(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】データ計測システム及び建物設備制御システム
(51)【国際特許分類】
G01D 21/00 20060101AFI20240216BHJP
G08C 17/00 20060101ALI20240216BHJP
G08C 17/02 20060101ALI20240216BHJP
F24F 11/58 20180101ALI20240216BHJP
F24F 110/10 20180101ALN20240216BHJP
F24F 120/14 20180101ALN20240216BHJP
F24F 110/70 20180101ALN20240216BHJP
F24F 110/64 20180101ALN20240216BHJP
F24F 110/20 20180101ALN20240216BHJP
【FI】
G01D21/00 K
G08C17/00 A
G08C17/02
F24F11/58
F24F110:10
F24F120:14
F24F110:70
F24F110:64
F24F110:20
(21)【出願番号】P 2018216909
(22)【出願日】2018-11-19
【審査請求日】2021-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】509221135
【氏名又は名称】株式会社日建設計総合研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000152424
【氏名又は名称】株式会社日建設計
(74)【代理人】
【識別番号】100103399
【氏名又は名称】橋本 清
(72)【発明者】
【氏名】山村 真司
(72)【発明者】
【氏名】鶴見 隆太
(72)【発明者】
【氏名】栄 千治
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0003890(KR,A)
【文献】特開2018-067314(JP,A)
【文献】特開2018-033977(JP,A)
【文献】特開2007-328486(JP,A)
【文献】特開2004-326264(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0305013(US,A1)
【文献】特開2005-339408(JP,A)
【文献】特開2018-146183(JP,A)
【文献】特表2014-503376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 21/00
G08C 17/00
G08C 17/02
F24F 11/58
F24F 110/10
F24F 110/20
F24F 110/64
F24F 110/70
F24F 120/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律移動ロボットと、建物設備と、クラウドサーバと、これらを接続する通信回線と、から構成される建物設備制御システムであって、
前記自律移動ロボットは、
本体に車輪を配置すると共に、駆動装置を配設した移動台車と、
前記移動台車上に設置した支持台体と、
前記支持台体に装備した、温度、湿度、照度、風量及び表面温度という建物環境データを計測する計測装置と、PM2.5濃度及びCO2濃度という健康環境データを計測する計測装置と、体表面温度というバイタル(生体)データを計測する計測装置と、から構成される計測装置と、
環境地図生成部と、環境地図記憶部と、走行経路生成部と、駆動制御部と、データ制御部と、通信制御部と、から構成される制御装置と、
から構成され、施設内で自律走行するものであって、
前記建物設備は、空調装置、換気装置及び照明装置であって、
前記自律移動ロボットは、前記通信回線を介して、前記クラウドサーバに、走行経路におけるスタート、ゴール、停止地点における前記建物環境データ、前記健康環境データ及び前記バイタル(生体)データを計測、送信し、
前記クラウドサーバは、前記自律移動ロボットから受信した前記建物環境データ、前記健康環境データ及び前記バイタル(生体)データを解析、処理し、前記通信回線を介して、前記建物設備に、
空調制御、照明制御の指令データを送信し、
前記指令データによって、前記建物設備にフィードバック制御を実施して、
温度、照度という施設内環境を最適化することを特徴とする建物設備制御システム。
