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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】保護シールド
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/04 20060101AFI20240216BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
A61F9/04 315
A41D13/11 L
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020076749
(22)【出願日】2020-04-23
(65)【公開番号】P2021171254
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000205306
【氏名又は名称】大阪シーリング印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】松原 一裕
(72)【発明者】
【氏名】村中 成仁
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3160039(JP,U)
【文献】登録実用新案第3162641(JP,U)
【文献】登録実用新案第3165625(JP,U)
【文献】実開平05-018545(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0109918(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/00-9/04
A41D 13/11
A41D 13/05
A62B 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の目元を保護する保護シールドであって、
保護シールド本体と、
前記保護シールド本体に切込まれて設けられる第1切込部と、
前記保護シールド本体に切込まれて設けられる第2切込部と、を有し、
前記第1切込部は、前記使用者が装着するマスクに設けられている該使用者の耳に掛ける耳掛け部の上部側を引っ掛けることが可能であり、
前記第2切込部は、前記耳掛け部の下部側を引っ掛けることが可能であり、
前記第1切込部と、前記第2切込部とは、連通しておらず、それぞれ独立して設けられてなる保護シールド。
【請求項2】
前記保護シールド本体には、該保護シールド本体の中心軸線上に、前記使用者の鼻のラインに沿う窪み部が設けられてなる請求項1に記載の保護シールド。
【請求項3】
前記第2切込部は、前記保護シールド本体の下面から上面に向かって、該保護シールド本体に切り込まれて設けられてなる請求項1又は2に記載の保護シールド。
【請求項4】
前記保護シールド本体には、第3切込部が設けられており、
前記第3切込部は、前記第1切込部と分離され、前記保護シールド本体の中心軸線に向かって該保護シールド本体に切込まれて設けられてなる請求項1~3の何れか1項に記載の保護シールド。
【請求項5】
前記保護シールド本体の両側面側には、一対の折り曲げ線が設けられてなる請求項1~4の何れか1項に記載の保護シールド。
【請求項6】
前記保護シールド本体の両側面側には、連結部が夫々設けられてなり、
前記連結部は、
第1嵌合部と、第2嵌合部と、で構成されてなり、
前記第1嵌合部と、前記第2嵌合部とは、嵌合可能である請求項1~4の何れか1項に記載の保護シールド。
【請求項7】
前記保護シールド本体には、該保護シールド本体の中心軸線に沿って、前記窪み部の頂部上に折り曲げ線が設けられてなる請求項2に記載の保護シールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクを装着している使用者の目元を保護する保護シールドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の保護シールドとして、例えば、特許文献1に記載のようなものが知られている。特許文献1に記載の保護シールドは、眼部を覆う防塵部の両側に装着部を延設し、各装着部に、保持孔部、スリット部、遊び孔部よりなる装着孔を設けている。そして、マスクの止め紐を、スリット部に内側から通して、保持孔部、及び、遊び孔部に引っ掛けて、マスクを装着するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平4-108519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような保護シールドは、マスクの止め紐を装着するにあたって、スリット部を通して、保持孔部及び遊び孔部に引っ掛ける構造であるため、止め紐が、保持孔部及び遊び孔部から外れ易く、使い勝手が悪いという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、使い勝手の良い保護シールドを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
