムの判定に貢献するために使用され得ることが予想される。
【0014】
システムおよび方法は、デューティサイクルの以前の知識に基づいてバッテリのデューティサイクルを判定することができ、他のバッテリと車両の移動を判定または計画するシステム(例えば、エネルギー管理システム)との間で知識を共有して、車両の効率を向上する(例えば、燃料消費および/またはバッテリ使用量を削減する)。システムおよび方法は、周囲およびデューティサイクル予測を使用して、バッテリを所望の動作温度範囲内に維持するために使用されるバッテリエネルギーを低減するようにバッテリを調整することができる。バッテリを調整するための電力の供給源には、沿道の充電ステーション、車載電力システム(例えば、原動機エンジン、eターボ、または補助発電機)、他の供給源(吊架線、サードレールなど)、発電制動、およびバッテリ自体からのエネルギー伝達が含まれる。一実施形態では、供給源は、電気的ではなく熱エネルギーを提供して、調整プロセスを置き換えまたは補完し得る。熱供給源は、例えば、燃料セルまたはエンジンの排気流であってもよい。
【0015】
一例として、車両は、冷えたガレージ(周囲温度が12℃である)に一晩駐車されてもよい。車両は、午前中にガレージを出発し、氷点下の気候(周囲温度が-18℃以下であることが予想される)を通って走行し、1時間以内に山頂に至るようにスケジュールされ得る。次いで、車両は、周囲温度が38℃と予想される、より低い標高に降りる前に、寒い天気で4時間走行することがスケジュールされる。バッテリアセンブリの所望の温度範囲は、約21℃~約26℃の範囲であり得る。事前調整計画は、バッテリアセンブリが、ガレージから出発する15分前に29℃まで加熱されるように、この情報に基づいて作成され得る。この計画は、車両および/または車両の負荷に電力を供給する後の使用のために、バッテリアセンブリ内の貯蔵されたエネルギーを節約するために、ユーティリティグリッドからの電力を使用して加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給することによって、バッテリアセンブリが加熱されることを規定し得る。ガレージを出るとすぐに、周囲温度が下がる。この事前加熱は、望ましくは山の上を走行するときにバッテリアセンブリを所望の温度範囲内に長く維持するのに役立ち得る。車両が山を下る移動の部分では、計画は、発電制動から取得されたエネルギーを使用してバッテリアセンブリを25℃まで加熱するように指示し得る(例えば、加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給するために)。この計画は、バッテリアセンブリを冷却する(またはバッテリアセンブリと熱結合されたヒートシンクを冷却する)ために使用される最後の発電制動イベント(および/または他のエネルギー)を判定された温度に導くことができる。好適な例示の温度は、21℃未満であり得る。調整は、車両が登坂してより高い温度を経験する前に、より低い標高で行われてもよい。
【0016】
図1は、バッテリ監視システム100の一例を図示する。監視システムは、電力被供給システム102内に部分的にまたは完全に含まれ得る。例えば、監視システムの構成要素のうちのいくつかは、電力被供給システムに含まれてもよく、1つ以上の構成要素は、電力被供給システムの外側にあってもよい。代替的に、監視システムのすべての構成要素が、電力被供給システムに含まれてもよい。電力被供給システムは、図示された実施形態では車両である。例えば、電力被供給システムは、鉄道車両(例えば、機関車)、自動車、トラック、バス、農業車両、鉱業車両などであり得る。代替的に、電力被供給システムは、静止システムであってもよい。電力被供給システムは、バッテリセルなどの1つ以上のエネルギー貯蔵装置を含むバッテリアセンブリ104を含む。バッテリアセンブリは、電力被供給システムの1つ以上の負荷に電力を供給するために使用される電気エネルギーを貯蔵することができる。例えば、バッテリアセンブリは、電位および/または電流を出力することができ、推進システム106および/または1つ以上の補助負荷108に電力を供給する。
【0017】
推進システムは、1つ以上のモータなど、電力被供給システムを推進するために電力が供給される1つ以上の構成要素を表すことができる。任意選択的に、推進システムは、電力被供給システムの電力負荷(例えば、モータ)に電気エネルギーを別々に提供するように動作するエンジンおよび/またはオルタネータもしくは発電機を含むことができる。バッテリアセンブリおよびエンジンは、異なる時間および/または同じ時間に両方とも動作して、電力被供給システムを推進するモータに電力を供給することができる。補助負荷は、バッテリアセンブリおよび/または推進システムによって電力が供給され、電力被供給システムを推進させるのではない作業を実行することができる。例えば、補助負荷は、表示装置、監視装置(例えば、センサ)などを含むことができる。
【0018】
補助負荷の一例は、バッテリアセンブリの温度、電力被供給システムの内装の温度などを変更することができる加熱および/または冷却アセンブリ110(図1の「加熱/冷却アセンブリ」)である。加熱および/または冷却アセンブリは、抵抗性加熱要素、加熱ブランケット、強制空気加熱システム、加熱、換気、および空調(HVAC)システム、冷却システム(例えば、空気または液体冷却剤などの冷却剤を使用する)、ラジエータ、ペルチェ装置、圧縮空気システムなどを表すことができる。加熱および/または冷却する季節に形成するかまたは含まれるハードウェア構成要素は、季節に依存して修正されることができる。例えば、熱または加熱ブランケットは、より冷える季節(例えば、冬および/または早春)の間、バッテリアセンブリを覆って、周囲、あるいは近くに載置されてもよく、一方、追加のファンは、より暖かい季節(例えば、夏および/または早秋)の間に追加または取り付けられてもよい。液化天然ガス(LNG)システムなどからエネルギーを導出する実施形態では、本明細書に記載の実施形態と併せて有用であり得る、極低温流体に熱を提供する再気化器または他のシステムがあってもよい。任意選択的に、加熱および/または冷却アセンブリは、本明細書に記載されるように、推進システム(例えば、エンジン)からバッテリアセンブリに熱を伝達する1つ以上の導管または他の熱伝導体(例えば、ヒートシンク)を含むことができ、温度事前調整計画によって指示されるように、バッテリアセンブリを加熱することができる。加熱および/または冷却アセンブリは、バッテリアセンブリを冷却するように動作することができる推進システムの冷却回路を含むことができる。例えば、加熱および/または冷却アセンブリは、バッテリアセンブリを冷却するために、冷却液(例えば、水、不凍液など)がバッテリアセンブリへ誘導される1つ以上の導管を含むことができ、バッテリアセンブリから熱を引き出すことができる。任意選択的に、加熱および/または冷却アセンブリは、バッテリアセンブリの外に熱を引き出しまたは伝導してバッテリアセンブリを冷却する、ヒートシンクなどの熱質量であり得る。加熱および/または冷却アセンブリは、バッテリアセンブリを加熱または冷却することができ、かつ/あるいはバッテリアセンブリと熱的に結合されてバッテリアセンブリを加熱または冷却するヒートシンクを加熱または冷却することができる。
【0019】
示されている例では、電力被供給システムは、車両の外側のまたは非搭載の供給源から電流を伝導または受け取ることができる収集装置112を含む。一例として、収集装置は、電気化された吊架線から電流を受け取るパンタグラフであってもよい。別の例として、収集装置は、電気化されたレールから電流を受ける導電性靴またはブラシであり得る。任意選択的に、収集装置は、誘導を介してエネルギーを無線で受け取る導電性コイルであり得る。別の例では、収集装置は、電流供給源に差し込むことができるコネクタ、ケーブルなどであり得る(例えば、ユーティリティグリッドの出口に結合され得るケーブル)。
【0020】
電力被供給システムは、本明細書に記載の監視システムおよび/または電力被供給システムの動作を制御する1つ以上のプロセッサ(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上の集積回路、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイなど)を有する、および/または接続されたハードウェア回路を表すコントローラ114を含むことができる。コントローラは、電力被供給システムおよび/または監視システムの構成要素に制御信号を生成および送信することができ、これらの構成要素の動作を制御する。
【0021】
通信装置116は、電力被供給システムの外側または非搭載の1つ以上の装置と通信することができる受信、送信、および/またはトランシーバ回路を表す。例えば、通信装置は、1つ以上のアンテナ118、モデムなどを表すか、または含むことができる。通信装置は、コントローラならびに/または電力被供給システムおよび/もしくは監視システムの他の構成要素によって使用されて、非搭載の場所と無線通信することができる。
【0022】
エネルギー管理システム120(図1の「EMS」)は、任意選択的に、電力被供給システムおよび/または監視システムに含められることができる。エネルギー管理システムは、1つ以上のプロセッサを含む、および/または1つ以上のプロセッサと接続されているハードウェア回路を表すことができる。この回路および/またはプロセッサは、コントローラの回路および/またはプロセッサと同一であってもよく、別個(例えば、加えて)であってもよい。エネルギー管理システムは、電力被供給システムについての運行計画を判定して、指定された制約内で1つ以上の目標を達成する。一例として、エネルギー管理システムは、車両の近づきつつある走行の異なる場所、時間、距離などにおける車両の運行設定を規定する移動計画を判定することができる。これらの運行設定は、制約内で走行しているが他の設定を使用している車両に対して、目標(例えば、燃料消費、バッテリエネルギー消費、排出生成などを削減すること)の達成に向けて車両を駆動している間、車両を制約(例えば、速度制限、車両および/もしくはルートに及ぼされる力、他の車両もしくは物体からの安全な距離を維持するなど)内で走行させることができる。運行設定には、スロットル設定、制動設定、速度などがあり得る。
