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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】防水折り畳み情報通信体
(51)【国際特許分類】
   B42D 15/02 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
B42D15/02 501B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020069362
(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公開番号】P2021146722
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000105280
【氏名又は名称】ケイディケイ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】木村 義和
(72)【発明者】
【氏名】土屋 雅人
【審査官】三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-276857(JP,A)
【文献】特開2017-071207(JP,A)
【文献】特開2019-034538(JP,A)
【文献】特開2019-104220(JP,A)
【文献】特開2013-086346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項2】
縦方向の折り線を介して横方向に連接された横幅の異なる2葉片からなる単位シートが、横方向破断ミシンを介して前記単位シートと縦幅が異なる単位シートと縦方向に連接されると共に表裏面を疑似接着フィルムシートで被覆したシートを、前記横方向の破断ミシンに沿って折り畳んだ後に最終的に前記縦方向の折り線から二つ折りし、対向する全ての葉片間を前記疑似接着フィルムシートを介して剥離可能に接着し一体化した防水折り畳み情報通信体であり、前記横方向の破断ミシンを破断して開封することで単位シート毎に分離して展開できることを特徴とした防水折り畳み情報通信体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の葉片を折り畳み、剥離可能に一体化した、定型又は定型外の郵便物や非親書用のメール便等宅配物等として配達することが可能な折り畳み情報通信体に関する。詳しくは水濡れに強く、複数枚が重なり板状に強固に接着していても極めて容易に剥離展開することが可能な防水折り畳み情報通信体に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の葉片の表裏面に情報を記載しておいて、前記複数の葉片を折り畳み周囲の縁辺を封緘した折り畳み情報通信体として、例えば特開2004―131115号公報に開示される封書用シートがある。
【0003】
前記引用文献の封書用シートは、複数片の情報シート片を一対の封筒本体片に向けて折り畳み加圧により各接着部を接着して封止することで、簡易かつ迅速な封入封緘を可能として事務合理化の要請を十分に満足することができ、しかも簡易に作製することができるものである。
【先行技術文献】
【0004】
【特許文献】
【文献】特開2004-131115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記引用文献の発明では、折り畳まれた封書用シートを封緘するための接着部が設けられ感圧接着剤が塗布されている。そして開封に際して受取人は前記接着部を分離して開封する必要がある。その手間を省くために接着部を切り離すためのミシン目を設ける等加工を施すことも可能であるが、何れにしても切り離し後に切り屑が残る。また前記切り離しのために情報を記載することが出来ないスペースが発生する。
【0006】
また、記載されている情報は、その表面に何ら保護手段が施されていないため、雨等の水濡れにより開封時に容易に破断され、ひどい場合には記載情報が読み取れなくなるばかりか、容易に改竄等が加えられる場合もあり得る。
