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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】潜顕分離換気空調システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/84 20180101AFI20240215BHJP
   F24F 3/044 20060101ALI20240215BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20240215BHJP
   F24F 11/86 20180101ALI20240215BHJP
   F24F 140/00 20180101ALN20240215BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20240215BHJP
   F24F 110/22 20180101ALN20240215BHJP
   F24F 110/12 20180101ALN20240215BHJP
   F24F 110/20 20180101ALN20240215BHJP
【FI】
F24F11/84
F24F3/044
F24F11/64
F24F11/86
F24F140:00
F24F110:10
F24F110:22
F24F110:12
F24F110:20
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023128948
(22)【出願日】2023-08-08
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000244958
【氏名又は名称】木村工機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】塩地 正紀
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-165599(JP,A)
【文献】特開2021-18000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00 ー 11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調用空気として外気と還気を取り込む空調ユニット(1)と、前記空調ユニット(1)の前記空調用空気を被空調空間に給気する送風ユニット(2)と、前記外気を前記空調ユニット(1)に給気すると共に前記還気を屋外に排気する外調機(3)と、を備え、
前記空調ユニット(1)は、内部を流通する冷水又は温水の熱源水で前記空調用空気を熱交換する熱交換コイル(10)と、前記熱源水の流通量を増減させて前記熱交換コイル(10)の熱交換能力を調整する水量制御弁(11)と、を備え、
前記外調機(3)は、前記還気の熱を利用して前記外気を熱交換する空気熱源のヒートポンプ(19)と、前記ヒートポンプ(19)の一部を構成すると共に前記ヒートポンプ(19)の出力を増減させて前記外調機(3)の熱交換能力を調整する圧縮機(20)と、前記外気を加湿すると共に加湿量を増減させて前記外気の湿度を調整する加湿器(21)と、を備え、
前記被空調空間が設定温度及び設定湿度の範囲外の場合は前記水量制御弁(11)、前記圧縮機(20)及び前記加湿器(21)の駆動を連動制御して前記被空調空間が前記設定温度及び前記設定湿度となるように空調すると共に前記被空調空間が前記設定温度の範囲内の場合は前記水量制御弁(11)を閉じて前記圧縮機(20)及び前記加湿器(21)の駆動を制御して前記被空調空間が前記設定温度及び前記設定湿度となるように空調する制御装置(4)を、備えたことを特徴とする潜顕分離換気空調システム。
【請求項2】
前記被空調空間の前記設定温度及び前記設定湿度を設定すると共に前記空調運転の操作を行うリモコン(5)を、備え、
前記制御装置(4)は、