【0023】
電力被供給システムは、任意選択的に、制動システム122を含むことができる。制動システムは、摩擦制動、空気制動、発電制動(例えば、発電制動を介して制動力を生成することもできる推進システムの走行用モータのうちの1つ以上)などを表すことができる。電力被供給システムは、任意選択的に、オペレータから入力を受信し、および/またはオペレータに情報を提示することができる入力および/または出力装置124(図1の「I/O装置」)を含むことができる。入力および/または出力装置は、電子ディスプレイ、タッチスクリーン、キーボード、マイクロフォン、スピーカなどを表すことができる。
【0024】
図2は、バッテリアセンブリの温度調整を監視および/または制御するための方法200の一例のフローチャートを図示する。方法は、監視システムによって(例えば、コントローラによって)バッテリアセンブリの温度を事前調整するために実行される動作に相当し得、バッテリアセンブリの動作を改善し、および/またはバッテリアセンブリの温度を事前調整することなく電力被供給システムを動作させることと比較してバッテリアセンブリの耐用寿命を延長する。
【0025】
ステップ202において、近づきつつある時間および/または近づきつつある場所での予測される周囲温度が判定される。予測される周囲温度は、電力被供給システムがまだ到達していないが、到達を計画している将来の時間および/または場所の温度であり得る。例えば、予測される周囲温度は、電力被供給システムが行くことをスケジュールしている所、電力被供給システムが現在位置している所、電力被供給システムがその方向に移動している所などの予想される温度であり得る。予測される周囲温度は、予報される温度、近づきつつある場所における1つ以上の以前の温度測定値から判定される温度などであり得る。予測される周囲温度は、国立気象局などの気象サービスから取得され得る。近づきつつある場所または時間における予測される周囲温度は、単一の予測される温度を含み得るか、または予測される周囲温度の範囲を含み得る。例えば、近づきつつある場所および時間の予測される周囲温度は、22℃であってもよく、または20~24℃を含む温度範囲であってもよい。
【0026】
予測される周囲温度は、電力被供給システムが近づきつつある場所にある間の暦年の季節に基づくことができる。例えば、車両が夏に、ある場所に向かって走行している場合、車両が冬の間に同じ場所に向かって走行している場合よりも予測される周囲温度が暖かくなる可能性がある。予測される周囲温度は、近づきつつある場所の地理的場所に基づくことができる。例えば、電力被供給システムが、大きな水域もしくは水の近くの場所にある場合、または水域に囲まれている場合、予測される周囲温度は、電力被供給システムが水域からより遠い場合よりもより緩やかであり得る。
【0027】
予測される周囲温度は、1つ以上の以前の日付の以前の温度プロファイルに基づくことができる。例えば、予測される周囲温度は、その場所での温度の複数の以前の測定値(同じ季節、月内などの)から計算された平均または中央値の温度であり得る。任意選択的に、予測される周囲温度は、近づきつつある場所の高度に基づくことができる。例えば、より高い高度の場所は、より低い高度の場所よりも、より低い温度を有すると予測され得る。予測される周囲温度は、近づきつつある場所が都市エリアまたは地方エリア内にあるかどうかに基づくことができる。都市エリア内の近づきつつある場所は、その場所が地方エリアにあった場合よりも、より暖かいと判定され得る。予測される周囲温度は、近づきつつある場所が気流制限されるエリア内にあるかどうかに基づくことができる。気流制限されるエリアは、少なくとも部分的に閉鎖された1つの場所または場所のセットであってもよい。例えば、トンネル、谷、建物などが、気流制限されるエリアである可能性がある。
【0028】
周囲温度は、温度がまだ測定されていないが、計算されているか、または別の方法で判定されているということで予測され得る。予測される周囲温度は、車両もしくは別の車両の1つ以上の以前の走行、または1つ以上の近づきつつある場所への、もしくは1つ以上の近づきつつある場所の通過、または車両の計画された走行の距離閾値内にある近傍の場所への走行に基づいて判定され得る。
【0029】
いくつかの状況では、予測される周囲温度は、1つ以上の測定された温度に基づくことができる。センサは、様々な場所に配設することができ、それらのエリアの周囲温度を測定することができる。これらのセンサは、測定された温度をコントローラに報告することができ、コントローラは、電力被供給システムが、測定された温度に基づいて近づきつつある場所に到着したときの周囲温度を判定することができる。
【0030】
図3は、交通ネットワーク300の一例を図示する。交通ネットワークは、トラック、道路、経路などのいくつかの相互接続されたルート302(例えば、ルート302A~C)を含むことができる。電力被供給システムは、ルート上の交通ネットワーク内および/または交通ネットワークを介して走行することができる。上述したように、いくつかの温度センサ304(例えば、センサ304A~F)は、交通ネットワーク内の異なる場所に配設され得る。これらのセンサのうちのいくつか304A~Eは、センサが静止しているという点で、沿道センサであり得る。1つ以上の他の車両306は、任意選択的に、温度センサ304Fを含むことができる。このタイプの温度センサは、センサが車両とともに移動する移動型センサであり得る。沿道および/または移動型センサは、測定された周囲温度を(ビーコン、無線中継器、建物もしくは施設310、充電ステーション312などの1つ以上の他の装置および/もしくはシステムを介して直接または間接的に)コントローラに通信することができる。例えば、温度センサは、別の通信装置を含むことができるか、または別の通信装置に接続されることができ、測定された周囲温度を通信する。建物または施設は、発送所、駅構内、駐車用ガレージまたは駐車場、別のタイプのガレージ、修理ステーション、気象ステーション(例えば、気象条件が観測される観測所)などを表すことができる。
【0031】
コントローラは、電力被供給システムが位置される所またはその近くの1つ以上のセンサから測定された温度を受信することができ、その場所の近づきつつある温度を予測することができる。例えば、電力被供給システムがセンサ304Cに向かっている、またはセンサ304Cによって走行がスケジュールされている場合、コントローラは、センサ304Cによって測定された温度を調べることができる。コントローラは、電力被供給システムがセンサ304Cにおける場所312、またはセンサ304Cの近くの場所312に到達する前にどれくらいであったか、車両がその場所に到達する時節、車両がその場所に到達する日の時間、その場所の高度、その場所が気流制限されたエリア内にあるかどうか、その場所が都市または地方環境内にあるかどうかなどを判定することができる。コントローラは、これらの要因のうちの1つ以上に基づいて予測される周囲温度を判定することができる。例えば、センサ304Cによって測定された周囲温度が早朝に測定されたが、電力被供給システムが午後までその場所に到達しない場合、コントローラは、測定された周囲温度を上げて、予測される周囲温度を判定することができる。別の例として、センサ304Cによって測定された周囲温度が晴天の間に測定されたが、電力被供給システムがその場所で雪または雨になる可能性のある時間までその場所に到達し得ない場合、コントローラは、測定された周囲温度を下げて、予測される周囲温度を判定することができる。
【0032】
図2に示される方法の説明に戻ると、ステップ204において、電力被供給システムについてのバッテリアセンブリのデューティサイクルが判定される。このデューティサイクルは、バッテリアセンブリが1つ以上の負荷に対する電位または電流としてエネルギーを放出している時間を表すことができる。例えば、デューティサイクルは、バッテリアセンブリがエネルギーを放出している間の電力被供給システムの時間および/もしくは場所、バッテリアセンブリがエネルギーを放出していない間の電力被供給システムの時間および/もしくは場所、ならびに/またはバッテリアセンブリが充電している間の電力被供給システムの時間および/もしくは場所を示すことができる。デューティサイクルは、バッテリアセンブリが最初の30分間エネルギーを放出し、次の1時間はエネルギーを放出せず、次の45分間はエネルギーを放出し、次の90分間は充電ステーションからのエネルギーで充電することなどを規定することができる。デューティサイクルは、電力被供給システム(例えば、車両として)の動き、電力被供給システム(例えば、車両として)が静止している期間、および/または静止した電力被供給システムの動作のために判定されることができる。
【0033】
コントローラは、バッテリアセンブリおよび/または電力被供給システムの動作に対する1つ以上の制約の対象となる1つ以上の目標を達成するためのデューティサイクルを判定することができる。コントローラは、バッテリアセンブリの充電状態、バッテリアセンブリを充電するための1つ以上の近づきつつある機会、および/またはバッテリアセンブリから貯蔵されたエネルギーを放出するための1つ以上の近づきつつあるニーズに基づいて、デューティサイクルを判定することができる。例えば、バッテリアセンブリを充電するための近づきつつある機会は、電力被供給システムがバッテリアセンブリを充電するための電気エネルギーを生成または取得する位置または状態にあるようにスケジュールまたは計画される近づきつつある期間を含むことができる。これらの機会は、電力被供給システムが交通ネットワークの充電ステーション(例えば、無線または有線充電ステーション)にあり、電気化された吊架線314(図3に示される)に沿って走行しており、そこでエネルギーが収集装置によって取得されてバッテリアセンブリを充電することができ、電気化されたレール316(図3に示される)を有するルートのセクションに沿って走行しており、そこで推進システムは、バッテリアセンブリを充電するための電流(電力被供給システムの負荷に電力を供給するために必要な電流よりも過剰な電流)を生成することができ、そこで制動システムは、バッテリアセンブリを充電するための電流(例えば、発電制動を介して)を生成することができる、などの時間および/または場所を含むことができる。貯蔵されたエネルギーをバッテリアセンブリから放出するための近づきつつある必要性には、電力被供給システムを推進させるために推進システムに電力を供給するためにバッテリアセンブリからエネルギーが必要とされ、バッテリアセンブリを加熱または冷却するために加熱および/もしくは冷却アセンブリに電力を供給するためにバッテリアセンブリからエネルギーが必要とされ、ならびに/または電力被供給システムの1つ以上の他の負荷に電力を供給するためにバッテリアセンブリからエネルギーが必要とされる、近づきつつある時間周期および/または場所が含まれ得る。
