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特許7437674演出制御システム、および、演出制御プランを提示する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】演出制御システム、および、演出制御プランを提示する方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20240216BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
G06T19/00 A
G06F3/01 510
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019216242
(22)【出願日】2019-11-29
(65)【公開番号】P2021086478
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(74)【代理人】
【識別番号】100141449
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 隆芳
(74)【代理人】
【識別番号】100142446
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 覚
(72)【発明者】
【氏名】横井 裕
(72)【発明者】
【氏名】土井 祐司
(72)【発明者】
【氏名】平間 信裕
【審査官】淀川 滉也
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0032674(KR,A)
【文献】特開2003-122374(JP,A)
【文献】特開2018-005115(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0067070(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モデリングされた、現実空間の構成要素情報を使用して、仮想空間を生成する仮想空間生成部、
前記現実空間に設置された演出機器の出力情報を制御する演出制御情報によって、前記仮想空間および前記現実空間を演出するためのイメージおよび/またはサウンドを示す演出コンテンツ情報を入力する演出コンテンツ情報入力部、
前記仮想空間の状況を表現する演出VR(Virtual Reality)情報を生成するために使用される情報であって、前記演出機器を制御するための情報である前記演出制御情報を生成し、前記演出制御情報を出力する演出制御情報生成部、
前記仮想空間生成部によって生成された前記仮想空間に、前記演出制御情報生成部によって生成された前記演出制御情報を反映させた前記演出VR情報を生成する演出VR情報生成部、
前記演出VR情報を出力する演出VR情報出力装置、および、
前記演出制御情報を出力する演出制御情報出力部、を含むVR制御システム、並びに
前記演出制御情報に基づいて前記演出機器を制御し、前記現実空間を演出する現実空間制御部、および、
前記現実空間に設置された前記演出機器、を含む現実空間制御システム、
を含む演出制御システム。
【請求項2】
前記演出機器は、照明機器および/または映像機器を含み、前記演出は前記照明機器および/または前記映像機器から放射される光によって実現される請求項1に記載の演出制御システム。
【請求項3】
前記照明機器または前記映像機器は複数あり、前記現実空間制御部は複数の前記照明機器または前記映像機器から照射される光を制御する請求項2に記載の演出制御システム。
【請求項4】
前記演出機器は、音響機器を含み、前記演出は前記照明機器および/または前記映像機器から放射される光および前記音響機器から放音される音響によって実現される請求項2または3に記載の演出制御システム。
【請求項5】
前記演出制御情報生成部は、前記演出VR情報に対する肯定的な入力情報が入力されると前記演出制御情報を出力する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の演出制御システム。
【請求項6】
前記現実空間制御システムは、演出された前記現実空間をモニタしたモニタ情報を出力するモニタ機器をさらに含み、
前記VR制御システムは、前記モニタ情報を現実空間情報として出力する現実空間情報出力装置をさらに含み、
前記演出制御情報生成部は、前記現実空間情報と前記演出VR情報との差異に関連する新たな演出制御情報を生成し、
前記演出VR情報出力装置は前記新たな演出制御情報に関連する新たな演出VR情報を出力し、
前記現実空間制御部は前記新たな演出制御情報に基づいて前記演出機器を制御し、前記現実空間を演出する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の演出制御システム。
【請求項7】
前記VR制御システムは、前記現実空間情報と前記演出VR情報との差異に関連するユーザ操作情報が入力されるユーザ操作情報入力部をさらに含み、
前記演出制御情報生成部は、前記ユーザ操作情報に基づいて、前記新たな演出制御情報を生成する請求項6に記載の演出制御システム。
【請求項8】
前記モニタ機器は、モニタ角度を変更可能であり、および、前記演出機器が設置されている街空間において移動可能であり、前記VR制御システムに含まれる前記ユーザ操作情報入力部によって変更制御および移動制御される請求項7に記載の演出制御システム。
【請求項9】
前記モニタ機器および前記演出機器は動作情報を出力し、前記現実空間制御システムまたは前記VR制御システムにおいて、前記動作情報から前記モニタ機器および前記演出機器が正常に動作しているか否かを判定する請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の演出制御システム。
【請求項10】
前記演出制御システムは前記VR制御システムと前記現実空間制御システムとの間にクラウドを含み、前記クラウドは前記VR制御システムおよび前記現実空間制御システムの少なくとも一部の機能を実行する請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の演出制御システム。
【請求項11】
前記クラウドに接続される前記現実空間制御システムは複数である請求項10に記載の演出制御システム。
【請求項12】
前記クラウドに接続される前記現実空間制御システムが制御する街空間は、前記クラウドとは未接続の前記現実空間制御システムが制御する街空間よりもエリアが広い請求項10に記載の演出制御システム。
【請求項13】
前記VR制御システムは、前記演出機器が設置されている街空間から物理的に離れた遠隔の現実空間に設置される請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の演出制御システム。
【請求項14】
前記演出VR情報出力装置は、ディスプレイ装置、HMD(Head Mounted Display)装置のいずれかである請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の演出制御システム。
【請求項15】
前記演出VR情報出力装置には、前記演出機器の出力情報を変化させるための制御情報が出力され、前記ユーザ操作情報入力部から入力される前記ユーザ操作情報によって、前記制御情報が変化すると、前記演出機器の変化した出力情報が反映された新たな演出VR情報が前記演出VR情報出力装置に出力される請求項7に記載の演出制御システム。
【請求項16】
現実空間である街空間を演出するユーザに、演出制御システムによって前記街空間を演出するための演出制御プランを提示する方法であって、
モデリングされた、前記現実空間の構成要素情報を使用して、仮想空間を生成するステップ、
前記現実空間に設置された演出機器の出力情報を制御する演出制御情報によって、前記仮想空間および前記現実空間を演出するためのイメージおよび/またはサウンドを示す演出コンテンツ情報を入力するステップ、
前記仮想空間の状況を表現する演出VR(Virtual Reality)情報に対する肯定的な入力情報に対応して、前記演出VR情報を生成するために使用される情報であって、前記演出機器を制御するための情報である前記演出制御情報を出力するステップ、
前記仮想空間に、前記演出制御情報を反映させた前記演出VR情報を生成するステップ、
前記演出VR情報を出力するステップ、
