(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】通信制御装置、通信制御システム、および、通信制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240216BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20240216BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20240216BHJP
H02J 50/60 20160101ALI20240216BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02J50/10
H02J50/80
H02J50/60
(21)【出願番号】P 2020064904
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2022-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楢木 淳利
(72)【発明者】
【氏名】近藤 康之
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-129942(JP,A)
【文献】特開2014-007949(JP,A)
【文献】特開2015-233393(JP,A)
【文献】特開2017-038509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00-50/90
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車室内に配置された非接触充電部に対して載置または接近された、非接触充電が可能な携帯端末の端末情報を第1の非接触通信方式に基づいた通信を介して取得する取得部と、
前記非接触充電部と関連付けて前記車両内に配置されており、かつ、第2の非接触通信方式に基づいた通信を行うことが可能な非接触通信部による前記携帯端末への情報の送信を、前記取得部で取得された前記端末情報に基づく前記携帯端末の機種に基づいて制御する通信制御部と、
前記非接触充電部に関連付けて前記車室内に配置されている表示部による情報の表示を、前記携帯端末の機種が所定の機種であると判定されたか否かと、非接触式の充電に関する状態の変化の検出結果とに基づいて制御する表示制御部と、
を備える、通信制御装置。
【請求項2】
前記通信制御部は、前記非接触通信部による前記携帯端末への情報の送信を、前記携帯端末の機種が所定の機種であると判定されたか否かに基づいて制御する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記携帯端末の機種が前記所定の機種であると判定された場合、前記通信制御部は、前記非接触通信部による前記携帯端末への前記第2の非接触通信方式に基づいた、情報の送信を開始させないように前記非接触通信部を制御する、請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記携帯端末の機種が前記所定の機種ではないと判定された場合、前記通信制御部は、前記非接触通信部による前記携帯端末への前記第2の非接触通信方式に基づいた、情報の送信の開始を可能とするように前記非接触通信部を制御する、請求項2または3に記載の通信制御装置。
【請求項5】
前記所定の機種は、前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部へ送信するよりも前に前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部から受信した場合、所定の処理を実行する機種である、請求項2~4のいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項6】
前記携帯端末の機種が前記所定の機種であると判定された場合、前記通信制御部は、前記所定の処理が実行されないことを前記携帯端末のユーザーに通知するための第1の通知情報を前記携帯端末へ送信するように前記非接触通信部を制御する、請求項5に記載の通信制御装置。
【請求項7】
前記所定の処理は、所定の決済に関連する処理である、請求項5または6に記載の通信制御装置。
【請求項8】
前記非接触充電部に対して前記携帯端末が載置または接近されることに応じて、前記非接触充電部による前記携帯端末に対する非接触式の充電を制御する充電制御部をさらに備える、請求項2~7のいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項9】
前記非接触充電部による前記携帯端末に対する非接触式の充電が開始された後、前記通信制御部は、前記携帯端末の機種と、非接触式の充電に関する状態の変化の検出結果とに基づいて、前記検出結果に対応する情報を前記携帯端末のユーザーに通知するための第2の通知情報を前記携帯端末に対して送信するように前記非接触通信部を制御する、請求項2~8のいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項10】
前記所定の機種は、前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部へ送信するよりも前に前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部から受信した場合、所定の処理を実行する機種であり、
前記携帯端末の機種が前記所定の機種ではないと判定された場合であって、かつ、非接触式の充電に関する状態が所定の状態に変化したことを前記検出結果が示す場合、前記通信制御部は、前記第2の通知情報を前記携帯端末へ送信するように前記非接触通信部を制御する、請求項9に記載の通信制御装置。
【請求項11】
前記所定の機種は、前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部へ送信するよりも前に前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部から受信した場合、所定の処理を実行する機種であり、
前記非接触通信部による前記携帯端末への前記第2の非接触通信方式に基づいた、情報の送信が開始されていない間に、前記第2の非接触通信方式に基づいた情報が前記携帯端末から受信された場合であって、かつ、非接触式の充電に関する状態が所定の状態に変化したことを前記検出結果が示す場合、前記通信制御部は、前記携帯端末の機種が前記所定の機種であるか否かに関わらずに、前記第2の通知情報を前記携帯端末へ送信するように前記非接触通信部を制御する、請求項9または10に記載の通信制御装置。
【請求項12】
前記検出結果に対応する情報は、非接触式の充電に関する状態が前記所定の状態に変化したことを示す情報である、請求項10または11に記載の通信制御装置。
【請求項13】
非接触式の充電に影響を与え得る異物が前記非接触充電部の近辺に存在すると判定された場合、前記通信制御部は、前記非接触通信部による前記携帯端末への、前記異物が存在することを前記携帯端末のユーザーに通知するための第3の通知情報の送信を、前記携帯端末の機種に基づいて制御する、請求項8~12のいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項14】
前記所定の機種は、前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部へ送信するよりも前に前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部から受信した場合、所定の処理を実行する機種であり、
前記携帯端末の機種が前記所定の機種ではないと判定された場合であって、かつ、前記異物が前記非接触充電部の近辺に存在すると判定された場合、前記通信制御部は、前記第3の通知情報を前記携帯端末へ送信するように前記非接触通信部を制御する、請求項13に記載の通信制御装置。
【請求項15】
前記第2の非接触通信方式は、NFC(Near Field Communication)に基づいた通信方式であり、
前記通信制御部は、前記携帯端末以外の前記NFCの反応の有無が前記非接触通信部により検出されたか否かを判定し、
前記異物が前記非接触充電部の近辺に存在するか否かを当該判定結果に基づいて判定する、請求項13または14に記載の通信制御装置。
【請求項16】
前記所定の機種は、前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部へ送信するよりも前に前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部から受信した場合、所定の処理を実行する機種であり、
前記携帯端末の機種が前記所定の機種であると判定された場合、前記表示制御部は、前記表示部により表示される情報が、非接触式の充電に関する状態の変化の検出結果に応じて変わるように前記表示部を制御する、請求項
1~15のいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項17】
前記第2の非接触通信方式は、所定の近距離無線通信に基づいた通信方式である、請求項1~1
6のいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項18】
前記第1の非接触通信方式は、所定のワイヤレス給電に基づいた通信方式である、請求項1~1
7のいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項19】
前記携帯端末の機種が所定の機種であるか否かを前記取得部により取得された前記端末情報に基づいて判定する判定部をさらに備え、
前記通信制御部は、前記非接触通信部による前記携帯端末への情報の送信を、前記判定部による判定結果に基づいて制御する、請求項1~1
8のいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項20】