請求項1の保護シールドによれば、使用者(H)の目元を保護する保護シールド(1,1A,1B)であって、
保護シールド本体(10,10A,10B)と、
前記保護シールド本体(10,10A,10B)に切込まれて設けられる第1切込部(左第1切込部12a,12Ba、右第1切込部12b,12Bb)と、
前記保護シールド本体(10,10A,10B)に切込まれて設けられる第2切込部(左第2切込部14a,14Ba、右第2切込部14b,14Bb)と、を有し、
前記第1切込部(左第1切込部12a,12Ba、右第1切込部12b,12Bb)は、前記使用者(H)が装着するマスク(M)に設けられている該使用者(H)の耳(Ha)に掛ける耳掛け部(左ゴム紐Mb、右ゴム紐Mc)の上部(Mb1,Mc1)側を引っ掛けることが可能であり、
前記第2切込部(左第2切込部14a,14Ba、右第2切込部14b,14Bb)は、前記耳掛け部(左ゴム紐Mb、右ゴム紐Mc)の下部(Mb2,Mc2)側を引っ掛けることが可能であり、
前記第1切込部(左第1切込部12a,12Ba、右第1切込部12b,12Bb)と、前記第2切込部(左第2切込部14a,14Ba、右第2切込部14b,14Bb)とは、連通しておらず、それぞれ独立して設けられてなることを特徴としている。
【0008】
また、請求項2の発明によれば、上記請求項1に記載の保護シールド(1,1A,1B)において、前記保護シールド本体(10,10A,10B)には、該保護シールド本体(10,10A,10B)の中心軸線(O)上に、前記使用者(H)の鼻のラインに沿う窪み部(15)が設けられてなることを特徴としている。
【0009】
さらに、請求項3の発明によれば、上記請求項1又は2に記載の保護シールド(1,1A)において、前記第2切込部(左第2切込部14a、右第2切込部14b)は、前記保護シールド本体(10,10A)の下面(10d)から上面(10c)に向かって、該保護シールド本体(10,10A)に切り込まれて設けられてなることを特徴としている。
【0010】
またさらに、請求項4の発明によれば、上記請求項1~3の何れか1項に記載の保護シールド(1,1A)において、前記保護シールド本体(10,10A)には、第3切込部(左第3切込部13a、右第3切込部13b)が設けられており、
前記第3切込部(左第3切込部13a、右第3切込部13b)は、前記第1切込部(左第1切込部12a、右第1切込部12b)と分離され、前記保護シールド本体(10,10A)の中心軸線(O)に向かって該保護シールド本体(10,10A)に切込まれて設けられてなることを特徴としている。
【0011】
そしてさらに、請求項5の発明によれば、上記請求項1~4の何れか1項に記載の保護シールド(1)において、前記保護シールド本体(10)の両側面(左側面10a、右側面10b)側には、一対の折り曲げ線(左折り曲げ線17a、右折り曲げ線17b)が設けられてなることを特徴としている。
【0012】
一方、請求項6の発明によれば、上記請求項1~4の何れか1項に記載の保護シールド(1A)において、前記保護シールド本体(10A)の両側面(左側面10a、右側面10b)側には、連結部(左連結部18A,右連結部18B)が夫々設けられてなり、
前記連結部(左連結部18A,右連結部18B)は、
第1嵌合部(左第1嵌合部18Aa、右第1嵌合部18Ba)と、第2嵌合部(左第2嵌合部18Ab、右第2嵌合部18Bb)と、で構成されてなり、
前記第1嵌合部(左第1嵌合部18Aa、右第1嵌合部18Ba)と、前記第2嵌合部(左第2嵌合部18Ab、右第2嵌合部18Bb)とは、嵌合可能であることを特徴としている。
【0013】
他方、請求項7の発明によれば、上記請求項2に記載の保護シールド(1B)において、前記保護シールド本体(10B)には、該保護シールド本体(10B)の中心軸線(O)に沿って、前記窪み部(15)の頂部上に折り曲げ線(15a)が設けられてなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】
