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特許7437528硫黄元素及びアントラニリックジアミド殺虫剤を含む有害生物駆除組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】硫黄元素及びアントラニリックジアミド殺虫剤を含む有害生物駆除組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/56 20060101AFI20240215BHJP
   A01N 43/713 20060101ALI20240215BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20240215BHJP
   A01N 59/02 20060101ALI20240215BHJP
   A01N 25/04 20060101ALI20240215BHJP
   A01N 25/12 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
A01N43/56 D
A01N43/713
A01P7/04
A01N59/02 A
A01N25/04 102
A01N25/12 101
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022558147
(86)(22)【出願日】2020-05-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 IN2020050429
(87)【国際公開番号】W WO2021191915
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】202021012760
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】521039301
【氏名又は名称】ドーシ ハイトシュクマー アニルカント
(73)【特許権者】
【識別番号】522376243
【氏名又は名称】ナイク ハーシャ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドーシ ハイトシュクマー アニルカント
(72)【発明者】
【氏名】ナイク ハーシャ
【審査官】前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-520901(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0230475(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0380344(US,A1)
【文献】国際公開第2018/123971(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 43/
A01P 7/
A01N 59/
A01N 25/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有害生物駆除組成物であって、
全組成物の40%w/w~95%w/wの範囲の硫黄元素と、
全組成物の0.1%w/w~3%w/wの範囲の、シアントラニリプロール、テトラニリプロール、シクラニリプロール、テトラクロラントラニリプロール、及びクロラントラニリプロールから選択される少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤と、
少なくとも1つの農芸化学用の賦形剤と、を含み、
前記組成物の粒子サイズが、0.1ミクロン~50ミクロンの範囲である、組成物。
【請求項2】
顆粒形態または液体懸濁物形態の形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
顆粒状の前記組成物が、水分散性顆粒またはスフェロイド化顆粒であり、前記顆粒のサイズが0.1mm~6mmの範囲であり、前記顆粒が0.1ミクロン~50ミクロンのサイズ範囲の粒子へと分散する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記顆粒が、0.1ミクロン~20ミクロンのサイズ範囲の粒子へと分散する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記水分散性顆粒が、0.1mm~2.5mmの範囲の顆粒サイズを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記顆粒組成物中の前記農芸化学的に許容される賦形剤は、少なくとも1つの界面活性物質、結合物質または充填物質または担体または希釈物質、崩壊剤、緩衝物質またはpH調整物質または中和剤、消泡剤、沈降防止剤、固化防止剤、浸透剤、固着剤、紫外吸収物質、紫外線散乱剤、粘着性付与物質、顔料、着色物質、安定化物質、及びそれらの混合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記液体懸濁組成物中の前記農芸化学的に許容される賦形剤は、少なくとも1つの構造化剤、界面活性物質、保湿物質、溶媒、水混和性溶媒、展着剤、懸濁化剤または懸濁補助物質または、沈降防止物質、浸透剤、固着剤、ドリフト低減剤、紫外吸収物質、紫外線散乱剤、防腐物質、安定化物質、緩衝物質またはpH調整物質または中和剤、凍結防止剤または凝固点降下物質、消泡剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
顆粒形態での前記組成物の湿潤性が、2分未満である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記スフェロイド化顆粒が、100ニュートン未満の硬度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
液体懸濁物形態での前記組成物が、10cps~3000cpsの粘度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
液体懸濁物形態での前記組成物が、5%未満の残留の注入性を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物の懸濁性が、少なくとも30%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物の分散性が、少なくとも30%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物の懸濁性または分散性が、加速貯蔵条件下で30%超である、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
75ミクロンの篩上の水分散性顆粒組成物または液体懸濁組成物のための湿式篩保持値が、0.5%未満である、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
請求項1に記載の水分散性顆粒有害生物駆除組成物を調製するプロセスであって、
a.硫黄元素及び少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤の混和物を少なくとも1つの農芸化学用の賦形剤と共に粉砕して、スラリーまたは湿潤混合物を得ることと、
b.前記湿潤混合物を乾燥して前記水分散性顆粒組成物を得て、前記組成物の前記顆粒が0.1~2.5mmのサイズ範囲の顆粒を含むことと、
を含む、プロセス。
【請求項17】
請求項1に記載のスフェロイド化顆粒有害生物駆除組成物を調製するプロセスであって、
a.硫黄元素及び少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤の混和物を少なくとも1つの農芸化学用の賦形剤と共に粉砕して、スラリーまたは湿潤混合物を得ることと、
b.前記湿潤混合物を乾燥して前記水分散性顆粒組成物を得て、前記組成物の前記顆粒が0.1~2.5mmのサイズ範囲の顆粒からなることと、
c.水を乾燥粉末へ添加し、前記混合物を混和して練り生地またはペーストを得て、次いでそれを押出し機を介して押出して0.1mm~6mmのサイズ範囲の押出し顆粒を得ることか、またはステップ(b)中で得られた前記湿潤混合物もしくは前記乾燥粉末を凝集装置中で凝集して0.1mm~6mmのサイズ範囲の顆粒組成物を得ることと、
を含む、プロセス。
【請求項18】
請求項1に記載の液体懸濁物有害生物駆除組成物を調製するプロセスであって、
硫黄元素、少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤、及び少なくとも1つの農芸化学的に許容される賦形剤の混合物をホモジナイズして、懸濁物を得ることと、
前記得られた懸濁物を湿式粉砕して、0.1ミクロン~50ミクロンの粒子サイズ範囲の組成物を提供することと、
を含む、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硫黄元素と、少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤と、少なくとも1つの農芸化学的に許容される賦形剤と、を含む、有害生物駆除組成物に関する。本発明は、特に、全組成物の40%w/w~95%w/wの範囲の硫黄元素と、全組成物の0.1%w/w~3%w/wの範囲で存在する、シアントラニリプロール、テトラニリプロール、シクラニリプロール、テトラクロラントラニリプロール、及びクロラントラニリプロールからなる群から選択される少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤と、少なくとも1つの農芸化学的に許容される賦形剤と、を含む、有害生物駆除組成物に関する。有害生物駆除組成物は、顆粒または液体懸濁物の形態である。顆粒は、水分散性顆粒またはスフェロイド化顆粒のいずれかである。さらに、有害生物駆除組成物は、0.1mm~6mmのサイズ範囲の顆粒を含み、0.1ミクロン~50ミクロンのサイズ範囲の粒子へ分散する。本発明の液体懸濁組成物は、0.1ミクロン~50ミクロンのサイズ範囲の粒子を有する。
【0002】
本発明は、有害生物駆除組成物を調製するプロセスにさらに関する。
【背景技術】
【0003】
本発明の実施形態の記載において、特定の専門用語が明瞭性のために選ばれる。しかしながら、本発明が、そのように選択された特定の用語に限定されることは意図されず、各々の特定の用語が、類似する様式で操作して類似する目的を達成するすべての技法的な均等物を包含することを理解されたい。
【0004】
公知の化合物の有害生物駆除性の有効性は、例えば有害生物防除の領域において満足なものではない。異なる領域における多様な実践のために、有害生物駆除剤は、比較的高い投薬量で時には投与され、そのことは最終的には有害生物のうちでの耐性の発生をもたらし、それによって、より高い経済的コストに加えて、土壌毒性及び他の環境災害を導く。
【0005】
利用可能な現在の有害生物駆除性の組み合わせは古い化学であり、かかる化学的組み合わせの反復使用は、殺虫剤耐性、有害生物復活、二次性有害生物アウトブレイク、残留物関連問題、ヒトに対する毒性効果、及び収量の低減のような害虫集団管理における問題を引き起こした。したがって、活性スペクトルを拡大し、非耐性のより低い毒性を提供し、そして植物の健康及び収量をより良好に増進する、新規組み合わせについての必要性がある。したがって、いくつか挙げると、植物毒性の低減、投薬量の低減、スペクトルの実質的な拡大、ならびにヒト及び環境への安全性の増加を備えた殺虫化合物に対する需要が増加している。
【0006】
化学的有害生物駆除剤の実質的な使用を制限し、低用量で有効な殺虫組成物を同定することは、既存の製品への交差耐性を引き起こさずに毒性を低減し、さらに、環境にやさしいことは、化学物質に対する依存性の低減を備えた化学物質不含有の有害生物駆除剤に向けて努めている今日の世界において非常に重要である。したがって、昆虫防除、収量、植物増殖、より広義の作物保護スペクトル、適用数の低減、環境/農民の負担の低減、健康な葉、人件費の節約に関して経済的且つ有効であり、それでもなおエンドユーザーへの費用効率が高い解決策を提供するように適用される、新しい殺虫剤の組み合わせについての継続的な必要性が存在する。
【0007】
ジアミド殺虫剤(アントラニリックジアミド等)は、新規標的であるリアノジン受容体に対する作用を介して良好な防除を提供する、新しいクラスの殺虫剤である。アントラニリックジアミドは、この受容体を活性化する可能性があり、貯蔵されたカルシウムを筋小胞体から放出させ、筋収縮の調節障害及びしたがって細胞死を引き起こす。
【0008】
有害生物駆除剤としての硫黄の役割及び利益は、長い間公知である。硫黄は、本質的に有機的であると判断され、多くはその元素形態で利用可能である。硫黄の使用の利益は、有害生物防除の有効モードとしての化学物質の使用への依存性の低減を網羅するだけでなく、本質的に有機的であることはまた、環境にやさしく、収穫量を増加させ、食品安全性、ヒト、動物、または植物の健康及び生活の質を改善する。異なる製剤(顆粒、ペレット、及び粉末等)は、受精媒介物または有害生物駆除剤として使用される形態において硫黄を提供することで知られている。殺真菌剤、殺コナダニ剤、及び殺ダニ剤としての硫黄の使用は、特に重要であり、農作業の環境にやさしい様式として長年使用されている。
【0009】
ジアミド殺虫剤及びジチオカルバメートのような殺真菌剤を含む有害生物駆除組成物は、当技術分野において公知であるが、ジアミド殺虫剤及び硫黄を含む組み合わせの開示はない。
【0010】
特許文献1は、ジアミド殺虫剤と、少なくとも1つの殺真菌的に活性のある化合物及び別の殺虫化合物との組み合わせに関する。それは、有害生物駆除組成物が、ジアミド殺虫剤、ジチオカルバメート、及び他の殺虫剤を含む3種の組み合わせの使用に起因して、標的有害生物の防除において有効であることを開示する。特許文献2は、ジアミド殺虫剤と、少なくとも1つのマルチサイト殺真菌剤化合物及び少なくとも1つの第2の殺真菌化合物との組み合わせに関する。それは、有害生物駆除組成物が、ジアミド殺虫剤、ジチオカルバメート殺真菌剤、及び他の殺真菌活性のある化合物を含む3種の組み合わせの使用に起因して、標的有害生物の防除において有効であることを開示する。これらの出願は、硫黄元素及び有害生物駆除性有効量でのアントラニリックジアミド殺虫剤の特異的な組み合わせの有効性及び相乗性に対して言及していない。
【0011】
特許文献3は、0.1~200:1の比で存在する硫黄及び1または2の別の有害生物駆除性活性物質を含有して、様々な作物の病気及び害虫を防除する、農業用組成物に関する。それは、有害生物駆除性活性物質が、殺コナダニ剤、殺真菌剤、殺虫剤、またはそれらの組み合わせのいずれかであり得ることを述べ、有害生物駆除性活性物質の詳細なリストを提供する。特許文献4は、受精媒介物、有害生物駆除剤(ピメトロジン及びクロラントラニリプロール等)、有害生物の防除のための分散媒と一緒の徐放性薬剤、及び水田における栄養補給剤の徐放性顆粒組成物に関する。これらの出願は、硫黄元素及び有害生物駆除性有効量でのアントラニリックジアミド殺虫剤の特異的な組み合わせに言及していない。
【0012】
したがって、より低い投薬量での広域スペクトラム有害生物駆除活性により効果的に使用され得、公知の組成物の上で検討された欠点に対処することができる、硫黄及びアントラニリックジアミド殺虫剤の特異的な組み合わせを含む特定の有害生物駆除組成物は、公知でなく利用可能ではない。
【0013】
硫黄元素は、特異的な粒子サイズで有効量のアントラニリックジアミド殺虫剤(シアントラニリプロール、テトラニリプロール、シクラニリプロール、テトラクロラントラニリプロール、クロラントラニリプロールが挙げられる)と組み合わせた場合に、本質的に相乗的であり、優れた野外での有効性を実証することが、本発明者らによって見出された。相乗性は、当該組み合わせが非常に低い用量のアントラニリックジマイド(anthranilic dimaide)殺虫剤でさえ有効であるという事実によっても明示される。