前記通信制御部は、前記取得部により取得された前記端末情報に対応する機種の問合せ要求を、ネットワークを介して前記通信制御装置の外部の装置へ送信するように通信部を制御し、
前記問合せ要求に対する回答が前記外部の装置から前記通信部により受信された場合、前記通信制御部は、前記非接触通信部による前記携帯端末への情報の送信を、前記回答に基づいて特定される前記携帯端末の機種に基づいて制御する、請求項1~1
8のいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項21】
車両の車室内に配置された非接触充電部に対して載置または接近された、非接触充電が可能な携帯端末の端末情報を第1の非接触通信方式に基づいた通信を介して取得する取得部と、
前記非接触充電部と関連付けて前記車両内に配置されており、かつ、第2の非接触通信方式に基づいた通信を行うことが可能な非接触通信部による前記携帯端末への情報の送信を、前記取得部で取得された前記端末情報に基づく前記携帯端末の機種に基づいて制御する通信制御部と、
前記非接触充電部に関連付けて前記車室内に配置されている表示部による情報の表示を、前記携帯端末の機種が所定の機種であると判定されたか否かと、非接触式の充電に関する状態の変化の検出結果とに基づいて制御する表示制御部と、
を備える、通信制御システム。
【請求項22】
前記非接触充電部に対して前記携帯端末が載置または接近されることに応じて、前記非接触充電部による前記携帯端末に対する非接触式の充電を制御する充電制御部をさらに備える、請求項2
1に記載の通信制御システム。
【請求項23】
前記非接触充電部と、
前記非接触通信部と、をさらに備える、請求項2
1または2
2に記載の通信制御システム。
【請求項24】
通信制御装置で実行される通信制御方法であって、
車両の車室内に配置された非接触充電部に対して載置または接近された、非接触充電が可能な携帯端末の端末情報を第1の非接触通信方式に基づいた通信を介して取得することと、
前記非接触充電部と関連付けて前記車両内に配置されており、かつ、第2の非接触通信方式に基づいた通信を行うことが可能な非接触通信部による前記携帯端末への情報の送信を、取得された前記端末情報に基づく前記携帯端末の機種に基づいて制御することと、
前記非接触充電部に関連付けて前記車室内に配置されている表示部による情報の表示を、前記携帯端末の機種が所定の機種であると判定されたか否かと、非接触式の充電に関する状態の変化の検出結果とに基づいて制御することと、
を含む、通信制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信制御装置、通信制御システム、および、通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばNFC(Near Field Communication)などの近距離無線通信が可能な処理回路を搭載した例えばスマートフォンなどの携帯端末が普及している。また、このような携帯端末に対して、無線電力伝送技術を用いて非接触式で充電可能な充電装置も開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
さらに特許文献2には、非接触式の充電装置から携帯端末への送電中に異物の存在が検出された場合、充電装置と携帯端末との間のNFC通信を可能とするように、充電装置において送電部とNFCチップとの接続経路を選択して切り替える技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-007949号公報
【文献】特開2015-154159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の技術では、携帯端末の機種を考慮せずに、携帯端末と充電装置との間の通信を一律に制御してしまう。
【0006】
そこで、本開示は、非接触充電部に対して載置または接近された携帯端末の機種に応じて、当該携帯端末への非接触通信方式に基づいた通信を適切に制御することが可能な、通信制御装置、通信制御システム、および、通信制御方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、車両の車室内に配置された非接触充電部に対して載置または接近された、非接触充電が可能な携帯端末の端末情報を第1の非接触通信方式に基づいた通信を介して取得する取得部と、前記非接触充電部と関連付けて前記車両内に配置されており、かつ、第2の非接触通信方式に基づいた通信を行うことが可能な非接触通信部による前記携帯端末への情報の送信を、前記取得部で取得された前記端末情報に基づく前記携帯端末の機種に基づいて制御する通信制御部と、前記非接触充電部に関連付けて前記車室内に配置されている表示部による情報の表示を、前記携帯端末の機種が所定の機種であると判定されたか否かと、非接触式の充電に関する状態の変化の検出結果とに基づいて制御する表示制御部と、を備える、通信制御装置が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、車両の車室内に配置された非接触充電部に対して載置または接近された、非接触充電が可能な携帯端末の端末情報を第1の非接触通信方式に基づいた通信を介して取得する取得部と、前記非接触充電部と関連付けて前記車両内に配置されており、かつ、第2の非接触通信方式に基づいた通信を行うことが可能な非接触通信部による前記携帯端末への情報の送信を、前記取得部で取得された前記端末情報に基づく前記携帯端末の機種に基づいて制御する通信制御部と、前記非接触充電部に関連付けて前記車室内に配置されている表示部による情報の表示を、前記携帯端末の機種が所定の機種であると判定されたか否かと、非接触式の充電に関する状態の変化の検出結果とに基づいて制御する表示制御部と、を備える、通信制御システムが提供される。
【0009】
また、本開示によれば、通信制御装置で実行される通信制御方法であって、車両の車室内に配置された非接触充電部に対して載置または接近された、非接触充電が可能な携帯端末の端末情報を第1の非接触通信方式に基づいた通信を介して取得することと、前記非接触充電部と関連付けて前記車両内に配置されており、かつ、第2の非接触通信方式に基づいた通信を行うことが可能な非接触通信部による前記携帯端末への情報の送信を、取得された前記端末情報に基づく前記携帯端末の機種に基づいて制御することと、前記非接触充電部に関連付けて前記車室内に配置されている表示部による情報の表示を、前記携帯端末の機種が所定の機種であると判定されたか否かと、非接触式の充電に関する状態の変化の検出結果とに基づいて制御することと、を含む、通信制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本開示によれば、非接触充電部に対して載置または接近された携帯端末の機種に応じて、当該携帯端末への非接触通信方式に基づいた通信を適切に制御することができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る車両の車室1の内部の一例を示した斜視図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係る充電装置9の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3A】
図3Aは、同実施形態に係る携帯端末30の外観の一例を示した図である。
【
図3B】
図3Bは、同実施形態に係る携帯端末30における決済アプリケーションの画面の表示例を示した図である。
【
図4】
図4は、同実施形態に係る携帯端末30における、充電状態が所定の状態になったことを示すメッセージ330の表示例を示した図である。
【
図5】
図5は、同実施形態に係る処理フローの一例の一部を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、同実施形態に係る処理フローの一例の一部を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、同実施形態に係る処理フローの一例の一部を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、同実施形態に係る通信制御装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、同実施形態の変形例に係る、携帯端末30における決済アプリケーションの画面の表示時におけるメッセージ320の表示例を示した図である。
【
図10】
図10は、同変形例に係る処理フローの一部を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
<<1.実施の形態>>
<1-1.車室1の構成例>
図1は、本開示の実施形態に係る車両の車室1の内部の一例を示した斜視図である。
図1に示すように、車室1には、例えば、ハンドル3、ダッシュボード4、メータパネル(計器盤)5、センターディスプレイ7、および、充電装置9などが配置されている。例えば、車室1において運転席(図示省略)に対向して、ハンドル3およびメータパネル5が配置されている。
【0014】
ハンドル3は、運転者が車両の操舵を指示するための物理デバイスである。
【0015】
メータパネル5は、車両内の状態または車両外の状況を示す情報を運転者に視覚的に通知(例えば表示等)するための装置である。このメータパネル5は、例えばダッシュボード4に配置されている。メータパネル5は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)またはOLED(Organic Light Emitting Diode)などのディスプレイや、1以上のLED(Light Emitting Diode)などの発光部を含んで構成されてもよい。
【0016】
また、