【0007】
さらに、封緘部分を分離して開封する際に、誤って切除しすぎたりミシン目から正確に破断できず情報の記載面まで破損したりして内部の情報の確認が出来なくなることもあり得る。
【0008】
本発明者等は前記問題に鑑み、従来にない作用効果を発揮する防水折り畳み情報通信体を鋭意研究の末発明した。それは開封に際して切り屑が残らず、情報記載面を含む表裏面が全面的に強靭な被膜により被覆されるため雨等の水濡れに強く、剥離開封後にカール現象を起こすこともなく、改竄が不可能であり、さらに内部の紙面をって破損することもないという特徴を有する防水折り畳み封書であり、前記特徴により受取人が内部の情報を確実に確認することができると共に開封後の保存性にも優れ、また美的効果に優れると共に受取人に対する訴求力が効果的に発揮される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の防水折り畳み情報通信体は、縦方向の折り線を介して横方向に連接された2葉片からなる単位シートが、横方向破断ミシンを介して縦方向に連接されると共に表裏面を疑似接着フィルムシートで被覆したシートを、前記横方向の破断ミシンに沿って折り畳んだ後に最終的に前記縦方向の折り線から二つ折りし、対向する全ての葉片間を前記疑似接着フィルムシートを介して剥離可能に接着し一体化した防水折り畳み情報通信体であり、前記横方向の破断ミシンを破断して開封することで単位シート毎に分離して展開できることを特徴としている。
【0010】
本発明に使用される防水折り畳み情報通信体シートは、通常の上質紙、マット紙、コート紙等、或いは合成紙、樹脂シート等を好適に使用することができる。そして前記防水折り畳み情報通信体用シートの表裏面に全面的に形成される疑似接着手段としては、業界でフィルム方式と称される手段を好適に採用することができる。
【0011】
さらに上記目的を達成するために、本発明の防水折り畳み情報通信体の異なる態様は、縦方向の折り線を介して横方向に連接された横幅の異なる2葉片からなる単位シートが、横方向破断ミシンを介して前記単位シートと縦幅が異なる単位シートと縦方向に連接されると共に表裏面を疑似接着フィルムシートで被覆したシートを、前記横方向の破断ミシンに沿って折り畳んだ後に最終的に前記縦方向の折り線から二つ折りし、対向する全ての葉片間を前記疑似接着フィルムシートを介して剥離可能に接着し一体化した防水折り畳み情報通信体であり、前記横方向の破断ミシンを破断して開封することで単位シート毎に分離して展開できることを特徴としている。
【0012】
本発明の防水折り畳み情報通信体を構成する単位シートは必ずしも同じ寸法である必要はない。例えば縦方向の折り線を介して横方向に連接される2葉片の横幅が異なるように設計しても構わず、また横方向に形成された破断ミシンを介して縦方向に連接される単シートのそれぞれの縦幅が異なるように設計しても構わない。そうすることにより折り畳み後に端部が一致せず段差が生じるが、その段差を剥離の端緒として好適に使用することができるのである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の防水折り畳み情報通信体は、既述の通り防水折り畳み情報通信体シートの表裏面に全面的に疑似接着フィルムシートが形成されているため、折り畳み後に加圧或いは加熱・加圧処理を施せば、そのまま対向面間が剥離可能に接着され封緘される。従って周囲に接着剤層を形成して封緘した場合のように、開封時に前記封緘された周囲縁辺を鋏等の切除道具により切除する手間が省け、切り屑の発生もない。また前記手間を省くために切り離しのためのミシン目をわざわざ別作業で形成する必要もない。また前記封緘のための接着剤層の形成部分がないので、各種情報を防水折り畳み情報通信体シートの全面に渡り表示することができる。
【0014】
さらに、情報の表示面は勿論全ての面が疑似接着フィルムシートにより被覆されているため雨等による水濡れに強く内部の情報が破損されることが無いと共に記載されている情報の改竄も不可能になる。
【0015】
