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特許7437644情報処理システム、情報処理システムの制御方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理システムの制御方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/30 20120101AFI20240216BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240216BHJP
【FI】
G06Q20/30
G06Q30/06
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023166030
(22)【出願日】2023-09-27
【審査請求日】2023-09-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載年月日:令和5年9月1日、掲載アドレス:http://onagawa-shokokai.jp/point_customer http://onagawa-shokokai.jp/point_business 掲載年月日:令和5年9月13日、掲載アドレス:https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/fukensui/chiiki-p.html
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523265386
【氏名又は名称】ポケットサイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100226997
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 知英
(74)【代理人】
【識別番号】100221291
【弁理士】
【氏名又は名称】青井 隆徳
(72)【発明者】
【氏名】梅本 滉嗣
(72)【発明者】
【氏名】小菅 一哉
(72)【発明者】
【氏名】五代 真規
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09105026(US,B1)
【文献】特開2017-033560(JP,A)
【文献】特開平09-171434(JP,A)
【文献】特開2010-277465(JP,A)
【文献】特開平10-124753(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品又は役務の提供を受ける顧客の顧客端末が前記商品又は前記役務の決済をするためのコードを読み込むことにより、前記コードに関するコード情報を取得するコード情報取得部と、
前記コード情報を用いて、前記商品又は前記役務の決済に関する決済関連画面を前記顧客端末に表示させる表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、前記顧客端末に表示される前記決済に関する文字列が第1の向きで表示される第1表示領域を、前記決済関連画面に表示させるとともに、前記文字列が前記第1の向きと逆さの向きである第2の向きで表示される第2表示領域を、前記決済関連画面に表示させ、
前記第1の向きは、前記顧客端末の通常の使用状態において前記顧客端末の画面を正面としたときに、前記文字列の書字方向が、前記顧客端末の画面の左側から右側に向かう場合の向きであ
前記表示制御部は、前記決済関連画面の中の1つである画面であって、前記商品又は前記役務に対する対価の入力を行う対価入力画面を前記顧客端末に表示させ、
前記対価入力画面で前記対価の入力が行われた後前記顧客端末に対して第1の操作がなされた後に表示される画面で、前記表示制御部は、前記第1表示領域、及び前記第2表示領域を前記顧客端末に表示させる、情報処理システム。
【請求項2】
請求項に記載の情報処理システムにおいて、
前記表示制御部は、前記対価入力画面を前記第1の向きで表示させ、
前記第1の操作がなされると、前記表示制御部は、前記顧客端末の画面の上側から下側に向けて前記第1表示領域をスライドさせるとともに前記第2表示領域を前記第1表示領域よりも上に表示することにより、前記第1表示領域及び前記第2表示領域を前記顧客端末に表示させる、情報処理システム。
【請求項3】
請求項に記載の情報処理システムにおいて、
前記表示制御部は、前記対価入力画面を前記第1の向きで表示させ、
前記第1の操作がなされると、前記表示制御部は、前記顧客端末の画面の下側から上側に向けて前記第2表示領域をスライドさせるとともに前記第1表示領域を前記第2表示領域よりも下に表示することにより、前記第1表示領域及び前記第2表示領域を前記顧客端末に表示させる、情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1表示領域の表示範囲は、前記第2表示領域の表示範囲よりも大きい、情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記第2表示領域の表示範囲は、前記第1表示領域の表示範囲よりも大きい、情報処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記表示制御部は、前記顧客端末への第2の操作を受け付けると、前記第1表示領域及び前記第2表示領域の一方の表示範囲を大きくし、前記第1表示領域及び前記第2表示領域の他方の表示範囲を小さくする、情報処理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記表示制御部は、前記第1表示領域の色と前記第2表示領域の色を異ならせて表示させる、情報処理システム。
【請求項8】
請求項に記載の情報処理システムにおいて、
前記表示制御部は、前記対価入力画面においても、前記第1表示領域、及び前記第2表示領域を前記顧客端末に表示させる、情報処理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記顧客端末で前記決済が完了した際、前記表示制御部は、前記第1表示領域に前記決済が完了した旨の情報を前記第1の向きで表示させるとともに、前記第2表示領域に前記決済が完了した旨の情報を前記第2の向きで表示させる、情報処理システム。
【請求項10】
請求項に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の操作がなされた後に表示される画面には、前記対価入力画面に戻るための情報が表示されている、情報処理システム。