図1に示すように、センターディスプレイ7は、例えばダッシュボード4においてメータパネル5の側方に配置される。センターディスプレイ7は、例えば表示部および操作部を含んで構成されており、例えば車両内に搭載されている一以上のECU(Engine Control Unit)と接続され得る。この表示部は、例えばLCDまたはOLEDなどのディスプレイを含んで構成される。表示部は、各種のアプリケーション(例えばカーナビゲーション、音楽再生アプリケーション、テレビ再生アプリケーションなど)の表示画面を、センターディスプレイ7に内蔵され得る一以上のCPU(Central Processing Unit)または当該一以上のECUによる制御に基づいて表示可能である。また、操作部は、例えば操作用のボタンや、タッチパネルなどのユーザインタフェースなどを含んで構成される。なお、表示部および操作部は、例えばタッチディスプレイなどとして一体的に構成されてもよい。
【0017】
充電装置9は、非接触式で充電を行うことが可能な装置である。充電装置9は、本開示に係る通信制御システムの一例である。例えば、充電装置9に含まれる非接触充電部22に対して、非接触充電が可能な携帯端末30が載置または接近された場合、充電装置9は、携帯端末30に対して非接触式で充電を行うことが可能である。
図1に示すように、充電装置9は、例えばダッシュボード4(例えばセンターディスプレイ7の付近など)に対向し、かつ、運転席の側方などに配置され得る。
【0018】
<1-2.充電装置9の構成例>
ここで、
図2を参照して、充電装置9の機能構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る充電装置9の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、充電装置9は、例えば、非接触通信部20、非接触充電部22、通信部24、表示部26、および、通信制御装置10を含む。
【0019】
(1-2-1.非接触充電部22)
非接触充電部22は、通信制御装置10(例えば、後述する充電制御部116など)の制御に従って、非接触充電部22に対して載置または接近された携帯端末30に対して非接触式で充電を行う。例えば、非接触充電部22は、電磁誘導の原理を用いた所定のワイヤレス給電方式(例えばQi規格など)に基づいて充電を行う。
【0020】
また、非接触充電部22は、載置または接近された携帯端末30との間で当該所定のワイヤレス給電に基づいた通信方式を用いた通信を行うことが可能である。これにより、非接触充電部22は、(当該所定のワイヤレス給電方式に対応している)携帯端末30が非接触充電部22に対して載置または接近されているか否かを検出することができる。なお、当該所定のワイヤレス給電に基づいた通信方式は、本開示に係る第1の非接触通信方式の一例である。
【0021】
(1-2-2.非接触通信部20)
非接触通信部20は、通信制御装置10(例えば、後述する通信制御部114など)の制御に従って、所定の近距離無線通信の通信方式(例えばNFCなど)に基づいた非接触式の通信を行うことが可能である。なお、後述するように、非接触通信部20は、所定の無線通信規格(例えばBluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)など)に沿った通信を可能とするためのペアリング用情報を当該非接触式通信により携帯端末30から受信することが可能である。この場合、例えば、有線または無線により充電装置9に接続されているカーオーディオ機器(例えばセンターディスプレイ7など)へ当該ペアリング用情報が送信されることにより、当該カーオーディオ機器と携帯端末30との間で、当該所定の無線通信規格に沿った通信のための自動接続(例えばペアリングなど)が可能となり得る。
【0022】
例えば、非接触通信部20は、非接触充電部22に対して載置または接近された、当該所定の近距離無線通信の通信方式に対応している携帯端末30との間で、この通信方式に基づいた非接触式の通信を行うことが可能である。なお、充電装置9において、非接触充電部22および非接触通信部20は関連付けて配置され得る。例えば、非接触充電部22および非接触通信部20は、充電装置9内で隣接して配置されていてもよいし、または、一体的に構成されていてもよい。
【0023】
(1-2-3.通信部24)
通信部24は、通信制御装置10(例えば、後述する通信制御部114など)の制御に従って、上記所定の近距離無線通信の通信方式とは異なる通信方式を用いて、充電装置9の外部の装置と通信を行うことが可能である。例えば、通信部24は、車載ネットワーク(例えばCAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、FlexRay(登録商標)、Ethernet(登録商標)など)を介して、車両内に配置されている一以上のECUとの間で通信を行うことが可能であってもよい。
【0024】
追加的に、または、代替的に、通信部24は、車両の外部の装置(例えば、データセンタ、路側機、または、他の車両など)と例えばIP(Internet Protocol)などの通信プロトコルを用いた無線通信を行うことが可能であってもよい。例えば、通信部24は、携帯電話網(セルラー網)、無線LAN(Local Area Network)、ETC(Electronic Toll Collection System)、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、V2I(Vehicle-to-Infrastructure)、および、V2V(Vehicle-to-Vehicle)のうちの少なくとも1つを介して車両の外部の装置と通信を行う。
【0025】
(1-2-4.表示部26)
表示部26は、例えばLCDまたはOLEDなどのディスプレイ、および/または、1以上のLEDなどの発光部を含んで構成される。表示部26は、通信制御装置10(例えば、後述する表示制御部118など)の制御に従って、例えば1以上の画像や1以上の文字列などの表示情報を表示可能であってもよいし、または、発する光の色、光の輝度、または、光の点滅パターンなどを変更可能であってもよい。
【0026】
<1-3.課題の整理>
以上、充電装置9に含まれる、通信制御装置10以外の各構成要素について説明した。ところで、公知の携帯端末の中には、上記の所定の近距離無線通信の通信方式に基づいた通信が行われる時に所定の処理(例えば所定の決済に関連する処理など)を自動的に実行する機種が存在することが想定される。ここで、上記所定の決済に関連する処理は、上記所定の決済に関連する情報の表示制御や通信制御に関する処理であってもよいし、または、上記所定の決済自体を実行する処理であってもよい。
【0027】
しかしながら、公知の技術(例えば特許文献2に記載の技術など)では、非接触式の充電装置に対して載置または接近された携帯端末の機種を考慮せずに、当該充電装置と当該携帯端末との間の通信を一律に制御してしまう。
【0028】
ここで、
図3Aおよび
図3Bを参照して、この内容について詳細に説明する。
図3Aは、携帯端末30の外観の一例を示した図である。例えば、
図3Aは、公知技術による非接触式の充電装置と携帯端末30との間で、上記所定の近距離無線通信の通信方式に基づいた通信が開始される前において、表示部300における画像(ロック画面など)の表示例を示している。なお、ここでは、携帯端末30の機種は、上記の所定の近距離無線通信の通信方式に基づいた通信の開始時に、所定の決済アプリケーションが自動的に起動するような機種であるものとする。
【0029】
また、
図3Bは、この通信の開始以後における表示部300における画像の表示例を示した図である。
図3Bに示したように、この通信の開始以後、携帯端末30は、当該所定の決済アプリケーションの所定の画面(例えば起動画面など)を表示部300に自動的に表示する。このため、この携帯端末30を使用中のユーザーは、当該所定の決済アプリケーションによる何らかの決済処理(例えば課金処理など)が自動的に実行されるのではないかと誤解し、驚き得る。その結果、ユーザーは、このまま充電装置に対して携帯端末30を載置または接近しておくと、何らかの決済処理が自動的に実行されてしまうのではないかと誤解し得るので、この充電装置の利用を中止したいと判断する恐れがある。
【0030】
そこで、上記事情を一着眼点にして、本実施形態に係る通信制御装置10を創作するに至った。本実施形態によれば、通信制御装置10は、非接触充電部22に対して載置または接近された携帯端末30の端末情報を上記第1の非接触通信方式に基づいた通信を介して取得する。ここで、携帯端末30の端末情報は、携帯端末30を特定するための情報であり、例えば端末のメーカー情報、端末のモデル名、および、端末のデバイスIDなどを含み得る。そして、通信制御装置10は、非接触通信部20による携帯端末30への情報の送信を、取得された端末情報に基づく携帯端末30の機種に基づいて制御することが可能である。これにより、通信制御装置10は、携帯端末30の機種に応じて、携帯端末30への非接触通信方式に基づいた、情報の送信を適切に制御することができる。
【0031】
<1-4.通信制御装置10の構成例>
次に、本実施形態に係る通信制御装置10の構成例について、
図2を参照して詳細に説明する。なお、すでに説明した内容と同様の内容について説明を省略することとする。
【0032】
図2に示すように、通信制御装置10は、制御部100を有する。制御部100は、後述するプロセッサ150およびメモリ152などを含んで構成される。制御部100は、通信制御装置10を統括的に制御する。また、
図2に示すように、制御部100は、端末情報取得部110、判定部112、通信制御部114、充電制御部116、および、表示制御部118を含む。
【0033】
{1-4-1.端末情報取得部110}
端末情報取得部110は、本開示に係る取得部の一例である。端末情報取得部110は、非接触充電部22に対して載置または接近された携帯端末30の端末情報を上記当該所定のワイヤレス給電に基づいた通信方式に基づいた通信を介して取得する。
【0034】
例えば、後述する充電制御部116の制御により、非接触充電部22は、当該所定のワイヤレス給電に基づいた通信方式による通信を常時行うことにより、非接触充電部22に対して携帯端末30が載置または接近されたか否かを検出し得る。そして、非接触充電部22に対して携帯端末30が載置または接近されたことが検出された場合、充電制御部116の制御により、非接触充電部22は、当該所定のワイヤレス給電に基づいた通信方式による通信により、携帯端末30の端末情報を携帯端末30から受信し得る。この場合、端末情報取得部110は、非接触充電部22により受信された端末情報を非接触充電部22から取得し得る。
