(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】中心窩投影を備えるライトフィールド仮想及び複合現実システム
(51)【国際特許分類】
G02B 30/00 20200101AFI20240215BHJP
H04N 13/30 20180101ALI20240215BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20240215BHJP
G02B 27/02 20060101ALN20240215BHJP
G02B 5/04 20060101ALN20240215BHJP
G02B 3/08 20060101ALN20240215BHJP
G02B 3/00 20060101ALN20240215BHJP
【FI】
G02B30/00
H04N13/30
H04N5/64 511A
G02B27/02 Z
G02B5/04 A
G02B3/08
G02B3/00 A
(21)【出願番号】P 2022525668
(86)(22)【出願日】2020-10-26
(86)【国際出願番号】 IB2020060019
(87)【国際公開番号】W WO2021090107
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-02-16
(32)【優先日】2019-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519171480
【氏名又は名称】クリアル・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】スルカ・トマシュ
【審査官】山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-216955(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0129166(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0243130(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0073120(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0300869(US,A1)
【文献】特表2020-513595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 30/00-30/60
G02B 27/01,27/02
H04N 13/00-13/398
G02B 35/00-35/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の点ライ
トを備えるピンライトアレ
イであって、入射ライトフィール
ドを変調して、変調ライトフィールド成
分を投影軸
線に沿って投影するように構成されている光学光変調
器を照らす入射ライトフィールドを生成するピンライトアレ
イと、
第1ピンライト平
面内に第1ピンライト
像を、変調器の像平
面内に変調
像を形成するように構成されている第1光学要
素と、
アイボックス領
域を画定する第2光学要
素であって、第2ピンライト
像を前記アイボック
スの範囲で第2ピンライト平
面内に形成するように構成されている第2光学要
素と、
を備えるライトフィールド投影システムにおいて、
第1及び第2ピンライト平
面と、変調器の像平
面とは実質的に投影軸
線に垂直であり、変調器の像平
面は第1光学要
素と第2光学要
素との間にあり、
前記システムが、
第1ピンライト平
面にて、少なくとも1つの光学装
置をさらに備えて、少なくとも1つの変調ライトフィールド成
分に相当する変調器の
像を空間的にずらすように、少なくとも1つの変調ライトフィールド成
分を偏向するように構成されている、
ライトフィールド投影システム。
【請求項2】
前記光学装置は、前記少なくとも1つの変調ライトフィールド成
分を所定角
度で偏向するように構成された少なくとも1つの偏向プリズ
ムを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光学装置は、変調ライトフィールド成
分の少なくとも1つが変調器の像平
面において空間的にずらされるようにかつ変調ライトフィールド成
分の前記少なくとも1つの変調器の
像が、前記変調器の像平
面に対して投影軸
線に沿ってずらされるように構成された少なくとも1つのオフセットレン
ズを備えている、請求項
1に記載のシステム。
【請求項4】
前記光学装置は、変調されたライトフィールド成
分の少なくとも1つの変調器の
像を変調器の像平
面に対して投影軸
線に沿ってずらすように構成された少なくとも1つのイメージングレン
ズをさらに備えている、請求項
2に記載のシステム。
【請求項5】
前記光学装置は、変調ライトフィールド成
分が光学的に変更されないように、前記少なくとも1つの変調ライトフィールド成
分と相互作用する少なくとも1つのニュートラル光学要素
をさらに備えている、請求項
2に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光学装
置は、アレ
イに配置された複数の光学装
置を備え、各光学装
