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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】集塵装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/16 20060101AFI20240216BHJP
   A47L 5/24 20060101ALI20240216BHJP
   A47L 9/10 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
A47L9/16
A47L5/24 A
A47L9/10 D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020077823
(22)【出願日】2020-04-24
(65)【公開番号】P2021171325
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】外山 一人
(72)【発明者】
【氏名】大橋 弘典
(72)【発明者】
【氏名】工藤 敏男
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0090701(US,A1)
【文献】特開2020-018367(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/10-9/19
A47L 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ごみを吸引する吸引風を発生させる吸引部と、
前記ごみが集積される第1ダストボックスと、
前記吸引風に渦流を発生させ、前記吸引風中の前記ごみを遠心力により取り出し前記第1ダストボックスに集積するサイクロン部と、
筒形状であって、前記第1ダストボックスとつながった流入孔と、軸方向の一端に設けられ前記流入孔から入った前記吸引風が吹き出す流出孔と、を有する筒状部と、
前記流出孔とつながった導入孔と、前記導入孔から入った前記吸引風が吹き出す導出孔と、を有し、前記ごみが集積される第2ダストボックスと、
前記吸引風中の前記ごみを捕捉する第1フィルタが前記導出孔を覆うように前記第1フィルタを保持するフィルタ保持部と、
前記吸引風中の前記ごみを捕捉する第2フィルタと、
前記吸引部を収容するハウジングと、を備え、
前記フィルタ保持部は、前記筒状部の中心軸の延長線上に前記第1フィルタを保持し、
前記第1ダストボックス及び前記第2ダストボックスを含む第1ユニットは、前記吸引部及び前記ハウジングを含む第2ユニットに着脱可能であり、
前記第2ダストボックスの前記導出孔は、前記第1ユニットのうち前記第2ユニットとの対向面に設けられており、
前記フィルタ保持部は、前記第2ダストボックスのうち、前記導出孔を通して取出し可能な位置に前記第1フィルタを保持し、
前記ハウジングは、前記第1ユニットとの対向面であって、前記筒状部の前記中心軸の前記延長線上に開口部を有し、
前記第2フィルタは、前記開口部を覆っている、
集塵装置。
【請求項2】
前記フィルタ保持部は、前記第2ダストボックスに着脱可能であり、前記導出孔を通して前記第2ダストボックスから取り出し可能である、
請求項1に記載の集塵装置。
【請求項3】
前記第1フィルタは、開口部を有する袋状に形成されており、
前記フィルタ保持部は、前記第1フィルタの前記開口部とは反対側の底部を保持する、
請求項1又は2に記載の集塵装置。
【請求項4】
前記第1ユニットが前記第2ユニットと結合された状態で、前記第1ダストボックスは、前記第1ユニットの一部の構成から分離可能である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の集塵装置。
【請求項5】
前記第1ユニットが前記第2ユニットから分離しているとき、前記導出孔が露出される、
請求項1~4のいずれか一項に記載の集塵装置。
【請求項6】
前記第1ダストボックスは、前記第1ユニットのうち前記第2ユニット側とは反対側に配置されている、
請求項1~5のいずれか一項に記載の集塵装置。
【請求項7】
外部とつながった外開口と、前記サイクロン部につながっており前記外開口から入った前記吸引風が吹き出す内開口と、を有するノズルを更に備え、
前記ノズルと前記第1ダストボックスとは、前記ノズルの軸方向と交差する所定方向に並んでおり、
前記ノズルのうち前記外開口側の先端は、前記第1ダストボックスよりも突出しており、
前記第1ダストボックスのうち前記外開口側の先端は、前記所定方向において前記ノズルに近いほど前記外開口側への突出量が大きいように傾斜している、
請求項1~6のいずれか一項に記載の集塵装置。
【請求項8】
前記吸引部を駆動する電力を前記吸引部に供給する電池パックが取り付けられる電池パック取付部を更に備える、
請求項1~7のいずれか一項に記載の集塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に集塵装置に関し、より詳細には、ごみを遠心力により取り出すサイクロン部を備える集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の集塵装置は、渦流発生ユニット(サイクロン部)と、集塵ユニットと、を備える。渦流発生ユニットは、流入口から流入した含塵空気を旋回させて塵埃を遠心分離する。集塵ユニットは、渦流発生ユニットで遠心分離された塵埃を収集する。集塵ユニットは、塵埃を含んだ空気を旋回させる旋回促進部と、旋回促進部で遠心分離された塵埃を溜める集塵室と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-064863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような集塵装置において、吸引力の向上を望まれる場合があった。
【0005】