前記演出制御情報を出力するステップ、
前記演出制御情報に基づいて前記演出機器を制御し、前記現実空間を演出するステップ、
演出された前記現実空間をモニタしたモニタ情報を出力するステップ、
前記モニタ情報に対する肯定的な入力情報に対応して、前記演出コンテンツ情報および前記演出機器を含む演出制御プランを提示するステップを含む演出制御プランを提示する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演出制御システム、および、演出制御プランを提示する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、さまざまな情報に基づいて、照明や音響によって空間を演出する手法が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1のリアルワールド演出システムは、一群のデバイスで構成され、各デバイスは、オーディオ/ビジュアル特性などの1以上のパラメータを有する。当該一群のデバイスの少なくともひとつは、リアルワールドを描写する記述をマークアップ言語の命令セットの形式で受け取り、前記一群のデバイスは、前記記述にしたがって動作する。マークアップ言語で表現された一般的な言葉は、ローカルサーバによって、あるいはデバイスに配置されたブラウザによって解釈され、リアルワールドな体験を演出するようにデバイスを動作させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2004-525735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の演出制御においては、あらかじめ用意されたリアルワールドを描写する記述から、建造物の壁面や造形物等において照明パターン等がどのように知覚されるかをローカルサーバやデバイスが解釈し、ローカルサーバやデバイスにおいて制御情報を生成していた。そして、決定権者を含むユーザが建造物や造形物が配置されている現場に赴いて、照明パターン等による演出効果を確認する必要があった。したがって、ユーザは現場において、照明パターン等による演出効果の良否を判断する必要があり、事前に検証することもなかった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、仮想現実における照明等の制御を事前検証し、リアルタイムで遠隔地にある現実空間へ当該制御を反映し、ユーザがモニタされた現実空間の照明効果等を仮想現実と比較してさらに事前検証し、演出コンテンツの良否を容易に判断することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の第一の態様に係る演出制御システムは、モデリングされた、現実空間の構成要素情報を使用して、仮想空間を生成する仮想空間生成部、前記現実空間に設置された演出機器の出力情報を制御する演出制御情報によって、前記仮想空間および前記現実空間を演出するためのイメージおよび/またはサウンドを示す演出コンテンツ情報を入力する演出コンテンツ情報入力部、前記演出コンテンツ情報によって演出された前記仮想空間の状況を表現する演出VR(Virtual Reality)情報を出力する演出VR情報出力装置、および、前記演出VR情報を生成するために使用される、前記演出機器を制御するための前記演出制御情報を生成し、前記演出制御情報を出力する演出制御情報生成部を含むVR制御システム、並びに、前記演出制御情報に基づいて前記演出機器を制御し、前記現実空間を演出する現実空間制御部、および、前記現実空間に設置された前記演出機器、を含む現実空間制御システムを有する。
【0008】
本開示の第二の態様に係る演出制御プランを提示する方法は、現実空間である街空間を演出するユーザに、演出制御システムによって前記街空間を演出するための演出制御プランを提示する方法であって、モデリングされた、前記現実空間の構成要素情報を使用して、仮想空間を生成するステップ、前記現実空間に設置された演出機器の出力情報によって、前記仮想空間および前記現実空間を演出するためのイメージおよび/またはサウンドを示す演出コンテンツ情報を入力するステップ、前記演出コンテンツ情報によって演出された前記仮想空間の状況を表現する演出VR情報を出力するステップ、前記演出VR情報に対する肯定的な入力情報に対応して、前記演出VR情報を生成するために使用される、前記演出機器を制御するための演出制御情報を出力するステップ、前記演出制御情報に基づいて前記演出機器を制御し、前記現実空間を演出するステップ、演出された前記現実空間をモニタしたモニタ情報を出力するステップ、前記モニタ情報に対する肯定的な入力情報に対応して、前記演出コンテンツ情報および前記演出機器を含む演出制御プランを提示するステップを含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、仮想現実における照明等の制御を事前検証し、リアルタイムで遠隔地にある現実空間へ当該制御を反映し、ユーザがモニタされた現実空間の照明効果等を仮想現実と比較してさらに事前検証し、演出コンテンツの良否を容易に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係わる演出制御システムの一例を模式的に示す図である。
図2】本実施形態に係わるVR制御システムの一例を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係わるVR記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係わる現実空間制御システムの一例を示すブロック図である。
図5A】本実施形態に係わる演出制御システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図5B】本実施形態に係わる演出制御システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図6】本実施形態に係わる演出制御システムのその他の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施形態に係わる演出制御システム、および、演出制御プランを提示する方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示に限定する主旨ではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。さらに、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0012】
(演出制御システム1000の概要)
図1は、演出制御システム1000の概念を説明するための模式図である。
【0013】
演出制御システム1000は、VR制御システム2000、並びに、現実空間である街空間の照明機器、映像機器および音響機器等を制御し、現実空間をモニタ等するための現実空間制御システム3000を含む。(VR:Virtual Reality)
【0014】
VR制御システム2000は、街空間を照明・映像機器および音響機器等によって演出するためのイメージおよび/またはサウンドを示す演出コンテンツを入力し、街空間を仮想化した仮想空間において演出コンテンツによって演出された状況をユーザに提供する。街空間を仮想化した仮想空間において演出コンテンツによって演出されたVRを、本明細書では、演出VRと称する場合がある。
【0015】
演出VRを視聴したユーザが、演出VRが街づくりやイベント等のコンセプトに合致していると判断した場合に、VR制御システム2000から現実空間制御システム3000に演出制御情報がリアルタイムに出力される。演出制御情報が入力された現実空間制御システム3000は、当該演出制御情報に基づいて照明機器、映像機器および音響機器を制御し、街空間における演出状況をモニタ機器によってモニタする。現実空間制御システム3000は、モニタ情報をVR制御システム2000に出力する。
【0016】
モニタ情報が入力されたVR制御システム2000は、モニタ情報をユーザに視聴させ、現実空間において、事前に検証した演出VRと同様の効果が発揮されているか否かをユーザがさらに事前に検証する。事前検証する場所は、現実空間から離れた遠隔地において可能である。現実空間における演出効果が、街づくりやイベント等のコンセプトに合致しているとユーザが判断した場合に、演出コンテンツがユーザに提案される。なお、現実空間における演出効果が、街づくりやイベント等のコンセプトに合致していないとユーザが判断した場合には、その場で演出VRを修正し、モニタ情報によって再度、演出効果を確認することも可能である。
