(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】メーソンリーブロック
(51)【国際特許分類】
E04C 1/39 20060101AFI20240216BHJP
E02D 29/02 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
E04C1/39 104
E02D29/02 303
(21)【出願番号】P 2023514016
(86)(22)【出願日】2021-08-25
(86)【国際出願番号】 US2021047439
(87)【国際公開番号】W WO2022076096
(87)【国際公開日】2022-04-14
【審査請求日】2023-03-02
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523068879
【氏名又は名称】ショアロック デザイン グループ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SHORELOC DESIGN GROUP, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【氏名又は名称】樋口 洋
(72)【発明者】
【氏名】ステル,ジェイソン
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-065748(JP,U)
【文献】実開昭59-167842(JP,U)
【文献】特開2000-170184(JP,A)
【文献】米国特許第07963727(US,B1)
【文献】米国特許第06416260(US,B1)
【文献】米国特許第05951210(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0175161(US,A1)
【文献】特表2002-527649(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0094268(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04C 1/39
E02D 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メーソンリーブロックであって、
前部、後部、上面、底面、第1の側面および第2の側面を有し、前記前部が前上端部および前下端部を有するメーソンリーブロック本体であって、前記メーソンリーブロックが前記上面と前記底面との間に形成された開口部を有する、メーソンリーブロック本体;
前記上面上の少なくとも2つの段差であって、前記上面から上に上がり、前記開口部と前記前上端部との間に形成され、第1のセットバック距離だけ前記前上端部からセットバックされる、段差;
前記底面内の同じ数のノッチであって、該ノッチの第1のノッチが第2のセットバック距離だけ前記前下端部からセットバックされる、ノッチ;
を含む、メーソンリーブロックであって、
壁を形成するために積み重ねられるとき、下側のメーソンリーブロックの前記段差は、次に高いメーソンリーブロックのノッチと接合し、
前記第1のセットバック距離は、前記第2のセットバック距離よりも大きく、前記第1のセットバック距離から前記第2のセットバック距離を差し引いた差によって全体的なセットバックが画定される
ことを特徴とする、メーソンリーブロック。
【請求項2】
少なくとも1つのメーソンリーブロックキーをさらに含
み、
前記少なくとも1つのメーソンリーブロックキーが、第1のメーソンリーブロックキーおよび第2のメーソンリーブロックキーであり、前記第1のメーソンリーブロックキーは、前記開口部に隣接して該開口部と前記第1の側面との間にあり、前記第2のメーソンリーブロックキーは、前記開口部に隣接して該開口部と前記第2の側面との間にある
ことを特徴とする、請求項1に記載のメーソンリーブロック。
【請求項3】
前記少なくとも1つのメーソンリーブロックキーの各々が、前記少なくとも2つの段差の最も高い段差の高さに等しいキー高さを有することを特徴とする、請求項2に記載のメーソンリーブロック。
【請求項4】
前記第1の側面および前記後部が第1の脚部を画定し、前記第2の側面および前記後部が第2の脚部を画定することを特徴とする、請求項1に記載のメーソンリーブロック。
【請求項5】
前記第1の脚部における第1の切込み線および前記第2の脚部における第2の切込み線をさらに含むことを特徴とする、請求項
4に記載のメーソンリーブロック。
【請求項6】
前記上面上の前記少なくとも2つの段差の各々が、内側の段差および外側の段差を含むことを特徴とする、請求項1に記載のメーソンリーブロック。
【請求項7】
前記少なくとも2つの段差の各々が、前記メーソンリーブロックの後続の層が前記メーソンリーブロックに対して一定の角度で設置されることを可能にするように非直線状であることを特徴とする、請求項1に記載のメーソンリーブロック。
【請求項8】
メーソンリーブロックを用いて構造体を構築する方法であって、前記構造体は固定セットバックを有し、前記方法は、
基礎の上に前記メーソンリーブロックの第1の層を設置する工程であって、前記メーソンリーブロックは、前部、後部、上面、底面、第1の側面および第2の側面を有し、前記前部が前上端部および前下端部を有し、前記メーソンリーブロックが前記上面と前記底面との間に形成された開口部を有する、工程;
前記メーソンリーブロックの第1の層の上に前記メーソンリーブロックの後続の層を設置する工程であって、前記後続の層の各メーソンリーブロックの前記前下端部のノッチが、前記メーソンリーブロックの前記第1の層の上面上の少なくとも2つの段差と嵌合し、該少なくとも2つの段差が、前記開口部と前記前上端部との間で前記メーソンリーブロックの前記上面上に形成される、工程
を含み、