置は少なくとも1つの変調ライトフィールド成
分と相互作用する、請求項
1に記載のシステム。
【請求項7】
アレ
イが複数の偏向プリズ
ムを備えている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
アレ
イが1つ又は複数のオフセットレン
ズを備えている、請求項
6に記載のシステム。
【請求項9】
複数の光学装
置は、変調ライトフィールド成
分を異なる所定角度で偏向させるように配置されている、請求項
7に記載のシステム。
【請求項10】
変調ライトフィールド成
分は、中心からアレ
イの周辺に向かって所定の角度を増加させることによって偏向されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
アレ
イは、少なくとも1つのニュートラル光学要
素と、少なくとも1つのイメージングレン
ズとの少なくとも一方を備える、請求項
7に記載のシステム。
【請求項12】
アレ
イは、変調ライトフィールド成
分のそれぞれと相互作用するように構成されている、請求項
6に記載のシステム。
【請求項13】
複数の変調ライトフィールド成
分を同時に投影する、請求項
1に記載のシステム。
【請求項14】
複数の変調ライトフィールド成
分を順次投影する、請求項
1に記載のシステム。
【請求項15】
前記変調器の像平
面における空間的ずらしを決定するように構成された、視線追跡及び操縦装置をさらに備えている、請求項
1に記載のシステム。
【請求項16】
第1光学要素は、第1ピンライト平
面に第1ピンライト
像を形成するように構成された第1ピンライト光学要
素と、変調器の像平
面に変調器の
像を形成するように構成された変調器の光学要
素を備える、請求項
1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ニアアイライトフィールド仮想及び複合現実システム、特に、中心窩投影(フォービエイテッドプロジェクション)を備えるニアアイライトフィールド仮想及び複合現実システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人間の眼は非常に広い視野(FOV)を持っている。個々に、人間の眼は、約135°の水平FOVと180°をわずかに超える垂直FOVを持っている。FOVにより、単一の焦点ではなく、ある範囲を包含できる。バーチャルリアリティ(VR)や複合現実装置では、没入型の疑似現実様の体験を得るには、大きなFOVが不可欠である。より広いFOVは、他の多くの光学装置のセンサの包含範囲又はアクセス可能性も向上させる。
【0003】
仮想又は複合現実装置は、眼の最高解像度を満たすために、このFOVを規則的に分散された画素で包含するために約400000000画素を提供する必要がある。
【0004】
しかしながら、眼の解像度は均等に分布していない。眼は、中心窩周辺の約20°のFOVでのみ高解像度を実現する。20°FOVを範囲に含むフルHDディスプレイ(1920x1080)は、もはや中心窩で網膜解像度に達している。眼の解像度は中心窩から徐々に低下する。FOV全体(中心窩の外側)は、中心窩の内側とほぼ同じ量の情報で包含可能であり、必要な画素の総数は約4000000になる。
【0005】
いわゆる中心窩レンダリングと投影は、人間の視覚のこの機能を正確に活用するために、仮想及び複合現実ヘッドセットに導入されている。ただし、これは平らな像でも実行される。ライトフィールド装置には、中心窩投影の解決手段がまだない。
【0006】
特許文献1(US20190324272)は、3次元(3D)像表示装置を開示す。この装置は、複数の光源と、3D像情報に従って複数の光源からの光を変調するように構成された空間光変調器と、空間光変調器によって形成された像を焦点面に集束させるように構成された集束光学システムとを備える。複数の光源は、それぞれ複数の光源に対応する複数の焦点が、ユーザの瞳孔の近くの焦点面上に形成されるように配置してよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許公開第2019/324272号明細書
【発明の概要】
【0008】
本開示は、ライトフィールド投影システムに関するものであり、このライトフィールド投影システムは、
複数の点ライトを備えて、入射ライトフィールドを変調しかつ複数の変調ライトフィールド成分を投影軸線に沿って投影するように構成された光学光変調器を照らす入射ライトフィールドを生成するピンライトアレイと、
第1ピンライト面に第1ピンライト像を形成し、変調器の像面に変調器の像を形成するように構成された第1光学要素と、
アイボックス領域を画定し、アイボックス内の第2ピンライト平面に第2ピンライト像を形成するように構成された第2光学要素とを備え、ここで、第1及び第2ピンライト平面及び変調器の像面は、投影軸線に実質的に垂直であり、変調器の像面は、第1光学要素と第2光学要素との間にある。このシステムは、第1ピン光面に少なくとも1つの光学装置をさらに備え、変調器の像面内で変調器の像を空間的にずらすように、変調ライトフィールド成分の少なくとも1つを偏向させるように構成されている。
【0009】
ライトフィールド投影システムは、人間、動物、又はカメラの眼に仮想現実と複合現実の体験を提供できる。ライトフィールド投影システムのユーザは、実際の3Dシーンと仮想の3Dシーンの現実的な混合を体験できる。ライトフィールド投影システムは、正しい眼の調節の快適さで3D仮想及び拡張現実情報を提供するのに適している。