【0017】
上記構成によれば、仮想現実における照明等の制御を事前検証し、リアルタイムで遠隔地にある現実空間へ当該制御を反映し、ユーザがモニタされた現実空間の照明効果等を仮想現実と比較してさらに事前検証し、演出コンテンツの良否を容易に判断できる。
【0018】
(VR制御システム2000)
図2は、VR制御システム2000の構成の一例を説明するためのブロック図である。
【0019】
VR制御システム2000は、VR制御装置2100、演出VR情報出力装置2200、現実空間情報出力装置2300、および、監視情報出力装置2400を含んで構成される。なお、現実空間情報出力装置2300および監視情報出力装置2400は別々のハードウェアではなく、1つのハードウェアによって構成されてもよい。また、場合によっては、演出VR情報出力装置2200、現実空間情報出力装置2300および監視情報出力装置2400も別々のハードウェアではなく、1つのハードウェアによって構成されてもよい。
【0020】
VR制御装置2100は、VR入力部2110、VR記憶部2120、VR制御部2130、VR出力部2140を含んで構成される。
【0021】
VR入力部2110は、現実空間構成要素情報入力部2111、演出機器情報入力部2112、演出コンテンツ情報入力部2113、ユーザ操作情報入力部2114、モニタ情報入力部2115、機器動作情報入力部2116を含む。
【0022】
現実空間構成要素情報入力部2111は、現実空間である街空間を構成する現実空間構成要素情報を入力し、VR記憶部2120に記憶する。現実空間構成要素情報2121には、人工的に設けられたホテル、商業施設、居住するためのビル、オフィスビル、陸橋、駅や競技場等の建造物、街路灯、道路等の人工物情報2121a、および、樹木、池、丘等の自然物情報2121bが含まれる。図3に示すように、これらの人工物情報2121aおよび自然物情報2121bはVR記憶部2120に記憶される。
【0023】
演出機器情報入力部2112は、演出コンテンツによって街空間を演出するために使用される演出機器3200に関する情報である演出機器情報2122を入力し、VR記憶部2120に記憶する。演出機器3200の一例として、図4に示す照明機器および映像機器を示す照明・映像機器3210、音響機器3220が挙げられる。照明・映像機器3210には、さまざまな光を放出する機器が含まれる。照明・映像機器3210の一例には、画像情報や文字情報等を投影するプロジェクタ等の投影装置、ディスプレイ等の表示装置、および、電球、発光ダイオード、光ケーブル等が挙げられる。図3に示すように、照明・映像機器3210に関する照明・映像機器情報2122a、および、音響機器3220に関する音響機器情報2122bは演出機器情報2122に含まれて、VR記憶部2120に記憶される。
【0024】
演出コンテンツ情報入力部2113は、演出機器3200によって街空間を演出するためのイメージおよび/またはサウンドを示す演出コンテンツを入力し、VR記憶部2120に記憶する。図3に示すように、演出コンテンツは演出コンテンツ情報2123として、VR記憶部2120に記憶される。また、演出コンテンツ情報2123は、演出機器3200を制御する演出制御情報によって現実空間である街空間をリアルタイムに演出するために使用されることが可能である。
【0025】
ユーザ操作情報入力部2114は、ユーザによるさまざまな情報を入力するためのインターフェース機能を有する。ユーザ操作情報入力部2114の一例として、キーボード、マウス、タッチパネル、トラックボール、および、音声認識デバイス等が挙げられる。
【0026】
例えば、演出VR情報出力装置2200がVR機器である場合には、ユーザ操作情報入力部2114はVR機器と一体となって機能してもよい。この場合には、ユーザ操作情報入力部2114はユーザの視線や動作を感知して情報を入力するデバイスとして機能することも可能であり、ユーザの視線の移動や動作に対応して、移動した視線から見える演出VR情報が演出VR情報出力装置2200に出力される。
【0027】
また、ユーザ操作情報入力部2114は、演出VR情報出力装置2200に表示される演出VR情報を修正するためのインターフェース機能を有することもできる。
【0028】
例えば、演出VR情報における照度または照明パターンを変更するために、ユーザ操作情報入力部2114を使用することができる。また、例えば、演出VR情報には音響情報も含まれるため、音量または音響パターンを変更するために、ユーザ操作情報入力部2114を使用することができる。
【0029】
さらに、ユーザ操作情報入力部2114は、演出コンテンツ情報2123によって演出された現実空間である街空間をモニタするモニタ機器3300の撮影方向や撮影場所を移動させるためのユーザインターフェースとして機能することも可能である。
【0030】
なお、ユーザ操作情報入力部2114は、現実空間構成要素情報2121、演出機器情報2122、演出コンテンツ情報2123を入力するためのユーザインターフェースとして機能することも可能である。
【0031】
モニタ情報入力部2115は、照明・映像機器3210や音響機器3220を制御する情報である演出制御情報によって演出された現実空間である街空間をモニタするモニタ機器3300から出力されるモニタ情報を入力する機能を有する。モニタ情報には映像情報および音響情報が含まれるが、モニタ情報入力部2115は、フォーマット変換を実行し、VR制御システム2000で使用できる情報に変換する機能を有することもできる。
【0032】
機器動作情報入力部2116は、照明・映像機器3210、音響機器3220、および、モニタ機器3300が正常に動作しているか否かを示す情報を入力する。例えば、照明・映像機器3210の一部の照明デバイスが故障していると、演出VR情報出力装置2200によって確認された演出効果が現実空間である街空間で得られない場合がある。このような場合に、演出効果がVRと現実空間で異なるのか、演出機器3200の故障によって所望の演出効果が得られないのかが判別できない場合があるので、機器動作情報を監視し、入力する必要がある。
【0033】
VR記憶部2120は、上述したように人工物情報2121aおよび自然物情報2121bを含む現実空間構成要素情報2121、照明・映像機器情報2122aおよび音響機器情報2122bを含む演出機器情報2122、演出コンテンツ情報2123を記憶する。
【0034】
VR制御部2130は、モデリング部2131、仮想空間生成部2132、演出VR情報生成部2133、演出制御情報生成部2134、モニタ制御部2135、および、機器動作監視部2136を含んで構成される。
【0035】
モデリング部2131は、現実空間から仮想空間を生成するために、現実空間構成要素情報2121をモデリングする機能を有する。現実空間構成要素情報2121は現実空間構成要素の寸法、材料、表面の物性等の情報を有する。表面の物性は、照明・映像機器3210に含まれる照明機器によって、現実空間構成要素が照明された場合の照明効果を表現するために使用されることができる。また、表面の物性は、音響機器3220による現実空間構成要素の音響効果を決定するために使用されることができる。なお、モデリング部2131は、外部の情報提供機器または情報提供者から仮想空間を生成するためのモデリングされた情報を読み込むことも可能である。
【0036】
仮想空間生成部2132は、モデリング部2131によって現実空間構成要素がモデリングされた仮想空間構成要素に基づいて、仮想空間を生成する機能を有する。仮想空間は3次元カラーコンピュータグラフィックスによって表現されることが可能である。仮想空間ではあらゆる位置および角度から仮想空間構成要素を表現することが可能である。
【0037】
演出制御情報生成部2134は、演出コンテンツ情報2123に基づいて、街空間に演出コンテンツを再現するように照明・映像機器3210および音響機器3220を制御するための情報を生成する。演出制御情報には、照明・映像機器3210および音響機器3220から出力される出力情報を制御するための照明・映像機器3210および音響機器3220への入力情報が含まれる。演出制御情報に含まれる照明・映像機器3210および音響機器3220への入力情報は演出制御情報出力部2142に出力される。
