(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、情報処理端末、及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20240215BHJP
G06F 3/04845 20220101ALI20240215BHJP
【FI】
G06T19/00 A
G06F3/04845
(21)【出願番号】P 2022183410
(22)【出願日】2022-11-16
【審査請求日】2023-03-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 勉
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 裕
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 央
【審査官】中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08289331(US,B1)
【文献】特開2011-143121(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104835195(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0226811(US,A1)
【文献】特開2020-160615(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0267312(US,A1)
【文献】特開2021-192230(JP,A)
【文献】特開2017-147621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
G06F 3/04845
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理端末のコンピュータを、
前記情報処理端末の表示部に表示された画面を介してユーザ操作を受け付ける受付手段と、
模型の三次元モデルを表示部に表示するとともに、該三次元モデルの可動ポイントを操作可能に表示する表示制御手段と、
として機能させ、
前記表示制御手段は、前記表示部に表示する可動ポイントの数を切り替える切替指示を前記受付手段によって受け付けると、該切替指示に従って、
前記三次元モデルが表す前記模型の体格を変更することなく、前記表示部に表示する前記可動ポイントの数を切り替えて表示することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記切替指示に従って、前記可動ポイントの数を段階的に増減させることを特徴する請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
表示される前記可動ポイントの最大数は、前記三次元モデルに対応する現実の模型における可動部の最大数と同数であることを特徴とする請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記表示部に表示した前記三次元モデルの可動部の位置に重畳して、前記可動ポイントを示すオブジェクトを表示することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記情報処理端末のコンピュータを、さらに、前記可動ポイントを操作するユーザ操作を前記受付手段によって受け付けると、該ユーザ操作に応じて、前記三次元モデルの少なくとも1つのパーツの動作を決定する決定手段として機能させ、
前記表示制御手段は、前記決定手段によって決定された前記少なくとも1つのパーツの動作に従って、前記三次元モデルの表示を更新することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記決定手段は、さらに、前記ユーザ操作に応じて決定した前記少なくとも1つのパーツの動作に追従するパーツの動作を決定し、
前記表示制御手段は、前記決定手段によって決定された前記少なくとも1つのパーツの動作に加えて、前記追従するパーツの動作に従って、前記三次元モデルの表示を更新することを特徴とする請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記可動ポイントを操作する前記ユーザ操作とは、前記表示部に表示された1つの可動ポイントを押下し、押下した状態で対応するパーツを回動させる方向へスワイプさせる操作であることを特徴とする請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記可動ポイントを操作する前記ユーザ操作とは、前記表示部に表示された1つの可動ポイントを選択し、選択した後に対応するパーツを回動させる方向へスワイプさせる操作であることを特徴とする請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記受付手段は、前記可動ポイントを固定するユーザ操作を受け付け可能であり、
前記決定手段は、前記ユーザ操作に応じて固定された前記可動ポイントに関連するパーツを除外して、前記三次元モデルの少なくとも1つのパーツの動作を決定することを特徴とする請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記情報処理端末のコンピュータを、さらに、編集された前記三次元モデルの姿勢を保存する保存指示を前記受付手段によって受け付けると、ネットワークを介して通信可能なアプリケーションサーバに対して、編集された前記三次元モデルの姿勢情報とともに保存要求を通知する通知手段として機能させることを特徴とする請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記表示制御手段は、前記受付手段によって受け付けたユーザ操作に応じて、前記表示部に表示した前記三次元モデルを多方向に回転させて表示することを特徴とする請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
情報処理端末であって、
前記情報処理端末の表示部に表示された画面を介してユーザ操作を受け付ける受付手段と、
模型の三次元モデルを表示部に表示するとともに、該三次元モデルの可動ポイントを操作可能に表示する表示制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記三次元モデルが表す前記模型の体格を変更することなく、前記表示部に表示する可動ポイントの数を切り替える切替指示を前記受付手段によって受け付けると、該切替指示に従って、前記表示部に表示する前記可動ポイントの数を切り替えて表示することを特徴とする情報処理端末。
【請求項13】
情報処理端末の制御方法であって、
前記情報処理端末の表示部に表示された画面を介してユーザ操作を受け付ける受付工程と、