前記段差が、前記前上端部から第1のセットバック距離だけセットバックされ、前記ノッチの第1のノッチが、前記前下端部から第2のセットバック距離だけセットバックされ、したがって、前記固定セットバックは、前記第1のセットバック距離から前記第2のセットバック距離を差し引くことによって画定される
ことを特徴とする、方法。
【請求項9】
前記基礎の上に前記メーソンリーブロックの第1の層を設置する工程の後、前記第1のメーソンリーブロックの第1の層の背後に充填材料を充填する工程、および、前記メーソンリーブロックの第1の層の上に前記メーソンリーブロックの後続の層を設置する前に前記メーソンリーブロックの第1の層の上および前記充填材料の上にジオグリッドを敷設する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記充填工程が、前記開口部を前記充填材料で充填する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記構造体が擁壁であることを特徴とする、請求項
8に記載の方法。
【請求項12】
メーソンリーブロックであって、
前部、後部、上面、底面、第1の側面および第2の側面を有し、前記前部が前上端部および前下端部を有する、メーソンリーブロック本体であって、前記メーソンリーブロックが前記上面と前記底面との間に形成された開口部を有する、メーソンリーブロック本体;
前記メーソンリーブロックの前記上面上の2つの段差であって、前記開口部と前記前上端部との間で前記上面から上に上がり、前記2つの段差のうちの第1の段差が第1のセットバック距離だけ前記前上端部からセットバックされる、段差;
前記メーソンリーブロックの前記底面内の2つのノッチであって、該2つのノッチのうちの第1のノッチが第2のセットバック距離だけ前記前下端部からセットバックされる、ノッチ;
を含む、メーソンリーブロックであって、
壁を形成するために積み重ねられるとき、下側のメーソンリーブロックの前記2つの段差は、次に高いメーソンリーブロックの2つのノッチと接合し、
前記第1のセットバック距離は、前記第2のセットバック距離よりも大きく、前記第1のセットバック距離から前記第2のセットバック距離を差し引いた差によって前記壁の全体的なセットバックが画定される
ことを特徴とする、メーソンリーブロック。
【請求項13】
少なくとも2つのメーソンリーブロックキーをさらに含
み、
前記少なくとも2つのメーソンリーブロックキーのうちの第1のメーソンリーブロックキーが、前記開口部に隣接して該開口部と前記第1の側面との間にあり、前記少なくとも2つのメーソンリーブロックキーのうちの第2のメーソンリーブロックキーが、前記開口部に隣接して該開口部と前記第2の側面との間にある
ことを特徴とする、請求項
12に記載のメーソンリーブロック。
【請求項14】
前記少なくとも2つのメーソンリーブロックキーの各々が、前記2つの段差の最も高い段差の高さに等しいキー高さを有することを特徴とする、請求項
13に記載のメーソンリーブロック。
【請求項15】
前記第1の側面および前記後部が第1の脚部を画定し、前記第2の側面および前記後部が第2の脚部を画定することを特徴とする、請求項
12に記載のメーソンリーブロック。
【請求項16】
前記第1の脚部における第1の切込み線および前記第2の脚部における第2の切込み線をさらに含むことを特徴とする、請求項
15に記載のメーソンリーブロック。
【請求項17】
前記上面上の前記段差の各々が、内側の段差および外側の段差を含むことを特徴とする、請求項
12に記載のメーソンリーブロック。
【請求項18】
前記2つの段差の各々が、前記メーソンリーブロックの後続の層が前記メーソンリーブロックに対して一定の角度で設置されることを可能にするように非直線状であることを特徴とする、請求項
12に記載のメーソンリーブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁/障壁構築の分野に関し、より詳細には、例えば擁壁の構築のためのメーソンリーブロック(masonry block)に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートブロックのメーソンリーブロックは、土留め、擁壁、および造園などの多くの用途を有する。今日、多くのメーソンリーブロックが存在し、それぞれが用途の範囲および審美的特性を有する。1つの簡単な例は、シンダーブロックとして知られているものである。シンダーブロックは、コンクリートおよびシンダーで作られたブロックであり、全体がコンクリートで作られたブロックよりも軽量になる。シンダーブロックは、概して、建物の基礎および壁に使用され、典型的には交互パターンで敷設され、モルタルとともに保持される。そのような構造は、非常に良好な耐荷重性を提供するが、土壌の重量および土壌によって保持される水が擁壁に対して大量の剪断力を与えるため、例えば土留めに充分な剪断強度が提供されない。
【0003】
擁壁は、土壌、砂、石などの保持されている材料が、多くの場合雨および流出により様々な量の水を有するため、擁壁の摺動、湾曲、または崩壊を防止するために余分な剪断強度を必要とする。現在、擁壁を作るために多くの異なる材料が使用されている。使用される材料は、壁の用途およびサイズに依存する。例えば、道路を支持する擁壁は、鋼壁またはコンクリートと鋼壁とで作られることが多く、一方、造園用の擁壁は鉄道の枕木やソリッドコンクリートブロックなどの美的価値のある材料で作られることが多い。
【0004】
概して、高さが小さい、典型的には高さ6フィート未満の多くの擁壁の場合、保持される材料(例えば土壌)からの圧力はあまり大きくなく、ブロックの重量は、典型的には保持される材料の圧力からのシフトを防ぐのに充分なので、あまり多くのエンジニアリングが必要とされない。多くのコンクリートブロックは、ホームセンターでそのような使用のために入手可能であり、多くのホームプロジェクトは、より大きいプロジェクトのエンジニアリングに熟練していない人によってそのような擁壁を構築して首尾よく完了する。
【0005】