本開示は、集塵装置の吸引力を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る集塵装置は、吸引部と、第1ダストボックスと、サイクロン部と、筒状部と、第2ダストボックスと、フィルタ保持部と、第2フィルタと、ハウジングと、を備える。前記吸引部は、ごみを吸引する吸引風を発生させる。前記第1ダストボックスには、前記ごみが集積される。前記サイクロン部は、前記吸引風に渦流を発生させ、前記吸引風中の前記ごみを遠心力により取り出し前記第1ダストボックスに集積する。前記筒状部は、筒形状である。前記筒状部は、流入孔と、流出孔と、を有する。前記流入孔は、前記第1ダストボックスとつながっている。前記流出孔は、前記筒状部の軸方向の一端に設けられている。前記流出孔は、前記流入孔から入った前記吸引風が吹き出す。前記第2ダストボックスは、導入孔と、導出孔と、を有する。前記導入孔は、前記流出孔とつながっている。前記導出孔は、前記導入孔から入った前記吸引風が吹き出す。前記第2ダストボックスには、前記ごみが集積される。前記フィルタ保持部は、第1フィルタが前記導出孔を覆うように前記第1フィルタを保持する。前記第1フィルタは、前記吸引風中の前記ごみを捕捉する。前記第2フィルタは、前記吸引風中の前記ごみを捕捉する。前記ハウジングは、前記吸引部を収容する。前記フィルタ保持部は、前記筒状部の中心軸の延長線上に前記第1フィルタを保持する。前記第1ダストボックス及び前記第2ダストボックスを含む第1ユニットは、前記吸引部及び前記ハウジングを含む第2ユニットに着脱可能である。前記第2ダストボックスの前記導出孔は、前記第1ユニットのうち前記第2ユニットとの対向面に設けられている。前記フィルタ保持部は、前記第2ダストボックスのうち、前記導出孔を通して取出し可能な位置に前記第1フィルタを保持する。前記ハウジングは、前記第1ユニットとの対向面であって、前記筒状部の前記中心軸の前記延長線上に開口部を有する。前記第2フィルタは、前記開口部を覆っている。
【発明の効果】
【0007】
本開示は、集塵装置の吸引力を高めることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態の第1態様に係る集塵装置の側断面図及びその要部の拡大図である。
図2図2は、同上の集塵装置の斜視図である。
図3図3は、同上の集塵装置の分解斜視図である。
図4図4は、同上の集塵装置の要部の分解斜視図である。
図5図5は、同上の集塵装置の分解斜視図である。
図6図6は、変形例1に係る集塵装置の要部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
以下、実施形態に係る集塵装置1について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0010】
(1)概要
集塵装置1は、ごみを吸引するために用いられる。すなわち、集塵装置1は、清掃用途に用いられる。
【0011】
本実施形態の集塵装置1は、ハンディタイプの装置である。すなわち、集塵装置1は、ユーザが片手で持ち歩きながら清掃に用いることが可能な寸法及び重量に設計されている。集塵装置1は、例えば、住宅等の施設の建設工事若しくは改修工事、又は工場での工程において、木材又はコンクリート等の部材に切断加工又は穴あけ加工等を行うことで生じる切粉及び破片等のごみを吸引するために用いられる。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の集塵装置1は、吸引部8と、第1ダストボックス5と、サイクロン部4と、筒状部6と、第2ダストボックス12と、フィルタ保持部7と、を備える。吸引部8は、ごみを吸引する吸引風を発生させる。第1ダストボックス5には、ごみが集積される。サイクロン部4は、吸引風に渦流を発生させ、吸引風中のごみを遠心力により取り出し第1ダストボックス5に集積する。筒状部6は、筒形状である。筒状部6は、流入孔610と、流出孔611と、を有する。流入孔610は、第1ダストボックス5とつながっている。流出孔611は、筒状部6の軸方向の一端に設けられている。流出孔611は、流入孔610から入った吸引風が吹き出す。第2ダストボックス12は、導入孔411と、導出孔322と、を有する。導入孔411は、流出孔611とつながっている。導出孔322は、導入孔411から入った吸引風が吹き出す。第2ダストボックス12には、ごみが集積される。フィルタ保持部7は、フィルタ(第1フィルタF1)が導出孔322を覆うようにフィルタ(第1フィルタF1)を保持する。フィルタ(第1フィルタF1)は、吸引風中のごみを捕捉する。フィルタ保持部7は、筒状部6の中心軸の延長線上にフィルタ(第1フィルタF1)を保持する。
【0013】
本実施形態によれば、第1ダストボックス5とフィルタ(第1フィルタF1)との間の流路が大きく(例えば、約90度)折れ曲がっている場合と比較して、吸引風の速度低下を抑制できる。よって、集塵装置1の吸引力を高められる。
【0014】
(2)詳細
以下、集塵装置1についてより詳細に説明する。以下の説明では、図1で矢印により示す方向によって、上下及び前後の向きを規定する。すなわち、第1ダストボックス5と後述するノズルN1とが並んでいる方向を上下方向と規定し、第1ダストボックス5から見てノズルN1側を上と規定し、ノズルN1から見て第1ダストボックス5側を下と規定する。また、後述する第1ユニットU1と第2ユニットU2とが並んでいる方向を前後方向と規定し、第2ユニットU2から見て第1ユニットU1側を前と規定し、第1ユニットU1から見て第2ユニットU2側を後と規定する。ただし、これらの規定は、集塵装置1の使用時の方向を限定する趣旨ではない。
【0015】
図1に示すように、集塵装置1は、第1ユニットU1と、第2ユニットU2と、を備えている。図1図2に示すように、第1ユニットU1は、第2ユニットU2に結合可能である。また、図3に示すように、第1ユニットU1は、第2ユニットU2から分離可能である。すなわち、第1ユニットU1は、第2ユニットU2に着脱可能である。
【0016】
(2-1)第2ユニット
図1に示すように、第2ユニットU2は、吸引部8と、ハウジングH1と、を含む。ハウジングH1は、吸引部8を収容している。吸引部8は、モータ81と、ファン82と、を含む。モータ81がファン82を回転させ、これにより、ごみを吸引する吸引風が発生する。
【0017】
第2ユニットU2は、電池パック取付部91を更に含む。つまり、集塵装置1は、電池パック取付部91を更に備える。電池パック取付部91には、電池パックBT1が取り付けられる。電池パックBT1は、吸引部8を駆動する電力を吸引部8(モータ81)に供給する。図1では、電池パックBT1の外形を2点鎖線で図示している。電池パックBT1は、集塵装置1の構成要素ではない。ただし、集塵装置1は、電池パックBT1を備えていてもよい。