【0035】
{1-4-2.判定部112}
判定部112は、非接触充電部22に対して載置または接近された携帯端末30の機種が所定の機種(以下では「特定の機種」と称する場合がある)であるか否かを、端末情報取得部110により取得された端末情報に基づいて判定する。ここで、特定の機種とは、例えば、当該所定の近距離無線通信の通信方式に基づいた情報を非接触通信部22へ送信するよりも前に当該所定の近距離無線通信の通信方式に基づいた情報を非接触通信部22から受信した場合、所定の処理を自動的に行う機種であり得る。
【0036】
例えば、携帯端末30の機種が上記特定の機種であるか否かと携帯端末30の端末情報との対応関係を示すデータが、通信制御装置10内の記憶部(図示省略)に予め格納され得る。この場合、判定部112は、まず、端末情報取得部110により取得された端末情報と、当該対応関係を示すデータとを照合することにより、携帯端末30の機種がどの機種であるかを特定し得る。そして、判定部112は、特定した機種が上記特定の機種と同一であるか否かを判定し得る。
【0037】
{1-4-3.通信制御部114}
(1-4-3-1.第1の制御例)
通信制御部114は、非接触通信部20による携帯端末30への情報の送信を、判定部112による判定結果に基づいて制御する。例えば、携帯端末30の機種が上記特定の機種であると判定部112により判定された場合、通信制御部114は、非接触通信部20による携帯端末30への、上記所定の近距離無線通信の通信方式に基づいた、情報の送信を開始させないように非接触通信部20を制御する。
【0038】
これによれば、例えば上記所定の近距離無線通信の通信方式に基づいた、何らかの情報を携帯端末30から通信制御装置10が受信しない限り、非接触通信部20による携帯端末30への、上記所定の近距離無線通信の通信方式に基づいた、情報の送信が開始されることはない。従って、以下の効果が得られる。上記の所定の近距離無線通信の通信方式に基づいた通信の開始前では、例えば
図3Aに示した表示例のように、携帯端末30の表示部300には、上記所定の処理に対応する表示画面(例えば上記所定の決済アプリケーションの画面など)とは異なる表示画面(例えばロック画面など)が表示されている。上記の制御例によれば、この場合、非接触通信部20による携帯端末30への、上記所定の近距離無線通信の通信方式に基づいた、情報の送信が開始されることはないので、携帯端末30において、上記所定の処理が自動的に実行されることは無い。従って、(例えば
図3Bに示した公知技術による表示例とは異なり)上記所定の処理に対応する表示画面が携帯端末30の表示部300に自動的に表示されることを防止することができる。
【0039】
別の例では、携帯端末30の機種が上記特定の機種ではないと判定部112により判定された場合、通信制御部114は、非接触通信部20による携帯端末30への、上記所定の近距離無線通信の通信方式に基づいた、情報の送信の開始を可能とするように非接触通信部20を制御してもよい。
【0040】
(1-4-3-2.第2の制御例)
非接触充電部22による携帯端末30に対する非接触式の充電の開始後は、通信制御部114は、以下で述べる制御をさらに行い得る。具体的には、当該充電の開始後、通信制御部114は、判定部112による判定結果と、非接触式の充電に関する状態の変化の検出結果とに基づいて、当該検出結果に対応する情報をユーザーに通知するための第2の通知情報の、携帯端末30に対する送信を制御し得る。例えば、携帯端末30の機種が上記特定の機種ではないと判定部112により判定された場合であって、かつ、当該充電に関する状態が、後述する「所定の状態」に変化したことを当該検出結果が示す場合、通信制御部114は、当該充電に関する状態が上記所定の状態に変化したことを通知するための当該第2の通知情報を携帯端末30へ非接触通信部20に送信させてもよい。なお、当該検出結果は、非接触充電部22の検出処理により取得され得る。
【0041】
または、非接触通信部20による携帯端末30への上記所定の近距離無線通信の通信方式に基づいた、情報の送信が開始されていない間に、当該所定の近距離無線通信の通信方式に基づいた何らかの情報が携帯端末30から受信された場合、通信制御部114は、以下のような制御を行ってよい。この場合であって、かつ、当該充電に関する状態が当該所定の状態に変化したことを当該検出結果が示す場合、通信制御部114は、携帯端末30の機種が上記特定の機種であるか否かに関わらずに、当該第2の通知情報を携帯端末30へ送信するように非接触通信部20を制御してもよい。
【0042】
ここで、当該第2の通知情報は、非接触充電部22による充電に関する状態が上記所定の状態に変化したことをユーザーに通知するための文字列(例えば「スマートフォンの温度上昇により、充電速度を低下しました。」など)を含んでもよい。この場合、当該第2の通知情報が携帯端末30へ送信されることにより、携帯端末30は、例えば
図4に示す表示例のように、当該第2の通知情報の内容を示すメッセージ330(例えばポップアップウィンドウなど)を表示部300に表示し得る。これによれば、当該充電に関する状態が上記所定の状態に変化したことをユーザーに知らせることができる。なお、
図4は、当該第2の通知情報が携帯端末30へ送信された際の携帯端末30の表示部300における画像の表示例を示す図である。
【0043】
なお、当該第2の通知情報は、前述した例に限定されず、例えば以下で述べるような他の種類の情報であってもよい。例えば、非接触充電部22に対して載置または接近されている携帯端末30が急速充電モードに対応していることが特定された場合、当該第2の通知情報は、非接触充電部22による充電の充電モードを急速充電モードへユーザーが移行可能とするGUI(Graphical User Interface)(例えばポップアップまたはアイコンなど)を携帯端末30に表示させるための制御情報であってもよい。または、当該第2の通知情報は、下記の「所定の変更処理」の実行をユーザーに開始可能とさせるGUI(例えばポップアップまたはアイコンなど)を携帯端末30に表示させるための制御情報であってもよい。または、当該第2の通知情報は、当該「所定の変更処理」を充電装置9または携帯端末30に実行させるための操作方法をユーザーに対して通知するための通知情報であってもよい。ここで、当該所定の変更処理は、例えば、充電装置9の電源をONからOFFへ切り替えること、(非接触充電部22による)実行中の充電をONからOFFへ切り替えること、実行中の充電用の周波数の値を別の値に変更すること、または、充電モードを通常モードから急速充電モードに変更することなどである。なお、これらの処理の内容の詳細については後述する。
【0044】
なお、非接触充電部22による充電に関する状態が上記所定の状態に変化することが検出される度に、通信制御部114は、その都度、当該第2の通知情報を携帯端末30へ非接触通信部20に送信させてもよい。これにより、非接触充電部22による充電に関する状態が上記所定の状態に変化する度に、当該第2の通知情報が携帯端末30により受信され、例えばログとして記憶され得る。
【0045】
これによれば、以下の2つの効果が得られる。第1に、ユーザーが、当該第2の通知情報の内容を示すメッセージを見落とした場合であっても、その後、当該メッセージを確認できる。第2に、上記所定の状態への変化が複数回発生した場合、ユーザーは、これらの複数回の変化にそれぞれ対応する各メッセージを一度に纏めて確認することもできる。例えば、ユーザーが携帯端末30を非接触充電部22に載置し、そして、非接触充電部22による携帯端末30に対する充電が開始された後に、ユーザーが車両の運転を開始したとする。この場合、当該運転の終了後(例えば駐車時など)に、例えば非接触充電部22による充電に関する状態が上記所定の状態に変化した回数、それぞれの変化時刻、および、それぞれの変化の内容を、当該ログを確認することにより、ユーザーは纏めて確認することができる。
【0046】
ここで、上記の「所定の状態」の内容について詳細に説明する。当該所定の状態は、例えば以下の5種類の状態のうちのいずれかであってもよいし、または、当該5種類の状態のうちの2以上の組み合わせであってもよい。当該5種類の状態は、「充電が(強制的に)終了された状態」(以下では「充電終了状態」と記載し得る)、「充電が(強制的に)一時停止された状態」(以下では「充電一時停止状態」と記載し得る)、「充電速度が低下した状態」(以下では「充電速度低下状態」と記載し得る)、「充電用の周波数が(強制的に)変化された状態」(以下では「周波数変化状態」と記載し得る)、および、「ユーザーが行った操作が無効であることが検出された状態」(以下では「無効操作検出状態」と記載し得る)であってよい。
【0047】
当該「充電終了状態」は、例えば、携帯端末30に対する非接触充電部20による充電開始後に所定の終了条件(例えば以下の「条件A1」~「条件A12」など)のうちの少なくとも1つが満たされることに応じて、充電制御部116の制御により当該充電が強制的に終了された状態であり得る。
・条件A1:非接触充電部20により、非接触式充電に影響を与え得る異物(例えばICカード、硬貨または他の電子機器など)の存在が検出されたこと
・条件A2:非接触充電部20に対する携帯端末30の位置ずれが非接触充電部20により検出されたこと
・条件A3:携帯端末30が満充電になったこと
・条件A4:携帯端末30の内部状態が異常状態であることが携帯端末30などにより検出されたこと
・条件A5:携帯端末30が何らかの故障をしていることが携帯端末30などにより検出されたこと
・条件A6:携帯端末30の温度が所定の閾値以上の温度まで上昇したことが携帯端末30などにより検出されたこと
・条件A7:充電装置9(または非接触充電部20だけ)の温度が所定の閾値以上の温度まで上昇したことが充電装置9などにより検出されたこと