【0010】
ライトフィールド投影システムは、視線追跡及び操縦装置を備えてよい。視線追跡及び操縦装置を使用して、観察者がどこを見ているかを判断し、それによって、中心窩領域が投影された像に対してどこにあるかを判断できる。
【0011】
ライトフィールド投影システムは、中心窩投影を可能にする。特に、ライトフィールド投影システムは、狭い視野(FOV)でより高い角度分解能の像を提供し、広いFOVで低い角度分解能の像を提供するライトフィールドを作成できる。ライトフィールド投影システムは、周辺視野(中心窩によって注視される領域の外側)の画質を大幅に低下させることにより、レンダリングの作業負荷を軽減する。
【0012】
本発明は、例として与えられ、図によって示される実施形態の説明の助けを借りて、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1aは、変調ライトフィールド成分を投影する光学光変調器を備えるライトフィールド投影システムを示す。
図1b及び1cは、観察者の眼が無限遠(
図1b)及び無限遠よりも近く(
図1c)に焦点を合わせたときに観察者によって見られる光変調器の投影像を示す。
【
図2】
図2aは、一実施形態による、変調ライトフィールド成分の少なくとも1つと相互作用する偏向プリズムを備えるライトフィールド投影システムを示す。
図2b及び2cは、観察者の眼が無限遠(
図2b)及び無限遠よりも近く(
図2c)に焦点を合わせたときの、
図2aのシステムの光学光変調器の投影像を示す。
【
図2d】
図2dは、偏向プリズムを通過する変調ライトフィールド成分のレイアウトを示す。
【
図3】
図3aは、一実施形態による、複数の偏向プリズムを備えるライトフィールド投影システムを示す。
図3b及び3cは、観察者の眼が無限遠(
図3b)及び無限遠よりも近く(
図3c)に焦点を合わせたときの、
図3aのシステムの光学光変調器の投影像を示す。
【
図4】一実施形態による、複数の偏向プリズム(
図4a)と複数の偏向プリズム及びニュートラル光学要素(
図4b)とのアレイを備える光学装置を示す。
【
図5】
図5aから
図5cは、一実施形態による、無限遠(
図5b)及び無限遠(
図5c)よりも近くに焦点を合わせている観察者によって見られる空間的に分離された像の継ぎ合わせを作成している
図3a(
図5a)のライトフィールド投影システムの特定の構成を示す。
【
図6】
図6aは、一実施形態による、変調ライトフィールド成分の少なくとも1つと相互作用するオフセットレンズを備えるライトフィールド投影システムを示す。
図6b及び
図6cは、観察者の眼が無限遠(
図6b)及び無限遠よりも近く(
図6c)に焦点を合わせたときの、
図6aのシステムの光学光変調器の投影像を示す。
【
図7】
図7は、一実施形態による、複数のオフセットレンズのアレイを備える光学装置を示す。
【
図8】
図8aは、一実施形態による、変調ライトフィールド成分の少なくとも1つと相互作用するイメージングレンズを備えるライトフィールド投影システムを示す。
図8b及び8cは、観察者の眼が無限遠(
図8b)及び無限遠よりも近く(
図8c)に焦点を合わせたときの、
図8aのシステムの光学光変調器の投影像を示す。
【
図9】一実施形態による、複数のイメージングレンズのアレイを備える光学装置を示す。
【
図10】点ライトのアレイを備えるピンライトアレイを示す。
【
図11】
図11は、偏向プリズムを備えるライトフィールド投影システム及び9つの点ライトを備えるピンライトアレイを使用して、観察者によって見られる投影された第2ピンライト像の継ぎ合わせを示す。
【
図12】
図12は、ピンライトアレイが25個の点ライトを備える場合の、投影された第2ピンライト像の継ぎ合わせを示す。
【
図13】
図13は、投影された第2ピンライト像の継ぎ合わせの別の例を示す。
【
図14】
図14は、投影された第2ピンライト像の継ぎ合わせのさらに別の例を示す。
【
図15】
図15は、代替構成によるライトフィールド投影システムを示す。
【
図16】
図16は、別の代替構成による、ライトフィールド投影システムを示す。
【
図17】
図17は、さらに別の代替構成によるライトフィールド投影システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1aは、ライトフィールド投影システム1を示す。ライトフィールド投影システム1は、光学光変調器20を照明する入射ライトフィールド100を生成するピンライトアレイ10を備える。光学光変調器20は、入射ライトフィールド100を変調し、複数の変調ライトフィールド成分110を投影軸線170に沿って投影するように構成されている。システム1は、第1ピンライト光学要素70をさらに備え、第1ピンライト光学要素70は、投影軸線170に実質的に垂直な第1ピンライト面30内への第1ピンライト像31の形成用に構成されている。第1ピンライト光学要素70は、イメージングレンズを備えてよい。
システム1は、第2光学要素40をさらに備え、第2光学要素40は、アイボックス領域212を画定し、アイボックス212内の第2ピンライト平面124内への第2ピンライト像120の形成用に構成されている。第2ピンライト面124は、投影軸線170に実質的に垂直である。