【請求項11】
コンピュータが、
商品又は役務の提供を受ける顧客の顧客端末が前記商品又は前記役務の決済をするためのコードを読み込むことにより、前記コードに関するコード情報を取得し、
前記コード情報を用いて、前記商品又は前記役務の決済に関する決済関連画面を前記顧客端末に表示させ、
前記顧客端末に表示される前記決済に関する文字列が第1の向きで表示される第1表示領域を、前記決済関連画面に表示させるとともに、前記文字列が前記第1の向きと逆さの向きである第2の向きで表示される第2表示領域を、前記決済関連画面に表示させ、
前記決済関連画面の中の1つである画面であって、前記商品又は前記役務に対する対価の入力を行う対価入力画面を前記顧客端末に表示させ、
前記対価入力画面で前記対価の入力が行われた後前記顧客端末に対して第1の操作がなされた後に表示される画面で、前記第1表示領域、及び前記第2表示領域を前記顧客端末に表示させ、
前記第1の向きは、前記顧客端末の通常の使用状態において前記顧客端末の画面を正面としたときに、前記文字列の書字方向が、前記顧客端末の画面の左側から右側に向かう場合の向きである、情報処理システムの制御方法。
【請求項12】
コンピュータに、
商品又は役務の提供を受ける顧客の顧客端末が前記商品又は前記役務の決済をするためのコードを読み込むことにより、前記コードに関するコード情報を取得する手順、
前記コード情報を用いて、前記商品又は前記役務の決済に関する決済関連画面を前記顧客端末に表示させる手順、
前記顧客端末に表示される前記決済に関する文字列が第1の向きで表示される第1表示領域を、前記決済関連画面に表示させるとともに、前記文字列が前記第1の向きと逆さの向きである第2の向きで表示される第2表示領域を、前記決済関連画面に表示させる手順、
前記決済関連画面の中の1つである画面であって、前記商品又は前記役務に対する対価の入力を行う対価入力画面を前記顧客端末に表示させる手順、
前記対価入力画面で前記対価の入力が行われた後前記顧客端末に対して第1の操作がなされた後に表示される画面で、前記第1表示領域、及び前記第2表示領域を前記顧客端末に表示させる手順を実行させ、
前記第1の向きは、前記顧客端末の通常の使用状態において前記顧客端末の画面を正面としたときに、前記文字列の書字方向が、前記顧客端末の画面の左側から右側に向かう場合の向きである、情報処理プログラム。
【請求項13】
顧客端末を実現するコンピュータに、
商品又は役務の提供を受ける顧客の顧客端末が前記商品又は前記役務の決済をするためのコードを読み込むことにより、前記コードに関するコード情報を取得する手順、
前記コード情報を用いて、前記商品又は前記役務の決済に関する決済関連画面を前記顧客端末に表示させる手順、
前記顧客端末に表示される前記決済に関する文字列が第1の向きで表示される第1表示領域を、前記決済関連画面に表示させるとともに、前記文字列が前記第1の向きと逆さの向きである第2の向きで表示される第2表示領域を、前記決済関連画面に表示させる手順、
前記決済関連画面の中の1つである画面であって、前記商品又は前記役務に対する対価の入力を行う対価入力画面を前記顧客端末に表示させる手順、
前記対価入力画面で前記対価の入力が行われた後前記顧客端末に対して第1の操作がなされた後に表示される画面で、前記第1表示領域、及び前記第2表示領域を前記顧客端末に表示させる手順を実行させ、
前記第1の向きは、前記顧客端末の通常の使用状態において前記顧客端末の画面を正面としたときに、前記文字列の書字方向が、前記顧客端末の画面の左側から右側に向かう場合の向きである、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理システムの制御方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
キャッシュレス決済に際し、操作性を一段と向上した使い勝手の良い情報処理装置が、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許7105337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る発明は、スマートフォンなどの端末を用いてキャッシュレス決済する際、商品又は役務の提供者が、当該キャッシュレス決済に係る対価が表示される画面を見やすくなるようにしている。
【0005】
しかし、特許文献1に係る発明は、顧客側の立場からすると、上記対価が表示される画面を視認しにくいため、誤って決済する可能性がある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題としては、誤ってキャッシュレス決済することを抑制することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、
商品又は役務の提供を受ける顧客の顧客端末が前記商品又は前記役務の決済をするためのコードを読み込むことにより、前記コードに関するコード情報を取得するコード情報取得部と、
前記コード情報を用いて、前記商品又は前記役務の決済に関する決済関連画面を前記顧客端末に表示させる表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、前記顧客端末に表示される前記決済に関する文字列が第1の向きで表示される第1表示領域を、前記決済関連画面に表示させるとともに、前記文字列が前記第1の向きと逆さの向きである第2の向きで表示される第2表示領域を、前記決済関連画面に表示させ、
前記第1の向きは、前記顧客端末の通常の使用状態において前記顧客端末の画面を正面としたときに、前記文字列の書字方向が、前記顧客端末の画面の左側から右側に向かう場合の向きである、情報処理システムである。
【0008】
請求項12に記載の発明は、
コンピュータが、
商品又は役務の提供を受ける顧客の顧客端末が前記商品又は前記役務の決済をするためのコードを読み込むことにより、前記コードに関するコード情報を取得し、
前記コード情報を用いて、前記商品又は前記役務の決済に関する決済関連画面を前記顧客端末に表示させ、
前記顧客端末に表示される前記決済に関する文字列が第1の向きで表示される第1表示領域を、前記決済関連画面に表示させるとともに、前記文字列が前記第1の向きと逆さの向きである第2の向きで表示される第2表示領域を、前記決済関連画面に表示させ、
前記第1の向きは、前記顧客端末の通常の使用状態において前記顧客端末の画面を正面としたときに、前記文字列の書字方向が、前記顧客端末の画面の左側から右側に向かう場合の向きである、情報処理システムの制御方法である。