さらにまた、封緘部分を切除する必要がないため、開封に際して誤って内部の情報を破損したりすることが無く、また切り離しミシンによる展開の際に見られる切り離し縁辺の見苦しさもない。そればかりか本発明の防水折り畳み情報通信体は、疑似接着フィルムシートに被覆された表面が美的感覚に優れ、剥離展開後単位シート毎に分離されるため内容の確認が容易であると共に受取人に対する訴求効果が効果的に発揮される。
【0016】
また、開封縁辺に沿って段差が形成される場合、受取人の開封時に剥離の端緒となるため極めて容易に開封を開始することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(A)は防水折り畳み情報通信体J1、J2、J3の共通表面図、(B)は共通裏面図である。
図2】(A)は防水折り畳み情報通信体J1であり、図1(A)におけるイ-イ線断面図、(B)はア-ア線断面図である。
図3】本実施例の防水折り畳み情報通信体J1を開封し、単位シートt1及びt2に分離して展開した状態を示す斜視図である。
図4】(A)は防水折り畳み情報通信体J1の製造に使用するシートS1の表面図、(B)は(A)におけるウ-ウ線断面図である。
図5】(A)は図4のシートS1を横方向の破断ミシン6から大きく二つに折り畳んだ状態を示す平面図、(B)は(A)におけるエ-エ線断面図、(C)はオ-オ線断面図である。
図6】(A)は防水折り畳み情報通信体J2であり、図1(A)におけるイ-イ線断面図、(B)はア-ア線断面図である。
図7】本実施例の防水折り畳み情報通信体J2を開封し、単位シートt11、t12及びt13に分離して展開した状態を示す斜視図である。
図8】(A)は防水折り畳み情報通信体J2の製造に使用するシートS2の表面図、(B)は(A)におけるカ-カ線断面図である。
図9】(A)は図8のシートS2を横方向の破断ミシン18及び19から蛇腹状に折り畳んだ状態を示す平面図、(B)は(A)におけるキ-キ線断面図、(C)はク-ク線断面図である。
図10】(A)は防水折り畳み情報通信体J3であり、図1(A)におけるイ-イ線断面図、(B)はア-ア線断面図である。
図11】本実施例の防水折り畳み情報通信体J3を開封し、単位シートt21、t22、t23及び24に分離して展開した状態を示す斜視図である。
図12】(A)は防水折り畳み情報通信体J3の製造に使用するシートS3の表面図、(B)は(A)におけるケ-ケ線断面図である。
図13】(A)は図12のシートS3を横方向の破断ミシン30、31及び32から蛇腹状に折り畳んだ状態を示す平面図、(B)は(A)におけるコ-コ線断面図、(C)はサ-サ線断面図である。
図14】(A)は防水折り畳み情報通信体J4表面図、(B)は裏面図である。
図15】(A)は図14(A)におけるス-ス線断面図、(B)はシ-シ線断面図である。
図16】本実施例の防水折り畳み情報通信体J4を開封し、単位シートt31及びt32に分離して展開した状態を示す斜視図である。
図17】(A)は防水折り畳み情報通信体J4の製造に使用するシートS4の表面図、(B)は(A)におけるセ-セ線断面図である。
図18】(A)は図17のシートS4を横方向の破断ミシン46から大きく二つに折り畳んだ状態を示す平面図、(B)は(A)におけるソ-ソ線断面図、(C)はタ-タ線断面図である。
図19】(A)は実施例4の防水折り畳み情報通信体J4における異なる態様の折り畳み情報通信体J4の表面図、(B)は裏面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明を、図面に沿って分かりやすく説明する。
本実施例で使用される疑似接着フィルムシートの構成は、例えばポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリプロピレン等からなる基材の一方の面に公知の感熱接着剤層を形成し、もう一方の面に疑似接着層を形成したサーマルラミネート用の疑似接着フィルムシートを好適に使用することが出来るがこれに限られることはない。
【0019】