請求項1の発明によれば、第1切込部(左第1切込部12a,12Ba、右第1切込部12b,12Bb)と、第2切込部(左第2切込部14a,14Ba、右第2切込部14b,14Bb)とは、連通しておらず、それぞれ独立して設けられている。これにより、マスク(M)が、従来のように孔から外れてしまうという問題を解決することができる。それゆえ、マスク(M)が保護シールド(1,1A,1B)から外れてしまう事態を低減させることができ、もって、使い勝手の良い保護シールドを提供することができる。
【0016】
また、請求項2の発明によれば、保護シールド本体(10,10A,10B)には、該保護シールド本体(10,10A,10B)の中心軸線(O)上に、使用者(H)の鼻のラインに沿う窪み部(15)が設けられている。これにより、使用者の鼻とマスクと保護シールドとの一体感を発揮させることができる。
【0017】
さらに、請求項3の発明によれば、第2切込部(左第2切込部14a、右第2切込部14b)は、保護シールド本体(10,10A)の下面(10d)から上面(10c)に向かって、該保護シールド本体(10,10A)に切り込まれて設けられている。これにより、マスク(M)に設けられている使用者(H)の耳(Ha)に掛ける耳掛け部(左ゴム紐Mb、右ゴム紐Mc)の下部(Mb2,Mc2)側を外れ難くすることができる。それゆえ、マスク(M)が保護シールド(1,1A)から外れてしまう事態をより低減させることができ、もって、より使い勝手の良い保護シールドを提供することができる。
【0018】
またさらに、請求項4の発明によれば、第3切込部(左第3切込部13a、右第3切込部13b)は、第1切込部(左第1切込部12a、右第1切込部12b)と分離され、保護シールド本体(10,10A)の中心軸線(O)に向かって該保護シールド本体(10,10A)に切込まれて設けられている。これにより、保護シールド(1,1A)に装着されたマスク(M)を使用者(H)が装着した際、使用者(H)の目元部分を覆っている箇所(図3(a)に示す正面部分)は、湾曲せず、平坦状となる。それゆえ、部屋の照明などが映り込んで使用し難いという事態を低減させることができる。
【0019】
そしてさらに、請求項5の発明によれば、保護シールド本体(10)の両側面(左側面10a、右側面10b)側には、一対の折り曲げ線(左折り曲げ線17a、右折り曲げ線17b)が設けられている。これにより、保護シールド(1)を、使用者(H)の顔面に程よく密着させることができ、もって、使用者(H)の顔の両側部からの異物混入を抑制することができる。そしてさらには、部屋の照明などの左右の映り込みを抑制することができる。
【0020】
一方、請求項6の発明によれば、保護シールド本体(10A)の両側面(左側面10a、右側面10b)側には、連結部(左連結部18A,右連結部18B)が夫々設けられているから、保護シールド(1A)が、使用者(H)の顔面により密着することとなる。それゆえ、使用者(H)の顔の両側部からの異物混入をより抑制することができ、さらには、部屋の照明などの左右の映り込みをより抑制することができる。
【0021】
他方、請求項7の発明によれば、保護シールド本体(10B)には、該保護シールド本体(10B)の中心軸線(O)に沿って、窪み部(15)の頂部上に折り曲げ線(15a)が設けられている。これにより、使用者(H)の顔の角度に合うように、使用者の鼻のラインに窪み部(15)を沿わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る保護シールドの正面図である。
図2】同実施形態に係る保護シールドにマスクを装着した状態を示す正面図である。
図3】マスクを装着した保護シールドを使用者が装着した状態を示し、(a)は正面図、(b)は右側面である。
図4】他の実施形態に係る保護シールドの正面図である。
図5】他の実施形態に係る第1嵌合部と第2嵌合部とを嵌合させた保護シールドの斜視図である。
図6図4図5に示す保護シールドとは異なる他の実施形態に係る保護シールドの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0024】
<保護シールドの説明>