前記熱源水が前記冷水の場合に
外気温度が前記設定温度を超えかつ外気湿度が前記設定湿度以下の範囲では前記外調機(3)で前記外気を顕熱冷却して前記設定温度で給気する外調機冷房冷却運転と
前記外気温度が前記設定温度以下でかつ前記外気湿度が前記設定湿度以下の範囲では前記外調機(3)で前記外気を温湿度調整せずに給気する外調機冷房送風運転と
前記外気湿度が前記設定湿度を超える範囲では前記外調機(3)で前記外気を冷却減湿して設定比エンタルピーの露点温度で給気する外調機冷房除湿運転と
のうちのいずれかの前記運転を行う外調機冷房制御部(33)と、
前記熱源水が前記冷水の場合に
前記還気温度が前記設定温度を超えかつ前記還気湿度が前記設定湿度以下の範囲では前記空調ユニット(1)で前記空調用空気を顕熱冷却して前記被空調空間を前記設定温度にする空調ユニット冷房冷却運転と
前記還気温度が前記設定温度以下でかつ前記還気湿度が前記設定湿度以下の範囲では前記空調ユニット(1)で前記空調用空気を温湿度調整せずに給気する空調ユニット冷房送風運転と
前記還気湿度が前記設定湿度を超える範囲では前記空調ユニット(1)で前記空調用空気を冷却減湿して前記設定比エンタルピーの前記露点温度で給気する空調ユニット冷房除湿運転と
のうちのいずれかの前記運転を行う空調ユニット冷房制御部(34)と、
前記熱源水が前記温水の場合に
前記外気温度が前記設定温度未満でかつ前記外気湿度が前記設定湿度以上の範囲では前記外調機(3)で前記外気を加熱して前記設定温度で給気する外調機暖房加熱運転と
前記外気温度が前記設定温度以上でかつ前記外気湿度が前記設定湿度未満の範囲では前記外気を加湿して前記設定湿度で給気する外調機暖房加湿運転と
前記外気温度が前記設定温度以上でかつ前記外気湿度が前記設定湿度以上の範囲では前記外調機(3)で前記外気を温湿度調整せずに給気する外調機暖房送風運転と
前記外気温度が前記設定温度未満でかつ前記外気湿度が前記設定湿度未満の範囲では前記外調機(3)で前記外気を加熱及び加湿して前記設定温度及び前記設定湿度で給気する外調機加熱加湿運転と
のうちのいずれかの前記運転を行う外調機暖房制御部(35)と、
前記熱源水が前記温水の場合に
前記還気温度が前記設定温度未満の範囲では前記空調ユニット(1)で前記空調用空気を加熱して前記被空調空間を前記設定温度にする空調ユニット暖房加熱運転と
前記還気温度が前記設定温度以上の範囲では前記空調ユニット(1)で前記空調用空気を温湿度調整せずに給気する空調ユニット暖房送風運転と
のうちのいずれかの前記運転を行う空調ユニット暖房制御部(36)と、
を備えた請求項1に記載の潜顕分離換気空調システム。
【請求項3】
前記送風ユニット(2)は、前記被空調空間への給気風量を増減させる給気ファン(16)を、備え、
前記制御装置(4)は、前記被空調空間が前記設定温度及び前記設定湿度の範囲外の場合は前記水量制御弁(11)、前記圧縮機(20)、前記加湿器(21)及び前記給気ファン(16)の駆動を連動制御して前記被空調空間が前記設定温度及び前記設定湿度となるように空調すると共に前記給気ファン(16)の給気風量の増減により時間当たりの給気熱量を制御して前記還気温度と前記設定温度との差を抑制する送風ユニット制御部(37)を、備えた請求項2に記載の潜顕分離換気空調システム。
【請求項4】
空調用空気として外気と還気を取り込んで前記被空調空間に給気する空調ユニット(1)と、前記外気を前記空調ユニット(1)に給気すると共に前記還気を屋外に排気する外調機(3)と、を備え、
前記空調ユニット(1)は、内部を流通する冷水又は温水の熱源水で前記空調用空気を熱交換する熱交換コイル(10)と、前記熱源水の流通量を増減させて前記熱交換コイル(10)の熱交換能力を調整する水量制御弁(11)と、を備え、
前記外調機(3)は、前記還気の熱を利用して前記外気を熱交換する空気熱源のヒートポンプ(19)と、前記ヒートポンプ(19)の一部を構成すると共に前記ヒートポンプ(19)の出力を増減させて前記外調機(3)の熱交換能力を調整する圧縮機(20)と、前記外気を加湿すると共に加湿量を増減させて前記外気の湿度を調整する加湿器(21)と、を備え、