【0014】
硫黄は、組成物中に存在する必須活性成分であり、全組成物の0.1%~3%w/wほどの低い濃度で使用されるアントラニリックジアミド殺虫剤と組み合わせて、全組成物の約40%w/w~95%w/wのより高い濃度で使用され、作物保護のための農業及び栄養学においてより持続可能且つ生態学的なアプローチを提供する。
【0015】
意外にも、化学的有害生物駆除剤と組み合わせた硫黄のより高いローディングが、化学的有害生物駆除剤に対する依存性を低減するのを支援し、環境及びヒトへの引き起こされる毒性をさらに低減し、有害生物/昆虫における耐性の機会を低下させ、化学物質の後続使用を回避し、より良好な植物の健康及び収量を増進することが観察された。
【0016】
本発明の組成物の相乗効果に加えて、本発明者らは、硫黄元素と液体懸濁物または顆粒の形態での有効量におけるアントラニリックジアミド殺虫剤とを含む組成物が優れた有害生物防除を提供し、組成物中の粒子が0.1ミクロン~50ミクロンのサイズ範囲で存在する場合に収量を改善することを意外にも決定した。
【0017】
本発明者らは、硫黄元素及び有効量のアントラニリックジアミド殺虫剤のかかる有機的且つ生態学的な組み合わせを提供する最適な生成物タイプが液体懸濁物または顆粒であり、それは、活性物質の喪失を最小限にし、安定的でユーザーにやさしい製剤を提供することを支援することを見出した。0.1ミクロン~50ミクロンの範囲の粒子サイズを備えた液体懸濁物及び顆粒の形態での有害生物駆除剤の組み合わせは、土壌または葉の経路を介する適用に際して、懸濁性、分散性の改善、粘度の改善、活性物質の即時の分散を提供することによって、製剤の物理学的性質も促進し、それは、標的害虫の有効な防除を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【文献】国際特許出願公開第2018/224915号パンフレット
【文献】国際特許出願公開第2018224914号パンフレット
【文献】中国特許第103355343号明細書
【文献】中国特許第108911893号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
したがって、本発明の発明者らは、全組成物の40%w/w~95%w/wの範囲の硫黄元素と、全組成物の0.1%w/w~3%w/wの範囲でシアントラニリプロール、テトラニリプロール、シクラニリプロール、テトラクロラントラニリプロール、及びクロラントラニリプロールの少なくとも1つからなる群から選択される少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤と、少なくとも1つの農芸化学的に許容される賦形剤と、を含む、安定的な有害生物駆除剤の顆粒組成物または液体懸濁組成物であって、粒子が0.1ミクロン~50ミクロンのサイズ範囲で存在する、前記組成物を開発した。有害生物駆除組成物は、本質的に相乗的であり、低減した投薬量で作物保護及び栄養剤を提供する。組成物は、0.1mm~6mmの範囲の顆粒サイズを有し、0.1ミクロン~50ミクロンのサイズ範囲を有する粒子へ分散する。本発明の有害生物駆除組成物は、先行するパラグラフ中で指摘されるような関連する欠点を消失させるだけでなく、そうでなければ費用効率の高い様式で達成することが難しい優れた組成物も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、全組成物の40%w/w~95%w/wの範囲の硫黄元素と、全組成物の0.1%w/w~3%w/wの範囲で存在する少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤と、少なくとも1つの農芸化学的に許容される賦形剤と、を含む、有害生物駆除組成物であって、組成物が水分散性顆粒またはスフェロイド化顆粒の形態であり、顆粒サイズが0.1mm~6mmの範囲であり、顆粒が0.1ミクロン~50ミクロンのサイズ範囲の粒子へと分散する、前記組成物に関する。
【0021】
本発明は、全組成物の40%w/w~95%w/wの範囲の硫黄元素と、全組成物の0.1%w/w~3%w/wの範囲の少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤と、少なくとも1つの農芸化学用の賦形剤と、を含む、液体懸濁有害生物駆除組成物であって、組成物の粒子サイズが0.1ミクロン~50ミクロンの範囲である、前記組成物に関する。
【0022】
本発明は、水分散性の形態での顆粒有害生物駆除組成物を調製するプロセスであって、a)硫黄元素及び少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤の混和物を少なくとも1つの農芸化学用の賦形剤と共に粉砕して、スラリーまたは湿潤混合物を得ることと、b)湿潤混合物を乾燥して水分散性顆粒組成物を得て、組成物の顆粒が0.1~2.5mmのサイズ範囲の顆粒からなることと、を含む、前記プロセスにも関する。
【0023】
本発明は、スフェロイド化顆粒の形態での顆粒有害生物駆除組成物を調製するプロセスであって、a)硫黄元素及び少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤の混和物を少なくとも1つの農芸化学用の賦形剤と共に粉砕して、スラリーまたは湿潤混合物を得ることと、b)湿潤混合物を乾燥して顆粒組成物を得て、組成物の顆粒が0.1~2.5mmのサイズ範囲の顆粒からなることと、c)水を乾燥粉末へ添加し、混合物を混和して練り生地またはペーストを得て、次いでそれを押出し機を介して押出して0.1mm~6mmのサイズ範囲の押出し顆粒を得ることか、またはステップ(b)中で得られた湿潤混合物もしくは乾燥粉末を凝集装置中で凝集して0.1mm~6mmのサイズ範囲の顆粒組成物を得ることと、を含む、前記プロセスにも関する。
【0024】
本発明は、液体懸濁有害生物駆除組成物の調製のプロセスであって、硫黄元素、少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤、及び少なくとも1つの農芸化学的に許容される賦形剤の混合物をホモジナイズして、懸濁物を得ることと、得られた懸濁物を湿式粉砕して0.1ミクロン~50ミクロンの粒子サイズ範囲の組成物を提供することと、を含む、前記プロセスにも関する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態の記載において、特定の専門用語が明瞭性のために選ばれる。しかしながら、本発明が、そのように選択された特定の用語に限定されることは意図されず、かかる特定の用語が、類似する様式で操作して類似する目的を達成するすべての技法的な均等物を包含することを理解されたい。本明細書において列挙される任意の数値範囲は、入れられたすべての部分範囲を包含することが意図されることを理解されたい。また、別段示されない限り、組成物における構成要素のパーセンテージは、重量パーセントとして示される。
【0026】
組成物中で使用される硫黄は、硫黄元素を指す。
【0027】
顆粒は主に、水分散性顆粒、押出し顆粒、またはスフェロイド化顆粒を指す。
【0028】
水分散性顆粒は、水へ添加された場合に、迅速に分散または溶解して微細粒子懸濁物を与える製剤として定義される。本明細書において記載される時、「WG」または「WDG」は、水分散性顆粒を指す。本明細書において記載される時、「GR」は、押出し顆粒またはスフェロイド化顆粒を指す。
【0029】
液体懸濁物は、「水性懸濁物」または「水性分散物」または「懸濁濃縮物(SC)」組成物を網羅する。液体懸濁物は、固体粒子が液体中で分散または懸濁される組成物として定義される。ビヒクルとしての液体は、水及び/または水混和性の溶媒であり得る。
【0030】
本発明は、硫黄元素と、少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤と、少なくとも1つの農芸化学的に許容される賦形剤と、を含む、有害生物駆除組成物に関する。
【0031】
本発明は、全組成物の40%w/w~95%w/wの範囲の硫黄元素と、全組成物の0.1%w/w~3%w/wの範囲で存在する少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤と、少なくとも1つの農芸化学用の賦形剤と、を含む、有害生物駆除組成物に関する。
【0032】
本発明の有害生物駆除組成物は、顆粒または液体懸濁物の形態である。
【0033】
顆粒有害生物駆除組成物は、水分散性顆粒またはスフェロイド化顆粒のいずれかの形態である。
【0034】
顆粒組成物は、0.1ミクロン~50ミクロンのサイズ範囲の粒子へと分散する0.1mm~6mmのサイズ範囲の顆粒を有する。
【0035】
液体懸濁組成物は、0.1ミクロン~50ミクロンのサイズ範囲の粒子も有する。
【0036】
一実施形態によれば、硫黄元素は、全組成物の40%w/w~95%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、硫黄元素は、全組成物の40%w/w~90%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、硫黄元素は、全組成物の40%w/w~80%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、硫黄元素は、全組成物の40%w/w~70%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、硫黄元素は、全組成物の40%w/w~60%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、硫黄元素は、全組成物の40%w/w~50%w/wの範囲で存在する。
【0037】
一実施形態によれば、少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤は、特にシアントラニリプロール、テトラニリプロール、シクラニリプロール、テトラクロラントラニリプロール、及びクロラントラニリプロールからなる群から選択される。
【0038】
一実施形態によれば、少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤は、全組成物の0.1%w/w~3%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤は、全組成物の0.1%w/w~2%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤は、全組成物の0.1%w/w~1.5%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤は、全組成物の0.1%w/w~1%w/wの範囲で存在する。
【0039】
さらなる実施形態によれば、液体懸濁組成物の粒子サイズは、0.1ミクロン~50ミクロンの範囲である。さらなる実施形態によれば、液体懸濁組成物の粒子サイズは、0.1ミクロン~30ミクロンの範囲である。さらなる実施形態によれば、液体懸濁組成物の粒子サイズは、0.1ミクロン~25ミクロンの範囲である。さらなる実施形態によれば、液体懸濁組成物の粒子サイズは、0.1ミクロン~20ミクロンの範囲である。さらなる実施形態によれば、液体懸濁組成物の粒子サイズは、0.1ミクロン~10ミクロンの範囲である。
【0040】
一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、スフェロイド化顆粒の形態であり、顆粒は、0.1~6mmのサイズ範囲、好ましくは0.1~5mmのサイズ範囲、好ましくは0.1~4mmのサイズ範囲、好ましくは0.1~3mmのサイズ範囲、好ましくは0.1~2.5mmのサイズ範囲である。顆粒は、0.1ミクロン~50ミクロンのサイズ範囲の粒子へと分散する。
【0041】
一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、水分散性顆粒の形態であり、顆粒は、0.1~2.5mmのサイズ範囲、好ましくは0.1~2mmのサイズ範囲、好ましくは0.1~1.5mmのサイズ範囲、好ましくは0.1~1mmのサイズ範囲、好ましくは0.1~0.5mmのサイズ範囲である。顆粒は、0.1ミクロン~50ミクロンのサイズ範囲、好ましくは0.1ミクロン~20ミクロンのサイズ範囲の粒子へと分散する。
【0042】
一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、少なくとも1つの農芸化学的に許容される賦形剤を含む。さらなる実施形態によれば、農芸化学的に許容される賦形剤は、界面活性物質、結合物質または結合剤、崩壊剤、充填物質または担体または希釈物質、コーティング剤、緩衝物質またはpH調整物質または中和剤、消泡剤または泡制止物質、浸透物質、紫外吸収物質、紫外線散乱剤、安定化物質、顔料、着色物質、構造化剤、キレート剤または錯化剤または金属イオン封鎖剤、増粘物質、懸濁化剤または懸濁補助剤または固化防止剤または沈降防止剤、粘度修飾物質またはレオロジー修飾物質、粘着性付与物質、保湿物質、固着剤、凍結防止剤または凝固点降下物質、水混和性溶媒、及びそれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、追加の農芸化学的に許容される賦形剤を利用することが可能であることを認識するだろう。
【0043】
一実施形態によれば、水分散性顆粒またはスフェロイド化顆粒の形態での有害生物駆除組成物は、少なくとも1つの農芸化学用の賦形剤をさらに含み、当該賦形剤としては、崩壊剤、界面活性物質、結合物質または充填物質または担体または希釈物質、消泡剤、紫外吸収物質、紫外線散乱剤、固化防止剤または沈降防止物質または懸濁補助物質または懸濁化剤、浸透剤、固着剤、粘着性付与物質、顔料、着色物質、安定化物質が挙げられる。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、追加の農芸化学的に許容される賦形剤を利用することが可能であることを認識するだろう。
【0044】
一実施形態によれば、液体有害生物駆除組成物は、少なくとも1つの農芸化学用の賦形剤をさらに含み、当該賦形剤としては、少なくとも1つの構造化剤、界面活性物質、保湿物質、水混和性溶媒、懸濁化剤または懸濁補助物質または固化防止剤または沈降防止物質、浸透剤、固着剤、紫外吸収物質、紫外線散乱剤、緩衝物質またはpH調整物質または中和剤、安定化物質、凍結防止剤または凝固点降下物質、消泡剤が挙げられる。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、追加の農芸化学的に許容される賦形剤を利用することが可能であることを認識するだろう。
【0045】
一実施形態によれば、農芸化学的に許容される賦形剤は、全組成物の5%w/w~95%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、農芸化学的に許容される賦形剤は、全組成物の10%w/w~95%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、農芸化学的に許容される賦形剤は、全組成物の5%w/w~80%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、農芸化学的に許容される賦形剤は、全組成物の5%w/w~70%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、農芸化学的に許容される賦形剤は、全組成物の5%w/w~60%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、農芸化学的に許容される賦形剤は、全組成物の5%w/w~50%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、農芸化学的に許容される賦形剤は、全組成物の5%w/w~40%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、農芸化学的に許容される賦形剤は、全組成物の5%w/w~30%w/wの範囲で存在する。