既述の構成の疑似接着フィルムシートは、例えば葉片の表面に感熱接着剤層を介して被覆した後に、疑似接着層が対向するように折り畳み加圧或いは加熱・加圧処理を施すことにより接着するが、その後接着している対向葉片を引き剥がすと接着している疑似接着層から分離して剥離することができるものである。
【0020】
以下の実施例1から3に記載される防水折り畳み情報通信体J1、J2及びJ3は葉片の数が異なるが、その表裏面は図1(A)及び(B)に示す状態で共通する。従って3種類の実施例の防水折り畳み情報通信体J1、J2及びJ3の表面図及び裏面図は、図1(A)及び(B)を共通のものとして説明する。
【実施例1】
【0021】
[防水折り畳み情報通信体J1]
図1(A)、(B)及び図2(A)、(B)に示すように、本実施例の防水折り畳み情報通信体J1は、折り線及び破断ミシンを介して連接された4葉片が、縦横に折り畳まれたものである。その構成を詳述すると、図4(A)及び(B)に示すように、縦方向の折り線5及び横方向の破断ミシン6を介して縦横に連接された第一葉片1、第二葉片2、第三葉片3及び第四葉片4からなるシートS1が、図2(B)に示すように上から第一葉片1、第三葉片3、第四葉片4及び第二葉片2の順に重なるよう、前記縦方向の折り線5及び横方向の破断ミシン6から縦横に折り畳まれている。なお前記シートS1の表裏面には疑似接着フィルムシートGが全面的に被覆され、折り畳み後の対向葉片間は前記疑似接着フィルムシートGを介して剥離可能に接着されている。
【0022】
この防水折り畳み情報通信体J1の製造は、例えば図4(A)及び(B)に示すように、縦方向の折り線5を介して横方向に連接された第一葉片1と第二葉片2とからなる単位シートt1と、同様に第三葉片3と第四葉片4とからなる単位シートt2が横方向の破断ミシン6を介して縦方向に連接され、且つ表裏面が疑似接着フィルムシートGにより被覆されているシートS1により製造される。
【0023】
なお本実施例の場合既述の通り、前記横方向の破断ミシン6には破断が容易なミシンが設けられているが、縦方向の折り線5には折りミシンや折り筋等の折り手段は設けられていない。前記縦方向の折り線5に折り手段を形成しても構わないが必ずしもその必要はなく、公知の折り機等により強制的に折り畳んでも構わない。この点については以下の実施例についても同様である。
【0024】
既述の構成のシートS1は、第一葉片1と第二葉片2の裏面側が第三葉片3と第四葉片4の裏面側と対向するように、図5(A)、(B)及び(C)に示す状態に横方向の破断ミシン6から大きく二つ折りされる。そして前記折り畳みにより重なり合った縦方向の折り線5から第三葉片3と第四葉片4の表面側が対向するように折り畳まれて図2(A)に示す状態となる。その後加圧或いは加熱・加圧処理が施され、対向面間に介在する疑似接着フィルムシートG同士が剥離可能に接着され防水折り畳み情報通信体J1として一体化されるのである。
【0025】
この防水折り畳み情報通信体J1の受取人は、例えば図2(A)に示す第一葉片1と第三葉片3の対向面間を横方向の破断ミシン6を破断しながら剥離し、次に第二葉片2と第四葉片4の対向面間を横方向の破断ミシン6を破断しながら剥離する。最終的に本実施例の折り畳み情報通信体J1は、図3に示すように単位シートt1と単位シートt2が新聞紙面の状態に分離される。
【0026】
なお受取人は、既述の通り分離して平面に展開された各単位シートに記載されている各種情報を、透明な疑似接着フィルムシートGを透して読み取ることができる。その際に各単位シートは各葉片の表裏面がそれぞれ疑似接着フィルムシートGに被覆されているため、例えば用紙の一方の面に被覆した際に発生するカール現象が起きずストレスが生じない。また保存するに当たりカールが生じないので展開したままでも或いは折り畳んだ状態でも容易に引き出し等の保管場所内に収容することができ極めて至便である。この点については以下の実施例においても同様である。
【実施例2】
【0027】
[防水折り畳み情報通信体J2]