第2ピンライト平面124は、アイボックス212内の虚像開口又は射出瞳に相当可能であり、射出瞳124は、複数の第2ピンライト像120を備える(3つの第2ピンライト像120が
図2aに表されている)。
【0015】
任意選択で、ライトフィールド投影システム1は、変調器光学要素32を備えてよく、変調器光学要素32は、変調器の像平面115内への光学光変調器20の変調器の像114の形成用に構成されている。変調器の像平面115もまた、投影軸線170に実質的に垂直である。変調器の像平面115は、アイボックス領域212から距離Dで第2光学要素40によって投影される。距離Dは、アイボックス領域212のいずれかの側で、無限遠又は投影軸線170に沿った任意の距離であってよい。無限遠又は投影軸線170に沿った任意の距離Dは、通常、観察者の調節範囲外である。
【0016】
代替的に、変調器の像平面115は、対応する屈折力を有する第1ピンライト光学要素70によって、あるいは投影軸線170に沿って異なる距離に第1ピンライト光学要素70を配置することによって作成できる。
【0017】
第2光学要素40は、接眼鏡を備えてよい。接眼鏡40は、凸レンズ、ミラー、曲面ミラー、半透明ミラー、あるいはレンズ、ミラー、曲面ミラー又は半透明ミラーのセットのような光学要素を備えてよく、ミラー又は半透明ミラーは、変調器の像平面115をアイボックス領域121からの像距離Dに配置するように構成してよい。距離Dは、アイボックス領域212のいずれかの側で、無限遠又は投影軸線170に沿った任意の距離に設定できる。
【0018】
ライトフィールド投影システム1は、第1ピンライト平面30に配置されたフーリエフィルタ34を備えてよい。フーリエフィルタ34は、必ずしも光学光変調器20のフーリエ面に正確に配置されているとは限らないことに留意されたい。各視点について、フーリエフィルタ34は、光学光変調器20で反射及び回折される変調ライトフィールド成分110から1つを除く全ての回折成分を除去するように構成してよい。ここで、「視点」という用語は、変調ライトフィールド成分110の1つに相当する。
【0019】
フーリエフィルタ34は、変調ライトフィールド成分110の像面を作成する少なくとも1つのイメージングレンズを備えてよい。フーリエフィルタ34は、例えば、光学的に不透明で非半透明の板又は他のフィルタリングパターンで作られたピンホールアレイを備えてよい。フーリエフィルタ34は、代替的に、ピンホール又は他のフィルタリングパターンがマイクロミラーで置換される反射モードで配置してもよい。フーリエフィルタ34は、変調されフィルタリングされた仮想ライトフィールド112を生成する。ここで、視点は、1つのピンホールを通過する1つのライトフィールド成分110に相当する。
【0020】
ライトフィールド投影システム1は、仮想及び複合現実アプリケーションの観察者に着用されるものとしている。ライトフィールド投影システムは、それが観察者によって着用されたときに、アイボックス212及び射出瞳124が観察者の眼90内にあるように構成してよい。第2光学要素40は、変調ライトフィールド成分110が網膜92に投影されるように、変調ライトフィールド成分110を観察者の眼90の瞳孔130に向けて伝達する。
【0021】
図に表現されている変調ライトフィールド成分110からの各二重線は、考慮に入れる必要がある実際のシステムの制限の説明に使用される。ピンライトアレイ10もフーリエフィルタ34も、開口はゼロではない。光学光変調器20の像は、各画素からの光が、多かれ少なかれコリメートされた狭いビームでアイボックス212に向かって(そして、したがって、観察者の眼90に向かって)投射されるように扱われなければならない(最良の場合それは、アイボックス112のはるか後ろの点にわずかに収束しているので、観察者の眼90はそれに焦点を合わせられず、したがって、観察者の収容範囲内の全ての像は類似して見える)。
【0022】
図1bは、観察者の眼90が無限遠に焦点を合わせているときの、観察者がライトフィールド投影システム1を着用したときの第2ピンライト像120の3つの像についての光学光変調器20の投影像140を示す。
【0023】
図1cは、観察者の眼90が無限遠よりも近くに焦点を合わせたときの投影像140を示す。ここで、観察者は、第2ピンライト像120の3つの像それぞれについて3つの投影像141、142、143を見る。ここで、3つの投影像141、142、143は、一方が他方に対してわずかにずらされている。
【0024】
図2aは、一実施形態による、ライトフィールド投影システム1を示す。ライトフィールド投影システム1は、第1ピンライト面30に少なくとも1つの光学装置60をさらに備える。
光学装置60は変調ライトフィールド成分110のうちの少なくとも1つと相互作用するように構成されている。より具体的には、光学装置は、変調器の像114がその変調器の像平面115内で空間的にずらされるように、変調ライトフィールド成分110の1つを偏向させるように構成された偏向プリズム60を備える。変調器の像平面115における変調器の像114の空間的ずらしは、白い三角形によって示されている。ずらされていない変調器の像114は、黒い三角形で示されている。偏向プリズム60は、プリズム60を使用せずに、変調器の像平面115に対して、投影軸線170に沿った変調器の像114の位置を変更しない。残りの光学系(第1光学要素70と、第2光学要素40と、変調器の光学要素32)もまた、偏向プリズム60によって偏向される変調ライトフィールド成分110の変調器の像114の位置を変更しない。