擁壁の高さが増加するにつれて、擁壁を作るために使用されるコンクリートブロックに対して加えられる圧力も増加する。高さが6フィートより高い建物壁は、壁の背後に保持されている土壌、岩、および水から加えられる剪断力に抵抗するように設計されなければならないので、特別な技能を必要とする。近年、ジオグリッドの層が、そのような壁のブロック間に配置されている。ジオグリッドの各層がブロック間に敷設され、石がジオグリッドの上に層ごとに充填される。このようにして、ジオグリッドは、擁壁の後ろからの剪断力に対する追加の抵抗を提供する。
【0006】
コンクリートブロックで作られた擁壁に充分な剪断強度を与えるように設計されたいくつかの工学パラメータがある。1つのパラメータは「セットバック」であり、これは概して、壁の1つのコースが壁の次の最も高いコースの前面を越えて延びる距離を考慮される。擁壁のこの角度は、壁の背後の土の圧力に対抗する。例えば、セットバックのない標準的な粘土レンガの壁は、誰でも容易に押し倒すことができるが、各レンガを下側レンガから1/2インチセットバックさせると、背面から押し倒すことが困難になる。
【0007】
擁壁を作るために使用されるコンクリートブロックの他の工学的問題は、連続するブロック間の摩擦を含む。この摩擦は、連続するブロック(上記のブロック)の重量によって強くなり、コンクリートブロックが互いの上で滑ることを困難にし、その結果、擁壁に穴が開くか、または完全な破損/崩壊が生じる。
【0008】
いくつかの擁壁構造では、ある用途で、必要とされるセットバックを有する擁壁を構築するための空間が不充分であるため、セットバックを制限することが望ましい。これは、擁壁を適切に後退させるための十分な空間を提供しない、特性線または道路構成に起因し得る。そのような場合、コンクリートブロックは、擁壁の背後に保持された材料の剪断力に抵抗しながら、実質的に垂直である擁壁を作り出すことができなければならない。そのような用途では、擁壁はさらに、ピン(例えば、擁壁を垂直に貫通する長さの鉄筋)、デッドヘッド、タイバック等の種々の構築技術の使用の使用によって支持される。そのような工学技術および構造は複雑であり、鉄筋の錆等の故障が発生した場合、擁壁全体が損なわれる追加的な支持構築に依拠する。
【0009】
従来のコンクリートブロック構造に関する別の問題は、凸状および凹状の両方の曲線である。矩形のブロックを有する従来のブロックシステムを使用して凹状の擁壁を作る場合、矩形のブロックは、ブロックの面に隣接する一点で接触するだけで、隣接するブロック間の摩擦をその点だけに低減する。したがって、擁壁の背後からの側方土壌圧力は、各個々のブロックを押し、抵抗点が1つしかないため、そのようなブロックは、側方土壌圧力に対する抵抗をほとんど有さない。凸状の擁壁の場合、同じ状況が生じ、接触点がブロックの後隅にあるだけで、ブロックの面が凸状の曲線の半径に比例する空間によって分離されるという別の問題が生じ、これはしばしば審美的な理由から望ましくない。
【0010】
多くのタイプの建設と同様に、コンクリートブロックで作られた壁を理解し、設計することができる人(エンジニア)、およびコンクリートブロックで作られた壁を建設する人(建築業者)がいる。多くのプロジェクトについて、壁が構築される前にエンジニアリングが必要とされることが多い場合、エンジニアリングおよび構築が建築業者に委ねられる。さらに、適切に設計された場合でも、そのような建築業者は、設計されたデザインを理解しないおよび/またはそれに従わない場合があり、得られるコンクリートブロック壁は、特定の負荷条件下で破損する可能性がある。コンクリートブロックは、曲率半径およびブロック間セットバックなどの特定の工学的構造に適合しないコンクリートブロック壁を構築することを困難または不可能にする特徴を提供することが好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
直線的なまたは湾曲した壁輪郭を可能にしながら、構造強度を提供するコンクリートブロックシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施形態では、前部、後部、上面、底面、第1の側面、および第2の側面を有するメーソンリーブロック本体を含むメーソンリーブロックが開示される。前部は、前上端部および前下端部を有する。上面より上に上がる複数の段差(例えば、2つの段差)は、第1のセットバック距離だけ前上端部からセットバックされる。同じ数のノッチが、底面に形成/切削される。ノッチのうちの第1のノッチは、第2のセットバック距離だけ前下端部からセットバックされる。壁を形成するために積み重ねられるとき、下側のメーソンリーブロックの段差は、次に高いメーソンリーブロックのノッチと接合し、第1のセットバック距離は、第2のセットバック距離よりも大きく、第1のセットバック距離から第2のセットバック距離を差し引いた差によって全体的なセットバックが画定される。
【0013】
別の実施形態では、メーソンリーブロックを用いて構造体を構築する方法が開示される。結果として生じる構造体は、固定セットバックを有する。本方法は、基礎の上にメーソンリーブロックの第1の層を設置する工程を含む。メーソンリーブロックは、前部、後部、上面、底面、第1の側面、および第2の側面を有し、前面は、前上端部および前下端部を有する。次に、メーソンリーブロックの第1の層の上にメーソンリーブロックの後続の層を設置する工程により、後続の層の各メーソンリーブロックの前下端部のノッチが、メーソンリーブロックの第1の層の上面の段差と嵌合する。段差は、前上端部から第1のセットバック距離だけセットバックされ、ノッチの第1のノッチは、前下端部から第2のセットバック距離だけセットバックされ、したがって、構造体の固定セットバックは、第1のセットバック距離から第2のセットバック距離を差し引くことによって画定される。
【0014】