本実施形態に係る保護シールドは、マスクを装着している使用者の目元を保護するものである。この保護シールドについてより詳しく説明すると、図1に示すように、保護シールド1は、略逆凹み状に形成され、透明なポリエチレンテレフタレート(PET)等にて形成されている保護シールド本体10を有している。この保護シールド本体10は、図1に示すように、左側面10aの中央やや上面10cよりに左切欠部11aが設けられている。この左切欠部11aは、図1に示すように、保護シールド本体10の左側面10aから保護シールド本体10の中心軸線Oに向かって、略矩形状に形成されている。そして、図1に示すように、この左切欠部11aの下側には、保護シールド本体10の下面10dに向かって、下向きフック状の左第1切込部12aが、保護シールド本体10に切込まれている。そしてさらに、図1に示すように、この左切欠部11aの右側には、保護シールド本体10の中心軸線Oに向かって、下向きL字状の左第3切込部13aが、保護シールド本体10に切込まれている。なお、左第1切込部12aと、左第3切込部13aとは、左切欠部11aによって分離されている。
【0025】
一方、保護シールド本体10は、図1に示すように、右側面10bの中央やや上面10cよりに右切欠部11bが設けられている。この右切欠部11bは、図1に示すように、保護シールド本体10の右側面10bから保護シールド本体10の中心軸線Oに向かって、略矩形状に形成されている。そして、図1に示すように、この右切欠部11bの下側には、保護シールド本体10の下面10dに向かって、下向きフック状の右第1切込部12bが、保護シールド本体10に切込まれている。そしてさらに、図1に示すように、この右切欠部11bの左側には、保護シールド本体10の中心軸線Oに向かって下向きL字状の右第3切込部13bが、保護シールド本体10に切込まれている。なお、右第1切込部12bと、右第3切込部13bとは、右切欠部11bによって分離されている。
【0026】
他方、図1に示すように、保護シールド本体10の左側に位置する下面10dには、上面10cに向かって、上向きフック状の左第2切込部14aが、保護シールド本体10に切込まれている。なお、図1に示すように、この左第2切込部14aと、左第1切込部12aとは、連通しておらず、それぞれ独立して設けられている。
【0027】
一方、図1に示すように、保護シールド本体10の右側に位置する下面10dには、上面10cに向かって、上向きフック状の右第2切込部14bが、保護シールド本体10に切込まれている。なお、図1に示すように、この右第2切込部14bと、右第1切込部12bとは、連通しておらず、それぞれ独立して設けられている。
【0028】
一方、図1に示すように、保護シールド本体10の中央部分には、中心軸線Oに沿って、下面10dから上面10cに向かって、頂部が丸みを帯びている山状の窪み部15が設けられている。
【0029】
また一方、図1に示すように、保護シールド本体10の上面10cには、保護シールド本体10の左側面10a側に、V字状の左切欠き部16aが設けられている。そして、この左切欠き部16aから左第3切込部13aに亘って、弧状の左折り曲げ線17aが保護シールド本体10に設けられている。
【0030】
また一方、図1に示すように、保護シールド本体10の上面10cには、保護シールド本体10の右側面10b側に、V字状の右切欠き部16bが設けられている。そして、この右切欠き部16bから右第3切込部13bに亘って、弧状の右折り曲げ線17bが保護シールド本体10に設けられている。
【0031】
<保護シールドの使用方法の説明>
かくして、上記のように構成される保護シールド1は、以下のように使用される。
【0032】
まず、図2に示すように、保護シールド1には、マスクMが装着される。このマスクMは、例えば不織布等で形成されており、図2に示すように、図3に示す使用者Hの口及び鼻周辺を覆う矩形状のマスク本体Maを有している。そして、図2に示すように、このマスク本体Maの左側面Ma1には、左ゴム紐Mbが取り付けられ、マスク本体Maの右側面Ma2には、右ゴム紐Mcが取り付けられている。
【0033】
かくして、このようなマスクMは、図2に示すように、マスクMの左ゴム紐Mbの上部Mb1が、保護シールド本体10の左切欠部11aを通って、左第1切込部12aの先端12a1(フック部分)に引っ掛けられる。そして、マスクMの左ゴム紐Mbの下部Mb2が、左第2切込部14aの先端14a1(フック部分)に引っ掛けられる。そしてさらに、マスクMの右ゴム紐Mcの上部Mc1が、保護シールド本体10の右切欠部11bを通って、右第1切込部12bの先端12b1(フック部分)に引っ掛けられる。またさらに、マスクMの右ゴム紐Mcの下部Mc2が、右第2切込部14bの先端14b1(フック部分)に引っ掛けられる。
【0034】
しかして、このようにして、マスクMは、保護シールド1に装着されることとなる。
【0035】