【0009】
請求項13に記載の発明は、
コンピュータに、
商品又は役務の提供を受ける顧客の顧客端末が前記商品又は前記役務の決済をするためのコードを読み込むことにより、前記コードに関するコード情報を取得する手順、
前記コード情報を用いて、前記商品又は前記役務の決済に関する決済関連画面を前記顧客端末に表示させる手順、
前記顧客端末に表示される前記決済に関する文字列が第1の向きで表示される第1表示領域を、前記決済関連画面に表示させるとともに、前記文字列が前記第1の向きと逆さの向きである第2の向きで表示される第2表示領域を、前記決済関連画面に表示させる手順を実行させ、
前記第1の向きは、前記顧客端末の通常の使用状態において前記顧客端末の画面を正面としたときに、前記文字列の書字方向が、前記顧客端末の画面の左側から右側に向かう場合の向きである、プログラム。
【0010】
請求項14に記載の発明は、
顧客端末を実現するコンピュータに、
商品又は役務の提供を受ける顧客の顧客端末が前記商品又は前記役務の決済をするためのコードを読み込むことにより、前記コードに関するコード情報を取得する手順、
前記コード情報を用いて、前記商品又は前記役務の決済に関する決済関連画面を前記顧客端末に表示させる手順、
前記顧客端末に表示される前記決済に関する文字列が第1の向きで表示される第1表示領域を、前記決済関連画面に表示させるとともに、前記文字列が前記第1の向きと逆さの向きである第2の向きで表示される第2表示領域を、前記決済関連画面に表示させる手順を実行させ、
前記第1の向きは、前記顧客端末の通常の使用状態において前記顧客端末の画面を正面としたときに、前記文字列の書字方向が、前記顧客端末の画面の左側から右側に向かう場合の向きである、プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、誤ってキャッシュレス決済することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態に係る情報処理システムを示す概略ブロック図である。
図2】第1実施形態に係る決済関連画面の一例を示す図である。
図3】顧客端末のハードウエア構成例を示す図である。
図4】第1実施形態に係る情報処理システムを用いて決済が完了するまでのフローを示す図である。
図5】第1実施形態に係る対価入力画面の一例を示す図である。
図6】第1実施形態に係る対価入力画面から支払画面に画面遷移する様子を示す図である。
図7】第1実施形態に係る決済完了画面を示す図である。
図8】第2実施形態に係る対価入力画面から支払画面に画面遷移する様子を示す図である。
図9】第3実施形態に係る支払画面の一例を示す図である。
図10】第4実施形態に係る対価入力画面を示す図である。
図11】支払画面の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0014】
なお、以下に示す説明において、各装置の各構成要素は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。各装置の各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶メディア、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置には様々な変形例がある。
【0015】
<第1実施形態>
(情報処理システム100)
図1は、第1実施形態に係る情報処理システム100を示す概略ブロック図である。情報処理システム100は、情報処理装置1と、顧客端末2とを備えている。情報処理システム100は、いわゆるキャッシュレス決済に用いられるシステムである。情報処理システム100には、情報処理装置1及び顧客端末2が用いられる。
【0016】
情報処理装置1は、いわゆるクラウドサーバであってもよい。情報処理装置1には、記憶部3が接続されている。記憶部3は、所定の情報を格納するストレージである。記憶部3は、情報処理装置1は内部に設けられていてもよいし、外部に設けられていてもよい。
【0017】
情報処理装置1は、通信ネットワーク101を介して、顧客端末2(後述する)と通信可能な構成となっている。通信ネットワーク101は例えば、4G又は5G回線での通信を含む。情報処理装置1は、通信ネットワーク101を構成するための通信部(図示しない)を含んで構成されている。
【0018】
(顧客端末2)
顧客端末2は、ユーザが店舗等において商品(物品)又は役務(サービス)に対する対価をキャッシュレス決済(電子決済)する際に用いられる端末である。第1実施形態においては、ユーザとは、商品又は役務の提供を受ける顧客のことをいう。キャッシュレス決済とは、商品又は役務に対する対価の決済を現金ではなく、現金に対応する価値を有する決済データを用いて電子的に決済を行う方法である。決済データは、例えば、電子マネー、各種サービスの決済で使用できるポイント(地域限定で使用できるポイントでも可)、及び電子クーポン券などを含む。
【0019】
キャッシュレス決済には種々の方法があり、例えば、1次元情報であるバーコード、2次元情報であるQRコード(登録商標)、電子マネー等を利用した決済、クレジットカードを利用したカード決済、及び電子クーポン券を利用した決済等がある。
【0020】
なお、第1実施形態において、店舗とは、商品又は役務を顧客(ユーザ)に提供する場所である。店舗は、例えば商店、キッチンカー、路面店、テナント店、レストラン、デパート、映画館、及びスポーツジム等のあらゆる店舗である。また、商品とは店舗において顧客(ユーザ)が実際に取得する品物等の有体物の他に、画像データ、映像データ、音楽データ、ゲームプログラム等の無体物を含む。役務は、店舗等においてユーザが実際に受けるサービスである。当該サービスは、例えば、マッサージ、ヘアカット、及び飲食などである。
【0021】
顧客端末2は、顧客(ユーザ)が所有し、管理し、携帯し、又は使用している端末である。顧客端末2は、スマートフォン、タブレット、及びPC(パーソナルコンピューター)の少なくともいずれか1つを含んでいる。実施形態において、顧客端末2には、情報処理システム100に用いられる、キャッシュレス決済に関するアプリケーションAのプログラムがインストールされる。当該プログラムを実行すると、当該キャッシュレス決済に関するアプリケーションAが顧客端末2上で起動する。
【0022】
顧客端末2は、コード情報取得部10と、表示制御部20と、記憶部30とを含んでいる。記憶部30は、いわゆる内部ストレージであり、上記アプリケーションAのプログラムを記憶している。