【0046】
一実施形態によれば、界面活性物質としては、乳化物質、湿潤剤、及び分散剤のうちの1つまたは複数が挙げられる。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物中で使用される界面活性物質としては、陰イオン性界面活性物質、陽イオン性界面活性物質、非イオン性界面活性剤、両性界面活性物質、及びポリマー性界面活性物質のうちの1つまたは複数が挙げられる。
【0047】
陰イオン性界面活性物質としては、脂肪酸の塩、安息香酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステルの塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩、アルキルジグリコールエーテル硫酸塩、アルコール硫酸エステルの塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステルの塩、アルキルアリールリン酸塩、スチリルアリールリン酸塩、スルホン酸塩ドキュセート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルサルコシン酸塩、αオレフィンスルホン酸ナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩もしくはその塩、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、スルホコハク酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸塩-遊離酸及びナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステルの塩、スルホコハク酸塩-モノエステル及び他のジエステル、リン酸エステル、アルキルナフタレンスルホン酸塩-イソプロピル誘導体及びブチル誘導体、アルキルエーテル硫酸塩-ナトリウム塩及びアンモニウム塩;アルキルアリールエーテルリン酸塩、エチレンオキシド及びその誘導体、ポリオキシエチレンアリールエーテルリン酸エステルの塩、モノ-アルキルスルホコハク酸塩、芳香族炭化水素スルホン酸塩、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ラウリル硫酸アンモニウム、ペルフルオロノナン酸アンモニウム、ドキュセート、ココアンホジ酢酸ジナトリウム、ラウレス硫酸マグネシウム、ペルフルオロブタンスルホン酸、ペルフルオロノナン酸、カルボキシレート、ペルフルオロオクタンスルホン酸、ペルフルオロオクタン酸、リン脂質、ラウリル硫酸カリウム、石鹸、石鹸代替物、アルキル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルカルボン酸塩、ステアリン酸ナトリウム、αオレフィンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸脂肪酸塩、ナフタレンスルホン酸塩縮合物-ナトリウム塩、フルオロカルボン酸塩、脂肪アルコール硫酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩縮合物-ナトリウム塩、ホルムアルデヒドと縮合させたナフタレンスルホン酸、もしくはホルムアルデヒドと縮合させたアルキルナフタレンスルホン酸の塩;またはそれらの塩、誘導体のうちの1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。
【0048】
陽イオン性界面活性物質としては、ジアルキルジメチル塩化アンモニウム、アルキルメチルエトキシ化塩化アンモニウムまたは塩、ドデシル-、ココ-、ヘキサデシル-、オクタデシル-、オクタデシル/ベヘニル-、ベヘニル-、ココアミドプロピル-、トリメチル塩化アンモニウム;ココ-、ステアリル-、ビス(2-ヒドロキシエチル)メチル塩化アンモニウム、塩化ベンザルコニウム、アルキル-、テトラデシル-、オクタデシル-ジメチルベンジル塩化アンモニウム、ジオクチル-、ジ(オクチル-デシル)-、ジデシル-、ジヘキサデシル-ジステアリル-、ジ(水素化牛脂)-ジメチル塩化アンモニウム、ジ(水素化牛脂)ベンジル-、トリオクチル-、トリ(オクチル-デシル)、トリドデシル、トリヘキサデシル-メチル塩化アンモニウム、ドデシルトリメチル-、ドデシルジメチルベンジル-、ジ-(オクチル-デシル)ジメチル、ジデシルジメチル-臭化アンモニウム、四級化アミンエトキシレート、塩化ベヘントリモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化ベンゾドデシニウム、ブロニドックス、第四級アンモニウム塩、臭化カルベトペンデシニウム、塩化セタルコニウム、臭化セトリモニウム、塩化セトリモニウム、塩化セチルピリジウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、ジメチルジオクタデシル臭化アンモニウム、ジメチルジオクタデシル-塩化アンモニウム、臭化ドミフェン、ラウリルメチルグルセス-10塩化ヒドロキシプロピルジモニウム、オクテニジン二塩酸塩、オラフラー(olaflur)、N-オレイル1,3-プロパンジアミン、パフトキシン、塩化ステアラルコニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、臭化トンゾニウム;それらの塩または誘導体のうちの1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。
【0049】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオールエステル、ポリオール脂肪酸エステル、ポリエトキシ化エステル、ポリエトキシ化アルコール、エトキシ化プロポキシ化脂肪アルコール、エトキシ化プロポキシ化アルコール、エチレンオキシド(EO)/プロピレンオキシド(PO)コポリマー;EO及びPOブロックコポリマー、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー;ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、ポロキサマー、ポリソルベート、アルキル多糖(アルキルポリグリコシド及びその混和物等)、アミンエトキシレート、ソルビタン脂肪酸エステル、グリコール及びグリセロールエステル、グルコシジルアルキルエーテル、牛脂脂肪酸ナトリウム、ポリオキシエチレングリコール、ソルビタンアルキルエステル、ソルビタン誘導体、ソルビタンの脂肪酸エステル(Span)及びそれらのエトキシ化誘導体(Tween)、ならびに脂肪酸のショ糖エステル、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、コカミドジエタノールアミン(DEA)、コカミドモノエタノールアミン(MEA)、デシルグルコシド、デシルポリグルコース、モノステアリン酸グリセロール、ラウリルグルコシド、マルトシド、モノラウリン、狭範囲エトキシレート、ノニデットP-40、ノノキシノール-9、ノノキシノール、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、N-オクチルβ-D-チオグルコピラノシド、オクチルグルコシド、オレイルアルコール、PEG-10ヒマワリグリセリズ、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリドカノール、ポロキサマー、ポロキサマー407、ポリエトキシ化牛脂アミン、ポリリシノール酸ポリグリセロール、ポリソルベート、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、ステアリルアルコール、サーファクチン、ラウリン酸グリセリル、ラウリルグルコシド、ノニルフェノールポリエトキシエタノール、ノニルフェノールポリグリコールエーテル、ヒマシ油エトキシレート、ポリグリコールエーテル、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの重付加物、ポリアルキレングリコールエーテル及びヒドロキシステアリン酸のブロックコポリマー、トリブチルフェノキシポリエトキシエタノール、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、エト-プロポキシ化トリスチリル、エトキシ化アルコール、ポリオキシエチレンソルビタン、脂肪酸ポリグリセリド、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、オキシアルキルエンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、アルコールエトキシレート-C6~C16/18(直鎖及び分岐)アルコール、アルコールアルコキシレート-様々な疎水性及びEO/PO含有量及び比、脂肪酸エステル-モノエステル及びジエステル;ラウリン、ステアリン、及びオレイン(lauric,stearic and oleic);グリセロールエステル-EO有り及び無しで;ラウリン、ステアリン(ココア及びトール油由来)、エトキシ化グリセリン、ソルビタンエステル-EO有り及び無しで;ラウリン、ステアリン、及びオレインベースのもの;モノ及びトリメスター、ヒマシ油エトキシレート-5~200モルEO;非水素化及び水素化された、ブロックポリマー、アミンオキシド-エトキシ化及び非エトキシ化のもの;アルキルジメチル、脂肪族アミンエトキシレート-ココ、牛脂、ステアリル、オレイルアミン、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油、またはポリオキシプロピレン脂肪酸エステル;それらの塩または誘導体のうちの1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。
【0050】
両性または双性イオン性の界面活性物質としては、ベタイン、ココ、及びラウリルアミドプロピルベタイン、ココアルキルジメチルアミンオキシド、アルキルジメチルベタイン;C8~C18アルキルジプロピオン酸塩-ラウリミノジプロピオン酸ナトリウム、ココアミドプロピルヒドロキシルスルホベタイン、イミダゾリン、リン脂質ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、及びスフィンゴミエリン、ラウリルジメチルアミンオキシド、アルキル両性酢酸塩及びプロプリオン酸塩、アルキル両性(ジ)酢酸塩、及びジプロプリオネート、レシチン及びエタノールアミンの脂肪酸アミド;またはそれらの塩、誘導体のうちの1つまたは複数であるがこれらに限定されない1つまたは複数のものが挙げられる。
【0051】
商標下で商業的に入手可能な界面活性物質は、Atlas G5000、TERMUL 5429、TERMUL 2510、ECOTERIC(登録商標)、EULSOGEN(登録商標)118、Genapol(登録商標)X、Genapol(登録商標)OX-080、Genapol(登録商標)C 100、Emulsogen(登録商標)EL 200、Arlacel P135、Hypermer 8261、Hypermer B239、Hypermer B261、Hypermer B246sf、Solutol HS 15、Promulgen(商標)D、Soprophor 7961P、Soprophor TSP/461、Soprophor TSP/724、Croduret 40、Etocas 200、Etocas 29、Rokacet R26、Cetomacrogol 1000、CHEMONIC OE-20、Triton N-101、Triton X-100、Tween 20、40、60、65、80、Span 20、40、60、80、83、85、120、Brij(登録商標)、Atlox 4912、Atlas G5000、TERMUL 3512、TERMUL 3015、TERMUL 5429、TERMUL 2510、ECOTERIC(登録商標)、ECOTERIC(登録商標)T85、ECOTERIC(登録商標)T20、TERIC 12A4、EULSOGEN(登録商標)118、Genapol(登録商標)X、Genapol(登録商標)OX -080、Genapol(登録商標)C 100、Emulsogen(登録商標)EL 200、Arlacel P135、Hypermer 8261、Hypermer B239、Hypermer B261、Hypermer B246sf、Solutol HS 15、Promulgen(商標)D、Soprophor 7961P、Soprophor TSP/461、Soprophor TSP/724、Croduret 40、Etocas 200、Etocas 29、Rokacet R26、CHEMONIC OE-20、Triton(商標)N-101、IGEPAL CA-630、及びIsoceteth-20のうちの1つまたは複数であるがこれらに限定されない。
しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、他の従来の公知の界面活性物質を利用することが可能であることを認識するだろう。界面活性物質は商業的に製造され、様々な会社を介して入手可能である。
【0052】
一実施形態によれば、界面活性物質は、全組成物の0.1%~60%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、界面活性物質は、全組成物の0.1%~40%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、界面活性物質は、全組成物の0.1%~30%w/wの量で存在する。さらなる実施形態によれば、界面活性物質は、全組成物の0.1%~20%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、界面活性物質は、全組成物の0.1%~10%w/wの量で存在する。
【0053】
一実施形態によれば、農業用組成物中で使用される水混和性溶媒は、水混和性溶媒を含む。水混和性溶媒としては、1,4-ジオキサン、エチレングリコール、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、ジメチルオクタンアミド、ジメチルデカンアミドが挙げられるがこれらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、他の水混和性溶媒を利用することが可能であることを認識するだろう。
【0054】
一実施形態によれば、溶媒は、全組成物の0.1%~95%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、溶媒は、全組成物の0.1%~60%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、溶媒は、全組成物の0.1%~40%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、溶媒は、全組成物の0.1%~30%w/wの量で存在する。
【0055】