【0038】
また、演出制御情報には、仮想空間における演出機器3200の演出効果を得るための照明・映像機器3210および音響機器3220から出力される出力情報も含まれる。演出制御情報に含まれる照明・映像機器3210および音響機器3220の出力情報は演出VR情報生成部2133に出力される。
【0039】
また、演出制御情報生成部2134には、ユーザ操作情報入力部2114からユーザ操作情報が入力される場合もある。例えば、演出VR情報出力装置2200に出力された演出VR情報を修正する場合に、ユーザ操作情報入力部2114からユーザ操作情報が入力される場合がある。この場合には、ユーザ操作情報によって、照明・映像機器3210および音響機器3220の出力情報の内容を変更することが可能となる。
【0040】
演出VR情報生成部2133は、仮想空間生成部2132によって生成された仮想空間に、演出制御情報生成部2134によって生成された照明・映像機器3210および音響機器3220の出力情報を反映させた演出VR情報を生成する機能を有する。演出VR情報は、演出コンテンツ情報2123によって演出された演出コンテンツが仮想空間で表現された照明効果および音響効果を含む演出効果を示す情報であって、ユーザの視覚および聴覚で確認可能な視覚情報および音響情報である。演出VR情報生成部2133は、生成された演出VR情報を、演出VR情報出力部2141に出力する。
【0041】
モニタ制御部2135は、モニタ情報入力部2115から現実空間である街空間の視覚情報および音響情報を含むモニタ情報、および、ユーザ操作情報入力部2114からユーザ操作情報を入力する。モニタ制御部2135に入力されるユーザ操作情報には、モニタ機器3300のモニタ方向を変化させる情報が含まれる場合がある。また、モニタ機器3300が移動可能である場合には、モニタ機器3300を移動させる情報である場合がある。モニタ制御部2135は、これらのユーザ操作情報をモニタ制御情報として、モニタ制御情報出力部2143に出力する。
【0042】
また、モニタ制御情報によって制御されたモニタ機器3300の街空間の視覚情報および音響情報を含むモニタ情報を現実空間情報として現実空間情報出力部2144に出力する。
【0043】
機器動作監視部2136は機器動作情報入力部2116から入力された照明・映像機器3210、音響機器3220、および、モニタ機器3300が正常に動作しているか否かを示す機器動作情報を入力し、機器が正常に動作しているか否かを判定する機能を有する。機器動作監視部2136は、照明・映像機器3210、音響機器3220、および、モニタ機器3300が正常に動作しているか否かを示す監視情報を監視情報出力部2145に出力する。なお、後述する現実空間制御部3120が機器動作監視部2136の機能を実行することも可能であるが、詳細は後述する。
【0044】
VR出力部2140は、演出VR情報出力部2141、演出制御情報出力部2142、モニタ制御情報出力部2143、現実空間情報出力部2144、および、監視情報出力部2145を含んで構成される。
【0045】
演出VR情報出力部2141は演出コンテンツ情報2123から生成された演出制御情報によって演出された仮想空間の視覚情報および音響情報を含む演出VR情報を演出VR情報生成部2133から入力し、演出VR情報出力装置2200に出力する機能を有する。演出VR情報出力装置2200は、通常のディスプレイ装置の他にHMD等のVR機器である場合もある。また、演出VR情報出力装置2200は、一台である必要はなく、同一の演出VR情報を複数台に出力することも可能である。(HMD:Head Mounted Display)
【0046】
演出制御情報出力部2142は、演出制御情報生成部2134で生成された照明・映像機器3210および音響機器3220の出力情報を制御するための入力情報が含まれる演出制御情報を現実空間制御システム3000に出力する機能を有する。演出制御情報は有線または無線で直接的または間接的に伝送される。例えば、演出制御情報はネットワークを介して伝送されることも可能である。一例として、演出制御情報はインターネットやクラウド等の電子情報機器を間に介して伝送されることも可能である。
【0047】
モニタ制御情報出力部2143は、モニタ制御部2135で生成されたモニタ機器3300を制御するためのモニタ制御情報を現実空間制御システム3000に出力する機能を有する。モニタ制御情報も有線または無線で直接的または間接的に伝送される。例えば、モニタ制御情報もネットワークを介して伝送されることも可能である。一例として、モニタ制御情報もインターネットやクラウド等の電子情報機器を間に介して伝送されることも可能である。
【0048】
現実空間情報出力部2144は、モニタ機器3300によってモニタされた現実空間である街空間の視覚情報および音響情報を含む現実空間情報をモニタ制御部2135から入力し、現実空間情報出力装置2300に出力する機能を有する。また、現実空間情報出力装置2300は、一台である必要はなく、同一の現実空間情報を複数台に出力することも可能である。
【0049】
監視情報出力部2145は、照明・映像機器3210、音響機器3220、および、モニタ機器3300が正常に動作しているか否かを示す監視情報を機器動作監視部2136から入力し、監視情報出力装置2400に出力する。
【0050】
VR制御システム2000は、演出VR情報出力装置2200、現実空間情報出力装置2300、および、監視情報出力装置2400を含む。上述したように、現実空間情報出力装置2300および監視情報出力装置2400は別々のハードウェアではなく、1つのハードウェアによって構成されてもよい。また、場合によっては、演出VR情報出力装置2200、現実空間情報出力装置2300および監視情報出力装置2400も別々のハードウェアではなく、1つのハードウェアによって構成されてもよい。
【0051】
演出VR情報出力装置2200は、演出コンテンツ情報2123から生成された演出制御情報によって演出された仮想空間の視覚情報および音響情報を含む演出VR情報を出力する機能を有する。上述したように、演出VR情報出力装置2200は、通常のディスプレイ装置の他にHMD等のVR機器である場合もある。また、演出VR情報出力装置2200は、一台である必要はなく、同一の演出VR情報を複数台で視聴することも可能である。ユーザは、演出VR情報を視聴することによって、仮想空間において演出コンテンツ情報2123から生成された演出制御情報による演出効果を確認することが可能になる。仮想空間における演出効果が、ユーザが意図する街づくりやイベントのコンセプトに合致していれば、VR制御システム2000は演出制御情報を現実空間制御システム3000にリアルタイムに出力する。そして、ユーザは現実空間情報出力装置2300によって現実空間である街空間において演出効果を確認することが可能になる。
【0052】
また、演出VR情報出力装置2200が出力する、演出VR情報には後述する照明・映像機器3210および音響機器3220の出力情報を制御するための制御情報が含まれていてもよい。この場合には、照明・映像機器3210および音響機器3220の出力情報を制御するための制御情報が、演出VR情報出力装置2200に表示されることができる。そして、ユーザは表示された制御情報を、ユーザ操作情報入力部2114を使用して変更することが可能である。演出VR情報を視聴しているユーザがユーザ操作情報入力部2114を使用して当該制御情報を変更すると、変更された当該制御情報が反映された演出VR情報が演出VR情報出力装置2200に表示されることができる。このようにして、ユーザは演出VR情報を視聴しながら照明・映像機器3210および音響機器3220の出力情報を変更することが可能となる。この場合に、当該制御情報が表示される領域とユーザ操作情報との対応関係を演出制御情報生成部2134および演出VR情報生成部2133が認識しているものとする。したがって、表示された制御情報に対応するユーザ操作情報が、演出制御情報生成部2134に入力され、新たな演出制御情報が生成される。なお、制御情報は文字情報やイメージ情報として演出VR情報出力装置2200に表示されることが可能であって、ユーザはインタラクティブに演出効果を確認することが可能になる。
【0053】