前記被空調空間が設定温度及び設定湿度の範囲外の場合は前記水量制御弁(11)、前記圧縮機(20)及び前記加湿器(21)の駆動を連動制御して前記被空調空間が前記設定温度及び前記設定湿度となるように空調すると共に前記被空調空間が前記設定温度の範囲内の場合は前記水量制御弁(11)を閉じて前記圧縮機(20)及び前記加湿器(21)の駆動を制御して前記被空調空間が前記設定温度及び前記設定湿度となるように空調する制御装置(4)を、備えたことを特徴とする潜顕分離換気空調システム。
【請求項5】
前記被空調空間の前記設定温度及び前記設定湿度を設定すると共に前記空調運転の操作を行うリモコン(5)を、備え、
前記制御装置(4)は、
前記熱源水が前記冷水の場合に
外気温度が前記設定温度を超えかつ外気湿度が前記設定湿度以下の範囲では前記外調機(3)で前記外気を顕熱冷却して前記設定温度で給気する外調機冷房冷却運転と
前記外気温度が前記設定温度以下でかつ前記外気湿度が前記設定湿度以下の範囲では前記外調機(3)で前記外気を温湿度調整せずに給気する外調機冷房送風運転と
前記外気湿度が前記設定湿度を超える範囲では前記外調機(3)で前記外気を冷却減湿して設定比エンタルピーの露点温度で給気する外調機冷房除湿運転と
のうちのいずれかの前記運転を行う外調機冷房制御部(33)と、
前記熱源水が前記冷水の場合に
前記還気温度が前記設定温度を超えかつ前記還気湿度が前記設定湿度以下の範囲では前記空調ユニット(1)で前記空調用空気を顕熱冷却して前記被空調空間を前記設定温度にする空調ユニット冷房冷却運転と
前記還気温度が前記設定温度以下でかつ前記還気湿度が前記設定湿度以下の範囲では前記空調ユニット(1)で前記空調用空気を温湿度調整せずに給気する空調ユニット冷房送風運転と
前記還気湿度が前記設定湿度を超える範囲では前記空調ユニット(1)で前記空調用空気を冷却減湿して前記設定比エンタルピーの前記露点温度で給気する空調ユニット冷房除湿運転と
のうちのいずれかの前記運転を行う空調ユニット冷房制御部(34)と、
前記熱源水が前記温水の場合に
前記外気温度が前記設定温度未満でかつ前記外気湿度が前記設定湿度以上の範囲では前記外調機(3)で前記外気を加熱して前記設定温度で給気する外調機暖房加熱運転と
前記外気温度が前記設定温度以上でかつ前記外気湿度が前記設定湿度未満の範囲では前記外気を加湿して前記設定湿度で給気する外調機暖房加湿運転と
前記外気温度が前記設定温度以上でかつ前記外気湿度が前記設定湿度以上の範囲では前記外調機(3)で前記外気を温湿度調整せずに給気する外調機暖房送風運転と
前記外気温度が前記設定温度未満でかつ前記外気湿度が前記設定湿度未満の範囲では前記外調機(3)で前記外気を加熱及び加湿して前記設定温度及び前記設定湿度で給気する外調機加熱加湿運転と
のうちのいずれかの前記運転を行う外調機暖房制御部(35)と、
前記熱源水が前記温水の場合に
前記還気温度が前記設定温度未満の範囲では前記空調ユニット(1)で前記空調用空気を加熱して前記被空調空間を前記設定温度にする空調ユニット暖房加熱運転と
前記還気温度が前記設定温度以上の範囲では前記空調ユニット(1)で前記空調用空気を温湿度調整せずに給気する空調ユニット暖房送風運転と
のうちのいずれかの前記運転を行う空調ユニット暖房制御部(36)と、
を備えた請求項4に記載の潜顕分離換気空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は潜顕分離換気空調システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビルなど被空調空間の空調システムとして、空調機で被空調空間を空調しつつ、被空調空間の二酸化炭素が基準値を超えないように、外調機で外気を給気して還気を屋外排気する構成のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-18000