【請求項2】
前記バイタル(生体)データの解析、処理結果によって、管理担当者は、観察対象者にバイタル情報を提供することを特徴とする請求項1に記載の建物設備制御システム。
【請求項3】
前記自律移動ロボットは、前記計測装置として、LIDAR(レーザー測域センサ)を装備し、施設内の壁面、柱面との距離を計測しつつ自律走行することを特徴とする請求項1に記載の建物設備制御システム。
【請求項4】
前記自律移動ロボットを施設内の壁面、柱面に沿って走行させ、前記LIDAR(レーザー測域センサ)によって前記自律移動ロボットと壁面、柱面との距離を計測して、前記環境地図生成部において、前記自律移動ロボットの移動履歴と
移動位置における距離計測値とを対応させ、自律走行させる範囲の環境地図を作成することを特徴とする請求項3に記載の建物設備制御システム。
【請求項5】
前記自律移動ロボットは、走行経路に沿って移動する途上において、
人物、物体という障害物が存在する場合には、前記LIDAR(レーザー測域センサ)がこれら障害物を検知し、障害物の周囲を迂回して移動していくことを特徴とする請求項3に記載の建物設備制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療福祉施設、商業施設、オフィス等における環境データ及び生体データを計測するデータ計測システム、及び、それら計測したデータに基づいて、医療福祉施設、商業施設、オフィス等の建物に設置された設備を効率的に制御する建物設備制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、病院、介護施設等の医療福祉施設において、看護師、介護士等の労力を軽減するために、配給膳、寝具類、洗濯物等を搬送する自律移動ロボットが使用されるようになってきた。
自律移動ロボットは、さらに、病院、介護施設内に収容する患者、被介護者のバイタルデータ(生体データ)の計測、空港、商業施設等における人流データの把握、不審者、徘徊者の特定にも利用されることが期待されている。
【0003】
しかし、自律移動ロボットによる環境データ、生体データの計測、収集は、未だ、概念段階の域を超えてはおらず、現在、その手法については鋭意研究、開発中であるというのが実情である。
ここで、自律移動ロボットを利用して生体データを計測する手法として、自律移動ロボットにバイタルデータ取得装置3、表面温度データ取得装置5を配設して、生体データを取得する手法が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1によれば、表面温度データ取得装置5によって表面温度を計測して観察対象が人間であることを特定し、特定した観察対象者に自律移動ロボットを近接させ、バイタルデータ取得装置3によって観察対象者の呼吸数、脈拍数、体表面温度等を計測することができる。
【0006】
しかし、それらバイタルデータを計測しただけでは、直ちに、観察対象者に対して有益なサービスを提供することはできない。すなわち、観察対象者に影響を及ぼす周囲の環境をも計測して、観察対象者にその結果を反映させる必要がある。
そのためには、時間的変化、季節的変化等も考慮して、観察対象者の存在する空間における環境データを経時的に計測し、その空間の環境を変化させる建物設備を最適に制御しなければならない。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みて為されたものであって、時間的変化、季節的変化等も考慮して、観察対象者の存在する空間における環境データを経時的に計測し、観察対象者にその結果を反映させて、有益なサービスを提供することができるデータ計測システムを提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、又、計測した環境及び生体データに基づいて、観察対象者の存在する空間の建物設備を最適に制御する建物設備制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の建物設備制御システムは、
自律移動ロボットと、建物設備と、クラウドサーバと、これらを接続する通信回線と、から構成される建物設備制御システムであって、
前記自律移動ロボットは、
本体に車輪を配置すると共に、駆動装置を配設した移動台車と、
前記移動台車上に設置した支持台体と、