・条件A8:充電装置9(または非接触充電部20だけ)が何らかの故障をしていることが充電装置9により検出されたこと
・条件A9:携帯端末30に実装されている、上記所定のワイヤレス給電に基づいた通信方式のバージョン(例えばQi規格のバージョンなど)が、非接触充電部20が非対応のバージョンであることが検出されたこと
・条件A10:車両がスマートキーに対応している場合で、かつ、スマートキーの接続が遮断されたことが例えば車両内のECU等により検出されたこと
・条件A11:充電装置9の電源がONからOFFに切り替えられたこと
・条件A12:上記車載ネットワークのうちの一部(例えば一部のLANなど)の断線が充電装置9などにより検出されたこと
【0048】
上記「充電一時停止状態」は、例えば、携帯端末30に対する非接触充電部20による充電開始後で、かつ、所定の一次停止条件(例えば以下の「条件B1」~「条件B4」など)のうちの少なくとも1つが満たされている間、充電制御部116の制御により当該充電が強制的に一時停止された状態であり得る。
・条件B1:非接触充電部20による充電の周波数変更が実行中
・条件B2:車室1内に配置されているカーオーディオまたはカーラジオによる、ラジオ放送の電波の受信スキャン中など
・条件B3:車両がスマートキーに対応している場合で、かつ、当該スマートキーの通信が実行中のとき
・条件B4:非接触充電部20に対する携帯端末30の位置ずれが発生したが、充電停止までは至らず、かつ、当該位置ずれの量が再充電可能な範囲内である場合における、当該位置ずれの発生時から再充電の開始までの間
【0049】
上記「充電速度低下状態」は、例えば、携帯端末30に対する非接触充電部20による充電開始後で、かつ、所定の要因(例えば以下の「要因C1」~「要因C3」など)のうちの少なくとも1つが発生したことにより当該充電速度が例えば所定の閾値以下の速度まで低下した状態であり得る。
・要因C1:充電モードが急速充電モードである間にラジオの周波数が変更されたことに応じて急速充電が解除されたこと
・要因C2:充電モードが急速充電モードである間にユーザーが当該充電用の周波数の変更のための操作を行い、そして、この操作に応じて急速充電が解除されたこと
・要因C3:携帯端末30の温度が例えば所定の閾値以上まで上昇したことが検出されたことに応じて、充電制御部116の制御により非接触充電部20の送信電力が所定の閾値以上まで低下したこと
【0050】
上記「周波数変化状態」は、例えば、携帯端末30に対する非接触充電部20による充電開始後で、かつ、所定の要因(例えば以下の「要因D1」または「要因D2」など)が発生したことにより当該充電用の周波数の値が別の値に変更された状態であり得る。
・要因D1:当該充電中に、例えば受信中のラジオ放送の周波数が変更されたこと
・要因D2:当該充電中にユーザーが当該充電用の周波数の変更のための操作を行ったこと
【0051】
上記「無効操作検出状態」は、例えば、携帯端末30に対する非接触充電部20による充電開始後で、かつ、ユーザーが所定の操作が行ったが、当該操作が無効であることが検出された状態(例えば以下の「ケースE1」~「ケースE3」など)であり得る。
・ケースE1:当該充電中に当該充電用の周波数の変更のための操作をユーザーが行ったが、例えばラジオ放送の周波数の影響などにより当該充電用の周波数の変更ができなかった場合
・ケースE2:充電モードを急速充電モードに変更するための操作をユーザーが行ったが、例えばラジオ放送の周波数の影響などにより充電モードを急速充電モードに移行できなかった場合
・ケースE3:充電モードを急速充電モードに変更するための操作をユーザーが行ったが、例えば携帯端末30が急速充電モードに対応していなかったことにより充電モードを急速充電モードに移行できなかった場合
【0052】
{1-4-4.充電制御部116}
充電制御部116は、非接触充電部22に対して携帯端末30が載置または接近されることに応じて、非接触充電部22による携帯端末30に対する非接触式の充電を制御する。例えば、非接触充電部22に対して携帯端末30が載置または接近されたことが検出された場合、充電制御部116は、非接触充電部22による携帯端末30に対する非接触式の充電が開始されるように非接触充電部22を制御する。
【0053】
さらに、充電制御部116は、載置または接近された携帯端末30と非接触充電部22との間で上記所定のワイヤレス給電(例えばQiなど)に基づいた通信方式による各種の通信(例えば携帯端末30の端末情報の受信など)が可能となるように非接触充電部22を制御することも可能である。
【0054】
{1-4-5.表示制御部118}
表示制御部118は、表示部26に対して情報の表示を制御する。例えば、表示制御部118は、非接触充電部22による携帯端末30に対する接触式の充電に関する状態の変化の検出結果と、判定部112による判定結果とに基づいて、表示部26による情報の表示を制御してもよい。より具体的には、携帯端末30の機種が上記特定の機種であると判定部112により判定された場合、表示制御部118は、当該充電に関する状態の変化の検出結果に応じて、表示部26により表示される情報が変わるように表示部26を制御してもよい。
【0055】
例えば、非接触充電部22による充電に関する状態が上記所定の状態に変化したことを当該検出結果が示す場合、表示制御部118は、上記所定の状態に変化したことを示す情報の表示を表示部26に開始させてもよい。例えば1以上のディスプレイが表示部26に含まれる場合、この情報は、例えば、上記第2の通知情報の内容を示すメッセージ(例えばポップアップウィンドウなど)、または、上記所定の状態に変化したことを示す他の種類の文字列や画像などであってもよい。あるいは、例えば1以上のLEDが表示部26に含まれる場合、この情報の表示として、当該1以上のLEDにより発光される光の色が(通常時の発光色とは異なる)特定の色になること、発光される光の輝度が(通常時の輝度と異なる)特定の輝度になること、または、当該1以上のLEDが特定の点滅パターンで点滅することなどが用いられてもよい。
【0056】
<1-5.処理フロー>
以上、通信制御装置10の構成例について説明した。次に、本実施形態に係る処理フローについて、
図5~
図7を参照して説明する。
図5~
図7は、本実施形態に係る処理フローのそれぞれ一部を示すフローチャートである。なお、以下では、非接触充電部22は、上記所定のワイヤレス給電に基づいた通信方式として、Qi規格に基づいた通信方式(以下では「Qi通信方式」と記載する)を利用する例について説明する。また、非接触通信部20は、上記所定の近距離無線通信の通信方式として、NFCに基づいた通信方式(以下では「NFC通信方式」と記載する)を利用する例について説明する。
【0057】
図5に示すように、まず、S101では、非接触充電部22は、充電制御部116の制御に従って、Qi通信方式による通信を常時行うことにより、非接触充電部22に対して携帯端末30が載置または接近されたか否かを検出する。非接触充電部22に対して携帯端末30が接触および接近されていないことが検出されている場合(S101:NO)、再びS101が実行される。一方、非接触充電部22に対して携帯端末30が載置または接近されたことが検出された場合(S101:YES)、フローは、S102へ移る。
【0058】
S102では、充電制御部116は、S101で検出された携帯端末30が、Qi通信方式に基づいた通信が可能であるか否かを、携帯端末30からの信号の受信有無や受信された信号の内容などに基づいて判定する。例えば、充電制御部116は、携帯端末30がQi規格に対応しているか否か、および、携帯端末30に実装されているQi規格のバージョンが、非接触充電部20が対応しているバージョンであるか否かなどを判定することにより、携帯端末30が、当該「Qi通信方式に基づいた通信」が可能であるか否かを判定する。
【0059】
携帯端末30が、当該「Qi通信方式に基づいた通信」が可能であると判定された場合(S102:YES)、フローはS103へ移る。一方、携帯端末30が、当該「Qi通信方式に基づいた通信」が可能ではないと判定された場合(S102:NO)、本フローは終了する。
【0060】
S103では、非接触充電部22は、充電制御部116の制御に従って、Qi通信方式に基づいた所定の通信を行うことにより、携帯端末30の端末情報を携帯端末30から受信する。そして、端末情報取得部110は、この端末情報を非接触充電部22から受信または読み出し処理などにより取得する。その後、フローは、S104へ移る。
【0061】
S104では、判定部112は、携帯端末30の機種が上記特定の機種と同一であるか否かを、S103で取得された端末情報に基づいて判定する。前述したように、上記特定の機種は、NFC通信方式に基づいた情報を非接触通信部22へ送信するよりも前にNFC通信方式に基づいた情報を非接触通信部22から受信した場合、上記所定の処理を実行する機種であり得る。
【0062】
携帯端末30の機種が上記特定の機種と同一であると判定された場合(S104:YES)、フローは、
図6に示したS111へ移る。一方、携帯端末30の機種が上記特定の機種とは異なると判定された場合(S104:NO)、フローは、
図7に示したS121へ移る。
【0063】
ここで、
図6を参照して、本実施形態に係る、S111以降の処理フローについて説明する。
図6は、S111以降の処理フローの一部を示すフローチャートである。
図6に示すように、S111では、通信制御部114は、「NFC通信方式に基づいた何らかの情報が携帯端末30から受信されない限り、非接触通信部20による携帯端末30へのNFC通信方式に基づいた、任意の情報の送信を非接触通信部20に開始させない」と決定する。そして、通信制御部114は、当該決定に基づいて非接触通信部20を制御する。つまり、通信制御部114は、非接触通信部20による携帯端末30へのNFC通信方式に基づいた、任意の情報の送信を非接触通信部20に行わせない。その後、フローは、S112へ移る。
【0064】
S112では、非接触充電部22は、充電制御部116の制御に従って、携帯端末30に対する非接触式の充電を開始する。そして、フローは、S113へ移る。
【0065】