【0023】
(コード情報取得部10)
コード情報取得部10は、顧客端末2がコードを読み込むことにより、コード情報を取得する。コード情報は、コードに関する情報である。上記コードは、商品又は役務の決済をするためのものであり、2次元情報であるQRコード(登録商標)、1次元情報であるバーコード、及び文字列(URLなど)などを含む。実施形態において、コードは、QRコード4(登録商標)とする。
【0024】
第1実施形態において、QRコード4(登録商標)は、店舗に置かれている。QRコード4(登録商標)は、キャッシュカウンター等、顧客がアクセスしやすい場所に置かれていることが好ましい。第1実施形態に係るQRコード4(登録商標)に関するコード情報には、当該QRコード4(登録商標)が置かれている店舗を識別するための店舗ID、及び上記アプリケーションAを識別するためのアプリIDに関する情報が含まれている。アプリIDと、顧客端末2を識別する端末IDが紐づいていてもよい。
【0025】
(表示制御部20)
表示制御部20は、上記プログラムにより顧客端末2上で実現されるアプリケーションAに関する画面(ページ)を、顧客端末2のディスプレイに表示させる。表示制御部20は、上記コード情報を用いて、決済関連画面を顧客端末2のディスプレイに表示させる。決済関連画面は、商品又は役務の決済に関する画面である。決済関連画面は、商品又は役務の決済に係る対価を入力するための対価入力画面、当該対価の値を決定し決済を確定させるための支払画面、及び決済が完了した旨を知らせるための決済完了画面の少なくとも1つを含む。なお、決済関連画面は、電子クーポンを選択するための電子クーポン選択画面、及び電子クーポンの使用を決定するためのクーポン決定画面を含んでいてもよい。
【0026】
図2は、第1実施形態に係る決済関連画面21の一例を示す図である。図2では、商品又は役務の決済に係る対価を入力するための対価入力画面(後述する)の後に表示される支払画面21bを示している。支払画面21bは、複数ある決済関連画面21の一部を構成している。表示制御部20は、第1表示領域22を、決済関連画面21(支払画面21b)に表示させるとともに、第2表示領域23を、決済関連画面21(支払画面21b)に表示させる。表示制御部20は、第1表示領域22、及び第2表示領域23を同一の画面(支払画面21b)上に表示させる。
【0027】
(第1表示領域22)
第1表示領域22は、顧客端末2に表示される決済に関する文字列(後述する)が第1の向き(後述する)で表示される。第1表示領域22は、決済関連画面21(支払画面21b)のうち顧客(ユーザ)が目視すべき領域(部分)である。第1表示領域22に表記されている文字列は、顧客(ユーザ)が目視しやすい。第1表示領域22は、顧客(ユーザ)が目視しやすい領域(部分)である。
【0028】
(決済に関する文字列)
決済に関する文字列は、文字、数字、アイコン及びその他の記号(円マークなど)を含む。決済に関する文字列とは、決済に関わる情報を示唆する文字列である。決済に関わる情報とは、商品又は役務の対価を表す情報(図2の対価情報5を参照)、キャッシュレス決済システム内における残高を示す情報(図2の残高情報6を参照)、店舗に関連する情報(図2の店舗情報7を参照)、決済の日時を示す情報(図2の決済日時情報9を参照)、及び決済に関連するUI(User Interface、図2の決済アイコン19を参照)などを含む。なお、店舗に関連する情報は、店舗の名称を示す情報7aや店舗独自で設定できるアイコンを示す情報7bを含む。決済アイコン19は、決済の意思決定を顧客端末2に伝える機能を有する。
【0029】
(第1の向き)
第1の向きは、顧客端末2の通常の使用状態において顧客端末2の画面(ディスプレイ)を正面としたときに、上記決済に関する文字列の書字方向が、顧客端末2の画面(ディスプレイ)の左側(顧客端末2の左端縁2a)から右側(顧客端末2の右端縁2b)に向かう場合の向きである。通常の使用状態とは、ユーザ(顧客)が普段、顧客端末2を操作する際の状態である。顧客端末2の通常の使用状態においては、顧客端末2に表示される文字列がユーザにとって視認しやすい状態になっている。左端縁2aは、顧客端末2の通常の使用状態において顧客端末2の画面(ディスプレイ)を正面としたときにおける、顧客端末2の左側の縁のことである。右端縁2bは、顧客端末2の通常の使用状態において顧客端末2の画面(ディスプレイ)を正面としたときにおける、顧客端末2の右側の縁のことである。
【0030】
図2中のDR1は、上記決済に関する文字列の書字方向が、顧客端末2の左端縁2aから右端縁2bに向かう場合を示している。書字方向とは、文字列が並ぶ方向であり、ユーザ(顧客)が文字を読む方向である。上端縁2c(下端縁2d)が伸びる方向と、書字方向DR1とは、略平行である。
【0031】
第1の向きは、顧客端末2の通常の使用状態において、顧客が目視しやすい(文字列を認識しやすい)向きである。第1の向きは、上記決済に関する文字列の上側が顧客端末2の上端縁2cを向く向きである。例えば、図2に示す対価情報5(=1,000pt)の上側の領域Uは、(下端縁2dが設けられている方向ではなく)上端縁2cが設けられている方向を向いている。上端縁2cは、顧客端末2の通常の使用状態において顧客端末2の画面(ディスプレイ)を正面としたときにおける、顧客端末2の上方に設けられる端縁である。上端縁2cは、顧客端末2の端縁のうち、顧客端末2の通常の使用状態において、顧客(ユーザ)から最も離れている端縁である。
【0032】
(第2表示領域23)
第2表示領域23は、決済に関する文字列が第2の向き(後述する)で表示される。第2表示領域23は、決済関連画面21(支払画面21b)のうち商品又は役務の提供者(例えば、店舗の店員)が目視すべき領域(部分)である。第2表示領域23に表記されている文字列は、上記提供者(店舗側)が目視しやすい。第2表示領域23は、店舗側が目視しやすい領域(部分)である。なお、決済に関する文字列の定義は、上記で述べた通りである。
【0033】
(第2の向き)
第2の向きは、第1の向きと逆さの向きである。第2の向きは、第1の向きと反対(真逆)の向きである。第2の向きは、第1の向きで表示される文字列を、逆さの向き(反対の向き)から見たときの向きである。逆さの向き(反対の向き)は、第1の向きで表示される文字列が並ぶ方向(書字方向DR1)に対して、当該文字列を180度反対方向から見たときの向きである。
【0034】