模型の三次元モデルを表示部に表示するとともに、該三次元モデルの可動ポイントを操作可能に表示する表示制御工程と、
を含み、
前記表示制御工程では、
前記三次元モデルが表す前記模型の体格を変更することなく、前記表示部に表示する可動ポイントの数を切り替える切替指示を前記受付工程で受け付けると、該切替指示に従って、前記表示部に表示する前記可動ポイントの数を切り替えて表示することを特徴とする情報処理端末の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータプログラム、情報処理端末、及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの関節を有する可動フィギュアが知られている。また、フィギュア等の物体を多方向から撮像し、複数の撮像画像から三次元モデルを生成し、仮想空間上に表示する技術が知られている。特許文献1は、複数の撮像画像から生成した三次元モデルに対して、テクスチャをマッピングして仮想空間上に配置して表示し、プリミティブの回転移動や並進移動に合わせてテクスチャを移動させる技術を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、撮像画像に含まれるフィギュアから生成した三次元モデル全体を画面上で回転させたり、並進移動させたりすることができる。一方で、上記従来技術ではフィギュア全体を移動させることはできるものの、現実の可動フィギュアのように関節等を可動させることについては言及されていない。しかしながら、画面上に表示した三次元モデルにおいて、現実の可動フィギュアと同様に関節等を動作させることができれば、より臨場感を与えることができる。さらには、ユーザ操作に応じて関節等の可動を実現できれば、より興趣性を高めることができる。
【0005】
本発明は例えば、画面上に表示したフィギュア等の三次元モデルの操作に関する新規な仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば、情報処理端末のコンピュータを、前記情報処理端末の表示部に表示された画面を介してユーザ操作を受け付ける受付手段と、模型の三次元モデルを表示部に表示するとともに、該三次元モデルの可動ポイントを操作可能に表示する表示制御手段と、として機能させ、前記表示制御手段は、前記三次元モデルが表す前記模型の体格を変更することなく、前記表示部に表示する可動ポイントの数を切り替える切替指示を前記受付手段によって受け付けると、該切替指示に従って、前記表示部に表示する前記可動ポイントの数を切り替えて表示することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、例えば、情報処理端末であって、前記情報処理端末の表示部に表示された画面を介してユーザ操作を受け付ける受付手段と、模型の三次元モデルを表示部に表示するとともに、該三次元モデルの可動ポイントを操作可能に表示する表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記三次元モデルが表す前記模型の体格を変更することなく、前記表示部に表示する可動ポイントの数を切り替える切替指示を前記受付手段によって受け付けると、該切替指示に従って、前記表示部に表示する前記可動ポイントの数を切り替えて表示することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、例えば、情報処理端末の制御方法であって、前記情報処理端末の表示部に表示された画面を介してユーザ操作を受け付ける受付工程と、模型の三次元モデルを表示部に表示するとともに、該三次元モデルの可動ポイントを操作可能に表示する表示制御工程と、を含み、前記表示制御工程では、前記三次元モデルが表す前記模型の体格を変更することなく、前記表示部に表示する可動ポイントの数を切り替える切替指示を前記受付工程で受け付けると、該切替指示に従って、前記表示部に表示する前記可動ポイントの数を切り替えて表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば例えば、画面上に表示したフィギュア等の三次元モデルの操作に関する新規な仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係るシステムの構成例を示す図。
【
図3】一実施形態に係るシステムが提供するデジタルフィギュアの画面遷移の一例を示す図。
【
図4】一実施形態に係る可動ポイントの段階的な増減を示す図。
【
図5】一実施形態に係る三次元モデルの可動操作を示す図。
【
図6】一実施形態に係るシステムのシーケンスを示す図。
【
図7】一実施形態に係る基本制御の処理手順を示すフローチャート。
【
図8】一実施形態に係るポーズ編集の処理手順を示すフローチャート。
【
図9】一実施形態に係る可動表示制御の処理手順を示すフローチャート。
【
図10】一実施形態に係る三次元モデルの可動操作の変形例1を示す図。
【
図11】一実施形態に係る三次元モデルの可動操作の変形例2を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴うち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
<システム構成>
まず
図1を参照して、本実施形態に係るシステム構成について説明する。なお、ここでは必要最低限の簡易的な構成について説明するが、本発明を限定するものではない。例えば、各装置については複数の装置が含まれてもよいし、複数のサーバが一体化して設けられてもよい。
【0013】
本システムは、情報処理端末101a、101b、101c、及びアプリケーションサーバ102を含んで構成される。以下では、情報処理端末101a、101b、101cについて、いずれの情報処理端末についても該当する構成や制御について説明を行う場合には参照符号の末尾に付与したアルファベットを省略して、単に情報処理端末101と記載する。情報処理端末101及びアプリケーションサーバ102はネットワーク103を介して相互に通信可能に接続される。
【0014】
情報処理端末101は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、タブレットPC、スタンドアロン型のPC等の情報処理端末である。ネットワークを介してアプリケーションサーバ102と通信可能な通信部と、画像を表示する表示部とを少なくとも有する情報処理端末であれば任意の装置であってよい。情報処理端末101は、ネットワーク103を介してアプリケーションサーバ102から、本発明を実施するためのアプリケーションをダウンロードしてインストールする。当該アプリケーションが情報処理端末101で実行されることによって、以下で説明する所定の模型(可動フィギュア)の三次元モデルを画面上に表示して、可動部を操作することにより画面上で所定の模型(フィギュア)を可動させることができる。このように画面上で操作可能に表現されるフィギュアを以下ではデジタルフィギュアと称する。