【0034】
ステップ206において、バッテリアセンブリの温度事前調整計画が、判定される。温度事前調整計画は、バッテリアセンブリが加熱または冷却される(例えば、加熱および/または冷却アセンブリによって)電力被供給システムの近づきつつある時間および/または場所を含み得る。この計画は、バッテリアセンブリが指定された温度範囲内に留まるように、バッテリアセンブリを加熱および/または冷却することができる。任意選択的に、計画は、バッテリアセンブリを加熱および/または冷却して、指定された温度範囲外のバッテリアセンブリの温度の逸脱を低減することができる。
【0035】
事前調整計画は、バッテリアセンブリが予測される周囲温度の近づきつつある時間または近づきつつある場所の1つ以上の前に加熱または冷却される間の調整時間および/または調整場所を含むことができる。温度事前調整計画は、コントローラによって判定されて、1つ以上の近づきつつある場所に行く間、もしくはそこを通過するとき、および/または近づきつつある時間中(例えば、電力被供給システムが静止しているとき)の電力被供給システムの動作中に、バッテリアセンブリの温度を所望の温度範囲内に維持することができる。
【0036】
事前調整計画は、バッテリアセンブリのデューティサイクルに基づいて作成および/または修正されてもよい。例えば、バッテリアセンブリのデューティサイクルが減少している場合、次いで、事前調整計画は、コントローラに、デューティサイクルの減少の前にバッテリアセンブリを事前加熱するように加熱および/または冷却アセンブリを制御することを指示してもよい。デューティサイクルは、事前に計画またはスケジュールされることができ、事前調整計画は、加熱および/または冷却アセンブリがデューティサイクルの減少の前に(加熱がデューティサイクルの減少の開始時または減少の開始後に終了して)バッテリアセンブリを加熱する期間を含み得る。別の例として、デューティサイクルは、事前に計画されていなくてもスケジュールされていなくてもよいが、コントローラは、バッテリアセンブリのデューティサイクルの減少に応答してバッテリアセンブリを加熱することを含むように計画を修正することができる。バッテリがより低頻度でまたはより少なくエネルギーを放出すると、バッテリアセンブリのデューティサイクルが減少し得る。
【0037】
計画の調整時間および/または場所は、バッテリアセンブリの連続温度プロファイルをもたらすことができる。連続プロファイルは、バッテリアセンブリの温度の連続的な変化を含むことができる。代替的に、プロファイルは連続ではないが、温度の1つ以上の急激な変化および/または温度の滞留を含み得る。
【0038】
事前調整計画は、バッテリアセンブリを加熱または冷却するためのエネルギー供給源を規定することができる。例えば、計画は、推進システムが、計画の第1の時間中および/または第1の場所でバッテリアセンブリを加熱または冷却するために加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給するための電流を生成するように指示することができ、バッテリアセンブリに、計画の第2の時間中および/または第2の場所でバッテリアセンブリを加熱または冷却するように指示することができ、別の負荷(例えば、電気加熱ブランケット)に、計画の第3の時間中および/または第3の場所でバッテリアセンブリを加熱するように指示することができ、沿道の充電装置に、計画の第4の時間および/または場所でバッテリアセンブリを加熱または冷却するように加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給するように指示することができ、加熱および/または冷却アセンブリに、第5の時間および/または場所で、吊架線または電気化されたレールによって電力が供給されるように指示することなどができる。
【0039】
コントローラは、事前調整計画を作成または修正して、加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給するために異なるエネルギー供給源のうちのどれを使用するかを指示することができる。このようにして、いくつかの要因に基づいて、異なる時間および/または場所でバッテリアセンブリを加熱または冷却することが可能であり得る。これらの要因は、例えば、異なるエネルギー供給源に関連付けられた可用性、システムへの影響、重みおよび/または費用を含み得る。例えば、バッテリアセンブリの使用には、再充電ステーションが利用できないまたは低い利用可能性である車両の近づきつつある移動の時間および/または区間中に、推進アセンブリよりも低い重みが与えられてもよい。近づきつつある移動の他の時間および/または区間中、バッテリアセンブリは、推進アセンブリよりも大きな重みを与えられてもよい(例えば、車両に搭載されている燃料が少なくてもまたは利用可能な燃料が少なくてもよい区間中)。すなわち、非搭載電力または回生制動電力が豊富である地域では、コントローラは、バッテリアセンブリからより多くの電力を引き出すことができ、一方、再充電の機会が乏しい地域では、コントローラは、バッテリアセンブリ予備のより慎重な支出を使って、推進力を提供するために燃料エンジンを動作させることによってそれを相殺することができる。
【0040】
別の例として、コントローラは、その電力が推進アセンブリから引き出される電力よりも低い費用で来るため、バッテリアセンブリから電力を引き出すことができる。これは、推進システムの燃料エンジンを使用するよりもバッテリアセンブリを再充電する方が低費用である移動の時間および/または区間中に生じ得る。他の実施形態では、コントローラは、他の要因に基づいて電力を引き出す推進システムよりもバッテリアセンブリを選択的に選ぶ。これらの他の要因には、バッテリアセンブリを再充電するために利用可能な再充電ステーション、吊架線、および/もしくは電気化されたレールがある状況、ならびに/またはエネルギーを提供するために発電制動が利用可能な状況(例えば、移動の下り坂区間中)が含まれてもよい。
【0041】
コントローラは、加熱および/または冷却アセンブリと称される、熱管理システムに電力を供給するために使用される供給源を選択することができる。熱管理システムは、様々な要因に少なくとも部分的に基づいている供給源から電力を引き出すバッテリアセンブリを加熱または冷却してもよい。一実施形態では、コントローラは、より低費用および/またはより大きな重みを有する供給源を選択して、事前調整計画が、より効率的な供給源に、電力被供給システムの移動または動作の持続時間を通してバッテリアセンブリを加熱または冷却するための加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給するように指示することを確実にする。
【0042】
一実施形態では、温度事前調整計画は、コントローラが、エネルギーの非搭載または外側エネルギー供給源を使用して、バッテリアセンブリを加熱または冷却するように加熱および/または冷却アセンブリを制御するための指令を含む。非搭載または外側エネルギー供給源は、沿道の充電ステーション、吊架線、電気化されたレールなどの、電力被供給システムにはないエネルギー供給源であり得る。電力被供給システムが車両であることに関して、事前調整計画は、車両の動きの遅延があまり長くない場合、非搭載エネルギー供給源を使用してバッテリアセンブリを加熱または冷却するようにコントローラに指示することができる。例えば、計画は、車両が充電ステーションで停止されている間に、車両が停止される時間的な遅延または時間が閾値遅延よりも短い限り、バッテリアセンブリを加熱または冷却するように非搭載供給源が加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給するのを指示することができる。この閾値遅延は、車両が1つ以上の以前にスケジュールされた停止を逃さず、および/または以前にスケジュールされた時間よりも遅れてスケジュールされた目的地に到着しないことを確実にするために十分に短くされ得る。
【0043】
任意選択的に、計画は、車両が充電ステーションで停止されている間に、車両が停止される時間的な遅延または時間の財務費用が閾値費用未満である限り、バッテリアセンブリを加熱または冷却するように非搭載供給源が加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給するのを指示することができる。いくつかの車両は、契約で合意された時間よりも遅れて貨物または乗客を届けることに対する財務ペナルティを含む契約ベースで貨物または乗客を届けている可能性がある。バッテリアセンブリを加熱または冷却するために加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給するための車両の移動を遅延させるための財務ペナルティが閾値費用よりも低い場合、計画は、車両を停止させ、加熱および/または冷却アセンブリへ沿道の充電ステーションから電力供給することを許可するようにコントローラに指示し得る。そうでなければ、計画は、車両を動かし続け、停止させず、加熱および/または冷却アセンブリへ沿道の充電ステーションからの電流で電力供給させないようにコントローラに指示し得る。
【0044】
