(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】車両又はロボットのカメラ及び/又はLIDARセンサを較正するための方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/24 20060101AFI20240215BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20240215BHJP
G01C 3/06 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
G01B11/24 K
G01B11/00 H
G01C3/06 120Q
(21)【出願番号】P 2022542293
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(86)【国際出願番号】 EP2020085898
(87)【国際公開番号】W WO2021151572
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-07-08
(31)【優先権主張番号】102020102466.5
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】シンドラー,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,アレクサンダー
【審査官】信田 昌男
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102016009327(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0059011(US,A1)
【文献】特開2007-261463(JP,A)
【文献】特開2019-74398(JP,A)
【文献】特開2013-24712(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00ー11/30
G01C 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)又はロボットのカメラ(3)及び/又はLIDARセンサ(2.1)を較正するための方法であって、
-車両周囲又はロボット周囲の画像(B)は、前記カメラ(3)を使用して撮像され、
-実パターン(M
r)は、少なくとも1つのLIDARセンサ(2.1)を使用して、前記車両周囲又は前記ロボット周囲において前記カメラ(3)の撮像範囲の少なくとも1つの部分に放射され、
-前記実パターン(M
r)は、前記カメラ(3)を使用して撮像される、方法において、
-前記LIDARセンサ(2.1)の座標系において生成された仮想パターン(M
v)は、前記LIDARセンサ(2.1)を使用して、前記車両周囲又は前記ロボット周囲において仮想平面(E
v)上に投影され、
-前記LIDARセンサ(2.1)を使用して放射されたレーザ光線は、前記仮想平面(E
v)を貫通し、前記仮想パターン(M
v)と相関する前記実パターン(M
r)は、実投影面(A)上で生成され、
-前記カメラ(3)を使用して撮像された前記実パターン(M
r)は、前記実投影面(A)の表面プロファイルに基づいて前記仮想平面(E
v)へと再計算され、前記再計算から、ひずみ補正仮想パターン(M
ev)は、前記カメラ(3)の座標系において生成され、
-前記カメラ(3)及び/又は前記LIDARセンサ(2.1)は、前記仮想パターン(M
v)と前記ひずみ補正仮想パターン(M
ev)との比較に基づいて較正されることと、を特徴とする、方法。
【請求項2】
前記実投影面(A)の前記表面プロファイルは、前記LIDARセンサ(2.1)を使用して決定された、前記実パターン(M
r)のピクセルまでの距離に基づいて決定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記仮想パターン(M
v)の前記ひずみ補正仮想パターン(M
ev)への変換及び/又は前記ひずみ補正仮想パターン(M
ev)の前記仮想パターン(M
v)への変換のための少なくとも1つの変換方程式は、前記仮想パターン(Mv)と前記ひずみ補正仮想パターン(M
ev)との比較において決定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記カメラ(3)及び/又は前記LIDARセンサ(2.1)の方位角誤差及び/又は仰角誤差は、前記較正において決定されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記仮想パターン(M
v)を生成するために、前記LIDARセンサ(2.1)を使用して放射されたレーザ光線は、前記LIDARセンサ(2.1)の回転ミラーを使用して偏向されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記実パターン(M
r)が前記カメラ(3)を使用して撮像されるとき、前記カメラ(3)の複数の連続撮像画像(B)にわたって積分が実行されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記カメラ(3)は、前記較正のために較正モードに切り替えられることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記仮想パターン(M