【0015】
アプリケーションサーバ102は、情報処理端末101に対してアプリケーションを提供する。また、アプリケーションサーバ102は、情報処理端末101で当該アプリケーションが起動させると、ユーザの認証情報に応じて、当該ユーザが選択可能なフィギュアや各フィギュアのポーズ(姿勢)情報を情報処理端末101に提供する。ユーザはアプリケーション上でデジタルフィギュアを購入することができる。アプリケーションサーバ102は、ユーザの認証情報に紐付けて当該ユーザが購入したデジタルフィギュアを登録している。したがって、アプリケーションサーバ102はユーザの認証情報と、当該認証情報に紐付いた上記登録情報を参照することにより、提供可能なデジタルフィギュアを特定することができる。なお、デジタルフィギュアの三次元モデル情報は、アプリケーションサーバ102で管理される情報であるが、情報処理端末101のローカルな記憶領域へ記憶してもよい。
【0016】
<各装置の構成>
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る情報処理端末101及びアプリケーションサーバ102の構成例について説明する。ここでは、本発明を説明する上で重要なデバイスについてのみ説明する。したがって、情報処理端末101及びアプリケーションサーバ102は代替的に又は追加的に他のデバイスを含んで構成されてもよい。
【0017】
まず情報処理端末101の構成について説明する。情報処理端末101は、CPU201、記憶部202、通信制御部203、表示部204、操作部205、及びカメラ206を備える。各コンポーネントは、システムバス210を介して相互にデータを送受することができる。
【0018】
CPU201は、システムバス210を介して接続された各コンポーネントを全体的に制御する中央処理プロセッサである。CPU201は、記憶部202に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、後述する各処理を実行する。記憶部202は、CPU201のワーク領域や一時領域として使用されるとともに、CPU201によって実行される制御プログラムや各種データを記憶している。
【0019】
通信制御部203は広帯域無線通信によりネットワーク103を介してアプリケーションサーバ102と双方向通信を行うことができる。なお、通信制御部203は、広帯域無線通信に加えて又は代えて、無線LAN(WiFi)、Bluetooth(登録商標)通信、及び赤外線通信などの近距離無線通信の機能を有してもよい。通信制御部203は、例えば広帯域無線通信機能を有しておらず、WiFi通信機能を有している場合、近くのアクセスポイントを介してネットワーク103へ接続する。
【0020】
表示部204はタッチパネル式の液晶ディスプレイであってもよく、各種画面を表示するとともに、アプリケーション画面においてユーザによって選択されたデジタルフィギュアを表示する。操作部205は、受付手段として機能し、ユーザ操作を受け付ける操作入力部であり、表示部204と一体化して設けられてもよい。また、操作部205は、物理的に構成された押下式やスライド式のボタン等を含んでもよい。
【0021】
カメラ206は、情報処理端末101の周辺環境を撮像する撮像部である。カメラ206によって撮像した画像中にデジタルフィギュアを配置して操作することも可能である。なお、本発明を実現する上でカメラ206は必須の構成ではない。例えば、本実施形態に係る情報処理端末101は、外部から受信した撮像画像等にデジタルフィギュアを合成して表示することも可能である。
【0022】
続いてアプリケーションサーバ102の構成について説明する。アプリケーションサーバ102は、CPU211、ROM212、RAM213、表示部214、操作部215、通信制御部216、及びハードディスクドライブ(HDD)217を備える。CPU211は、システムバス220を介して接続された各コンポーネントを全体的に制御する中央処理プロセッサである。
【0023】
CPU211は、ROM212やHDD217に記憶されたコンピュータプログラムをRAM213に読み出して実行することにより、各処理を実行する。ROM212は、各種プログラムや各種データを記憶する不揮発性メモリである。RAM213は、CPU211のワーク領域や一時領域として使用される揮発性メモリである。HDD217は、大容量の記憶デバイスであり、ユーザの認証情報や、当該認証情報に紐付けた、ユーザごとの登録情報を記憶する。
【0024】
通信制御部216はネットワーク103を介して情報処理端末101と双方向通信を行うことができる。なお、通信制御部216は、無線LAN(WiFiなど)により、近くのアクセスポイントを介してネットワーク103へ接続する。表示部214は、各種画面を表示する。操作部215は、本システムの管理者等の操作を受け付ける操作入力部である。また、操作部215は、マウス等のポインティングデバイスであってもよい。
【0025】
<デジタルフィギュア>
次に、
図3を参照して、本実施形態に係るシステムが提供するデジタルフィギュアの一例について説明する。ここでは、デジタルフィギュアを提供するアプリケーションがアプリケーションサーバ102から情報処理端末101にダウンロードされ、インストールされていることを前提とする。当該アプリケーションは、情報処理端末101で実行されることにより三次元モデルを操作可能に表示部204に表示する。
図3(a)~
図3(d)は上記アプリケーションにおける画面遷移を示す。
【0026】
図3(a)に示す画面300は、デジタルフィギュアを提供するアプリケーションを起動した際に情報処理端末101の表示部204に表示されるフィギュア選択画面である。フィギュア選択画面300には、複数のデジタルフィギュアをそれぞれ選択可能な選択領域301と、決定ボタン302とを含んで表示される。ユーザは画面上で操作を所望するフィギュアの選択領域303を選択し、決定ボタン302を操作する。当該ユーザ操作に応じて、フィギュア選択画面300からポーズ選択画面310へ遷移する。選択可能なデジタルフィギュアは、認証情報などのユーザ情報に紐付けられてアプリケーションサーバ102において管理されている。例えば、不図示の画面を介して新たなデジタルフィギュアを購入することができ、購入したデジタルフィギュアはアプリケーションサーバ102にユーザ情報とともに登録され、フィギュア選択画面300の選択領域301に追加される。
【0027】