一実施形態によれば、農業用組成物中で使用される崩壊剤としては、無機水溶性塩(例えば塩化ナトリウム、硝酸塩);水溶性有機化合物(アガー、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルデンプンエーテル、トラガカント、ゼラチン、カゼイン、微結晶性セルロース、架橋されたカルボキシルメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ステアリン酸金属塩、セルロース粉末、デキストリン、メタクリル酸塩コポリマー、Polyplasdone(登録商標)XL-10(架橋されたポリビニルピロリドン)、ポリ(ビニルピロリドン)、スルホン化スチレン-イソブチレン-マレイン無水物コポリマー、メタクリル酸塩のポリアクリル酸塩の塩、スターチ-ポリアクリロニトリルグラフトコポリマー等)、重炭酸ナトリウムもしくは重炭酸カリウム/炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリウム、または酸(クエン酸及びフマル酸等)とのそれらの混合物もしくは当該酸との塩またはそれらの塩、誘導体のうちの1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、異なる崩壊剤を利用することが可能であることを認識するだろう。崩壊剤は商業的に製造され、様々な会社を介して入手可能である。
【0056】
一実施形態によれば、崩壊剤は、組成物の0.1%~50%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、崩壊剤は、組成物の0.1%~30%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、崩壊剤は、組成物の0.1%~20%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、崩壊剤は、組成物の0.1%~10%w/wの量で存在する。
【0057】
一実施形態によれば、疎水性薬剤としては、修飾されたデンプン、疎水的に修飾されたシリケート、ベントナイト、アタパルジャイト、タルク、ステアリン酸金属塩、及びフッ素化シランのうちの1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、異なる疎水性薬剤を利用することが可能であることを認識するだろう。一実施形態によれば、疎水性薬剤は、全組成物の0.1%~50%w/wの濃度で存在する。
【0058】
一実施形態によれば、農業用組成物中で使用される結合剤または結合物質としては、タンパク質、リポタンパク質、脂質、糖脂質、糖タンパク質、炭水化物(単糖、二糖、オリゴ糖、及び多糖等)、複雑な有機物質、合成有機ポリマー、またはそれらの誘導体及び組み合わせの1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、異なる結合剤を利用することが可能であることを認識するだろう。結合剤は商業的に製造され、様々な会社を介して入手可能である。
【0059】
さらなる実施形態によれば、結合剤は、組成物の0.1%~30%w/wの量で存在する。さらなる実施形態によれば、結合剤は、組成物の0.1%~20%w/wの量で存在する。さらなる実施形態によれば、結合剤は、組成物の0.1%~10%w/wの量で存在する。
【0060】
一実施形態によれば、農業用組成物中で使用される担体としては、固体担体または充填物質または希釈物質のうちの1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。別の実施形態によれば、担体としては、鉱物担体、植物担体、合成担体、水溶性担体が挙げられる。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、異なる担体を利用することが可能であることを認識するだろう。担体は商業的に製造され、様々な会社を介して入手可能である。
【0061】
固体担体としては、粘土(陶土、酸性粘土等)、カオリン(カオリナイト、ジッカイト、ナクライト、及びハロイサイト等)、蛇紋石(クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト、及びアメサイト等)、合成シリカ及び珪藻シリカ、モンモリロナイト鉱物(ナトリウムモンモリロナイト等)、スメクタイト(サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、及びハイデライト等)、雲母(葉蝋石、タルク、アガルマトライト、白雲母、フェンジャイト、絹雲母、及びイライト等)、シリカ(クリストバライト等)、ならびに石英(アタパルジャイト及びセピオライト等);バーミキュライト、ラポナイト、軽石、ボーキサイト、水和アルミナ、真珠岩、重炭酸ナトリウム、ボルクレイ、バーミキュライト、石灰石、天然ケイ酸塩及び合成ケイ酸塩、活性炭、シリカ、湿式シリカ、乾式シリカ、湿式シリカのか焼生成物、表面修飾シリカ、雲母、ゼオライト、珪藻土、それらの誘導体;チョーク(Omya(登録商標))、フーラー土、黄土、硫曹鉱、ホワイトカーボン、消石灰、合成ケイ酸、デンプン、修飾されたデンプン(Pineflow、Matsutani Chemical industry Co.,Ltd.から入手可能)、セルロース、植物担体(セルロース、もみ殻、小麦粉、木粉、デンプン、米糠、ふすま及び大豆粉、タバコ粉末、野菜粉末等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(塩化ビニリデン)、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カゼインナトリウム、スクロース、芒硝、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、マレイン酸、フマル酸、及びリンゴ酸、またはそれらの誘導体もしくは混合物のような天然鉱物が挙げられる。商業的に入手可能なケイ酸塩は、Aerosilブランド、Sipernat(登録商標)50SとしてのSipernatブランド、及びCALFLO E、及びカオリン1777である。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、異なる固体担体を利用することが可能であることを認識するだろう。固体担体は商業的に製造され、様々な会社を介して入手可能である。
【0062】
一実施形態によれば、担体は、組成物の0.1%~98%w/wの量で存在する。さらなる実施形態によれば、担体は、組成物の0.1%~80%w/wの量で存在する。さらなる実施形態によれば、担体は、組成物の0.1%~60%w/wの量で存在する。さらなる実施形態によれば、担体は、組成物の0.1%~40%w/wの量で存在する。さらなる実施形態によれば、担体は、組成物の0.1%~20%w/wの量で存在する。
【0063】
一実施形態によれば、農業用組成物中で使用される消泡剤または泡制止物質としては、シリカ、シロキサン、シリコーンジオキシド、ポリジメチルシロキサン、ポリアクリル酸アルキル、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、ポリエチレングリコール、シリコーンオイル、及びステアリン酸マグネシウム、またはそれらの誘導体の1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。好ましい消泡剤としては、シリコーンエマルション(例えばRhodiaからのSilikon(登録商標)SRE、Wacker、またはRhodorsil(登録商標)等)、長鎖アルコール、脂肪酸、フルオロ-有機化合物が挙げられる。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、他の従来の公知の消泡剤を利用することが可能であることを認識するだろう。消泡剤は商業的に製造され、様々な会社を介して入手可能である。一実施形態によれば、消泡剤は、全組成物の0.01%~20%w/wの量で存在する。
【0064】
一実施形態によれば、農業用組成物中で使用されるpH調整物質または緩衝物質または中和剤としては、有機タイプまたは無機タイプの酸及び塩基の両方、ならびにそれらの混合物が挙げられる。さらなる実施形態によれば、pH調整物質または緩衝物質または中和剤としては、有機酸及び無機酸及びアルカリ金属化合物、またはそれらの塩、誘導体のうちの1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態によれば、有機酸としては、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、及び酒石酸、またはそれらの塩、誘導体;ならびにこれらの酸の一塩基塩、二塩基塩、もしくは三塩基塩、またはそれらの誘導体のうちの1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等)、アルカリ金属の炭酸塩(炭酸ナトリウム等)、アルカリ金属の炭酸水素塩(炭酸水素ナトリウム等)、及びアルカリ金属リン酸塩(リン酸ナトリウム等)、ならびにそれらの混合物のうちの1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態によれば、無機酸の塩としては、アルカリ金属塩(塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、及び同種のもの等)のうちの1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。混合物も、pH調整物質または緩衝物質または中和剤の生成に使用され得る。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、他の従来公知のpH調整物質または緩衝物質または中和剤を利用することが可能であることを認識するだろう。pH調整物質または緩衝物質または中和剤は商業的に製造され、様々な会社を介して入手可能である。
【0065】
一実施形態によれば、pH調整物質または緩衝物質は、全組成物の0.01%~20%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、pH調整物質または緩衝物質は、全組成物の0.01%~10%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、pH調整物質または緩衝物質は、全組成物の0.01%~5%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、pH調整物質または緩衝物質は、全組成物の0.01%~1%w/wの量で存在する。
【0066】
一実施形態によれば、農業用組成物中で使用される展着剤としては、セルロース粉末、デキストリン、修飾されたデンプン、架橋されたポリ(ビニルピロリドン)、マレイン酸とスチレン化合物とのコポリマー、(メタ)アクリル酸コポリマー、ジカルボン酸無水物と多価アルコールからなるポリマーの半エステル、ポリスチレンスルホン酸の水溶性塩、脂肪酸、ラテックス、脂肪族アルコール、植物油(綿実等)もしくは無機油、石油蒸留物、修飾されたトリシロキサン、ポリグリコール、ポリエーテル、クラサレート(clatharate)、またはそれらの塩もしくは誘導体のうちの1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、他の従来公知の展着剤を利用することが可能であることを認識するだろう。展着剤は商業的に製造され、様々な会社を介して入手可能である。
【0067】
一実施形態によれば、展着剤は、全組成物の0.01%~20%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、展着剤は、全組成物の0.01%~5%w/wの量で存在する。
【0068】
一実施形態によれば、農業用組成物中で使用される固着剤としては、パラフィン、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸塩、ポリオキシエチレン、ワックス、ポリビニルアルキルエーテル、アルキルフェノール-ホルマリン縮合物、脂肪酸、ラテックス、脂肪族アルコール、植物油(綿実等)もしくは無機油、石油蒸留物、修飾されたトリシロキサン、ポリグリコール、ポリエーテル、クラサレート(clatharate)、合成樹脂エマルション、またはそれらの塩もしくは誘導体のうちの1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、他の従来公知の固着剤を利用することが可能であることを認識するだろう。固着剤は商業的に製造され、様々な会社を介して入手可能である。
【0069】
一実施形態によれば、固着剤は、全組成物の0.01%~30%w/wの量で存在し得る。一実施形態によれば、固着剤は、全組成物の0.01%~15%w/wの量で存在する。
【0070】
一実施形態によれば、農業用組成物中で使用される安定化物質としては、過酸化物化合物(過酸化水素及び有機過酸化物等)、亜硝酸アルキル(亜硝酸エチル等)及びグリオキシル酸アルキル(グリオキシル酸エチル等)、ゼオライト、抗酸化物質(フェノール化合物等)、リン酸化合物、ならびに同種のもののうちの1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、他の従来公知の安定化物質を利用することが可能であることを認識するだろう。安定化物質は商業的に製造され、様々な会社を介して入手可能である。
【0071】
一実施形態によれば、安定化物質は、全組成物の0.01%~30%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、安定化物質は、全組成物の0.01%~20%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、安定化物質は、全組成物の0.01%~10%w/wの量で存在する。
【0072】
一実施形態によれば、農業用組成物中で使用される防腐物質としては、殺菌剤、抗真菌剤、殺生物剤、抗微生物性剤、及び抗酸化物質のうちの1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。