別の実施形態では、メーソンリーブロックが開示される。メーソンリーブロック本体は、前面、後面、上面、底面、第1の側面、および第2の側面を有し、前面は、前上端部および前下端部を有する。メーソンリーブロックの上面には、上面より上に上がる2つの段差が形成され、2つの段差のうちの第1の段差は、前上端部から第1のセットバック距離だけセットバックされる。2つのノッチが、メーソンリーブロックの底面に形成/切削される。2つのノッチのうちの第1のノッチは、第2のセットバック距離だけ前下端部からセットバックされる。壁を形成するために積み重ねられるとき、下側のメーソンリーブロックの2つの段差は、次の上側のメーソンリーブロックの2つのノッチと接合し、第1のセットバック距離は、第2のセットバック距離よりも大きく、第1のセットバック距離から第2のセットバック距離を差し引いた差によって、壁の全体的なセットバックが画定される。
【0015】
本発明は、添付の図面と併せて考慮されると、以下の詳細な説明を参照することによって、当業者によって最もよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】大型コンクリートブロックの上に配置された小型メーソンリーブロックの斜視図
【
図2】大型コンクリートブロックの上に配置された小型メーソンリーブロックの側面図
【
図3】別の大型メーソンリーブロックが追加される凸曲線に配置された複数の大型メーソンリーブロックの平面図
【
図4】別の大型メーソンリーブロックが切込み線に沿って脚部を破断することによって変更された、凸曲線に配置された複数の大型メーソンリーブロックの第2の平面図
【
図5】別の大型メーソンリーブロックが切込み線に沿って脚部を破断することによって変更された後に凸曲線に追加された、凸曲線に配置された複数の大型メーソンリーブロックの第2の平面図
【
図6】凹曲線に配置された複数の大型メーソンリーブロックの平面図
【
図7】大型メーソンリーブロックと小型メーソンリーブロックが交互に凸曲線に配置された平面図
【
図8】凸曲線に配置された大型メーソンリーブロックの積層の平面図
【
図9】凸曲線に配置された大型メーソンリーブロックの平面図
【
図10】凸曲線に配置された大型メーソンリーブロック間の境界面の拡大平面図
【
図11】大型メーソンリーブロックを用いて形成された複数の半径を有する壁の斜視図
【
図12】大型メーソンリーブロックを用いて作られた直線状の壁の斜視断面図
【
図14】凸曲線における大型メーソンリーブロックの積層の側面図
【
図15】大型コンクリートブロックの上に小型メーソンリーブロックを積み重ねた平面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで、本発明の現在好ましい実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。以下の詳細な説明を通して、全ての図において同じ参照番号は同じ構成要素を指す。
【0018】
本説明全体を通して、開示されるブロックのいくつかの特徴は、共通の用語を使用して言及される。メーソンリーブロックの裏側は、ブロック脚を含む。いくつかの実施形態では、メーソンリーブロック内に切込み線である破断点が存在し、典型的にはハンマーおよびチゼルなどの単純なツールを使用して、切込み線に沿ってメーソンリーブロックをきれいに破断することが可能になる。開示されるメーソンリーブロックは、全体重量を低減するための中央開口部(中空部)を有する。開示されるメーソンリーブロックの前上端部は、次のより高いメーソンリーブロックの前下端部に沿ったノッチと嵌合する段差を有する。開示されるメーソンリーブロックはまた、説明されるように、連続するメーソンリーブロックと係止し、積み重ねを改良するために、典型的には開口部の近くの上面に位置する突出部を有する。
【0019】
本明細書を通して、メーソンリーブロックの特徴は、メーソンリーブロック本体の外側に面する表面を正面と称して説明され、この表面は、メーソンリーブロックが壁に設置されるときに壁の外側から大部分が見える。底部は、壁に設置されるときに最低高度にあり、次のより低いメーソンリーブロックまたは地面/下地に触れる表面である。頂部は、設置されたときに、次のより低いメーソンリーブロックから遠位にある表面であり、その後のコンクリートブロックのより高い層が含まれる場合、メーソンリーブロックの頂部は、その後のメーソンリーブロックのより高い層のメーソンリーブロックの底部に接触する。背面は、正面の反対側の表面であり、典型的には、壁によって保持されている材料、例えば土壌、岩などと直接接触している。
【0020】
本明細書全体を通して、大型メーソンリーブロック200および小型メーソンリーブロック100が説明され、大型および小型は、他の各メーソンリーブロック100/200のサイズに対して相対的である。説明されるメーソンリーブロック100/200は、全ての小型メーソンリーブロック100、全ての大型メーソンリーブロック200、またはメーソンリーブロック100/200の任意の組合せのいずれかを使用して、構造的に健全な壁を作成するように設計される。メーソンリーブロック100/200の主な組成はコンクリートであるが、強化剤、充填剤、および/または水分などの他の材料がメーソンリーブロック100/200に含まれることが十分に予想されることに留意されたい。
【0021】
メーソンリーブロック100/200は、上面に段差を有し、底面にノッチを有することが開示される。底面に段差を含み、上面にノッチを含むことが予想されるが、運搬手段(例えば、パレット、トラックの床)との境界および基礎との境界のために、底面を比較的平坦なままにして、上面に段差および底面にノッチを有することが好ましい。
【0022】
説明されるメーソンリーブロック100/200は、典型的には、鋳型を石造材料(例えば、コンクリート、水分、充填剤)で充填し、圧力を印加してメーソンリーブロック100/200を形成し、次いで、メーソンリーブロック100/200を外気中または温度/湿度制御環境中のいずれかで硬化させることによって形成される。