前記支持台体に装備した、温度、湿度、照度、風量及び表面温度という建物環境データを計測する計測装置と、PM2.5濃度及びCO2濃度という健康環境データを計測する計測装置と、体表面温度というバイタル(生体)データを計測する計測装置と、から構成される計測装置と、
環境地図生成部と、環境地図記憶部と、走行経路生成部と、駆動制御部と、データ制御部と、通信制御部と、から構成される制御装置と、
から構成され、施設内で自律走行するものであって、
前記建物設備は、空調装置、換気装置及び照明装置であって、
前記自律移動ロボットは、前記通信回線を介して、前記クラウドサーバに、走行経路におけるスタート、ゴール、停止地点における前記建物環境データ、前記健康環境データ及び前記バイタル(生体)データを計測、送信し、
前記クラウドサーバは、前記自律移動ロボットから受信した前記建物環境データ、前記健康環境データ及び前記バイタル(生体)データを解析、処理し、前記通信回線を介して、前記建物設備に、空調制御、照明制御の指令データを送信し、
前記指令データによって、前記建物設備にフィードバック制御を実施して、温度、照度という施設内環境を最適化することを特徴とする建物設備制御システムである。
【0010】
又、前記バイタル(生体)データの解析、処理結果によって、管理担当者は、観察対象者にバイタル情報を提供することを特徴とする。
【0011】
ここで、前記自律移動ロボットは、前記計測装置として、LIDAR(レーザー測域センサ)を装備し、施設内の壁面、柱面との距離を計測しつつ自律走行することを特徴とする。
【0012】
又、本発明のデータ計測システムは、前記自律移動ロボットを施設内の壁面、柱面に沿って走行させ、前記LIDAR(レーザー測域センサ)によって前記自律移動ロボットと壁面、柱面との距離を計測して、前記環境地図生成部において、前記自律移動ロボットの移動履歴と移動位置における距離計測値とを対応させ、自律走行させる範囲の環境地図を作成することを特徴とする。
【0013】
又、前記自律移動ロボットは、走行経路に沿って移動する途上において、人物、物体という障害物が存在する場合には、前記LIDAR(レーザー測域センサ)がこれら障害物を検知し、障害物の周囲を迂回して移動していくことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のデータ計測システムによれば、観察対象者の存在する空間における環境データ及び生体データを経時的に計測し、観察対象者にその結果を反映させて、有益なサービスを提供することができる。
【0016】
本発明の建物設備制御システムによれば、計測した環境及び生体データに基づいて、観察対象者の存在する空間の建物設備を最適に制御することができる。
【0017】
さらに、管理担当者は、観察対象者にバイタル情報を提供することができると共に、適切な助言をすることができ、観察対象者の健康維持におおいに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の自律移動ロボットの外観斜視図である。
【
図2】
図1に示す自律移動ロボットの制御装置の概略構成図である。
【
図3】自律移動ロボットを走行する環境地図の一実施例を示す平面図である。
【
図4】本発明のデータ計測システムの概念図である。
【
図5】所定空間内における温度の時間変化を示すグラフである。
【
図6】所定空間内における(A)は湿度の時間変化を、(B)はPM2.5濃度の時間変化を、(C)はCO2濃度の時間変化を示すグラフである。
【
図7】試験的に自律移動ロボットを走行させて、適宜位置において環境及び生体データを計測したオフィス空間の平面図である。
【
図8】
図6に示すオフィス空間において計測した温度の時間変化を示す三次元棒グラフである。
【
図9】
図6に示すオフィス空間において計測したPM2.5濃度の時間変化を示す三次元棒グラフである。
【
図10】
図6に示すオフィス空間の窓部近傍において計測した表面温度のサーモグラフィである。
【
図11】本発明の建物設備制御システムの概念図である。
【
図12】本発明の建物設備制御システムをオフィス空間に適用した場合の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のデータ計測システムの好適な実施形態について、以下、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
本発明のデータ計測システム100は、
図4に示すように、自律移動ロボット1と、コンピュータ7と、クラウドサーバ101と、これらを接続する通信回線102,103と、から構成される。