図1(A)、(B)及び図6(A)、(B)に示すように、本実施例の防水折り畳み情報通信体J2は、折り線及び破断ミシンを介して連接された6葉片が、縦横に折り畳まれたものである。その構成を詳述すると、図8(A)及び(B)に示すように、縦方向の折り線17及び横方向の破断ミシン18及び19を介して縦横に連接された第一葉片11、第二葉片12、第三葉片13、第四葉片14、第五葉片15及び第六葉片16からなるシートS2が、図6(B)に示すように上から第一葉片11、第三葉片13、第五葉片15、第六葉片16、第四葉片14及び第二葉片12の順に重なるよう、前記縦方向の折り線17及び横方向の破断ミシン18、19から縦横に折り畳まれている。なお前記シートS2の表裏面には疑似接着フィルムシートGが全面的に被覆され、折り畳み後の対向葉片間は前記疑似接着フィルムシートGを介して剥離可能に接着されている。
【0028】
この防水折り畳み情報通信体J2の製造は、例えば図8(A)及び(B)に示すように、縦方向の折り線17を介して横方向に連接された第一葉片11と第二葉片12とからなる単位シートt11と、第三葉片13と第四葉片14とからなる単位シートt12及び第五葉片15と第六葉片16とからなる単位シート13が横方向の破断ミシン18及び19を介して縦方向に連接され、且つ表裏面が疑似接着フィルムシートGにより被覆されているシートS2により製造される。
【0029】
なお本実施例の場合既述の通り、前記横方向の破断ミシン18及び19には破断が容易なミシンが設けられているが、縦方向の折り線17には折りミシンや折り筋等の折り手段は設けられていない。前記縦方向の折り線17に折り手段を形成しても構わないが必ずしもその必要はなく、公知の折り機等により強制的に折り畳んでも構わない。この点については以下の実施例についても同様である。
【0030】
既述の構成のシートS2は図9(A)、(B)及び(C)に示すように、横方向の破断ミシン18から第一葉片11と第二葉片12の裏面側が第三葉片13と第四葉片14の裏面側と対向するように折り畳まれ、また横方向の破断ミシン19からは第三葉片13と第四葉片14の表面側が第五葉片15と第六葉片16の表面側と対向するように蛇腹状に折り畳まれる。そして前記折り畳みにより重なり合った縦方向の折り線17から第五葉片15と第六葉片16の裏面側が対向するように折り畳まれて図6(A)に示す状態となる。その後加圧或いは加熱・加圧処理が施され、対向面間に介在する疑似接着フィルムシートG同士が剥離可能に接着され防水折り畳み情報通信体J2として一体化されるのである。
【0031】
この防水折り畳み情報通信体J2の受取人は、例えば図6(A)に示す第一葉片11と第三葉片13の対向面間を横方向の破断ミシン18を破断しながら剥離し、同様に各葉片の対向面間を横方向の破断ミシン18及び19を破断しながら剥離する。最終的に本実施例の折り畳み情報通信体J2は、図7に示すように単位シートt11、単位シートt12及び単位シートt13が新聞紙面の状態に分離される。
【0032】
なお受取人は、既述の通り分離して平面に展開された各単位シートに記載されている各種情報を、透明な疑似接着フィルムシートGを透して読み取ることができる。その際に各単位シートは各葉片の表裏面がそれぞれ疑似接着フィルムシートGに被覆されているため、例えば一方の面に被覆した際に発生するカール現象が起きずストレスが生じない。また保存するに当たりカールが生じないので展開したままでも或いは折り畳んだ状態でも容易に引き出し等の保管場所内に収容することができ極めて至便である。
【実施例3】
【0033】
[防水折り畳み情報通信体J3]
図1(A)、(B)及び図10(A)、(B)に示すように、本実施例の防水折り畳み情報通信体J3は、折り線及び破断ミシンを介して連接された8葉片が、縦横に折り畳まれたものである。その構成を詳述すると、図12(A)及び(B)に示すように、縦方向の折り線29及び横方向の破断ミシン30、31及び32を介して縦横に連接された第一葉片21、第二葉片22、第三葉片23、第四葉片24、第五葉片25、第六葉片26、第七葉片27及び第八葉片28からなるシートS3が、図10(B)に示すように上から第一葉片21、第三葉片23、第五葉片25、第七葉片27、第八葉片28、第六葉片26、第四葉片24及び第二葉片22の順に重なるよう、前記縦方向の折り線29及び横方向の破断ミシン30、31及び32から縦横に折り畳まれている。なお前記シートS3の表裏面には疑似接着フィルムシートGが全面的に被覆され、折り畳み後の対向葉片間は前記疑似接着フィルムシートGを介して剥離可能に接着されている。