S113では、非接触充電部22は、非接触充電部22による充電に関する状態が上記所定の状態に変化したか否かを例えば常時検出する。当該充電に関する状態が上記所定の状態に変化したことが検出された場合(S113:YES)、フローは、S114へ移る。一方、当該充電に関する状態が上記所定の状態に変化していないことが検出されている場合(S113:NO)、フローは、S117へ移る。
【0066】
S114では、通信制御部114は、携帯端末30からの、NFC通信方式に基づいた何らかの情報の受信が現在までに一回以上行われた否かを判定する。携帯端末30からの、NFC通信方式に基づいた何らかの情報の受信が一回以上行われている場合(S114:YES)、フローは、S115へ移る。一方、携帯端末30からの、NFC通信方式に基づいた何らかの情報の受信が未だ全く行われていない場合(S114:NO)、フローは、S116へ移る。
【0067】
S115では、非接触通信部20は、通信制御部114の制御に従って、当該充電に関する状態が上記所定の状態に変化したことをユーザーに通知するための上記第2の通知情報を携帯端末30へNFC通信方式に基づいて送信する。これにより、例えば
図4に示したように、当該第2の通知情報の内容を示すメッセージが携帯端末30の表示部300に表示される。その後、フローは、S117へ移る。
【0068】
S116では、表示部26は、表示制御部118の制御に従って、当該充電に関する状態が上記所定の状態に変化したことを示す情報を表示する。そして、フローは、S117へ移る。
【0069】
S117では、充電制御部116は、非接触充電部22による携帯端末30に対する充電が完了したか否かを判定する。なお、当該充電が完了する状況の具体例としては、充電装置9の電源がONからOFFに切り替えられること、ユーザーが携帯端末30を非接触充電部22から所定の距離以上遠ざけたこと、または、携帯端末30の充電量が例えば満充電などの所定の充電量に達することなどが挙げられる。当該充電が完了したと判定された場合(S117:YES)、本フローは終了する。一方、当該充電が完了していないと判定された場合(S117:NO)、フローは、再びS113へ移る。
【0070】
ここで、
図7を参照して、本実施形態に係るS121以降の処理フローについて説明する。
図7は、S121以降の処理フローの一部を示すフローチャートである。
図7に示すように、S121では、充電制御部116は、携帯端末30がNFC通信を実行可能であるか否かを判定する。例えば、充電制御部116は、S103で取得された端末情報に基づいて、携帯端末30が、NFC通信を実行可能であるか否かを判定してもよい。あるいは、非接触通信部20が、通信制御部114の制御に従って、NFC通信方式に基づいて何らかの情報を携帯端末30へ送信し得る。この場合、充電制御部116は、当該情報の送信後の携帯端末30からの信号(例えばNFC通信方式に基づいた所定の信号など)の受信有無や受信された信号の内容などに基づいて、携帯端末30が、NFC通信が実行可能であるか否かを判定してもよい。
【0071】
携帯端末30がNFC通信を実行可能であると判定された場合(S121:YES)、フローは、S126へ移る。一方、携帯端末30がNFC通信を実行可能でないと判定された場合(S121:NO)、フローは、S122へ移る。
【0072】
S122では、非接触充電部22は、充電制御部116の制御に従って、携帯端末30に対する非接触式の充電を開始する。そして、フローは、S123へ移る。
【0073】
S123では、非接触充電部22は、非接触充電部22による充電に関する状態が上記所定の状態に変化したか否かを例えば常時検出する。当該充電に関する状態が上記所定の状態に変化したことが検出された場合(S123:YES)、フローは、S124へ移る。一方、当該充電に関する状態が上記所定の状態に変化していないことが検出されている場合(S123:NO)、フローは、S125へ移る。
【0074】
S124では、表示部26は、表示制御部118の制御に従って、当該充電に関する状態が上記所定の状態に変化したことを示す情報を表示する。そして、フローは、S125へ移る。
【0075】
S125では、充電制御部116は、非接触充電部22による携帯端末30に対する充電が完了したか否かを判定する。当該充電が完了したと判定された場合(S125:YES)、本フローは終了する。一方、当該充電が完了していないと判定された場合(S125:NO)、フローは、再びS123へ移る。
【0076】
S126では、非接触通信部20は、通信制御部114の制御に従って、NFC通信方式に基づいた所定の通信を携帯端末30との間で行うことにより、車室1内の無線通信機器(例えばセンターディスプレイ7など)と携帯端末30との間での、所定の無線通信規格に沿った通信を可能とするためのペアリング用情報(例えば認証鍵情報など)を携帯端末30から受信する。当該所定の無線通信規格は、例えばBluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)などであり得る。その後、フローは、S127へ移る。
【0077】
S127では、通信部24は、通信制御部114の制御に従って、S126で受信されたペアリング用情報を当該無線通信機器へ送信する。これにより、当該無線通信機器と携帯端末30とは、上記所定の無線通信規格に沿った通信が可能となるように互いに接続され得る(ペアリングが実行され得る)。そして、フローは、S128へ移る。
【0078】
S128では、通信制御部114(または非接触通信部20)は、携帯端末30以外のNFCの反応の有無が非接触通信部20により検出されたか否かを判定し、そして、この判定結果に基づいて、非接触式の充電に影響を与え得る異物の有無を判定する。例えば、S103で取得された端末情報に基づいて特定される「携帯端末30のNFCの対応数」よりも多くの数のNFCの応答が非接触通信部20により検出された場合、通信制御部114(または非接触通信部20)は、携帯端末30以外のNFCの反応が有ると判定する。つまり、この場合、通信制御部114(または非接触通信部20)は異物が有ると判定する。または、S103で取得された端末情報に基づいて特定される「携帯端末30のNFCの対応タイプ」とは異なるタイプのNFCの応答が非接触通信部20により検出された場合、通信制御部114(または非接触通信部20)は、携帯端末30以外のNFCの反応が有ると判定する。つまり、この場合、通信制御部114(または非接触通信部20)異物が有ると判定する。
【0079】
異物が有ると判定された場合(S128:YES)、フローは、S129へ移行する。一方、異物が無いと判定された場合(S128:NO)、フローは、S130へ移行する。
【0080】
S129では、非接触通信部20は、通信制御部114の制御に従って、異物が存在することをユーザーに通知するための第3の通知情報を携帯端末30へ送信する。これにより、異物の存在をユーザーに通知するメッセージが携帯端末30の表示部300に表示される。その後、本フローは、終了する。
【0081】
S130では、非接触充電部22は、充電制御部116の制御に従って、携帯端末30に対する非接触式の充電を開始する。そして、フローは、S131へ移る。
【0082】
S131では、非接触充電部22は、非接触充電部22による充電に関する状態が上記所定の状態に変化したか否かを例えば常時検出する。当該充電に関する状態が上記所定の状態に変化したことが検出された場合(S131:YES)、フローは、S132へ移る。一方、当該充電に関する状態が上記所定の状態に変化していないことが検出されている場合(S131:NO)、フローは、S133へ移る。
【0083】
S132では、非接触通信部20は、通信制御部114の制御に従って、当該充電に関する状態が上記所定の状態に変化したことをユーザーに通知するための上記第2の通知情報を携帯端末30へ送信する。これにより、例えば
図4に示したように、当該第2の通知情報の内容を示すメッセージが携帯端末30の表示部300に表示される。その後、フローは、S133へ移る。
【0084】
S133では、充電制御部116は、非接触充電部22による携帯端末30に対する充電が完了したか否かを判定する。当該充電が完了したと判定された場合(S133:YES)、本フローは終了する。一方、当該充電が完了していないと判定された場合(S133:NO)、フローは、再びS131へ移る。
【0085】
<1-6.効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、通信制御装置10は、非接触充電部22に対して載置または接近された携帯端末30の端末情報を上記所定のワイヤレス給電に基づいた通信方式に基づいた通信を介して取得し、そして、非接触通信部20による携帯端末30への情報の送信を、取得された端末情報に基づく携帯端末30の機種に基づいて制御する。これにより、携帯端末30の機種に応じて携帯端末30への、上記所定の近距離無線通信の通信方式に基づいた、情報の送信を適切に制御することができる。
【0086】
例えば、携帯端末30の機種が上記特定の機種であると判定された場合、通信制御装置10は、非接触通信部20による携帯端末30への上記所定の近距離無線通信の通信方式に基づいた、情報の送信を開始させないように非接触通信部20を制御する。これにより、上記所定の近距離無線通信の通信方式に基づいた何らかの情報が携帯端末30から受信されない限り、通信制御装置10は、非接触通信部20による携帯端末30への、上記所定の近距離無線通信の通信方式に基づいた、情報の送信が開始されることを防止できる。従って、
図3Bを参照して説明した公知技術とは異なり、本実施形態では、携帯端末30が上記所定の処理(例えば所定の決済アプリケーションの画面の表示処理など)を自動的に実行することを防止できる。その結果、携帯端末30を使用中のユーザーに対して、当該所定の処理が自動的に実行されるのではないかという誤解を与えることを防止できる。
【0087】
<1-7.ハードウェア構成>
次に、本実施形態の通信制御装置10のハードウェア構成の例について説明する。
図8は、通信制御装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図8に示すように、通信制御装置10は、プロセッサ150、メモリ152、インターフェース154、ストレージ装置156、および、通信装置158を含んで構成され得る。