この計画は、車両が動いている間、非搭載供給源がある範囲の距離に対して車両で利用可能である限り、非搭載供給源が加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給し、バッテリアセンブリを加熱または冷却するように指示することができる。吊架線、電気化されたレール、無線充電ステーションなどは、吊架線、電気化レール、無線充電ステーションなどがルートに沿って様々な長さにわたって延びている、距離範囲にわたって車両が動いている間、車両ならびに加熱および/または冷却アセンブリに電気エネルギーを提供することができる。ある場所にあり、ルートの長さにわたって延びていない沿道の充電ステーションは、ある距離範囲にわたって利用できない。非搭載供給源がある距離範囲で利用できない場合、計画は、コントローラに、車両を停止させて、加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給するために、非搭載供給源からエネルギーを取得させるように制御させないよう指示することができる。
【0045】
事前調整計画は、バッテリアセンブリではない供給源から提供される電流または電位の使用を優先することができる。事前調整計画は、バッテリアセンブリの前に、電流または電位を(例えば、1つ以上のスイッチを使用して)加熱および/または冷却アセンブリに導くようにコントローラに指示することができる。例えば、計画は、推進システムまたは非搭載供給源からの電流で、加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給するように導いて、最初にバッテリアセンブリを加熱または冷却し、次いでバッテリアセンブリを充電することができる。
【0046】
事前調整計画は、すべてより少ないバッテリアセンブリを、異なる時間および/または場所で加熱または冷却されるように指示し得る。事前調整計画は、同じバッテリアセンブリ内のバッテリセルの異なる第2のストリングの代わりに、バッテリアセンブリ内のバッテリセルの第1のストリングが加熱または冷却されるための命令を含むことができる。バッテリセルの異なるストリングは、計画に従って、異なる時間にて加熱または冷却されることができる。例えば、計画は、加熱および/または冷却アセンブリに、バッテリアセンブリ内のバッテリセルの第2のストリングよりもバッテリアセンブリ内のバッテリセルの第1のストリングを冷却するように指示することができ、バッテリセルの第2のストリングは、バッテリセルの第1のストリングの前に車両に電力を供給するために使用される。これにより、バッテリのより暖かい第2のストリングが負荷および/または推進システムに電力を供給するために最初に使用される間、周囲温度の増加により、後でのウォームアップのためにバッテリセルのより冷えている第1のストリングを事前調整することができる。どのセルが(より多くおよび/または他のセルの前に)加熱または冷却されるかの選択は、バッテリセルの使用(例えば、どのセルがより多く使用されているか、どのセルが古いか、どのセルが負荷に電力を供給するために他のセルの前に使用されるかなど)、バッテリセルの化学的性質、および/またはバッテリアセンブリ内のバッテリセルの場所に基づいてもよい。例えば、いくつかのセルは、加熱および/または冷却アセンブリの出口または出力に近く位置されてもよく、他のセルよりも容易に加熱または冷却されてもよい。
【0047】
事前調整計画は、任意選択的に、バッテリアセンブリの動作によってバッテリアセンブリの加熱および/または冷却を指示することができる。例えば、計画は、コントローラに、バッテリアセンブリ内の異なるセルまたはセルのストリング間の受動的なバランシングを使用して電流を放電するようにバッテリアセンブリを制御するように指示することができる。この受動的なバランシングは、バッテリアセンブリの温度を上昇させることができる。計画は、予測される周囲温度が低下する前、および/またはバッテリアセンブリのデューティサイクルが増加すると計画されているか、または増加すると予想される期間の前に、バッテリアセンブリを加熱するための受動的なバランシングの使用を指示することができる。逆に、計画は、バッテリアセンブリを加熱することを回避するように、受動的なバランシングの停止を指示することができる。受動的なバランシングの使用を停止することは、バッテリアセンブリによって生成された熱の量を低減することができ、バッテリアセンブリが、予測される周囲温度の上昇の前に、および/またはバッテリアセンブリのデューティサイクルが減少すると計画されているか、もしくは予想される期間の前に、バッテリアセンブリが冷却することを可能にすることができる。
【0048】
事前調整計画は、バッテリアセンブリを指定または所望の温度に加熱または冷却するのに必要な時間に基づいて、バッテリアセンブリが加熱または冷却されるための異なる時間を指示することができる。この計画は、バッテリアセンブリがより多く加熱または冷却される必要があるとき(例えば、より極端な予測される周囲温度に起因して)、およびバッテリアセンブリがより少なく加熱または冷却される必要があるとき(例えば、バッテリアセンブリの現在の温度に近い予測される周囲温度に起因して)、バッテリアセンブリの加熱または冷却をより早く開始するように指示することができる。バッテリアセンブリを加熱または冷却するために必要な時間は、バッテリアセンブリ内のセルの化学的性質によりバッテリアセンブリを加熱または冷却することができるデフォルトの速度または測定された速度に基づき得る。任意選択的に、この速度は、加熱および/または冷却アセンブリの加熱および/または冷却能力に基づいてもよい。例えば、一部の加熱および/または冷却アセンブリは、他の加熱および/または冷却アセンブリよりも速くバッテリアセンブリを加熱または冷却することができる。計画は、他の加熱および/または冷却アセンブリよりもゆっくりと加熱もしくは冷却する加熱および/または冷却アセンブリのために、バッテリアセンブリの加熱または冷却の開始をより早く指示することができる。
【0049】
事前調整計画は、電力被供給システムの作動または電力被供給システムの負荷の前に、バッテリアセンブリを加熱または冷却することを含んでもよい。例えば、寒冷環境では、計画は、電力被供給システムを起動してその日のための動作を開始する前に、バッテリアセンブリを(例えば、電気ブランケットでバッテリアセンブリを加熱することによってなど、ユーティリティグリッドからのエネルギーを使用して)加熱するように指示してもよい。
【0050】
一実施形態では、事前調整計画は、少なくとも部分的に予測される周囲温度に基づいているため(バッテリアセンブリのデューティサイクル、加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給するための利用可能なエネルギー供給源などの1つ以上の他の要因もしくは情報にも基づいている計画に伴って)、実際の周囲温度は、予測される周囲温度とは異なり得る。例えば、周囲温度の予測される上昇または下降は、実際には発生しない場合がある。周囲温度が予測される周囲温度ほど暖かくない、または冷たくない場合に、バッテリアセンブリの無駄な、または不要な加熱または冷却を防止または低減するために、「最悪の場合の」バッテリアセンブリ温度を防ぐために、計画によって使用される予測される周囲温度を確立することができる。これは、バッテリアセンブリがバッテリアセンブリの性能の低下に関連する指定温度(例えば、「最悪の場合」予測される周囲温度)に達することを防ぐ温度であると予測される周囲温度を変更または判定する計画を含むことができる。例えば、予測される周囲温度が、範囲の下端が凍結温度であるが、残りの温度範囲が凍結温度を上回っている温度の範囲を含む場合、計画は、予測される周囲温度が、バッテリアセンブリが凍結温度に到達するのを防ぐ範囲内の温度であると判定してもよい(予測される周囲温度の範囲内の温度の一部または大部分が凍結温度を上回っている場合であっても)。
【0051】
任意選択的に、計画は、可能なまたは予測される周囲温度の範囲から予測される周囲温度を判定または修正し得る。例えば、計画は、予測される周囲温度の範囲内の温度の平均または中央値を(近づきつつある場所および/または時間のための予測される周囲温度として)使用するように(例えば、コントローラによって)作成または修正されてもよい。
【0052】
任意選択的に、計画は、バッテリアセンブリの現在の温度と予測される周囲温度との間の差から、予測される周囲温度を判定または修正し得る。計画は、現在のバッテリアセンブリ温度と、その場所および/または時間についての以前の予測される周囲温度との間の平均、中央値、中間点などとなるように、近づきつつある場所および/または時間についての予測される周囲温度を判定するために(例えば、コントローラによって)作成または修正されてもよい。例えば、近づきつつある時間に近づきつつある場所について気象サービスによって予報される予測される周囲温度は、4℃であってもよい。現在のバッテリアセンブリ温度は、20℃であり得る。計画は、近づきつつある場所および時間での予測される周囲温度を12℃(例えば、4℃~20℃の中間点)に関連するように作成または変更されてもよい。この予測される周囲温度は、本明細書に記載されているように、バッテリアセンブリを加熱するかどうか、およびいつ加熱するかを判定するために使用されることができる。
【0053】
予測される周囲温度は、予測される温度の重み付け計算に基づくことができる。例えば、予測される気象条件(温度など)は、異なる入力または要因に基づくことができ、異なる供給源(例えば、異なるセンサおよび/または天気予報サービス)などとは異なることができる。近づきつつある時間での近づきつつある場所の予測される周囲温度は、異なる入力からの異なる温度の平均として計算され得る(例えば、異なるセンサ、異なる気象サービス、1日のうちの同じ時点および/または1年のうちの同じ時点での以前に測定された温度など)。異なる入力からの温度は、異なる重み(例えば、係数)に関連付けられてもよい。例えば、気象サービスまたはステーションからの予測される温度は、以前に測定された温度よりも多くの重みを与えられ得るが、近づきつつある場所で現在測定されている温度よりも少ない重みを与えられ得る。その場所の予測される周囲温度は、第1の積(気象サービス予測温度と第1の係数の)と第2の積(以前に測定された温度および第2の係数の)と第3の積(現在測定されている温度および第3の係数の)を合計し、次いでこの3つの積の和を3で割ることによって計算することができる。第1の係数は、最大値(例えば、最大重み)を有してもよく、第2の係数は、最小値(例えば、最小重み)を有してもよく、第3の係数は、第1の係数と第2の係数との間の値を有してもよい。