防腐物質の非限定例としては、パラベン、そのエステル及び塩、プロピオン酸及びその塩、2,4-ヘキサジエン酸(ソルビン酸)及びその塩、ホルムアルデヒド及びパラホルムアルデヒド、2-ヒドロキシビフェニルエーテル及びその塩、無機の亜硫酸塩及び重亜硫酸塩、ヨウ素酸ナトリウム、クロロブタノール、デヒドル酢酸(dehydraacetic acid)、蟻酸、1,6-ビス(4-アミジノ-2-ブロモフェノキシ)-n-ヘキサン及びその塩、5-アミノ-1,3-ビス(2-エチルヘキシル)-5-メチルヘキサヒドロピリミジン、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、2,4-ジクロロベンジルアルコール、N-(4-クロロフェニル)-N’-(3,4-ジクロロフェニル)ウレア、4-クロロ-m-クレゾール,2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール,1,1’-メチレン-ビス(3-(1-ヒドロキシメチル-2,4-ジ-オクスイミダゾリジン(oximidazolidin)-5-イル)尿素)ポリ(ヘキサメチレンジグアニド)ヒドロクロリド、2-フェノキシエタノール、ヘキサメチレンテトラミン、1-(3-クロロアリル)-3,5,7-トリアザ-1-アゾニア-アダマンタンクロリド、1(4-クロロフェノキシ)-1-(1H-イミダゾール-1-イル)-3,3-ジメチル-2-ブタノン、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオン、ベンジルアルコール、オクトピロックス、1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン、2,2’-メチレンビス(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、ブロモクロロフェン、ジクロロフェン、2-ベンジル-4-クロロフェノール、2-クロルアセトアミド、クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、1-フェノキシプロパン-2-オール、N-アルキル(C12-C22)トリメチルアンモニウムブロミド及びクロリド、4,4-ジメチル-1,3-オキサゾリジン、N-ヒドロキシメチル-N-(1,3-ジ(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソイミダゾリジン-4-イル)-N’-ヒドロキシメチル尿素、1,6-ビス(4-アミジノフェノキシ)-nヘキサン及びその塩、グルタルアルデヒド、5-エチル-1-アザ-3,7-ジオキサビシクロ(3.3.0)オクタン、3-(4-クロロフェノキシ)プロパン-1,2-ジオール、Hyamine、アルキル(C8-C18)ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、アルキル(C8-C18)ジメチルベンジルアンモニウムブロミド、アルキル(C8-C18)ジメチルベンジルアンモニウムサッカリン、ベンジルヘミホルマール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバマート、ヒドロキシメチルアミノ酢酸ナトリウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジウム、及び2Hイソチアゾール-3-オンの誘導体(いわゆるイソチアゾロン誘導体)アルキルイソチアゾロン等(例えば2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン、MIT;クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン、CIT)、ベンゾイソチアゾロン(例えば1,2-ベンゾイソチアゾール-3(2H)-オン、BIT、ICIからProxel(登録商標)タイプとして商業的に入手可能)または2-メチル-4,5-トリメチレン-2H-イソチアゾール-3-オン(MTIT)、C1-C4-アルキルパラ-ヒドロキシベンゾエート、ジクロロフェン、ICIからのProxel(登録商標)またはThor ChemieからのActicide(登録商標)RS及びRohm & HaasからのKathon(登録商標)MK、Bacto-100、チメロサール、プロピオン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸カリウム、フェニル硝酸水銀、フェニルエチルアルコール、ナトリウム、エチルパラベン、メチルパラベン、ブチルパラベン、ベジラ(bezyla)アルコール、塩化ベンゾトニウム(Benzothonium)、塩化セチルピリジウム、塩化ベンザルコニウム、1,2-ベンゾチアゾール-3-オン、Preventol(登録商標)(Lanxess(登録商標))、ブチルヒドロキシトルエン、ソルビン酸カリウム、ヨウ素含有有機化合物(3-ブロモ-2,3-ジヨード-2-プロペニルエチルカーボネート、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、2,3,3-トリヨードアリルアルコール、及びパラクロロフェニル-3-ヨードプロパルギルホルマール等);ベンズイミダゾール化合物及びベンゾチアゾール化合物(2-(4-チアゾリル)ベンゾイミダゾール及び2-チオシアノメチルチオベンゾ-チアゾール等);トリアゾール化合物(1-(2-(2’,4’-ジクロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イルメチル)-1H-1,2,4-トリアゾール、1-(2-(2’,4’-ジクロロフェニル)-4-プロピル-1,3-ジオキソラン-2-イルメチル)-1H-1,2,4-トリアゾール、及びα-(2-(4-クロロフェニル)エチル)-α-(1,1-ジメチルエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール等);ならびに天然に存在する化合物(4-イソプロピルトロポロン(ヒノキチオール)及びボラキサー(boraxor)塩等)、またはそれらの誘導体のうちの1つまたは複数が挙げられる。抗酸化物質としては、イミダゾール及びイミダゾール誘導体(例えばウロカニン酸)、4,4’-チオビス-6-t-ブチル-3-メチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)、ペンタエリトリチルテトラキス[3-(3,5,-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)]プロピオネート;アミン抗酸化物質(N,N’-ジ-2-ナフチル-P-パラフェニレンジアミン等);ヒドロキノリン抗酸化物質(2,5-ジ(t-アミル)ヒドロキノリン等);リン含有抗酸化物質(リン酸トリフェニル等)、カロチノイド、カロテン(例えばα-カロテン、β-カロテン、リコピン)、及びそれらの誘導体、リポ酸及びそれらの誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル、及びさらなるチオ化合物(例えばチオグリセロール、チオソルビトール、チオグリコール酸、チオレドキシン、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル、及びそれらのグリセリルエステル)、及びその塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸、及びそれらの誘導体(エステル、エーテル、脂質、ヌクレオチド及びヌクレオシド及び塩)、及び非常に低い耐容用量(例えばpmol/kg~pmol/kg)のスルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタチオニンスルホキシミン)、α-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、没食子酸エステル(例えば没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、及び没食子酸ドデシル)、不飽和脂肪酸及び誘導体、ヒドロキノン及びその誘導体(例えばアルブチン)、ユビキノン及びユビキノール、ならびにそれらの誘導体、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、酢酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、リン酸アスコルビルジナトリウム及び硫酸アスコルビルジナトリウム、アスコルビルトコフェリルリン酸カリウム、イソアスコルビン酸、ならびにそれらの誘導体、ベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン、ルチン酸(rutinic acid)、及びそれらの誘導体、ルチニル二硫酸ジナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、4,4-チオビス-6-tert-ブチル-3-メチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、p-オクチルフェノール、モノ-(ジ-またはトリ-)メチルベンジルフェノール、2,6-tert-ブチル-4-メチルフェノール、ペンタエリトリトール-テトラキス3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアシン酸(nordihydroguaiacic acid)、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸、及びそれらの誘導体、マンノース及びその誘導体、セレン及びセレン誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベン及びスチルベン誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランス-スチルベンオキシド)のうちの1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、他の従来の公知の防腐物質を利用することが可能であることを認識するだろう。防腐物質は商業的に製造され、様々な会社を介して入手可能である。
【0073】
一実施形態によれば、防腐物質または殺菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化物質は、全組成物の0.01%~20%w/wの量で存在する。さらなる実施形態によれば、防腐物質または殺菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化物質は、全組成物の0.01%~10%w/wの量で存在する。さらなる実施形態によれば、防腐物質または殺菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化物質は、全組成物の0.01%~5%w/wの量で存在する。さらなる実施形態によれば、防腐物質または殺菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化物質は、全組成物の0.01%~1%w/wの量で存在する。
【0074】
一実施形態によれば、農業用組成物中で使用される構造化剤としては、増粘物質、粘度修飾物質、粘着性付与物質、懸濁補助物質、レオロジー修飾物質、または沈降防止剤のうちの1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。構造化剤は、長期保管後の活性成分粒子の沈降を防止する。
【0075】
一実施形態によれば、水性懸濁組成物中で使用される構造化剤としては、1つまたは複数のポリマー(ポリアクリル酸及びポリアクリルアミド、多糖、疎水的に修飾されたセルロース誘導体、セルロース誘導体の共ポリマー、カルボキシビニルまたはポリビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、及び誘導体等);粘土(ベントナイト粘土、カオリン、スメクタイト、アタパルジャイト、高表面積シリカのアタクレイ等)及び天然ゴム(グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、トラガカントガム、ラムザンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ウェランガム、ビーガム等)、ゼラチン、デキストリン、コラーゲン;ポリアクリル酸及びそれらのナトリウム塩;脂肪アルコールのポリグリコールエーテル及びポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシド縮合生成物、ならびにそれらの混合物、及びエトキシ化アルキルフェノール(アルキルアリールポリエーテルアルコールとしても当技術分野において示される)を含むもの;エトキシ化脂肪族アルコール(またはアルキルポリエーテルアルコール);エトキシ化脂肪酸(またはポリオキシエチレン脂肪酸エステル);エトキシ化無水ソルビトールエステル(またはポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル)、塩基性溶液中の非イオン性長鎖アミン及び環式アミンオキシド;長鎖第三級ホスフィンオキシド;ならびに長鎖ジアルキルスルホキシド、ヒュームドシリカ、ヒュームドシリカ及びヒュームド酸化アルミニウムの混合物、膨潤性ポリマー、ポリアミドまたはその誘導体;ポリオール(グリセリン等)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(エチレングリコール)、リン脂質(例えばケファリン及び同種のもの);スタキオース、フラクト-オリゴ糖、アミロース、ペクチン、アルギン酸塩、ハイドロコロイド、及びそれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。セルロース(ヘミセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシルエチルプロピルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等);デンプン(酢酸デンプン、デンプンヒドロキシエチルエーテル、イオン性デンプン、長鎖アルキルデンプン、デキストリン、マルトデキストリン、トウモロコシデンプン、アミンデンプン、リン酸塩デンプン、及びジアルデヒドデンプン等);植物デンプン(トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン等);他の炭水化物(ペクチン、デキストリン、アミロペクチン、キシラン、グリコーゲン、アガー、グルテン、アルギン酸、フィココロイド等)、またはそれらの誘導体も、挙げられる。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、他の従来通の公知の構造化剤を利用することが可能であることを認識するだろう。
【0076】
好ましい構造化剤としては、キサンタンガム、グアーガム、ケイ酸アルミニウム、メチルセルロース及びその誘導体、多糖、アルカリ土類金属ケイ酸塩、ならびにポリビニルアルコールのうちの1つまたは複数が挙げられる。構造化剤は商業的に製造され、様々な会社を介して入手可能である。
【0077】
一実施形態によれば、構造化剤は、組成物の0.01%~5%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、構造化剤は、組成物の0.01%~4%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、構造化剤は、組成物の0.01%~3%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、構造化剤は、組成物の0.01%~2%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、構造化剤は、組成物の0.01%~1%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、構造化剤は、組成物の0.01%~0.1%w/wの量で存在する。
【0078】
一実施形態によれば、使用された固化防止剤または沈降防止剤または懸濁化剤としては、多糖(デンプン、マンノース、ガラクトース等)、セルロース誘導体(カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びメチルセルロース等)のうちの1つまたは複数;ガム、(セイガー(sagar)、カラギーナン、アルギン酸塩、アラビア、トラガカント、カラヤ、ガティ、グアー等)、デキストラン、デンプン(アルファ化デンプン及び修飾されたデンプンを包含する)、ポリ(ビニルピロリドン)、ヒュームドシリカ(ホワイトカーボン)、エステルガム、石油樹脂、Foammaster(登録商標)Soap L ステアリン酸ナトリウム、Brij(登録商標)700、ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル、Aerosol(登録商標)OT-Bジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、Silwet(登録商標)L-77シリコーン-ポリエーテルコポリマー、酢酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、それらの塩または誘導体が挙げられるがこれらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、異なる固化防止剤を利用することが可能であることを認識するだろう。固化防止剤または沈降防止剤または懸濁化剤または懸濁補助物質は、商業的に製造され、様々な会社を介して入手可能である。
【0079】
一実施形態によれば、固化防止剤または沈降防止剤または懸濁化剤または懸濁補助物質は、全組成物の0.01%~20%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、固化防止剤または沈降防止剤または懸濁化剤または懸濁補助物質は、全組成物の0.01%~15%w/wの量で存在する。一実施形態によれば、固化防止剤または沈降防止剤または懸濁化剤または懸濁補助物質は、全組成物の0.01%~10%w/wの量で存在する。