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この空調システムでは、外調機と空調機は別々のリモコンで運転設定する必要があり、設備コストがかり、操作に手間がかかる問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するため、空調用空気として外気と還気を取り込む空調ユニットと、前記空調ユニットの前記空調用空気を被空調空間に給気する送風ユニットと、前記外気を前記空調ユニットに給気すると共に前記還気を屋外に排気する外調機と、を備え、前記空調ユニットは、内部を流通する冷水又は温水の熱源水で前記空調用空気を熱交換する熱交換コイルと、前記熱源水の流通量を増減させて前記熱交換コイルの熱交換能力を調整する水量制御弁と、を備え、前記外調機は、前記還気の熱を利用して前記外気を熱交換する空気熱源のヒートポンプと、前記ヒートポンプの一部を構成すると共に前記ヒートポンプの出力を増減させて前記外調機の熱交換能力を調整する圧縮機と、前記外気を加湿すると共に加湿量を増減させて前記外気の湿度を調整する加湿器と、を備え、前記被空調空間が設定温度及び設定湿度の範囲外の場合は前記水量制御弁、前記圧縮機及び前記加湿器の駆動を連動制御して前記被空調空間が前記設定温度及び前記設定湿度となるように空調すると共に前記被空調空間が前記設定温度の範囲内の場合は前記水量制御弁を閉じて前記圧縮機及び前記加湿器の駆動を制御して前記被空調空間が前記設定温度及び前記設定湿度となるように空調する制御装置を、備えたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1と2の発明によれば、外調機、空調ユニット及び送風ユニットを単独のリモコンで連動制御させて空調でき、操作が簡単になり設備コスト低減と省力化を図れる。中間期などの低空調負荷の場合、空調ユニット及び熱源機を停止して空気熱源ヒートポンプの外調機のみで冷暖フリー運転ができ、省エネ性と快適性が向上する。請求項3の発明によれば、外調機や空調ユニットの最少空調能力より空調負荷が少ない中間期などでも、送風ユニットの給気熱量のオーバーシュートやアンダーシュートを抑えて、被空調空間の温度と設定温度のずれや温度ムラの少ない快適な空調を行える。請求項4と5の発明によれば、外調機と空調ユニットを単独のリモコンで連動制御させて空調でき、操作が簡単になり設備コスト低減と省力化を図れる。中間期などの低空調負荷の場合、空調ユニット及び熱源機を停止して空気熱源ヒートポンプの外調機のみで冷暖フリー運転ができ、省エネ性と快適性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の平面視簡略説明図である。
図2】天井設置部分の側面視簡略説明図である。
図3】熱交換コイルの斜視図である。
図4】外調機の正面視簡略説明図である。
図5】ヒートポンプの簡略説明図である。
図6】他の実施例を示す簡略説明図である。
図7】他の実施例の空調ユニットの正面視簡略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
図1図2は、本発明の潜顕分離換気空調システムの一実施例で、この潜顕分離換気空調システムは、空調ユニット1、送風ユニット2、外調機3、制御装置4、リモコン5、放射ユニット6及び吸込ユニット7を、備えている。これらを外気、還気、排気及び給気が流れるように、送風ダクト8(太線で簡略化して示す)にて相互に接続する。空調ユニット1、送風ユニット2、放射ユニット6及び吸込ユニット7は天井内に設置し、外調機3は機械室などの床面に設置し、リモコン5は室内などの被空調空間に設置する。
【0009】
屋外からの外気は外調機3から空調ユニット1に給気する。空調ユニット1は、空調用空気として外調機3からの外気と被空調空間からの空気(還気)の一部とを取り込んで、送風ユニット2で空調ユニット1の空調用空気を被空調空間に給気する。還気の一部は被空調空間から吸込ユニット7を介して外調機3で屋外に排気する。各空気の気流方向は太い点線の矢印で図示する。