【0054】
ステップ208において、バッテリアセンブリの温度は、事前調整計画に従って変更される。例えば、バッテリアセンブリは、計画に従って、加熱および/または冷却アセンブリによって加熱および/または冷却されてもよい。計画は、電力被供給システムの動作または動き中に、バッテリアセンブリの温度を指定されたまたは所望の温度範囲内に維持するように、バッテリアセンブリが加熱または冷却されるように指示し得る。任意選択的に、計画は、電力被供給システムの動作または動き中に、バッテリアセンブリの温度の逸脱を指定されたまたは所望の温度範囲内で低減するように、バッテリアセンブリが加熱または冷却されるように指示し得る。
【0055】
一実施形態では、バッテリアセンブリの温度が判定され、事前調整計画の温度と比較されて、バッテリアセンブリを加熱または冷却するかどうかを判定し、それによって、バッテリアセンブリの温度が計画に従うか、または許容温度の指定された範囲内に留まることを確実にすることができる。バッテリアセンブリの温度は、1つ以上の温度センサによって測定されることができる。任意選択的に、バッテリアセンブリの温度は、バッテリアセンブリのいくつかの測定された温度の平均、中央、最大、または最小を計算または識別することによって判定され得る。別の例として、バッテリアセンブリの温度は、他の測定値に基づいて推定され得る。例えば、バッテリアセンブリのハウジング、バッテリアセンブリへのコネクタ、バッテリアセンブリによってまたはバッテリアセンブリを通って流れる冷却水などの温度が判定されてもよい。バッテリアセンブリは、測定に基づいて推定され得る。例えば、バッテリアセンブリは、測定温度よりも指定された数字だけ暖かいと推定され得る。別の例として、バッテリアセンブリの中または外に導かれる、ジョイントまたはコネクタを介してバッテリアセンブリに導かれる、抵抗または電流などを測定し、バッテリアセンブリ温度を推定するために使用することができる。温度は、より大きな抵抗または電流の量に対してより暖かいと推定され得、より小さな抵抗または電流の量に対してより冷たいと推定され得る。
【0056】
ステップ210において、バッテリアセンブリは、電力被供給システムの1つ以上の負荷に電力を供給する。加熱および/または冷却アセンブリは、動作前および/または動作中(例えば、電力被供給システムの動きまたは静止動作)の温度事前調整計画に従ってバッテリアセンブリを加熱または冷却して、バッテリアセンブリの性能および耐用寿命を増加させることができる。
【0057】
任意選択的に、この方法は、温度事前調整計画を修正または再計画することを含むことができる。計画作成に使用された1つ以上の要因は、計画作成後に変更される可能性がある。例えば、バッテリアセンブリのデューティサイクルを変更してもよく、予測される周囲温度を変更してもよく、1つ以上のエネルギー供給源を使用する費用を変更するなどしてもよい。方法は、計画が作成された後のこれらの変更のうちの1つ以上を考慮するように計画を修正することを含むことができる。
【0058】
計画は、電力被供給システムのオペレータによって修正および/または上書きされることができる。電力被供給システムのオペレータは、入力および/または出力装置に入力を提供して、どの電力供給源を使用して加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給し、バッテリアセンブリを加熱または冷却するかを変更してもよい。例えば、計画は、加熱および/または冷却システムに電流を供給してバッテリアセンブリを加熱もしくは冷却するように推進システムに指示し得るが、オペレータは、バッテリアセンブリに、加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給させて、バッテリアセンブリを加熱もしくは冷却させる入力を提供し得る。コントローラは、バッテリアセンブリが加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給するために使用される場合、推進システムおよび/または他の負荷に電力を供給するためにバッテリアセンブリから使用可能なエネルギーがどのくらい少ないかなど、この上書き決定を行う費用の情報をオペレータに提示することができる。入力および/または出力装置は、どの電力供給源が、現在使用されているか、および/またはバッテリアセンブリを加熱もしくは冷却するために加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給するために使用されるかをオペレータに知らせる情報を表示するか、または音声で提示することができる。この情報は、オペレータが計画を上書きするか、または計画で識別されたエネルギー供給源を使用して加熱および/または冷却システムに電力を供給するかを決定するのに役立つことができる。
【0059】
図4は、温度事前調整計画に従って、バッテリアセンブリを加熱または冷却することのない、バッテリアセンブリの温度400の一例を示す。バッテリアセンブリの温度は、時間を表す水平軸402および温度を表す垂直軸404とともに示される。任意選択的に、水平軸は、電力被供給システムの移動中の異なる場所を表し得る。図4にはまた、異なる時間または場所に関連付けられた周囲温度406が示されている。これらの周囲温度は、上述の予測される周囲温度であり得る。所望のまたは指定された温度範囲408が図4に示される。この温度範囲は、バッテリアセンブリの動作を向上させる(例えば、より高速な充電率、増大したエネルギー貯蔵など)、および/またはバッテリアセンブリの耐用寿命を増加させる、バッテリアセンブリの所望の動作温度を表すことができる。
【0060】
周囲温度は非常に低く始まり、8時間後または9時間後ぐらいまで冷え続ける。この期間中、バッテリ温度も低下し、所望の温度範囲の下端を下回る。結果として、バッテリアセンブリの耐用寿命および/または動作は、所望の温度範囲内に留まるバッテリアセンブリの温度のものと比較して減少し得る。その後、周囲温度は急激に上昇し、9時間後~13時間後の期間にわたって上昇したままになり得る。この熱の上昇はまた、図4に示すように、所望の温度範囲の中に入り、通過し、上回るように、バッテリアセンブリの温度を上昇させ得る。次いで、周囲温度が再び低下し、バッテリアセンブリの温度が所望の温度範囲内およびそれ以下に低下する。
【0061】
示されるように、バッテリアセンブリの温度は、図4に示される期間のパーセンテージの大部分にわたって所望の温度範囲の外側にある。周囲温度変化は、バッテリアセンブリを所望の温度範囲外にしてしまい、これは、バッテリアセンブリの性能および耐用寿命を低下させてしまう可能性がある。
【0062】
対照的に、デューティサイクルおよび/または予測される周囲温度に基づいてバッテリアセンブリを事前加熱および/または事前冷却することは、バッテリアセンブリの温度が所望の温度範囲内に留まる期間を増加させることができる。図5は、温度事前調整計画に従ってバッテリアセンブリを加熱または冷却する場合のそのバッテリアセンブリの温度500の別の例を示す。バッテリアセンブリの温度は、時間を表す水平軸402および温度を表す垂直軸404に沿って示される。任意選択的に、水平軸は、電力被供給システムの移動中の異なる場所を表し得る。また、図5に示されるのは、周囲温度406および所望のまたは指定された温度範囲408である。温度事前調整計画に従って、加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給して、バッテリアセンブリを加熱および/または冷却するための電気エネルギー供給源の可用性502もまた、示される。これらの可用性は、バッテリアセンブリを加熱または冷却するために加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給するために、推進システム、沿道の充電器、吊架線、電気化されたレールなどが利用可能な期間および/または場所を示す(したがって、バッテリアセンブリが加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給する必要がない)。第2の垂直軸504に沿った1.0における可用性502の値は、他のエネルギー供給源(例えば、バッテリアセンブリではない)が加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給するために利用可能である期間を表す。第2の垂直軸504に沿った0.0における可用性502の値は、他のエネルギー供給源が加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給するために利用できない期間を表す。
【0063】
事前調整計画は、コントローラに、加熱および/または冷却アセンブリに水平軸に沿って5時間後にバッテリアセンブリの加熱を開始するように指示させてもよい。示されるように、これは、バッテリアセンブリのこの加熱がなくてバッテリアセンブリの温度が低下したであろうことによる、バッテリアセンブリの温度が指定された温度範囲の下端を下回ることを防ぐことができる。例えば、5時間後の時点から8時間後の時点まで、事前調整なしのバッテリアセンブリの温度(図4)は、事前調整によるバッテリアセンブリの温度(図5)よりもはるかに指定された温度範囲を下回って低下する。8時間後の時点で、コントローラは、バッテリアセンブリを加熱するために別のエネルギー供給源を指示することができる。例えば、5~8時間後の間に、コントローラは、バッテリアセンブリに、加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給して、バッテリアセンブリを加熱するように指示することができる。しかしながら、水平軸に沿った8時間後の時点において、事前調整計画は、コントローラに、バッテリアセンブリではないエネルギー供給源を制御して、加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給してバッテリアセンブリを加熱するように指示することができる。これは、バッテリアセンブリに単独で加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給させることと比較して、バッテリアセンブリから放出されるエネルギーの量を減らすことができる。任意選択的に、事前調整計画およびコントローラは、他のエネルギー供給源およびバッテリアセンブリの両方が、5~8時間後の間に加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給するように指示することができる。