【0018】
電池パックBT1は、充電式の電池パックである。電池パックBT1は、複数の二次電池(例えば、リチウムイオン電池)を直列接続して構成された組電池と、組電池を収容した電池パックケースと、を備えている。
【0019】
電池パック取付部91は、ハウジングH1の外面に設けられている。電池パック取付部91は、電池パックBT1を機械的に接続するための機械接続部と、電池パックBT1の端子に電気的に接続されるコネクタと、を備えている。機械接続部と電池パックBT1とは、例えば、凹凸の嵌め合いにより機械的に接続される。
【0020】
ハウジングH1は、グリップH10を有している。グリップH10は、ユーザがハウジングH1を握るための握り手である。グリップH10の形状は、弧状である。
【0021】
図1図3に示すように、第2ユニットU2は、第2フィルタF2と、保護キャップ93と、を更に含む。ハウジングH1は、第1ユニットU1との対向面(前面)に開口部H11を有している。また、ハウジングH1は、2つの保持部H12を有している。さらに、ハウジングH1は、排気孔H13を有している。排気孔H13の形状は、スリット状である。排気孔H13は、ファン82の後方に設けられている。
【0022】
モータ81の前方には、ファン82が配置されている。ファン82の前方には、保護キャップ93が配置されている。保護キャップ93は、粗い格子構造に形成されている。
【0023】
2つの保持部H12は、開口部H11の前方に配置されている。前から見て、2つの保持部H12の形状は、C字状である。第2フィルタF2は、保護キャップ93と2つの保持部H12との間に挟まれている。つまり、2つの保持部H12は、第2フィルタF2を保持している。第2フィルタF2は、開口部H11を覆っている。
【0024】
ファン82が回転すると、ファン82の前面側の気圧は負圧になり、ファン82の前面側から後面側に向かう吸引力が発生する。この結果、ファン82は、前面側から空気を吸い込んで、後面側へ空気を排出する。すなわち、ファン82が回転することで、吸引風が発生する。吸引風は、集塵装置1の外部から第1ユニットU1の内部を通る経路にて、第2ユニットU2に到達する。吸引風は、第2フィルタF2及び保護キャップ93を通過してファン82に到達する。吸引風は、ハウジングH1の排気孔H13から集塵装置1の外部へ吹き出す。
【0025】
第2ユニットU2は、制御部C1と、操作部92と、を更に含む。
【0026】
制御部C1は、ハウジングH1に収容されている。制御部C1は、例えば、プリント配線板を含む。制御部C1は、電池パックBT1から電力の供給を受けて動作する。
【0027】
操作部92は、ハウジングH1の外面に設けられている。より詳細には、操作部92は、グリップH10の上面に設けられている。ユーザは、グリップH10を掌で握り、親指で操作部92を操作する(押す)ことができる。操作部92は、例えば、複数(図1では2つ)の釦921を含む。操作部92は、ユーザの操作を受け付ける。制御部C1は、操作部92への操作に応じて吸引部8を制御する。例えば、制御部C1は、操作部92への操作に応じて吸引部8のモータ81へ電力を供給しモータ81を回転させる状態と、モータ81へ電力を供給せずモータ81を停止させる状態とを切り替える。また、制御部C1は、操作部92への操作に応じてモータ81へ供給する電力の大きさを変化させ、吸引部8の吸引力を変化させる。モータ81へ供給される電力が増加すれば、吸引部8の吸引力が増加する。また、モータ81へ供給される電力が減少すれば、吸引部8の吸引力が減少する。
【0028】
ハウジングH1は、第1ユニットU1と結合するための第1結合構造及び第2結合構造を有している。より詳細には、ハウジングH1は、第1結合構造として、凹部H14(図1図3参照)を有している。凹部H14は、ハウジングH1の上面において、前端に設けられている。ハウジングH1は、第2結合構造として、突起H15(図1図3参照)を有している。突起H15は、ハウジングH1の下面において、前端に設けられている。
【0029】
(2-2)第1ユニット
図1図4に示すように、第1ユニットU1は、ヘッド2と、ボディ3と、サイクロン部4と、第1ダストボックス5と、筒状部6と、を含む。第1ユニットU1は、フィルタ保持部7と、第1フィルタF1(フィルタ)と、を更に含む。
【0030】
(2-2-1)ヘッド
ヘッド2は、ヘッド本体21と、ブラシ22と、を有している。ヘッド本体21の形状は、筒状である。ヘッド本体21の軸方向は、前後方向に沿っている。ブラシ22は、ヘッド本体21の前面に設けられている。
【0031】
(2-2-2)ボディ
ボディ3には、第2ユニットU2のハウジングH1が着脱可能である。ボディ3は、管部31と、収容部32と、解除部33と、を有している。
【0032】
管部31の軸方向は、前後方向に沿っている。管部31は、ヘッド本体21と結合する筒状に形成されている。すなわち、管部31の前端部と、ヘッド本体21の後端部とが着脱可能に結合される。管部31の後端は、収容部32につながっている。
【0033】
収容部32の形状は、筒状である。より詳細には、収容部32の形状は、円筒状である。収容部32の軸方向は、前後方向に沿っている。収容部32は、サイクロン部4と、フィルタ保持部7と、第1フィルタF1と、を収容している。
【0034】
図4に示すように、収容部32は、第1開口部321と、第2開口部(導出孔322)と、を有している。第1開口部321は、収容部32の前面に設けられている。第1開口部321は、管部31の下方に設けられている。導出孔322は、収容部32の後面に設けられている。
【0035】
収容部32には、第1ダストボックス5が着脱可能である。収容部32は、第1ダストボックス5を結合するための第3結合構造を有している。より詳細には、収容部32は、第3結合構造として、2つの凹部323を有している。2つの凹部323は、第1開口部321に隣接している。
【0036】
解除部33は、収容部32の上面において、後端に設けられている。解除部33は、ボディ3を第2ユニットU2のハウジングH1に結合するための第4結合構造を有している。より詳細には、図1に示すように、解除部33は、第4結合構造として、突起331を有している。また、収容部32は、ボディ3を第2ユニットU2のハウジングH1に結合するための第5結合構造を有している。より詳細には、収容部32は、第5結合構造として、溝部324(図1図3参照)を有している。溝部324は、収容部32の下面において、後端に設けられている。