【0010】
空調ユニット1は、内部を流通する冷水又は温水の熱源水で空調用空気を熱交換する熱交換コイル10と、熱源水の流通量を増減させて熱交換コイル10の熱交換能力を調整する水量制御弁11と、熱交換コイル10を収納するケーシング12と、を備えている。熱源水の温度範囲の一例をあげると、冷水は7~10℃、温水は35~50℃であるが、これ以外の温度範囲とするも自由である。
【0011】
図3に示すように、熱交換コイル10は、プレートフィン群13と、プレートフィン群13に挿着されると共に熱源水が内部を流通する伝熱管群14と、を備えている。熱源水の熱は、プレートフィン群13と伝熱管群14を介して、空調用空気に熱伝達する。熱源水は、図示省略の空冷チラーなどの熱源機で温度調整する。
【0012】
図4図5に示すように、外調機3は、還気の熱を利用して外気を熱交換する空気熱源のヒートポンプ19と、ヒートポンプ19の一部を構成すると共にヒートポンプ19の出力を増減させて外調機3の熱交換能力を調整する圧縮機20と、外気を加湿すると共に加湿量を増減させて外気の湿度を調整する加湿器21と、屋外から取り込んだ外気を空調ユニット1へ供給する外気ファン22と、被空調空間から取り込んだ還気を屋外へ排気する排気ファン23と、これらを収容するケーシング24と、を備える。図例では、加湿器21は蒸気で空気を加湿する蒸気式としているが、気化式やその他の方式でもよい。
【0013】
ヒートポンプ19は、これを構成する外気用熱交換コイル25及び排気用熱交換コイル26、圧縮機20、膨張弁27、四方弁28及び冷媒配管回路29によって、循環する冷媒に対して圧縮・凝縮・膨張・蒸発の工程順を繰返し、この冷媒と熱交換する空気に対して冷媒蒸発工程で吸熱を冷媒凝縮工程で放熱を各々行うものである。冷暖運転切換は四方弁28にて行う。熱交換コイル25、26の構造は、空調ユニット1のものと同様構成で内部を冷媒が流通する。
【0014】
図1に示すように、送風ユニット2は、被空調空間の給気風量を増減させる給気ファン16と、給気ファン16を収納するケーシング17と、を備えている。
【0015】
放射ユニット6は、送風ユニット2の給気の圧力で被空調空間の空気を誘引して混合し、被空調空間に放出しつつ、給気の熱を放射する構造となっている(図示省略)が、これ以外の構造のものでも良い。
【0016】
リモコン5は、スイッチ、各種設定の入力ボタン及び表示部等を備え、被空調空間(還気)の設定温度及び設定湿度と、冷房又は暖房の空調モードと、を設定すると共に、空調運転の開始や停止、温湿度調整などの操作を制御装置4を介して行う機能を有している。
【0017】
制御装置4は、外調機冷房制御部33、空調ユニット冷房制御部34、外調機暖房制御部35、空調ユニット暖房制御部36及び送風ユニット制御部37を、備え、被空調空間が設定温度及び設定湿度の範囲外の場合は、水量制御弁11、圧縮機20、加湿器21及び給気ファン16の駆動を連動制御して被空調空間が設定温度及び設定湿度となるように空調すると共に、被空調空間が設定温度の範囲内の場合は水量制御弁11を閉じて熱源水の流通を停止し、圧縮機20及び加湿器21の駆動を制御して被空調空間が設定温度及び設定湿度となるように空調する機能を有している。制御装置4は、マイクロプロセッサ、各種センサー、その他の制御機器で構成する。
【0018】
外調機冷房制御部33は、熱源水が冷水で空調モードが冷房の場合に、外気温度が設定温度を超えかつ外気湿度が設定湿度以下の範囲では外調機3で外気を顕熱冷却して設定温度で給気する外調機冷房冷却運転と、外気温度が設定温度以下でかつ外気湿度が設定湿度以下の範囲では外調機3で外気を温湿度調整せずに給気する外調機冷房送風運転と、外気湿度が設定湿度を超える範囲では外調機3で外気を冷却減湿して設定比エンタルピーの露点温度で給気する外調機冷房除湿運転と、のうちのいずれかの運転を行う。設定比エンタルピーは、設定温度及び設定湿度から算出する。
【0019】