第2の向きは、顧客端末2の通常の使用状態において顧客端末2の画面(ディスプレイ)を正面としたときに、決済に関する文字列の書字方向が、顧客端末2の画面の右側(右端縁2b)から左側(左端縁2a)に向かう場合の向きである。図2中のDR2は、上記決済に関する文字列の書字方向が、顧客端末2の右端縁2bから左端縁2aに向かう場合を示している。上端縁2c(下端縁2d)が伸びる方向と、書字方向DR2とは、略平行である。
【0035】
第2の向きは、商品又は役務の提供者(店舗側)が決済に関する文字列を上端縁2c側から見る向きである。第2の向きは、上記文字列の上部(文字列を通常視認する場合(文字列を読みやすい方向から視認する場合)における文字列の上側)が顧客端末2の下端縁2dを向く向きである。例えば、図2に示す対価情報18(=1,000pt)に係る文字列の上部である領域Vは、下端縁2dが設けられている方向を向いている。
【0036】
第1実施形態において、上端縁2cは顧客端末2の短辺側となっているが、例えば、横長の顧客端末2(例えばスマートフォンが横向き(横長)で使用されている場合)が使用されている場合においても上端縁2c、下端縁2dの定義は同様である。すなわち、横長の顧客端末2が使用されている場合、上端縁2c、下端縁2d及びは顧客端末2の長辺側となる。
【0037】
第2の向きは、顧客端末2の通常の使用状態において、商品又は役務の提供者(店舗側)が目視しやすい(文字列を認識しやすい)向きである。例えば、顧客がある店舗に来店して品物を購入するために当該店舗に配置されたQRコード(登録商標)で決済する場合、顧客と店員とは、キャッシュカウンター(レジカウンター)を挟んで向かい合う(対峙する)状態になる。そのため、顧客がいつものように顧客端末2を使用する状態において、第2の向きに表示された文字列(第1方向に表示された文字列から180度回転した文字列)は、店員側(店舗側)から目視しやすい。
【0038】
(ハードウエア構成例)
図3は、顧客端末2のハードウエア構成例を示す図である。顧客端末2は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0039】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0040】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0041】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0042】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどのリムーバブルメディア、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置であり、記録媒体を有している。ストレージデバイス1040の記録媒体は顧客端末2の各機能(例えば、コード情報取得部10、及び表示制御部20)を実現するプログラムモジュールを記憶している。当該プログラムモジュールは、顧客端末2にインストールされたアプリケーションAに関連したものである。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。また、ストレージデバイス1040は、顧客端末2に含まれた記憶部30として機能してもよい。
【0043】
入出力インタフェース1050は、顧客端末2と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。
【0044】
ネットワークインタフェース1060は、顧客端末2をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。顧客端末2は、ネットワークインタフェース1060を介して情報処理装置1と通信してもよい。
【0045】
なお、情報処理装置1のハードウエア構成についても、顧客端末2と同様である。
【0046】
(第1実施形態の動作例)
図4は、第1実施形態に係る情報処理システム100を用いて決済が完了するまでのフローを示す図である。図4において、顧客がアイスクリーム屋(路面店)を訪れ、当該路面店に設置されているQRコード4を用いて、キャッシュレス決済する場合について説明する。なお、当該顧客の顧客端末2にはキャッシュレス決済のアプリケーションAがインストールされているものとする。
【0047】
ステップS10において、顧客は、アイスクリーム屋に配置されているQRコード4(登録商標)を顧客端末2で読み込んだとする。
【0048】
ステップS20において、顧客端末2のコード情報取得部10は、QRコード4(登録商標)に紐づいたコード情報(アイスクリーム屋の店舗ID、及びアプリケーションAのアプリIDを少なくとも含む)を取得する。
【0049】
ステップS20の後、ステップS30において、情報処理装置1は、顧客端末2から受信したコード情報を用いて、アプリケーションAを使用するユーザの残高情報、及びアプリケーションAと連携している店舗一覧情報(記憶部3に記憶されている)を特定し、これらの情報を記憶部3から取得する。
【0050】
ステップS40において、情報処理装置1は、ステップS30で特定した上記残高情報、及び店舗一覧情報を顧客端末2に送信する。
【0051】
ステップS50において、顧客端末2は、ステップS20で取得したコード情報に含まれるアイスクリーム屋の店舗IDに関する情報と、ステップS40で取得した店舗一覧情報を用いて、QRコード4(登録商標)が置かれている店舗(アイスクリーム屋)を特定し、アイスクリーム屋に関する情報(アイスクリーム屋の名称やアイコンなど)を取得する。
【0052】
ステップS60において、顧客端末2の表示制御部20は、ステップS40で顧客端末2に送信された残高情報、及びステップS50で取得したアイスクリーム屋に関する情報を用いて、対価入力画面21a(決済関連画面21)を顧客端末2のディスプレイに表示させる。このように、表示制御部20は、コード情報を用いて、決済関連画面21を顧客端末2に表示させる。
【0053】
図5は、第1実施形態に係る対価入力画面21aの一例を示す図である。対価入力画面21aは、顧客が商品又は役務に対する対価の入力を行うための画面である。第1実施形態において、「対価」は金額ではなく、特定のサービスに用いられるポイントでもよい。対価入力画面21aは、決済関連画面21の中の1つである画面である。対価入力画面21aは、複数存在する決済関連画面21の中の1つである。対価入力画面21aは、決済関連画面21に含まれている。対価入力画面21aは、決済関連画面21の一部を構成している。表示制御部20は、対価入力画面21aを第1の向きで表示させる。
【0054】