【0064】
事前調整計画は、水平軸に沿った9時間後までの周囲温度の低下が予想されるため、バッテリアセンブリをこの期間中に加熱するように指示することができる。これは、バッテリアセンブリの温度が指定された温度範囲を下回るのを、および/またはバッテリアセンブリの温度が指定された温度範囲を下回る時間を、水平軸に沿って最大10時間減少させることができる。
【0065】
9時間後、事前調整計画は、バッテリアセンブリが冷却されるのを、および/または9時間目に予測されるまたは予想される周囲温度が上昇する以前に冷却されるのを指示することができる。これにより、バッテリアセンブリの温度が、指定された温度範囲の上限を超えて上昇するのを防ぐことができ、バッテリアセンブリが指定された温度範囲を超えて暖かくなりすぎるのを低減することができ、および/またはバッテリアセンブリが指定された温度範囲よりも暖かくなる時間を制限することができる。事前調整計画はまた、コントローラに、水平軸に沿って25時間でまたは25時間後に予測される周囲温度が低下する前に、加熱および/または冷却アセンブリにバッテリアセンブリを加熱するように指示させることができる。
【0066】
図4および5のバッテリアセンブリの温度の比較によって示されるように、事前調整計画に従ってバッテリアセンブリを加熱および/または冷却することは、所望の温度範囲からの温度の逸脱の数および/または量(例えば、大きさ)を減少することができる。事前調整計画を使用して達成されるバッテリアセンブリ温度は、この範囲内でより長く留まり、指定された範囲を超えるバッテリアセンブリ温度の増加は、より小さく、指定された範囲を超えるバッテリアセンブリ温度の増加は、より短い期間だけ持続し、指定された範囲を下回るバッテリアセンブリ温度の低下は、より小さく、事前調整計画なしのバッテリアセンブリ温度と比較すると、指定された範囲を下回るバッテリアセンブリ温度の減少は、より短い期間だけの持続である。
【0067】
指定された温度範囲は、固定された温度範囲であり得るか、またはコントローラによって判定され得る(例えば、計算され得る)。一例では、指定された温度範囲は、バッテリアセンブリのセルの化学的性質に基づいて決定され得る。異なるセルの化学的性質(例えば、電解質、アノード、およびカソード用に使用される材料などのバッテリセルの内容物)を、異なる温度範囲と(例えば、メモリ内で)関連付けることができる。事前調整計画に使用される温度範囲は、バッテリアセンブリが含むセルの化学的性質に基づいて選択されることができる。別の例として、温度範囲は、デフォルトまたはオペレータ入力範囲であり得る。
【0068】
指定された温度範囲は、バッテリアセンブリの年齢および/またはバッテリアセンブリの以前の使用に基づいてもよい。例えば、バッテリアセンブリが老朽化する、またはより多く使用される(例えば、より多くのデューティサイクル数を有する)につれて、温度範囲はサイズが減少する可能性がある。新しいバッテリアセンブリおよび/またはより少なく使用される(例えば、負荷に電力を供給するために)バッテリアセンブリは、より多くの温度を含むより広い温度範囲を有することができる。指定された温度範囲は、バッテリアセンブリの健全性に基づいて変化し得る。以前ほど多くのエネルギーを貯蔵することができないバッテリアセンブリは、以前と同じように多くのエネルギーを貯蔵することができるバッテリアセンブリよりも、事前調整計画に使用される温度範囲が狭い場合がある。多くのエネルギーを貯蔵することができないバッテリアセンブリは、運用から制限され得るが、バッテリアセンブリが検査、修理、または他の方法で整備されることができるようになるまで、事前調整計画に従って温度調整され続ける(本明細書に記載されるように)。
【0069】
指定された温度範囲は、異なる時間および/または場所で変化し得る。例えば、指定された温度範囲は、バッテリアセンブリの初期使用中または早期使用中に狭くなり、次いで、バッテリアセンブリの使用が継続するにつれて(例えば、同じ日の間に)大きくなり得る。別の例として、指定された温度範囲は、バッテリアセンブリに貯蔵されるエネルギーの量が変化するにつれて変化し得る。バッテリアセンブリの貯蔵エネルギー(または充電状態)の量が減少するにつれて、指定された温度範囲はサイズを増加させることができる。これにより、バッテリアセンブリのためのより広範囲の温度が許容されるため、バッテリアセンブリを加熱または冷却するためにバッテリアセンブリによって使用されるエネルギーを低減させることができる。これは、このエネルギーが他の目的(例えば、電力被供給システムを推進すること)のために必要とされ得るときに、バッテリアセンブリからのエネルギーの放出を防止して、バッテリアセンブリを加熱または冷却することを補助することができる。
【0070】
一実施形態では、バッテリ監視システムは、導出に基づく学習成果を可能にするために機械学習を使用し得て展開されローカルデータ収集システムを有し得る。バッテリ監視システムのコントローラは、データ駆動型予測を行い、データのセットに従って適応することによって、データのセット(様々なセンサによって提供されるデータを含む)から学習し、決定を下してもよい。実施形態では、機械学習は、教師あり学習、教師なし学習、および強化学習などの機械学習システムによる複数の機械学習タスクを実行することを含み得る。教師あり学習は、例示的な入力および所望の出力のセットを機械学習システムに提示することを含み得る。教師なし学習は、パターン検出および/または特徴学習などの方法によってその入力を構造化する学習アルゴリズムを含み得る。強化学習は、動的環境内で実行し、次いで、正しい決定および正しくない決定に関するフィードバックを提供する機械学習システムを含んでもよい。例では、機械学習は、機械学習システムの出力に基づく複数の他のタスクを含んでもよい。例では、タスクは、分類、回帰、クラスタリング、密度推定、次元縮小、異常検出などのような機械学習問題であってもよい。例では、機械学習は、複数の数学的および統計的技術を含んでもよい。例では、多くのタイプの機械学習アルゴリズムは、決定木ベースの学習、関連付けルール学習、深層学習、人工ニューラルネットワーク、遺伝子学習アルゴリズム、帰納的論理プログラミング、サポートベクトルマシン(SVM)、ベイズネットワーク、強化学習、表現学習、ルールベースの機械学習、まばらな辞書学習、類似性およびメトリック学習、学習分類子システム(LCS)、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、K平均、勾配ブースト、K最近傍(KNN)、先行アルゴリズムなどを含んでもよい。実施形態では、特定の機械学習アルゴリズムが使用され得る(例えば、自然選択に基づいてもよい制約された最適化問題と制約されていない最適化問題の両方を解決するために)。例では、アルゴリズムは、いくつかの構成要素が整数値であることに制限されている、混合された整数プログラミングの問題に対処するために使用されてもよい。アルゴリズムおよび機械学習技術およびシステムは、計算インテリジェンスシステム、コンピュータビジョン、自然言語処理(NLP)、推奨システム、強化学習、グラフィカルモデルの構築などで使用されてもよい。一例では、機械学習は、車両性能および行動分析などに使用されてもよい。
【0071】
一実施形態では、バッテリ監視システムは、1つ以上のポリシーを適用し得るポリシーエンジンを含み得る。これらのポリシーは、設備または環境の所与のアイテムの特性に少なくとも部分的に基づいてもよい。制御ポリシーに関して、ニューラルネットワークは、多数の環境パラメータおよびタスク関連パラメータの入力を受信することができる。これらのパラメータは、車両グループについて決定された移動計画の識別、様々なセンサからのデータ、ならびに場所および/または位置データを含み得る。ニューラルネットワークは、これらの入力に基づいて出力を生成するように訓練され得、出力は、車両グループが移動計画を達成するために取るべきアクションまたはアクションのシーケンスを表す。一実施形態の動作中に、ニューラルネットワークのパラメータを通して入力を処理することによって判定が生じ得て、そのアクションを所望のアクションとして指定する、出力ノードでの値を生成する。このアクションは、車両を動作させる信号に変換され得る。これは、バックプロパゲーション、フィードフォワードプロセス、クローズドループフィードバック、またはオープンループフィードバックを介して達成され得る。代替的に、バックプロパゲーションを使用するのではなく、コントローラの機械学習システムは、進化戦略技術を使用し得、人工ニューラルネットワークの様々なパラメータを調整する。コントローラは、バックプロパゲーションを使用して常に解決可能ではなくてもよい関数、例えば、非凸関数を有するニューラルネットワークアーキテクチャを使用してもよい。一実施形態では、ニューラルネットワークは、そのノード接続の重みを表すパラメータのセットを有する。このネットワークのいくつかのコピーが生成され、その後、パラメータに異なる調整が行われ、シミュレーションが行われる。様々なモデルからの出力が取得されると、判定された成功メトリックを使用して、それらのパフォーマンスに基づいて評価され得る。最良のモデルが選択され、車両コントローラは、計画を実行して、予測される最良の結果シナリオをミラーリングするために所望の入力データを達成する。追加的に、成功メトリックは、互いに重み付けされ得る最適化された結果の組み合わせであり得る。
【0072】