【0025】
偏向プリズム60を通過する変調ライトフィールド成分110のレイアウトを
図2dに示す。偏向角θ
Dは、入射変調ライトフィールド成分110aから、偏向プリズム60の出口の出口変調ライトフィールド成分110bまでの角度として定義してよい。偏向角θ
Dは、入射面611と偏向プリズム60の出口面との間の配向の差、又は
図2dの頂角θ
aに依存する。偏向プリズム60の他の構成を検討してよい。例えば、偏向プリズム60の形状は、等しい底角を有する均一な三角プリズムを備えてよく、又は回折格子で置換してよい。
【0026】
図2bは、光学光変調器20の投影像、すなわち、観察者の眼90が無限遠に焦点を合わせているときの、観察者がライトフィールド投影システム1を着用したときの第2ピンライト像120を示す。第2ピンライト像120(及び第1ピンライト平面30内の第1ピンライト像31)を「視点」と呼ぶ場合、観察者は、視点から、(任意平面内の)観察者のFOVに対応する投影像140の継ぎ合わせを見る。より具体的には、観察者は、偏向されていない変調ライトフィールド成分110の1つに相当するずらされていない投影像141と、変更プリズム60によって空間的にずらされかつ接眼レンズ40によって射出瞳124から距離Dまで投影された変調器の像114に相当する、ずらされた投影像143とを見る。
【0027】
図2cは、観察者の眼90が無限遠よりも近くに焦点を合わせたときの投影像140を示す。偏向プリズム60によって変調器の像平面115において空間的にずらされた変調器の像114に相当する、ずらされた投影像143は、偏向されていないライトフィールド成分110の変調器の像114に相当する、投影像141、142と比較してより大きなずれを持つ。
【0028】
図3aでは、ライトフィールド投影システム1は、2つの偏向プリズム60を含み、各偏向プリズム60は、変調ライトフィールド成分110のうちの1つを所定の角度だけ偏向するように構成されている。
図3b及び
図3cは、ずらされていない投影像142を、無限遠に焦点を合わせているユーザによって見られているずらされた投影像141、143(
図3b)と、そして無限遠に近い距離に焦点を合わせているユーザによって見られているずらされた投影像141、143(
図3c)と比較している。
【0029】
2つの偏向された変調ライトフィールド成分110の空間的ずらしは白い三角形で示され、一方、偏向されていない変調ライトフィールド成分110の変調器の像平面115内の位置は黒い三角形で示されている。
【0030】
ライトフィールド投影システム1は、複数の変調ライトフィールド成分110を偏向させるために、2つより多い偏向プリズム60を備えてよい。
【0031】
図4a及び
図4bは、複数の偏向プリズム60を備えるアレイ160を備える光学装置の断面図を示す。例えば、アレイ160は、マイクロプリズムのアレイであってよい。
【0032】
アレイ160は、各偏向プリズム60が1つの変調ライトフィールド成分110と相互作用するように構成してよい。アレイ160はさらに、各偏向プリズム60が2つ以上の変調ライトフィールド成分110と相互作用するように、又は複数のプリズム60は、複数のライトフィールド成分110に対して同一の光学変換を実行するように、構成してよい。
【0033】
一観点では、アレイ160は、アレイ160の異なる偏向プリズム60が異なる頂角θ
aを持ち得るように構成される。
図1及び
図2の例では、
図4a及び4bにおいて、頂角θ
aは、アレイ160の中心から周辺に向かって大きくなり、その結果、変調ライトフィールド成分110は、中心からアレイ160の周辺に向かって大きくなる偏向角θ
Dで、偏向される。アレイ160内の偏向プリズム60の他の構成が可能である。例えば、偏向プリズム60の頂角θ
aは、アレイ160の中心から周辺に向かって小さくしてよく、又はアレイ160内の全ての偏向プリズム60について実質的に等しくしてもよい。
【0034】
一観点では、アレイ160は、少なくとも1つのニュートラル光学要素61を備える。そのようなニュートラル光学要素61と相互作用する変調ライトフィールド成分110は、変調器の像面115を空間的にずらすことはない。そのようなニュートラル光学要素61と相互作用する変調ライトフィールド成分110の変調器の像114もまた、変調器の像平面115に対して、投影軸線170に沿ってずらされていない。
【0035】
ニュートラル光学要素61は、フラットレンズを備えてよい。
図4aでは、アレイ160は、アレイ160の中心にニュートラル光学要素61を備える。
図4bの例では、アレイ160は、アレイ160の中心から周辺に向かって交互に偏向するプリム60及びニュートラル光学要素61を備える。アレイの中心は、ニュートラル光学要素61でできている。フーリエフィルタ34も
図4a及び
図4bに表されている。
【0036】
図5aは、
図3のライトフィールド投影システム1の特定の構成を示していて、2つの変調ライトフィールド成分110は、それらが観察者のFOVにおいて重ならない程度にプリズムアレイ160によって偏向される。しかしながら、空間的に分離された像141及び143の継ぎ合わせを作成する。