【0088】
プロセッサ150は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って通信制御装置10内の動作全般を制御する。プロセッサ150は、通信制御装置10において制御部100の機能を実現し得る。プロセッサ150は、例えば1以上のCPU(Central Processing Unit)および1以上のGPU(Graphics Processing Unit)などの処理回路を含んで構成される。
【0089】
メモリ152は、例えば、プロセッサ150が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データなどを記憶する。メモリ152は、例えば1以上のROM(Read Only Memory)および1以上のRAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。
【0090】
インターフェース154は、例えばCPUバスなどを含んで構成される。このインターフェース154は、プロセッサ150、メモリ152、ストレージ装置156、および、通信装置158を相互に接続し得る。
【0091】
ストレージ装置156は、例えばHDD(Hard Disk Drive)などのデータ格納用の装置である。ストレージ装置156は、例えば、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置、または、記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含む。
【0092】
通信装置158は、例えばインターネットなどの通信網に、有線通信または無線通信を介して接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。また、通信装置158は、無線LAN対応通信装置、LTE(Long Term Evolution)対応通信装置、または、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
【0093】
<<2.変形例>>
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。例えば、以下で述べる4種類の変形例(具体的には、「変形例1」~「変形例4」)も、本開示の技術的範囲に属し得る。なお、前述した実施形態と同様の内容については説明を省略する。
【0094】
<2-1.変形例1>
{2-1-1.構成}
まず、変形例1について説明する。変形例1では、通信制御部114の機能が前述した実施形態とは異なる。変形例1に係る通信制御部114は、携帯端末30の機種が上記特定の機種であると判定部112により判定された場合、上記所定の処理が実行されないことを携帯端末30のユーザーに通知するための第1の通知情報を携帯端末30へ非接触通信部20に送信させ得る。
【0095】
ここで、当該第1の通知情報は、上記所定の処理に対応する通知情報である。例えば、上記所定の処理が上記所定の決済に関連する処理(例えば、上記所定の決済に関連する情報の表示制御に関する処理など)である場合、当該第1の通知情報は、例えば「決済アプリが起動しましたが、決済は行われません。」などの、上記所定の決済に関連する処理が自動的に実行されないことをユーザーに通知するための文字列を含んでもよい。この場合、当該第1の通知情報が携帯端末30へ送信されることにより、まず、携帯端末30は、上記所定の処理を自動的に実行し得る。そして、例えば
図9に示す表示例のように、携帯端末30の表示部300には、所定の決済アプリケーションの画面が自動的に表示されるとともに、当該第1の通知情報の内容を示すメッセージ320(例えばポップアップウィンドウなど)が当該アプリケーション画面に重畳して表示され得る。なお、
図9は、当該第1の通知情報が携帯端末30へ送信された際の携帯端末30の表示部300における画像の表示例を示す図である。
【0096】
このように、本変形例によれば、携帯端末30の表示部300において、上記所定の処理に対応する表示画面(例えば上記所定の決済アプリケーションの画面など)が自動的に表示される際に、当該第1の通知情報の内容を示すメッセージも(例えば同時に)自動的に表示され得る。従って、上記所定の処理が自動的には実行されないことをユーザーに知らせることができる。すなわち、(例えば
図3Bを参照して説明した公知技術とは異なり)、携帯端末30を使用中のユーザーに対して、当該所定の処理が自動的に実行されるのではないかという誤解を与えることを防止できる。
【0097】
{2-1-2.処理フロー}
以上、変形例1に係る構成について説明した。次に、変形例1に係る処理フローについて説明する。なお、1-4節で述べた処理フローと同一の内容については説明を省略することとする。
【0098】
変形例1では、(
図5に示した)S104において、携帯端末30の機種が上記特定の機種であると判定された場合(S104:YES)、当該処理フローは、(
図6に示したS111へ移る代わりに)
図10に示したS201へ移る。なお、
図10は、変形例1に係る処理フローの一部を示したフローチャートである。
【0099】
図10に示すように、S201では、非接触通信部20は、通信制御部114の制御に従って、上記所定の処理が自動的には実行されないことをユーザーに通知するための第1の通知情報を携帯端末30へ(上記所定の近距離無線通信の通信方式に基づいて)送信する。これにより、携帯端末30は、当該第1の通知情報を受信することにより、上記所定の処理を自動的に実行し得る。そして、例えば
図9に示した表示例のように、携帯端末30の表示部300には、上記所定の処理に対応する表示画面(例えば上記所定の決済アプリケーションの画面など)が自動的に表示されるとともに、当該第1の通知情報の内容を示すメッセージも例えば同時に、かつ、自動的に表示され得る。
【0100】
その後、処理フローは、(
図7に示した)S126へ移る。なお、S126以降の処理については前述した実施形態と同様であるので、説明を省略する。以上、変形例1について説明した。
【0101】
<2-2.変形例2>
次に、変形例2について説明する。前述した実施形態では、
図2に示したように、通信制御装置10、非接触通信部20、非接触充電部22、通信部24、および、表示部26が、充電装置9(つまり、一つの装置)内に全て含まれる例について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。例えば、非接触通信部20、非接触充電部22、通信部24、および、表示部26はそれぞれ、通信制御装置10と互いにデータの送受信が可能な通信制御システムとして構成されていればよい。例えば、表示部26は、前述したセンターディスプレイ7、メータパネル5、または、車室2内に配置され得る他のディスプレイ(例えば、HUD(Head Up Display)や電子ミラーなど)と一体的に構成されていてもよい。これらのディスプレイのうちのいずれか1つと、表示部26とは同一であってもよい。
【0102】
<2-3.変形例3>
次に、変形例3について説明する。前述した実施形態では、携帯端末30の機種が上記特定の機種であるか否かを判定部112が判定する例について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。変形例として、この判定を通信制御装置10の外部の装置が行い、そして、当該判定結果を通信制御装置10が当該外部の装置から受信することも可能である。当該外部の装置は、該当の車両内の車載ネットワークに接続されている一以上の装置(例えばECUなど)であってもよいし、あるいは、当該車両の外部の装置(例えばサーバや他の車両など)であってもよい。
【0103】
具体的には、まず、通信部24は、通信制御部114の制御に従って、端末情報取得部110により取得された端末情報に対応する機種の問い合わせ要求を当該所定のネットワークを介して通信制御装置10の外部の装置へ送信し得る。この場合、当該外部の装置が当該問い合わせ要求を受信すると、当該外部の装置は、携帯端末30の機種が上記特定の機種であるか否かを当該問い合わせ要求に基づいて判定し得る。次に、当該外部の装置は、この判定結果が含まれるように、当該問い合わせ要求に対する回答を生成する。そして、当該回答を当該所定のネットワークを介して通信制御装置10へ送信し得る。そして、当該回答が通信部24により受信された場合、通信制御部114は、当該回答に基づいて、携帯端末30の機種が上記特定の機種であるか否かを特定してもよい。なお、この変形例では、制御部100は、判定部112を含まなくてもよいし、含んでもよい。
【0104】
なお、この変形例3に係る処理フローでは、1-4節で説明した処理フローと比較して、
図5に示したS104の内容だけが異なり得る。具体的には、変形例3に係るS104では、前述したように、携帯端末30の機種が上記特定の機種と同一であるか否かを、当該問い合わせ要求を受信した当該外部の装置が判定し得る。そして、通信制御装置10は、この判定結果を含む上記回答を上記所定のネットワークを介して当該外部の装置から受信し得る。その後、前述した実施形態と同様に、当該判定結果に基づいて、処理フローは、S111もしくはS121へ移行する。
【0105】
<2-4.変形例4>
次に、変形例4について説明する。
図6を参照して説明したS115、
図7を参照して説明したS129、および、S132等の内容は、前述した例に限定されない。変形例として、S115では、非接触通信部20が、上記第2の通知情報を携帯端末30へ送信し、それとともに、表示部26は、表示制御部118の制御に従って、当該充電に関する状態が上記所定の状態に変化したことを示す情報を表示してもよい。その後、処理フローは、前述したS117へ移り得る。
【0106】
また、変形例として、S132では、非接触通信部20が、通信制御部114の制御に従って、上記第2の通知情報を携帯端末30へ送信し、それとともに、表示部26は、表示制御部118の制御に従って、当該充電に関する状態が上記所定の状態に変化したことを示す情報を表示してもよい。その後、処理フローは、前述したS133へ移り得る。