【0023】
図1および
図2を参照すると、大型メーソンリーブロック200の上に配置された小型メーソンリーブロック100の図が示されている。
図1および
図2では、小型メーソンリーブロック100が大型メーソンリーブロック200とどのように接合するかが示されているが、小型メーソンリーブロック100および大型メーソンリーブロック200の任意の構成は、小型メーソンリーブロック100から全体的に作製された壁または大型メーソンリーブロック200から全体的に作製された壁のいずれかを含むことが予想される。
【0024】
大型メーソンリーブロック200は、大型メーソンリーブロック前部204(壁に組み込まれたときに見えるフェース部分)を有し、大型メーソンリーブロック側面205は、大型メーソンリーブロックインセット218および大型メーソンリーブロック脚部210を有する。大型メーソンリーブロック開口部202があり、その目的は、大型メーソンリーブロック200の総重量を低減することである。
【0025】
小型メーソンリーブロック100は、小型メーソンリーブロック前部104(壁に組み込まれたときに見えるフェース部分)を有し、小型メーソンリーブロック側面105/107は、小型メーソンリーブロックインセット118および小型メーソンリーブロック脚部110を有する。小型メーソンリーブロック開口部102があり、その目的は、小型メーソンリーブロック100の総重量を低減することである。
【0026】
小型メーソンリーブロック上面106は、小型メーソンリーブロック段差112/114/112A/114Aを有する。小型メーソンリーブロック100または大型メーソンリーブロック200のいずれかが互いに積み重ねられると、段差(小型メーソンリーブロック段差112/114/112A/114Aまたは大型メーソンリーブロック段差212/214/212A/214A)は、その上のメーソンリーブロックのノッチ(小型メーソンリーブロックノッチ122/124または大型メーソンリーブロックノッチ222/224)と嵌合する。この嵌合は、適切なセットバックが確実に行われるようにするのに役立ち(
図1に示す強制セットバックに留意されたい)、また、メーソンリーブロック100/200の上層がメーソンリーブロック100/200の下層に対して押し出されないようにする構造的支持を提供する。
【0027】
図1にも示すように、大型メーソンリーブロック上面206の大型メーソンリーブロックキー208は、小型メーソンリーブロック100の側面に対して静止する。大型メーソンリーブロックキー208と小型メーソンリーブロック100の小型メーソンリーブロック側面105との嵌合は、適正な間隔が維持されることを確実にすると共に、メーソンリーブロック100/200の連続層の側方移動を制限するのに役立つ。
【0028】
小型メーソンリーブロック段差112/114/112A/114Aは、外側の小型メーソンリーブロック段差112/114と、内側の小型メーソンリーブロック段差112A/114Aとを含む。その目的は、メーソンリーブロック100/200が凹状に配置されるときに、メーソンリーブロック100/200の後続の上位層のノッチ(小型メーソンリーブロックノッチ122/124または大型メーソンリーブロックノッチ222/224)との段差接触が最大になるようにするためである。小型メーソンリーブロックノッチ122/124および大型メーソンリーブロックノッチ222/224は、実質的に直線状であることに留意されたい。
【0029】
小型メーソンリーブロック100は、小型メーソンリーブロック上面106および小型メーソンリーブロック脚部110を有する。大型メーソンリーブロック200は、大型メーソンリーブロック上面206および大型メーソンリーブロック脚部210を有する。
【0030】
大型メーソンリーブロック脚部210は、ハンマーおよびチゼルなどの単純なツールを用いて予測可能な方法で大型メーソンリーブロック脚部210を叩き落とすための切込み線211を有する。
【0031】
図3、
図4および
図5を参照すると、凸曲線に配置された複数の大型メーソンリーブロック200Rの平面図が示されており、別の大型メーソンリーブロック200が追加される。従来技術のメーソンリーブロックを使用して湾曲壁を形成することは困難であり、多くの場合、湾曲壁を形成するためにそのようなブロックの切断を必要とする。
図3、
図4および
図5に示すように、各大型メーソンリーブロック200の大型メーソンリーブロック脚部210を叩き落すことにより、特定の半径を有する壁が形成される。異なる半径の壁は、各メーソンリーブロック100/200の側面をメーソンリーブロック100/200の前部付近に当接するように設定し、メーソンリーブロック脚部110/210(または、メーソンリーブロック脚部110/210の除去後の側面)間の距離を設定することに基づいて、予測されることに留意されたい。
【0032】
図6を参照すると、凹曲線状に配置された複数の大型メーソンリーブロック200の平面図が示されている。この構成では、大型メーソンリーブロック200の大型メーソンリーブロック脚部210は原型のままであり、大型メーソンリーブロック前部204の近くの側縁部のみが互いに接触して摩擦を与える。この構成では、隣接する大型メーソンリーブロック200間の摩擦は最小限であるが、大型メーソンリーブロック200の凹状配置による土壌圧力によって、さらには大型メーソンリーブロック脚部210間の相互作用によって、そのような大型メーソンリーブロック200を移動することは困難である。
【0033】
図7を参照すると、凸曲線状に配置された小型メーソンリーブロック100と大型メーソンリーブロック200との交互の平面図が示されている。この図では、より半径の小さい凸状湾曲壁が、大型メーソンリーブロック200と小型メーソンリーブロック100との交互配置によって形成される。小型メーソンリーブロック脚部110が大型メーソンリーブロックインセット218内にどのように静止するかに留意されたい。これは、小型メーソンリーブロック100を隣接する大型メーソンリーブロック200と位置合わせし、小型メーソンリーブロック100が、この凸状壁の背後の材料からの圧力によって隣接する大型メーソンリーブロック200の間から押し出されるのを防止する。