一実施形態では、方法は、(a)近づきつつある時間および/または(b)車両が走行もしくは通過することになる近づきつつある場所のうちの1つ以上で予測される周囲温度を判定することを含む。車両は、車両に搭載されたバッテリアセンブリによって少なくとも部分的に電力供給される1つ以上の負荷を有する。この方法はまた、近づきつつある時間または近づきつつある場所のうちの1つ以上にて車両についてバッテリアセンブリのデューティサイクルを判定することと、予測される周囲温度に基づいて、およびバッテリアセンブリのデューティサイクルに基づいて、バッテリアセンブリについての温度事前調整計画を判定することとを含む。温度事前調整計画は、近づきつつある時間もしくは近づきつつある場所のうちの1つ以上の前に、バッテリアセンブリが加熱もしくは冷却される調整時間、1つ以上の近づきつつある場所の前にバッテリアセンブリが加熱もしくは冷却される調整場所、バッテリアセンブリに貯蔵された電気エネルギーの量であって、バッテリアセンブリを加熱もしくは冷却するために使用され、1つ以上の負荷に電力を供給するために利用可能でない電気エネルギーの量、バッテリアセンブリを充電するための非搭載充電源の第1の可用性、および/またはバッテリアセンブリを充電するための電力を供給するための、搭載供給源の第2の可用性、のうちの1つ以上を含む。
【0073】
バッテリアセンブリのデューティサイクルは、バッテリアセンブリの異なるデューティサイクルを有する1つ以上の近づきつつある場所に行くかまたはそこを通過する車両に対して、所望の温度範囲からのバッテリアセンブリの第1の温度の逸脱を低減するために、バッテリアセンブリを加熱または冷却するために使用される、バッテリアセンブリに貯蔵されているエネルギーの量を低減するように判定されることができる。方法はまた、バッテリアセンブリのセルの化学的性質、バッテリアセンブリの年齢、バッテリアセンブリの以前のデューティサイクルの数、バッテリアセンブリの健全性の状態、および/または所与の時間に利用可能なエネルギー貯蔵の量のうちの1つ以上に基づいて、所望の温度範囲を判定することを含むことができる。方法はまた、1つ以上の近づきつつある場所に行く間、またはそこを通過するときに、バッテリアセンブリの第1の温度を所望の温度範囲内に維持することを含むことができる。
【0074】
温度事前調整計画は、電力被供給システムの静止動作中にバッテリアセンブリの第1の温度を所望の温度範囲内に維持するように判定されることができる。温度事前調整計画は、連続的な事前調整計画であり得る。この方法はまた、車両が、車両の現在の場所の第2の温度、および/または指定されたバッテリ温度のうちの1つ以上に対してより高い温度を有する1つ以上の近づきつつある場所に到達する前に、バッテリアセンブリを予め冷却することを含むことができる。
【0075】
方法は、(1)車両が、車両の現在の場所の第2の温度に対して低下された温度を有する1つ以上の近づきつつある場所に到達するか、および/または(2)バッテリアセンブリの第1の温度が、指定されたバッテリ温度を下回って低下する、うちの1つ以上の前に、バッテリアセンブリを予め加熱することを含むことができる。本方法は、バッテリアセンブリのデューティサイクルが低下される前に、バッテリアセンブリを予め加熱することを含むことができる。方法は、バッテリアセンブリに貯蔵されたエネルギーを使用して、バッテリアセンブリを加熱または冷却して、バッテリアセンブリの第1の温度を所望の温度範囲内に維持することを含むことができる。予測される周囲温度は、車両が1つ以上の近づきつつある場所にいるであろう時間中の天気予報、車両が1つ以上の近づきつつある場所にいるであろう1日のうちの時間、車両が1つ以上の近づきつつある場所にいるであろう間の暦年の季節、1つ以上の近づきつつある場所の地理的な場所、および/または1つ以上の以前の日付の以前の温度プロファイルのうちの1つ以上に基づいてもよい。
【0076】
予測される周囲温度は、1つ以上の近づきつつある場所の高度、1つ以上の近づきつつある場所が都市エリアもしくは地方エリア内にあるという判定、および/または1つ以上の近づきつつある場所が気流制限されたエリア内にあるという判定に基づいてもよい。予測される周囲温度は、車両の計画された移動の距離閾値内にある1つ以上の近づきつつある場所もしくは近傍の場所への、またはその場所を通過する、車両または別の車両の1つ以上の以前の走行に基づいてもよい。予測される周囲温度は、1つ以上の近づきつつある場所に配設された1つ以上の沿道のセンサ、もしくはバッテリアセンブリ付き車両の前方を走行する別の車両に搭載された車両センサ、または気象ステーションから取得することができる。
【0077】
本方法は、車両が動いている間に非搭載供給源から取得されたエネルギーを使用することを含むことができる。例えば、車両が動き続けている間、車両の1つ以上の負荷に電力を供給し、加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給し、バッテリアセンブリを充電するなどのために、吊架線、電気化されたレールなどから電流を取得することができる。方法はまた、充電ステーションから取得されたエネルギーを使用してバッテリアセンブリを加熱または冷却することに関連する時間的な走行遅延が閾値遅延未満であることに応答して、1つ以上の近づきつつある場所に到達する前に充電ステーションから取得されたエネルギーを使用することを含むことができる。例えば、この方法は、静止充電ステーション(車両が静止している間に)を使用してバッテリアセンブリを指定された温度に加熱または冷却するのに必要な時間が指定された期間以下である限り、充電ステーションで車両を停止して加熱および/または冷却アセンブリに電力を供給する(バッテリアセンブリを加熱または冷却するために)ことを含むことができる。これは、バッテリアセンブリの温度を許容可能な限度内に維持しながら、車両がスケジュールに遅れないようにするのを確実にするのを助けることができる。
【0078】
時間的な走行遅延は、充電ステーションが、ある範囲の距離にわたる充電用に利用可能な充電ステーションであることに応答して、閾値遅延よりも小さいと判定され得る。例えば、充電ステーションが移動可能である場合、吊架線である場合、電気化されたレールである場合などでは、遅延は、ステーションからエネルギーを取得するために車両が停止する必要があった場合よりも小さくなり得る(車両がステーションからエネルギーを取得しながら移動を続けることができるため)。方法はまた、充電ステーションからエネルギーを取得する財務費用が許容されるか、または閾値費用未満であることに少なくとも部分的に基づいて、熱管理のためのエネルギー供給源として充電ステーションを選択することを含むことができる。充電ステーションは、電気化されたレール、電気化された吊架線、または無線充電システムのうちの1つ以上であり得る。
【0079】
本方法はまた、充電ステーションから取得されたエネルギーを使用して、バッテリアセンブリを優先的に熱的に調整するか、または充電ステーションよりも前に、バッテリアセンブリを熱的に調整することも含むことができる。本方法はまた、車両に搭載されたエンジンの動作から取得されたエネルギーを使用して、バッテリアセンブリを熱的に管理することも含むことができる。本方法はまた、車両に搭載されているエンジンまたは燃料セルによって生成された熱を使用して、バッテリアセンブリを加熱することも含むことができる。方法は、車両に搭載された冷却回路を使用して、バッテリアセンブリを冷却することをさらに含むことができる。温度事前調整計画は、バッテリアセンブリからの熱を吸収する熱質量として車両を使用してバッテリアセンブリを冷却するように指示することができる。温度事前調整計画は、受動的なバランシングを使用してバッテリアセンブリを加熱するように指示することができる。より大きな電荷を有するアセンブリのセルに貯蔵されたエネルギーは、受動的なバランシングを介して熱として散逸されることができ、この熱は、バッテリアセンブリの温度が許容可能な温度の範囲内に維持されるように、バッテリアセンブリを加熱するために使用され得る。温度事前調整計画は、受動的なバランシングの停止を指示して、バッテリアセンブリを加熱することを回避する。温度事前調整計画は、バッテリアセンブリ内のバッテリセルの第1のストリングが、バッテリアセンブリ内のバッテリセルの第2のストリングよりも冷却されるように指示し、バッテリセルの第2のストリングが、バッテリセルの第1のストリングの前に車両に電力を供給するために使用されるように指示することができる。
【0080】
温度事前調整計画は、バッテリアセンブリ内のバッテリセルの1つ以上の第1のストリングを、バッテリアセンブリに電力を供給して加熱または冷却するために使用されるように指示し、一方で、バッテリセルの1つ以上の第2のストリングが、バッテリアセンブリの加熱または冷却に電力を供給するために使用されないように指示することができる。温度事前調整計画は、バッテリセルの使用、バッテリセルの化学的性質、および/またはバッテリセルの場所のうちの1つ以上に基づいて、バッテリアセンブリ内のバッテリセルの1つ以上の第1のストリングが加熱または冷却されるように指示し、一方で、バッテリアセンブリ内のバッテリセルの1つ以上の第2のストリングが、加熱または冷却されないように指示することができる。1つ以上の負荷は、バッテリアセンブリによって電力供給される推進システムを含み、車両を推進することができる。1つ以上の負荷は、バッテリアセンブリによって電力供給される補助負荷を含み、車両の推進とは異なる作業を実行することができる。デューティサイクルおよび温度事前調整計画は、車両の動きのためのバッテリアセンブリについて判定されることができる。デューティサイクルおよび温度事前調整計画は、車両が静止している間のバッテリアセンブリのために判定されることができる。
【0081】
一実施形態では、システムは、車両が行くか、または通過する1つ以上の近づきつつある場所にて予測される周囲温度を判定し得る1つ以上のプロセッサを含む。車両は、車両に搭載されたバッテリアセンブリによって少なくとも部分的に電力供給される推進システムを有する。1つ以上のプロセッサは、1つ以上の近づきつつある場所への車両の近づきつつある走行、または通過についてのバッテリアセンブリのデューティサイクルを判定し得、予測される周囲温度に基づいて、およびバッテリアセンブリのデューティサイクルに基づいて、バッテリアセンブリについての温度事前調整計画を判定し得る。温度事前調整計画は、(a)バッテリアセンブリが1つ以上の近づきつつある場所の前方で加熱もしくは冷却される調整時間、および/または(b)バッテリアセンブリが1つ以上の近づきつつある場所の前方で加熱もしくは冷却される調整場所のうちの1つ以上を含む。