現実空間情報出力装置2300は、演出制御情報に基づいて、照明・映像機器3210および音響機器3220が出力した情報によって演出された現実空間である街空間の視覚情報および音響情報を含む現実空間情報を出力する機能を有する。上述したように、ユーザは現実空間情報出力装置2300によって現実空間である街空間において演出効果を確認することが可能になる。現実空間における演出効果が、ユーザが意図する街づくりやイベントのコンセプトに合致していなければ、演出制御情報生成部2134によって演出情報を修正し、または、演出コンテンツ情報2123を入れ替えることが可能になる。
【0054】
監視情報出力装置2400は、照明・映像機器3210、音響機器3220、および、モニタ機器3300が正常に動作しているか否かを示す監視情報を出力する機能を有する。現実空間における演出効果が、ユーザが意図する街づくりやイベントのコンセプトに合致しているか否かを判断するためには、演出機器3200が正常に動作していることが重要であるため、監視情報出力装置2400によって監視できることが重要になる。
【0055】
(現実空間制御システム3000)
図4に示すように、現実空間制御システム3000は、現実空間制御装置3100、照明・映像機器3210、音響機器3220、モニタ機器3300を含んで構成される。
【0056】
現実空間制御装置3100は、演出制御情報およびモニタ制御情報を入力する現実空間制御入力部3110、現実空間制御部3120、現実空間I/F部3130、並びに、モニタ情報および機器動作情報を出力する現実空間出力部3140を含んで構成される。(I/F:InterFace)
【0057】
現実空間制御入力部3110は、演出制御情報を入力する演出制御情報入力部3111、および、モニタ制御情報を入力するモニタ制御情報入力部3112を含んで構成される。
【0058】
演出制御情報入力部3111は、演出VR情報出力装置2200によって演出効果が確認された照明・映像機器3210および音響機器3220を制御するための演出制御情報を入力し、現実空間制御部3120に出力する。
【0059】
モニタ制御情報入力部3112は、現実空間情報出力装置2300によって、モニタ機器3300を遠隔制御するためのモニタ制御情報を入力し、現実空間制御部3120に出力する。
【0060】
現実空間制御部3120は、演出制御情報から照明・映像機器3210を制御するための照明・映像機器制御情報を抽出し、照明・映像機器I/F部3131に出力する。また、現実空間制御部3120は、演出制御情報から音響機器3220を制御するための音響機器制御情報を抽出し、音響機器I/F部3132に出力する。さらに、現実空間制御部3120は、モニタ制御情報からモニタ機器3300を制御するための情報を抽出し、モニタ機器I/F部3133に出力する。
【0061】
さらに、現実空間制御部3120は、照明・映像機器3210の照明・映像機器動作情報を照明・映像機器I/F部3131から入力し、音響機器3220の音響機器動作情報を音響機器I/F部3132から入力する。現実空間制御部3120は、照明・映像機器動作情報および音響機器動作情報を機器動作情報として、機器動作情報出力部3142に出力する。なお、現実空間制御部3120は、モニタ機器3300のモニタ機器動作情報をモニタ機器I/F部3133から入力し、機器動作情報にモニタ機器動作情報を含めることも可能である。
【0062】
さらに、現実空間制御部3120は、モニタ機器3300から現実空間である街空間の視覚情報および音響情報を含むモニタ情報をモニタ機器I/F部3133を介して入力し、当該モニタ情報をモニタ情報出力部3141に出力する。
【0063】
なお、現実空間制御部3120は、照明・映像機器動作情報、音響機器動作情報、モニタ機器動作情報から照明・映像機器3210、音響機器3220、および、モニタ機器3300が正常に動作しているか否かを判定する機能を有する場合もある。この場合には、機器動作情報に照明・映像機器3210、音響機器3220、および、モニタ機器3300が正常に動作しているか否かを示す情報を含めることも可能である。
【0064】
現実空間I/F部3130は上述した照明・映像機器I/F部3131、音響機器I/F部3132およびモニタ機器I/F部3133を含んで構成される。
【0065】
照明・映像機器I/F部3131は照明・映像機器制御情報を照明・映像機器3210に出力し、照明・映像機器3210から照明・映像機器動作情報を入力する機能を有する。
【0066】
音響機器I/F部3132は音響機器制御情報を音響機器3220に出力し、音響機器3220から音響機器動作情報を入力する機能を有する。
【0067】
モニタ機器I/F部3133はモニタ機器制御情報をモニタ機器3300に出力し、モニタ機器3300からモニタ機器動作情報を入力する機能を有する。
【0068】
現実空間出力部3140はモニタ情報出力部3141および機器動作情報出力部3142を含んで構成される。
【0069】
モニタ情報出力部3141は、モニタ機器3300が出力したモニタ情報を、現実空間制御部3120から入力し、VR制御システム2000のモニタ情報入力部2115に出力する。
【0070】
機器動作情報出力部3142は、照明・映像機器3210、音響機器3220、モニタ機器3300が出力した機器動作情報を、現実空間制御部3120から入力し、VR制御システム2000の機器動作情報入力部2116に出力する。機器動作情報には、照明・映像機器動作情報、音響機器動作情報、モニタ機器動作情報が含まれる。
【0071】
モニタ情報および機器動作情報は有線または無線で直接的または間接的に伝送される。例えば、モニタ情報および機器動作情報はインターネットやクラウド等の電子情報機器を間に介して伝送されることも可能である。
【0072】
照明機器および映像機器を示す照明・映像機器3210の一例には、画像情報や文字情報等を投影するプロジェクタ等の投影装置、ディスプレイ等の表示装置、および、電球、発光ダイオード、光ケーブル等が挙げられる。投影装置はビルの壁面やスクリーン等に画像情報や文字情報等を投影するプロジェクションマッピング装置であってもよい。なお、ディスプレイにはディスプレイサイズが大型から小型までの任意のサイズのディスプレイが含まれる。また、電球、発光ダイオード、光ケーブル等によってイルミネーションを演出することも可能である。なお、照明・映像機器3210はこれらに限定されるわけではなく、あらゆる種類の光を放射する装置が含まれる。
【0073】
音響機器3220から出力される音響情報は、照明・映像機器3210による照明・映像効果を補助する音響情報、照明・映像機器3210による出力情報とは独立した音響情報が含まれる場合がある。また、音響機器3220は一台である必要はなく、複数台で構成される場合がある。
【0074】
モニタ機器3300は固定式または移動式のいずれであってもよい。モニタ機器3300が移動式の場合には、ユーザは演出機器3200が設置されている街空間を移動するモニタ機器3300の視線に合わせて演出効果を視聴することが可能になる。また、モニタ機器3300はドローンに搭載されて街空間を移動することも可能である。モニタ機器3300が移動式の場合には、モニタ機器3300が搭載される移動可能物体に制限はなく、任意の移動可能物体を採用することが可能である。また、モニタ機器3300は一台である必要はなく、複数台で構成される場合がある。さらに、モニタ機器3300は、モニタ角度を変更可能であるウェブカメラ等のカメラであってもよい。モニタ機器3300は、VR制御システム2000に含まれるユーザ操作情報入力部2114によって変更制御および移動制御されることが可能である。
【0075】
(演出制御システム1000の動作の一例を示すフローチャート)
次に、演出制御システム1000の動作の一例のフローチャートについて図5Aおよび図5Bに基づいて説明する。図5Aおよび図5Bにおける処理手順は、演出制御システム1000が有するCPU(Central Processing Unit)が実行する。当該CPUの一部の機能を実行する動作部の一例には、VR制御部2130および現実空間制御部3120が挙げられる。この場合において、当該CPUはROM(Read Only Memory)(図示せず)に格納されたプログラムにしたがい実行する。
【0076】
なお、以下の処理手順の一部または全部は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアにより実行できる。但し本実施形態では、ROMのプログラムにしたがってCPUが実行する形態とした場合について説明する。
【0077】