【0034】
図8を参照すると、凸曲線状に配置された大型メーソンリーブロック200の重なり合う層の平面図が示されている。この例では、大型メーソンリーブロック脚部210は、原型のままで接触しているが、大型メーソンリーブロック前部204に近い大型メーソンリーブロック200の側縁部は、わずかに離れて設定されていることに留意されたい。
【0035】
大型メーソンリーブロック200のこのパターンは、大型メーソンリーブロック段差212/214/212A/214Aをずらすことを利用する。互いにある角度で設定された複数層のメーソンリーブロック100/200がある場合、大型メーソンリーブロック200の上層の大型メーソンリーブロック200の大型メーソンリーブロックノッチ222/224は、外側の大型メーソンリーブロック段差212/214および内側の大型メーソンリーブロック段差212A/214Aの両方と接合する。これにより、構造強度が改良されるだけでなく、大型メーソンリーブロック200の次の下層に対して同様の角度で各層を設定するためのガイドが提供される。同じ原理が、外側の小型メーソンリーブロック段差112/114および内側の小型メーソンリーブロック段差112A/114Aを有する小型メーソンリーブロック100に存在することに留意されたい(
図1参照)。
【0036】
例えば
図8に示されるような景観構造体または壁の建設中に、構造体または壁は概して一度に1層で建設されることが予想される。メーソンリーブロック100/200の各層は、メーソンリーブロック100/200の後続の下側層の上に設定され、メーソンリーブロック100/200の下側(先行)層のメーソンリーブロック段差112/114/112A/114A/212/214/212A/214Aが、設置されているメーソンリーブロック100/200の層のメーソンリーブロックノッチ122/124/222/224と接合する。これにより、層間の確実な接続が提供される。メーソンリーブロック100/200の先行層のメーソンリーブロック段差112/114/112A/114A/212/214/212A/214Aは、メーソンリーブロック上面106/206に対して上昇するので、設置されているメーソンリーブロック100/200の層は、メーソンリーブロックノッチ122/124/222/224がメーソンリーブロック段差112/114/112A/114A/212/214/212A/214Aと接触/接合する位置を超えて前方に推し進められることができず、メーソンリーブロック100/200のこの層は正しいセットバックで強制的に設置され、メーソンリーブロック100/200の各後続層が、壁/構造体によって保持されている材料から来る剪断力によって前方に押されることが防止される。
【0037】
このように、メーソンリーブロック段差112/114/112A/114A/212/214/212A/214Aは、メーソンリーブロック100/200の前上端部から第1のセットバック距離だけセットバックされ、メーソンリーブロックノッチ122/124/222/224は、前下端部から第1のセットバック距離よりも小さい第2のセットバック距離だけセットバックされる。このようにして、そのようなメーソンリーブロック100/200で作られた構築物(例えば、壁)の全体的なセットバックは、第1のセットバック距離と第2のセットバック距離との間の差によって画定される。例えば、第1のセットバック距離が2インチであり、第2のセットバック距離が5インチである場合、メーソンリーブロック100/200の各後続のより高い層は、メーソンリーブロック100/200のベース層から3インチセットバックされる(メーソンリーブロック段差112/114/112A/114A/212/214/212A/214Aが、メーソンリーブロックノッチ122/124/222/224と接合/当接する適切な設置を仮定する)。
【0038】
メーソンリーブロック段差112/114/112A/114A/212/214/212A/214Aの数は、メーソンリーブロックノッチ122/124/222/224の数と同様に2として示されているが、1つの段差および1つのノッチを含む任意の数の段差およびノッチが予想される。段差の数は、ノッチの数に等しいことが好ましいが、必須ではない。
【0039】
いくつかの実施形態では、メーソンリーブロック100/200の各層が設置された後、岩、石、砂利、および/またはコンクリートなどのメーソンリーブロック開口部102/202を充填するために使用される適切な充填物が壁の後ろに配置される。完了すると、壁の背後(壁によって保持される材料)から構造体または壁にかかる圧力は、後続のより高い各層のメーソンリーブロック100/200を壁の前部に向かって外側に押し出す傾向がある。メーソンリーブロック段差112/114/112A/114A/212/214/212A/214Aとメーソンリーブロックノッチ122/124/222/224との間の接合は、メーソンリーブロック100/200の接触表面間の摩擦とともに、メーソンリーブロック100/200間の移動に抵抗する。モルタルの使用を排除するものではないが、モルタルを使用せずにメーソンリーブロック100/200を使用して構造体/壁を形成することが十分に意図される。メーソンリーブロック100/200の各層を設置した後、ジオグリッドの層がメーソンリーブロック100/200の層の上に配置され、メーソンリーブロック100/200の各層が設置された後に充填物が壁/構造体の背後に置かれるので、充填物で覆われるようにメーソンリーブロック100/200の背後に延在することも予想される。
【0040】
図9および
図10を参照すると、凸曲線状に配置された大型メーソンリーブロック200の平面図が示されている。