【0080】
一実施形態によれば、水性懸濁組成物中で使用された凍結防止剤または凝固点降下物質としては、多価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール等)、ブチロラクトン、N,N-ジメチル-ホルムアミド、グリセロール、一価アルコールまたは多価アルコール、グリコールエーテル、グリコールエーテル、グリコールモノエーテル(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、及びジプロピレングリコールのメチル、エチル、プロピル、及びブチルエーテル等)グリコールジエーテル(エチレングリコール、ジエチレングリコール、及びジプロピレングリコールのメチル及びエチルジエーテル等)、または尿素、グリセロール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジもしくはトリプロピレングリコールモノメチルエーテル、またはシクロヘキサノール、炭水化物(グルコース、マンノース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、ラクトース、マルトース、キシロース、アラビノース、ソルビトール、マンニトール、トレハロース、ラフィノース等)、またはそれらの誘導体のうちの1つまたは複数を挙げられるがこれらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、異なる凍結防止剤を利用することが可能であることを認識するだろう。凍結防止剤は商業的に製造され、様々な会社を介して入手可能である。一実施形態によれば、凍結防止剤は、全組成物の0.1%~20%w/wの量で存在する。
【0081】
一実施形態によれば、組成物中で使用される浸透物質としては、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、エステル、アミン、アルカノールアミン、アミンオキシド、第四級アンモニウム化合物、トリグリセリド、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドまたはジメチルスルホキシド、ポリオキシエチレントリメチロールプロパンモノオレエート、ポリオキシエチレントリメチロールプロパンジオレエート、ポリオキシエチレントリメチロールプロパントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビトールヘキサオレエートのうちの1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、異なる浸透物質を利用することが可能であることを認識するだろう。浸透物質は商業的に製造され、様々な会社を介して入手可能である。一実施形態によれば、浸透物質は、全組成物の0.01%~10%w/wの量で存在する。
【0082】
一実施形態によれば、紫外吸収物質は、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-エトキシ-2’-エチルオキサザリン酸ビスアニリド、コハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合体、ベンゾトリアゾール化合物(2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2-(2’-ヒドロキシ-4’-n-オクタオキシフェニル)ベンゾトリアゾール等);ベンゾフェノン化合物(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン及び2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン等);サリチル酸化合物(サリチル酸フェニル及びp-t-ブチルフェニルサリチレート等);2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、2-エトキシ-2′-エチルシュウ酸ビスアニリド、及びコハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンポリ縮合物、または誘導体もしくは同種のもののうちの1つまたは複数から選択されるがこれらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、異なる紫外吸収物質を利用することが可能であることを認識するだろう。かかる紫外吸収物質は商業的に製造され、様々な会社を介して入手可能である。
【0083】
一実施形態によれば、紫外線散乱剤は、二酸化チタンまたは同種のものが挙げられるがこれらに限定されないものが使用され得る。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、異なる紫外線散乱剤またはそれらの混合物を利用することが可能であることを認識するだろう。かかる紫外線散乱剤は商業的に製造され、様々な会社を介して入手可能である。
【0084】
一実施形態によれば、保湿物質は、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマー、特にブロックコポリマー(Uniqemaから入手可能なコポリマーのSynperonic PEシリーズ等)、またはそれらの塩、誘導体のうちの1つまたは複数から選択されるがこれらに限定されない。他の保湿物質は、プロピレングリコール、モノエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、グリセロール、及び同種のもの;多価アルコールまたはそれらの誘導体である。また、別の保湿物質としては、アロエベラゲル、αヒドロキシル酸(乳酸等)、アルブミン、グリセリルトリアセテート、蜂蜜、塩化カルシウムなどが挙げられる。上で言及される非イオン性界面活性物質も保湿物質として作用する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、他の従来の公知の保湿物質を利用することが可能であることを認識するだろう。保湿物質は商業的に製造され、様々な会社を介して入手可能である。
【0085】
一実施形態によれば、保湿物質は、全組成物の0.1%~30%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、保湿物質は、全組成物の0.1%~20%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、保湿物質は、全組成物の0.1%~10%w/wの範囲で存在する。
【0086】
本発明の有害生物駆除組成物は、分散性、懸濁性、湿潤性、粘度、注入性の促進及び改善された物理的特性を有し、取り扱い容易性を提供し、またパッケージング時に生成物を取り扱う間そして野外の適用の間の材料の喪失を低減することが、意外にも見出された。
【0087】
湿潤性は、湿潤性である条件または状態であり、固体が液体によって湿潤される程度として定義され得て固相と液相との間の付着の力によって測定される。顆粒組成物の湿潤性は、湿潤製剤の完全な湿潤の時間の決定のための手順を記載する標準的なCIPAC試験MT-53を使用して測定される。秤量された量の顆粒組成物を、規定された高さからビーカー中の水上に滴下し、完全な湿潤のための時間を決定した。別の実施形態によれば、水分散性顆粒またはスフェロイド化顆粒の形態での有害生物駆除組成物は、2分未満の湿潤性を有する。別の実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、1分未満の湿潤性を有する。別の実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、30秒未満の湿潤性を有する。別の実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、15秒未満の湿潤性を有する。
【0088】
スフェロイド化顆粒組成物は、顆粒が貯蔵及び輸送の間に砕けることを防止する十分な硬度を付与されるような様式で製剤化される。顆粒によって提示される硬度は、硬度試験機(Shimadzu、ブリネル硬さ(AKB-3000モデル)、Mecmesin、Agilent、Vinsyst、Ametek、及びRockwellによって提供されたもの等)によって推定され得る。
【0089】
一実施形態によれば、顆粒によって提示される硬度は、100ニュートン未満である。一実施形態によれば、顆粒によって提示される硬度は、90ニュートン未満である。一実施形態によれば、顆粒によって提示される硬度は、80ニュートン未満である。一実施形態によれば、顆粒によって提示される硬度は、70ニュートン未満である。一実施形態によれば、顆粒によって提示される硬度は、60ニュートン未満である。一実施形態によれば、顆粒によって提示される硬度は、50ニュートン未満である。
【0090】
一実施形態によれば、本発明の水分散性顆粒組成物にはほとんど硬度がない。
【0091】
一実施形態によれば、水分散性顆粒または液体懸濁物の形態での有害生物駆除組成物は、湿式篩保持試験に合格している。試験は水中での分散として、適用される製剤中での非分散可能材料の量の決定に使用される。液体懸濁物及び顆粒の形態での農薬組成物の湿式篩保持値は、篩上に保持された材料の量の測定のための手順を記載する標準的なCIPAC試験MT-185の使用によって測定される。製剤のサンプルを水中で分散し、形成された懸濁物を篩に移し洗浄する。篩上に保持された材料の量は、乾燥及び秤量によって決定される。
【0092】
一実施形態によれば、水分散性顆粒または液体懸濁物の形態での有害生物駆除組成物は、0.5%未満の75ミクロン篩上の湿式篩保持値を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、0.2%未満の75ミクロン篩上の湿式篩保持値を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、0.1%未満の75ミクロン篩上の湿式篩保持値を有する。0.5%未満の湿式篩保持値の有害生物駆除組成物は、ノズルまたはフィルター機器の目詰まりを防止する製剤の容易な適用を支援することが示される。
【0093】
一実施形態によれば、液体懸濁物の形態での有害生物駆除組成物は、貯蔵に際して沈降しないか、または積もらず、容易に注入可能である。この特性は液体の粘度に関して測定され得、それは剪断応力または引張応力による段階的変形への耐性の測定である。
【0094】
一実施形態によれば、液体組成物の粘度は、CIPAC MT-192に従って決定される。サンプルは、標準的な測定システムに移される。測定は、異なる剪断条件下で実行され、見掛け粘度が決定される。試験の間に、液体の温度は一定に保たれる。
【0095】
一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、25℃で約10cps~約3000cpsの粘度を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、25℃で約10cps~約2500cpsの粘度を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、25℃で約10cps~約2000cpsの粘度を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、25℃で約10cps~約1500cpsの粘度を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、25℃で約10cps~約1200cpsの粘度を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、25℃で約10cps~約500cpsの粘度を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、25℃で約500cps未満の粘度を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、25℃で約10cps~約400cpsの粘度を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、25℃で約10cps~約300cpsの粘度を有する。
【0096】
一実施形態によれば、本発明の液体懸濁組成物は、容易に注入可能である。注入性は、残留物のパーセントの測定である。
【0097】
一実施形態によれば、有害生物駆除組成物の注入性は、液体懸濁物を24時間放置し、標準化された注入手順後の容器中に残存する量を決定することによって、CIPAC MT-148.1に従って決定される。容器をリンスし、次いで残存する量を決定し、最大残留をパーセントで計算する。さらなる実施形態によれば、有害生物駆除組成物の注入性は、5%未満の残留である。さらなる実施形態によれば、有害生物駆除組成物の注入性は、好ましくは2.5%未満の残留である。さらなる実施形態によれば、有害生物駆除組成物の注入性は、より好ましくは2.0%未満の残留である。
【0098】
水分散性顆粒またはスフェロイド化顆粒及び液体懸濁物の形態での有害生物駆除組成物の分散性は、パーセント分散の測定である。分散性は、最小のパーセント分散によって計算される。分散性は、液体(水または溶媒等)への添加に際して、顆粒が分散する能力として定義される。本出願の顆粒組成物の分散性は、標準的なCIPAC試験、MT174に従って決定された。既知の量の顆粒組成物を定義された水の体積へ添加し、撹拌によって混合して懸濁物を形成した。短い期間放置した後に、上部の10分の9を流し出し、残存する10分の1を乾燥し、重量測定により決定した。方法は事実上、懸濁性の短縮された試験であり、顆粒組成物が水中で均一に分散される容易性の確立に適切である。
【0099】
一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、少なくとも30%の分散性を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、少なくとも40%の分散性を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、少なくとも50%の分散性を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、少なくとも60%の分散性を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、少なくとも70%の分散性を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、少なくとも80%の分散性を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、少なくとも90%の分散性を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、少なくとも99%の分散性を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、100%の分散性を有する。
【0100】
一実施形態によれば、水分散性顆粒の形態での有害生物駆除組成物は、ほとんど瞬間的な分散を提示する。
【0101】
一実施形態によれば、スフェロイド化顆粒の形態での有害生物駆除組成物は、活性物質を、即時に、及びまた作物サイクルを通して延長されたより長い期間にわたり利用可能にし、活性物質の即時放出及び持続放出を提供し、最終的には作物サイクルの各々及びすべてのステージで作物を強化し保護する。
【0102】