図3(b)にポーズ選択画面310を示す。ポーズ選択画面310は、デジタルフィギュアの操作を開始する際のデフォルトの姿勢を選択する画面である。ポーズ選択画面310は、複数のポーズ(姿勢)を選択可能な選択領域311と、戻るボタン312、決定ボタン313、メニューボタン314、編集データ選択ボタン316、及びプリセット選択ボタン317を含んで表示される。ユーザは画面上でカスタマイズしたいポーズの選択領域315を選択し、決定ボタン313を操作する。当該ユーザ操作に応じて、ポーズ選択画面310から編集画面320へ遷移する。戻るボタン312が操作されると、画面をフィギュア選択画面300へ戻す。メニューボタン314が操作されると、各種設定項目が表示される。編集データ選択ボタン316が操作されると、選択領域315には、過去にユーザがデジタルフィギュアを操作してカスタマイズした1以上のポーズが選択可能に表示される。一方、プリセット選択ボタン317が操作されると、選択領域315には、対象のフィギュアにおいて予め設定されている複数のポーズが選択可能に表示される。
【0028】
図3(c)に編集画面320を示す。編集画面320では、表示されたデジタルフィギュアが編集可能に表示される。編集画面320は、デジタルフィギュア350、ボタン323~325、コスト表示329、及び姿勢モニタ328を含んで表示される。ボタン323が操作されると、デジタルフィギュアにおける可動ポイントが操作可能に表示される画面に遷移する。当該画面については
図4及び
図5を用いて後述する。ボタン324が操作されると、変更可能なパーツが選択可能にポップアップ表示される。例えば、当該フィギュアにおいて選択可能な頭や腕、ベルト等が選択可能に表示される。ボタン327が操作されると、各種設定項目が表示される。ボタン326が操作されると、編集画面320でのポーズの編集を終了する。ボタン327が操作されると、編集中のデジタルフィギュアのポーズがアプリケーションサーバ102に保存される。保存先としてはアプリケーションサーバ102に加えて又は代えて情報処理端末101のローカルのメモリ領域に保存されてもよい。
【0029】
コスト表示329は、編集中のデジタルフィギュアを仮想空間上のジオラマ等に配置した際の処理コストを示すものである。情報処理端末101等の処理性能に応じて、当該ジオラマ等に一度に配置可能なオブジェクトの数には上限があり、それらの目安となる処理コストを表示するものである。姿勢モニタ328は表示中のデジタルフィギュア350の姿勢を最大3軸で表示したものである。編集画面320ではデジタルフィギュアが正面を向いているため二軸で表現されている。なお、姿勢モニタ328を操作することにより、当該操作に連動してデジタルフィギュア350も回転して表示される。一方、デジタルフィギュア350を回転操作することによって、姿勢モニタ328も連動して表示が更新される。
【0030】
図3(d)は編集画面320でデジタルフィギュア350を右方向に回転させることにより表示が更新された編集画面330を示す。編集画面330には、正面を向いているデジタルフィギュア350が回転操作により右方向に回転したデジタルフィギュア351が表示されている。また、編集画面330は、上記編集画面320の表示に加えて、ボタン321、322が表示される。ボタン321、322は、デフォルトのポーズであるデジタルフィギュア350からユーザ操作によりポーズが編集されると表示される。ボタン321は直前の編集操作をキャンセルして、1つ前のポーズに戻すためのボタンである。ボタン322は、ボタン321が選択されることにより、過去のポーズに戻っている状態から、履歴保持されている1つ先のポーズへ進めるためのボタンである。また、ポーズが編集されたことにより、追従して姿勢モニタ331も更新される。
【0031】
<可動ポイント>
次に、
図4を参照して、本実施形態に係るデジタルフィギュアにおける可動ポイントについて説明する。
図4(a)~
図4(c)は、ユーザ操作に従って、デジタルフィギュアの可動ポイントの数を段階的に増減させる様子を示す。なお、可動ポイントとしては、フィギュアの関節位置や個々のパーツの接続部等に設定できるが特に限定されるものではない。
【0032】
図4(a)は、
図3(d)に示す編集画面330においてボタン323が操作された際に表示される編集画面400を示す。編集画面400では、403に示すようにフィギュア351の複数の可動ポイントがフィギュア351の可動部の位置に重畳して表示される。可動ポイントは例えば二重丸のマークで操作可能に表示される。操作方法については
図5を用いて後述する。編集画面400には、さらに、モード選択領域401及びモード表示部402が表示される。モード選択領域401は、表示する可動ポイントの数を段階的に増減させるためのスライドボタンである。編集画面400では表示モードとして第1のモードが選択されていることを示す表示がモード選択領域401の左領域と、モード表示部402とに表示されている。編集画面400は、ボタン323が選択され、可動ポイントの表示が開始された段階であるため、デフォルトの第1のモードが選択さている。本実施形態によれば、可動ポイントの表示モードには、複数のモード、例えば第1のモード(「かんたん」モード)、第2のモード(「そこそこ」モード)、及び第3のモード(「しっかり」モード)が含まれ、表示される可動ポイントの数が段階的に増減される。第3のモードにおいては、現実のフィギュアの可動部の最大数と同数の可動ポイントが表示される。ここで現実のフィギュアの可動部とは、画面上に表示されるデジタルフィギュアを現実のフィギュアと想定した場合に設定される可動部をいう。よって、ここでの現実のフィギュアは必ずしも実際のフィギュアとして存在する必要はなく、可動部は任意の位置に設定することができ、例えば設計データ等に基づき設定されても良い。ただし、実際のフィギュアにおける設計データの可動部に基づいて、デジタルフィギュアの可動ポイントが設定される場合には可動にリアリティが増し、より好ましいデジタルフィギュアを提供することができる。なお、ここでは、3つの段階にモードを区分しているが、本発明を限定する意図はなく、2つのモードや、さらに多くのモードに区分してもよい。
【0033】
図4(b)はモード選択領域401において第2のモードが選択された場合に遷移する編集画面410を示す。ユーザは編集画面400においてモード選択領域401の左領域から中央付近までスライド操作することにより第2のモードを選択することができる。当該操作は切替指示に相当する。編集画面410では、編集画面400と比較して、点線で囲まれた可動ポイントが新たに追加表示され、モード選択領域411とモード表示部412とを含んで表示される。編集画面410では表示モードとして第2のモードが選択されていることを示す表示がモード選択領域411の中央付近と、モード表示部412とに表示されている。
【0034】
図4(c)はモード選択領域411において第3のモードが選択された場合に遷移する編集画面420を示す。ユーザは編集画面410においてモード選択領域411の中央付近から右領域までスライド操作することにより第3のモードを選択することができる。当該操作は切替指示に相当する。編集画面420では、編集画面410と比較して、点線で囲まれた可動ポイントが新たに追加表示され、モード選択領域421とモード表示部422とを含んで表示される。編集画面420では表示モードとして第3のモードが選択されていることを示す表示がモード選択領域421の右側領域と、モード表示部422とに表示されている。