図9では、大型メーソンリーブロック脚部210が完全に重なり合って接触し、わずかに凸状の曲率を有する凹状壁を形成するのに対し、
図10では、大型メーソンリーブロック脚部210はわずかに離れて配置され、
図9の凹状壁よりも大きな半径を有する凸状の曲率を有する凹状壁を形成する。
【0041】
図11を参照すると、大型メーソンリーブロック200で形成された複数の半径を有する壁の斜視図が示されている。審美的な理由から、当該分野において知られているように、平面キャップが、大型メーソンリーブロック200の最上層に貼付されることに留意されたい。
【0042】
図12を参照すると、大型メーソンリーブロック200で作られた直線状の壁の斜視断面図が示されている。この図において、大型メーソンリーブロック200の下側層の大型メーソンリーブロック段差212/214/212A/214Aが、大型メーソンリーブロック200の次の上側層の大型メーソンリーブロックノッチ222/224と嵌合する際の、大型メーソンリーブロック200の後続のより高い層のセットバックが示されている。
図12には注目すべきであるが、メーソンリーブロック100/200の後続の層の間にジオグリッドの層を含むことが十分に予想される。このように、メーソンリーブロック100/200の各層が設置された後、メーソンリーブロック100/200の層の背後の領域は、土/岩90で満たされ、ジオグリッドは、メーソンリーブロック100/200の層を横切って敷設され、土/岩90の上に延在し、より大きい構造強度が提供される。
【0043】
この例に示されるように、大型メーソンリーブロック段差212/214/212A/214Aと大型メーソンリーブロック前部204との間の距離は、大型メーソンリーブロック200の後続のより高い層のセットバックを画定することに留意されたい。製造プロセスにおいて金型を調整し、大型メーソンリーブロック段差212/214/212A/214Aと大型メーソンリーブロック前部204との間の距離を変化させることによって、大型メーソンリーブロック200の後続のより高い層の異なるセットバックが達成される。小型メソンリーブロックについても同様である。製造プロセスにおいて金型を調整し、小型メーソンリーブロック段差112/114/112A/114Aと小型メーソンリーブロック前部104との間の距離を変化させることによって、小型メーソンリーブロック100の後続のより高い層の異なるセットバックが達成される。同様に、小型メーソンリーブロック100と大型メーソンリーブロック200との組合せで作られた壁についても同じことが当てはまる。メーソンリーブロックノッチ122/124/222/224は、成形/作製プロセス中に同様に調整されることも予想される。したがって、例えば大型メーソンリーブロック200を使用すると、セットバックは、段差-セットバックの深さ(例えば、大型メーソンリーブロック段差212/214/212A/214Aと大型メーソンリーブロック前部204との間の距離)とノッチ-セットバック(例えば、大型メーソンリーブロックノッチ222/224と大型メーソンリーブロック前部204との間の距離)との間の差によって決定される。小型メーソンリーブロック100についても同様である。段差-セットバックが2インチであり、ノッチ-セットバックが1インチである場合、メーソンリーブロック100/200の各後続層は、メーソンリーブロック100/200の次の下層から1インチセットバックされる。メーソンリーブロック100/200は、典型的には、3度~12度のセットバックについて設計される。
【0044】
図13および
図14を参照すると、メーソンリーブロック100/200の積み重ねの側面図が示されている。
図13では、小型メーソンリーブロック100は、大型メーソンリーブロック200に対して最小の角度にあり、したがって、小型メーソンリーブロックノッチ122/124は、最後部の大型ブロック段差212A/214A(大型メーソンリーブロック前部204から最も遠い段差)に当接し、大型メーソンリーブロックキー208は、小型メーソンリーブロックインセット118にロックされる。
図14では、小型メーソンリーブロック100は大型メーソンリーブロック200に対してある角度をなしており、したがって、小型メーソンリーブロックノッチ122/124は外側の大型メーソンリーブロック段差212/214に当接し、大型メーソンリーブロックキー208は見えないが、小型メーソンリーブロック開口部102内に位置する。小型メーソンリーブロックノッチ122/124はまた、
図14では見えない内側の大型メーソンリーブロック段差212A/214Aに当接することに留意されたい。
【0045】
図15を参照すると、大型メーソンリーブロック200の上に小型メーソンリーブロック100を積み重ねる平面図が示されている。大型メーソンリーブロックキー208は、小型メーソンリーブロックインセット118にロックされ、小型メーソンリーブロックノッチ122/124(見えない)は、外側の大型メーソンリーブロック段差212/214と接合する。
【0046】
図16、17、18、および
図19を参照すると、小型メーソンリーブロック100の図が示されている。小型メーソンリーブロック100は、小型メーソンリーブロック側面105/107を有する小型メーソンリーブロック前部104(壁に組み込まれたときに見えるフェース部分)を有する。小型メーソンリーブロック側面105/107の各々は、小型メーソンリーブロックインセット118および小型メーソンリーブロック脚部110を有する。小型メーソンリーブロック開口部102があり、その目的は、小型メーソンリーブロック100の総重量を低減することである。
【0047】
小型メーソンリーブロック上面106は、小型メーソンリーブロック段差112/114/112A/114Aを有し、小型メーソンリーブロック底面103は、小型メーソンリーブロックノッチ122/124を有する。
【0048】