v)は、赤外線レーザ光線を使用して生成されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記カメラ(3)を使用して撮像された画像(B)を生成するために、前記カメラ(3)に入射する光線は、カメラ自体の赤外線フィルタを使用してフィルタリングされることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
-前記LIDARセンサ(2.1)から放射され、かつ前記実投影面(A)により反射される赤外線レーザ光線に対して透過性である赤外線フィルタが使用されること、及び/又は
-前記赤外線フィルタは、前記カメラ(3)の較正モードでは、前記LIDARセンサ(2.1)から放射され、かつ前記実投影面(A)により反射される赤外線レーザ光線に対して透過性に切り替えられること、を特徴とする、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部に記載の車両又はロボットのカメラ及び/又はLIDARセンサを較正するための方法に関する。
【0002】
特許文献1から、車両のカメラを較正するための方法は、公知であり、本方法においては、カメラを使用して、車両周囲の画像が撮像される。少なくとも1つのLIDARセンサを使用して、定義されたパターンは、車両周囲においてカメラの撮像範囲の少なくとも1つの部分に放射され、定義されたパターンは、カメラによって撮像される。カメラを使用して撮像された画像に含まれるパターンまでの距離値は、カメラに結合された又はカメラに統合された評価ユニットを用いて決定され、カメラの較正は、距離値に基づいて実行される。LIDARセンサは、自己較正するように設計されており、自己較正は、物体の追跡に基づく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】独国特許第10 2016 009 327 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術に対して改善された、車両又はロボットのカメラ及び/又はLIDARセンサを較正するための方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本課題は、本発明によれば、請求項1に規定された特徴を有する方法によって解決される。
【0006】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0007】
車両又はロボットのカメラ及び/又はLIDARセンサを較正するための方法では、車両周囲又はロボット周囲の画像は、カメラを使用して撮像される。少なくとも1つのLIDARセンサを使用して、実パターンは、車両周囲又はロボット周囲においてカメラの撮像範囲の少なくとも1つの部分に放射され、実パターンは、カメラを使用して撮像される。
【0008】
本発明によれば、LIDARセンサの座標系において生成された仮想パターンは、LIDARセンサを使用して車両周囲又はロボット周囲において仮想平面上に投影される。その際、LIDARセンサから放射されたレーザ光線は、仮想平面を貫通し、仮想パターンと相関する実パターンが、実投影面上に生成される。カメラを使用して撮像された実パターンは、実投影面の表面プロファイルに基づいて仮想平面へと再計算される。この再計算から、ひずみ補正仮想パターンが、カメラの座標系において生成され、カメラ及び/又はLIDARセンサは、仮想パターンとひずみ補正仮想パターンとの比較に基づいて較正される。
【0009】
カメラを使用して撮像された画像では、レンズ系に起因して、またカメラで起こり得るオクルージョンにより、光学的ひずみが生じる可能性がある。このような光学的ひずみの発生を回避するために、カメラの較正は通常、例えば、チェッカーボードパターンを使用して、車両製造又はロボット製造において行われる。その際、決定された補正値が保存される。ただし、これらの補正値は、コンポーネントの経年劣化、多様な温度範囲、及び外部の機械的影響により、その正確性が損なわれるおそれがある。
【0010】
本方法により、カメラをほぼすべての目的に合わせて較正できるため、車両又はロボットの製造プロセスでの、例えば、製造プロセスの最後での較正を簡素化することができる。更に、較正は、車両又はロボットが動作している間、例えば、動作の短い一時中断中にも実行することができる。したがって、経年変化の影響を感知するために、カメラの動作継続時間にわたって較正することも可能である。したがって、較正は、カメラ及びLIDARセンサの操作中に実行され、かつ補正することもでき、これは、自動化された、特に高度に自動化された、自律的又は半自律的な方法で運転される車両にもまた特に有利である。また、複数の較正を1つのステップに組み合わせることもできる。較正を考慮した結果、カメラとLIDARセンサは、同じ場所にある同じ物体を認識する。
【0011】
言及されたロボットは、同様に、例えば、車両として、例えば、高度に自動化された又は完全に自動化された乗用車として、高度に自動化された又は完全に自動化された輸送車両として、又は高度に自動化された又は完全に自動化されたトラックとして形成されている。また、ロボットは、産業用ロボット、自動芝刈り機、ロボット掃除機、モッピングロボット、又は自動運航船であり得る。