【0035】
なお、編集画面420で新たに追加表示された可動ポイントの中には、二重丸ではなく単なる円マークで表示されている可動ポイントがある。これは、二重丸で表示される可動ポイントとは可動種別が異なることを示す。可動種別には、例えば、球形状の連結部によって多方向に回動可能な可動ポイント(二重丸)と、単一方向(例えば、上下方向のみ)のみに回転可能な可動ポイント(単円)が含まれる。このように、本実施形態によれば、可動ポイントを示すオブジェクトの種別(形状、色、大きさなど)によって、それぞれが異なる可動種別を表すようにしてもよい。これにより、ユーザは各可動ポイントの可動種別やその可動方向などを容易に認識することができる。
【0036】
上記事例では、表示する可動ポイントの数を段階的に増大させる例について説明した。一方で、段階的に減少させることも可能である。例えば、第3のモードから第2のモードへ移行したり、第2のモードから第1のモードへ移行することも可能である。また、後述するように、所定モードで可動操作を行った後に、他のモードへ移行することも可能である。また、上記事例では、可動ポイントの数を増減させる例を説明したが、可動ポイントの数は同数とし、可動ポイントの位置が異なる複数のモードの間で切り替えても良い。或いは、可動ポイントの数を増減させつつ可動ポイントの位置も異なる複数のモードとしても良い。
【0037】
<デジタルフィギュアの操作方法>
次に、
図5を参照して、本実施形態に係るデジタルフィギュアの操作方法について説明する。ここでは、一例として編集画面400に示すように、可動ポイントの表示モードとして第1のモードが選択されている際に操作に応じた画面遷移について説明する。
【0038】
図5(a)はユーザがデジタルフィギュア351の右足首の可動ポイントを選択した状態の編集画面500を示す。501は、選択された可動ポイントを強調表示するオブジェクトを示す。オブジェクト501は、選択された可動ポイントを覆うように重畳して表示される。また、オブジェクト501を透過して選択された可動ポイントも視認可能に表示される。これにより、ユーザは何れの可動ポイントが選択されているかを容易に認識することができる。いずれかの可動ポイントが選択されると、ボタン502、503が追加表示される。ボタン502はデジタルフィギュア351の表示スケールを縮小するボタンである。一方、ボタン503はデジタルフィギュア351の表示スケールを拡大するボタンである。表示スケールを拡大する場合には、選択されている可動ポイントを中心に拡大表示が行われる。
【0039】
図5(b)は、501に示すように可動ポイントを選択した状態で、フィギュア351の右脚を後方へ回動させる操作が行われ、表示を更新した編集画面510を示す。編集画面510では右脚が後方へ移動した状態を示すようにフィギュア351の表示が更新されている。511に示すように、選択されている可動ポイントを示すオブジェクトの表示も追従して移動表示される。ユーザ操作としては、例えば所定の可動ポイントを押下した状態で、所定方向へスライド操作(スワイプ操作、フリック操作など)が行われることにより、選択されている可動ポイントに関連するパーツも当該所定方向へ移動表示される。或いは、所定の可動ポイントを選択するタッチ操作が行われ、一端タッチ操作を解放した後に、さらに、選択した可動ポイントを中心に回動させたい方向へ画面上をスライド操作(スワイプ操作、フリック操作など)が行われることにより実現されてもよい。デジタルフィギュア351の関連するパーツを回動させる範囲については、上記スライド操作の操作幅や操作スピードに応じて変動させてもよい。
【0040】
図5(c)は、
図5(b)の状態から、さらに、フィギュア351の右脚を後方へ回動させる操作が行われ、表示を更新した編集画面520を示す。編集画面520では右脚がさらに後方へ移動した状態を示すようにフィギュア351の表示が更新されている。521に示すように、選択されている可動ポイントを示すオブジェクトの表示も追従して移動表示される。なお、
図5(b)及び
図5(c)に示すように、選択されている可動ポイント右足首の位置であり、後方へのスライド操作によって当該可動ポイントが操作方向へ追従して移動するようにデジタルフィギュアを可動させることができる。また、本実施形態によれば、当該可動ポイントに当接する下腿部分のみが移動するのではなく、当該下腿部分の移動に追従して上腿部分も移動するように表示制御される。このように、本実施形態に係るデジタルフィギュアの操作方法によれば、操作された可動ポイントに関連するパーツと、当該パーツに追従するパーツとが連動して動作するようにユーザ操作に応じて表示制御が行われる。これにより、ユーザは現実のフィギュアと同様に、より直感的に可動操作を行うことができる。なお、移動表示については、ユーザのスライド操作に追従して動的に表示を更新することが望ましい。一方で処理負荷を軽減する場合には、操作中(指が画面に接触している状態)は表示を更新せず、ユーザが当該スライド操作を完了したタイミング、即ち、画面上から指の接触が解放されたタイミングで当該解放位置に基づいて移動距離を決定して表示を更新するようにしてもよい。
【0041】
なお、
図5においては、可動ポイントの表示モードとして第1のモードが選択されている場合の画面遷移について説明したが、可動ポイントの表示モードとして第2のモードや第3のモードが選択されている場合は、
図4(b)や
図4(c)に示す可動ポイントに基づいて
図5に示す場合と同様にフィギュア351を操作することができる。第2のモードを選択した場合には、例えばつま先の可動ポイントが増加し、つま先の位置(角度)を自由に動かすことができる。本実施形態においては、可動ポイントに関する設定を変更することができるため、デジタルフィギュアの操作に不慣れな場合は可動ポイントの数が少ない第1のモードに設定し、操作に慣れた段階で可動ポイントの数が多い第2のモードや第3のモードに変更する等、ユーザの習熟度や操作に関する好み等に応じて可動ポイントを設定することができ、システムの利便性を向上させることが可能である。
【0042】
<シーケンス>
次に、
図6を参照して、本実施形態に係るデジタルフィギュアを実現する際の情報処理端末101とアプリケーションサーバ102との間のシーケンスについて説明する。ここでは、デジタルフィギュアを提供するアプリケーションがアプリケーションサーバ102から情報処理端末101にダウンロードされ、インストールされていることを前提とする。また、デジタルフィギュアを操作してポーズを編集し、編集したポーズをサーバへ保存する動作について説明する。
【0043】
アプリケーションを起動する操作を受け付けると、S1で情報処理端末101は、当該アプリケーションを起動する。アプリケーションが起動すると、S2でアプリケーションは、ユーザのログイン要求を当該ユーザの認証情報とともに、アプリケーションサーバ102へ通知する。当該認証情報については、アプリケーションの初回起動時にユーザから受け付けた入力情報を保持し、次回以降の起動時には当該情報を利用するようにしてもよいし、毎回起動時にユーザから受け付けるようにしてもよい。