図5に示す11は、ステップS50で特定したアイスクリーム屋に関する情報11を示している。11aは、ステップS50で特定したアイスクリーム屋の名称を示しており、11bは、当該アイスクリーム屋が設定しているアイコンを示している。なお、アイスクリーム屋に関する情報11は、図2に示す店舗情報7に相当している。
【0055】
図5に示す12は、ステップS40で情報処理装置1から顧客端末2に送信された残高情報を示している。第1実施形態において、残高情報12は、アプリケーションAを使用する顧客のポイント(電子マネーでも可)の残高が残りどのくらいかに関する情報を含んでいる。なお、アプリケーションAを使用するユーザの残高情報12は、図2に示す残高情報6に相当している。
【0056】
図5に示す領域13は、アイスクリームに対する対価を入力する領域である。第1実施形態において、顧客が領域13付近をタップすると、顧客端末2にアイスクリームの対価を入力することが可能となる。詳しくは後述するが、領域13は、図2に示す対価情報5と連動している。すなわち、領域13にアイスクリームの対価を入力すると、支払画面21bにおける対価情報5に反映される。
【0057】
図4に戻り、ステップS70において、顧客端末2は、第1の操作がなされたかを検出する。第1実施形態において、第1の操作は、図5に示すような画面遷移を示唆する画面遷移アイコン14(「次へ」アイコン)を押下することを含む。第1の操作は、アイスクリームの対価の入力を行った(完了した)ことを顧客端末2に伝えるための操作である。
【0058】
図4に戻り、顧客端末2が、第1の操作がなされたかを検出しない場合(ステップS70においてNO)、再度ステップS70に戻り、ステップS70の判断を繰り返す。顧客端末2が、第1の操作がなされたことを検出した場合(ステップS70においてYES)、ステップS80に進む。
【0059】
ステップS80において、表示制御部20は、第1表示領域22、及び第2表示領域23を顧客端末2に表示させる。表示制御部20は、対価入力画面21aで対価の入力が行われた後顧客端末2に対して第1の操作がなされた後に表示される画面(支払画面21b)で、第1表示領域22、及び第2表示領域23を顧客端末2に表示させる。支払画面21bは、図2に示すような画面のことであり、対価入力画面21aの後に表示される画面であって、アイスクリームの決済を確定させるための画面である。
【0060】
次に、第1実施形態に係る支払画面21bの表示のされ方について説明する。図5に示す対価入力画面21aにおいて、顧客(アイスクリームの購入者)が例えば、「1000」と領域13に入力し、画面遷移アイコン14を押下したとする。
【0061】
図6は、第1実施形態に係る対価入力画面21aから支払画面21bに画面遷移する様子を示す図である。図5に示す画面遷移アイコン14を押下されると(第1の操作がなされると)、図6図2の順番に画面遷移する。画面遷移アイコン14を押下されると、図6に示すように、表示制御部20は、顧客端末2の画面の上側(上端縁2c)から下側(下端縁2d)に向けて(図6の矢印F方向)第1表示領域22をスライドさせる。このとき、第1表示領域22をスライドさせる途中で画面遷移アイコン14を決済アイコン19(「支払う」アイコン)に変更してもよい。
【0062】
そして、表示制御部20は、第1表示領域22を下端縁2dに向けてスライドさせるとともに、図2に示すように、第2表示領域23を第1表示領域22よりも上(上端縁2c側)に表示させる。このようにして、表示制御部20は、第1表示領域22及び第2表示領域23を顧客端末2に一画面に同時に表示させる。
【0063】
なお、図2に示すように、第1の操作がなされた後に表示される画面(支払画面21b)には、対価入力画面21aに戻るための情報が表示されている。対価入力画面21aに戻るための情報は、例えば、画面戻しアイコン16である。画面戻しアイコン16を押下すると、支払画面21bから対価入力画面21aに戻ることができる。これにより、対価の入力を間違えたときであっても、対価を訂正して入力することができる。なお、対価入力画面21aに戻るための情報は、「対価を入れなおす」などのテキスト情報が表示されたアイコンを顧客端末2に表示させてもよい。
【0064】
図4に戻り、ステップS80の後のステップS90において、顧客端末2は、決済アイコン19が押下されたか否かを判断する。決済アイコン19が押下されたと顧客端末2が判断しない場合(ステップS90でNO)、ステップS90に戻り、再度ステップS90の判断を繰り返す。決済アイコン19が押下されたと顧客端末2が判断した場合(ステップS90でYES)、ステップS100に進む。
【0065】
ステップS100において、情報処理装置1は、記憶部3に記憶された、アプリケーションAを使用するユーザ(アイスクリームの購入者)の残高情報を更新する。そして、情報処理装置1は、更新した後の残高情報と、決済が完了した旨の情報を顧客端末2に送信する。そして、ステップS110において、表示制御部20は、決済完了画面21cを顧客端末2に表示させる。
【0066】
図7は、第1実施形態に係る決済完了画面21cを示す図である。決済完了画面21cは、アイスクリームの決済が完了した旨を知らせるための画面である。決済完了画面21cは、決済関連画面21の中の1つである画面である。決済完了画面21cは、複数存在する決済関連画面21の中の1つである。決済完了画面21cは、決済関連画面21に含まれている。決済完了画面21cは、決済関連画面21の一部を構成している。
【0067】
顧客が顧客端末2で決済が完了した際、表示制御部20は、第1表示領域22に決済が完了した旨の情報(支払完了アイコン17a)を第1の向きで表示させるとともに、第2表示領域23に決済が完了した旨の情報(支払完了アイコン17b)を第2の向きで表示させる。なお、第1表示領域22及び第2表示領域23は、図2に示すように矩形状でもよいし、図7に示すように矩形状でなくてもよい。
【0068】
また、決済が完了したとき、顧客端末2は、決済が完了したことを示唆する音声(効果音を含む)を出力してもよい。また、第2表示領域23には、決済ID26が表示される。決済ID26は、例えば店舗側が決済を取り消すときに必要な情報である。
【0069】