【0021】
自律移動ロボット1は、
図1に示すように、移動台車2と、支持台体3と、計測装置4と、制御装置5と、から構成される。
【0022】
移動台車2は、本体21の左右両側に車輪22,22を、前側に小車輪23を配置し、本体21に駆動装置24を載置してある。
【0023】
支持台体3は、支持板31,32,33を支持脚34,35,36によって連結したものである。
【0024】
計測装置4は、LIDAR(レーザー測域センサ)41と、温湿度センサ42と、照度センサ43と、風速計44と、表面温度計45と、サーマルカメラ46と、PM2.5センサ47と、CO2センサ48と、から構成される。
【0025】
制御装置5は、
図2に示すように、環境地図生成部51と、環境地図記憶部52と、走行経路生成部53と、駆動制御部54と、データ収集部55と、通信制御部56と、から構成される。
【0026】
自律移動ロボット1は自律走行するから、自律移動ロボット1とクラウドサーバ101とを接続する通信回線102は、一部を無線通信とする、インターネットとしてある。
一方、コンピュータ7とクラウドサーバ101とを接続する通信回線103は、全部を有線通信とする、インターネットとしてもよい。
【0027】
よって、コンピュータ7は、クラウドサーバ101を介して、自律移動ロボット1に、
環境地図データ、走行経路データ、スタート、ゴール、停止地点のデータ等、設定情報を送信する。
【0028】
反対に、自律移動ロボット1は、クラウドサーバ101を介して、コンピュータ7に、
走行経路の途上における、又、停止地点における温度、湿度、照度、風量、表面温度、PM2.5濃度、CO2濃度等の各種センサデータを送信する。
【0029】
自律移動ロボット1を走行させる範囲の環境地図は、
図3に示すように、予め、コンピュータ7において作成しておき、自律移動ロボット1の制御装置5の環境地図記憶部52に環境地図データとして格納しておいてもよい。
【0030】
又、病院、介護施設、空港、商業施設等の施設内の壁面、柱面に沿って、自律移動ロボット1を走行させ、LIDAR41によって自律移動ロボット1と壁面、柱面との距離を計測することによって、環境地図生成部51において、自律移動ロボット1の移動履歴と当該位置における距離計測値とを対応させ、
図3に示すように、自律走行させる範囲の環境地図を作成するようにしてもよい。
【0031】
自律移動ロボット1の走行経路を設定するには、先ず、コンピュータ7の入力装置72を操作し、環境地図記憶部52から環境地図データを取り出し、
図3に示すように、表示装置71上に環境地図を表示させる。
【0032】
そして、
図3に示すように、スタートとゴール地点を設定し、さらに、走行経路における停止地点を設定すれば、走行経路生成部53において、スタート地点、停止地点、ゴール地点に至る走行経路が設定される。
【0033】
次に、操作者は、リモートコントローラーを操作して、自律移動ロボット1をスタート地点まで移動させ、自律移動ロボット1を自律走行モードにすれば、自律移動ロボット1は、前記走行経路に沿って走行していく。
【0034】
このとき、自律移動ロボット1は、LIDAR41によって壁面、柱面との距離を計測しつつ移動するから、環境地図を参照することによって、自律移動ロボット1の位置及び方向を自動認識することができる。
【0035】
走行経路に沿って移動する途上において、人物、物体等の障害物が存在する場合には、LIDAR41がこれら障害物を検知して、障害物の周囲を迂回して移動していく。
【0036】
そして、
図3に示すように、停止地点に到達すると、自律移動ロボット1は、所定時間停止し、温湿度センサ42、照度センサ43、風速計44、表面温度計45、サーマルカメラ46、PM2.5センサ47、CO2センサ48によって、当該地点における温度、湿度、照度、風量、表面温度、PM2.5濃度、CO2濃度等を測定する。
【0037】
ここで、当該地点における温度、湿度、表面温度、PM2.5濃度、CO2濃度は、別途、壁面、柱面等に固定された当該センサ類によって計測したところ、例えば、
図5及び6に示すような状態であった。
【0038】
その後、自律移動ロボット1は、再度、移動を開始し、走行経路に沿って走行し、ゴール地点に至って停止する。
【0039】
実施例1
図7に示すオフィス空間において、測定点1を自律移動ロボット1のスタート地点として設定し、測定点2,3,・・・,15,16の順路に沿って自律移動ロボット1を自律走行させた。