ステップS501において、現実空間構成要素情報入力部2111は、現実空間である街空間を構成する現実空間構成要素情報を入力し、VR記憶部2120に記憶する。現実空間構成要素情報2121には、人工的に設けられたホテル、商業施設、居住するためのビル、オフィスビル、陸橋、駅や競技場等の建造物、街路灯、道路等の人工物情報2121a、および、樹木、池、丘等の自然物情報2121bが含まれる。次にVR制御システム2000はステップS502に進む。
【0078】
ステップS502において、演出機器情報入力部2112は、街空間を演出するために使用される演出機器3200に関する情報である演出機器情報2122を入力し、VR記憶部2120に記憶する。演出機器3200の一例として、図4に示す照明・映像機器3210、音響機器3220が挙げられる。なお、照明・映像機器3210および音響機器3220は複数の機器である場合がある。さらに、複数の照明・映像機器3210によって照明・映像システムが構成され、複数の音響機器3220によって音響システムが構成される場合がある。次にVR制御システム2000はステップS503に進む。
【0079】
ステップS503において、演出コンテンツ情報入力部2113は、照明・映像機器3210および音響機器3220によって街空間を演出するための演出コンテンツに関する情報である演出コンテンツ情報を入力し、VR記憶部2120に記憶する。次にVR制御システム2000はステップS504に進む。
【0080】
ステップS504において、演出制御情報生成部2134は、演出コンテンツ情報2123に基づいて、街空間に演出コンテンツを再現するように照明・映像機器3210および音響機器3220を制御するための演出制御情報を生成する。演出制御情報には、ステップS507において使用される、照明・映像機器3210および音響機器3220の出力情報を制御するための照明・映像機器3210および音響機器3220への入力情報が含まれる。また、当該演出制御情報には、ステップS505において使用される、仮想空間における演出効果を得るための照明・映像機器3210および音響機器3220の出力情報も含まれる。次にVR制御システム2000はステップS505に進む。
【0081】
ステップS505において、仮想空間生成部2132は、モデリング部2131によって現実空間構成要素がモデリングされた仮想空間構成要素に基づいて、仮想空間を生成する。仮想空間は3次元カラーコンピュータグラフィックスによって表現されることが可能である。仮想空間ではあらゆる位置および角度から仮想空間構成要素を表現することが可能である。そして、演出VR情報生成部2133は、仮想空間生成部2132によって生成された仮想空間に、演出制御情報生成部2134によって生成された照明・映像機器3210および音響機器3220の出力情報を反映させた演出VR情報を生成する。演出VR情報は、演出制御情報によって演出コンテンツ情報2123が仮想空間で表現された照明効果および音響効果を含む演出効果を示す情報であって、ユーザの視覚および聴覚で確認可能な視覚情報および音響情報である。ユーザは演出VR情報出力装置2200によって、仮想空間における演出制御情報による演出効果を視覚および聴覚で確認することが可能である。次にVR制御システム2000はステップS506に進む。
【0082】
ステップS506において、ユーザ操作情報入力部2114によって入力された入力情報が肯定的であるか否かを演出制御情報生成部2134が判定する。ユーザ操作情報入力部2114によって入力された入力情報が肯定的である場合(ステップS506:YES)には、VR制御システム2000はステップS506に進む。ユーザ操作情報入力部2114によって入力された入力情報が否定的である場合(ステップS506:NO)には、VR制御システム2000はステップS515に進む。
【0083】
ステップS507において、演出制御情報生成部2134は、街空間に演出コンテンツ情報2123を再現するように照明・映像機器3210および音響機器3220を制御するための演出制御情報を現実空間制御システム3000に出力する。
【0084】
ステップS508において、現実空間制御部3120は、入力された演出制御情報に基づいて、照明・映像機器3210および音響機器3220の出力情報を制御する。次に、現実空間制御システム3000はステップS509に進む。
【0085】
ステップS509において、機器動作監視部2136は、機器動作情報入力部2116から入力された照明・映像機器3210、音響機器3220、および、モニタ機器3300が正常に動作しているか否かを示す機器動作情報を入力する。そして、機器動作監視部2136は、機器が正常に動作しているか否かを判定する。または、現実空間制御部3120が、照明・映像機器動作情報、音響機器動作情報、モニタ機器動作情報から照明・映像機器3210、音響機器3220、および、モニタ機器3300が正常に動作しているか否かを判定する。照明・映像機器3210、音響機器3220、および、モニタ機器3300が正常に動作している場合(ステップS509:YES)には、演出制御システム1000はステップS511に進む。照明・映像機器3210、音響機器3220、および、モニタ機器3300が正常に動作していない場合(ステップS509:NO)には、演出制御システム1000はステップS510に進む。
【0086】
ステップS510において、照明・映像機器3210、音響機器3220、および、モニタ機器3300を修正等し、照明・映像機器3210、音響機器3220、および、モニタ機器3300を正常に動作させる。
【0087】
ステップS511において、モニタ機器3300は、照明・映像機器3210および音響機器3220によって演出された現実空間である街空間の視覚情報および音響情報をモニタし、モニタ情報をVR制御システム2000に出力する。
【0088】
ステップS512において、VR制御システム2000に接続された現実空間情報出力装置2300が照明・映像機器3210および音響機器3220によって演出された現実空間である街空間の視覚情報および音響情報を出力する。
【0089】
ステップS513において、ユーザ操作情報入力部2114によって入力された入力情報が肯定的であるか否かを演出制御情報生成部2134が判定する。ユーザ操作情報入力部2114によって入力された入力情報が肯定的である場合(ステップS513:YES)には、VR制御システム2000はステップS514に進む。ユーザ操作情報入力部2114によって入力された入力情報が否定的である場合(ステップS513:NO)には、VR制御システム2000はステップS515に進む。
【0090】
ステップS514において、演出制御システム1000はステップS513において肯定的な評価がなされた演出コンテンツ情報2123および演出機器3200に関する情報をユーザに表示装置を用いて提示する。表示装置は任意の装置を用いることができる。
【0091】
ステップS515において、ユーザ操作情報入力部2114によって入力された入力情報が演出コンテンツの入れ替えを指示するものであるか否かを演出制御情報生成部2134が判定する。ユーザ操作情報入力部2114によって入力された入力情報が演出コンテンツの入れ替えを指示するものである場合(ステップS515:YES)には、VR制御システム2000はステップS517に進む。ユーザ操作情報入力部2114によって入力された入力情報が演出コンテンツの入れ替えを指示するものではない場合(ステップS515:NO)には、VR制御システム2000はステップS516に進む。
【0092】
ステップS516において、ユーザ操作情報入力部2114によって入力された入力情報に基づいて、照明・映像機器3210および音響機器3220の出力情報の一部を変化させ演出制御情報を変化させる。変化した演出制御情報による演出効果を演出VR情報出力装置に出力する。演出制御情報生成部2134は、変化した演出制御情報に基づいて新たな演出コンテンツ情報2123を生成し、VR記憶部2120に記憶する。
【0093】
ステップS517において、ユーザ操作情報入力部2114によって入力された入力情報が新たな演出機器3200を必要とするものであるか否かを演出制御情報生成部2134が判定する。ユーザ操作情報入力部2114によって入力された入力情報が新たな演出機器3200を必要とするものである場合(ステップS517:YES)には、VR制御システム2000はステップS502に進む。ユーザ操作情報入力部2114によって入力された入力情報が新たな演出機器3200を必要とするものではない場合(ステップS517:NO)には、VR制御システム2000はステップS503に進む。