【0012】
本方法の可能な一実施形態では、実投影面の表面プロファイルは、LIDARセンサを使用して決定される実パターンのピクセルからの距離に基づいて決定される。これにより、カメラ及び/又はLIDARセンサを、特にいわゆるクロス較正で較正することができ、このクロス較正では、LIDARセンサの反射がカメラに登録され、LIDARセンサに対するカメラの相対的較正のために、すなわちカメラとLIDARセンサとの間の誤差に対して使用される。カメラで検出されたLIDAR反射に基づいて、車両又はロボットの周囲の任意の物体に仮想パターンを規定することができ、この物体は、LIDARセンサによって3次元的に測定されるため、いわゆるグラウンドトゥルースを生成できる。カメラとLIDARセンサとの互いに対する較正により、カメラ及びLIDARセンサを使用して感知された物体を相互に適切に割り当てることができ、精度を向上させることが可能になる。カメラ及びLIDARセンサを相互に直接較正する場合、それらの間の相対誤差が減少する。LIDARセンサに対するカメラの、またその逆でそのように行われた直接較正により、カメラ及びLIDARセンサの生データの直接融合を実行することができる。更に、カメラ及びLIDARセンサの独立したデータの融合もまた改善される。
【0013】
本方法の可能な更なる実施形態では、仮想パターンをひずみ補正仮想パターンに変換するための、かつ/又はひずみ補正仮想パターンを仮想パターンに変換するための少なくとも1つの変換方程式が、仮想パターンとひずみ補正仮想パターンとの比較において決定される。すなわち、両方の仮想パターンに基づいて、一方の仮想パターンを他方の仮想パターンに変換するための変換パラメータが計算されることを意味する。変換パラメータは、センサ構成のうちの1つ、すなわちカメラ又はLIDARセンサによって決定された周囲データを他のセンサ構成の座標系に変換するために使用することができる。
【0014】
本方法の可能な更なる実施形態では、カメラ及び/又はLIDARセンサの方位角誤差及び/又は仰角誤差は、較正において決定される。したがって、カメラは、カメラの光軸とLIDARセンサの光軸との間のあり得る差異、すなわち方位角誤差及び仰角誤差を補償できるように、LIDARセンサに対して較正することができる。したがって、方位角誤差及び仰角誤差から生じる、カメラの座標系に対するLIDARセンサの座標系の変位及び回転を決定することができる。この変位及び回転は、2つの仮想パターンを比較するときに考慮され、これらの仮想パターンも同様に、相互に変位され、かつ回転されている。したがって、特に正確な較正を実行することができる。
【0015】
本方法の可能な更なる実施形態では、仮想パターンを生成するために、LIDARセンサを使用して放射されたレーザ光線は、LIDARセンサの回転ミラーを使用して偏向される。したがって、仮想平面内の仮想パターン及び実パターンは、特に簡単かつ信頼できる方法で生成可能である。
【0016】
本方法の可能な更なる実施形態では、実パターンがカメラを使用して撮像される場合、カメラの複数の連続撮像画像にわたって積分が実行される。この積分により、赤外線領域でのカメラの解像度が向上することは、従来のカラーカメラとして形成されたカメラが可視光領域で最高の感度を有するのに対して、赤外線領域でかなり低い感度を有するため、有利である。更に、回転ミラーの不規則運動は、仮想パターンの線と線との間の間隔が変動すること、したがって、実パターンの線と線との間の間隔が変動することをもたらす可能性がある。カメラの複数の連続撮像画像にわたって積分することで、これらの誤差の補正が可能となる。
【0017】
本方法の可能な更なる実施形態では、カメラは、較正のために較正モードに切り替えられる。
【0018】
本方法の可能な更なる実施形態では、仮想パターンは、赤外線レーザ光線によって生成されるため、カメラを使用して撮像が可能である。
【0019】
本方法の可能な更なる実施形態では、カメラを使用して撮像された画像を生成するために、カメラに入射する光線は、カメラ自体の赤外線光フィルタによってフィルタリングされる。赤外線フィルタにより、干渉が低減され、色品質が向上する。
【0020】
本方法の可能な更なる実施形態では、LIDARセンサによって放射され、かつ実投影面によって反射される赤外線レーザ光線を透過する赤外線フィルタが使用され、その結果、実パターンの撮像が可能である。
【0021】
本方法の可能な更なる実施形態では、赤外線フィルタは、LIDARセンサによって放射され、かつ実投影面によって反射される赤外線レーザ光線に対して透過性になるように、カメラの較正モードで切り替えられる。したがって、赤外線フィルタは、カメラの通常の動作中に干渉を減らし、色品質を向上させるために使用することができ、較正モードでは、非アクティブ化して、LIDARセンサを使用して放射され、投影面によって反射される赤外線レーザ光線を最適に感知するために、無効化することができる。
【0022】
以下に図面を参照して、本発明の実施形態をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】車両、仮想パターン、及び実パターンの概略斜視図である。
【
図2】車両のカメラ及び/又はLIDARセンサを較正するための装置の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