【0044】
S3でアプリケーションサーバ102は、要求されたユーザの認証を行い、認証が成功すると、当該ユーザに関連するユーザ関連情報を情報処理端末101へ返答する。ユーザ関連情報には、ユーザの認証情報に紐付いて登録されている、選択可能なフィギュア情報と、各フィギュアで選択可能なポーズ情報とが含まれる。ユーザ関連情報を受信すると、アプリケーションは、ユーザの選択可能なフィギュア情報に基づいて、フィギュア選択画面300を表示部204に表示する。
【0045】
次に、S4でアプリケーションは、フィギュア選択画面300を介してフィギュアの選択を受け付けると、S3で受信したポーズ情報に基づいてポーズ選択画面310を表示部204に表示する。なお、フィギュア選択画面300を介してユーザ所望のフィギュアが選択された段階で、情報処理端末101からアプリケーションサーバ102へ要求して当該フィギュアに関するポーズ情報を受信するようにしてもよい。これにより、S3で全てのフィギュアのポーズ情報を予め受信する場合と比較して、情報処理端末101におけるメモリ使用量を軽減することができる。
【0046】
次に、S5でアプリケーションは、ポーズ選択画面310を介して当該フィギュアのポーズの選択を受け付けると、アプリケーションに対して当該フィギュアのデジタルフィギュアを示す三次元モデルデータを要求する。S7でアプリケーションサーバ102は、要求されたデジタルフィギュアの三次元モデルデータを情報処理端末101へ返信する。なお、ここで送信される三次元モデルデータは、選択されたポーズに特化したデータであってもよいし、所定の基準ポーズのデータであってもよい。所定の基準ポーズを送信する場合には情報処理端末101において、選択されたポーズに従って三次元モデルを変更して表示する制御が必要となる。
【0047】
三次元モデルデータを受信すると、S8でアプリケーションは、受信したデータに基づいて編集画面320を表示部204に表示する。その後、ボタン323が操作されると、S9でアプリケーションは、可動ポイントを操作可能に表示した編集画面400、500を表示する。さらに、モード選択や可動ポイントの操作を受け付けると、アプリケーションは編集画面400、500に表示しているデジタルフィギュアの表示を更新する。
【0048】
その後、ボタン325が操作されると、S10でアプリケーションは、現在のデジタルフィギュアのポーズ状態を保存する要求をアプリケーションサーバ102へ通知する。S11でアプリケーションサーバ102は、当該情報をユーザの認証情報に紐付けて登録すると、情報処理端末101へ保存が完了したことを示す返答を行う。
【0049】
<基本制御>
次に、
図7を参照して、本実施形態に係るデジタルフィギュアを提供するアプリケーションにおける基本制御の処理手順を説明する。以下で説明する処理は、例えばCPU201が記憶部202に予め記憶されている制御プログラム等を読み出して実行することにより実現される。
【0050】
まずS101でCPU201は、本実施形態に係るデジタルフィギュアを提供するアプリケーションが起動されると、フィギュア選択画面300を表示部204に表示する。フィギュア選択画面300を介して任意のフィギュアが選択されると、S102でCPU201は、ポーズ選択画面310を表示部204に表示する。ポーズ選択画面310を介して任意のポーズが選択されると、S103でCPU201は、選択されたフィギュアのポーズ情報をアプリケーションサーバ102へ通知して、当該フィギュアの三次元モデルデータを取得する。三次元モデルデータには、表示可能な可動ポイントに関する情報も含まれる。
【0051】
次に、S104でCPU201は、S103で取得した三次元モデルデータに従って、デジタルフィギュアの編集画面を表示部204に表示する。表示した編集画面を介してユーザ操作を受け付けると、S105でCPU201は、可動ポイントを表示するボタン323が操作されたかどうかを判断する。操作されたと判断するとS109に進み、そうでない場合はS106に進む。S109でCPU201は、デフォルトの表示数で可動ポイントを表示し、編集操作を受け付ける。S109の詳細な制御については
図8を用いて後述する。
【0052】
一方、S106でCPU201は、ポーズを保存するためのボタン325が操作されたかどうかを判断する。操作されたと判断するとS107に進み、そうでない場合はS108に進む。S107でCPU201は、現状のポーズの状態を示す姿勢情報とともに、保存指示求をアプリケーションサーバ102へ通知し、S108へ進む。
【0053】
S108でCPU201は、アプリケーションが終了されたかどうかを判断する。終了されていなければ処理をS105に戻し、終了された場合はアプリケーションを終了して、本フローチャートの処理を終了する。
【0054】
<可動ポイントの表示制御>
次に、
図8を参照して、本実施形態に係るポーズ編集制御(S109)の処理手順について説明する。以下で説明する処理は、例えばCPU201が記憶部202に予め記憶されている制御プログラム等を読み出して実行することにより実現される。
【0055】
まずS201でCPU201は、S103で取得した三次元モデルデータから可動ポイントに関する情報を取得する。続いて、S202でCPU201は、取得した可動ポイントに関する情報に従って、可動ポイントのデフォルトの表示モード(ここでは、第1のモード)で可動ポイントをデジタルフィギュアに重畳して表示する。
【0056】
次に、S203でCPU201は、モード選択領域401を介して可動ポイントの表示数が変更されたかどうかを判断する。変更された場合はS207に進み、そうでない場合はS204に進む。S207でCPU201は、変更された可動ポイントの表示モードに従って、可動ポイントの表示数を増減させて、処理をS204に進める。
【0057】
S204でCPU201は、可動ポイントが操作されたかどうかを判断する。操作された場合はS205に進み、そうでない場合はS206に進む。S205でCPU201は、ユーザの操作情報に従ってデジタルフィギュアを回動させて表示を更新し、処理をS206へ進める。詳細な処理については
図9を用いて後述する。S206でCPU201は、ボタン325やボタン326が操作されたかどうかを判断して、編集を終了するかどうかを判断する。編集を終了する場合は本フローチャートの処理を終了してS106へ進み、そうでない場合はS203に処理を戻す。なお、ここではボタン(保存指示)325が操作された場合には編集を終了するものと判断したが、編集を終了することなく継続する制御としてもよい。その場合には、S107と同様の保存処理を実行し、処理をS203に戻す。
【0058】
<可動表示制御>
次に、
図9を参照して、本実施形態に係る可動表示制御(S205)の処理手順について説明する。以下で説明する処理は、例えばCPU201が記憶部202に予め記憶されている制御プログラム等を読み出して実行することにより実現される。