以上、第1実施形態において、情報処理システム100は、コード情報取得部10と表示制御部20とを備えている。そして、表示制御部20は、第1表示領域22を決済関連画面21に表示させるとともに、第2表示領域を決済関連画面21に表示させる。これにより、商品又は役務の提供者(例えば、店舗の店員)の決済に関する情報(対価の数字など)の視認性を確保しつつ、商品又は役務の受取人(顧客)の決済に関する情報の視認性も高めることができる。顧客の決済に関する情報の視認性を高めることにより、顧客による商品又は役務の対価の入力ミスなどが減る。そのため、顧客が誤ってキャッシュレス決済することを抑制することができる。さらに、商品又は役務の提供者(例えば、店舗の店員)の決済に関する情報(対価の数字など)の視認性が確保されることで、当該提供者が当該対価を確認するスピードが向上する。そのため、決済の作業工数を短くすることができる。
【0070】
さらに、第1実施形態において、対価入力画面21aで対価の入力が行われた後顧客端末2に対して第1の操作がなされた後に表示される画面(支払画面21b、図2参照)で、表示制御部20は、第1表示領域22、及び第2表示領域23を顧客端末2に表示させる。顧客側と、店舗側の両方に決済に係る情報(対価を含む)を表示することにより、誤って決済することを抑制できる。
【0071】
さらに、図6に示すように、第1の操作がなされると、表示制御部20は、顧客端末2の画面の上側から下側に向けて第1表示領域22をスライドさせるとともに第2表示領域23を第1表示領域22よりも上に表示することにより、第1表示領域22及び第2表示領域23を顧客端末2に表示させる。これにより、アプリケーションのユーザビリティが向上する。
【0072】
さらに、図7に示すように、顧客端末2で決済が完了した際、表示制御部20は、第1表示領域22に決済が完了した旨の情報を第1の向きで表示させるとともに、第2表示領域23に決済が完了した旨の情報を第2の向きで表示させる。これにより、顧客側と店舗側の双方が、決済が完了したことを容易に認識することができる。
【0073】
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態に係る対価入力画面21aから支払画面21bに画面遷移する様子を示す図である。第2実施形態においても、表示制御部20は、対価入力画面21aを第1の向きで表示させる(図5参照)。図5に示す画面遷移アイコン14を押下されると(第1の操作がなされると)、図8図2の順番に画面遷移する。図8に示すように、表示制御部20は、顧客端末2の画面の下側(下端縁2d)から上側(上端縁2c)に向けて(図8の矢印G方向)第2表示領域23をスライドさせる。このとき、表示制御部20は、第1表示領域22を下側(下端縁2d側)に固定したまま、第2表示領域23を矢印G方向にスライドさせてもよい。
【0074】
第1表示領域22を上端縁2cに向けてスライドさせるとともに、図2に示すように、第1表示領域22を第2表示領域23よりも下(下端縁2d側)に表示させる。このようにして、表示制御部20は、第1表示領域22及び第2表示領域23を顧客端末2に一画面に同時に表示させる。第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0075】
<第3実施形態>
図9は、第3実施形態に係る支払画面21bの一例を示す図である。第3実施形態に係る第1表示領域22の表示範囲は、第2表示領域23の表示範囲よりも大きい。換言すると、第1表示領域22の面積は、第2表示領域23の面積よりも大きい。これにより、顧客は対価をより目視しやすくなる。そのため、誤って決済することをより効果的に抑制することができる。
【0076】
なお、第2表示領域23の表示範囲が、第1表示領域22の表示範囲よりも大きくてもよい。換言すると、第2表示領域23の面積は、第1表示領域22の面積よりも大きくてもよい。これにより、商品又は役務の提供者(店舗側)は対価を確認しやすくなる。
【0077】
また、表示制御部20は、顧客端末2への第2の操作を受け付けると、第1表示領域22及び第2表示領域23の一方の表示範囲を大きくし、第1表示領域22及び第2表示領域23の他方の表示範囲を小さくしてもよい。第2の操作は、例えば、顧客端末2に対するピンチアウト操作や、縮小アイコン27を押下することなどである。例えば、図9に示す縮小アイコン27を押下すると、表示制御部20は、第1表示領域22の表示範囲を小さくし、第2表示領域23の表示範囲を大きくするようにしてもよい。これにより、顧客側の画面か、店舗側の画面のどちらを大きく表示させるかを任意に選択することができる。そのため、アプリケーションのユーザビリティが向上する。
【0078】
<第4実施形態>
図10は、第4実施形態に係る対価入力画面21aを示す図である。第1実施形態に係る表示制御部20は、支払画面21bにおいて、第1表示領域22、及び第2表示領域23を顧客端末2に表示させていたが、第4実施形態に係る表示制御部20は、対価入力画面21aにおいても、第1表示領域22、及び第2表示領域23を顧客端末2に表示させる。
【0079】
図10に示す領域13は、アイスクリームに対する対価を入力する領域である(図5と同様)。第4実施形態に係る領域13は、図10に示す対価情報31と連動している。すなわち、領域13にアイスクリームの対価を入力すると、対価情報31に当該対価が反映される。第4実施形態においても、第1表示領域22には、決済に関する文字列(図10の店舗の名称情報、ポイントの残高情報、入力する対価の情報、「次へ」アイコンなど)が第1の向きで表示される。第4実施形態においても、第2表示領域23には、決済に関する文字列(対価情報31を含む)が第2の向きで表示される。
【0080】
第4実施形態においては、支払画面21bだけでなく、対価入力画面21aにおいても顧客側と店舗側の両方がそれぞれ視認しやすい画面が表示される。これにより、顧客が対価を入力する段階から、店舗側が対価を視認しやすくなる。そのため、仮に顧客が対価の入力を誤っていた場合、店舗側は顧客に即座に対価の誤りを指摘することができる。したがって、誤ってキャッシュレス決済することを抑制することができる。
【0081】
さらに、第3実施形態と同様に、第1表示領域22の表示範囲は、第2表示領域23の表示範囲よりも大きくてもよい。これにより、顧客は対価を視認しやすくなるため、対価の入力を間違えにくくなる。
【0082】
また、第2表示領域23の表示範囲は、第1表示領域22の表示範囲よりも大きくてもよい。これにより、店舗側は、顧客が入力する対価を視認しやすくなる。
【0083】
また、対価入力画面21aのときは、第1表示領域22の方が大きく、支払画面21bのときは、第2表示領域23の方を大きく表示してもよい。これにより、顧客が対価を入力するときは、対価の入力の誤りが少なくなり、顧客が決済を確定する際には店舗側が確認しやすくなるため、効果的に決済の誤りを抑制することができる。
【0084】
(変形例)