図5bは、ずらされていない像142及びずらされた像142を示す。無限遠に焦点を合わせている観察者によって見られる像141、143及び
図5cは、無限遠よりも近い距離に焦点を合わせている観察者によって見られるずらされていない像142及びずらされた像141、143を示す。他の視点との部分的な重なりはライトフィールドを構成し、周辺は個々の視点を通過する単一の像で覆われている。
【0037】
図6aは、変調ライトフィールド成分110と相互作用するオフセットレンズ64を備えるライトフィールド投影システム1を示す。オフセットレンズ64のそれぞれは、変調ライトフィールド成分110が変調器の像平面115内で空間的にずらされるように、そして変調ライトフィールド成分110の変調器の像114が変調器の像面115に対して投影軸線170に沿ってずらされるように構成される。
図6aにおいて、黒い三角形は、偏向された変調ライトフィールド成分110が変調器の像平面115において空間的にずらされていないが、対応する変調器の像114が、変調器の像面115内にある偏向されていない変調ライトフィールド成分110の変調器の像115の左側に、投影軸線170に沿ってずらされることを示す。
【0038】
オフセットレンズ64は、偏向プリズムと組み合わされたイメージングレンズレンズから作製してよい。
【0039】
図6aでは、第1ピンライト平面30の周辺にある2つのオフセットレンズ64は、同じイメージングレンズの切り出された部分から形成してよく、第1ピンライト平面30の中心にあるオフセットレンズ64とは異なる。よって、2つの周辺オフセットレンズ64を通過する変調ライトフィールド成分110は、変調器の像平面115に対して、そして中央オフセットレンズ64を通過する変調ライトフィールド成分110によって生成された変調器の像114の位置に対して、投影軸線170に沿ってずらされている変調器の像114を生成できる。
【0040】
図6bは、無限遠に焦点を合わせている観察者によって見られる、ずらされていない像141及びずらされた像143を示す。
図6cは、無限遠より近い距離を置いて焦点を合わせている観察者によって見られる、ずらされていない像142及びずらされた像141、143を示す。この構成では、システム1は、2つの異なるベース深度平面を使用することによって変調ライトフィールド成分110を表示し、それによって、1つのベース深度平面を有するシステムと同じ方法で全範囲の深度を生成する。ここで、「ベース深度平面」という表現は、観察者から見た光変調器20の像平面に対応する。
図6aから
図6cに示されるように、オフセットレンズ64は、変調ライトフィールド成分110によって横断されるオフセットレンズ64に応じて、光学光変調器20SLMの異なる像平面(又はベース深度平面)で像を見るようにする。少なくとも1つの別のベース深度平面を持つことは、像の残りの部分とは異なる像距離Dで、高空間周波数の像又はテキストのような古典的な平坦なコンテンツを表示するのに有用であってよい。そのような異なる像距離Dは、約50cmであってよい。別のベース深度平面を、無限遠などのシーンの非ライトフィールド部分にさらに使用してよい。
【0041】
システム1は、特定の深度でより高解像度の像を提供してよく、あるいは、1つのフラットスクリーンを近づけて次のものは遠ざける、又はフラットスクリーンとライトフィールドの組み合わせなど、いくつかの異なる深度のみのボリュームの像の投影手段として使用してよい。
【0042】
図7は、複数のオフセットレンズ64を備えるアレイ160を備える光学装置の断面図を示す。可能な変形例では、オフセットレンズ64を備えるアレイ160は、異なるイメージングレンズから切り出され、一緒に組み立てられ、同心円状にされたリングから得られる。代替的には、オフセットレンズ64を備えるアレイ160は、異なる同心のイメージングレンズ部分のアレイを作成するために、イメージングレンズから切り取られた立方体から得てよく、いくつかの、必ずしも対称的に分布されていない部分は、光学系全体の軸と一致する同心レンズの軸を持つ同じ元のイメージングレンズの一部である。
【0043】
一観点では、オフセットレンズ64を備えるアレイ160は、
図4a及び
図4bで説明したマイクロプリズムアレイと同様に、1つ又はいくつかのニュートラル光学要素61をさらに備える。
【0044】
例えば、変調ライトフィールド成分110が、オフセットレンズ64を備えるアレイ160を通して同時に投影される場合、対応する変調器の像114は、投影軸線170に沿って異なる光学距離で形成される。変調ライトフィールド成分110はまた、オフセットレンズ64によって偏向され、変調器の像平面115において変調器の像114を空間的にずらす。よって、オフセットレンズ64のアレイ160を備えるライトフィールド投影システム1は、投影軸線170に沿った異なる光学距離で、及び変調器の像平面115内の異なる位置で像を作成する。
【0045】
一観点では、オフセットレンズ64を備えるアレイ160は、1つ又は複数の偏向プリズム60をさらに備えてよい。
【0046】