空調ユニット冷房制御部34は、熱源水が冷水で空調モードが冷房の場合に、還気温度が設定温度を超えかつ還気湿度が設定湿度以下の範囲では空調ユニット1で空調用空気を顕熱冷却して被空調空間を設定温度にする空調ユニット冷房冷却運転と、還気温度が設定温度以下でかつ還気湿度が設定湿度以下の範囲では空調ユニット1で空調用空気を温湿度調整せずに給気する空調ユニット冷房送風運転と、還気湿度が設定湿度を超える範囲では空調ユニット1で空調用空気を冷却減湿して設定比エンタルピーの露点温度で給気する空調ユニット冷房除湿運転と、のうちのいずれかの運転を行う。
【0020】
外調機暖房制御部35は、熱源水が温水で空調モードが暖房の場合に、外気温度が設定温度未満でかつ外気湿度が設定湿度以上の範囲では外調機3で外気を加熱して設定温度で給気する外調機暖房加熱運転と、外気温度が設定温度以上でかつ外気湿度が設定湿度未満の範囲では外気を加湿して設定湿度で給気する外調機暖房加湿運転と、外気温度が設定温度以上でかつ外気湿度が設定湿度以上の範囲では外調機3で外気を温湿度調整せずに給気する外調機暖房送風運転と、外気温度が設定温度未満でかつ外気湿度が設定湿度未満の範囲では外調機3で外気を加熱及び加湿して設定温度及び設定湿度で給気する外調機加熱加湿運転と、のうちのいずれかの運転を行う。
【0021】
空調ユニット暖房制御部36は、熱源水が温水で空調モードが暖房の場合に、還気温度が設定温度未満の範囲では空調ユニット1で空調用空気を加熱して被空調空間を設定温度にする空調ユニット暖房加熱運転と、還気温度が設定温度以上の範囲では空調ユニット1で空調用空気を温湿度調整せずに給気する空調ユニット暖房送風運転と、のうちのいずれかの運転を行う。
【0022】
送風ユニット制御部37は、給気ファン16の給気風量の増減により時間当たりの給気熱量を制御して還気温度(被空調空間の温度)と設定温度との差を抑制する。
【0023】
リモコン5にて空調運転を開始すると、外調機3で外気を冷却又は加熱して被空調空間の設定温度にすると共に、外調機3で外気を除湿又は加湿して被空調空間の設定湿度にし、空調ユニット1に給気する。空調ユニット1は、被空調空間の温度を設定温度に近づけるように空調用空気(外気と還気)を冷却又は加熱する。空調負荷が少なくなれば、送風ユニット2の給気風量制御で被空調空間を細かく温度調整する。
【0024】
図6図7は本発明の他の実施例で、前記実施例の送風ユニット2を省略し、空調ユニット1に、給気ファン18とフィルタ40を設けて、床置き設置したものである。空調ユニット1は、給気ファン18の駆動により、空調用空気として外気と還気を取り込んで被空調空間に給気する。他の構成は前記実施例と同様である。
【符号の説明】
【0025】
1 空調ユニット
2 送風ユニット
3 外調機
4 制御装置
5 リモコン
10 熱交換コイル
11 水量制御弁
16 給気ファン
19 ヒートポンプ
20 圧縮機
21 加湿器
33 外調機冷房制御部
34 空調ユニット冷房制御部
35 外調機暖房制御部
36 空調ユニット暖房制御部
37 送風ユニット制御部
【要約】
【課題】 設備コスト低減と省力化を図れる潜顕分離換気空調システムを得る。
【解決手段】 空調ユニット(1)と外調機(3)を備える。空調ユニット(1)は、熱交換コイル(10)と、熱交換コイル(10)の熱交換能力を調整する水量制御弁(11)と、を備える。外調機(3)は、外調機(3)の熱交換能力を調整する圧縮機(20)と、湿度を調整する加湿器(21)と、を備える。被空調空間が設定温度及び設定湿度の範囲外の場合は水量制御弁(11)、圧縮機(20)及び加湿器(21)の駆動を連動制御して被空調空間が設定温度及び設定湿度となるように空調すると共に被空調空間が設定温度の範囲内の場合は水量制御弁(11)を閉じて圧縮機(20)及び加湿器(21)の駆動を制御して被空調空間が設定温度及び設定湿度となるように空調する制御装置(4)を、備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7