【0037】
解除部33の突起331とハウジングH1の凹部H14とが嵌まり合い、かつ、収容部32の溝部324とハウジングH1の突起H15とが嵌まり合う。これにより、ボディ3がハウジングH1に結合される。すなわち、第1ユニットU1と第2ユニットU2とが結合される。また、ユーザは、解除部33を操作する(押す)ことで、解除部33の突起331とハウジングH1の凹部H14との嵌まり合いを解除することができる。これにより、第1ユニットU1と第2ユニットU2との結合を解除し、第1ユニットU1と第2ユニットU2とを分離することができる。つまり、解除部33は、第1ユニットU1と第2ユニットU2との結合を解除する操作を受け付ける。
【0038】
(2-2-3)ノズル
集塵装置1は、ノズルN1を備えている。ノズルN1の形状は、直線状である。ノズルN1は、ヘッド2と、ボディ3の管部31とにより構成されている。ノズルN1は、外開口211と、内開口311と、を有する。外開口211は、ヘッド2に設けられている。外開口211は、集塵装置1の外部とつながっている。内開口311は、管部31に設けられている。内開口311は、管部31のうち収容部32との境界部の開口である。内開口311は、サイクロン部4につながっている。外開口211から入った吸引風は、内開口311から吹き出す。
【0039】
(2-2-4)第1ダストボックス
第1ダストボックス5は、例えば、透光性を有する材料により形成されている。第1ダストボックス5の材料の具体例としては、アクリル樹脂等が挙げられる。第1ダストボックス5の形状は、有底筒状である。より詳細には、第1ダストボックス5の形状は、有底円筒状である。第1ダストボックス5は、底壁51と、筒状の周壁52と、を有している。周壁52は、底壁51の外縁から突出している。
【0040】
図1に示すように、ノズルN1と第1ダストボックス5とは、所定方向D1(上方向)に並んでいる。所定方向D1は、ノズルN1の軸方向と交差する方向である。ノズルN1のうち外開口211側の先端は、第1ダストボックス5よりも突出している。言い換えると、ノズルN1の前端は、第1ダストボックス5の前端よりも前に位置している。
【0041】
第1ダストボックス5の底壁51は、第1ダストボックス5のうち外開口211側の先端に相当する。底壁51は、周壁52の軸方向と直交する平面に対して傾斜している。より詳細には、底壁51(第1ダストボックス5のうち外開口211側の先端)は、所定方向D1においてノズルN1に近いほど外開口211側への突出量が大きいように傾斜している。言い換えると、底壁51は、上側ほど、前に突出している。図1に、上下方向及び前後方向の両方と直交する方向(左右方向)から見た底壁51の方向D2を図示する。外開口211は、方向D2に沿って設けられている。
【0042】
底壁51が方向D2に傾斜しているため、方向D2に沿った作業面(床面、壁面又は天井面等)にノズルN1の外開口211側の先端を対向させた状態で集塵装置1を使用する場合に、底壁51が作業面に接触する可能性を低減できる。よって、ノズルN1の外開口211側の先端を作業面に近づけて使用しやすい。
【0043】
第1ダストボックス5は、ボディ3の収容部32に結合される。また、第1ダストボックス5は、収容部32から分離可能である。言い換えると、第1ダストボックス5は、収容部32に着脱可能である。より詳細には、第1ユニットU1が第2ユニットU2と結合された状態で、第1ダストボックス5は、収容部32から分離可能である。つまり、第1ユニットU1が第2ユニットU2と結合された状態で、第1ダストボックス5は、第1ユニットU1の一部の構成から分離可能である。また、第1ユニットU1が第2ユニットU2と結合された状態で、第1ダストボックス5は、第1ユニットU1の一部の構成(収容部32)に結合可能である。
【0044】
第1ダストボックス5は、収容部32と結合するための第6結合構造を有している。より詳細には、第1ダストボックス5は、第6結合構造として、2つの凸部53を有している。2つの凸部53は、周壁52の外縁に設けられている。2つの凸部53が収容部32の2つの凹部323と嵌まり合うことにより、第1ダストボックス5と収容部32とが結合される。
【0045】
第1ダストボックス5は、第1ユニットU1のうち第2ユニットU2側とは反対側に配置されている。より詳細には、ボディ3の収容部32の後方に第2ユニットU2が配置され、収容部32の前方に第1ダストボックス5が配置されている。また、第2ダストボックス12の後方に第2ユニットU2が配置され、第2ダストボックス12の前方に第1ダストボックス5が配置されている。
【0046】
(2-2-5)サイクロン部
図4に示すように、サイクロン部4は、底壁41と、外壁42と、内壁43と、を有している。底壁41の厚さ方向は、前後方向に沿っている。前から見て、底壁41の形状は、略「6」の字の形状である。外壁42は、底壁41の外縁から前方に突出している。内壁43は、底壁41の内縁から前方に突出している。これにより、底壁41、外壁42及び内壁43に囲まれた空間は、前から見て略「6」の字の形状となっている。つまり、サイクロン部4は、渦巻き状(略「6」の字の形状)の空間を有している。渦の一端(「6」の字の上端)に相当する空間が、ボディ3の管部31の内部空間に直接つながっている。
【0047】
サイクロン部4は、外開口211と第1ダストボックス5との間の流路上に配置されている。管部31からサイクロン部4に入った吸引風は、サイクロン部4の内部空間に沿って渦巻き状に移動する。これにより、吸引風に渦流が発生する。その後、吸引風は、サイクロン部4の前方に配置された第1ダストボックス5に入る(図1の矢印A1参照)。
【0048】
(2-2-6)第2ダストボックス
集塵装置1は、第2ダストボックス12を備えている。第2ダストボックス12には、ごみが集積される。第2ダストボックス12は、サイクロン部4の底壁41と、収容部32の一部とにより構成されている。第2ダストボックス12は、少なくとも収容部32の後端を含む。サイクロン部4の後面と、収容部32の側面とにより、第2ダストボックス12の内面が構成されている。