次いで、図3に示すように使用者Hは、保護シールド1に装着されたマスクMの左ゴム紐Mbを使用者Hの左耳(図示せず)に引っ掛け、右ゴム紐Mcを使用者Hの右耳Ha(図3(b)参照)に引っ掛ける。これにより、図3(a)に示すように、使用者Hの目元は、保護シールド1にて保護されることとなる。この際、保護シールド1の左折り曲げ線17aに沿って、保護シールド本体10の左側面10a側を折り曲げ、右折り曲げ線17bに沿って、保護シールド本体10の右側面10b側を折り曲げる。これにより、保護シールド本体10の左側面10a側が使用者Hの顔面左側部側に密着し、保護シールド本体10の右側面10b側が使用者Hの顔面右側部側に密着することとなる。それゆえ、保護シールド1が、使用者Hの顔面に程よく密着することとなる。これにより、使用者Hの顔の両側部からの異物混入を抑制することができ、さらには、部屋の照明などの左右の映り込みを抑制することができる。
【0036】
また、上記説明したように、左第1切込部12aと、左第3切込部13aとは、分離され、右第1切込部12bと、右第3切込部13bとは、分離されている。これにより、保護シールド1に装着されたマスクMを使用者Hが装着した際、使用者Hの目元部分を覆っている箇所(図3(a)に示すように正面部分)は、湾曲せず、平坦状となる。それゆえ、部屋の照明などが映り込んで使用し難いという事態を低減させることができる。
【0037】
しかして、以上説明した本実施形態によれば、左第1切込部12aと、左第2切込部14aとは、連通しておらず、それぞれ独立して設けられており、さらに、右第1切込部12bと、右第2切込部14bとは、連通しておらず、それぞれ独立して設けられている。それゆえ、マスクMが、従来のように孔から外れてしまうという問題を解決することができる。
【0038】
しかして、本実施形態によれば、マスクMが保護シールド1から外れてしまう事態を低減させることができ、もって、使い勝手の良い保護シールドを提供することができる。
【0039】
また、本実施形態によれば、保護シールド1に孔を開けずに、左第1切込部12a、左第2切込部14a、右第1切込部12b、右第2切込部14bを、保護シールド1に切込むことにより設けている。それゆえ、マスクMの左ゴム紐Mb及び右ゴム紐Mcをより外れ難くすることができる。さらに、切込むようにすれば、孔掃除が不要となり、コストダウンを図ることができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、保護シールド本体10の中央部分に、中心軸線Oに沿って、頂部が丸みを帯びている山状の窪み部15が設けられているから、使用者の鼻のラインに窪み部15を沿わせることができる。これにより、使用者の鼻とマスクMと保護シールド1との一体感を発揮させることができる。
【0041】
なお、本実施形態において示した形状等はあくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、本実施形態においては、保護シールド本体10の素材として、透明なポリエチレンテレフタレート(PET)を例示したが、それに限らず、どのような素材でも良い。しかしながら、透明なポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましく、特に、厚みとして、188μm~250μmが好ましい。保護シールド1を装着した際の使用感が良くなるためである。すなわち、188μm未満だと、使用者Hの顔面に密着しすぎてしまい、使用感が悪くなり、250μmを超えると、保護シールド1が硬すぎしてしまい、使用感が悪くなるためである。
【0042】
また、本実施形態において例示した保護シールド1は、あくまで一例であり、図4図5に示すような保護シールド1Aの構成にすることができる。なお、上記説明した構成と同一の構成については、同一の符号を付し説明は省略することとする。
【0043】
すなわち、上記説明した保護シールド1は、左折り曲げ線17a及び右折り曲げ線17bを設けているものの、図4図5に示す保護シールド1Aは、これら折り曲げ線を設けておらず、代わりに、連結部を設けている点が相違する。この点、詳しく説明すると、図4に示すように、保護シールド本体10Aの左側面10aには、左連結部18Aが設けられている。この左連結部18Aは、図4に示すように、左切欠部11aの上側に形成されている左第1嵌合部18Aaと、左切欠部11aの下側に形成されている左第2嵌合部18Abと、で構成されている。そして、この左第1嵌合部18Aaは、左第1スリット18Aa1を有しており、左第2嵌合部18Abは、左第2スリット18Ab1を有している。