一実施形態によれば、水分散性顆粒またはスフェロイド化顆粒、液体懸濁物の形態での有害生物駆除組成物は、良好な懸濁性を提示する。懸濁性は、元の懸濁物中の活性成分の量のパーセンテージとして表現された、明示された高さの液体のカラム中で懸濁された所与の時間後の活性成分の量として定義される。水分散性顆粒は、CIPACハンドブック「懸濁性についてのMT184試験」に従って懸濁性について試験され得、それによれば、CIPACの基準水中で組成物の既知の濃度の懸濁物を調製し、一定温度で指示されたメスシリンダー中に置き、規定された時間で乱さずにそのままにした。上部の9/10を流し出し、次いで残存する1/10を化学的に、重量測定により、または溶媒抽出によってアッセイし、懸濁性を計算した。
【0103】
液体懸濁物の懸濁性は、元の懸濁物中の活性成分の量のパーセンテージとして表現された、明示された高さの液体のカラム中で懸濁された所与の時間後の活性成分の量である。液体懸濁物濃縮物の懸濁性は、250mlの希釈懸濁物を調製し、それを定義された条件下でメスシリンダー中で放置し、上部の10分の9を除去することによって、CIPAC MT-161に従って決定される。次いで残存する10分の1を、化学的に、重量測定により、または溶媒抽出によってアッセイし、懸濁性を計算する。
【0104】
一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、少なくとも30%の懸濁性を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、少なくとも40%の懸濁性を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、少なくとも50%の懸濁性を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、少なくとも60%の懸濁性を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、少なくとも70%の懸濁性を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、少なくとも80%の懸濁性を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、少なくとも90%の懸濁性を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、少なくとも99%の懸濁性を有する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、100%の懸濁性を有する。
【0105】
一実施形態によれば、水分散性顆粒またはスフェロイド化顆粒、液体懸濁物の形態での有害生物駆除組成物は、加速貯蔵条件(ATS)下で懸濁性に関して優れた安定性を実証する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、ATS下で90%超の懸濁性を示す。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、ATS下で80%超の懸濁性を示す。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、ATS下で70%超の懸濁性を示す。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、ATS下で60%超の懸濁性を示す。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、ATS下で50%超の懸濁性を示す。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、ATS下で40%超の懸濁性を示す。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、ATS下で30%超の懸濁性を示す。
【0106】
一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、ATS下で90%超の分散性を実証する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、ATS下で80%超の分散性を実証する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、ATS下で70%超の分散性を実証する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、ATS下で60%超の分散性を実証する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、ATS下で50%超の分散性を実証する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、ATS下で40%超の分散性を実証する。一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、ATS下で30%超の分散性を実証する。
【0107】
一実施形態によれば、有害生物駆除組成物は、熱、光、温度、及び固化に対する優れた安定性を実証する。組成物はハードケーキを形成せず、より高い温度下での延長された保管でさえ促進された安定性を提示し、それは同様に優れた野外性能をもたらす。さらなる実施形態によれば、有害生物駆除組成物によって提示される安定性は、少なくとも3年である。さらなる実施形態によれば、有害生物駆除組成物によって提示される安定性は、少なくとも2年である。さらなる実施形態によれば、有害生物駆除組成物によって提示される安定性は、少なくとも1年である。さらなる実施形態によれば、有害生物駆除組成物によって提示される安定性は、少なくとも6か月である。
【0108】
一実施形態によれば、本発明は、全組成物の40%w/w~95%w/wの範囲で存在する硫黄元素と、全組成物の0.1%w/w~3%w/wの範囲で存在する少なくとも1つのアントラニリック(antranilic)ジアミド殺虫剤とを、水分散性顆粒またはスフェロイド化顆粒、液体懸濁物の形態で含む本発明の組成物であって、0.1ミクロン~50ミクロンのサイズ範囲の粒子を有する前記組成物を調製するプロセスに関する。
【0109】
別の実施形態によれば、水分散性顆粒またはスフェロイド化顆粒の形態での有害生物駆除組成物は、様々な技法(噴霧乾燥、流動層造粒、皿型造粒、ピン凝集装置(pin agglomerator)、スフェロナイザー、冷凍乾燥など等)によって作製される。顆粒を押出し機を介して押出して、押出し顆粒を得ることもできる。
【0110】
一実施形態によれば、水分散性顆粒組成物を調製するプロセスは、硫黄元素及び少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤の混和物を、スラリーまたは湿潤混合物を得るための少なくとも1つの農芸化学用の賦形剤と共に、粉砕することを包含する。次いで得られた湿潤混合物を、例えば噴霧乾燥器または流動層乾燥機、または任意の好適な造粒機器中で乾燥させ、続いてもし要求されるならば、篩にかけて小さ過ぎる顆粒及び大き過ぎる顆粒を除去して、所望されるサイズの水分散性顆粒を得る。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、プロセスまたはプロセスパラメーターを修飾または改変または変化させて、水分散性顆粒組成物を得ることが可能であることを認識するだろう。
【0111】
別の実施形態によれば、本発明は、硫黄元素及び少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤の混和物を、スラリーまたは湿潤混合物を得るための少なくとも1つの農芸化学用の賦形剤と共に、粉砕することを包含する、スフェロイド化顆粒を調製するプロセスにさらに関する。次いで得られた湿潤混合物を、例えば噴霧乾燥器、流動層乾燥機、または任意の好適な造粒機器中で乾燥させ、続いて篩にかけて小さ過ぎる顆粒及び大き過ぎる顆粒を除去して、顆粒を得る。粉末または微細顆粒に、凝集装置中で凝集をさらに行って、0.1mm~6mmのサイズの顆粒を得る。凝集装置としては、ディスクペレタイザーまたは皿形造粒機、ピン凝集装置、スフェロナイザー、または組み合わせ等の様々な機器が挙げられ得る。水を粉末または微細顆粒へ添加して、練り生地またはペーストを得て、次いでそれを押出し機を介して押出して、所望されるサイズの顆粒を得ることもできる。顆粒を熱溶融押出しにより形成することもできる。
【0112】
造粒機から得られた顆粒を外気中で乾燥するかまたは風乾して、もしあれば残留水分を除去することもできる。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、プロセスまたはプロセスパラメーターを修飾または改変または変化させることが可能であることを認識するだろう。
【0113】
別の実施形態によれば、本発明は、液体懸濁組成物を調製するプロセスに関する。
【0114】
一実施形態によれば、本発明は、液体懸濁有害生物駆除組成物の調製のプロセスであって、硫黄元素、少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤、及び少なくとも1つの農芸化学的に許容される賦形剤の混合物をホモジナイズして、懸濁物を得ることと、得られた懸濁物を湿式粉砕して0.1ミクロン~50ミクロンの粒子サイズ範囲の組成物を提供することと、を含む、前記プロセスに関する。
【0115】
一実施形態によれば、液体懸濁物を調製するプロセスは、賦形剤のうちの1つまたは複数を、撹拌設備により提供される容器の中へ供給することによって、それらをホモジナイズすることを包含する。硫黄元素及び少なくとも1つのアントラニリックジアミド殺虫剤を、ホモジナイズされた混和物へ添加し、全混合物が均一になるまで、約5~10分間継続的に撹拌した。後続して、得られた懸濁物を湿式ミルを介して通過させて、0.1~50ミクロンの範囲の所望される粒子サイズを得る。次いで必要な量の構造化剤を、継続的なホモジナイゼーション下で、得られた懸濁物へ添加する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、プロセスまたはプロセスパラメーターを修飾または改変または変化させて、液体懸濁組成物を得ることが可能であることを認識するだろう。
【0116】
一実施形態によれば、本発明の組成物は、有害生物駆除組成物、作物保護組成物、受精媒介組成物、作物強化組成物、収量促進組成物のうちの少なくとも1つである。
【0117】
一実施形態によれば、本発明は、作物を保護し、害虫を防除し、作物の健康及び増殖を改善し、収穫量を促進し、植物を強化し、作物防御を増加する方法であって、種子、作物、植物、植物繁殖材料、遺伝子座、それらの一部分、または周辺土壌のうちの少なくとも1つを有効量の有害生物駆除組成物により処理することを含み、当該組成物が、全組成物の40%w/w~95%w/wの範囲で存在する硫黄元素、全組成物の0.1%w/w~3%w/wの範囲で存在する少なくとも1つアントラニリックジアミド殺虫剤を、水分散性顆粒またはスフェロイド化顆粒、液体懸濁物の形態で含む、前記方法にも関する。
【0118】
組成物は、様々な方法を介して適用される。土壌へ適用する方法としては、任意の好適な方法が挙げられ、それは、組成物が土壌を透過することを確実にし、例えば苗床トレー適用、畝間適用、土壌灌注、土壌注入、ドリップ灌水、スプリンクラー灌水、種子処理、種子ペインティング、及び他のかかる方法である。組成物は、葉の噴霧の形態でも適用される。
【0119】
組成物の適用の速度または投薬量は、使用のタイプ、作物のタイプ、または組成物中での特異的な活性成分に依存するが、所望される作用(作物保護、収穫量等)を提供する有害生物駆除活性成分が有効量であるようなものである。
【実施例
【0120】
A.調製実施例
以下の実施例は、本発明の組成物の基本的方法論及び多用途性を例証する。本発明がこれらの例示に限定されないことに注目されたい。
【0121】
I.硫黄元素及びアントラニリックジアミド殺虫剤の水分散性顆粒組成物
【0122】
<実施例1:75%の硫黄元素及び0.6%のシアントラニリプロールの水分散性顆粒組成物>
水分散性顆粒組成物を、75部の硫黄元素、0.6部のシアントラニリプロール、6部のナフタレンスルホン酸塩縮合物、15部のベントナイト、及び3.4部のリグニンスルホン酸塩を混和して、混和物を得ることによって調製した。得られた混和物を好適な混合機中で水と混合し、粉砕して、スラリーまたは湿潤混合物を形成した。
【0123】
得られた湿式粉砕スラリーを、175℃未満の入口温度及び90℃未満の出口温度で噴霧乾燥して、顆粒粉末を得た。組成物は、約10ミクロンの粒子サイズ及び2mmの顆粒サイズを有していた。組成物は、90%の分散性、85%の懸濁性、0.1%の湿式篩保持値、60秒満の湿潤性を有する。組成物は、加速貯蔵条件下で85%の分散性及び約81%の懸濁性をさらに示した。
【0124】
<実施例2:75%の硫黄元素及び0.5%のテトラニリプロールの水分散性顆粒組成物>
顆粒を、75部の硫黄元素、0.5部のテトラニリプロール、8部のナフタレンスルホン酸、5部のマルトデキストリン、6.5部のカオリン、及び5部のシリカを混和することによって、実施例1に記載されるプロセスに従って調製する。組成物は、約13ミクロンの粒子サイズ及び1.5mmの顆粒サイズを有していた。組成物は、85%の分散性、79%の懸濁性、0.1%の湿式篩保持値、40秒満の湿潤性を有する。組成物は、加速貯蔵条件下で80%の分散性及び約74%の懸濁性をさらに示した。
【0125】
<実施例3:80%の硫黄元素及び0.33%のクロラントラニリプロールの水分散性顆粒組成物>
顆粒を、80部の硫黄元素、0.33部のクロラントラニリプロール、10部のリグニンスルホン酸塩、6部のポリビニルピロリドン、3.67部の修飾されたシリカを混和することによって、実施例1に記載されるプロセスに従って調製する。組成物は、約18ミクロンの粒子サイズ及び1.5mmの顆粒サイズを有していた。組成物は、79%の分散性、76%の懸濁性、0.3%の湿式篩保持値、10秒満の湿潤性を有する。組成物は、加速貯蔵条件下で70%の分散性及び約74%の懸濁性をさらに示した。
【0126】
<実施例4:90%の硫黄元素及び1.5%のテトラクロラントラニリプロールの水分散性顆粒組成物>
顆粒を、90部の硫黄元素、1.5部のテトラクロラントラニリプロール、4部のポリカルボン酸塩、2.5部の修飾されたデンプン、及び2部のフェノールスルホン酸縮合物を混和することによって、実施例1に記載されるプロセスに従って調製する。組成物は、約11ミクロンの粒子サイズ及び1.0mmの顆粒サイズを有していた。組成物は、88%の分散性、83%の懸濁性、0.04%の湿式篩保持値、40秒満の湿潤性を有する。組成物は、加速貯蔵条件下で82%の分散性及び約77%の懸濁性をさらに示した。
【0127】
<実施例5:60%の硫黄元素及び2.5%のシクラニリプロールの水分散性顆粒組成物>
顆粒を、60部の硫黄元素、2.5部のシクラニリプロール、4部のEO/POコポリマー、10部のドデシル硫酸ナトリウム、及び23.5部の陶土を混和することによって、実施例1に記載されるプロセスに従って調製する。組成物は、約21ミクロンの粒子サイズ及び2.0mmの顆粒サイズを有していた。組成物は、60%の分散性、55%の懸濁性、0.4%の湿式篩保持値、55秒未満の湿潤性を有する。組成物は、加速貯蔵条件下で58%の分散性及び約50%の懸濁性をさらに示した。
【0128】
<実施例6:40%の硫黄元素及び2.9%のシクラニリプロールの押出し顆粒組成物>
押出し顆粒を、40部の硫黄元素、2.9部のシカルニリプロール(cycalniliprole)、20.1部のフェニルスルホン酸ナトリウム、16部の修飾されたデンプン、11部の脂肪酸のナトリウム塩、及び10部の陶土を混和することによって調製する。得られた混和物を乾式粉砕して、所望される粒子サイズの混合物を得る。水を混和物へ添加して練り生地を形成し、押出して押出し顆粒を得る。組成物は、約25ミクロンの粒子サイズ及び5.5mmの顆粒サイズを有していた。組成物は、85%の分散性、75%の懸濁性、0.3%の湿式篩保持値、60秒未満の湿潤性を有する。組成物は、加速貯蔵条件下で79%の分散性及び約70%の懸濁性をさらに示した。