図11は、支払画面21bの変形例を示す図である。変形例においても、第1表示領域22には、決済に関する文字列が第1の向きで表示され、第2表示領域23には、決済に関する文字列が第2の向きで表示されるが、変形例における第1表示領域22は、顧客端末2の上側の領域(上端縁2c側)に表示されていてもよい。変形例における第2表示領域23は、第1表示領域22よりも下側(下端縁2d側)に表示されていてもよい。変形例においても第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0085】
また、別の変形例として、決済関連画面21の1つとして、対価入力画面21aの代わりに電子クーポンを選択する画面(クーポン選択画面)を表示し、支払画面21bの代わりに電子クーポンを決定する画面(クーポン決定画面)を表示してもよい。この場合においても実施形態と同様に、クーポン選択画面及びクーポン決定画面の少なくとも一方に第1表示領域22及び第2表示領域23を表示してもよい。
【0086】
電子クーポンは、例えば、アイス50円割引のクーポンなどである。電子クーポンを用いた決済においては、上記クーポン決定画面で、上記クーポン選択画面で選択した電子クーポンの使用を確定させる。そして、例えばアイス50円割引の電子クーポンの使用を確定した場合、残金は任意の決済方法で決済してもよい。
【0087】
また、別の変形例として、決済関連画面21は1つであってもよく、具体的には、対価入力画面21aの機能、支払画面21bの機能を合わせた画面のみを表示してもよい。この場合、店舗に配置されているQRコードを読み込むと図10に示すような画面(ただし、「次へ」アイコンの代わりに「支払う」アイコンが表示)が表示され、「支払う」アイコンをタップすることで、いきなり決済が完了するという構成であってもよい。
【0088】
また、別の変形例として、第1実施形態において、対価入力画面21aの画面遷移アイコン14を押下した後、第1表示領域22をスライドさせることにより、第1表示領域22及び第2表示領域23を決済関連画面21に同時表示していたが、対価入力画面21aの画面遷移アイコン14を押下した後、第1表示領域22をスライドさせることなく、第1表示領域22及び第2表示領域23を即座に表示させてもよい。
【0089】
以上、図面を参照して実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0090】
図5で説明したフローは、あくまで一実施形態である。例えば、ステップS80において、図2に示す画面戻しアイコン16が押下されるとS60に戻る。また、例えば、S70において、所定時間経過しても第1の操作がなされない場合、処理を終了してもよい。
【0091】
実施形態において、コード情報取得部10、及び表示制御部20に係る機能は、顧客端末2が備えている前提であったが、コード情報取得部10、及び表示制御部20に係る機能の少なくとも一部を、情報処理装置1が備えていてもよい。
【0092】
また、実施形態において、表示制御部20は、第1表示領域22の色と第2表示領域23の色を異ならせて表示させてもよい。これにより、商品又は役務の提供者は、店舗側の画面をより視認しやすくなる。
【0093】
また、実施形態において、第1表示領域22は顧客が目視すべき画面であることを示唆する情報(例えば、「支払者」の文字を表示させる)が第1表示領域22に表示されており、第2表示領域23は商品又は役務の提供者が目視すべき画面であることを示唆する情報(例えば、「店舗側」の文字を表示させる)が第2表示領域23に表示されていてもよい。
【0094】
また、実施形態において、表示制御部20は、第2表示領域23の表示を制限するように設定できてもよい。表示制御部20は、決済関連画面21における店舗側が視認するための画面(第2表示領域23)の表示/非表示を設定できてもよい。
【0095】
また、情報処理システム100を実現するコンピュータ(情報処理装置1、及び顧客端末2)に、各機能(例えば、コード情報取得部10、及び表示制御部20)を実行させるためのプログラムが、記憶部(記憶部3、及び記憶部30の少なくとも一方)に記憶されていてもよい。
【0096】
また、顧客端末2を実現するコンピュータに、各機能(例えば、コード情報取得部10、及び表示制御部20)を実行させるためのプログラムが、記憶部30に記憶されていてもよい。
【0097】
また、実施形態において、第1表示領域22と第2表示領域23とを書字方向DR1に対して180度反対向きに入れ替えるためのアイコンを配置してもよい。このアイコンをタップした場合、第1表示領域22に表示される決済に関する文字列は、第2の向きで表示され、第2表示領域23に表示される決済に関する文字列は、第1の向きで表示される。
【0098】
また、実施形態において、第1の操作は、例えば、顧客端末2を回転操作することであってもよい。
【0099】
また、実施形態において、横長の顧客端末2(例えばタブレット)において、顧客端末2の画面を正面にしたときの左右方向に、第1表示領域22及び第2表示領域23が並んで配置されていてもよい。この場合においても、第1表示領域22には、決済に関する文字列が第1の向きで表示され、第2表示領域23には、決済に関する文字列が第2の向きで表示される。
【符号の説明】
【0100】
1 情報処理装置
2 顧客端末
2a 左端縁
2b 右端縁
2c 上端縁
2d 下端縁
3 記憶部
4 QRコード
20 表示制御部
21 決済関連画面
21a 対価入力画面
21b 支払画面
21c 決済完了画面
22 第1表示領域
23 第2表示領域
30 記憶部
【要約】
【課題】 誤ってキャッシュレス決済することを抑制することである。
【解決手段】 情報処理システム100は、コード情報取得部10と、表示制御部20とを備えている。コード情報取得部10は、商品又は役務の提供を受ける顧客の顧客端末2が商品又は役務の決済をするためのコードを読み込むことにより、コードに関するコード情報を取得する。表示制御部20は、コード情報を用いて、商品又は役務の決済に関する決済関連画面を顧客端末2に表示させる。表示制御部20は、顧客端末2に表示される決済に関する文字列が第1の向きで表示される第1表示領域22を、決済関連画面21に表示させるとともに、文字列が第1の向きと逆さの向きである第2の向きで表示される第2表示領域23を、決済関連画面21に表示させる。第1の向きは、顧客端末2の通常の使用状態において顧客端末2の画面を正面としたときに、文字列の書字方向が、顧客端末2の画面の左側から右側に向かう場合の向きである。
【選択図】 図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11