【0044】
一方、図4に示すように、保護シールド本体10Bの右側面10bには、右連結部18Bが設けられている。この右連結部18Bは、図4に示すように、右切欠部11bの上側に形成されている右第1嵌合部18Baと、右切欠部11bの下側に形成されている右第2嵌合部18Bbと、で構成されている。そして、この右第1嵌合部18Baは、右第1スリット18Ba1を有しており、右第2嵌合部18Bbは、右第2スリット18Bb1を有している。
【0045】
かくして、上記のように構成される左連結部18Aは、左第1スリット18Aa1に、左第2スリット18Ab1が差し込まれることにより、図5に示すように、左第1嵌合部18Aaと、左第2嵌合部18Abとが嵌合される。これにより、保護シールド本体10Aの左側面10a側がより使用者Hの顔面左側部側に曲がることとなるから、保護シールド本体10Aの左側面10a側がより使用者Hの顔面左側部側に密着することとなる。さらには、使用者Hの顔面左側部からの異物混入をより抑制することができると共に、部屋の照明などの左からの映り込みをより抑制することができる。
【0046】
一方、右連結部18Bは、右第1スリット18Ba1に、右第2スリット18Bb1が差し込まれることにより、図5に示すように、右第1嵌合部18Baと、右第2嵌合部18Bbとが嵌合される。これにより、保護シールド本体10Aの右側面10b側がより使用者Hの顔面右側部側に曲がることとなるから、保護シールド本体10Aの右側面10b側がより使用者Hの顔面右側部側に密着することとなる。さらには、使用者Hの顔面右側部からの異物混入をより抑制することができると共に、部屋の照明などの右からの映り込みをより抑制することができる。
【0047】
しかして、このような左連結部18A、右連結部18Bを設けることにより、保護シールド1Aが、使用者Hの顔面により密着することとなる。この際、保護シールド本体10Aの中央やや上面10cも、使用者Hのおでこ側に折れ曲がるため、保護シールド1Aが、使用者Hの顔面にさらに密着することとなる。これにより、使用者Hの顔面上部からの異物混入を抑制することができると共に、部屋の照明などの映り込みをさらに抑制することができる。
【0048】
また、図6に示すような保護シールド1Bの構成にすることもできる。なお、上記説明した構成と同一の構成については、同一の符号を付し説明は省略することとする。
【0049】
すなわち、上記説明した保護シールド1は、左折り曲げ線17a及び右折り曲げ線17bを設けているものの、図6に示す保護シールド1Bは、これら折り曲げ線を設けていない。そして、上記説明した保護シールド1は、左第3切込部13a及び右第3切込部13bを設けているものの、図6に示す保護シールド1Bは、これら切込部を設けていない。そしてさらに、図6に示す保護シールド1Bは、上記説明した保護シールド1の左第1切込部12a及び左第2切込部14a、並びに、右第1切込部12b及び右第2切込部14bの構造が相違している。この点、以下詳しく説明する。
【0050】
図6に示すように、保護シールド本体10Bの左側面10aには、中央やや上面10cよりに、直角三角形状の左切欠部11Baが設けられている。そして、この左切欠部11Baと連通するように左第1切込部12Baが設けられている。具体的に説明すると、この左第1切込部12Baは、左切欠部11Baに連通する直線状の直線左切込部12Ba1と、直線左切込部12Ba1と連通する下向きフック状のフック左切込部12Ba2と、で構成されている。これにより、保護シールド1BにマスクM(図2参照)を装着する際、マスクMの左ゴム紐Mb(図2参照)の上部Mb1(図2参照)が、直線左切込部12Ba1を通って、フック左切込部12Ba2の先端12Ba2a(フック部分)に引っ掛けられることとなる。
【0051】
一方、図6に示すように、保護シールド本体10Bの右側面10bには、中央やや上面10cよりに、直角三角形状の右切欠部11Bbが設けられている。そして、この右切欠部11Bbと連通するように右第1切込部12Bbが設けられている。具体的に説明すると、この右第1切込部12Bbは、右切欠部11Bbに連通する直線状の直線右切込部12Bb1と、直線右切込部12Bb1と連通する下向きフック状のフック右切込部12Bb2と、で構成されている。これにより、保護シールド1BにマスクM(図2参照)を装着する際、マスクMの右ゴム紐Mc(図2参照)の上部Mc1(図2参照)が、直線右切込部12Bb1を通って、フック右切込部12Bb2の先端12Bb2a(フック部分)に引っ掛けられることとなる。
【0052】