【0049】
第2ダストボックス12は、導入孔411と、導出孔322と、を有している。導入孔411は、サイクロン部4の底壁41の後面に設けられている。第2ダストボックス12の内部空間は、導入孔411を介して、筒状部6の内部空間につながっている。また、第2ダストボックス12の内部空間は、導入孔411及び筒状部6を介して、第1ダストボックス5の内部空間とつながっている。筒状部6の内側に入った吸引風は、導入孔411を通って、第2ダストボックス12の内部に入る。導出孔322は、収容部32の後面に設けられている。導入孔411から第2ダストボックス12の内部に入った吸引風は、導出孔322から吹き出す。これにより、吸引風は、第2ユニットU2のハウジングH1の内部に入る。
【0050】
第1ユニットU1が第2ユニットU2から分離しているとき、導出孔322が露出される(図3参照)。後述するように、このようにして露出された導出孔322を介して、第2ダストボックス12内のごみを外部に取り出すことができる。
【0051】
第2ダストボックス12は、フィルタ保持部7と、第1フィルタF1と、を収容している。フィルタ保持部7は、第2ダストボックス12に着脱可能である。
【0052】
(2-2-7)フィルタ保持部及び第1フィルタ
図1図4に示すように、フィルタ保持部7は、振るい部71と、外枠72と、を有している。外枠72の形状は、環状である。外枠72は、第2ダストボックス12の内面に沿って配置されている。外枠72は、第2ダストボックス12に着脱可能である。外枠72の内側には、振るい部71が配置されている。振るい部71は、外枠72に着脱可能である。
【0053】
振るい部71は、円環状の第1枠体711と、円環状の第2枠体712と、複数(図4では8つ)の連結片713と、第7結合構造(2つの凸部714)と、摘まみ715と、2つの保持片716と、を備えている。第1枠体711の直径は第2枠体712の直径よりも大きい。第1枠体711と第2枠体712とは、同軸上に離れて位置している。第1枠体711は、第2枠体712の後方に配置されている。複数の連結片713は、第1枠体711と第2枠体712との間を前後方向に連結している。複数の連結片713は、第1枠体711及び第2枠体712の周上に等間隔に配置されている。
【0054】
2つの凸部714の形状は、第1枠体711に沿った円弧状である。2つの凸部714は、第1枠体711から突出している。摘まみ715の形状は、棒状である。摘まみ715は、第1枠体711の周上の2点を架け渡している。より詳細には、摘まみ715は、第1枠体711の直径に沿って配置されている。振るい部71を外枠72の内側に挿入した状態で、ユーザが摘まみ715を摘まんで振るい部71を回転させることで、振るい部71の2つの凸部714と外枠72に設けられた第8結合構造(2つの凹部)とを嵌め合わせることができる。逆の操作により、2つの凸部714と2つの凹部との嵌め合いを解除することができる。これにより、振るい部71は、外枠72に着脱可能である。
【0055】
2つの保持片716は、第2枠体712から第2枠体712の中心に向かって突出している。2つの保持片716の各先端は隙間をあけて対向している。
【0056】
第1フィルタF1は、直径が所定の大きさ(15-45μm程度)以上の物体(例えば石膏粉)を捕捉し、かつ空気を通過させる。
【0057】
第1フィルタF1は、開口部F10を有する袋状に形成されている。第1フィルタF1は、開口部F10とは反対側の底部に、筒部F11を有している。筒部F11の両端は、開口している。筒部F11の両端に2つの保持片716が挿入されることで、第1フィルタF1が振るい部71に保持されている。また、第1フィルタF1のうち開口部F10の周縁部は、外枠72に保持されている。振るい部71の一部(複数の連結片713及び第2枠体712)は、第1フィルタF1の内部に収容されている。
【0058】
(2-2-8)筒状部
筒状部6は、筒本体61と、笠部62と、鍔部63と、を有している。筒本体61の形状は、筒状である。より詳細には、筒本体61の形状は、円筒状である。筒本体61の軸方向は、前後方向に沿っている。筒本体61は、サイクロン部4の内壁43の内側に配置されている。
【0059】
筒本体61は、側面に、複数の流入孔610を有している。筒本体61の内部空間は、複数の流入孔610を介して、第1ダストボックス5の内部空間とつながっている。筒本体61は、軸方向の一端(後端)に、流出孔611を有している。筒本体61の内部空間は、流出孔611を介して、第2ダストボックス12につながっている。吸引風は、複数の流入孔610を通り、流出孔611から吹き出し、第2ダストボックス12に入る。また、流入孔610よりも小さいごみは、吸引風に巻き込まれて流入孔610を通り、流出孔611から第2ダストボックス12に入る。
【0060】
笠部62の形状は、円錐台状である。笠部62の直径は、前側ほど大きい。笠部62は、筒本体61の前端を覆っている。これにより、前方から筒本体61にごみが侵入することが妨げられる。
【0061】
鍔部63の形状は、筒本体61に沿った環状である。鍔部63は、筒本体61の後端において、筒本体61の周縁から外側へ突出している。筒状部6は、鍔部63においてサイクロン部4に保持されている。
【0062】
フィルタ保持部7は、筒状部6の中心軸の延長線上に第1フィルタF1を保持する。また、第2ダストボックス12の導出孔322及びハウジングH1の開口部H11は、筒状部6の中心軸の延長線上にある。つまり、筒状部6の中心軸を通る直線経路上に、第1フィルタF1、導出孔322及び開口部H11が設けられている。筒状部6と第1フィルタF1との間は、部材が設けられていない空洞である。筒状部6の内部に入った吸引風は、上記直線経路を通って第1フィルタF1を通過し、導出孔322から開口部H11へ吹き出される。筒状部6と導出孔322との間には、第1フィルタF1等が存在するものの、吸引風の速度低下の原因となる壁は存在しない。よって、例えば、第1ダストボックス5と第1フィルタF1との間の流路が大きく(例えば、約90度)折れ曲がり、折れ曲がり部分が壁となっている場合と比較して、吸引風の速度低下を抑制できる。例えば、筒状部6がS字状に折れ曲がっている場合と比較して、吸引風の速度低下を抑制できる。また、例えば、導出孔322の直径が管部31の直径と同程度の長さで、導出孔322及び第1フィルタF1がボディ3の管部31の中心軸の延長線上に設けられている場合と比較して、吸引風の速度低下を抑制できる。また、吸引風に乱流が生じにくい。よって、集塵装置1の吸引力を高められる。また、筒状部6の中心軸の延長線上に第1フィルタF1があるので、第1フィルタF1がごみを捕捉しやすい。