【0040】
走行経路の各測定点において、自律移動ロボット1を一旦停止させ、当該地点における温度、湿度、照度、風量、表面温度、PM2.5濃度、CO2濃度等を計測した。
【0041】
そして、測定点16から7,6と逆順路に沿って自律移動ロボット1を自律走行させ、測定点1を自律移動ロボット1のゴール地点として設定した。
【0042】
ここで、自律移動ロボット1の1回の自律走行において、測定点は16地点、自律走行時間は45分であった。
そして、上記の如き自律走行を、1日において、11:30~、12:30~、13:30~、14:30~、16:00~の5回実施して、環境データ及び生体データの計測を行った。
【0043】
その結果、温度データは、
図8に示すようなものであり、PM2.5濃度データは、
図9に示すようなものであった。
これによれば、
図7に示すオフィス空間において、室内の温度、PM2.5濃度は、空間の場所によって大いに異なることが分かった。
【0044】
又、窓部近傍に位置する測定点9における表面温度の画像データは、
図10に示すようなものであった。
これによれば、人体の表面温度と窓部近傍の壁面の表面温度とでは、大いに異なることが分かった。
【0045】
次に、本発明の建物設備制御システムの好適な実施形態について、以下、図面を参照して詳細に説明する。
【0046】
本発明の建物設備制御システム200は、
図11及び12に示すように、自律移動ロボット1と、空調装置301、換気装置302、照明装置303等の建物設備300と、クラウドサーバ201と、これらを接続する通信回線202,203と、から構成される。
ここで、自律移動ロボット1は、オフィス、医療福祉施設等において在室者に違和感を生じさせないよう、人間に模したカバーを被せてある。
【0047】
ここで、自律移動ロボット1は自律走行するから、自律移動ロボット1とクラウドサーバ201とを接続する通信回線202は、一部を無線通信とする、インターネットとしてある。
一方、建物設備300とクラウドサーバ201とを接続する通信回線203は、全部を有線通信とする、インターネットとしてもよい。
【0048】
よって、自律移動ロボット1は、通信回線202を介してクラウドサーバ201に、スタート、ゴール、停止地点の各種計測データを送信する。
【0049】
そして、クラウドサーバ201では、受信した各種計測データを解析、処理し、通信回線203を介して建物設備300に、空調、照明制御等の指令データを送信する。
【0050】
この指令データによって、空調装置301、換気装置302、照明装置303等の建物設備300には、人間の所在等を考慮したフィードバック制御が実施され、温度、照度等を最適化することができる。
【0051】
このように、本発明のデータ計測システム100及び建物設備制御システム200によれば、一日の所定時刻に、又、年間の所定月日に、自律移動ロボット1を病院、介護施設、空港、商業施設等の施設内で走行させて、種々データを計測、収集すれば、一日の時刻、年間の月日に対応、最適化させた、空調、照明制御等を実施することができる。
【0052】
バイタルデータについても、自律移動ロボット1、通信回線202を介して、クラウドサーバ201に計測データが送信されるので、クラウドサーバ201において、それら計測データが解析、処理される。
よって、管理担当者は、観察対象者にバイタル情報を提供することができると共に、適切な助言をすることができ、観察対象者の健康維持におおいに貢献することができる。
【0053】
尚、計測、収集するデータは、温度、湿度、照度等の建物環境データ、CO2濃度、PM2.5濃度等の健康環境データ、体表面温度、脈拍、心拍等のバイタルデータに限定されるものではない。
例えば、人感センサによって居在者の有無を検知し、人流センサによって人流を把握したり、画像認識センサによって、人間の顔を認識し、徘徊者、不審者を特定したりすることもできる。
【符号の説明】
【0054】
1 自律移動ロボット
2 移動台車
3 支持台体
4 計測装置
41 LIDAR
42 温湿度センサ
45 表面温度計
47 PM2.5センサ
48 CO2センサ
5 制御装置
7 コンピュータと
100 データ計測システム
101 クラウドサーバ
102 通信回線
103 通信回線
200 建物設備制御システム
201 クラウドサーバ
202 通信回線
203 通信回線
300 建物設備
301 空調装置