【0082】
1つ以上のプロセッサは、バッテリアセンブリを加熱または冷却するために使用される、バッテリアセンブリに貯蔵されているエネルギーの量を低減することを判定して、バッテリアセンブリのデューティサイクルが、バッテリアセンブリの異なるデューティサイクルを有する1つ以上の近づきつつある場所に行くかまたは通過する車両に対して、所望の温度範囲からのバッテリアセンブリの測定された温度の逸脱を低減することができる。1つ以上のプロセッサは、1つ以上の近づきつつある場所に行く間またはそれを通過するときに、バッテリアセンブリの測定された温度を所望の温度範囲内に維持する温度事前調整計画を判定し得る。1つ以上のプロセッサは、バッテリアセンブリのセルの化学的性質、バッテリアセンブリの年齢、またはバッテリアセンブリの以前のデューティサイクルの数のうちの1つ以上に基づいて、所望の温度範囲を判定し得る。1つ以上のプロセッサは、温度事前調整計画が、車両の現在の場所の温度に対して高い温度を有する1つ以上の近づきつつある場所に車両が到達する前に、バッテリアセンブリを予め冷却することを含むことを判定し得る。
【0083】
1つ以上のプロセッサは、温度事前調整計画が、車両の現在の場所の温度に対して低い温度を有する1つ以上の近づきつつある場所に車両が到達する前に、バッテリアセンブリを予め加熱することを含むことを判定し得る。1つ以上のプロセッサは、温度事前調整計画が、バッテリアセンブリのデューティサイクルが低減される前にバッテリアセンブリを予め加熱することを含むことを判定し得る。1つ以上のプロセッサは、温度事前調整計画が、バッテリアセンブリを加熱または冷却することなく、1つ以上の近づきつつある場所に行くかまたは通過する車両に対して、所望の温度範囲からのバッテリアセンブリの測定された温度の逸脱を低減するために、バッテリアセンブリを加熱または冷却するために使用される、バッテリアセンブリに貯蔵されているエネルギーの量を低減することを判定することができる。
【0084】
1つ以上のプロセッサは、車両が1つ以上の近づきつつある場所にいるであろう時間中の天気予報、車両が1つ以上の近づきつつある場所にいるであろう1日のうちの時間、車両が1つ以上の近づきつつある場所にいるであろう間の暦年の季節、または1つ以上の近づきつつある場所の地理的な場所のうちの1つ以上に基づいて予測される周囲温度を判定し得る。1つ以上のプロセッサは、1つ以上の近づきつつある場所の高度、1つ以上の近づきつつある場所が都市エリアもしくは地方エリア内にあるという判定、または1つ以上の近づきつつある場所が気流制限されたエリア内にあるという判定に基づいて予測される周囲温度を判定し得る。
【0085】
1つ以上のプロセッサは、1つ以上の近づきつつある場所への車両もしくは別の車両の1つ以上の以前の走行、または1つ以上の近づきつつある場所の通過に基づいて、予測される周囲温度を判定し得る。1つ以上のプロセッサは、1つ以上の近づきつつある場所に配設された1つ以上の沿道のセンサ、またはバッテリアセンブリ付き車両の前方を走行する別の車両に搭載された車両センサ、または気象ステーションから、予測される周囲温度を判定し得る。1つ以上のプロセッサは、温度事前調整計画が、1つ以上の近づきつつある場所に到達する前に車両が停止する沿道の充電ステーションから取得されたエネルギーの使用を指示して、バッテリアセンブリを加熱または冷却することを判定し得る。
【0086】
1つ以上のプロセッサは、温度事前調整計画が、沿道の充電ステーションがバッテリアセンブリを充電する前に、沿道の充電ステーションから取得されたエネルギーの使用を指示して、バッテリアセンブリを加熱または冷却することを判定し得る。1つ以上のプロセッサは、温度事前調整計画が、車両に搭載されたエンジンの動作から取得されたエネルギーの使用を指示して、バッテリアセンブリを加熱または冷却することを判定し得る。1つ以上のプロセッサは、温度事前調整計画が、車両に搭載されたエンジンによって生成された熱を使用して、バッテリアセンブリを加熱するように指示することを判定し得る。
【0087】
1つ以上のプロセッサは、温度事前調整計画が、車両に搭載されたエンジンの冷却回路の使用を指示して、バッテリアセンブリを冷却することを判定し得る。1つ以上のプロセッサは、温度事前調整計画が、バッテリアセンブリからの熱を吸収する熱質量として、車両の使用を指示して、バッテリアセンブリを冷却することを判定し得る。1つ以上のプロセッサは、温度事前調整計画が、受動的なバランシングの使用を指示して、バッテリアセンブリを加熱することを判定し得る。1つ以上のプロセッサは、温度事前調整計画が、受動的なバランシングの停止を指示して、バッテリアセンブリが加熱されることを回避するのを判定し得る。
【0088】
1つ以上のプロセッサは、温度事前調整計画が、バッテリアセンブリ内のバッテリセルの第1のストリングが、バッテリアセンブリ内のバッテリセルの第2のストリングよりも冷却されるように指示し、バッテリセルの第2のストリングが、バッテリセルの第1のストリングの前に車両に電力を供給するために使用されるように指示することを判定し得る。
【0089】
一実施形態では、方法は、車両に搭載されたバッテリアセンブリによって少なくとも部分的に電力供給される推進システムを有する車両の近づきつつある予測される周囲温度を判定することと、予測される周囲温度に基づいて、バッテリアセンブリの温度事前調整計画を判定することとを含む。温度事前調整計画は、バッテリアセンブリの加熱および/または冷却を指示し、加熱または冷却されていないバッテリアセンブリと比較して、所望の温度範囲外のバッテリアセンブリの測定温度の逸脱を低減する。
【0090】
温度事前調整計画は、異なる電力供給源を使用してバッテリアセンブリを加熱または冷却することに関連する費用に基づいて判定され得る。温度事前調整計画は、バッテリアセンブリを加熱または冷却するために電気エネルギーを供給するために利用可能な電力供給源に基づいて判定され得る。温度事前調整計画は、バッテリアセンブリを加熱または冷却するために必要な時間量に基づいて判定され得る。温度事前調整計画は、温度事前調整計画に従って、バッテリアセンブリの加熱または冷却を開始した後に修正することができる。
【0091】
本方法はまた、オペレータ入力に基づいて、温度事前調整計画を修正または上書きすることも含むことができる。
【0092】
一実施形態では、方法は、判定された近づきつつある時間、または近づきつつある場所にバッテリアセンブリが到着する前に、バッテリアセンブリを熱的に調整することと、熱調整に使用される電力の供給源を選択することとを含む。一実施形態では、システムは、バッテリアセンブリの温度を熱的に調整し得る1つ以上のプロセッサを有するコントローラを含む。コントローラはまた、バッテリアセンブリ温度を調整するために使用される電力の供給源、熱調整が発生する時間、または電力の供給源と熱調整の時間との両方を選択してもよい。
【0093】
熱調整は、1)判定された場所における予測または測定された周囲温度、および2)判定された場所に到着する前に、または判定された場所にいる間に、バッテリアセンブリの実際のまたは予想されるデューティサイクルの両方に少なくとも部分的に基づくことができる。一実施形態では、システム質量および環境は、熱浸透値を判定すると考慮される。アルミニウム製の低質量システムは、例えば、熱伝達性材料よりも熱を長く保持する鋼またはプラスチック製の高質量システムと比較して、所定の事前調整温度をより早く達成し得るが、それを長く保持しない場合がある。
【0094】
一実施形態では、判定された動作範囲(おそらく最適化された動作範囲)の外側のバッテリシステムの熱逸脱は、監視され、記録され得る。逸脱の頻度、持続時間および重症度は、(独立してまたは一緒に)監視および記録され得る。バッテリ(またはその構成要素-ストリング、モジュール、セル)のそのようなストレスイベントカタログは、車両の性能、メンテナンススケジュールを制御するため、かつ/またはバッテリシステムの健全性状態を形成するために使用されてもよい。
【0095】
単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明示的に別様に示さない限り、複数参照を含む。「任意選択の」または「任意選択的に」は、続いて記載されるイベントまたは状況が生じ得るか、または生じ得ず、その記載が、そのイベントが生じる場合と生じない場合とを含み得ることを意味する。本明細書および特許請求の範囲全体を通して本明細書で使用される近似言語は、それが関連し得る基本機能の変化をもたらすことなく許容可能に変化し得る任意の定量的表現を修正するために適用され得る。したがって、「約」、「実質的に」、および「およそ」などの用語(複数可)によって修飾される値は、指定された正確な値に限定され得ない。少なくともいくつかの場合では、近似言語は、値を測定するための器具の精度に対応し得る。本明細書および特許請求の範囲全体を通して、範囲制限を組み合わせおよび/または交換してもよく、そのような範囲は識別されてもよく、文脈または言語が別途指示しない限り、そこに含まれるすべてのサブ範囲を含む。
【0096】
この書面による説明は、例を使用して、最良のモードを含む実施形態を開示し、任意の装置またはシステムを作製および使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含む実施形態を当業者が実践することを可能にする。特許請求の範囲は、本開示の特許可能な範囲を定義し、当業者に生じる他の例を含む。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字どおりの言語とは異なる構造要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文字どおりの言語とは実質的に異なる等価な構造要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5