【0034】
この防水折り畳み情報通信体J3の製造は、例えば図12(A)及び(B)に示すように、縦方向の折り線29を介して横方向に連接された第一葉片21と第二葉片22とからなる単位シートt21、第三葉片23と第四葉片24とからなる単位シートt22、第五葉片25と第六葉片26とからなる単位シート23及び第七葉片27と第八葉片28からなる単位シートt24が横方向の破断ミシン30、31及び32を介して縦方向に連接され、且つ表裏面が疑似接着フィルムシートGにより被覆されているシートS3により製造される。
【0035】
なお本実施例の場合既述の通り、前記横方向の破断ミシン30、31及び32には破断が容易なミシンが設けられているが、縦方向の折り線29には折りミシンや折り筋等の折り手段は設けられていない。前記縦方向の折り線29に折り手段を形成しても構わないが必ずしもその必要はなく、公知の折り機等により強制的に折り畳んでも構わない。
【0036】
既述の構成のシートS3は図13(A)、(B)及び(C)に示すように、横方向の破断ミシン30から第一葉片21と第二葉片22の裏面側が第三葉片23と第四葉片24の裏面側と対向するように、また横方向の破断ミシン31から第三葉片23と第四葉片24の表面側が第五葉片25と第六葉片26の表面側と対向するように、さらに横方向の破断ミシン32から第五葉片25と第六葉片26の裏面側が第七葉片27と第八葉片28の裏面側と対向するように蛇腹状に折り畳まれる。そして前記折り畳みにより重なり合った縦方向の折り線29から第七葉片27と第八葉片28の表面側が対向するように折り畳まれて図10(A)に示す状態となる。その後加圧或いは加熱・加圧処理が施され、対向面間に介在する疑似接着フィルムシートG同士が剥離可能に接着され防水折り畳み情報通信体J3として一体化されるのである。
【0037】
この防水折り畳み情報通信体J3の受取人は、例えば図10(A)に示す第一葉片21と第三葉片23の対向面間を横方向の破断ミシン30を破断しながら剥離し、同様に各葉片の対向面間を横方向の破断ミシン30、31及び32を破断しながら剥離する。最終的に本実施例の折り畳み情報通信体J3は、図11に示すように単位シートt21、単位シートt22、単位シートt23及び単位シートt24が新聞紙面の状態に分離される。
【0038】
なお受取人は、既述の通り分離して平面に展開された各単位シートに記載されている各種情報を、透明な疑似接着フィルムシートGを透して読み取ることができる。その際に各単位シートは各葉片の表裏面がそれぞれ疑似接着フィルムシートGに被覆されているため、例えば一方の面に被覆した際に発生するカール現象が起きずストレスが生じない。また保存するに当たりカールが生じないので展開したままでも或いは折り畳んだ状態でも容易に引き出し等の保管場所内に収容することができ極めて至便である。
【実施例4】
【0039】
[防水折り畳み情報通信体J4]
図14(A)、(B)及び図15(A)、(B)に示すように、本実施例の防水折り畳み情報通信体J4は、折り線及び破断ミシンを介して連接された4葉片が、縦横に折り畳まれたものである。その構成を詳述すると、図17(A)及び(B)に示すように、縦方向の折り線45及び横方向の破断ミシン46を介して縦横に連接された第一葉片41、第二葉片42、第三葉片43及び第四葉片44からなるシートS4が、図15(B)に示すように上から第三葉片43、第一葉片41、第二葉片42及び第四葉片44の順に重なるよう、前記縦方向の折り線45及び横方向の破断ミシン46から縦横に折り畳まれている。なお前記シートS4の表裏面には疑似接着フィルムシートGが全面的に被覆され、折り畳み後の対向葉片間は前記疑似接着フィルムシートGを介して剥離可能に接着されている。
【0040】
この防水折り畳み情報通信体J4の製造は、例えば図17(A)及び(B)に示すように、縦方向の折り線45を介して横方向に連接された第一葉片41と第二葉片42とからなる単位シートt31及び第三葉片43と第四葉片44とからなる単位シートt32が横方向の破断ミシン46を介して縦方向に連接され、且つ表裏面が疑似接着フィルムシートGにより被覆されているシートS4により製造される。