図8aに示される別の実施形態では、ライトフィールド投影システム1は、投影軸線170に沿ってイメージングレンズ63を通過する変調ライトフィールド成分110の変調器の像114を変調器の像面115に対してずらすように構成された少なくとも1つのイメージングレンズ63を備える。イメージングレンズ63は、変調器の像平面115内の変調ライトフィールド成分110を実質的に空間的にずらすことはない。これは、イメージングレンズ63を通過しない変調ライトフィールド成分110のずらされていない変調器の像114(黒い三角形)と比較して、イメージングレンズ63を通過する変調ライトフィールド成分110の投影軸線170に沿った変調器の像114のずらされた位置(白い三角形)から見られる。
【0047】
偏向プリズム60とは対照的に、イメージングレンズ63(及びオフセットレンズ64)は、変調ライトフィールド成分110のビームの輻輳を変化させる。偏向プリズム60は、変調ライトフィールド成分110のビームの輻輳を変化させない(コリメートされたままである)が、収束する(又は発散する)変調ライトフィールド成分110のビームを生成する。したがって、イメージングレンズ63は、投影軸線170に沿って変調器の像114の光学的位置を変化させる。
【0048】
これは、フーリエフィルタのピンライトと穴の直径がかなり大きい場合(1mmを超える場合など)に機能する。それにより、像成分が通過したレンズに応じて、異なる光学距離で像の表示が可能である。
【0049】
図8bは、無限遠に焦点を合わせている観察者によって見られる像143、142、141を示す。
図8cは、無限遠よりも近い距離に焦点を合わせている観察者によって見られる像143、142、141を示す。それらの見かけの空間シフトに加えて、像143、142、141はまた、各サブ像の光学的距離に応じて、ぼやけたり、鮮明になったりする可能性がある。ここで、「サブイメージ」という用語は、1つの視点の変調ライトフィールド成分110に対応する。変調ライトフィールド成分110とピンホールが小さいため、被写界深度が浅いため、サブイメージは焦点が合っていると見なしてよい。しかしながら、実際には、各視点はまた、特に変調ライトフィールド成分110及びピンホールが十分に小さくない場合に役割を果たす独自の光学距離を有する。そのため、各サブイメージの光学距離は変化する可能性がある。
【0050】
図9は、複数の撮像レンズ63を備えるアレイ160を備える光学装置の断面図を示す。可能な変形例では、イメージングレンズ64を備えるアレイ160は、1つ又はいくつかのニュートラル光学要素61をさらに備えてもよい。
【0051】
一観点では、ライトフィールド投影システム1は、偏向プリズム60と、ニュートラル光学要素61と、撮像レンズ63と、オフセットレンズ64との中で、任意の1つ又は複数を、単独又は組み合わせで備えてよい。もちろん、変調ライトフィールド成分110の変調器の像平面115において空間的ずらしを得るために、ライトフィールド投影システム1は、少なくとも偏向プリズム60又はオフセットレンズ64を1つ備えなければならない。
【0052】
一実施形態では、アレイ160は、前述の変調ライトフィールド成分110のそれぞれと相互作用するように構成される。
【0053】
一観点では、1つの変調ライトフィールド成分110は、アレイ160の光学装置60、61、63、64を通過する。
【0054】
図10は、100個のピンライト101を備えるアレイを備えるピンライトアレイ10の可能な実装を示す。ピンライト101は、変調ライトフィールド成分110が同時に投影されるように同時に照明してよい。代替的に、ピンライト101は、変調ライトフィールド成分110が順次投影されるように、順次照射してよい。後者の選択肢が、作動しているピンライト101a及び非作動のピンライト101bによって
図10に示されている。作動しているピンライト101aは、投影軸線170に沿って対応する変調ライトフィールド成分110を投影するなどのように、光学光変調器20を照明する入射ライトフィールド100を投影する。
図10では、数字1から8は、ピンライトアレイ10内の異なるピンライト101のあり得る一連の照明を示す。他の一連の照明も考えられる。
【0055】
図11は、第1ピンライト平面30にマイクロプリズムアレイ160を備えるライトフィールド投影システム1及び9つのピンライト101を備えるピンライトアレイ10を使用して観察者によって見られる、投影された変調器の像114の継ぎ合わせを示す。長方形の外周は、(平面内の)観察者のFOVに対応する投影像144のサイズに対応する。9つの変調器の像114(視点)は全て、投影された像の中央領域145で重なっている。中央領域145からより遠くにあるほど、変調器の像114の重なりがより少なくなっている。隅にある変調器の像114は1つだけである。よって、中央領域145は、高いライトフィールド及び色解像度を有する狭いFOVに相当し、周辺領域は、より低いライトフィールド(深さ)及び色解像度を有するより広いFOVに相当する。換言すると、中央領域145は、高いライトフィールド及び色解像度を有する中心窩領域に相当する。よって、ライトフィールド投影システム1は、狭いFOVでの高いライトフィールド及び色の解像度と、大きなFOVでの低い解像度との組み合わせを提供できる。
【0056】
図12は、第1ピンライト平面30にマイクロプリズムアレイ160と、25個の点ライト101を備えるピンライトアレイ10とを備えるライトフィールド投影システム1を使用する観察者によって見られであろうように、投影された変調器の像114の継ぎ合わせを示す。より現実的な高解像度システムの状況を示しながら、
図11と同じ理由が当てはまる。
【0057】