【0059】
まずS301でCPU201は、選択された可動ポイントに関する操作情報を取得する。続いて、S302でCPU201は、選択された可動ポイントに従って、デジタルフィギュアの関連するパーツを特定する。例えば、
図5の右足首の可動ポイントが選択された場合には、当該可動ポイントに対応する可動部に接続されるパーツ、例えば下腿部と足部とのパーツが関連するパーツとして特定される。
【0060】
次に、S303でCPU201は、特定した関連パーツについて、操作情報に従った動作を決定する。ここでは、例えば操作方向に従って動作方向が決定され、操作幅や操作スピードに従って動作幅(当該パーツの移動距離)が決定される。続いて、S304でCPU201は、決定した関連パーツの動作に従って、当該関連パーツの動作に追従するパーツの動作を決定する。当該決定方法については、関節ごとに関連するパーツの動作方向及び動作幅に応じて、追従するパーツの動作を出力するように機械学習させた学習済みアルゴリズムを用いて決定してもよい。或いは、各パーツの動作に応じて追従するパーツの動作パターンを定義したテーブルを参照することにより決定してもよい。
【0061】
関連パーツ及追従パーツの動作が決定されると、S305でCPU201は、当該動作後のポーズを表示するようにデジタルフィギュアの表示を更新し、本フローチャートの処理を終了する。表示の更新については、ユーザのスライド操作に追従して動的に表示を更新してもよいし、操作中(指が画面に接触している状態)は表示を更新せず、ユーザが当該操作を完了したタイミング、即ち、画面上から指の接触が解放されたタイミングで表示を更新するようにしてもよい。
【0062】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理端末101は、情報処理端末の表示部に表示された画面を介してユーザ操作を受け付け、模型の三次元モデルを表示部に表示するとともに、当該三次元モデルの可動ポイントを操作可能に表示する。また、情報処理端末101は、表示部に表示する可動ポイントの数を切り替える切替指示を受け付けると、当該切替指示に従って、表示部に表示する可動ポイントの数を切り替えて表示する。これにより、本実施形態によれば、ユーザは自身が扱いやすい可動ポイントを表示させて可動操作を行うことができ、表示部に表示したフィギュア等の三次元モデルについて、画面上で関節等を容易に操作することができる。
【0063】
<操作方法の変形例1>
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。例えば、上記実施形態では、ユーザが動作させたい部分(脚など)の近傍に配置された可動ポイントを選択して、当該部分を移動させる(引っ張る)ように動作させるなど、直感的な操作で関連パーツや追従パーツを動作させるように表示制御する例について説明した。しかし本発明はこれに限らず、例えば選択した可動ポイントに対応する関節のみを操作に応じて回動させるように制御してもよい。
【0064】
図10は、デジタルフィギュアの操作方法における変形例1について説明する。ここでは、一例として編集画面400に示すように、可動ポイントの表示モードとして第1のモードが選択されている際に操作に応じた画面遷移について説明する。また、
図10は、
図5に示した操作方法とは異なる操作方法で、デジタルフィギュアを
図5と同様に動作させた例を示す。
【0065】
図10(a)はユーザがデジタルフィギュア351の右足付け根の可動ポイントを選択した状態の編集画面1000を示す。1001は、選択された可動ポイントを強調表示するオブジェクトを示す。オブジェクト1001は、選択された可動ポイントを覆うように重畳して表示される。また、オブジェクト1001を透過して選択された可動ポイントも視認可能に表示される。これにより、ユーザは何れの可動ポイントが選択されているかを容易に認識することができる。本変形例では、選択された可動ポイントに対応する可動部のみを回動させることができる。
【0066】
図10(b)は、1001に示すように可動ポイントを選択した状態で、矢印方向に示すように、フィギュア351の右脚を後方へ回動させるスライド操作が行われ、表示を更新した編集画面1010を示す。編集画面1010では右脚が後方へ移動した状態を示すようにフィギュア351の表示が更新されている。ここでは、矢印に示す操作に従って、選択された可動ポイントに対応する可動部を回動させることにより、当該可動部に接続されたパーツ群(右脚部)が動作したように表示制御している。
【0067】
図10(c)は、
図10(b)の状態から、さらに、可動ポイントの選択を1001から1021に示すように変更し、さらに矢印方向へスライド操作が行われた際に表示を更新した編集画面1020を示す。1021は右脚の膝に相当する可動ポイントが選択され、当該スライド操作によって膝下のパーツのみが動作していることが分かる。このように、本変形例によれば、選択した可動ポイントに連結されたパーツのみが動作するようにデジタルフィギュアを操作することができる。この場合、上記実施形態と比較して、より詳細な動作をユーザ操作により規定することができる。
【0068】
<操作方法の変形例2>
次に、
図11を参照して、デジタルフィギュアの操作方法における変形例2について説明する。デジタルフィギュアの操作方法における変形例2について説明する。ここでは、一例として編集画面400に示すように、可動ポイントの表示モードとして第1のモードが選択されている際に操作に応じた画面遷移について説明する。
【0069】
図11(a)はユーザが固定する可動ポイントを選択し、さらに回動させる右足首の可動ポイントを選択した状態の編集画面1100を示す。1101は当該可動ポイントでの回動を固定するようにユーザによって選択された様子を示すオブジェクトである。ユーザ操作としては、例えば、ダブルタップや長押しなどの操作を可動ポイントに行うことにより固定する可動ポイントとして選択することができる。オブジェクト1101は、当該可動ポイントの回動が固定されたことを示すように、可動ポイントのマークを覆うように重畳して表示される。なお、回動させるポイントとして選択されたことを示すオブジェクト1102とは異なる表示オブジェクト(例えば、異なる網掛け表示の種類)で示される。
【0070】
図11(b)は、1102に示すように可動ポイントを選択した状態で、
図5で説明した操作と同様に、フィギュア351の右脚を後方へ回動させる方向にスライド操作が行われ、表示を更新した編集画面1110を示す。編集画面1110では右脚が後方へ移動した状態を示すようにフィギュア351の表示が更新されている。しかしながら、本変形例では、右脚付け根の可動ポイントが固定されているため、右脚の上腿部は固定され、膝下のみのパーツが回動する。
【0071】
図11(c)は、