互いに対応する部分には、図面全体で同じ参照符号が付されている。
【0025】
図1には、車両1、仮想パターンM
v、及び実パターンM
rの斜視図が示されている。
図2は、車両1のカメラ3及び/又はLIDARセンサ2.1を較正するための装置4の可能な実施形態のブロック図を示す。
【0026】
以下の説明は、少なくとも1つのカメラ3及び/又は少なくとも1つのLIDARセンサ2.1を含むロボットにも同様に適用可能である。そのようなロボットはまた、例えば、車両として、例えば、高度に自動化された又は完全に自動化された乗用車として、高度に自動化された又は完全に自動化された輸送車両として、又は高度に自動化された又は完全に自動化されたトラックとして形成されている。また、ロボットは、産業用ロボット、自動芝刈り機、ロボット掃除機、モッピングロボット、又は自動運航船であり得る。
【0027】
車両1は、少なくとも1つのLIDARセンサ2.1を備えたLIDAR2及びカメラ3を含み、LIDAR2及びカメラ3は、車両周囲を撮像するように形成されている。
【0028】
装置4は、LIDAR2、カメラ3、及び処理ユニット5を含む。
【0029】
較正の目的は、カメラ3の光軸とLIDARセンサ2.1の光軸との間のあり得る差異、すなわち方位角誤差及び仰角誤差が補正されるように、LIDARセンサ2.1に対してカメラ3を較正することであり、その結果、カメラ3及びLIDARセンサ2.1は、同じ場所にある同じ物体を認識する。
【0030】
この目的のために、仮想平面Evは、車両1の前方に画定され、仮想平面Evは、カメラ3の撮像範囲及びLIDARセンサ2.1の感知範囲内にある。赤外線レーザ光線は、LIDARセンサ2.1を使用して放射され、そのようにして、仮想パターンMvは、仮想平面Ev上に生成される。仮想パターンMvは、例えば、チェッカーボードパターンである。その際、仮想パターンMvは、LIDARセンサ2.1の座標系において生成される。赤外線レーザ光線は、仮想平面Evを貫通するので、仮想パターンMvと相関する実パターンMrは、車両周囲の投影面A、例えば、路面に投影される。この投影された実パターンMrが仮想パターンMvと比較して歪んでいるのは、実パターンMrが作成される投影面Aが、仮想平面Evに対して平行面ではないためである。
【0031】
可能な一実施形態では、LIDAR2又はLIDARセンサ2.1は、回転ミラーを有し、この回転ミラーを用いて、赤外線レーザ光線は、スキャンするシーンにわたって偏向される。
【0032】
投影された実パターンMrの個々のピクセルまでの距離dは、LIDARセンサ2.1を使用して決定される。したがって、投影面Aの表面プロファイルは、処理ユニット5を使用して3次元的に決定され、いわゆるグラウンドトゥルースが生成される。
【0033】
カメラ3を使用して、実パターンMrの少なくとも1つの画像Bが撮像される。投影面Aの決定された表面プロファイルに基づいて、撮像された実パターンMvは、仮想平面Ev上で実パターンMvがどのように見えることになるかを再計算することによって、処理ユニット5を使用してひずみ補正される。この再計算の結果は、カメラ3の座標系において再計算されたひずみ補正仮想パターンMevである。
【0034】
LIDAR2の回転ミラーの不規則運動は、仮想パターンMvの線と線との間の間隔が変動すること、したがって実パターンMrの線と線との間の間隔が変動することをもたらす可能性があるため、実パターンMrを撮像するときにこれらの誤差を補正するために、可能な実施形態では、カメラ3の複数の画像Bにわたって積分が実行される。この積分により、赤外線領域でのカメラ3の解像度もまた向上し、これは、従来のカラーカメラとして形成されたカメラ3が可視光領域で最高の感度を有し、赤外線領域でかなり低い感度を有するため、有利である。
【0035】
可能な更なる実施形態では、カメラ3は、較正のために較正モードに切り替えられる。更に、干渉を低減し、かつ/又は色品質を向上させるために、カメラ3が赤外光フィルタを有することが可能である。この赤外線フィルタは、例えば、反射されたIRレーザパルスに対して透過性であること、又はカメラ3の較正モードにおいて、LIDARセンサ2.1の赤外線レーザ光線に対する透過状態に切り替え可能であることのいずれかであるように設計されている。
【0036】
方位角誤差及び仰角誤差に基づいて、LIDARセンサ2.1の座標系は、カメラ3の座標系に対して変位され、かつ回転されている。したがって、2つの仮想パターンMv、Mevもまた、互いに対して変位され、かつ回転されている。
【0037】
一方の仮想パターンMv、Mevを他方の仮想パターンMev、Mvに変換するための変換方程式は、2つの仮想パターンMv、Mevから決定される。すなわち、座標変換の変換パラメータPが決定されることを意味し、変換パラメータPを用いて、カメラ3によって撮像されたデータをLIDARセンサ2.1の座標系に変換することができるか、又はLIDARセンサ2.1によって感知されたデータをカメラ3の座標系に変換することができる。
【0038】
次いで、決定された変換パラメータPを用いて、通常の動作中、LIDARセンサ2.1又はカメラ3によって決定された周囲データは、それぞれの他方のセンサの座標系に変換される。次いで、LIDARセンサ2.1及びカメラ3は、同じ場所で同じ物体を認識する。