【0063】
(3)吸引時の使用例
次に、集塵装置1を用いてごみを吸引する場合の使用例について説明する。
【0064】
第1ユニットU1と第2ユニットU2とが結合した状態で、ユーザは、操作部92を操作して、吸引部8に吸引力を発生させる。すると、図1で矢印A1により示すように、外開口211からサイクロン部4を経由して第1ダストボックス5へ流れる吸引風が発生する。サイクロン部4では、吸引風に渦流が発生する。よって、第1ダストボックス5において吸引風は、前後方向に沿った軸を中心して、らせん状に流れる。吸引風は、筒本体61の複数の流入孔610から筒本体61の内部に入り、流出孔611から第2ダストボックス12に吹き出される。また、第2ダストボックス12に到達した吸引風は、第1フィルタF1を通過した後、導出孔322から吹き出され、第2ユニットU2の第2フィルタF2及び保護キャップ93を通過してファン82に到達する。吸引風は、ハウジングH1の排気孔H13から集塵装置1の外部へ吹き出される。
【0065】
上述の通り、サイクロン部4では、吸引風に渦流が発生する。渦流に巻き込まれた物体には、遠心力が作用する。集塵装置1の外部からごみが吸引風に巻き込まれて外開口211に入った場合に、ごみが比較的大きく重いと、ごみは遠心力により第1ダストボックス5の内面付近に集まりやすい。そのため、比較的大きく重いごみは、第1ダストボックス5に集積される。
【0066】
一方で、ごみが比較的小さく軽いと、ごみは遠心力の影響を受けにくい。そのため、比較的軽く、流入孔610よりも小さいごみは、吸引部8の吸引力により、流入孔610を通って筒本体61の内部に入ることがある。
【0067】
筒本体61の後方に吸引部8が配置されているため、筒本体61の内部における吸引風の向きは、後ろ向きとなる。よって、筒本体61の内部に入ったごみは、流出孔611から第2ダストボックス12に到達する。第2ダストボックス12に到達したごみは、第1フィルタF1で捕捉される。第1フィルタF1で捕捉されなかったごみは、第2フィルタF2で補足される。
【0068】
比較的大きいごみは、第1フィルタF1に到達せずに第1ダストボックス5に溜まるので、比較的大きいごみが第1フィルタF1で捕捉される場合と比較して、第1フィルタF1からごみを取り除く頻度を低減できる。また、第1フィルタF1を交換する頻度を低減できる。
【0069】
集塵装置1が吸引する対象は、液体であってもよい。液体は、主として第1ダストボックス5に溜まり、第1フィルタF1には到達しにくいので、第1フィルタF1が濡れて第1フィルタF1からごみを取り除き難くなる可能性を低減できる。
【0070】
(4)ごみ捨て時の第1使用例
次に、集塵装置1を用いて吸引したごみを集塵装置1の外部に捨てる場合の第1使用例について説明する。ここで、第1ダストボックス5内に満杯近い量のごみが溜まっている一方で、第2ダストボックス12内には満杯よりも十分少ない量のごみしか溜まっていない場合がある。第1使用例では、このような場合を想定し、第1ダストボックス5内のごみのみを捨てる手順を説明する。なお、第2ダストボックス12内のごみとは、第1フィルタF1に付着したごみと、第2ダストボックス12内のうち第1フィルタF1の外部に集積されたごみと、を含む。
【0071】
ユーザは、操作部92を操作して、吸引部8が吸引力を発生していない状態にする。その後、図5に示すように、ユーザは、第1ダストボックス5をボディ3から分離する。これにより、ユーザは、第1ダストボックス5内のごみをごみ箱等の所定の場所に捨てることができる。
【0072】
第1使用例では、第1ユニットU1が第2ユニットU2と結合された状態で第1ダストボックス5内のごみを捨てられる。このように、第1ユニットU1を第2ユニットU2から分離する作業を要さないので、第1ダストボックス5のごみ捨てが容易である。
【0073】
(5)ごみ捨て時の第2使用例
次に、集塵装置1を用いて吸引したごみを集塵装置1の外部に捨てる場合の第2使用例について説明する。第2使用例では、第2ダストボックス12のごみ捨てをする場合及び、第1ダストボックス5と第2ダストボックス12との両方のごみ捨てをする場合の手順を説明する。
【0074】
ユーザは、操作部92を操作して、吸引部8が吸引力を発生していない状態にする。その後、図3に示すように、第1ユニットU1を第2ユニットU2から分離する。これにより、第2ダストボックス12の後面に設けられた導出孔322が露出する。
【0075】
ユーザは、フィルタ保持部7(図1参照)の外枠72が第2ダストボックス12に取り付けられた状態のまま、振るい部71を外枠72から取り外す。そして、ユーザは、振るい部71を、外枠72の内側及び導出孔322を通してボディ3の外部に取り出す。ここで、第1フィルタF1の第1端は振るい部71に保持されており、第1フィルタF1の第2端は外枠72に保持されている。そのため、振るい部71がボディ3の外部に取り出されると、第1フィルタF1の第1端側の部位もボディ3の外部に取り出される。ユーザは、ボディ3の外部で振るい部71を振るうことで、第1フィルタF1に付着したごみを落とすことができる。
【0076】
また、ユーザは、振るい部71が外枠72に取り付けられた状態で、振るい部71、外枠72及び第1フィルタF1をボディ3の外部に取り出す。これにより、ユーザは、第2ダストボックス12内のごみを導出孔322を通して取り出し、ごみ箱等の所定の場所に捨てることができる。
【0077】
また、第1使用例と同様に、ユーザは、第1ダストボックス5内のごみをごみ箱等の所定の場所に捨てることができる。ここで、集塵装置1は、吸引部8を収容するハウジングH1を備え、第1ダストボックス5及び第2ダストボックス12を含む第1ユニットU1は、吸引部8及びハウジングH1を含む第2ユニットU2に着脱可能である。ユーザは、第1ユニットU1を第2ユニットU2から分離し、第1ユニットU1を所定の場所に持って行くことができる。そして、ユーザは、第1ユニットU1の第1ダストボックス5及び第2ダストボックス12のごみ捨てをすることができる。仮に、第1ダストボックス5と第2ダストボックス12とが第1ユニットU1と第2ユニットU2とに分散して設けられていると、ユーザは第1ユニットU1と第2ユニットU2との両方を所定の場所に持って行く必要があり、ユーザが持ち運ぶ対象の重量が大きくなる。これに対して、本実施形態では、第1ダストボックス5と第2ダストボックス12とが第1ユニットU1に集約されているため、ユーザは第1ユニットU1だけを持ち運べばよく、ユーザの負担が低減する。このように、本実施形態の集塵装置1により、利便性を向上させることができる。