他方、図6に示すように、保護シールド本体10Bの左側面10aには、下面10dよりに、直角三角形状の左切欠部19Baが設けられている。そして、この左切欠部19Baと連通するように左第2切込部14Baが設けられている。具体的に説明すると、この左第2切込部14Baは、左切欠部19Baに連通する直線状の直線左切込部14Ba1と、直線左切込部14Ba1と連通する上向きフック状のフック左切込部14Ba2と、で構成されている。これにより、保護シールド1BにマスクM(図2参照)を装着する際、マスクMの左ゴム紐Mb(図2参照)の下部Mb2(図2参照)が、直線左切込部14Ba1を通って、フック左切込部14Ba2の先端14Ba2a(フック部分)に引っ掛けられることとなる。
【0053】
一方、図6に示すように、保護シールド本体10Bの右側面10bには、下面10dよりに、直角三角形状の右切欠部19Bbが設けられている。そして、この右切欠部19Bbと連通するように右第2切込部14Bbが設けられている。具体的に説明すると、この右第2切込部14Bbは、右切欠部19Bbに連通する直線状の直線右切込部14Bb1と、直線右切込部14Bb1と連通する上向きフック状のフック右切込部14Bb2と、で構成されている。これにより、保護シールド1BにマスクM(図2参照)を装着する際、マスクMの右ゴム紐Mc(図2参照)の下部Mc2(図2参照)が、直線右切込部14Bb1を通って、フック右切込部14Bb2の先端14Bb2a(フック部分)に引っ掛けられることとなる。
【0054】
かくして、保護シールド1Bの構成にしたとしても、保護シールド1BにマスクMを装着することができる。それゆえ、保護シールド1Bにて、使用者Hの目元を保護することができる。
【0055】
ところで、図6に示すように、保護シールド本体10Bの中央部分には、中心軸線Oに沿って、窪み部15の頂部上に折り曲げ線15aが設けられている。これにより、マスクMを装着した保護シールド1Bを、使用者H(図3参照)が装着する際、折り曲げ線15aに沿って、保護シールド本体10Bが湾曲することとなる。それゆえ、使用者Hの顔の角度に合うように、使用者の鼻のラインに窪み部15を沿わせることができることとなる。
【0056】
また、保護シールド1Bでは、左第2切込部14Ba及び右第2切込部14Bbを設けるにあたり、保護シールド本体10Bの両側面(左側面10a、右側面10b)に設けるようにしたが、保護シールド1のように設けるのが好ましい。すなわち、図1に示すように、左第2切込部14a及び右第2切込部14bのように、保護シールド本体10の下面10dに設けるのが好ましい。図3に示すように、マスクMを使用者Hが装着した際、左ゴム紐Mb及び右ゴム紐Mcは、側面側に力が加わることとなる。そのため、図6に示す左第2切込部14Ba及び右第2切込部14Bbのように、保護シールド本体10Bの両側面(左側面10a、右側面10b)に設けていると、左第2切込部14Ba及び右第2切込部14Bbから、左ゴム紐Mb及び右ゴム紐Mcが、抜け出てしまう可能性がある。それゆえ、図1に示す左第2切込部14a及び右第2切込部14bのように、保護シールド本体10の下面10dに設けていれば、マスクMの左ゴム紐Mb及び右ゴム紐Mcをより外れ難くすることができる。そのため、図1に示す左第2切込部14a及び右第2切込部14bのように、保護シールド本体10の下面10dに設けるのが好ましい。
【0057】
一方、本実施形態にて示した保護シールド1,1A,1Bに装着されるマスクMは、あくまで一例であり、どのようなマスクにも適用可能である。
【符号の説明】
【0058】
1,1A,1B 保護シールド
10,10A,10B 保護シールド本体
10a 左側面
10b 右側面
10c 上面
10d 下面
12a,12Ba 左第1切込部(第1切込部)
12b,12Bb 右第1切込部(第1切込部)
13a 左第3切込部(第3切込部)
13b 右第3切込部(第3切込部)
14a,14Ba 左第2切込部(第2切込部)
14b,14Bb 右第2切込部(第2切込部)
15 窪み部
15a 折り曲げ線
17a 左折り曲げ線(折り曲げ線)
17b 右折り曲げ線(折り曲げ線)
18A 左連結部(連結部)
18Aa 左第1嵌合部(第1嵌合部)
18Ab 左第2嵌合部(第2嵌合部)
18B 右連結部(連結部)
18Ba 右第1嵌合部(第1嵌合部)
18Bb 右第2嵌合部(第2嵌合部)
O 中心軸線
H 使用者
M マスク
Mb 左ゴム紐(耳掛け部)
Mb1,Mc1 上部
Mc 右ゴム紐(耳掛け部)
Mb2,Mb2 下部
図1
図2
図3
図4
図5
図6