図11(b)の状態から、さらにフィギュア351の右脚を後方へ回動させる方向にスライド操作が行われ、表示を更新した編集画面1120を示す。ここでも、右脚付け根の可動ポイントが固定されているため、右脚の上腿部は固定され、膝下のみのパーツが回動する。このように、本変形例によれば、操作可能な複数の可動ポイントのうち、回動を固定する可動ポイントを選択することができる。このように、固定したい可動ポイントを選択した状態で、回動させたい可動ポイントを操作した場合において、選択した固定の可動ポイントを除外して関連のあるパーツのみが動作するようにデジタルフィギュアを操作することができる。
【0072】
また、本実施形態では、対象の模型として人型の模型を例に説明したが、本発明を限定する意図はない、例えば、人、動物、ロボット、昆虫、恐竜等、様々な形状の模型に適用することができる。いずれの場合においても、上記実施形態で説明したように、模型の可動ポイントに関する設定を変更することにより、システムの利便性を向上させることができる。
【0073】
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は以下のコンピュータプログラム、情報処理端末及びその制御方法を少なくとも開示する。
【0074】
(1)情報処理端末のコンピュータを、
前記情報処理端末の表示部に表示された画面を介してユーザ操作を受け付ける受付手段と、
模型の三次元モデルを表示部に表示するとともに、該三次元モデルの可動ポイントを操作可能に表示する表示制御手段と、
として機能させ、
前記表示制御手段は、前記表示部に表示する可動ポイントの数を切り替える切替指示を前記受付手段によって受け付けると、該切替指示に従って、前記表示部に表示する前記可動ポイントの数を切り替えて表示することを特徴とするコンピュータプログラム。
【0075】
(2)前記表示制御手段は、前記切替指示に従って、前記可動ポイントの数を段階的に増減させることを特徴する(1)に記載のコンピュータプログラム。
【0076】
(3)表示される前記可動ポイントの最大数は、前記三次元モデルに対応する現実の模型における可動部の最大数と同数であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のコンピュータプログラム。
【0077】
(4)前記表示制御手段は、前記表示部に表示した前記三次元モデルの可動部の位置に重畳して、前記可動ポイントを示すオブジェクトを表示することを特徴とする(1)乃至(3)の何れか1つに記載のコンピュータプログラム。
【0078】
(5)前記情報処理端末のコンピュータを、さらに、前記可動ポイントを操作するユーザ操作を前記受付手段によって受け付けると、該ユーザ操作に応じて、前記三次元モデルの少なくとも1つのパーツの動作を決定する決定手段として機能させ、
前記表示制御手段は、前記決定手段によって決定された前記少なくとも1つのパーツの動作に従って、前記三次元モデルの表示を更新することを特徴とする(1)乃至(4)の何れか1つに記載のコンピュータプログラム。
【0079】
(6)前記決定手段は、さらに、前記ユーザ操作に応じて決定した前記少なくとも1つのパーツの動作に追従するパーツの動作を決定し、
前記表示制御手段は、前記決定手段によって決定された前記少なくとも1つのパーツの動作に加えて、前記追従するパーツの動作に従って、前記三次元モデルの表示を更新することを特徴とする(5)に記載のコンピュータプログラム。
【0080】
(7)前記可動ポイントを操作する前記ユーザ操作とは、前記表示部に表示された1つの可動ポイントを押下し、押下した状態で対応するパーツを回動させる方向へスワイプさせる操作であることを特徴とする(5)又は(6)に記載のコンピュータプログラム。
【0081】
(8)前記可動ポイントを操作する前記ユーザ操作とは、前記表示部に表示された1つの可動ポイントを選択し、選択した後に対応するパーツを回動させる方向へスワイプさせる操作であることを特徴とする(5)又は(6)に記載のコンピュータプログラム。
【0082】
(9)前記受付手段は、前記可動ポイントを固定するユーザ操作を受け付け可能であり、
前記決定手段は、前記ユーザ操作に応じて固定された前記可動ポイントに関連するパーツを除外して、前記三次元モデルの少なくとも1つのパーツの動作を決定することを特徴とする(5)乃至(8)の何れか1つに記載のコンピュータプログラム。
【0083】
(10)前記情報処理端末のコンピュータを、さらに、編集された前記三次元モデルの姿勢を保存する保存指示を前記受付手段によって受け付けると、ネットワークを介して通信可能なアプリケーションサーバに対して、編集された前記三次元モデルの姿勢情報とともに保存要求を通知する通知手段として機能させることを特徴とする(5)乃至(9)の何れか1つに記載のコンピュータプログラム。
【0084】
(11)前記表示制御手段は、前記受付手段によって受け付けたユーザ操作に応じて、前記表示部に表示した前記三次元モデルを多方向に回転させて表示することを特徴とする(5)乃至(10)の何れか1つに記載のコンピュータプログラム。
【0085】
(12)情報処理端末であって、
前記情報処理端末の表示部に表示された画面を介してユーザ操作を受け付ける受付手段と、
模型の三次元モデルを表示部に表示するとともに、該三次元モデルの可動ポイントを操作可能に表示する表示制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記表示部に表示する可動ポイントの数を切り替える切替指示を前記受付手段によって受け付けると、該切替指示に従って、前記表示部に表示する前記可動ポイントの数を切り替えて表示することを特徴とする情報処理端末。
【0086】
(13)情報処理端末の制御方法であって、
前記情報処理端末の表示部に表示された画面を介してユーザ操作を受け付ける受付工程と、
模型の三次元モデルを表示部に表示するとともに、該三次元モデルの可動ポイントを操作可能に表示する表示制御工程と、
を含み、
前記表示制御工程では、前記表示部に表示する可動ポイントの数を切り替える切替指示を前記受付工程で受け付けると、該切替指示に従って、前記表示部に表示する前記可動ポイントの数を切り替えて表示することを特徴とする情報処理端末の制御方法。
【符号の説明】
【0087】
101a、b、c:情報処理端末、102:アプリケーションサーバ、103:ネットワーク、201:CPU、記憶部202、203:通信制御部、204:表示部、205:操作部、206:カメラ、211:CPU、212:ROM、213:RAM、214:表示部、215:操作部、216:通信制御部、217:HDD
【要約】
【課題】本発明は例えば、画面上に表示したフィギュア等の三次元モデルの操作に関する新規な仕組みを提供する。
【解決手段】本情報処理端末は、情報処理端末の表示部に表示された画面を介してユーザ操作を受け付け、模型の三次元モデルを表示部に表示するとともに、当該三次元モデルの可動ポイントを操作可能に表示する。また、情報処理端末は、表示部に表示する可動ポイントの数を切り替える切替指示を受け付けると、当該切替指示に従って、表示部に表示する可動ポイントの数を切り替えて表示する。
【選択図】
図4