【0078】
(変形例1)
以下、変形例1に係る集塵装置1について、図6を用いて説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0079】
本変形例1の集塵装置1は、第1ダストボックス5Bの形状が、実施形態の第1ダストボックス5の形状と相違する。第1ダストボックス5Bは、底壁51及び周壁52に加えて、仕切部54を有している。
【0080】
仕切部54は、底壁51及び周壁52に囲まれた空間に配置されている。仕切部54は、この空間を2つの空間に仕切っている。すなわち、第1ダストボックス5Bは、仕切部54よりも上の第1空間SP1と、仕切部54よりも下の第2空間SP2と、を含んでいる。
【0081】
仕切部54の形状は、板状である。前後方向から見て、仕切部54の形状は、下に凸の放物線状である。第1空間SP1の形状は、前後方向に軸を有する円柱状である。
【0082】
第1空間SP1は、サイクロン部4の内部空間及び筒状部6の内部空間とつながっている。仕切部54は、連結孔540を有している。上下方向から見て、連結孔540は、仕切部54の周縁部よりも内側に設けられている。第1空間SP1と第2空間SP2とは、連結孔540を介してつながっている。
【0083】
サイクロン部4から第1空間SP1に到達したごみの少なくとも一部は、第2空間SP2に移動する可能性がある。また、ユーザは、集塵装置1を傾けること等により、サイクロン部4から第1空間SP1に到達したごみの少なくとも一部を、第2空間SP2に移動させ、第2空間SP2に集積することができる。よって、仕切部54が無い場合と比較して、筒状部6が設けられた空間(第1空間SP1)に集積されるごみの量を低減できる。
【0084】
(実施形態のその他の変形例)
以下、実施形態のその他の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、以下の変形例は、上述の変形例と適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0085】
実施形態のヘッド2に代えて、他の形状のヘッドがボディ3に結合可能であってもよい。
【0086】
フィルタ保持部7は、第1ユニットU1ではなく第2ユニットU2に含まれていてもよい。第1フィルタF1は、第1ユニットU1ではなく第2ユニットU2に含まれていてもよい。第2ダストボックス12は、第1ユニットU1ではなく第2ユニットU2に含まれていてもよい。
【0087】
第2フィルタF2を保持する2つの保持部H12は、第2ユニットU2ではなく第1ユニットU1に含まれていてもよい。第2フィルタF2は、第2ユニットU2ではなく第1ユニットU1に含まれていてもよい。
【0088】
実施形態では、第1フィルタF1及び第2フィルタF2を集塵装置1の構成として説明した。ただし、第1フィルタF1及び第2フィルタF2のうち少なくとも一方は、集塵装置1に含まれない構成であって、集塵装置1とは別に提供されてもよい。
【0089】
制御部C1は、操作部92への操作が継続されている間に吸引部8に吸引風を発生させ、操作部92への操作がされていない場合に吸引部8に吸引風を発生させないように吸引部8を制御してもよい。このようなトリガ方式の制御を採用する場合は、吸引部8に吸引風を発生させる状態から発生させない状態へ切り替えるために操作部92への操作を要する場合と比較して、吸引部8における電力消費を低減させることができる。
【0090】
第1ダストボックス5は、複数個の構成に分割可能であってもよい。例えば、第1ダストボックス5は、筒状の周壁52の少なくとも一部を含む第1部位と、底壁51を含む第2部位とに分割可能であってもよい。第2部位を第1部位から取り外すことで、第1ダストボックス5内のごみを捨てることができる。第2部位は、底壁51と、周壁52の一部と、を含んでいてもよい。
【0091】
制御部C1と同様の機能は、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0092】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0093】
第1の態様に係る集塵装置(1)は、吸引部(8)と、第1ダストボックス(5、5B)と、サイクロン部(4)と、筒状部(6)と、第2ダストボックス(12)と、フィルタ保持部(7)と、を備える。吸引部(8)は、ごみを吸引する吸引風を発生させる。第1ダストボックス(5、5B)には、ごみが集積される。サイクロン部(4)は、吸引風に渦流を発生させ、吸引風中のごみを遠心力により取り出し第1ダストボックス(5、5B)に集積する。筒状部(6)は、筒形状である。筒状部(6)は、流入孔(610)と、流出孔(611)と、を有する。流入孔(610)は、第1ダストボックス(5、5B)とつながっている。流出孔(611)は、筒状部(6)の軸方向の一端に設けられている。流出孔(611)は、流入孔(610)から入った吸引風が吹き出す。第2ダストボックス(12)は、導入孔(411)と、導出孔(322)と、を有する。導入孔(411)は、流出孔(611)とつながっている。導出孔(322)は、導入孔(411)から入った吸引風が吹き出す。第2ダストボックス(12)には、ごみが集積される。フィルタ保持部(7)は、フィルタ(第1フィルタF1)が導出孔(322)を覆うようにフィルタ(第1フィルタF1)を保持する。フィルタ(第1フィルタF1)は、吸引風中のごみを捕捉する。フィルタ保持部(7)は、筒状部(6)の中心軸の延長線上にフィルタ(第1フィルタF1)を保持する。
【0094】
上記の構成によれば、第1ダストボックス(5、5B)とフィルタ(第1フィルタF1)との間の流路が大きく(例えば、約90度)折れ曲がっている場合と比較して、吸引風の速度低下を抑制できる。よって、集塵装置(1)の吸引力を高められる。