【0094】
以上説明したように、ユーザは演出コンテンツ情報2123に基づいて生成された制御情報によって仮想空間で演出効果が反映された仮想現実を視聴し、街づくりやイベントに合致した演出コンテンツであるか否かを確認することができる。そして、ユーザの想定した演出コンテンツである場合には、リアルタイムで照明制御等を現実空間へ反映することができる。さらに、現実空間における演出効果と、仮想現実における演出効果を比較し、ユーザの想定した演出コンテンツであることが確認できた場合には、当該演出コンテンツおよび照明・映像機器等の機材をユーザに即座に提案することが可能となる。
【0095】
すなわち、仮想現実における照明等の制御を事前検証し、リアルタイムで遠隔地にある現実空間へ当該制御を反映し、ユーザがモニタされた現実空間の照明効果等を仮想現実と比較してさらに事前検証し、演出コンテンツの良否を容易に判断できる。
【0096】
(変形例)
図6に演出制御システム1000aの変形例の一例を示す。図6に示す演出制御システム1000aは、1つのVR制御システム2000aと現実空間制御システム3000a、現実空間制御システム3000b、現実空間制御システム3000cを含む。なお、現実空間制御システム3000の個数は任意の個数とすることができる。例えば、クラウド4000に接続される現実空間制御システム3000は一つであってもよい。現実空間制御システム3000aは街空間aの照明・映像機器および音響機器を制御し、現実空間制御システム3000bは街空間bの照明・映像機器および音響機器を制御する。現実空間制御システム3000cは街空間cの照明・映像機器および音響機器を制御する。また、VR制御システム2000aと現実空間制御システム3000a、現実空間制御システム3000b、現実空間制御システム3000cとはクラウド4000によって接続されているとする。
【0097】
1つのVR制御システム2000aで複数の街空間または広大な街空間の仮想現実をシミュレートし、複数の街空間の照明・映像機器および音響機器を制御することは負荷が非常に重くなり、実行速度が現実的ではない場合が想定される。また、膨大な記憶容量が必要になる場合が想定される。
【0098】
そこで、上記問題を解決するために、VR制御システム2000aはVR制御システム2000のVR記憶部2120の全部または一部の機能をクラウド4000に持たせることができる。また、VR制御システム2000aはVR制御システム2000のVR制御部2130の全部または一部の機能をクラウド4000に持たせることができる。
【0099】
例えば、すべての街空間の現実空間構成要素情報2121を記憶するためには、膨大な記憶容量が必要になることが想定されるために、VR制御システム2000aではクラウド4000に現実空間構成要素情報2121の全部または一部の情報を記憶する。
【0100】
また、例えば、街空間が広大な領域になった場合には、仮想空間生成部2132、演出VR情報生成部2133の演算量は膨大なものとなる。そのために、VR制御システム2000aではクラウド4000に仮想空間生成部2132、演出VR情報生成部2133の全部または一部の機能を代替させることができる。同様に、VR制御システム2000aではクラウド4000に演出制御情報生成部2134の全部または一部の機能を代替させることができる。
【0101】
以上説明したように、VR制御システムと現実空間制御システムとの間にクラウドを存在させることによって、街空間のエリアが広大になった場合、街空間が複数になった場合等に、本実施形態の演出制御システムを導入することが可能になる。
【0102】
さらに、VR制御システムと現実空間制御システムとの間にクラウドを存在させることによって、VR制御システムを現実空間制御システムが配置されている地域とは別の遠隔の地域に配置することが可能になる。例えば、VR制御システムを現実空間制御システムが演出する街空間とは遠隔にあるオフィスビルに配置することで、人間が街空間とは異なる空間に居ながら、すべての作業を完結させることが可能になる。
【0103】
以下に、本実施形態の演出制御システム、および、演出制御プランを提示する方法の特徴について記載する。
【0104】
(1) 演出制御システム1000は以下の構成を有することが好ましい。
演出制御システム1000はVR制御システム2000および現実空間制御システム3000を含むことが好ましい。
VR制御システム2000は以下の構成を有することが好ましい。
(i) モデリングされた、現実空間の構成要素情報を使用して、仮想空間を生成する仮想空間生成部2132を含むことが好ましい。
(ii) 現実空間に設置された演出機器3200の出力情報を制御する演出制御情報によって、仮想空間および現実空間を演出するためのイメージおよび/またはサウンドを示す演出コンテンツ情報2123を入力する演出コンテンツ情報入力部2113を含む。
(iii) 演出コンテンツ情報2123によって演出された仮想空間の状況を表現する演出VR情報を出力する演出VR情報出力装置2200を含むことが好ましい。
(iv) 演出VR情報を生成するために使用される、演出機器3200を制御するための演出制御情報を生成し、演出制御情報を出力する演出制御情報生成部2134を含むことが好ましい。
現実空間制御システム3000は以下の構成を有することが好ましい。
(v) 演出制御情報に基づいて演出機器3200を制御し、現実空間を演出する現実空間制御部3120を含むことが好ましい。
(vi) 現実空間に設置された演出機器3200を含むことが好ましい。
【0105】
本開示によれば、仮想現実における照明制御等をリアルタイムで現実空間へ反映することを簡易に可能にし、ユーザが現実空間の照明効果等を仮想現実と比較して確認することで、シミュレーションの良否を容易に判定することが可能となる。
【0106】
(2) 演出機器3200は、照明・映像機器3210を含み、演出は照明・映像機器3210から放射される光によって実現されることが好ましい。
【0107】
本開示によれば、演出コンテンツ情報2123を、視覚的に街空間を演出する情報とすることが可能になる。
【0108】
(3) 照明・映像機器3210は複数あり、現実空間制御部3120は複数の照明・映像機器3210から照射される光を制御することが好ましい。
【0109】
本開示によれば、視覚的に街空間を演出するためにプロジェクションマッピングやイルミネーションによる景観を生成することが可能になる。
【0110】
(4) 演出機器3200は、音響機器3220を含み、演出は照明・映像機器3210から放射される光および音響機器3220から放音される音響によって実現されることが好ましい。
【0111】
本開示によれば、視覚的に街空間を演出するばかりではなく、聴覚的にも街空間を演出することが可能になるので、演出を体感するユーザに効果的な演出コンテンツ情報2123を提供することが可能になる。
【0112】
(5) 演出制御情報生成部2134は、演出VR情報に対する肯定的な入力情報が入力されると演出制御情報を出力することが好ましい。
【0113】
本開示によれば、演出VR情報の視聴によって、仮想空間における演出効果が、ユーザが意図した街づくりやイベント等のコンセプトに合致しているとユーザが判断すれば、リアルタイムに演出制御情報を、現実空間を制御するために出力することが可能になる。
【0114】
(6) 演出制御システム1000は以下の構成をさらに有することが好ましい。
(vii) 現実空間制御システム3000は、演出された現実空間をモニタしたモニタ情報を出力するモニタ機器3300をさらに含むことが好ましい。
(viii) VR制御システム2000は、モニタ情報を現実空間情報として出力する現実空間情報出力装置2300をさらに含むことが好ましい。
演出制御情報生成部2134は、現実空間情報と演出VR情報との差異に関連する新たな演出制御情報を生成することが好ましい。
演出VR情報出力装置2200は新たな演出制御情報に関連する新たな演出VR情報を出力することが好ましい。
現実空間制御部3120は新たな演出制御情報に基づいて演出機器3200を制御し、現実空間を演出することが好ましい。
【0115】