【0107】
また、変形例として、S129では、非接触通信部20が、通信制御部114の制御に従って、異物が存在することを通知するための上記第3の通知情報を携帯端末30へ送信し、それとともに、表示部26は、表示制御部118の制御に従って、当該異物が存在することを示す情報を表示してもよい。その後、処理フローは、終了し得る。
【0108】
なお、以下のような態様も本開示の技術的範囲に属し得る。
(1)
車両の車室内に配置された非接触充電部に対して載置または接近された、非接触充電が可能な携帯端末の端末情報を第1の非接触通信方式に基づいた通信を介して取得する取得部と、
前記非接触充電部と関連付けて前記車両内に配置されており、かつ、第2の非接触通信方式に基づいた通信を行うことが可能な非接触通信部による前記携帯端末への情報の送信を、前記取得部で取得された前記端末情報に基づく前記携帯端末の機種に基づいて制御する通信制御部と、
を備える、通信制御装置が提供されてもよい。
【0109】
(2)
前記通信制御部は、前記非接触通信部による前記携帯端末への情報の送信を、前記携帯端末の機種が所定の機種であると判定されたか否かに基づいて制御してもよい。
【0110】
(3)
前記携帯端末の機種が前記所定の機種であると判定された場合、前記通信制御部は、前記非接触通信部による前記携帯端末への前記第2の非接触通信方式に基づいた、情報の送信を開始させないように前記非接触通信部を制御してもよい。
【0111】
(4)
前記携帯端末の機種が前記所定の機種ではないと判定された場合、前記通信制御部は、前記非接触通信部による前記携帯端末への前記第2の非接触通信方式に基づいた、情報の送信の開始を可能とするように前記非接触通信部を制御してもよい。
【0112】
(5)
前記所定の機種は、前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部へ送信するよりも前に前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部から受信した場合、所定の処理を実行する機種であってもよい。
【0113】
(6)
前記携帯端末の機種が前記所定の機種であると判定された場合、前記通信制御部は、前記所定の処理が実行されないことを前記携帯端末のユーザーに通知するための第1の通知情報を前記携帯端末へ送信するように前記非接触通信部を制御してもよい。
【0114】
(7)
前記所定の処理は、所定の決済に関連する処理であってもよい。
【0115】
(8)
前記通信制御装置は、前記非接触充電部に対して前記携帯端末が載置または接近されることに応じて、前記非接触充電部による前記携帯端末に対する非接触式の充電を制御する充電制御部をさらに備えてもよい。
【0116】
(9)
前記非接触充電部による前記携帯端末に対する前記非接触式の充電が開始された後、前記通信制御部は、前記携帯端末の機種と、前記非接触式の充電に関する状態の変化の検出結果とに基づいて、前記検出結果に対応する情報を前記携帯端末のユーザーに通知するための第2の通知情報を前記携帯端末に対して送信するように前記非接触通信部を制御してもよい。
【0117】
(10)
前記所定の機種は、前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部へ送信するよりも前に前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部から受信した場合、所定の処理を実行する機種であり、
前記携帯端末の機種が前記所定の機種ではないと判定された場合であって、かつ、前記非接触式の充電に関する状態が所定の状態に変化したことを前記検出結果が示す場合、前記通信制御部は、前記第2の通知情報を前記携帯端末へ送信するように前記非接触通信部を制御してもよい。
【0118】
(11)
前記所定の機種は、前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部へ送信するよりも前に前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部から受信した場合、所定の処理を実行する機種であり、
前記非接触通信部による前記携帯端末への前記第2の非接触通信方式に基づいた、情報の送信が開始されていない間に、前記第2の非接触通信方式に基づいた情報が前記携帯端末から受信された場合であって、かつ、前記非接触式の充電に関する状態が所定の状態に変化したことを前記検出結果が示す場合、前記通信制御部は、前記携帯端末の機種が前記所定の機種であるか否かに関わらずに、前記第2の通知情報を前記携帯端末へ送信するように前記非接触通信部を制御してもよい。
【0119】
(12)
前記検出結果に対応する情報は、前記非接触式の充電に関する状態が前記所定の状態に変化したことを示す情報であってもよい。
【0120】
(13)
前記非接触式の充電に影響を与え得る異物が前記非接触充電部の近辺に存在すると判定された場合、前記通信制御部は、前記非接触通信部による前記携帯端末への、前記異物が存在することを前記携帯端末のユーザーに通知するための第3の通知情報の送信を、前記携帯端末の機種に基づいて制御してもよい。
【0121】
(14)
前記所定の機種は、前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部へ送信するよりも前に前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部から受信した場合、所定の処理を実行する機種であり、
前記携帯端末の機種が前記所定の機種ではないと判定された場合であって、かつ、前記異物が前記非接触充電部の近辺に存在すると判定された場合、前記通信制御部は、前記第3の通知情報を前記携帯端末へ送信するように前記非接触通信部を制御してもよい。
【0122】
(15)
前記第2の非接触通信方式は、NFC(Near Field Communication)に基づいた通信方式であり、
前記通信制御部は、前記携帯端末以外の前記NFCの反応の有無が前記非接触通信部により検出されたか否かを判定し、前記異物が前記非接触充電部の近辺に存在するか否かを当該判定結果に基づいて判定してもよい。
【0123】
(16)
前記通信制御装置は、前記非接触充電部に関連付けて前記車室内に配置されている表示部による情報の表示を、前記携帯端末の機種が所定の機種であると判定されたか否かと、前記非接触式の充電に関する状態の変化の検出結果とに基づいて制御する表示制御部をさらに備えてもよい。
【0124】
(17)
前記所定の機種は、前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部へ送信するよりも前に前記第2の非接触通信方式に基づいた情報を前記非接触通信部から受信した場合、所定の処理を実行する機種であり、
前記携帯端末の機種が前記所定の機種であると判定された場合、前記表示制御部は、前記表示部により表示される情報が、前記非接触式の充電に関する状態の変化の検出結果に応じて変わるように前記表示部を制御してもよい。
【0125】
(18)
前記第2の非接触通信方式は、所定の近距離無線通信に基づいた通信方式であってもよい。
【0126】
(19)
前記第1の非接触通信方式は、所定のワイヤレス給電に基づいた通信方式であってもよい。
【0127】
(20)
前記通信制御装置は、前記携帯端末の機種が所定の機種であるか否かを前記取得部により取得された前記端末情報に基づいて判定する判定部をさらに備え、
前記通信制御部は、前記非接触通信部による前記携帯端末への情報の送信を、前記判定部による判定結果に基づいて制御してもよい。
【0128】
(21)
前記通信制御部は、前記取得部により取得された前記端末情報に対応する機種の問合せ要求をネットワークを介して前記通信制御装置の外部の装置へ送信するように通信部を制御し、
前記問合せ要求に対する回答が前記外部の装置から前記通信部により受信された場合、前記通信制御部は、前記非接触通信部による前記携帯端末への情報の送信を、前記回答に基づいて特定される前記携帯端末の機種に基づいて制御してもよい。
【0129】
(22)
車両の車室内に配置された非接触充電部に対して載置または接近された、非接触充電が可能な携帯端末の端末情報を第1の非接触通信方式に基づいた通信を介して取得する取得部と、
前記非接触充電部と関連付けて前記車両内に配置されており、かつ、第2の非接触通信方式に基づいた通信を行うことが可能な非接触通信部による前記携帯端末への情報の送信を、前記取得部で取得された前記端末情報に基づく前記携帯端末の機種に基づいて制御する通信制御部と、
を備える、通信制御システムが提供されてもよい。
【0130】
(23)
前記通信制御システムは、前記非接触充電部に対して前記携帯端末が載置または接近されることに応じて、前記非接触充電部による前記携帯端末に対する非接触式の充電を制御する充電制御部をさらに備えてもよい。
【0131】
(24)
前記通信制御システムは、前記非接触充電部と、
前記非接触通信部とをさらに備えてもよい。
【0132】
(25)
通信制御装置で実行される通信制御方法であって、
車両の車室内に配置された非接触充電部に対して載置または接近された、非接触充電が可能な携帯端末の端末情報を第1の非接触通信方式に基づいた通信を介して取得することと、
前記非接触充電部と関連付けて前記車両内に配置されており、かつ、第2の非接触通信方式に基づいた通信を行うことが可能な非接触通信部による前記携帯端末への情報の送信を、取得された前記端末情報に基づく前記携帯端末の機種に基づいて制御することと、
を含む、通信制御方法が提供されてもよい。
【符号の説明】
【0133】
1 車室
3 ハンドル
4 ダッシュボード
5 メータパネル
7 センターディスプレイ
9 充電装置
10 通信制御装置
20 非接触通信部
22 非接触充電部
24 通信部
26、300 表示部
30 携帯端末
100 制御部
110 端末情報取得部
112 判定部
114 通信制御部
116 充電制御部
118 表示制御部