【0095】
また、第2の態様に係る集塵装置(1)は、第1の態様において、ハウジング(H1)を更に備える。ハウジング(H1)は、吸引部(8)を収容する。第1ユニット(U1)は、第2ユニット(U2)に着脱可能である。第1ユニット(U1)は、第1ダストボックス(5、5B)及び第2ダストボックス(12)を含む。第2ユニット(U2)は、吸引部(8)及びハウジング(H1)を含む。
【0096】
上記の構成によれば、第1ユニット(U1)を第2ユニット(U2)から分離してごみを捨てる場所へもっていくことで、第1ダストボックス(5、5B)に集積されたごみと第2ダストボックス(12)に集積されたごみとをまとめて捨てることができる。よって、第2ダストボックス(12)が第2ユニット(U2)に含まれている場合と比較して、集塵装置(1)の利便性が向上する。
【0097】
また、第3の態様に係る集塵装置(1)では、第2の態様において、第1ユニット(U1)が第2ユニット(U2)と結合された状態で、第1ダストボックス(5、5B)は、第1ユニット(U1)の一部の構成から分離可能である。
【0098】
上記の構成によれば、第1ダストボックス(5、5B)のごみ捨てが容易となる。特に、第2ダストボックス(12)と比較して第1ダストボックス(5、5B)が早くごみで一杯になる状況で、第1ダストボックス(5、5B)のみのごみ捨てをする際の利便性が向上する。
【0099】
また、第4の態様に係る集塵装置(1)では、第2又は3の態様において、第1ユニット(U1)が第2ユニット(U2)から分離しているとき、導出孔(322)が露出される。
【0100】
上記の構成によれば、第1ユニット(U1)を第2ユニット(U2)から分離する作業と、第2ダストボックス(12)の導出孔(322)を露出させる作業とが一体となっているので、第2ダストボックス(12)の導出孔(322)からごみを取り出す作業の手間を減らせる。
【0101】
また、第5の態様に係る集塵装置(1)では、第2~4の態様のいずれか1つにおいて、第1ダストボックス(5、5B)は、第1ユニット(U1)のうち第2ユニット(U2)側とは反対側に配置されている。
【0102】
上記の構成によれば、第1ダストボックス(5、5B)を設けるスペースを容易に確保できる。
【0103】
また、第6の態様に係る集塵装置(1)は、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、ノズル(N1)を更に備える。ノズル(N1)は、外開口(211)と、内開口(311)と、を有する。外開口(211)は、外部とつながっている。内開口(311)は、サイクロン部(4)につながっており外開口(211)から入った吸引風が吹き出す。ノズル(N1)と第1ダストボックス(5、5B)とは、ノズル(N1)の軸方向と交差する所定方向(D1)に並んでいる。ノズル(N1)のうち外開口(211)側の先端は、第1ダストボックス(5、5B)よりも突出している。第1ダストボックス(5、5B)のうち外開口(211)側の先端は、所定方向(D1)においてノズル(N1)に近いほど外開口(211)側への突出量が大きいように傾斜している。
【0104】
上記の構成によれば、外開口(211)からごみを吸引する場合に、ノズル(N1)が床面等にぶつかり邪魔になる可能性を低減できる。
【0105】
また、第7の態様に係る集塵装置(1)は、第1~6の態様のいずれか1つにおいて、電池パック取付部(91)を更に備える。電池パック取付部(91)には、電池パック(BT1)が取り付けられる。電池パック(BT1)は、吸引部(8)を駆動する電力を吸引部(8)に供給する。
【0106】
上記の構成によれば、商用電源から電力を得られない場所でも、集塵装置(1)を使用できる。
【0107】
第1の態様以外の構成については、集塵装置(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0108】
また、次の第8の態様に係る構成は、第1の態様の構成を必須とすることなく実現されてもよい。第8の態様に係る集塵装置(1)は、吸引部(8)と、第1ダストボックス(5、5B)と、サイクロン部(4)と、第2ダストボックス(12)と、フィルタ保持部(7)と、ハウジング(H1)と、を備える。吸引部(8)は、ごみを吸引する吸引風を発生させる。第1ダストボックス(5、5B)には、ごみが集積される。サイクロン部(4)は、吸引風に渦流を発生させ、吸引風中のごみを遠心力により取り出し第1ダストボックス(5、5B)に集積する。第2ダストボックス(12)は、導入孔(411)と、導出孔(322)と、を有する。導入孔(411)は、第1ダストボックス(5、5B)とつながっている。導出孔(322)は、導入孔(411)から入った吸引風が吹き出す。第2ダストボックス(12)には、ごみが集積される。フィルタ保持部(7)は、フィルタ(第1フィルタF1)が導出孔(322)を覆うようにフィルタ(第1フィルタF1)を保持する。フィルタ(第1フィルタF1)は、吸引風中のごみを捕捉する。ハウジング(H1)は、吸引部(8)を収容する。第1ユニット(U1)は、第2ユニット(U2)に着脱可能である。第1ユニット(U1)は、第1ダストボックス(5、5B)及び第2ダストボックス(12)を含む。第2ユニット(U2)は、吸引部(8)及びハウジング(H1)を含む。
【0109】
上記の構成によれば、第1ユニット(U1)を第2ユニット(U2)から分離してごみを捨てる場所へもっていくことで、第1ダストボックス(5、5B)に集積されたごみと第2ダストボックス(12)に集積されたごみとをまとめて捨てることができる。よって、第2ダストボックス(12)が第2ユニット(U2)に含まれている場合と比較して、集塵装置(1)の利便性が向上する。
【符号の説明】
【0110】
1 集塵装置
4 サイクロン部
5、5B 第1ダストボックス
6 筒状部
7 フィルタ保持部
8 吸引部
12 第2ダストボックス
91 電池パック取付部
211 外開口
311 内開口
322 導出孔
411 導入孔
610 流入孔
611 流出孔
BT1 電池パック
D1 所定方向
F1 第1フィルタ(フィルタ)
H1 ハウジング
N1 ノズル
U1 第1ユニット
U2 第2ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6