本開示によれば、演出VR情報がユーザのコンセプトに合致していても、現実空間における演出効果が演出VR情報による演出効果とは異なり、ユーザのコンセプトに合致していない場合に、新たな演出VR情報を生成することが可能になる。さらに、本開示によれば、新たな演出VR情報に対応する演出制御情報によって、現実空間における演出効果をリアルタイムで確認することが可能になる。
【0116】
(7) 演出制御システム1000は以下の構成をさらに有することが好ましい。
(ix) VR制御システム2000は、現実空間情報と演出VR情報との差異に関連するユーザ操作情報が入力されるユーザ操作情報入力部2114をさらに含むことが好ましい。
演出制御情報生成部2134は、ユーザ操作情報に関連する新たな演出制御情報を生成することが好ましい。
【0117】
本開示によれば、現実空間における演出効果が演出VR情報による演出効果とは異なり、ユーザのコンセプトに合致していない場合に、ユーザはVR制御システム2000においてユーザ操作情報を生成し、新たな演出制御情報を生成することが可能になる。
【0118】
(8) モニタ機器3300は、モニタ角度を変更可能であり、および、演出機器3200が設置されている街空間において移動可能である。モニタ機器3300は、VR制御システム2000に含まれるユーザ操作情報入力部2114によって変更制御および移動制御されることが好ましい。
【0119】
本開示によれば、仮想空間における演出効果をさまざまな方向および位置から確認できるだけではなく、現実空間においても現実空間の演出効果をさまざまな方向および位置から確認することが可能になる。
【0120】
(9) モニタ機器3300および演出機器3200は動作情報を出力し、現実空間制御システム3000またはVR制御システム2000において、動作情報からモニタ機器3300および演出機器3200が正常に動作しているか否かを判定することが好ましい。
【0121】
本開示によれば、現実空間における演出効果が、ユーザが仮想空間において確認した演出効果と異なる場合に、モニタ機器3300または演出機器3200が正常に動作していないことに起因するか否かを確認することが可能になる。また、現実空間における演出が正常に継続されているか否かを確認することが可能になる。
【0122】
(10) 演出制御システム1000はVR制御システム2000と現実空間制御システム3000との間にクラウド4000を含む。クラウド4000はVR制御システム2000および現実空間制御システム3000の少なくとも一部の機能を実行することが好ましい。
【0123】
本開示によれば、VR制御システム2000を現実空間制御システム3000とは離れた遠隔の地に配置することが可能になり、ユーザは演出機器3200が配置されている街空間に赴くことなく、シミュレーションとその結果を確認、修正することが可能になる。
【0124】
(11) クラウド4000に接続される現実空間制御システム3000は複数であることが好ましい。
(12) クラウド4000に接続される現実空間制御システムが制御する街空間は、クラウド4000とは未接続の現実空間制御システム3000が制御する街空間よりもエリアが広いことが好ましい。
【0125】
本開示によれば、クラウド4000を配置することで、広大な街空間をVR制御システム2000で制御することが可能になり、広大な領域の街つくりを遠隔地において簡易にシミュレーションし、現実空間の演出効果を容易に確認することが可能になる。
【0126】
(13) VR制御システム2000は、演出機器3200が設置されている街空間から物理的に離れた遠隔の現実空間に設置されることが好ましい。
【0127】
本開示によれば、VR制御システム2000を現実空間制御システム3000とは離れた遠隔の地に配置することが可能になり、ユーザは演出機器3200が配置されている街空間に赴くことなく、シミュレーションとその結果を確認、修正することが可能になる。
【0128】
(14) 演出VR情報出力装置2200は、ディスプレイ装置、HMD装置のいずれかであることが好ましい。
【0129】
本開示によれば、演出VR情報はパソコンの画面で確認することが可能になり、特別な電子機器を用意することなく、仮想空間の演出効果を確認し、修正することが可能になる。また、演出VR情報はHMD装置で確認することが可能になり、ユーザはあたかも自分が現実の街空間にいるように感じながら、仮想空間の演出効果を確認し、修正することが可能になる。
【0130】
(15) 演出VR情報出力装置2200には、演出機器3200の出力情報を変化させるための制御情報が出力されることが好ましい。ユーザ操作情報入力部2114から入力されるユーザ操作情報によって、制御情報が変化すると、演出機器3200の変化した出力情報が反映された新たな演出VR情報が演出VR情報出力装置2200に出力されることが好ましい。
【0131】
本開示によれば、演出機器3200の出力情報を変化させるための制御情報が演出VR情報出力装置2200に表示されるので、ユーザは容易に演出コンテンツ情報2123を変更することが可能になり、ユーザインターフェース機能を向上させることが可能になる。
【0132】
(16)現実空間である街空間を演出するユーザに、演出制御システム1000によって街空間を演出するための演出制御プランを提示する方法が開示される。
演出制御プランを提示する方法は以下のステップを含む。
(i)第1のステップは、モデリングされた、現実空間の構成要素情報を使用して、仮想空間を生成するステップである。
(ii)第2のステップは、現実空間に設置された演出機器3200の出力情報を制御する演出制御情報によって、仮想空間および現実空間を演出するためのイメージおよび/またはサウンドを示す演出コンテンツ情報2123を入力するステップである。
(iii)第3のステップは、演出コンテンツ情報2123によって演出された仮想空間の状況を表現する演出VR情報を出力するステップである。
(iv)第4のステップは、演出VR情報に対する肯定的な入力情報に対応して、演出VR情報を生成するために使用される、演出機器3200を制御するための演出制御情報を出力するステップである。
(v)第5のステップは、演出制御情報に基づいて演出機器3200を制御し、現実空間を演出するステップである。
(vi)第6のステップは、演出された現実空間をモニタしたモニタ情報を出力するステップである。
(vii)第7のステップは、モニタ情報に対する肯定的な入力情報に対応して、演出コンテンツ情報2123および演出機器3200を含む演出制御プランを提示するステップである。
【0133】
本開示によれば、仮想現実における照明制御等をリアルタイムで現実空間へ反映することを簡易に可能にし、ユーザが現実空間の照明効果等を仮想現実と比較して確認することで、シミュレーションの良否を容易に判定することが可能となる。
【0134】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。また、さまざまな実施形態の一部または全部を組み合わせて新たな実施形態とすることも可能である。
【符号の説明】
【0135】
1000 演出制御システム
2000 VR制御システム
2100 VR制御装置
2110 VR入力部
2111 現実空間構成要素情報入力部
2112 演出機器情報入力部
2113 演出コンテンツ情報入力部
2114 ユーザ操作情報入力部
2115 モニタ情報入力部
2116 機器動作情報入力部
2120 VR記憶部
2130 VR制御部
2131 モデリング部
2132 仮想空間生成部
2133 演出VR情報生成部
2134 演出制御情報生成部
2135 モニタ制御部
2136 機器動作監視部
2140 VR出力部
2141 演出VR情報出力部
2142 演出制御情報出力部
2143 モニタ制御情報出力部
2144 現実空間情報出力部
2145 監視情報出力部
2200 演出VR情報出力装置
2300 現実空間情報出力装置
2400 監視情報出力装置
3000 現実空間制御システム
3100 現実空間制御装置
3110 現実空間制御入力部
3111 演出制御情報入力部
3112 モニタ制御情報入力部
3120 現実空間制御部
3130 現実空間I/F部
3131 照明・映像機器I/F部
3132 音響機器I/F部
3133 モニタ機器I/F部
3140 現実空間出力部
3141 モニタ情報出力部
3142 機器動作情報出力部
3200 演出機器
3210 照明・映像機器
3220 音響機器
3300 モニタ機器
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6