【0041】
なお本実施例の場合も既述の通り、前記横方向の破断ミシン46には破断が容易なミシンが設けられているが、縦方向の折り線45には折りミシンや折り筋等の折り手段は設けられていない。前記縦方向の折り線45に折り手段を形成しても構わないが必ずしもその必要はなく、公知の折り機等により強制的に折り畳んでも構わない。
【0042】
既述の構成のシートS4は図18(A)、(B)及び(C)に示すように、横方向の破断ミシン46から第一葉片41と第二葉片42の裏面側が第三葉片43と第四葉片44の裏面側と対向するように大きく二つ折りされる。そして前記折り畳みにより重なり合った縦方向の折り線45から第一葉片41及び第二葉片42の表面側が対向するように折り畳まれて図14(A)に示す状態となる。その後加圧或いは加熱・加圧処理が施され、対向面間に介在する疑似接着フィルムシートG同士が剥離可能に接着され防水折り畳み情報通信体J4として一体化されるのである。
【0043】
この防水折り畳み情報通信体J4の受取人は、例えば図15(A)に示す第三葉片43と第一葉片41の対向面間を両葉片の開封端縁に沿って形成されている段差を剥離の端緒として、横方向の破断ミシン46を破断しながら剥離し、同様に第二葉片42と第四葉片44の対向面間を横方向の破断ミシン46を破断しながら剥離する。
【0044】
前記操作により単位シートt32が単位シートt31から分離される。そして前記単位シートt31の第一葉片41と第二葉片42を図15(B)に示す両葉片の開封端縁に沿って形成されている段差を剥離の端緒として開封することで、最終的に本実施例の折り畳み情報通信体J4は、図16に示すように単位シートt31、及び単位シートt32が新聞紙面の状態に分離される。
【0045】
なお受取人は、既述の通り分離して平面に展開された各単位シートに記載されている各種情報を、透明な疑似接着フィルムシートGを透して読み取ることができる。その際に各単位シートは各葉片の表裏面がそれぞれ疑似接着フィルムシートGに被覆されているため、例えば一方の面に被覆した際に発生するカール現象が起きずストレスが生じない。また保存するに当たりカールが生じないので展開したままでも或いは折り畳んだ状態でも容易に引き出し等の保管場所内に収容することができ極めて至便である。
【0046】
また、本実施例4では防水折り畳み情報通信体J4を図14(A)に示す面を表面、図(B)を裏面としているが、例えば図19(A)及び(B)に示すように、表裏面を入れ替えても構わない。
【0047】
なお本発明は上記実施例に限られるものではない。
例えばシートの折り畳み態様は蛇腹折り以外に、巻き折りや観音開き折り等でも構わず、さらにそれら折り態様の混合形態でも構わない。それら折り畳まれたシートは最終的に二つ折りされる。
【0048】
また横方向の破断ミシンで縦方向に連接される葉片の数にも制限はない。
【0049】
さらに前記各実施例では図面及び説明を容易にするため開封端面が揃った状態で表示されているが、例えば各葉片対向面の剥離開始の端緒となる段差等を形成しても構わない。前記段差は各葉片の横幅や縦幅に差を設け、折り畳み後に端面が一致せず剥離側の縁辺に沿って形成したり、コーナーカットにより開封箇所のコーナー部分を形成したりすることにより容易に形成することができる。
【符号の説明】
【0050】
J1、J2、J3、J4 防水折り畳み情報通信体
S1、S2、S3、S4 シート
G 疑似接着フィルムシート
t1、t2、t11、t12、t13、t21、t22、t23、t24、t31、t32 単位シート
1、2、3、4、11、12、13、14、15、16、21、22、23、24、25,26、27、28、41、42、43、44 葉片
5、17、29、45 縦方向の折り線
6、18、19、30、31、32、46 横方向の破断ミシン
図1
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