【0129】
<実施例7:75%の硫黄元素及び1.5%のテトラクロランタニリプロ―ル(tetrachlorantaniliprole)の押出し顆粒組成物>
押出し顆粒を、75部の硫黄元素、1.5部のテトラクロランタニリプロ―ル(tetrachlorantaniliprole)、9部のポラキソマー(polaxomer)、6部の炭酸ナトリウム、3.5部のベントナイト、及び5部のソルビトールを混和することによって、実施例6に従って調製する。組成物は、約13ミクロンの粒子サイズ及び4mmの顆粒サイズを有していた。組成物は、55%の分散性、40%の懸濁性、0.5%の湿式篩保持値、30秒未満の湿潤性を有する。組成物は、加速貯蔵条件下で46%の分散性及び約36%の懸濁性をさらに示した。
【0130】
<実施例8:90%の硫黄元素及び0.48%のクロラントラニリプロールのスフェロイド化顆粒組成物>
組成物を、90部の硫黄元素及び0.48部のクロラントラニリプロール、6.52部のナフタレンスルホン酸塩縮合物、及び3部のリグノスルホン酸ナトリウムを混和して、混和物を得ることによって調製した。得られた混和物を粉砕して、50ミクロン未満の粒子サイズの粉末を得た。粉末を好適な混合機中で水と混合して、スラリーを形成した。得られたスラリーを、好適な湿式研削機器中で湿式研削した。得られた湿式粉砕スラリーを、180℃未満の入口温度及び85℃未満の出口温度で噴霧乾燥して、より少ない水分の顆粒粉末を得た。このようにして得られた噴霧乾燥粉末を、流動層乾燥機、続いてピン凝集装置及び皿形造粒機中で凝集させた。皿形造粒機のスピードをおよそ35rpmで維持して、農業用顆粒組成物を得た。水を、凝集の時に取り込んだ。次いで得られた顆粒を、70℃付近の温度でポスト流動層乾燥機中でさらに乾燥させて、残留水分を除去した。サンプルは、3.5mmの顆粒サイズ、25ミクロンの粒子サイズを有していた。顆粒組成物は、100秒未満の湿潤性、45Nの硬度、53%の懸濁性、及び50%の分散性を有していた。組成物は、加速貯蔵条件下で45%の分散性及び約50%の懸濁性をさらに示した。
【0131】
<実施例9:75%の硫黄元素及び0.25%のシクラニリプロールのスフェロイド化顆粒>
組成物を、75部の硫黄元素、0.25部のシクラニリプロール、10部のリグノスルホン酸塩、3.75部のカオリン、及び11部のマルトデキストリンを混和することによって、実施例9に従って調製した。組成物は、4.5mmの顆粒サイズ、38ミクロンの粒子サイズ、60Nの硬度、50%の懸濁性、38%の分散性を有していた。組成物は、加速貯蔵条件下で35%の分散性及び45%の懸濁性をさらに示した。
【0132】
<実施例10:60%の硫黄元素及び0.4%のテトラニリプロールのスフェロイド化顆粒>
組成物を、60部の硫黄元素、0.4部のテトラニリプロール、15部のナフタレンスルホン酸ナトリウム縮合物、3.6部のシリカ及び11部のデンプン、ならびに10部のポリビニルアルコールの混和によって、実施例9に従って調製した。組成物は、5mmの顆粒サイズ、40ミクロンの粒子サイズ、55Nの硬度、50%の懸濁性、45%の分散性を有していた。組成物は、加速貯蔵条件下で41%の分散性及び46%の懸濁性をさらに示した。
【0133】
<実施例11:55%の硫黄元素及び1.5%のテトラクロラントラニリプロールのスフェロイド化顆粒>
75部の硫黄元素、1.5部のテトラクロラントラニリプロール、19部のリグニンスルホン酸塩のナトリウム塩、2.5部のデンプン、及び2部のポリビニルピロリドンを混和することによる実施例9に従う組成物。組成物は、3.0mmの顆粒サイズ、20ミクロンの粒子サイズ、38Nの硬度、55%の懸濁性、45の分散性を有していた。組成物は、加速貯蔵条件下で41%の分散性及び51%の懸濁性をさらに示した。
【0134】
II.アミノ酸、それらの塩、ポリマー、もしくは誘導体、またはそれらの混合物及び硫黄元素の液体懸濁組成物
【0135】
<実施例12:50%の硫黄元素及び0.33%のテトラニリプロールの液体懸濁組成物>
液体懸濁組成物を、50部の硫黄元素、0.33部のテトラニリプロール、12部のナフタレンスルホン酸塩縮合物、4.66部のトリスチリルフェノールエトキシレートリン酸エステル、5.01部のエチレングリコール、24部の水を混合し、全混合物が均一になるまで撹拌設備が提供された容器の中へそれらを供給することによって、均質化することによって調製した。続いて、得られた懸濁物を湿式ミルを介して通過させて、7ミクロンの粒子サイズの懸濁物を得る。次いで、4部のグアーガム(3%)を継続的なホモジナイゼーション下で添加して、懸濁濃縮物を得た。組成物は、約95%の懸濁性、97%の分散性、約550cpsの粘度、1.5%未満の注入性、及び0.1%未満の湿式篩保持値を有する。組成物は、加速貯蔵条件下で約89%の懸濁性、94%の分散性、及び約600cpsの粘度を有する。
【0136】
<実施例13:59%の硫黄元素及び1%のテトラクロラントラニリプロールの液体懸濁組成物>
液体懸濁組成物を、59部の硫黄、1部のテトラクロラントラニリプロール、7部のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、4部のモノラウリン酸グリセリル、6部のポリビニルピロリドン、21部の水、及び2部のラムザンガム(3%)を使用して、実施例12に従って調製する。組成物は、10ミクロンの粒子サイズ、約87%の懸濁性、90%の分散性、約800cpsの粘度、1.7%未満の注入性、及び0.1%未満の湿式篩保持値を有する。組成物は、加速貯蔵条件下で約80%の懸濁性、85%の分散性、及び約850cpsの粘度を有する。
【0137】
<実施例14:40%の硫黄元素及び2.5%のシクラニリプロールの液体懸濁組成物>
液体懸濁組成物を、40部の硫黄、2.5部のシクラニリプロール、6部のモノエチレングリコール、16部のリグニンスルホン酸塩及び10.5部のフェノールスルホン酸、25部の水を使用して、実施例12に従って調製する。組成物は、23ミクロンの粒子サイズ、約75%の懸濁性、70%の分散性、約1500cpsの粘度、2.5%未満の注入性、及び0.5%未満の湿式篩保持値を有する。組成物は、加速貯蔵条件下で約69%の懸濁性、64%の分散性、及び約1550cpsの粘度を有する。
【0138】
B.野外研究
<野外試験1:水稲における害虫の防除のための硫黄元素及びアントラニリックジアミド殺虫剤の効果の研究>
水稲作物における害虫に対する硫黄元素及びアントラニリックジアミドの殺虫剤の組み合わせの効果を研究するために、野外試験を実行した。無処理対照を含む8つの処理による乱塊法デザイン(RBD)で、雨季(すなわち6月~9月)の間に試験を計画し、4回反復した。処方用量の試験生成物サンプル(硫黄及びアントラニリックジアミド殺虫剤、単独及び組み合わせで)を、試験地区の水稲苗の移植20日後で土壌適用として適用した。試験野における水稲作物は、良好な農作業により育てられた。
【0139】
[実験の詳細]
a)試験の所在位置:Kaithal、Haryana
b)作物:水稲(変種Pusa1121)
c)実験季節:雨季
d)試験デザイン:RBD
e)反復:3
f)処理:8
g)地区サイズ:6m×10m
h)種蒔きの日:2019年6月21日
i)適用の日:2019年7月9日
j)適用の方法:土壌適用
k)収穫の日:2019年9月26日
【0140】
Scirpophaga incertulasによって引き起こされるニカメイガ(stem borer)被害及びCnaphalo crosismedinalisによって引き起こされるコブノメイガ(leaf folder)被害についての観察を、コメを植えた50日後に、各々の地区から記録し、パーセンテージ防除を下記の式を使用して計算した。
防除(%)=[(対照地区の被害-処理地区の被害)/対照地区の被害]×100
ニカメイガ及びコブノメイガに対する対照の平均データを、穀粒収量と共に、収穫時に記録し、表1中に示す。
【0141】
【表1】
【0142】
本発明の実施形態に従って調製された液体懸濁物または水分散性顆粒の形態での硫黄元素及び少なくとも1つアントラニリックジアミド殺虫剤を含む組成物は、本質的に相乗的であり、水稲においてニカメイガ、コブノメイガの防除に有効であることが、表1中に示されたデータから観察され得る。本発明の実施形態に従って調製された相乗的な組成物は、硫黄、アントラニリックジアミド殺虫剤の個々の適用、及び無処理地区に比較して、改善された作物の収穫も有する。「相乗性」とは、Weeds、1967年、15、p.20~22で出版された「Calculation of the synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations」のタイトルの論文中でColby S.R.によって定義された通りである。2つの活性のある構成要素の所与の組み合わせについて予想される作用は、以下の通り計算することができる。
E=X+Y-(XY/100)
式中、
E=定義された用量での、2つの生成物X及びYの混合物により予想される%効果。
X=生成物Aにより観察された%効果。
Y=生成物Bにより観察された%効果。
相乗係数(SF)は、Abbottの式(式(2)(Abbott,1925))によって計算される。
SF=観察された効果/予想される効果
ここで、SF>1は、相乗的反応であり、SF<1はアンタゴナイズ反応であり、SF=1は相加的反応である。
【0143】
組み合わせについて観察された収量効果のパーセンテージ(E)が予想されるパーセンテージより大きい場合に、組み合わせの相乗効果を推測することができる。組み合わせについて観察された収量効果のパーセンテージが予想されるパーセンテージに等しい場合に、単なる相加効果を推測することができ、組み合わせについて観察された収量効果のパーセンテージが予想されるパーセンテージよりも低い場合に、組み合わせのアンタゴニスト効果を推測することができる。
【0144】
例えば、処理T1(本発明の実施形態に従って、4000g/エーカで、硫黄75%+テトラニリプロール0.5%、WG)、T2(本発明の実施形態に従って、6000ml/エーカで、硫黄50%+テトラニリプロール0.33%、SC)を、同じ投薬量で適用されたT10(硫黄80%、WG)及びT7(100ml/エーカで、テトラニリプロール20%、SC)と比較して、処理T1及びT2は、ニカメイガに対して、それぞれ78.3%及び76.7%の防除を示し、処理T7及びT10は、68.3%及び15%の防除を示したことに注目されたい。無処理地区に比較したパーセント収量増加は、T1及びT2ではそれぞれ約38.8%及び36.11%であったが、T7及びT10ではそれぞれ約11.1%及び22.2%であった。表1中に示されるように、有害生物防除及び有効性データは、水分散性顆粒または液体懸濁物の形態での硫黄及びテトラニリプロールの組み合わせが本質的に相乗的であることを示す。
【0145】
同様に、処理T3(本発明の実施形態に従って、4000g/エーカで、硫黄75%+シアントラニリプロール0.6%、WG)、T4(本発明の実施形態に従って、6000ml/エーカで、硫黄50%+シアントラニリプロール0.4%、SC)を、同じ投薬量で適用されたT8(240ml/エーカで、シアントラニリプロール10%、OD)及びT10(硫黄80%、WG)と比較して、処理T3、T4は、コブノメイガに対して、それぞれ70%及び56.3%の防除、ならびにニカメイガに対して、約82%及び85.3%の防除を示したことに注目されたい。硫黄及びシアントラニリプロールの組み合わせについて予想される防除は、ニカメイガに対して約76.2%及びコブノメイガに対して62.4%であった。無処理地区に比較したパーセント収量増加は、処理T3及びT4ではそれぞれ約35%及び33.3%であったが、T8及びT10ではそれぞれ約8.3%及び22.2%であった。活性物質の個別の適用及び無処理地区に比較した他の処理で、類似の傾向が観察された。したがって、本発明の実施形態に従うWDG及びSCの形態での硫黄元素及びアントラニリックジアミド殺虫剤の組み合わせは、本質的に相乗的であり、個別の活性物質の適用に比較して、害虫に対するより良好な防除及びより高い収穫量を提供する。
【0146】
<野外試験2:水稲におけるニカメイガに対する硫黄元素及びアントラニリックジアミドの殺虫剤の効果の研究>
IndiaのHaryana州のKaithal区における水稲で試験を行って、本発明の実施形態に従う硫黄元素及びアントラニリックジアミド殺虫剤スフェロイド化顆粒の有効性を評価した。処理を乱塊法デザインに従って実行し、すべての農作業をすべての処理について均一に保った。水稲の移植の25~30日後に組成物を散布することによって、処理を実行した。水稲移植後の50日目及び90日目に、有効性を評価した。処理の相互混合を回避するために、約20~30cmの厚みの仮の堤防境界を、粒状殺虫剤を処理する地区の周囲一面に用意した。適用される処理を、下の表中に示した。
【0147】
試験野における水稲作物は、良好な農作業により育てられた。
【0148】
[実験の詳細]
a)試験の所在位置:Kaithal、Haryana
b)作物:水稲(変種Pusa1121)
c)実験季節:雨季
d)試験デザイン:RBD
e)反復:3
f)処理:8
g)地区サイズ:6m×10m
h)種蒔きの日:2019年6月19日
i)適用の日:2019年7月7日
j)適用の方法:土壌適用
k)収穫の日:2019年9月23日
【0149】
【表2】
【0150】
本発明の実施形態に従って調製された顆粒の形態での硫黄元素及び少なくとも1つアントラニリックジアミド殺虫剤を含む組成物は、本質的に相乗的であり、水稲においてニカメイガの防除に有効であることが、表2中に示されたデータから観察され得る。芯枯れ及び白穂のパーセントは、他の処理に比較して、処理T1及びT2によりそれぞれ処理された地区において最小であることが見出され、本発明の組成物が、ニカメイガによって引き起こされる被害に対して水稲作物を保護することに優れていることを示す。例えば、処理T2は、移植50日後に4.6%の芯枯れを有していたが、処理T4及びT5は、それぞれ約14.2%及び7.9%の芯枯れを示した。同様に、処理T2、T4、及びT5による白穂のパーセンテージは、それぞれ約1.7%、23.5%、及び26%であった。したがって、本発明の実施形態に従うスフェロイド化顆粒の形態での硫黄元素及びアントラニリックジアミド殺虫剤の組み合わせは、本質的に相乗的であり、個別の活性物質の適用に比較して、害虫に対するより良好な防除及びより高い収穫量を提供することが注目され得る。
【0151】
さらに、本発明の本発明者らは、落花生類、茄子のようなある特定の作物に対しても、硫黄元素、少なくとも1つアントラニリックジアミド殺虫剤の組み合わせを試験した。本発明の組み合わせは、個別の活性物質の適用に比較して、害虫に対する良好な防除を提供することが観察された。さらにかかる組み合わせは、収穫量、藁重量、植物丈などのような作物特徴の改善を支援する。したがって、本発明の組成物は、野外において促進され、有効であり、優れた挙動を示すことが観察された。
【0152】
巧みに選択された特性(すなわち良好な懸濁性、分散性、及び適切な硬度を備えて、特異的なサイズ範囲の粒子へと分散する特異的な顆粒サイズ)の組み合わせは、土壌へ適用された場合に、活性物質の即時放出だけでなく、作物生活環全体の間の継続放出及び持続放出も提供する組成物をもたらすことを、本発明者らは決定した。したがって、有効な作物保護及び栄養液を作物へ提供する。本発明の組成物は、葉または土壌へ適用された場合に、有害生物攻撃に対して作物を強化及び保護する活性物質の即時放出も提供する。
【0153】
前述のことから、本発明の新しい概念の真の趣旨及び範囲から逸脱せずに、多数の修飾及び変動がもたらされ得ることが気づかれるだろう。例証された特定の実施形態に関する限定は、意図されず暗示されるべきでないことを理解されたい。