別のメーソンリーブロック100/200が小型メーソンリーブロック100の上に積み重ねられると、小型メーソンリーブロック100の小型メーソンリーブロック段差112/114/112A/114Aは、他のメーソンリーブロック100/200のノッチ(小型メーソンリーブロックノッチ122/124または大型メーソンリーブロックノッチ222/224)と嵌合する。同様に、小型メーソンリーブロック100が別のメーソンリーブロック100/200上に積み重ねられると、その小型メーソンリーブロック100の小型メーソンリーブロックノッチ122/124は、他のメーソンリーブロック100/200の段差(小型メーソンリーブロック段差112/114/112A/114Aまたは大型メーソンリーブロック段差212/214/212A/214A)と嵌合する。この嵌合は、適切なセットバックが確実に行われるようにするのに役立ち(
図1に示す強制セットバックに留意されたい)、また、メーソンリーブロック100/200の上層がメーソンリーブロック100/200の下層に対して押し出されないようにする構造的支持を提供する。
【0049】
小型ブロック背面109は、構築された壁の後ろに充填されるいかなる材料とも接合する。いくつかの設置では、メーソンリーブロック100/200の各層が積み重ねられた後、小型メーソンリーブロック開口部102は、岩、石、小石、土、および砂等の材料で充填されることに留意されたい。
【0050】
いくつかの実施形態では、小型メーソンリーブロック脚部110は、ハンマーおよびチゼルなどの単純なツールを用いて予測可能な方法で小型メーソンリーブロック脚部110を叩き落とすための切込み線111を有する。
【0051】
図20、21、22、および
図23を参照すると、大型メーソンリーブロック200の図が示されている。大型メーソンリーブロック200は、大型メーソンリーブロック前部204(壁に組み込まれたときに見えるフェース部分)および大型メーソンリーブロック側面205/207を有し、大型メーソンリーブロック側面205/207の各々は、大型メーソンリーブロックインセット218および大型メーソンリーブロック脚部210を有する。大型メーソンリーブロック開口部202があり、その目的は、大型メーソンリーブロック200の総重量を低減することである。
【0052】
各大型メーソンリーブロック200は、大型メーソンリーブロック上面206上に2つの大型メーソンリーブロックキー208を有する。大型メーソンリーブロックキー208は、設置中に基準点を提供する。メーソンリーブロック100/200を積み重ねて壁を作るとき、大型メーソンリーブロックキー208は、規則的かつ対称的な壁を作るためのそのような基準点を提供する。いくつかの設備では、大型メーソンリーブロックキー208は、大型メーソンリーブロック200の上に置かれるメーソンリーブロック100/200の側面に対して静止し、それによって、互いに対するメーソンリーブロック100/200の移動からの余分な抵抗を提供する。さらに、ジオグリッドがメーソンリーブロック100/200の連続層間に配置される設置では、大型メーソンリーブロックキー208は、建設中および生じる壁の寿命中にジオグリッドシートが滑り出ることを防止する。
【0053】
大型メーソンリーブロックキー208は、別の機能を有する。大型メーソンリーブロック段差212/214/212A/214Aは、大型メーソンリーブロック200の大型メーソンリーブロック上面206と水平ではないので、大型メーソンリーブロックキー208は、保管および出荷のために大型メーソンリーブロック200の積層をある程度水平に保つのに役立つ。
【0054】
別のメーソンリーブロック100/200が大型メーソンリーブロック200の上に積み重ねられると、大型メーソンリーブロック200の大型メーソンリーブロック段差212/214/212A/214Aは、他のメーソンリーブロック100/200のノッチ(小型メーソンリーブロックノッチ122/124または大型メーソンリーブロックノッチ222/224)と嵌合する。同様に、大型メーソンリーブロック200が別のメーソンリーブロック100/200上に積み重ねられると、その大型メーソンリーブロックの大型メーソンリーブロックノッチ222/224は、他のメーソンリーブロック100/200の段差(小型メーソンリーブロック段差112/114/112A/114Aまたは大型メーソンリーブロック段差212/214/212A/214A)と嵌合する。この嵌合は、適切なセットバックが確実に行われるようにするのに役立ち(
図1に示す強制セットバックに留意されたい)、また、メーソンリーブロック100/200の上層がメーソンリーブロック100/200の下層に対して押し出されないようにする構造的支持を提供する。
【0055】
大型ブロック背面209は、構築された壁の後ろに充填されるいかなる材料とも接触する。いくつかの設置では、メーソンリーブロック100/200の各層が積層された後、メーソンリーブロック開口部102/202は、岩、石、小石、土、および砂等の材料で充填されることに留意されたい。
【0056】
いくつかの実施形態では、大型メーソンリーブロック脚部210は、ハンマーおよびチゼルなどの単純なツールを用いて予測可能な方法で大型メーソンリーブロック脚部210を叩き落すための切込み線211を有する。
【0057】
同等の構成要素は、実質的に同じ結果を達成するために実質的に同じ方法で実質的に同じ態様で機能するように、上記に記載されるものと置換され得る。
【0058】
説明されるシステムおよび方法ならびにその付随する利点の多くは、前述の説明によって理解されるであろうと考えられる。また、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、またはその重要な利点の全てを犠牲にすることなく、その構成要素の形態、構造、および配置において種々の変更が行われ得ることが明らかであろうと考えられる。本明細書において前述した形態は、その例示的かつ説明的な実施形態にすぎない。以下の特許請求の範囲は、そのような変更を包含し、含むことを意図している。