図13は、中心領域145が(複数の変調器の像114を備える)複数成分ライトフィールドを生成し、周辺が8つの個別のずらされた変調器の像114によって覆われるように、偏向プリズム60によって分散されている、投影された変調器の像114の継ぎ合わせの別の例を示す。
【0058】
図14は、投影された変調器の像114の継ぎ合わせの別の例を示していて、中心領域145が(複数の変調器の像114を備える)高解像度の複数成分ライトフィールドを作成する一方、変調ライトフィールド成分110は、低い角度、色、及び深さの解像度で広いFOV周辺像を作成するなどのように、アレイ160を通して同時に投影される。
【0059】
一実施形態では、ライトフィールド投影システム1は、視線追跡(アイトラッキング)及び投影操縦装置を備える。視線追跡及び投影操縦装置を使用して、観察者がどこを見ているかを決定し、それによって、中心窩領域が投影された像144に対してどこにあるかを決定できる。ここで、中心窩領域は、投影像144の中心領域145に相当する。
【0060】
本発明は、上記の例示的な実施形態に限定されず、他の実施例も特許請求の範囲内で可能であることが理解される。
【0061】
光学光変調器20は、空間光変調器(SLM)、例えば、透過型空間光変調器又は反射型空間光変調器を含んでよい。SLMは、高速反射SLMを備えてよく、高速反射SLMは、シリコン上液晶(LCoS)、シリコン上の強誘電性液晶(FLCoS)、デジタルマイクロミラー装置(DMD)、又はその他の適切な変調器のようなものである。
【0062】
ライトフィールド投影システム1は、コリメート又は部分的にコリメートするレンズ50を備えてよい。ピンライトアレイ10は、コリメートレンズ50又は部分コリメートレンズ50を介して光学光変調器20を照明する。コリメートレンズ又は部分コリメートレンズ50は、コリメートレンズ又は部分コリメートレンズと同じ機能を有する反射要素又はホログラフィック要素を備えてよい。
【0063】
図15は、代替構成によるライトフィールド投影システム1を示し、それにより、コリメートレンズ50又は部分的コリメートレンズ50及び第1ピンライト光学要素70は、反射空間光変調器20の表面に配置される同じ光学要素であってよい。
【0064】
図16は、代替構成によるライトフィールド投影システム1を示していて、それにより、コリメートレンズ50又は部分コリメートレンズ50と、第1ピンライト光学要素70とは、反射空間光変調器20の表面に配置される同じ光学要素である。さらに、ピンライトアレイ10は、第1ピンライト平面30において光学装置60、61、63、64と一致する。ピンライトアレイ10はまた、そのようなフィルタが存在する場合、フーリエフィルタ34と一致してよい。そのような構成では、ピンライトアレイ10は、変調ライトフィールド成分110がピンライトアレイ10を通過し、変調器光学要素32への到達を可能にする複数の穴(開口部)を備えるべきである。
【0065】
図17は、第2光学要素40がコンバイナを備える別の代替構成によるライトフィールド投影システム1を示す。コンバイナ40は、変調器の光学要素32から来る変調ライトフィールド成分110を反射し、アイボックス212内の第2ピンライト面124に第2ピンライト像120を形成するように構成されている。コンバイナ40は、(導波路の積み重ねを使用して、複数の焦点面を提供できる)固定焦点面に像を提供するホログラフィック回折格子を備えた導波路か、ホログラフィックパターンを持つホログラフィック反射器か、ビームスプリッターを備えたドーム型の半透明ミラーか、あるいは楕円体コンバイナを備えてよい。コンバイナ40は、凹状部及び楕円形を持つ第1反射面を備える半透明の第1要素をさらに備えてよい。コンバイナ40は、一般的な自由曲面をさらに備えてよい。コンバイナ40は、異なる又は同一に傾斜したミラーのアレイを備えてよい。
【0066】
コンバイナは、現実世界からアイボックスに向かって自然光を透過するようにさらに構成してよく、その結果、投影された仮想ライトフィールドと自然光の両方が、コンバイナを介してアイボックス領域112内に投影される。
【符号の説明】
【0067】
10 ピンライトアレイ
20 光学光変調器、空間光変調器(SLM)
30 第1ピンライト平面
31 第1ピンライト像
32 変調器の光学要素
34 フーリエフィルタ
40 第2光学要素
50 コリメートレンズ又は部分コリメートレンズ
60 偏向プリズム
61 ニュートラル光学要素
63 イメージングレンズ
64 オフセットレンズ
70 第1ピンライト光学要素
90 眼
92 網膜
100 入射ライトフィールド
101 ピンライト(点ライト)
101a 作動しているピンライト
101b 非作動のピンライト
110 変調ライトフィールド成分
110a 入射変調ライトフィールド成分
110b 出口変調ライトフィールド成分
112 変調されフィルタリングされた仮想ライトフィールド
114 変調器の像
115 変調器の像平面
120 第2ピンライト像、視点
121 アイボックス領域
124 第2ピンライト平面、射出瞳
130 瞳孔
140、141 投影像
142、143 投影像
145 投影像の中央領域
160 マイクロプリズムアレイ
162 イメージングレンズアレイ
163 レンズ要素
164 オフセットレンズアレイ
165 オフセットレンズ要素
170 投影軸線
θa 頂角
θD 偏向角
D 像距離